1 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2014/01/16 12:47:01 yWonvanY 1/27

賢者「オナザル…!!!」


勇者「・・・は?」
魔法使い「え?」


賢者「・・・
   すみません
   呪文かみました。」

元スレ
勇者「賢者。戦士に蘇生呪文かけてくれ」賢者「はい」
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1389844021/

2 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2014/01/16 12:55:07 yWonvanY 2/27

勇者「あぁ…あぁ~
   ザオラルか
   ザオラルと言うつもりだったのか」

賢者「はい」

勇者「そういうつもりで言い間違えた、と。」

賢者「はい」

勇者「まぁ 間違いは誰にでもあるよな」

賢者「はい」

魔法使い「それにしても…」

賢者「はい?」

3 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2014/01/16 12:59:48 yWonvanY 3/27

魔法使い「いやぁ~
     賢者の口から
     オナザルなんて言葉が出るとはねー」

賢者「はい?
   そういう言葉があるんですか?」

魔法使い「え?」

勇者「ん?
   そういう言葉があるのか?魔法使い。」

魔法使い「…いやぁ~…
     もしかしたら あるかもなぁ、と。」

勇者「もしかしたらの話か。
   …魔法使い。
   もう一回 言ってみてくれないか?」

魔法使い「え?」

賢者「私も言ってほしいです」

魔法使い「は?」

4 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2014/01/16 13:06:32 yWonvanY 4/27

勇者「なんというか
   今後こういうミスがないように
   確認の意を込めて
             もう一回」

魔法使い「なんで私が?
     私、ザオラル使う機会ないんだけど」

勇者「なんでと言われると困るわけだが」

賢者「あれです あれ
   他人の口から聞くと
   すんなり入ってくるというか あれ」

魔法使い「えー…
     じゃあ勇者が賢者に言えばいいじゃん」

5 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2014/01/16 13:15:02 yWonvanY 5/27

勇者「…ら行苦手なんだよ、おりぇ
   ほらな
   『おれ』すら たまにこうだ
   全く、我ながら嫌になりゅぜ。」

賢者「あー 確かに。
   勇者さんは ら行苦手ですよねー」

魔法使い「えー
     今初めて知ったよ そんなこと」

賢者「勇者さん勇者さん
   赤スライム 青スライム 茶スライム
   って三回言ってみてくださいよ」

6 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2014/01/16 13:21:18 yWonvanY 6/27

勇者「赤スライム青スりゃイム茶しゅライム
   赤スライみゅ青スライム茶スりゃイム
   あきゃスりゃイム青スりゃいむちゃすりゃいみゅ

   な?だめだろ?」

賢者「だめですねー」

勇者「てことで 魔法使い。
   もう一回 さっきのを。」

魔法使い「えー…
     …やだ…」

勇者「なぜ」

魔法使い「なんでも」

勇者&魔法使い「・・・」

賢者「あー 魔法使い」

魔法使い「なに?」

7 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2014/01/16 13:27:48 yWonvanY 7/27

賢者「さっきは
   もしかしたらあるかもと誤魔化してましたが
   ほんとは、そういう言葉があるんじゃないですか?
   しかも 言えないようなたぐいの。」
勇者「ん?そうなのか魔法使い
   どうなんだ?ん?」

魔法使い「し、しらないよー
     あんな言葉~」

賢者「あんな言葉とは?」
   私 物覚え悪いから 忘れてしまいました
   あんな言葉が どんな言葉だったのか
   もう一度言ってほしいです」

勇者「魔法使い。賢者の真剣な頼みだぞ?」

8 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2014/01/16 13:37:11 yWonvanY 8/27

魔法使い「ちょ、ちょっと待ってよー
     そ、そうだ!
     戦士を蘇生させてから
     戦士に言ってもらって
     それで覚えればいいんじゃない??」

勇者「いやいや、それは無い。
   生き返った戦士に経緯を説明したのちに
   魔法使いが戦士にさっきの言葉を告げるんだろ?
   手間がかかる上に
   戦士ずるいぞ」
賢者「ですよね」

魔法使い「ずる…?」

9 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2014/01/16 13:42:13 yWonvanY 9/27

勇者「それに 筋肉ダルマな戦士に言ってもらってもなぁ
   もはや 戦士自体がそうだろ って話だろ」
賢者「ですよね」

魔法使い「…戦士自体?」


勇者「とにかく その提案は却下だ。
   おれは魔法使いに言ってもらいたいんだよ」

魔法使い「えー」

勇者「そんなに嫌がるとなにか隠してるみたいであやしいぞ?」
賢者「ですよね」

魔法使い「な、なにも隠してないし!」

勇者「じゃあ 言えるだろ」
賢者「ですよ」



魔法使い「ううう…」

10 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2014/01/16 13:53:31 yWonvanY 10/27

勇者「おれが
   3、2、1、はい。 って言ったあとに言ってくれ」

魔法使い「ゆ、言うなんて言ってないしっ」

賢者「世にない言葉なんですよね?
   ならなにもそんな恥ずかしがらなくてもいいでしょう」

魔法使い「うう…」

勇者「じゃあ いくぞ。」
魔法使い「ま、

勇者「3、2、1…はいぃいいいい!!!!」


魔法使い「・・・


     …オ、オナザル…」


賢者「ふぅ…」

11 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2014/01/16 14:00:09 yWonvanY 11/27

賢者「魔法使い 顔真っ赤ですね」
勇者「だな 顔真っ赤だな
   なんで顔真っ赤なんだ?」

魔法使い「ウルサイ」


勇者「ところで魔法使い」
魔法使い「なに」

勇者「1つ提案があるんだがな。

   今言った言葉の前に
   『私は』 って付けて もう一度言ってくれないか」

魔法使い「は??」

賢者「あー
   そっちの方が記憶に残りますもんね
   ミスがないようにですよね 勇者さん」

勇者「そうだ
   ミスがないようにだぞ 賢者

   …な? 魔法使いもう一度」

魔法使い「…絶対言わない!」

12 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2014/01/16 14:31:40 yWonvanY 12/27

勇者「ん?
   世にない言葉の前に『私は』って付けるだけだぞ?
   なぁ?賢者」
賢者「はい そうですよね 勇者さん」

魔法使い「そ、そうだけど~…」

賢者「勇者さん勇者さん
   試しに
   世にない言葉『ぺけろんす』の前に『おれは』を付けて言ってみてくださいよ」

13 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2014/01/16 14:45:03 yWonvanY 13/27

勇者「おれは ぺけろんすです。
   な?魔法使い。
   世にない言葉だからなんともないよな?

   ほら、賢者も言ってみ」

賢者「私は ぺけろんす です。
   わー 世にない言葉だからなんともないですねー」

魔法使い「ぺ、ぺけろんすなら 私も言えるわよっ
     私はぺけろんすです私はぺけろんすです私はぺけろんすです!」

賢者「同じ世にない言葉なのだから
   さっきの言葉でも言えますよね?」

魔法使い「さっきのとは…ほら…」

賢者「同じ世にない言葉なのだから
   さっきの言葉でも言えますよね?」

魔法使い「あああもぉ…」

14 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2014/01/16 14:50:16 yWonvanY 14/27

勇者「て事で

   さぁ 魔法使い
   さっきの言葉の前に『私は』を付けて言ってくれ」

魔法使い「やだよぉ…」

賢者「魔法使い
   顔真っ赤にしながら そんなに否定して…
   …なにか、言えない理由があるのですか?
   あるならはっきり言ってほしいです。

   私たち 仲間じゃないですか。ね?」

魔法使い「うう…
     なんでもない…」

賢者「では言えますよね。
   勇者さん、魔法使いは言えるそうですよ。」

魔法使い「ちょっ」

勇者「じゃあ魔法使い
   さっきと同じく 3、2、1、はい で言ってくれ」

魔法使い「んー…うん…」

15 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2014/01/16 15:10:47 yWonvanY 15/27

勇者「じゃあ いくぞ…
   3…2…1…」
賢者「はい!」


魔法使い「…わ、
     わたしは…」

勇者「…魔法使いはなんなんだ…?」

魔法使い「わたし…は…
     お、おな…お…」

賢者「魔法使いはなんなんですか?」

16 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2014/01/16 15:14:35 yWonvanY 16/27

魔法使い「…わたしは…おなざ…
     …る…で…」

賢者「もっと はっきり言ってほしいです。
   私たち…仲間じゃないですか…
   …ね?」
勇者「そうだぞ魔法使い
   もっとはっきりと
   おれたちの方をちゃんと向いて」

魔法使い「…あああ…!
     …わたひは…わたひは…!

     わらひは おなざる でふ…!!!」

勇者&賢者「…」

魔法使い「あぁぁ…はずかひはずかひはずかひはずかひ……!!!」

勇者&賢者「…ふぅ…」

18 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2014/01/16 15:21:17 yWonvanY 17/27

賢者「魔法使い
   なにを恥ずかしがる必要があるのですか?
   これで私は もう言い間違えないですみます」
勇者「そうだぞ魔法使い
   これで ミスが1つ減ったんだ
   世にない言葉なんだし
   なにも恥ずかしがることはない」

賢者&勇者「ありがとう魔法使い」

魔法使い「うっう…
     そ、そうだよねそうだよね
     恥ずかしがる必要ないよね…
     …えへへ…」



《わらひは おなざるでふ…!》



魔法使い「えぅ…!!?」

19 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2014/01/16 15:29:58 yWonvanY 18/27

魔法使い「な、なん…

賢者「ふっふっふっ
   じゃじゃーん!」
勇者「声を記録するアイテムのちからだ!」

《わらひは おなざるでふ…!》

魔法使い「え、ちょ…」

賢者「買っといて良かったですねー」
勇者「だな。買っといて良かった」

魔法使い「けし…けしてください…」

勇者「ん?
   世にない言葉に一人称が付いてるだけの音声だぞ?
   消す必要ないじゃないか」
賢者「そうですともそうですとも」

21 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2014/01/16 20:10:21 yWonvanY 19/27

魔法使い「あぁぁ…」

勇者「ああ、あとついでに
   こっち向いたときの顔も記録しといたぞ」

魔法使い「はぇっ…!」

勇者「密かに光景を記録するアイテムだ
   記録した光景を…紙に写せる」

賢者「…う、うわぁ~…
   こういうのも なんですけど…
   魔法使いったら
   すんごくやらしい顔してますねぇ…」
勇者「紅潮した顔 うるんだ瞳
   上目遣い 胸元で結んだ手
   内股になった足元
   切なそうにやや開いてる口元」

魔法使い「や、やだぁ…燃やして燃やして…」

22 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2014/01/16 20:19:51 yWonvanY 20/27

勇者「戦士に見せたら
   戦士は、例の、世にない言葉そのものになるな はっはっは」
賢者「ですね
   例の、世にない言葉そのものですね ふふっ」

魔法使い「…あぁ……」

勇者「魔法使い、なにをそんなに落胆してるんだ?」
賢者「そうですよ
   ちょっとやらしいですけど いい顔してますよ」

勇者「町で配りたいくらい いい顔してるよな」
賢者「配りたいですねー」

魔法使い「やめて…」

23 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2014/01/16 20:27:59 yWonvanY 21/27

勇者「ほら、自分で見てみろよ
   な?いい顔してるだろ?
   落ち込むことないだろー」

魔法使い「うー…
     こんな変な表情してないもん…
     うそのだもん…」

賢者「そんな顔しながら 魔法使いは…
   《わらひは おなざる でふ…!》
   って言ってたんですよ ふふっ」

魔法使い「うあぁあああ…!!
     どっちも消して消して消して…!!」

賢者「嫌です」

魔法使い「…
     あとで壊してやる…!」

勇者「まぁまぁ、そんな熱くやるなよ魔法使い」

24 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2014/01/16 20:34:20 yWonvanY 22/27

魔法使い「だって!賢者が!!」

賢者「そうですよねー
   全部私が悪いんですよね
   魔法使いがこんなやらしい顔をしてしまったのも
   私が 言い間違えたせい…。
   ごめんなさい 魔法使い…。」

魔法使い「えっ…あぁ~…うん…
     顔のも 声のも
     消すなら 許s《わらひは おなざる でふ…!》
賢者「ふふ」

魔法使い「けんじゃ!!

     もう絶対に許さn《わらひは おなざる でふ…!》

賢者「ふふふ」

25 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2014/01/16 20:40:07 yWonvanY 23/27

《 わらわらわらわらひは おな
  わらわらひは わらひ わらひは
  お わらわらひは おなざる で わらわらひは お》

魔法使い「・・・」

《 なざ わらひは おなざる でふ…!わら
  わらひは わらひは わらひは わらひは
  おなざる で わらひは おなざ わ》

魔法使い「・・・」

《 らひは おな
  わらひは おなざる わらひは おなざる
  わらひは おなざ わわわわらわらわら

  わらひは おなざる でふ…!》

賢者「ぷふーっっっ!!!」
魔法使い「うわぁぁああああああん!!!1111111111」

26 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2014/01/16 20:43:05 yWonvanY 24/27

賢者「・・・
   走っていっちゃいましたね…魔法使い…」

勇者「ああ」

賢者「すこし やりすぎちゃいました」

勇者「まぁ この先の町に いるだろうさ
   
   それにしても…」

賢者&勇者「いいもん見れたなぁ…」

29 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2014/01/16 20:48:18 yWonvanY 25/27

勇者「…こんなに計画通りにいくとはな。
   戦士に毒盛ったかいがある」

賢者「ですねー。

   …あの顔うつった紙と 記録した声で
   私 当分 例の、世にない言葉状態になりますよー」
勇者「おれもだなぁ」

30 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2014/01/16 20:49:01 yWonvanY 26/27

賢者「こうやって
   魔法使いを いじめるのは
   魔法使いを おもらしさせて以来ですよね?」

勇者「そうだな。
   あの時もよかったなぁ…
   戦士に毒盛ったかいがあったわ あの時も…」

賢者「ですねー」

31 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2014/01/16 20:56:20 yWonvanY 27/27

勇者「次は どうする?」

賢者「んー、同じ感じで
   ザオリクを 言い間違えて
   ペニクリとかどうです?」

勇者「全然響きがちがうじゃないか はっはっは」
賢者「ですねー ふふふっ」




勇者&賢者「ああ…
      魔法使いいじるのたのしいわ」



おわり

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