当麻「嫌です、嫌です、もう勉強嫌なんです!」
絹保「お兄様、もう終わりました。終えられたのですよ」
当麻「勉強やりたくないです!」
万彬「お兄様、お外の空気をお吸いになって気分を落ち着けてください」
当麻「そうさせてもらう・・・」
絹保「お兄様お勉強アレルギーになられなければよいのですけど」
万彬「詰め込み過ぎもよくありませんし」
当麻「フー、いい気分転換になったな」
当麻「ん、あんな所に女の子が・・・」
当麻「おい、大丈夫か?」
学生「かみじょうさま・・・」
当麻「大丈夫か?なにかあったのか?」
学生「足を挫いてしまって歩けなくなってしまいました・・・」
当麻「そうだったのか、じゃあ保健室まで運ぶか」
学生「お手数おかけします」
当麻「けが人はおとなしくな」
当麻「抱っことおんぶどっちがいい?」
学生「あの・・・赤ちゃんを抱き上げるときのような感じでしていただけたら・・・」
当麻「赤ちゃん?こんな感じか?上条さんよく分からないんですが」
学生「ええ、よろしくお願いします」
学生「上条様、私、重くありませんか?」
当麻「そんなことねえよ。結構軽いぞ」ふわっ
学生「もうおろして下さっても構いません、後は自分で・・・」
当麻「無理しなくていいよ。けが人はおとなしくしてないとな」
学生「すみません・・・」
学生(上条様とこうすることが出来るのは運命でしょうか///)
当麻「もう着いた」
当麻「じゃあそこのベッドに」
学生「ありがとうございました」
当麻「足、まだ痛むか?」
学生「少し・・・」
当麻「どこかに湿布あるといいんだけど・・・お、あった」
当麻「じゃあ湿布貼るから足を伸ばして靴下脱いでくれるか?」
学生「はい」
当麻(パ、パンチラ!)
学生「出来ました」
当麻「じゃあこれで・・・」
当麻「少し休んだら部屋に戻ろうか」
学生「上条様は命の恩人です、ありがとうございました」
当麻「命の恩人ってほどではないぞ」
学生「私にとっては命の恩人です」
当麻「照れるな・・・」
学生「上条様、一生に一度のお願いがあるのですが聞いてくださいますか?」
当麻「ん?」
学生「バレンタインデーの事ですが・・・私上条様のために作りますから、受け取ってください」
当麻「へ?」
学生「義理とかそういうのではなくて・・・その、受け取ってください///」
当麻「断る理由なんてないからな。ありがたくもらうよ」
学生「上条様、2月14日忘れないでくださいね」
当麻「楽しみに待ってる」
当麻「そろそろ部屋に戻ろうか」
学生「ええ、そうします」
当麻「じゃあ・・・」
学生「帰りは一人で大丈夫です」
当麻「危なくねえか?」
学生「一人で歩けますからご心配なさらないでください」
当麻「本当に大丈夫なのか?」
学生「はいこの通り・・・っ!」
当麻「ダメじゃねえか。ほら」
学生「上条様にまたご迷惑を」
当麻「いいよこれぐらい、じゃあ部屋の場所教えてくれるか?」
学生「はい、ここをまっすぐ・・・」
「まあ、上条様に抱っこされて。羨ましい」
「わたくしもけがしたらしてくださるのかしら?」
学生(ちょっと優越な気分です)
当麻「ここか?」
学生「はい」
当麻「じゃあベッドまで」
当麻「お疲れ様」
学生「それは上条様ですわ」
当麻「じゃあなんかあったら呼んでよ。絹保と万彬の部屋にいるから」
学生「はい、ありがとうございました」
当麻「さてと、部屋に戻るか・・・」
「「「「「「「上条様ー」」」」」」」
当麻「な、なんだあ?」
「「「「「「「上条様、わたくしたちも看病してください!」」」」」」」
当麻「君たちどこかケガしてるのか?」
「「「「「「「これからケガするかもしれませんので予約をしにきました」」」」」」
当麻「保健室の先生がいなかったらな」
「「「「「「「あとバレンタインデー真心をこめて作りますから受け取ってください!」」」」
「「「「私のも」」」」「「「わたしのも」」」
当麻「俺なんかに?じゃあありがたく受け取るよ」
「「「「「「調理室ー」」」」」」」
当麻「なんだかあわただしかったけど」
絹保「廊下が騒がしいと思い見にきたら・・・」
万彬「お兄様・・・」
当麻「特にすることもないし戻るかな」
当麻「・・・ん?」
壁・))
当麻(・・・なにしてるんだ?」
当麻「おい」
壁
当麻「絹保さーん、万彬さーん」
絹保「・・・」
万彬「・・・」
当麻「部屋にいたんじゃなかったのか?って言うかなんで隠れてたんだ?」
絹保「それは・・・」
当麻「言いにくいなら言わなくてもいいぞ?」
万彬「廊下が騒がしかったので気になって様子を見に来たのです。そうしたら」
万彬「お兄様が・・・お兄様が」
当麻「俺が?」
万彬「お兄様がみなさんにバレンタインデーの話をされてて」
当麻「ああ、見てたのか」
当麻「みんなにたくさんもらったら食べきれるかな?」
絹保「・・・」
万彬「・・・」
絹保「お兄様、いただくのは自由ですけれども」
絹保 万彬「わたくしたちのは本当に食べていただけるのですか?」
当麻「食べないなんて上条さん言いましたか?」
絹保「おっしゃっていませんが、しかし心配になります」
万彬「わたくしたちのを忘れられてるのではと・・・」
当麻「忘れるわけねえだろ」
絹保「お兄様嬉しそうにされてたではありませんか」
当麻「そりゃまあもらえたら嬉しいさ」
当麻「嬉しいけど、二人の事を忘れてなんかいないから安心しろ」
絹保「証明・・・してくださいますか?」
当麻「信じてくれないのか?」
絹保「信じていますけれどその、万彬さん?」チラッ
万彬「ええ、何かしていただければと///」
当麻(何かしてほしそうにこっちを見てる。何をしたらいいのかサッパリ分からないんだが何かしたほうがいいよな)
絹保 万彬「んー///」
当麻(目を瞑ってどうしたんだ?うーん女の子ってわからねえな))
当麻(ううん、何をしてほしいんだ?ううん、ううん)
当麻(分かった、あれだな)
当麻「二人のしてほしい事分かったぞ」
絹保 万彬「何をしていただけるのです?///」
当麻「二人とも目を瞑ってくれ」
絹保 万彬「はい」
当麻「じゃあ行くぞ」
おでこごっつん
絹保「ぁ///」 万彬「温かい///」
当麻「これがしてほしかったんだろ?こないだ見てたテレビでやっててさ。いやーテレビ見てて良かった」
絹保「本当は違うのですけれど///」
万彬「嬉しいです///」
絹保「はぁ・・・」
万彬「どういたしましょう・・・」
当麻「溜息なんかついてどうした?」
絹保「お兄様、実は・・・」
万彬「少し困った事に・・・」
当麻「困った事?」
絹保「調理室が・・・」
当麻「調理室が、どうした?」
絹保「調理室が使えなくなってしまい練習が出来ないのです」
当麻「なんで使えなくなったんだ?」
絹保「生徒のみなさんが調理室に一度に入ったらどうなります?」
当麻「全員が一片に入ろうとしたらそりゃなあ」
絹保「そういった訳でして」
万彬「わたくしたちも練習をしたいのですが場所がなかなか見つからず・・・」
当麻「・・・二人ぐらいならできる所があるぞ」
絹保「そのような場所があるのですか?」
万彬「そのような場所があるのですか?」
当麻「俺の寮」
絹保「あっ!」
万彬「すっかり見落としていました!さすがですお兄様!」
当麻「褒めるな褒めるな」
当麻「じゃあ材料持って行こうか」
絹保「はいお兄様」
万彬「行きましょう?」
当麻「荷物俺が持とうか?」
絹保「いえ、重たくありませんから自分で持ちます。お心遣いありがとうございます」
当麻「そうか?じゃあ万彬、持とうか?」
万彬「わたくしも、自分で持てますから大丈夫です」
当麻「じゃあ一緒に持たないか?それならいいだろ?」
絹保「それって」
万彬「カップルみたいで憧れます///」
お子様「ねーねー、なんでお兄ちゃん彼女が二人いるのー?」
お子様「浮気してるんだよー」
お子様「浮気いけないんだよー」
当麻「浮気じゃなーい!」
当麻「・・・最近はませた子が増えたなあ」
絹保「わたくしたちがカップルに見えるのでしょう」
当麻「どこをどうみたらカップルに見えるんだ?大体二人も女の子を連れてる男いるかよ」
当麻「まあ学園都市なら仕方ないけど」
万彬「お兄様はそのように見られることについていかがですか?」
当麻「ありえねえよwww」
絹保「・・・」
万彬「・・・」
当麻「急に黙ってどうした?上条さん言っちゃいけないような事言いましたでしょうか?」
絹保「いえ何も仰っていません」
万彬「正直なお言葉ありがとうございました」
当麻「なんで冷ややかな応対をされるのでせうか?」
当麻「はい着きました」
絹保「万彬「お邪魔いたします」
当麻「なんか二人に手伝える事あるか?」
絹保「では味見をしていただけますか?」
当麻「味見だけで良いのか?」
絹保「お兄様のお口に合うものを作りたいですから」
当麻「食うのは任せろ」
万彬「ではお兄様はゆっくりされていてください」
当麻「ほーい」
当麻「ちょっと見学しようかな」
絹保「・・・」
万彬「・・・」
当麻「へえ、二人とも上手だな」
絹保「・・・緊張しますね」
万彬「ええ・・・」
じー
絹保「お兄様、そのように見られてはわたくし、集中できません///」
万彬「見ないでください、お兄様///」
当麻「エロス」
当麻「仕方ねえな、じゃあ待ってるから何かあったら呼んでくれ」
万彬「お兄様に見つめられると何といいましょうか、非常にドキドキします」
絹保「わたくしも、見つめられるとあがってしまいます」
絹保「でももっと見つめてほしいのですけれど見ないでほしかったり・・・」
絹保「このような気持ちになるのは初めてです・・・」
万彬「わたくしたちどうしてしまったのでしょう」
当麻「カゼ引いてんじゃないのか?体温計持ってこようか?」
絹保「結構です、お引取りください」
当麻「絹保がグレたー」
・・・
絹保「味も形も問題ありませんね、」
万彬「最初にしては良く出来ましたね」
当麻「腹減ったー、食べさして」
絹保「あ、お兄様、それはわたくしの食べかけ・・・」
当麻「いただきー」
万彬「ああ!」
当麻「うん、うまうま」
当麻「ごちそうさん、うまかったぞ」
絹保「わたくしの食べかけだったのですが」
当麻「え、そうだったのか?」
当麻「わ、悪い、食欲に負けて食べちまった!ごめん許して、このとおり!」
絹保「いえ食べられて困るわけではありませんから」
絹保「少し驚きはしましたけれど・・・」
万彬「点数をつけるなら100点満点で何点いただけますか?」
当麻「うーん、100点だな」
万彬「もう少し考えていただけますか?」
当麻「考えろったって100点しかねえだろ。うまいもんはうまいんだから」
絹保「ふふふっ、お兄様らしいですわね」
万彬「仕方ありませんね」
絹保「でもどうせならもう少しムードのある場所でいただきませんか?」
当麻「ムード?そんなのいいだろ?」
絹保「さあ行きましょう」
当麻「こら押すなって」
当麻「なんでベッドなんだ?」
ぎゅー
当麻「こら、密着されたら食べれないだろ」
絹保「お兄様、あーん」
万彬「あ~ん」
当麻「妙に色っぽいんですけど」
絹保「お兄様、ムード、ですわ」
当麻「上条さんよくわかんないけどすごくデンジャー臭がするからやめー!」
絹保「ふふ、バレンタインデーのデモンストレーションはこれぐらいにしておきましょうか」
万彬「お兄様の慌てられていた顔、好きですわ」
当麻「・・・本気にしちまったじゃねえか」
当麻「ポッキーがあるな。食べるか?」
絹保「いただきます」
万彬「ありがとうございます」
当麻「ウサギにエサあげてるみたいで癒されるな」
当麻「ほら、まだあるから」
絹保「あ、はい」
万彬「お兄様はお食べにならないのですか?」
当麻「見てるだけでお腹いっぱいになりそうだからいい」
当麻「ほら、まだあるからな。どんどん食べろよ」
当麻「ポッキー、ポッキー、ポッキーゲーム」
当麻「なあ、ポッキーゲームしないか?」
絹保「ポッキーゲームですか?」
万彬「あのポッキーゲームですよね?」
当麻「ああ、そのポッキーゲームだけど」
絹保「はい、やります!やらせてください!」
万彬「早くしましょう」
当麻「二人ともやる気だなあ」
当麻「んじゃ端っこ加えて」
当麻「まず絹保としようか」
当麻「よーいスタート」
かじかじかじかじ
当麻(そろそろ離さないとヤバいかな?だがここで離したらチキンだと思われちまうな)
絹保(もう少しでお兄様とき、キス///)
絹保(変な事を考えてはお兄様にご迷惑が)
ポキッ
当麻「折れたな。俺の勝ちっと」
当麻(兄貴の面目が保たれたってとこだな)
当麻「次は万彬とだな」
万彬「絶対に負けません」
当麻「お、強気だな。よーし、スタート」
カリカリカリ
当麻(ちょっと大胆に攻めてみるか)
万彬(!!)
当麻(万彬びっくりしてるな?作戦成功)
万彬(わたくしだって負けません!><)
当麻(うわっ、早い!このままじゃキスしちまう!どうするどうする?)
当麻(くそ、仕方ねえ、事故る前にこっちから負けてやる!)
ポキッ
万彬「わたくしの勝ちでよろしいのですか?」
当麻「ああ、負けだ負け」
絹保「さっきは負けましたから2回戦させてください!」
当麻「また負けんじゃねえか?ww」
絹保「絶対に負けませんからお願いします」
当麻「じゃあ勝負してやろうか」
当麻「スタート!」
当麻(さて、お手並み拝見)
ガリガリガリガリガリガリ
当麻(なにぃぃ?!)
絹保(負けません!><)
ガリガリガリ
当麻(と、止まれえええええ)
絹保(・・・)
当麻(良かった、思いが通じた)
当麻(後一口二口で大事故だったな)
絹保(お兄様の唇が目の前に///)
絹保(どうしましょう)
当麻(絹保口をもそもそさせて・・・ま、まさか)
ポリ
当麻(ひいいいいい)
ポキ
絹保「・・・」
当麻(この年になってチビりそうだったぞこの子悪魔ちゃんめ)
絹保(ちょっと残念です)
絹保「とりあえず寮に帰りましょうか?」
万彬「そうですわね、帰りましょう」
当麻「一つ提案があるんだがいいか?」
絹保「なんでしょう?」
当麻「いつも二人には色々してもらってるからどこか遊びにいかないか?」
万彬「どこかといいますと?」
当麻「特に決まってないから二人で相談して決めればいいよ」
絹保「どこにいたしましょう?」
万彬「この間開店したばかりの喫茶店はいかがでしょう?」
絹保「高級なケーキや紅茶をいただけるお店ですね」
当麻「食べる所じゃないほうがいいんじゃないか?ほ、ほら、もう少し思い出に残る方が」
絹保「そうかもしれませんね」
当麻(高級とかNG過ぎるわ)
万彬「では映画館はいかがでしょうか?」
当麻(万彬ナイス!)
絹保「いいですね、映画館にしましょうか」
万彬「お兄様、映画館はいかがでしょう?」
当麻「いいよ、じゃあ映画館な」
当麻「二人と映画館に行くのは初めてだな」
絹保「そうですわね」
当麻「で、何を見るのか決まってるのか?」
絹保「まだ決めていません。いい作品があるとよいのですけれど」
当麻「どうだ、何かあった?」
絹保「正直あまり・・・」
当麻「しょうがないな、また別の機会にしよう」
万彬「それしかありませんね」
絹保「お兄様見てください、写真館があります」
当麻「へえ、こんな所にあったのか」
万彬「お兄様、ここで写真撮りましょう」
絹保「いいですね、お兄様、写真撮りましょう?」
当麻「二人がいいなら寄ってみようか」
当麻「こんにちは」
店員「おやおや若いお客さんが来たね。それにお嬢ちゃんもご一緒で。写真かい?」
当麻「なんかオススメあります?」
店員「そうだなあ、ウエディングはどうだい?」
絹保「わたくしウエディングドレス着てみたいです!」
万彬「お兄様、わたくしも///」
店員「じゃあお兄ちゃん真ん中でお嬢ちゃんたちが両隣でいいかな?」
絹保 万彬「はい!」
店員「お兄ちゃんモテモテだねえ」
当麻「いや、その」
店員「じゃあこれに着替えてね」
当麻「はあ・・・」
店員「お嬢ちゃんたちはもう選び始めてるから待たせちゃダメだぞ」
絹保「どれも素敵ですわね」
万彬「これは少しウエストが・・・」
絹保「あ、これにいたしましょう・・・サイズもぴったりです。万彬さんはいかがです?」
万彬「大丈夫です、それでは参りましょう」
店員「ふふ、まだダメよ。しっかりお化粧しましょうね」
絹保「お化粧までしてくださるなんて」
万彬「本格的ですわね」
店員「はい、終わりました。じゃ写真がんばってね」
絹保「ありがとうございました。万彬さん、とっても綺麗です」
万彬「絹保さんこそお人形のようですわ」
絹保「本当ですか?」
絹保「お兄様、お待たせしました」
万彬「少し着替えに手間取ってしまいまして」
当麻「」
万彬「お兄様?」
当麻「綺麗になったなあ」
絹保「お化粧していただきましたから」
万彬「早く撮りましょう」
当麻「じゃあお願いします」
店員「お嬢ちゃんたちもうちょっとお兄ちゃんに寄って~、そうそう」
当麻「うぅ・・・」
当麻(胸元についつい目が。こら、俺の目玉、動くんじゃない!)
店員「お兄ちゃんあんまり胸を見ちゃダメだぞ」
当麻「見てません!」
店員「じゃあ撮りますよー」
カシャ
店員「次は二人ずつで撮ろうか」
絹保「ではわたくしから」
店員「お嬢ちゃん、お兄ちゃんに抱きついてくれるかな?」
絹保「はい」
当麻「ふふ」
店員「お兄ちゃんは腰の辺りに手を当てて」
当麻(なんかやらしい気分になってきたぞ・・・邪心退散退散!)
店員「じゃあ撮りまーす」
店員「じゃあ交代しようか」
万彬「結婚式をしているようで幸せな気分で・・・す!」
万彬(お兄様そこは腰ではなくてお尻・・・)
当麻「きてよかったか?」
万彬「は、はいとっても」
店員「お兄ちゃんお尻触っちゃ写真撮れないよ?」
当麻「す、すみませんです!手が滑ってしまっただけです」
店員「撫で回してたような気がするんだけど・・・まあいいか。じゃ撮ります」
店員「はい、完了です、じゃあ着替えてお支払いをお願いしまーす」
店員「ありがとうございましたー、またご利用ください」
当麻「二人ともお化粧落とさなかったのか?」
絹保「もう少し気分を味わいたいですから」
万彬「お兄様と本当に出来たらいいですわね」
当麻「何を?」
万彬「・・・結婚式です///」
当麻「出来るの?!」
絹保「出来ましたか?」
万彬「さあ・・・」
当麻「え、出来るの?出来ないの?どっちなんですかー?」
当麻「絹保と万彬って好きな男っているのか?」
絹保「好きな殿方、ですか?」
万彬「何故そのような事をお聞きになられるのですか?」
当麻「ここって女子校だろ?だから男っていないからさ、そういうのがいるのかな~って」
絹保「殿方はお一人いらっしゃるではありませんか」
当麻「え、どこにだ?」
絹保「わたくしの目の前に」
当麻「俺?ああ、いたか」
絹保「殿方はお兄様お一人だけなのですからもう少し意識されたほうがよいかと」
当麻「そうかあ?」
絹保「そのほうがよいと思いますけれど」
万彬「お兄様が将来この寮のどなたかとご結婚されるかもしれませんから」
当麻「それはないだろ。だってここお嬢様学校なんだから上条さんみたいな庶民と結婚しようなんて物好きいないだろ」
絹保「ご謙遜なされているのかもしれませんがみなさんに同情します」
万彬「まさかお兄様は同棲愛車の方なのですか?」
当麻「な、何いってんだ!」
万彬「ち、違うんです!わたくしは決してお兄様がそういった方でもお兄様を失望したりはしませんから!」
当麻「だから違うって!俺はそっちのシュミはねえよ!俺は女が好きだ!」
万彬「そうですよね、違いますよね。お兄様に誤った認識をしてしまいそうになりました」
当麻「いや誤解されなかったから別にどうでもいいんだけどな」
当麻「で、さっきの話だけど」
絹保「います、でよいのでしょうか?」
万彬「わたくしもまだはっきりとは・・・」
当麻「やっぱいるのか。で、どんな奴なんだ?」
絹保「その方には妹が二人いるのです」
絹保「妹の面倒を嫌な顔をせずに見る方で」
絹保「周りの人にも妹にも尊敬されている方です」
万彬「ただとても恋愛に鈍い方なのです」
当麻「ん、もしかして二人とも同じ奴が好きなのか?」
絹保「そうかもしれませんね」
当麻「誰だそいつ、思いっきり右手で殴りたくなってきた」
絹保「とても痛いと思いますよ?」
当麻「そいつボクシングとかやってるのか?」
絹保「いえ、そういう意味ではありません」
当麻「まあ大丈夫だ。こう見えても打たれ強い方だと思うから」
絹保(遠まわしでは通じませんね)
万彬8お兄様に気持ちを伝えるのは難しいですわね)
絹保「でも伝えようか迷っているというか」
絹保「今までの生活を壊したくないという気持ちもあります」
万彬(同じ事を考えているのですね絹保さんも)
絹保「告白したら今までのように暮らせないかもしれません」
絹保「だから不安なのです」
当麻「二人とも色々考えてるんだな」
当麻「まあ、なんだ?二人ともがんばれ」
当麻「きっとなんとかなるさ」
当麻「なるようになる、ってな」
絹保「お兄様にそういわれると安心します」
万彬「お兄様のお力でしょう」
当麻(さて今日は二人が好きな奴をぶっ飛ばす事だけを考えて寝るか)
絹保「わたくしたちこれから調理室に行くので何か御用がありましたらいらしてください」
万彬「場所お分かりになります?」
当麻「知ってるけど何をするんだ?」
絹保「バレンタインデー、です」
当麻「ああ、なる。でも俺の部屋じゃなくていいのか?」
絹保「大丈夫だと思います。きっともうみなさん作業が終わっていらっしゃるでしょうから」
当麻「そうだといいけどな」
当麻「さて俺は二人がいたから見れなかった」
当麻「お宝本を読ませていただこうかしら」
当麻「どれ・・・ああ、うわあ、いいのかこれ」
当麻「すごい・・・」
絹保「お兄様」
当麻「ああ!な、なんだ?」
絹保「今お背中に隠されたものはなんでしょう?」
当麻「いやたいしたものじゃねえよ。二人とも忘れ物か?」
絹保「いえ、やっぱりお兄様のお部屋をお貸しください」
当麻「ほいほい」
絹保「お兄様、作っている時だけお外でお待ちいただけないのでしょうか?」
当麻「なんかワケありか?」
絹保「ワケありというか・・・」
万彬「愛情を込めて作るのが恥ずかしいというか」
当麻「二人がそうしてほしいならそうするよ」
当麻「じゃあ外で待ってるから」
絹保「申し訳ありません」
万彬「戦場に行きましょう」
当麻「女の戦場か」
万彬(料理は愛情、作る相手への愛を込めて)
絹保(お兄様、好き、好き、大好き)
万彬(お兄様、お兄様、愛しいお兄様)
当麻「ちょっとだけ、ちょっとだけ覗き見しようか」
当麻「どれ・・・」
当麻「な、なんだこの空気!俺なんかが入っていい領域じゃない・・・」
当麻「外で待つか・・・」
絹保「・・・」
万彬「・・・」
絹保「なんだか頭がボーっと・・・」
万彬「甘い香りがしますから・・・」
万彬「少し外の空気を吸いましょうか・・・」
絹保「お兄様のお顔が見たいですわ・・・」
万彬「わたくしも・・・」
ガチャ
絹保 万彬「お兄様?」
当麻「ん、すげえ甘い匂い・・・」
当麻「二人とも涎出てるぞ」ふきふき
絹保「ちょっと香りのせいでボーっとしてしまいまして」
万彬「換気も兼ねてお兄様のお顔を拝見しに来ました」
当麻「シャキっとしたか?」
絹保「とても清清しい気分です」
万彬「外に出て正解だったようですね」
当麻「さっきみたいな顔もっかい出来ないか?」
絹保「なぜですか?」
当麻「また見たくなった。あの顔みながらご飯三杯はいけると思う」
絹保 万彬「絶対しません!」
当麻「ですよねー」
絹保「後は焼くだけですのでもう少しだけお待ちください」
万彬「失礼いたします」
当麻「がんばってな」
絹保「生地が焼けるのを見ていますとまるで自分のようです」
万彬「どういう意味ですか?」
絹保「お兄様の事を考えるだけで胸が焼けてしまうのです」
万彬「絹保さんはそれほどお兄様を思っていらっしゃるのですね」
絹保「わたくしにとっての初恋ですから」
万彬(絹保さんには負けられませんね)
当麻「お、いい匂いがする。もうそろそろかな?」
絹保「わたくしのは終わりましたから万彬さんの番ですね」
万彬「上手に焼けますように」
絹保「万彬さんはお兄様のどのような所が好きなのですか?」
万彬「わたくしは・・・いつでも優しくしてくださって甘えたい時には、いえ、いつもですわね。甘えさせてくださる所とか時々ドキドキさせてくださったり・・・そんなお兄様が好きです」
絹保「わたくしたちもやはり兄弟ですわね、同じ方を好きになって好きな所も同じなんて」
万彬「いつまでも仲良くしてくださいね?」
絹保「こちらこそよろしくお願いします」
ちーん
絹保「焼きあがったようですね」
万彬「良かった、綺麗に焼けているみたいです」
絹保「お兄様のご加護かもしれませんね」
万彬「お兄様には感謝、ですわね」
当麻「ううん・・・インデックス・・・もう食材がない、ない・・・」
絹保「お兄様、起きて下さい」
万彬「遅刻なさいます、起きて下さい」
当麻「うん・・・おはよう」
絹保「お兄様、受け取ってください!」
万彬「愛を込めて作りました!」
当麻「ん、ああ、そうだったな。ありがたくもらうよ」
当麻「じゃあ一個ずつ食べちゃおうか」
当麻「うんうん、おいしいよ、万彬のもなかなか・・・」
当麻「どっちもおいしいなあ、バレンタインデーに限らず作ってほしいよ」
絹保「かしこまりました。それと・・・包みの中に手紙があるので読んでもらえますか?」
当麻「ん、これか・・・」
当麻「I love you・・・」
当麻「万彬も手紙ある?」
万彬「」コクリ
当麻「愛しています、か」
ギュッ
当麻「俺も二人の事を愛してるからな」
絹保「はい」
万彬「お兄様」
当麻「なんだ万彬?」
万彬「念のために聞きますがお兄様はわたくし達の言葉をどのように受け取ったのですか?」
当麻「そりゃもちろん、家族として愛してるって事だろ?」
万彬「ああ・・やっぱりそのようにとられていましたか・・・」
絹保「悪気はないにしてもやっぱりひどいです・・・」
当麻「なんかテンションが落っこちてるみたいだな」
絹保「当たり前です・・・告白のつもりで作ったのですから」
万彬「このような時ならお兄様だってそう受け取ってくださると思っていたのです」
当麻「二人ともなんの話をしているのかよくわからないんだけど」
絹保「それなら直接言わせてください」
万彬「わたくしもお兄様に申し上げます」
絹保「わたくしは」
万彬「わたくしは」
当麻「うん」
絹保「お兄様が」
万彬「お兄様が」
当麻「はい」
絹保「特別に好きです!」
万彬「特別に好きです!」
当麻「そうかあ」
当麻「・・・なんだってー!?」
当麻「いや、待て、これは夢だ、きっと夢だ、ほっぺをつねったら痛くな、いってえ!」
絹保「毎日毎日お兄様と一緒に過ごす度にお兄様の事を好きになって・・・」
絹保「胸の中がお兄様でいっぱいになりました」
絹保「でもお兄様に告げる事も出来ず」
絹保「だからこの機会に告白しようと・・・」
万彬「わたくしも何をしてもお兄様の事ばかり考えてしまって・・・」
当麻「悩んでたのに悪かったな、気づいてやれなくて」
絹保「受け取っていただけませんか?わたくし達の気持ちを」
万彬「これ以上を望みません。我侭な妹ですがお願いします・・・」
当麻「二人の気持ち、ちゃんと受け止めるよ」
絹保「嫌いに・・・ならないでくださいね?」
当麻「誰が誰を嫌いになるって?」
絹保「お兄様がわたくしを・・・」
当麻「二人の事を嫌いになる訳がないだろ」
当麻「二人は俺の大事な妹なんだぞ?」
絹保「お兄様・・・」
万彬「お兄様の事、好きになってよかったです」
絹保「お返事は・・・」
当麻「ああ」
絹保「無理、ですよね・・・妹では」
万彬「・・・」
当麻「少し、少しだけ考えさせてくれないか?」
絹保「え?」
当麻「真剣に考えるから。少しだけ時間をくれないか?」
絹保「お願いします」
万彬「ちゃんと考えてくださいね?」
当麻「任せろ。じゃあ朝ごはん食べに行こうか」
絹保「はい!」
万彬「はい!」
当麻「やばい、学校に遅れる!」
当麻「じゃあ俺行くから!」
婚后「お待ちになって、上条さんお渡ししたいものが・・・」
当麻「じゃあ帰ってきたらちゃんと受け取るから!今は無理だ、また後でな!」
婚后「このわたくしがヤケドしてまで作って差し上げたのに後回しにするなんて!とんでもないお方ですわ、全く!」
絹保「お兄様も悪気があってやっている訳ではないのです」
万彬「お気持ちはよく分かりますから落ち着いてください」
婚后「わたくしは怒ってなどいませんわ!」
学生「上条様に手渡しするのは少し恥ずかしいですわね」
学生「こっそり上条様のお部屋に置いておきましょうか」
ポイポイポイ
学生「あら、こちらにおいておけばよいのかしら」
ポイ
「「「「「「こちらでよろしいのですね」」」」」」
ポイポイポイポイポイ
絹保「あら、みなさまわたくしたちの部屋にお越しになるなんて珍しいですわね」
万彬「それにしても人が多くありませんか?」
絹保「誰もいなくなったようですから部屋に戻りましょうか」
万彬「そうですわね、少しお掃除でも・・・」ガチャ
万彬「こ、この包みの山は一体・・・」
絹保「きっとチョコとかクッキーとかだと思います・・・お兄様への」
絹保「とりあえずお兄様の机の上に移動させましょう」
万彬「机の上だけでは収まりそうにありませんね・・・」
姫神「君、いつもお世話になってるから。あげる」
当麻「ありがたやー」
吹寄「上条当麻、貴様姫神さんからもらったからって鼻を伸ばしてるんじゃないわよ」
当麻「いいじゃねえかよ、少しぐらい」
吹寄「貴様に朝食べたチョコの残りをあげてもいいわよ」
当麻「吹寄さんお優しいですね」
吹寄「別に、貴様の為に作ったわけじゃないから勘違いするんじゃないわよ!」
当麻「へいへーい」
土御門「妹がいるのに義理チョコをもらってニヤニヤしやがるとは許せんぜよ」ガシッ
当麻「いてえ!ニヤニヤしねえから離せ」
土御門「仕方がないにゃ」
当麻「なあ、土御門がもし妹に好きって言われたらどうする?」
土御門「カミやんもしや・・・」
当麻「たとえば!たとえばの話だ」
土御門「そうだな・・・イエスだにゃー」
当麻「血の繋がってる妹でもか?」
土御門「関係ないぜよ。好きだったら関係ないと思うんだにゃー」
当麻「なるほどな」
当麻「じゃあ俺約束があるから帰るわ」
土御門「妹とかにゃー?」
当麻「いや妹の友達と」
土御門「困った兄貴を同情するんだにゃー」
当麻「誰に同情してんだよ?」
土御門「カミやんの妹に決まってるぜよ・・・」
当麻「じゃあまた明日なー」
土御門「妹を泣かしたら月に代わってお仕置きぜよー」
当麻「やなこったー」
当麻「早く光子ちゃんのを受け取らないと・・・」ガチャ
当麻「ただいま帰ったぞー・・・ってなんじゃこりゃー!」
絹保「お帰りなさいませ・・・」
万彬「もう、クタクタです・・・」
当麻「なんなんだ、この山は?」
絹保「すべてお兄様宛のお菓子です」
当麻「これ全部俺にか・・・」
当麻「今日一日でこれを全部食べるのは不可能だぞ」
当麻「二人とも一緒に食べてくれたり・・・してくれるか?」
絹保「お兄様の為に作ったものをわたくしが頂くわけにはいきませんから。申し訳ありません」
当麻「そんなあ!」
万彬「そういえば先ほど婚后さんがお兄様をお探しでした」
当麻「ああ、そういえばそうだった・・・」
コンコン
「どうぞ」
婚后「上条さん、お帰りに・・・」
婚后「・・・これは一体」
当麻「ちょっとしたドッキリみたいな」
婚后「まあよろしいですわ。このわたくしが直々に来て差し上げたのですから今度こそ受け取って頂けますわね?」
当麻「朝は悪かった。急いでたもんだから」
婚后「別に気にしてませんからよろしいですけれど」
絹保「とても怒っていらして」
婚后「もうよいのです!」
当麻「光子ちゃんのはどこにあるんだ?」
婚后「廊下にありますので・・・」
婚后「持ってきましたわ」
当麻「おい、まさかそれ・・・
婚后「おほほ、このわたくしが作った特製、額縁サイズのクッキーですわ!」
当麻「そ、そうなんだ・・・あ、あのさそれ、一緒に食べないか?」
婚后「いいえ、これは全てわたくしがあなたの為に作った物ですから上条さん一人で召し上がってよろしいんですのよ。それではごきげんよう」
絹保「ではわたくしも・・・」
万彬「お兄様・・・ごめんなさい!」
当麻「待って、待ってくれー!」
当麻「・・・食べよう」
当麻「おいしい。おいしいけど悲しい」
万彬「お兄様には少し反省をしていただきたいですわね」
絹保「でもよかったのでしょうか?少し可哀想な気もします」
万彬「謝りましょう」
絹保「そうですわね」
絹保「お兄様?」
当麻「二人とも戻ってきてくれたのか!」
絹保「お兄様を見捨てるようなことをして申しわけありません」
万彬「それだけをいいたくて・・・」
当麻「気にするなって」
当麻「俺がんばるから俺の事見守ってくれるか?」
当麻「みんなが俺の為に作ったお菓子だから、ちゃんと食べたいんだ」
絹保「はい、わたくしお傍で見守らせていただきます」
万彬「最後までお供いたします」
当麻「二人がいればなんでもできる気がする」
当麻「俺これを全部食べ終わったらいいたい事があるんだ」
当麻「だから食べ終わったら・・・」
絹保「待っています」
万彬「お兄様」
当麻「うわああああ」
当麻「おろ?小さいし少なめだな。もっとでかくていっぱい入ってるもんだと」
絹保「少な目の方が喜ばれるのではないでしょうか?」
当麻「そうかもな」
当麻「かなり覚悟をしたんだが大丈夫そうだな」
当麻「うんうん、みんな上手だなあ。お嬢様って料理が下手なイメージがあるんだがそうでもないのかもな」
当麻「二人も食べるか?」
絹保「先ほども言いましたが遠慮しておきます」
万彬「わたくしも遠慮します」
当麻「おいしいのになあ」
絹保 万彬(お兄様を好いている方がお兄様のために作ったものをいただくのはよくありませんし気分のよいものではありません・・・)
当麻「ちょっと口が渇いてきたからお茶くれるか?」
万彬「淹れてきます」
当麻「ちょっと肩が凝ったな」
絹保「お揉みしましょうか?」
当麻「頼む」
当麻「ああ、キモティー」
万彬「お兄様、どうぞ」
当麻「おいしー。献なんとか的な妹を持って幸せだなあ」
絹保「これからもお兄様お一人に尽くしてまいります」
万彬「なんでも申しつけください」
当麻「二人もヤリたい事があったら言ってくれよ?」
当麻「さてここで問題だ・・・」
当麻「婚后さんのこれは一体なんだ」
絹保「少し大きいですわ」
当麻「少しってもんじゃないだろ。デカすぎだろこれは」
当麻「しかしこれがラストなんだ。やらなきゃ男がすたるってもんだ」
当麻「・・・この緑色はなんだ?」
絹保「ゴーヤ・・・でしょうか」
当麻「なんで入れたんだ?」
万彬「お兄様の為にだと思いますが・・・」
当麻「料理したことないんだろうな・・・」
当麻「うう、綿処理してない・・・」
当麻「でも半分くった」
当麻「ラストおおおおお」バクバクバク
当麻「お茶・・・」
万彬「お兄様どうぞ」
当麻「強敵だった・・・」
絹保「お兄様、お話、聞かせていただけますか?」
万彬「お返事・・・いただけるのですよね?」
当麻「ちょっと休みいれさせてくれ・・・」
当麻「もういいかな」
絹保「話してくださいますか?」
当麻「まあそうあせるなって」
当麻「二人はその、なんだ、好きか?俺を男として」
絹保「お兄様としても殿方としても大好きです」
万彬「なぜ聞かれるのです?」
当麻「確認だ、確認」
当麻「じゃあさ、もし二人のうちどっちを好きになったら二人はどう思う?」
絹保「それは・・・」
万彬「・・・」
当麻「だよな、それは普通だと思うぞ」
当麻「どっちも複雑だよな。という事で提案がある訳だが」
絹保「?」
万彬「?」
当麻「まずこいつを見てくれ」つお宝本
絹保 万彬「っ!!!キャーーー!!!」
当麻「し、しまったあ!」
絹保 万彬「どういうおつもりですか!あ、あ、あのような破廉恥な本をお見せするなんて!」
当麻「いや、これには手違いが・・・」
当麻「ま、まあ落ち着いて聞いてくれ。二人とも「ハーレム」って知ってるか?」
絹保「一夫多妻の事ですよね」
当麻「そこでだ、二人とも俺の事を好きだって訳だろ?片方が振られたら二人にとってもあまりよくないし、俺もそうはなってほしくない」
当麻「だから、二人とも俺の彼女にするってのはどうだ?」
絹保 万彬「・・・」
当麻「あれ、もしかして引いちゃってる?」
絹保「・・・良いかもしれませんね」
万彬「たしかに、これならお互いに傷つきませんわ」
万彬「お兄様らしいお考えでしょう」
当麻「それって褒めてるって事でいいのか?」
万彬「一応そのつもりです」
当麻「そうだといいんだけど」
絹保「ではお兄様、お付き合いをしてくださるのですか?」
当麻「待て待て、その話はまた別の話だ」
当麻「言っていいか?」
万彬「はいお兄様」
絹保(お兄様と・・・///)
当麻「二人とは・・・まだ付き合えない」
絹保「・・・え?」
万彬「付き合えないとは・・・何故なのですか?お兄様はわたくしが嫌いなのですか?」
当麻「まあ話を聞けって」
当麻「二人はまだ中学生だろ?まだ時間があるんだから」
当麻「もしかしたら俺より好きな奴が出来るかもしれないだろ?」
絹保「お兄様以外に好きにはなりません!」
万彬「わたくし、お兄様が好きなのです」
当麻「じゃ、じゃあさこういうのはどうだ?」
当麻「二人が中学を卒業して、二人がまだその気があればって事で?」
絹保「・・・お兄様がその時他の女性とお付き合いしている可能性があるのではないですか?」
万彬「それにまだお兄様がわたくしを女として好きだと聞いていないのですが・・・」
当麻(う、たしかに俺時々女として意識をする時はあるけど女として好きとは一度も言わなかった・・・)
万彬「お兄様、わたくしたちをどのように思っているのかお聞かせくださいますか?」
当麻「・・・正直、二人の事を女の子として見れてないかも知れない」
万彬「・・・」
絹保「・・・」
当麻「でもさ、一緒に風呂入ったりすると女の子として見ちゃう時があるから心配しなくても・・・って俺は何言ってんだか」
絹保「ふふ」
万彬「今のうちに女を磨いてお兄様にそう見られるようにがんばりましょう」
絹保「そうですわね」
当麻「納得してもらたのか?それならいいけど」
当麻「まあそういうことだから分かってもらえるか?」
絹保「お兄様のお考えが分かりましたからわたくしは何も言う事はありません」
万彬「卒業まで待ちます。ですから・・・他の方を好きにならないでくださいね?」
当麻「がんばります・・・」
絹保「お兄様、先ほどのいやらしい雑誌ですけれど、始末して差し上げます」
当麻「それは自分でやるから気にしなくていいぞ」
絹保「あのような雑誌を読んでいてはお兄様に有害ですわ」
万彬「それにお兄様は未成年ですしお持ちになるのはよくないと思います」
万彬「・・・今気づきましたがこの本どちらでお買い上げに?未成年には売ってくださりませんよね?」
当麻「・・・拾った」
当麻「不良に追いかけられて隠れてた所にあったからその・・・持って帰った」
絹保「拾ったものでしたら始末してもよろしいでしょう?」
当麻「分かった・・・」
絹保「では早速始末して参りますので」ニコ
万彬「少しお待ちください」ニコ
当麻(怖すぎる・・・目が笑ってない・・・)
・・・・・・
絹保「終わりましたよ」
万彬「これでもう大丈夫ですわ」
当麻「ありとうな・・・」
当麻「あーあ・・・」
絹保「お兄様そんなにあの本が気になるのですか?」
当麻「・・・男ってそういうもんだからな」
絹保「・・・お見せしましょうか?わたくしの裸・・・」
当麻「いやいい!そこまで言われたらもうどうでもいい!」
当麻「だからしなくていい!」
絹保「そうですか・・・」
絹保「お兄様、お休みはご予定はありますでしょうか?」
当麻「ないけど?」
絹保「遊園地のチケットを3枚ほどいただいたので一緒に行ってくださいませんか?」
当麻「遊園地か・・・行こうか」
絹保「では何時に出発しましょう?」
当麻「8時ぐらいでいいんじゃねえか?」
万彬「お兄様、バナナはおやつに入るのでしょうか?」
当麻「遠足か!」
当麻「じゃあ今日はもう寝るか」
絹保「あ、少しお待ちください」
万彬「写真写真・・・」
当麻「ん?二人とも何かやる事があるのか?」
絹保「枕の下に写真を入れるとその方の夢を見れるそうですから試してみたいのです」
万彬「お兄様の・・・写真を///」
当麻「いい夢見れるといいな。じゃあおやすみー」
絹保「おやすみなさい」
万彬「おやすみなさい」
当麻「おい、遊園地行くぞ」
絹保「んん、お兄様・・・スしてください」
当麻「ゆ・う・え・ん・ち」
バッ
絹保「お兄様、デートですわ!」
当麻「うわ、びびった!」
当麻「万彬、置いてっちまうぞ?」
万彬「おにいさま・・・むにゃむにゃ」
当麻「万彬起きろ、デートするんだろ?」
万彬「デート!早くお出かけいたしましょう!」
当麻「今度からこうやって起こすか」
当麻「二人ともよく眠れたか?」
絹保「はい」
万彬「眠れました」
当麻「写真のやつは効果あったか?」
絹保「はい///」
万彬「効果テキメンでした///」
当麻「どんな夢をみたんだ?」
万彬「お兄様と抱き合ってゴロゴロと・・・」
絹保「いいな」
当麻「ふ、ふーん!絹保はどうだったんだ?」
絹保「わたくしはお兄様と・・・お兄様と///」
当麻「俺と、なんだ?」
絹保「お兄様と・・やっぱり言えませんわ///」
当麻「言いたくなければ言わなくていいぞ」
絹保「いえ、言いたいのですけれど口にするのも恥ずかしいのです///」
当麻「どういう夢だよ」
当麻「まあとにかく着替えて出かけようか」
・・・・
当麻「じゃしゅっぱーつ!」
当麻「まずはコーヒーカップにしようか」
絹保「目が回ったら介抱よろしくお願いしますわね」
万彬「わたくしもたぶん耐えられませんのでお願いいたします」
当麻「俺も自身なくなってきた・・・」
・・・・・・
絹保「きゃああああああ」
万彬「おにいさまあああああ」
当麻「うおわああああ」
絹保「おにいさま・・・」@@
万彬「おにいさま、抱きしめてください・・・」@@
当麻「ちょっとキツかったから休もう」
当麻「治まったか?」
絹保「はい、なんとか」
当麻「二人ともジェットコースターは無理そうだな」
万彬「今日は回避いたしましょう・・・」
当麻「じゃあ次はお化け屋敷行こうか」
絹保「お兄様、手をつないでいただけますか?」
万彬「離れないように手をつなぎましょう」
当麻「ちょっと力入りすぎてないか?」
絹保「絶対に、絶対に、離さないでくださいね?」
万彬「決して、決して、怖くなどありませんわ」
当麻(怖いんだな)
当麻「さーてお化けさんはどこかしらーっと」
グギギギギ
当麻「二人とも怖いからって力みすぎだぞ」
絹保「お、お兄様、も、もう少し近づいても、よ、よろしいですか?」
当麻「いいって言う前からくっついてるじゃねえか」
パキッ
万彬「きゃあ!」
当麻「ただの木の枝だぞww」
お化け「グゴガアアアアアア」
絹保 万彬「イヤアアアアアア!!」ギュウ
当麻「うわっ!」
お化け「ガアアアア」
絹保「お兄様!」
万彬「お助けください!」
当麻「こ、こら、そんなにくっつかれたら歩けないぞ」
絹保「で、でも・・・」
万彬「体が勝手に動いてしまうのです・・・」
当麻「こうしたら・・・」ギュウ
絹保「あっ・・・」
万彬「お兄様?」
当麻「安心したか?」
絹保「はい、とても」
万彬「お兄様に守られているようですわ」
当麻「怖くない、怖くないぞ」
お化け(早くどっか行ってくれ)
絹保「お兄様」
万彬「お兄様」
当麻「なんだ?」
絹保「大好きです」
当麻「そ、そう」
万彬「わたくしも大好きですわ」
当麻「こんな時に言わなくてもいいだろ・・・」
お化け「・・・」
当麻「ほら、お化けの人も早く行けって」
・・・
絹保「お化け屋敷楽しかったですわね?」
当麻(二人がベタベタくっつくから驚けなかったな。お化けさんごめん・・・)
万彬「次はどこにいたしましょう?」
当麻「フリーフォールか。あれやってみようぜ」
当麻「わくわくしてきたな」
きゃあああ
絹保「まぁ・・・」
万彬「・・・」
当麻「俺たちの番だな」
当麻「おー高いなあ」
絹保「お兄様は怖くないのですか?」
当麻「まだ怖くないな」
万彬「お兄様はお強いですわね・・・」
当麻「そろそろ落ちる頃かな」
ビューーーン
絹保「やあああああ」
万彬「落ちてますわああああ!」
当麻「いてええええ!手が砕けるううう!離せえええ!」
当麻「いだだだだ!」
絹保「ふぅ・・・」
万彬「もう終わりですか?」
当麻「いたた、二人ともすげえ怪力だな」
当麻「時間的に最後は観覧車だな」
絹保「観覧車ってカップルで乗るイメージがあります」
当麻「一人で乗るのは勇気がいりそうだな」
当麻「じゃ入ろうか」
絹保「座り心地よくありませんわね」
万彬「クッションになるものがあると良いのですが」
当麻「そうだな」
当麻(なんとなく向かいに座ってしまった)
絹保「建物が小さく見えますわね」
当麻「そうだなあ」
万彬「お兄様、こちらにいらっしゃいませんか?」
当麻「いやいいよ、せまくなっちゃうからな」
万彬「そうですか・・・」
万彬「ではそちらに行っても構いませんか?」
当麻「いいけど狭くなるぞ?」
万彬「お兄様のお傍にいられるなら関係ありません」
当麻「じゃあおいで」
絹保「お兄様、わたくしもお隣失礼させてください」
当麻「じゃあ絹保もこっち来な」
当麻「暗くなってきたけど寒くないか?」
絹保「お兄様とこうしていれば温かいですわ」
万彬「温かい」
当麻「楽しかったか?」
絹保「ええとても」
万彬「また来ましょう」
当麻「そうだな、1年に一回は行きたいな」
・・・・
絹保「・・・」
万彬「・・・」
当麻「・・・」
当麻(会話が続かねえな)
絹保「お兄様、あちらの方々・・・」
当麻「ん?ああカップルだな」
絹保「キスされてますわ・・・」
万彬「まあ///」
当麻「興味心身にじろじろ見るのはよくないぞ、プライベートなんだから」
絹保「失礼いたしました///」
万彬「じろじろは見ていませんわ///」
絹保「・・・」
万彬「・・・」
当麻「・・・」
絹保「お兄様目を閉じてくださいませんか?」
当麻「こうか?--」
絹保「///」
万彬「///」
絹保「んー」
万彬「んー」
チュッ
当麻「え、なになに?」
絹保「ほっぺにキス、ですわ///」
万彬「ほっぺにするのにも勇気がいるものなのですね///」
当麻「Fooooooo!!!」
絹保「今日は思い出の遊園地デートになりましたわね」
当麻「そ、そうだな」
万彬「お兄様、お顔が赤いような・・・」
当麻「ちょっと血行が良くなりすぎてるだけだ」
当麻「じゃあお土産買って帰ろうか」
絹保「三人で同じキーホルダーを買うのはいかがでしょう?」
万彬「いいお考えですわ。お兄様もそうしましょう?」
当麻「そうだな、じゃあミッツ買おうか」
・・・・・
当麻「今日は楽しかったな・・・」
絹保「Zzz」
万彬「Zzz」
当麻「嬉しそうな寝顔してるな」
当麻「・・・妹にキスされちゃったな」
当麻「ううん///」
当麻「寝るか」
当麻「きぬほー?まあやー?デートするぞー」
絹保「どちらに行くのですか?」
万彬「どちらに行くのですか?」
当麻「おはよう」
絹保「お兄様、どちらでデートするのですか?」
当麻「二人を起こすための嘘だ。悪いな、はっはっは」
絹保「むっ」
万彬「むっ」
・・・・・
絹保「」ぷいっ
万彬「」ぷいっ
当麻「・・・」
当麻「なあ、謝るから許してくれよ」
絹保「知りませんわ」ぷいっ
万彬「デートを軽く扱った罰ですわ」ぷいっ
当麻「はぁ・・・」
当麻「つちみかど~」
土御門「どうしたんだにゃー?」
当麻「妹が口聞いてくれないんだよ~。どうしたらいいんだー?頼む、助けてくれよー」
土御門「何があったのか聞かせてほしいぜよ」
当麻「それがな」
・・・・・
土御門「・・・」
当麻「それで口聞いてくれねえんだよ。どうしたらいい?」
土御門「カミやん」
当麻「うん?」
土御門「なーにやってるんだにゃー!」
当麻「な、なんだよ!」
土御門「んなこと言ったら怒るのも無理ないにゃ」
当麻「じゃあどうしたら許してくれるんだよ?」
土御門「謝罪して許してもらってデートに誘って彼女たちのハートをグッと掴むんだにゃー」
当麻「さすがだな、じゃあ行ってくる!」
土御門「がんばるんだにゃー」
当麻「ただいま」
当麻「まだ戻ってきてないのか」
当麻「よし謝罪の練習しておこう」
当麻「えー、絹保、万彬、朝は悪かったこの通りだ」
当麻「お詫びにプールで一緒に泳がないか?」
当麻「これで大丈夫だろう。早く来ないかな」
ガチャ
当麻「絹保、万彬、朝は悪かった!この通りだ!」
当麻「お詫びにプールで一緒に泳がないか?」
婚后「プール?あなたの頼みでしたら行って差し上げてもよろしくてよ?」
当麻「やっちまったあ!」
婚后「やってしまったとはどういった意味での発言なのか教えていただけますこと?」
当麻「絹保と万彬に謝るためにいったつもりだったんだ・・・」
婚后「そうでしたの・・・」
当麻「これじゃあもう仲直りできねえよ・・ウワーン」
婚后「・・・お二人とももうよいのではなくて?」
「ええ」
絹保「お兄様、もういいですわ。わたくしこそお兄様と口を利かなかったを許してくださいますか?」
万彬「お兄様、申し訳ありませんでした」
当麻「二人が謝る事なんかねえよ、全面的に俺が悪いんだから」
絹保「いいえ、わたくしが悪いのです・・・」
万彬「わたくしだって・・・」
当麻「それならさ、俺と一緒にプールに行こう。それでチャラにしようぜ」
絹保「お兄様はそれでよろしいのですか?」
当麻「もちろん。っていうか来てくれるのか?」
絹保「ぜひともお兄様と行きたいですわ」
万彬「いつですか?今日ですか?」
当麻「じゃあ明日行こうぜ」
婚后「仲直りできたようでよかったですわ。それでどちらのプールに行くご予定ですの?」
当麻「一応近くの市民プールにでも・・・」
婚后「市民プールなんて他の客がいて騒がしいですわ。ここはわたくしにいい方法がありますわ」
ピッピッ
婚后「もしもし?婚后光子ですわ。少々お願いしたい事があるのですけれど・・・」
婚后「・・・では、そういうことで」
当麻「なあ、一体何をしたんだ?」
婚后「明日になってのお楽しみですわ」
当麻「?・・あ、そうだ、よかったら光子ちゃんも一緒に行かないか?」
婚后「わたくしも?」
当麻「俺と二人が仲直りできたのも光子ちゃんのおかげだ。だから一緒にどうだ?」
婚后「わたくしお邪魔では?」
絹保「婚后さんも一緒にいらっしゃいませんか?」
万彬「お兄様の言うとおりですわ」
婚后「そ、そういうことにしておいてあげますわ!」
婚后「で、ではわたくしこれから用事ありますので失礼いたしますわ」
当麻「ありがとなー」
婚后「///」
当麻「忘れ物ないか?」
絹保「確認いたしました」
当麻「じゃあ行こう」
当麻「・・・と思ったけど光子ちゃんは?」
万彬「ちょっと準備があるそうなので先に行ってほしいと」
当麻「じゃあ先に行こうか」
当麻「せっかく一緒に行くんだし泳ぎとか教えてくれるか?」
絹保「お兄様は泳げないのですか?」
当麻「泳げるけど二人って水泳部に入ってるから少し教えてもらおうかと思ってさ」
絹保「では手取り足取り教えて差し上げますわ」
当麻「よろしく頼むな」
万彬「お兄様ならきっとすぐに上達されますわ」
当麻「ここがプールだな」
当麻「・・・あれ?今日貸切になってるぞ?」
絹保「お兄様、お調べにならなかったのですか?」
当麻「いやだって大丈夫だとばかり・・・」
万彬「お兄様、よく見てください」
当麻「どれだ?」
万彬「貸切をした方のお名前が・・・」
当麻「上条当麻様ご一行の貸切・・・」
当麻「なんだってー!俺何にもしてねえぞ、どうなってるんだ?」
当麻「とりあえず中に入って話を聞いてみるか」
当麻「あの、上条と言いますけど」
「いらっしゃいませ、本日は貸切ですのでお時間までお楽しみください」
当麻「はぁ」
絹保「着替えて待ちませんか?」
当麻「そうだな、そうするか」
当麻「あった、更衣室」
当麻「じゃあ中で落ち合おう」テクテク
絹保「お兄様、そちらは女性の更衣室ですわ」
当麻「おっとっと」
万彬「とても自然な形で入ろうとなさいましたね」
当麻「いやわざとじゃなくて本当に入ろうとしてた」
当麻「本当に誰もいないんだな」
当麻「誰もいないといえば・・・」
当麻「一度は誰もいない所で素っ裸でウロウロしたいよな」
ウロウロウロウロ
当麻「よし」
当麻「じゃあ二人を待たせちゃ悪いし行くか」
当麻「とっとっと、素っ裸で行く所だった」
当麻「おーい待った?」
絹保「いえ、わたくしたちも今来た所ですわ」
当麻「二人の水着はやっぱりそれか」
万彬「これしかありませんし気に入っていますから」
当麻「そうだな、よく似合ってるぞ」
絹保「お兄様、わたくしは似合っていますか?」
当麻「ああ、絹保もいいと思うぞ」
当麻「っていうかここ・・・市民プールだよな?」
絹保「いかがなさいました?」
万彬「なにかお気づきになられたのですか?」
当麻「なんかすんごい高級感があるしそこら辺にはないようなビーチチェアとかあるし・・・」
絹保「たしかに・・・」
婚后「驚きましたこと?」
当麻「光子ちゃん?もしかしてこれ光子ちゃんがやったのか?」
婚后「ええ、わたくしがこちらの土地を購入して家の者が内部に少し手を加えましたの」
当麻「へ、へえ・・・」
婚后「そんなことよりも、いかがですの?このわたくしのパーフェクトボディは?」
当麻「でけえ・・・ビリビリとは全然違うな」
婚后「おほほほ、いくらでも見ていいのですのよ?」
絹保 万彬「お兄様!」
当麻「あ、うん・・・」
当麻「そろそろ泳ごうか」
絹保「そうですわね」
婚后「わたくしはこちらで飲み物でも飲んで待っていますわ」
当麻「泳がないのか?」
婚后「疲れますから」
当麻「じゃあ泳ぎたくなったらおいで」
当麻「二人は背泳ぎ出来るか?」
絹保「ええできますわ」
万彬「それほど難しくはありませんわ」
当麻「じゃあ背泳ぎ教えてくれるか?」
絹保「背泳ぎですわね。かしこまりました」
万彬「それではまず仰向けになって浮く事からはじめましょう」
絹保「わたくしがお兄様のお体を支えますのでお兄様はお力を抜いてください」
当麻「こうか?」
万彬「お兄様、足が曲がっていますわ」
当麻「これでいいか?」
万彬「ええ」
絹保「では離しますわ」
当麻「お、初めてにしては・・・うわ、沈む!」
絹保「お体を水平にしてください」
当麻「こう?」
絹保「ええ、そうです」
当麻「おお、浮けた」
絹保「では、そのまま少し泳いで見てください」
当麻「こんな感じだったよな・・・お、泳げる泳げる」
万彬「飲み込みが早いですわね」
当麻「二人の指導がいいからだな」
絹保「後は足が下がるのを直しましょう」
絹保「わたくしと万彬さんで足を支えますから気になさらないでください」
当麻「じゃ遠慮なく」
バシャバシャバシャ
絹保「お兄様、曲がっています。・・・そうです、それでいいのです」
当麻「おりゃー」
ボヨン
絹保 万彬「!!」
当麻「今俺どこ蹴った?」
絹保「胸です、わたくしたちの・・・」
万彬「わざと蹴られましたか?」
当麻「上条さんワザとやるようなことはしねえです絶対!」
当麻「い”い”っ!つったー!」ぶくぶく
絹保 万彬「お兄様!」
当麻「うぐぐぐ沈むう!助けてー!」じたばた
万彬「落ち着いてくd、きゃあ!どこをおさわりになられているのですか!」
当麻「いたいたい!」
絹保「そんなに抱きつかれたら支えられませんわ!」
婚后「大変ですわ、ここはわたくしが!」スタタタ
婚后「今助けますわ!」ドバーン
婚后「っ!あ、足が・・・」
当麻「光子ちゃん!」ばしゃばしゃ
当麻「光子ちゃん、大丈夫か!ほら、俺に捕まって!」
婚后「上条さん・・・」
婚后「助けるつもりが助けられてしまうなんて情けないですわ・・・」
当麻「その気持ちだけでいいよ」
婚后(ああ、上条さんとこんなに抱き合う時がくるなんて・・・)
当麻「近い近い!非常に近い!爆弾が目の前にぃ!)
当麻(しかも駅弁状態になっちゃったし・・・)
当麻「婚后サン?もう足大丈夫?」
婚后「い、いえ、まだ痛みが・・・」
当麻「そ、そう・・・」
婚后(つい嘘をついてしまいましたわ・・・)
婚后「上条さん・・・」
当麻「どうした?」
婚后「もう少しこのまま・・・よろしいでしょうか?」
当麻「まあ病人だしいいよ」
婚后「ありがとうございます」
絹保 万彬「うーん・・・」
絹保「・・・」むーっ
万彬「・・・」むーっ
当麻(ちょっと怒ってるぞ・・・ちゃんと処理しないと好感度が下がっちゃいそうだな)
当麻「光子ちゃん、プールから上がって休もう?」
婚后「そうですわね」
当麻「じゃあ向こうまでこのまま運ぶぞ?」
婚后「よろしくお願いしますわ」
絹保 万彬「・・・」
当麻(背中にグサグサ刺さるっ!)
当麻「お姫様どうぞ」
婚后「ありがとうございます」
当麻「足はもう大丈夫か?」
婚后「おかげさまで大丈夫ですわ」
当麻「もう無茶はしちゃだめだぞ?」
婚后「ええ」
当麻「俺はもう少し泳いだらまた戻ってくるから、それまでおとなしくしてるんだぞ?」
婚后「ご心配ありがとうございます」
当麻「いいんだよ、光子ちゃんは俺にとって妹みたいなもんだから」
婚后「妹・・・ですか」
当麻「じゃあ行ってくるなー」
婚后(妹・・・。妹もいいのかもしれませんわね)
当麻「おまたー」
絹保「婚后さんとどのようなお話を?」
当麻「うん?いや光子ちゃんは俺にとって妹みたいなって話をしただけだけど?」
絹保「妹ですか?」
当麻「ああ、常盤台のみんなは妹みたいなもんだよ」
絹保「そうですか」
万彬「みなさんお兄様の妹・・・。ではわたくしたちは?」
当麻「特別な存在、かな?」
絹保「特別っていいですわね」
万彬「ええ」
当麻「休憩しようか」
絹保「のどが渇きましたわね・・・」
婚后「もしもし、飲み物持ってきてくださる?」
「みなさま、お飲み物をご用意いたしました」
当麻「ど、どこから・・・これ飲んでも大丈夫か?」
婚后「もちろんですわ、外国から取り寄せた高級フルーツ牛乳ですわ。女性には胸の発達が促進される効果もあってセレブに人気の・・・」
絹保「いただきます」ごくごく
万彬「いただきます」ごくごく
婚后「ふふふ」ごくごく
当麻「なんちゅう高級なものを・・・。ところで男が飲んでも胸がでかくなるのか?」
ぶーーー
当麻「あ、悪い変な事いっちまって」
当麻「あー、少し疲れたな」
絹保「とてもがんばられましたから」
当麻「少し横になろうかな」
絹保「わたくしもお隣に・・・」ぴた
万彬「わたくしも失礼させていただきます」ぴた
当麻「こいつ重さに耐えられるのか?」
婚后「1000人乗っても大丈夫ですわ、乗れませんけれど。あの、わたくしもそちらにいってよろしいでしょうか?」
当麻「妹だしいいぞ」
婚后「お二人とも失礼しますわね」ぴた
当麻「うぎゃー、妹まみれだああ」
当麻「なんか汗かいてきたからお風呂入りたいな」
婚后「あちらに温泉がありますわよ?」
絹保「プールと温泉が一緒にあるなんて珍しいですわね」
婚后「本物の温泉ではありませんけれど本物に限りなく近いですわ」
当麻「もうなんでもありだな」
婚后「混浴も出来ますからご一緒しませんか?」
絹保「一緒に入りましょう?」
万彬「早く行きましょう」
当麻「腕が折れるー」
当麻「ほんとに入るの?光子ちゃんもいるのに?」
婚后「わたくしだけ仲間はずれにするおつもりですか?」
当麻「そうじゃないけどでもなあ」
婚后「わたくしがいいと言っているのですからいいのです」
当麻「じゃあ」
当麻「温泉だなあ」
絹保「温泉ですわね」
万彬「温泉です」
婚后「極楽ですわ」
当麻「おっさんみたいなこというなあ」
婚后「な、お、おっさん!」
当麻「今日はありがとな楽しかったよ」
絹保「わたくしも楽しかったですわ」
万彬「みなさんで一緒にいるのはいいですわね」
婚后「今度は御坂さんたちも呼んで来ましょうか」
当麻「俺がいたらこないんじゃないか?」
婚后「きっときますわよ」
絹保「絶対に来てくださると思いますわ」
万彬「そう思いますわ」
当麻「なんで分かるんだ?」
絹保「女の勘ですわ」
婚后「ですわね」
当麻「女の勘って便利だな」
当麻「もう帰らないと寮監さんに怒られちゃうな」
絹保 万彬 婚后「!!!」ガクガクガク
当麻「ど、どうした?」
絹保「寮監に・・・」
万彬「怒られたら・・・」
婚后「早く帰りますわ!」
当麻「あんなに慌ててどうしたんだ?」
・・・・・・
当麻「あんなに急いで帰らなくても良かったんじゃないか?」
絹保「お兄様には寮監の恐ろしさが分かっていないからそう言えるのですわ」
万彬「規則をやぶったのが見つかったら・・・怖くて口にも出せませんわ」
当麻「そ、そうなんだ・・・まじめな人っぽいしな」
婚后「ではわたくしは自分の部屋に戻りますわ」
当麻「今日はありがとな、また一緒に遊べたらいいな」
婚后「そうですわね、ではごきげんよう。・・・お兄様」
当麻「ああ!」
絹保「お兄様?」
万彬「お兄様と呼ばれましたわね」
当麻「第3の妹、ってとこだな」
絹保「お兄様、今日はお父様とお母様がいらっしゃるので外出はなさらないでください」
当麻「はいはい、父さんと母さん・・・今日?」
絹保「はいお昼です」
当麻「俺にはなんの連絡も無かったぞ?つうか昼って・・・」
絹保「
刀夜「三人とも元気にしてるか?」
詩菜「あらあら、三人はとっても仲良しなのかしら」
当麻「父さんに母さん!なんで前もって連絡してくれないんだよ」
刀夜「そっちのほうが面白いじゃないか」
当麻「こっちに都合があったらどうするつもりだったんだよ・・・」
刀夜「こうしてあえたんだからいいと思うぞ」
当麻「なんでそうなるんだ」
詩菜「絹保さん万彬さん元気にしてたかしら?」
絹保「はいお母様」
万彬「お兄様のおかげで元気にしています」
詩菜「当麻さんは刀夜の悪い所を受け継いでるから二人をいつも困らせてるのかしら?」
絹保「いえ、お兄様はとてもお優しくてむしろわたくしがお兄様を困らせてしまったり・・・」
万彬「お兄様はとてもよくしてくださいますから困らせるなんていうことは・・・たまに」
詩菜「あらあら、具体的に教えてもらえるかしら?」ひそひそ
絹保「例えば・・・」ひそひそ
万彬「このような・・・」ひそひそ
詩菜「あらあら、当麻さんには少し矯正をする必要があるのかしら」
刀夜「・・・当麻、少し男だけで話をしようか」
当麻「なんだよ父さん?」
刀夜「特に意味はないんだ、別に身の危険を感じたとかそういうわけじゃないぞ!」
詩菜「今日はこれからみんなでご飯を食べに行く予定じゃなかったしら?」
刀夜「みんな一緒にご飯を食べに行こう」
絹保「はいお父様」
万彬「はじめてお兄様と家族でお食事をするのは」
当麻「そういやそうだな」
当麻(うわ、あのお姉さん際どいなあだがそこがいい)
刀夜(なかなか・・・)
絹保「さきほどからあちらの女性を・・・」
万彬「見つめていらっしゃいますわね・・・」
詩菜「」ニィィ
当麻「!?」
刀夜「!?」
当麻 刀夜「か、母さん?」チラ
詩菜「刀夜さんも当麻さんも素敵な女性は見つかったのかしら?」ニィィ
当麻 刀夜「ごめんなさいごめんなさい」
当麻(こ、怖すぎる・・・)
当麻「」ガタガタ
詩菜「あら、当麻さんどうしたのかしら」
当麻「足が勝手に震えて・・・」
詩菜「あらあら。それじゃあお母さんが手を貸してあげようかしら?」ニコ
当麻「い、いい!」
詩菜「当麻さんは反抗期かしら。じゃあ絹保さんと万彬さんに手を貸してもらったらどうかしら」
当麻「お願いしていいか?」
絹保「もちろんですわ」
万彬「一緒に歩きましょう」
刀夜「母さん、足が・・・」
詩菜「」ニィィ
刀夜「母さん、その手に持ってる石ころは?」
ヒュンヒュンヒュン
刀夜「母さん、悪かった許してくれー!」ひょいひょい
当麻「」ブワッ
刀夜「」ブワッ
詩菜「あらあら。二人ともなみだ目になってるけど怖いものでも見たのかしら?」
当麻「なんにもみてない!」
刀夜「ああ、なんにもみてない!」
詩菜「もう着いたわ。人もあまりいないからのんびりしましょう?」
絹保「お兄様、もう少しくっついてもよろしいでしょうか?」
当麻「ちょっと近くないか?」
万彬「お兄様、服装乱れていませんか?」
当麻「ボタンが一個ずれてるぞ」
刀夜「この間あったばかりだというのにもうそんなに仲良くなったんだな」
詩菜「すっかりお兄ちゃんらしくなってお母さん頼もしいわ」
・・・・・・・
詩菜「ではいただきましょうね」
当麻「いただきまーす」
絹保「いただきます」
万彬「いただきます」
当麻「うまい」
絹保「お兄様、あーんしていただけますか?」
当麻「ここでか!」
絹保「こっそりと・・・お願いできますか?」
当麻「一回だけだぞ。ほら」
絹保「幸せですわ」
万彬「お兄様、わたくしにもしてください」
当麻「ほれ、あーん」
万彬「これ以上の幸せはありませんわ」
詩菜「あらあら。二人とも身も心もお兄ちゃんに奪われちゃったのかしら」
当麻「ごふっげほっ!」
詩菜「あらあら。当麻さんは嘘を隠せないみたいね」
詩菜「それじゃあ本題に入るけど絹保さんと万彬さんは当麻さんの事をどう思っているのかしら?」
絹保「お兄様の事を、ですか?」
詩菜「当麻さんをお兄ちゃんとして好きなのかそれとも男の子として好きかしら?」
絹保「そのようなこと、お父様とお母様に申し上げてよいのですか?」
詩菜「三人は私の子供よ。だからなんでも話していいのよ?」
絹保「わたくし、お兄様の事を殿方として好きですわ」
万彬「わたくしもお兄様の事が好きです。お兄様としても殿方としても」
詩菜「あらあら。それじゃあこの話は寮に戻ってからにしましょうか」
刀夜「そうだな」
帰宅
刀夜「お茶を飲みながら話の続きをしようか」ずーっ
詩菜「絹保さんと万彬さんは当麻さんとABCのどこまでいったのかしら?」
刀夜「か、母さん、そういう話は・・・」
当麻「ABCってなんだ?マイケルジャクソンの?」
絹保「ABC・・・?」
万彬「ABC・・・」
絹保(Aは「遊ぶ」?Bは・・・「バス」、一緒に入浴でしょうか?ではCは「cookie」クッキーですわね)
絹保「全部しました」
刀夜「ブフーッ」
詩菜「あらあら、刀夜さんアニメみたいに吹いちゃって」
当麻「なあ、ABCってなんの話?」
詩菜「うふふ、なんでもないのよ、気にしないで」
詩菜「いつから好きになったのかしら?」
絹保「お兄様と一緒に暮らすようになってからですわ」
万彬「デートをしたり一緒にお風呂に入ったりして仲を深めていく内に好きになりました」
詩菜「若いわねえ。お母さんにもそういう時期があったわ」
詩菜「告白はしたのかしら?」
絹保「はいしました」
詩菜「絹保さんもかしら?」
万彬「私も告白しました」
詩菜「当麻さん、返事はきちんと返したのかしら」
当麻「ちゃんと言ったよ。もうちょっと待ってくれって」
詩菜「あらあら、意外と大人な対応ね」
当麻「そういうもんじゃないのかな」
刀夜「二人はよっぽど好きなんだな」
詩菜「当麻さんのことをを見つめっぱなしですから」
刀夜「さて、父さんたちの結論、もちろん絹保と万彬のお母さんもだけど」
絹保「」シャキッ
万彬「」シャキッ
刀夜「特にどうこう言うつもりはないよ、まだ保留みたいだしな」
刀夜「それに初対面のお年頃の男の子と女の子の兄弟が一緒になったらそういうこともあるとは思っていたから」
絹保「それはつまり・・・?」
万彬「お兄様とお付き合いをしてもよいということでしょうか?」
刀夜「三人が本気なら止めないよ。それが幸せならそれでいいんじゃないか?」
絹保「お父様、お母様、ありがとうございます」
万彬「本当に、本当にいいのですね?嬉しいですわ」
当麻「あんなこと言っちゃってほんとにいいの?」
詩菜「当麻さん、浮気したらオシオキしちゃおうかしら?」ニィィ
当麻「ウンウン!ゼッタイシナイ!」
刀夜「それじゃそろそろおいとましようか」
当麻「もうちょっとゆっくりしていけばいいのに」
刀夜「もともと長居するつもりじゃなかったからな。それじゃあ三人とも元気にしてるんだぞ」
詩菜「仲良くしているのよ」
絹保「はいお母様、お父様」
万彬「ありがとうございました」
当麻「寮の前まで送っていくよ」
刀夜「じゃあそうしてもらおうか」
刀夜「それじゃあ当麻、二人のことは頼んだぞ」
当麻「分かってるよ」
詩菜「病気には気をつけるのよ?」ニコ
当麻「うん」
詩菜「それから・・・」
詩菜「女の子に目移りしたらダメよ?」ニィィ
当麻「」ブンブン
詩菜「それじゃあまたね」
当麻「気をつけてね」
当麻「部屋に戻るか
・・・・
絹保「今日はお会いできてよかったですわ」
万彬「お付き合いはだめといわれたらどうしようかと思いましたけれど」
当麻「学園都市補正もあると思うけどな」
当麻「そういえば二人は母さんと会ったことあるのか?」
絹保「ええ、こちらに来た際にはお会いしていますわ」
万彬「とてもよくしてくださいます」
当麻「そうだったのか」
当麻「ちょっと疲れたな」
絹保「お兄様、耳かきして差し上げましょうか?」
当麻「いいのか?」
絹保「もちろんですわ」
万彬「片耳づつ交代ですわ」
当麻「じゃあ耳かきしてもらおうかな」
・・・・・・
当麻「ああ、気持ちよかった」
絹保「それはなによりですわ」
当麻「なんか疲れちゃったしこのまま寝ちゃいたいな」
万彬「ここで寝たら風邪を引いてしまいますわ。・・・今日はわたくしのベッドにいらっしゃいませんか?」
当麻「そうしよう。絹保もいいよな」
絹保「いつでも一緒ですから」
当麻「それじゃベッドにダーイブ!」
当麻「暇だな」
絹保「お兄様、お暇でしたらわたくしたちとデートいたしませんか?」
万彬「映画館にでも行きましょう」
当麻「デートねえ、まあ丁度いいか」
絹保「お兄様、お支度を急いでください」
万彬「わたくしたちすでに着替えましたので」
当麻「二人とも準備がいいな」
・・・・
当麻「で、どんなのを見るんだ?」
絹保「ピューマの休日という映画を・・・」
当麻「なんか安物のパクリ映画っぽい気がするなあ。しかも動物かよ」
絹保「恋愛作品だそうです」
当麻「恋愛映画?妹と恋愛映画ってどうなんだ?」
万彬「わたくしたちと恋愛をしているのですから気にされる必要はないのではないでしょうか?」
当麻「そこは気にするべきなんじゃないか?」
当麻「・・・客全然いないぞ」
絹保「あちらの方に女の子がいますわね」
当麻「世の中には変わり者がいるんだな」
万彬「席はどこでしょう?」
当麻「そこみたいだな」
当麻「お、始まる」
ニギニギ
当麻「どうした?」
絹保「手を繋ぎたいのです、構いませんか?」
当麻「もちろん」
万彬「わたくしも」
ニギニギ
絹旗「なんなんですかあのカップルだかなんだかよく分からない人たちは」
チュッチュッチュッ
当麻「なんなんだこの映画は」
絹保「・・・」
万彬「まぁすごい・・・」
当麻「さっきからチューしかしてねえじゃねえか」
絹旗「なかなか超深い作品ですね、期待以上ですね」
絹保「お兄様、キスしていただけますか?///」
万彬「わたくしにも・・・お願いいたします///」
当麻「キス食べてみたいな。天ぷらがおいしいみたいだけど」
絹保「そのキスではなくてチューする方のキスです」
万彬「お分かりなのに知らんぷりされましたね?」
当麻「こういうところでできるわけねえだろ、女の子がいるんだから」ひそひそ
絹保「こういうところでするのがカップルですわ」
当麻「まだ付き合うっていってねえぞ?」
万彬「今しても何年か経ってからしてもそれほど変わらないですわ」
当麻「まあそうかも知れないけどさ・・・もういいや」
当麻「んー」
絹保「んー」
チューーーーーーー
絹保「わたくしのファーストキスですから、いつまでも覚えていてくださいね?」
当麻「忘れられるわけがないだろ」
万彬「お兄様、んー」ーзー
当麻「はいはい、んー」>з<
チュー
万彬「夢に出てきそうですわ///」
当麻「俺も」
絹旗「あそこの人たちは映画を超冒涜していますね」
絹旗「上映中にキスなんて信じられない行為です、最悪です、近頃の若い人は映画の見方を知らないんでしょうか全く!」
チュッチュッチュッ
当麻「もう終わっちゃったのか」
絹保「以外と面白かったですわね」
万彬「まだ入ったばかりの感覚ですわ」
当麻「そうだな、また来ようか」
絹保「お兄様、手を繋いだまま帰りましょう」
万彬「手を離したら罰ゲームですわ」
当麻「二人こそ離したら罰ゲームだぞ?」
トコトコ
絹旗「期待していたのに超集中力が途切れました、あの人たち今度会ったらマナーを一から刻み込んであげます」
bbbbb
当麻「ん、メールだ」
絹保「どなたからですか?」
当麻「母さんからだ」
絹保「なにかあったのでしょうか?」
当麻「当麻さんもうキスしたかしら?だって」
絹保「していしまいましたね」
万彬「それもたくさん///」
当麻「しちゃった、っと」
bbb
当麻「返信はやいな、映画館で堂々とするなんて当麻さんなかなかやり手なのかしら?」
当麻「映画館に母さんいたか?」
絹保「いえそんなはずは・・・」
万彬「お母様たちはお帰りになったのではないのですか?」
当麻「聞いてみようか。なんで知ってるんだ?」
当麻「・・・なになに、おいとまするとは行ったけど家に帰るとは言ってない、だと・・・」
詩菜「三人とも映画館は楽しかったかしら?」
絹保「お母様!」
万彬「楽しかったというか恥ずかしかったというか」
当麻「帰ったんじゃないの?」
詩菜「事件は次の日に起こるのが定番よ」
当麻「事件てなんだよ」
詩菜「子供の成長が見られてお母さん幸せ」
当麻「と、父さんは?」
詩菜「買出し中よ。特売セールをやってたからお願いしちゃったの」
当麻「そうなんだ」
詩菜「お母さんたちがデートをしたときと同じ作品をやってたから予約しておいたんだけど三人が同じ映画をみるなんてやっぱり親子かしら」
当麻「そうかも・・・」
絹保「運命ですわね」
万彬「やっぱりわたくしたちは赤い糸で結ばれているのですわ」
当麻「赤い糸ねえ」
詩菜「それじゃあそろそろ刀夜さんの荷物を持ってあげないと、それじゃあ今度こそまたね」
当麻「気をつけてね」
絹保「お気をつけてください」
万彬「またいらしてください」
当麻「まさか見られてるなんてな」
絹保「油断していました」
万彬「まだいらっしゃるかもしれませんわね」
当麻「そこか!」
猫「ニャー」
当麻「なんだ猫か驚かすんだから・・・」
絹保「お兄様、わたくしたちと一緒に喫茶店に行きませんか?」
当麻「たちって絹保と万彬と?」
絹保「あと御坂様と白井さんとですわ」
万彬「ご一緒にいかがですか?」
当麻「うーん、行ってもいいけど二人はいいって言ってるのか?」
絹保「いいそうですわ。わたくしもお兄様に是非きていただけたらとても嬉しいのですけれど」
当麻「じゃあちょっと待ってろ、支度するから」
当麻「待ったか?」
御坂「遅すぎよ、女を待たすんじゃないわよ」
当麻「女って時間にうるさいんだよなあ」
白井「これだから類人猿は」ヤレヤレ
当麻「はいはい、さっさと行こうぜ」
御坂「アンタ達ってホントに仲いいわね」
絹保「お兄様を嫌うなんて出来ませんわ」
万彬「世界で一番大好きな方ですわ」
白井「それほど思っているならさっさと付き合ってしまえばいいですわ」
白井(そして黒子はお姉さまと、ヒヒヒ)
御坂「ちょっと黒子、何言ってんのよ!」
絹保「ですって」
万彬「白井さんいい事を仰いますわね」
当麻「本気にするなよ、冗談で言ってるんだから」
白井「70%本気ですわよ?」
当麻「残りの30%はなんだんだ?」
白井「わたくしの願望のためですわ」
当麻「願望?」
白井「大きな声ではいえませんが、おねえさまああああ」
御坂「な、な、何すんのよ!」
白井「くんかくんか、ハァァァお姉様いい匂いですのおおお」
御坂「やめろっていってんでしょーが!」ビリビリビリ
白井「痺れますのおおおお!これがお姉様からのご褒美ですのねええええ!」
絹保「・・・」
万彬「・・・見ていられませんわ」
当麻「なんなんだこれは」
当麻「おいもうやめろ、うちの妹になんてものを見せるんだ、やめろやめろ」
御坂「見せたくてやってるんじゃないわよ、つい・・・」
当麻「白井大丈夫か?大丈夫そうだけど一応聞いておくけど」
白井「ご心配には及びませんわ、慣れていますもの」
当麻「いつもやってんのか?」
御坂「いつもじゃないわよ、たまに・・・」
当麻「たまにやってるんだな」
御坂「何よその目は!」
御坂「大体アンタは」
当麻「はいはい、ビリビリも白井も少しおとなしくしような」よっこいしょ
御坂「何すんのよ、さっさと下ろしなさいよ!」
当麻「さもないとなんだって?」
御坂「さもないと・・・やっぱなんでもない」
白井「離さないとセクハラで訴えますわよ?」
当麻「俺を挟んでビリビリもいるんだけどな」
白井「ま、まあおとなしくしてあげてもいいですわ!」
白井「フフフ、むしろ好都合ですわ。こうしていれば触りたい放題」
当麻「声に出てるぞ」
御坂「くーろーこー!」
当麻「白井はビリビリが本当に好きだな」
白井「当たり前ですわ」
当麻「がんばれよ」
白井「何をですの?」
当麻「だからビリビリと結ばれるようにだよ」
白井「べ、別に貴方に言われなくてもがんばっていますわ」
御坂「アンタ余計な事言うんじゃないわよ」
当麻「余計な事ってなんだよ、白井は本気なんだぞ?」
御坂「わ、分かってるわよ。・・・なんで私が怒られなきゃ」
当麻「別に怒ってねえよ」
御坂「怒ってるわよ」
当麻「怒ってねえって」
御坂「ぜーったい怒ってる!」
当麻「それはともかく、妹たち」
御坂「誰が妹よ!」
白井「貴方の妹になった覚えはありませんが」
当麻「俺より年下なんだから妹でいいだろ、もう他人じゃないんだからさ」
御坂「変な言い方するんじゃないわよ///」
白井「か、勘違いしないでほしいですわね///」
当麻「はいはい」
絹保「お兄様、またですか」
万彬「またですわね・・・」
当麻「もうついたぞ、後は自分で歩け」
御坂「アンタが勝手に担いだんでしょうが」
白井「全くですわ」
御坂「じゃあ私オレンジジュース」
白井「わたくしも同じものを」
絹保「わたくしは紅茶で」
万彬「わたくしも紅茶を。お兄様は?」
当麻「んじゃ俺コーヒー」
当麻「んじゃ兄弟の杯だな」
御坂「ドラマの見すぎじゃないの?今時そんなの流行らないわよ?」
当麻「こういうのは気分だよ気分」
御坂「・・・まぁいいけど」
白井「仕方なくですわよ?」
絹保「もうしなくていいですわ」
万彬「その通りですわ」
当麻「なんか機嫌を損ねる事言ったか?」
白井「言ったかもしれませんわね」
当麻「なんて言った?」
白井「教える程親切ではありませんわ」
絹保「お兄様、わたくしコーヒーを飲んでみたいですわ」
当麻「飲むか?」
絹保「はい、是非いただきます!」
万彬「その次はわたくしに飲ませてください!」
当麻「全部飲むなよ?」
絹保「いただきます・・・」
当麻「どうだおいしいか?」
絹保「ぅぅぅ・・・苦いですわ」
当麻「絹保にはまだ早かったかな。万彬どうする、止めておくか?」
万彬「いえ、飲みます、飲ませてください!」
万彬「・・・」><
当麻「無理するから・・・、ほら」
万彬「ありがとうございます、もう平気です」
当麻「無茶しなくても良かったのに」
万彬「無茶ではなくてその、飲みたかったから飲んだのです」
当麻「あんまりうまいもんじゃなかったのにか?」
万彬「お兄様のですから///」
当麻「そ、そうか」
当麻「頑張ったしおでこにチューしてやるか」
ちゅっちゅっ
御坂「ああっ!何してんのよ!」
絹保「御坂様たちがいるのに恥ずかしいですわ///」
万彬「ありがとうございますお兄様///」
当麻「可愛いなあもう!」ギュー
イチャイチャイチャ
御坂「ちょっと、私たちを放置してんじゃないわよ!」
当麻「いや、悪い、ほんと」
白井「いいではありませんか兄弟仲がいいことにこしたことはありませんし」
御坂「ねえ、さっきの事だけど」
御坂「本気で言ってるの?妹とかなんとか・・・」
当麻「本気に決まってるだろ、俺が冗談を言うと思ったのか?」
御坂「じゃ、じゃあお兄ちゃんって・・・呼ばなきゃいけないの?」
当麻「別に無理して呼ばなくていいんだぞ」
御坂「無理ですって!いいわよ、呼んでやるわよ、お兄ちゃん///」
当麻「お前もそういう風にしてりゃ可愛いのになあ」
白井「お姉様がそうされるならわたくしもそうしましょうか。・・・お兄様」
当麻「よろしくな」
御坂「これから用事があるから先に帰るわね」
白井「わたくしもジャッジメントの仕事がありますのでこれで」
当麻「もう行くのか?」
白井「ええ、ではごきげんよう」
御坂「お金は後で返すからー」
当麻「がんばれよー」
当麻「忙しいんだな二人とも」
万彬「そうですわね・・・」
絹保「・・・」
当麻「二人ともなんか暗くなってるような気がするんだけどどこか痛いのか?」
絹保「特にどこも悪くはありません・・・。あえて言うなら胸が痛いですわ」
万彬「わたくしも胸が痛みます」
当麻「どうしたんだ?」
絹保「お兄様がわたくし達だけのお兄様ではなくなってしまったような気がして・・・」
当麻「そんなことねえよ、俺の妹は二人しかいねえんだから」
絹保「婚后さんや御坂様がお兄様と呼ばれたらわたくし達だけのお兄様ではなくなってしまいます・・・。そう思うと胸が・・・」
当麻「そんなに深刻に悩んでたのか・・・」
万彬「お兄様、わたくし達だけのお兄様でいてくださいませんか?」
絹保「お願いします」
当麻「分かった、分かった。もうしない。約束だ」
絹保「本当にわたくしたちのお兄様でいてくださるのですか?」
当麻「男の約束に二言はない。絶対にしない」
絹保「お兄様のこと、信じています」
万彬「絶対に、ですわ」
当麻「ごめんな、悪い兄貴で」
絹保「いいえ」
万彬「お兄様はとても素敵なお兄様ですわ」
・・・・・
御坂「・・・盗み聞きするつもりはなかったんだけど・・・聞こえちゃったわね」
白井「お二人もつらかったのですわね」
御坂「やっぱり今まで通りの方がいいわね」
白井「そうですわね」
御坂「じゃ私今日は遅くなるから」
白井「ではわたくしは裸で待っていますわ」
御坂「服着てなさいよ?絶対によ?」
当麻「んじゃお会計お会計・・・」
当麻「さて、帰るか」
当麻「二人とも、さっきの約束だけどさ」
当麻「誓いのキスで・・・いいか?」
絹保「十分以上ですわ///」
万彬「破らないでくださいね」
当麻「分かってるよ」
ちゅっ
ちゅっ
当麻「通行人の目が痛いよー痛いよー」
当麻「そういや今日は女の子の日だな」
絹保「なんていう事を仰るのですか!」
万彬「いくらお兄様でもそのようなことは」
当麻「何の事を言ってんだ?今日はひな祭りだろ」
万彬「え?あ、そ、そうでしたわね」
絹保「ちょっと勘違いをしていました、お恥ずかしいですわ///」
当麻「どんな勘違いをしてたのかは聞かないでおくぞ」
万彬「そうしていただけるとありがたいですわ」
絹保「顔から火が出てしまいそうです」
当麻「という訳で今日は女の子の日だから二人のしてほしい事をしてやりたいんだけどなんかあるか?」
絹保「してほしい事ですか・・・いろいろありますね」
万彬「どれかひとつになんて決められません」
当麻「ゆっくり考えな」
絹保「何がいいでしょうか」
万彬「お兄様に抱きしめていただくのはいかがでしょうか?」
絹保「普段とは違う何かがあるといいのでは?」
万彬「抱き合ってゴロゴロ転がるというのは?」
絹保「いいですわね、それにいたしましょう?」
絹保「お兄様、決めました。お兄様と抱き合ってゴロゴロ転がりたいですわ」
当麻「目が回りそうだな。それに二人一緒にやったら転がらなさそうだけどな」
絹保「一人ずつ交代ですれば問題ないですわ」
当麻「そうだな。じゃあどっちからする?」
絹保「万彬さんお先にどうぞ」
万彬「いえ、絹保さんこそお先に」
絹保「いえでも」
万彬「しかし」
当麻「ずっとループさせるつもりか?」
絹保「ではわたくしが先に」
当麻「こういう時は俺が下になるんだっけ?」
絹保「そうだと思いますけれど」
当麻「やっぱりそうだよな。絹保おいで」
絹保「お兄様」
当麻「転がってる時に頭打たないように抑えてあげないとな」ぽふ
絹保「はい///」
当麻「じゃあいくぞ?」
ゴロゴロゴロゴロ
絹保「お兄様、大好きです」
当麻「俺も絹保が大好きだ」
ゴロゴロ
コンコン、ガチャ
寮監「湾内、泡浮、いるか?」
絹保「え、りょ、寮監!?」
当麻「なんだ?なんなんですか?」
寮監「お楽しみ中だったようだな」キラーン
絹保「こ、これはその、スキンシップというか」
寮監「後で出直す」
バタン
絹保「おにいさま~・・・」
当麻「泣くな絹保、嫌なことは忘れような。俺が忘れさせてやる」
ゴロゴロゴロ
当麻「じゃあいいか?」
絹保「はい、万彬さんいいですわ」
万彬「ありがとうございます、お兄様、エスコートよろしくおねがいいたします」
当麻「エスコートったってあんまりすることはないんだけどな」
当麻「やっぱり細身だよな万彬も」ふにふに
万彬「手つきがいやらしいですわ」
当麻「ごめんつい手が勝手に」
万彬「いえ」
当麻「じゃあもうちょっとくっついてくれるか?」
万彬「////」
当麻「ゴロゴロ~」
ゴロゴロゴロ
万彬「お兄様、もっとしていただけますか?」
当麻「誰か来てもしらねえぞ」
ゴロゴロニャンニャン
万彬「お兄様愛しております」ギュギュー
当麻「ぐえええ、首が絞まるううう」
当麻「絹保って動物にたとえると子犬っぽいよな」
絹保「そうですか?」
当麻「純粋に甘えてくるっていうのかな。とにかく子犬みたいで可愛いよ」
絹保「そうでしょうか///」
当麻「ちょっとわんわん!って言いながら甘えてみろよ」
絹保「するのですか?」
当麻「いつものことなんだから気にするなよ」
絹保「なんだか意地悪されてる気分ですわ」
絹保「わんわん!」
当麻「結局やるんだな」
絹保「わん!」
当麻「おーよしよし、いい子だなー」
絹保「わんわんわん!」
当麻「こらー突き飛ばすなーははは」
万彬「絹保さんばかりずるいですわ!わんわん!」
当麻「ぐふっ・・・鳩尾に入った・・・ぅ・・・」
万彬「わたくしのせいです、申し訳ありません!」
当麻「怒ってないから・・・ただちょっとパワフルだったぞ」
万彬「でもわたくしが飛び込んだりしなければ・・・」
当麻「暗い顔するなよ、死にやしないんだから」
当麻「ところで二人とももう一つやってみたい事があるんだがいいか?」
絹保「はい、いいですわ」
万彬「どのような事ですか?」
当麻「ちょっとうつ伏せになってくれるか?」
絹保「いいですけれど」
万彬「ナニをなさるのです?」
当麻「うつ伏せの女の子を抱っこしたいんだ。じゃあ万彬から」
当麻「よっ・・・あれ?」
万彬「お兄様どこを触っておられるのですか!」
当麻「どこだかわかんない」
万彬「胸です、わたくしの胸です!」
当麻「悪い気が付かなかった。つうか持ち上げられないんだけど」
万彬「もう小さくありませんから」
当麻「横からじゃないと無理か。ふんっ!」
当麻「持ち上がった持ち上がった」
当麻「思ってたのとちょっと違うけどなんかいいな」
当麻「じゃあ俺のベッドまで運ぶぞ」
万彬「落とさないでくださいね?」
当麻「上条さんがそんな不手際する訳」ズルッ
当麻「うわっ、とっとっとっ!」
万彬「きゃー!」
ポン
当麻「・・・びびった」
万彬「わたくしのほうが驚きましたわ!」
当麻「すまん」
当麻「絹保はおんぶして運ぶよ」
絹保「よろしいのですか?」
当麻「おんぶなら危なくないからな」
絹保「重くはないと思うのですが・・・」
当麻「うっ!」
絹保「あの、重かった・・・ですか?」
当麻「重くはない。重くはないけど当たってるのが気になるというか」
当麻「別の意味の危険が」
当麻「うわあ!」よろよろ
絹保「お兄様大丈夫ですか?」
当麻「ダメだな、危ない。一旦降りてくれ」
絹保「やはり重かったのではありませんか?」
当麻「重くてよろけた訳じゃないよ」
当麻「安全に運ぶならやっぱ駅弁だな」
絹保「駅弁とは?」
当麻「俺の首に腕を回して」
絹保「こうですか?」
当麻「そうそう、で足を俺の腰の所に巻きつけてくれ」
絹保「これでいいですか?」
当麻「おっけーおっけー。やっぱこっちの方が安定するかもな」
絹保「これならこのまま寝てしまっても問題ありませんね」
当麻「寝るなよ?絶対に寝るなよ?」
絹保「冗談ですわ」
当麻「やりすぎると腰を痛めそうな感じがする」
当麻「ご到着でーす、降りてくれ」
絹保「わたくし駅弁というものが気に入りましたわ」
当麻「そりゃ良かった・・・」
当麻(なんか腰に違和感が)
万彬「お兄様、わたくしもしてほしいですわ」
当麻「「いや今はちょっとまずい」
万彬「どこか悪いのですか?」
当麻「腰がちょっと・・・」
当麻「あー、仕事の時間だ。じゃあ行ってくる」
万彬「そうですか、無理なさらないでください」
絹保「わたくしに出来ることがあれば仰ってください」
当麻「ありがとな、行ってくる」
当麻「っつー、なんか痛くなってきた」
寮監「上条君、どうかしたか?」
当麻「あ、寮監さん、ちょっと腰が・・・」
寮監「腰?」
当麻「はい、ちょっと腰を使いすぎたみたいで」
寮監「私生活が乱れているんじゃないか?見直すべきだ」
当麻「たしかに・・・」
寮監「若いからといって節度のないふしだらな生活を送っているとそういうこともある。気をつけるんだな。仕事に影響が出ないようにしてくれ」
当麻「ふ、ふしだら・・・」
当麻「ちょっと俺用事があるから買い物に行ってくるな」
絹保「わたくしもついていってもよろしいですか?」
万彬「わたくしも連れていってくださいませんか?」
当麻「ごめん、今日はちょっと一人で行きたいんだ」
絹保「そうですよね、たまには一人でいたい時間もありますわよね」
万彬「お帰りになるまで部屋でおとなしく待っていますわ」
当麻「ごめんな」
当麻「二人にはいえねえよ、どこに行くかなんて」
当麻「俺だってまだ怖いんだ・・・」
萌えー!萌えー!
当麻「なんか妙な雰囲気だな、魔術とも科学とも違う」
当麻「・・・ここか」
当麻「・・・」ごくり
当麻「行くぞ、俺、勇気を出せ」
うぃーん
当麻「どこにあるのかな?」
当麻「聞くのがかなり恥ずかしい・・・」
当麻「どこかなー?」きょろきょろ
当麻「あー?、見あたらねえなどこだ?」
当麻「ここでもない」
当麻「ここも違う」
当麻「どこにあるんだ?」
当麻「やっぱり店の人に聞くほうが早いんだろうな」
当麻「でも店の人に買いたいものが分かるから恥ずかしいんだよな」
当麻「男があんなもの買うの見られたら笑われるに決まってる・・・」
当麻「だが聞かなきゃ手に入らないし・・・はぁ、不幸だ」
店員「何かお探しですか?」
当麻「え、えっとあの、」
当麻(言え、言うんだ、言わないとダメだ)
当麻「耳ください!」
店員「はい?」
当麻「猫耳と犬耳ください!」
店員「はい、こちらになりますねー」
当麻(あれ、笑われなかった。なんでだ?)
当麻「じゃあ一つずつください」
店員「ありがとうございますー」
・・・・・
当麻「か、か、買ってしまった」
当麻「勇気を出して入ったのにこんなにあっさり買えていいのか?」
当麻「それよりも二人がつけてくれるかどうかがまず問題だけど」
当麻「・・・ただいま」
絹保「お帰りなさいませ、お兄様」
当麻「ただいま」
万彬「もう少し遅くなると思っていましたがお早いですわね」
当麻「男の買い物は早いからな」
絹保「お兄様、その袋は一体何が入っているのですか?」
当麻「え、うん・・・可愛いのが」
絹保「お兄様がお使いになるのですか?」
当麻「いや俺じゃない」
絹保「どなたかへのプレゼントですか?」
当麻「二人に、さ」
絹保「わたくし達に?」
万彬「どのような物かお見せいただけますか?」
当麻「ああ、ちょっと待て」
当麻「二人ともいいって言うまで目を瞑ってくれ」
絹保「はい」
万彬「変なものをお買いになられたのですか?」
当麻「変・・・変じゃないと思うけど」
当麻「・・・変か?」
当麻「目開けていいぞ」
絹保「これ・・・」
万彬「猫耳と犬の耳ではありませんか?」
絹保「これをわたくし達に?」
当麻「ああ、喜んでくれるかどうかちょっと不安だったんだけどきっと付けたら可愛いんだろうなと思ってさ」
当麻「買っちゃった」
絹保「そのためにお一人で・・・」
当麻「どっちかというと買いに行ったところが異質というか、連れて行かないほうがいいかと思ってさ」
当麻「で、どうだ、着けてくれるか?」ずいっ
絹保「ち、近いですわお兄様」
当麻「ダメか?」ずいっ
万彬「ダメということはないですわ、ただ恥ずかしくて・・・」
当麻「頼む、俺を助けると思ってさ、な?」
当麻「・・・付けてくれると嬉しいなー?」
万彬「分かりました、付けますわ」
絹保「お兄様の頼みなら断る訳にはいきませんもの」
当麻「話の分かる子だ」
絹保「ううん///」
絹保「お兄様、いかがでしょうか?///」
万彬「あまり見ないでください///」
当麻「これが燃えっていうやつかな?」
絹保「わたくしにはよくわかりませんけれど・・・」
当麻「なんでもいいや、とにかく可愛いぜ」
当麻「撮っていいか、ケータイ?」
絹保「構いませんけれどわたくしのお願いも聞いてくださいますか?」
万彬「それならわたくしのお願いも・・・?」
当麻「全然構わねえよ、じゃあ撮っちゃうぞ」
当麻「激写だ激写ー」
当麻「で、なにをしてほしいんだ?」
絹保「あのですね?この耳、お兄様もお付けになってくださいませんか?」
当麻「うえ、俺がか?」
絹保「お願いを聞いてくださると仰ったのは嘘なのですか?」
当麻「嘘じゃないけどそういうのじゃないと思ってから・・・」
絹保「付けてくださいませんか?」
当麻「分かったよ、分かりましたよ、付けるよ、付けますよ、付ければいいんだな?」
当麻「ど、どうだ?///」
絹保「まぁ!よくお似合いですわ」
万彬「本当にお似合いです」
当麻「もういい?はずしていい?」
絹保「写真に残してしましましょう」
万彬「貴重なお写真になりますわね」
当麻「やめてー、撮らないでー、写さないでー」
万彬「お兄様、次は猫耳をお付けになってください」
当麻「もうやだ」
万彬「付けてくださる約束ですわ」にこにこ
当麻「うん、そうだけど・・・」
かしゃかしゃかしゃ
当麻「もういい?」
万彬「ええ、いいですわ」
当麻「やっぱり男が付けるなんて嫌だー」
当麻「今日はいい買い物したな」
絹保「わたくし恥ずかしかったのですからね?」
当麻「分かってる、二人ともありがとうな」なでなで
当麻「これだったらしっぽも買ってくればよかったな」
絹保「え?」
万彬「はい?」
当麻「うん、今度はしっぽも買ってこよう」
絹保「耳だけで結構ですわ!」
万彬「耳以外いりません!」
当麻「耳はつけてくれるのか?」
絹保「え?それはその、頼まれれば・・・」
万彬「付けますけれど・・・」
当麻「ふふーん」にやにや
当麻「今日一日頑張ったなー」
当麻「体中が疲れてるぜ」
絹保「おつかれさまですお兄様」
万彬「早くお休みになって疲れをとってください」
当麻「そうだな、おやすみ」
当麻「ふぁー」
当麻「瞼が重くなってきた・・・」
当麻「ネムー(´-ω-`)」
もそもそ
当麻「ううん・・・?」
絹保「眠れなくて・・・入ってもよろしいでしょうか?」
当麻「いいけど・・・」
絹保「お邪魔いたします」
絹保「・・・あたたかい」
当麻(さて、寝るか)
当麻「(´-ω-`)」
絹保「お兄様」
当麻「なに・・・?」
絹保「眠れません・・・」
当麻「寝ようとしないで目を閉じてなさい」
絹保「はい」
絹保「お兄様、やっぱり眠れません」
当麻「ぅあ?じゃあ・・・羊数えたら?」
絹保「はい・・・」
絹保(羊が一匹羊が二匹・・・)
当麻(ようやく寝れそう)
当麻「・・・」
当麻「ん・・・」もそ
絹保「お兄様、羊を100匹数えても眠れません」
当麻「じゃあ・・・」
万彬「お兄様、眠れないのですが・・・」
当麻「うだー、俺も眠れなくなった」
当麻「しゃあないな、少しおしゃべりするか?しゃべってたら眠くなってくるだろうし」
絹保「それはいいですわ」
万彬「そういたしましょう」
・・・・・・
当麻「でな、そこで俺が、こう」
絹保「お兄様かっこいいです」
万彬「お強いのですね」
当麻「いやーそれほどでもあるかな」
絹保「・・・」ごしごし
万彬「はふぅ・・・」しばしば
当麻「眠くなってきたみたいだな」
絹保「もう少しで眠れそうです」
万彬「頭を撫でていただけたらすぐに眠れそうです」
当麻「いいぜ」
なでなでなでなで
絹保「(-ω-)」
万彬「(-ω-)」
当麻「はは、もう寝てるし」
当麻「俺もそろそろ寝ようか」
当麻「・・・」
当麻「寝れない・・・どうしよう」
当麻「そうだ、二人に腕枕してもらおう」
当麻「よしよし」
当麻「いいなこれ、いい。柔らかいなあ」
当麻「これなら寝れる、絶対寝れる」
当麻「・・・」
当麻「・・・」ぐーすか
・・・・・・・・・
絹保「くしゅん!」
絹保「けほけほ」
当麻「カゼか?」
絹保「そのようです・・・」
当麻「熱は?」
絹保「熱はそれほど・・・体がちょっとだるくて」
万彬「大丈夫ですか?」
絹保「重くはないのでゆっくり休めばすぐに直るかと」
当麻「ご飯食べれるか?」
絹保「お粥なら食べられそうです」
当麻「お粥か。じゃあ作ってくるから安静にしているんだぞ」
万彬「わたくしもお手伝いいたします」
当麻「じゃあ頼もうかな」
当麻「絹保、おとなしく寝て待ってるんだぞ?」
絹保「お兄様の言いつけですから守ります」
当麻「寂しくなったら俺の布団にでも入ってな」
絹保「それなら今すぐ入ります」
絹保「うふふ」
当麻「元気そうだな・・・いい子にして待ってるんだぞ」
当麻「まずはお粥を炊いて、と」
万彬「お兄様、わたくしは何をお手伝いしたらいいですか?」
当麻「そうだな、じゃあ野菜でも切ってもらおうかな」
万彬「わかりました」ざく、ざく
当麻「こうやって切ると安全だぞ?」ぎゅ
万彬「はう///」
当麻「どうした、変な声だして」
万彬「急に体を触られたのでつい」
当麻「驚かして悪かったな、手はこうしたら切らないし上手に切れるぞ」
万彬「あ、本当ですね」
当麻「じゃあ絹保のために頑張ってな」
万彬「はい」
万彬(もう少しあのままでも・・・)
万彬「お兄様、終わりました」
当麻「お疲れ、じゃあ後は特にないから絹保を着替えさせてあげてくれ」
万彬「分かりました」
当麻「手伝ってくれてありがとうな」
万彬「家族ですから当然のことですわ」
当麻「そうだな」
万彬「絹保さんにお伝えしたい事ありますか?」
当麻「おとなしくしてたらあーんしてあげると言っといて」
万彬「かしこまりました」
がちゃ
万彬「絹保さん起きていますか?」
絹保「何ですか万彬さん?」
万彬「お兄様からお着替えを頼まれました。それとお兄様から伝言です」
絹保「お兄様から?なんでしょう?」
万彬「おとなしくしていたらお兄様が食べさせてくださるそうです」
絹保「本当ですか!」ガバッ
万彬「おとなしくしていたら、ですわ」
絹保「あ///」
万彬「ふふふ、お着替えしましょうか」
絹保「お願いします」
ぴー
当麻「炊けた炊けた」
当麻「後は野菜と玉子を入れて味付けをして、と」
当麻「ふんふ~ん♪」
絹保「そこのブラジャー取って頂けますか?」
万彬「はい」
絹保「ありがとうございます」
絹保「うーん・・・ちょっと肩があがらないので付けてていただけますか?」
万彬「いいですわ」
万彬「・・・」じーっ
絹保「どういたしましたか?」
万彬「なんでもありませんよ」にこ
万彬(よかったですわ、まだ同じくらいですね)
コンコン
当麻「起きてるかー?」
絹保「あ、お兄様!」
万彬「お兄様、まだお着替え中です」
当麻「すまん、出直してくる!」
万彬「いいですよ」
当麻「悪いな、ノックしなくて」
絹保「お気になさらないでください」
当麻「おとなしくしてたか?」
絹保「はい、とてもおとなしくしてました。早く食べさせてください」
当麻「絹保は食いしん坊だな」
絹保「違いますわ!お兄様が食べさせてくれると聞きましたから」
当麻「分かってますよー」
絹保「お兄様意地悪なのですから・・・」
当麻「ふー、ふー」
当麻「はい、あーん」
絹保「あーん」
当麻「一応味見はしたけどしょっぱくないか?」
絹保「おいしいですわお兄様」
当麻「そっか」
当麻「ふー、ふー」
絹保「あーん」
当麻「ご飯ついてる」ぱく
絹保「そのようなことをなさったらうつってしまいますわ」
当麻「絹保のカゼならうつってもいいぞ」
絹保「ダメですわ、お兄様にはお元気でいてくださらないと」
当麻「絹保もな」
当麻「最後の一杯だな、あーん」
絹保「あーん、ご馳走様でした」
当麻「じゃあ食器洗ってくるから歯磨きして寝な」
絹保「はい」
当麻「ふぅー、絹保ちゃんと寝てるかな?」
万彬「お兄様?」
当麻「なんだ?」
万彬「わたくしも風邪引いたらあーんしてもらえますか?」
当麻「引かないように気をつけるんだぞ?」
万彬「それはそうなのですがそういうことをしていただけるとすぐ治ると思うのです」
当麻「まあ病人には優しくしてあげるよ」
万彬「それはしていただけるということでよいですか?」
当麻「なったらな」
万彬「」ニコ
当麻「ちゃんと寝てるかー?」
絹保「はい、寝てます」
当麻「起きてるじゃねえか」
当麻「早く治すんだぞ?」
絹保「治ったらデートしてくださいね?」
当麻「治ったらな、早く寝な」
絹保「はい」
翌朝・・・・
当麻「どうだ、調子は?」
絹保「おかげさまですっかり良くなりました」
当麻「良かったな」
絹保「お兄様、万彬さん、ご迷惑おかけしました」
当麻「迷惑だなんて思ってねえよ」
万彬「家族ですもの」
絹保「ありがとうございます、今度お二人が体調を崩された時はわたくし頑張ります」
当麻「そりゃ安心・・・くしゅん!」
当麻「は、は、へっくしゅん!」
絹保「もしかして・・・うつってしまいましたか?」
当麻「そうかも・・・」
絹保「今度はわたくしがあーんする番ですね」
当麻「え、いいよ、自分で適当にコンビニで買って食べるから」
絹保「ダメです、動かないでください」
絹保「わたくしがあーんします!」
当麻「わ、わかった・・・」
万彬「わたくしもお兄様にあーんしたいです」
絹保「一緒にしましょう?」
万彬「いいのですか?」
絹保「万彬さんにはお世話になりましたから」
絹保「絶対に、動いてはいけませんからね?」
当麻「わーったよ」
・・・・・
絹保「お兄様、出来ました」
当麻「悪いな」
絹保「ふー、ふー、あーん」
当麻「あ、あーん・・・」
当麻(妹にあーんされるのって恥ずかしいなあ)
絹保「お味はどうでしょうか?」
当麻「うんおいしい」
万彬「ふー、ふー、あーん」
当麻「あーん」
当麻(なんか情けないな)
当麻「起きてるかー?」
絹保「あ、お兄様!」
万彬「お兄様、まだお着替え中です」
当麻「すまん、出直してくる!」
当麻「妹の看病して自分がカゼひくなんてなあ」
絹保「カゼはうつしたら治りますわ」
当麻「治んねえよ、病人一人増やすだけだ」
絹保「そうなのですか?」
当麻「当たり前だろ、あんなの嘘だ嘘」
当麻「じゃあおやすみ」
絹保「わたくしここにいますから何かあったら言ってください」
万彬「お大事にしてください」
当麻「ありがとな二人とも」
・・・
当麻「あーナースさんいないかなー?」
絹保「わたくしたちではダメですか?」
当麻「え?」
万彬「ナース服着てみました」
当麻「な、なんで着てるんだ!」
絹保「お兄様、悪い所はありませんか?」ぴたぴた
万彬「お兄様ー」むぎゅー
当麻「うぐぐぎゃあああ」
当麻「ナースはダメだああ」
絹保「」びくっ
万彬「突然大声を出さないでください」
当麻「え、ナース服は?」
絹保「そのような物持っていませんわ」
万彬「お兄様はナース服がお好きなのですか?」
当麻「いやそうじゃないけど・・・夢か」
絹保「いつか来て差し上げましょうか?」
万彬「お兄様を看病するためだけになら考えてみますよ?」
当麻「いや、まだいい・・・」
絹保「お兄様、もうお昼のお弁当は作られましたか?」
当麻「いや、これから作る予定だけど?」
絹保「もしよろしかったらわたくしと万彬さんが一緒に作ったお弁当を食べていただけませんか?」
当麻「そりゃ助かるよ、サンキュー」
絹保「愛妻弁当のような物ですからわたくし達の事を思い出しながら食べてください」
万彬「まだ奥さんではありませんけれどそのつもりで作りました」
当麻「愛妻・・・だと?」
当麻「俺に愛妻弁当?いやいやまだ順序を踏んでないぞ。まだ結婚してないし、いや待て、事実婚という言葉も」
絹保「お兄様、お時間はよろしいのですか?」
万彬「遅刻なさいますよ?」
当麻「遅刻だあ!行ってくる!」
絹保「お兄様、お弁当!」
当麻「忘れてたー!」
当麻「いってきまーす」
絹保「お気をつけて」
万彬「寄り道なさらずお帰りくださいね」
当麻「分かってるー」
当麻「ひゃっほーい」
当麻「おっはー」
土御門「カミやんごきげんぜよ。なにかあったかにゃー?」
青ピ「10円玉でもひろったんやな?」
当麻「違うぜ青ピ、今日の俺はなんと、妹特製弁当なのだ!」
青ピ「なんやてー!」
なんだってー!
当麻「この優越感・・・最高だ」
土御門「カミやん、弁当身せるんだにゃー」
当麻「慌てるな土御門。お昼まで待たれよ」
青ピ「カミやん充実した生活を送ってるんやねー」
土御門「あんなに可愛い妹がいて充実しないわけがないぜよ」
・・・・・
当麻「さーてお待ちかねのお昼だ」
青ピ「早く開けてや」
土御門「青ピが食べる訳じゃないんだにゃー」
当麻「じゃーん!」
当麻「お、オムライスだ。無理やり詰め込んだな」
青ピ「おいカミやん、これはなんや?」
当麻「何ってオムライスだろ」
青ピ「そっちやなくて、このハートはなんや!」
当麻「普通ハートだろ」
青ピ「普通はmっぽいやん!」
土御門「カミやんのところは進んでるんだにゃー」
青ピ「ニンジンとかもハートになってるで」
当麻「青ピも食べるか?」
青ピ「その弁当他人が食べたら祟られるやろ!」
当麻「誰にだよ?」
青ピ「カミやんの妹とか、妹とか」
当麻「絹保と万彬は優しいからそんなことしねえよ」
土御門「いやいや、優しい子ほど怒ると怖いんだにゃー」
土御門「あ、カミやん、今日どっかブラブラしないかにゃー?」
青ピ「最近あまり一緒に遊んでないやろ?」
当麻「そうだな、どこに行くんだ?」
土御門「ブラブラしながら決めるぜよ」
青ピ「そうや、ゲーセンイカへん?」
当麻「しばらく行ってないな、ゲーセンでいいんじゃねえか?」
土御門「決まりだにゃー」
トントン
「どちらに行くのですか?」
当麻「なん?」くるっ
絹保「お兄様、寄り道ですか?」
万彬「まっすぐお帰りになるのではありませんでしたか?」
当麻「な、なんでここにいるんだ」
絹保「お兄様が寮と反対方向に向かわれるのが見えましたので声をかけてみました」
青ピ「ほほう、カミやんの妹やな?」
当麻「こっちが絹保でこっちが万彬。こいつは青ピって言って俺の友達だ」
絹保「初めまして」
万彬「初めまして」
青ピ「いい美ロリやん」
当麻「妹はわたさねえぞ!」
土御門「青ピ危険ぜよ。カミやん、寄り道しないで妹さんとまっすぐ帰ることをオススメするにゃー」
当麻「じゃーな二人とも、また違う日に遊ぼうぜ」
土御門「もうあんなに遠いところまで行っちゃったぜよ」
青ピ「陸上選手になれそうやなあ」
土御門「じゃあ俺たちだけで行くか」
絹保「お兄様、今日のお弁当はいかがでしたか?」
当麻「うまかったぞ、全部残さず食ったよ」
万彬「残さず食べていただけて嬉しいですわ」
当麻「ところでさ、ハートのやつあったじゃん?」
絹保「可愛いと思いましたので」
万彬「わたくしたちの愛のつもりで入れてみました」
当麻「なるほどな、ところでハートって普通だよな?」
絹保「普通じゃありませんわ」
万彬「ハートは特別な日とか特別な人のためのものです」
当麻「え、そうなの?普通のあれだと思って食べちゃったぞ」
絹保「お兄様ひどいです・・・」
万彬「お兄様・・・」
当麻「わ、悪かったよ、もうしないからさ、機嫌なおしてくれよ」
当麻「悪かったよハニー、悪かった」
絹保「ハ、ハニー?///」
万彬「ハニーだなんて、そんな///そのようなことを言われましては許してしまいます///」
当麻「また作ってくれるか?」
絹保「はい、いつでも!毎日作りますわ!」
万彬「今すぐにでも!」
当麻「hahaha、今すぐにはいいや」
当麻「今日は二人のおかげでいい気分だったぜサンキュー」
チュッチュ
【 後編 】 に続きます。