何レスか借ります
シリアス
打ち止め「ふぁ~ってミサカはミサカは眠い目をこすってあくびをしてみる」
黄泉川「そろそろ寝るじゃん」
芳川「あらもうこんな時間なのね、最近時間の感覚がおかしくなってるわ」
黄泉川「働くと時間の感覚養えるじゃんよ」
芳川「……じゃあおやすみ」
黄泉川「スルーすんなじゃん!」
一方「寝る前にガチャガチャ騒ぐンじゃねぇよ
クソガキの目が冴えるだろォが」
芳川「そうよ愛穂、明日早いんでしょ」
黄泉川「なんで私が悪いみたいになってるじゃんよ?」
一方「どォでもいいからさっさとクソガキベッドに連れてけ、俺も寝るわ」
黄泉川「部屋のゴミ廊下に出しといてくれじゃん」
一方「へいへい」
元スレ
▽ 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-23冊目-【超電磁砲】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1297083486/
▽ 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-24冊目-【超電磁砲】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1298034529/
―――――
―――
―
一方「――っっ!……ふぅ」
(ティッシュティッシュ)フキフキ
(ゴミだしとけっつってたな)ガサガサ
(このティッシュはいつも通りトイレに流すか)
ガチャ ゴミブクロドサ
トイレ
ティッシュポイ
(あー、出した後ってなんでションベン出にくいんだろォな…)ジョジョッ ジョボジョボ
(本日の日課は終了ォっと)ジャー
ガチャ
一方「――ッ! 起きてたのかお前」
打ち止め「トイレで目覚めちゃったのってミサカはミサカは夜更かしなあなたに報告してみる」
一方「早く寝ろよ」
打ち止め「はーい」バタン
(コーヒー飲んで寝るかァ)
打ち止め「あれ?トイレ流れてないよ……」クイ
ジャー
打ち止め「わわわ!水が流れないで溢れてきたあああってミサカはミサカは大混乱!」
ガチャ
打ち止め「黄泉川あああ!!助けてえええ!!」
(何騒いでやがんだあのガキは…)
一方「うるせェぞ! 静かにしやがれェ!!」
打ち止め「あなたも夜中にだす声量じゃないよってミサカはミサカは注意してみる!」
黄泉川「ちょっとお前ら騒々しいじゃん」
打ち止め「黄泉川ああ、トイレの水が溢れたよってミサカはミサカは現状報告」
黄泉川「はぁ!? うっわ、なんか詰まってるじゃんこれ
打ち止め、トイレットペーパー使いすぎじゃん?」
打ち止め「ミサカじゃないよ! あの人の後に入ったらもう詰まってたんだもんってミサカはミサカは自己弁解してみる」
一方「あァ!?」
(――っ! まさかティッシュが……)
黄泉川「一方通行いい年して何してるじゃんよ」
(くそ! やべェ……。どうやって切り抜ける……)
一方「ンな簡単に詰まるようなトイレが悪ィンだよボケが」
(いやいやァ!? 解決になってませンよこれじゃあ)
(考えろォ、学園都市第一位の頭脳で切り抜けるンだ…)
黄泉川「とにかく掃除するじゃんよ」カッポンソウビ
一方「おう、さっさとやっとけよ」
黄泉川「お前のせいだろ! 一方通行は床拭きじゃん」カッポンカッポン
一方「あァン!? なんで俺がしなきゃならねェンだコラァ!」
黄泉川「ごねてないでさっさとしないと打ち止めがお漏らしするじゃんよ」カッポンカッポン
一方「チッ!おいクソガキ、雑巾持って来い」
(お漏らしさせるのは可哀想だなァ)
打ち止め「あなた達に言いたいことがいっぱいあるけどって、ミサカはミサカは尿意を堪えながら言いたいことを飲み込んでみる」
黄泉川「お、取れた」ゴボゴボ
黄泉川「――んん? これトイレットペーパーじゃなくてティッシュじゃんよ」
一方「――っ!! おい!! 取れたンなら早く流しやがれェ!!」
黄泉川「一方通行……、お前なんでトイレにティッシュ流した?」
(ばれたか? この俺がシコシコしたティッシュを下水道という闇に葬ってきた事実がァ…)
一方「あァ!? 意味分からねェことほざいてンじゃねェ!
さっさと流せっつってンだよォ!!」
黄泉川「…………まぁいいけど、ちょっと後で話しがあるじゃん」
一方「なんだ?なんだよ、なんなんですかァ!?」
黄泉川「……いや、打ち止め戻ってくるしいいって言ってるじゃん。な?
流したらまた詰まるからこれは別に捨てるじゃん」
(ぐぬぬ…… 毎日一億以上の種を抹殺してきた俺の悪行がこんなところで晒け出されるなンざ納得いかねェ!)カチ
一方「きええェェェェェえい!!」レバー クイ
ジャー
黄泉川「お前!また詰まるって言ってるじゃんよ!!」
一方「だまってろォ!! 黙らねェと二度と口きけねェ様にするぞォ!!」
(水流のベクトルを解析ィ! そのまま闇の底まで俺の罪を流し込む!!)
ジャーーーーーーー ゴボゴボ
一方「ハッ! 俺の能力を持ってすればこんなもんだっつーの」
黄泉川「……まぁいいけど、床拭いたらリビングにこい
お前の部屋のティッシュの減りとゴミに出されるティッシュの量について話があるじゃん」
一方「」
―― 俺ァどこで間違ってたンだろォな……
お前なら分かるんじゃねェのか?教えてくれよ ヒーロー ――
833 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2011/02/16 21:56:51.24 6QrcO6Fj0 7/28終わりです
トイレにティッシュを流すと水に溶けずに詰まる可能性があります
バレた時のあの焦りが少しでも伝わればと思い筆をとりました
836 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2011/02/16 23:15:24.21 fedYELreo 8/28乙
涙なくしては読めないシリアスだったな
837 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2011/02/16 23:41:05.86 zwzn+nOXo 9/28乙
シリアスすぎて怖くなった
834 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2011/02/16 22:09:52.49 AY+d8T6Go 10/28乙
シリアスすぎる…
ここから黄泉川先生が処理する展開なんだろ?寒いからできるだけ早くに…な?
20 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2011/02/19 01:02:49.51 fCasZzKS0 11/28>>834に捧げるその後のお話
R30くらいのエロを含みます
時刻は深夜二時、丑三つ時とでもいうのだろうか
学園都市のとあるマンションのリビングでLEVEL5の序列第一位、一方通行は気まずい気持ちでソファーに腰掛けていた
(ちくしょう……。なンで俺がこンな目に会わなきゃならねェンだァ…)
外界よりも科学技術が数十年進歩したこの街のトイレが、あんなにも脆弱だったとは夢にも思わなかった
家主の黄泉川愛穂は打ち止めを再度寝かしつける為に寝室へ向かっている
夜の静寂が支配するこのリビングで独り憂鬱な気持ちで待っていた
(しかし…。なンかうまい言い訳はねェもンかなァ…)
自分のしてきた事は明白
だが自尊心の高い性格がそれを認めない
なんとかして誤魔化すなりしないと、一生弱みを握られる事になる
最も家主の性格を考慮するなら一方通行を恐喝するなど考えられないのだが
残念なことにそういった余裕のある思考ができないでいた
寝室のドアが静かに閉まる音がする
静かな屋内だからこそ聞こえた、眠りに着いた少女に気を使う閉め方だ
家主は子供に対して極めて甘い考えを持っている
何かしらの因果を感じる発言を聞いたことはあるのだが、今はどうでもいいと思った
出来るならば、その甘さと優しさどっちでもいいから、自分に向けて見逃して欲しいと切に願うばかり
ドアを閉める音と並ぶくらい静かな足音がこちらへ向かってくる
(うおお、お、お?お! きやがったァ!!)
何も考えが纏まらぬまま家主がリビングへ到着した
気まずいまま、彼女の顔がまともに見れない
普段からまともに顔を見て話してないのだが、今の心境からはそんな日常の自分の対応すら分からない
「コーヒー飲むじゃん?」
第一声は優しさととれる言葉だった
だがその裏を考えると、すぐに終わる話ではなく
少なくともコーヒーを飲む程度の時間、話が続くことを示していた
「あァ…」
キッチンに立ち黄泉川がコーヒーを淹れる
ピッピと電子音が鳴る
炊飯器のスイッチを入れたようだ
普段ならばそんな邪道な行為は即座に怒鳴り散らして咎めるのだが、……何も言えない
(説教か? 説教だろうなァ……)
カチャカチャとカップとソーサーのぶつかる音を聞きながら更に憂鬱を加速させていた
消えてしまいたい気持ちに駆られるが、生憎空間転移系でも視覚を誤認させる能力はない
黄泉川の記憶を消してしまいたいが、記憶操作や精神感応もできない
学園都市第一位、万物のベクトルを操作する最強の超能力者
(なンて不便な能力なンだよ、これ……)
首についたチョーカーのスイッチを入れる
光を操作し、自分に纏わせ姿を隠そうとする
物が見えるのは各々が光を吸収反射しているからだ
(今見えねェのかな……?)
そのどこかで聞いた理論を元にすれば自分の能力でも視覚誤認、あわよくば透明になれるのではと咄嗟に考えた
「あんた何光ってるじゃん?」
全身の血流が逆流するかと思った
実際逆流はしていないが、過去に自分がしたことのほんの序章を垣間見て恐怖する
連鎖的にその時の記憶も蘇り憂鬱度は更に加速した
心臓は早鐘を打ち、精神は憂鬱、思考は混乱
最悪のコンディションだ
「あァ!? べ、別になンもしてねェよ!! ……ちっと能力で遊ンでただけだァ」
即興で試した能力実験は失敗に終わったどころか、独り深夜のリビングで全身を発光させるという無様な結果を残し中断された
一方通行の奇行にさして興味を示さず、淹れたてのコーヒーが目の前に置かれる
淹れたてと主張するかの様な湯気と香りが堪らない
気まずさと緊張で手持ち無沙汰な少年はカップを取り口に運ぶ
「熱っ!」
熱々のコーヒーが唇を刺激し、反射的にコーヒーを遠ざける
揺れたカップから中身が零れ、ズボンへ落下する
「あちあちっ!」
慌ててカップをソーサーに戻し、立ち上がってズボンを肌から離す
「何してるじゃんよ!」
「うるせェ…! ……なンか拭くものねェか?」
「待ってろ」
キッチンへ布巾を取りに行く、水で濡らすのも忘れていない
「ほら」
布巾を奪い取ると付着した部分をゴシゴシ拭き取る
「おいおい、そんな拭き方じゃ濡らした意味ないじゃん
ちょっと貸してみろ」
一方通行から布巾を奪い取り、しゃがんでシミの部分を引っ張り、水で中和するように揉む
「オイ、自分でやるからいいって」
一方通行が腰を引いて立ち、前でしゃがんだ黄泉川が太もも部分を引っ張りズボンを揉んでいる
お互いの体制が恥ずかしくなり中断を申告するも黄泉川は聞かない
「お前のやり方じゃシミが残るじゃんよ
少しでも処置してたら漂白剤で完璧に落ちるからな」
「あゥ…」
力任せに振りほどくといういつもの彼らしい選択支が思考に浮かばない
反論するにも黄泉川の言い分が正しいのでそれも行えない
つまり現状言われるがままに、されるがままになるしかなかった
(はァ…、何でこンな羽目になってンですかねェ…。 あン?)
ズボンのシミポイントから視線を少しずらすとそこには黄泉川の胸部の谷間が覗き見えた
警備員の任務以外では常にジャージを着用している彼女
ジャージのジッパーは半分開いており、襟口のゆったりしたシャツの隙間から見えるそれ
緑のジャージという見るものを諦めさせる深い大森林の奥
抜けた先に待ち構えるアンダーシャツという名の壁
最大の難関たる大魔神の如き秘宝の所持者
幾多の試練を乗り越えて拝顔が許される大秘宝が絶妙な角度で垣間見えた
(オォ? ………もうちょっと角度を変えれば…)
悟られない様に顔を前に突き出し鋭角を意識する
学園都市最強の頭脳は、刹那に絶好の角度と体勢を演算し回答を出す
下半身を動かさず、どっしりと固定し、重心も移動させずに顔だけ前へ前へと突き出す
所持者の腕の動きにあわせて突破口の襟口が歪みを作りやきもきさせられる
(くそ、焦るな俺ェ… もうちょい前へ……)
焦るなという心の指示とは裏腹にぐぐっと顔を見下ろす形に持っていく
「よし、終わったじゃnあいた!!」
「ぐおォ!」
鼻への鈍い衝撃と音
立ち上がる黄泉川の頭が前のめりで見下ろしていた一方通行の顔に衝突
目の前の秘宝に心を奪われていた彼はこの不意打ちにソファーに倒れ込む
「あいたた、あんた何してるじゃんよー」
「お、おゥふ」
痛みのあまり声にならない声をあげ鼻を押さえる
後頭部をさすりながら黄泉川がソファーに倒れた一方通行を見下ろす
「な、なンでもねェよ……」
慌ててごまかす
黄泉川は何も言葉を発しない
「ああ、シミ取れたなありがとさン」
さらに追撃、礼をいい機嫌を取ろうとする
黄泉川は依然として言葉を発しない
「突っ立ってねェでどけ、コーヒーが飲みてェ」
早く状況を動かす為に強い言葉を使う
言葉を発しない黄泉川が口を開いた
「えらく饒舌じゃんよ…」
「はァ?」
何を言うんだとばかりに発言者を見上げるが、顔を見らずに先ほどから気を取られた胸に目が行く
その視線に気付き、ジャージのジッパーを少しあげる黄泉川
(ァ……)
目の前の事態に心で絶望の声がでる、ひょっとしたら声にでていたかもしれない
ジッパーを上げられてこれ以上のお楽しみが消えたからではない
自分の行為が悟られたと自覚してしまったからだ
心臓がバクンバクンと鳴っているのが痛い程分かる
「一方通行…、お前私の胸見てただろ…」
豪雪吹き荒れる山から噴出した冷水を、頭から掛けられた感覚が襲う
「――っみ、見てねェよ!! バカじゃねーかお前、糞ババァふざけンな!!」
自分がどこを見ているのか分からないまま反論をする
捲くし立てる一方通行を見てため息をつく黄泉川
用意した自分のカップを引き寄せ一方通行の隣に座る
「まぁ…、いいよそれで」
「なンだそりゃ!? ざっけンな! 勝手に納得してンじゃねェ!」
「あーあー分かった分かった、ごめんごめん」
「チッ」
子供をあやすかの様な態度に益々腹が立つが、事実がある後ろめたさでその言葉で妥協してしまう
コーヒーを飲み、一呼吸置く二人
一方通行としてはこの場から早く立ち去りたいが、立ち去るには黄泉川の話が終わらないことにはできない
その話自体に触れられたくないので、自分から振ることも出来ない
つまりこの酷く勝手の悪い空間に、真綿でゆっくり絞め殺されるという八方塞の状態だった
(―――――もういやだァ……助けてヒーロー……)
来るはずの無い少年に心底救って欲しいと願う
彼ならばこんな悪夢の様な幻想もあの右手で撃ち殺してくれるだろうと、行く当ての無い希望をため息と一緒に吐き出す
一方通行の心は六割程折れていた
自分の自慰行為が発覚し、ばれない様にティッシュをトイレに流すという小賢しい行為も発覚
挙句に説教の為に呼び出されたにも関わらず、家主兼保護者の胸の谷間を覗き込むという卑劣な行為まで見破られる
(最低だ……俺……)
思い返しただけで七割折れになってしまった
精神が螺旋を描き、真逆さまに落ちていく鬱スパイラルである
「そろそろ本題に入るけど…」
一拍の間
「お前童貞じゃん?」
―― バギンっという音と共に一方通行の心が一割残し粉々になった
「………な?なンなんですか?いきなり。……バカなンですか?」
「いやな、恥ずかしいかもしれないけど、恥じることじゃないじゃん
誰だって最初は未経験から始まるじゃんよ」
諭すように優しい声
「童貞とかじゃねーぞ、俺を誰だと思ってンだァ!?」
優しい声に対して余裕の感じられない声
「じゃあ今まで何人抱いたじゃんよ?」
「あァ!? いちいち数えてねェよ、……まァ30人くらいまでは数えてたけどなァ」
「ふぅん……、まぁいいじゃんよ」
「だからさっきから何なンですかァ?その癇に障る言い方はァ!!
人をガキみたいな扱いしやがって! 殺されたいンですかァ?」
「いやいや、別に子供扱いはしてないじゃんよ
気に障るなら謝る、ごめんじゃん」
「私もこういう時はどうしていいか、どう言っていいか分からないじゃん」
「はァ?」
黄泉川の意図が全く掴めない
自分の遥か上から包み込まれる様な物言いに苛立ちが募るばかりだ
高すぎる自尊心がそれを受け入れない、高すぎる自尊心が童貞ではないと嘘を吐く
「うーん、何からどう話せばいいのか……」
「話すことねェなら俺ァもう寝るぞ」
我ながらいい返し方だと思った
自然且つ大胆、迷いの生じた相手の隙を突く鋭い斬り込みの如き裂帛の一撃
「それはダメじゃんよ」
あっさり返された
「こうしよう、私がお前のことに限らず、今から独り言を言う
お前は適当に聞いててくれればいい、なんなら聞き流してもいいじゃん」
「あン? 壁にでも呟いてろよ、バカか?」
「空気読めじゃんよ……
大体夜中のリビングで独り言なんて、能力使って全身発光させるくらい痛いじゃんよ」
(ぐぬぬ…)
真新しい傷をザクっと抉られ沈黙を余儀なくされる
それでも一割の心が砕けないのは、黄泉川の意図を探ろうと思う好奇心からだ
(どうせ説教だろ…、こいつ熱血ババァだからなァ…。煩悩滅却とか言いながら寺みてェな事やりそうだァ…)
座禅を組んで動いたらバシっと肩を叩かれ、たまに動いてなくても叩かれる風景を思い浮かべる
当の黄泉川住職(仮)は何から言おうかと、頭の中で言葉を整理しているのか、うんうん頷いている
「もうどうでもいいから、さっさと言えよ住職」
「住職って何じゃんよ。ちょっと待て、……よし」
発言の整理が終わったのか一方通行の目を射抜くような決意に満ちた目
その視線にも後ろめたい気持ちで、サっと目を逸らす
黄泉川はその行為を咎めずに言葉を紡ぐ
「さっきも言ったがこれは私の独り言だ
ラジオ感覚で聞いてほしいじゃん」
「へいへい…」
ソファーの背もたれに体を預け、ゆったりとした姿勢にする
傍からみれば不貞腐れている様にしか見えないのだが
「私はお前たちを守ろうと思って保護者になることにしたんだ
それがお前たちにどう思われても結果としていいことだと思ったじゃん」
「でも気がかりだったことがあった、…そしてその事が現実になったじゃん」
「お前が男の子だということ
…別に私や桔梗は気にしてないし、打ち止めはマセてるけどまだまだ子供じゃん」
「でもお前は年頃の男の子で……
…今まで人付き合いもないし、勉強はできるし能力開発はすごい成績じゃん
でも性教育なんて受けてないじゃん」
「私の年になれば男の子が、…その、……オナニーすることなんて当たり前だと分かってるじゃん」
若い女の保護者の口からでた、ある言葉にピクっと反応する
「別にそれを悪いことなんて全然思わないし、気にもしていない
だからああいう風に隠す必要はないじゃんよ」
声のトーンが変わってきた、優しく諭す声から、何かを堪えるような震える声
「私は女だから、……どういう風にお前に言えばいいのか分からなくて色々考えてて
…もしかしたら男の保護者を見つけるべきなのかとか悩んだりしてたじゃん」
「いざこの状況になるまで踏み込めなくて、……お前が傷つくことになったじゃん…」
「情けない保護者でごめんな……」
「……ごめんなぁ、一方通行」
「………………」
黄泉川が泣いている
言葉が出ない、実質未経験だがそれを決め付けている黄泉川に反論したいが
ここまで考えていてくれた黄泉川に対して感謝の気持ちもある
自尊心と謝罪と感謝が鬩ぎ合い沈黙の形になってしまう
何か言い返さないと、何か言わないと………
(傷ついたのは俺だけじゃねェ、黄泉川が泣いてるじゃねェかよ…)
己の情けなさが身にしみる、こんな自尊心の塊は全て砕け散ってしまえばいい
嘗て自分の暴走を止めてくれたヒーローに、跡形もなく粉々にぶち砕いて欲しい気持ちだ
目の前にいない英雄に縋っている根性に気付き、ふぅっと息を吐く
(いつまでもアイツに頼っちゃいけねェ…、これは俺の戦いだァ!!)
「黄泉川ァ……。俺もすまねェ
どうしたらいいのか、分からねェンだ」
たどたどしく言葉を紡いだ一方通行の気持ちに眩い光が差す
素直な気持ち、嘘偽り、誤魔化し
邪魔なもの全てを取り払った言葉が心地よい
なんと晴れやかな気持ちだろうか
素直な言葉が与える快楽に扇動され、自然と口から零れる素直な気持ち
「お前がそこまで考えてくれてるなンて思ってなかった
正直嬉しいって思った、まァ、……ちっと恥ずかしいけどなァ…」
「一方通行…!」
話してよかった、話せてよかった
一方通行の名前の通り、この話も自分から伝えるだけだとも思っていた
しかし返ってきた、素直に気持ちを返してくれた
黄泉川はありがとうと一方通行に心から感謝していた
「ありがとう、…ありがとう一方通行」
「泣くなよ…」
「うるさいじゃんよぉ…」
涙を拭い、一方通行を視線を交わし笑顔を見せる
一方通行もその視線を受け取り、へっと口を歪める
「まだ全然至らないところがあるけど
こんな私でよければ、して欲しいこととか遠慮せずいうじゃん!」
(………して欲しいことォ?)
目の前には健康的且つ豊満な女体…
自分の恥ずかしい行為を許し、認めた女性
涙を浮かべ、願望があれば何でも言えと言っている……
先ほど見下ろしていた絶景が脳裏でリピートされ血が滾る
生唾を飲み込み一歩踏み込んだ言葉を吐き出す
「なァ……
35 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2011/02/19 01:19:00.73 fCasZzKS0 26/28終わりです
新スレ早々長いのも申し訳ないので打ち切ります
後ろめたさを持つ人の葛藤や、それから解放されたときの爽快感が伝わればと思いました
36 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2011/02/19 01:45:14.18 VkkIIl3Ao 27/28やったぁぁぁぁぁありがとおおおおお!!!
あれ…いくら更新しても続きがでないなぁ…
マイサンが収まらないなぁ…
38 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2011/02/19 01:51:39.39 qgUbc++S0 28/28乙です。
あのレスがこんな形で続くとは……。
一方通行が年相応の少年の考え方するとこ見れてよかったわ。
光学迷彩で隠れようとするとことか。


普段は安心してふざけたりしている連中ですが、唯一の男性にして主人公・一方通行の為に、家主である黄泉川先生が初めて見せる葛藤だとかが素晴らしかった。
特に一方通行視点で展開する為に、黄泉川先生の人間性が、より深く印象に残るSSでした。