278 : ◆96XoVRe9oA[saga sage] - 2011/09/27 18:33:30.84 toNUJFT80 194/386
今はもう秋、って感じで? 今日のおさかな話は前回の反省というか補足というか言い訳というか
前回同様に今までのおさらい要素も多いので総集編パート2でもあるような。うまくまとまらない・・・
そんなわけで今回のテーマは『わからない』 通常サイズでお送りします。どうぞ
☆
「なあインデックス、ウチの水槽ってちょっと地味過ぎじゃないか?」
「とうま? それはちょっと聞き捨てならないかも。ドコが不満なのか教えてほしいんだよ」
「ドコがって……、まず第一にコレ水槽って呼んでるけど、実は100円ショップで買った収納ケースだよな?」
「そんな安物じゃないかも! これは由緒ある家庭用品専門店で運良く手に入れた半透明衣装ケースなんだよ!!」
「要はホームセンターのセール品ってことだろ? 100均と同じようなモンじゃねえか」
「むぅ~、安物扱いするけどコレだって水を入れればちゃんと透明になって水槽として機能するんだよ!」
「……それは確かに。同じ容量のガラス水槽は何千円もするから経済的にもお得……、いやいや」
「しかもキャスター付きだから移動も楽チンなんだよ。重いから滅多に動かさないけどきっと楽チンなんだよ!」
「あーもう! 分ったよ、入れ物はコレで納得してやる。けど中身は妥協できないからな?」
「それこそなんでなんだよ!? インデックス教会学園都市アクアフロント支部をこれ以上バカにするのは許さないかも!!」
「何にでも長い名前を付ければオシャレだと思うなよこの"献身的な子羊は強者の知識を守る"さん!」
「好きな物に好きな名前を好きなだけ付けるとそれだけ好きが増えるもん! それはいいからさっさと不満点を説くんだよ!」
「じゃ、じゃあ言わせてもらうけどな。この中、マシジミとメダカしか居ないだろ? 動きが無くてツマんねーの!!!」
「何てことを言うんだよ!! ちゃんと私が選んで買ったカーナミンだって植わってるんだよ!」
「その水草だって突然買って来るから、夜中に第21学区まで行ってこっそり川の土を拾ってくるハメになったけどな」
「でもキレイでしょ? 薄緑色でまっすぐスクスク育つからレイアウトも簡単だし、何より水槽全体が明るくなったんだよ!」
「そこも否定できないけど……、やっぱり一番の問題は主役のおさかなが地味だってことなんだよ」
「それは速くも強くもないくせに、どんな過酷な状況になっても生き残っちゃう不死身の三下魚、メダカのこと?」
「目立たない、っていうか居ることすら忘れるのが元気な証拠。じっと動かず一日中何か食べてるマシジミのことだよ!」
「……、ある意味欠点が無いよね」 「……だな、むしろ理想的だ」
「っても、常に砂に潜ってるマシジミとほぼ一日中水面スレスレを泳いでるメダカじゃ、どうしてもバランスが悪いだろ?」
「ぽっかり真ん中が空いてるからそれはまあそうかも」
「だから上条さんとしましては、何か別のおさかなを追加したいなって思うわけ」
「最初からそれを言えばいいのに。いっつも思うんだけど、とうまも他の人も説明が回りくどいんだよ……」
「お互いさまだけどな。ま、異論が無いならニュウタンクメイトを導入しようぜ」
「ニュウじゃなくてニューなんだよ! ニュウタンクのともだちってなんなんだよ! ふざっけンじゃねェぞ!!」
「い、いや、今のは軽い言い間違いですけどお気に触りましたら深く謝罪いたしますですのことよ??」
「言葉に気ィつけろォ? ……コホン、でもこの水槽だと新しい生き物を入れるには問題があるよね、分ってる?」
「ああ。現状は水量およそ35リットル中にメダカ10匹とシジミ10個。ただしエアレーション及び濾過装置は未設置だ」
「生体の数とサイズに比べて、割と大目の水量と表面積の大きい容器でカバーしてるけど…」
「実は酸素不足に陥りやすい環境なんだよな。だからこのまま追加投入するのは危険すぎる」
「カーナミンが光合成を頑張ってくれているけど、それでも劇的な状況の改善は見込めないと思うんだよ」
「機材を取り付けようにも衣装ケースだからなあ。投げ込み式のぶくぶくをひとつ買ってみるか」
「大型水槽じゃないから安いセットで何とかなるかも。パッケージに適応水槽サイズが書いてあるから参考にしてね」
「あと、濾過装置一体型は結構デカイんだけど、水草の配置を工夫すれば見た目もそれほど悪くならずに済むかな?」
「人にもよるけどあんまり気にしなくていいかも。慣れの問題だと思うよ」
「よーし、じゃあ今度の休みにでも買ってくるとして、早速だけど新しく入れるおさかなを決めちまうか!」
「あれ、とうまはもう候補が決まっていたりするの?」
「まあな。あくまで主役はメダカとシジミだから派手な観賞魚は入れたくないし、かと言って不恰好なのもパスだな」
「メダカだって正面から見たらすごくブサイク、じゃなくて愛嬌のある個性的な顔なんだよ……」
「そこで川魚、となるとコイ目ばかりだろ? アイツらは泳ぎ方や体型がメダカと似通ってるからなあ」
「雑魚オブ雑魚のオイカワとかヌマムツのことかな? 中層をカバーしてくれるからぴったりだと思ったのに」
「以上を勘案して私、上条当麻が選んだのは、この間取り上げたばかりの電気魚、ナマズだあああ!」
「な、まっ!!」
「暗く地味な体色、それでいて愛らしいフォルム。下半身を左右に振りながらゆったりと泳ぐ様はサメのごとし!」
「とうまがナマズ大好きなのは知ってるし、盛り上がってるところ悪いんだけど……」
「ヒゲで食べ物の味を感じて……、なんだよインデックス? 深刻な顔して何か問題でもあるのかよ?」
「ナマズは魚食魚なんだよ? 10cm程度の若魚ですら、この水槽中のメダカを食べつくすのに1時間も掛からないかも」
「あ……、あ、あ……、オレとしたことがナマズが飼えるかも?って期待のあまりそんなことを見落とすとは……」ガクッ
「食べられても構わないのなら別にいいけど、主役はメダカなんだよね? だったらナマズとの混泳は論外なんだよ」
「うう、ちくしょう……。あ、じゃあさ。ナマズを主役にして飼うとしたら何と一緒なら飼えるんだ?」
「深い意味は全然ないけど、ナマズは基本的に単独飼育しか出来ないんだよ。縄張り意識が高くて攻撃的だからね……」
「なるほど……、危うく主役も脇役も全部喰われちまうハメになるトコだったぜ……。深い意味は全然ないけどな」
「どうしても飼いたいならプレコとかコリドラスみたいなおとなしい外国産のナマズにしたらいいんじゃないかな?」
「ん~、そっちに手を出すくらいならナマズじゃなくてもいいよ。ま、おいおい考えるとするか」
「だね、私も考えておくんだよ!(深い意味は全然ないけど、悪く思わないでね。ナマズ!)」
☆
白井「あの、お姉様?? 先ほどから一体何をブツブツと……?」
御坂「そりゃさ、60cmにもなるし? 50年以上生きるって言うし? 死ぬまで面倒見ろとか今は言わないけどさ……」ブツブツ
佐天「ペロッ、これは……、毒電波ですよ!! もしかしたら以前の『誰かが見ている』みたいな…」
初春「ちょ、風紀委員の前で無責任なこと言わないで下さい! ……、でも明らかに変ですけど、どうしましょう??」
白井「……初春、覚えておきなさい。こういった場合、私達ジャッジメントは体を張って治安を守るんですの」スッ
初春「なっ……、いつの間に御坂さんの背後にっっっつつ! そしてゆっくりとその両の手があわわわわあわわわ」
佐天「あ、あ、ああ、白井さんの指が頂点に届いて……。《ゴンッ》 うわあああああ、む、無意識での自動防御だとぉ!?」
御坂「私はずっと正気よ! ……あ、えーと……ちょと、その、ゴメンね。ちょっと考え事をね。ね、年金問題?とかさ」
佐天「年金って、うら若き花の乙女が老後の心配しても仕方なくないですか? あ、もしかして親御さんが既にご年配だとか」
白井「イタタ……、それは無いですわね。お姉様のお母様はほとんどお姉様ですの。サイズ的には超超超お姉様ですけど」
御坂「そんなの聞いたらあの人調子に乗るからやめてよね。じゃなくて、えーとほら、おさかなの話よ、おさかな。ね?」
初春「はあ。おさかなの老後ですか……? そういえばおさかなの寿命って意外とバラバラなんですよね」
白井「短いものですとアユの別名に年魚というのがありますが、通常1年で一生を終えるところからついた名前ですの」
初春「飼育下では数年生きることもあるメダカですけど、これも自然界では年魚と言っていいですね」
御坂「う……、他にもサンマとかサヨリなどのダツ目の魚は1~2年が寿命……ああ、メダカも同じダツ目だったわね」
佐天「メダカはともかく、一年でミリ単位のタマゴからよくあんな大きさに成長しますよねー。おさかなスゴイ」
初春「大きさと言えば、サケ類の寿命は4年程度ですけど例外的にイトウのような巨大魚は20年ほど生きるんです」
白井「最大サイズが大きくなる魚ほど寿命が長い傾向は確かにありますわね。ただしあくまで統計的なものですけど」
佐天「例えばカレイとヒラメってそっくりだけど、カレイのほうがずっと長生きするんだって。一概には言えないよ」
御坂「長く生きるから大きくなる、逆から見たら大きな魚は長生き。どっちが先かって話かもね」
初春「寿命が短い魚は、短い一生のうちの少ないチャンスで子孫を残して儚く消えていくんですね」
白井「ですからそういった種類にとって繁殖期間は戦いですわね。オスとメスのバランスが悪ければ悲惨なことに…」
佐天「逆に寿命の長い魚は焦らなくていいのかな? まあ、魚も若いうちが花だとしたら同じことですけど」
御坂「そうよね、おばさんになったら手遅れだもんね。……第一、アイツは生き急いでて、スグ消えちゃいそうで」ブツブツ
白井「はっ、お姉様また発作が!? ジャッジメントとして今すぐ正気に戻してさしあばばばばばばっばばばばば」ビリビリ
御坂「……」ブツブツ
☆
打ち止め(『10032号、お土産には中型投げ込み式エアレーションセットだよってミサカはミサカはお薦めしてみる!』)
一方通行「…………」
打ち止め(『でね、G地点にお姉様が居るから見つからないように、でもなるべく近くを通り過ぎてねってミサカは…』)
一方通行「…………?」
打ち止め(『そう、お姉様だけが気付いてあなたを追ってくるよう仕向ける作戦ってミサカはミサカは撒き餌に説明する』)
一方通行「……(寒気?)」ゾワッ
打ち止め(『だーかーら、3人でケンカになっちゃえ!って言ってるのってミサカはミサカは物分りの悪いヤツだぜって…』)
打ち止め「ふぃー。ま、案ずるより産むが安しってことさ、ってミサカはミサカは自分の気配りに感心してみたり」
一方通行「……、よくわかンねェけどお前、何か産むのか?」
打ち止め「ううん、ミサカじゃなくっておr、きゃああああああああああああああ!? 突然びっくりさせないで!!」
一方通行「ソッチこそ突然叫ぶなうっせェ!! 大体、オマエがボーっとしてンのが悪いンだろォが」
打ち止め「あ、ご、ごめんなさい。ちょっとマ、マラエ?のことを、ってミサカはミサカはあわてて取り繕ってみたり」
一方通行「どォして古代ポリネシア環礁文化の祭祀場跡地の事なンて想ってンだか……、やっぱりさっぱりわからねェ」
打ち止め「思いつきの単語なのに意味が判るあなたの頭ってホントどうなってるの?ってミサカはミサカは呆れてみたり」
一方通行「ンだよ……。今日は原始社会、それも島嶼に於ける階層分化の流れを解説すンのかと思ったじゃねェか」
打ち止め「勘違いさせちゃってまたまたごめんなさいってミサカはミサカは、あ! 折角だから勘違いな魚の話を聞きたい!」
一方通行「オレの話をオマケ扱いすンのか。……イイカゲンにしろよ、このクソガキ!」
打ち止め「や、やっぱり突然のリクエストじゃ話も用意できない?ってミサカはミサカは無理ならいいよって言ってみる」
一方通行「誰が出来ねェだとォ!? 勘違ェな魚の話なンざ百通りでも話してやろォじゃねェか、あァ!?」
打ち止め「す、すごい自信!! 期待していいのかなってミサカはミサカは胸をワクドキさせて待機してみる!」
一方通行「チッ……、心配もクドければ嫌味になンだよ。……そォだな、もう季節だしカキでイイか?」
打ち止め「"カキクケカ カケカカクカキ 法隆寺”のカキじゃなくて、オイスターのほうのカキ?」
一方通行「原型がねェ俳句は意味がわかンねェが、後の方で合ってる。海のカキに関する勘違い話、行くぞ」
一方通行「まずは軽く基本情報から。カキは岩などに付着して一生の殆どを過ごす二枚貝で世界中で古来より
食用だけに留まらず様々な用途で活用されてきた人類に馴染み深い生物だ。日本でも貝塚って聞いたこと
あると思うが、そンな時代からずっとカキの世話になってンだよ。
で、一般的なカキ、マガキの生態はかなり単純で夏場に産み落とされたタマゴが変態を繰り返した挙句に
適当な硬いモンを見つけてソコにへばり付く。後は濾過食つってタニシの話でもやったが水を取り込んで
水中のゴミを食べて生きてく。だから全く動く必要もねェし、動かねェから筋肉はほとンど退化しちまう。
カキの風味がアサリやハマグリとは全く違うのはその為だ。ありゃほぼ内臓なンだよ」
打ち止め「ふーん、確かに肉の歯ごたえ?みたいなのは無いよねってミサカはミサカはカキの食感を思い出してみたり」
一方通行「試しに他の貝の内臓だけを喰ってみろ。カキの味がするだろォよ」
打ち止め「そういう言い方されると食欲が……、ってミサカはミサカは、アレ?でもカキは食べたいな。不思議!」
一方通行「内臓とかハラワタっつーと禁忌なイメージがあンのか? 肉でも骨でも死体の一部に違いねェだろォ?」
打ち止め「あなたがそういうこと言ったら洒落にならないよ!ってミサカはミサカは話題変更を希望してみたり!!!」
一方通行「ンだァ? ワケわかンねェ……。まァイイ、続けンぞ」
一方通行「重要な食用貝であるカキは欧州では紀元前から養殖されてた。方法はカキの幼生が浮いてそォな海流に
貝殻とか硬ェもンを吊るして放置しておくと勝手にへばり付くンで、あとはソイツを栄養が豊富な海域に
移動させて更に放置すると勝手に成長する。まァ単純なンだがココで一つ言及する事がある。
カキは水中のゴミを食べるっつたろ? つまり栄養豊富な海っつーのは汚ェ海と言えなくもねェンだよ。
スーパーで売ってるカキは生食用と加熱用に分けられてるが加熱用ってのは栄養豊富な海で育てたカキで
生食用はキレイな海で育てた、又は殺菌した海水で一定期間浄化したカキだ。旨みやら何やらで比べたら
どちらがイイか言うまでもねェだろ? 生食用は生で食べる為だけにワザワザ手間を掛けてカキの長所を
削り取ってンだよ。とは言え、旨いかも知れねェからっつー素人考えで加熱用を生で喰うなよ?」
打ち止め「新鮮かそうじゃないかの違いじゃないんだねってミサカはミサカはそれくらいは知ってたけど驚いてみせたり」
一方通行「かわいくねェ……。ちなみにカキは食中毒原因の種類が多い印象があると思うが、実は潜在リスクは他の貝と
大差ねェ。細菌由来の中毒は食材を充分に加熱せず食べることで危険度が上がるよな? かつての日本では
本格的に養殖が開始される江戸時代に於いてもカキの生食はタブーだったそォだ。先人が苦しンだ結果か?
生食が一般化すンのは明治より後、欧米のことならなンでも真似してた時代にアチラの食文化だったソレを
おそらく多数の犠牲を出しつつ試行錯誤の上で取り入れたモンであって云わば輸入文化なンだよ。
オマケで触れておくが英語でRの付く月以外はカキを食べるなってのは5~8月は繁殖の為に精巣と卵巣が
巨大になってるからなンだと。但しコレはマガキの話で、その時期でも食べられる種類はあるがな」
打ち止め「にぽんじん、なまでさかなくう、やばんじんでーす とか言ったヤツ表へ出ろやコラァ!だね」
一方通行「スシが世界中で割とポピュラーになって、ンな事言ってたヤツも既に忘れてンだろ。許してやれ」
打ち止め「ふむー! ……あ、それで結局一体何が勘違いだったの? それっぽいのがいっぱいあったけど」
一方通行「全部まとめて勘違いされやすい貝だろ。……っと、アレを忘れてた。ラスト短め、行くぞ」
一方通行「通常カキを漢字で書くと『牡蠣』なンだが実は『蠣』だけでカキって意味なンだ。では『牡』は?
この字は牡羊座とかで使うが意味はオス、♂、雄だろ? つまり『牡蠣』とはオスのカキって意味だ。
だが逆にメスのカキ『牝蠣』ってのは居ねェ。この理由は古代、カキの雌雄が見た目で区別出来ず
他の貝ではオスの色である白っぽい物ばかりだから、カキにはオスしか居ないと誤解された為だ。
実際のカキの雌雄は顕微鏡でも使わなければ判別できねェし季節で変っちまう。その上、僅かながら
オスでもメスでもある個体すら存在し得るンで昔の誤解を責めてやンのは酷だがな」
打ち止め「見た目で性別が判らない白いのかー、そーかー。(番外個体のオチが期待できるね、ってあれれ?)」
打ち止め(『上位個体より本日の作戦の途中経過報告を要請するってミサカはミサカは意味も無くカッコつけてみたり!』)
一方通行「……なンだ? またボーっとしやがって」
打ち止め(『10032号の作戦は……、あの人がうっかりあなたの胸を触って怒ったお姉様の電撃でお土産が吹き飛んだ?』)
打ち止め(『よくわかんないけど、お姉様少しは元気になったのかな? おろ、10032号もわかんないけど良かったの?』)
打ち止め(『で、番外個体は何してるのー、もうオチの時間だよー?ってミサカはミs え、何?……』)
打ち止め「それヒドい!!」
一方通行「……オイ、何か問題でも起きてンのか? 何があった?」
打ち止め「番外個体が昔書いた小説がまとめサイトに載ったんだけど、変な改行になってるみたいであの子落ち込んでる……」
一方通行「ンなもン知るか!!! どォせまたオレが酷ェ目に遭う話なンだろォが、気にせず書き続けりゃイイだろォ!」
打ち止め「カキの話だけに?って、ミサカはミサカはこのコンビじゃオチないよ……、と司令塔の決定力不足を嘆いてみる」
一方通行「ちがっ、バカ、今のはボケじゃねェし!! チッ……、番外個体を今すぐ呼べ!」
打ち止め「ほ? 呼ぶのはいいけど元気ないかもよ?ってミサカはミサカは期待しないであげてと要望しておく」
番外個体「ちがうもん。ミサカあんなに読みにくく書いてないもん。ミサカ悪い子だけど悪くないもん……」ブツブツ
打ち止め「うわぁ……。まるで別人だけど連れてきてどうしようって言うの?ってミサカはミサカは尋ねてみたり」
一方通行「決まってンだろ、オレに出来ンのは解説だけだ」
番外個体「……、ほ?」 キョロ
一方通行「つーワケで今日は勘違いされやすい貝、カキの話題だったンだが折角だからカキの栄養についても触れとく。
見た目と食感から『海のミルク』と称されるカキだが、牛乳がほぼ完全食品であるのと同様にカキもその
豊富な栄養が魅力の一つになってる。具体的にはビタミンB類、各種アミノ酸、グリコーゲンにタウリン、
高度不飽和脂肪酸などの含有量が優秀だな。だが何と言ってもカキはミネラルの宝庫なンだ、中でも亜鉛。
亜鉛っつーのは細胞分裂に深く関わっているらしい。新陳代謝が活発な年代、若しくは活発にしたい時には
カキは理想的な食材だろォな。……、特にアレだ。男が抱えがちな悩みに効果的かも知れねェ」
打ち止め「男の悩みって例えば何?ってミサカはミサカは当然の質問を投げかけてみたり」
一方通行「……、色々あンだよ。中でも細胞分裂に関わるミネラルが対処出来ンのは、薄毛とか、精子欠乏とか、EDとか…」
番外個体「み……見えたあああああああああああああああ!!」
打ち止め「い、いきなりどしたの? 何が見えたの!?」
番外個体「色々ダメになった第一位がお姉様に牡蠣まみれにされて海のミルクだか違うミルクだかで白濁して白狂する話!!」
一方通行「どォやら正気に戻ったよォだが、そんなモン書いたって載せるトコありゃしねェだろォ……。無ェよな?」
~おしまい~
285 : ◆96XoVRe9oA[saga] - 2011/09/27 19:17:49.95 toNUJFT80 201/386
以上、第二十三回『わからない』でした。
第一パート、小魚1匹に対して水1リットルが適量とか。酸素消費の多いおさかなもいるのであくまで目安ですけど
第二パート、3m以上にもなる巨大カレイとしておなじみのオヒョウは40年生きた記録もあるとか。他方ヒラメは数年の命だったりします
第三パート、おさかな話のイメージ的にギリギリセーフ・・・? ちなみに食べ物に即効薬理効果を期待しちゃダメです
というわけで次回は日曜日くらいになるかと。ではではまたー
289 : ◆96XoVRe9oA[saga sage] - 2011/10/04 03:13:15.52 P095Mtf/0 202/386
やっぱり予告に間に合わないおさかな話、今日は(というか今回も?)かなり変な話です。
キャラ崩壊もすごいよー。特に上条さんが悪い意味で誰??って感じになってるよー。ご注意くださいー。
とうまの水槽シリーズ1本立て。途中長文があったりしますが飛ばしても大丈夫・・・かな?
話の都合上、キャラの挙動が不自然ですけどご容赦ください。ではどうぞ
☆
上条「水槽に新しい生き物を入れたい、そのためにはエアレーション用の器具が必要だったんだけど」
上条「いざ学園都市最大のアクアリウムショップで探してみると、こんなに種類があるんだな」
上条「二人がアドバイスしてくれなかったら悩んじまうトコだったよ。助かったぜ、ありがとな。御坂と御坂妹」
御坂「いいのいいのお礼なんて。ホントならこの子がこの間アンタにあげる予定だったセットで充分だったんだから」
御坂妹「それをお姉様が電撃でダメにしてしまったので今日はそのフォローです、とミサカは状況説明をします」
御坂「だからそれは悪かったってば。……ちょっとあの時は私もテンパってたし、その上あんなの目の前で見せられたら」
上条「ううっ、ソレは忘れてくれ!! 御坂妹の胸を触ったのはあくまで不可抗力で、確かに俺も悪かったんだからさ!!」
御坂妹「あなたが『ニュウタンクのメイトが……』と口走ったのでミサカはミサカの事を求めてるのかと一瞬期待しましたが」
上条「あれはニュータンクメイトの言い間違いで……、(って言うかニュウタンクって何? 見当たりませんけど??)」
御坂「?? ……ま、いっか。これで約束どおり全部チャラってことで、ね?」
御坂妹「そうはいきませんお姉様。まだミサカへの償いは残っている、とミサカは本日の懺悔ツアーの予定表を見せ付けます」
御坂「ほいほい、って事だから私たちはこの辺で。って、ちょちょ、ちょっと、分ったからスカートを引っ張るなああ!」
上条「おう、またなー。水槽のリニューアルが完成したら連絡するから二人で見に来いよー」
上条「……ん? 今オレ、何気に女の子を家に誘ったってことになるの?」
上条「いやいやいやいや、おさかな仲間の交流だから問題無いよな、うんうん。何もやましいことはない」
上条「それにインデックスだってオレ以外にも解説を聞く人がいたほうが嬉しいはず」
上条「つまり実に気が利いた判断だったワケだ ……オレ様は気遣いの男、上条当麻だ! なーんつってゴブゥ」 メキャッ
上条「お、お、お、……、この人体の急所への的確かつ容赦ない打撃、テメエ土御門!! いきなり出てきて何しやがる!?」
土御門「よっ、悪い悪いカミやん。『そろそろヤツを止めろ』ってどこからか聞こえた気がしてな」
上条「なんだか知らねーけどあんな攻撃、普通死ぬぞ!? ったくもう、痛ってえなあ……」
土御門「はっはっは、まあまあそう怒るなって。そんなことよりお目当ての物は買えたのかにゃ~?」
上条「何でお前が知ってるのかは敢えて問わないけど、このとおり無事購入完了! っつか、思ってたより全然安いのな」
土御門「小型水槽クラスの投げ込み式エア濾過一体型セットなら外食一回分でお釣りが来るぜよ」
上条「確かにファミレス一食分だな。ポンプの電気代も年間で数百円しか掛からないし、もっと早く導入するんだったぜ」
土御門「実は維持していくと意外なところに金が掛かるんだけどにゃ~……。で、そっちの大荷物はなんぜよ?」
上条「ん? ああ、これは御坂たちが『後で必要になるから持ってけ』って……」
土御門「ほほー、大量のフィルターと活性炭の替えカートリッジ。こういう消耗部品はすぐ交換時期が来るもんですたい」
上条「そうみたいだな。でもこれだけあれば当分大丈夫だろ。で、そういえばお前はなんでこんなところに?」
土御門「いやあ、ちょっとした野暮用で…………げっ、マズい!! カミやん急だけど失礼させてもらうぜーい」 バーイ
上条「なんだあ、あいつ? 突然現れて人をブン殴ったと思ったら早速走り去りやがって……」
上条「まさかまた大規模な魔術的事件が起こってるとかじゃないだろうな?」
上条「土御門は時に有無を言わさず強引に人を巻き込むクセに、自分のことは一切他人に関わらせないヤツだからなあ」
上条「そういう態度は却って周りの人に心配を掛けるってわかんねーのかよ……。ったく」
舞夏「おー、こんな店の真ん中で何をひとりごちてるんだ上条当麻ー?」ヌッ
上条「おわっと! 土御門、舞夏……。ん? お前がここに居るということは……」
舞夏「ところでお前ウチのバカ兄貴見なかったかー? 鉄拳制裁しなくちゃいけないんだがー」
上条「(そういうことかよ。心配すんじゃなかった!!)っと、さっきまでココに居たよ、でも後を追っても多分ムダだぜ?」
舞夏「一歩遅かったかー。仕方が無い、寮で待ち伏せするとしてお前はどうするんだー?」
上条「ん? ああ、もう少し店を見て周ろうかと思ってるけど」
舞夏「まさかと思うけど、もう生き物を買っていたりはしないだろうなー?」
上条「いや、まだ候補を探してる最中だけど。気になることでもあったのか?」
舞夏「水生生物を店で買ったら、直ちに且つ慎重に帰宅しなくてはいけない。コレは鉄則なんだぞー」
上条「そりゃそうだ。サイズの小さな生体の場合忘れがちになるけど、移動には酸欠その他のリスクが付き物だからな」
舞夏「もちろん川や海で捕まえた場合も同様だな。その場合持って帰れないと判断したら逃がすことも視野に入れるんだぞー」
上条「飼育していて死なせちまうのは悲しいけどコレはそれ以前の問題。肝に銘じておくよ」 マタナー
上条「……それにしてもあの義兄妹、ホントにデキてたりするのかなあ」
上条「もしそうなら土御門のヤツ、なんて罪作りな男だ! もしそうならだけど!!」
上条「報われない想いってのは一向に遂げられないからドンドン溜まっちまう。だから無理矢理でも区切らなきゃダメなんだ」
上条「相手の好意に甘えてズルズルと答えを出すのを引き伸ばすようなマネは最低だよな」 ウン
結標「同感よね。アイツは歳の数だけ生まれ変わって罪を浄化するべきだわ。つまり16回死ね! ってこと」
上条「いや、ソレはちょっと言いすぎじゃないか? って……あの、あなたは?」
結標「あら、やっぱりこの間は正気じゃなかったのかしら? まあいいわ。私は結標淡希、貴方には命を救われた事があるの」
上条「は、はあ……そうなの? っと、オレは……、……上条当麻は買い物の途中ですけど何か?」
結標「ぷっ、なにその説明口調? 上条君、って言うの? あの時はホントにありがとう。……意外と面白い人なのね」
上条「アハハ、ハ……。いや、こちらこそ覚えていなくて失礼しました。それでその、結標さんはこちらで何を?」
結標「特に用事はないんだけど、観賞魚ってキレイじゃない? ヒマだったから目の保養にね。そっちは?」
上条「ウチの水槽、今メダカとシジミしかいなくてちょっと寂しいんで、脇役の候補を探してるって感じですね」
結標「ふうん、おさかな飼ってるのね。あ、それなら脇役が何になるかは置いといて、エビや巻貝を入れるといいわよ」
上条「エビや巻貝? エビはともかく巻貝は嫌われ者のステ……じゃなくてスネイル? って扱いなんじゃないの?」
結標「巻貝の種類や環境にも拠るのよ。でね、そういうのを入れる利点は彼らが働き者の掃除屋だってことなの」
上条「掃除屋ね……。確かにそいつらなら壁面や水草に付く水垢やコケ、エサの食べ残しなんかを処理してくれるかも」
結標「自分で掃除する手間が完全に無くなるって程ではないけどね。でもとにかく一日中頑張ってくれるはずだわ」
上条「へえ~、詳しいんですね。あ、じゃあついでにエビってヌマエビ系とテナガエビ系、どっちがオススメですか?」
結標「ヌマエビに決まってるわ。スジエビなどのテナガエビ系は大型で肉食傾向が強いからメダカには危険だし」
上条「危険だし?」
結標「何よりヌマエビは小さいじゃない? ちっちゃなハサミでちっちゃな顔でずーっとちっちゃくツマツマしてるのよ?」
上条「はあ……、まあ、そうですね。えーっと、じゃあ巻貝はどんな種類なら水槽に入れても大丈夫なんですか?」
結標「タニシ類やイシマキガイって事になると思うんだけど、オススメはイシマキガイね。なぜなら…」
上条「……ひょっとして、小さいから?」
結標「そう! タニシは油断してるとバカみたいに大きくなる種類もあるの。ったく、デカイ貝なんてキモイだけなのよ!」
上条「で、デスヨネ! タニシは入れすぎると増えすぎる場合もあるって聞くし。うんうん」
結標「メダカとシジミ、そこにヌマエビとイシマキガイ。うふふ、ちっちゃいもの水槽……、きっとステキな眺めになるわ!」
上条「……さ、参考にします。じゃ、オレはこの辺で。またいつかどこかでー」バイバーイ
上条「ふー。突然雰囲気が変わってなんか怖かった……。店が広くて助かったけど、あの売り場には当分近づけないな……」
上条「なんつーかあれだ。自分の主張しっぱなしで相手の意見を封殺しちまうのは良い事じゃないよな、うん」
上条「大した理屈もないのに強引に気持ちを押し通すってのは、暴力と変らないよ……。結標さん……、だっけ」
上条「自分の気持ちよりも相手の気持ちを思いやれるようになれば、きっとすごく魅力的になるんだろうな……」
削板「すごいパンチ」
上条「……へ?がぼっ!! おぅううううううううう、、、……な、テメエいきなり何しやがる!?」
削板「ふん、根性無しがそれなりの根性を見せてくれるじゃねえか。だが『何しやがる』だと?」
上条「知ってるぞ、お前はナンバーセブンだろ? 超能力者のクセにどうしてオレみたいなヤツ相手にケンカを売るんだよ?」
削板「こんなもんはケンカじゃねえ。お前はソレすら理解していない。わかるか? お前はオレの気持ちを思いやっていない」
上条「いきなり能力振るう相手の気持ちなんて知った事かよ!! それとも何か? オレにうらみでもあるってのか!?」
削板「すごいパンチ」
上条「がふっっっっつつつ」 ドーン
削板「今の質問は『コイツはオレを誰かと勘違いしている。だから意図を聞けば誤解が解ける』って寸法だろ?」
上条「がっ……ぐっ、だったら、だったら何だよ!? オレは、こんな目に遭わされる覚えなんて……ねえよ!」
削板「つまりだな、『自分はいつも正しくて他人は間違っている』言葉では否定してもお前は常にそう思ってるって事だ!」
上条「ワ、ワケわかんねえよ……。くっ……、第一、オレは絶対正しいなんて……」
削板「現に今だって自分の間違いを認めねえじゃねえか。ったく、物分りの悪いヤツだ。……お前、メダカ類って判るか?」
上条「はあ……? 唐突に何が言いたいのかサッパリだけど、メダカなら飼ってる。けどメダカ類ってのは知らない」
削板「現在の分類上メダカはダツ目だが、昔はメダカ目ってのがあってカダヤシやグッピーなどと同じグループだったんだ」
上条「カダヤシってのはアメリカ原産のメダカそっくりの小魚で、グッピーは最も基本的な熱帯魚だな」
削板「うむ。メダカ類とはそのメダカ目に含まれていた魚種、更にそれとは全く無関係だがメダカ風の小魚を漠然と含む」
上条「……つまり、正式な分類ではなく慣例的というか、単に『メダカっぽい魚たち』って意味として使う言葉か」
削板「そこまで理解したところで、かつてのメダカ目、現在はカダヤシ目に分類されるカダヤシという魚について考えるぞ」
上条「その昔ボウフラを食べるからという理由で日本に持ち込まれた外来種として、か?」
削板「加えて卵胎生でポンポン増える上に水の汚れや冷温に割と強く、強い肉食傾向で在来種を駆逐してしまう魚として、だ」
上条「確かに野生のメダカが居なくなって換わりにコイツが繁栄、って水源が少なくないって聞くけど……」
削板「現在ではその脅威から特定外来生物に指定されている。まあ、厄介者って扱いだ」
上条「ブラックバスやアメリカナマズと同じカテゴリかよ。だけど、ソレがどうしたって言うんだ?」
削板「メダカが好きらしいお前に聞くが、カダヤシは日本から居なくなったほうがいいと思うか?」
上条「……そりゃ、まあ。生態系の乱れってのは微妙なバランスで成り立つ自然環境全体を破壊する事だってありうるからな」
削板「ならばちょっとばかり無理な例えだが、カダヤシのみを全て殺す薬品が存在するならお前はソレを使えるか?」
上条「はあ?? いや、仮にそんなものが出来たとしたら使うのは専門家だろ? オレがどうこうする話じゃあ……」
削板「ふん、全く根性無しのセリフだな。カダヤシが居なくなればいいと言いつつ、判断は他人任せか」
上条「そういう意味じゃねえ! 仮にその役を正式に任されるたのなら躊躇せずに駆除するさ」
削板「へぇ? …………、ところでこの店は研究機関向けにカダヤシを常時ストックしている。ホレ、この水槽を見てみろ」
上条「これが……見れば見るほどメダカそっくりだな。移動や販売は原則禁止だから、今日ココで見れるとは思わなかったよ」
削板「さてそこで、この水槽の管理者であるオレがお前に依頼する。そいつら全部殺してくれ……、って言ったらどうする?」
上条「え…………、」
削板「任されたら害魚カダヤシを殺す。お前は確かにそう言ったな? なに、このビンの中身を一滴垂らすだけ。簡単な話だ」
上条「ふ、……ふ、ふざけんなよ? 何の意味も無くおさかなを、メダカそっくりのコイツらを殺せるワケが…」
削板「意味ならあるさ。この薬の効果、特に専門家以外が適当に使う場合でも期待通りカダヤシが死ぬか。それを調べる」
上条「なんでだよ……、コイツらだって生きてるんだぜ。勝手な都合で命を奪う権利なんてどこにも無いだろ!」
削板「現実を突きつけられて矛盾を起こす、か。……お前はホントに根性の欠片もねえどうしようもないクソだ」
上条「矛盾でも根性無しのクソでも構うもんか。オレが正しいだなんて言わねえよ。だがな、いいか?…」
上条「この世に絶対の真理なんてモンがあるのかはオレは知らない。だけどコレだけは言える。命より大事なものは無い。
知識よりも歴史よりも、もちろん金や名誉みたいなくだらないものとは比較にならない価値が命にはあるんだよ。
飯を食ってウマイと感じることも、風呂入って気持ちいいのも生きてこそだろ。テメエにはわかんねえのか!?
ヒトが生きてメダカが生きて、同じようにカダヤシだって生きてんだ。大体さっきも言ったけどなあ
カダヤシってのはもともと北アメリカ原産の小魚だったけど、蚊の幼虫ボウフラを好んで食べる性質があるから
その名のとおり蚊を絶やし、蚊の媒介する伝染病を防ぐことが期待され世界中に移入されたんだよな。
だけど、その強い肉食性、攻撃性、繁殖力、貪欲さが各地で大きな問題になってるってのもわかってる。
小さな体だけど、他の魚のタマゴや稚魚を襲って食べつくして移入地の生態系を大きく乱しちまうんだ。
今じゃ世界の侵略的外来種ワースト100に選ばれている、そういうヤツだってのは知ってるって言ってんだよ。
日本でもメダカやその他の小型淡水魚減少の一因がコイツだっていう可能性は低くない、なんて言われてんな。
でもな、考えてもみろよ? カダヤシはどうやって北アメリカからはるばる海を越えて日本にやって来たんだ?
ああ、そうだよ。人間の都合だろうがよ! 大正時代の始めに輸入したんだろうがよ!!
諸手を挙げて大歓迎しておいて、期待ハズレだったから忌み嫌い挙句には殺す? 理不尽にも程があんだろうが!!
無定見な移入が人間の責任だったら、ソレが原因で起こる在来種の減少も生態系の乱れも罪を償うべきは人間だ!
なのにカダヤシを駆除すべき厄介者として悪者扱い。罪を擦り付けてるだけじゃねえか!!
オオクチバス、コクチバス、ブルーギル、アメリカザリガニ、ミシシッピアカミミガメ、ヌートリア、キョン……。
同じ様な事態が今日まで何度も繰り返されてきたけど、一瞬たりともそいつらのことなんて考えてねえ。
自分たちの失態のツケをおさかなに押し付けてんじゃねえよ! 命を軽く扱ってんじゃねえよ!!
移入や移殖を計画するヤツはオレなんかと違って優秀なんだろ? なんで在来種と移入種の共存を考えない?
ヒトもメダカもカダヤシも幸せにずっと暮らしていける、そんな環境造りをなんで考えない?
考えたけど出来なかったってことなら、出来るまで諦めずにやれよ! 100回失敗、いや1000回失敗したからって
次もまた失敗って決まったワケじゃねえんだよ。コレだけ言っても判らないなら何度でも教えてやる。
命より大切なものなんて無い、コレは絶対に正しい事なんdゴブフゥウウウウウウウウウウッ」 ゴッキャグチャ
削板「すごいパーンチ、…………話が長い!! いい加減にしとけ、オイ」 上条「 」
削板「菓子や玩具売り場で幼児はダダをこねるよな? ありゃあ親に自分の願いを無理強いしてるんじゃねえ。
ダダをこねたらなんでも上手く行くと思ってんだ」
上条「 」ピクッ
削板「誰が、すら考えてない。泣き喚いていたらどうにかしていつの間にか問題が解決する、そう信じてんだな」
上条「 …」
削板「お前はナリだけ立派な幼児、いやそれ以下だ…………、おい? 人が話をしてるのに寝るな! この根性無し」 ペチペチ
上条「 …………、……寝てねー……よ。……………」
削板「よし、続けるぞ。お前が一番ダメなのは本心と言行が一致してるってことだ。……ん? 違うか? いや…………、
あー、ややこしい!! ややこしいが、燃えるオレの根性でわかりやすく説明してやる。
最初お前はカダヤシは駆除すべきと言った。だが目の前にカダヤシを用意された途端にガラリと主張を変えたな?
実際どっちもお前の本心からの発言だ。真剣に物事を考えていたならありえない変節だがな。
場当たり的で何の見通しも立てていない100%感情依存の自分の発言にこれまた無根拠の自信があんだろうが
それを世間一般で何て言うか覚えとけ。『妄想』だ!
頭ん中で作り上げたお花畑の世界を実現したいんだろ? しなくちゃイヤなんだろ? 出来るはずだと思うんだろ?
出来ていないのは他人の責任だと思っているんだろ!? だとしたら罪を拵えて擦り付けてんのはお前自身だ!!!
特定外来生物、またはそれには含まれないが環境への悪影響が大きい生物の名前をいくつか出したよな?
悪いのは生き物じゃなく何度も間違いを犯す人間だって? ああ、確かに生き物に罪なんざありゃしねえさ。
だがな、お前は身の周りにどのくらい外来種が存在しているのか考えたことがあるか?
大陸と海で隔てられた島国。南北の差が産む日照や温度差、急峻な山々から流れる急流が削り出す複雑な地形差
長い時間を掛けて作り出された土地ごとの環境に応じた動植物の独自の進化。
そしてそこに歴史を刻んできた人間が統治形態や物流の制限によって長らく地域差を守ってきたのが日本という国。
この国は元来、他国に比べてユニークな生態系が発展し維持されやすい特性を持ってんだ。
そんな日本に現在どのくらいの外来種があるのか想像してみろって言ってるんだよ!
で、さっきから外来種在来種と言っているがちゃんと理解してねえだろ? しゃあねえからついでに解説してやる」
削板「手元の小学国語辞典によるとだな、外来種とは……、載ってない…………。外来種なんてホントは居なかったのか?
………………違うからな? 困ってるワケじゃあねえ。……辞典に収録されないなんて実に根性の入った言葉だな!
ま、一般的には最も広義な捉え方『人の手により移入され定着した元々そこに居なかった生物』という意味で使うが
規制や何かをする場合の用語としてはそれだけでは足りない。時間的な起点を決める必要があんだよ。
例えば我が国の外来生物法では、明治時代以降に移入された生物が規制の対象である、とかな。なんでかわかるか?
もちろん時代が古くなれば記録も定かでないってのも理由の一つだが、んなことよりも明快な話なんだな。つまり
『起点を決めずに外来生物、外来種を規制しようとすればほとんど全ての生物が対象になってしまう』からだ。
植物で考えてみろ。主食の米に始まって、茶、大根、タマネギ、キャベツ、ほうれん草、きゅうり、ジャガイモ
サツマイモ、ゴボウ……キリがねえが、食用栽培種は全部外来種と考えて98パー間違いないぞ?
他にも竹や一部の松、イチョウなんかも外来種だよなあ。草木花果に満遍なく蔓延してるが、どうする?
動物でも同じことだ。ほとんど全ての家畜、ほとんど全ての愛玩動物、多くの淡水食用魚は元々移入されたもの。
ネコもイヌもウシもブタもニワトリもウマもニジマスも連れて来られなかったら居なかったはずの生き物だ。
このように外来種というのは定める起点によってほぼ0~100の幅を持ってる。対する保護すべき在来種の定義が
『外来以外の種』であることと併せるとまったくややこしいことになっちまう。
……何が言いたいのか判らないって顔をしてるな。安心しろ。例えばそうだな、ムチャを通して
『カダヤシを駆除するのなら全ての外来生物も同様に規制、場合によっては駆除すべき』とか、逆に
『外来種が溢れているのが現状だ。だからカダヤシは駆除しなくても良い』なんて極論に走るつもりはねえ。
そうじゃなくて、古来より日本では外来種を多く取り入れていて、多くの成功例を持っているってことを示したんだ。
まあ何を持って成功とするかさえ基準によって変っちまうからアレなんだが、更に突き詰めてしまえばこうか?
『外来種問題の原因が人間なら、外来種の生態が引起す事象を問題とするのも人間』じゃねえのか?
稲作がイヌビエって雑草の繁殖地を減少させたことを問題にするヤツがいるか? クニマスが本来の生息地以外で
発見されたことを糾弾して駆除しようというヤツがいるか? 江戸時代の文献では食用では無いとされるキュウリが
今では生で食べられるみずみずしい野菜になっちまったことを嘆くヤツがいるのか? 居るはずねえよな。
人間が困るか困らないかで有害有益を判断するのは自然なことだ。なにしろ人間は自然の一部なんだからな。
ところがお前は違う。
カダヤシを殺すのを嫌がるのも、メダカが減少するのはダメだというのも、人間が困るからじゃないんだ。
カダヤシやメダカが困るからイヤだ、っていう不自然なことを本気で言ってるんだ。実に救いようの無いバカだ。
豊かな自然を守ろう、かけがえの無い命を大切にしよう、美しい地球を未来の子供たちに残そう。いい響きだな。
だが普通こういう美辞麗句は頭に『自分のために』をつけて考えるべきであり、考えて使っているはずなんだ。
山の森林を大規模伐採して耕作地に替えてしまったがために、毎年のように水害に襲われる国がある。緑化運動は
例えばそうした被害を防ぐための直接的な手段であり、決して『緑が溢れると地球も元気になるよね!』なんて
クソメルヘンの世界とは無縁だろ? 保護も駆除も開発も言葉にした時点で人間のエゴだからな。
それなのにお前は妄想世界と現実が違うことがイヤで、わかりもしないのに生き物の代弁者になったつもりで
人の行為を罪に仕立て上げて断罪したんだ。自分がどんだけバカでクズだがそろそろ気付いたか?
更にお前が悪いのは、自分の言行を自分のためにやってるってトコだ。ん? それは普通だって話じゃないかって?
ココが一番ややこしいんだが……、さっきまで言ってた自分のため、人間のため、ってのは目に見える利がある。
平たく言えば『そっちのほうが実際に得だから、やろうぜ』……、そういうベクトルの感情ってことで理解しろ。
一方お前の考える自分のため、ってのはそうじゃない。目に見える実利が無いんだ。
カダヤシの命を守りたい、なぜって自分が満足するために……。カッコイイよな? だがそういうことでもない。
満足を求めるんならいずれ全ての生き物を死から守らなきゃいけなくなるからな。そうじゃなくてお前は、
『カダヤシの命を守って満足するオレカッコイイ』ってみんなに思ってもらいたいんだよ。
自分の考えを善と捉え、自らの欲求に従ってそれを為す。その上でアレは自分のためだ、と言い放つ。
それでいて関係ない世界など考えもしない、だって自分の為だから。深く計画することも無い、だって今やりたいから。
ドコまで思い上がっているんだか。神にでもなったつもりか? ……って思ったがそうじゃねえんだなあ。
確かにお前は自分以外の全ての人間を見下している。力が無いと言いながら自分の異能が何より優れた力だと思ってる。
根拠の無い思いつきの行動であっても持ち前の幸運で全てが上手く行くと信じている。全知全能ってこんな感じかね。
それがそうじゃねえってのは、お前の世界は頭の中で完結してるって意味だ。
カダヤシが害魚扱いされてるのもヌートリアが日本の河川で悠々と泳いでるのも全部、現実だと思ってねえ。
だから無責任なことが言える。だから適当な行動に出る。だからそれでも運良く事態は改善に向かう。当然だ。
お前が見てるお前の世界の中ではお前の考えが絶対に正しいに決まってるんだから。正しさもお前が決めるからな。
現実とリンクしていない妄想の世界を限りなく広げて、それで満足してりゃ良いのにお前は評価を欲しがった。自分の
作った箱庭の出来を見せびらかす。ソレがお前の言う自分のためなんだよ。やってることはガキの人形遊びと同じだが
現実世界と他人の妄想世界を壊すんなら悪だ。悪は懲らしめなくてはならない。だからオレはお前を制裁した。
わかったか? お前は妄想世界の本音と現実世界の言行が一致してしまっている。余りに幼稚で未熟で醜悪なほどにな」
上条「なんてこった……。正直内容はほとんど意味不明、勢いに押された感で満載だけど………、オレは間違っていたんだな」
削板「間違いに気付けば今は充分だ! 過ちては則ち改めるに憚ること勿れと、かの王冨も言っている」
上条「そりゃ孔子のセリフだ! 王冨って火薬で空を飛ぼうとして爆死した中国明時代の官僚だろ?」
削板「言ってないとは限らないから間違いとは言えない!!」
上条「強引なヤツだなあ。……まあでも、有頂天になったりしないよう気をつけるよ。忠告サンキューな」
削板「ああ、久々に根性出して説教できてスッキリしたぜ。じゃあな、第二位!」
上条「またどこかで……、第二位? おい、第二位って何のことだ?」
削板「今更何を言ってやがる? お前が超能力者第二位、垣根なんちゃらだということは綿密な調査で既に確定的に明らかだ」
上条「えーっと…………、あの……、人違いデスヨ?」
<オヤ カミジョウ マタフコウナメニ アッテルミタイダケド? ナニ? コイツノナマエ? カミジョウダケド ッテ ソギー ダケド
削板「………………」 上条「………………」
『………………』
削板「じゃ何か? その、上条は、謂れの無い説教を喰らって何故か反省したってのか? お前頭大丈夫か???」
上条「やかましいいいいいいい!!! まずは間違えてゴメンなさいすんのが人として正しい態度だろおおおおお!!!」
削板「人に罪を擦り付けるなと言ったろうが! 間違えるのは人間の特権だ!! 大丈夫、何も問題ない!!!」
上条「もう誤魔化されねえぞ!! 適当なことばっか並べやがって、こっちだって我慢の限界だああああああああ!」
削板「終わったことをいつまでもウジウジと、全く大した根性無しだ。よし、じゃあこうしよう。ホレ、一発殴れ」 ズイッ
上条「な?? ………………フン、お返しなら三発だろ?」
削板「細かい事に拘るんじゃねえ! もうそれでいい、三発殴って全部チャラだ!」
上条「最後の最後まで偉そうにしやがって、よーし! 三倍になったこと後悔すんなよ!!! うりゃ!」 ガンッ
削板「どうした!? 拳に根性が乗ってないぞ! 手加減など要らんから何発でも本気で来い!!」
上条「痛ってえええええ! どうなってんだテメエの体は!? 畜生、もうこうなりゃヤケだ!!! うりゃ! そりゃ!」
上条「 」 ズーン
削板「終わりか? んじゃ約束どおりこれで全てチャラだな。ま、オレが気に入らなければいつでも来い。じゃあな!!」
上条「酷い、あからさまに酷い目にあった……、不幸だ……」
上条「人違いでコレだけ人をボコボコにした挙句に延々と、それも割と誰にでも罪悪感を与えるような説教しやがって」
上条「体が弱れば心も弱るんだ! たとえデタラメな内容でも、誰だってボッコボコにされた後なら聞き入れちまうだろが!」
上条「あんなのは万が一言ってることが正しくても絶対信用しちゃいけないタイプだぜ……」
上条「とかなんとか言ってるうちにもうこんな時間か。戻らなきゃな」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――
上条「…………ん」
禁書「おはよう、とうま!」
上条「……くあ~。ああ、おはようインデックス」
なんか変なユメ見たんだけど内容忘れちまったよ 変なユメ? ユメは魔術的にも重要な意味を…
ああーっと、面白そうな話だけどさ、ソレはまた今度な! むう、とうまはまだ魔術をバカにするのかな??
ち、違うよ。朝は飯の準備に出かける仕度に、休んでるヒマの無い戦争なの! 戦場ならとうまは五等兵くらいかも?
それって偉いのか? 知らない
――――――――――――――――――――――
――――――――――――
――――――
禁書「行ってらっしゃい、とうま。……あ、そうだ」
上条「んじゃ、行ってくるからなー……っと」
『水槽に新しい生き物を入れるための準備を揃えに、買い物に行くの忘れないでね』
上条「…だろ?」
禁書「人のセリフ先読みしてカブせないで欲しいかも!! まあとにかく帰ってくるの楽しみに待ってるからね」
上条「おう、学校の帰りに必ず見てくるから任せとけ! じゃあ留守は頼むぞー」 バタン
~おしまい~
299 : ◆96XoVRe9oA[saga] - 2011/10/04 04:07:32.44 P095Mtf/0 212/386
以上、第二十四回「とーまのすいそう」でした。毎回のごとくですが、いろいろすいません。恒例の言い訳タイムです
侵略的外来種の問題はどうしても簡単に答えが出ないのですが、一度は扱ってみようと思ってて
でも対話形式だとどっちかが正解って感じに流れちゃうので、他人の話を全く聞かない人たちの討論にしたらどうかなって
結果はこのザマだよ・・・。構成の都合上、上条さんは通常の2倍は鈍感になってるし・・・
で、実は最終回のつもりだったので夢落ちして朝起きたらおさかな世界から脱出してる、ハズだったんだけど
やっぱりもうちょっと続けようって無理に改変してみたらあら不思議! なんとも奇妙なループ話に! ・・・見えたらいいな
というわけで、グダグダな言い訳もセットで付いてきてお得なおさかな話。次回は通常版でお届けします
ではではまたー
302 : ◆96XoVRe9oA[saga sage] - 2011/10/10 21:52:26.73 sqFkZxMh0 213/386いや、僕じゃナイデスヨ
と、謎のつぶやきからスタートしたおさかな話。今日はすごく簡単な話題で行きたかったんです本当です
第三パートがスッキリしてないままの投下をお許し下さい。テーマは『結晶』です。ではどうぞ
☆
「なあインデックス、女の子はキラキラした宝石が好きな子多いだろ。なんでなんだろうな?」
「とうま? 言いたい事が良くわかんないけど、硬くて立派なものに惹かれるのは人間なら誰しも同じじゃないかな?」
「……………………コホン。ん、つまりアレか。宝石の魅力は見た目の美しさとその永続性っつーこと?」
「もちろん例外はあるけどね。その神秘的な存在感が太古の昔から人間を魅了し続けているんだよ」
「神秘的、か。確かにダイヤモンドは傷つかないからソレを持つ者の命を守る力があるとか言うしな」
「宝石、例えば紫水晶を粉末にして飲んでた時代もあったんだよ。鰯の頭を信じない人は地獄に落ちる、みたいなものかも」
「『しんじんから』はそういう意味じゃねーけど。ちなみに水晶って二酸化珪素の結晶だっけ?」
「とうまの教科書によるとそうみたい。宝石って割とありふれた元素が素になった物の結晶であることが多いんだね」 パラパラ
「珪酸塩鉱物ってことで言えば水晶はもちろんとしてオパールやトルマリン、翡翠にベリルにガーネット、……キリがねーな」
「ダイヤモンドは炭素の結晶だしね。あと、コランダムってアルミナ(酸化アルミニウム)の結晶……、あれ?」
「そうそう。コランダムの中で宝石としての価値があるものがサファイアで、更にその中で赤い色をしてるのがルビーだな」
「つまりルビーって赤いサファイアなんだね。……はっ、とうま! アルミ箔からルビーを作って大儲けするんだよ!!」
「んなこと簡単に出来たら誰も苦労しねーよ。それならガスコンロでアルミ箔をあぶってダイヤモンド作ったほうが速いぞ?」
「それだって顕微鏡で見ないとわかんないようなチビダイヤでしょ? 宝石とは呼べないかも」
「だな。まあアレだ。宝石が貴重なのは、長い時間と途轍もないエネルギーと偶然が重なって初めて出来るからってことだろ」
「そだね。……あ、でもねとうま。宝石扱いされる物の中にはそうとも言えない例外があるんだけどわかる?」
「ん? ん~…………、ああ、琥珀か?」
「琥珀は樹液の化石だね。弦楽器奏者が使う松ヤニそっくりだけど、決して短期間で出来るものじゃないかも」
「むむ……、じゃあジェット?」
「黒玉とも呼ばれるイギリス的宝石だけど、これも(樹木の)化石だよ。もっと短い時間で出来るもので考えて欲しいかも」
「……ふむ。要するにインデックスは真珠の事を言ってるんだな? おさかな話だし」
「うんうん、よく気が付いたねとうま! 誰でも知ってることだけど真珠ってただの石じゃないよね。水産物だもん」
「っても細かいことまでは知らないけど」
「真珠島とかバロックとか金・銀・パール・プレゼント♪ なんかで割と耳や目にする機会が多いのにね」
「今日はそんな真珠の話ってワケか。とりあえず常識として、貝の中で出来るんだよな」
「そうだよ。代表的なのはアコヤガイやアワビ、淡水真珠貝のイケチョウガイ、黒真珠で有名なクロチョウガイなど、かな」
「ちょっと待った! アワビ? 他の貝は良くわかんないから置いておくとして、アワビから真珠って採れるのかよ?」
「順を追って説明するから慌てないで欲しいかも。まず第一に、そもそも真珠の成分は貝殻と同じなんだよ」
「えーと、貝殻と同じってことは鍾乳石と同じ炭酸カルシウムが主成分なんだな。それで?」
「貝は外套膜っていう部分からの分泌物で殻を作るんだけどね、この部分が何かの拍子で小さく千切れることがあるんだよ」
「外套膜っつーのは、貝の中身が殻に接している部分の名前か。で、千切れる場合って例えば?」
「砂粒や寄生虫の進入とかかな? で、その外套膜の破片が軟体組織内……、要は体の中に入っちゃうと勝手に復元するの」
「ん??? 破片が復元ったって、外側の部分なのに体の内部に移動しちゃもうダメなんじゃねーの?」
「ダメって言うか、元の場所に戻ることは出来ないから結局その場所で袋状の組織になるんだよ。これを真珠袋っていうの」
「……ああ、そういうことか。外套膜は貝殻を作る。同様に袋状の外套膜、真珠袋の中でも貝殻が、つまり真珠が出来ると」
「養殖真珠の場合は中心となる核と外套膜の切片をセットにして、手術で生殖巣に入れるの。真珠袋が核を包むようにね」
「ふむ。天然の美しい真珠は偶然の産物だけど、養殖なら入れる核によって希望の大きさや形くらいは揃えられるわけだ」
「それもある程度だけどね。商品価値のある真珠が採れる確率は5~30%くらいみたいだし」
「ふ~ん。にしても貝にとっては災難だよなあ。たまたまキレイな貝殻を持ってたってだけで手術だの養殖だの……、あ」
「気付いた? アワビも貝殻の内側がとってもきれいな虹色でしょ? ああいうのを真珠層って呼ぶんだって」
「なるほどね。殻の内側がキレイな真珠色をしている貝が真珠を作るって考えればいいんだな」
「うんうん。たとえ千切れた外套膜が袋を作って体内で貝殻が出来たとしても、キレイじゃなきゃ真珠じゃないんだよ」
「アサリやハマグリの殻の内側は真っ白だったりするから、仮に真珠?が出来てもやっぱり白いのかな」
「だと思うよ。そういうのは区別して真珠様物質って呼ぶんだよ。だからお味噌汁飲んでて何か入ってても大喜びしないでね」
「いや? 上条さんとしてはソレはソレで大当たりだと思うぜ? 記念になるし、珍しいし、立派にお宝だろ??」
「最初のとうまじゃないけど、私は男の子のそういうところがわからないかも……」
☆
白井「唐突ですけど、サンゴって最近あまり名前を聞きませんわね」
佐天「え? そりゃいくら名作って言っても連載が終わって随分経ってるから仕方ないですよ」
御坂「最後は結局どうなったんだっけ? 実家のお寿司屋さんを継ぐとか大学でオリンピックを目指すとか……」
初春「あれ? 白井さんは宝石のサンゴのことを言っているんじゃないですか?」
白井「ええ……、3月の誕生石コーラルこと珊瑚ですの。まさか初春しか分ってくれないとは思ませんでしたけれども」
御坂「え、そっち?? …………でも確かにそうね。サンゴと聞いて宝石を思い浮かべないんだもん」
初春「世界的に見れば乱獲が問題になっていたり大国の買占めがあったり、全然大人気ですけどね」
佐天「でもさ、サンゴって結局真珠と同じ炭酸カルシウムでしょ? 鶏卵のカラをありがたがるみたいで、なんだかなあ」
白井「卵殻でもイースターエッグでしたら時には美術品以上の価値がありますわよ? 組成など些細なことですの」
御坂「だね。それに昔は宝石サンゴの赤い色は血の色に見立てられて、数多くの伝説の証とされてきたのよ」
初春「蛇女メデューサや十字教で言う神の子の血が固まったものって話ですね。まあ赤い色の宝石にはありがちですけど」
佐天「真珠は人魚の涙ってのに比べたらちょっとバイオレンスだね……。あ、そういえばサンゴって動物なんですよね?」
初春「サンゴ虫ですね。動物にしては変な生態をいろいろ持ってますけど。まずそもそも動かないですし」
御坂「種類によるけどね。分類としてはイソギンチャクやクラゲなどの親戚って考えればいいかな。刺胞動物ってグループね」
白井「その中で一箇所に留まって骨格を作り出す性質を持つものをサンゴと考えればいいんですの」
佐天「つまりサンゴって骨を作るイソギンチャクですか……。じゃあ同じように口や触手があるんですか?」
御坂「かなり単純な形になってるけどちゃんと獲物を捕まえて食べるみたいよ」
白井「ですが珊瑚礁を作るものと宝石を作るものは別種でして、特に栄養摂取の面では大きな違いがありますの」
初春「珊瑚礁を作るサンゴはかなり浅く透明度の高い海に棲んでいますね。きれいな海って、響きはいいですけど」
佐天「多くの生き物にとっては食べるものが無い死の海でもあるんだよね。なんでそんなとこにわざわざ?」
御坂「珊瑚礁を作るサンゴを造礁サンゴって言うんだけど、必ず体内に褐虫藻って単細胞生物を飼ってるのよ」
白井「要は植物ですわ。造礁サンゴは体内でそいつらに光合成をさせて栄養を補給出来るんですの。もちろん捕食もしつつ」
初春「だから海底まで光が届く透明度の高い浅い海に棲むんです。一方で宝石サンゴはかなり深い海に居ますね」
御坂「造礁サンゴは褐虫藻を飼っていない宝石サンゴに比べて骨格を作る速度が段違いなのよ。光合成のお陰なのかな?」
佐天「そりゃまあ、島まで作っちゃうくらいですもんね。宝石サンゴはそんなわけには行かないだろうし」
御坂「1cm成長するのに50年掛かる種類もあるみたいね。でも珊瑚礁だって出来上がるには長い時間が掛かるのよ?」
白井「珊瑚礁にはサンゴに隠れて生活する小魚やソレを捕食する大魚が集まって、死の海はやがて極彩色の楽園になりますの」
初春「深海のサンゴも珊瑚礁のサンゴも気の長い芸術家ってトコは同じですね。美しいのは生き方そのものですけど」
初春「え? ……オチなんてありませんよ? …………、空気を読めない子は後々苦労しますよー」
☆
打ち止め「ねえねえ、最大の魚類はジンベイザメだよね。じゃあ最大の水生生物って何?ってミサカはミサカは質問してみる」
一方通行「…………よく覚えてねェが前に同じよォな流れが無かったか? ソレはともかく、最大の水生生物か……」
打ち止め「およ、もしかして久々の難問だったりする?ってミサカはミサカは謎の手ごたえを感じてみたり!」
一方通行「オマエの価値観なンざ知ったこっちゃねェが、確かにその問にはある難題が関わってる。群体をどォ扱うか、だ」
打ち止め「グンタイ? 超能力者と互角に渡り合う人的暴力装置のこと?ってミサカはミサカは不穏当にボケてみたり」
一方通行「……話を聞きたくねェのか? フザけてンならオレは止めても構わねェけど」
打ち止め「聞きたい聴きたい嬉々期待!! ってミサカはミサカは今後は気をつけるからお話の続きを切望してみる!」
一方通行「次はホントに打ち切るからな。……で、アレだ。通常、現生最大生物はクジラの仲間ってことになってる」
打ち止め「ほほぉ、ということは有名なシロナガスクジラが一番大きいんだねってミサカはミサカは確認してみたり」
一方通行「だな。体長30m以上、体重150トン以上、一日の食事量は4トン。最長・最大・まさに規格外の海棲哺乳類だ」
打ち止め「数字だけ聞いてもホント圧倒的だよね。それに特殊能力を使わず遠距離の仲間と意思疎通したり出来るんでしょ?」
一方通行「よく知ってンな。巨体を使った単なる鳴き声も規格外。180ホン超の低周波で通信圏は100km以上なンだとよ」
打ち止め「……何もかもがデタラメなサイズでイメージしにくいんだけど、コレ以上の生き物がホントにいるの?」
一方通行「ンー……、とりあえずソコは後回しにしとけ。ところでカツオノエボシって分るか?」
打ち止め「ミサカネットワークをナメたらいかんぜよ!ってミサカはミサカは唐突な質問に『毒クラゲ』と即答してみたり」
一方通行「便利だなソレ……。そォ、空気の詰まった青いポリ袋のよォな外見の、危険だが珍しくもねェクラゲだ」
打ち止め「大きさは餃子以上メロンパン未満ってとこかな。で、このカツオノエボシがどうしたの?」
一方通行「その大きさってのは水面に浮かぶ袋の部分だけだろ? その下には最長で50m以上にもなる触手があンだよ」
打ち止め「50m!? あな……、あなおそろしや、誰かの全力疾走で20秒くらい掛かるほどの長さの触手って……。あれ?」
一方通行「そンなモヤシは知らねェが、言いたい事は分る。最長のはずのシロナガスクジラより長いよな?」
打ち止め「つまりカツオノエボシには最長生物とされない理由があって、それがさっき言ってたグンタイに関係があるのね?」
一方通行「正解。で、群体ってのは簡単に言えば無数の個体が群れを成し一個体のよォに振舞ってる状態を指す」
打ち止め「小魚が群れを作ってまるで一匹の大きな魚みたいに見えることがあるけどそういうこと?ってミサカはミサカは…」
一方通行「そのレベルじゃねェ。一匹のクラゲに見えるカツオノエボシは実は群体なンだよ。ンじゃ、詳しく行くぞ」
一方通行「っと、群体の解説に入る前に紛らわしい用語、『クラゲ』について最初に説明しておく必要があンな……。
普通、クラゲと聞けば生物の名前だと思うだろォが今回は別の意味でも使うからな。
イソギンチャクやクラゲ、サンゴなどが含まれる刺胞動物というグループは大別して二種類の型がある。
一つはポリプ型。これはイソギンチャクをイメージすりゃ良いが円筒状の体型の一端が口になっていて
逆側は岩などにへばり付くための部分って構造をしたタイプだ。
そしてもう一つがクラゲ型、クラゲと聞いてイメージするだろォ傘を持つ浮遊生活に向いたタイプだ。
この二つの型をそれぞれ単にポリプ、クラゲ、と呼ぶ事があるから注意しろ。
例えば海水浴の嫌われ者として馴染みのあるミズクラゲってのが居るだろ? 刺されても然程痛くねェヤツ。
アレは浮遊する幼生が岩などに固着してポリプとなり、イソギンチャク同様の生活をしつつ成長した挙句に
分離して再びクラゲとして海中を漂い、その成体は有性生殖の後に幼生を放出して一生を終える。
判ったか? 名前か型か、そのクラゲがどっちを意味してンのか注意してねェと混乱すっから気ィ付けろよ」
打ち止め「えーっとつまり、クラゲがクラゲじゃないときでもクラゲはクラゲなのねってミサカは……、ややこしいよ!!!」
一方通行「それ以外にもクシクラゲはクラゲでは無いと言っても間違いじゃねェとか、クラゲ話は紛らわしいンだよ」
打ち止め「クシクラゲは刺胞動物じゃなくて有櫛動物だからだよね。でもクラゲと言っても間違いじゃない……」
一方通行「その辺は自分で調べた方が良いだろォな。とにかくクラゲの話題には気をつけろってこった。続けンぞ」
一方通行「カツオノエボシはヒドロ虫綱クダクラゲ目ってのに分類されンだが、これまたミズクラゲやエチゼンクラゲ、
アンドンクラゲなどの鉢虫、箱虫綱じゃねェって理由でクラゲでは無いとされることもある。
じゃ何だ?っつーとヒドロ虫の群体、ってコトになるンだが……、今回は面倒なンでヒドロ虫の説明は省略して
さっきの『群体とは無数の個体が群れを成し一個体のよォに振舞ってる状態』の話に移る。
クダクラゲ目の体は一本の管から気泡体や栄養体、感触体や生殖体が生えてるよォな構造をしてンだが
その一つ一つのパーツが実はそれぞれ別個のヒドロ虫なンだ。つまり、浮き袋になってるだけの個体や
獲物を捕らえるだけの個体。食べるだけの個体に有性生殖を担当するだけの個体。他に遊泳担当の個体を
備えた種類も居るがそォした多数の個体が一箇所に集まりそれぞれ別個の活動をすることで全体としての
まとまった生命活動になっている状態、こォ言うのを群体と呼ぶ。たとえるなら、ネジを回すだけのヤツと
色を塗るだけのヤツ、溶接するだけのヤツなンかが集まってる製品工場のイメージかね? 一人一人の仕事は
ソレだけでは意味が無いが全体として見るとクルマやらテレビが次々作られてくだろ?
で、その個々のパーツなンだが別にその辺をふら付いてたクラゲが集まってるワケじゃねェ。カツオノエボシでは
まず最初に小さなポリプともクラゲとも呼ばれない状態、幼生として海を漂い、成長に伴い変態をしていく。
そのうちに一端は浮き袋、もう一端は口と触手を備えた一本の管(クダ)状に変化し更にその後、この管の部分が
木の幹と同様にいくつかの成長点で伸びそこから各器官の役割を担う個体が次々に発生する。
植物の芽のよォに増殖するそれぞれの個体は生えてきた位置によって役割が決まり形も機能も様々ではあるンだが
最初は一個体の幼生だろ? つまり群体を構成する無数のヒドロ虫は全て無性生殖によって生まれたクローンだ」
打ち止め「んんん??? 同じ遺伝子を持つ異なる役割の器官を備えた集合って、ふつうの生き物と何が違うの???」
一方通行「オマエって時々ヤケに鋭いな……。確かに群体は単細胞生物から多細胞生物への進化段階と見做される場合もある」
打ち止め「まあ、何を言ってるかミサカ自身は分ってないんだけどねってミサカはミサカはカンニングを暴露してみたり」
一方通行「…………覚えとけ、正直は美徳とは限らねェぞ。ラスト行くが聞きたきゃ勝手に聞け」
一方通行「最大の生き物は何か? って問題にカツオノエボシが挙がらない場合がある理由は以上のよォに単独の個体とは
言えないからだが、もし群体も考慮すンなら他にも巨大生物は存在することになる。
クダクラゲ目の別種、マヨイアイオイクラゲは幹の長さが40mの細長い群体生物である、とかな。
ただソイツらを認めちまうと、更に厄介な存在が浮上してくる。多くが刺胞動物門花虫綱六方亜綱に属する動物、
骨格を作る小さなポリプが群体を成し果ては珊瑚礁すら作っちまう、造礁サンゴって呼ばれるグループだ。
体内に褐虫藻を飼うことで光合成によるエネルギー補給が可能なコイツらは、より多くの太陽光を浴びるために
せっせと骨格を造り群体全体を水面近くまで盛り上げていく。生命活動をしてンのは表面だけであとは石灰質の
ただの土台だが結果として島レベルのデカさに成長すンだろ? クラゲの長さはもちろん、クジラの重量すら比較に
ならないンじゃねェか? もちろん、群体を考慮するとしてもその大きさは生きてる部分のみで考えろって批判も
あンだろォが、なら樹木はどォなンだよ? アレだって太い幹の大部分は単なる柱で、生命活動はしてねェ。
だから樹木の大きさを表す場合は葉や根毛や樹皮直近部分のみで考えろ、なンて誰も言わねェだろォが。
とは言え、生命活動の結果出来上がってンだから珊瑚礁全体を生物と見做すべきだ、なンて誰も主張しねェがな。
群体はその形態によって、或いはドコまでを一塊と扱うかで大きさに際限が無くなっちまうコトがある。
オマエの言う普通の生き物との違いはその辺りかもな」
打ち止め「ふむむ……、ホント紛らわしくてややこしい話だったねってミサカはミサカは見も蓋も無く総括してみたり」
番外個体「そんで、無数の個体が演算装置部品として機能する知的生命群体の誕生はまだかね?」
芳川桔梗「残念ながら刺胞動物には脳が無いし、パーツもただ反射的に活動してるだけだからソレは難しいわね」
一方通行「……そンなモンが産まれるためには、まず種の維持にエネルギーを使う必要の低い環境が必須だろォな」
打ち止め「死なないために必死で個々が役割分担してたら他のこと出来ないもんねってミサカはミサカは頷いてみる」
番外個体「ふーん、所詮SFの話か。……あ、それとさ。ミサカネットワークって繋がり合うクローンが作る集合じゃん?」
打ち止め「その発想は無かったよ……。物理的には全然繋がって無いけど、意識は電気的に集合し一つの脳のような…」
一方通行「端から意識を持つ個体同士なンだから知的に関係しあって当然だろ。それにテメエらは群体とは言えねェよ」
芳川桔梗「そうね。打ち止めからポコポコ妹達が生えてくるならまだしも。……ん~、あなたたちの状態は群体と言うより」
<ガチャっと 「超お邪魔します、と言っても超セクシー系美少女の私がお邪魔である理由など考え付きませんが!」
絹旗最愛「その場合は群体ではなく、超個体と超言うべきですね。分業が無いのでコレも超正確な表現ではありませんが」
打ち止め「突然誰?? ってミサカはミサカはコンパクトな侵入者に警戒してみたり」
番外個体「へ? なにこのチビコロ? オチドロボー?」
芳川桔梗「だけど『オチ盗人に罪は無し』よね。知らないおちびさん、何だかわからないけどオチ担当ご苦労様」
一方通行「いや、オチてねェだろォ!? それとそこのクソチビ、終盤に未解説の用語を出すンじゃねェ!!」
打ち止め「もう行っちゃったよ? ってミサカはミサカは言われっぱなしの謎の童女にちょっと同情してみたり」
絹旗最愛「超個体とは、完全に分離独立した多数の個体が形成する一体の生物のように振舞う集団です。群体と異なり
個々のパーツは超短時間であれば集団を離れる事が可能です。イメージが沸きませんか? バカですか?
昆虫のハチを思い浮かべてください。オスと女王バチが生殖を、働きバチが栄養摂取や防衛を担当しますよね?
それぞれのハチは完全に一個体なので移動も可能ですが、巣から離れての単独生活は超無理です。
この場合の蜂の巣を中心とした群れ全体を超個体と超呼びます。個々のハチはただのハチなので超要注意です。
ただコレは多分に概念的な表現ですので、例えば人間集団の行動が超個体的と言っても間違いじゃなかったり
もっと行き着いてしまえば生物全体が超個体であって互いに干渉しあい究極の進化を目指す、なんて意味不明な
話も作れちゃいます。究極の美に最も近い私と、浜面こと超浜面が同じ生物の異なる部分を担当するかのごとく
扱われていいはずないですよね? 大罪にも程があります。浜面調子乗んなです。あと私ちっちゃくないです!
そんなちょっと理解が超難しい言葉なので、生物学を本気で学ぼうとしない限り忘れちゃっても構いません」
浜面仕上「……、何の話だ??? オレ突然呼び出されて何でバカにされてんの??? オレは何の役割なの???」
絹旗最愛「栄光の大オチですよ? そんなこともわからないから浜面はいつまでたっても超キモ面のウマ面のバカ面の…」
~おしまい~
309 : ◆96XoVRe9oA[saga] - 2011/10/10 22:20:37.44 sqFkZxMh0 220/386
以上、第二十五回『結晶』でした
第一パート、養殖真珠は核を入れる手術から半年程度、貝を育てる期間を含めても5年程度で出来ます
万年単位、或いは億年単位を必要とする宝石に比べればあっという間です。
第二パート、サンゴからの分泌物が小動物のエサになるので生物が集まってくるって説がありますが
実は大したエネルギーじゃないので、なぜ珊瑚礁の海が生物で溢れてるのかは謎だったりします。
第三パート、一通「クラゲ話は紛らわしいンだよ」
はい、仰るとおりです。私には少々荷が重かったです・・・。精進しなきゃです
そんなわけで強引になってしまった部分もありましたが、今回はこの辺で。ではではまたー
315 : ◆96XoVRe9oA[saga sage] - 2011/11/20 01:42:56.58 P55bsVWX0 221/386御久しぶり過ぎて皆様に向ける顔の無いおさかな話、いやほんとに申し訳ないです。
そんな今回は大急ぎで書き上げただけあって過去一番自信の無い仕上がり。てにおはレベルの確認だけはしましたけど・・・
とか読み手を不安にする前置きはそのくらいにしてテーマは「獲物」です。よろしければどうぞ
☆
「なあインデックス、今更だけど川や池や海なんかで魚を捕まえる方法ってあんまり話題にしてこなかったよな?」
「とうま。それは魚の捕獲は規模の大小の差こそあれ、紛れも無い直接的な環境破壊だからなんだよ」
「へ? いやまあ確かに自然への強引な介入って意味ではそう見えなくも無いけど、ちょっと言葉が厳しすぎないか??」
「甘いんだよ!! 実際過去にテレビや雑誌やウェブは数多くの水場に回復不可能なダメージを与えてきたんだよ」
「ソレはアレか? 例えば珍しい魚の生息地とか、手軽で効率の良い捕獲法を安易に紹介するなってコト?」
「当然かも。不特定多数に制限無しで充分な考慮もせず情報を垂れ流しておいて反省もしない人たちのマネはしないんだよ!」
「まあなあ……。一時期アウトドア系のコンテンツは暴走してたよな。移入種問題の大部分も実は情報媒体依存なんだし」
「同じ舌で美しいふるさとを守ろうとかよく言えたものなんだよ。こーがんむちなんだよ!!」
「……どちらも恥ずかしくて痛々しいコトでしょう。ってやかましいわ!!」
「なにが??? ……まあ、とにかく言いたいのはおさかなを捕まえるのは良い事じゃないってコトなんだよ」
「遊びで捕まえるなら尚更だな。でもそれじゃ話が終わっちゃいますけど……」
「ワガママで悪い事をさせて貰ってるって思ったらムチャは控えるでしょ? まずはそういう意識を持つことが大事なのかも」
「ふむ。偉そうに個人の権利を主張すんのはお門違い。自然の中では謙虚にせいやッ! って感じかね?」
「うんうん。とは言っても、これだって個人的な意見だから何の強制力もないんだけどね」
「自然の捉え方は人それぞれだからなあ。規制されていない遊び方なら何をしても良いってのは正直イヤな気もするけど」
「アリを踏んでも気付かないのが人間なんだよ。そしてアリの範囲は人によって違う……、そういうことなのかも」
「……えーっと、話がそっち方面に行くと収拾が付かないんでそろそろ方向転換しないか? もうちょっとライトに」
「そう? じゃあ簡単な魚の捕獲方法をその害も付け加えて紹介してみる?」
「…………ますますダークな方面に落ちちまいそうな予感がビンビンするぜぇ。でも敢えて今日はそれで行こう!」
「心配しなくても誰でも出来る、またはやったことがある方法しか触れないんだよ。ある意味原始的狩猟かも」
「原始的っつーと……、手づかみとかタモ網とかか?」
「そだね。そういうのは池や川の岸辺、小川みたいな比較的浅い水辺ですると思うけど、どんな魚が捕れるかな?」
「ん~、フナとかオイカワやカワムツ、ヨシノボリやシマドジョウみたいな底魚、メダカやよくわかんない稚魚……」
「多くの稚魚、小魚が浅瀬に居るのは流れが弱く大型の捕食魚が近寄らない浅瀬でしか生きられないからだよね?」
「ソレを狙って網を入れるということは小魚を浅瀬から遠ざける……つまり纏めて殺すことにもなるかもしれないワケか」
「うん。更に手づかみや網の場合、水に入ってすることも多いと思うけど……、水底には何も居ないのかな?」
「いや、前述のヨシノボリやドジョウ類、水生昆虫やスナヤツメやカマツカ、時期によっては色んな卵もあるだろうな」
「水の中を歩くたびにそういった命を踏み潰す可能性があるかもしれないって心に留めて置いて欲しいよね」
「うむむ、他には手網を使って水底をガシャっと引掻いて砂石ごと魚を捕る……、魚が傷つかないワケねーな」
「かなり効率が良い方法ではあるけどね。他にも草が水に張り出してるトコの下部を網でガサっとすると色々捕れるけれども」
「ヌマエビや隠れていたナマズなんかだな。でも沢山一度に捕れるって事はそれだけ重要な隠れ家だったってことで」
「ソコを引っ掻き回されるのは生き物にとっては大迷惑なのかも。網で地形が変っちゃえば使えなくなる事もあるしね」
「そもそも魚の稚魚は緩やかな環境の変化には強いけどショックには弱いんだよな。だから網で捕まえただけで死ぬことも」
「そうなんだよね。石をハンマーで叩いて衝撃波で下に隠れている魚を気絶させて捕まえる方法も、稚魚には致死ダメージだし」
「見えないところにも被害があるかも知れないって気遣うだけで殺さずに済む魚が結構増えるんじゃないかな……」
「魚捕りは楽しいからついついやり過ぎちゃうけど、それだけムダに命を散らしているんだってまずは知る事からなんだよ」
「予想通りというか、今日はあんまり楽しい話題じゃなかったな。でも勉強になったよ」
「どう致しましてなんだよ。……あ、とうま。冷蔵庫が空っぽだけど今日の晩御飯はどうするの?」
「へ? 昨日一週間分の食料を買い込んだはずなんだけど……?」
「そんなの言ってくれないと判らないんだよ。もう食べちゃったかも!」
「インデックスさん?? 食欲も加減を守らないと家計に回復不可能なダメージを与えかねませんけどお??」
☆
佐天「そーいえば、マグロやカツオの一本釣りって豪快でカッケェ! ですけど何であんなことするんでしょうか」
初春「佐天さんの疑問は網でごっそり捕まえたほうが効率が良いのに手間を掛けて一匹ずつ釣り上げる理由は? ですかね」
白井「網での漁は、捕まえた大量の魚体同士がお互いに擦れあい皮や筋肉が傷付くリスクがあるんですの」
御坂「あと特にマグロは有名だけど止まったら死ぬじゃない? 長時間拘束する漁法は鮮度の面でも問題なワケ」
佐天「ふむふむ、要するに網漁での品質劣化を回避するために一匹ずつ釣り上げて素早くシメるんですね」
初春「じゃあいっそのこと網なんか禁止して全ての漁を釣りにすれば良いのでは、と考えちゃうところですけれど」
白井「そこは佐天さんが仰るようにコストが掛かる方法ですから、安値の魚まで適応するのはムリがありますわね」
御坂「ちっちゃな魚だと更に面倒だろうし……。一本釣りは比較的高値の魚をより良い状態で捕獲する方法って事ね」
初春「ところで佐天さん、カツオの一本釣りの針には返しが付いていないのは知ってますよね?」
佐天「返し……刺さった針が抜けるのを防ぐための突起のこと? ソレが無い針じゃカツオが逃げちゃうでしょ??」
御坂「逆にすぐ抜けちゃうから良いのよ。……えーっと、カツオ漁の流れを説明したほうがいいのかな」
白井「でしたらこの黒子にお任せを。20秒で解れ簡単一本釣り講座ですの!!」
白井「かつてのカツオ漁はカツオ鳥という、正式にはなんと言うのか解りませんがある種の鳥の群れを洋上に見つける事が
最初の仕事でしたの。その鳥はイワシが大好物なので群れが居るということはそこにはイワシの群れが居て、さらに
イワシを追うカツオが居るはず、ということですの。現在では魚群を探す機械の発達もあって探索をカツオ鳥のみに
頼ることは無いようですが……。まあなんやかやの後、カツオが居るポイントに漁船を移動させましたらエサ用の
イワシを海に撒いてカツオを船の近くに集めますの。
仕上げに船上からの放水。これは海面に水しぶきを上げることでカツオに『イワシのとんでもない大群が居る!』と
勘違いをさせ興奮状態にする効果があるそうで、そうなれば何にでも、たとえエサも付いていない釣り針にさえも
喰い付いてしまうんですの。針に掛かったカツオは屈強な漁師に一気にその頭上まで引き上げられ、その勢いと重力と
慣性といろいろで刺さっていた針が抜けるという仕組みですの。返しの付いた釣り針を抜くのは結構な手間ですので
針を入れればどんどん釣れる状況でそんなことに時間を取られないためにも返しは必要ないんですのよ」
御坂「遊びの釣りでも、針の返しを切っちゃう人は居るんだけどソレは魚体へのダメージを軽減するのが目的なのかな」
初春「カツオの一本釣りの場合はとにかく時間短縮の為ですね。数秒に1匹のペースで釣るんだそうですよ」
佐天「よっ、はっ! よっ、はっ! って感じ?? そんな速さで獲ってたらカツオいなくなっちゃわない???」
白井「豪快とは言っても釣りは釣りですので、漁獲量は網とは比較にならない少量ですの。貴重品たる所以ですわね」
初春「カツオ鳥の話が出てましたけど、他にもクジラや流木を目印にしてカツオを探すこともあるみたいですね」
御坂「そうね。それ全部、本命のカツオじゃなくてそのエサになるイワシを見つけるためのサインだけど」
佐天「喩えるなら白井さんに会いたい時は御坂さんを探せって感じ?」
初春「御坂さん=イワシ、で白井さん=カツオですか。でも白井さんじゃ一本釣りしても全然高級感が無いですけど?」
白井「一言余計ですわよ……。まあ私を捕まえたければ大量のお姉様を用意すれば良いって事ですの。ありえないですけど」
☆
一方通行「………………」
打ち止め「ねえねえ……、どしたの?ってミサカはミサカは水槽を見て固まってる姿に疑問を覚えてみたり」
一方通行「……どうしたって、見てわかンねェのか? 多すぎる水槽の管理だ。ったく、ここはアクアトトかっつーンだよ!」
打ち止め「意味不明な単語を叫ばれても困るんだけど……。それにあの二人が『おさかなボケ』の度に何か持ってくるからね」
一方通行「誰もそンなボケ期待してねェだろ……。エサやらコケ掃除、水草のトリミング……ヤツら手間を考えちゃいねェ」
打ち止め「まあいつもはヨミカワがやってるんだけどねってミサカはミサカはあなたのイメージ崩れを防いでみたり」
一方通行「チッ……、それにしてもだ。スクミリンゴガイ、アメリカザリガニ、マドジョウ、金魚…………」
打ち止め「一般的な観賞魚は金魚しか居ないんだよねってミサカはミサカはチームの構成バランスを評価してみる」
一方通行「金魚も金魚すくい出身の和金だからセンター飾るほどの華はねェけどな。まあ他のヤツは完全に別ベクトルだが」
打ち止め「アメリカザリガニだって大人になったら真っ赤なヨロイみたいで絵になるよってミサカはミサカは反論してみる」
一方通行「イヤ、見てくれがどォって話だけじゃなく……、単純な価値観だが嫌われ者属性が強くねェか?」
打ち止め「あ、それはそうかも。特にスクミリンゴガイは稲の食害貝だもんね」
一方通行「ザリガニとドジョウも水域の環境悪化力が強ェしな。決して飼育種として人気が無いワケじゃねェが」
打ち止め「ヌマビルを飼ってる人が居るくらいだからこれくらい充分許容範囲かもってミサカはミサカは断じてみたり」
一方通行「まァゲテモノにはゲテモノで魅力があンだな……。気色悪けりゃ悪ィ程価値があるってンなら面白ェ」
打ち止め「生理的嫌悪感を快感に置き換えて理解するみたいな?ってミサカはミサカはフロイトかぶれを気取ってみたり」
一方通行「さァな。第一、ガキはヘビでもゴキブリでも平気で口に入れたりするし……、嫌悪感で纏めて語ンのは無理だろ」
打ち止め「そんなお子様見たこと無いよ…………。未就学児の居ない学園都市だからかもしれないけど」
一方通行「オレも詳しくは無ェが、一般のガキってのはママゴトのご飯をダンゴムシを集めて作るよォな蛮族らしいぞ?」
打ち止め「マルムシを食べるの??? 外の世界ってどうなってるの???ってミサカはミサカは驚愕を露わにしてみたり!」
一方通行「ママゴトだっつってンだろ。ありゃ外骨格ばかりで喰えたモンじゃねェぞ? ……とはいえ甲殻類ではあるンだが」
打ち止め「ダンゴムシがエビカニの親戚筋に当たるってこと……?ってミサカはミサカは嫌な予感を口にしてみたり」
一方通行「銀河系単位で遠い親戚だから気にスンナ。しかし面白ェ。同じ甲殻類でこォも嫌われ好かれが違うってのは」
打ち止め「嫌われる生き物の特徴って何なんだろうね?ってミサカはミサカは疑問を投げかけてみたり」
一方通行「そォだな、あくまでもオレの意見として聞け。ヒトが特定の生き物に嫌悪感を覚える原因は主に3つ。
①危険生物、またはそれに類する特性、②外見、③食性を含む生態
①については解説の必要もねェだろォが有毒であったり凶暴であったり病原菌を媒介したり、人間に直接的な害を
与える可能性のある生物をヒトは嫌悪する。猛獣や毒蛇なンかが思い浮かぶだろォが、皮膚病でボロボロの野良猫
を見てカワイソウだと感じても抱き上げて頭を撫でてやろうとは思えねェだろ? ある意味極めて本能的な感覚に
拠る嗜好だ。
②は所謂見た目。コレは推測だが、どれだけソイツの日常とかけ離れた姿をしてるか? が嫌いになるポイントだと
思う。見慣れた環境の中に違和感を放り込むってヤツだ。室内犬などで見られンだが、芋虫や大型の鳥類に対する
過剰な反応……咆え続け怯え続けるよォな、自分の知らない物を恐怖するって意味ではコレも本能的な感覚だな。
体毛の極めて少ない種のネコが居ンだろ? 混乱すっから種名は言わねェがアレだって一見では嫌悪感を催しても
致し方ねェ。同じ種類でも自分の知る姿と違っていれば起こり得るンで本能的ではあっても忌避の必要性の点では
薄いと言っていい。
③だが、熊やサメのよォな凶暴な肉食種の事では勿論無く、屍食や糞食を主とする生物やそォいう死体や糞の傍で
生活をする生物の事だ。コレには洞窟や沼地などのヒトが嫌がる場所に居るってだけで嫌われる生物も含まれる。
コウモリは昆虫食の哺乳類だろ? 野生動物だから病原菌を持ってンだが実は危険性は他の動物と大差ねェンだ。
暗くなると飛び回る、アイツらはたったそれだけの生態で必要以上に嫌われちまってる。他にもネコを飼った事の
無いヤツが初めてその生態を見るとダメになる場合があるよォだな。用を足した後を舐めて掃除して、同じ口で
飼い主の顔を舐めるとかな……。まァ、③については多分に後天的な、人間だからこそ感じる嫌悪なのかもな」
打ち止め「ん~……、考察してもらって悪いんだけど、それでエビとダンゴムシの好感度の違いを説明できるの?」
一方通行「……どォだろ? まず①についてはどちらも該当しねェよな」
打ち止め「②は微妙だよ? 沢山の脚がお腹の下でワッシャワッシャしてるのは同じなんだもん」
一方通行「そこはエビは食材として見慣れてる、って事で納得しろ。だが③も微妙だな……」
打ち止め「どっちも主に有機物を分解する掃除屋さんだもんね。ただ居場所が海中と落ち葉や石の下って違いがあるだけで」
一方通行「海中のエビの生態は意識されねェからかもな。それと見た目の大きな違いを忘れてンじゃねェか?」
一方通行「以上のよォに実際エビとダンゴムシは食用か否かくらいしか差がねェワケだが……、ココで悪い知らせがある。
大抵のダンゴムシは火さえ通せば食っても大丈夫なンだよ。加熱すると殻の中の水分が膨張して身が弾けるから
食べ時も解りやすい。まァ美味くは無いらしいが、エサを腐葉ではなく魚肉などにすればこの点も改良出来るかも
知れねェ。どちらも食える、となると両者は益々違いが無くなっちまうが仮にダンゴムシが常食として流通しても
生物として人気には成り得ねェだろォ。根本的にダメなンだよなァ……。
エビにあってダンゴムシに無いもの、それは眼だ。別にダンゴムシには眼が無いってワケじゃねェが小さ過ぎる上
上から見下ろしても判らねェだろ? ヒトにとって生物の眼はソイツが何を考えてンのか推し量る鏡だからな。
たとえ複眼のよォなモノであってもハッキリ判別出来る眼のある生物には気持ちを入れやすいンじゃねェか?
その意味で、大抵のエビの眼は飛び出してンだろ。どっから見ても判る大きな眼が両者の扱いの根拠だって話だ」
打ち止め「ん~……でもでもさ、眼が原因だとしたら大きな眼のダンゴムシが居るなら人気者になれるって言うの?」
一方通行「じゃねェの? まァソレこそ個人差がデカいだろォがな。……、眼のデカいダンゴムシの例を挙げておくか」
一方通行「そもそもダンゴムシっつーのは等脚目、その多くは海に棲む種なンだが……、防波堤で見かけンだろ? 超高速で
超集団で穴から穴へ移動するヤツらを。そォ、フナムシなどに近い仲間って考えればイイ。他にはタイの口の中で
生活するタイノエや、クワガタムシそっくりな外見を持つウミクワガタなどが含まれンだが、等脚目の多くの種は
ダンゴムシがそォであるよォに見た目や生態で嫌われる場合が多い。まァ先に出たタイノエに限っては割と刺激の
強い生態だから仕方ねェ気もするが……。
そンな等脚目はその殆どが全長1cm以下なンだが最大種はその限りでは無ェ。奇妙な深海生物の中でも異彩を放つ
メキシコ湾海底に棲む世界最大のダンゴムシとも言われるダイオウグソクムシの事だ。最大体長50cm、体重1kgと
桁外れの体を持つコイツは深海生物だけあって詳しい生態は未解明なンだが日本近海の近縁種、オオグソクムシの
生態から察するにやはり死んだ魚などを食う海底の掃除屋なンだろォ。だが等脚目の中では圧倒的に人気者だ。
その秘密がオレはダイオウグソクムシの特徴の一つであるデカい複眼なンじゃねェかと思うンだが、コレは写真を
見ねェと判ンねェかもな。SFの異星人か新型のモビルスーツか? って顔付きだから一度確認してみろ」
打ち止め「ミサカはダイオウグソクムシを知ってたから別に確認しなくてもいいよね?ってミサカはミサカはあうあうあうあ」
一方通行「イヤならムリすンな。ありゃ見ようによっては恐怖心すら覚えかねない容姿だし」
打ち止め「ふ~……、ん?? でもあなたの理論で行くとその恐怖心は危険性でも生態由来でも無いよね?」
一方通行「見慣れたダンゴムシが50cmもの巨体になってたら怖くて当然だろ。②の外見、日常との違和感が原因なンだろ」
打ち止め「でも割と人気があるんだよねってミサカはミサカは再確認してみたり」
一方通行「あァ。個人差としか言い様がねェが……、捉え方にも拠るンじゃねェの」
打ち止め「光の届かない暗部で死体処理をする、うすらデカくてキモイ生物って考えたらあの眼は怖いね……」
一方通行「世界最大の等脚目であり甲殻類最大級の複眼を持つ深海生物として見ンなら……、ソレでも嫌いなヤツは嫌いかね」
打ち止め「まあ、ダンゴムシを食べる日が来なければミサカはなんでもいいけどねってミサカはミサカはぶっちゃけてみたり」
一方通行「フン。ちなみにだが、フナムシやダイオウグソクムシはマズいらしいがオオグソクムシは美味いらしいぞ?」
打ち止め「グソクムシ恐るべし……。鎧兜を意味する具足を名に冠するだけはあるね」
一方通行「そりゃどォいう感想だ? ……にしても、今日は随分とグダグダな話になっちまった気がすンだが」
番外個体「嫌われ者の第一位だからしょうがないんじゃなーい?」
一方通行「ア゛? ……テメエ、いきなり出てきて何が言いてェ」
芳川桔梗「この子は貴方の挙げた嫌われ生物の3つの原因の事を言ってるのよ。ちょっと考えてみてくれる?」
打ち止め「性格は凶暴、異常な白さと細さで異彩を放つ見た目、食性は…………、嫌われ属性コンプリート???」
一方通行「………………そォかよ、そりゃ結構。ヒトに好かれるために生きちゃ居ねェし、問題ねェよ」
打ち止め「だ、ダメだよ! ええと、食べたら美味しい……、は使えないから、えーと……、眼!! 眼を強調しよう!」
芳川桔梗「眼、つまり明確な意思をドンドン見せていこうってことかしら? それはいいアイデアかもしれないわね」
番外個体「えー、何をしたいのか解らないあやふやさも人間の本質の一つだと思うけどなー。この男も含めてさ」
打ち止め「もっと素直になって気持ちを正直に訴えれば皆もっと好きになってくれるよってミサカはミサカはアドバイスする!」
一方通行「ンな事ァどォでもいい、つってンだろ。……ソレよりテメエら。今日のオチはどォするつもりだ?」
炊飯器 「ポン ポン ポン ポン ポン ポポポポン」
一方通行「?? オイ……、この破裂音はまさか……?」
打ち止め「今日の話でそんな音を立てる物って……まさか??????」
番外個体「うふ☆ たーっぷり召し上がれ、このミサカの愛情料理だよん」
一方通行「テメエらの言う明確な意思を以って、断る!!!」
~おしまい~
322 : ◆96XoVRe9oA[saga] - 2011/11/20 02:17:26.42 P55bsVWX0 228/386
以上、第二十六回「獲物」でした
第一パートのおさかな捕獲法、自治体によってはタモ網や釣り以外のワナや網漁を禁じてる場合もあります
勿論、管理水域であれば許可無しでは一切の捕獲が禁止ですし、そのあたりは近所の方に確認してみるのがいいです
第三パート・・・ワーストさんはポップコーンでも作ってたんですかね。ですよね
ちなみにフナムシは刺激的な味、ダイオウグソクムシは腐敗的な味がするそうですが
そんなわけで次回は来週末予定は未定で。ではではまたー
326 : ◆96XoVRe9oA[saga sage] - 2011/11/27 11:21:58.70 EA0k90rA0 229/386という訳で珍しく予告に間に合ったおさかな話!
でも良く考えたら日曜日は週末じゃなくて週の頭なのかな。この辺まぎらわしくてよく判りません
今回のテーマはそんな気持ちを籠めて「まぎらわしい」です。ではどうぞ
☆
「なあインデックス? もういいだろ?? オレ我慢できねえよ…………、入れるぞ!」
「ま、待つんだよとうま!! まだ早いかも! 焦っちゃダメなんだよ!!!」
「そんな事言ってるけど、ココ見てみろよ。グッチョグチョに濡れてんじゃねえか!」
「そ、それは言わないで欲しかったんだよ……、って、ダメだってばとうま!! せめて、せめてアレをつけてから!!」
「いいや、限界だ。出すぞ!」
「あ!! ……あ、あ、…………あああ。中に広がって行くんだよ……」
「ふう……………………、ようやく水槽に新しい仲間を投入完了っと! こんなに大仕事になるとは思わなかったぜ」
「大体とうまが急ぎすぎるからなんだよ! 水あわせはしっかりやっておかないと大変なことになるのかも!」
「水槽と投入する魚が居る水の、水質や水温の違いに魚を慣れさせる『水あわせ』。今回は水槽の水を魚が居る袋に入れたけど」
「強い魚だったら温度あわせだけでも良いかも。その場合は魚をビニール袋に入れてそのまま水槽に30分くらい漬けておけばいいんだよ」
「で、その水あわせでお前が水をこぼしちまうから……」
「それはだって、ポンプで吸い上げる勢いが強すぎたからなんだよ! でも、確かに私の不注意だったかも……」
「え、いや、そこまで落ち込まなくても。……、オレだって舞い上がりすぎてエアレーションのスイッチ付け忘れてたし」
「あ、そうだった! 袋から出したお魚はもう水槽中に散らばってるんだから早くブクブクしてあげないと!」
「了解! ぽちっとな」カチッ ブクブクブクブク…
「これで本当に完了だね。で、今回新しく水槽の仲間になったのは……、とうまが愛して止まないナマズの仲間なんだよ」
「本当はマナマズが良かったんだけど、主役のメダカの天敵だからな。で、妥協してオレが選んだのが」
「日本産淡水魚、ナマズ目の小型種『アカザ』だね。見た目は確かにナマズなんだけどなんだか気持ち悪かったんだよ」
「嫌なコト言うなよ。……ま、魚とは思えないようなウネウネとした泳ぎっぷりといい赤黒い体色といい、まるでヒルだけど」
「今回は5cmくらいのサイズの子を3匹手に入れたんだよね。ところで実はアカザは軽い絶滅危惧種だったりするんだけど」
「……大切にしないといけないな。エサもメダカ用とは違うものを用意しないといけないし」
「うんうん。メダカを食べるほどのサイズじゃないとは言っても立派な捕食魚だから、生餌が用意できれば十全かも」
「生餌……、水生昆虫やミズミミズを自然界で入手すんのは結構な手間だよなあ。とりあえず乾燥赤虫で様子を見るけど」
「そういう人工餌でも慣れれば食べるみたいだよ。でもミズミミズは天然水で飼育環境を作ってる以上、既に発生してるはず」
「そうなの? じゃあエサいらず……、って楽をしようとしたらイカンですよ。地味な水槽を彩る赤い三連星はオレの夢なんだ!」
「……でも、とうまの夢のアカザは既に見当たらないんだけど。いつもの水槽と何にも変らないよ??」
「へ?? あれ?? ちょ、どこ行っちゃったんだよ! …………え~~~、全然見つけられねえぞ??」
「ん~、とうま。アカザってナマズなワケで、夜行性なワケで、マナマズ以上に臆病なワケで、平ぺったくてウネウネでしょ?」
「はっ! ということは……、例えば水槽の中の……この石をそーっと持ち上げると……、いた!」
「どうやら明るい時はそういうところにずっと隠れて過ごす生態なんだよ。活動するのは誰も見てない真っ暗闇だけなのかも」
「…………えーと、ということはアカザ導入で水槽の華やかさアップ作戦は……、失敗?」
「答えを出すのはまだ早いんだよ。あ、ほら! メダカがエサの食べ残しを探して石の下をつんつんしてるでしょ?」
「ふむ? …………あ、アカザが飛び出てきた!」
「あんなふうに隠れ家の周りで騒がれると起き出して来て、ウネウネしばらく泳いだ挙句また隠れるんだよ」
「主役のメダカの都合で引っ張り出されて、大した用事も無いからすぐ退場するアカザ……。不憫だな」
「……なんだか私は却って、この気持ち悪い子に親しみを感じてきたんだよ。ちなみにアカザの名前の由来は覚えてる?」
「え~っと、アカザのアカは体色の赤で、ザは刺すの意だろ? かなり鋭いトゲを持ってるらしいな」
「背ビレと胸ビレにね。弱いけど毒もあるから刺されたらかなり痛むかも。まあ素手で触る機会はあまり無いけど」
「へえ~。男の子にとっては、実は有毒生物って人気があるんだぜ? まあアカザをそう認識してるヤツは流石に居ないか」
「キングコブラとかアンスラックスとかタランチュラとか、ちょっとワルなボーイが好きそうなイメージかも」
「ふむ。例えばTシャツの柄にアカザ……、赤いナマズ柄って一周回って新しいかもな」
「全く理解出来ないセンスかも……あ、ところでアカザは底棲魚に準じるから一つ注意しなくちゃいけないことがあったんだよ!」
「ん? 現状の水槽環境では何かアカザにとって不都合があるかもしれないのか?」
「というか、水質と底環境にかなり神経を使う必要があるのかも。アカザは汚れに弱いんだよ」
「ふうん? まあ、今回導入した濾過装置で日常はカバーして、割とこまめな水替えで行けるんじゃないかな」
「こまめ、って一口に言うけど、大変でも一週間に一度は水槽の水を三割くらい入れ替えるつもりで居たほうが良いかも」
「ふむふむ。でも水の替え過ぎは水質の急激な変化によるショックの原因になるから加減が大事なんだよな」
「だね。目安としては濁りや黄ばみが視認出来ない程度を維持すればいいと思うよ」
「……にしても、手間の増え方の割に得る物の少ない新キャラ導入だったワケで……。もう一種類くらい何か入れようかな」
「あまり種類を増やしすぎると、水槽のまとまりが無くなっちゃうからほどほどにね。長くなるから今回はオチ無しなんだよ!」
☆
御坂「いい加減にしなさいよ黒子! 毎回毎回アンタの悪趣味には付き合ってられないわよ!」
白井「今回ばかりは私も主張を曲げるわけには行きませんの! 絶対間違いないんですの!!」
佐天「へ? 初春、あの二人どうしちゃったの? 聞いてる限りではまた白井さんが変態行動でもやらかしたみたいだけど……」
初春「あ、遅かったですね佐天さん。……えーと、今日はそういうんじゃないんですよ」
御坂「佐天さん、ちょっと聞いてよ! 黒子のゲテモノ趣味は判ってたけどさ、ちょっと今回のは聞くにも耐えないんだから!!」
白井「こちらこそ望むところですの。佐天さんに判定してもらいましょう。……佐天さん、ハサミムシは美味しいと思いますわよね?」
佐天「へ? …………ハサミムシ? ってアレですか。石の下や枯葉の下、じめっとした場所にいる小さな虫?」
御坂「大きさなんて問題じゃないわよ……。あの姿は何なの!? 羽根の無いコオロギの胴体、尻尾の代わりに大きなハサミって!!」
初春「確かにまあ、異形生物レベル5って感じですね。生ゴミ置き場に湧いてるし……、正直あんまりイメージ良くない虫です」
白井「私も所構わず捕まえたハサミムシを食べる気にはなりませんわよ。……そうですわね、枯れる川の話でもしましょうか」
御坂「唐突に話を変えて何のつもりか判んないけど、枯れる川って、大河川の支流みたいな季節によって水が無くなるトコのこと?」
白井「ですの。本流からの水の供給が充分長期間であればその川の生物の濃度、つまり生物の数は本流並みになりますわよね?」
佐天「ん~? ……要するに水と一緒におさかなも流れてきて、支流に留まってるってことですか?」
初春「比較的流れもゆるい支流で本格的な魚獲りが楽しめるのはそういう場合なんです。……でも枯れちゃうとなると」
白井「では段階的に川の枯れる様子を紹介いたしますの。まずは本流の水量が減少して支流への水の流れが無くなりますの。
支流が本流の水量調整装置として機能、つまり洪水などを防ぐため水位が上がり過ぎないよう逃げ道になっている場合
その必要が無ければ当然水が行かないということでして、具体的にはそれぞれの川底の高さを調整しているわけですの。
第一段階で流れを失った支流ですけど、まだ充分な水量がありながらさっそく犠牲になるおさかなが。
アユなどの本来急流に棲む魚種は必要酸素量が多く、水流によるエアレーション無しでは酸欠になってしまうんですの」
佐天「ふむふむ。つまりそういう川ではアユが獲り放題なんですね?」
初春「佐天さん……、川で死んでる魚は食べないほうが良いです」
御坂「私もオススメしないかな。で、黒子。そこからどうハサミムシの味に繋げるつもりなのよ?」
白井「お姉様、そう答えを急がずに。……続いて第二段階、支流は水の供給を失いましたが川なので当然下流へと水は流れていきますの。
ですから水位の低下がゆっくりと続くのですがこの段階での犠牲者は大型魚。たとえば50cmを越えるような体高のある大型のコイ。
そんな大魚が浅瀬に追いやられ乾燥して死んでいきますの」
初春「何十年も生き続けたコイがたまたま支流に取り残されたってだけで……。諸行は無常なんですね」
御坂「水位が低下するとサギやカワセミみたいな魚を捕るのが上手い鳥が大喜びでやって来るし。自然のサイクルではあるんだろうけど……」
佐天「でもまだ始まったばかり。ここからが本当の地獄、ですよね?」
白井「佐天さんの仰るとおり。第三段階に入りますと更に水量が減り川底が露出してきます。水は池のように浅く点在するばかり。
30cm程度のコイや大型の底棲魚、底棲と言っても縄張りを作るタイプのドンコやカジカなどが耐え切れず死んでしまいますの」
御坂「その状態の川を一度見たことがあるけど酷いもんだったわよ。網漁で大量の魚を一度に捕まえる様子ってテレビで見た事ない?
ちょうどあんな感じで川魚がバチャバチャと残り少ない水場に集まってさ……。カワイソウだけどどうすることも出来ないのよね」
初春「この段階でサギやカワセミに代わって、カラスが大群でやってきます。特別な技が無くても好きなだけ魚が捕まえられますからね」
佐天「そりゃそんなに密集してるんならそうだろうね……、見たくない光景だけどさ」
白井「そして第四段階……。いよいよ川だった場所は白い石の平原となりかわり、水場は探せば何とか、それも水溜り程度ですけれど。
そこに至るまでに殆どの魚は死んでいて水溜りにもぎっしりと魚が浮いているのですが、まだ全滅ではないんですの。
例えばマナマズやアカザなどのナマズ類、カマツカやドジョウやヨシノボリ、タイミング悪く孵化してしまった色々な魚の稚魚
そしてスジエビやテナガエビやヌマエビなどの甲殻類がしぶとく命を繋いでいますの」
御坂「もっと大量の魚が死んでるはずなんだけど、思ったほど目には入らないのよね。カラスや、もしかしたら野犬が食べるからかな?」
初春「でも鮮魚店の香りはぷんぷんしますけどね。命の儚さを知る教育に最適な現場だと思います」
佐天「初春、前半のセリフは聞かなかったことにするよ。……そしてとうとう完全に枯れるんですね」
白井「まあそうなんですけどその前に、非常に少ない水量で割と魚が生き残っていられるのは何故だかお判りになります?」
御坂「今の黒子の質問は、酸素の絶対量が足りないはずの水溜りで、ありえない数の魚が生きていられる理由は何か? って事ね」
初春「ん~、伏流水みたいなものですか? 地下を流れる目に見えない川が水質や酸素を最低限保証してるからっていう……」
佐天「あ、そっか。川底って別にコンクリ床とかじゃないから見えない部分にも水の流れはあるんだ」
白井「と言っても多くの魚は地下深くまで潜ることは出来ませんの。最終段階、水溜りすらも消失してしまえば全てが終わり。全滅ですの。
綺麗に石だらけと化した川底を歩いてみましても、土の香りがするばかり。死んだ魚なんて少しも見つけられない事でしょう。
さて、最後まで水溜りとして命を繋いでいた場所もすっかり乾いてしまっているのですけれど、そこの石をひとつ持ち上げてみると
『ああ、ここは川原だったんだな』と思えるはずですの。ちょっぴり湿ったその石の下には水溜りで一番最後までしぶとく生き残った
エビ類を目当てに大量のハサミムシが……、というワケですの。
つまりハサミムシはハサミムシでも川原の石の下に居るハサミムシはエビをエサにしているので美味しいはず。異論は無いですわね?」
初春「通常の腐葉や生ゴミに群がる、ダンゴムシみたいな食事をしてる個体ではなくて川原の……。いや、それでもムリです!」
御坂「当たり前よ! 長々と講釈垂れて何なのよその結論は!! エビを食べたからってあのキモ虫がエビ味になる訳ないでしょうが!」
白井「な……、わ、判って下さいませんのお姉様? …………いえ、今回判定するのはあくまで佐天さんですの!」
御坂「コイツに言ってやってよ佐天さん。遠慮は要らないから本心でガツンとキモイならキモイって!」
佐天「なるほど、そういうことだったんですか。…………私、長年の謎がやっと解けた気がします」
御坂「……はい?」 ナニガ?
佐天「ツインテールがエビ味なのは川原のハサミムシだったからなんですね!!」
白井御坂初春『それ何の話???』
☆
打ち止め「ねえねえ、水槽の金魚の様子がおかしいの、ってミサカはミサカは急いで見て欲しいと要望する!」
一方通行「ンだァ? オカシイだけじゃ判ンねェだろ。具体的にどんな異常があンだよ?」
打ち止め「え? ええと、その……、簡単に説明できないから見て欲しいって言ってるのにって……、ミサカはミサカは涙目になってみたり」
一方通行「…………、ったく面倒臭ェ。―――――――――――――――――――――― で、オカシイってのはどの金魚だよ?」
打ち止め「この水槽の、ちょっと大きめの金魚なんだけど……」
一方通行「……ン? 泳ぎが不安定っつーか、確かに多少バテてンな。体表に若干スレがあンのも気に掛かるが……いや、コレは……」
打ち止め「どうかな? 原因は突き止められそう?」
一方通行「オマエ、この調子悪そうなヤツが他の金魚に追い回されてンの、見たことねェか?」
打ち止め「うんうん、どうして知ってるの? 確かに元気の無さそうなこの子をもう一匹がしつこく追い回してて、すごくカワイソウで…」
一方通行「ンじゃ心配いらねェよ。こいつはおそらく繁殖期だ。追ってたのはオスで、逃げてたコイツはメスってだけの話だ」
打ち止め「そうなの? ならメスのこの子が疲れちゃってるのは産卵に体力を使った為なのかな」
一方通行「金魚の繁殖行動は、オスがメスに産卵を促すべく執拗に追い掛け回す事の繰り返しだ。メスが逃げ切り続けたら繁殖出来ねェぞ?」
打ち止め「ふ~ん。深く考えちゃうとイケナイ話題な気がしたからココで納得しておくね、ってミサカはミサカは……、でもタマゴないよ?」
一方通行「水草の陰にでも産み付けてンじゃねェの? それか既に腹ン中か……」
打ち止め「え……、金魚もメダカと同じく自分のタマゴを食べるの!? それじゃ頑張った意味が無いじゃん!!」
一方通行「同じ水槽に居る限り口に入れば稚魚すら喰うぞ? まァ増やそうと思わない限り水槽で金魚は増えねェ、つーことだな」
打ち止め「むむ……、新たな課題は出来たけど当面の心配はとりあえず去ったから……、差し引きゼロかな」
一方通行「謎の損得勘定すンじゃねェよ。まァしかし、いつもと様子が違うのを発見出来なきゃ何も手が打てねェワケで」
打ち止め「だよね。ミサカが毎日観察してたから金魚の繁殖期に気付けた。継続は力なりィ! ……まあ最初は病気かと思ったんだけど」
一方通行「もし異常の原因が病気だったとしても、早期発見が出来れば治療が可能な場合もある。同じく観察が重要だろォよ」
打ち止め「……そういえばさ、魚の病気の話ってあんまりしてないよね?ってミサカはミサカは確認してみる」
一方通行「コイヘルペスウィルスの話では名前だけだったか? ……そォかもしれねェな」
打ち止め「今日はおさかなのいろんな病気の話を今後の為に聞いておきたいな、ってミサカはミサカは頼み込んでみたり!」
一方通行「ンじゃ、金魚が罹りやすく症状が重めのヤツをいくつか紹介しとくか。解説に移ンぞ」
一方通行「病名や症状を紹介する前に、一つ最も基本的な事実を覚えとけ。自然界でも水槽内にも生体自体にも、病気の原因は常に存在する。
細菌やウィルスや原生生物や寄生虫の全く存在しない環境なンぞ遺伝子操作でもするよォな施設以外では実現不可能ってワケだ。
つまり、魚は常に罹患するリスクを持つ。が、全ての魚が病気になりゃしねェよな。また自然界で病気による魚の大量死なンて
あまり聞かねェだろ? 有毒物の流出や水量低下による酸欠ならよくある話だが、養殖物以外では病気はメジャーな死因じゃねェ。
水槽飼育では逆に、魚を病死させたことの無い飼い主が神扱いされるくらいで圧倒的に病死が多いンだが……、その理由は単純だ。
飼育水の汚れや水温、水質の急激な変化といった悪環境。音や光や衝撃で魚を驚かせる、などの直接的干渉。相性無考慮の混泳等
水槽ってのは魚にとってストレスの多くなりがちな場所なンだよ。で、それが引き金となって病気が蔓延する、と。
中でも特に飼育水だな。エサのやり過ぎや食べ残しの掃除し忘れで病気のリスクは簡単に跳ね上がる。定期的な水替えは勿論だが
日頃から水質や温度を一定に保ち、有機物が貯まりやすい底の掃除には気を抜かねェ事が肝要だ」
打ち止め「食べ残しのエサは細菌の培地にもなるし、魚にとって有毒な汚れの素にもなるしね。でも水温を一定っていうのは……」
一方通行「ウチの水槽にも夏場の冷却用にファンと、冬場用にヒーターが付いてンだろ。あとは直射日光と外気を避ければ問題ねェよ」
打ち止め「ふむふむ。あとびっくりさせちゃいけない、みたいなこと言ってたけど、どうしてなの?」
一方通行「驚いて急発進して壁面にでもぶつかれば体表に傷が付くだろ? ウロコが剥がれれば寄生虫が喰い付くし、傷が深ければ
そのまま細菌の培地だ。またショックを与え続ければエサを喰う量も減って体力が落ち、結果病気に罹りやすくなンだよ」
打ち止め「ふうん。思ったよりデリケートな子たちなのねって、ミサカはミサカは和金を見直してみたり」
一方通行「魚は繊細で当然だろォ……。ンじゃそろそろ、具体的にどンな病気に罹ンのか説明すンぞ。まずは最もメジャーなヤツから。
『白点病』
原因は白点虫とかイクチオフティリウスとか言う繊毛虫類……、平たく言えば原始的な虫の粘膜層への寄生だ。
症状としては文字通り、不規則な白い点がヒレやエラ付近に見つかり出す。この一つ一つの点が白点虫の成虫なンだが
悪化するとやがて点は体中に無数に増えていく。感染した金魚は患部が痒いのか底砂に体をこすり付けるよォなしぐさをしたり
活性を下げじっと動かない時間が増えるよォになっていく。この病気で直接死に至ることはまず無ェが、エサも喰わなくなるから
衰弱して抵抗力が落ち別の病気で、って所謂万病の元だな。まァ、白いホクロ状の症状を見つけたら早めの対処を心掛けろよ」
打ち止め「白い黒子に気を付けるのねって……、あれ? ねえ、こっちの子の顔に付いてるのって……、もしかしてそれなの??」
一方通行「ン? コイツか? コレは病気じゃねェ。この白点は繁殖期のオス金魚の特徴『追い星』つー……、発情の証だな」
打ち止め「……つまり、さっきあなたが繁殖期だって断定したのはその追い星?があったからなのね。でも紛らわしい点々……」
一方通行「金魚の場合、追い星が出ンのは胸ビレとエラだけで割と規則的に並ンでるから見分けンのはワケねェよ。それに、衰弱してるか?」
打ち止め「あ、元気にメスを追い掛け回してたっけ、ってミサカはミサカは思い出してみたり」
一方通行「治療行為が魚体に与えるダメージは小さく無ェ。誤診で魚を傷付けてちゃ意味ねェから注意しろよ? さて、話題を変えンぞ」
一方通行「次の病気だが、原因菌の感染箇所によって呼び名が異なるンでとりあえずの呼称として捉えろ。
『尾腐れ病』『ヒレ腐れ病』『エラ病→エラ腐れ病』『口腐れ病』
原因となるのは主にフレキシバクター・カラムナリス菌の感染、故に総称としてカラムナリス症と呼ばれる事もある。
症状は字面を見りゃ解るとおり。尾腐れ病なら尻尾が先端から白っぽく変色し、次第に腐ったよォに脱落する。病状が進行すると
骨組みだけ残して、或いは骨ごと尾が無くなっちまう。まァ箇所が尾やヒレ、或いは口ならば即、命に係わることは無ェかもだが
エラは呼吸器だろ? 腐って脱落したら確実に死ぬ。加えて悪い事にエラはエラ蓋で覆われてるから発見が遅れやすいンだ。
金魚じゃねェが重度のエラ腐れ病のナマズを見た事があンだが、エラ蓋からはみ出た白っぽく変色したエラが順次溶けるからなのか
飼育水自体から生臭い匂いが立ち、その中を時折狂ったよォに回転しながら高速で壁面にぶつかり続けてたな……。
そのナマズもそォだったらしいが、発見した時には既に手遅れであることの多い注意すべき病気だな」
打ち止め「こ、怖い病気って事は解ったけどさ、注意って何を気をつければいいの?ってミサカはミサカは尋ねてみたり」
一方通行「この菌は傷口から生体内に進入して蛋白質を分解するンで、まァ……魚にケガをさせンな、ってとこか?」
打ち止め「ふむふm……でもでもでも、エラ腐れの場合ってエラ蓋で保護されてるエラはそもそもケガしにくいんじゃないの?」
一方通行「エラに食いつく寄生虫ってのが居ンだよ。その傷口から細菌感染しちまうってワケだ」
打ち止め「なるほどね……。せめて早期発見する手は無いのかな、ってミサカはミサカは絶望するのはまだ早いって思いたかったり!」
一方通行「初期の呼吸困難の魚は溶残酸素の多い場所に留まりがちになったり、エサを吐いたりする。それらしい兆候を見つけたらそいつの
エラ蓋を開けてエラが変色していたり怪しい付着物が無いか確認すれば見つけられなくもない。まァ、運が良ければ、だがな」
打ち止め「しっかり予防するのが現実的な対策かな……、ってミサカはミサカは考えを改めてみたり」
一方通行「フレキシバクター・カラムナリス菌は水質悪化で増殖する。また死体や酸化したエサも菌を増やす一因になる。言わずもがな
尾腐れで脱落した組織片は超危険物だ。とにかく日頃の水質管理と掃除である程度は予防可能だろォし、感染魚が出たとしても
ソイツを隔離して治療しつつ、飼育水を大幅に入れ替えることで感染拡大は割と防げンじゃねェか?」
打ち止め「ほうほう。それで、白点病や尾腐れ病の治療ってお薬とか使うのかな?」
一方通行「ここでは具体的な治療方法は言及しねェ。状態によって対処の仕方が異なるし、さっきも言ったが治療行為は魚へのダメージだ。
あくまで自分で調べるなり詳しいヤツに頼るなり、責任と覚悟を持って行うべきだと思うからな。
ただ、薬剤を使うにしても塩水浴するにしても出来る限り魚体へのストレスを低減させるべく、水槽と温度を合わせておくとか
物理的なショックを与えないよう慎重に注水するとか、あとエラ腐れの魚は特に酸欠だろ? 治療用隔離水槽のエアレーションを
しっかり準備するとか、必要な手間も多い。病気で抵抗力の落ちた金魚はちょっとした刺激が命取りなンだ。
だからコレだけは言っておく。病気を疑われるよォな魚を見つけても絶対に焦るな! 落ち着いて病名を特定して適切な対処法を
丁寧に確認するのが一番効果的なンだよ。急いで大雑把に治せるモンなぞありゃしねェと思っとけ」
芳川桔梗「解説お疲れ様。まだ二種類の病気しか紹介していないようだけど、キリがいいんじゃないかしら?」
一方通行「体が膨れ上がりウロコが毛羽立つ『松かさ病』や、眼が飛び出し時には脱落する『ポップアイ』にも触れたかったが……」
打ち止め「ミサカの優秀な頭脳もパンク寸前なので今日はこの辺で勘弁してあげるよ! ってミサカはミサカは嘯いてみる」
一方通行「……傲慢に謙遜してンじゃねェよ。ところで、番外個体は居ねェのか?」
芳川桔梗「あの子なら都市伝説の検証に出かけたわよ。なんでもエビ味のツインテールが居るとか居ないとか?」
一方通行「相変わらず意味が判ンねェにも程があンだろ……。何をどォすりゃ検証出来ンだ?? 情報に踊らされてンじゃねェか」
打ち止め「噂ってそれこそ伝染病みたいなものだから、純粋培養のあの子は弱いんだよってミサカはミサカは出来の悪い妹を心配してみたり」
芳川桔梗「太陽の光を浴びて世間の風を受けて、日頃から抵抗力を付けるように心掛けてあげなきゃダメね。手間の掛かる子だわ」フフフ
黄泉川愛穂「……水槽の汚れも自虐ボケも、ちゃんと回収しないと気持ちが悪いって例なんじゃん?」
~おしまい~
334 : ◆96XoVRe9oA[saga] - 2011/11/27 12:23:35.81 EA0k90rA0 237/386
以上、第二十七回「まぎらわしい」でした。恒例の補足と言い訳です
第一パート、とうまの水槽に新しく加わったアカザ。キモイキモイって言わせてますけど割と飼ってる人が多い気がします
人によって飼育難易度の評価がマチマチなのもアカザの特徴だったり。
第二パート、この話は実家の近くの川を思い出して書きました。なのでドコにでも当てはまるかどうかは不明です。
かなりの極限状態で生き残ってるヤツらの中に、汚れに弱いはずのアカザが何故か居るわけで。 ほんとに謎な魚です
ちなみにハサミムシは油で揚げればなんとか食べられなくもないそうです・・・
第三パート、金魚の代表的な病気は他にも沢山ありますが、異変に気付いたら本文中にもあるようにまずは落ち着くのが大事です。
治療が原因で死亡するほうが病死よりもよっぽど確率が高い、くらいの認識でオッケーかもです
本格的に寒くなってきたので風邪などに気を付けて、とか時節の挨拶も入れつつ今回はこの辺で。
ではではまたー
341 : ◆96XoVRe9oA[saga sage] - 2011/12/09 22:59:32.25 s8cMJNCn0 238/386新刊発売に先んじて投下しようとしたらネタがちっとも思いつかなかったおさかな話
そんな今回は、苦肉の策ですけど・・・おさかな話の裏設定を使った小ネタ集的番外編な感じに仕上げてみました
それだけだとコレを初めて読む人がもしいたら申し訳なさ過ぎなので、番外編恒例の軽い考察ネタも入れていたり
とってもバラエティに富んだ内容です。悪く言えば余りモノのごった煮です
元々使えないネタで書いてるおさかな話の、さらに残り物ってことで今日のテーマは「Leftovers」です。軽い気持ちでどうぞ
☆
【第三の】
「…………、なあインデックス」
「どうしたのとうま?」
「コレ、今まで言っていいかどうか迷ってたんだけどさ……。やっぱりこんなの不自然だろ?」
「ほ? 何の事を言っているのかさっぱり判らな……、あ」
姫神「……。」
「なあ姫神? いつも、せっかくインデックスを訪ねて来てくれてるんだから、お前も参加してくれていいんだぞ?」
「あいさは、おさかな話をするときは毎回必ず遊びに来てくれてるけれど、全然話に入って来ないかも」
姫神「……。気にしないで。私。楽しんでるから。」
「そ、そうか? ん~、無理強いする訳じゃないし、姫神がそれでいいなら上条さんも構わないのですけれども……」
「とうまのツッコミ所満載のおばか発言に我慢できなかったら何時でも口を挟むんだよ! じゃ、始めるんだよ」
アーデモナイ コーデモナイカモ! フコーダー
姫神「下手な演者よりも最前列の観客を選ぶ。それが私の正義。……開き直ってるわけじゃない。」
☆
【オーナー】
「とうま。そう言えば、いつもお世話になってるあの大きなお店の名前って何て言うのか知らないんだよ」
「あの水槽屋な。ん~、レシートに店名がプリントされてたような……」 ゴソゴソ
「あったあった。……んと」
~エディ・アレックスのアクアホリックショップ~
麦野「そりゃどこのヴァンヘイレンだっつーの!!!」
絹旗「え……、突然どうしたんですか麦野?? 超意味不明な…………ヴァン、何ですって?」
浜面「確かそいつは大昔のロックバンドの名前…………だったような。定かじゃねえけどよ」
滝壺「ごめん、麦野。フォロー出来ない」
麦野「…………違うもん。年寄り臭くないもん。ハードロックカッコいいもん」 ズーン
滝壺「(ヴァンヘイレンより私はランディローズ。コレは譲れない)」
☆
【お嬢様の水槽】
初春「お二人もおさかなを飼ってるって設定ですけど、確かあの寮はペット禁止のはずですよね?」
白井「設定って何のことですの? ソレはともかく初春の言うとおり、あの部屋には水槽は置いておりませんの」
御坂「他の学校の寮でも原則ペット禁止が多いんだろうけど、みんな普通に黙って飼ってるわよね。でもウチの場合は……」
佐天「あの寮監さんが居ますからね……。でもじゃあどうやっておさかなを?」
白井「学内の施設を使わせていただいておりますの」
御坂「水着モデルのときの湾内さんと泡浮さんって覚えてない? あの子たちに頼んでるのよ」
初春「読めない名前の代表格ですよねー。覚えてますよ。水泳部の方ですよね?」
佐天「え、ってことはもしかしてプールでおさかなを飼ってるんですか??? スケールが違いすぎます!」
白井「そんなわけ無いですの。プールは水抜きして掃除して消毒しますから」
御坂「ただ、使ったあとの水を排水する時に常盤台では工場廃水処理施設並みの処置をするのよ」
佐天「DNA情報漏洩対策ですか? 話には聞いていたけど随分神経質なんですねえ」
初春「それはともかく、結構大掛かりな設備なんでしょうね」
御坂「そうね。良く知らないけど、中和と物理ろ過、生物ろ過用にそれぞれタンクがあって順番に排水が浄化されていくみたい」
白井「そして最終チェックとして……、処理水を通し続ける水槽内で魚を飼い、異常が無いか確認するんですの」
佐天「炭鉱のカナリアですか!? あ、でもそもそも大した毒性は無いんですよね?」 プールデスシ
初春「むしろどんな天然水よりも安定した上質な水が出来上がりそうです」
御坂「うんうん。それに更にその処理水は一時的に屋外の溜め池に行くんだけど、そこにも大きな錦鯉がたくさん泳いでるの」
佐天「念には念を入れて、ですか……。それで結局、お二人の水槽はどこに?」
白井「溜め池に水を送る施設内ですの。年中20℃の水が使い放題なので、水槽内に水を送りっぱなしにしても平気なんですのよ」
初春「ふむ、ふむふむふむ。……ふむ!」
佐天「水替えも温度管理も必要ないし、良い環境ですねー、……って初春? どした?」
初春「マネーの香りがしませんか佐天さん!? 『お嬢様のダシ汁でまるまると育った鯉料理のお店』 絶対流行りますよ!!!」
御坂「…………それ、変態を見つけて排除する処理施設?」
☆
【禁断の考察ネタ】
佐天「あのさ、初春。こないだの考察の続きなんだけど……」
初春「このあいだのって、御坂さんの電撃の槍の問題ですか? あれなら解析不能って結論が出たじゃないですか」 カチャ
佐天「いや、ね。そうなんだけどさ。やっぱ中途半端じゃ納得が行かないじゃん?」
初春「気持ちは判りますけれど……。何か新たな切り口を見つけないと、結局同じ事の繰り返しになりますよ?」カチャカチャ
佐天「そう。電撃の槍が光の速さで飛ぶ理屈を、真正面から考えようとしたから行き詰ったんだよね。だから今回は趣向を変えるよ!」
初春「……へえー。何だろー、楽しみですー」 カチャカチャ
佐天「全然乗り気じゃないよね?? とりあえず鯉料理の店プラン練るのは今度にして、一緒に考えてよ。お礼もするからさ」
初春「お礼? じゃあ今度『佐天さんの手作りいちごおでん』、作って下さいね。それで手を打ちましょう」
佐天「オッケーオッケー任せときな! でさ、まず始めに初春に調べて欲しいことがあんのよ」
初春「ほいほい、おでんにバナナ追加で承ります~。で、何を?」
佐天「御坂さんと同系統の能力者でありつつ、まるで別の現象を起こす人ってのを探して欲しいの」
初春「……なるほど、それなら新しい切り口になるのかも。書庫は流石に使えないから、軽くネットで情報を集めてみまーす」カタタタ
佐天「(ふふふ、名付けて『急がば回れ蟻の一穴、王道に近道無し大作戦!』 ちょっと長いかな?)」
佐天「……それで、どう? いつもみたく一瞬で検索完了! じゃないみたいだけど?」
初春「ん~……、予想通りというか、電撃使いって比較的ポピュラーな能力なので候補がちょっと絞りきれないですね」
佐天「高レベル能力者で探すんだよ? そういう人は破壊活動やら暴力行為で目立ってるに決まってるからさ」
初春「なんという偏見………………。まあでも、キーワードに破壊と凶暴を追加して……。ん??? これ何でしょう??」
佐天「どれどれ? 『俺の上司は破壊光線を撒き散らす超ゴリ系女』…………? よくわかんないけど凄そうじゃん!」
初春「あ、でもこの能力はちょっと問題がありますね。やはり私たちでは考察不可能です」
佐天「へ? なんでよ?? 電子系っぽいこと書いてあるよ? 電子を粒々と波々の中間状態でドーンするビームだって」
初春「そこですよ。今日は難しいこと一切抜きで行きたいので……、うん。いちごおでんを思い浮かべてください」
佐天「能力の秘密と初春の肥料に何の関係があんの?? まあ、想像したけどさ」
初春「肥料じゃないですけど佐天さんの言うように、私が今頑張ってるのはいちごおでんを貰えるという期待があるからです」
佐天「約束はちゃんと守るよ。レシピ知らないけどダシから作っちゃうから楽しみにしといて!」
初春「うふふ。さて、きっと私は現物のいちごおでんを手にすることでしょう。つまり電子って私にとってのいちごおでんなんですよ」
佐天「…………へ???」
初春「ですから、期待と現物。それぞれ電子の波形と粒子に相当すると思ってください。では、その中間ってなんですか?」
佐天「中間って、えっと……、期待と現物の? ちょっと待ってよ、まるで別物じゃん。真ん中なんて無いよ!?」
初春「ええ、そんなもの無いんですよ。でもそもそもいちごおでんが存在しなければ私にこんな考察させることは出来ません」
佐天「つまり、『自分だけの現実』の壁だね。その能力者本人や同系統の高位能力者にしかわからない、期待と現物の間のおでん……」
初春「だからこそ却って、その破壊光線の威力も射程距離も速度も全く他人には推測不可能でしょうね。だって存在しないんですから」
佐天「能力者の認識がどれだけ現実を歪めるかに依存する、か。にしても、簡単な話にするって言ったのにややこし過ぎだよ!」
初春「まあ、電子の性質っていうかふるまいっていうか、それに理屈を付けようとすれば見えない世界の話だけに混乱しますよね」
佐天「なんだっけ、量子の話? そういうの、小学生時代から苦手だったからなあ。超ひもを纏めてMをどーしたこーしたとか」
初春「正直、そのあたりになると空間移動能力者の独壇場ですよねー」
佐天「うんうん。小さな世界の物理を考えるには空間と時間の四次元では足りなくて、宇宙は十一次元で出来ているはず、とかさ」
初春「ちなみに佐天さん、ドコまで意味が判って言ってます?」
佐天「実のところ全く理解してないよ!」エヘン
初春「じゃあついでに空間移動を簡単に考察してみましょうか。もちろん超適当に、ですけどね」
佐天「え……、そこに手をつけても大丈夫なの?? 何か嫌な予感しかしないんだけど」
初春「難しかったら止めればいいじゃないですか。無責任に乱暴になら、ヤッちゃって構わないと思いますよー?」
佐天「初春って、時々怖いよね……。でも、面白そうだから乗っとくー!」
初春「空間移動ってレアだし単純に不思議ですからね……。演算で座標をアレしてコレしてどうしてテレポートになるんだか」
佐天「十一次元上の絶対位置座標、理論値を特殊な計算式で……だっけ? 意味のある言葉なのかなあ、コレ」
初春「ひとまずは理解可能な言葉から考えませんか? 例えば次元ってどういう使い方をする言葉でしたっけ」
佐天「空間上の点の位置が幾つかの異なる数値で表される時、その数値の分の次元であるとか……。だから苦手なんだってば!」
初春「例えば、私から見て佐天さんは5メートル離れてます。一次元的にはそれだけで位置が決まるんですけど」
佐天「ん? ああ、北東方向に5メートルって言えば二次元的だし、更に仰俯角度も付け加えれば三次元的に、ってことね。それなら解るよ」
初春「ついでに言うと佐天さんはいつでもそこに居るわけではないですよね?」
佐天「現在時刻の指定でしょ。これで空間と時間の、四次元時空的に初春からみてあたしの位置が決定したワケだ」
初春「で、私たちに確認可能なのはそこまでの次元なんですけど、素粒子のことを考えるにはそれでは足りないんです」
佐天「さー、意味不明な世界になってきました。これをどう単純に教えてくれるんでしょうか初春ハカセ!?」
初春「え? グラビトンがちゃんと観測されちゃう世界ですから面倒なことはスルーです。次の話題に行きましょう」
佐天「ハカセ……」
初春「さて、次元とはある点の位置、つまり座標を定める数値の数だと考えてもらいましたが」
佐天「十一次元ってことは座標を定めるのに十一個の数値が要るんだね。詳細はわかんないけど」
初春「だから私たちでも見えるとこから、えーと、そうですね……。何か二つのものを思い浮かべてください。それぞれを点で表します」
佐天「何でも良いの? あたしと初春とか」
初春「大丈夫ですよ。学園都市とハワイでもいいですし、地球と火星でもいいですし、太陽系とマクー空間でも何でもオッケーです」
佐天「不思議なペアがある気がするけどまあいいや。でも、点ってそんなに何にでも当てはまるの?」
初春「おかしな意味付けしない限りは、点は何も決めないただの概念。いわばゼロ次元ですから」
佐天「ふむふーむ。単なる座標の最小単位、だから役立たずのゼロね。よーし、サッパリ理解不能だぜ!」
初春「すごく適当な説明なので理解も適当でいいんですよー。さて、次はその二つが乗ってる線を思い浮かべてください」
佐天「線は点が連続した集まりだっけ。初春とあたしを結ぶような線を……、ほいほい。で、それがどうしたの?」
初春「世界がその線だけだとしたら私から見た佐天さんの位置は一つの情報だけで確定します。一次元です」
佐天「それはさっきもやったでしょ。実際はその距離の円周ってか球状? のどこか、としか言えないはずでしょ」
初春「今回は線上以外の場所は無い、って言いましたよ? 周りがあるなら二次元以上ってことです」
佐天「…………ん?? でも線分って二次元にも三次元にもあるじゃない。線だけの世界からそれ以外って見えないの?」
初春「さあ? でも、実際は二次元、三次元なのに見えないのだとしたら……、線から外れることが大きな意味を持ちませんか」
佐天「線から外れたら、世界から消えちゃうってことかな……。平面世界から垂直方向へ脱出するみたいな?」
初春「脱出というか、平面しか認識できないけど実は立体世界だったら、高さの座標も考えることで移動出来そうじゃないですか」
佐天「えーと、えーと、つまり纏めると……、確認できない次元まで計算に入れて移動すると世界から消えてなくなる?」
初春「そのままならそうかも知れませんけど、認識できる次元への移動に認識できない次元を通るとすると?」
佐天「姿を消して再び現れる? ……あ、それがテレポート??? …………そうか、あたしたちは四次元以上を認識出来ない」
初春「自分の位置座標を十一次元で計算出来たとすれば、それは漫画のキャラがコマの外の世界を意識したのと同じ事なんですよ」
佐天「でも、ホントに意識可能では無いよね。あくまで特殊な計算で求められる理論値で世界を飛び出してるって話なわけで」
初春「おそらくそうですね。また三次元での移動って、二次元キャラには見えないだけでなく理解不能ですよね。それと同じで」
佐天「十一次元での白井さんがどうやって移動しているのかは、白井さん自身にも判らないかもしれないと。……ふむふーむふむ」
初春「つまり、何故計算だけで空間移動が出来るかといえば、見えない次元に足を踏み入れるからってことです。おーしーまいっ!」
佐天「ふむ。……何か割とシンプルにまとめたけどさ、今更ながらこんな強引でデタラメな考察って許されるのかなあ?」
初春「逆にデタラメだからまだ許されるんですよ。無責任な妄想を聞いて、白井さんもきっと草葉の陰で笑ってくれてます」 ウンウン
佐天「勝手に殺すなああ! ……ま、結論が確認不可とか認識不可とか、今回も無駄な時間を過ごしたってことだあね」
初春「佐天さんと一緒に頭使うの楽しかったし、ムダじゃないですよー。あ、でもいちごバナナおでんはちゃんと作って下さいね?」
☆
【結構難しいよ?】
芳川桔梗「突然だけど、イメージって大事だと思わないかしら?」
番外個体「今回は最初から登場すんだね。それはともかく、イメージって何の話してんの?」
芳川桔梗「例えば、暴走が似合うあなたと何を考えてるのか判らない私。そんなイメージの二人だからオチを担当してる、とか」
番外個体「まー、おさかな話の強引なボケを第一位がやるイメージは無いね。一生懸命ザリガニ捕まえる白モヤシって、ありえねー!」
芳川桔梗「実のところ生物の解説を嬉々として語るあの子、っていうのも違和感が無いとまでは言えないのだけれどね」
番外個体「いやいや、ありゃお子様のワガママに嫌々付き合ってんじゃねーの?」
芳川桔梗「最初はそうだったかもしれないわね。でも徐々に、むしろ語っても大丈夫な雰囲気というか、新しいイメージを構築したのよ」
番外個体「ん? 要するに、やっと皮が剥けたってことかい」
芳川桔梗「それを言うなら一皮剥けた、ね。クールな雰囲気を保ちつつ解説役もこなすのだから、たいしたものよ」
番外個体「……そう言われると、何か気に喰わねーんだけど。一人だけ勝手に成長したつもりで居るんでしょ?」
芳川桔梗「ふふっ、どうかしらね。そこで今日の本題なのだけれども……、私たちも解説属性を身に付けていけない理由があるかしら?」
番外個体「…………、無い。むしろ学習装置やミサカネットワークで知識はバッチリなんだぜ! 芳川も何気に学者崩れだしね」
芳川桔梗「崩れじゃなくて崩しているの……、そこはどうでもいいわね。じゃあ、早速おさかな話を始めましょうか」
それから20分後)
番外個体「…………おいおいおい。ネタはどうすんのさ?」
芳川桔梗「……盲点だったわね。話のきっかけ、導入役が居ないと自然に始まらないわ」
番外個体「このミサカが『ねーねー、○○ってなあに?』とか、絶対やっちゃダメだろうし。つか、やりたくねえし」
芳川桔梗「私はやってもかまわないけど、立場上あなたに知識を求めるのはヘンよね……。最終信号は重要な役割を担っていたんだわ」
番外個体「オチだって大抵あのチビがきっかけを出すしね。司令塔気取りで『何々をしろ!』って指示して来る時もあんだよ」
芳川桔梗「それにしてはほのぼのとしたオチが少ないのは不思議だけれどもね。……さて、どうしたものかしら」
さらに10分後)
番外個体「……、このミサカがこんなことを言うのもなんだけど『自分のカヌーは自分で漕げ』だよ。きっかけ待つだけじゃダメじゃね?」
芳川桔梗「積極的にお題を考えたり、精力的に話を進行させるのは私の信条に反するのよ。カヌーのオールはあなたが持ちなさい」
番外個体「知ってたけどメンドクサイ人だなあ。それにカヌーの櫂はオールじゃなくてパドル……、いや、オール……、"oarfish"?」
芳川桔梗「思いついたのね? 今日は折角だからその話をしましょう。まあ、何を語るか未だ判っていないのだけど」 フフフ
番外個体「んじゃ"oarfish"……オールフィッシュの話をやっちゃうよん?」
芳川桔梗「オール、日本語で言うと『櫂』。ボートを漕ぐときのアレね。時代劇で見る舟のアレは『櫓』だから間違えないように」
番外個体「ぶっ飛んだカッコの魚だね。銀色の細長い体、真紅に統一したヒレが背側を炎のように走り、頭部のそれはながーいモヒカン風」
芳川桔梗「アメリカ先住民モヒカン族の戦士が、頭髪を真ん中だけ残したスタイルね。あれ、正しくはマヒカンだそうよ」
番外個体「んで、オールフィッシュって呼ばれる理由が腹ビレ。細くてすっげえ長い赤いヒレの先端に木の葉みたいなのが付いてんの」
芳川桔梗「ボートのオールって水を押して推進力を得るために先端が広くなっているでしょう? ちょうどそういう感じなのね」
『ん~…………………………………………』
番外個体「……で、体長も長いんだなコレが。正確に測定された硬骨魚最長記録はコイツが持ってるんじゃなかったっけ」
芳川桔梗「あら? 最長の硬骨魚はキャビアの親であるベルーガ、オオチョウザメじゃなかったかしら? まあどうでもいいわね」
番外個体「捕獲された最大個体は頭から尾まで11メートル、重さ270キロ以上だったってよ。発見される平均は3メートルくらいだけどさ」
芳川桔梗「ふうん。平均サイズはともかく、オオチョウザメの記録は確か8メートル程度だからそちらの勝ちね。おめでとう」
番外個体「んで、深海生物だから詳しい生態は不明なんだけど、その割りにやたら知名度が高いね。いろんな謂れの多い魚だし」
芳川桔梗「深海魚の定義は曖昧で、主な生息域が水深200メートル以下であれば仮にそれが水面を泳いでいても深海魚と呼んで良いのよ」
『む~…………………………………………???』
番外個体「……あのさあ、全然話が進行してる気がしないんだけど。コレ、このミサカが悪いんじゃないよね?」
芳川桔梗「あら、それは私に原因があるって言いたいのかしら? フォローに徹していただけで邪魔した覚えは無いのだけれど」
番外個体「見当違いのフォローはフォローじゃ無いでしょ! 合いの手が主題に沿ってないとテンポが狂っちゃうよ……」
芳川桔梗「でも今日の主題を私はまだ知らないのだけれど。何の話かハッキリさせないで強引に進めたのもどうなのかしらね?」
ダトォ? アラ フフフ コッロース オコトワリネ
打ち止め「……ねえねえ、あの二人は何をしてるんだろ?ってミサカはミサカは絡まった状況の的確な表現を要求してみたり」
一方通行「そォだな、体育教師の『今のは悪ィ見本だァああああ!』ってヤツか?」
打ち止め「解説って、知識の自慢でも意見をゴリ押しすることでもないもんね。誰でも出来るけどそこを間違えちゃダメな気がするよ」
一方通行「ま、次回はオールフィッシュ……、リュウグウノツカイの解説にすっか。――――――――オマエら二匹、ネタ振りご苦労ォ!」
~おしまい~
351 : ◆96XoVRe9oA[saga] - 2011/12/09 23:31:13.16 s8cMJNCn0 248/386
以上、第二十八回「Leftovers」でした。・・・はい、ムダおさかな知識を期待していた方にはゴメンナサイです
次回は通常版を一週間以内に、遅くても来週末までに。
今回中途半端だったアレも真打さんにやってもらいますのでどうかご容赦を
ではでは今日はこの辺で、またーー
354 : ◆96XoVRe9oA[saga sage] - 2011/12/18 11:56:06.15 7CrIUF3R0 249/386
予告って、間に合わない可能性を示唆するためにするんだよ
いきなり反則気味の言い訳で始まるおさかな話。そんな今回はいつものメンバーが交換されたりいなかったり
バランスが崩れたらどんな話が展開するかって試みだったんですけど、かなーりアウトな出来上がりになりました
自戒の念も籠めてテーマは『間違い』です。いつもよりちょっと長くてちょっと言い回しがクドいですが、どうぞ
☆
「とうまがまたどこかへ行っちゃっていて、今日はインデックス一人なんだよ」
「こんなときに限って何故かあいさも遊びに来ないんだよ。…………、ヒトリゴトってあんまり面白くないかも」
「とうまと一緒に食べようと思ってこっそり買っておいたカツオ節、三本とも食べきっちゃったんだよ……」
「でもヒマだからって、私は手持ちブタちゃんにはならないんだよ! ってそれを言うなら手持ち無沙汰ちゃんなんだよ!!」 ノソノソ
「――――――というわけで、ひさしぶりにこの『のーとぱそこん』の出番なんだけど…」 スイッチ オーン
「疑問質問掲示板ってどうすれば見れるんだっけ……? あ、これかな」 ポチ ポチ
「見つけた見つけた。さー、インデックスが未解決の難問奇問、柿右衛門をズバッと解決してあげるんだよ。覚悟するがいいかも!」ビシッ
「…………、テンション上げてないと決定的な何かが切れちゃいそうなんだよ。そこは勘弁して欲しいかも」 ポチ ポチ
「科学や兵器の質問は問題外、政治情勢や経済や法律関係の話題はつまんないし。おさかな関連の珍問は無いのかな?」
「お! 噂をすれば影が差すんだよ! この文面からは相当歯ごたえのありそうな雰囲気がそこはかとなく漂ってるかも」
「ええと……。『私の泣き顔は最低でもアレの五倍は超可愛いですし』…………、余計な情報が多すぎなのはタマにキズなんだよ」
「質問を纏めるとこんな感じかな?」
●同僚に『おさかな初心者』の烙印を押されてしまったので勉強中
●どうせ勉強するのなら好きなおさかなから始めたい
●そこで世界一硬い魚類を教えて欲しい
「好きなものについての情報を探すのはどれだけ大変でも不思議と苦痛じゃないから、物事を学ぶ導入にはバッチリかも」
「やがて好きなものの知識が軸になり、そこから枝を伸ばすようにそれ以外の知識への取っ掛かりになるんだよ」
「そうなったら完全無欠の博覧強記も夢じゃない。けど、好きなものだけをとことん極めた人だって相当カッコいいかも」
「だからこの人の選択は正しいと思うんだよ。それだけに私もしっかり回答してあげなきゃね」
「……まずは魚の物理防御を実現する鎧、特にウロコの硬さについて、かな」
「結論から言うと魚のウロコって基本的に生体由来物質。そして魚類はヒトを含む全ての脊椎動物のモトだから…」
「質問者さんにはひょっとしたら残念な事実かもだけど、どんなウロコであってもその材質はヒトの体のパーツとほぼ同じなんだよ」
「つまりその硬さも想像の範囲内ってこと。そしてウロコは幾つかの種類に大別出来るから……、簡単にまとめておこうかな」
「いわゆるモーホロジーで言うホモロジーって観点を加えてウロコを分類するとこんな感じ?」
1)楯燐 サメなど軟骨魚に見られるウロコ。成長とともに数が増える。歯とほぼ同じ組成なので皮歯とも
2)硬鱗 古いタイプの硬骨魚に見られるウロコ。成長とともにウロコが大きくなる(数は一定)。組成は楯燐に近いが構造は異なる
3)骨鱗 現生の硬骨魚鱗の主流。成長とともにウロコが大きくなる(数は一定)。文字通り骨質で作られる
「このうち(1)の楯燐はみんなの身近に実物があるんだよ。拵えのちゃんとした日本刀を持ってきてグリップの部分を見て欲しいんだけど」
「柄巻き紐の下地に白い粒々が見えるでしょ? これがそう。歯と同じくらい硬くてすごく細かいトゲ状のウロコなんだよ」
「体の成長とともにウロコの数が増えていくのはこのタイプだけ、ってことは覚えておいたほうがいいかも」
「次に(2)の硬鱗。淡水魚だとエンドリケリ=エンドリケリとかガーとかチョウザメ、海ならシーラカンスが有名かな」
「古代魚って、一見して違和感があると思うんだけどそれは奇抜な体型だけじゃなくてウロコにも原因があるんだよ」
「基本形はひし形。それが水平方向に対して斜めを向いてまるで屋根の瓦みたいに規則的に並んでるから大きなウロコが際立っちゃうのかも」
「そして(3)の骨鱗は最も一般的なウロコだね」
「葉状鱗とも言うんだけど、要するに誰でも知ってるウロコかも。一応触れておくと更に二つのタイプに分かれるんだよ」
「一つは円鱗。コイやメダカやサケがこのタイプだね。文字通り丸っぽくて表面は滑らか」
「もう一つは櫛鱗。スズキやマダイやサバはこっちかも。円鱗との違いは端っこに小さなトゲが並んでることだけなんだよ」
「さてさて、単に頑丈さを求めるなら体をすっぽり一枚板で覆う装甲が最良なんだけど、それじゃ極端に動きが制限されちゃうよね」
「小さなウロコで体を覆うことは防御と機動力を両立して、その上損傷を負った場合にはその部分だけ取り替えれば済むでしょ?」
「えっと、つまり……虫歯治療で、歯が全部繋がっていたら大変だよねってこと。そんな利点だらけのウロコなんだけど…」
「この中で材質的に最も硬く厚いのは楯鱗で、それから硬鱗そして骨鱗って進化の流れの中でウロコはより薄くより軽くなっていくんだよ」
「カワヤツメやアンコウみたいに完全にウロコが退化し、代わりに粘液を多めに分泌することで体表を守る魚種も少なくないよね?」
「そんな防御で大丈夫か?って聞きたくなるかもだけど、これは硬いウロコの魚は古いタイプって所がミソなんだよ」
「太古、イカや貝などの祖先が海洋の王であった時代。魚類は装甲をより頑丈にすることで彼らの牙から逃れたんだけど」
「魚類の黄金時代になると硬さも頭打ち。むしろ防御は最低限にしてその分機動力を確保したほうが生存競争上より有利になるんだよ」
「だってどれだけ頑張っても歯よりも硬いウロコは作れないでしょ? まあ進化の順序的にはウロコが歯になったんだけどね」
「どんなに頑丈でも噛まれれば終わり。されど噛まれなければどうということは無い、ってコトなんだよ」
「ウロコについてはこんな感じでいいかな……。実際は例外がたくさんあるんだけど、それは自分で見つけていけばいいんじゃないかな」
「そんなことより本題に入るんだよ。ウロコの硬さは歯や骨のそれに当たるって説明をしたんだけど、結局は引掻き硬度に過ぎないからね」
「生命を守る鎧としての硬さは少なくとも押し込み硬度で考えるべき問題だもん」
「あ、用語の意味は深く考えなくていいかも。要するにここからが頑丈な魚の話なんだよ」
「ちなみに世界一硬い食品はカツオの本枯節かな。噛めば噛むほど味が出るけど、削ってダシを取っても美味しいよね」
「と、脱線はこのくらいにして、質問の『世界一硬い魚』のお話に行ってみよー!」
「…………でも、これってどうやって順位付けするんだろ?」
「例えばマンボウは分厚い皮で体を守っていて、拳銃弾くらいじゃ致命傷にならないとまで評される防御力がありつつも」
「ウロコが殆ど退化してるから皮膚はグズグズで弱いんだよ。これは硬いと言えるのかな……?」
「さっきも言ったけど材質的には上限が決まってるし、完璧にどれが一番硬いって言い切ることは困難かも……、う~ん」
「悩んでいても仕方が無いから、すっごく硬いとされる魚をいくつか紹介しようかな。それで勘弁してもらおっと」
「まずはアーマードプレコ! ナマズの仲間なのに硬いウロコがあるプレコの仲間の中でも最硬を誇る『皮の鎧を着た魚』だよ」
「プレコの仲間の生息地は南アメリカが中心で、アマゾン川やその支流域では普通に食用にされるんだけど」
「ウロコが硬すぎて処理できないから直接火に掛けて丸焼きにするの。なんていうか白身なのに味が濃くてとっても美味しいんだよ!!」
「最大でも40cmくらいの中型魚でとにかくウロコが角ばっててカッコイイ、だけどおとなしくて水槽飼育にも適した魚種だね」
「続いてはカワビシャ。これは比較的暖かい海でたまーに捕れる、カワハギをブサイクにしたような魚なんだよ」
「英名はアーマーヘッド……、英語圏の人って硬いとすぐにアーマーを連想しちゃうのはちょっと安易かも」
「平べったい上にとてつもなく硬く細かい櫛鱗があるからお肉は少ないけど、甘くてコリコリでお刺身に最適なんだよ!!」
「大きさは30cmくらい。深めの岩礁域に生息してるからダイビングの達人ならこのブサイクちゃんの生きてる姿を観察できるかも」
「まだまだ行くよー、イットウダイ! 漢字で書くと一刀鯛とか一等鯛とか。これはおなじみキンメダイの仲間なんだよ」
「近縁には『包丁が全く通らない魚』として誰もが知ってるマツカサウオがいるね。これも暖かい海の岩礁などに棲んでるみたい」
「赤い体色に複数の白の横縞が均等に入るキレイな魚。だけどすっごく硬い、ところがやっぱりお鍋にばっちりなんだよ!!」
「せいぜい30cmの比較的小型の魚で、その縞模様から英語圏ではリスっぽい魚って呼ばれてるんだよ。そこまでカワイイかな?」
「あとはアリゲーターガーやシーラカンスなどの硬鱗を持つ古代魚は確かに頑丈なんだけども」
「やりかた次第で普通に刃物が通るから除外したんだよ。決してシーラカンスが煮ても焼いても美味しくないからじゃないんだよ!!」
ポチポチ ターン ポチ ポチ ポチ
「……さてと、こんな感じでいいかな? 質問者さんも納得してくれればいいんだけど……。ちょっと真面目すぎたかも」 スイッチ オーフ
「今日の話題がつまらなかったらそれはとうまのせいなんだよ!!」
「………………………」
「とうまがいるとすぐに話が脱線するし、おバカでエッチな冗談言うし、話がまとまらないまま終わっちゃうこともよくあるけど……」
「やっぱり私ひとりだけじゃ、面白いおさかな話は出来ないかも………………」
「………とうま、早く帰ってこないかな」
☆
佐天「あれ? 今日は御坂さんも白井さんも居ないの?」
初春「あっ、佐天さん……、そうなんですよ。なんでも御坂さんは熱帯魚を捕まえに行ったとか。白井さんはいつものパトロール中です」
佐天「……………………………………何で熱帯魚? ……よくわかんないけど、遠出ならお土産貰えるかな~?」
初春「さあ? そんで白井さんが『あなた達二人だけじゃ間が持たないですのですの』ってお友達を呼んでくれたそうなんですけど……」
バサッ
婚后「それはわたくし、婚后光子のことですわ!」 バーン
佐天「…………お、お久しぶりです? えーと、その節は大変お世話になりまして厚く御礼申し上げ奉り候。というか張三李四?」
初春「あーあーあー、かわいいニシキヘビちゃんの飼い主さんですよね? って、他に適任者が居なかったんでしょうか?」
婚后「ちょ、ちょっとあなた方? あまりにも扱いがぞんざいじゃなくって? それとヘビちゃんではなくてエカテリーナちゃんですわよ!」
佐天「やあ~、そう言われてもねえ……。水着モデルとポルターガイスト事件と誰かが見てる、では確かにお世話になりましたけど」
初春「ヘビ使いの方におさかな話が出来るとは思えませんもん。白井さーん、チェンジですー」 パン パン
婚后「お待ちなさいな!! こちらが大人しくしてたら言いたい放題、絶対チェンジなど認めなくてよ!」 ガー!
婚后「それに初春さん、おさかなって魚類に留まらず、水棲生物のことじゃありませんの? 今までだってカニやウニを取り扱ったでしょう」
婚后「でしたら冷静に考えて、このヘビ使いにも『水棲爬虫類』を語る権利があるんじゃなくて?」
佐天「冷静に考えてヘビ使い呼ばわりは否定しないといけなかったんじゃ……、でもまあ一理ありますね」
初春「あらあら婚后さんったら。そこまで仰るのでしたら水棲爬虫類の話、聞いてあげてもよくってよ? ウフフ」
佐天「誰が喋ってるかわかんなくなるから紛らわしいマネしない! ……えっと、ところで水棲爬虫類というとカメとかワニとか?」
婚后「初心者相手に各論を説いたところでせいぜいが一時の豆知識に過ぎませんわ。このわたくしを呼んだからにはそれ相応の難m」
佐天「……あ、じゃあせっかくなのですっごく基本的な質問ですけど、魚と水棲爬虫類って何が違うんですかね?」
初春「佐天さん?? それは流石に常識中の常識じゃないですか……」
婚后「いえいえいえいえ。人のセリフに割り込む無作法はさておき、その質問はなかなかに奥が深いかと」
佐天「でしょ? だってさあ、ほら? どっちもウロコがあるし水の中にいるし、ウミヘビなんて魚だか何だかわかんないじゃん??」
初春「ちなみにウミヘビと呼ばれる生物には、コブラの近縁の爬虫類タイプとウナギの親戚の魚類タイプ、両方いるんですよ」
婚后「っつ、そのとおりですが………………、わたくしの見せ場を奪うとはさすがはあの白井黒子さんの同僚……、やり手ですこと」
佐天「ふむ。なんか初春も婚后さんも詳しそうだし、二人で交互に話を……、相違点とその解説って進めれば面白そうじゃん?」
婚后「なるほど。つまり、一人が魚と爬虫類の違うところを端的に紹介し、もう一人はそれを詳細に解説出来たらポイントゲット! と?」
初春「最終的により多くのポイントを獲得した勝者は輝ける『第一回ウミヘビキング杯王座』って事ですね! 燃えてきましたー!!」
佐天「そんなことは言ってないけど…………、これ収拾つくの??」
婚后「では口火はわたくしが切りますわね」
婚后「魚類の呼吸器は主にエラで爬虫類は肺。水棲爬虫類は肺によるガス交換を行う生物にしては異常な潜水時間を誇りますわ」
初春「いきなりちょっとヒネってきましたねー……、まあ問題ないですけど
まずここでのガス交換とは、濃度の高いほうから低いほうへと物質が移動する『拡散』によって血中へ酸素が、外へ二酸化炭素が
それぞれ移動することを指します。エラ呼吸であれば新鮮な水をエラに触れさせると酸素濃度の高い水のほうから毛細血管の膜を
通して酸素が血中に向かい、逆に二酸化炭素濃度の高い血液から水中へ二酸化炭素が溶け出ます。互いに渡しあうからガス交換。
すごく乱暴に言えば、濃い塩水を真水に入れたら全体がしょっぱくなるのと同じ原理ですね。
肺についても、エラ呼吸に於ける水が大気に置き換わるだけでやってることは大差ないんですけど、だからと言って液体で肺呼吸は
極めて特殊な条件下で無ければ出来ませんから注意してくださいね。
ではどうしてカメやワニなどは非常に長い時間潜水していられるのでしょうか。例を挙げれば、温帯性のカメは時に水底で
冬眠してしまいます。ウミガメなどでは数ヶ月間潜水可能なんて噂される種も存在します。不思議ですよね?
これは爬虫類を全体的に見れば他類と比較してエネルギー消費効率が優れているから、としか言いようが無いですね。個別に見れば
消化管を含む皮膚呼吸で水から溶存酸素を取り込むことに長けた種がいたりヘモグロビンが高性能だったり、様々です」
佐天「……」
初春「じゃあ次は私からお題を出しますよー!」
初春「魚類のウロコは真皮由来であるが、爬虫類のウロコは表皮を起源とする」
婚后「オーッホッホッホ…………、失礼。そんな簡単な事をご存知無い方が居るとも思えませんけれど、お題はお題。仕方がありませんね。
ではまず庶民の目線で、真皮や表皮といった用語からご説明いたしましょうか。
原腸陥入後の細胞塊、おなじみ原腸胚において細胞はそれぞれの基本的な役割が位置的に決定しますわよね。つまり外胚葉と内胚葉、
また内胚葉の作用によって外胚葉の一部が中胚葉へと変化いたします。大雑把に申しますと外胚葉は体の表面側の素になり
内胚葉は文字通り消化管や一部の内臓組織など体の中身になって行きます。中胚葉は外と内の間、体腔を埋めるように器官や組織を
作り上げる原材料と認識されている方が多いかと存じますが、一応例を挙げるなら筋肉や骨格や膜や血液や血管やリンパ管に性腺、
膵臓や腎臓などが中胚葉性ですわよね。脊椎動物のような高等動物の場合、複雑な体組織形成をこの三胚葉性で可能にしております。
ちょっとご自身の腕をご覧になって下さいな。表面を外胚葉性の表皮が覆い、その下には中胚葉性の真皮や肉や骨が詰まって……、
あら、思わず先走ってしまったかしら? まあ結論が早くなるのは構いませんけど。
つまり、表皮とは皮膚における最も外側の構成要素であり真皮とはその直下のそれにあたるのです。外界と生体を分けるのが表皮で
いわゆる皮革、三味線の胴や野球のグローブなどの革製品と呼ばれるものの原料は真皮と覚えてくださいな。
さて、ウロコの話に行ってもよろしくて? よろしくなくても行きますけれども。
魚類のウロコが真皮由来とはつまり、皮膚の内側の真皮の部分が変形して外部に露出しその表面を表皮が覆って出来た小片が魚類の
ウロコである、というほどの意味。繊維層の上に骨質層が、更に古代魚類では象牙質層やエナメル質層が重なり形成されるウロコは
それゆえ真皮に埋没しておりいわばウロコ全体が生きた組織なので本体の成長とともにウロコも成長いたします。
それに対して爬虫類のウロコは基本的に表皮起源。ヒトで言えば垢すりで落とすような角質が硬化したものであって、それ自体は
成長しません。ですので新しいウロコが次々に作られ、古いものは剥がれ落ちてしまうのですがそれがつまりは脱皮とお考え下さいな。
また、ワニなど強靭な装甲を誇る爬虫類に関しては真皮由来の皮骨や骨格とウロコが癒合しておりますけれどもこれは例外ではなく
ウロコ自体はあくまでも表皮起源であって二次的に硬度を高めるべく結合しているのだとご理解くださいませ」
佐天「…………」
初春「思ったよりやりますね。ホモロジーは私の得意分野だったんですけど」
婚后「そちらこそ。ですが、形態学(モルホロジー)でいう相同(ホモロジー)と仰ったほうが余計な誤解を産む心配が無いのではなくて?」
初春「それこそ余計なお世話ですよー。何にしてもコレほど楽しめる相手は久しぶりでした。またヤリましょう!」
婚后「ええ、是非に!」
佐天「……………」
佐天「……………………………………………」zzz
☆
上条「…………」
御坂「(何なのよ……、コレって一体どういう状況なワケ? さっぱり理解不能なんだけど!?)」ボソボソ
上条「(俺も……、上条さんも『この公開講座は不足分の単位代わりになってるです』って聞かされてただけで……)」ゴニョゴニョ
御坂「(アンタが『熱帯魚に興味ないか?』って言わなきゃこんなトコ来なかったわよ! よりにもよって講師がアレって何の冗談?)」
一方通行「つーワケで、科学が発達した現在に於いても深海ってのはそこに棲む生物も含めて未だに多くの謎を秘めてやがる。
ヒトってのは内容物が判ンねェハコを開けずに居られねェモンだ。『好奇心ネコを殺す』って言葉があンだろ?
ハコの中身が爆弾だったらヒトだって死ぬ。同様に現在まで深海に魅せられて命を落としたヤツは少なくねェ。
それでもヒトがヒトである限り知的好奇心は止められない。理性を強く持つ生物にとって知ることは生きることと同義だからな。
神が知を悪と見做すならヒトの命そのものが悪になる。ならば深海はヒトの知性を断罪する深淵、って考えると面白ェじゃねェか」
御坂「(んあーーーーーーっ、どの口で神とか言ってんのよ。クソの紙みたいな顔色してる分際で……)」 ブツブツ
上条「(気持ちは解る、解るけど落ち着いてくれー! 上条さんはこのチャンスを逃したら留年800%確定なのでございますことよー)」
御坂「(ったく……、ハイハイ。講座妨害でアンタもろとも途中退出にならない程度には我慢するわよ。でもコレ、貸しだからね?)」
一方通行「以上を踏まえて、今日の本題。……今時、しかも学園都市で黒板にチョークで字を書くってどォなンだよ?」カッ カカッ カッ
~リュウグウノツカイは異形か、凶兆か、それとも「 」か~
一方通行「まずは基本情報から。リュウグウノツカイはアカマンボウ目リュウグウノツカイ科に属する外洋性の大型深海魚であり
詳しい生態は不明だが過去のデータから推測するにプランクトンを常食とする群れを作らないタイプの魚のよォだ。
最大の特徴は巨大であること。発見される固体の平均サイズは全長3m程度だが確認されたもっとも長いヤツは11m、
さらに船上から目視での推測だが15m級の個体も存在するらしい。そのサイズ的におそらく極めて長寿の魚種だろォな。
体表にウロコは無く代わりにグアニン層って……あー、タチウオ知ってンだろ? 銀色のペラペラの、焼くとウメェ魚。
アレと同じ銀色の光沢を持つ物質で体を保護してる。更に生きてる間は側線の上下にそれぞれ色違いの縦線が入ったり
黒暗色の斑点があンだが死ぬとそれらは急速に薄れ、全体の光沢もくすむ。
ヒレも独特で、背側全体を赤色の背ビレが覆い、特に頭頂部付近のそれは極端に長い。腹ビレは左右一対の細長い糸状で
先端が木の葉のよォな形状をしてる。この部分はちょうどナマズやドジョウのヒゲと同じくニオイや味を感知する器官だと
考えられてンな。おそらく遊泳能力が低く歯を持たないコイツにとって、エサに関する情報収拾は重要なンだろォよ。
細長く、薄く、銀光沢を持つこの魚の姿を、全く知識のねェヤツに言葉で伝えンなら
『キッチンにあるアルミ箔を部屋の隅から隅まで伸ばしたモノが海を漂っているのを想像しろ』とでも言っとけ。
実際、漁師がコイツをただのゴミと見間違えたって話はよく聞くしな」
上条「(リュウグウノツカイがテーマのおさかな話かよ。コレならなんとか居眠りせずに済みそうかな?)」
御坂「(テキトーな解説ね……。アカマンボウ目がマンボウとは全く関係ないって言わなきゃ誤解する人もいるでしょうに)」ヒソヒソ
上条「(え? そうなのかよ。じゃあヤリマンボウとも無関係??)」コソコソ
御坂「(勿論。アカマンボウはマンボウに形は似てるけど、全然別種の美味しい深海魚よ。アカマンボウ目にはレアな種が多いわね)」
一方通行「話を続けンぞ。リュウグウノツカイの名前の由来は読ンで字の如く『竜宮の使い』だよな。おとぎ話にもあったろ。
大昔に海亀を助けた浦島太郎ってヤツがその亀に恩を仇で返されて途方に暮れる、だったか? 竜宮はそこで出てくる
人跡未踏の海底深くにあるとされる伝説上の海神だか龍神だかの棲む宮殿のことだ。
リュウグウノツカイが竜宮の使いに見做された理由としては発見記録から推察するに海中でのコイツらの休憩姿勢が原因だろォ。
頭を上にして直立し水中で静止する10mの魚、平均的な透明度の海では頭の側から尾が確認出来ねェかもな。それこそ海底から
伸びてるかのよォに昔の漁師が誤解しても不思議じゃねェ。余談だが浮き袋が退化してンのにそォした姿勢を保ち続けられるのは
浅い海に居る魚に比べて高密度の体組織、主に骨や筋肉のことだが、を減らす代わりに多量の水分を蓄えてるからなンだと。
深海魚では低比重の水や脂肪やワックスを蓄えて浮力を得るのが一般的だがコイツもその例に漏れず、っつーことだな。
また、日本に於ける人魚伝説の正体はリュウグウノツカイって説もある。例えば日本書紀には、とあるところの漁師の
『ある日オラが仕掛けたワナに名前がわからねえモノが入っていただよ。魚でもねえし、人でもねえずら!』的な報告がある。
そしてその話を聞いた聖徳太子が
『ひとさかなが見つかるのは悪い事が起こる前兆。国に災いが降りかかる前触れである』と言ったと聖徳太子伝暦にある。
時代が下って鎌倉期には人魚とはヒトに似た顔を持つ魚、と認識されていたよォで各地の民話にズバリ人魚という名で登場する。
非常に長い体を持つ人魚、白く光る顔と赤い髪の人魚、サルのよォな突き出た口の人魚……
どれもが少なくとも今日で言う人魚の正体、ジュゴンやマナティなど海棲哺乳類の特徴には当てはまらねェだろ?
むしろいくつかの伝承を組み合わせると、飽くまで個人的にだがリュウグウノツカイ以外には候補がありえねェとまで思える。
……っても、鎌倉以降になると中国の人魚伝説の影響を受けて鋭いキバを持つ人魚や赤ン坊のよォに泣く人魚が出現するし
江戸期に入ると更に西洋文明が染み込み、半人半魚の女体っつー現在のイメージに繋がる人魚が一般に語られちまう。
まさに情報化社会の弊害ってヤツだ。
さて、西洋に於いてリュウグウノツカイは豊漁の兆しとされている。英名は腹ビレの形状がボートのオールに似てることから
オールフィッシュ(Oarfish)だが、コイツが漁の最中に現れるとニシンが大漁になるってことでニシンの王(King of Herrings)
なンて別名を持つほどにな。まあリヴァイアサンのモデルやシーサーペントの正体とも言われ化け物扱いが無いワケじゃねェが
一般的には変わった形の珍しい魚、デカいンで遊びの釣りの対象になる魚、って程度の認識だ。
ところが日本じゃ、聖徳太子の話で触れたが随分な扱われ方だと思わねェか? 国難の兆しだとか地震の前触れだとかキモイとか。
コイツの死体がどこかの浜辺に漂着するとニュースになり、『悪い事が起きる知らせで無いことを祈ります』なンて。
タコやクジラやコイ同様、洋の東西で同じ生物が全く違った印象を与えるケースのひとつと言っていいだろォ」
上条「(……長い。ちょっと理解が追いつかなくなって来ちまった。……なあ、御坂?)」ゴチョゴチョ
御坂「(は? 今のパートは脱線みたいなモンだからわかんなくても平気よ。なんならノート取ってるから後で見れば?)」
上条「(ほ~、意外だな。…………お前、結構真面目に講義受けてるんだな)」
御坂「(一体誰の為だと思って……!! ふんっ、…………とにかく次の話がキモだと思うからそのつもりで居なさいよね)」
一方通行「では何故リュウグウノツカイの発見が日本において凶兆とされるのか、を考えるにあたりココで断りを入れておく。
この後から数行に渡る内容は主にネットで収集した情報を基に構成されている為、一部に特定の地名や団体名が入るが
決して悪意、誹謗中傷の目的は無い。だが今回は多くのソースの主張とは異なる結論を出す予定であり、そのことに
不快感を持たれても全く仕方が無いと思う。よって当然の事実を確認しておく。この講義は一切が俺の独断だ。
誰の主張の肩代わりでもなくむしろ一方通行な言いっぱなしに過ぎないので、出来れば深刻に捉えないで貰いたい」
一方通行「さて、江戸時代の文献にこンな記述がある。
『宝永年間のこと、ある村の漁師が人の顔と魚の体を持つ生き物を見つけ殴って殺した。その後、村は暴風と地割れで消えた』
宝永年間と言えば富士山の最後の噴火を引き起こした宝永地震の起きた時代だがそれとの関連は残念だがわからねェ。
それはそォとその記述、諸国里人談によるとこの生き物は首の下に鶏冠(トサカ)のような赤いヒラヒラを付けてたらしい。
これがリュウグウノツカイを思わせる外見の生物の発見が大惨事の引き金になった証拠としてよく使われるンだがどォ思う?
理性的に考えてもし村の悲劇の原因がその魚だったとしても、コレはソイツを殺すと罰が当たるって教訓話なンじゃねェか?
まあ、昔話では確認不可能な事も多いンで最近の話題に移る。2009年末から2010年中旬に掛けて日本海側の各所、ニイガタから
ヤマグチあたりで比較的多くのリュウグウノツカイ発見報告があり、新聞やニュースで報じられた。報道量は過去最大だった。
元々の生息地が太平洋側と考えられているコイツが日本海側で多数発見された事を受け、当然ながら地震を連想したヤツも居た。
だが、目立った大地震はあったか? 翌年のインパクトのせいで思い出せないなら覚えとけ。2010年、日本付近で震度5強以上の
地震はゼロだったンだよ。最大で沖縄本島近海を震源とする震度5弱だから、魚の発見箇所には何の繋がりもねェよなァ?
ンで、リュグウノツカイが地震の前触れだと主張するヤツらは今、こォ言うンだがどォ思う?
『リュウグウノツカイが発見された年、または次の年に大地震が起こる』
たまに居ねェか? デジタル時計を見るといつも数字がゾロ目だ、とか言ってるヤツ。ソレならまだ偶然数字が揃っている場合に
限り記憶に残る為って理屈が立つが、いつも数字がゾロ目または一つ違いだ、だったら話になンねェだろ?
勿論この手のバカ話と違って大量発見にはなンらかの原因があるはずで、ソレを辿れば生息域に変化が起きた、地磁気に乱れが
発生した、ってトコにたどり着く可能性が無いとは言えねェ。だが検証もせずに安易に断じる事が正しいとは到底思えねェよ。
では根拠の薄いデータしか存在しない状態で凶兆説が根強いのは何故かと問われりゃ、日本人の精神性に関わってンのかもな。
珍しい出来事、普段と違うやり方、場違いな作法……。街中で霊柩車を見かけたら、とか毎日の日課をサボると気持ちが悪いとか
着物の左前とか。これらの共通点は異常な状況とそれを前兆として現れるとされる様々な不幸だ。要するに日本人は伝統的に
日常に異物が入り込むことを極端に恐れ、それによって悪い事が起こるかもしれないと注意を促す為に諺や伝承で伝えて来たンだ。
だが例えば、夜に爪を切ると云々って話は現在では殆ど意味を成してねェだろ? 生活が変化すりゃ当然に日常も変わる。
そして実際何も起こらない事を理屈じゃない部分で理解……、曖昧な言い方だが、とにかくソレが出来れば解消するってこった。
リュウグウノツカイについては確かに外洋性深海魚だから稀な浜辺への漂着でしか一般人には見る機会が無いために、日常を壊す
異物として認識されそれ故に凶兆と見做されるって事になるワケだ。さて、この評価が覆されるとしたらどンな場合だろォな。
多くの漁師にとって深海魚の殆どは食味が悪く値段が付かないので網に入ってもそのまま捨ててる、って事実を知ったとしても、
群れを作らない単独生活の為に希少と嘗ては信じられていたが実際はかなり頭数が多いって知っても、外国でのこの魚の評価を
聞いてもこの迷信を捨てンのは難しいだろォよ。理性の論理は必ずしも理屈じゃねェからなァ……。
いつの日かこの魚の生態が綿密に調査されて伝説の真実が明かされるのを待つのが唯一の方法、どォかと思うがソレしか無ェな」
御坂「(む? 凶兆説は迷信、って事はデタラメだって考えてんの? でも調査を待つとか……、ハッキリしない話だなー。ん?)」キョロ
上条「(ゆ、許せねえ! 罪も無い魚を悪者に仕立て上げて、その理由が珍しいから、だけだなんてアリなワケねえだろ!!)」プルプル
御坂「(……うーん、ゴメン。いくら美琴さんでもその目標不明な意思には賛同できないわ)」
一方通行「さて最後オマケだ。時に凶兆、時に怪物、時に異形、などかなり特殊な生物って扱いのリュウグウノツカイだが実際はどォか。
結論を言う。深海魚の代表的な特徴を上げるとリュウグウノツカイが出来ンだよ。骨格、筋肉、浮き袋の退化とそれに代わる
水分、脂肪量の増加。わずかな光で視界を得るべく巨大化した眼球。大きく広げることが可能な口、上方からの太陽光を反射し
捕食者から姿を隠す為のCDのよォな体色。これらは中深層ってカテゴリに棲む魚の共通点だがリュウグウノツカイそのものだろ?
更に結論を展開する。地球に於いて陸地面積は3割弱で残り7割は海だ。そして深海と呼ばれる水深200m以下の海ってのは
海水全体の体積比で実に93%に達する。つまり、地球は大部分が海であり、海はほぼ深海で出来ているってことだ。
なら、地球の代表的な場所は深海であり、地球の代表的な生物はそこに棲む生物の特徴を全て持つ、リュウグウノツカイだよな?
当然本気で言ってるワケじゃねェぞ? 要は、物の見方をホンの少し変えるだけで常識なンて案外アッサリ崩れちまうって話だ。
いつも思い込みだけで動いて失敗してるヤツや自分の決意に振り回されてるヤツ、変化を嫌い日常を守ンのに必死なヤツ。
そンな連中はいつか選択を間違えて袋小路に迷い込むだろォ。ゲームオーバー、手遅れになっちまう直前に、もし気が向いたら
今日の俺の話を思い出して……イヤ、俺はどォでもいいからリュウグウノツカイの事を思い出してみろ。
その正しさはタダの思い込みじゃねェのか? 本当にそれしか道がねェのか? その行動に意義はあンのか?
リュウグウノツカイが地球代表でもあり異界の怪物でもあるって話を自分の置かれた立場に当て嵌めりゃ、多分別の解答が
思いつくンだろォぜ。判断に迷うことがあったら……、イヤ、自分の判断にむしろ絶対の自信がある時にこそ試してみろよ。
ただまァ……………、新たに思いついたそっちが正答とは限らねェがよ。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 以上だ」
上条「ありゃ、アイツとっとと行っちまったよ。質疑応答とか無いのな」
御坂「アンタ何か聞きたい事あったの? っていうかこの状況で手を挙げて質問する気だったの? バカなの? バカよね! バーカ!!」
上条「え、ええと……。そんなつもりで言ったんじゃないけど、気を悪くしたなら謝る。ゴメン」
御坂「…………。講義のノートは今日の貸しを返したら見せてあげる。どうせレポート提出するんでしょ?」
上条「そうだった! …………では、ワタクシは一体何をすれば宜しいのでせう??」
御坂「そーだなー今度何かオゴって貰おうかなー? それともー……」
<ポーン
上条「ん? 館内放送か?」
『本日の公開講座、受講お疲れさまでした。尚、講師より記念品といたしましてリュウグウノツカイ一匹が贈呈されております。
全長4.1m体重20kgのお手ごろサイズ。都合により先着一名様限りですが、希望される方は入り口受付カウンターまで~』
御坂「んー? そういえば私の後輩が『一度で良いからリュウグウノツカイを食べてみたいですのですの』って言ってたっけ……」
上条「それは俺にアレを貰って来いと? どうやって持って帰るんだよ!? 持って帰ったとして保管はどうするんだよ!?」
御坂「なんとかなるんじゃない? 黒子と、いつかの白シスターも一緒にこれからアンタん家でお鍋とかさ。それで貸しはチャラでどう?」
上条「先生、これが袋小路なんですね……。あー、もう。わかった、わかりましたよ! 不幸だかどうかもわかんねえええ!」
芳川桔梗「おつかれさま。終始堂々として結構板についてたんじゃない? 実は君には教師の素質があるのかもね」
打ち止め「うんうん、カッコよかったよー!ってミサカはミサカはあなたの晴れ姿に思わず惚れ直したのを白状してみたり!」
一方通行「っざけンな!! アイツらが来るって知ってたら死ンでも断ってたっつーの!」
黄泉川愛穂「仕方ないじゃん。コレはそもそも月詠先生が留年の可能性が高い学生たちの救済策の一環として企画した講座なワケで」
番外個体「いつだったかその合法ロリ教師がオマエさんとチビコロの会話を聞いて、それ以来目を付けられてたってこったーね」
一方通行「ンな事情知るか! とにかく二度と、天地が逆転したってこンな真似しねェからな!!」
芳川桔梗「あらもったいない。せっかく持ってるスキルは生かさないと宝の持ち腐れよ?」
一方通行「チッ………………、もォ用は無ェンだろ? 帰る」
打ち止め「うーん、機嫌悪くしちゃったかなってミサカはミサカは本作戦にかけた期待が高すぎだったかも?って思ってみたり」
番外個体「バカだねー。ホントに嫌なら受講生におねーたまが居んの見つけた瞬間に帰ってんでしょ。ありゃそういうヤツだよん?」
芳川桔梗「人間の心なんて結構単純に出来ているのに、その外見は複雑なものなのよ。大抵の場合、本人すら本心は推し量れないんだから」
黄泉川愛穂「ちょうど生物の生態みたいなもんじゃん。何の理屈で特定の行動が行われてるか、偏見抜きでじっくり見守ってやんないとね」
番外個体「そんで結果的に、ありゃ最低の外道だぜって証明されたら大笑い」 ケケケ
芳川桔梗「ところで、参加賞とやらで処分したのね……、アレ」
打ち止め「ああ、アレ……って、ミサカはミサカは巨大物体の面影が脳裏から離れずブルブルブルブル」
番外個体「ミサカとしても、まさか断線した海底ケーブルに電気流したらあんなもんが浮いてくるとは。いやはやビックリビックリ」
黄泉川愛穂「毒流し漁、爆破漁、そして電気漁はほぼ世界中で犯罪じゃん! そしてアレを持ち帰った不幸な受講生に幸あれじゃん……」
『リュウグウノツカイは筋肉や骨を減らし、代わりに比重の軽い水分を大量に蓄えることで……、つまりそれはドロドロの物体に過ぎない!』
禁書「とうま! このふやけたスポンジみたいなブヨブヨの何か、とっても美味しいんだよ!!」 ハフハフ
白井「いえ、正直味は……、ですけど原形を留めないほど崩れた身は非常に魅力的ですの!」 フー フー
禁書「すごいよとうま! ホットプレートが水浸しになるくらい切り身からお水が出てくるんだよ!!」ジュー ジュー
白井「皮にうっすら残る怪しい模様もかなりの高ポイントですの。残念ですけど、お鍋では完全に身が溶けてしまいましたわね」 グツグツ
御坂「黒子もだけど、あの白い子もスゴいわね。…………、リュウグウノツカイの水分含有量ナメてたわ。ゴメン」
上条「この頼りになる二人に出来るだけ処理してもらおう……。で、残りはご近所にでも配るかな……」
御坂「それなら私も心当たりが二人ほど居るわ。でも、貰って困るものは贈っても喜ばれないだろうなー」
~おしまい~
365 : ◆96XoVRe9oA[saga] - 2011/12/18 13:00:24.20 7CrIUF3R0 260/386
以上、第二十九回「間違い」でした。定型のありがたみをとことん思い知りましたとも・・・
ちなみにシーラカンスがホントに不味いのかどうかは知りません。インドネシアのどこかでは普通に食べてたとか聞くけど
他方でアブラっぽいハブラシを噛んでるみたいって感想もあったような。
もひとつちなみに、リュウグウノツカイは深海魚だと紹介していますが実際は思ったより上、中層付近をフラフラする魚かもしれないそうです。
オキアミ食べてるんなら確かにそのほうが自然かなー・・・
そんなわけで、今回はちょっとヤリスギだよなーと反省しながらこの辺で。ではではまた来週ー
369 : ◆96XoVRe9oA[saga sage] - 2011/12/31 23:27:55.47 nmlmNVyK0 261/386やたら年末忙しくて全くダメダメなおさかな話。あっというまに大晦日になっちゃってどうしたものか
新年第一週のうちには新しいの書きますよって、今日は軽い一発ネタだけの投下でご勘弁をー
皆様良いお年をの願いを込めて
☆
「ねえとうま。クリスマスについて考えた『おさかな話』、どうしてお蔵入りなのかな?」
「あのなインデックス、確かに比較的しっかり考察した部類ではあるしお前もノリノリだったけど」
「けど?」
「シモネタに走りすぎたろうが! 上条さんはあんなガチエロな話題を華麗にサバくような人生経験送ってないんですよ!!」
「それは聞き捨てならないかも。私はただ宗教的魔術的には魚っていうのはヴァ…」 「シャラーーーーーーップ!!!」
「……てなわけでだな、せっかく頑張ってもらったけどアレはまた今度にしようぜ」
「納得いかないんだよ!! せめてペテロの魚の話だけでも…」
「あーあーあーあーあーあー、そーんなことより!!」 ホレ
「なんなんだよ!! ……ってナニコレ!?」
「アメ玉を落としてお年玉、なんつって!」 ビシッ
「…………」
「おーっと、落としたっ、まあ。お年玉!」 バシッ
「…………」
「………………」
「はぁ……、とうま?」
「はい、何でございましょうインデックスさん!?」
「お年玉の語源も知らずにそういうありきたりなボケをしたってダメなんだよ。お年玉というのは歳神様の精神の欠片をお餅に落として
それを子供たちで分けあって精気を養うって大昔の風習が基になっっているんだよ。だからアメ玉を上から落とすってのは元の意味と
カブっちゃって全然面白く無いんだよ!! それにお年玉を貰うのは子供だけだから私は対象外……、ってもしかしてとうまは未だに
私の事をお子様とか思っちゃってるのかな! だったら新年早々オシオキを覚悟してもらわないといけないんだよ!!……」
<ガブっとな☆>
「だああああああああ、白い獅子舞があああああああああああああ」
~おしまい~
372 : ◆96XoVRe9oA[saga sage] - 2012/01/10 01:02:59.53 2wTBt1S30 263/386新年一発目の更新ー! 遅くなりすぎましたーー!!
そんな今回は、辰年だから竜を取り上げようとして行き詰まり・・・
なら行き詰ったコトをネタに! って無茶な発想で出来上がってます
テーマは、内容がわからない様子「茫漠」です
伝わらないかなあ、と思いつつ。どうぞ
☆
「なあインデックス、信じられるか? この上条さんが新年を無事迎えてるんだぜ?」
「とうま…………、なにはともあれオメデトウなんだよ」
「去年はとにかく色々あったからなあ。覚えてないから定かじゃないけど、アレで平年並みってことは無いよな」
「毎年あんな災難にあってるならとうまはとっくに神の御許かも。って言うかむしろお迎えから嫌われてるレベルなんだよ」
「でもな、生きることに希望が少しも見えなくても生きてること自体が希望ならそれでオッケー、って思わないか?」
「そんな悟ったこと言っちゃ悲しすぎるんだよ!! それと年明けなんだからもっとハレな会話をしなきゃダメかも!」
「わーってるって。でな、こっそり予習してきたんだけど、新春一発目だし干支にまつわるおさかな話なんてどうだ?」
「えっと……、つまりそれって辰のこと?」
「おう! 辰ってのは想像上の存在ではあるけど十二支の中で唯一の水生生物だからな」
「子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥……、確かに辰以外は実在の陸上動物なんだけど…」
「なんだよ? このテーマに何かご不満でも?」
「ううん、そういうんじゃないんだよ。ただちょっと……、とうまには荷が重いんじゃないかなって」
「……言葉がキビシくないか? そりゃあさ、とどのつまり幻想獣の話なワケで、いわゆるお前の専門なんだけどさ」
「って言うかね、辰こと竜は語るべきことが多すぎるんだよ。基本情報の羅列だけで単行本が50冊は書けるかも」
「オイオイいくらなんでも50冊って、大げさな表現にも程度ってモンがあるぞ?」
「むぅ、やっぱり全然わかってないんだよ。素人が触れちゃダメな事が世の中にはあるってそろそろ学習して欲しいかも」
「はあ? んじゃ竜について話すだけで大罪だ、ってのかよ??」
「ちがうかも。私が言ってるのは、『竜とはどんなものであるか』は危険物、取り扱い注意ってことだよ」
「いやいやいやいやいや、お前の考えがさっぱりわかんねーよ。竜なんて所詮ドラゴンだぞ?」
「とにかく少しの間で良いから黙ってて欲しいかも!! 今からその腐った思考を叩き治して差し上げるんだよ!」
「なっ…………、」
「大雑把な説明だからすぐ終わるんだよ。準備はいいかな?」
誰でも知っているしさっきから何度も言ってるけど、十二支の辰とは竜のことだよね?
その存在を説明するとなるとどうしても避けられない問題が起こっちゃうんだよ。
えっと、簡単にまとめると
1)十二支の発祥は中国だけど、竜は世界中に類似の伝承があり起源が定かじゃない
2)その姿は、大きなウロコを具えた長い胴体に鹿のような角と長いヒゲを蓄えた獣の顔、なんて描写されるけど
実際は幻獣だから当然なんだけど真の姿というものを持ってない
3)またその基本的な姿さえ複数の幻獣や実在の動物のイメージが混合しちゃった結果だからイメージの基になったモノ、
つまりモデルが何なのかさえハッキリ言えない
4)そして地域によって宗教によって人によって竜の位置づけも様々。怪物だったり神様だったり悪魔だったり……
5)ココに西洋のドラゴンを竜の一種として持ってきたら話は更に無茶苦茶になっちゃう
ドラゴンは一般の人にとっては災いの象徴であるのと同時に知恵を授けてくれるモノっていう不思議な存在だからね
付け加えると、近代魔術師にとってはまた別の意味になっちゃったりするし
と、こんなふうに竜って曖昧で不可解で、吉でも凶でも無く、またそのどちらでもあるの。
そんな竜を安易に『こういうモノです』って断定しちゃうのは最悪、他人の神様を侮辱するってことになるんだよ。
逆の場合もあるだろうけどどっちにしても深刻なトラブルになりかねないデリケートな話題なのかも。
「どう? それでも竜の説明をしたいのならそれ相応の覚悟が必要かも」
「……え? イヤ、全然納得出来てねえんだけど?? 別に俺としては竜を貶めるようなことをいうつもりは無いし」
「貶めるとか誉めそやすとかの問題じゃあないもん。まったく、とうまは物分りが悪すぎるんだよ!」
「じゃ、じゃあどう考えればいいんだよ? 何がどうしてダメなのか解るように説明してくれよ」
「ん~~、そだね。たとえばハーレムラノベのヒロインとかバトル物の最強キャラとかを断定的に語ったらどうなるかな?」
「?? そんなの好きなようにやればいいんじゃねえの? 作り話の解釈なんて人それぞれなんだから…」
「ふ~ん。じゃあ、えーっと、一休さんのメインヒロインって桔梗屋の弥生さんだよね?」
「はあああああ? お前全然解ってねえな!? 一休さんには相思相愛のさよちゃんがいるだろ!」
「それこそありえないんだよ。一休さんは小坊主だけど実は帝の子供なんだよ? 庶民じゃ釣り合わないもん」
「んなもん関係ねえよ! それに弥生は高飛車でトラブルばっか起こしやがるし、バカな兄弟子の秀念がお似合いだろ!」
「秀念さんが弥生さんにホレちゃってるのは、作中で弥生さんが人気キャラって事を証明してるとも言えるかも」
「弥生を贔屓したいからって深読みし過ぎだ! 大体、身分を言うなら露姫が一番相応しいってことになっちまうぞ!」
「……やんちゃ姫は無いよね。あんなワガママで意地汚くてウルサくて生意気な子がヒロインって、無い無い」
「実は素直でいい子って描写もあるにはあるけどな。とにかくヤヤコシイ事情抜きに考えたらさよちゃん一択なんだよ」
「南北朝のヤヤコシイ時代の、出自のヤヤコシイ主人公の周りのヤヤコシイ人達からヤヤコシサを抜くって意味不明かも?」
「そうじゃなくてだな、弥生は一休さんに対して特別に好意を寄せてる感じが無いだろ? その時点で資格が無いの!」
「だったらまだ幼いさよちゃんだって同じかも …………と、こういうことなんだよ」
「なにがだよ!?」
「だから、竜についても今の話みたいにアチラを立てたらコチラが立たない感じになっちゃうんだよ」
「……、つまり竜とはどんなものかを説明する場合には遍く全方位に気を使った描写が必要になるってことか」
「誰も傷付けたくなければ、だけどね。逆に言えば他人を害しても良いって覚悟があるなら好きにすればいいんだよ」
「……、そりゃ下手したら『俺は無神経です』って真顔で自己紹介するようなモンだ。ワザとそんなマネできないよな」
「無自覚だったらなおさらタチが悪いかも? 竜は存在していないかもだけど、竜を語る人は実在するからね」
「オチもないしおさかな関係ないし曖昧な話だったな……、ま、一発目だしこんなもんか?」
「テーマが過大だったからね、仕方ないかも。まあそんなことより定番の挨拶で締めておくんだよ!」
「定番? ああ」
『今年もよろしくなんだよ』
☆
佐天「という訳で、辰年にちなんだ都市伝説といえばアレしかないですよね!!」
白井「また都市伝説ですの? 佐天さんの辞書には懲りるって文字が無いとしか思えませんの」
御坂「なんだかイヤな予感しかしないわね……」
初春「アレって言われても全然心当たりが無いのに、それ以上言っちゃダメって悪寒がビンビンします!」
佐天「あるえー? 皆さん、ノリが悪いですよー! もっと盛り上がっていきましょうよ。ほら、アレを予想するとか」
白井「と言われましても…………。竜に関係する都市伝説……」フムー
御坂「竜……、ドラゴン……、マカラ……、ナーガラジャ……、八岐大蛇……、ワイバーン……、九頭竜……」
初春「うーん。都市伝説ですから、もっと俗な話じゃないですかね? 路地裏がどうとか下水道がどうとか」
佐天「ああ、ニューヨークの下水道の都市伝説もあるよね。なんだっけ? 薄暗い地下道に蠢く白いワニ……、だったかな」
白井「それ、くだらないB級パニック映画のモトネタですわよね? ええと…」
御坂「あががっが!! ち、違くて、えーっと、あ! 解ったわよ解った!!! 空に掛かる虹は竜の宝物の根元の妖精!」
初春「どうしたんですか御坂さん? 言ってる事が支離滅裂ですけど??」
佐天「多分それは『虹の根元に辿り着くと幸せになる』じゃないですか? 宝物とか竜とか関係ないと思うけど」
白井「いえ、虹という字には虫が入ってますでしょう? これは大昔、虹は巨大な神秘生物と思われていた名残ですの」
初春「虫じゃないのに虫偏なのは蛇とか蜥蜴とか蜃とかと同じですね。ま、言っちゃえば竜みたいなモノですかね?」
御坂「そうそうそう、そういうことなのよ。ホラ、西洋のドラゴンってお姫様と宝物を奪ってくるイメージじゃない」
佐天「ははあ~、それで奪ってきたものが虹の根元にあるから辿り着けたら幸せになるって…」
白井「はて? わたくしの知ってる話では虹の根元に宝を埋めているのは妖精さんだったような……」
初春「虹の根元に行くと良いことがあるって伝承は世界中色んなトコにありますからね。それぞれ微妙に違いますけど」
御坂「まあ、現代まで伝わってる話は色んなトコの色んな伝説が融合してるってことでしょ」
白井「晴れた日にホースで水を撒けば解りますけれど、そもそも虹に根元なんてありえません。ただのまん丸ですの」
御坂「そこっ、夢の無いコトは言わない! むしろ普通は辿り着けない場所だからこそいいのよ」
初春「奇跡がそんな簡単に狙って起こせたら奇跡じゃないですからねー。ところで佐天さん?」
佐天「ミラクルかあ、ふむふむ……、ほ? なんだい初春?」
初春「結局、佐天さんの仕入れた辰年ならではの都市伝説って何だったんですか?」
御坂「そういえば聞いてなかったわね。ついでだし、良かったら教えてくれる?」
佐天「あ、えーとですね……。正直スケールの小さな話なんで無かったことにしてください! ゴメンなさい!!」
白井「期待していたわけではないですけど、無かったことにと言われると気になりますの……、ではまた次の機会に」
☆
打ち止め「ねえねえ、ロマンティックの日本語訳ってなにかな?ってミサカはミサカはたずねてみたり」
一方通行「辞書引け、と言いたい所だが……。またどォして今日はそンな質問なンだよ?」
打ち止め「クイズで死神博士が浪漫的って答えて不正解にされてておやおや?って…」
一方通行「何の話だよ? まァその浪漫的ってのは英語の音の当て字だから訳語としては不正解なンだろォが」
打ち止め「ふうん。でもさ、それなら正解は何なんだろってミサカはミサカは再び質問してみる」
一方通行「だから辞書引きやがれこのクソガキ! 大体、ロマンって言葉くらい知ってンだろ?」
打ち止め「ロマン? ロマンスなら見当がつくんだけどってミサカはミサカは耳年増なお年頃アピールしてみる」
一方通行「チッ……、何を勘違いしてンだか見えねェが覚えとけ。ロマンやロマンスってのは物語のことなンだよ」
打ち止め「物語って、つまりお話とか小説とかそういうの?」
一方通行「あァ。中でも特に伝奇、つまり普通じゃねェ世界を描いた超現実的な話をそォ呼ぶ」
打ち止め「あれ? でもロマンはともかくロマンスって、何かもっとこう、ねえ? ってミサカはミサカは曖昧モコモコ」
一方通行「ちったァ自分で考えるクセ付けろ! 語源知ってりゃ難しいコトじゃねェンだしよ」
打ち止め「言葉の意味が判らないのに語源なんて知ってると思うの?ってミサカはミサカは当然の返答をする」
一方通行「……そりゃそォか。ンじゃ軽くロマン、ロマンス、ロマンティックを説明してやる」
打ち止め「いいけどこのままだとおさかな話にならないよ?ってミサカはミサカは釘を刺してみたり」
一方通行「無駄な心配すンじゃねェ。俺を誰だと思ってる?」
打ち止め「……、じゃあお任せするね!」
一方通行「フン……。大昔のヨーロッパに於いて公用語はラテン語って決まってたンだが」
打ち止め「ラテン語、ふむふむ」
一方通行「公的な言葉ってのは、堅苦い雰囲気を与えンだろ? 次第に日常で使い難くなる」
打ち止め「日本語だと文語って感じかな?ってミサカはミサカはたとえてみたり」
一方通行「だな。で、必要に迫られて次第にラテン語を基にした会話用の気軽な言語が派生する」
打ち止め「今でも文書の言葉とおしゃべりの言葉はちょっと違うもんね。それで?」
一方通行「その会話用の気軽な口語がロマンス語、転じて口語で記される気軽な読み物をロマンスって呼ンだっつー事」
打ち止め「ほほぉ~、くだけた表現の楽しいお話ってトコロなんだね。ちなみにその名前はドコから来たのかな?」
一方通行「ラテン語の中心はローマだったンだよ。ローマには現在でもラテン語を公用語にしてるバチカンがあンだろ」
打ち止め「つまりローマの人が使い始めた言葉だからロマンス語とよばれたワケかあ」
一方通行「繰り返しになるが、物語としてのロマンスには血湧き肉踊る異能冒険長編が多かったンで…」
打ち止め「あれれれ? それはどっちかって言うとロマンのほうじゃないのかな?ってミサカはミサカは疑問を呈してみる」
一方通行「ロマンスがオマエの思ってる意味になってンのは、その手の話にありがちなヒロインの所為だろォ」
打ち止め「ヒロイン? お姫様とか幼馴染とか実は異性だったライバルとか毛布を纏った美女とか?」
一方通行「最後のは知らねェがそンなトコだ。
ヒーローに絶望の淵から救われる囚われのヒロイン。
実際にはありえない状況だからこその文字通り劇的な感情のぶつかり合い。
そして誰もが羨むハッピーエンド。
そンなロマンスに描かれるよォな恋愛、恋愛と言えねェ気もするが、それに憧れて
『私も物語のヒーロー(ヒロイン)みたいな恋がしたい』とか考えちまう脳味噌に問題のあるヤツラ。
ヤツラの考えが一般に定着しちまって、今ではロマンス=劇的な純愛って意味で使えるっつーコトだ」
打ち止め「それで、日本語だと混同を避けるためにもともとのロマンス(物語)の意味をロマンに当てたのかな?」
一方通行「生きてる言語だからな。まァ、ンなトコじゃねェの?」
打ち止め「ふーむふむ……、それでロマンティックの日本語訳は結局なんなの?ってミサカはミサカは三度目の正直」
一方通行「~テイックってのを中国語の音訳で的って字を当てンのと同様、○○的と訳すべきだが」
打ち止め「となると今までの話から……」
一方通行「物語ってのを軸にすンなら『空想的』『幻想的』『非現実的』が適当か?」
打ち止め「ドラマみたいなラブラブムードって感じだと『感傷的』『叙情的』『劇的』かなあ?」
一方通行「ついでに付け加えると芸術用語としては『ロマン主義的』なンて意味もあるが」
打ち止め「……、なんだか言葉の意味の幅が広すぎ!ってミサカはミサカは頭を抱えてみたり」
一方通行「だよなァ……。例えばこンな一節があったとする
『彼は感傷的な台本を劇的に改定し空想的な発想で幻想的に展開した非現実的な計画を叙情的に批判したロマン主義者だ』
『要するに彼はロマンティストだ』
上半分だけでは意味不明、後半は簡潔に述べられているが漠然に過ぎるよな」
打ち止め「だね。単にロマンティックって言われたら注意したほうがいいかもってミサカはミサカは心してみる」
芳川桔梗「彼も言った様に、その手の問題が起こるのは言葉が成長し進化する生き物のような性質を持つ為ね」
番外個体「でもさ? それだと他人の話は単語の数だけ解釈が枝分かれすんじゃん。それでいいのん?」
打ち止め「ヒトは雰囲気や前後の文脈や環境からそれとなく意味を推測してるんだろうけど、考えたら危ういよね……」
一方通行「現実世界は滞りなく営業中だろォ? ンな心配するヒマあンなら辞書引いて語彙でも増やしとけ!」
芳川桔梗「曖昧なままでも日常では問題ないのよ。但しそれは確固たる基準があればこそ、なのだけれども」
打ち止め「言葉の基準って、つまり絶対に変化しない言語ってこと?ってミサカはミサカは、そんなのあるの?」
一方通行「生き物が成長進化すンのは生きてるからだ。なら言語も死ンでりゃ変化しねェだろ?」
番外個体「死語ってヤツ? ナウなヤングにバカウケのイケてる超トレンディちゃん、的な」
芳川桔梗「それは今でも普通に通じるでしょう?」
一方通行「……、死語で正解だがソッチじゃねェ。日本人が全滅した場合の日本語、って感じの使用者が居ねェ言語だ」
打ち止め「言語が生きてるように変化するのは日々いろんなヒトに使われてるから。だから死語は変化しない、ってことね」
番外個体「法律用語とかが古めかしく難解過ぎんのはひょっとして、生きた言葉が起こす意味の曖昧さを回避する為かいな」
一方通行「で、ラテン語っつー死語の話をしたろ? 大昔に廃れた堅苦しい公的言語って」
芳川桔梗「口語がどんどん発達する一方でラテン語はその権威だけが上がって誰も使わなくなってしまったの」
一方通行「ラテン語が学術上統一的な真名、つまり学名で使われてンのはそンな事情で格式高く変化が無いからだ」
芳川桔梗「勿論、現在は西洋文明が支配的であるからって前提があるのだけれどもね」
打ち止め「学名って、鳥のトキを”Nipponia nippon”とか 表すアレかな」
芳川桔梗「そう。全ての分類された生物には学名が付くのよ。当然、おさかなにもね」
番外個体「ほお~。ん? でもさ、死語ってことは新しいモンを表現するには語彙が足りなくね?」
一方通行「ホントにムダなトコだけ鋭いよなオマエら……。実際の学名は生きてる言語をラテン語化させて作ンだよ」
芳川桔梗「ん~……、そっちに話が行くと収拾が付かないからその辺にしておきなさい。大して面白くもないんだし」
一方通行「あァ? 面白くないとかバカ言ってンじゃねェよ。命名規則にはロマンが溢れてンだよ!」
番外個体「良く知らないけど、誰かがロマンティックなんだね」
打ち止め「うんうん、ミサカもあなたの止まらないロマンティックに胸が苦しくなるよ」
一方通行「……………、ってオイ待て! コレでオチって、シュール過ぎンだろォがああ!?」
打ち止め「だってロマンティックだからしょうがないよってミサカはミサカは曖昧な言葉で締めてみたり!」
~おしまい~
380 : ◆96XoVRe9oA[saga] - 2012/01/10 01:36:09.56 2wTBt1S30 271/386
以上、第三十回「茫漠」でした。ドラゴンには触れてはならんのじゃ・・・
第三パートで出てくるラテン語ですが、実際は時代その他で幾つかに分類されます。古典ラテンとか教会ラテンとか中世ラテンとか
あとバチカンで普通に使う言葉はイタリア語なので念のため
おさかな話っていうより言葉弄りみたいになっちゃったけど今日はこの辺で。ではではまたー
383 : ◆96XoVRe9oA[saga sage] - 2012/01/18 21:51:39.40 SThyf77I0 272/386
投下量と投下間隔(重要)、そして内容になかなか進歩が見られないおさかな話
今回は試しにちょっとドラマを作ってみよう!って、いつも通りの軽い思いつきが大事故に繋がった感じです
テーマは「禁句……かな?」・・・なんとも微妙ですけど、どうぞ
☆
「なあインデックス…………………、あれ? インデックスはドコ行った??? ってお前は!!」
「やあやあ、久しぶりだね上条当麻」
「ステイル! どういうことだよ、インデックスに何があった!?」
「……、説明するのもバカらしいことなんだけどね。暫定保護者である君には伝えておくべきなんだろうなあ」
――――――――――――――――――――――
「……つまり要約すると、お前んトコの偉いヒトが貴重品を金庫に入れてそのカギを魔術で保管していたんだけど」
「そ。あろうことかあのバカ……、いやその方は自分の掛けた魔術の解法を失念してしまったらしくてね」
「そこであらゆる魔術に精通するインデックスが必要になったワケか。でもそれならそれで一声掛けておけって…」
「わからないかな、だから僕はココに居るんだけど? 君が今の僕以上に不機嫌になる資格など無いってことさ」
「お前も相変わらずいい性格してんなあ……。じゃあ用事も済んだんだろ? お帰りはあちらだぜ」 ヒラヒラ
「これはご丁寧に。当然言われなくとも失礼すr……………なあ、おい?」
「なんだよ、何か文句でも付け忘れてたのか?」
「……コレは君の、上条当麻の水槽かい?」 トントン
「俺の部屋にあるんだから当然だろ? ……、でも最初に飼おうって言い出したのはインデックスだったかな?」
「…………………………………………」
「しょっちゅうおさかなの話をしてたらなんかその気になっちゃって、そしたらある日突然この衣装ケースを買って来て…」
「…………………………………………」 フム
「(『好きなヒトの好きなモノは好きになるものなんだよ!』 か……。まったく、余計なことを思い出させてくれる)」
「……で、メダカとシジミだけじゃ寂しいからアカザを入れたんだけど全然目立たなくってさ。目下追加投入を…」
「もういいよ。君は趣味の話になると止まらないタイプなのかい? 残念だけど僕は君の影響を受けるつもりはないんだよ」
「っと、悪い悪い。水槽をじっと見てるし、お前もおさかな好きなのかなって思っちゃって」
「嫌いとは言っていないけども。まあ、僕の場合は飼育よりむしろ食べるほうが好みかな」
「オイ? ウチの飼育水は薬品を入れてねえからメダカもマシジミも食べようと思えば食べれるけど、やらねえぞ?」
「そういう意味じゃない。君もあの子と同じような事を言うんだね……………………いや、なんでもない」
「何だよ? まあ、しつこく注意したから今ではスフィンクスだってメダカを狙わないんだ。だから頼むぜ?」
「ほう。僕などネコ畜生にも劣ると?」 パララパララ
「待て待て待て!! 悪かった!! だからこの部屋でルーンをバラ撒くのはご勘弁戴きたく願いけるのことよ!」
「フン……、そのラテン語混じりの気取った宗教家言葉を日本語に直訳したような語り口も鼻に付くが、まぁ良い」 シュッ
「え~~、まあ、なんだ? アレだよな。見てて全然飽きないしキレイだしカワイイし、飼育っていい趣味だと思う」
「…………、一応確認しておく。それ、おさかなの話だよね?」
「ん? いや別に犬でもネコでもチャボでもサラマンダーでも、なんでもいいんじゃねえの?」
「そ、そうか。そうだな……」
「んでお前はどうなんだよ? 何か飼ってたりしないのか?」
「僕の話なんてどうでもいいだろう? ……、神裂は未だに熱帯魚を飼ってるらしいけど」
「へえ、あの神裂が熱帯魚……」
「ああ。なんでも若いころからずっと続いてる趣味らしい」
「……、その言い方だと今は若くないって聞こえないか?」
「だからそう言ってる」
「……………………、それはともかく意外なトコに水槽仲間が居たんだなー。どんな熱帯魚が居るのか興味あるな」
「おい、変な気を起こすな? おそらく今はイギリス清教の女子寮に設置されてるだろうから」
「ってことはロンドンか……、今度あっちに行く用事があったら見せてくれよ」
「本当に君はヒトの話を断片的にしか理解しないな。絶対に行くなよ。騒ぎの火種になるのがオチだから」
「ダイジョーブだって。おさかな好きってのは知識があるから他人の水槽を表面上褒めちぎるのは得意なんだぜ?」
「知ってるよ。そのくせ内心では自分の水槽が一番だって確信してるんだろ? それに問題はそこじゃあない」
「そうですね。私としても上条当麻に魚を見せる分には構いませんが、女子寮に連れて行くのは憚られます」
「ほらみろ、神裂もそう思うだろ? …………………………って、なんだ居たのか。もう『用事』は終わったのかい?」
「滞りなく。あの子もこの通り、お返しします」
「とうま、ただいまーなんだよ!」
「インデックス、今日は突然ご苦労様だったな。よーし、晩飯は上条さんが腕によりを掛けてゴチソウ作ってやんよ!」
「ゴ、ゴチソウって、期待しちゃうんだよ!? どうせモヤシが主役だってわかっていてもワクワクが止まらないかも!!」
ワイワイ ギャーギャー
「……フン、邪魔者は消えるとするか」
「ですね。貴方には少々言い聞かせておかねばならない事がありますが、それは道すがらにでも」
☆
初春「そーいえば、マズイ魚の話ってしたことありましたっけ?」
佐天「ん~、どうだったっけ? 条件によってクサイとか苦いとか、そういうんじゃなくて?」
白井「毒があるとか小さすぎて食用に向かないとかでもなく、単に食味が悪いって話ですの?」
御坂「それも『あんまり美味しくない』じゃなくて極端に味の悪い魚か。コレはゲテモノ好きの黒子も範囲外じゃない?」
白井「お、お姉様!? 今更ながらその紹介はあんまりですわよ!」
佐天「そもそも食用種って美味しいから食べるんですもんね。マズイ食べ物って言葉として成立してないのかも」
初春「ですよねえ。だからこそそんな魚って居るのかな?って気になりまして」
御坂「うーん、身近な魚種でなければ候補は沢山居そうよね。でもそれじゃ面白くない」
白井「あの、わたくしほったらかしですの?」
御坂「例えばミドリガメことミシシッピアカミミガメってどう? アレには顕著な毒も無いはずよ」
佐天「結構大きくなりますしね。食用亀として認識されてないってことは美味しくない可能性が高くないですか?」
初春「ん~、残念ですけどネットの情報を見る限りミドリガメは調理次第でなんとかなるみたいですよ」
白井「当然ですの。カメなんて流水で一定期間泥抜きしたら首をぐっと引っ張って…」
御坂「あ、じゃあじゃあアブラハヤなんてどうかな? 川釣り好きにはド外道扱いされてるしさ」
佐天「聞いた話だと体中ヌルヌルのヌメヌメなんですよね。見た目は雑魚一般って感じなのに」
初春「これも佐天さんの言う雑魚一般、つまりオイカワやウグイと同じで生息域次第って感じかもです」
白井「そりゃ雑魚だけあってドブ川に近いような水域でも見つかりますからイメージは最低ですの。ですけどヌメリが…」
御坂「ふむ、ドブ川ね……、そっか! ニゴイはマズイって聞いたことあるわ!」
初春「あーあー、確かにそれはよく聞くかもですね。ほぼ雑食底棲魚だからとにかく臭くてエグイって」
佐天「え? ウチの実家ではニゴイは普通に食べますよ?? おろして皮剥いてフライで食べるとホックホクなんですよ」
白井「なにせ捕獲が容易な50cmを越える大魚ですの。先人がどうにかして食べようと色々と工夫した結果ですわね」
御坂「これも地域差があるのかあ。ん~、こうやって考えてくと絶対的にマズイ魚ってホントに居るのかしら?」
初春「突き詰めてしまえば、料理って食べられないものを美味しくする技術ですからね」
佐天「むむ……、このままじゃオチが無いからイチかバチか! 白井さん、何か心当たり無いですか??」
白井「最初っからわたくしに聞けばいいですのに。当然、身近かつ絶対的にマズイおさかな、存じておりますの」
初春「おおっ、流石と言うかなんと言うか。で、それは一体なんですか?」
白井「金魚のタマゴですの。どこまでも生臭く重い粘液質がいつまでも口に残って軽いトラウマになりますわよ?」
御坂「…………だからコイツからは聞きたくなかったのよ」
☆
番外個体「違うもん、ミサカじゃないもん……」 ブツブツブツブツ
一方通行「なァオイ、またアイツのアレは、例のアレか?」
打ち止め「そうみたい、ってミサカはミサカは敢えて詳細を伏せてみたり」
一方通行「フン……。ところで、俺の知ったことじゃねェがそもそもどォしてオマエらは小説なンざ書いてンだ?」
打ち止め「……、それは聞かないほうがいいかも?ってミサカはミサカはミサカ達の加虐精神の発露を隠蔽する」
一方通行「……………………」
打ち止め「そ、そんなことより世界一小さなカエル! 世界最小の脊椎動物の話が聞きたいなってミサカは…」
一方通行「……………………悪りィが、今日は気分が乗らねェ」 ガタッ
打ち止め「あ……、」
打ち止め「(どうしよう、あの人の虚弱メンタルを無闇に刺激しちゃったよ、ってミサカはミサカは現状確認する)」
打ち止め「(末っ子も極限ダウナー状態だし、このままじゃお話にならない……、何とかしないと)」
打ち止め「(ん? 何? 19090号、この難局を打開する秘策があるの!?)」
打ち止め「(ふむふむ、ほうほう、え? いや、それはちょっと……、あ、うんうん、なるほど…………)」
打ち止め「(ミサカネットワークのトップシークレットのひとつがミサカの女優魂に掛かってるね)」 ギュッ!
< コンコン
打ち止め「あの、お話聞いてもらっていいかなってミサカはミサカは一応断りを入れてみたり」
「―――――――――――――――――――――― 」 シーン
打ち止め「じゃ、じゃあ勝手に独り言するから気にしないでねってミサカはミサカは扉に向かって宣言してみる」
打ち止め「じゃあいくよー、ヌマエビの交尾のお話! ってミサカはミサカはお題を発表してみたり」
あなたにとっては常識かもしれないけど、再確認させてね。
淡水エビを大きく分けると肉食傾向の強いテナガエビ類と草食傾向の強いヌマエビ類に分けられるよね、って
ミサカはミサカはザリガニを完全に蚊帳の外に置いてみたり。
それでヌマエビ類なんだけど、分類が細かすぎて全部を挙げられるほどミサカは知識が無いから誤魔化しつつ
説明するので許してね、ってミサカはミサカは予防線を忘れずに張っておく。
基本的に比較的小型で、しかもザリガニやテナガエビのような長いハサミを持っていなくて、攻撃力に欠けてるから
獲物を捕らえることはほぼ不可能。だからいつもは動かないものを小さな脚でツマんで小さなアゴでカジって食べるの。
草食傾向が高いのはその為だけど、動かないものなら当然肉も食べるの、ってミサカはミサカは核心を匂わせておく。
そんなヌマエビ類で、現在日本の自然で一番普通に見つかる種類がミナミヌマエビじゃないかと思うんだけど、って
ミサカはミサカは勝手な推測をしてみる。
ミナミヌマエビは小川や池、沼とかの流れの弱かったり無かったりする浅い水場の水草の周りに集団を作って生活する
小型種が多いヌマエビ界の一員に相応しい、せいぜい全長3cmくらいのエビだよ、ってミサカはミサカは解説してみたり。
攻撃性が低く沈殿物やコケなどを一日中処理し続ける生態が水槽の掃除屋さんとして重宝されてるヌマエビの仲間の中で
飼育種ではヤマトヌマエビって種類が人気があるかな。大きくて食欲旺盛で透明なボディが美しいエビだからね。
それに比べてミナミヌマエビは小さくて、食欲は旺盛だけども食べるのが遅くて、どちらかというと地味な子だから……。
付け加えると、ヤマトヌマエビは淡水エビだけどその幼生、つまり子供時代には塩分が無いと生きられないの。
タマゴから孵化した後、川の流れに乗って海まで行ってエビになってから戻って来るって性質があるんだよね。
だから淡水の水槽内では繁殖が期待出来ない、別の言い方をすると勝手に増えることが無いの。
ミナミヌマエビが全生活史を淡水で完結させてるから水槽内で異常繁殖しがちなのとは対照的だよね、って
ミサカはミサカはそんなところも飼育人気の差なのかな?とか邪推してみたり。
で、飼い主が好む好まざるに関わらずミナミヌマエビは水槽内で特に工夫も無く繁殖が期待できるって話だったんだけど
ココからが根幹だからよく聞いておいてね、ってミサカはミサカは相変わらず返事が無いドアに向かって語りかけてみる。
平均的な寿命が1年程度のミナミヌマエビ、自然界では寒い冬の間に大人の体に成長して暖かい春から夏が恋の季節なの。
交尾は大体こんな流れじゃないかとミサカはは思うんだけど、ってミサカはミサカは想像してみる。
1)まず、タマゴの素をがっつり溜め込んだメスがオスを惹き付けるニオイを出す
2)それに釣られて興奮した多数のオスがメスに向かってくるけど、この時点ではメスは逃げ回るだけ
3)メスが脱皮する。オスを惹き付けるニオイは最大最強になる
4)脱皮後に最初にメスを捕まえたオスと交接する
5)遅れてきたオスたちから逃げ延びたメスは産卵後、タマゴを孵化するまでお腹の下で大事に抱え続ける
言うまでも無いことだけどこれは成功例、うまくいった場合の話だよって
ミサカはミサカはセイコウレイってスレスレの日本語だよなあとか考えないよう釘を刺しておく。
メスがニオイ、フェロモンだっけ? でオスを興奮させたくせに自分が脱皮するまで逃げ回るのは、とある情報筋によると
脱皮前に受精・産卵しちゃうとその後に脱皮した時に抱えたタマゴごと脱げてしまってムダになるからなんだって。
だからこそ『防御が手薄になりますよー』って予告することになってもオスに事前に脱皮を知らせないとダメなの。
だって、脱皮してから宣伝してオスが興奮するのを待ってたらその分無防備な時間が増えてますます危険になるからねって
ミサカはミサカは断じてみたり。
この一連の繁殖行動の流れって一見、全てが上手く行くように設計されてる感じだけど落とし穴があるんだよね、って
ミサカはミサカはちょっと悲しい話をする。
メスは脱皮後速やかに交尾を済ますことが出来るよう事前に複数のオスを興奮させているけど、実際カップルになれるのは
一匹のオスだけ。じゃあ余ったオスはどうするんだろ?
それと一般にエビのメスは交尾の際に完全に動きが止まってしまうんだよね? 一切の回避動作、攻撃動作をせずオスに
身を任せるってトコかなってミサカはミサカはイメージを膨らませてみる。
これらのこと、そしてヌマエビの生態そのものが重なり合うと何が起こるか、もうお分かりですね? って
ミサカはミサカはタメを作って盛り上げてみたり!
メスが脱皮後に最初に出会ったオスと交尾をする際、行為そのものはごく短時間、数秒で終わるはずなんだけど
その間にも別のオスがニオイに釣られてドンドン集まってくるの。でも既に指定席は予約済みだから徒労だよね?
交尾のチャンスを逃した他のオスたちはそのメスを諦めざるを得ない。ニオイに釣られたことも忘れてしまうの。
で、ふと目の前を見ると、何があったかな?
そこには決して動くことの無い、しかも柔らかくて大きな肉の塊があるんじゃなかったっけ?
ヌマエビは一日中何かをツマンで食べる生き物、獲物を捕らえるのは苦手だけれども動かなければ肉も食べるんだよね?
本能に従って行動を止めているメスのエビは、出遅れたオスたちのスイッチが入れ替わっても抵抗すらせずに
ツマツマツマツマと傷付けられていくの。ミナミヌマエビはメスの方が体が大きいし、力だって強い。
いつもなら軽くあしらえるオスたちに好き放題にされてしまうの。
そしてその間、パートナーのオスは行為に専念して他のオスを追い払うこともしないから、もうどうしようもないよね。
最悪、行為途中で相手の体が不十分なことに気付いたパートナーはそれがエサに見えちゃうことがあるくらい……。
じゃあどうしてこんなことが起こるんだろ? どうすれば防げるんだろ? ってミサカはミサカは問題提起してみる。
もちろんだけど、この悲しい出来事は過密状態での飼育で見られがちだから、あまり多数のエビを一箇所に纏めないのは
有効な対策だよ? でもね、決して根本的な解決策じゃないと思うのってミサカはミサカは嘯いてみる。
だって自然界でのこのエビの習性的に、過密状態ってのは普通なんだもん。手網で数百匹一度に捕まえられるエビだから。
だからむしろ少数飼いの方が不自然じゃないかなってミサカはミサカは考えてるの。
川や池でも恒常的に交尾時の共食いは行われているって考えたほうが理に適ってるんじゃないかなあ。
だから視点を変えて、エビの行動に間違いが無いかを考えてみるってミサカはミサカは話題を華麗にチェンジングー。
出演者はオスを興奮させ呼び寄せるメス一匹、パートナーのオス一匹、それ以外の出遅れた複数のオス。
悲劇の本質はメスが食べられて死ぬこと。食べてしまうのは主に出遅れたオスたち。
本能によりメスは反撃できない状態で、且つパートナーのオスはメスに夢中で一切関知しない。
概要はこんな感じだよね。ひとつひとつの出来事の問題点を考えて行くよ、ってミサカはミサカはラストスパート!
メスまたはパートナーが抵抗しないからいけない?
メスがオスを呼びすぎたのがいけない?
出遅れたオスたちがおとなしくその場を離れればいい?
そもそも交尾などしなければ良かった?
防御力が極端に弱い脱皮直後に交尾をしなければいい?
ミナミヌマエビって存在が間違ってる?
そう、ミサカにはこの難問に答えが見つけられないの、ってミサカはミサカは告白してみる。
どの問題点もエビたち自身には防ぐ手段が無い、避けがたい、どうしようもないことだもん。
だけど悲劇は実際に起こって、パートナーと余ったオスは生きて、メスは死んだんだよ。それだけは確かなの。
誰も悪くなかったなんて言えないけど、間違っていたのは確かなんだけど、償われるべき者が既に居ないんだけど。
だから、だからね? あの……、その……、
せ、せめて生き残ったエビにはカッコ悪い捻じ曲がった姿で居て欲しくないの!! ってミサカはミサカは……
<ガチャっと
一方通行「……、あのよォ」
打ち止め「……………………、うん」
一方通行「ヌマエビだってエビだぜ? 腰が曲がってて当たり前だっつーの」
打ち止め「」
一方通行「それになンなンだよオマエの長ったらしい上に中身の薄い愚にも付かねェワンマントーク聞かせやがって」
打ち止め「……、ゴメンナサイ」
一方通行「情報が未整理、知識が足りてねェ、生物を擬人化する、あとなンだ? ……、とにかく酷ェ内容だった」
打ち止め「……うん、わかってるってミサカはミサカは大いに反省してみたり」
一方通行「だから……、つまりアレだ。こォいうマネは二度とすンな」
打ち止め「えっ? でもそれじゃあ……」
一方通行「物分りが悪りィガキだなオマエは!? 他のヤツには任せられねェ、解説役は俺だっつってンだろォが!」
打ち止め「!?」
一方通行「今日みてェなブザマなマネは二度と、あァ、俺も含めて二度と許さねェから、肝に銘じとけ!!」
打ち止め「……うん、また今度カエルの話、お願いねってミサカはミサカは予約も忘れずお返事してみたり!」
一方通行「(しかし、引っかかる……。アレがアレの例え話だったとすると)」
一方通行「(『メスのエビは本来ならオスより強いが仕方なく殺される』 ってのが気に入らねェ)」
一方通行「(あのクソガキのことだから大した意図は無ェのかも知れねェが……、っと)」
一方通行「(そォいう瑣末なコトに拘った結果が今回のダセェ事態じゃねェのか!? 学習しろ、俺!!)」
番外個体「ん? オチビの説教は終わったのかね第一位?」 ニヤニヤ
一方通行「……、オマエこそフザけた冗談言える程度には回復しましたってか? いらねェ報告ご苦労」
番外個体「ハテ? 何のことやら? このミサカは次回作の構想に忙しかったりすんだけど」
一方通行「どォせまた代わり映えの無ェ、俺が酷ェ目に遭う話だろ? 飽きねェよな………………、ン?」
番外個体「は? 何だべさ?」
一方通行「ひょっとしてオマエらの小説の中の俺を痛めつけてる方法ってのは、何かモトネタがあったりすンのか?」
番外個体「あぁ、それは―――――――――――――――――――――― ソレハ禁則事項デス」
~おしまい~
391 : ◆96XoVRe9oA[saga] - 2012/01/18 22:37:30.27 SThyf77I0 280/386
以上、第三十一回「禁句……かな?」でした
補足・・・第一パートは別にイイや
第二パートで出てくるニゴイ、その名のとおりコイに似た魚(似鯉)です。地元では下の下魚扱いです
第三パート、重くなりすぎないように色々ボカしたので、よくワカンねーよ!と思われた方が居たら申し訳ないです
エビの話は以前も扱いましたけど、いろいろ興味深い生態の多い生き物なので再登場でした
ドラマとおさかな・・・相性悪いのかな、とか今更後悔しながら ではではまたー
394 : ◆96XoVRe9oA[saga sage] - 2012/01/24 19:46:24.61 oqlGOeXO0 281/386
毎回毎回、投下ってなんでこんなに精神を乱すんだろ? とかどうでもいいネタから始まるおさかな話
今回のテーマは「罵詈」、罵詈讒謗とか罵詈雑言の罵詈です。正直記号にしか見えない・・・けど、よろしければどうぞ
☆
「なあインデックス、ちょっと折り入って詳しく教えてもらいたいコトがあるんだけど……」
「とうま? その他人行儀な腰の低さがなんだか嫌な予感なんだよ。でも、とりあえず言うだけならタダかも?」
「それもそうだな。…………あのさ、あらためて魔術について質問を…」
「あのねとうま?? コレまで何度も言ってきたけど、とうまたちは魔術に詳しくなったら絶対ダメなんだよ?」
「ああ、分ってる。別に俺は便利っぽいとか強そうとか、そんなバカな理由で覚えたいってコトじゃなくてだな…」
「むぅ? その言い方だと私にはやっぱりとうまは見当違いをしているように感じるんだよ」
「……、どういうことだよ?」
「そもそも魔術は利便性や序列的強さを求める技術ではないんだよ。乱暴に表現するならむしろ不便で弱いのかも」
「えーっ? それはいくらなんでもオカシイな展開だろ……うん、んなワケないありえない」
「ほら、ほらっ!! やっぱり判ってなかったんだよ! 今まで私の話を右から左に受け流し続けてたんだよ!!」 ガタッ
「ちょと待て、インデックス落ち着けって!! 興奮すんなよ、な? くーるだうーーん」 シンコキュー!
「ふぅ~~ひぃ~~~。ともかく、とうまがいつもいつもいっつも人の話をちゃんと聞いてないのがイケナイのかも」
「ん~? 俺ってそんな頻繁に話を聞き逃して失敗してるイメージある? ちょっと大げさに言いすぎじゃないか…」
「例えばアレだよ! ひょうかが天使になっちゃって、人がバタバタ倒れた日!!」
「……、また随分と懐かしいコトを」
「私はあの術式の正体を、神聖なるモノへの害意に対する戒め、つまり天罰を魔術的に引き起こしてるって予想したよね?」
「確かそうだったな。敵意とか悪意とか嫌悪感とか? 術者に対するそういった感情をトリガーにして昏倒させるって」
「距離や場所を問わず、にね。だから私はあの時、とうまにこう言ったんだよ」
~私にその魔術師の素性を話さないで!
「歩く教会の防御力が有効で無い以上、私に天罰が下りない保証は無いからね。とうまは、そうか、って返事した」
「んーっ? なら俺はちゃんとお前の言ったことを理解していたんじゃん」
「でもそのすぐ後、私と別行動する際に、さらっとその魔術師の名前も所属も目的も全部喋っちゃったんだよ!!」
「うそおおおおっ!?」
「あの時の私の気持ちがわかる? 緊急事態だからとうまを責めなかったけど、実はハラワタ煮えくり返ってたかも!!」
「……、あーっと、いや、しかしだな、それがあったからその程度の情報では天罰が下らないって証明されたワケで…」
「ふざけるんじゃないんだよ!! もし私が倒れていたらあの子もひょうかも、学園都市だってどうなっていたことか……」
「―――――――――――――――――悪かった、悪かったよ。確かに俺の不注意だった。ゴメン」
「肝に銘じるんだよ! 結果オーライならとりあえずオッケーって考えは今後許されないと覚悟しておくんだよ!!」
「それで……、話を元に戻すんだけど」
「魔術についてだよね? 気が進まないけど、心優しいインデックスさんは耳を傾けてあげるんだよ。感謝するといいかも」
「ああ、んじゃ…………………………………………、ふぅひぃ~……、頼むよ」
「ん? んっ? ん~っ? とうまが何て言ったのか、清い心のインデックスさんには聞こえなかったかも?」
「…………、だから…………」
「ねえねえどうしたの? 頼みがあるなら、泣いて跪いてブザマにお願いするのが筋なんだよ、と~うーま?」
ニヤッ
「ぷぷぷー、インデックスさん? そんな見え見えの手に引っかかる上条さんではありませんのことよ!」
「ふぇ? い、いきなり何なのかな??」
「俺がまた話をちゃんと聞いてないと思ったろ? お前の不自然に厳しすぎる態度、違和感だらけなんだよ」
「……、そのココロは?」
「俺たちはやはり魔術を学ぶべきじゃない、だから空気を悪くして話を終わらせようとした。……、そんなトコだろ?」
「(やっぱりとうまはヘンに鋭くて、破滅的に鈍いんだよ……)……、だったらどうだって言うのかな?」
「お前が話したくないなら無理強いしない。だから……、俺が魔術を解説する!」 \ドッパーン/
「……、は?」 ワケワカラン ?
「俺が魔術をどう認識してるか?って話を俺自身がするんなら、決して危険な知識に触れることが無いだろ?」
「待って、よくわかんないんだけど……、それをして何かの役に立つの?」
「役に立つか?と言われると、そーだな。俺の考え方がどのくらい間違ってるかハッキリするとか…」
「それと、聞き役は私なのかな? それって結局、あとから私が間違いを訂正するワケで二度手間じゃないかな?」
「ふむ。……じゃ、上条さんが誰か俺以上に知識の無いヤツ相手に魔術を解説するから、お前はただ笑って見てろよ」
「??? それじゃあますます何の為にとうまがヤル気になってるのか……、無意味にも程があるのかも」
「細かいことは気にするなよ。気持ちに正直になる事に理由なんて必要ないんだから。そうだろ?」
「……ハァ、とうまが奇妙な精神論を語りだしちゃったら止められないかも。もう好きにすればいいんだよ」
「さすがインデックス、よく解ってるじゃないか。そうと決まれば誰か相手を呼ぼうぜ!」
「今日はグダグダ過ぎてどうでもいい気分なんだよ……。でもとうま、呼ぶのはいいけど一体誰を呼ぶの?」
「誰って、そりゃあ……」
「私の知る限り、とうまって能力者の人とあんまり関わり合いが無い気がするけど」
「バカ言ってもらっちゃ困りますよ? 上条さんには刎頚の交わりレベルの知り合いがたっくさん…」
「その中で、いきなり呼び出された挙句に素人が語る魔術の話なんて聞いてくれそうな奇特な人は居るのってことだよ」
「……、例えば魔術に知らず知らず関わってるとかで、俺の話に興味を持つ可能性がありそうなヤツだな」
「金髪の変な子の説明を聞いてたいつかの白い人、キンピラチンピラ、黒服童女は除外するとして、あと誰か居る?」
「う~ん……、意外と思いつかないぞ」
姫神「上条くん。大事なこと忘れてる」 ←ワタシ マホウツカイ
「大事なこと……?」 『あっ!』
「……そうか、姫神が居たんだったな。悪い、蚊帳の外に置くような扱いしちまって…」
「ごめんねあいさ。全然そんな気は無かったんだよ?」
姫神「私は平気。それよりも早速本題に入るべき」
「ああそうだよな、じゃ急いで今日のテーマを決めるぞ!」
姫神「テーマ……?」
「何がいいかな~、おいインデックスも考えてくれよ?」
「わかってるよ! お正月はもうオワコンだよね……、ええと……」
姫神「……この話し合いの内容。魔術の解説に必要とは思えない」
「そーだ、節分の豆撒きと言えばアレがあるじゃねえか!」
「……、良い所に気が付いたかも! 今日は時間も無いしそれで行くんだよ!」
姫神「ちょちょちょ。ちょっと待って欲しい。上条くんとペアで魔術講座はどうなった?」
「いや~、せっかく姫神がおさかな話を聞きに来てるのに関係ない話題を続けちまって、ホント悪かったな」
「そっちはまた今度、聞き役もとうまがちゃんと選んでおくんだよ。では大急ぎで本編突入するよー」
「インデックス、2月の節分つったら豆撒きと最近じゃ恵方巻きが主流の行事だけど忘れちゃいけないのが…」
「だね、とうま。節分といえばイワシなんだよ!」
「恵方巻きが元々ごく限られた地方での半ば人工的な風習に過ぎないのに対し、イワシはほぼ全国的な伝統だからな」
「でもね、今ではこんな話をしても『何を言ってんだかワカンネーYO!』って若者が増えてるみたい」
「以前に『鰯の頭も信心から』でダジャレをやったろ? アレとか理解してもらえてなかったのかな……」
「かもね。悲しいけどコレって時代なんだよ……」
「いやいやいやいや、そう容易く歴史を忘却の彼方へ追放しちゃダメだろ! だから今日は節分イワシを復習しようぜ!」
「望むところなんだよ! まあでも、簡単に説明すると節分の日にイワシを焼いて食べるだけなんだけどね」
「大事なのはその前と後だろ? イワシは油が多いから火に掛けると煙が凄い。その煙でまず邪気を追い払うんだ」
「うんうん。そして食べ終わったらその日の夕方にイワシの頭をヒイラギの枝に突き刺して玄関に飾るんだよ」
「それもやっぱり鬼避けなんだろうな。昔は節分、つまり季節の変わり目には悪い事が起きがちって思われてたらしいし」
「節分イワシは、そういう邪気(邪鬼)による災いを防ぐ宮中行事が元になった由緒正しい日本のスタンダードなんだよ」
「でも、廃れ気味なワケで」
「まあ……、煙モクモクで魚を焼くのも玄関に焼いたイワシの頭を結構長い間飾っておくのも実際問題、今は難しいよね」
「せめて焼きイワシを食べるだけでもいいから残しておきたい風習なんだけどな」
「体に良い成分いっぱいのイワシを食べて寒い冬を乗り越えよう! とか宣伝すれば流行るかも?」 ガッテン!
「なるほどな。さて、間に合わせではあるものの一応おさかな話の体裁は保てたんじゃないか?」
「急場しのぎにしてはバッチリかも。あいさも楽しんでくれた?」
姫神「節分イワシの気持ち。私にはわかる。立派な主役で無いならむしろ忘れられてたほうが良い。って言うか鶏口牛後?」
☆
御坂「マンガとかでさ、神様とか高次元の生命体とかが人に宿る展開ってなーんか萎えちゃうのよね」
佐天「えーっ? ベタだけど燃えるじゃないですか!? 古の精霊宿りしこの拳、全ての過ちを破壊せんっ! みたいな」
白井「おガキんちょみたいな話題で盛り上がらないでくださいな。わたくし、さすがに参加しづらいですの」
初春「わ、わたしもちょっと厳しいですねー。形而上の存在を安易に目に見える何かとして考察するのは陳腐の極みですよ」
御坂「思ったより反応悪いわね……。ふたりとも佐天さんを見習ってよ。どんな話題でも喰い付いてくる姿勢をさあ」
佐天「……、なんかその言い方だとあたしって見境無く何にでも首を突っ込んでるって感じですけど?」
白井「極めて正確な自己分析ですの」
初春「つまり佐天さんはダボハゼってことですね」
佐天「う、初春?? いくらなんでも親友に向かって『このダボォ!』呼ばわりは酷いよぉ……」
白井「時代錯誤なテンプレ三下のセリフですわね。元来はダボもダボハゼも同じく、ある種の魚のことですけれど」
御坂「うーん? どっちが先なのか微妙なんだけど、ダボってアホを強調した言い方ともされるわよ?」
初春「でも魚の名前をダボハゼと呼ぶ地域はアホ→ダボ文化圏よりずっと広範囲ですからまあ、ハッキリしませんね」
佐天「じゃ、じゃあそのダボハゼってのは一体どんな魚なんですか? ハゼって付いてるから大体想像出来ますけど……」
御坂「う~ん……、」
白井「どんな、と言われましてもダボハゼは特定の魚種を表す名詞では無いんですの。ですから…」
初春「要するにですね、釣りしてる時に狙ってないのに掛かってくる小型のハゼ類をまとめてそう呼ぶんです」
御坂「例を挙げると淡水ハゼのヨシノボリ類とかヌマチチブ、海なら潮溜まりに居るアゴハゼとかね」
白井「ハゼの仲間は口が大きいですから、時折自分のキャパシティをはるかに超えるような獲物にさえ襲い掛かるんですの」
初春「つまり、立派な大物を狙ってる仕掛けであっても時折ちっちゃなハゼが釣れちゃう、と」
佐天「そりゃ釣り人も『このダボォ!』とか言いたくなるね……。じゃあ人に向かってダボハゼ呼ばわりするってのは」
御坂「ん~……、お前なんか御呼びじゃないよ、とか?」
白井「そうですわね……、分別無くフラフラと物事に首を突っ込みがちの小物で外道、といったところですかね?」
初春「というか単純に、このアホー、でいいんじゃないですか?」
佐天「よーし分った。初春、あとであんたを今世紀最高のエロイ目に遭わせてあげる!!」
☆
打ち止め「ねえねえ。厳しい冬の間、海や川のおさかなは大丈夫なの?ってミサカはミサカは尋ねてみたり」
一方通行「大丈夫かって、遊びで人があまり行かねェだけむしろ安全じゃねェの? ……、何が聞きたいンだよ?」
打ち止め「だってほら、魚って水温が下がると食欲が無くなって動かなくなるんでしょ? 襲われ放題じゃないかなって」
一方通行「襲うヤツだって魚だろォが……。その辺り、オマエが心配する必要ねェ程度に自然は良く出来てンだよ」
番外個体「だからこそ自然の摂理に反したクソ寒い間の魚獲りって、普段はお目に掛かれないレアモノゲット出来んだよね」
芳川桔梗「寒くて動きたくない魚が水底に固まってるのを捕まえるだけだから簡単だしね。ちょっと可哀相だけれども」
一方通行「俺には理解不能な趣味だがな。駆け引きの無い勝負に価値なンざねェよ」
打ち止め「珍しいのが手に入るなら充分価値あるかも、ってミサカも魚獲りしてみたい!とミサカはミサカは思ってみたり」
芳川桔梗「それは暖かくなったらにしなさい。あなたが思ってる以上に冬の水場は厳しい環境なのよ?」
番外個体「つっても、暖かくなったらなったで決してお子様向けの遊び場じゃないけどねえ」
一方通行「……、実際オマエらは泥に塗れてザリガニだのドジョウだの獲ってっからその辺の事情に通じてンだな」
番外個体「カッコ良くフィールドワークって言ってくれないかなあ? ただ闇雲に水遊びしてんじゃないんだしー」
芳川桔梗「言い方はともかく、知識偏重な君よりは私たちのほうが経験値が高いはずよね」
番外個体「そうそう。本読んだりネット見たりするだけじゃ知りえない危険って、いっぱいあるんだよ?」
一方通行「ムダな知識と経験増やしただけでナニいい気になってンだそこのバカふたり? あンま調子乗ンなよ」
打ち止め「まあまあまあ、落ち着いてよってミサカはミサカは水場の具体的な危なさについて知りたくなってたり」
番外個体「ほぉ、知りたいと申すか小童め。ならば道理を示すが人の道なるぞ?」 クイクイ
打ち止め「ははぁ! ってミサカはミサカはテレビのマネして秘蔵の極濃ミルクプリンを差し出してみる」
一方通行「……、ンだァありゃ?」
芳川桔梗「時代劇の袖の下、賄賂のシーンかしらね? まあ、あの子たちなりの演出ってことじゃないの」
番外個体「うむ、年端も行かぬ内から商いの裏道に敏いとは流石ミサカ屋の子倅。このミサカ、感服したぞ」
打ち止め「お褒めに預かり恐悦至極。なれどミサカ様には到底敵いませぬ、とミサカはミサカは畏れながらに返答する」
一方通行「チト設定に凝り過ぎてクドイがな……」
番外個体「話も決まったトコで、テンポ良く適当に何が危ないのか挙げてこうかね」
芳川桔梗「そうね。まず第一になんと言っても水場の危険といえば、水そのものなのよ」
打ち止め「……、えっ?」 ソコカラ?
一方通行「オイオイ。タメにタメ作っといて、ンな当たり前のコト恥ずかしげも無く口にしてンじゃねェぞ!?」
芳川桔梗「どうしようもなく甘いわね。とりあえず聞きなさい」
番外個体「溺れる、服や所持品が濡れる、濡れた石ころなんかで滑ってゴッチン。
そういうのって、気を付けてれば防げるとか思ってんだろうけどさあ……、甘いよね。
自然はイレギュラーの宝庫なんだよ。足場が崩れるなんて珍しくも無いし天候だって予測できないじゃん?
川だったら上流の具合によっては前兆無しで鉄砲水っつって、大量の水が一気に押し寄せてくることもあんの。
海なら潮の干満をウッカリ忘れて岩場に取り残されちゃったりね。
あと、背が届く深さだから大丈夫とか泳ぎが得意だからってのは考えちゃダメだね。
プールと異なり水温が場所によって大幅に違って当たり前。それは容易にヒトの体に異常を起こすんだよ。
考えてもみい? 60cm程度の深さの水場で両足が攣っただけで人生ゲームはバッドエンド直行だよん。
海なら水深によって流れがあるから、んなモンに巻き込まれたら地上と永遠にサヨナラだってあるぜー」
芳川桔梗「両側がコンクリート護岸のごく浅い小川でザリガニ獲ってたらにわか雨が降り出したから帰ろうとして、
下りてくる時は問題なかったコンクリートが雨で一気に濡れてツルッツルになっていてね……。
堤防に上がれない。困ったわ……、って思ってるうちに地響きにも似た低音が足元からするのよ。
まさかウワサに聞く鉄砲水……。これはまずいわねって、あの時は私も覚悟したわ」
番外個体「このミサカが居なかったらポンコツ研究者はどーなってたか、詳しく解説しよう!」
一方通行「それは要らねェよ。まさかホントに体験してるとは思わなかったがな……」
打ち止め「た、確かに子供だけで、と言うか大人でも一人で遊びに行ってたら対処の仕様が無いね…」
番外個体「理解が良くて大変結構。では次の危険を説明するぜーっ!」
芳川桔梗「次も自然そのものの恐ろしさだけれどもね。つまり、野生動物よ」
一方通行「つーかよォ? 魚を捕まえに行ってンだから動物ったら魚だろ。ヒレだのトゲだので怪我するとかか?」
打ち止め「キバのあるおさかなに噛まれたりってそんなに頻繁にあるの?ってミサカはミサカは疑問を持ってみたり」
芳川桔梗「ダメね。全然ダメ。あなたたちは木を見て森を見ていないわ」
番外個体「うむ。ぶっちゃけその方が話しやすいんだけど。
コレは特に川へ行く時の危険かも知んない。キャンプしたことあるヤツならピンと来るだろかね?
虫、ヘビ、そして犬とか。水場へ行くのに林や茂みを突っ切ると遭遇しやすいかも。
ヤブカやアブに刺されていつもより余計に腫れ上がる、くらいなら笑い話になるんだけどねー。
多分、一番被害者を出してんのがハチかな。低木の茂みの中に巣を作ることのあるアシナガバチは
それと知らずに人が枝を揺らして刺激しちゃうと攻撃されたと判断して時に集団で襲ってくる。
前になんかの話題でチラッと触れた超個体ってヤツよ。自分自身が傷付けられても気にしないくせに
巣に対する攻撃には過敏に反応すんの。そういう意味でよりタチが悪いのがスズメバチだけどー…」
芳川桔梗「スズメバチの巣は自然界では木の根元だったり洞だったり、そう簡単に見つけられない場所に作られるの。
だからアシナガバチの場合と違って誤って巣に刺激を与えてしまう可能性は少ないわ」
番外個体「それなのに、だ。見張り役のハチが巣の周りを飛んでるんだけどコイツがクセモノなんだよ。
こっちの意思とは無関係に、巣に近づいた者を警戒音で威嚇してそれでも退かないなら毒液を噴射してくる。
掛かっちゃったら一大事、それを目印に大量の兵隊バチが攻撃してくるんだもん。
もちろん毒液だから目に入れば大変だし、集団で襲われちゃったら範囲電撃くらい出来なきゃアウトだぜ?」
芳川桔梗「出来れば横に居る人間に被害が無いレベルで手加減が可能な能力でお願いしたかったのだけど……」
一方通行「つまンねェトコでオマエら死線越えすぎだろォが……。犬ってのもワリと嫌な感じするけどよ」
打ち止め「飢えた野犬の群れに林の中で出会っちゃったらとか考えたくもないよ、ってミサカはミサカは震えてみたり」
番外個体「でしょでしょ? 恙無く、で御馴染みのツツガムシだって超危険生物のクセに実は珍しくもないんだよ?」
芳川桔梗「自然、野生を軽視しちゃいけないということね。と言いつつ次に紹介する危険原因は人間、ヒトなのだけど」
一方通行「……、事ココに至って頭のネジが緩ンじまったか? 河童じゃあるまいに海や川ン中にヒトが居るかよ」
打ち止め「危ないヒトだったら身近に居るけど、ってミサカはミサカは誰だか知らないのに皆知っていたり」
番外個体「どっちかつったらチビコロ上位個体の回答が惜しいね。
川でも海でも山でもさ、気兼ねなく魚捕まえられる場所って大抵人目につかないトコなんだよ。
で、民家や道路から離れてっから俗世間から解放されたって気になっちゃうのか知らないけど
奇矯な行動に走るヤツが結構居るんだあね。
大昔には橋の下ってのはアレでしょ? 健全な青少年がある種の書物をリサイクルする場所だったとか。
それがある種の映像記録媒体に代わったとかその程度なら何の問題も無いんだけどさ。
特に夏場に多いのが全裸の男。全裸ってのはもちろん一糸纏わぬスッポンポンのことだよ?
培養装置の中のミサカたちと違ってお粗末なモンをブラブラぶら下げ…」
芳川桔梗「ん、んっ……。体全身を隈なく日焼けしたいとか、開放感を全身で感じたいとか色々理由はあるでしょうけど
私有地で無い限り決して褒められた行動では無いわね。ただまあ、私たちが出会った数人の例では……、ね」
番外個体「そうそう。指差して見られてんのに気付いたら、何事も無いフリで横向いたまま徐にパンツ穿きやがんの」
芳川桔梗「ばつの悪い思いをさせてしまった、で私たちは済んだけど体のサイズの小さなあなたでも同じとは限らないわ」
番外個体「もっとヤバいのが男女ペアでさあ。盛り上がっちゃったんだろけど、せっせと大自然の中で…」
一方通行「それ以上の説明は無用だろ! まァ、その手の状況じゃ男はヘンに虚勢を張りたがるモンだからな……」
番外個体「良く分るね。いきなり『なに見てんだよ!』っつーからこっちも『見てもらえるほどのもんかよ!』って…」
芳川桔梗「とにかく!! 外見がお子様の最終信号には危ないことが多いってわかって貰えたかしら?」
打ち止め「……、そうだね。でもミサカはみんなで行きたいって思うから、ってミサカはミサカは問題ないよと笑ってみる」
一方通行「オマエなァ……。クソ面倒にもツマラねェ解説したバカどもを労ってやれよ……」
芳川桔梗「こちらの苦労なんてどうでもいいのよ。それよりも皆で、とは嬉しいこと言うじゃないの」
番外個体「しかーし、いくら人数が増えようとも大人が混ざっていようとも危険因子は存在するんだなあーっ!」
一方通行「……、オマエはまだ語り足りねェのかよ? メンドクセェ、さっさと喋ってラクになれ」
打ち止め「でも、もう残りあと少しだから駆け足でねってミサカはミサカは細かく注文してみたり」
番外個体「おーけーおーけー。んじゃ、つらつらっと行くよー!
水場に続く林の入り口にある大きな岩の陰には何故かビニール袋に詰められた大量の錠剤があったりするよね。
それとお、漁港の水底がたまーにすごくキレイな時ってあんじゃん? 底に沈んでる拳銃とか見えるよね。
裸の男で思い出したけど、実際現場に住んじゃってる人の場合フツーに川の中で体洗うんだよ。
そういう人は他人の目が気にならないみたいだからワリと安全かもね。二度とその場所へは行かないけどさ。
あと台風とか大雨のあと、橋脚に引っかかってたり淵に浮かんでたりするのを見つけたら、即行ばっくr」
芳川桔梗「異常を感じたいずれの場合も速やかに治安維持組織に連絡することをオススメするわ」
打ち止め「水遊びって……、ひょっとして裏社会の窓口なの???ってミサカはミサカは絶句してみたり」
一方通行「……、オマエらどンだけ事件に引き寄せられてンだよ!? どこぞの不幸ヤロォかっつーの!」
~おしまい~
402 : ◆96XoVRe9oA[saga] - 2012/01/24 20:45:01.71 oqlGOeXO0 289/386
以上、第三十二回「罵詈」でした。
おさかな話っていつも勝手に喋ってもらって逐一修正するイメージなんですが今回は喋らせっぱなしな感じ・・・
結果いつも以上にグダグダだったかなと思いつつ、いつもの言い訳と補足と後付けコーナーへ
第一パート、柊鰯用にこの時期ヒイラギの枝を用意する生花店とかスーパーもあるんだそうな。見たこと無いよ
第二パート、ハゼと呼ばれる魚は基本的に水底に居て胸鰭が吸盤状になっていて正面から見るとブサイクちゃんです
でも全部が全部ダボって事じゃないのでご注意を
第三パート、ほとんど経験談だったりします・・・ハチに追われたことは無いけど。
学園都市だと第二一学区の山岳地帯には猛獣がいるってコトになってましたっけ? 犬どころじゃないや
そんなわけで、何とか半分までは行きたいなって最終目標も言いつつ今日はこの辺で。 ではではまたー
【パート4】 へ続きます。

