1 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/12(水) 00:07:26.20 EcFimwTG0 1/21

佐天(でも学園都市にパトカーあったっけ……?)

初春「そういえば佐天さん、学園都市でも警備員がパトカーを使うようになったみたいですよ」

佐天「えっ? 本当に? それは丁度良かったー」

初春「丁度良かった? あっ、ほら、あそこにパトカーが」

佐天(……よし、早速やってみるか)


佐天「……波ッ!」

初春「さ、佐天さん? 急に変な声出してどうし――ッ!?」

佐天(おっ、反応アリ……?)

初春「か、体が勝手に……」

元スレ
佐天「初春がパトカーに中指を立てる能力かぁ……」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1347376046/

3 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/12(水) 00:09:10.83 EcFimwTG0 2/21

1347376046-003



佐天「やった! 成功したよ初春!」

初春「成功!? そ、それよりこれを何とかしないと……」

佐天「あれ……? そういえばどうやって戻すんだろこれ……」

初春「戻すって……これ、佐天さんの仕業ですか!?」

佐天「ほら、見つかる前に逃げよう。こっちこっち」

5 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/12(水) 00:11:02.35 EcFimwTG0 3/21

初春「――つまり、佐天さんが能力を使うと私が」

佐天「中指をビシッ! っとやる訳だね。戻るには時間が経てば良いみたい」

初春「何ですかその能力!? ふざけるのもいい加減にしてくださいよ!」

佐天「……ふざけてる? あたしが本当にふざけてると思ってんの!?」

初春「ひえっ……? さ、佐天さん……そんなに怒らなくても……」

佐天「あたしがやっと能力を使えるようになったのに……その言い方は酷いよ!」

初春「で、でも実際私は迷惑してる訳で……」

佐天「初春……あたしの事が迷惑だったんだね。ごめん、今まで気づかなかった……」

初春「そ、そういう意味では……」

6 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/12(水) 00:13:05.28 EcFimwTG0 4/21

佐天「……いいんだ、もう放っておいてよ」

初春「佐天さん……その」

佐天「うっ……ぐすっ……やっと無能力者から卒業だと思ったのに……」

初春「さ、佐天さん……ごめんなさい、私が悪かったです」

佐天「ぐすっ……ひぐっ……じゃあ、能力使ってもいい?」

初春「うーん、それは……」

佐天「やっぱりあたしはいつまでも無能力者なんだね……ぐすっ……」

初春「わ、分かりました! どうぞ使ってください、だからもう泣かないでください……」

佐天「本当に……? ありがとう、初春!」

佐天(初春……やっぱチョロイわ)

9 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/12(水) 00:15:18.35 EcFimwTG0 5/21

佐天「初春、そろそろ帰ろうか。、急がないと……あっ」

初春「パトカー……ですね」

佐天「……初春」

初春「さ、佐天さん! ほら、急がないと!」

佐天「――波ッ!」

初春「うぐうっ……!?か、体が……そして指がぁ……!?」
1347376046-009

11 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/12(水) 00:17:14.14 EcFimwTG0 6/21

佐天「いやー、綺麗な中指立てだね」

初春「そんな事言ってる場合じゃないですよ!?」

佐天「おー、そうだね。気付かれる前にさっさと逃げないと」

初春「ばれたら大変な事に……」


黄泉川「おーい、そこの女子生徒ー! それは何のマネじゃん!?」


佐天「げっ、見つかっちゃったね……逃げないと」

初春「佐天さんのせいですからね!? もう嫌ー!」

13 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/12(水) 00:19:05.23 EcFimwTG0 7/21

三日後


佐天「おーい、ういはるー!」

初春「げっ……佐天さん」

佐天「なにそのリアクション。初春、あたしの事避けてない?」

初春「そ、そんな事はないですよ?」

佐天「いーや、明らかに避けてるね。もう中指立てるのは嫌なんでしょ」

初春「それは……その通りですけど」

佐天「分かったよ。もう初春が『片方の中指だけを立てる』、なんて事は起きないようにするからさ」

初春「……本当ですか? それなら良いんですけど」

佐天「本当だって! ほら、一緒に帰ろうよ」

初春「わ、分かりましたから手を引っ張らないでくださいよ!」

17 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/12(水) 00:21:13.17 EcFimwTG0 8/21

初春「――それで白井さんが御坂さんにビリビリって」

佐天「相変わらずだね……おっ」

初春「パトカー、ですね……」

佐天「……初春」

初春「佐天さん……約束しましたよね? もうしないって約束したんですからね?」

佐天「そうだね、確かに約束したよ。でも……」


佐天「――両方の中指を立てる、それに関しては約束していないよね?」

初春「……っ!?」

佐天「波ッ!」

初春「し、しまったぁ……! 体がぁぁあああ……!!」

18 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/12(水) 00:23:05.16 EcFimwTG0 9/21

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佐天「やった! レベルが上がると両方の手に作用する……本当だったんだ!」

初春「さ、佐天さん! 卑怯ですよ!」

佐天「初春、そんな事言ってる場合じゃないよ……ほら」


黄泉川「おーい! そこの女子生徒! いい度胸してんじゃん?」


初春「ひいっ!? さ、佐天さん!?」

佐天「逃げよう! 早く早く!」

19 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/12(水) 00:25:13.41 EcFimwTG0 10/21

三日後

佐天「ういはるー、初春ってばー!」

初春「……何の用ですか、佐天さん?」

佐天「もしかして……怒ってる?」

初春「……あんな事何度もされたら誰だって怒りますよ!?」

佐天「あはは、だよねー。でも大丈夫! もうあんな事にはならないから」

初春「……本当ですか? そうやってまた騙そうと」

佐天「大丈夫大丈夫! もう『パトカーに向かって中指立てる』ってのは無いからさ」

初春「……はあ、仕方ないですね。分かりました、一緒に帰りましょう」

佐天「そうこなくっちゃ。どっか寄ってこ?」

初春「アイス、奢りですからね」

佐天「んー、仕方ないなー」

22 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/12(水) 00:27:12.00 EcFimwTG0 11/21

街中


初春「――それでまた白井さんが……あっ」

黄泉川「おっ」

佐天「あちゃー、これはマズイ事になりそうだね……」

黄泉川「えっと、最近中指立てて挑発してる生徒は君じゃん?」

初春「ち、違います! その、何かの間違いです!」

黄泉川「うーん、見間違いか……それなら別にいいじゃんよ」

初春「絶対見間違いです! 私を信じてください!」


佐天(……ごめんね初春、せっかくレベルが上がったんだもの。能力、使うね)

佐天「――波ッ!」


初春(さ、佐天さん!? また能力を……でも今はパトカーが無いから大じょ――ッ!?)

初春「か、体がぁ……また、勝手にぃ……おのれぇ……!」

27 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/12(水) 00:29:15.63 EcFimwTG0 12/21

初春「くわっ!」ビシッ AA略

黄泉川「なっ!? やっぱり君、馬鹿にしてるみたいじゃんよ?」

初春「ひいっ!? ち、違うんです! 体が勝手に……しかも戻らなくて……」

黄泉川「手、動いてるじゃん?」

初春「そんなはずが……あれえ? 手が動きますねぇ……」

黄泉川「ふーん、やっぱり自分の意志ってみたいじゃん?」

初春「ち、違います! 佐天さ――いない!?」

黄泉川「よし、ちょっと一緒に来てもらうじゃん」

初春「そんなぁ……」


佐天(ごめんね初春……「初春が何にでも中指を立てる能力」になったんだ)

佐天(ありがとう、あたしのために……先、帰ってるね)

29 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/12(水) 00:31:07.49 EcFimwTG0 13/21

三日後

佐天「ういはる、ういはるー」

初春「……話しかけないでください」

佐天「……怒ってる?」

初春「…………」スタスタ

佐天「ごめん、本当にごめん! もうしないから!」

初春「はいはい、またレベルが上がったんですか? それでまた私が酷い目に遭うんですね」

佐天「ち、違うって! もう初春にはしないよ!」

初春「私、『には』?」

佐天「そう、またレベルが上がってね。実は……」

30 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/12(水) 00:33:05.58 EcFimwTG0 14/21

初春「――ええっ!? それはつまり……」

佐天「初春、あたし……白井さんと御坂さんに会いに行こうと思うんだけど」

初春「佐天さん……まさか!」

佐天「どうなるか、気にならない?」

初春「……私、気になります。やってやりましょう、佐天さん!」

佐天「おお! それでこそ初春だよ! 早速会いに行こう!」

初春「もちろんです! 急ぎましょう!」

31 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/12(水) 00:35:07.30 EcFimwTG0 15/21

佐天「メールだとこの辺にいるみたいだけど……」

初春「あっ、居ましたよ!」

佐天「静かに……ばれないようにやらないと」


美琴「初春さんと佐天さんが来るって?」

黒子「ええ、そうみたいですわよ。ここに居るとは連絡しておきましたの」


佐天「さーて……距離をもう少し詰めないと。ばれないように近づくよ……」

初春「ラジャーです!」

34 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/12(水) 00:37:05.15 EcFimwTG0 16/21

黒子「それでまた寮監にこう、コキッと……」

美琴「アンタも懲りないわね……」


初春(距離は五メートル……楽しそうにお喋りしているのが聞こえますね)

佐天(……初春、どうなると思う?)

初春(……楽しそうな事になりそうですね)

佐天(ワクワクする?)

初春(ええ、とっても)

佐天(よっしゃ、いっくよー! 対象は白井さん……!)


佐天「――波ッ!」

37 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/12(水) 00:39:12.35 EcFimwTG0 17/21

黒子「それにしてもあの二人、遅いですわね…………あら?」

美琴「確かに。何かあったのかしら……」

黒子(か、体が……勝手に!?)

黒子「お、お姉様……わたくし、何だか……」

美琴「ん? どうしたの黒子?」

黒子「ぬ、ぬうっ!? ……ふんっ!」ビシッ

美琴「……へっ?」

黒子「な、何ですのこれ!?」


佐天(やった! 成功したよ!)

初春(佐天さん、ナイス!)

39 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/12(水) 00:41:14.26 EcFimwTG0 18/21

美琴「……黒子? アンタ、どういうつもり?」

黒子「ち、違いますの! これはわたくしの意志では……」

美琴「へー……手、動いてるけど?」

黒子「あら、本当ですわね……」

美琴「黒子、私に言いたいことがあるなら言いなさい」

黒子「いえ、別にそんな事は……はあうっ!?」ビシッ

美琴「なっ……! 黒子!? どういう事!?」

黒子「ま、またですの!? 違いますのお姉様! 黒子の話を……ほおっ!?」ビシッ

美琴「くぅろぉこぉ……!」

黒子「ひ、ひいっ!? 誤解ですのー!」シュンッ

美琴「あっ! こら、逃げるな!」

41 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/12(水) 00:43:09.55 EcFimwTG0 19/21

初春「……佐天さん」

佐天「……初春」

初春「グッジョブ! グッジョブですよ佐天さん!」

佐天「いやいや、そんなに褒めなくて良いよー。でも、初春ずいぶん嬉しそうだね」

初春「最近白井さんが私に仕事を押し付けることが多くて……」

佐天「色々溜まってた訳か」

初春「ええ……でもスッキリしましたよ! やりますね佐天さん」

佐天「レベルが上がると対象が誰でもよくなる……いやー、自分の能力が怖いね」

初春「でも、あの二人にはばれないようにしないと……」

佐天「そうだね、黙っておかないと」


「へー、そういう事だったのね」 「納得ですの」


佐天初春「……!?」

45 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/12(水) 00:45:18.02 EcFimwTG0 20/21

初春「み、御坂さんに白井さん!? いつの間に……」

美琴「佐天さん。その能力、精神系でしょ」

佐天「へっ? そ、そうみたいですけど……」

美琴「私、そういうの敏感なのよ。自分の能力のおかげでね」

初春「超能力者ってそんな事までできるんですか……」

黒子「で、わたくしもお姉様も怪しいと思い、この辺を調べていましたの」

美琴「そしたら、すぐに見つかったって訳。……で、佐天さん?」

佐天「な、何ですか……?」

美琴「詳しく話、聞かせてもらうわよ?」

初春「ひ、ひいっ!? 佐天さん、どうするんですか!?」

佐天「……初春。こうなったらもう、やるしかない!」

初春「佐天さん!? まさか、対抗できる方法が……!?」

佐天「あたしにできる事、それは――」

初春「そ、それは……?」

47 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/09/12(水) 00:47:22.42 EcFimwTG0 21/21

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初春「さ、佐天さん!?」

佐天「一矢報いた……悔いはないよ。一緒に怒られよう、初春」

初春「……はい」


                終

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