―朝、駅前―
まどか「んー、さやかちゃんと遊ぼうと思ったけど用事ってなんだろう……」
まどか「……まぁ考えても仕方ないよね」
まどか「ほむらちゃん誘ってどこかに行こうかなぁ」
まどか「……ん?あれは……」
さやか「(~~♪)」
まどか「……さやかちゃんだ、何してるんだろう?」
まどか「ちょっと監視してみようかな」
元スレ
まどか「尾行をしよう!」
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1318407431/
まどか「キョロキョロしてる……誰か待ってるのかな?」
まどか「……!! まさか彼氏!?」
まどか「……いやいやそんなわけないよね」
まどか「でも誰なんだろう……」
まどか「そうだ!今のうちにほむらちゃんとマミさん呼んでみよう。杏子ちゃんと連絡取る手段が無いのが残念……」ピッピッ
プルr ガチャッ
ほむら『もしもし、まどか?』
まどか『そうだよー(出るの早かったなぁ……)』
まどか『今さ、さやかちゃん監視してるんだけど……』
まどか『……というわけで来ない?』
ほむら『行くわ、今すぐに』
まどか『それじゃ、待ってるね!』ピッ
まどか『次はマミさんっと……』ピッ
プルルルルル…プルルルr ガチャッ
まどか『あっ、マミさんですか?』
マミ『どうしたの、鹿目さん?』
まどか『えっとですね…………』
まどか『……というわけなんです』
マミ『ふふっ、なんだか面白そうね。準備して行くからちょっと遅くなるけど大丈夫かしら?』
まどか『大丈夫ですよ! それじゃ待ってますね』 ピッ
ほむら「お待たせ、まどか」
まどか「あっ、ほむらちゃん」
ほむら「それでさやかは?」
まどか「まだあの調子、誰か待ってるみたいだけど……」
ほむら「そう……(まさか待ってる相手は……)」
まどか「もうちょっと待たないとダメだね……」
ほむら「気長に待ちましょう」
―10分後―
さやか「(……遅いなぁ)」
まどか「なんかさやかちゃん、ちょっと不機嫌になってない?」
ほむら「そうみたいね」
まどか「相手が待ち合わせに遅刻してるからかな?」
ほむら「その通りかもしれないわね」
まどか「……遅いといえばマミさんまだかなぁ」
ほむら「マミも来るの?」
まどか「うん、ほむらちゃんのあとに電話かけたからさ」
まどか「準備でちょっと遅れるとは言ってたけど、いつ来るんだろう」
ほむら「(準備って何を準備してくるのかしら……)」
―さらに5分後―
マミ「お待たせっ!」
まどか「あっ、マミさん!」
マミ「あら、暁美さんも来てたのね」
ほむら「えぇ」
マミ「準備してきた甲斐が会ったわね」
ほむら「(……持ち物はバッグだけ……?……どうやら普通みたいね)」
まどか「何を用意してきたんですか?」
マミ「それはあとで教えてあげる」フフッ
マミ「それで美樹さんのほうは……?」
まどか「あぁ、それなら……」
さやか「(……!)」
まどか「あっ、誰か来たみたい!」
まどか「……! あれは……杏子ちゃん!」
ほむら「(やはりね……)」
マミ「二人とも仲が良いものね」
さやか「もー、遅いよ、杏子!」
杏子「悪い、さやか……」
さやか「……そんな気にしてないからさ、顔あげなよ」
杏子「だって……あたしが誘ったのに待たせちまってさ……」ショボーン
さやか「………はぁ」
ギュッ
杏子「!!」
さやか「そんなしょぼくれた顔してちゃ、この後楽しめないよ!早くいこ!」
杏子「……あぁ!」
まどか「まさか、さやかちゃんと杏子ちゃんが一緒にお出かけだなんて……」プルプル
ほむら「ま、まどか……?」
マミ「鹿目さん……?」
まどか「……この展開だったらこれしかないよね!」
ほむら「……」
まどか「尾行をしよう!」
ほむ マミ「(ですよねー)」
まどか「二人が駅に入ってくよ、わたし達も行こう!」
―電車内―
さやか「それでさー――」
杏子「……あははっ!」
まどか「楽しそうに喋ってるね」
ほむら「……それよりこの格好のままだとバレないかしら?」
マミ「こんなこともあろうかと……!」
ジャーン
マミ「変装用の帽子と眼鏡を用意してきました!」
まどか「さすがマミさん!」
ほむら「………」
マミ「それじゃあ早速身に着けてっと……」チャッ
マミ「これで完璧ね!」
まどか「そうですね、マミさん!」
ほむら「(本当に大丈夫かしら……)」
まどか「あっ、二人とも降りるみたいだよ!」
まどか「わたし達も行こう!」
マミ「そうねっ!」
ほむら「………」
まどか「……ここは……」
ほむら「……遊園地ね」
マミ「たしか新しくできた遊園地ね」
まどか「二人とも入って行ったね」
ほむら「デートなのは確定のようね」
まどか「……わたし達も入るよ!」
ほむら「……それで、チケットを買うお金はあるの?」
まどか「…………」
マミ「ふふっ、こんなこともあろうかとっ!」
ジャーン
まどか「!! マミさんすごい!」
マミ「さ、行きましょう!」
ほむら「…………」
さやか「結構人多いねー」
杏子「まぁ新しくできたとこだしな」
さやか「はぐれないように手でも繋ごっか!」ギュッ
杏子「!!」
さやか「ほらほら最初は何行く?」
杏子「そ、そうだなぁ……貰った案内でも見てっと……」パラパラ
杏子「……おっ、これなんてどうだ?」
さやか「……よしっ、それいこう!」
まどか「んー、人が多くてさやかちゃん達見失っちゃいそう」
ほむら「さやか達に気を取られて、私達と離れることのないようにしてね」
まどか「わかってるって!」
マミ「……最初のアトラクションが決まったみたいね」
まどか「わたし達も行くよっ!」
ほむら「ちょっ、待って、まどか!」
マミ「ほら、慌てないの!」
まどか「ここは……」
マミ「ジェットコースターみたいね」
まどか「乗車定員は……前に2人までと後ろに3人まで……ハッ」
ほむら「……まどか?」
まどか「さやかちゃんと杏子ちゃんの後ろに並ぶよ!」
ほむら「絶対気付かれるでしょう!?」
まどか「マミさんが持ってきた変装道具があれば大丈夫だって!」
マミ「そうよ、ほら、早く行きましょう!」
ほむら「………不安すぎるわ」
まどか「さぁこれで二人の会話が聞き放題だよっ」ヒソヒソ
ほむら「……気付かれて無いのが奇跡みたいなものね……」ヒソヒソ
さやか「杏子ってさ、こういうのは平気なの?」
杏子「まぁな、そういうさやかは平気なのかよ」
さやか「あたしも大丈夫、むしろ大好きだし」
さやか「それでさー――――」
ほむら「そういえば、まどかやマミは平気なの?」
まど マミ「…………」
ほむら「……並ぶのやめる?」
まどか「……ううん、わたしは行くよ!」
マミ「わ、私だって!」
ほむら「……無理はしないようにね……」
―しばらくして―
まどか「やっと順番きたね!」
マミ「美樹さん達の真後ろもしっかり取れたわね」
スタッフ「お客様、飛ばされる危険が御座いますので、帽子等は外して、手荷物と共にこちらのロッカーにお入れください」」
まどか「…………」
ほむら「バレる可能性がいきなり高くなったわね」
マミ「だ、大丈夫よ!動いている最中は後ろ向かれないはずだし、終わったらすぐにつければ!」
スタッフ「お待たせしました!それでは楽しんでいってください!」
ガタンッ
さやか「きたきた!」
杏子「やっぱこの登ってるとこで緊張感増してくるなぁ」
さやか「そうだよねー、あたしも緊張してきたっ」
まどか「あぁぁぁぁ………」
マミ「……大丈夫よ、私、大丈夫……」
ほむら「………」
ほむら「……もうすぐね」
まど マミ「!!」
ゴオッ!
ゴオォオォォオ!!
さやか「うわああぁぁあぁぁあぁぁぁ!!」
杏子「うおおおおおぉぉおおぉぉお!!」
さやか「やばっ、超楽しいいいぃぃぃいぃ!!」
まどか「きゃあああぁあぁぁぁあぁぁぁあぁあぁあぁぁぁぁああ!?」
マミ「あぁ……あ…ぁ……」
ほむら「ま、マミ!?」
ガタンガタン…
スタッフ「お疲れ様でした!足元に気をつけて御降りください」
さやか「いやー、楽しかったね!」
杏子「すっげー気持ちよかった!」
さやか「……でさ、なんか聞き覚えのある声が聞こえたような気がするんだけど」
杏子「あたしもそんな気がしたけど……気のせいじゃねぇかな?」
さやか「そう、かもね」
まどか「………」ズーン
マミ「………」ズーン
ほむら「……やめとけばよかったわね……」
さやか「よしっ! 次はどこいく?」
杏子「んー、そうだなぁ……」パラパラ
杏子「……ここだな!」
さやか「っ!! ここは……」
杏子「……んー?どうしたさやかぁ?」
さやか「な、なんでもない! 行こっ!」
まどか「……はっ!?」
まどか「ふ、二人が移動するよ、早く!」
ほむら「ちょ、ちょっとまどか!!」
マミ「……ま、待って……」
まどか「ここは……お化け屋敷かぁ」
マミ「…………」
ほむら「だ、大丈夫?」
さやか「さ、さぁ行くよ、杏子っ!」
杏子「……本当に大丈夫かぁ?」ニヤニヤ
さやか「さやかちゃんには怖いものなんて無いんですよ!」
杏子「ならいいけどなぁ、行くかっ」
ほむら「私達も……行く?」
まどか「……出口で待機しよう……」
マミ「それがいいわね……」
ほむら「……それじゃあ、ベンチにでも座って休みましょうか」
ほむら「(……この二人以上に私が疲れているような……)」
―お化け屋敷内―
さやか「………っ」ギュッ
杏子「……そんな強く手握ってさぁ……」
さやか「い、いやそんなっ、あれだよっ」
杏子「素直に怖いって言っちゃえばいいのに」
さやか「ち、ちがっ!そんなんじゃっ……」
グオァオアォオァオアォアォ!!
さやか「きゃああぁぁぁぁあぁぁ!?」
ギュッ!
杏子「ちょっ、さ、さやかっ!?」
さやか「~~~~ッ!!」ブルブル
杏子「だ、大丈夫か?(腕に柔らかい感触が……)」
さやか「うぅ……」
杏子「ほ、ほら、あれだよ!あたしが居るからさ!なっ?」
さやか「杏子ぉ……」ウルウル
杏子「(その上目遣いは反則だろ……)」
杏子「よ、よし、行くか……!」
さやか「………」コクン
―外―
杏子「ほら、外だぞ、さやか」
さやか「………!!」バッ
さやか「ふ、ふんっ! 別にどうってことなかったし!」
杏子「………」
さやか「なっ、なんだその目はっ!」
杏子「別に……」
さやか「……っ、そ、それよりさ、お腹空かない?そろそろお昼だし」
杏子「ん、確かにそうだな」
ほむら「終わったみたいね……」
杏子「そんじゃ、どこで食べるか決めるかぁ」
さやか「その必要は無いよ!」
ほむら「………」ピクッ
さやか「ふっふっふ……なんとですね……」
杏子「??」
さやか「お弁当を用意してきているのですよ!」
杏子「!!」
さやか「さて、座れるとこでも見つけよっか」
さやか「ここでいいかな」
杏子「は、早く!!」
さやか「そんなに焦らないの! ほらっ」パッ
杏子「おぉ! 美味そうだ!」
さやか「美味そうじゃなく美味いって言わせてあげる!」
杏子「そりゃ期待だな! いただきます!」パクッ
杏子「……うめえ!!」
さやか「へへっ、どんどん食べていいよ!」
ほむら「……私もお腹が空いてきたわね」
ほむら「まどか、マミ、私達もお昼ご飯にしましょう」
まどか「うん、いいけど、どこで食べるの? それに……」
ほむら「そういえばまどかは……」
マミ「ここで私の出番ね!」
ジャーン
マミ「お弁当もしっかり準備してきたわよ!」
まどか「マミさん、流石です!」
ほむら「(そのバッグ、何でも入ってるのね……)」
杏子「うまかった!ごちそうさん!」
さやか「そんな美味しそうに食べてくれると、作った甲斐があったね!」
さやか「じゃあ、ちょっと休憩してから、またどこいくか決めよっ」
杏子「そうだな!」
まどか「マミさん、美味しかったです!ご馳走様でしたっ!」
ほむら「……ご馳走様」
マミ「はい、お粗末様でした」
まどか「で、でさ、さやかちゃんと杏子ちゃんのことについてなんだけどね」
ほむら「どうしたの?」
まどか「もう尾行はやめようと思うんだ」
ほむら「……どうして?」
まどか「そ、それは……」
ほむら「……正直に言っていいのよ」
まどか「………尾行すると疲れる……」
ほむら「………」
マミ「そ、そんな怖い顔しないで、暁美さん……」
ほむら「………まぁいいわ」
ほむら「それじゃ、ここからは私達も普通に遊園地を楽しむことにしましょう」
まどか「あ、ありがとう、ほむらちゃん!」
マミ「良かったわね、鹿目さん」フフッ
―それから―
『うおっ!?なんだこれ!?』
『うわっ!! これすごいね!!』
『ちょっ、助けて!ほむらちゃん!!』
『な、何をやってるのよ、まどか!?』
『ふ、二人とも大丈夫!?』
―夕方―
まどか「あー楽しかったっ!」
ほむら「そうね、でもとても疲れたわ……」
マミ「そろそろ帰りましょうか?」
まどか「そうですねっ」
杏子「ん?あの三人……」
さやか「あれって……まどかとほむらとマミさん?」
杏子「……どうやらそうみたいだな」
杏子「でも何であいつらが……? 偶然……にしては出来すぎな気が」
杏子「なぁさやか、あいつらからなんか連絡来てた?」
さやか「いや、そういうのは無かったよ」
さやか「……声かけてみよっか」
杏子「そうだな」
さやか「おーい、まどか、ほむら、マミさん!」
まど ほむ マミ「!?」
まどか「さ、さやかちゃん! き、奇遇だねっ!」
マミ「あなた達も居たのね! すごい偶然っ!」
杏子「偶然 ねぇ」ニヤニヤ
まど マミ「!!」ドキッ
杏子「あんたら三人が揃ってるのに、さやかには連絡が来てなかった」
杏子「それで尚且つ今日この場に居る、それが偶然ねぇ」
まど マミ「………」ダラダラ
さやか「本当はどういうことなのかなぁ?」ニヤニヤ
ほむら「……あなた達を尾行してたのよ」
杏子「……なるほどね」
さやか「どの辺まで尾行してたの?」
ほむら「お昼を食べ終わるくらいまでよ」
杏子「案外すぐ止めたんだな」
ほむら「……発案者のまどかが疲れたってことでね」
まどか「ほ、ほむらちゃん……」
杏子「ふーん……まぁいいけどさ」
さやか「まっ、尾行に関しては特に言うことは無いよ」
まどか「さやかちゃんっ」
さやか「でさ、あたし達そろそろ帰ろうと思ってたんだけど、まどか達は?」
まどか「わたし達も今帰ろうとしてた所だよ」
さやか「そんじゃ一緒に帰りますかー」
まどか「そうだねっ!」
マミ「色々あったけど、本当に楽しかったわね!」
杏子「なぁ、ほむら」
ほむら「何かしら?」
杏子「あの二人のお守りはどうだった……?」
ほむら「……すごく疲れたわ」
杏子「……ゆっくり休みな……」
―帰路―
まどか「やっぱりあの時のさ――」
マミ「そうよね! それで――」
ほむら「………ふふっ」
さやか「今日は楽しかったね、杏子」
杏子「そうだな。まぁあの三人が居たのは予想外だったけど」
さやか「そうだね」
さやか「……ねぇ、杏子?」
杏子「ん? なんだ―――」
チュッ
杏子「!??!?!?!?」
杏子「さ、さやかっ!?」
さやか「えへへっ……//」
さやか「またどこかに遊びに行こうね!」
杏子「……ははっ、そうだな!」
終わり
103 : 以下、名... - 2011/10/12(水) 20:17:59.41 Y9c9f4OX0 39/39ゆったりとした普通の日常系が自分の好みなだけでした
最後まで読んでくださった方、ありがとうございました