まどか「それでまどかちゃん、シリアスな場面で噛んじゃったことに対しての言い逃れは?」
ほむら「……噛んでなんかいにゃいわ」
まどか「顔真っ赤だよ」
ほむら「ついでに言えば舌も痛いわ」
まどか「途端にこの世界がギャグ補正に包まれた感じがするよ」
ほむら「私だって本当の気持ちを伝えたい!」
まどか「うん、だからテイクツーだよね」
元スレ
ほむら「ワルブルギス……ワルブル………ワルブル…」杏子「何回噛んでんだよ」
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1307096853/
ほむら「どうにも苦手なのよ、その、ワル……プル……ギス」
まどか「8話の収録が二時間押しになったのも、杏子ちゃんが呼吸困難になっちゃったからだもんね」
ほむら「ごめんなさいまどか、今度こそちゃんと言うから」
まどか「宜しくね、ほむらちゃん、私もテンパって、ほむらちゃんのことをまどかちゃんって思いきり言っちゃったよ」
ほむら「ええ、今度こそ成功させるわ」
まどか「お願いね、ワルプルギスの中の人、もうスタンばってるから」
ほむら「ええ」
ほむら「私一人でも、ワルプルギズの夜を倒せるの」
まどか「……あはは、なんでだろう、ほむらちゃんのこと信じたいのに、また台詞噛んじゃったよ」
ほむら「……」
まどか「……」
ほむら「すいませんテイクスリーお願いしまーす」
まどか「あ、後、わるぷるキスの中のマミさーん、収録時間かかりそうなんで、とりあえず空気抜いちゃってくださーい」
マミ「はーい」
ほむら「迷惑をかけるわね」
マミ「いいのいいの、オクタヴィアの中に入ってたときも杏子ちゃんが噛んで大変だったしね」
ほむら「すーはー、すーはー……どうやったら噛まないようになるのかしら」
まどか「そうだねえ、QB役の人に聞いてみようか」
ほむら「何であんな難しい台詞をすらすら言えるのか不思議でしょうがないわ」
QB「あれ、ボクのこと呼んだ?」
ほむら「ねえ、QBさん、噛まないようにするにはどうしたらいいの?」
QB「そうだねえ、ボクの場合は緊張感を持つようにしているかな」
ほむら「緊張感?」
QB「うん、ボクの場合は一回噛むと、雰囲気が台無しになっちゃうからね」
まどか「私含め新人が多い現場だけど、そろそろスタッフのムードも悪くなってきてるしね」
ほむら「き、緊張させないでまどか」
QB「ほむらは口数が多くない役だから、もう少し台詞をゆっくり読んでみたらどうかな」
ほむら「11話でいきなりゆっくりになったら変にならないですかね?」
QB「だいじょうぶだいじょうぶ、みんなでフォローするから」
ほむら「……私一人でもワルプルギスの夜を倒せるの」
まどか「あはは……なんでだろ」
・
・
・
監督「はいカーット!」
ほむら「ふう、今度は噛まないで言えたわ」
まどか「おつかれさまほむらちゃん」
ほむら「次は何話分の収録だっけ?」
まどか「えーっと、マミさんのワルプルギスが暴れるシーンを収録してから、ほむらちゃんの特撮だね」
ほむら「動きのあるシーンは台詞が少ないから楽だわ」
まどか「天下一武道会みたいに、うりゃうりゃ言わなくても良いしね」
ほむら「フリーザ編でピッコロの中の人がピアノって叫んでる時があったわ」
まどか「杏子ちゃんも9話の収録の時、私が捕まれた後、スワー! って叫んでNG喰らってたね」
ほむら「……ああ、あれスワって叫んでたの」
収録後。
ほむら「舌が痛い」
マミ「はぁ、明日は10話の撮影なのよね……」
ほむら「……眼鏡かぁ」
まどか「私もキャラが殆ど変わるからやりづらいなあ」
マミ「ワルプルとオクタヴィアと発狂するから憂鬱だわ……」
ほむら「そういえばあの車輪って後付けCGですよね?」
マミ「そうそう、あのシーンたまに人物とCGが重なっちゃってNGになっちゃうのよね」
まどか「あ、そっか、明日は私も戦いの中に入るんだ」
マミ「ごちゃごちゃしている中でみんな集合するからやりづらいったらありゃしないわ」
ほむら「明日は特に難しい台詞も無さそうだし、噛み噛み王の汚名挽回しないと」
マミ「……返上しましょうね」
まどか「ティヒヒヒ」
翌日
さやか「きょうはよろしくー、まどかー、転校生ー」
ほむら「転校生って……」
さやか「収録前から入っておかないと本番でほむらって呼んじゃうかもしれないじゃん」
ほむら「そうかしら……?」
杏子「アレ、もう、マミさん、中に入ってんの?」
まどか「うん、精神集中するんだってさ」
杏子「……しっかし毎度思うけど、何で魔女の中身いつもマミさんなの?」
まどか「人手不足なんだって」
さやか「世知辛いわ……」
ほむら「あれ? そういえば、シャルロッテも中マミさんなの?」
杏子「うん、食べられるのも食べるのもマミさん」
まどか「超シュール」
ほむら「やめて想像させないで、本番で笑っちゃうじゃない!」
収録
マミ「ティロ・フィナーレ!」
まどか「……」
ほむら「……」
監督「はーい、鹿目さんと暁美さん、顔引きつってるからテイクツー」
まどか「あー、やっちゃった-、もう、なんでティロ・フィナーレなの!」
ほむら「マミさんの台詞が上手ですっごい浮いているんですよね」
マミ「そういう指示なんだから仕方ないじゃない!」
まどか「はぁー、てぃろてぃろー」
ほむら「ちょ、やめてってば、また笑っちゃうじゃない」
マミ「二人とも私をバカにしているワケじゃないわよね?」
収録 その2
マミ「みんな……! 死ぬしかないじゃない! あなたも! 私も!」
ほむら「え……」
まどか「もう……嫌だよ……こんなの……」
ほむら「だいじょうぶ、だよ……一緒に、ワルプルギズの夜を倒そう……?」
杏子「はいはいティロフィナーレティロフィナーレ」
ほむら「すみません、もう一回お願いします」
まどか「ティヒ」
マミ「……」
・
マミ「あなたも! 私も!」
ほむら「え……?」
まどか「もう……嫌だよ……こんなの……」
ほむら「大丈夫だよ、一緒に、ワルプルギスの夜を倒そう……?」
監督「そこで寝てる人、顔笑ってるよー」
テイク3
マミ「私も!」
まどか「もう(ry」
ほむら「大丈夫(ry」
監督「はいカーット」
・
・
・
まどか「ふう、もう杏子ちゃん、ちっちゃい声でティロフィナーレ言い過ぎだよ」
ほむら「まったく、何度笑いそうになったか」
杏子「ごめんごめん、何か必殺技持ちに憧れちゃってさー」
マミ「私まで笑いそうになっちゃったじゃない」
杏子「倒れる瞬間に口の動きが、てぃろってなってるけど、あれ後で撮り直しにならないよな……」
マミ「今度は最終話の収録なんだから、もっと緊張感持ってね? QBさんじゃないけど」
さやか「確か、もう一つの名台詞、円環の理でしたっけ」
杏子「名台詞ゆーな、笑っちゃうでしょーが」
収録
杏子「さやかは……! おい、さやかはどうした!(てぃろ?)」
マミ「逝ってしまったわ……円環の理に導かれて……」
マミ「私たち魔法少女は消え去るしかない……」
マミ「あなただって、わかっていたはずでしょう」
杏子「バカヤロウ……やっと……友達になれたのに……(てぃろ?)」
ほむら「……」
マミ「……」
杏子「……」
ほむら「まどか……っ!」
監督「はい、溜め過ぎ、あと3人とも顔が笑ってるよ、シリアスな場面なんだから」
マミ「ですが監督、円環の理って意味が分かりませんよ、ギャグじゃないんですから」
監督「そういう人物なんだから仕方ないない」
マミ「……スピンオフのおりこの時には杏子役でオーディション受けようかしら」
杏子「ちょ、やめてよ! せっかくの準主役なのに!」
打ち上げ
まどか「おつかれさまー」
ほむら「はぁー!」
まどか「本当に疲れてるみたいだねー」
ほむら「最終話のシーンでニップレスが取れちゃったときはどうしようかと思ったわ」
まどか「アレはちょっと恥ずかしかったねー」
マミ「あら? 私が魔女の中に入ってるときには似たような格好よ?」
杏子「マジで!?」
さやか「さすがプロ魂……ティロフィナーレだけど」
マミ「ちょ、それは関係ないじゃない!」
まどか「でも、きっとマミさんの名台詞として未来永劫残ると思いますよ」
マミ「円環の理に導かれちゃうわ……」
さやか「あっははは! 円環の理も面白かったですねー」
杏子「オメーは導かれちゃうから良いけど、私たちは間近で聞いてなきゃいけないんだぞ」
ほむら「何度笑いそうになったことか……」
まどか「今だから白状するけど、一話でヘッドホン付けてたじゃないですか」
さやか「あー。QBさん登場シーンの少し前ね」
まどか「あの時に流れてたのが、以前ドラマ化されたひだまりスケッチのテーマで」
ほむら「え、なんでひだまりなの?」
杏子「脚本の人が好きなんだって」
さやか「へー、それ、知らなかったー」
まどか「それでついつい、ヘッドホンを降ろすのが惜しくなっちゃって」
さやか「あ、だからあの時、微妙に走るのが遅れたんだ」
ほむら「それ系の話ならマミさんが一番多いんじゃない?」
マミ「……短いスカートなのに下着を見せないようにするっていう演技指導はセクハラだと思うのだけど」
まどか「ああ、私も10話で、下からのアングルなのに、下着をぜったい見せるなって言われました」
ほむら「私も12話で一回」
さやか「私はもう見えちゃうもんだと開き直ってた」
杏子「さすがにアクション中は無茶な話だよなー」
打ち上げ後
ほむら「……うぃ……」
まどか「ほむらちゃん飲み過ぎ、私もだけど」
ほむら「……良い、ドラマだったわよね」
まどか「そうだね、現場も楽しかった……」
ほむら「またみんなで、撮影、できたらいいのにね」
まどか「そうだね」
ほむら「ただ、仮にスピンオフじゃない続編が作られたとしても……まどかいるのかしら」
まどか「いるよ」
ほむら「え、その根拠は?」
まどか「私は信じてる、今日だって脚本の先生にお願いしたし」
ほむら「杏子も同じ事やって九話があんな話になったのよ?」
まどか「……」
ほむら「冗談よ」
まどか「うん、知ってた」
まどか「観てる人たちも、楽しんでくれるかな……?」
ほむら「そうね、後はもう、神のみぞ知るってやつじゃない?」
まどか「じゃあ、私次第だ」
ほむら「ふふ、そうかもね」
FIN