ヤムチャ(また変な世界に飛ばされちまった……)
メルエム「何者かと聞いておる」
ヤムチャ(あーあ、やだな……またボコボコにされて皆に笑われるんだ……)
メルエム「ほう……聞こえぬ振りをするか……痴れ者が」 ギロ
ヤムチャ(すっげー強そうだよコイツ……やる気まんまんだよ……)
メルエム「余を愚弄するか」
ヤムチャ(もうやだよ……早く元の世界に帰りたいよ……)
メルエム「…」 ヒュンッッ!!
バシィィッ!!
ヤムチャ(初っ端にしっぽでビンタされたよ……しかも超手加減されたよ……)
メルエム「な……何ッ!!?」
ヤムチャ(こいつ徐々に俺をいたぶる気だよ……最悪だよ……泣けてきたよ……)
メルエム「ぐ……こ、こいつ、は……!?」
ヤムチャ(あー、すげぇ驚いてるよ。 そりゃそうだよね、普通だったらこんな赤くほっぺた腫れないよね)
ヤムチャ(むしろ悟空とかだったらしっぽが弾け飛んでるよね ごめんね 俺ヤムチャだからね ごめんね)
元スレ
メルエム「む……? お前は誰だ?」 ヤムチャ(まただよ……)
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1391942936/
メルエム「き、貴様……ッ!」 ゴォ、ォォ……ッ
ヤムチャ(うわぁ、急に気を出し始めたよ しかも超弱火だよ 刻み玉ねぎ炒めるレベルだよ)
メルエム「人間にもまだこんな奴がいたとはな……」 ゴォォォォォッ!!
ヤムチャ(貴様なんか小指一本で倒せるレベルで煽られたよ……そりゃそうだよね 俺ヤムチャだもんね ごめんね)
メルエム「口をきけッ! 名をなんと言うッッ!!」
ヤムチャ(名前聞いてきたよ……最弱伝説として語り継ぐ気だよ……情けなくて泣けてきたよ……)
メルエム「……ふ……名乗るまでも無い、とな」
ヤムチャ(……あーあ敵の語りタイム終わっちゃったよ……バイバイ俺の寿命。 こっから虐殺スタートだよ、最悪だよ)
メルエム「力付くで開かせてくれるッッ!!」
ヒュンッ
メルエム「シッ!!」 ドゴォォッ!!
ヤムチャ「……」
メルエム「ッ!!?」
ヤムチャ(ちょっと早歩きしたと思ったら肩パンしてきたよ……)
ヤムチャ(コイツいたぶる気まんまんだよ……最初このレベルってことは最後に俺をミンチにするまで何時間も掛ける気だよ…)
メルエム「バ……馬鹿……な……」 ミシ…
ヤムチャ(はいはいすいませんすいません。 肩の筋肉柔らかすぎましたかね。 鍛え方足りないですよね、すいません)
ヤムチャ(ベジータだったら殴った拳が弾け飛んでるよね ごめんね ヤムチャでごめんね)
メルエム「き、貴様ッ……」
ピトー「王!」
メルエム「ピトー……お主……」
ピトー「すみません……常に"円"は張っていたのですが……その者の……オーラが余りにも……」 ゴク…
メルエム「……うむ……」 ジッ
ピトー「……私の感覚が狂ったのかと思いました……しかし、一応気になって帰ってきましたが……」
ピトー「現実とは……」 ゴク… タラ…
ヤムチャ(ごめんね 気付かない程に気の量が少なすぎてごめんね 想定外の弱さでごめんね)
ヤムチャ(これでも一応精一杯がんばってるんだけどね これが限界なんだよね ごめんね 俺ヤムチャだからね ごめんね)
ピトー「王……ここは私が……」
メルエム「ならんッ!」
ピトー「我々は王の護衛……王を護り通すのがその役目!」
メルエム「余にここを離れろと申すかッ!」
ピトー「王! お願いします! この者は余りにも……」
ヤムチャ(手下っぽいの出てきたよ……余りにも弱いから自分で大丈夫ッス!ってノリだよ……もう慣れっこだよ)
ヤムチャ(でもどうせ俺が勝てっこないんだよ……分かってるんだよ……抵抗するだけ無駄なんだよ……)
ピトー(とにかく……先手必勝ッ!) シュバッ
ズ ォ オ オ ォ ォ ォ オ ォ ッ
テ レ プ シ コ ー ラ
黒 子 舞 想
シュバッ ドゴォォッ バシィッ
ドッ ドゴォォッ バキィッ!
ヤムチャ(凄い勢いで全身ペチペチしてきたよ……知ってるよこれ……チンピラがカツアゲする時の行動だよ……)
ヤムチャ(はいはい分かりましたよ ごめんね 俺ヤムチャでごめんね イラつくよね もっと強い奴がいいよね ごめんね)
王「馬鹿な……」 ギリ…
王(何故……何故あの人間は……)
ピトー「ッあ゙あ゙あ゙ぁあ゙あ゙あ゙ぁあ゙あァ゙ァあ゙あぁあ゙!!!」
ドゴォォッ! バキィィッ! シュバッ! ドッゴォ!
王(ピトーの攻撃を食らって平然と立っていられるのだ……!?)
ヤムチャ(もうやだよー どんだけペチペチするんだよー 怖くて動けねーよー 早くスパッと終わらせてよー)シクシク
ヤムチャ(こういう恐怖演出嫌いだよー 早くワンパンで終わらせて地面に埋め込んでくれよー 胃が痛いよー)シクシク
スッ
ピトー「っ……ぐ、ぅ……」 ガク…
ヤムチャ(あ、終わった)
王(ピトーの奴め……全力を振り絞り、念を使い切りおった……) ジ…
ピトー「はぁ……ッ……はぁッ……」 ガクガク
ピトー「お、王を……」 ゼェ、ゼェ
ピトー「お守り……しなくて、は……」 ググ…
王「ピトー ……」
ピトー「人間……お前は……何なんだ……っ」
ヤムチャ(ペチペチ終わりなのかな もうそろそろ本気なのかな)
ヤムチャ(……終わりだよな? 嫌だけど、もうおふざけタイム終わりだよな?)
ピトー「く、くそっ……何とか言え……!」
ヤムチャ(え……何とか言えって……何とかって言われても……)
ヤムチャ「もう……終わりか?」
ピトー「…がッ……ッ……」 ギリ…ギリ
王「……ッ」 ぐぐ…ッ
ピトー「……ッ…ギ…ギ…」 ギリギリギリギリ…
ヤムチャ(なんか凄く怒ってる気がする!!?)
メルエム「ピトー!! もう良い!! 下がれッッ!」 ズォォオォ…
ピトー「お、王!?」
メルエム「余を見くびるな!!」
メルエム「護衛軍の役目は王を守ることだと!?」
メルエム「ならば……配下を護れずして……何が王かッ!!!」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
ピトー「王………」
ピトー(凄い……王のオーラの量が……これまでと桁違いだ……)
ピトー(ま、眩しい……! 王を見ているだけで目が焼けそうだ……! これ程凄まじいオーラは初めてだ!)
ヤムチャ(なんか超弱火から弱火ぐらいになったよ……サックリ殺しに来たよ……泣けてきたよ……)
メルエム「もう手加減はせんッッ!! 全力でッッ! 貴様を叩き潰すッ!」
メルエム「余は蟻の王ぞッッ!!」 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
ヤムチャ(なんか凄くお怒りだよ)
ヤムチャ(ごめんね、急に出てきたのがただの雑魚だもんね ほんとごめんね)
ヤムチャ(あれかな、今更だけど、弱いんで見逃してくださいアピールしたら許してくれないかな)
ヤムチャ(そうだ。 こいつセルっぽいしめっちゃ強そうじゃん 俺みたいな雑魚倒してもしょうがない、ってなりそうじゃん)
ヤムチャ(すっごくやる気の無い狼牙風風拳撃ったら『何これww腹痛いww』ってなるんじゃないかな)
ヤムチャ「ろーがふーふーけーん」 チョン
ビュッッ バキィィィッ!!
メルエム「 ッ ぐ ブぁ が ッッ !!? 」
┣” ッ
ゴ
オォォォォォオォォオッッ!!!!
ピトー「王ッッ!!!!」
ガラ…
パラ… パラ…
ピトー(ッ! 王が壁を突き抜けて隣の部屋へ……!) ダッ
ピトー「王ッ!」 タタッ
メルエム「……ッ」 パラ…パラ
ピトー「王、大丈……」 ピタ…
ボタ… ボタ…
ピトー「こ、これは……腹部がっ……」
グチャ…
メルエム「ぐ……な、何だ……これは……腹が……ガハッ」
ピトー「王っ!」
ピトー「ド、玩具修理者<ドクター・ブライス>ッッ!」 シュイィンッ
ピトー「王……! お気をしっかり……!」
メルエム「ぐ……」 ググ…
ヤムチャ(手応えが無かった……当たらなかったな……。 後ろっ飛びで避けられた……。) シュン…
ヤムチャ(でも今『何だこれ。腹が。ガハハ。』って聞こえた気がする)
ヤムチャ(見逃してもらえるかもしれない)
ヤムチャ(挨拶して帰ろうかな……)
スタスタ
ヤムチャ「あの……」
ピトー「ッ!」
メルエム「ッ……!」 グ…
ピトー(まだ王の治療は終わってない…… いや、終わったとしても…… くっ……)
ピトー「……」 バッ
メルエム「ピトー……よせッ……お前にはもう、念が……」
ピトー「……」 ビクビク…ブルブル…
ピトー(王には……指一本触れさせない……!)
ヤムチャ(手下が立ちはだかって……ボスが寝てる……)
ヤムチャ「……」 ピーン
ヤムチャ( も う お や す み の 時 間 な ん だ !! )
ピトー「……」 プル…プル…
ヤムチャ「あの……もう……終わりで……」
ピトー「え……?」
ヤムチャ「終わりで……いいか?」
ピトー「……」
ピトー「……」 コク…
ヤムチャ「……ホッ」
ヤムチャ「じゃ、じゃあ、これで……」
メルエム「待て」
ヤムチャ「ッ!」 ビクゥ!
メルエム「何故だ……何故……見逃した……?」
ヤムチャ(え? なんで見逃したか? それお前が聞くのか? あれか? 敢えて俺の口から言わせたいのか?)
ヤムチャ「よ、弱すぎる、から……? ですか?」
メルエム「……ッ」 グ…
ピトー「……」 ギュッ…
ヤムチャ「……?」 ビク、ビク
メルエム「……問おう……強さとは……何だ……?」
ヤムチャ「え、えぇ~?」
ヤムチャ「で、できれば……強い人は、あんまり弱い者いじめはせずに、こう、逆に守るべきかな~、と……」
ヤムチャ「そうあって欲しいなぁ~、と……」
メルエム「……」
ピトー「……」
ヤムチャ「そ、それじゃ……」 タタッ
ピトー「王……修理が終わりました」
メルエム「……」 ムクッ
メルエム「ピトーよ。感謝する。」
ピトー「いえ……」
メルエム「……………完敗、だ」
ピトー「王……」
メルエム「ピトー ……余は……余は小さき世界で夢を見ていたようだ」
ピトー「……」
メルエム「旅に、出ようと思う」
ピトー「旅、ですか」
メルエム「ああ」
メルエム「……来るか?」
ピトー「……」 フフッ
ピトー「もちろんですニャ」 ニャン♪
ヤムチャ「う~……ここは何処なんだよぉ……森の中じゃさっぱり分からな……」
ピカァァ~
ヤムチャ「んぅ!? 俺の体が光っている!?」
ヤムチャ「あ、な、なんか嫌な予感!! 凄くイヤな予感!!!」
パァァァァ!
シュンッ!
─── ピカァァァァ… シュンッ!
ドサッ
ヤムチャ「いでぇっ!? いたた……」 ムクッ
ヤムチャ「こ、ここは何処だ!? 俺はさっきまで森の中にいて……」
ヤムチャ「き、急に街の中……しかも結構な都会だぞこりゃ……」
ヤムチャ「くそっ! 何だってんだ!」
ヤムチャ「一体誰の仕業なんだよッ!?」
ヤムチャ「来るなら掛かって来いっ! バカヤロ─── ッ!!」
一方通行「あァ……?」
ヤムチャ「………」
ヤムチャ(あー終わった目つきやばいよあいつ絶対強いよ俺一瞬でやられるわ悟ったわあーまた俺やられるんだあーあー)
完!
仮にハンターの世界に合わせて弱体化したとしても
才ある念の使い手として十本の指には入るんじゃ…