アイツのモノがわたしを押し広げて入ってくる。
とても幸せな瞬間。
この幸せがずっと続けばいいのに、と思いながらどこからか聞こえてくる甲高い声を聞いていた。
その声が自分の出したモノだって気が付いた頃、アイツが突然聞いてきた。
「美琴って俺とこうなる前、ずっとオナニーしてただろ?」
「えっ?なななな、なんで?」
「だって、この前の初エッチでものすごく乱れてたじゃん。
それに、初めてだって言ってたわりに痛がらずにすんなり入ったし」
なんて恥ずかしい事を聞いて来るんだコイツは!
否定よ否定!
毎日のようにコイツを想ってしてたなんて言えない!
いや、想像ではもっと凄い事してたし……
指を入れたりヘアブラシの柄を入れたりしてました、なんて言える筈無い。
「沈黙は肯定とみなしますよ、美琴さん?」
腰を動かさずに中に入ってるモノをぴくっぴくっと動かしながら聞いてくる。
どうやって動かしてるんだろう?
上の壁にこつこつと当って凄く気持ちいい。
思考が蕩けるような甘い快感が下腹部を覆ってくる。
(言ったら引かれるし、負けよね)
なんて考えながら、白状した時の事を想像してみた。
すると膣がきゅぅっと締まる。
(あ、わたしがえっちな女の子だって知ってもらおうって考えるだけでこんなに興奮してる)
やっぱりわたしはドMだ。
恥ずかしい事をしたりされたり言われたり言わされたりすると興奮しちゃう変態さん。
オナニーの時も酷い事されるとこ想像する方が興奮するもんなぁ。
(言っちゃえ、きっともっと興奮できるよ)
わたしの中の悪魔が囁く。
喉がぐびりと音を立てる。
下半身の気持ちよさがじわりと広がって、その囁きに抵抗できなくなってくる。
「ちょっと前から してたし い、いまも してるの」
恥ずかしい、恥ずかしい!たった一言白状するだけでこんなに恥ずかしいなんて。
心臓が跳ねる。多分、今、わたしは耳まで赤い。
元スレ
上条当麻×御坂美琴 いちゃエロスレ3
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/6947/1298457267/
「やっぱりなー。中2のバージンだってのに乱れすぎてたもんな、この前」
そんなに乱れてたかしら?
確かに何度もイッちゃったけどさ。
「ところで、今も?今までは週何回くらいしてたんだ?」
ああ、これは問い詰められる。きっと全部白状しちゃう。
こんなえっちな子だって分かったら嫌われちゃうんじゃないかな。
嫌だな、ちょっとでも嫌われちゃうのは。
興奮する身体とそれを醒めさせる想い。
わたしはこころとからだの間でゆらゆら揺れる。
「おんなのこは 一度に何回もイケるときもあるし……ぜんぜんイケないときもあるから」
恥ずかしい。
「それに、イクのって浅いのも深いのもあるから……」
怖い。嫌われるかも。
「週何回って聞かれても困る」
引かれてないかな。
「でもね、この前乱れちゃったのはそのせいじゃなくてね」
「ずっと大好きでたまらなかった当麻と結ばれて嬉しかったから」
「もう死んでもいいや、って思ったもん」
アイツは繋がったまま顔を少し離してにぱっと笑った。
ちくしょう、かっこいい。
この笑顔にいつもやられちゃう。
アイツはまた耳元に唇を寄せて囁く。
「嬉しいよ。でも、美琴の事は何でも知っていたいんだ」
あーもう、そんな風に言われたら困る。
また膣がきゅっと締まるし。
あー、感じてる、わたし。
「何でも話したら嫌われちゃう。だってわたしすごくえっちな子だもん」
少しだけイヤイヤをしながら、身体を捻って拗ねてみる。
アイツはわたしの目を見ながら唇を寄せ、ちょんちょんと啄ばむようなキスをしてきた。
「嫌いになんかならないし、えっちな美琴は大好きだぞ。もちろん俺に対して限定だけどな」
当たり前じゃない。
アンタだからこんなにドキドキするし濡れちゃうし、裸になって一番恥ずかしい場所だって見せられちゃう。
妄想では犯されたり痴漢されたりするので濡れちゃうけど、妄想と現実は絶対に違うし。
それだけは伝えないと。
「当麻だけよ、絶対。当麻だからこんなに気持ちいいの。当麻だから恥ずかしいわたしも見せられる。
だから全部、心も身体も裸になるからちゃんと聞いてくれる?」
うえあー、あー、口が勝手に白状しますって言ってるよぉ。
「で、でも、動かないでね。感じて喋れなくなっちゃうから」
動かなくても感じてるけど。
「ん、わかった。一度抜こうか」
「嫌、入れてて欲しいの。中で柔らかくなってもいいから。ずっと繋がってたい」
「美琴の中に入ってるっていうのに萎えるわけないだろ」
またあの笑顔。心臓が跳ねる。
これから恥ずかしい話をしようってのに、なんか反則。
コイツを好きになってよかった。
この距離でこの笑顔を見れてよかった。
受け入れて貰って嬉しくて泣きそう。
わたしで興奮してくれるのがこんなに嬉しい。
もう死んでもいいや、ってまた思っちゃう。
なんだか動かなくってもイッちゃうかも。
ダメダメ。えっちじゃない話から始めないとすぐ来ちゃう。
「あのね。ロシアから帰ってきてからなんだけど」
学園都市に回収された後の事から語った。
帰ってきた時は魂が抜けたようになった事。
寮に籠もって泣いて、気が付くとコイツの姿を求めて徘徊して。
でも、すぐにこんなんじゃダメだって思った事。
世界中の情報網にハッキングしてコイツの情報を漁った事。
あの時コイツを救えなかったのは自分の能力が足らなかったからだ。
だからもしまた会えたら今度こそ失敗しないように、能力開発に没頭した事。
寮に籠もりきりで能力を内から外へ、外から内へ。
電気を撒き散らすような能力開発は寮を壊しちゃうので出来ないから、周りにある電子の力とわたしの持つ電子の力だけを見て。
力の平衡と解放、干渉と調和。
できる事は何でもやった。
「だからね。今ならあの時の当麻を救えるよ、多分。今なら二人のいるこのビルごと持ち上げて浮き上がる事もできると思う」
そして内から内へ、外から外へ。
繊細な生体電流の操作も、地磁気への干渉も。
自分自身を実験台にして何でもやった。
「で、その生体電流の操作中に……」
自分の中の『おんな』を見つけてしまった事を話した。
ドキドキする。こっから先はえっちいお話。
コイツの事を想う気持ち。それを求めて増幅させる。
切なくなる。会いたくなる。
かすかに浮かんだコイツの顔。
増幅させる。あ、姿が見えた。
あのバカでかい要塞の上でわたしの腕を振り払った悲しそうな顔。
見てもらえた。また見つけられた。嬉しい。見てくれてる、わたしを。
そう思った時、突然わたしの身体が痙攣した。
びくんびくんと、1分ほど痙攣してただろうか。
強烈な快感が身体を襲う。
(え?何?どうしちゃったの?もしかしてイッちゃったってやつ?)
恐る恐る股間に手を伸ばしてみる。
はしたなく濡らしている。確認した指先の感覚に身体が震える。初めての感触。
女は好きな人の位牌を抱いただけでイケるって話を聞いたことがあるけど、本当だったんだ。
今度は触れた指の感触を増幅させる。すごい快感がわたしを襲う。
3度果てて、その日は眠りについた。
「これがわたしの最初のオナニー」
恥ずかしさに身体がカッと熱くなる。
いま、わたし、感じてる。
「すごいな。そんなに想ってくれて嬉しいよ。でもなんか危ない事してたなぁ。今もその快感増幅法は使ってるのか?」
「ううん。ひとりで、って時はちょっと使うけど。あなたに抱いて貰ってる時は使わない。使いたくない」
「え?いま『あなた』って」
「うふ。なんかこうしてる時って『あなた』って呼ぶのがしっくりくるかな」
そうだな、嬉しいよ、と言って抱きしめてくれる。
入ったままのモノが少し位置を変えてわたしの中の壁をこする。
それだけでびくっと反応してしまうわたしの身体。
つくづくイヤラシイ生き物になってしまった。
「で、それからは?どれくらいのペースでしてる?中にも指入れたりしてたんだろ」
来たー!どうしても聞いてくるか。
うまくはぐらかした気でいたのになー。
「そ それからは まいにち…… 一人になれたらだいたい。一人になれない時はトイレで、とか、お風呂場で、とか」
実際、黒子は帰ってきてから落ち込むわたしをそっとしておいてくれてた。
かなり一人になれたと思う。もちろん、一人のときは必ずしてたってわけじゃないけど。
能力開発のほうも頑張ってたし。
でも、結構な頻度で自分の身体を確かめ始めたのは否定できない。
感覚を増幅させる、その基本の感覚を体験したくて自分の身体をいろいろ触ってみた。
薄い胸の頂上にある二つの突起は触るとすぐに尖ったし、股間の突起は触るとすぐに濡れた。
わたしの陰核はちょっと大きいみたいで、触ると小指の先くらいになって硬くなる。
撫でたり擦ったり摘んだり捻ったり。すごく気持ちいい。
濡れた膣には指を一本入れてみた。痛くない。むしろ気持ちいい。
2本、3本と入れてみる。ちょっとピリッとしたけど悪くない。
わたしはおとなしく座って本を読んで過ごすようなタイプじゃないので、きっと処女膜は破れていたんだろう。
奥まで届かないのでヘアブラシの柄を入れてみた。
一番奥に当る感覚は悪くない。
そうして能力を開放して感覚を増幅させる。
圧倒的な快感がわたしをさらう。
そうしてわたしはオナニーに夢中になっていった。
ときどき、夢中になってると部屋のドアをノックされる事があった。
悲鳴が聞こえたけど大丈夫ですか?泣いてみえるんですか?
などと心配したような声。
きっと声が出てたんだろう。
そういえば高い音が聞こえた気がする。
気をつけなきゃ。
ここまで話したら、アイツも興奮したのかまたおちんちんをぴくぴくさせてきた。
「あっ、ダメ!イッちゃう!」
あーダメだ。話してて興奮しすぎちゃった。
快感を堪えてた堤防は一気に決壊する。
身体が反る。痙攣が来る。頭の中が真っ白になる。
ほとんど何もされてないのに、能力も使ってないのに。
入れられてるだけで連れ去られてしまった。
アイツはわたしの絶頂を見て動き始めた。
感覚は頂上から降りることを許して貰えず、またすぐにてっぺんに登る。
ア行の長く尾を引く甲高い音が自分の出してるものだと理解できない。
お尻に暖かい感覚が広がる。
(おしっこ漏らしちゃったかな……)
うすらぼんやりそう考えるけど、もうそんな事はどうでもいい。
突かれる度に頭の中がスパークして、何度目かの頂上を登りきった時にアイツの動きが止まった。
ゆっくりとゆっくりと現実に帰ってくる。
「よかったぁ。すごくイッちゃったぁ。あなたも?」
わたしの中のアイツ自身はまだ硬いままだ。
「いや、まだ話の途中だったから。まずはちょっと落ち着いて、そしたら話の続きを頼む」
硬いままのソレをゆっくりわたしの中から引き抜く。
惜しい。けど、引き抜く感覚でわたしの身体が反応する。
ふっ、っと声が漏れて、背中が反ってしまった。
「美琴さんはいちいちエッチな反応しますね~」
アイツがニヤニヤ笑って言う。
誰のせいよ。
わたしの身体はもうアンタに馴染んじゃったのよ。
2度目のセックスだってのに、もうすっかり当麻色のわたし。
もう戻れない。戻るつもりも無いけど。
「それ、すごい。あなた、それ、そのままで大丈夫なの?」
そういえばコイツのおちんちん、こんなに間近で見たのは初めてだ。
全く萎えずに、お臍に着きそうなほどそそり立ってる。
あぐらをかいて座ってるアイツは大丈夫だと言った。
あんまり大丈夫そうじゃないけど?
そう言って顔をゆっくり近づける。本能がそうさせる。
男の子の匂い。女の子の臭い。
陰毛までわたしの出した体液でべっとりと濡れている。
お漏らししちゃったはずなのに不思議とおしっこの臭いはしない。
そっと手を添えて、形をなぞって確かめてみる。
熱い。そうしてわたしの身体もまた熱くなる。
頬ずりしてみる。わたしの体液で顔が濡れる。興奮しちゃう。
そっと口に含んでみる。
男の子の味がする。女の子の味もする。身体が震える。
「おいおい、いきなりしゃぶるなんて反則ですよ。てか、フェラチオなんて知ってるんだな」
知らないわよ。
そりゃ、そういうテクニックがあるってのは本とかで見て知ってるけど。
オナニーの時は想像しちゃってるけど。
そういうんじゃなくて、見て触れたら含みたくなっちゃっただけだもん。
口に含みながらそう言ってやった。
「待て待て、咥えながら喋べんな。噛み付かれたら上条さん卒倒しちゃいますからね?」
あ、そうか。噛んだらそりゃ痛いよね。
どこをどうしたら気持ちいいんだろう。
ここで聞くのも野暮よね。
いろいろ試して反応を見ればいいか。
おちんちんの付け根から先っぽまで舌を這わせてみる。
先っぽの丸い部分を舌でくるくると舐ってみる。
先っぽを咥えてちろちろと舌を這わせてみる。
ゆっくりと喉の奥まで飲み込んでみる。
ちょっとえずきそうになるけど、喉の奥でおちんちんを締めてみる。
コイツがわたしの中で暴れてる時のように出し入れしてみる。
ぐっと咥えて、おちんちんの裏側をなぞるように舌を這わせながら引き抜いてみる。
イロイロ反応が見れて面白い。
気持ちよさそうに、うっと言葉が漏れたりすると凄く嬉しい。
舐めてると何となく感じるポイントが解ってきてそれも嬉しい。
おちんちんの裏側が特にいいみたい。
喉の奥までピストンするのもいいみたい。
夢中になっちゃう。
「おい美琴、そんなにしたら出ちゃうぞ」
上目遣いにアイツを見て頷いてやる。
さっきはめちゃくちゃイカされちゃったから今度はこっちの番だ。
頭がぼーっとしてくる。
ピストンのスピードも這わせる舌のスピードも加速させる。
顎が疲れてきた。喉も苦しくなってきた。
唾液がおちんちんに沿って流れ出し、添えた手を濡らす。
あんまり奥に入れるとちょっと「げっ」てなる。
なのに、なのに。身体はどんどん熱くなる。
感じてくれているアイツのおちんちんが愛おしくて仕方がない。
「くっ もう出ちまう」
言われなくてもなんとなくわかった。
いっそう硬くなったおちんちんの先が丸く膨れるような感触が口の中で感じられたから。
あ、お口の中に出してくれるんだ、と思ったらお腹の下のほうがきゅんってなった。
子宮の位置がなんとなくわかる。
わたし、口で当麻のおちんちんを犯しながら感じてるんだ。
こんなに疲れて苦しいのに感じてる。
もう、なんていうか、変態ね。
喉の一番奥の入るのが限界って所まで飲み込んだ。
そこでいっそう膨れたおちんちんが爆ぜた。
暖かい塊が喉の奥を打つ。
「げっ」てなりそうになったけど、溢したらなんだかもったいない気がして必死で飲んだ。
苦しくて涙が溢れてくる。
それなのに子宮がひくひくしてる。感じちゃう。気持ちいい。
喉の奥を打つ精子の固まりは、おちんちんがびくっとなる度に何度も吐き出されて量も多かった。
最初の一撃は喉の奥に流し込んだけど、残りはお口の中に。
こぼれそうな分だけ少しずつ飲んだ。
変な味だけど嫌いじゃない。
変な匂いだけど興奮しちゃう。
最後の一滴まで飲み干して、ちゅうちゅう啜ると残りなのか少し精子が出てきた。
それも飲み干して口を外してアイツの呆けた顔を見る。
「えへへ、飲んじゃった」
言って、もう一度萎えきっていないおちんちんを喉の奥まで咥える。
息が詰まる。苦しい。
アイツはイッた後でも感じるのか「うっ」って声を出しておちんちんをぴくってさせる。
さっきはわたしの中でこうやってぴくぴくさせるだけでイカせてくれたんだよね、これ。
そう思ったら愛しくて、苦しいのにもっと奥まで飲み込んじゃた。
すると、今までひくひくしてた子宮がぎゅーんと縮んだ感じがして身体全体が痙攣した。
(あ、イッてる。こんなに苦しいのに。ホントにわたしって変態だ)
喉からおちんちんを吐き出したわたしは、例によってア行の絶叫を吐きながらアイツにしがみ付いて絶頂していた。
「美琴、お前すごいな。能力使ってイッたんか?」
ううん、違う。あなたが感じてくれてるだけで興奮してイッちゃったのよ。
それに右手で触ってくれてるから能力は使えないし。
そう言うとアイツは優しく頭を右手で撫でてくれた。
喉の奥が苦しいのが気持ちよくてイッちゃったとは言えなかったけど、いいよね。
二人してくたびれちゃってアイツに腕枕してもらって横になる。
なんかね、ホントに幸せ。
「で、と。話の続きはいいかな?」
いーやー。せっかくいい雰囲気なのに。
「もうちょっと後で。ね?今はすっごく幸せな気分なの」
少しだけ幸せな気分で眠らせて、ね、あ、な、た。
1時間もまどろんでいただろうか。
アイツの動く気配で目が覚めた。
「喉渇いただろ」
冷蔵庫からミネラルウォーターを持ってきて渡してくれる。
「うん、ありがと」
こくこくと喉を流れる冷たい水がとても美味しい。
ちょっとシャワーを浴びてくるわね、と起き上がると遮られた。
一緒に浴びるぞ、と手を引っ張られる。
全裸で立って向き合うってのは何度やっても恥ずかしい。
なんでだろ。
二人でじゃれあいながらシャワーを浴びる。
途中、シャワーを股間に当てられてまたわたしは腑抜けになる。
にゃあ、と甘えながらアイツの肩にすがってガクガクと膝を震わせる。
「ん?美琴さんは気持ちよくなっちゃったのかな?こんなことで?」
いや、気持ちいいどころかあっという間に来ちゃいそうよ。
恨めしげにアイツの顔を睨むと、ムキになったか余計にシャワーを当ててくる。
「うにゃ!だめぇ、イキそうになっちゃうぅ」
唇を奪われた。舌が入ってくる。
丁寧なキス。歯を舐め歯茎を舐め舌を捉えて絡みつく。
唾液がお互いの口内を行き来する。
なんて気持ちがいいキス。
蕩けそうな気持ちになってるのにシャワーを止めてくれない。
当て始めて3分もたってないのに。今日はもう何度も絶頂してるのに。
あっという間に大波にさらわれて両手でアイツの肩にしがみ付き絶叫してしまった。
「もー。またイかされちゃった」
エッチな気分が戻ってきたかな、と笑いながらわたしの身体を拭いてくれるアイツ。
こんなに優しいくせに、恥ずかしいこと言わせる気はまだまだ満々みたいだ。
お互いバスローブを羽織ってソファに並んで腰掛ける。
アイツの肩に頭を寄せてもたれかかる。
うーん、なんて幸せ。
右手で肩を抱いてくれる。
幸せ度30%アップ。
「で、初めてのオナニーから今日まで毎日してたのはわかったけど。どんな想像しながらやってるんだ?」
今日はやってないわよ!
てか、もう!せっかく幸せ度が上昇中だったのに!
羞恥度が上昇しちゃうじゃないの!
そう言って拗ねてみせる。
「まぁまぁ。恥ずかしいのは嫌いじゃないだろ?」
何で分かんの?
「だってさっき、入れてるだけなのに恥ずかしい話で急上昇しちゃったじゃん。あと、喉の奥でイッっちゃうなんてMだよな」
きゃー、やめてー!
言わなかったのに、喉の奥のそれ。
何で?もー、恥ずかしいなぁ。
しかもどんな想像して、って。
それ、それを言ったら死ぬって。恥ずかしさで。
てか、ホントにそれは勘弁して欲しいなぁ。
嫌われたくないもん。
「アンタにこうして抱いて貰うのを想像してオナニーしてたのよ」
おいおい、アンタに戻ってるぞ、と言いながら顔を覗き込んでくるアイツ。
それだけじゃないよな。口調で丸分かりだぞ。
それにそれだけならそんなに恥ずかしがるわけは無いしな、とからから笑う。
憎ったらしいわね。
「嫌いになっちゃ嫌よ」
覚悟を決めた。ドキドキする。
「ち、ちかん されたりとか」
とか?と聞いてきやがる。
「能力を奪われてスキルアウトに襲われる とか」
恥ずかしい、息苦しい。
「そうして 感じて抵抗できなくなって……身を任そうと身体を捧げたときに……」
まるで、いや、まったくの変態だ。
「あなたに見つかって み、み、見られながらイッちゃうの」
変態よね。引いちゃうよね。
涙がじわっと浮かんできちゃう。
「変態でも大好きだし、そんな事で引かないし。実際に抱かれに行きましたってのならアレだけど、タダの妄想だろ」
そりゃそうだけど。
でも。でも、他の人にめちゃくちゃにされるのを想像してオナニーしちゃうのよ?
最後イク時は必ずあなたに見つめられながら、なんだけど。
そう言ったらホントに泣けてきた。
こんなえっちな子が彼女でごめんなさいって気分になって。
「いいんだって、美琴はえっちで。これからはいつもえっちな気分になったら傍にいてやるし」
ありがと。
でも、えっちな気分の時に一緒にいてくれたら、どんどんえっちな子になっちゃうね。
って、いつも?
「そそそそ、そえはろういう意味?」
噛んじゃった。
「いつも、だよ。気が早いけど、もう美琴を手放す気は無いし」
ダメだ。涙の意味が変わってきた。
号泣しちゃう。
両腕をアイツの首に回す。涙で歪んだ顔を見られないように。
「もっとえっちな美琴の妄想を聞かせてくれないか」
耳元で言われて、また身体がカッと熱くなった。
どろり、と陰部から熱い体液が溢れ出る感触がする。
他人に抱かれて喘ぐわたしの妄想を具体的にコイツに話す。
その被虐的な悦びにまたわたしの『おんな』が騒ぎ出す。
裸に羽織ったバスローブのお尻の部分に染みが広がる。
「具体的に?」
まだ鼻声のわたしに、返事の変わりにキスで答えるアイツ。
完全に屈服したわたしは話し始める。
ぽつり、ぽつり、と。
きっかけは生体電流の能力を高める訓練をしてた夜。
夢を見た。能力を暴走させながら。
能力を奪われまだ薄明るい路地でスキルアウトに囲まれるわたし。
一発殴られただけで完全に抵抗を放棄するわたし。
言われて自ら服を脱いでいくわたし。
全裸になって一番好みの顔のスキルアウトの服を言われもしないのに脱がせていくわたし。
その頃はまだネットの写真でしか見たことはなかったけど、巨大な陰茎に頬ずりするわたし。
ヘソまで生えた濃い陰毛に顔を埋めて匂いを嗅ぐわたし。
スキルアウトの輪の外に一般人のいる気配がしてより興奮するわたし。
自ら足を開いて陰部を見せるわたし。
貫かれるわたし。善がるわたし。腰を振るわたし。
愛液が滴る陰部から飛び出た陰核を他のスキルアウトに舐めるようねだるわたし。
他のスキルアウトにアナルを犯されるわたし。
スキルアウトの輪が切れて、そこから一般人の観客が見えて興奮するわたし。
誰も助けてくれなくて絶望するのを逆に悦ぶわたし。
そうして、その一般人の中から駆けつけてくる当麻に「そこで見てて」って言って絶頂するわたし。
すぐに目覚めたけど、イッてる最中で能力の暴走は止められなかった。
いや、止めなかった。
その夜は黒子が外出していたこともあって、体力が尽きるまで能力を暴走させてイキ続けた。
それからいろんなシチュエーションで被虐的な妄想でオナニーするようになった。
違うわたしは満員電車に乗っている。
1mほど離れたところに見覚えのあるツンツン頭を見つける。
声を掛けようか、どうしようかと迷ってるとお尻に手の感触が。
能力で振り払うには満員電車はまず過ぎる。
どうしようかと迷ってると胸を揉みしだかれる。
違う方向から伸びた手は短パンの中に侵入して陰核を撫でる。
その頃には官能の波にさらわれたわたしはすっかり抵抗を放棄する。
調子に乗った痴漢たちはわたしの制服を剥ぎ取っていく。
満員電車の中で全裸にさせられたわたしは、羞恥よりも激しい快感に責められる。
八方から伸びる手がわたしの性感を高ぶらせていく。
ツンツン頭があえぐわたしに気がついてこっちに顔を向ける。
見ないで、って言いながら絶頂して、イッてるから見てて、と言うわたし。
違うわたしはAVに出演している。
沢山のスタッフに囲まれて服を脱いでいく。
スタッフの中に何故かツンツン頭が混じってる。
「彼氏はいるの?」
いないくせにいると答える。
「初体験はいつ?」
したことないくせに一年前と答える。
「オナニーはするの?」
毎日5回すると答える。
「じゃ、おっぱい見せて」
自信が無いけど、と言ってブラを取る。
乳首を舐められて声をあげる。
「下も脱ごうか」
脱いで落とした下着がわたしの出した体液で濡れきってべちゃりと湿った音を出す。
「すごく濡れてるね」
見られると興奮するから、と答える。
「じゃ、ちんこ舐めてみようか」
起立した男優のおちんちんを咥える。
「彼氏とどっちが大きい?」
この人、と答える。
「あそこを見せてみようか」
M字に足を開いて両手で濡れきった陰部を開いて見せる。
「そこはなんて言うの?」
おまんこ、と答える。
「クリトリス大きいね」
そこ、すごく感じるの、と答える。
「舐めて欲しい?」
舐めてください、と答える。
舐められて悲鳴をあげる。
そうして、男優の上になっておまんこに陰茎をあてがい腰を沈める。
あー、と感じる声をあげる。
「彼氏とどっちがいい?」
あなた、と答える。
そうして、タダのスタッフのツンツン頭に
「イクから見ててね」
とおねだりしながら絶頂する。
「だいたい、こんな感じ。他にもいろいろあるけど」
引いてるに違いないとアイツの顔を見ると、またあの笑顔。
美琴はMだと思ってたけど、ドMだったんだな、なんて言う。
話してる時声が震えてたぞ。興奮してるんだろ。
そんな事を言いながら下半身に手を伸ばす。
陰部に手が辿りつく前に腿まで溢れた愛液がその手を濡らした。
「すごく濡れてるな。どうしたい?」
押し倒した。
もう一刻も我慢できない。
コイツのおちんちんだって大きくなってるじゃない。
バスローブも脱がずに跨って一気に身体を沈める。
例の声が聞こえる前に、入れたとたんに強烈なエクスタシーが襲う。
いいいいいいい、いくいくいってるいってるって勝手に叫ぶわたしの口。
あんまり高いところに連れて行かれてしまって、立て続けの絶頂の最中に意識を失ってしまった。
お姫様抱っこされて目が覚めた。
ベッドに運んでくれるみたい。
「ごめんね、興奮しすぎちゃったみたい」
いいんだよ、と言いつつキスされた。
やっぱ優しいな、コイツ。
「ね、まだ出してないでしょ?」
そうだ、大事なことを伝え忘れてた。
「今日は中に出してもいよ」
この前は恥ずかしくて中で出していいって言えなかったけど。
酔っ払ったアイツに声を掛けられた翌日には医者に駆け込んでた。
経口避妊薬を処理して貰うため。
生理が不順で重いし辛いから、定期的に生理がくるようにと嘘をついて。
再会してすぐにこうなることが分かった訳じゃない。
でも、顔を見たとたんこうなるのが当たり前のような気がして。
たくさんのアイツの周りにいる女の子。
その中の一人としてでもいいからこうして貰おうって顔見た途端に心に決めてた。
「ピル飲んでるから」
アイツは驚いた顔で見つめてきた。
それって大丈夫なんか?って聞いて来たから、安全をアピールしておいた。
「ね、来て。あなたの気持ちいいように好きに動いていいから」
おねだり。
乱暴にしてって。
だって、どんなされ方したってわたしは気持ちいいに決まってるんだもん。
だったらコイツが一番気持ちいい動き方をしてくれる方がいい。
その日、わたしは2度お腹の中にアイツの熱い精液を受け入れた。
帰り支度をしてたら、アイツが変な事を聞いてきた。
「なぁ、ビデオカメラって持ってる?」
いや持ってない。
寮には行事の撮影用に3台くらいあった気がするけど。
「それ、今度のデートに持ってこれるか?」
難しいかもしれない。
黒子に頼むか?
テレポートで忍び込んで持ち出して、こっそり返せば問題ない。
でもなんでいきなりビデオ?
「いや、ちょっと美琴の願望を叶えてみようかと。AVごっこ」
ぎゃー!やめてー!
自分が興奮するために黒子を利用するなんてとんでもない。
それに撮ったビデオはどうするのか。
まさか誰かに見せるとか。
「そんな事はしねーよ。ディスクに落として後で二人で楽しむくらいか。それかその場で消してもいいし」
うーん、AV体験ねぇ。
絶対萌えちゃうのは分かるけど。
そこまでしなくっても、ねぇ?
二人でいるだけでわたしはえろえろよ。
ま、気が向いたら持って来るね、と言ってその日のデートは終了した。
おっねっえっさま――
「あら黒子、帰ってたの。今日は早いじゃない」
寮に帰るといきなり黒子が抱きついてきた。
振りほどいてから、ブレザーをハンガーに掛ける。
「お姉さま?」
何よ黒子。さっきの「お姉さま」とは声のトーンが違うじゃない。
「いつものお姉さまとは違う匂いがしますわ」
ぎくっ
「これはあの殿方の臭い?」
ぎくぎくっ
「それだけではなくて……なにやらえっちな臭いが……」
ぎくぎくぎくっ!
「なななななな、何言ってんのよ、あは、あは、あはははは」
ちょっと疲れてるからまずはシャワー浴びさせてね、とボロが出かけてバスルームに逃げ込む。
お待ちくださいお姉さま、と追いかけてくる黒子に
「テレポートで突撃してきたら電撃パンチだからねー」
と言って鍵を掛ける。まずいなー。
何やら全部バレてる気がする。あいつと付き合い始めたことは言ってあるけど。
確かに隠す気ゼロのにやけ顔だったしな、最近は。
でも……黒子にだけは全部話さなきゃならないわね、いずれ。
お願いしなきゃならない事もあるし。
そう考えながらシャワーのコックを捻る。
アイツの匂いの名残を流してしまうのは惜しいけど、またすぐ会えるし。
お湯で流しながらまだ少し胎内に残ってるはずのアイツの精子を掻き出す。
今日の激しい性行為が嫌がおうにも思い出されて「うっ」と吐息が漏れる。
ホント、節操の無い身体だな、と自虐的な笑みがこぼれる。
頭も身体も綺麗に洗ってドライヤーで髪の毛乾かして部屋に戻ると、黒子が黒いオーラを出していた。
自分のベッドに正座して。
「お姉さま。こちらにお座りください」
あちゃー。説教する気満々ねぇ。
おとなしくしてる以外に手は無いかな、と自分のベッドに腰掛ける。
「お姉さまがあの殿方とお付き合いなさっている事はこの際文句は言いません。不本意ではありますが。
でも、最近のお姉さまの行動には目に余るものがございます。学校にも出てみえませんし。
確かに、行方不明になったお姉さまが帰ってみえてからの落ち込みようは目を覆うものがございました。
それを救ってくださったのはあの殿方であるのも存じております。しかし、やはり学生。
本分を忘れて淫らな日々を無為に過ごすなんていう事は、常盤台のエースたるお姉さまのなさる事ではございませんの」
うーん。まぁそういう風に見えちゃうかなぁ。
「他の寮生の話では、以前お姉さまが一人のときお部屋で大泣きなさってたとか伺ってます。
あの殿方とお付き合いをなさるようになってからはそういう話も聞かぬようになりましたし。
お姉さまが幸せそうになさっているのは、この黒子にとっても嬉しい事なんですの」
うわぁ。それ、泣いてたわけじゃないかも……
「しかし、しかし、学校にもおみえにならないのはいったいどうした事ですの?
あの殿方が帰ってみえてお付き合いを始められたら万事解決という訳ではございませんの?
確かに寮で遊んでいる、という訳ではなく能力開発の特訓をなされているとは伺っておりますが……」
無為に過ごしているわけじゃないって事だけは分かってくれてるようね。
「黒子には大事な話があるの」
やっぱり黒子にだけは言っておかなきゃならないみたい。
わたしが何故落ち込んでいたか。
行方不明になったのは何故か。
妹達の事だけはぼやかして全てを話した。
そんな事情がおありでしたの、と黒子は心配そうな顔を向ける。
こっからがもっと重要なんだけど。
「で、もしかしたらわたしは近いうち学園都市からまた離れるかもしれない」
黒子の頬がわなわな震えて目を皿のように見開いている。
無理も無い。逆の立場ならひっぱたく。
「確定的な話じゃないし、まだわたしにも不明な点があるから詳しくは言えないけど」
でも、結論が出るのは長くない。ここ数日中には答えが出る。
その時には黒子にも相談があるしお願いもあるから。
「わかりました。でも、その時が来たらこの黒子に全てをお教えくださいまし。全力でお力添えをいたしますの」
うん、あんたはわたしのパートナーだもんね。
その時はよろしく、と言ってベッドから立ち上がって正座している黒子の隣に腰掛ける。
後ろから手を回し、黒子の頭をわしゃわしゃしてやると
「お姉さま、そんな事ではこの黒子、誤魔化されませんの」
なんて言いながら顔を赤くして。
可愛い子。
あんたを危険に晒す訳にはいかない。
絶対に守らなきゃ、と改めて誓う。
「あ、そうそう。寮ってデジカムって常備してたわよね?」
へ?デジカムですの?
素っ頓狂な声を出しながら首を傾げる。
「うん。わたし今ほとんど部屋から出ないし、借りに行く理由も見当たらないから黒子に借りてきて貰おうかと思って」
「何にお使いになられますの?ま、まさかあの類人猿とハメ撮り!?なりません、なりませんのおぉぉぉおぉぉ」
自慢のツインテールを逆立てて、また黒いオーラを出してる。
妙に鋭いな、この子は。
「ち、違うわよ!何バカな事考えてんのよ」
今度のデートに使いたい事は確かだけど、普通に記念に二人の動画が撮りたいって伝えた。
ついでに、その日は機材ごと寮からテレポートで連れ出して欲しい事。
デートが終わったら迎えに来て欲しい事。
多分その日には結論が出るだろうから、今回言った事を詳しく話すという事。
それで納得したら、その日の夜にもう一度寮からテレポートで連れ出して欲しい事を頼んだ。
「要領を得ませんがわかりましたの。寮監には上手い事言っておきますの」
よろしくね黒子。頼りにしてるわ。
うーん、と伸びをして目を覚ます。
ココのところ寝つきもいいし寝起きもばっちり爽やかだ。
よく晴れた土曜日。アイツとの約束の日。
いったい何してくれるんだろ。
何ってナニかな、きゃー、などと考えて頬に両手を当てて身体をくねくねしてしまう。
後ろでジト目で見てた黒子が
「お約束のお時間が迫っておりましてよお姉さま。くねくねなさっておられずに早くお支度してくださいませ」
ちょと皮肉っぽく急かす。
何か冷たい口調よね。しょうがないけど。
今日の待ち合わせは予めわたしが予約を取っておいた、いつも着替えなんかで使うホテルの一室。
ホテルの部屋で待ち合わせなんてすごい大人。
情事の為に部屋をノックする、なんてシチュエーションがわたしに訪れるなんて思ってもみなかったな。
デジカムのセットを担いでホテルの近くまで黒子に送ってもらう。
悪いわね、帰りもよろしく。
電話するからねー、と手を振って分かれる。
チェックインしようとしたら、お連れ様は先ほどおみえですよと言われた。
遅れずに先に来るなんてらしくないじゃない。
ま、帰ってきてからは全くらしくないけどさ。
優しすぎるし。
部屋のドアをノックする。ドキドキするなぁ。
程なくアイツがドアを開けて顔を出す。
にぱっといつもの笑顔。
きゅーんとしちゃう。やっぱ好きだ。たまらない。
もう既にこれはびょーきね。
「お、ちゃんとビデオ持って来てくれたんだな」
持ってくるって言ったじゃない。デジカムだけどね。
部屋に滑り込んでアイツの背中に回る。
背中からぎゅーって抱きつく。
広い背中。アイツの匂い。
一気に幸せ度100%だ、なーんて。
「ミコっちゃんは甘えんぼさんですねー」
ミコっちゃんゆーな、と言ってデジカムのセットを肩から下ろす。
「これ、どーやって使うか判るか?」
使った事無いけど、説明書があるんじゃない?
わたしがそう言うと下ろしたセットをかちゃかちゃと荷解きを始めるアイツ。
三脚もあるのか、ふんふん、このコードは電源用でこのコードは何だ?
ぶつぶつ言ってる。ノリノリじゃない。
「ちょっと貸しなさいよ」
てきぱきとカメラを三脚にセットして電源コードを挿す。
電源を入れて録画ボタンを押すと小さなモニターに映像が映る。
こんなところかな、で、どうするの?
「おい、このコードは?」
あ、それは外部モニター用のやつね。
テレビとかパソコンとかのモニターに録画中の画面が出るヤツ。
録画してなくても出せるんじゃなかったかしら。
そう言うと、こっちの備え付けのテレビでも見れるのかと聞かれたので確かめてみる。
「できるみたいね。ほら、ここに差し込めば。出た出た」
セミダブルのベッドに向かって備え付けてあるでっかいTVにわたし達が映る。
なんか恥ずかしいぞこれ。
「よし、じゃぁ始めるか」
えっ、もう?
「嫌か?」
いや、じゃない。
けど、なんだか性急ね、なーんて言う割には顔が耳まで赤くなるわたし。
シャワーも浴びてないし。
まぁ、部屋で浴びてきてはいるんだけど。
今日は終わったら話すこともあるし、する事しちゃった方が落ち着くか、なんて自分で言い訳。
ドキドキしてきた。なんか汗も出てきたし。
ベッドに腰掛けて深呼吸一発。
「で、どうするの?」
TVのすぐ右側にデジカムをセットしながら、これって録画されてるのかと聞くアイツ。
「電源だけだから今はされてないはずよ。赤いボタン押せば録画開始」
大画面にわたしが映ってる。ちょー恥ずかしいんですけど!
録画はいいか、とかぶつぶつ言いながら寄って来る。
「この大画面は上条さんと他大勢のギャラリー役。カメラはAVカメラマン、上条さんは赤の他人の監督権男優」
そういう設定でどうだ、と。
ナニそれ。この前話したわたしの妄想と同じシチュエーションな訳で。
心臓が早鐘のように鳴る。喉が渇いてぐびりと鳴る。
「興奮しないか?」
……する、けど……
「よし。スタートって言ったらテレビが上条さん、上条さんは見知らぬ男優さんだからな」
わかった。でも。なんだか……
「はいスタート。まずはお名前をお兄さんに教えてくれるかな?」
大画面のわたしがはにかむ。
「御坂美琴です」
ドキドキしてるな、確かに。
「年齢は?」
「14歳の中学2年生です」
汗も出てきたし興奮してるのかな……
「彼氏はいるの?」
「はい、います」
でも、なんだか違うような。
「初体験はいつ?」
「ついこの前」
嫌な汗。これって冷や汗?
「オナニーはするの?」
「はい、ときどき」
これは……吐き気?
「じゃ、まずは服を脱いでお兄さんに見せてくれるかな?」
「は、い」
動けない。冷や汗が出る。吐き気がする。
「緊張しちゃったね。しょーがないから男優さんに脱がしてもらおうね」
涙が滲む。男優さんという名のアイツが寄って来る。手を掛ける。
「いやぁぁぁあああああ!!!触らないでぇ!」
パニックを起こした。
吐きそうだ。
ホントの本気で嫌だった。
アイツは右手を頭の上に置いて撫で、左手で抱きしめる。
「大丈夫、大丈夫。もうしない。上条さんは戻ってきましたよ」
わたしは大泣きしながらアイツの胸にすがる事しかできなかった。
「済まなかったな。こうなるとは予想してたんだが」
予想したんならするんじゃないわよこの馬鹿。
「ちょっとお話しようか。この前、自分が変な妄想するって恥じてただろ」
これは俺の想像なんだが、と前置きをしてアイツは静かに話し始める。
まずは美琴が変な夢を見たことだけど、あれは最初イッた時に俺の悲しそうな顔でそうなったせいだと思う。
その時の快感が強烈過ぎてそれに取り付かれちゃった。
それに加えて俺が帰って来れなくて不安だった事。
俺を救いに来てくれたのに果たせなかった事。
それを自分の力の至らなさだと思い込んだ事。
この辺が絡んで、お前を自虐的な妄想に走らせたんだと思う。
俺がお前の世界を守りきる事ができなったから……
そこまで聞いて口を挟んだ。
「アンタのせいじゃないわよ。わたしが弱かった、それだけ。
で、アンタの悲しい顔がひとりエッチの時に浮かぶようになった理由はわかったんだけど。
他人に犯されるってのはどーなのよ。わたしがタダの変態ドMってだけじゃないの」
お前は弱くねぇよ。今回も前回の事を失敗と捉えて挽回するために必死で取り返そうとしてたじゃねぇか。
それはともかく、まずは最後まで聞いてくれ、とアイツは言った。
お前は学園都市のレベル5の第3位、女の子では最高位だ。
ってことは世界最高の頭脳と能力を持つ女の子って話。
その遺伝子が絶対的な価値を持つのは妹達の事件とかでも垣間見えたよな。
だったら、一生独りもんって選択肢はお前には許されないっちゅー事になる。
ある程度の年齢になったら強制的にでも優秀な遺伝子を持つ男と交配される可能性がある。
お前が心に決めた男がいればお前はそいつをどんな事をしてでも手に入れるだろうし、
そうなりゃ無理やり他の遺伝子と交配って事にはならないかもしれないけどな。
でも、お前の心に決めた男は消えてしまった。自惚れじゃ無いと今では思える。
見知らぬ男の子供を産む恐怖とそれを受け入れねばならない運命を無理やり納得させようとする無意識。
これが夢に出たんじゃないかな。
自己防衛みたいな形だな。ま、想像だけど。
とにかく今回は俺は失敗した。
俺がいない事がこんなに自分以外を傷つける事なんだってのがわかってなかった。
帰ってきてすぐにお前が変だって気がついてたのにここまで救えなかった。
すまん、と頭を下げた。
それで、今やった事なんだが、と。
現実は妄想の世界を受け入れるようにはできていない、と。
男も愛する妻や恋人がいたってエロビデオの女優見て妄想してオナニーするもんだ、と。
だから今までの妄想は気にする事は全く無い、と。
それが実体験してちゃんと頭の中で理解できたはずだ、と。
俺が帰ってきたから、そういう妄想はしなくなるだろう、と。
もう俺だって失敗したくない、と。
これからはちゃんとお前とお前の周りの世界を守る、と。
そう言ってくれた。
「やっと面と向かってわたしにその言葉を聞かせてくれた」
ちょっとだけ、さっきと違う涙が溢れた。
そして、以前海原の偽者の前で同じ約束をしていたのを聞いていた事を話した。
「聞いてたのか」
聞いてたわよ。
でもそんな他人と交わした約束なんて無効よ、無効。
だいたい肉体的な事だったら自分の身は自分で守れるわよ。
レベル5舐めんな、と吼えた。
ま、今回は迷惑掛けちゃったけどさ。
「ところで、帰ってきたらわたしが変だって気づいたわけ?」
そりゃ気づかない訳ねーって。
あの好きなんだか嫌いなんだか大嫌いなんだか分かんねーツンツンお嬢様がだぞ。
いきなり身体を張った猛烈アタックを目ん玉ハートにしながら仕掛けてくるんだ。
おかしいと思わないほうが変だぞ、と笑った。
ツンツンはアンタでしょうが。
そりゃわたしも必死だったし。
二人きりになったらいきなり服全部脱いで迫ったけど。
まぁ確かに変よね……
「で、アンタはそのツンツンお嬢様に同情して抱いてくれたってわけ?」
ちげーよ。でもその喋り方のほうがやっぱ似合ってるな、と笑う。
だいたいがどうやって来たのか知らねぇけど、極寒のロシアの上空までVTOLで迎えに来るお姫様を意識しないはずねぇし。
それにそれ以前からずっと気に掛けてたし頼りにしてたし。
ただ、さっき言ったようにいつもツンツンビリビリしてっからなー、とまた笑う。
もしかしたら俺の事だいっ嫌いなんじゃねーか、とも思ったりしたんだぞ、と言った。
割と真剣な顔で。
悪かったわね。反省してるわよ、少しは。
「上条さんも健全な男子ですからね。マッパで好きな子が迫ってきたら追い返せませんです、はい」
う。言い返せない。
今思えば確かに大胆すぎたわね。
黒子が聞いたら卒倒しちゃう。
両親が聞いたら絶望しちゃうかも。
でもそれでコイツが手に入るんだったら安い買い物よね。
絶対離れてやんないんだから。覚悟しとけ。
こっちだって気がついてることがあるんだから。
アンタが優しすぎる理由。
隠し事が一つ。嘘が一つ。
「じゃ、もうこいつは用済みだな」
今まで紡いできた愛の言葉に嘘はねーからな、とか言いながらカメラを片付けようとする。
どきーんと心臓が跳ねた。
あ、これはさっきまでの跳ね方と違う。嬉しい方のだ。
「ちょ、ちょっと待って」
どうした、と怪訝な顔のアイツ。
「あああああ、あのね。か、監督兼男優上条当麻でおおおおおお、おねがひれきないかしら」
噛んだ。
アイツはちょっときょとんとして、ぷっと吹き出した。
そういやツンツンビリビリは卒業してデレデレエロエロになったんでしたねー、なんて言いやがる。
まぁデレデレだしエロエロだけどさ。
「あ、そうだ。じゃ、用無しと思ってたこいつをご紹介しましょう」
アイツが持って来たらしいカバンの中から何やら取り出した。
「何よそれ?マッサージ器?」
うんうんと頷きながら延長コードとその機械をつないでる。
「こいつは電動マッサージ器、略して電マ。AV界の最強アイテムなんですねー」
なんで?肩こりでもとってリラックスしましょうとか?
今度はこっちがきょとんとする番だ。
「ま、使うかどうかは流れで、な。これはクリトリスに当てると女性をめちゃくちゃにできるアイテムなんです」
ええええ?でも何でそんな事知ってるの?それに何で持ってるのそんなもん???
問い詰めてやった。
「AV見りゃだいたい出てくるから男の子なら誰でも知ってるって。それにこれ1,000円で電気店で買えるんだぞ」
今日の為の出費ですよ、と笑いやがった。
いやらしい笑いだ。
エロオヤジみたい。
「さーて、上条監督のスーパー裏ビデオ、撮影同時映像公開を始めましょうかねー。はい女優さんはベッドの上に座って」
リアルに行きますよおじょーさん、とウインクするアイツ。
ノリノリじゃないの。さっきまでのシリアスな顔はどこへ行った。
さっきと同じようにベッドに座る。
同じように大画面にわたしが映る。
でもさっきと違ってぜんぜん嫌じゃない。
むしろ何をされるか期待してる。
ベッドの隅のほうにはさっきの電マ。
クリトリスって。当てたらどうなるんだろ。
ドキドキが止まらなくなる。
当麻と二人きりってすごいな、と思う。
「んじゃ、お名前と学校名と学年、年齢からいってみようか」
御坂美琴14歳、常盤台中学2年です、と答える。
どきどきどきどき。
さっきと違う心拍。
「名門中学のお嬢さんが上条監督のビデオに出てくれるなんて感動で踊りだしそうです。レベルは?」
レベル5のエレクトロマスターです、と。
嫌だなぁ、レベルの話は。
「すごいですね。彼氏はいますか?」
すごいのはそれを負かすアンタでしょーが。
今なら負ける気しないけどさ。
います、と答える。
「愛してますか?」
どきっ。跳ねる心臓。
もちろん、心より、と答える。
「いいですねー。初体験はいつ頃?」
つい最近、と答える。
不思議だ。さっきと同じようなやりとりなのに全然嫌じゃない。
むしろ興奮する。
「オナニーはしますか?」
つい最近までは毎日、と答える。
下腹部がカッと熱くなって下着に染みができるのがわかる。
「どうやってしますか?」
指とかで。後は能力を使って、触らずに、と答える。
「へぇ、触らずに?どうやって?」
過去の触覚を生体電流を操作して増幅させて気持ちよくなります、と答える。
下半身がむずむずしてくる。
コイツの声は催淫剤だ。
「して見せてくれますか?まずはカメラに向かって全裸になってください」
え?え?
なんなの?いきなり全裸?そんで能力オナニー?
なんかイロイロ端折ってない?
でも、はい、と答えて脱ぎ始める。ベッドの上に立って。
あそこが期待してるのがわかる。
下着姿になる。大画面に映ってるのは子供の身体の癖に大人の淫らな目をした女の子。
全部脱いでと言われてブラに手を掛ける。
脱がせてくれればいいのに。
あらわになったのは小ぶりな乳房。そのてっぺんには期待で尖った乳首。
パンツの両側の紐を外す。
湿って重くなったそれがぽとっと落ちる。
全裸で淫らな女が大画面で身体を紅潮させる。
「綺麗だ……いや、綺麗ですね。それではカメラに向かって足を開いて座ってくらさい」
アイツが噛んだ。アイツの喉がぐびっと鳴ったのは見逃してない。
興奮してるんだ。わたしと一緒ね。
カメラに向かって体育座りしてから足をM字に開く。
にちゃっと濡れたあそこが開く音がした。いやらしい。
大画面にはほとんど無毛の陰部を晒したわたしが顔を紅潮させてる。
あそこから透明な液体が糸を引きながら肛門の方に垂れていくさまがはっきり見えて目を瞑った。
「じゃ、両手でお、おまんこ広げながらイクまでしてみてくらさい」
また噛んだ。ぐびっと喉を鳴らしたのは今度はわたしだ。
両手で「おまんこ」を開く。薄く目を開けると画面にはピンクの内臓を晒して興奮している少女。
初めてまじまじ自分のモノを見る。
綺麗なもんね、と思うけどやっぱなんだかグロテスク。
飛び出た陰核がいやらしい。
画面を見ながら能力を開放する。
乳房も乳首も腋も背筋も首筋も脇腹も陰核も膣も一辺に愛撫される感触。
一気に高まる性感。
「すごいな。あそこが生き物みたいだ」
監督、口調が戻ってますよ。まだ強くしてないから余裕がある、かな。もう無くなるかも。
画面の陰部が開いたり閉じたりしている。
淫液がとろとろと肛門まで溢れる。
能力を強める。
画面から目が離せない。
陰部の収縮が激しくなってきた。
画面の少女はア行の音をいろいろ変えながら喘ぐ。
飛び出た陰核が縮んできた。
背を反らす。頭は画面に向けながら。
絶頂が近い。
少女はア行の一音を選んで長く音を引き絶頂に向かう。
針の穴のように開いた尿道から透明な液体を3度ほどぴゅっと放出させながら少女は果てた。
「はぁはぁ、監督、終わりました」
無言で慌しく服を脱ぎ捨ててアイツがベッドに上がってきた。
すごいな、と言う。もう監督じゃなくなったみたい。笑いが込み上げてくる。
あそこってあんなに動くんだ、とか、イク前はクリトリスって縮むんだ、とか聞いてくる。
知らないわよ、わたしも初めて見たんだし。
陰核が引っ込むのは知ってたけどね、と答える。息が荒い。
それより、あの尿道から飛び出した液体はなんだろう、と尋ねる。
あれは「潮」って呼ばれてるヤツじゃないかな、と教えてくれる。
あれが潮吹きってヤツかぁ。おしっこにしては透明だと思ったのよね、と言うとにやっと笑った。
「今までも出てたんだぜ。自分ではわかんないもんなのかねぇ」
と、恥ずかしいことを言う。
わかんないわよ。
イキそうな時、おしっこ出ちゃいそうって感じになるときはよくあるけど。
アイツが全裸になってわたしの後ろに回って優しく抱きしめてくる。
わたしがもたれかかって画面を見ると、仲良く並んだ恋人同士の顔。
わたしは画面に陰部を晒したままだ。
「なんか、自分のえっちを画面で見るのって来るわね。ドM心をくすぐられるわ」
開き直って言うと、けらけらと笑われてしまった。
なによー。大きくなったアンタのおちんちん、お尻に当ってるんだからね。
前に手をついて女の子座りをする。腰を上げておちんちんをあそこにあてがう。
ゆっくり腰を沈めると、どろどろになったわたしの中にアイツ自身が入ってくる。
気持ちいい。アイツも「うっ」って声を出した。気持ちいいんだろう。
画面にはわたしに後ろから食い込んだアイツのモノが見える。
足を開いたわたしの身体の真ん中に。なんて卑猥なんだろう。
興奮で身体がぶるっと震える。
足が閉じかける。
「おい、いきなり入れると暴発しちまうぞ。俺も興奮しすぎて限界だ」
このまま出せばいい。
避妊は完璧だし、困ることなんて無い。
何度でも出せばいい。
ここはあなただけのものなんだから。
「あん、た」
画面の中の少女が揺らめきながら画面の男を呼ぶ。
すっかり大人の女の顔になって。
「みて、いやらしいよ」
閉じかけた細く白い足を目いっぱい開く。
どろどろに溶けたピンクの陰部にグロテスクな肉の棒が突き刺さっている。
わたしが腰を揺らめかせると出入りする陰茎に発情した画面の少女の白い愛液が絡みつく。
「と、うま 当麻、愛してる」
愛してるを繰り返しながらわたしは画面の男の上で踊る。
溢れ出た愛液が泡になる。
ぐちゃぐちゃと音を立てながら花びらは男自身を飲み込んで悦び続ける。
「いや、ら、しい、おとが、するぅ」
踊りに合わせてわたしの声が区切られる。
一筋の銀の液体が糸を引きながら画面の少女の口の端から零れ落ちる。
それは尖った乳首の先に落ちて球になった。
揺らめく乳房に振り落とされて臍に向かって流れ落ちる。
「き、もち、いい、の、とうま、が、はいって、る」
花弁から溢れる蜜が男の陰嚢を伝ってシーツに染みを作る。
「ああ、もう、いきそう、よ」
わたしが背を反らすと、突き刺さった陰茎が下腹部にその形をあらわす。
背を反らすわたしが踊るたびに形を変えるそれ。
わたしはそれをさすって言う。
「とう、ま、の、おち、ん、ちんが、ここに、あるね」
と嬉しそうに微笑む画面の中の少女。
わたしは膣の中の一番気持ちいい場所を知っている。
中からGスポットを擦りながら踊る。
外からGスポットに当る陰茎を押さえながら高ぶる。
「んんんんんっ いき、そう、なのっ」
踊りが激しくなり例の高い声が出始め、わたしは達した。
透明の液体が尿道からブリッジを作って放たれるのが画面で映し出される。
がくがくがくがくっと身体を震わせ、長く音を引く声をあげながら脱力する。
「ごめんね、先にイッっちゃった。とうま、今すごくイってる……」
わたしの腰は止まり、深い快感を堪能している。
するとその陰茎を提供するだけだった画面の男の腰が動き出した。
「あ、ダメ、まだイってるからじっとしてぇ」
わたしが懇願するが男は無言で下から突き上げだす。
ぼこりと浮かんだわたしの下腹のレリーフがぐにぐにと形を変える。
突き上げ、回転する陰茎の形がはっきりと見て取れる。
「嫌、だめ、イってる、まだイってる、から」
頭を振り乱し、口の端から少しだけ涎を垂らしながら画面の少女は喘ぎ、また声のトーンが高くなる。
「きちゃう、また……とうま とうま 見て またイクから」
画面の中の少女は画面の中の男に訴える。
下から突き上げる男のうねる腰の動きがもどかしいのか、画面の少女は上下に動き始める。
やがて激しくのけぞりながらわたしはまた果てる。
「またイってるのぉ、とうま、すごいイキっぱなしな感じなのぉ、ダメッ!」
白い喉を限界まで仰け反らせながらエクスタシーの波に翻弄される画面の少女は
激しく失禁しながら三度、四度と絶頂を繰り返した。
今度のブリッジは薄い黄色だ。
「うおっ、俺もイクぞ」
そう言って男は突き上げのスピードを限界まで上げる。
「だめぇぇぇぇ ほ、んとにっ しん、じゃうからぁぁぁぁ」
男の熱い精液を胎内で受け止め、その嬉しさにまた登る。
何度目かも分からぬ激しいエクスタシーの波にさらわれたわたしは意識を手放していった。
男はぐったりとしたわたしを後ろから抱きしめ、身体を揺らしてわたしを起こした。
そして自らの後ろに置いてあったマッサージ器を取り出した。
AVで見た事のあるそれのスイッチを入れて、まだ完全に覚醒していないわたしの小指大に尖っている陰核に当てる。
いきなりの刺激に快感に酔い痴れ手放した意識が完全に目覚めさせられる。
「いやぁぁっ ぁぁあ、気が狂っちゃう!イクぅ!またイクぅ!」
わたしはあっと言う間に頂上に辿りつく。
画面の少女はその膀胱にいったいどれだけの尿が入っていたのかと思わせるほど黄色い液体を撒き散らし
「死ぬ、死んじゃう!とうま、見てる?ずーっとイキっぱなしなのぉ 苦しいのに気持ちいいのぉ」
と愛する男に訴えながら身体を痙攣させ続けた。
わたしの顔にしぶきがかかる。
マッサージ器で飛び散ったわたしの尿だ。
身体もシーツも尿でぐっしょり濡れた。
しかしイキ続けるわたしはそれを汚いものだとは全く思えず、手ですくって舐めた。
高ぶる身体にはそれだけで次の絶頂のきっかけになる。
当麻も耐え切れずに2度目の精を胎内に注ぐ。
「いぐいぐいぐぅうううううう、死んじゃうっ!」
と叫んで、わたしと画面の少女は完全に失神した。
「凄かったわ」
目覚めたわたしはふらふらになった身体を起こしてシャワーを浴びに行く。
「一緒に行くか?」
と聞かれたけど断った。完全に意識を覚醒させたい。
熱いシャワーをだんだんぬるくして、やがて冷水にして浴びる。
しかし凄かった。能力で体力が尽きるまでイキ続けたことはあったけど、ここまでじゃなかった。
イキ続けて苦しくなってからが特に凄かった。
天国が見え、快感で引き戻され、また天国が見え引き戻されを繰り返して、最後にはとうとう天国に辿りついた。
そんな感じのエクスタシー。
ドMも極まった感じね、とひとりごちる。
もう当分セックスはいいかも。
さて、シャンとしないと。
「空いたからどうぞー」
完全に覚醒した身体をバスタオルで拭きながらアイツを呼ぶ。
アイツにもシャンとしてもらわなきゃ。
隠し事1つと嘘1つ。これについて語ってもらわないとね。
アイツがシャワーを浴びてる間にデジカムとTVを調べる。
さっきの映像がどこかに保存されて無いか確かめる。
念のために怪しいファイルは消しておく。
全部畳んで仕舞った。
持ってきた新しい下着を着る。
制服を着て、うん、これでシャンとなった。
ベッドは凄いことになってるけど、これは見て見ぬ振りするしかないわね。
「もしも、の話なんだけど」
シャワーを浴びて身なりを整えたアイツの正面に座って語りかける。
話を切り出す。今日の最重要課題。
「わたしが危険に立ち向かって戦いに出たらアンタはどうする?」
レベル5の第3位は一瞬で世界中を混乱させる能力を持つ。
それを欲した、例えばこの前まで当麻が戦ってた集団が学園都市に攻めてくる準備をしてたとする。
わたしはハッキングしてその事実を知る。
放っておけない。わたしのせいで仲間が危険に晒される。
今のわたしは強い、はず。
その絶対的な能力で全てを救うために敵地に乗り込もうとしている。
それを知ったらアンタはどうする?と聞いた。
「もちろん行かせない。俺がなんとかする」
ま、アンタならそう言うわね。
でもわたしは、はいそうですかと黙って守られる人間じゃない。
アンタが行かせないと言う前には行動に出てるわね。
アンタを置いて。
そしたら?どうする?
「もちろん助けに行く。絶対に死なせない」
そうよね。それがアンタだもん。
「アンタがわたしを変だって思ったように、わたしも変だって思うことがあるの」
さて本題だ。
「最初はわたしが迫りすぎたから優しいのかな、とは思ったけどね」
まずは隠し事の方だ。
「わたしに隠してる事を話しなさい」
アンタの考えてる事なんてお見通しよ、と付け加えた。
「いや、何も無い」
この馬鹿、お見通しって言ってるじゃない。
怒るわよ。
アンタの事だからこのまま一箇所に居続けて平和な恋愛をむさぼるなんて考えられない。
今度は何があってどこへ行こうとしてるのよ。
そう問い詰めてやった。
あいつは少し目を見開いて身じろぎ
「何でもお見通しってのはホントだな。でも、今回はさっきお前が言ったのに近い状態なんだ。
俺が学園都市に巻き込まれるんじゃない。俺のせいで学園都市を巻き込みそうなんだ。
これを放ってはおけない。お前を含めたこの世界を俺のせいで壊させるわけにはいかない」
やっぱり。
で、ずっとわたしのそばにいるって言ったのは?
それは優しい嘘よね。
でもまだアンタはわかってない。
また失敗しようとしてる。
わたしは強い。万能といえる能力を持っている。
でもわたしは弱い。精神がしょせん14歳の女の子だという事。
アンタがいてくれたら弱点は無くなる。
わたしとわたしの周りのアンタが守ろうとしてる世界の中心。
そこにはアンタがどっしりと座ってるのがまだ分かってない。
あんなに二人で溶けて混ざり合ったのに。
まだ独りで出て行こうとする。
行かせないわよ、独りでは。
わたしとアンタは似てると思う。
さっきのわたしの例え話の立場が逆だと考えてみなさい。
と、ここまで話してアイツの目を見る。
「かなわねぇな、お前には」
目が泳いだ。まだ分かってない。
「まあいいわ。わたしは寮にアンタに渡したいものが置いてあるから一旦帰るわね」
そう言って黒子に電話をかける。
10分後に来てくれるように頼んで、持ってきた荷物を担ぐ。
隠し事も嘘も聞いたし。
「夜、メールするからまた会えるかな。場所は、そうね。第七学区のあの鉄橋。
アンタがわたしを救ってくれたあの場所。時間はメールで。それまでわたしが言った事を反芻しておきなさい」
愛してるわ、と言ってアイツの頬にキスして部屋を出る。
「チェックアウトはしておくから、アンタも早く帰りなさい」
愛する男を置いて颯爽と。
さて、これから黒子を説得しなくちゃ。
お互い自分のベッドに座って向かい合っている。
黒子の目は真剣だ。ま、真面目な話があるって言ってあるし。
「わたしが学園都市から出るのは確定したわ」
黒子の目が険しくなる。この前の驚愕の顔ではない。
「もちろんこの黒子も連れていってくださるんですわよね、お姉さま」
ま、そう来るわね。分かりやすい子。
「まずは話を全部聞いてちょうだい」
一介の高校生と中学生の物語ではない。
世界を巻き込んだ第三次世界大戦。
その中心にいた高校生がアイツ。
解決して戻ってきたとたん、アイツを狙う集団の襲来。
それも今度は学園都市を巻き込もうとしている。
あいつは迎撃に出る。
第三次世界大戦を起こしたヤツよりも強大な敵かもしれない。
「ま、それだけアイツは特別な力を持ってるってわけなんだけど」
でも今度こそ消えてしまうかもしれない。
わたしは力を磨いてきた。
わたしが消えさせない。
二度と失敗しない。
その為に何が何でも付いて行く。
ここまで話すと黒子が口を挟む。
「そんな危険な場所ならば、なおの事行かせられませんの」
ここで手をこまねいてたら誰かが何とかしてくれるならばそれでもいいわよ。
でも、今度の戦いは勝たなきゃ学園都市が崩壊する。
アイツの口調ならば間違いなくそうなる。
だったら打てる手は全部打つべき。
知った以上座して死を待つ選択肢は消えたの。
そう言うと黒子は
「でしたら私も連れて行ってくださいまし。私の選択肢にも座して死を待つという回答はございません」
うん、そうね。そうしてくれると嬉しいんだけど。
でも、あんたにはやって貰い事があんのよ。
わたしや当麻という強大な戦力がここから出る。
あちらの戦力もそこを中心に動くでしょう。
でも、本丸ががら空きなのを見過ごす敵とも思えない。
だから、辛い仕事だけど、あんたには学園都市を守ってもらいたい。
初春さんや佐天さんが怪我しないよう、わたし達の大事な世界が壊れないよう。
あんたにはその力がある。
大丈夫、わたしも強いわ。
アイツの背中を守って必ず無傷で凱旋するから。
そう言うと黒子は涙を目にいっぱいに浮かべながら縋りついてきた。
「わかりました。お姉様の帰ってみえる場所はこの黒子が身体を張ってお守りしますわ。
ですからお姉様も絶対に無傷で帰ってきてください。お願いしますの」
制服の胸が涙で濡れる。
しゃっくりをあげて泣き出す黒子が泣き止むまでそっと抱きしめていた。
「今夜出るから」
性急ですわね。でも黒子も覚悟は決めました。さっきまで泣いていたとは思えない顔で言う。
メールを出して時間を指定する。
さ、黒子、凱旋するまでの最後の晩餐よ。楽しみましょう。
第七学区の橋の近くまで送ってもらい、黒子とがっちり握手をして別れた。
うまく説得できたと思う。あの子を危険には晒せない。
やっぱりわたしとアイツは似てるのかな。
橋の中心まで歩く。アイツはまだ来ていない。星が綺麗だ。
「あの日、あの時、アイツがここに来てくれなかったらどうなってたのかな」
きっと死んでた。
きっと形の分からないほどぐちゃぐちゃにされて、妹達の死体と一緒に処理されて。
きっと誰にもわからないようにひっそりといなくなった事にされてた。
もしかしたら、妹達の誰かが身代わりになってわたしになりすましてたかもね。
それか、脳みそだけ回収されて風力発電の変わりに電力を吐き出す機械にされてたか。
あるいは樹形図の設計者(ツリーダイアグラム)の代わりのスパコンの一部にされてたか。
死ぬよりもクソッタレな人生ね、それ。
「そんな事はさせない」
来たわね。
わたしは寮から持ってきたモノをアイツに放る。
アイツは受け取ってニヤッと笑う。
北極海で拾ったゲコ太のストラップ。
ちぎれた紐は修理してある。
「それ、一応お揃いなんだから無くしたりしないでよね」
アイツは早速携帯にはめた。
なんだか一つ絆が戻った気がした。
「で、やっぱり行くわけ?」
「ああ」
とアイツはそれきり黙る。
沈黙が二人の距離を遠ざけるような気がして辛い。
「じゃあな、御坂」
行こうとする。また独りで。
せっかく時間を与えたのに、まだわたしってヤツが分かってないのか。
困ったヤツだ。
「でも、今度は独りじゃない」
アイツの手を取って引っ張る。
「わたしは強くなった。アンタの背中はわたしが守るわ」
さぁ、御坂美琴。出陣よ。
誰もが笑って何も失わずに凱旋するための戦いへ。
でも、帰ってきたらいっぱい愛してね、あ、な、た。
おしまい
※この作品の前日譚
美琴「一日でいいの」
読む気せーへん