謎解き予想編
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竜騎士「そうだ…女武道家」
女武道家「はい?」
竜騎士「お前、本当に上に行ったのか?」
女武道家「はい。支部長さんや、青空騎士さんらと一緒に聖堂まで行きました」
竜騎士「…そうか。謎、解けたのか?」
女武道家「あ…で、でも…」
竜騎士「いや俺のことは気にするな。代わりにお前が謎を解いてくれたなら本望だよ」
女武道家「そう…ですか?」
竜騎士「あれほど戦場に出て欲しくないといったのに、出たのは後でお仕置きだがな」
女武道家「あう…」
竜騎士「で、何が分かった?」
女武道家「結論から言いますと、あの聖堂は"突風"で動いてる事がわかりました」
竜騎士「鐘な…」
女武道家「夜に鐘が鳴らなくなったのは、夜の間だけ突風が吹かないかららしいんです」
竜騎士「なるほどな…確かにそうだった」
女武道家「それと、聖堂の中は大きな扉があるだけ。それと…不思議な事がわかりました」
竜騎士「何だ?」
女武道家「その扉、ただ中央に立ってるだけだったんですが…こちら側で作ったものでした」
竜騎士「何?魔界のものじゃないのか!?」
女武道家「はい。造りや材料はこちらのものという事が分かって、ますます謎が深まるばかりだったんです」
竜騎士「ふむ…」
女武道家「支部長さんが考えた仮説では、もしかしてコレは魔界と人間界を繋ぐ扉だったんじゃないかと」
竜騎士「…人間界と魔界か」
女武道家「そして、昔、魔界の住民を奴隷として扱った時代の扉の可能性があるらしいです」
竜騎士「…奴隷か」
女武道家「そのせいで、魔界の住人が扉が嫌で、火山のエネルギーを使ってこちら側に送ってきたのでは?と」
竜騎士「…一理あるな」
女武道家「あ、あと。あの残された他の種族たち…妙に若かったじゃないですか?」
竜騎士「そうだな」
女武道家「あれは残された子供達が成長したのではないか?という話が出てます」
竜騎士「子供たちが残された…だって?」
女武道家「火山のエネルギーなら、住民の避難がいる。その時に捨てられた子供達であると…」
竜騎士「確かに人型なのに、人語を理解しなかったヤツがいるのも繋がるわけか」
女武道家「しゃべれたけど、子供っぽかったファフニールとかも理由付けできますよね?」
竜騎士「ドライアドなんかも、子供の頃の記憶で曖昧な部分もあったのかもしれないな」
女武道家「1日で住民が消えてて、町が廃れてたっていってましたが…」
竜騎士「子供心に、急に誰もいなくなったら錆びれたように覚えてしまうもんじゃないか?」
女武道家「う~ん…確かにそうかもしれませんね」
竜騎士「…じゃあ、遺跡だけ妙に魔力が高ぶった理由とかは分かったか?」
女武道家「扉から、魔界の魔力が漏れてる可能性があるそうです」
竜騎士「はは…」
女武道家「あ、そうだ!あとですね」
竜騎士「ん?」
女武道家「あの鐘は、こちら側にない物質で出来てて、あれが振動する度に魔力増幅が感知されたそうですよ」
竜騎士「…ハーン」ピンッ
女武道家「何か、わかりましたか?」
竜騎士「恐らく、あれは扉を魔界とコチラで維持するためのものだ。当時のやつらが付けたんだろうな」
女武道家「…なるほど」
竜騎士「あの扉がこっち側にきたせいで薄れたが、もしかしたら強い魔力をあてれば…」
女武道家「どうなりますかね」
竜騎士「もう1つの現存している扉と繋がるかもしれない。その扉はこっち側の世界のどこかにあるだろうがな」
女武道家「確かに…」
竜騎士「おっしゃ…俺も早くリハビリして、俺も早く謎解きに参加してぇな!」
女武道家「もちろんです!一緒にいきましょうね!」
竜騎士「ところで、お前が報酬で貰った金ってどのくらいなんだ?俺がリハビリで生活費は大丈夫か?」
女武道家「耳を貸して下さい」
竜騎士「ん」
女武道家「…ぅゴールドですよ」ボソッ
竜騎士「え…マジで?」
女武道家「…」コクン
竜騎士「…ほう」
女武道家「全部、竜騎士さんに一任しますけど…」
竜騎士「そうだな、まぁ当面はリハビリで生活費にするとして…あとは家は立派なのにするか」
女武道家「田舎町の支部くらいでもいいですよ?」
竜騎士「ま…そんくらいが落ち着くよな本音としては」
女武道家「楽しみですね、二人のお家!」
竜騎士「同棲だな、本当の」
女武道家「です♪」
竜騎士「まずは俺の体を治して、だな」
女武道家「そうですね!一生懸命手伝いますからね!」
竜騎士「…当たり前だ、このバカが!」
女武道家「あーっ!またバカって言った!」
竜騎士「はははっ」
女武道家「もーっ…!」
竜騎士(これからも、一緒にがんばろうな。女武道家…)
【 E N D 】
629 : ◆qqtckwRIh.[sag... - 2013/12/26 20:30:35 uX21C08. 489/505本来ならここで終了だったのですが、更新分の遅れとして
アフターストーリーを書かせて頂きました。それで本当の終了となります。
■アフターストーリー
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――――【 1年後・12月26日 】
グググッ…スタッ…トコトコ…
竜騎士「どうだ!」
女武道家「おぉぉーっ!」パチパチパチ
竜騎士「見ろ!これで完璧だ…もう俺は普通に歩けるぞ!」
女武道家「当初の予定より時間はかかっちゃいましたけど、安心しました」
竜騎士「膝下から動かない状態で、歩くようになったんだぞ…褒めろよ」
女武道家「そうでしたね…頑張りましたね、竜騎士さん」ニコッ
竜騎士「…」
女武道家「?」
竜騎士「うっせ!」コツッ
女武道家「あいたっ!何するんですかぁ!」
竜騎士「何となくだよ!」
女武道家「もー」グスン
竜騎士「まぁ…目はリハビリのしようもないし、見えないままなんだがな」
女武道家「そう…ですか」
竜騎士「…どうした?」
女武道家「…私の顔も、これから一緒にすることも、全部見えないのかなって…」
竜騎士「あー…」
女武道家「…」ショボン
竜騎士「…女武道家、ジャンケン」
女武道家「え?あ…はい」
竜騎士「ジャーンケーン…」
女武道家「ぽんっ」
竜騎士「…俺の勝ちな」
女武道家「!?」
竜騎士「感覚だが、分かる。俺の頭に自然と全てが思い浮かべられるよ…音の反響とかもあるがな」
女武道家「え…え!」
竜騎士「ひそかに色々鍛錬はしといたからな。目は見えなくても、心で見えるさ」
女武道家「…!」
竜騎士「さっき、俺に頑張りましたって言った時は笑顔になってただろう?」
女武道家「は、はい!」
竜騎士「安心しろ、お前の顔が見えないなんて事は…ないからな」
女武道家「…はいっ」ニコッ
竜騎士(いつかこの目で、お前をもう1度見たいっていうのが本音なんだけどな…)
竜騎士「ふっ…ま、家にいるのもなんでし、外にでも行くか?」
女武道家「そうですねぇ、買い物にでも行きますか?」
竜騎士「…あぁ。久々に中央にでも買い物に行くか…年末の買出しもあるしな」
女武道家「分かりましたっ」
竜騎士「…」
ゴソゴソ…パサッ…スチャッ
女武道家「やっぱり外に行く時はそのコートとサングラスなんですね」
竜騎士「…同期のヤツもいるし、見つかったら騒がれるからな。仕方ないことだ」
女武道家「ですよね…」
竜騎士「やっぱり嫌か?俺らしくないもんなぁ」
女武道家「ううん。私は、竜騎士さんは竜騎士さんです…そこにいるだけで幸せですっ」ギュウッ
竜騎士「はは…」
女武道家「えへへ…」
竜騎士「…あ」
女武道家「どうしたんですか?」
竜騎士「気が変わった。日帰り予定だったが…中央に一、二泊しつつプチ旅行で行こう」
女武道家「お泊りですか!」ピョンッ
竜騎士「そのほうがいいだろう。奮発して中央都ホテルだ!」
女武道家「わぁい!」
竜騎士「俺の手伝いとか、ずっとしてくれたしな。来年に長期で旅行にでも行こうか」
女武道家「冒険じゃない、観光ってことですか?」
竜騎士「星降も好きだったよな?今度はもっとゆっくりして、世界を旅行ってのも悪くないな」ハハハ
女武道家「…♪」
竜騎士「とにかく今は中央に。よっしゃ、行くぞ!」
女武道家「はいっ!」
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――――【 中央都市 】
トコトコ…
竜騎士「…都市も久々に来たなぁ。俺らの家が出来てからは全然きてなかったし」
女武道家「ですね♪」
竜騎士「…嬉しそうだな」
女武道家「こうして竜騎士さんと歩けるのが嬉しくて!!」
街人「あはは…あの人たち熱いねぇ」
街人「お似合いだね」クスクス
竜騎士「声がでけえっての!」
女武道家「あう…すいません」
竜騎士「はは」
女武道家「えへへ…えいっ!」ギュッ
竜騎士「お…」
女武道家「手繋いでいきましょう♪」
竜騎士「…いいぜ」
トコトコ…トコトコ…
女武道家「はぁ~…息が白いですね」ホウッ
竜騎士「冷えてきたな。脚のキズが痛んでる気がするよ」
女武道家「…大丈夫ですか?午前中までは少し暖かかったんですけど、やっぱり冬ですねえ」
キラッ……キラキラキラ…
竜騎士「…お、冷たいな…。雪か」
女武道家「!」
竜騎士「寒いと思ったら…。中央で雪なんて珍しいな」
女武道家「わぁぁ…キレイですねえ」
竜騎士「そうだな…そのうち、また北部の猛雪山にでも観光に行くか?」
女武道家「いいですねえ、スキーとか」
竜騎士「む…」
女武道家「?」
竜騎士「この足でスキーって出来るのか…?いや、やった事ないからわからんが」
女武道家「ど、どうでしょうか…」
竜騎士「何事も挑戦よ。うっしゃ、来春から旅行に行くか!?」
女武道家「行きますっ!」
竜騎士「おうっ」
竜騎士「あ~…そうだ。女武道家、寒くはないか?」
女武道家「は…はくしょんっ!」
竜騎士「おいおい、風邪ひいたんじゃねえの?」
女武道家「何のこれしきの寒さ、何でもありませんよ!」
竜騎士「あー無理すんなよ…仕方ねえ…上着やるから」パサッ
女武道家「!」
竜騎士「ないよりマシだろ。まぁこんだけ人が多かったらコート脱いでも、知り合いも分からんだろうしな」
女武道家「えへへ…あったかい」
竜騎士「それは何よりですお姫様」
女武道家「♪」
竜騎士「ただ…まぁ、お前も思ってるほど体は頑丈じゃないんだから…寒いときはきちんと言えよ?」
女武道家「はいっ」
竜騎士「…後で少し休憩だ。喫茶店でも入って珈琲でも飲もう」
女武道家「私、チョコレートパフェがいいです!アイスっアイスっ♪」
竜騎士「お前…俺の話、聞いてた…?」
女武道家「竜騎士さん、竜騎士さん」
竜騎士「ん?」
女武道家「今、私は凄い幸せですっ」
竜騎士「そうだな…俺も幸せだよ」
女武道家「…来年も、いい年でありますようにっ♪」
【 E N D 】
645 : ◆qqtckwRIh.[sag... - 2013/12/26 20:46:30 uX21C08. 505/505
これで謎解き編、アフターストーリーは終了になります。
何度も申し上げますが、
読んで下さった方々、一瞬でも目を通してくださった方々、コメントを下さった方々…
全ての方へ感謝をこめて。ありがとうございました。
皆さまへ、カスミソウという花に、気持ちを込めて送らせて頂きます。
それでは…。
おもろいわ