ほむ「……さて、どうしてこういうことになったのか、聞かせてくれる?」
杏子「いやぁ……まぁなんつーか、流れ?」
まど「こういうこと?」
ほむ「…………」
杏子「ま、まどか…腕、ちぃっとばかし痛い」
まど「はわっ!? ご、ごめんねっ……強く抱き締め過ぎちゃったかな?」
杏子「やっ、大したほどじゃねーんだけどさっ、アハ、アハハ…」
ほむ「…………」ゴゴゴゴゴ
杏子(うひゃ~~~~……)
元スレ
まどか「杏子ちゃん大々々好きー」 杏子「……暁美ほむら、悪いな」
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1301407776/
さや「杏子とまどかがデキてる?」
ほむ「…………」
さや「……ぷっ」
ほむ「…………」
さや「あっはっはっはっ! なに、アンタそんな冗談言う奴だったっけ? 馬鹿言わないでよもうっ」
ほむ「……そうね、貴方に相談しようなんて思った私が馬鹿だったわ」
さや「えっ、なんだって?」
ほむ「なんでもないっ」
まど「杏子ちゃんは学校って行かないの?」
杏子「あぁ? そんなもん行くだけ無駄だろー。あんなとこに必要なものは何もねーよ。魔法少女にとっては、な」
まど「そうかな……? 私は、杏子ちゃんと一緒に登校したり、お昼ご飯食べたり、お勉強とかも、してみたいなぁ」
杏子「まどか……」
まど「それはきっと楽しいよ。ねぇ杏子ちゃん。そういうのって本当に、無駄なことなのかな?」
杏子「…………ちっ、仕方ねぇなぁ」
ほむ「どうして貴女がここに居るの」
杏子「えー、今日から転校してきた佐倉杏子でっす。よろしくっ!」
ほむ「質問に答えなさい杏子!」
まど「ま、まぁまぁほむらちゃん、落ち着いて」
ほむ「まどか……まさか貴女の……」
杏子「いや、ほら、たまにはこういうのもいいかなーってな。そうっ、それだけ!」
まど「へへっ、これでいつでも一緒にいられるね杏子ちゃんっ」
ほむ「っ!?」ゴアァッ
杏子(ひぃっ!?ま、まどかのやつ~~~っ)
まど「はい杏子ちゃん。あーんっ」
杏子「あ、あーん……」
ほむ「」
まど「えへっ、美味しいかな?」
杏子「あ、ああ、うまいよ、うまい」
ほむ「」
さや「ははーん、なるほど。確かにこれは……」
ほむ「こんなっ……こんな未来は認めない!」
ほむ「私の戦場はここではないもの!私もう帰る!私過去に帰らせて頂きます!」
マミ「ちょっと落ち着きなさい暁美さん。貴女らしくもない」
ほむ「ハッ」
マミ「随分とお困りのようね?」
ほむ「……また一人話を聞かない人が(ボソッ」
マミ「何か言ったかしらー?」
ほむ「いいえ、何も」
まど「えへっ、杏子ちゃんと一緒に下っ校~♪下っ校~♪」
杏子「おいおい、そんな喜ぶことかぁ?」
まど「うんっ、嬉しいよ。ずっと憧れだったから」
杏子「そ、そっか////」
まど「……ねぇ杏子ちゃん。手、繋いでもいい?」
杏子「なっ……ま、まどか、お前なぁ……っ」
ほむ「その必要はないわ!」シュピンッ
マミ「あら奇遇ね二人とも。今帰り?」
杏子「てめぇらどっから湧いて……」
ほむ「奇遇ね、本当に奇遇だわ。奇遇ついでに一緒に帰りましょう?」
杏子「いやてめぇら家の方向全然違……」
マミ「さぁ、そうと決まれば美味しいクレープでも食べに行かない? とっておきのお店があるの」
まど「えっ、あ……はいっ、それ、いいですね」
ほむ「ふっ……」
杏子「むっ……」
──────────────
マミ「まどかちゃんを狙ってるのは貴女一人だけではないのよ」
ほむ「巴マミ……」
マミ「とはいえ、今は強大な敵を前に私達が争っている場合ではない。わかるわね?」
ほむ「……なるほど、そういうこと」
マミ「話が早くて助かるわ。では行きましょう。こうしてる間にも二人がいいムードになっちゃってるかもしれないわ!」
ほむ「ハッ、こうしてはいられない。私に捕まりなさい巴マミ!」
マミ「ええ、さっさとケリを付けるわよ!」
──────────────
まど「わぁ、杏子ちゃんのクレープ美味しそう」
杏子「ん……食うかい?」
まど「えっいいのかな? ありがとう!」パクッ
杏子「じゃ、まどかのももーらいっ」パクッ
まど「ああっ!? もうっ、杏子ちゃんったら!」
杏子「はははっ」
マミ「」
ほむ「」
さや「……二人共何やってんの?」
ほむ「まどかが遠い所に行ってしまった……!」
マミ「彼女は私の妹(スール)になってくれるかもしれない女性だった……!」
さや「はぁ?」
まど「きょーうっこちゃんっ♪」
杏子「おいよせってまどか。みんな見てんだろ////」
さや「ああ、アレね」
ほむ「今なら簡単に魔女になれそうな気がする……貴女の気持ちが少しわかったわ、美樹さやか」
さや「そりゃどーも」
杏子「……魔女?」
マミ「どうしたの佐倉さん?」
杏子「いや、なんつーか……なんか大事なことを忘れてるような……」
まど「杏子ちゃん?」
QB「そうだね、僕を忘れるなんてとんでもないなぁ」
魔法少女s「!!!」
QB「やぁまどか、願いはもう決まったかい?」
まど「キュウべぇ……」
スッ
杏子「下がってろまどか」
QB「あれ、どうしたのさみんな怖い顔して」
杏子「まどかは魔法少女になんかさせねぇ」
QB「……へぇ、そうかい。面白いことになってるね」
まどか「杏子ちゃん……」
マミ「私も居るわよ、QB」
QB「やぁマミ。君もまどまど派かい?」
マミ「最近ほむほむも捨てがたいなと思ってるわ」
QB「ふーん、あっそ。君はどうだい、美樹さやか」
さや「いや、あたしノンケだからこいつらと一緒にしないで」
ほむ「ハッ」
ほむ「彼氏寝取られた癖に(ボソッ」
さや「……あまり蒸し返すと魔女化するわよ」
ほむ「ごめんなさい」
さや「でもまぁ、まどかを魔法少女にってのはあたしも反対」
QB「そうか。君はホントに愛されてるね鹿目まどか」
まど「いやぁ、それほどでも」
杏子「わかったらさっさと失せな。それともアタシ達相手にするつもりかい?」
QB「うーん……確かに4人全員建材ならワルプルギスの夜も大した敵じゃないかもしれないね」
杏子「アタシが居る限りまどかに手出しはさせないよ!」
まど「杏子ちゃんっ////」
ほむ「…………」
マミ「どうしたの暁美さん?」
ほむ「正直もう一周やり直したい……」
さや「まだ言ってるし。何周してもこんなチャンス滅多に来ないでしょ」
ほむ「うぅ……まどかぁ」
QB「じゃあ今夜決戦だね。頑張ってワルプルギスの夜を倒してよ」
杏子「言われなくてもわかってらぁ」
まど「えっ、今夜? もう?」
ほむ「まぁ準備は万全だけれど」
マミ「ケリは早く付けるに越したことないわね」
さや「いっちょやってやりますか!」
QB「…………」
閑話
──────────────
杏子「アンタが最強の魔法少女に、ねぇ」
まど「えっ……と」
杏子「にわかには信じられねーけど……ま、いいさ。共同戦線自体は悪くない。QBの真意も気になるしな」
ほむ「そう、それじゃあよろしく」
さや「むぅ…………」
マミ「こらこらさやかちゃん。新しい仲間なんだから、仲良くしなきゃ」
さや「……はぁい。マミさんがそう言うなら」
杏子「じゃ、アタシはこれで」
まど「えっ?」
杏子「なぁに不思議そうな顔してんだよ。アタシは一緒に戦うとは言ったけど、普段から馴れ合うつもりはねぇよ」
まど「どうして?」
杏子「いやどうしてって言われてもさぁ。仲良しごっこで魔女が倒せるのかよ。お前、魔法少女ナメてるだろ」
まど「でも、私達もう仲間で、友達だよね? だったら一緒に居てもいいと思うんだけど……」
杏子「だからさぁ……!」
まど「一人は寂しいよ……それはきっと、魔法少女だからとか関係ないよ」
杏子「っ!」
まど「だから、佐倉さん……」
杏子「…………こでいい」
まど「えっ?」
杏子「杏子でいいよ。まどか」
まど「……えへへっ、うん、よろしくね杏子ちゃん」
ほむ「」ザワッ
杏子「!」ビクゥッ
マミ「さぁて、それじゃあ恒例のアレ、やりましょうか。クッキーを焼いてあるの」
さや「やった!マミさんちでおっ茶会おっ茶会♪」
────────────
─────
───
まど「それじゃあ、杏子ちゃん。今日はありがとう」
杏子「あ? なんでお前がアタシにお礼するんだよ」
まど「だって、みんなで楽しく話してる時もなんだか杏子ちゃん、つまんなさそうだったし……やっぱり嫌だったのかな、って」
杏子「いや、あれは……あ、暁美ほむらだってずーっと黙ってばかりだったじゃねーか」
まど「ほむらちゃんは元々大人しい子だから……」
杏子「あー……いや、アレは……なんつーかただ、き、緊張してたっていうか……」
まど「えっ?」
杏子「ああもうっ! ああいうの慣れなくて緊張してたんだよ! 察しろ馬鹿!」
まど「ば、馬鹿って…………ごめん」
杏子「あっ……いやっ、まー、なんだ。たまにはさ、あーゆーのもいいかなぁって、感じだったけどさっ」
まど「杏子ちゃん……」
杏子「じゃあなっ」
まど「あっ、待って」
杏子「なんだよ……まだ何か」
まど「杏子ちゃんって独り暮らしなのかな?」
杏子「そうだけど、だからなんだよ」
まど「アドレス、交換しようよ」
杏子「えっ、あー」
まど「メールしようよ。あ、なんだったら電話も。私、夜暇だし……」
杏子「…………ちっ、しょーがねぇなぁ」
杏子「………………」
杏子「受信メール3件」
杏子「全部アイツ。最後のメールは……」
『ごめんね、もう寝ちゃったかな?
今日は本当にありがとう。これからみんなで一緒にキュウべぇに負けないよう頑張っていこうね!』
杏子「いや、起きてる。起きてるんだけどさぁ」
杏子「……メールって何書けばいいんだ?」
杏子「てかアタシ、こういうの初めてじゃね?」
杏子「初めての……友達……?」
杏子「友達かぁ……」
from杏子
まぁこういうのも悪くないかな。って思った。
他人と接するのが楽しかったのは、たぶん魔法少女になってから初めてだ。
まどかのおかげだよ。ありがとう。
おやすみ
閑話終わり
杏子「まどか、ボッキー食うかい?」
まど「わぁ、ありがとう」
マミ「お茶が入ったわよー」
さや「……なんか余裕だね。これから決戦って時に」
ほむ「実際余裕よ。魔法少女が4人も居て勝てない相手じゃない」
さや「そっか……まぁあんたが言うならそんなんだろうけど」
ほむ「そうよ」モグモグ
杏子「あっ、てめぇほむら! それはまどかにあげたんだぞ!」
ほむ「モグモグモグモグ」
まど「あはは、ほむらちゃん詰め込み過ぎだよぅ」
杏子「ぐぬぬ」
ほむ「……来たわね」
さや「ソウルジェムが震えてる……」
杏子「さて……んじゃまぁいっちょ行くとするか!」
マミ「気を引き締めて行きましょう!」
まど「みんな気を付けようね」
杏子「まどか、お前は留守番だ」
まど「えっ?」
まど「どうして?」
杏子「どうしてもだよ」
ほむ「あら、もしかしてビビってるのかしら?」
杏子「そうじゃねぇよ!」
まど「杏子ちゃん。心配してくれるのは嬉しいよ。でも、私は……」
さや「今更言っても無駄だよ佐倉」
マミ「大丈夫よ。4人も居るんだから、いざとなってもまどかちゃんを守るくらいどうってことないわ」
杏子「……………」
マミ「いつも通り佐倉さんと美樹さんが前衛、私が後衛で暁美さんが遊撃。で、いいかしら?」
杏子「待った。アタシが遊撃でもいいかい」
マミ「あら、そうね……まぁ大丈夫だと思うんけど」
さや「いざって時に真っ先にまどかんとこに向かえるから?」
ほむ「むっ……」
杏子「いや……まぁ……うん」
マミ「わかりました。佐倉さんが遊撃、美樹さんが前衛で私と暁美さんが美樹さんの援護ということで、オーライ?」
さや「えー……ちょっと私の負担重くない?」
杏子「そうならないよう頑張るからさ、任せとけって」
マミ「愛ねぇ」
ほむ「ほむむむむ」
QB「やぁ君達、お揃いのようだね」
杏子「壮観だろ? さしずめ反キュウべぇ包囲網ってとこか」
ほむ「今回こそ……イケる!」
QB「うん、せいぜい頑張るといい。ワルプルギスはそんじょそこらの魔女じゃないからね。気を付けるんだよ」
杏子「ちっ……なんでアタシらの心配してんだよ。相変わらずわけわからねぇ」
QB「そりゃあするさ。君達は大事な大事な魔法少女だからね」
さや「魔女の卵、の間違いでしょ」
マミ「来るわよ! 準備して!」
ええいーーえーあーー(Magia)
マミ「飛ばしていくわよ! ティロ・フィナーレ!」
ほむ「飛ばし過ぎでしょう……フィナーレじゃないし」
マミ「細かいことはいいのよ」
杏子「合わせろやぁっ!さやかぁっ!」
さや「んっ!」
ズバァXァアア
ほむ(凄い……これなら本当に……!)
まど「みんな……」
QB「まどか。君は本当に強い子だ」
まど「……キュウべぇ」
QB「あそこにいる誰もが君のために戦っている。なによりも、君を守るために」
まど「…………」
QB「他人を惹き寄せる力。他人を勇気付ける力。君は天下一品さ」
まど「何が言いたいの?」
QB「だから要するに、君のために戦う者達の弱点はどうしたって君ってことさ」
まど「!」
杏子「っ! あの野郎仕掛けてきやがったな! まどかぁ!」
マミ「こっちはいいから、行ってきなさい!」
さや「まどかを頼んだわよぉっ!」
ほむ「…………」
杏子「ああ! 言われなくたって!」
ワルプ(分)「オォォオォォオォォォォ……」
まど「っ……杏子ちゃん……っ」
杏子「まどかああああ!!!」
まど「杏子ちゃんっ!」
ほむ(何かおかしい……いくらなんだって、簡単過ぎるわ……)
マミ「暁美さん……?」
さや「ちょっとぉ! しっかり援護してよ!」
マミ「あら、ごめんあそば……せっ!」
QB「君達はいつもそうだ」
杏子「まどか……!」
まど「ごめん……ごめんなさい。私、足引っ張って……」
QB「いつだって目先のことしか見えてない。もっと大きな視野を持てば僕の言うことも理解できるはずなのに」
杏子「いいんだ。あんたはアタシが守るから、気にすんな!」
まど「杏子ちゃん……っ」
QB「全く、馬鹿だなぁ」
ワルプ「ヒャォオォオオオォオオオォォ!!!」
杏子「!!!」
まど「えっ……?」
ほむ「……ハッ!」
マミ「まさか……」
さや「うそ……っ」
ほむ「やられた……あっちが本体!?」
QB「誰もそっちがワルプルギスの夜だなんて言ってないよね」
杏子「キュウべぇ……てめぇ……!」
杏子「ま、まどか! 早く逃げ……っ!」
どすっ
まど「……きょう……こちゃん……?」
杏子「……アレ?」
まど「杏子、ちゃ……ソウルジェムが……」
杏子「ハハ……なる、ほど……キュウべぇ……てめぇの……狙い、は……」
パリィン
QB「別にワルプルギスの夜も、魔法少女も、どうというものでもないのさ」
QB「だってそうだろう。まどかさえ魔法少女に、いや……魔女になってくれれば、それで僕の目的は果たせるのだから」
QB「さぁ鹿目まどか。君の願いを事を叶えてあげる。だから……」
QB「君には魔法少女になってもらうよ」
シュピンッ
ほむ「ダメよまどか!そいつの言うことに耳を貸さないで!」
まど「ほむら……ちゃ……」
QB「よく言うよ。君の慢心が招いた結果だろうに」
ほむ「っ!」
QB「普段の君の判断力と、その能力があれば佐倉杏子を助けられただろうに」
ほむ「くっ……!」
まど「…………」
QB「さぁ、まどか。早くしないと、状況は刻一刻と変わりつつあるよ」
マミ「そんな……佐倉さんが……」
さや「くっ、暁美と佐倉の抜けた穴が……あっ!」
さや「マミさん! 上ぇっ!」
マミ「えっ?」
マミッ
ワルプ「オォォオォォオォォ…………」
ほむ「ぐぅっ!」
まど「杏子ちゃん……」
QB「…………」
ほむ「まどかぁっ! ダメっ……ダメよぉ!」
まど「杏子……ちゃん……」
QB「まどか、君の願いは」
まど「私の、願いは……」
ちょっとまえのはなし
──────────────
まど「わぁ! 凄いね杏子ちゃん!」
杏子「だろー? ここはこの街でいっちゃん高い場所なのさ」
まど「綺麗な景色……私こんなの見たの初めてだよ」
杏子「アタシも気に入ってる。だから、まどかにも見せたいと思ったんだ」
まど「杏子ちゃん……ありがとう」
杏子「まどかからは色んなもん一杯もらってっかんなー。これくらいはね」
まど「……ねぇ、杏子ちゃん」
杏子「んー?」
まど「もし……もしもだよ?」
杏子「……もしも、なんだよ」
まど「もしもね……私が魔法少女になっちゃったら、杏子ちゃんに私のソウルジェムを壊して欲しい」
杏子「……は?」
まど「だって私、最強最悪の魔女になっちゃうんだよ? そしたらきっと、ほむらちゃんでも、マミさんでも、さやかちゃんでも……杏子ちゃんでも、どうにもならなくなっちゃうかもしれない」
杏子「…………」
まど「だからそうなる前に、杏子ちゃんの手で私を……」
杏子「まどか……流石のアタシでも怒るぞ?」
まど「えっ」
杏子「ふざけたこと言ってんじゃねーよ!」
杏子「キュウべぇが何しようとアタシが蹴散らしてやる! 何があっても魔法少女になんかなんな! つーかアタシがさせねぇ!」
まど「だ、だから例えば、例えばね! 最悪の可能性として……」
杏子「そんな可能性はねぇ!」
まど「う……」
杏子「わかったら返事!」
まど「はい……ごめんなさい」
杏子「よし、二度とそんなこと言うんじゃねーぞ?」
まど「うん。えへへ……ごめんね、なんか変な話しちゃって」
杏子「まったくだよもう……んー、なんか食うかい?」
まど「あっ、食べる! えっとね……」
──────────────
──────────────
杏子「…………んっ…………アレ?」
杏子「アタシ……生きてる?」
杏子「えーっと、確か……ワルプルギスにソウルジェムを……」
杏子「!」
杏子「まどかはっ!?」
まど「……………………」
杏子「まど……か……?」
まど「杏子ちゃん……」
杏子「まどか……お前、その格好」
まど「うん、ごめんね」
杏子「ごめんねじゃ、ねぇだろ……なんで……っ!」
QB「まどかの願い通り、佐倉杏子は生き返った。そして、まどかはその力でワルプルギスの夜を打ち倒した……ついさっきのことさ」
QB「そして今、ワルプルギスを倒すのに使った膨大な魔力の代償として、まどかは魔女になろうとしている」
杏子「そんな……!」
まど「ごめんね……杏子ちゃん。私やっぱり、杏子ちゃんの居ない世界なんて考えられなかった」
杏子「まどかぁ」
ほむ「…………」
まど「ほむらちゃん」
ほむ「まどか……」
まど「ほむらちゃんの銃、貸してもらえないかな?」
ほむ「…………わかったわ」
まど「ありがとう」
杏子「おいまどか、お前」
まど「ごめんね杏子ちゃん。やっぱりもう一度だけ、言わせて」
まど「杏子ちゃんの手で、私のソウルジェムを壊して欲しいの」
杏子「なんで……なんでだよぉ……! そんな銃、私が受け取るわけ……あ?」
杏子「……アタシのソウルジェム……どこだ?」
QB「だから言っただろう。君は“生き返った”のさ。君の魂が君の中にあった頃のように、ね」
まど「うん……だからきっとこの銃を使わないと、今の杏子ちゃんには壊せないと思う」
杏子「…………うぁ……こん、な…………こんなことってよぉ……!」
ほむ「…………」
QB「ところで暁美ほむら。そろそろ僕を離してくれないかなぁ」
ほむ「ダメよ……だって貴方、邪魔するでしょう」
QB「だからよく言うよ。君だって今にも飛び出しかねないほど手が震えてるじゃないか」
ほむ「…………っ」
まど「ね、杏子ちゃん。前にあの塔で話した通りに……お願い。もう、時間がないの」
杏子「うぅっ……まどかぁ……まどかぁ」
まど「泣かないで……杏子ちゃんには、いつもみたいに元気でいて欲しいな」
杏子「そんなこと言っておきながら……私を一人にする気かよぉ……っ」
まど「ごめん……ごめんね」
まど「うっ……ぐぅぅっ……あぁっ!」
杏子「まどか! まどかぁ!?」
まど「はやっ……く……! もう……もた、なっ……」
まど「ねぇ……杏子ちゃん?」
杏子「うぅ……ひぐっ……なに、まどか」
まど「杏子ちゃん……だい、だい、だーい好き……」
杏子「うぅ……うぁ……うああああああ!!!」
バンッ!
──────────────
杏子「……戻るのかい?」
ほむ「ええ」
杏子「お前はこんなことを何度も何度も、繰り返してるのか」
ほむ「そうよ」
杏子「お前はいつか……いつか必ず、まどかを幸せにするんだな?」
ほむ「ええ、絶対に諦めない。他の何に代えてでも、必ず」
杏子「ははっ、そうだな。そんなお前だから、まどかを任せられるよ」
ほむ「杏子……」
杏子「まどかを、幸せにしろよ?」
ほむ「わかってる」
杏子「約束だかんな?」
ほむ「ええ、約束」
杏子「……うん。それなら、いい」
ほむ「それじゃあ、行くわね」
杏子「ああ……じゃあな」
杏子「さて……なぁ、まどか」
まど「」
杏子「やっぱりアタシは、お前一人じゃ行かせられないよ」
まど「」
杏子「なぁまどか、独りは寂しいだろ?」
まど「」
杏子「だから、ずっと一緒にいてやるよ」
バンッ!
おわり
とぅーびーねくすとるーぷ
235 : 以下、名... - 2011/03/31(木) 03:21:17.84 HI7LKfFZ0 58/59>>1乙
せつねぇせつなすぎるよぉ
236 : 以下、名... - 2011/03/31(木) 03:23:13.97 LRMOxj6W0 59/59乙
ギャグだと思ってみてたら…


