一方通行「とミサカはこの異常事態にも動じずに会心の物まねを披露します」
――俺ァ夢でも見てンのかァ?
目の前には見覚えのある顔がいた。
鏡なんてものをそんなしょっちゅう見つめる趣味はないが
さすがに自分の顔がどんなものかは忘れない。
一方通行?「おいおいおいィ・・・まさか幽体離脱ってやつかァ?」ブツブツ
一方通行?「いや、だがそうだとしたら体が喋ったのはおかしいだろォ・・・」ブツブツ
一方通行?「『ミサカは』って妹達じゃねェンだからよォ・・・夢かァ?そうかこれァ夢だァそうに違いねェ」ブツブツ
一方通行「一方通行できれば私の体でブツブツ呟くのはやめてくださいとミサカはお願いします」
御坂妹「やっぱりそういう展開な訳ですかああああああああああァァ!?」
元スレ
一方通行「あぁ?なんの冗談ですかぁこりゃ?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1269866276/
御坂妹「おいィ!なンでこンな状況になってンだァ!?」
一方通行「覚えていないんですか?」
御坂妹「あァ、裏路地歩いてたとこまでは覚えてるンだがなァ。そっから記憶がねェ。そして頭が痛ェ」
一方通行「そんな・・・酷い、あんなに激しく・・・とミサカは頬を赤らめます」
御坂妹「俺の体で気持ち悪ィ体制と言動を発するンじゃねェ!だああァ!!指をくわえるンじゃねエェ!!」
一方通行「はぁ、細かいことを気にする人ですねとミサカは回想を始めます」
~~回想~~
一方通行「クソガキがァ・・・急にアイス食いたいとか抜かしやがって・・・」
一方通行「しかもCM見て『このアイスじゃないと嫌だ!』だァ?わがまま言いやがって」
一方通行「店員に『パームありますかァ?』って聞いたら『もしかしてパルムですか?』とか言われるしよォ」
一方通行「『PARM』とかどう考えてもパームだろありゃァ・・・どう読ンだらパルムになンだよクソがあァ!!」
一方通行「まァ、なンにせよこれで買い物もすンだしあとは家に帰ってクソガキにアイス食わせ・・・ん?」
御坂妹「ちょ!どいてどいてどいてえええええぇとミサカはベタな台詞をはきます」ダダダダダッ
一方通行「はあああああァ!?ちょっ!まっスイッチ!!間に合わねゴファッ」ゴチン
~~回想~~
一方通行「と、言うわけですとミサカは簡潔に回想を終わります」
御坂妹「最初のほういらねェだろォが!つーか、テメェか!テメェのせいですかァこの有様はァ!?」
御坂妹「つーか今時曲がり角でぶつかるとかベタな展開少年漫画でもねェぞ」
一方通行「しかも人格が入れ替わるというおまけ付きですとミサカは一番の問題を提起します」
御坂妹「科学の街学園都市でそんな昭和のギャグみてェな展開笑い話にもなりゃしねェ・・・」
御坂妹「そういやテメェはなンであンなに急いでいやがった」
一方通行「っ!!そう私は路地の向こう側にあの人を見つけて走ってきたんでした!とミサカは再び起き上がり駆け出します!」
御坂妹「待てこらァ!今テメェは俺だァ!誰に会うかしらねェが分かるわけねェだろォがァ!!」
一方通行「確かにこの凶悪面じゃ(いろんな意味で)あの人に会うわけにはいきませんとミサカはあからさまに落ち込みます」
御坂妹「ぶっ飛ばされたいンですかァ?そうなンですかァ?」
御坂妹「にしてもホントに入れ替わってやがる・・・なンで俺がスカートなンてもン」
一方通行「あまりスカートの端を摘まないでくださいエッチとミサカはスケベなあなたに注意します」
御坂妹「ふっっざけンなゴラアアァ!誰がテメェみてェなババアに興奮するってンですかァ!?」
一方通行「あなたがロリコンと知りつつもさすがにショックが隠しきれませんとミサカは肩を落とします」
御坂妹「誰がロリコンだァ!?あンまりなめた事いってっと――」
一方通行「御坂は生まれてまだ1年ほど」ボソッ
御坂妹「ンァ!?そういやそうか・・・いやっ、だがこの場合は・・・・・・っ!だからなンだァ!!」
一方通行「真性だなとミサカはあなたに冷ややかな視線を送ります」
御坂妹「とりあえずあンまり遅くなるとクソガキが心配しやがるからお前は俺の家に帰れ」
一方通行「こんな状態でも上位固体の心配とはほとほと頭が下がりますとミサカは遠い目をします」
御坂妹「とりあえず俺ァその間に元に戻る方法を考・・・ってなンてこった!」
一方通行「どうかしましたか?とミサカは珍しく動揺するあなたを不信がります」
御坂妹「あァ、大事件だァ。悪ィがテメェにはちょっと寄り道してもらうことになった」
一方通行「に、任務ですねとミサカは隠せない緊張に声を震わせます」
御坂妹「どうやらさっきぶつかった時に踏み潰しちまったみてェでなァ。ちょっとそれを調達してくれェ」
一方通行「いったいそれはどんな重要なものですか?とミサカは肝心な部分を問います」
御坂妹「あのクソガキの楽しみにしているアイスなンだg―」
一方通行「黙れこのロリコン」
御坂妹「『PARM』だからなァ!間違えるンじゃねェぞォ!!」ブンブンブン
ソンナナンドモイワナクテモワカッテマストミサカハジブンノユウノウセイヲアピールシマス!
御坂妹「まァこれでクソガキのほうは大丈夫だろう・・・」
御坂妹「そンで。とりあえずこの状況をどうにかするには・・・あそこにいくしかねェかァ?」
― 第七学区 病院
冥土帰し「君のほうから訪ねてくるとは珍しいね。今日は検査も特にないはずだけれど?」
御坂妹「検査ってのがどンなもンか知らねェがァ、もちろンそンな用じゃねェ」
冥土帰し「?どうしたんだい?なんだか普段と様子が違うようだけれど」
御坂妹「悪ィがちょいと状況が複雑なンでなァ。簡潔に説明させてもらうぜェ」
御坂妹「―――ッてな訳だァ」
冥土帰し「ふむ、興味深い症状だね」
御坂妹「信じてくれるのか?」
冥土帰し「出来れば君が漫画の影響でも受けてると思いたいところだけれどね」
冥土帰し「私は医者だ。患者の言うことを疑ってかかるようじゃ救うことなんてとても出来るはずがないからね」
御坂妹「やっぱりあンたのところに相談にきて正解だったぜェ。で、元に戻る方法はねェのか?」
冥土帰し「現時点ではなんともいえないけど・・・もう少し時間をくれないか?何か分かったら連絡するよ」
御坂妹「そうかい。分かった、なるべく早く頼む」
御坂妹「にしてもこの先どォしたもンかねェ」
オーイ!ミサカイモウトー!
御坂妹「家には俺の変わりにあいつが帰ってるしなァ」
オーイ!オイッテバ!
御坂妹「つーかよく考えたら普段こいつどこに住ンでやがるんだ?・・・野宿とか勘弁してくれよ」
ミサカイモウトサーン!オーイッテバオーイオーイ!
御坂妹「ダアアァ!!さっきからうるせェンだよ!!なんか用かあァ!?」
上条「ふえ!?いや、なんと言うかゴメンなさい!!」ビクッ
御坂妹「三下!?テメェなんで!?」
上条「三下って・・・酷いいわれように上条さんは少し傷つくんですよ」
御坂妹「(あっ、やべェ)・・・とミ、ミサカはァ・・・一方通行のマネをしてあなたをからかってみます」
上条「え?あっ、なんだそういうことか・・・てっきり上条さんがなにか気に障ることしたのかと焦ったんですよ」
御坂妹(よし、何とか誤魔化せたぜェ・・・学園都市一の頭脳なめンなよコラァ!!)
御坂妹「ところでテメ・・・あなたはこンな所で何を?とミサカはさり気なく聞いてみます」
上条「あぁ、ちょっとそこの病院がかかりつけでな。ちょっと用事を済ませてきたんだ」
御坂妹(こいつもかよ・・・)
上条「ところで今暇か?」
御坂妹「えェ、まあ暇っちゃァ暇ですねとミサカは答えます」
上条「それじゃぁこれからちょっと付き合わないか?上条さんも暇でどうしようかと思ってたんですよ」
御坂妹「これが天然ジゴロってやつかァ?」ボソッ
上条「え?なんか言った?」
御坂妹「何でもありませン。そォですね、お付き合いしましょォとミサカは快く承諾します」
御坂妹(まァ、暇つぶしにゃ丁度いいだろォ・・・・・・アイツのほうはちゃンとやれてンのかァ?)
― 一方通行宅
一方通行「ただいま帰りましたとミサカh―」
一方通行(上位固体に悟られると面倒なのでここはセロリのフリをするのが得策でしょうとミサカは機転を利かせます)
一方通行「おい、クソガキ!アイス買ってきてやったぞぉ!」
打ち止め「わーい!ってミサカはミサカはあなたに飛びついてみる!」
一方通行「え?ちょっ待っ・・・ふごっ」ドシン
打ち止め「あれ?いつもならさっとかわすのに今日はどうかしたの?ってミサカはミサカはせっかくのチャンスだから思いっきり抱きつきながら聞いてみたり」
一方通行(慣れない杖の上にこんなのが続くと思うと先が思いやられますねとミサカは先の不安がきんじえません・・・)
― ファミレス
上条「それじゃぁ俺はハンバーグとドリンクバーで、御坂妹は?」
御坂妹「珈琲のブラックを」
上条「食い物はいいのか?」
御坂妹「いりませン」
上条「それじゃぁ以上で。ところで最近どうなんだ?」
御坂妹「どう、といゥと?」
上条「いやぁ、上条さんは御坂妹がどこに住んでるのかすら知らないから近況とかが気になるのですよ」
御坂妹(俺だって知らねェンだよ・・・)
御坂妹「そゥですね。裏路地とか走り回ってますとミサカは今日の出来事を話します」
御坂妹(嘘ではねェよなァ)
上条「裏路地?なんでまたそんなところ」
御坂妹「まァいろいろと・・・そォいえば今日は一方通行とぶつかりました」
上条「げっ・・・マジですか」
御坂妹(げってなンだよ?なンなンですかァ?軽く傷ついたぜおィ)
上条「路地裏で一方通行なんてあったら怖かっただろう」
御坂妹「い、いえェ、そンなこと・・・あァ見えて一方通行はなかなかいい奴ですよォ」
上条「でも口調がおかしいし」
御坂妹「ミ、ミサカはそンなにおかしいとは思いませンが」ビキッ
上条「服装だって変だし」
御坂妹「変d・・・ミサカはハイセンスで素敵だと思いますが」ビキキッ
上条「なんか中二病くさいし」
御坂妹「アナタにはあのカッコよさが分からないのですね」ビキビキッ
上条「あとなんか聞いた話じゃ借金が8兆え―」
御坂妹「るせええええェッ!!テメェも債務者にしてやろうかああああああァァッ!!!!」
上条「えええぇっ!?」
御坂妹(って、ヤッベ・・・)
御坂妹「す、すみませン・・・少々ゥ取り乱してしまいましたァ(三下ぜってェ許さねェ・・・)」
上条「い、いや、俺が何か気に障ること言ったみたいだし気にしてないんですよ」
上条(と言っても間違いなく一方通行の悪口で怒ったんだよな?)
上条(御坂妹が一方通行の悪口で怒る・・・なんでだ?)
上条(はっ!まさか御坂妹は一方通行のことが・・・間違いないそれだ!)
上条「鋭い上条さんは気づいてしまったんですよ」
御坂妹「はァ?」
上条「一方通行と・・・茨の道だと思うが上条さんは陰ながら応援してるんですよ」
御坂妹「いや、違ェから。全然違ェから。というかテメェは鋭くねェから」
上条「いやいやいやいや、照れなくてもいいんですよ」
上条「いやぁ、しかし御坂妹がねぇ」
御坂妹(もはや否定するのもめんどくせェ・・・適当に合わせとくかァ?)
上条「まずは気持ちをはっきり伝えないとなやっぱり」
上条「特に御坂妹は相手をどう思ってるか伝わりにくいし」
御坂妹(いや、どォ見ても妹達はほとんどテメェが好きだろうが)
上条「だからこう相手の目を見つめて一言・・・」
上条「好きだ(キリッ」
御坂「アンタ・・・人の妹捕まえて何してんのよ」パリッビリビリッ
上条「げっ!ビリビリ!」
御坂「げっ!って何よ!というかこんなところで妹に『好きだ』とか言ってんじゃないわよ!!」
上条「いやっ、違う!お前は何か勘違いをしてい―」
御坂「言い訳は聞かなああああああああああいっ!!」バリバリ!!
上条「いやぁー!やめてええええええええ!!不幸だあああああああああ!!」
ニゲルナァ!!
フコウダアアアアァ!!
御坂妹「行っちまいやがった・・・つーか、ここの支払い俺もちかァ?」
― 一方通行宅
一方通行(元に戻る方法は見つかったんでしょうかとミサカは一向に連絡が来ないことに不安を感じます)
打ち止め「アイスおいしかったぁーってミサカはミサカは満足しながら横になってみたり」ポフッ
一方通行(当然のように膝枕する形になってしまいましたがあのロリコンはいつもこんなことを・・・)
一方通行(しかしあれですね。上位固体とはいえ見た目はミサカ達を幼くした容姿ですからこうしてみると可愛いものです)
一方通行(なんとなく普通の姉妹のようでこそばゆいですねとミサカはこの状況を割りと楽しんで見ます)
打ち止め「どうしたの?ってミサカはミサカはボーっとしているアナタに聞いてみる」
一方通行「いや・・・別になんでもねぇよ」
打ち止め「なんだか今日のアナタはちょっといつもと違うねってミサカはミサカはアナタの顔を覗き込んでみたり」
一方通行「?・・・なんか違うかぁ?」
打ち止め「普段は膝枕しようとすると『邪魔なンだよクソガキがァ』とか言ってくるのに」
一方通行(これはミスりましたかね。というかあのロリコンが膝枕拒否とはとミサカは驚愕します)
打ち止め「まぁ、そういいつつも結局膝枕はしてくれるんだけどねってミサカはミサカは普段からもっと素直になればいいのにと思う」
一方通行(拒否はしないのか。なんというかめんどくさいロリコンですね)
打ち止め「でもね、アナタはホントにもっと素直になるべきだと思うのってミサカはミサカは少し真面目な顔をしてみたり」
打ち止め「なるべく一緒にいてくれるようにしてるのは嬉しいけどアナタはもっと他の人とも交流を持つべきだと思う」
打ち止め「助け合える友達とか・・・そういうのがアナタには必要なんだよってミサカはミサカはアナタを想って言って見る」
一方通行「・・・・・・・・・」
打ち止め「妹達にしてもアナタが負い目を感じてるのは分かるけど自分から壁を作っちゃなにも進まないよ」
打ち止め「アナタから打ち解ける努力をしないとってミサカはミサカは―」クシャッ
一方通行「あぁ・・・そうだなぁ」ナデナデ
一方通行(・・・上位固体をこんなに困らせてホントしょうがない人ですねとミサカはもう少しあの人にこちらから歩み寄ってあげようと思います)
打ち止め「今日のアナタは・・・なんだか本当に素直だねってミサカはなんだか眠くなってきて瞼をこすってみたり」クシクシ
一方通行「いつもは優しくないってかぁ?」
打ち止め「ううん・・・確かに態度はそっけないけど・・・いつも気にかけてくれるのは分かってるよ・・・ってミサカはミサカは・・・」
一方通行「・・・そうかぁ」
打ち止め「うん・・・ってミサ・・・カはミサカ・・・は・・・・・・くぅ」スースー
一方通行「・・・寝てしまったようですねとミサカはやっと普段の口調に戻せてホッとします」
一方通行「それにしても本当に大事にされているようですねとミサカは幸せそうな上位固体の寝顔を覗き込みます」
一方通行「下位固体とはいっても私達は・・・・・・姉のようなものですからねと妹の幸せを嬉しく思います」
― 裏通り
御坂妹「たくっ・・・三下のせいで余計ェな出費しちまった」
不良A「おいおい、裏路地にこんな可愛い子が一人でどうしたんですかぁ?」
不良B「暇だったら僕らと遊んでかない?へへへへ」
御坂妹(うぜェ・・・反射してシカトだシカト)
不良B「なんだよ、シカトか?おいいぃ!?」ガシッ
御坂妹「アァッ!?」
不良A「なんだ急に動揺して?」
不良B「へへへ、今更ビビッてももうおせえぞ?」
御坂妹(反射したはずなのにどォなってやがる?まさか俺が演算ミs―)
御坂妹(っておいおいおい、まさかこの体だからかァ?この体だから能力が使えねェのかァ?)
御坂妹「チッ・・・思ったよりめンどくせェ事になってやがるって訳だァ」
不良A「あ?なんか言ったか?」
御坂妹「あァ、テメェらみてェなカス野郎に絡まれてめンどくせェっつったンだよ」
不良B「・・・あんまり調子に乗ってると女でも痛い目見る・・・ぞっ!!」ヒュッ
御坂妹「っと」サッ
御坂妹(さすがは元は俺の実験用に作られたボディだけあって動きやすいな・・・だが―)
御坂妹(自分で言うのもなンだが俺ァ肉弾戦はからっきし。能力も使えないとなると・・・ん?)
スカカカカカカッ
不良B「ぐおっ!なんだこりゃ!?」
不良A「鉄の串みてぇなのが服に刺さって動けねえ!!」
黒子「ジャッジメントですの!お姉さまご無事ですの!?」
御坂妹(また面倒くさそうが出てきやがった・・・)
黒子「まったくびっくりしましたのよお姉さま」
黒子「『たまたま』お姉さまを通りで見かけて、『偶然』同じ方向だったので『あとをつけてみたら』このようなことに」
御坂妹「・・・・・・・・・」
御坂妹(どおりでタイミングよく現れやがったと思ったら・・・こいつ超電磁方のストーカーかなンかかァ?)
黒子「お姉さま?なにやら普段と様子が違うような・・・」
御坂妹(さすがストーカー、なかなか鋭いじゃねェか・・・三下とは大違いだなァ)
黒子「まさかどこか具合でも悪いのでは?普段でしたらあんな不良電撃でのしてしまっていたでしょうに・・・」
御坂妹「あァ・・・いや、少しな」
御坂妹(学園都市第三位が不良相手に能力使うってのァどうなンだァ?・・・まァ俺も人のことは言えねえが)
御坂妹(ン?電撃?)
御坂妹「・・・・・・・・・」ピリッ
御坂妹(おいおいおいおい、マジですかァ?)
御坂妹(使えないンじゃなくて能力も入れ替わってンのかよ)
御坂妹(とりあえずこのジャッジメントは超電磁砲を良く知ってるみてェだ・・・下手につかまってもまずい)
ダッ
黒子「ちょっ!お姉さま!?」
御坂妹「悪ィなジャッジメント!俺ァ、テメェの言うお姉さまなンてェのじゃねェ!!」
黒子「何を言っておりますのお姉さま!?お待ちになっ―」
不良A「うぅ・・・」
黒子(くっ、さすがにこのまま放置しておくわけにもいきませんの)
黒子(それにしてお姉さまいったい・・・まぁ寮に戻ってからゆっくりお話を伺うとしましょうか)
ピリッ パリパリッ
御坂妹「ちっ・・・なんとか電撃が使えるには使えるがこの程度か」
御坂妹(体に対して俺の『自分だけの現実』が合致してねえから力がだしきれねェのかァ?)
御坂妹(駄目だ・・・全然考えがまとまりやがらねェ。そういや今日の宿どうすっかなァ・・・)
御坂妹(いっそ家に帰ってクソガキにだけは理由を話せばあるいは―)
上条「おぉ、御坂妹。・・・今日は良く会うな」ボロッ
御坂妹(何でこんなところに・・・つーかボロボロだな。超電磁砲にやられたかァ?)
御坂妹(にしてもこいつなら超電磁砲くらい軽く倒せるだろォに・・・ほンと人がいい野郎―)
御坂妹(人がいい?)ニヤ
上条「ん?どうした?お前がニヤニヤしてるのなんてはじめて見たな」
御坂妹「・・・いえ、神様ってのがいるなら獲物を与えてくれたことに感謝したいと思いましてとミサカは笑います」ニカァ
―上条宅
上条「まさか宿がなかたっとはな。ファミレスでいってくれりゃ良かったのに」
御坂妹(俺を泊めるなンて話してたらテメェは超電磁砲の餌食になってただろォよ・・・)
御坂妹(とはいえイレギュラーな状況とはいえ俺が三下を頼ることになるとはなァ・・・)
御坂妹(さっき試した感じからいって能力レベルは1~2・・・)
御坂妹(そンなレベルでしかも女の体で野宿はさすがに危険すぎるから仕方ねェと言えばしょうがねェが・・・)
上条「どうした?調子でも悪いのか?」
御坂妹「まァそンなところですとミサカはそっけなく答えます」
禁書「とうまーおなか減ったんだよ!・・・って、なんでくーるびゅーてぃー?が一緒なのかな?」
御坂妹(あいつァ、いつかの大食いシスターじゃねェか・・・妙な縁もあるもンだな)
上条「あぁ、今日泊まるところがないって言うから家に・・・って、よく御坂じゃなくて妹だって分かったな」
禁書「馬鹿にしてるのかな、とうまは?ゴーグルで区別つくんだよ!」
上条「それにしては『くーるびゅーてぃー?』と疑問系のようでしたがインデックスさん?」
禁書「それは、なんとなく表情の雰囲気が違ったから・・・」
御坂妹(・・・ほぉ)
上条「表情?そうか?」
禁書「とうまはにぶちんだから分からないんだよ。完全記憶をかめて貰っちゃ困るかも」
御坂妹(三下よりこっちの大食いのほうが鋭そうだな・・・まァばれねェように気をつけるかァ)
禁書「それにしても・・・とうま?泊まるところがないからって女の子を家に連れ込むのはどうなのかな?」ジリジリ
上条「いや、だって野宿させるわけにもいかな・・・って、インデックスさん?どうしてこっちににじり寄ってくるのでせうか?」
禁書「だったら短髪に頼むなり方法はあると思うんだけど?」ジリッ
上条「だって、もう遅いし家のほうが近かったからそのほうがいいかなって思―――」
禁書「とうまはもうちょっとモラルってものを知るべきなんだよッッ!!!」ガブッ
上条「ちょ!なんで!?不幸だあああああああああああぁっ!!!!」
御坂妹(まさか大食いシスターの口からモラルなンて言葉が聞けるとはなァ・・・入れ替わって初めて得した気分だ)
―――――
―――
―
上条「はぁはぁ・・・痛ててて・・・」
御坂妹「(コイツらいつもこうなのか?愉快なこったな)あのォ・・・大丈夫ですか?とミサカは心配してみます」
上条「あぁ・・・まぁ何とか」
禁書「とうまはそれくらいでやられるほどやわじゃないんだよ!」
上条「・・・それをお前がいうのはどうなんだ?」
御坂妹「なンだったら別に無理して泊めてもらわなくても俺ァ・・・いや、私は―――」
上条「いや、気にするな。なんだかんだインデックスも最初はあんなだがお客さんが着て嬉しいんだ」
御坂妹「・・・そォですか?」
上条「ところで御坂妹は晩飯食ったか?」
御坂妹「いえ、まだ食べてませンが・・・まァ別に食べなくてもいいかなとミサカは―――」
上条「なんだ?ダイエットか?駄目だぞ育ち盛りは食わないと」
御坂妹「いやっ、別にそォいう訳じゃァね―――」
上条「よし!こうなったら今日は上条さんちょっと本気だして晩飯作るからな!!」
御坂妹「いやっ、だから人の話を聞―――」
禁書「とうまとうま!!本気って一体何を作るのかな!?」バタバタ
御坂妹(駄目だ・・・一人でも人の話聞かねェのが二人も揃ってやがるから手に負えねェ)
上条「と、言うわけでだ。上条さんが今から手によりをかけて晩飯作るから御坂妹はテレビでも見てくつろいでてくれ」
御坂妹「なンだか悪ィ・・・悪いですねとミサカはさすがに申し訳なく思います」
上条「・・・・・・・・・」
御坂妹「?・・・どォしました?」
上条「いや、長い間居候してるくせに一切手伝いをせずに今もそこで録画したカナミン見てるシスターを見てると
いまのちょっとした御坂妹の遠慮が心にしみてな」
禁書「え?とうまなんか呼んだ?」
上条「いや、インデックスは将来大物になるよってな」
禁書「とうまちょっとおかしいかも」
御坂妹「えっと、なンだ・・・心中お察しします」
上条「ありがとう・・・」
上条「と、言うわけで今日はオムライスにしてみた訳だが」
禁書「とうまー、おかわりはあるのかな?」
御坂妹「食べる前からおかわりの心配とかどうなってンだコイツは・・・」
上条(今日の御坂妹はたまに喋り方が違うんだが・・・個性が出てきてんのかな?)
禁書「ぐぬぬ・・・今日のくーるびゅーてぃーはちょっと毒づいてるんだよ」
御坂妹「いえいえ、別にそンなつもりじゃないですよとミサカは否定します」
上条「ほらほら、おしゃべりもいいが早く食べないとせっかくのオムライスが冷めちゃうんですよー」
禁書「ガッガッガッ・・・とうまーおかわりなんだよー」
上条「はいはい・・・ってもう少し綺麗に食えないのかよ・・・」フキフキ
禁書「ちょっ!とうま!くーるびゅーてぃーがいるのにそういう子供扱いは恥ずかしいかも!!」
上条「だったらもうちょっとおとなしく食ってくださいねー」フキフキ
御坂妹「・・・・・・・・・」
御坂妹(クソガキ達ちゃンと飯食ってっかなァ・・・)
― 一方通行宅
打ち止め「・・・て・・・ぇ起き・・・・・・カはミサカは―――」
一方通行「うぅ・・・おや、上位固体おはようございます。どうしてここに?とミサカは目をこすりながら・・・ッ!?」ハッ
打ち止め「どうしたの?妹達みたいな喋りかたしてってミサカはミサカはアナタが寝ぼけてるんじゃないかと疑ってみる」
一方通行「そ、そうそう、ちょっと寝ぼけちまったぁ!ははははははっ!!」
打ち止め「?変なアナタってミサカはミサカはため息をついてみたり」
一方通行「ははっはははは・・・」
一方通行(寝起きはさすがに気を抜いてしまいましたとミサカはばれなかったことを奇跡だと思います)
一方通行「んで?なんで起こした?トイレかぁ?」
打ち止め「あなたはもうちょっとデリカシーを持つべきねってミサカはミサカは頬を膨らませてみたり」
打ち止め「そうじゃなくてお腹がすいたからそろそろ晩御飯が食べたいなーってミサカはミサカはおねだりしてみたり」
一方通行「あっ、あぁ、もうそんな時間かぁ・・・」
一方通行(さて、困りましたミサカは恥ずかしながら料理スキルなどまったくありません・・・)
一方通行(いや、しかしこうなってしまってはなるようになれの精神でやるしかありません!とミサカは腹をくくります!)
一方通行「えぇっと・・・冷蔵庫の中身は・・・・・・珈琲だけ?」
打ち止め「冷蔵庫なんて開けてどうしたの?ってミサカはミサカはそろそろ空腹が抑えきれないんだけれど」
一方通行「いや、といても珈琲しかねぇんだが?」
打ち止め「?いつもご飯はコンビニのお弁当でしょ?ってミサカはミサカは確認してみる」
一方通行「ッ!?あぁっ!そぉだったな!!どぉやらまだ寝ぼけてたみてぇだっはははははは!!」
打ち止め「ほんとうにおかしなあなただねってミサカはミサカは頭の上にクエスチョンマークを浮かべてみる」
一方通行(それにしてもコンビニ弁当とは・・・育ち盛りの上位固体のことを考えるとあまりいいとは言えませんね)
一方通行(まったく一方通行はもう少し自炊などをするべきだと思いますとミサカは自分を棚に上げて思います)
打ち止め「ねぇねぇ、早くお弁当買いにいこう?ってミサカはミサカはそろそろ我慢の限か――」グゥー
一方通行「・・・・・・・・・」
打ち止め「・・・・・・・・・」
一方通行「・・・・・・いや、俺は何も聞いてな―――」
打ち止め「も、もーっ!アナタが早くしないから!ってミサカはミサカは―――ッ!!!」ポコポコ
一方通行「・・・・・・ふっ、ふふふっふくっ・・・ふふふふ」
打ち止め「き、急に気味の悪い笑い声だしてどうしちゃったの?ってミサカはミサカは後ずさりしながらも心配してみる」
一方通行「い、いやっ、なんでもねぇ・・・くくく」
一方通行(MNWでの通信では分からない子供らしさが感じれて嬉しいですねとミサカは少し入れ替わりに感謝してみます)
打ち止め「そ、そんな普段見せないような笑顔を向けられると怖いってミサカはミサカは鳥肌が立ってきた」
― 上条家
上条「あぁ食った食った」
禁書「私はまだ腹三分目なんだよー」
上条「そりゃインデックスに毎回満腹になられたんじゃ上条さんちの家計は1ヶ月もたないんですよー」
禁書「それはちょっと言いすぎじゃないかな」
上条「言い過ぎではないね、絶対に言い過ぎではないね!」
禁書「私だって一応女の子なんだから傷つくときは傷つくんだよ!」
御坂妹(こいつらはほンとに愉快で退屈しねェなァ・・・)
上条「それじゃぁ俺はこれから洗い物するから御坂妹は風呂入っちゃってくれ」
御坂妹「・・・はい?」
上条「いや、だから上条さんは洗い物するから風呂に」
御坂妹「いや、一応私も女なンですがァ・・・」
上条「あぁ、大丈夫だ。別に覗いたりしないし家の風呂は一応ちゃんと鍵だってかけれる」
御坂妹(いや、そういう話じゃねェと思うンだが・・・これが天然ジゴロの本気かァ?)
御坂妹「それじゃァ、私は皆さんが寝てから入るという訳には」
上条「浴室は上条さんが寝るので早めに入ってもらえると助かるのでせうが」
御坂妹(浴室で寝るってどンな生活してやがるンだコイツ・・・)
上条「というわけで出来れば洗い物している間に入っていただけると助かるんだが」
上条「いや、まぁ、どうしても嫌というなら御坂妹がよければ無理に入ることもないし」
御坂妹「・・・・・・・・・」
御坂妹(人ン家で風呂に入らずに不清潔なまま寝るってのはさすがにどォだァ?)
御坂妹(仮にも飯をご馳走になり泊めてもらう身だからなァ・・・最低限のモラルは守りてェ)
御坂妹「いえ、まァアナタは信頼に値する奴ですしありがたくお風呂を頂きましょォとミサカは素直に好意を受け入れます」
上条「そおか?いや、お客様に肩身の狭い思いをさせてるんじゃないかと思ったがよかったよかった」
― 風呂場
御坂妹「で?」
禁書「くーるびゅーてぃー・・・もう少し湯船そっちに・・・つめて欲しいかも、ふわああぁぁ・・・」
御坂妹「・・・どォしてこうなった?」
~~数分前~~
御坂妹「それじゃァ、ありがたくお風呂頂きます」
上条「あぁ、バスタオルはあるの使っていいし着替えは俺のジャージでいいよな?」
御坂妹「まァそれでいいですとミサカはどうせ選択肢はないのでその提案を受け入れます」
上条「さて、それじゃぁ上条さんは荒いものを一気にかたづけ」
禁書「とうまー・・・」
上条「ん?なんだインデックス、あまり物ならないぞ?」
禁書「眠いんだよー・・・お風呂入りたいかも」
上条「っていってもなぁ、御坂妹が今入ったばっかりだし」
禁書「それじゃぁ一緒に入るー・・・うー」
上条「・・・まぁ、二人が入るくらいなら広さ的にも問題ないだろうし大丈夫だよな」
上条「そのかわり御坂妹に迷惑かけるんじゃないぞ?」
禁書「ふわあああぁぁい・・・」トボロボ
御坂妹「ふゥ・・・今日はやたら疲れたな」ザバァ
御坂妹「・・・・・・・・・俺ァ本当に元に戻れるンだろうなァ」
御坂妹「一生このままってのは流石に・・・・・・ねェな。あァ、ねェよ」
御坂妹「しかし、クローン体だけあって見た目がまンま打ち止めの成長した姿だなァ・・・」
御坂妹「なンつーか、鏡越しに見ると普段風呂入れてやってる妹か娘が成長して一人で風呂はいるようになっちまったような感じだ・・・」
御坂妹「まァ、その娘だかに今自分がなってるっていう訳の分からねェ常態な訳だが」
ガラガラ ザバァン
御坂妹「それでもなンかこう感慨深いものが・・・」
御坂妹「・・・・・・・・・」
禁書「・・・ふぅ」
御坂妹「いや、ふゥ、じゃねェよ。なに大食いシスターさんはナチュラルに入ってきちゃってるンですかァ?」
――そして現在に至る
禁書「眠いから・・・一緒に入れって・・・・・・寝る前にとうまが・・・ふわぁ」
御坂妹(寝ぼけてンのかコイツ・・・)
禁書「ていうか、娘がどう・・・とか言ってたけどなんの話なのかな?」
御坂妹「(・・・聞いてやがったか。寝ぼけてるみてェだから大丈夫だとは思うが)・・・いや、別にたいした話じゃn」
禁書「よく分からないけど・・・寂しいなら今日は私が一緒にお風呂は言ってあげてるから大丈夫なんだよ?」
御坂妹「寂っ!?誰がそんなこと言って―――」
禁書「そんな強がることないんだよ゛ブクブクブクブク」
御坂妹「バカッ!風呂ン中で寝てんじゃねェ!!」ガシッ
禁書「・・・うぅ~、眠いんだよぉ~」
御坂妹「たくっ・・・世話が焼けやがる・・・」
御坂妹「―――まァ、だが・・・ありがとよォ」
― 一方通行宅
打ち止め「ふーっ、食った食ったってミサカはミサカはお腹をさすって満腹を表現してみたり」
一方通行「行儀が悪ィぞ。そして、自分のごみはちゃんと片付けろ」
打ち止め「うー、食べた後は少しゆっくりしたいのにってミサカはミサカは愚痴をこぼしつつもしっかり後片付け」
一方通行「ほぉ、この様子だと普段からこういうことはちゃんと仕付けられてるようですね・・・」ボソッ
打ち止め「ん?何か言った?」
一方通行「あっ、いや!なんでもねぇから気にすんな」
打ち止め「?変なアナタってミサカはミサカは首を傾げてみる」
打ち止め「それじゃぁ、後片付けも終わったしそろそろお風呂の時間かなってミサカはミサカは時計を確認しながら言ってみる!」
一方通行「ていうか、もうこんな時間かぁ」
打ち止め「お昼寝して夕ご飯も遅くなっちゃったしねってミサカはミサカは少し眠い目をこすってみたり・・・」
一方通行「なんだ眠いのか?それなら先に風呂はいっちまえ」
打ち止め「へ?何言ってるの?」
一方通行「いや、だから眠いなら先に風呂入れと」
打ち止め「先も何もいつもみたいに一緒に入ればいいじゃないってミサカはミサカは疑問と提案を同時にぶつけてみる」
一方通行「いや、いつも一緒に入ってるとかじゃなくて先に風呂・・・いつも一緒?」
打ち止め「うん、いつも一緒に入ってるじゃないってミサカはミサカは大事なことだから二度言ってみる」
一方通行(え?何セロリセロリ言ってはいたもののセロリはほんとに嘘偽りないセロリだったということですか?)
一方通行(いや、しかし上位固体の年齢を考えればまだ保護者との入浴はそれほどおかしいことでも・・・)
一方通行(しかし保護者といっても一方通行はやはり血のつながりはない訳ですから・・・)
一方通行(幼女にして養女?いや、うまいこと言ってる場合じゃ・・・もしかしたら義妹的ポジショニングの可能性も否定しかねます)
一方通行(なんにせよこれはあとで問い詰める必要性があるようですね・・・)
打ち止め「なんだか恐い顔してるけど大丈夫?ってミサカはミサカはちょっと後ずさり」
一方通行「いやなんでもねぇ」
打ち止め「そう?それなら早くお風呂はいるよってミサカはミサカは急かしてみたり」
一方通行(まぁ今日は体は一方通行とはいえ中身はミサカなわけですから特に問題は・・・)
一方通行(そうそう、体は・・・一方通行)
一方通行「しまったああああああああああああぁぁっ!!」
打ち止め「ビクッ!!」
一方通行「あっ、いや悪ぃ。ちょっと思い出したことがあってつい叫んじまった」ダラダラ
打ち止め「そ、そう?なら別にいいんだけれどってミサカはミサカはまた後ずさり」
一方通行(打ち止めからすれば普段から一緒に入っているからいい・・・いや良くはないのですが)
一方通行(私からすれば男の体でお風呂に入ることに・・・)
一方通行(しかしここで変に入浴を断れば上位固体がなにか疑いだすかも知れませんし・・・)
一方通行(・・・元に戻ったら一方通行には何か奢ってもらう位してもらわないと割に合いませんね)
一方通行「とりあえずお前は先に風呂行ってろ。俺もすぐ行くからよ」
打ち止め「うん、分かった。・・・早くきてねってミサカはミサカはお風呂場にダッシュ!」
一方通行「・・・いきましたね?それにしてもまさかこの体でお風呂とは・・・」
一方通行「妹達にも個性の強い固体が出始めたので一部には喜んで入るものもいそうですが・・・」
一方通行「・・・とりあえず上着から」スッ シュル
一方通行「なんというか貧相の一言に尽きる体つきですね、ですがこの美白は素直にうらやましいとミサカは嫉妬します
一方通行「さて・・・いよいよ下を脱がなければならないわけですが」
一方通行「あんまり見たくねぇなぁとミサカは率直な感想を述べます」
一方通行「・・・仕方ない。このままもたもたしていては上位固体が茹蛸になりかねません」
一方通行「ここは覚悟をきめて・・・」カチャカチャ
一方通行「・・・・・・とりゃっ!」バッ
一方通行「・・・・・・・・・・チラッ」
一方通行「・・・ホルモンバランス崩れておかしなことになってるかと思いきや予想に反して普通ですね」
一方通行「普通すぎて恥ずかしがってた自分がばかばかしくなってきましたとミサカは素に戻ります」
※普通だのなんだのの知識は妹達が学習装置で知識を補充する際に医学方面の情報で入っていたてい
※けしてビッチとかじゃないのでご注意
ガラッ
打ち止め「あっ、遅かったのねってミサカはミサカはアナタが何をしてたのか詮索してみたり」
一方通行「・・・別になんでもねぇよ」
打ち止め「ところでちょっと頭を洗って欲しいんだけどってミサカはミサカは催促してみたり」
一方通行「はぁ?そんくらい自分で洗―――」
打ち止め「えぇ、いつもは洗ってくれるのに・・・ってミサカはミサカはブーたれてみる」
一方通行(・・・まったく一方通行はホントにどれだけ過保護なんですか)
一方通行「しかたねぇなぁ・・・」ワシャッ
打ち止め「うひゃっ、ちょっと乱暴に・・・うくくっくすぐったいってミサカはミサカは体をよじってみたり!!」
一方通行「おとなしくしてろ洗えねぇだろぉが・・・」
打ち止め「そんなこと言ったってくすぐったいものはくすぐったいってミサカはミサカは、あはははははっ」
一方通行「頭洗うだけでそんなくすぐったいもんかねぇ」
打ち止め「ふぅふぅ・・・あなたの指使いがおかしいんじゃないかなってミサカはミサカは指摘してみたり」
一方通行(あたしはどんだけテクニシャンなんですかとミサカは自分のポテンシャルに驚愕します)
一方通行「馬鹿なこといってねぇで流すから目ぇつむれ」バシャー
打ち止め「ちょっとそういうのは目を瞑ったのを確認してから、ってうひゃっ!」
一方通行「だから言わんこっちゃねぇ」
打ち止め「ううっ・・・目にシャンプーが入ったってミサカはミサカはこすってみたり」
一方通行「あんまり目をこすらないほうがいいとミサ・・・いいからちょっとこっちむけ」
打ち止め「うぅ・・・痛い」
一方通行「ちょっと我慢しろよ・・・シャワーで洗い流すからな」
打ち止め「優しくね・・・優しくだからねってミサカはミサカは痛いのを我慢しながら言ってみる」
一方通行「・・・分かったから顔ひねってよけるな」
一方通行「・・・よしっ、どうだ?」
打ち止め「うぅ・・・あれ?うん、もう痛くないかもってミサカはミサカは目を見開いてみる」
一方通行「そりゃよかった」
打ち止め「うふふ、お礼にあなたの背中流してあげるねってミサカはミサカは感謝の心を示してみたり」
一方通行「そうか?それじゃぁお願いするかな」
打ち止め「ほんと今日のあなたは素直でいいねってミサカはミサカはいつもこうならいいのになって思ってみたり」
一方通行「・・・いつもの俺は嫌か?」
打ち止め「ううん、今のあなたも好きだけどいつものアナタも大好きよってミサカはミサカは告白してみたり」ゴシゴシ
一方通行「・・・そうか、そりゃよかった」
― 上条家
チュンチュン
御坂妹「・・・ン、朝か」
御坂妹「つーかなンでベッドから落ちてるンですかァ?って、考えるまでも泣くこの暴食シスターのせいか・・・」
禁書「うぅ~ん・・・まだ食べれるんだよ~」
御坂妹「いや、そこは『もう食べれないンだよ』だろ・・・夢の中でもどンだけ食うんだよこのシスターは」
御坂妹「にしても・・・夢ならどれだけよかったと思ったが、入れ替わりはやっぱり現実ってことですかァ?」
上条「ん?なんだ御坂妹はもう起きてたのか・・・朝早いな」
御坂妹「いや、蹴り落とされていやいや起きたンですけどねってミサカは悪態をつきつつ言ってみます」
上条「・・・あぁ、インデックスか。なんか悪かったな」
御坂妹「三しt・・・いえ、アナタが謝ることじゃないですよとミサカは否定します」
上条「ありがとな・・・って、ん?その光ってるのお前の携帯じゃないか?」
御坂妹「ン?そうですねってミサカh―――」
御坂妹(この番号・・・は冥土返しかっ!?)
ピッ
御坂妹「はい、もしもしとミサカは電話を受けます」
冥土帰し『あれ?妹達かい?番号を間違えてしまったかな?』
御坂妹「いえ、間違いではありませンとミサカは否定します」
冥土帰し『・・・一方通行君かい?どうしてまたそんな喋り方を』
御坂妹「こっちにもいろいろあるンだよ、無駄な詮索してねェでさっさと用件を言えコノヤロウとミサカは催促します」
冥土帰し『確かに一方通行君みたいだね・・・』
御坂妹「分かったんならさっさとしろとミサカは―――」
冥土帰し「あんまり妹達の声で罵倒しないでくれるかな・・・さすがにちょっと凹むんだけどね」
御坂妹「だから嫌ならさっさと用件を言えばいいだろとミサカは流石にイライラしながら迅速な対応を促します」
冥土帰し『分かったよ、せっかちだね・・・』
冥土帰し『結論から言うと、君達が入れ替わった原因と元に戻る方法は判明したよ』
御坂妹「本当か!?」
冥土帰し『あぁ、まず入れ替わった原因だが特殊な要因がいくつか重なったことによる非上にイレギュラーな自体だね』
冥土帰し『まず、大きな要因としては君達のAIM拡散力場の干渉が上げられるね』
御坂妹「AIM拡散力場の干渉?そンなもンで入れ替わってたら今頃学園都市内は混乱しっぱなしだぞ」
冥土帰し『もちろん普通なら入れ替わりなど起きはしないさ』
冥土帰し『ただし君達には普通じゃない要因が存在するだろう?』
御坂妹「・・・ミサカネットワークか?」
冥土帰し『そう、君達が接触した際にAIM拡散力場同士が干渉しあいミサカネットワークの回線に異常をもたらしたんだろうね』
上条(御坂妹が電話し始めてからなんだかキャラが違って恐い)
冥土帰し『AIM拡散力場同士の干渉がミサカネットワークの回線を混乱させた、まぁここまではいいね?』
御坂妹「まァ、いいだろう。で、その回線の混乱がどうして入れ替わるなンて結果につながったンだ?」
冥土帰し『そうだね。まずはミサカネットワークが君の演算、言語能力の肩代わりをしていることは知っているね?』
御坂妹「あァ。俺の脳から出た電気信号をミサカネットワークで解析、演算した結果を俺に返還してるンだろォ?」
冥土帰し『そう。そして今回回線の混乱によって起こったのがその『演算結果の返還』に関するところなんだ』
冥土帰し『つまりだね、君の脳からでた電気信号を演算した結果を本来なら君に直接返還するところを』
冥土帰し『回線の混乱によって演算結果が妹達・・・今回は君が入れ替わったその子に返還されるようになってしまったんだね』
御坂妹「ちょっとまて、それだと御坂妹の脳内で行われてる妹自身の言語、演算処理結果はどうなるンだ?」
冥土帰し『それについては今の君達の現状通りさ』
冥土帰し『君の演算処理が脳に流れ込んできたことによって行き場を失った彼女自身の演算処理結果はMNWの回線を通り』
冥土帰し『演算結果がまだ入力されていない空いているスペースを探しネットワーク内をさ迷う』
冥土帰し『そうしてさ迷った結果空いているスペースに演算結果は出力されるわけだが・・・それがどこかもう分かるだろう?』
御坂妹「俺の体って訳か・・・」
冥土帰し『そう。つまり君達は入れ替わったというよりも互いを遠隔操作しているといったほうがいいのかもしれないね』
冥土帰し『ここからは私の推測だが、おそらく君達は互いにお互いの能力が使えているだろう?』
御坂妹「あァ、確かに能力のレベルは低いようだが使えねェことはねェ・・・」
冥土帰し『実際に肉体と精神が入れ替えるなんて実験はしたことがないから定かではないが』
冥土帰し『私は能力とは肉体的な部分と『自分だけの現実』という精神的な部分があってこそ発現するものだと思っている』
冥土帰し『実際に肉体と精神が入れ替わっているのなら能力の発現はありえないだろうね・・・』
冥土帰し『だが、実際気味体は肉体と精神はそのままで演算能力や言語能力の演算結果のみ相手の体に出力されている常態だ』
冥土帰し『だから能力が発現してもおかしくはないといううことだね』
御坂妹「にわかには信じられねェが・・・まァ当事者としちゃァ信じるほかねェってことだなァ」
御坂妹「だがよォ・・・それだと俺が使える能力のレベルが低いのは説明がつかなくねェか?」
御坂妹「別に自慢するわけじゃねェが俺ァ仮にも学園都市第一位なンだぞ?」
御坂妹「だったら使える能力のレベルが低いってのはどうも納得がいかねェ」
冥土帰し『それについては・・・そうだねぇ』
冥土帰し『たとえば大型ジャンボジェット機を完璧に操縦できる人がいたとしようか』
冥土帰し『そんな彼が今まで載ったこともない戦艦を完璧にコントロールできるかといったらおそらく無理だろう?』
冥土帰し『つまりは『慣れ』と『知識』の問題だね。他人の現実を使うわけだから自分の能力を使うのとは勝手が違うというわけさ』
御坂妹「まァ、原因については分かったが・・・元に戻る方法についてはどうなンだ?」
冥土帰し『そうだね、今の回線の混乱・・・欠陥回線【ノイズネットワーク】とでも呼ぼうか』
冥土帰し『この欠陥回線という常態が把握できればあとは元に戻るのは簡単だね』
冥土帰し『君のチョーカーを作った僕とネットワーク全体を管理している打ち止め君がいればなんとか入れ替わった回線を元に戻せるはずだよ』
御坂妹「・・・てことは、あのクソガキには結局今の状況をばらさなきゃならねェ訳か」
冥土帰し『なんだい、まだ説明してなかったのかい?』
御坂妹「あァ。俺ァ家に帰ってねェし、クソガキのところには妹が行ってうまいことやってるはずだ。変に心配かけたくねェからな」
冥土帰し『・・・君はもう少し彼女を信頼してもいいんじゃないのかな?』
御坂妹「・・・信頼と無駄な心配させるのは違うだろォが」
冥土帰し『君がそう思うなら僕は何も言わないけれどね』
御坂妹「・・・俺は打ち止めと妹つれてそっち向かうから準備しとけ」
冥土帰し『まったく、仕方ないね。まぁ、この話の続きは君が元に戻ってからでもゆっくりしようかな』
御坂妹「勝手にしろ。じゃァな」ブツッ
御坂妹「ふゥ・・・さて。」
― 台所
御坂妹「すみませン、急で悪いのですがミサカは帰らせてもらいます」
上条「え?そんなこと言わずに飯くらい食ってったらどうだ?」
御坂妹「いえ、急な用事が入ってしまったのでもう行かないといけないンですとミサカは説明します」
上条「あぁ、なんかちょっと様子おかしかったから途中から空気読んで聞いてなかったが呼び出しかなんかだったのか?」
御坂妹「・・・まァ、そンなところですね」
上条「危ないこととかじゃないだろうな?そうなら上条さんも及ばずながら―――」
御坂妹「いえ、ちょっとした調整で病院にいくだけですから大丈夫です」
上条「そうか?そういうことなら上条さんも無理には止めないんですよ」
御坂妹「せっかく用意してもらったのにすまね・・・すみませンね」
上条「なに、どうせ家のシスターさんが全部食ってくれるさ」
上条「そんなこと気にしないでそのうち暇なときにでもまた食いにこいよ。インデックスも喜ぶだろうしな」
御坂妹「えェ、今回のような奇跡的な機会があればそうさせてもらいます。それでは。」バタンッ タッタッタッタ
上条「おう、じゃぁな。って行っちまったか。にしても、奇跡的な機会って大げさだな御坂妹は」
― 一方通行宅
一方通行「・・・んんっ。もう朝ですかとミサカは朝のすがすがしい光を浴びて・・・はっ!」
打ち止め「くーくー」
一方通行「寝てますね?聞いてませんよね?・・・危ねぇ危ねぇとミサカはほっと胸をなでおろします」
一方通行「というか結局、昨日はあのもやしから連絡はありませんでしたね」
一方通行「なんだかんだこの生活は悪くはないのでもう少しくらいならこのままでもいいのですが」
一方通行「もやしが私の体で厨二炸裂させてたりしたらいやですし、早く元に戻る方法が見つかって欲しいのですが・・・」
一方通行「ふぁ~。・・・まぁ、果報は寝て待てといいますしもう一眠りでもしますかね」
ピンポーン
一方通行「誰でしょうか、こんな朝早くに・・・ミサカはこれから二度寝という至高の贅沢を堪能するのですが・・・」
ピンポーンピンポーン
一方通行「ほっとけばそのうち帰るでしょう・・・少し我慢して寝るのが得策ですねとミサカは」
ピンポピンポピンポピンポーン
一方通行「・・・ミサカは」
ピピピピピピピンポーンピンピンポピンポーン
一方通行「・・・・・・・・・」
ピピンポーンピンポポポピンポーンピンポーンピンポピンポピピピンポーン
一方通行「だああああぁっ!うるせぇな!はいはい今出ますよ!どちらさまですか!とミサカは勢いよくドアを開け放ちま―――」ガチャッ
― 一方通行宅
ピンポーン
御坂妹「・・・ちっ!まだ寝てやがンのかァ?携帯に連絡しても出ねェし・・・」
御坂妹「せっかく元に戻れるってのにこれじゃァどうしようもねェぞ」
御坂妹「おい!起きろ!そしてここを開けやがれ!」ドンドンドンドン
御坂妹「早くおきねェとこのドアぶち壊すぞこらああああ 『ガチャッ』 ってうおおおおおおおっ!?」
御坂妹「何だよ、鍵かかってねェじゃねェか・・・ビックリさせやがって」
御坂妹「つーか、鍵かけねェで寝やがったのかアイツ?」
御坂妹「・・・こりゃァちょいとお説教してやらねェといけねェよなァ~、そうだよなァ~」
御坂妹「おいっ!テメェなに鍵開けっ放しで寝てやが・・・る・・・?」
御坂妹「おいおい・・・なンで部屋がこんなに荒れてるンですかァ?」
御坂妹「妹ー!打ち止めー!!」
御坂妹「・・・どこにもいねェ」
御坂妹「畜生・・・よく考えてみりゃァ俺を狙ってる奴なんていくらでもいやがるンだ・・・」
御坂妹「それに今のアイツは能力がほとんど使えねェはず・・・」
御坂妹「何でこンなことになる可能性に事前に気づけなかった!!」
冥土帰し『・・・君はもう少し彼女を信頼してもいいんじゃないのかな?』
御坂妹「冥土帰しの言う通りじゃねェか・・・」
御坂妹「俺があいつをもっと信頼してそばにいてやりゃァもしかしたらこンなことには・・・」
御坂妹「・・・いやっ、今はそンなこと言ってる場合じゃねェ!なンとかしてあいつらを探しださねェと・・・」
御坂妹「だがどうやって・・・」
御坂妹「っ!?そうだ!俺ァ今妹達の体なンだ・・・」
御坂妹「普段はチョーカーを通して言語・演算能力の肩代わりをさせてもらってるくらいだが・・・」
御坂妹「今ならMNWにアクセスして他の妹達や打ち止めともつながれるはずだ。そうすりゃ居場所だって・・・」
御坂妹「だが・・・昨日試した様子と冥土帰しが電話で行ってたことから俺はこの能力をまだ使いこなせてねェ・・・」
御坂妹「・・・・・・・・・知ったことかよ」
御坂妹「俺が何とかしねェとどうしようもねェンだろォが・・・」
御坂妹「だったらこンなところで泣き言言ってる場合じゃねェだろォが・・・・・・・・・」
御坂妹「やってやる、やってやンよおおおおォ!!学園都市第一舐めンじゃねェぞコラあああああああああああぁっ!!!」
― とある工場
一方通行「・・・うぅ、ここは?」
??「よぉ?やっと目が覚めたかクソガキ?」
一方通行「あなたは・・・?」
??「あぁ?なんだよ俺のこと忘れちまったのか?寂しい事言ってくれるじゃねえか」
一方通行「んっ・・・はっ!上位固体!いったいなにをするつもりですか!上位固体を早く開放してください!!」
??「なんだその喋り方は?いつからそんな丁寧な言葉遣いするようになったんだテメェは」
一方通行「いいから早く上位固体を開放ろとミサ――ガフッ!」ガッ
??「助けたかったら自分の手で取り返せばいいだろ。あの時みたいによぉ・・・」
木原「この俺をぶっ殺して取り返してみろよクソガキいいいいいいいぃっ!!」
一方通行(取り返す・・・?あの時・・・?まさかこの男は0930事件に上位固体を誘拐した男!?)
一方通行「そんな・・・たしか死んだはずじゃ!?」
木原「あぁ、確かに俺はあの時テメェにボロ雑巾みたいにされちまった」
木原「それこそまともな臓器なんてほとんどねぇほどにな?」
木原「だが学園都市の科学ってのはほんとにスゲェもんでな?」
木原「潰れた心臓の変わりに血液を回すためのバカデカイ洗濯機みたいな装置つけて」
木原「潰れた臓器一つ補うのに冷蔵庫みてぇな装置つなげてなんとかいきのびたんだわ」
木原「そして今はおれ自身の細胞から培養した代わりの臓器を移植してこの通りよ」
一方通行「・・・化け物」
バケモノ
木原「テメェがそれをいうかよ?なぁ、最強?」
木原「まぁいい・・・とりあえず今日はたっぷりしかえしさせてもおう・・・かっ!」ヒュッ
一方通行「っ!」
木原「どうしてわざわざかわす?得意のベクトル操作はしねぇのか?」
一方通行(ベクトル操作・・・そういえば電撃が使えないのは試しましたがベクトル操作はまだ試して―――)
木原「まぁ俺にはベクトル操作もきかねぇから無駄だけどなぁ!!」ブンッ
一方通行(!?こうなったら、ぶっつけ本番でいちかばちかですが―――!!)
チッ
木原「・・・あぁ?」
一方通行「・・・はずした?」
木原「なんだ?病み上がりでなまってんのか?ちょっと狙いがずれちまったみてぇだな」
木原「まぁいい。少しずつ勘を取り戻させてもらうからよ、テメェには悪ぃがリハビリに付き合ってもらうぞ。オラァ!!」
一方通行「くっ!」ガスッ
木原「今のは惜しかったな。どんどん行くぞ休んでんじゃねぇよおおおおぉっ!!」ドドドドドッ
チッ!ガスッ!ガッ!スカッ!
木原「・・・なんだ?いくらなんでも当たらなさ過ぎる・・・テメェなにしてやがる?」
木原「俺はテメェの思考を呼んでそれにあわせて腕を動かしてるはずなのにどうしてまともに当たらねぇ!」
一方通行(思考を先読み・・・そういえばこの男は一方通行の能力開発に関わっていたのでしたね)
一方通行(それで一方通行の思考を把握しだからこそ反射やベクトル操作にあわせて腕をあわせられる・・・)
一方通行(ですが、今能力を使ってるのはミサカです)
一方通行(一方通行とは思考が違う上に能力自体が安定していない状況)
一方通行(いわば能力は完璧にランダム。これは思いもしなかった好機かもしれません!)
木原「ふっ!」
一方通行(・・・いける。若干相手の腕をそらす程度しかできないようですが)サッ
一方通行(それにあわせてよければ、完全にかわせます)サッ
一方通行(あとは何とかして反撃に転じてここから逃げ出さない―――)
木原「・・・で・・・・・・・左に・・・れる程度・・・ブツブツブツブツ」
一方通行(?なにやらブツブツつぶやいているようですが一体何を―――ガッ!?)ズドッ
木原「ほぅ・・・」
一方通行(ウグッ・・・かわし損ねた?気を抜かないようにしてかわし続けなければ・・・)
木原「今のでそうなるなら・・・これでどうだ?」ゴウッ
一方通行「そんなのよく見れば余裕でかわせ―――アガッ!!」バスッ
木原「あはははははははっ!!リハビリ完了ーってかぁ!?」
一方通行「なん・・・で・・・」
木原「おいおい、あんまり科学者舐めんなよ?」
木原「どういうわけか知らねえがテメェは以前と違うベクトル操作をしてることは途中で分かった」
木原「だったら後はその法則さえつかめばこっちのもんだ」
木原「一見ランダムに見えたがざっと見ただけで穴だらけだったぜ、学園都市第一位も地に落ちたか?」ガスッ
一方通行「アガッ!」
木原「つまんねーなぁ。俺はこんなやつに復讐するために甦ったってのか?」
木原「今回はテメェとこっちのガキを殺しても構わないって言われてきたからだいぶ楽しみにしてきたんだがな」
一方通行「なっ・・・」
木原「まぁといっても上はどうせ俺が負けると踏んでそんな事いったんだろうがな」
木原「俺の見たところこっちのガキもお前も学園としにとってなにやらとんでもない価値があるようだしなぁ?」
木原「実際今回の俺がよこされた件も詳しくは知らねえが」
木原「テメェがなにやら面白い事になっててそこで俺との戦闘を経る事でなんかしらんが19の行程を短縮できるんだとよ」
一方通行「・・・・・・・・・」
木原「だがな、俺はそんなことしったこっちゃねぇ」
木原「それに向こうの真意がどうであれ俺は殺していいって言われてるんだ」
木原「これでテメェが死んじまってもしょうがねぇよなぁ?」
木原「と、まぁここであっさりテメェを殺っちまってもいいんだがさすがにそれじゃぁつまらねぇ」
木原「そこでだ。テメェの目の前でこのクソガキをいたぶり殺したらさぞ楽しいだろうな?」
一方通行「なっ・・・やめて・・・」
木原「いいなその顔!そおいう顔が見たかったんだよ俺は」
一方通行「お願いだから・・・その子は・・・・・・その子だけは・・・」
木原「あぁ、ダメだ・・・テメェにそういわれると尚更やらずにゃいられねぇよ・・・」
木原「せめてまだ綺麗なうちに別れでも言っとくか?ん?」
打ち止め「・・・・・・・・・」
一方通行「あぁ・・・お願いだから・・・やめ・・・」
木原「さて、お別れはもういいだろ?じゃぁ、楽しいショータイムだ。目見開いてしっかり見ろよクソガキいいぃっ!!」ブンッ
バチイィッ!
木原「んなっ!?ぐっ!!」バリバリッ
御坂妹「・・・たくっ、手間かけさせやがって」
一方通行「一方通・・・行・・・?どうし・・・てここが?」
御坂妹「学園都市第一位舐めンなよ。MNWに接続してクソガキの位置情報検索すりゃこンな場所すぐ分かる」
一方通行「そうで・・・すか・・・私はいいですから・・・上位固体・・・を」
御坂妹「分かった・・・・・・ちょっと待ってろよ」
木原「すっかり終わった気でいるところ悪いんだけどよ?」
御坂妹「!?」
木原「あいにくハッピーエンドにゃまだ早ぇんだよ」
御坂妹「なンだ木原くゥン・・・復活しただけじゃなくてタフになって帰ってきたンですかァ?」
木原「あぁ?俺は妹達に君付けで呼ばれるほど親しい知り合いはいねえんだけどなぁ?」
御坂妹「おいおい、まだ分かンねェのかァ?気づいてくれねェとは寂しいなァおい」
木原「・・・そのいちいち勘に触る喋り方・・・テメェ・・・一方通行?」
御坂妹「大正解だ。ご褒美にまた地獄に送り返してやろうか?」
木原「あっははははははははは!!科学の都市であるこの街でそんなギャグみたいなことがあるってのかよ!」
木原「止められねぇ!これだから止められねえよ!!あっははははははははは!!」
御坂妹「そンなギャグみてェな奴にこれからやられる気分ってのァどうだ木原くゥン?」
木原「やられる?おいおい本気でいってんのか?」
御坂妹「ベクトル操作と違って電撃は腕ひねったりだのでかわせねェだろォ?」
木原「!?」
御坂妹「さっきはちゃンと決まらなかったみてェだがこの距離ならはずさねェ!!」バヂヂヂヂヂヂッ
木原「アギャアアアッ!あばららあああああああああああああああっ!!」バリバリバリバリ
木原「・・・なんてな?」バリバリバリ
御坂妹「なっ!?」
木原「これ言うのも今日二度目だが科学者舐めんなよ?」
木原「電撃能力者の打ち止めがいるってのに俺がその対策をなんにもしてねぇとおもったのか?」
木原「服の下に特殊な繊維を編みこんで作った防護服を着込んでてな?」
木原「電気は全部この防護服の表面を通って空気中、地面に流れる仕組みになってんだ」
木原「あっと、顔は生身だからとか考えるなよ。そんなギャグ漫画みたいなミスはしねぇ」
木原「顔を含めて全身に絶縁体の性質を持つクリームを塗りこんであるから電撃は俺にとどかねえ」
木原「どっちの装備も破るにはレベル5の超電磁砲クラスじゃねぇとどうしようもねえぞ?」
一方通行「・・・裏技で自分だけ最初から無敵モードってかァ?」
木原「ゲームってのはなぁ、相手をあっとうしてこそ楽しいんじゃねえか?」
一方通行「分かってねェなァ・・・ゲームってのはだンだンレベルあげて強くなるからおもしろいンじゃねェか」
木原「言うじゃねえか。流石は妹達20000人ぶっ殺して経験値かせいでレベル6になろうとした奴は言う事が違うなあ?」
一方通行「っ!?・・・テメェ・・・」
木原「今更、こんなガキ助けたからってテメェが許されるなんて思うなよ?」
木原「結局テメェは俺と同じで根っこの先から腐りきった悪党なんだからよ」
「まぁ、再会を懐かしむのはこの辺にして・・・行くぞ?」
そう言うと木原は地面を蹴り一気に間合いを詰め飛び込んでくる。
とっさにそれを拒むように電撃を浴びせるが、先ほど言っていた防護服とクリームによる影響か電撃は木原の体をすべるように流れ空気中に淡い青色の閃光のようになり拡散していく。
「ちィっ!!」
「無駄だって言ってんだろ?クソガキいいいいいぃっ!!」
どうっ!と勢いを乗せた木原の蹴りが放たれ、瞬間的に防ごうと腕で防御するが所詮は女の体。
体重を乗せた男の蹴りが防ぎきれるはずもない。
脚が地面からはなれ支えを失った体は少し後方へ飛ばされ地面を滑るように背中から着地する。
防いだ腕を通り越して腹部にまで重たいものがのしかかったような痛みがこみ上げてくる。
「あっ・・・がァっ」
「入れ替わっても相変わらず華奢で弱々しいなテメェはよ」
木原の口が滑稽なものを見下すように歪んだ。
「おいおィ・・・借りもンの体あんまり痛めつけてくれンじゃねェよ?」
立ち上がろうと脚に力を入れるたびに腹部に痛みが走る。
幸い腕は折れてはいないがそれでも痺れがとれない。
「そんなの小さいこと気にすんな。テメェゲームの貸し借りしたことねぇのか?」
ニタニタした粘着質な笑いを浮かべながら木原が少しずつ間合いを詰める。
どうやら一気にケリをつけようなどという気はないらしく少しずついたぶっていくのを楽しみたいらしい。
「あんなもん借りちまえばもうどう扱おうが関係ねぇんだ。返さねぇからなぁ」
「ぎゃはっ・・・木原君さァ、ガキのころ嫌われてただろ?」
「くくくっ・・・まあな。まぁ、なにが言いたいかっつーとよ・・・」
会話をさえぎるように木原のこぶしがふるわれる。
今度はうまく防いだが、それでも先ほど受けたダメージがよほど深刻なのが腹部にギリギリとした痛みが走った。
「テメェら二人ともその体借りパクしたまま死んじまうんだから気にせずおっ死ね」
「悪ィが俺はそンなことできねェな」
「あぁ?なんだ。しばらく見ねぇうちに借りパクもできねぇ子悪党になっちまったのか?」
「逆だ」
そう言い放ち足元にあった鉄屑を引き寄せ木原に投げつける。
おっと。と軽い調子で避けられるがその隙に少し距離をあけ間合いをとる。
「俺ァ一流の悪党だからよ。そンなせこいことしてらンねェンだよ」
「一流の悪党ね。実力が伴なってねぇんじゃ滑稽すぎて笑いにもならねぇぞ?」
「実力ねェ・・・それじゃァ問題ねェ・・・」
御坂妹の顔がまがまがしく歪む。
先ほどの木原の顔と同じかそれ以上に、悪党が似合うような笑みを顔に貼り付けたまま口を一方通行は口を開く
「いいこと教えてやるよ木原君。俺ァあと変身を2回残してる。気をつけるンだなァ?ぎゃははははははっ!!」
御坂妹の声で不気味な笑いが工場内に響く。
木原は一瞬あっけに取られたような顔をしていたがすぐに表情を張替える。
「くくっ、漫画みてえなのは今の状況だけにしとけよクソガキ」
「信じねェならそれもいい。でも良いのか?一回目の変身はもうすぐだぞ?そしたら二回目もあっという間だ」
あくまで真面目な調子で口にする一方通行。
木原はそんな一方通行に若干戸惑っているようにも見える。
「・・・まぁいい。変身だかなんだかしらねぇが―――」
木原は背後―――腰の辺りに手を回し、そのままその手をこちらに向ける。
手には銃が握られていた。
「殺しちまえば問題ねぇよな?」
木原の指に力がこめられたと思った瞬間、乾いた音が工場内に響き渡る。
それとほぼ同時に一方通行・・・今は御坂妹の体が後ろに一歩よろけるようにたじろいだ。
左肩かに先ほどまでなかった傷がでいそこから流れる血が白いシャツを赤く染めていく。
「殺すつもりで狙ったんだがな・・・うまくやるじゃねぇか?」
普段の一方通行であれば銃弾など言うまでもなく反射で跳ね返せる。
学園都市第三位の超電磁砲であれば電気を放つことで銃弾そのものを無力化して防ぐだろう。
しかし、今の一方通行は一方通行であり一方通行でなく
同じ発電能力者であっても第三位ほどの力はない。
かろうじて電撃で銃弾の軌道をわずかにそらしはしたものの完全にかわせるわけじゃなく、乱射でもされれば必ず数発はそのまま狙い通りからだの中へと吸い込まれていくだろう。
そして、そのことは木原も分かっているはずだ。
(畜生・・・あと少し。あと少しなンだ)
「まぁなんだ・・・ガキのころテレビ見ながら思ってたことが実現できて嬉しいぞ?」
再び銃口が向けられる。
「ヒーローは変身する前に倒しちまえば良いってな?」
複数の銃声が工場内で反響する。
反響する音のせいで発射された銃弾の正確な数は分からなかった。
「がああああああァっ!!」
悲痛な叫びが工場内にこだまする。
銃弾が肉を貫き、骨に食いこみ、その冷たい小さな弾丸が侵入した穴から赤いものが滲み出しさらにシャツを赤く染めていく。
左腕に一発、わき腹をかすめるように2発、右肩に一発。
痛みにもだえ荒い呼吸をあげ、右手を前に突き出すような形で膝を突く一方通行。
木原からすればもはや勝利は目前とも言える状況であった。
しかし、
なぜだ?
痛みにもだえる一方通行を目の前にする木原の顔に余裕はなく、むしろその表情は苦痛にゆがんでいる。
そして、木原の着ている白衣の右太もも辺りにジワリと赤いしみが広がっていく。
「テメェ何をしやがったあああああっ!?」
突然の状況に何が怒ったかわからず取り乱す木原を片目に一方通行は痛みを押し殺し笑みを見せる。
「何を・・・しやがったっかてぇ・・・?さっきから言ってるだろォが・・・ギリギリな・・・・・・変身が間に合ったンだよ」
はぁはぁとまだ整いきっていない息を揚げながら人を馬鹿にするように目がまがまがしい笑みを作り出す。
「変身だぁ?馬鹿にするのも対外にしろよクソガキ・・・」
歯を食いしばり額には血管を浮かべ木原は一方通行をにらみ返す。
あまりにもイレギュラーな事態に木原は今日始めて感情をむき出しにし冷静さをかいていた。
彼が冷静さを保っていれば何が怒ったかあるいは答えを導き出せたかもしれない。
「反射をできねぇテメェがなんで俺に銃弾を跳ね返した!?」
やけくそ気味に木原が銃を構えトリガーに欠けた指に力を入れる。
一発の乾いた音が鼓膜を揺らす。
銃口から飛び出した弾丸はまっすぐ一方通行の元へと飛んでいく。
今度こそ間違いなくその銃弾は一方通行の命を奪うはずだった。
しかし、おかしなことが起きる。
まず一方通行の右腕から電撃の線が迫る銃弾へと飛ばされる。
先ほど鉄くずを手元に引き寄せるときにやっていたあれだ。
そしてそのまま一方通行の右手へ弾丸が引き寄せられていく。
嫌な予感がした―――
弾丸が一方通行の右手に触れる。
とっさに左足で地面をけり木原は右へと飛ぶ―――
次の瞬間弾丸は一方通行の右手から離れ電気を帯び先ほどまで木原がいた空間を削り取るように発射された。
―――超電磁砲
脳裏にそんな通り名が浮かんだ
「はァ・・・はァ。おいおィ、こっちもしんどいンだから避けるなよ木原くゥン?」
「テメェなんで・・・」
ありえない。
超電磁砲はその名を持つ第三位にしか出来ないはずだ。
言い方を帰れば第三位並の発電能力者でなければ超電磁砲は出来ないということになる。
「変身したって言ったろォ?」
「さっきから変身変身ってテメェは俺を馬鹿にしてやがるのか?」
もはやイラつきを隠そうともせず木原は一方通行へと問いかける。
「木原君から答えを聞いてくるなンてなァ・・・とうとうボケちまったンじゃねェのか?」
「いいから答えろ・・・」
今日何度目になるだろうか。一方通行へと拳銃を向ける。
もはや意味のない好意であろうことは分かってはいるが形だけでも威圧を与えないことにはこのイライラはどうにもならない。
「説明書を読んだンだ」
一方通行は隠すそぶりもなくそういった。
とはいってもこれだけでは何のことだか分からない。
そんな木原の表情を見てかさらに一方通行は付け加える。
「今の俺の状態はなァ、MNWの回線の混線が原因で起こったもンだ」
「俺の思考からMNWで演算を行った結果が混線したネットワークをかいしてこの体に出力される」
「つまり、俺はそっちの自分の体からこの体を遠隔操作しているような状況って訳だ」
とっさに指を指された一方通行・・・今は御坂妹がピクリと反応する。
まだ冥土帰しから説明を受けていなかった彼女は、自分はそんな状況だったのかと少し面食らったような顔になっていた。
「そこで能力に対して問題が発生するわけだが、俺は普段使い慣れていない人様の現実である発電能力を使わなくちゃいけねェ」
「もちろン俺は発電能力なンて使ったことねェから適した演算方法なンてわからねェ。結果能力はかなり弱いものが発現するって訳だ」
そこで説明書の出番名訳だが。とそこで言葉を切り木原に目を向ける一方通行。
「優秀な木原君ならもう分かったよなァ?」
「・・・MNWか」
「さすが木原君。よく分かってるじゃねェか」
「約1万体の発電能力者の形成するネットワークだ・・・そりゃ能力の演算方法なんて山ほど落ちてるだろうな」
「それを今さっきギリギリ読み終えてなァ。悪ィがこっからは一方的にいかせて貰うぜェ?」
「テメェももうろくしたな一方通行」
構えていた銃を放り、かわりに拳を作る木原。
血のにじむ右足を多少かばうようにしながら一方通行との距離を詰める。
「銃は使えねぇが、俺の装備は超電磁砲クラスじゃねぇとどうしようもねぇっていったのを忘れたか?」
「さっきの超電磁砲にはビビッたが、明らかに本物と比べりゃまだまだな威力だったように見えたがなあ?」
銃さえ使わなければ電撃は効かない、あとはじっくり嬲り殺せばいい。
すっかり冷静を取り戻した木原の表情は再び邪悪にゆがんでいく。
「テメェももうろくしたな木原君」
ピタッと木原の動きが止まる。
「負け惜しみの猿真似か?ダセェぞ一方通―――」
「俺は変身を『2回』残しているって言ったのを忘れたか?」
「木原君、俺はさっき言ったよな?」
一方通行の指が木原の後方を指差す。
「俺はこの体を『遠隔操作』しているような門だって」
振り返るとそこには中身は妹達が入った一方通行がなにやら首のチョーカーに手をかけているところだった。
「俺はスイッチを切ってる間は反射すら使えないほど演算能力が低下してるンだぜ?」
「っ、やめろ!その首輪から手を離せ!!」
「やっと気づいたか・・・でももう遅いわ木原くゥン?」
カチッというスイッチを入れる音が木原の耳に入る
―――と、同時に背後からまるで高圧電線が飛び跳ねるような、空気が破裂するようなそんな音が聞こえた。
振り返るとそこには一方通行を中心として電気が球体を描くように空気中を這っていた。
一方通行を中心としたプラズマボールといえば分かりやすいだろうか。
「発電能力者が普段無意識に発してる電磁波の出力上げて俺のオート反射の演算応用してみたがこりゃなかなか面白ェな」
空気中をまっていた埃がそのプラズマボールに触れるたびにバチッと大きな音を放つ。
「・・・チッ、なんだよせっかく変身前のヒーローをぶっ殺すっていう夢がかなったと思ったんだがな」
「そいつァ残念だったな木原君―――」
一方通行が右手を前に突き出すとプラズマボールに手をかざすとそこに向かってプラズマが集中するように一箇所に電撃が集中する。
「俺はヒーローじゃなくて悪党だからよォ。あァいうのじゃ死ねねェンだわ」
「くくっ、悪党じゃしょうがねぇな。あぁ、悪党じゃしょうがねぇ・・・」
一方通行を囲むようにしていた球体の一箇所が膨らみ、そこから放たれた淡い黄色の閃光が木原を飲み込んだ。
最初閃光の中に見えた影は少しずつ小さくなり、あっというまに形を失った。
――― 数日後 とある喫茶店
「結局最後の最後にかっこつけたのはあなたで、そのツケを背負い込んだのはミサカなわけですがそこのところ分かってるんですか?」
とミサカは問いかけます。とパフェ用の長いスプーンをこちらにくるくると回して向けている御坂妹は
左手は包帯で首からつるすようにしており、よく見ると他にもあちこち包帯やらガーゼやらで治療されている。
あのあと打ち止めを抱え工場から病院へ直接向かったもののまずは怪我の治療が優先という冥土帰しの判断により
実際に二人が元に戻れたのは一昨日のことだった。
「テメェがそうギャーギャー騒ぎやがるからこうして奢ってやるってことになったンじゃねェか」
「何ですかその投げやりな態度は?とミサカはアナタの友達に対しての態度に不満を申し立てます」
なぜかこの入れ替わりの一見依頼こいつは俺に対して友達という位置づけを共用するようになった。
なんでも入れ替わってる間に打ち止めが俺にと入れ替わったコイツに対して友達を作れだのなんだの言ったらしい。
それを真に受けてそれじゃぁ私が友達になってやろうなどと躍起になっているというわけだ。
ちなみに後から知ったことだが打ち止めは俺達が入れ替わってたことを知っていたらしい。
『MNWにアクセスしておかしな反応をする妹達がいて、アナタの信号も普段と違うからもしかしてって思ってってミサカはミサカは名推理をアピールしてみたり』
なんてことをほざいていやがった。
気づいていたなら最初からそういいやがればあんな苦労することもなかったんだが
自分が打ち止めをもっと信頼することの必要性も忌々しいことに認めざるを得ないことになっちまったせいであまり強く出ることもできず
あのクソガキは今、MNWの連中相手に名探偵ごっこがマイブームとなっているようだ。
「どうしたんですか?ボーっとして?熱でもあるんですか?とミサカは手を差し出しま―――」
「ばっ!触るンじゃねェ!冥土帰しに言われたこと忘れたのかテメェは!!」
冥土返しいわくまだ欠陥回線は直っているわけではなく
俺と妹達の接触はどんなに些細なものでも入れ替わりを起こす可能性があるため
欠陥回線の明確な解決方法が見つかるまで控えたほうがいいとのことだった。
「まァ、といっても俺にそンなわざわざ触れてくる妹達なンてめったにいねェがな・・・」
「一方通行、そういうあからさまな死亡フラグを立てるのは止めたほうがいいですよ。とミサカは友としてアドバイスします」
「アドバイスはいいがテメェは自分が俺に触らねェ用にしっかり注意してだな―――」
「あっ」
会話をさえぎるように御坂妹が突然声を出す。
なにやら俺の背後・・・少し遠くに目がいっているようだ
「あァ?どうした?」
「いや、なんと言いますか・・・」
御坂妹が俺と俺の背後のほうをチラチラ見比べながら口を開く
「死亡フラグってスゲェな。とミサカは恐怖すら感じます」
「おいそれってどういう―――」
「一方通行たーーーーーーーーーん!!ハァハァハァハァ!!」
「はああああああああああああァ!?」
ガシャシャンッ!と大きな音が店内に響く。
振り返ると同時に視界にさっきまで目の前でパフェを食っていた女と同じ顔の女が目に入った。
と同時になぜかソイツは俺にタックルをかましあろうことか椅子ごと俺は吹き飛ばされたというわけだ。
「スミマセン。そいつはミサカ20000です。気づいてはいたのですが、喋るなとMNWを通じて言われたもので」
「テメェ・・・友達と妹達どっちが大切なんですかァ?」
倒れた椅子を起こしながら起き上がる。
埃を払おうと足元を叩こうとすると先ほどの今の騒ぎでこぼれたのかスカートに珈琲がかかってしまっていた。
最悪だ、早く帰って洗わないとスカートがしみになってしまう。
「そうそう、スカートが染みに・・・スカート?」
見たくない、でも見ないわけにはいかない
ギギギギギッと今にも音を立てそうなモーションで首を床に向ける
「ハァハァハァハァ一方通行の体に私が・・・これぞまさに一心同体。これで今夜はあんなことやこんなことを―――」
悪夢がそこに転がっていた。
「ああああああああァ!?何の冗談ですかこりゃあああああああああああああああァ!!!!?」
~fin~