#1 #2 の続きです

359 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:01:35.23 sOwokIh+0 346/759


~朝~


~病室:さやかがしょっちゅうお見舞いに来るから言うほど稼動してなかった恭介発電所~


さやか「退院・・・?」


恭介「ああ、松葉杖がいるけど・・・今日から復帰だ。一緒に学校へ行こう。」

恭介父「リハビリを頑張った恭介もそうだが、奇跡的な回復力だと言っていた。まるで
魔法でもかけられたみたいに。」


さやか(マミさんの・・・魔法かな・・・まったくの無駄骨じゃなかったんだ・・・)


恭介母「おそらく、愛の力ね」

さやか「お・・・お母さん!?やめてください!そんなんじゃ無いですって!」

さやか(マミさんと恭介の!?それともあたしと恭介の!?)


さやか母「おやおや~?さやかちゃんのお母さんはこっちですよ~。
なんで上条君のおかあさんをそう呼ぶのかな~?」


さやか父「上条さんとは家族のような付き合いでしたが・・・これで本当の家族になるわけですな!」


恭介父「くぅ~wありがとうございます!さやかちゃんがいなかったらウチの愚息は・・・」


さやか「って、なんであたしの両親が!?」

360 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:02:05.66 sOwokIh+0 347/759

さやか母「え?家族の退院に親が祝うのは当然じゃんか。」

さやか父「恭介君はもう、私達の息子でもあるわけだしな。」


さやか「だから、気が早いって!あ、あたしたちはそんな・・・
恭介だって・・・迷惑だよ・・そんな事言われちゃ・・・」


恭介「迷惑なんかじゃ・・・無い!」


さやか「きょ・・・恭介?」

361 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:02:59.74 sOwokIh+0 348/759

恭介「近い将来・・・さやかと家族になれたら・・・それはきっと素敵な事だって・・・
僕は・・・僕は本気で思っている。」

さやか「恭介・・・」


恭介「もちろん、バイオリニストの道は諦めたから・・・
平凡な仕事に就くかもしれない。家がいくら裕福でもいつかは自立しなきゃいけないし・・・」


恭介「でも・・・いつかきっと治る時が来る・・・僕にはそれを信じることが出来る。」


恭介「その時は平凡な家庭で・・・さやかと・・・子供達の間に聞かせてあげるんだ・・・
僕のバイオリンを・・・そんな平凡な幸せが・・・今の僕の望みさ。」


恭介「もちろん、音楽の道だって諦めたわけじゃない。
大人になるまでまだ時間はある。何者にだってなれる。必死に喰らいついてやるさ。」


恭介「だから・・・その・・・さやかさえ・・僕といつまでも一緒にいてくれるなら・・・」





恭介「大人になったら・・・その・・・け・・・結婚してください・・・///
絶対に・・・さやかだけは・・・世界を裏切ってでも幸せにしてみせるから・・・」





さやか「きょ・・・恭介・・・」ポロポロ・・・


さやか「う・・うわあああああん!!」



さやか母「・・・なんだか、からかいに来たあたしたちの方がよっぽど子供だったね・・・」

さやか父「上条さん、今日はお互い仕事有給とって一杯やりませんか?」

恭介母「賛成です。あなた、ほら、二人の邪魔になるから行きましょう。」


恭介父「恭介・・・お前はいつのまにか・・・大人になってたんだな・・・」


恭介父「氷室さん・・・か。良い先輩を持ったな恭介。」

恭介父「私も・・・あの人は他人に思えない。まるで、もう一人息子が出来たみたいだよ。」



362 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:03:26.64 sOwokIh+0 349/759

病室のTV:

「警察は已然として行方がつかめない千歳ゆまちゃんを---」


363 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:04:04.67 sOwokIh+0 350/759
.

ホテルのロビー


グラサン黒髪美人「・・・」


杏子「ぜぇぜぇ・・・キッツイぜ・・・幻惑が使えない事がこんなにも苦戦するとは思わなかった・・・」

杏子「マミと別れて・・・むしろあの時より強くなった気でいたのに・・・」


氷室「君が強いのはあくまで一対一の時だろう?もしくは大した数の使い魔を持たない魔女だ。」

氷室「ワルプルギスは無尽蔵に使い魔を召喚できる魔女だ。それに対抗するため、
仲間を守るためにも幻術は必要だ。」


氷室「再開は4時間後だ。昼食はちゃんと済ますように。」


杏子「・・・はぁ・・はぁ・・」


グラサン黒髪美人「・・・見つけたわ・・・」


364 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:04:45.94 sOwokIh+0 351/759

通学路

恭介「あっ」フラッ(左側に転びそうになる)

さやか「恭介!」


恭介「ごめん、さやか・・・やっぱり・・左手は力が入らないや・・」

さやか「・・・」ギュッ


恭介「さ・・さやか・・///」

さやか「あたしが・・・恭介の左手になってあげる・・・ずっと・・・ずっとこうして・・・支えていく・・」



365 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:05:38.03 sOwokIh+0 352/759

~待ち合わせ場所~

まどか「さやかちゃん遅いね。」

ほむら「まどか、メールは確認した?」


仁美「・・・上条君の退院が・・急に決まったようですわ。」

仁美「行きましょう。お二方。きっとさやかさんと恭介君は・・・」


まどか「仁美ちゃん・・・」

仁美「わたくしにはもう・・・関係ありませんもの・・・」



366 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:06:12.92 sOwokIh+0 353/759

~~~

恭介「ねぇさやか・・・氷室さんの正体ってなんだと思う?」

さやか「・・・未来人かな・・・」


恭介「僕もそれは思ったんだ。でも・・・20年後の未来にしてはあのレコーダーは
小型化しただけでさほど進化してなかった。」


恭介「だから20年後の未来にタイムマシンがあるとは思えない。」

さやか(そっか・・・魔法じゃなくて未来の技術でこの時代に来たって考え方もあるんだ・・・)


恭介「もしくは・・・タイムマシンは存在してるけど・・・極一部の限られた人間にしか
乗ることが許されないとかね。氷室さんくらいバイオリンが上手ければ・・・
未来の世界政府に認められた人間の一人になれるかもしれないし・・・」


さやか「・・・結構SF思考なんだね・・・恭介」


恭介「もちろんさ。仮面のヒーローも魔法少女も大好きだよ!」


さやか「えっ!?」

さやか「・・・」


さやか「恭介・・・もしもだよ?もし、あたしが・・・魔法少女だったら・・どうする?」


恭介「僕の彼女が魔法少女!?な・・・なんて素晴らしい響きなんだ・・・」

さやか「そっか・・・嬉んでくれるんだ・・・(意外な趣味・・・じゃあ・・・恭介のために・・・)」

恭介「でもね・・・」

367 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:06:53.64 sOwokIh+0 354/759

恭介「僕の大切な人が・・・何かと命がけで戦うのは好ましくない。」

さやか「恭介・・・」


恭介「生きた心地がしないよ・・・さやかがいつ居なくなるかわからないなんて・・・」

恭介「だから戦うのなら僕も一緒だ。仮面をつけてサポートに駆けつけるさ。」


さやか「現実でそれやってもバレバレだよ!って突っ込まれそうだけどね。
昔の美少女戦士アニメで主人公の彼氏がバレバレの変装してたのには笑ったわ。」


恭介「さやかの家には昔からの魔法少女アニメがいっぱいあるんだね。」


さやか「サリーちゃんからそろえてるよ。お母さんがハマってたんだ。」


恭介「僕も観てみたいな」

さやか「え~?彼女の家に行く理由がアニメ観たいからって、それ、色気無さ過ぎない?」


恭介「・・・建前かも知れないよ。僕だって男の子なんだ。」

さやか「きょ・・恭介・・あの・・・その・・・それは・・・///」


368 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:07:26.52 sOwokIh+0 355/759

恭介「なんだっけ・・・幼稚園の頃僕が考えたヒーロー。
何仮面っていったっけな・・・」

さやか(自分からふっておいて話題を変えた!?)

さやか「あたしも覚えてないよ!」イラッ

恭介「家に戻ったら整理してみようかな。きっと、さやかに読んであげた
手作りの拙い絵本があったはず。」


~ホームルーム~

早乙女(以下和子)「今日は上条君が復学します。皆さん、
彼も大変だと思いますが助けてあげてくださいね。」


中沢「俺たちがするまでも無いよな~」ニヤニヤ

男子生徒「美樹も遅れてるしな~」ニヤニヤ

男子生徒「二人の邪魔しちゃうのもな~」ニヤニヤ


ガラッ

さやか「先生ごめんなさい。遅れました」

恭介「途中バランスを崩しちゃって・・・」



一同「うおおおおおおおお!?」


中沢「美樹・・・上条・・・そ・・・それはくっつき過ぎじゃね?」

369 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:08:01.46 sOwokIh+0 356/759

さやか「しょ、しょうがないでしょ!」

中沢「いや・・・そのだな・・・美樹の大きさでそんなにくっつくと・・・」


恭介「た・・たしかに左腕の感覚がある部分に・・・やわらかい物が・・・」

さやか「恭スケベ!!」



恭介「・・・」

さやか「・・・」




中沢「って!くっついたままかよ!」


さやか「だって・・・しょうがないじゃん・・・急に離すと恭介倒れるかもしれないし・・・」


中沢「・・・はいはい。よ~くわかりました。茶化そうとしてた俺らが子供でしたよ。」

仁美「ここまで見せ付けられると・・・いっそ微笑ましいですわ」


370 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:08:29.24 sOwokIh+0 357/759

~~~


和子「ひどいわ上条君・・・先生の気持ちをほっといて美樹さんとそんな関係にまで・・・」


恭介「うぉい!?あくまで教師としての気持ちですよね!?
やめてください。中沢が悲しみますよ!」


恭介「まぁ・・・僕が今30代で・・・さやかにフラれて後が無い状態でしたら、
先生とってのは・・・アリかもしれませんね。」

和子「そこに愛はあるの?」


恭介「どちらでもいいんじゃないかと。お互いそうなら相手なんて選んでられませんよ。」

恭介「惰性で一緒になっても愛が芽生える事だってあるんじゃないかな?」


~ホテル見滝原杏子の部屋~


杏子「昼の特訓・・・だりーな。」



~あっという間に昼休み~


~屋上~

さやか「マミさん!」

マミ「あら、来たのね。」

仁美「巴さん、ご無沙汰してます。」

恭介「巴さんのおまじない、効きました。ありがとうございます。」


杏子「ホテルの飯飽きた。マミ、弁当よこせ」


さやか「杏子!?」

371 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:12:36.68 sOwokIh+0 358/759

杏子「おっすさやか、そいつが恭介か。」

恭介「さやか?この娘は?」


杏子「佐倉杏子。まどかとさやかの、まぁ、友達だ・・・」

マミ「あら、佐倉さん・・・私は?」


さやか「かぞー」
杏子「言うな!絶交だぞ!」


恭介「へぇー。同学年にこんな子いたっけな?」

さやか「それ、マミさんの制服だよ。忍び込んできたんだ。」

恭介「僕は上条恭介。よろしくね、佐倉さん。」


杏子「何度もノロケ話は聞いてるぜ?さやかの彼氏だってな。どこまで仲良くなったんだい?」

さやか「杏子!」

杏子「さっきのお返しさ」


仁美「志筑仁美です。覚えてますか?」

杏子「!?ク・・・クラリッサ!?」ビクビクッ




372 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:13:08.15 sOwokIh+0 359/759

杏子「\うめぇ/」


さやか「マミさんにお弁当もらうくらいならもうデレちゃえばいいのに。」

マミ「そういえば、氷室さんと一緒にいなくていいの?お昼も特訓じゃ・・・」


杏子「・・・サボった。」


さやか「え!?」


~地下駐車場~

氷室「放置プレイか・・・たまにはいいかもね。」

氷室「よ~し、放課後の特訓はパパ、変身しちゃうぞ~」



~屋上~


マミ「美樹さん・・・今朝のニュース見た?」

373 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:13:46.42 sOwokIh+0 360/759

さやか「ニュース?」

恭介「この近くで幼女誘拐事件があったらしいんだ。」

仁美「千歳ゆまちゃん・・・私とおなじ緑色の髪をした子ですわ。
最近失踪者が多い気がしますし・・・悲しい結末にならなければ良いんですけど・・・」


さやか「ゆま・・・緑の髪ってまさか!?」


マミ「そう、あの時出会ったあの子よ。4日前から行方がわからないらしいわ」


さやか「ゆまちゃんが・・・行方不明!?」


さやか「でも・・・4日前っていえば・・・お母さんと一緒にいたじゃないですか!」


さやか『まさか、あの後すぐに・・・二人とも魔女の口付けを・・・』

マミ『それについては少しおかしなところがあるの。ゆまちゃんの家庭は・・・』


さやか『なん・・だって・・・』



杏子「おい、まどかと・・・暁美ほむらはどうした?」

さやか「二人なら、中庭で食べてるよ。なんか意味深に二人だけで話がしたいって言ってたし」

374 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:14:15.41 sOwokIh+0 361/759

~中庭~

まどか「・・・」

ほむら「・・・」


まどか「こうやって・・・二人で話をするのはあの日泊まってから以来だよね・・・」

ほむら「二人だけの話って・・・何かしら?」


まどか「氷室さんが言ったの。わたしが見た夢は・・・別の未来でありえた事実だって。」

ほむら「・・・そう。」

まどか「最初はほむらちゃんに説明されても・・・いまいち理解できなかったけど・・・
ほむらちゃんは・・・わたしを助けるために・・・同じ時間を繰り返した来たのよね?」


ほむら「そうよ・・・あなたとの約束を守る。それが・・・私の道標だから。」

まどか「ほむらちゃんにとって・・・
今のわたしと約束を交わした世界のわたしは・・・別の人・・・になっちゃうのかな?」


ほむら「・・・別の人よ。」

ほむら「でも・・・その人と同じくらい・・・今のあなたも大事。」


ほむら「少し弱音を吐いたことがあったわよね?もう繰り返したくないって。あれは私の本当の気持ちよ。」

ほむら「この世界で・・・全てを終わらせる。何に代えてもあなたを守ってみせる。」


ほむら「ワルプルギスの夜を・・・倒すわ。」


まどか「その後で・・・ほむらちゃんはどうなってもいいって思ってるよね?」


ほむら「!!」


ほむら「それは・・・」

375 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:14:50.31 sOwokIh+0 362/759

まどか「わたしとの約束を守るために・・・ほむらちゃんがどうなっても良いなんて嫌だよ・・・」

まどか「そんなことして守られた約束なんて・・・嬉しくない。」

まどか「今のわたしにとっても・・・ほむらちゃんは大事な友達なんだよ・・・」


ほむら「まどか・・・」


まどか「だから・・・わたし考えたんだ・・・「キュゥべえに騙される前の馬鹿なわたしを助けて」
って約束が・・・本当にどういう意味かを・・・」


まどか「もしも・・・契約のリスクを全て知った上で契約するのなら・・・
それは「騙されている」事には・・・ならないんじゃないかって・・・」

ほむら「・・・!!駄目よまどか!契約なんて考えちゃ駄目!
言ったでしょ?人間じゃなくなるんだよ?いずれ・・・魔女になるんだよ・・?」


ほむら「約束も大事だけど・・・あなたには・・・平凡なままでいて欲しいの・・・
普通の人間のまま・・・大好きな人達に囲まれて・・・」


まどか「今のわたしは・・・ほむらちゃんも大好きな人だよ。」

ほむら「・・・!!」


まどか「だから・・・ほむらちゃんだけが犠牲になるなんて・・・間違ってるから・・・
わたしだけじゃない・・・ワルプルギスの夜を倒せた後で・・・ほむらちゃんがいなくなったりしたら、
さやかちゃん達だって・・・きっと悲しむから。」


まどか「だから・・・どうしようも無くなったときは・・・わたし、契約するよ。」

376 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:15:43.70 sOwokIh+0 363/759

ほむら「まどか!?やめて!!」


まどか「解らないの・・・ワルプルギスを倒した後・・・本当にほむらちゃん、マミさん、杏子ちゃんが
幸せになれるかどうか・・・」

まどか「魔女になる現実を・・・先送りにしてるだけじゃ・・・いずれ不幸しか生み出さないから・・・」


まどか「もちろん、わたしの事を大事にしてくれてるほむらちゃんの気持ちも無駄にしたくない。」

まどか「だから・・・ギリギリまで悩むよ・・・本当にこれでいいのかどうか・・・」


まどか「どうしようも無くなったときは・・・わたし・・・こう願うんだ。」

まどか「わたしの素質はワルプルギスを越えると平凡な物に戻ってしまう。
そうなる前に・・・」


まどか「全ての魔女を生まれる前に消し去りたい」


ほむら「・・・」




ほむら(さやかだけでなく・・・ま・・・まさか・・・まどかまで契約を考えていたなんて)


ほむら(結束を強めるのは・・・諸刃の剣だった・・・まどかやさやかは
自分の願いを叶えると同時に「他人のために」願いを叶えようとする・・・)


ほむら(ワルプルギスを越える戦力があっても・・・魔女化問題を先送りにしていたら・・・
まどかは契約してしまう・・・一体どうすれば・・・)


杏子「よぉまどか、元気かい?」


ほむら「!?」

まどか「杏子・・・ちゃん・・・?」

377 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:16:24.80 sOwokIh+0 364/759

ほむら「佐倉杏子・・・なぜあなたがここに・・・」


杏子「あたしは友達に会いに来ただけだ。」

杏子「まどかはあたしの友達でもあるんだ。なんだかしらねーが、悲しませんなよ。」

ほむら「余計なお世話よ。あなたはただワルプルギス当日だけ力を貸してくれればいい。」


杏子「相変わらずだな・・・未だに魔法少女が魔女になるって話は詳しく教えられないってか?」

ほむら「できることなら・・・ワルプルギスを越えるまで。」


杏子「それじゃ遅すぎる。決戦当日前にマミにでも漏れてみろ。アイツ、きっと戦意を無くすぞ。」

杏子「そうなる前に事情通のお前から話してやるのが義理なんじゃねーのか?」


ほむら「戦意を無くすくらいなら可愛いものだわ。きっと巴さんは・・・」

杏子「なんだよ?マミがどうなるってんだ?」

ほむら「いいえ・・・あなたには関係ないわ。」


378 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:18:23.43 sOwokIh+0 365/759

杏子「・・・」グイッ

まどか「杏子ちゃん!やめて!」

ほむら「離しなさい。」


杏子「そうやって一人で背負い込んで何様のつもりだ!?
お前は信用ならねーけどな・・・お前はさやかやマミやまどかの友達でもあるんだよ・・・」


杏子「なんでテメェを心配してくれるやつの気持ちに応えられないんだよ・・・」

杏子「いいよ・・・いずれ話すのなら構わねー。だけどな・・・
アンタが執拗に事実を隠す理由が大したことじゃなったらぶっ飛ばす。」


杏子「話すのが遅れてマミが壊れちまってもぶっ飛ばす。」


杏子「アンタを待ってやるのはさやか達の友達だからだ。
アタシを裏切るのは同時にさやか達を裏切ることだと思え。」


ほむら「・・・」


ほむら「わかったわ・・・肝に銘じておくわ。」


杏子「・・・」バッ

まどか「ほっ・・・」


杏子「ふぅ・・・そうだまどか、放課後空いてるかい?」

379 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:19:17.16 sOwokIh+0 366/759

放課後

~ホテルへと向かう道~

杏子「・・・」

恭介「・・・」

まどか「・・・」


杏子「なんだこの組み合わせ?」

恭介「さやかが、どうしても今日は一緒にいられないっていうから氷室さんにあずけるんだって。」

まどか「わたしは・・・万が一恭介君が杏子ちゃんに手を出した時止める役だって。わけわかんないよね・・・」


杏子「お前の彼女おかしい。」

恭介「それだけ二人を信用してるんじゃないかな?」


杏子「さやかの奴でしゃばりやがって・・・恭介まで預けるなんてナニ考えてるんだか・・・
まどかに、昼の氷室との特訓サボって気まずいから一緒に来て欲しいって言っただけなのに・・・」

恭介「氷室さんと特訓!?君もバイオリンを弾くのかい?」キラキラ


杏子「うぉい!?しれっと手を握るな!天然の女たらしかお前!?
あたしのとこの教えじゃ浮気は重罪だぞ!」


まどか「恭介君!今の撮ったよ!さやかちゃんに送信しちゃおっかな~」


恭介「ごめん、それだけは勘弁してください。」


杏子「まったく・・・あんた、本気でさやかを好きなのか?」

380 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:19:54.77 sOwokIh+0 367/759

恭介「誰より好きだよ」


杏子「お・・おおう。迷い無く言ったな・・・それでいいんだ」

杏子(こっちが恥ずかしくなるな・・・///こういうバカ正直な奴は・・・)


恭介「さやかがいなければ僕はとっくに果てていたさ・・・まだまだ何でも出来ることに気付かずにね。」

恭介「今では・・・この動かない左手が・・・さやかとの絆だ。」

恭介「あれだけ治ることを望んでいたはずなのに・・・愛おしいんだ・・・
この左手が・・・この動かない左手の先で・・・
いつでもさやかが手を握り返してくれるような気がして・・・」


恭介「離れた今でも・・・さやかの温もりだけは左手で感じることが出来る・・・かな」


恭介「あれ?二人とも顔が真っ赤だけど・・・」


まどか「きゅぅ・・///」

杏子「どや・・・って顔すんな・・///」



恭介「そんなに恥ずかしいこと言ったかな?」



杏子「無自覚な奴だな・・・いい意味でも悪い意味でも。」

381 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:20:59.93 sOwokIh+0 368/759

~市内~

さやか「ゆまちゃんの事・・・使い魔か魔女の仕業と見て間違いないよね」

ほむら「十中八九そうでしょう・・・4日もたってるんじゃもう絶望的だけど・・・」

マミ「でも・・・放っておけないわ・・・あんなに・・・あんなに優しそうなお母さんがまさか・・」


さやか「結果を見るまで・・・あたしは諦めたくない!」

さやか「あたしにとっては・・・ちょっと遊んだだけでも・・・大事な友達なんだ」


ほむら「そうね・・・あなたのそんな所・・・嫌いじゃないわよ」

マミ「警察が見つけられなかったから、ゆまちゃんをというよりは、
魔女探索に力をいれたほうが良いわね。ゆまちゃんも、魔女に囚われたものと仮定すれば・・・
あるいは居場所を・・・」


ほむら「さやか、くれぐれも結果内に飛び込まないで。あなたは一般人なのだから。
私かマミに・・・連絡なさい」

さやか「ありがとう、ほむら・・・マミさん・・・」


マミ「成果が無ければ2時間後ここで落ち合いましょう。それまでは・・・結界を探してみましょう。」


さやか「捜索・・・開始・・・ひとまず解散!」バッ


382 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:22:18.99 sOwokIh+0 369/759

~ホテル~

~氷室の一室~


恭介「氷室さんが戻ってくる前に一曲書いてみようかな。」


恭介「でも、特訓てなんだろうね?音楽の事なら僕も見学したかったのに・・・」

恭介「まぁ今はいいよね。さぁ、曲を書いて氷室さんに褒めてもらうぞ~」


~ホテル地下~


バイオリン仮面「・・・佐倉杏子・・・昼の特訓をサボった理由を教えてもらおうか」

杏子「・・・最近さやか達に会ってなかったから・・・その・・・昼食だって・・・
ホテルのレストランより・・・マミの手料理のほうが・・・あったかいっつーか・・・なんというか・・・」


まどか「氷室さん!わたしが杏子ちゃんを誘ったんです!ご、ごめんなさい!
わたしも・・・杏子ちゃんに会いたかったから!」

杏子「まどか!あたしを庇う必要なんて・・・」


バイオリン仮面「・・・いいだろう・・・もう教えることは教えたつもりだ。
後はきっかけさえあれば・・・いつでも幻術は取り戻せる。特訓を再開するぞ」


杏子「おう・・・よろしく・・・」


杏子「なんてな!!」ザシュッ(槍で顔を攻撃)


まどか「!?きょ・・・杏子ちゃん!?」


杏子「心配すんな!マスクを裂いただけさ!前から氷室に一矢報いたくてたまらなかったんだ!
悪いけどまどか、アンタを囮にさせてもらったよ!」


杏子「教えを請うにしても相手の態度ってモンが有るからな!素顔くらいは見せてもらうよ!」


まどか「これが・・・バイオリン仮面・・・氷室さんの・・素顔・・・!?」


バイオリン仮面「・・・お・・お二人さんよ・・・」ゆらっ

383 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:23:03.02 sOwokIh+0 370/759

バイオリン仮面「諸君らは、マスクマンが通常のマスクの上につける オーバーマスクというものをご存知かな?」


まどか「!?切り裂かれたマスクの下に・・またマスクが!?」

杏子「しまった!!二重に着けてやがったのか!!」


バイオリン仮面「私は、オーバーブルマの下に・・・ 」



杏子「え?」


まどか「お・・・オーバーブルマ?」




バイオリン仮面「オーバーブルマの下に・・・ メインパンティを着けているのだーッ!!」
ダバァアアアアアン!!







まどか「」

杏子「」






パンティに刺繍された文字:SAYAKA







まどか「」

杏子「」















杏子「変態だああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!(CV:ビュティ)」

384 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:24:30.93 sOwokIh+0 371/759

バイオリン仮面「落ち着いたかい?」

杏子「落ち着けるか!とうかもうオチてるんだから、話しかけるな!この場面終われ!」


まどか「何故・・・さやかちゃんのパンティを顔にかぶってるんですか!」


バイオリン仮面「それが・・・私たち「魔法使い」の変身条件だからだよ。」

バイオリン仮面「私たち30代以上男性のうち・・・とある条件のを満たした者が
女性のパンティーを身に着ける事によって「魔法使い」として発現するんだ。」

バイオリン仮面「だから、やましい気持ちなどこれっぽっちもない。
変身と浄化のために・・・君たちの下着が必要なんだ。」


バイオリン仮面「私には正体を隠す必要があった。だから顔にパンティを被らせてもらった。
それだけの話さ。」


まどか「お・・・オーバーマスクは・・・見滝原中学のブルマの改造ですか?」


バイオリン仮面「そうさ。こちらは新品でも構わない。」

バイオリン仮面「バイオリンのシンボルが欲しかった。
だからバイオリンのイラストをブルマに印刷した物を着用している。」


スッ



杏子「股間から予備のオーバーマスクが!?」


バイオリン仮面「特訓再開だ。朝の特訓は人形を使ったが、今は変身しているので、
本物の使い魔を召喚する!」♪~♪~♪


使い魔(バックダンサー)達「アヒャヒャhyハyヒャヒャ!」ウジャウジャ


まどか「ひ・・・仁美ちゃん!?」

杏子「やっぱり、まどかも似てるって思うよな?」


バイオリン仮面「おさらいだ。まずは幻覚は使わなくて構わない。
そいつらの精神攻撃に耐えて見せろ!」

385 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:25:16.72 sOwokIh+0 372/759

使い魔「うおおおおおおおん!」(精神攻撃:泣く)


まどか「きゃっ・・なに?この泣き声・・・すごく・・・気持ち悪い!」

バイオリン仮面「その声に負けたとき、佐倉杏子、君は一時的に攻撃不能になる!」


杏子「もう・・・聞きなれた・・・ぜっ!!」ブン!


使い魔「あぎゃああああ」シュウ・・・



バイオリン仮面「見事だ。これで君は・・・狂化、攻撃不能、幻覚、睡眠の効果を持つ精神攻撃に耐性が出来た。」


バイオリン仮面「さぁ、次は一対多の模擬戦だ。こればかりは幻覚が使えなくては攻撃をかわしきれないぞ!」


使い魔たち「あひゃはやああひゃはやは・・」ゾロゾロ・・・

杏子「さあ・・・そいつはどうかな?」


杏子「断罪の磔柱!!」


┣¨┣¨┣¨┣¨ドドド・・・

まどか「じ・・・地面から無数の槍が!?」


ザシュッザシュッザシュッザシュッ


使い魔達「おぎゃあああああ!」しゅうう・・・



まどか「す・・すごい・・・あれだけの数の敵を・・・一回で全部倒しちゃった・・・」


バイオリン仮面「・・・」

シャアア・・・(結界解除)


杏子「お、特訓を中断したって事は免許皆伝かい?」


杏子「見たか?幻術なんて無くても、敵を倒せるんだ。
それが複数でもな。」


バイオリン仮面「・・・」


バイオリン仮面「ソウルジェムを・・・見せてみろ。」

386 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:26:00.70 sOwokIh+0 373/759

杏子「ちっ・・・」


バイオリン仮面「やっぱり・・・今のワザで穢れを溜め込んだじゃないか。」


バイオリン仮面「幻惑の魔法なら・・・幻術に気を取らしてる隙に一体ずつ
潰していける。極小の魔力消費で戦えるんだ。物理的なダメージも・・・軽減できる。」


杏子「やっぱり・・・いらねーよ・・・幻惑は・・・」

バイオリン仮面「たまたま今のは勝てただけだ!現実のワルプルギスの使い魔の数は・・・」


杏子「いらない。」

387 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:26:29.69 sOwokIh+0 374/759

バイオリン仮面「自分だけじゃない。味方の魔法少女の分身を作り出せれば、
仲間だって守れるんだ。」


バイオリン仮面「君には本当に・・・守りたい仲間が・・・いないのか?」


杏子「いるよ。家族のように・・・大切にしたい奴たちが居る。」

杏子「でも・・・やっぱり家族を殺しちまった幻術の力なんかで・・・そいつ等を守るのは・・・何か違う。」


杏子「あれに頼らなくても・・・あたしの大事な人達くらいはなんとか守って見せるさ。」

バイオリン仮面「守れなかったとき・・・後悔する・・・力を取り戻しておけば良かったと。」


杏子「足りない分は命で補うさ。家族を守れるのならな。」

バイオリン仮面「君もその家族の一員なら、命を投げ出すようなマネはやめろと言ってるんだ!!」


杏子「・・・」

バイオリン仮面「すまない・・・説教じみてしまった・・」


バイオリン仮面「今日はもう・・・終了しよう。あしたの早朝また・・・特訓を再開する。」


杏子「ふん。」



まどか「氷室さん・・・」


バイオリン仮面「鹿目さん、きみならわかるだろう?未来の映像を見てきた君なら・・・
佐倉杏子が本当は・・・心優しい子だという事に。」


バイオリン仮面「さやかと・・・彼女は最期を共にした未来。」

バイオリン仮面「自分の信じるもののためなら・・・彼女は命さえ投げ出そうとする。」


バイオリン仮面「家族を失った罪を・・・命をすり減らす事で贖罪になると思っているんだ。」


バイオリン仮面「おそらく今日は・・・佐倉さんは部屋に戻らないだろう。」


バイオリン仮面「恭介と君を家まで送ろう。今日は解散したほうがいい。

388 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:27:02.40 sOwokIh+0 375/759

バイオリン仮面「あれ?わたしの電話が見当たらないぞ」


~市内~

さやか「どうだった?」


ほむら「駄目ね・・・魔女どころか使い魔さえ見当たらない。」


マミ「見落としてるとしたら・・・一度魔女が現れた場所かしら・・・」

ほむら「ハコの魔女を逃がした・・・あの工場かしら・・・確かに盲点かもね」


マミ「!電話だわ!氷室さんから?」


マミ「もしもし?」



杏子「・・・よぉ・・マミ先輩。」


マミ「佐倉さん!?」


389 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:27:59.33 sOwokIh+0 376/759

杏子「魔女を見つけた。廃工場に口付けをうけた連中を集めてる」

ほむら「!や・・・やはり元の場所に・・・」

さやか「杏子!その中に・・・ゆまちゃんは!?緑色の髪をした小さな女の子はいる?」


杏子「ああ、いるぜ。まだ生きてる。母親とベッタリだが、おそらく母親が口付けを受けている。」


マミさやほむら「!!」

杏子「のんきなもんだよな。これから集団自殺に付き合わされるとも知らずに・・・
いつもの優しい母親と変わらないつもりでいるらしい。」


マミ「ち・・違うわ佐倉さん・・・その子の母親は・・・」

ほむら「杏子!その魔女の性質がわかる?精神に訴えるような能力を持ってないかしら?」


杏子「そんなもん、結界にまだ突入してねーからわかるはずないだろ?」

杏子「ただし、これだけは言える。あの魔女はあたしが見逃しちまった使い魔が成長したヤツだ。
ぶーんぶーんとかうるさく唸ってたやつがな。」


マミさやほむら「え・・・?」


杏子「魔力の波動が同じだ。間違いない。自分でやっちまった事の落とし前をつける意味でも、
あたし一人でやらせてもらうぜ?」


マミ「ま・・待って佐倉さん!お願い!!私がそこに行くまで・・・」

390 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:28:26.24 sOwokIh+0 377/759

杏子「なんだよマミ。一緒に戦ってきたあたしの実力を疑う気かい?」

杏子「今更あたしが魔女一匹に負けるはずがねーだろ?違うか?」


ほむら「そういう意味じゃない!」


杏子「本当は・・・また憧れてるんだ。目に留まる人達くらい助けられる・・・
正義の魔法少女ってヤツにな・・・」

杏子「あんたに電話したのは、
もしあたしがしくじるような事があれば後始末を頼むぜって意味さ。」


マミ「佐倉さん・・・お願い・・・冗談でもそんな事言わないで・・・」

杏子「大丈夫。こんな普通の魔女相手に死にはしねーよ。」


杏子「ま、それでこいつら・・・母親と娘だけは絶対に助けて見せるからさ。」

杏子「もちろん魔女もぶっつぶした上でな。そしたらさ・・・」


杏子「あんたに・・・あたしの・・・本当の気持ちを伝えるよ・・・マミ・・・さん・・・」ピッ


マミ「佐倉さん!?佐倉さん!?」


さやか「まずい・・・何も知らずにあの親子を助けちゃったら・・・きっと・・・」


ほむら「佐倉杏子は・・・後悔・・・いえ・・絶望するわ」

ほむら(そうなれば・・・杏子は・・・)

391 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:29:18.70 sOwokIh+0 378/759

マミ「行きましょう、ここからなら全速力で行けば結界が展開する前に間に合うかもしれない!」

マミ「佐倉さんを・・・一人ぼっちにさせちゃいけないわ!」

さやか「うん!」

ほむら「ええ。」



ダキューン!


さやほむマミ「!?」

一般人「ざわざわ・・・」


ほむら「銃声・・・!?こ、こんな街中で一体誰が!?」

マミ「私たちを狙った!?だ・・・誰なの!?」


グラサン黒髪美人「そこから先は・・・行かせないわ。」


さやか「・・・!?だ・・・誰だお前は!?」


グラサン黒髪美人「時空管理局・・・「鹿目ほむら」・・・」


ほむら「!?・・・「鹿目」・・・!?」

マミ「ほ・・・ほむらって・・・」


さやか「時空管理局?」


グラサン黒髪美人「あなたには・・・タイムパトロールと言ったほうが解りやすいでしょうね。
美樹さやか。」

さやか「あ・・・あたしの名前を!?」


鹿目「そちらのほむらと紛らわしいのなら、私の事は「鹿目」と呼べばいい。
「鹿目ほむら」という名前だけの情報で私の正体を連想するのも自由よ。」


鹿目「どうせすぐに・・・お別れになるのだから・・・!」


シュイン!(変身の光)


マミさやほむら「ま・・・魔法少女!?」

392 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:29:51.78 sOwokIh+0 379/759

鹿目「ホム・・・リリー!」

ヴォン・・・


マミ「こ・・これは・・魔女結界!?」

ほむら「・・・!?ど・・・どういう事なの!?魔法少女のまま・・・
魔女結界を繰り出せるなんて話は・・・聞いたことは・・・」


鹿目「20年後の未来では・・・上位の魔法少女と魔法使いは・・・
魔女結界を作る術を身につけている。」


さやか「20年後!?」


鹿目「人目につかずに・・戦闘するのなら便利でしょう?」ダッ


ほむマミ「!!」

シュイン!シュイン!(変身の光)

~外~

一般人「・・・街中で・・・発砲したヤツが・・消えた!?」

一般人「まわりにいた女子中学生も巻き込んだみたいだ」


一般人「一体どうなってやがるんだ!?」

393 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:30:55.98 sOwokIh+0 380/759

鹿目「・・・」

パラパラッ

さやか「なに!?豆を巻いているの!?」


マミ「豆じゃないわ・・・なんだかどんどん大きくなってるみたい。」

ほむら「距離をとって!二人とも!手榴弾よ!」


さやマミ「!!」


ドッグオォォン!!!


さやか「げほっ・・・げほっ・・げほっ・・・」


マミ「だ・・・大丈夫!?美樹さん!」

さやか「うん・・・マミさん・・・ありがとう」



鹿目「その様子・・・美樹さやかはどうやら未契約のようね・・・」

鹿目「3対1を想定していたから・・・これは思いのほか有利に立てそうね・・」


さやか「な・・・何者だお前は・・・!?なんで・・あたし達を攻撃するんだ・・・」


鹿目「言ったでしょう?時空管理局・・・タイムパトロールだとね・・・」

鹿目「あなた達も感づいてるはずよ・・・あなた達がバイオリン仮面と呼んでる人物が・・・
20年後からやってきた未来人だと。」


鹿目「彼がタイムマシンでこの時代にやってきたことによって生じる歴史のズレを
修正することが私たちの仕事。」


ほむら「タイム・・・マシン・・・?氷室がこの時代に来た方法は魔術の類では・・・無かったのね・・・」


鹿目「20年後の未来では・・・ここにいる3人は暁美ほむらを除いてすでに死亡している。」

さやマミ「!!」


鹿目「正確には・・・もっと前。ワルプルギスの夜が来るより前に・・・あなた達二人は事切れている」


鹿目「だから・・・さよならよ。」スッ


さやか「今度は・・・プラモデル!?」

マミ「また・・・形状が大きく変化していくわ!」


ほむら「対艦ミサイルよ!よけきれないから魔力壁でさやかを守って!!」


ドドドド・・・ドドドド・・・

394 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:31:43.27 sOwokIh+0 381/759

鹿目「・・・佐倉杏子は・・・このまま魔女結界に突入させればいい。」

鹿目「ふいうちを喰らって・・・力尽きるか・・・それとも絶望を生み出すかして・・・
抜け殻になる可能性が高い。それが管理局の見地。」


マミ「はぁ・・・はぁ・・はぁ・・」

ほむら「ひゅぅ・・・ひゅう・・」

さやか「ほむら・・・マミさん・・・」


鹿目「あなた達の後は・・・鹿目まどかを殺せば修正は完了する。
「ズレ」が少ない今なら・・・
この時間軸を別世界として・・・切り離さずに済む。」


さやかマミほむら「!!」


鹿目「もちろん・・・20年後の未来にワルプルギスはいないわ。
だから・・・ワルプルギスの討伐という面だけでは・・管理局は全面協力するわ。」


ほむら「ふざけないで・・・!!そんな理由で・・・まどかを・・・殺されるわけにはいかない・・・」


ほむら「まどかだけじゃない・・・さやかもマミも・・・杏子も・・・誰一人・・・
死なせない・・!!」


マミ「暁美さん・・・」

さやか「ほむら・・・」



鹿目「今度こそ・・・5人でワルプルギスの夜を越えるというのなら・・・覚悟を見せなさい。
ワルプルギスより前に・・・「私」を殺す覚悟を決めなさい、暁美・・・ほむら・・・!!」


ゴゴゴゴゴゴ・・・

さやか「今度は魔法だよ!鹿目の背中から・・・黒い光が・・・!!」


マミ「これは・・・侵食する・・・黒き翼と名づけるべきかしら?
な・・・なんていう途方もない魔力!!」


ほむら「くっ・・・!!」


395 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:32:18.94 sOwokIh+0 382/759

ほむら(まどかを・・・さやか達を守るために・・・)


ほむら(今一度・・・鬼になるしかない!正体がわからないままだけど・・・
鹿目を・・・このイレギュラーを始末する!!)





ほむら(時間停止!!)カチッ


シ・・・-・・ン・・・



さやか「」

マミ「」

鹿目「・・・」

396 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:33:08.31 sOwokIh+0 383/759

ほむら「ミニミ(機関銃)!!」ドドドド・・・


(時が止まった世界で銃弾が鹿目に当たる寸前で止まる)


ほむら「時間停止・・・解除・・・5秒前・・・」

ほむら「4・・3・・」


鹿目「・・・」グググ・・・


ほむら「!?」


パァアアアアアアアア!!


ほむら「黒き翼が・・光を・・・!?」


しゅうう・・・・・

ほむら「銃弾を全部・・・溶かした!?ありえないわ・・・!!止まった世界の中を・・動けるなんて・・・」


ほむら「鹿目は・・!?鹿目はどこに・・・!?」



パッ(ほむらの目の前に現れる鹿目。サングラスを外している)





ほむら「あ・・・あなたは・・・!!」


397 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:34:03.82 sOwokIh+0 384/759

鹿目「かつて私も時間操作の魔法を持っていた。だから・・・止まった時の中に入門できた。」


鹿目「私は・・・20年後の未来のあなたよ・・・時間操作の魔法は・・・私には通用しない。」


鹿目「ミニミの正しい使い方を教えてあげる。0距離で撃ち込めば・・・たとえ相手が魔法少女でも・・・
手足をズタボロにできるのよ」


ドドド ドドド ドドド ドドド

(止まったときの中、両手両足それぞれに機関銃を乱射する鹿目)


鹿目「時間停止解除1秒前・・・」



鹿目「ゼロ」



パキィーン


ほむら「あ・・きゃあああああっ・・・あああああああああああ!!!!!!」

どぴゅうっ(噴水のように手足それぞれから流れる血)


さやか「ほ・・ほむら!!」


マミ「なにが・・・どうなっているの・・・?いつのまにか・・・暁美さんが・・やられている!?」

398 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:34:48.13 sOwokIh+0 385/759

鹿目「20年後にあなたが生きているという事は・・・裏を返せば今はあなたを殺せないという事。」

鹿目「ダルマになって転がってなさい。他の4人全員を始末した後、管理局で治療させてあげる。」


さやか「鹿目・・・お前は・・・」

さやか「!?」


マミ「そ・・・その顔は・・」


さやか「ほ・・・ほむら・・・!?」


マミ「・・・暁美さん・・・」


鹿目「・・・その通りよ。20年後の・・・暁美ほむらよ。」


さやか「なんで・・・なんで・・・未来のほむらが・・・邪魔するんだよ!!
まどかを・・・まどかを助けたいんじゃないのか!!」


鹿目「それが私の仕事だからよ。」

鹿目「私にも・・・立場という物がある。守りたいものもある。だから・・・
改変された後が・・・幸せな未来でも・・・修正するしかないの。」カチャッ



鹿目「さよなら。巴マミ。次はあなたよ」


さやか「キュゥべえ!?キュゥべえ!?どこ・・?どこにいるの!?出てきてよ」

さやか「今すぐ契約するよ!!あたしは・・・あたしは・・・」


さやか「ほむらとマミさんを助ける力が欲しいんだ!だから!!」



ほむら「駄目よ・・さやか・・・契約しては・・・そんな事しなくても・・・」



さやか「あたしを・・・魔法少女にしてーッ!!」

399 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:35:20.44 sOwokIh+0 386/759

~~廃工場~


杏子「・・・」


幼女「ねぇママ・・・ここ・・・ガソリン臭くてやだよ・・・
おじいちゃん達のところ・・戻りたいな・・・」


モブ「・・・」トプトプ・・・


杏子「・・・火を放つつもりか・・・
嫌なこと思い出させやがる・・・あの時と同じだ・・・」

400 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:36:41.74 sOwokIh+0 387/759

杏子「・・・マミ・・・」


モブ「・・・」ライター着火


杏子「させるか!!」バキッ


モブ「ぎゃあああ!!!」


杏子「わりーな!幻惑が使えねーから少々手荒になるぜ!
折れた腕はマミにでも治してもらえ!」


ズズズズズ・・・


杏子「やっと・・・結界の登場かい。」


母親「さあ・・・「いいところ」にたどり着いたわよ・・・ゆま・・・」

ゆま「何?ここ?変な落書きがいっぱーい・・・」



杏子「しまった!あの親子が巻き込まれた!!」

401 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:37:24.17 sOwokIh+0 388/759

~落書きの魔女結界~


杏子「見失った・・・くそ・・!」


杏子「でも・・・あまり広い結界じゃないみたいだね・・・
とっとと本体の魔女を潰してマミのところへ帰るよ。」

使い魔「ぶっぶー!」

使い魔「ぶーん!ぶーん!」


杏子「使い魔のうちに・・・あたしが倒しておけばあの親子も巻き込まれずに済んだんだ・・・」


杏子「だから・・・けじめをつけるよ・・・あの親子だけは・・絶対助ける。」

杏子「魔女に関わらなければ・・・幸せなままでいられる家族を・・・壊させやしない・・・!」


杏子「打突!」ザシュッ


使い魔「ぶぎゃああ・・」しゅうう・・



杏子「・・・ここが・・・最深部か・・」


ガチャッ



落書きの魔女「ウフフフ・・・ウフフ・・アハハハ・・・」



ALBERTINE デェン!(魔女文字)



杏子「ふん、雑魚だね。」


402 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:37:54.29 sOwokIh+0 389/759

杏子「マミのヤツは・・・なんの心配をしてたんだか・・・あたしがこんなヤツに
遅れをとるわけ無いじゃん。」ブンブンブン!


落書きの魔女「ウフフフ・・アハッハ・・」

落書きの魔女「・・・」ピタッ


杏子「・・・?なんだ?」


落書きの魔女「う・・・」

403 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:38:36.53 sOwokIh+0 390/759

落書きの魔女「うおおおおおおおおおん!!うおおおおおおおん!!」


キィィイイイイン・・・・


杏子「ち・・・これは・・・氷室の使い魔と同じ「泣く」攻撃!?」

落書きの魔女「うおおおん!!うおおおおおおおん!!」


杏子「でも・・・対策済みだよ!今のアタシには状態異常は効かないんだよ!」

杏子(氷室との特訓、無駄じゃなかったんだな・・・)


杏子「魔女に与える鉄槌をくらいな!!」


ドンッ!!


グシャッ


落書きの魔女「うおお・・・ん・・アハ・・アハハ・・・」


シュウウウ・・・・


(結界解除)


杏子「ほら見ろ、楽勝じゃねーか。」


母親「う・・ん・・」

幼女「ママ・・?」


杏子「親子も無事だったみたいだな。」


パシッ
杏子「さてと、グリーフシードも手に入れたし・・・一服
(ロッキー)すっか!」



ぬっ


杏子「・・・!?」ぞわっ


ハコの魔女「・・・」




ドスッ

404 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:39:03.41 sOwokIh+0 391/759

杏子「が・・・・!?」




杏子「も・・・もう一体・・・隠れてやがったのか・・・」



ドサッ

405 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:40:15.50 sOwokIh+0 392/759

杏子「ははは・・・腹に穴が開いちまった・・・
これが本当のお腹がすいたってやつかな・・・」


杏子「最期の最期で・・・しくじっちまったな・・でも・・・
マミたちが来てくれれば安心だ・・・」

杏子「あたしの・・・命が尽きるその前に・・・あの親子だけは・・・」


ゆま「お姉ちゃん!!大丈夫!?お姉ちゃん!?」


ズズズ・・・

杏子「おい!アンタ!!結界が広がりきる前にガキ連れて逃げろ!!」


母親「あれ・・?あたしは・・・何をしてたんだ・・・?」

ゆま「ママ!!」

母親「ゆ・・・ま・・・」


杏子「さっさと逃げろ!また結界に囚われたいのか!!」


ズズズズ・・・・ズン!!


母親「なんだ・・・ここは・・・?」

ゆま「さっきの落書きと同じ・・・いやな感じがするよ・・・」


使い魔「ヒャヒャヒャヒャ・・・」フワフワ・・・


幼女「ひっ・・・!!」

母親「そういう事か・・・ゆま・・・そういう事なんだね?」

406 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:40:54.78 sOwokIh+0 393/759

杏子(結界に・・・また囚われた・・・!マミ達を待ってる時間は無いな・・・)


杏子(命を燃やして・・・こいつらを倒すしかないな・・・
へへ・・・実はまだそういうワザが一つ・・あんだよね・・・)


杏子(頼むよ神様・・・一度くらい・・・幸せな夢ってヤツを・・
見させてもらうよ・・・)







母親「全部お前のせいなんだね!?ゆまあああああああああああ!!!」


バキッ!


幼女「きゃあっ!」






杏子「!?」

407 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:43:36.81 sOwokIh+0 394/759

母親「この疫病神が!!お義父さんとこに逃げたと思ったら!
またあたしの前にノコノコ現れて!厄を振りまくんだね!!このクソガキがああっ」

バキッバキッバキッ


ゆま「痛い!痛い!やめて!やめてよママ!!」

ゆま「なんで・・・?なんでなの?
お爺ちゃん達とはぐれたわたしと出会ったとき、優しいママだったのに!?」


ゆま「やりなおそうって言ってくれたのに!!ママと一緒に色々なところに
お泊りしたこの3日間・・・すごい楽しかったんだよ!?」


ゆま「お爺ちゃんたちも優しいけど・・・本当はやり直せるなら・・・
わたしママの傍にいたいんだよ!!だからやめてよママ!!優しいママに戻ってよ!!」


母親「うるさい!!うるさい!!こんなわけの解らない場所に放り出されたのも、
妙な化け物が周りに居るのも・・・全部お前のせいだ!!お前さえお前さえいなければ!!」


ドカッドカッ


使い魔「ヒャヒャヒャ・・?」


母親「役立たずのバカガキだと思ったけど・・・
初めてあたしを喜ばせることが出来るかもよ?ゆまぁ・・・」ゆらり・・・


ゆま「マ・・ママ・・?」

408 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:44:28.59 sOwokIh+0 395/759

母親「さぁ、化け物ども!食うならバカガキの方にしな!その代わり、あたしは逃げさせてもらうよ!!」

(片手で頭を掴んで持ち上げる図)


杏子「!?」


ゆま「いや!やめて!ママ!!離して!!」


ゆま「もう・・・ママの事・・・お電話で悪く言ったりしないから・・・
お爺ちゃん達じゃなくて・・・ママの傍にいるから・・・ママの言う事聞くから!
役立たずになんかならないから・・・!!」


ゆま「優しいママに戻ってよ!!また・・・手を繋いでよ・・・」



母親「ほうら・・こっちだ化け物・・こいつを食ったら・・・あたしを解放する・・いいな?」

使い魔「ッヒャ?」


杏子「よ・・・よしやがれ!!」ダッ



ドンッ








・・・バクンッ・・・

409 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:44:57.07 sOwokIh+0 396/759

杏子「・・・!」

幼女「ママ・・・?」



母親「あ・・あふん・・・」


使い魔「ヒャヒャヒャ・・・」ゴリッボリッ


使い魔「ペッ」


コロコロ・・・


(骨)

410 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:46:28.64 sOwokIh+0 397/759

ゆま「ママ!ママーッ!!」


杏子「や・・・やっちまった・・・!!いや・・・それよりも・・」



ハコの魔女「アハハハ・・・」フワフワ・・


ゆま「おっきなテレビ・・・ママの姿が映ってるよ・・・」


ゆま「いや・・・そんなの・・・見せないで・・・
ママが優しくしてくれたから・・忘れてたのに・・・やめてよ!!」





ゆま「わたしがママにぶたれるところをみせないでーッ!!」



ハコの魔女TVの母親「この役立たず!!」バキッバキッ

「お灸をすえないとね・・・ゆまぁ・・」ジュゥ・・


「なにも出来ないんだよお前は・・・」



杏子(そっか・・・そういう事だったんだ・・)ドサッ

411 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:47:30.33 sOwokIh+0 398/759

杏子(魔女に口付けを受けたほうが・・・優しい母親で・・・
本物の母親が・・・虐待していたなんて・・・こんな事もあるんだね・・・)


杏子(結局・・・また・・・不幸にさせちゃった・・・
あたしの・・・勝手な願いが・・・この子を不幸にしたんだ。)


杏子(あのまま・・・ウソでもいいから・・・優しい母親のまま・・・
一緒に死なせてやれれば・・・幸せな気持ちのままこの子は逝けたのかな・・・)


杏子(もう・・いいや・・・)

ドクンッ・・・


杏子(・・・あたしの中で・・・何かが生まれそうだよ・・・)

トクン・・トクン・・

杏子(ああ・・・そうか・・・とっくに聞いてたっけ・・・)


杏子(今なら・・・ほむらの話を理解できるよ・・・)



杏子(絶望した魔法少女は・・・魔女を産む・・・そうだったよな・・・)


杏子(心地良いんだ・・・怖いくらいに・・・これが・・・魔法少女にとっての死・・・)


杏子(魔女への・・・生まれ変わり・・・)


杏子(マミさん・・・最後に一言だけ・・・謝りたかったよ・・・)


杏子(さやか・・・まどか・・・友達になってくれてありがとうって・・・まだ言ってないよな)


杏子(ほむら・・・あんたとは分かり合えないままだったね・・・)


杏子(目を閉じてしまおう・・・魔女になった自分の姿が・・・なんとなく見えるよ・・)


Ophelia デン!(魔女文字)

412 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:48:11.18 sOwokIh+0 399/759

マミ「私のために・・・傍に居てくれないかしら」

まどか「杏子ちゃん!さやかちゃんと一緒だと楽しいでしょ?」

恭介「佐倉さんには、さやかに近いものを感じるよ。」




さやか「ねぇ・・・杏子・・・」




さやか「自分の都合のいいようになんでも信じてみようよ!」




バイオリン仮面「優しい嘘が必要なときがきっと来る。」


バイオリン仮面「なぜなら君が願った奇跡もまた・・・優しい嘘から始まったからだ」


バイオリン仮面「君はとっくに・・・気付いているはずさ・・・」


バイオリン仮面「君のお父さんが・・・成し遂げようとした事が・・・」



杏子「!!」(目を開く杏子)

413 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:48:53.87 sOwokIh+0 400/759

幼女「ママ・・・ママ・・・」


ハコの魔女「ヒャヒャハーッ」ふわふわ・・・


杏子「ふ・・ふざけるな・・・」グググ・・・


杏子「こんなのが・・・真実で・・・現実であってたまるか・・・!!」

杏子「あたしは・・・絶対認めない!人を不幸にする真実なら・・・目を背けたっていい!!」


杏子「こんなくだらねーのが真実だっていうのなら・・・壊してやる!変えてやる!!」


杏子「あたしは・・・あたしは今、信仰(うそ)が欲しい・・・!!」


杏子「こいつを・・・この子を幸せにするための・・・信仰(うそ)が欲しい!!」


杏子「だから・・・父さん、母さん、モモ!!あんた達を失わせた・・・あの力(うそ)が欲しい!!」



杏子「後でウソつきだといわれても構わない!!嫌われたり、罵られたりしても構わない!
だから・・・だからあたしは・・・」


杏子「あたしが願った幻惑(うそ)を・・・もう一度祈る!!」




・・・





ピカッ

414 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:50:17.37 sOwokIh+0 401/759

ゆま「ママ・・・」

ハコの魔女「ヒャヒャヒャ・・ヒャッ!?」


ゴキイッ


ハコの魔女「ぷきゃああああああ!!」ジタバタジタバタ



ゆま「ママ!!」


槍を持った母親「ゆまから離れろ!!あたしの姿を騙った魔女め!!」ブンブンブンッ


ゆま「ママ!ママ!やっぱり・・・優しいママだ!助けに来てくれたんだね!!」


母親「・・・離れてなゆま。あんただけは・・・絶対助ける!!」


ハコの魔女「ぶぎゃああああ!!」ダッ

ザシュッ

ゆま「ママーッ!!」



母親「残念、そっちは偽者さ!!」


ハコの魔女「!?」



母親「お前の元が・・・魔法少女でも同情しない・・・言い訳する暇も与えない・・・」


母親「だから・・・食・ら・え・・・・!!」





母親「最後の審判!!」





ザシュシュシュシュッ



ハコの魔女「ぷみゃあああああああああ!!!!」しゅうう・・・・




母親「判決はすでに降りた。お前に・・・発言権は無い。」



~(結界解除)~


ゆま「ママ!」たったったっ

415 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:51:47.35 sOwokIh+0 402/759

母親「ゆま!」ギュッ


ゆま「ママぁ・・・怖かった・・・怖かったよぉ・・・」ポロポロ・・・

母親「久しぶりだねゆま・・・大きくなったな・・・」

ゆま「久しぶり・・・?」


母親「ああ・・・魔女に姿を奪われて・・・何年もずっと閉じ込められてたんだ。でも、
もう大丈夫だ。」

母親「怖かっただろ?あたしの姿をした魔女が・・・毎日お前にいじわるしてたはずさ・・・」


母親「でも、安心しな!ママのニセモノは、全部倒した!ニセモノのビデオを流す
テレビの魔女も、あたしが全部やっつけた!!」


母親「だから・・・ゆまはもう・・・ママがいなくても平気さ。」


ゆま「ママ・・・?」


母親「今のあたしは・・・魔法少女なんだ・・・ママの姿を奪ったやつみたいに・・・
悪い魔女をやっつける・・・正義の味方なんだ。」


母親「今もどこかで・・・ゆまみたいに泣いてる子供がいる。
だから・・・助けに行くんだ。魔女からこの町を守るんだ。」

母親「だから・・・ゆまは・・・おじいちゃん達と仲良くやりな。」


ゆま「や・・・やだよ・・せっかく・・ママと一緒になれたと思ったのに・・・
優しいママが・・・戻ってきてくれたと思ったのに・・・」


ゆま「また離れ離れになるなんて絶対ヤダ!!」


416 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:53:08.15 sOwokIh+0 403/759

母親「・・・ゆま・・・大好きだよ。」ギュッ

ゆま「ママ・・・」

母親「あたしだって・・・ゆまを離したくない・・・
だから・・・駄目なんだ・・・行かなきゃ・・・それが・・・魔法少女だから・・・」


母親「約束する・・・おっきな魔女を倒したら・・・
いつか・・・帰ってきてこうしてまた・・・抱きしめてやる。」


母親「そしたらまた・・・一緒に住もう。だから・・・それまでは・・・
さよならなんだ・・・」


ゆま「ママ・・・」

ゆま「・・・?」


ゆま「・・・!!」


ゆま「うんわかった!わたし・・・いつまでも待ってるよ!
いい子にして待ってる!大人になっても、ずっとずっとママのこと・・・待ち続けるよ・・」ポロポロ


母親「ゆま・・・工場を出たら・・・警察に連絡して、保護してもらえ。」

母親「それできっと・・・おじいちゃんたちも・・・迎えに来るからさ・・・」


ゆま「うん!・・・それじゃあね・・・ママ・・・」

母親「・・・」


417 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:53:49.80 sOwokIh+0 404/759

ッ(幻惑解除)

杏子「ごめんな・・・守れない約束・・・しちゃったよ・・・でも・・・悪いことじゃないはずさ・・・」

杏子「これで・・・これでよかったんだよな・・・父さん・・・」


杏子「父さんは・・・何も大量の信者が欲しかったわけじゃない・・・」

杏子「自分の信仰に・・・耳を傾けてくれる人達に・・・かすかな幸せを届けたかったんだね・・」


杏子「やっと・・・父さんの気持ちが・・・解ったよ・・・あたしに怒ったわけもわかった・・・」


杏子「でも・・・あたしは・・・この力を手放さないよ。誰かを幸せに・・・できたんだ。」


杏子「気付くのがすこし・・・遅すぎたかな・・・」ドサッ


(薄れゆく意識の中車から降りてくる3人の影を見る杏子)


???「・・・さん!」

???「・・ウコ・・ちゃん!」

???「・・クラ・・・ウコ!!」







バタン!



418 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:54:37.53 sOwokIh+0 405/759

チュンチュン・・・


~佐倉杏会~


♪~♪~♪


杏子「・・・」ムクッ


氷室「気付いたようだね・・・」


杏子「氷室・・・ずっと・・・バイオリンを弾いてくれてたのか・・・?」


氷室「7曲!!「時さえあれば解け合えた心」(通常演奏)」

氷室「8時間じっくり演奏を聞かせれば、
対象者の体力はもちろんソウルジェムも回復できる作用を持っている!」


氷室「もちろん、君を心配していたのは僕だけじゃない。」


氷室「あれを見てごらん。」


(毛布にくるまって眠るまどか)

(毛布をまどかにゆずって雑魚寝する恭介)


杏子「まどか・・・恭介・・・」


杏子「そして・・・あんたは・・・8時間も演奏してくれたわけか・・・」

氷室「迷惑だったかい?」


杏子「いや・・・心地よかったよ・・・」




杏子「だから・・・かな・・・」

419 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:55:10.81 sOwokIh+0 406/759

杏子「演奏したこの場所も関係あるかもしれない・・・けど・・・夢を見たんだ・・・」

氷室「夢・・か。この曲にそんな効果は無いはずだけど・・・」


杏子「幸せだった頃の・・・家族が・・・父さんと母さんと妹・・・モモがいた。」

杏子「あたしだけは・・・今と同じ年齢だった。でも・・・父さんたちは・・・
あの時と同じように・・・あたしに笑ってくれた。暖かく迎えてくれた。」


杏子「相手からの言葉は・・・まったく聞こえない無音の夢だった。
あたしが・・・申し訳なさそうにしてても・・・ただ・・・暖かく微笑むんだ。」


杏子「あの時の事・・・許されてるのかどうか聞いても、何も返してこない。
ただ・・・微笑んであたしを・・・抱きしめてくれた。」


杏子「その時ふと思ったんだ・・とっくの昔にあたしは許されてたか・・・
父さんたちは初めからあたしをうらんじゃいなかったんじゃないかって・・・」


杏子「なぁ、氷室・・・あたしは・・あたしは・・・」ポロ…


氷室「君が逃がした使い魔だが・・・二件、同じ姿の使い魔を退治したことを確認した。」

420 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/30 11:55:52.32 sOwokIh+0 407/759

氷室「一つ目は使い魔が逃げた夜、君たちとは面識のない白い魔法少女がこれを撃破」


氷室「二つ目は巴さんとほむらさんが発見した使い魔が同じ特徴を持っていた。
これももちろん、撃破されている」


氷室「君が逃がした使い魔が、魔女になって人を襲ったと思って悩むのも、
君が魔女の本体を倒しただけと思うのも自由だ。」


杏子「あたし・・・もう一度・・・信じていいのかな・・・家族の絆を・・・
家族に許されたって・・・信じていいのかな・・・」ポロポロ・・・




氷室「・・・」







氷室「・・・君が信じたい物を・・・信じればいい。」








421 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 12:36:34.52 1AXtC1Ug0 408/759

~VS鹿目ほむら結界内~


鹿目「次は貴方よ、巴マミ」

マミ「レガーレ!(拘束魔法)」


シュルシュルッ

グッ


ほむら「縛った!奴が未来の私自身だと言うのなら・・・
こうなってしまっては、拘束を破る手段は無いはず!」


ほむら「マミ!そのまま撃って!躊躇しちゃ駄目!」

ほむら「奴はまどか達だけじゃなく杏子も殺そうとしているわ!
守りたい者のためにも・・撃って!」


マミ「ええ、解ってるわ・・・自身の身を守るためにも・・・初めて
同じ魔法少女を手にかけるわ。」

マミ「私たちは・・・氷室さんと一緒に・・・私たちの未来を勝ち取るの。
だから・・・撃たせてもらうわ・・鹿目ほむらさん・・・」


鹿目「・・・」


サクッ サクッ サクッ


マミほむさや「!?」

422 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 12:37:39.30 1AXtC1Ug0 409/759

マミ「た・・体内から無数のナイフが実体化して・・そのまま拘束を切り裂いた!?」

ほむら「バ・・・カな・・・これも未来の進んだ魔法だというの!?」


鹿目「魔法ではないわ。隠していただけ。今の私は服装のいたるところに圧縮した武器を隠し持っているの」

鹿目「これが未来の技術・・・盾に手を入れなくてもいいという点では、少女時代よりも優れているわよ」


マミ「ティロ!フィナ-」
鹿目「魔法少女同士の戦いでワザ名を叫ぶのはいただけないわ。」シュッ


マミ「!?消えた!」

鹿目「自分より圧倒的に速い相手なら簡単に対処されてしまう。」

(砲口に原寸化した鉄球を詰め込む鹿目)


鹿目「なにより、ハッキリ言ってダサイ」


ほむら「マミ、駄目!着火しては・・・!」


マミ「え・・・?」


カッ(暴発する砲台)



ドゴォォォォ!!

マミ「きゃああああああ!!」


キュゥべえ「契約するかい?美樹さやか」しれっ

ほむら鹿目「「インキュベーター!!」」

423 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 12:38:49.75 1AXtC1Ug0 410/759

さやか「キュ・・・キュゥべえ?」

キュゥべえ「契約するかと聞いているんだ、美樹さやか」

さやか「あ、あんた一体今までどこに居たのさ!?呼び出しても来なかったくせに!」

キュゥべえ「バイオリン仮面、氷室について調査していた」

キュゥべえ「そして、時空管理局まで動いてるとなれば・・・答えは容易に導き出せる」


キュゥべえ「だから、本来の行動をとってるまでさ、契約を必要としている子が居れば現れる。
ただそれだけだ」


鹿目「・・・魔女結界を張っているのだけれど・・・忍び込んでくるなんて、
この時代のあなたたちにそんな能力があったかしらね?」

キュゥべえ「この時代じゃありえない技術や魔術を持ち込んだのは
氷室と君が先じゃないか」


キュゥべえ「だから、ぼくもそういう対応をさせてもらった。
本来ぼくたちインキュベーターは魔女結界にも自由に入れる能力があるからね。」

キュゥべえ「不都合なら聞かれるまで不可能なフリをするまでの話。魔女自体が
ぼくたちがこの星に持ち込んだ物だから容易い」


マミさや「!?」


マミ「ちょ・・・ちょっとキュゥべえ!?何言ってるの・・・!?」

マミ「魔女を持ち込んだのが・・・あなた達ですって・・・?どういうことなの・・!?」


キュゥべえ「さて、どういう事だろうね。それよりも美樹さやかだ」


キュゥべえ「この状況を覆すには君が魔法少女になるしかないね。」


キュゥべえ「魔法少女の真相に近づいてもなお、君には守りたいものがあるのだろう?」


さやか「うん、そうだよ!あたしは・・・ほむら達を失いたくは無い!」

さやか「キュゥべえ!あたしは・・・魔法少女になる!覚悟を決めたよ!」


さやか「あたしの願いは・・・」

424 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 12:39:59.07 1AXtC1Ug0 411/759

さやか「強い魔法少女になりたい!ほむら達を守るための・・・強力な回復魔法の使い手になりたい!!」


マミほむ「!!」

ほむら「だ・・・駄目よ・・・魔法少女になるだけでなく・・・彼のための願いを・・・放棄しては・・・」


ほむら「その先には・・・絶望しかないないわ・・・絶望したら・・・あなたは・・・」

さやか「うん。わかってる・・・さっきの話でなんとなく・・・絶望した魔法少女がどうなるか・・わかったよ・・・」

さやか「そりゃ・・・こんな状況じゃなかったら・・・恭介のために願ってたと思うけど・・・」


さやか「それでも・・・なお助けたい人達がいるんだ・・・だから・・・」


キュゥべえ「上条恭介のために願いを使えば、並の魔法少女にしかならない君が・・・
戦闘力の底上げのため契約したいというのなら、僕も大歓迎さ」

キュゥべえ「強い魔法少女からは強い魔女が生まれる。
その時回収できるエネルギーは実に魅力的だからね」


マミ「・・!?キュゥべえ・・・?なにを・・・なにを言っているの?」


キュゥべえ「いいよ。その願い・・・聞き届ける。君を魔法少女に・・・」




ほむら「待ちなさい!さやか!鹿目ほむら!!こっちを見なさい!!」

425 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 12:40:57.49 1AXtC1Ug0 412/759

鹿目「!!」

さやか「!?」


キュゥべえ「こ・・これは・・・」


ほむら「そこから・・・2人とも余計なことをしないで・・・さもなければ・・・撃つわよ・・・」

鹿目「自分自身を?銃口を自分のこめかみに当てて・・・どういうつもり?
千切れそうな腕を即興で無理やり再生させて・・・自分を人質にできるとおもったの?」


ほむら「ええ・・・できるわよ・・・何故なら・・あなたは・・・未来の私だから・・・」

ほむら「ここで私が死ぬという事は・・・あなたの過去を無くすという事・・・
あなたを消滅させらると思うわ・・・」


鹿目「・・・本気で言ってるのかしら?いくつもの並行世界を行き来したあなたが・・・
本気でそれを思ってるのかしら?」


鹿目「過去の平行世界へ行くという事は・・・今ある世界を捨てるという事よ。
平行世界でまどかを救えても、あなたが元々いた世界のまどかが生き返ることは無いのよ」


鹿目「それと同じで、あなたがいまここで自殺しても未来の私が消えることはありえないわ。」


ほむら「いいえ・・・殺せるわ。」

426 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 12:41:38.62 1AXtC1Ug0 413/759

ほむら「魔法による時間遡行ではなく・・・タイムマシンでこの時代に来たと・・・
あなたはたしかに口にしたわ。時間操作の魔法も失ったと・・・」

鹿目「それが?」


ほむら「20年後の未来に・・・私は生きている・・・だから私だけは殺せないとも言った」

鹿目「そうね・・・」


ほむら「修正が利く今なら・・・この世界を別の時間軸として切り離さなくてもいいとも言った」

鹿目「だから?」


ほむら「ズレが少ない今・・・あなたがいた未来と・・・この過去は繋がっている・・・
だから・・・私を殺せば・・・あなたも死ぬのよ・・・」


鹿目「根拠は?私がいた未来とこの過去が、同じ世界だと思う根拠は?」


ほむら「バイオリン仮面・・・氷室と・・・上条恭介の関連性・・・!!」

427 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 12:45:12.93 1AXtC1Ug0 414/759

さやか「な・・・?ほむら!!一体どういうことさ・・・?」


ほむら「バイオリン仮面氷室は・・・バイオリンの名手・・・そして・・かつての上条恭介も・・・」

ほむら「氷室がこの時代に来た目的が・・・魔法少女だけでなく・・・上条恭介を絶望から救う事だとしたら・・・」


ほむら「自分がいた未来でも・・・そしてタイムマシンで戻る過去でも・・・
上条恭介は・・・バイオリニストでなければならない・・・」


ほむら「事実・・・氷室は上条恭介に・・・「自分が腕になる」と・・・上条恭介を救い出した」


ほむら「たまたま・・・タイムマシンで戻った時間軸で・・・上条恭介がギタリストだったという
マヌケな結果を・・・踏むわけにはいかない」


ほむら「でも・・・私の魔法では・・・それがありえた・・・
時間軸ごとに・・・ギタリストだったりバイオリニストであったりしたわ・・・」

ほむら「バイオリンでもギターでもない楽器の名手だったこともあった・・・」


ほむら「だから・・・私の魔法による時間遡行と・・・貴方達のタイムマシンは・・・
まったく別のものだと確信できる・・・」

ほむら「私の魔法は・・・今ある世界を放棄して・・・別の平行世界へと移動する物・・・
タイムマシンとは・・・同一の時間軸の過去と未来を・・・行き来するための物」


鹿目「・・・」




ほむら「違ったかしら?鹿目・・・ほむらさん・・・?」


428 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 12:46:03.72 1AXtC1Ug0 415/759

鹿目「ええ、正解よ。この時間と・・・私がいた未来は繋がっている」


鹿目「それでも・・・あなたが死ねば私も消滅するとは限らないわよ?」


ほむら「それでも・・・撃ってみせるわ・・・」

ほむら「あなたは断じて・・・私じゃない!!」


ほむら「決められた運命だからって・・・まどかを殺すの!?
私は・・・それに逆らい続けたんじゃないの・・・!?」


ほむら「あなたのような人間になるくらいなら・・・今ここで死んだほうがマシよ・・・」


鹿目「・・・」

スッ(懐に手を入れる)


ほむら「動かないで!!」


鹿目「戦意は無いわ・・・」

429 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 12:46:57.11 1AXtC1Ug0 416/759

さやか「!?新しいサングラスを取り出した!?」

マミ「一体どうするつもり?」


鹿目「・・・」


鹿目のサングラス「ハイ、チーズ!」パシャッ





さやマミほむ「・・・」



430 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 12:47:51.89 1AXtC1Ug0 417/759

鹿目「・・・送信。」


さやか「は?」


鹿目「鹿目です。高町隊長をお願い。」

マミ「あのサングラスが・・・通信機器になっているの!?」


鹿目「隊長・・・過去の私・・・暁美ほむらに自分自身を人質に取られました。」


さやマミほむ「!?」


鹿目「ええ・・・うかつな事は・・・私から「暁美ほむら」とは名乗ってません。」

鹿目「奴らから先に・・・気付きました。その後開き直って「暁美ほむら」と名乗りましたが・・・」


鹿目「追い込みも・・・全力全開でかけています。送信画像をご覧ください。
手足が千切れかけても・・・最後まで諦めない連中です。これ以上干渉すれば・・・私自身の命が危ない」


鹿目「もうこの過去は・・・別の時間軸として切り離してしまった方が得策だと思いますが・・・」


鹿目「はい・・・この時間軸は私が生きてきた世界です。
できることなら・・・私に全権を指揮させていただきたいと・・・」


鹿目「ありがとうございます・・・」

ピッ(通信解除)


鹿目「あなた達の勝ちよ・・・暁美ほむら。別の未来へ歩ませてあげる。
自分達だけでどこまでやれるか、試してみなさい」




マミ「え・・・!?」


さやか「・・・鹿目ほむら・・・もしかしてアンタって・・・話がわかる人!?」


ほむら「・・・あなた・・・最初からそのつもりで・・・」


鹿目「なんのことかしら?私の正体にたどりついたのはあなた達の推理でしょう?」

431 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 12:49:04.53 1AXtC1Ug0 418/759

ほむら「私が・・・私自身を人質にとるため・・・ワザとヒントになるような事ばかりを・・・
言っていたように見えたのだけれど・・・」


鹿目「なんのことかしら?」


さやか「ち・・・近づくな!」

鹿目「あせらないで。治療してあげるのよ。このままだと失血で過去の自分が死ぬと言えば、
上も下も納得させられるわ」


鹿目「といっても・・・再構築のほうが早いかしらね・・・」

鹿目「暁美ほむら・・・ありったけの魔力で修復なさい。
穢れは・・・こちらが用意したグリーフシードを使わせてあげる」


ほむら「・・・助かるわね・・・う・・んっ・・・」


シュウウ・・・


さやか「すごい・・・千切れかけた手足が・・・再生していく・・・」

マミ「否が応でも・・・自分をゾンビだと認めざるを得ないわね・・・」


鹿目「では、グリーフシードを・・・」


シュウ・・・


キラッ


キュゥべえ「戦わないのかい?なら・・・美樹さやかの契約は取ることが出来なさそうだね。」


鹿目「使用済みグリーフシードでも食べてなさい」ポイッ

キュゥべえ「きゅっぷい」ゴックン


鹿目「ホムリリー・・・結界解除・・・」


しゅわ~




432 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 12:49:53.29 1AXtC1Ug0 419/759

ほむら「魔女結界が・・・解けていく・・・」


マミ「ホムリリー・・・それが・・・魔女結界操作の呪文なの?」

鹿目「魔法少女によって呪文は異なるわ。」


鹿目「それぞれの内にある「絶望」と向き合うことがそれを可能とする。」


さやか「どこへ行くの?」


鹿目「言ったでしょ?あなた達で未来を掴み取りなさいとね。
修正が受け入れられないなら、管理局がワルプルギス討伐に力を貸すという話も無しよ」

鹿目「私は敵ではないけど味方でも無いの。できることならこの時代に干渉したくない」


鹿目「あなた達が氷室と呼んでる男に伝えておいて。鹿目ほむらが来たと・・・
近いうちに・・・審問をうけることになるとね。」

433 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 12:51:19.34 1AXtC1Ug0 420/759

さやか「・・・鹿目ほむら・・・」

マミ「行ってしまったわね・・・」


ほむら「なぜ・・・鹿目姓を名乗っていたのかしら・・・」

さやか「20年後の未来で・・・女の子同士で結婚が可能になるとか?」

ほむら「ま・・・まどかが・・・わたしの・・・お嫁さんに!?」ドキドキ

さやか「いや、お婿さんだろ。基本、夫の姓を名乗るものだから」


さやか「あっ!つーかあの未来のほむら!あたしを上条さやかとは呼ばなかった!
どういう事なの!!すぐ別れちゃうって事!?」ムキーッ


マミ「暁美さんがまんざらでも無いのはほっといて・・・
未来の世界で鹿目さん・・・紛らわしいわね・・・まどかさんは・・・死んでいるって・・・」

さやか「あ・・そっか・・・そういえばあたしも死んでるって言ってたっけ。
あたしもまどかも・・・結婚どころじゃないよね」


ほむら「なら・・・鹿目家の養子になったと考えていいでしょうね。それよりも・・・」



さやか「杏子!!杏子を助けに行かないと!!」


マミ「ちょっと待って・・・空が明るいわ・・・」

ほむら「・・・!?なんてこと?結界内で・・・8時間近く拘束されていたことになっている!!」


さやマミ「!?」

434 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 12:52:01.07 1AXtC1Ug0 421/759

ほむら「おそらく・・・あの結界が本来とは違う時間の流れをしているという事・・・
一体何のために・・・そんな効果を・・・!?」


マミ「佐倉さんは・・・佐倉さんは・・・無事なの!?」オロオロ


さやか「電話!!氷室さんの電話を杏子が持ち出したはず!!かけて!いますぐかけて!!」


マミ「ぇえええ・・」バタバタ

さやか「いいよ!あたしが電話かけるよ!!」


プルルル・・・


???「もしもし?」

さやか「氷室さん!?」


恭介「いや・・・恭介だけど。さやかかい?」


さやか「!?」

436 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 12:57:51.04 1AXtC1Ug0 422/759

さやか「恭介!?なんで?なんで杏子が持ち出した氷室さんの電話を恭介が持ってるの!?」


恭介「一晩佐倉さんと一緒だったからね」

さやか「!?」


ほむら「な・・・!?」


マミ「あ・・・あわわわわ・・・さ・・・佐倉さんが・・・上条君と・・・」


さやか「ど・・・どういう事だああああ!?恭介!!きょきょきょ・・・杏子と・・・
一晩一緒だったって!?」


恭介「・・・?言葉どおりの意味だよ」


さやか「恭介・・・あんたまさか・・・まさか・・・杏子と・・・」


ほむら「落ち着いてさやか!今までのパターンを考えて!!」

ほむら「大体があなたの勘違いだったでしょう?杏子がそばにいるからといって、
いかがわしい行為に発展したとは限らないわ・・・」


ほむら「いい?落ち着くのよさやか。上条君・・・すぐそばに・・・杏子はいるかしら?」

恭介「いるよ。ぐっすり寝ている」


さやか「寝ている・・・だって!?フーッ!フーッ!フーッ!」

マミ「とりあえず・・・魔女にやられた線は消えたのね・・・」

さやか「魔女じゃなくて・・・恭介に・・」
ほむら「杏子がどういう状況で寝ているか・・・具体的に説明してもらえるかしら・・・?」

恭介「・・・えっと・・・」




恭介「服がところどころ裂けてるけど・・・(氷室さんの演奏で)心は満たされている・・・かな?」

437 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:00:08.90 1AXtC1Ug0 423/759

マミさやほむ「・・・」




マミ「さ・・・佐倉さん・・・服を着たまま無理やりされて・・・快楽に目覚めたの・・・?
そ・・・そんな不潔な子だったなんて・・・」


ほむら「左手が使えない一般人に魔法少女がいいようにされてる時点で最初から
受け入れてるような物よ!」

ほむら「あ・・・」


さやか「ふふふ・・・あははは本当だ・・・救いが無いよ・・・」


さやか「でも・・・あと一回だけ恭介を信じてあげる・・・杏子の口からナニしてたか聞きたいな・・・」
ユラユラ

さやか「ねぇ恭介・・・杏子に代わってよ・・・でないとあたし・・・」


杏子「なんだよ・・・気持ちよく二度寝してたのに・・・」

恭介「さやかからだよ、電話に出てくれないか?」


恭介「よっぽど佐倉さんのことが心配なんだね。さやかにいい友達が出来て僕も嬉しい」

杏子「うるせ・・・///ほら、電話よこしな」


杏子「おっす、さやか何の用だい?」

さやか「あんた・・・恭介と一晩いっしょだったって本当?」

杏子「・・・本当だよ?」

さやか「・・・」プルプルプル


ほむら「大丈夫よさやか・・・まだ、あわてるような情報では・・・無いわ」

マミ「さ・・・佐倉さん!あ・・・あなたナニされたの!?ねぇ、無事だといってよ!ねえ!」


杏子(無事?・・・そっか、魔女と戦ってたんだっけあたし・・・)





杏子「ああ、問題ないぜ。(魔女が)生まれそうだったけど、多分大丈夫だと思う」




さやマミほむ「!?」

438 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:01:52.30 1AXtC1Ug0 424/759

ほむら「・・・希望は・・・無いのね・・・」

マミ「佐倉さんの純潔が・・・しかも・・・つけないで、奪われるなんて・・・」

さやか「・・・杏子・・・今どこにいるか教えて・・・」


杏子「教会だよ」




ほむマミ「すでに将来を誓い合っとるーッ!!」




さやか「今すぐ・・・行くね・・・」ピッ

さやか「・・・」

マミ「・・・」

ほむら「・・・」


さやか「中に・・・誰も居ませんよ」
ほむら「それだけはやめなさい」

439 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:02:48.55 1AXtC1Ug0 425/759

~佐倉杏会~

恭介「さやか達、なんだって?」

杏子「・・・こっちに来るんだって。学校はどうしたんだよ」


恭介「今週は土日休みだよ。やっぱりお互いに心配なんだね。微笑ましいよ」

杏子「・・・」

杏子「あのさ・・・恭介・・・」


杏子「もしも・・・さやかに会う前に・・・あたしと出会ってたらどうなってたかな?」

恭介「・・・?どういう意味だい?」

杏子「・・・わかりやすく言えば・・・さやかの代わりにあたしが幼馴染だったらって事」


恭介「・・・どうだろうね・・・さやかと同じように、好きになってたんじゃないかな・・・」

杏子「いい加減なやつだな・・・お前・・・さやかに言うぞ」


恭介「佐倉さんはさやかに通じる物があるからって意味だけどね」

恭介「さやかを好きだと自覚して初めて気付いた、僕の好みの話さ」


杏子「さやかより先に出会ってたら・・・あたしを好きになってたかも・・・か・・・」

杏子「なんか・・・ちょっぴり悔しいな・・・」


杏子「そんでもって・・・ちょっぴり嬉しい・・・」

杏子「最後はやっぱり・・・断られたような気がして・・・ちょっぴり悲しい・・・」




さやか「恭介ええええええええええええええええ!

杏子おおおおおおおおおおおおおおおお!!」バタン!!


440 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:03:47.73 1AXtC1Ug0 426/759

杏子「チッ」


さやか「ああああ!明らかに今嫌な顔した!!イチャついてるんだから邪魔すんなって顔した!!」


さやか「ねええええ!!恭介!?本当にどういう事なの!?ああああ、あたしより先に杏子と・・・」


まどか「・・・さやかちゃん・・・?」

さやか「まどかまで!?」

氷室「うるさいな・・・徹夜だったんだから・・・寝かせてくれよ・・・」


さやか「ひむろおおおおおおっく!?」

さやか「人数どころか男も女も関係ないのか!!きょ・・・きょうすけ・・・あんたどこまで・・・」


さやか「どこまで見境無いのよ!このおおおおお!!なんで、あたしは先に御呼ばれされないの!?
なんでなのよ・・・もおおおおお!!」


恭介「ん。多分、さやかが考えるような事実は無いから・・・落ち着こうね?」


(マミとほむらも到着後、魔法少女のことは隠しつつ説明)

441 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:05:24.76 1AXtC1Ug0 427/759

さやか「取り乱してすいませんでした・・・」

ほむら「まったくよ。そそっかしいったら無いわね」

マミ「年頃だから色々な物がいやらしく見えるし興味があるのは解るけれど
先輩として、落ち着き方を教えるべきでしょうか、美樹さん?」


さやか「アンタらも顔赤らめて恭介と杏子の発言を意味深に捉えてただろ!」


マミ「な・・・なんのことかしら?私は先輩として・・・男の子と一晩一緒だった
佐倉さんを心配しただけ・・・///」

ほむら「私は・・・上条君が・・・「杏子を満足させたぜ」って意味深に言うから・・///」


恭介「満足げに眠っているとはいったけどね。僕が満足させたとは言ってないよ」


杏子「・・・?まどか、こいつらがナニを勘違いしたかわかるかい?」

まどか「解るけど・・・口に出せないよ・・・こういうのは・・・杏子ちゃんが
自分で意味が解るようにならないと・・・///」


氷室「みんな、若いなぁ・・・思春期だなぁ・・・」

442 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:06:14.56 1AXtC1Ug0 428/759

さやか「あんたのせいだよ!みんなアンタに感化されてるんだよ!」

まどか「さやかちゃんは前からちょっとエッチなとこあったけどね」

さやか「くぉの~!まどか、この!」ムニュムニュ

まどか「やだちょっと、さやかちゃん!そういう所がオヤジっぽいんだよ!やめて!」


さやか「恭介もフォロー入れてよ!さやかちゃんは純粋なんだってみんなの前で言ってよ!」

恭介「ごめん。ちょっと自信もてない」

さやか「恭介!?くぉの~!恭介、この!」

さやか「・・・あ」




杏子「男と女でそれをする場合、さやかはナニを触るんだい?(純)」

さやか「・・・///」

恭介「・・・///」


さやか「恭介・・・その・・ゴメン・・・」

恭介「恥じらいを感じて、手を止めただけさやかはまだ純粋だよ・・・
僕のほうこそ・・・煽るようなことしてゴメン・・・」


さやか「えっと・・・とりあえず今は・・・ぎゅっとするだけでいいかな?」

恭介「う・・うん///」

ぎゅっ


マミまどほむ「きゃああああ///だ・・大胆!」


杏子「あああああ!うぜえええ!!!超うぜええええええ!!!勝手にあたしの家に入ってきて
いちゃついてんじゃねええよおおおおお!!!」


杏子「大体お前ら、ナニしにきやがった!」


ほむら「そうだったわね・・・氷室、あなたに訪問者が来たのよ・・・」

443 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:07:40.72 1AXtC1Ug0 429/759

~魔法少女の事情を知らない恭介はさやかと一緒(意味深)に帰宅(意味深)させ、
改めてほむらの話を聞く氷室~


氷室「そうか・・・鹿目ほむらさんが・・・この時代に・・・」

まどか「鹿目・・・?ほむらって・・・」

ほむら「そう、未来のわたしよ。なぜか鹿目姓を名乗ってるかは謎よ」


まどか「そ・・そうなんだ・・・」


まどか(・・・///ほむらちゃんと、家族になれたとしたら素敵だなってちょっと思っちゃった)



杏子「あたしは、氷室も未来人だって聞かされてなかったから新鮮だったな。
そういえば、変身してない時の特訓で出した縮小できる使い魔の動きを真似る人形も、
未来の技術って奴か。」


氷室「だとしたら・・・・お別れが近いかもしれない」


まどマミ杏ほむ「え?」




氷室「僕だってこの時代にずっと住んでいたいけどね・・・
ワルプルギスを倒した後に審問されるのなら大目に見られたかもしれないけど・・・
管理局が気付くのが少し早かった。」

444 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:08:25.80 1AXtC1Ug0 430/759

氷室「鹿目ほむらさんは・・・基本的に話がわかる人だけど・・・
どうしても上の目をごまかすために・・・なにかしら行動をとる必要がある。」


氷室「管理局の調査が早かった。そして僕を見つけてしまった。
鹿目ほむらさんは不本意ながらも僕を取り締まろうとするだろう」


氷室「審問を受けると・・・ワルプルギスの夜までに戻れるかどうか解らなくなる。
開放されてもワルプルギスの夜討伐・・・つまり歴史的要因改変に手を貸すなと言われる可能性もある。」


氷室「かといって僕が審問を拒否すれば、鹿目ほむらさんの上の者が指揮を代わり、
強制的な「修正」の措置が下るだろう」


氷室「結局は鹿目ほむらさんの指揮にあるうちに、僕が出頭した方が良いのさ。
そして・・・その後はいつ帰ってこられるか・・・解らなくなるけどね・・・」


まどか「そんな・・・氷室さん・・・今までわたしたちによくしてくれたのに・・・」

氷室「恭介には・・・希望を与えるだけ与えて・・・逃げ出した事になるかもね・・・
いつ戻れるか解らないんじゃ、アイツの「腕」になれない・・・」



杏子「そんな事で落ち込むやわなタマじゃねーよ。恭介は。」


445 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:10:18.97 1AXtC1Ug0 431/759

杏子「さやかがそばについている限り、絶対大丈夫だ。あたしが保証する」

氷室「・・・そうか」


杏子「あいつさ・・・ああ見えて結構根性ある気がするんだよね・・・
出会って間もないあたしのために一晩中看病してくれたりさ・・・///」


マミ(え・・・佐倉さん?)

ほむら(・・・落ちかけてるわね・・・)


氷室「・・・さやかが傍に居るから・・・か。人は・・・変われるもんだな・・・」

杏子「そ。だからさ、アンタは胸を張ってもとの時代に帰りなよ。」

杏子「そりゃ・・・一週間近く世話してくれた「パパ」だから・・・
寂しくないって事は・・・無いけど・・・」



ほむら(・・・こっちにも落ちかけてる・・・)


マミ(ま・・・まさか佐倉さんがライバルになるなんて・・・でも私も・・・
脈が無いってわかってながらも、氷室さんの事まだちょっと・・・素敵だなって思ってるのに・・・)


杏子「あんたからはすでに色々な事を教わってきた。だから・・・大丈夫。
3人もベテラン魔法少女が居ればワルプルギスなんて楽勝だって!」

杏子「それに・・・あたしは・・・あの力を・・・」


氷室「・・・!!まさか、取り戻せたのかい!?」


マミ「佐倉さん・・・取り戻せたってナニを?」


杏子「へへ、秘密だよ!近いうちにマミが驚くヤツを見せてやんよ!」


氷室「そうか・・・知らないうちに・・・君たちくらいの年齢の子は急に大人になる物なんだね・・・」


氷室「だとすれば・・・もう教えることも無いだろう・・・ワルプルギスの夜までに・・・
想定外の事が起こりえない限り・・・僕の役目は終わったといっていい」


446 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:11:00.19 1AXtC1Ug0 432/759

氷室「だから・・・出頭する前に・・・改めて全てを話そうと思う。
20年後の未来までに起こった出来事・・・そして・・・20年後の魔法少女システムの事を」


氷室「さやかも踏まえた上で明日、ほむらさんの家に集合してくれ」


ほむら「!?待ちなさい、なぜ私の家なの?」

氷室「君からも告白すべき事があるだろう?魔法少女の真実を」


ほむら「・・・ついでに言ってしまえというわけね・・・いいわ。私の家に来て」

ほむら「あそこには・・・私が生きてきた様々な時間軸の資料が置いてある・・・
確かに説得性を持たせるのならあの家で一緒に見てもらったほうがてっとり早いでしょうね」


氷室「ありがとう。助かるよ。」


氷室「君が話してくれるのなら・・・僕も・・・そして「彼」も・・・話を理解させやすく出来るしね」


ほむら「・・・彼?」


447 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:11:54.39 1AXtC1Ug0 433/759

~さやかの部屋~

さやか「まずウチさぁ・・・両親でかけてるんだけど・・・お茶でも飲んでいかない?」

恭介「い・・頂いていこうかな・・・///」


~~~

さやか「お待たせ!アイスティーしか無かったけど、いいかな?」

恭介「あ・・・うん・・」

さやか「固くなってるよ、恭介?」

恭介「え・・いや・・そんな事は・・・」

恭介「あるかな・・・女の子の部屋に入るのは初めてで・・・緊張してる」


さやか「そっか・・・小さい頃からに付き合いだけど・・・恭介を入れたことなかったっけ」

さやか「初めてがあたしの部屋って、光栄だな~」


恭介「な・・・なんか今日は大胆だね・・・(セクシー、エロいっ)」

さやか「あたしの勘違いだから良かったけど・・・杏子や仁美に取られるのなら・・・あたし・・」

恭介「ささささ・・・さやか・・!?」


ほむら「・・・」


さやか「って、なんでほむらが!?」

ほむら「・・・続けて頂戴」

さやか「できるか!!」


ほむら「明日、重要な説明をするわ。私の家に集合して。氷室も全てを話すと言っているわ」

さやか「氷室さんが・・・?」


ほむら「今夜は楽しみなさい。伝えることは伝えたから、帰ってあげる」

さやか「・・・知人に知られた上でハメ外せるか!」

448 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:12:57.96 1AXtC1Ug0 434/759

恭介「・・・明日は・・・氷室さんの所にいくんだね・・・」

さやか「・・・や、やきもち!?あのね・・・恭介、これは違うんだよ」


恭介「さやか・・・」



チュッ





さやか「・・・きょ・・きょうすけ・・・・///」


恭介「僕も同じ気持ちだよ・・・さやかを誰にも渡したくない・・・」

恭介「でも時々・・・僕よりもバイオリンを弾ける氷室さんの方が・・・
さやかにふさわしいんじゃないかって思うときがあるよ・・・」

恭介「この腕が動くのなら・・・氷室さんをいつか越えたいって思う。
師匠でもあり・・・ライバルなんだあの人は・・・」


恭介「さやかのためだけに・・・氷室さんよりも良い演奏を・・・聞かせてあげたい・・・」


さやか「恭介・・・」


ぎゅっ



さやか「いいよ・・・」

恭介「さ・・・や・・か・・?」


さやか「恭介が不安なら・・・あたしの全部・・・恭介にあげる」

さやか「二度とはなれない絆が欲しいのなら・・・あたし・・・」




449 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:13:42.43 1AXtC1Ug0 435/759

~ほむほーむ~


ほむら「あなたが私の家に泊まりたいだなんて、珍しいわね」


杏子「・・・あんたが言ってたこと・・・信じる気になったんだ。」

杏子「否が応でも・・・自分の中の魔女が見えたんだ・・・昨日の戦いで・・・」

杏子「それよりも・・・マミたちより一足先に「資料」ってやつ見せてくれねーか?」


杏子「試してみたい新必殺技に多分必要な情報なんだ」

ほむら「しん・・・ひっさつわざ・・・?」プッ


杏子「なんだよ!悪いかよ!!」


ほむら「いいえ。やっぱり貴方達・・・師弟だと思うわ・・・」クスクス

450 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:14:46.75 1AXtC1Ug0 436/759

まど家にはマミ、まどかでお泊り会をし、


翌日・・・ほむほーむ



ほむら「さやか・・・昨日はお楽しみだったかしら」


さやか「・・・あ・・うん・・・」

まどか「あれ・・・?」

マミ「真っ赤な顔して否定すると思ったら・・・」


さやか「心が通じ合ってる者同士だと・・・
案外いやらしい後味はない物だと思うよ、あたしは」


ほむら「!?何かを悟った!?ま・・・まさか本当に・・・」

杏子「なんの話しかわからねーけど、早く進めようぜ。」


氷室「まだだ・・・彼がまだ来ていない」

杏子「彼?」


キュゥべえ「待たせたね、氷室」ひょこっ

451 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:15:40.65 1AXtC1Ug0 437/759

ほむら「・・・!?インキュベーター!!」


氷室「警戒しないでほむらさん・・・僕が呼んだんだ」

氷室「彼もいないと話が理解しづらい。これで全員だ。この7人で話し合いは行われる」


杏子「揃ったのなら、まず先に・・・あたしからマミに話をさせてくれるかい?」

マミ「なにかしら・・・?」


杏子「約束しただろ?無事帰ってこれたら・・・あたしの本当の気持ちをマミに伝えるって」


杏子「これが本当のあたしの気持ちってヤツさ」ガバッ


マミ「さ・・・佐倉さん!?腕を私の首のうしろに組んで、一体ナニを・・・!?」

杏子「マミさん、ずっとあたし・・・謝りたかったんだ」


まどさやほむ「!?」


杏子「あの時はごめんねマミさん・・・それから・・・」

杏子「マミさん・・・大好き。んっ・・・」チュッ




マミ「さ・・・佐倉さ・・・ん・・・!?」ぷしゅぅ・・・



ほむら「きょ・・杏子とマミが・・・!?」

さやか「キス・・・しちゃった・・・」


まどか「マ・・マミさん!気を確かに!女の子同士だからノーカンだよ!
わたしだってほむらちゃんと・・・」

ほむら「まどか!それは言わないで・・・!!」


マミ「あ・・・あうあぅ・・」パクパク


杏子「・・・///」



???「デレデレ杏子ちゃんかと思ったかい?」

マミ「・・!?」

452 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:16:25.62 1AXtC1Ug0 438/759

もう一人の杏子「残念、そっちはニセモノでした!」


まどか「・・・あ!」

さやか「杏子が・・・もう一人!?」


氷室「幻惑の魔法・・・やはり復活していたんだね」


2人の杏子「昨日の魔女戦で取り戻したんだ。
この魔法を使って、誰かを幸せにできるってもう一度信じたら、自然に力が漲った」

(手を取り合ってくるくると回る2人の杏子)


杏子「幻惑解除っと・・・」しゅう・・・

さやか(ん!?)


マミ「び・・・びっくりした・・・私にキスをした佐倉さんは・・・
ロッソ・ファンタズマの方だったのね・・・」

まどか「ロッソ・・・ファンタズマ?」

ほむら「つっこんでは駄目。あなたもあっち側に引き込まれるわ」


杏子「でも・・・謝りたかったって気持ちは本当だよ。」

453 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:17:38.58 1AXtC1Ug0 439/759

杏子「マミの優しさに甘えて・・・何度もわがままを言って・・・
なのに最後には裏切ってあんたの傍から離れた」

杏子「心にも無いこと言って・・・あんたを・・・自分を傷つけた」

杏子「マミはどんな時でも味方でいてくれたのに・・・
お互い傷つかないために離れるしかないって思い込んでいた・・・」


杏子「・・・でももうそんなのはやめだ」

杏子「あたしは・・・あたしが願った奇跡を・・・自分で否定したりしない」


杏子「二度と家族を・・・失いたくない・・・」

マミ「え・・・」

杏子「あんたの事だよ・・・マミさん」


杏子「二回・・・あたしは絶望に飲まれかけたんだ・・・」


杏子「一度目は心中があった日・・・本当の家族とは違うけど・・・
姉のように優しくしてくれる人が居る・・・それがあたしの心を繋ぎとめてくれた」


杏子「二度目はおととい・・・あんた達は事情をしってたみたいだが・・・
虐待していた母親とその娘を助けちまった時・・・」

杏子「もう一度信じようとした物が崩れるとき・・・またマミの声を聞いた」


杏子「正義のためじゃなく・・・自分のために傍に居てくれって言葉が嬉しかった・・・」


マミ「佐倉さん・・・」


杏子「家族だけじゃない・・・友達の声も聞こえたっけ。
さやか・・・まどか・・・恭介・・・それに、氷室の声も」

ほむら「泊めてあげたのに・・・私は友達ではないのね・・」


杏子「・・・あの時の話だ。今は嫌いじゃないけど好きじゃないって所かな」


杏子「その声があたしを絶望から救い出した。だから
もう一度・・・あたしは家族を・・・友達を守るために戦うよ」

杏子「あたしにとってのマミは、姉さんなんだ。」


杏子「また・・・アンタの傍に・・・居させてくれねーかな?
今度は先輩後輩じゃなくて・・・家族としてお願いするよ」


マミ「佐倉さん・・・」ポロポロ


マミ「そんなこと・・・嬉しいに決まってるじゃない・・・
私だってずっと・・・あなたの事心配してたから・・・」


杏子「まだ嬉し泣きは早いぜ?マミに・・・見せたいものがあるんだ。
みんなも外に出てくれ」


~いったん外~

454 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:18:20.91 1AXtC1Ug0 440/759

杏子「・・・せーのッ!!」


ズラーッ


まどか「!!今度は・・・杏子ちゃんだけでなく・・・大勢の魔法少女の幻影!?」

マミ「す・・・すごい・・・ロッソの時よりも・・・増えてる・・・
ざっと30はいるのかしら?」


さやか「マミさんとほむらの幻影が加わっただけじゃない!魔法少女姿のあたしとまどかもいるよ!」

ほむら「・・・今までのループで数えるほどしか出てこなかった魔法少女の幻影もいるわね・・・
昨日資料が見たいといったのはこういうわけだったのね」


杏子「・・・大体7種類くらいなら魔法少女の幻影を大量に並べられるようになった」

マミ「これはもう・・・ロッソ(赤)ではなく・・・虹ね。」


さやか「赤・・・青・・・ピンク・・・紫・・・黄色・・・黒・・白・・・緑・・・正確には8色だね。」

さやか「緑の魔法少女はゆまちゃんのイメージか・・・仁美でも良かったんじゃないの?」


杏子「だからさ・・・もうロッソ・ファンタズマじゃないだろ?」モジモジ


マミ「・・・?」

杏子「仲直りのしるしに・・・マミに・・・このワザの名前・・・つけてもらいたくてさ・・・
急遽新必殺技を考えてみました!」(屈託の無い笑顔)



マミ「あ・・あうっ」ズキューン




まどか「なにやら撃ち抜かれたような擬音が聞こえたよ!」


さやか「マミさん・・・これは完全に杏子に落ちたな・・・」



マミ(なによ・・・なによこの子・・・可愛すぎるわ・・!!)

マミ(わざわざ私に・・・必殺技の名前をつけてもらいたくて新しい事を考えるなんて・・・)


マミ(できない・・・この子と再び争うことなんて・・・わたしには出来ない・・・)

マミ(この子を憎むことなんてできない・・・
この子のためなら・・・正義も・・・世界も裏切ってみせる・・・)


ぎゅっ


杏子「マミ・・・さん・・・?」

455 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:19:29.37 1AXtC1Ug0 441/759

マミ「もう二度と・・・あなたを離さない・・・!!」

マミ「もう二度と・・・あなたから離れない・・・!!」


マミ「無理に誰かの前でかっこつけたりもしない・・・今度はちゃんと・・・
お互いに足りないところを素直に認め合いましょう・・・」


杏子「マミ・・・」


マミ「「アルコバレーノ・ファンタズマ」・・・虹色の幻影・・・これが新しい必殺技名よ」


杏子「・・・相変わらずのセンスだな・・・」

マミ「気に入ったかしら?ちゃんと叫んでね。」

杏子「気に入る気に入らないよりも・・・確かな感情は・・・「懐かしい」かな・・・」

杏子「遠回りだったし・・・意地張ってばかりだったけど・・・
やっと・・・心安らぐ場所に来れた気がする・・・自分の居場所を見つけた気がする」


マミ「だとしたら・・・私が言えることは・・・これだけでいいわね・・・」

杏子「?」







マミ「お帰りなさい」








マミ「あなたはたった一人の・・・私の、最後の家族・・・」

456 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:20:40.39 1AXtC1Ug0 442/759

杏子「・・・!!」


杏子「マミ・・・さん・・!」ポロッ

マミ「なぁに?」

杏子「マ・・・ミ・・さん!!」ポロポロ・・・

マミ「ちゃんと聞こえてるわよ?」

杏子「マミさん!!ごめんね・・・ごめんね・・・」ポロポロポロ


マミ「許すことなんか何も無い」

マミ「だって最初から恨んでないもの」



杏子「わああああああああああ!!」ボロボロ・・


杏子「会いたかった!ずっと・・・会いたかったのに・・・・」


杏子「こうしてまた・・・優しさに甘えたかった・・!!そばに居て欲しかった!!」


杏子「なのになんで・・なんであたしは・・・マミさんを傷つけて・・・なんで・・・!?」


マミ「気にしなくていいわ。私はとっくに気付いていたから・・・」


マミ「あなたがあの時の優しい佐倉さんのまま・・・何一つ変わって無かったって事にね」



杏子「大好きだよ、マミさん・・・もう絶対に・・あんたを一人にしたりはしないから・・・」


マミ「うん・・・うん・・・」ポロポロ・・・



さやか「杏子・・・良かったね・・・」グスッ

まどか「マミさん・・・本当に・・・もう一人ぼっちじゃないんだね・・・」


キュゥべえ「家族が増えるよ!やったねマミちゃん!」
さやか「おい、やめろ淫獣」


さやか「・・・」


ほむら「・・・」プルプル



さやか「あれれ、ほむら~もしかしてあんたも泣いてるの~?」

457 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:21:59.42 1AXtC1Ug0 443/759

ほむら「泣くわよ!悪いかしら!?私だって・・・家族と会ってないもの・・・」

まどか「もう何年くらい・・・?」

ほむら「言わせないで!数えるのも諦めるほどよ!」


さやか「そっか・・・ほむらは累計で言えばもう相当長い間・・・家族に会ってないんだね・・・」


ほむら「ええ・・・でもいつか帰ってみせるわ・・・彼女達と違って・・・私は失ったわけではないもの」


さやか「それはそうと、泣いてるほむらって新鮮だね」

ほむら「・・・!!ほ、ほうっておいて頂戴・・・」


まどか「わたしと二人きりの時は良く泣くんだけどね」

ほむら「まどか!!」

さやか「ほほぅ・・・これは有力情報を・・・あたしもとうとう、嫁をほむらに任せるときが来たのかな?」


まどか「恭介君がいるのにナニ言ってるのよさやかちゃん・・・」

ほむら(!?お・・・女の子同士だというところにはツッコミを入れていない!?
この流れは・・・もしかして・・・)


ほむら「まどか・・・私・・・あなたが大好きよ」

さやか「うぉっ!ど直球で来た!?」


まどか「わたしもだよ。ほむらちゃん」

さやか「真芯で捉えた!?」


ほむら「ううん。友情じゃないわ。愛として貴方が好き」

さやか「変化球だよ!バッターまどか、どう出る!?」


まどか「それでもわたしは構わないよ」


さやか「打ったーッ!!ぐんぐん伸びて客席へーッ!!」




さやか「ほむらという名の打球、ほーむらんっ!!」


まどか「さやかちゃん、マジメな話するから黙っててね。
上条君とイチャついてる時、同じことされたいのかな?」





さやか「・・・すいませんでしたぁッ!!」

458 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:23:13.46 1AXtC1Ug0 444/759

まどか「ほむらちゃんが過去を繰り返してわたしを助けるために頑張ってたって聞いて・・・
すっごい胸が張り裂けそうになった。ほむらちゃんが生きてきた時間を解ってあげたくてもできないのが・・・
悔しかった」

まどか「でも・・・そんなわたしでもなにか出来ないかって思ったら応える事だと気付いたの」

まどか「だから・・・応えるよ。ほむらちゃんがわたしに抱いてる気持ちが友情でも愛情でも」


ほむら「まどか・・・!!」

まどか「でも・・・将来的にちゃんと男の人を好きになってくれたほうが、嬉しいかな」

ほむら「あ・・う・・・」グサッ


まどか「それまではずっと一緒!ちゃんとほむらちゃんに好きな人が出来るまで、傍に居てあげる」

ほむら「じゃ・・・じゃあ、私が永遠にまどか以外を好きにならないなら、ずっと傍に居てくれるの!?」

まどか「構わないけど・・・わたしたちまだ中学生だからね・・・移ろいやすいよ?」


まどか「ほむらちゃんだって心変わりする事があるかもしれない。
でも、それまでは一番大切な人になってあげる」

まどか「だから・・・ほむらちゃんも・・・自分を粗末にしちゃ駄目だよ?」


まどか「ワルプルギスの夜と刺し違えてでもっていうのは駄目だよ?」

まどか「ワルプルギスを倒せた後、絶望に負けるのも駄目」

まどか「わたしが無事でも・・・ほむらちゃんがいなくなったら悲しいよ・・・」


まどか「だから・・・魔法少女が・・・絶望に負けない世界を目指そうよ!
ほむらちゃんも、必死に運命に逆らってみようよ」


まどか(それでも・・・魔法少女が魔女になる結末を変えられないのなら・・・わたしは・・・)


まどか「この5人で・・・ちゃんと帰ろう。みんな無事で帰ろうよ」

まどか「約束・・・できるかな?ほむらちゃん?」


ほむら「約束するわ・・・自分自身も・・・あなたも・・・絶対に悲しませはしないから・・」


まどか「うん!」



まどほむ「イチャイチャ」マミ杏「イチャイチャ」


さやか「・・・」

459 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:23:53.21 1AXtC1Ug0 445/759

氷室「もういいかな?君たち・・・ほむらさんの家に戻ろう・・・ただでさえ長引きそうな説明が・・・
後回しにされると・・・」


さやか「あたし帰っていい?あたしも恭介とイチャつきたい・・・」


氷室「唐突だけど、僕独身なんだよね・・・この光景はきつい・・・」

キュゥべえ「ナニをいってるんだい?僕たち3人いるから、後一組カップリングができるじゃないか」


さやか「あたしには恭介がいるから・・・」


キュゥべえ「なら僕と氷室か・・・」

氷室「キュゥべえ、こっちおいで」

キュゥべえ「きゅっぷい」ぴょん♪


氷室「あったかいね・・・」ぎゅっ






氷室「って誰得やねんッ」ガンッ



キュゥべえ「きゅううう・・・」ガンガンガンッ!



さやか「はやく戻ろうよ・・・人が集まってくるよ・・・」

460 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:25:28.17 1AXtC1Ug0 446/759

~ほむホーム~


ほむら「さて・・・マミには教えたけど・・・
まずは魔法少女の本体がソウルジェムという所からおさらいしようかしら?」


杏子「その必要は無いわ」ドヤッ

ほむら「誰の真似かしら?」イラッ


杏子「魔女にふいうちをくらって腹に穴が開いた。でも・・・
魔力を込めれば修復できた。自分が人間じゃないって思っちまったけどさ・・・」

杏子「それで・・・救える命があったんだ。だから・・・あたしはこの身体になったことを後悔してないよ」


ほむら「ソウルジェムが本体・・・なら・・・それが濁り切ったとき私たちはどうなると思う?」

ほむら「キュゥべえに聞いても、「魔法が使えなくなる」とか「魔法少女としての命を終える」
という漠然とした返答しかなかったでしょ?」


ほむら「とは言っても・・・もうマミ以外は気付いてるみたいだけど・・・」


マミ「何なの・・?ナニが・・どうなるって言うの・・・?」


ほむら「少女は成長すると女になる。それを魔法少女で当てはめてみなさい」



マミ「・・・魔女・・・?私たち・・・魔法少女の成長は・・・魔女としての転生って言いたいの?」



キュゥべえ「訂正するほど間違ってないね」


マミ「!!」

マミ「キュゥべえまで・・・そんな・・・」


マミ「私たち・・・魔法少女はいずれ魔女になる存在・・・そして・・・元々は仲間だった者達を・・・
食い物にして生きている存在・・・だと・・・言うの・・・」


ほむら「かつて私は・・・いくつもの並行世界をめぐり・・・あなた達が魔女になるところを何度も見てきた」

461 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:26:10.98 1AXtC1Ug0 447/759

スクリーンに投影される魔女画像)


ほむら「まどか」 Kriemhild_Gretchen 

ほむら「さやか」 Oktavia von Seckendorff 

ほむら「マミ」  Candeloro

ほむら「杏子」  Ophelia


マミ「あ・・・ああ・・」

さやか「・・・」

まどか「ひどい・・・」


マミ「キュゥべえ・・・あなたは一体何のために・・・こんな事を・・・」


462 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:26:43.43 1AXtC1Ug0 448/759

キュゥべえ「君たちが魔女を孵化するときに生じる莫大な感情エネルギーが欲しいんだ」

キュゥべえ「僕の正式名称はインキュベーター。
マミが好みそうな表現だと「孵卵器」にそのルビを書けばなんとなくわかるだろう」


キュゥべえ「魔女になって、宇宙のためのエネルギーに・・・なろっ♪(直球)」


マミ「・・・ソウルジェムが・・・ソウルジェムが魔女を産むのなら・・・」


ほむら(・・・!?マズイ・・!!アレが来る・・・!!)

シュイン(変身)


シュルシュルッ

杏子「お・・おいマミ・・・!?」


マミ「みんな死ぬしか・・・・」


マミ「・・・」


463 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:27:50.75 1AXtC1Ug0 449/759

杏子(仲直りのしるしに・・・マミに・・・このワザの名前・・・つけてもらいたくてさ・・・)

杏子(大好きだよ、マミさん・・・もう絶対に・・あんたを一人にしたりはしないから・・・)


マミ「うっ・・・うっ・・」

カラァン


シュルシュル(拘束解除)


マミ「撃てない・・・撃てるわけ無いじゃない!」


マミ「でも私・・・魔女になりたくない・・・魔女を倒したくない・・・魔法少女も・・殺せない・・・」


マミ「どうすればいいの・・・?どうすればよかったの・・・?」

マミ「あの時・・・素直に死んでれば・・・傷つかずに・・傷つけもせずに・・・済んだの・・・?」


杏子「それだけは絶対違う!!」

杏子「あたしとマミが出会ってなかったら・・・あたしはとっくに魔女になってたんだ!」

杏子「マミが・・・マミが死んでれば良かったなんて絶対無い!絶対みとめねー!!」

杏子「頼むよ・・・あたしのためにも・・・生きてくれ・・・傍に居てくれるって約束したじゃんか・・・」



マミ「佐倉さん・・・うっ・・うっ・・・」ぎゅっ


マミ「わああああ!!うわあああああああああああ!!」ポロポロ・・・・

464 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:29:34.35 1AXtC1Ug0 450/759

まどか(マミさん・・・)

まどか(やっぱり・・・魔女のいない世界を作るには・・・わたしが・・・)


ほむら「マミ・・・月並みな言い方しかできないけど・・・ワルプルギスの夜が現れれば・・・
数千人規模で被害が起こる。あなたが倒した魔女・・・元魔法少女達よりも多くの屍が積まれるわ」

ほむら「守るのよ・・・あなたによって救われた命・・・これからも・・・あなたによって救われる命・・・
私達が戦いをやめてしまえば・・・それが全て失われる」


ほむら「きっと魔女になった魔法少女達も・・・そんな事望んでないわ・・・」


氷室「人間の世界も・・・人間が人間を裁く。犯罪者になった人間は・・・罪を償う。」

氷室「魔女は・・・魔法少女によって倒されることが贖罪になるんだ・・・
それも・・・殺人犯相手なら・・・同情しちゃいけない・・・警察の立場なら人間だってそうする」


さやか「そうだよ!マミさんが助けてくれなかったら、あの時まどかとあたしだって、死んでたかもしれないんだ」

マミ「でも・・・私・・・ずっと・・正しいことをしてきたと思っていたのに・・・
いままで倒した魔女は・・・元々わたし達と同じ・・」


氷室「だったら・・・正義の味方じゃなくてもいいさ・・・」


マミ「え・・・?」


杏子「だな・・・マミは考えすぎるところがある。
正義の味方じゃなくていいって自分で言いだしたのはマミなのに・・・」

465 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:30:44.41 1AXtC1Ug0 451/759

杏子「目を背けたい真実があってもいい。自分の心をごまかしてもいい」

杏子「そんなもんで誰かが不幸になるのなら・・・正義なんていらねー。
あの親子を見てそう思った」

杏子「だからマミ・・・あたしからアンタに言える信仰はただ一つだけだ」

杏子「あたしが弟子だった時の約束・・・一緒にワルプルギスと戦おうって・・・覚えてるかい?」


杏子「それだけ信じろ。後のことは・・・後で考えろ」


杏子「交わした約束を守る。それだけでいい。だからあたしのためにも、一緒に戦ってくれ」

杏子「あたしはいつでも・・・あんたの傍に居るからさ・・・」


マミ「佐倉さん・・・」


氷室「珍しいことじゃないさ・・・大人になるまでに・・・
時には自分に嘘をついたり、卑怯な手段で正当化したりするのはね・・・」

氷室「かといって、そればかりに浸ってしまえば・・・死んだように生きる大人になるけどね・・・」


氷室「だから・・・死にながら生きる道を選んだ。僕たち魔法使いの身体も・・・
基本的には君たちと同じ抜け殻さ。」


氷室「たった一つ・・・守りたい物があった。僕はそれを取り戻すために・・・この時代に来た」

氷室「魔法少女と魔法使いは・・・大人でも子供でも無い存在かもしれない。
悪でも正義でもないかもしれない・・・
自分の純粋な願いのために・・・そのどちらにもなれるヤツが・・・生き延びる」


氷室「君が自分の生きる意味を見失いつつあるのなら
今は・・・さやか達のためにも・・・生き延びることだけでも考えて欲しい」


氷室「生きてさえいればきっと、生きることの意味を・・・見つけることが出来るから・・・」


マミ「氷室さん・・・」




ほむら「私も同じよ、マミ・・・」

466 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:31:34.64 1AXtC1Ug0 452/759

ほむら「まどかを救い出すために・・・何度も手を汚してきた。
魔女に襲われる人達を助けもしたけど・・・別の世界であなた達を犠牲にすることもしてきた」


ほむら「今の私は・・・救うべき相手がまどかからまどか達に代わっただけにすぎない」


ほむら「あなた達に危害を加える者がいるのなら・・・例えそれが元々魔法少女だった者でも戦う。それだけよ」


さやか「前も言ったけど、あたしは・・・恭介の傍にいる事が願いだったからね」

さやか「恭介が魔女に襲われたら・・・迷い無く契約すると思う。
相手が元々魔法少女だったとしても・・・戦うよ」


さやか「正義の味方になりたかったけど・・・本当の願いはそうじゃなかった・・・
だから・・・契約前に・・・恭介に気持ちを伝える事が大事だと気付けた」

さやか「もちろん、マミさんも今のアタシにとって大事な人。だから・・・絶対魔女になんかさせない」

さやか「だから今のあたしは・・・
恭介やマミさん達を守るためなら・・・ズルい事だってできちゃう・・・かな・・・
自分や他人を犠牲にしない範囲でなら・・・そうする」


まどか(自分の願い・・・自分の守りたいもの・・・)


まどか(わたしが・・・すべての魔女の消滅を願えば・・・魔法少女達に救いが生まれるかもしれないけど・・・)

まどか(それは・・・わたしが本当に望んでることなのかな・・・わたしを大切にしてくれる人達を・・・
置き去りにしてるだけじゃないかな・・・)


まどか(願えば・・・ほむらちゃん達とも離れ離れになる気がする・・・たとえ
魔女が生まれなくなった世界でも・・・ほむらちゃんを悲しませることになる・・・)


まどか(それが正しいかどうかじゃなくて・・・魔法少女の一人として・・・叶えたい願い・・・
みんなそれに真剣に向き合おうとしている)


まどか(わたし・・・また迷っちゃった・・・)



マミ「みんな・・・」

467 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:32:44.49 1AXtC1Ug0 453/759

マミ「ありがとう・・・もう大丈夫よ・・・」


マミ「そうね・・・私も正義の味方というよりは・・・
誰かと誰かの絆を繋ぎとめる・・・そんな魔法少女になりたかった・・・かもね・・・」

マミ「それでいて、自分も粗末にしたりしない。自分もひとりぼっちになっちゃいけない・・・」

マミ「それが私の・・・本当の願い・・・私は・・・あなた達を繋ぎとめる事が・・・できてたかしら?」

マミ「氷室さんが・・・全てリードしていた気もするけど・・・」


さやか「ナニいってるんですか!?マミさんがいなかったら
あたしもまどかも、杏子とこんなに早く友達になれてなかったって!」

まどか「きっとすれ違いや衝突があったかもしれない。すぐにわかりあえたのはマミさんのおかげですよ!」


ほむら「あなたがまどかとさやかに魔法少女のことをわかりやすく説明していなかったら・・・
私もただの電波さんとして認識されてたでしょうね。どうにも口下手で困っているのよ」


杏子「クラスのやつらも心配してたぜ?本当はマミの悩みとか聞いてやれる仲になりたいってな」

杏子「忘れるなよマミ。人と人を繋ぐってのはそういう事だ。自分が消えてもいいって思うのなら・・・
最初からそんな事望んじゃいけない。それは・・・責任をとっているようでただの逃げさ」


杏子「累計で言えばほむらだが・・・アンタはこの中で一番早く魔法少女になった」


杏子「アンタの優しさに魅かれてあたしたちは集まった。そしてこれからも・・・
それに救われる人達がいる。」



杏子「アンタがいなけりゃ・・・この5人は始まってもいなかったのさ」



杏子「折れそうなときは・・・いつでもあたしたちが背中を貸してやるからさ」



氷室「君たちくらいの年頃の子が・・・一生懸命自分で悩んで見つけた答え・・・
それはどんな物にも勝る宝石になる」


氷室「それが本当の意味でのソウルジェムかもしれない。
君たちの輝きや魂の在り方なんて・・・・誰かに決められるものじゃない、
自分で考え抜いて・・・手に入れる物なんだ」


マミ「そうよね・・・そうなんだよね・・・私・・・戦うわ・・・これからも・・・皆を繋ぐために・・・」


マミ「それを壊そうとするのなら・・・たとえ正義が相手でも戦える・・・そう気付けたから・・・」




氷室「答えを・・・自分で見つけ出したんだね・・・」




氷室「ならば、安心だ。ここで、嬉しい知らせを一つ伝えよう」





氷室「君たちは魔女にならずに済むかもしれない。」

468 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:33:42.45 1AXtC1Ug0 454/759

氷室「なぜなら20年後の魔法少女というのはそういう物だからだ。
魔女になる前に普通の人間に戻りたいのならば、戻ることが出来る」


マミ「え?」

杏子「・・・どういう事だよ・・・おい・・・」

ほむら「・・・それも・・・20年後の技術というわけ!?」


マミ「なら・・・どうして早く教えてくれなかったんですか?」


氷室「言っただろ?自分で答えを見つけ出して欲しかったってな。」

氷室「最初からこの情報を教えたら、君たちはただ浮かれる。自分や他人の大切さに気付かないまま
あっさりと戦死するだろうってね」




ほむら「それは・・・わかるかもね・・・」チラッ

マミ「なによ!私はどんなときでも油断なんかしないわよ!」




氷室「まずは順を追わせてもらう。この話には・・・インキュベーターも深く関わりがあるからね」

キュゥべえ「今こそ話そう・・・魔法使いのこと・・・これからの僕の対応を」

469 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:35:09.63 1AXtC1Ug0 455/759

氷室「まずは近いうちにおこる歴史からだ。」

氷室「僕が干渉しない本来の歴史では・・・ほむらさんを除く4人全ての魔法少女が死亡している」


氷室「だから・・・ワルプルギスの夜と戦ったのはほむらさん一人だけだ」

さやか「結果は?」

氷室「相打ち。そして・・・死亡したほむらさんを生き返らせるために鹿目さんが契約する」


まどか(やっぱり・・・あの時の夢と一緒・・・)


氷室「ワルプルギスの夜を倒したときのほむらさんの戦い方だけど・・・
君たちは彼女の武器がなにか知っているかい?」


マミ「・・・魔力で具現化した銃では無いの?」

ほむら「あれは・・・実物よ。他にもお菓子の魔女を倒した爆弾等も・・・軍の基地から拝借しているわ」


マミまどさやあん「!?」


氷室「派手すぎるワルプルギスとの死闘の果てに政府は気付いた。あちこちに散らばった兵器の残骸から・・・
「盗み出して」「なにか」と戦った「誰か」がいたことに」


氷室「調査をすすめるうちに政府は・・・魔法少女とインキュベーターの存在を突き止めた」

氷室「そして政府は・・・インキュベーターと積極的にコンタクトをとりはじめた」


氷室「いわゆる取引を人類とインキュベーターは交わすようになる。
絶望以外の感情エネルギーも差し出す代わりに・・・インキュベーターの技術を取り入れたいとね」


氷室「そうして・・・20年で急速に発展していったのが未来の地球なんだ。」


氷室「極一部の者はタイムマシンに乗ることも許された」


ほむら「・・・氷室・・・あなたは・・・やはりタイムマシンで・・・この時代に来たのね・・・」



氷室「その過程で魔法少女システムも改変されるようになる。世界が・・・魔法少女の存在を認識するように
なったからね・・・魔法少女の待遇を人間らしく作り変えるようにインキュベーターに交渉する」


キュゥべえ「とは言っても、元々僕たちのマニュアルにあるんだよ。
僕たちが干渉する星々で自分達の存在が広く世界に認識されたとき、その世界ではこうシステムを変えろってね」



470 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:36:32.90 1AXtC1Ug0 456/759

キュゥべえ「まずは本題の・・・魔法少女として契約してしまった後に人間に戻りたい時の措置だが・・・」


杏子「戻せるのかよ!?」

キュゥべえ「あくまで、僕たちと一つ上の交渉をしてる星に対する待遇だよ。
今の君たちでは本来「前例は無いね」ととぼけることしか許されてない事例さ」


キュゥべえ「僕たちの技術で確かに君たちを元の人間の身体に戻してあげることが出来る」


キュゥべえ「ただし、これを無差別に認めてしまうわけにはいかない。なぜなら魔女が孵化する時の絶望エネルギーも
ある程度回収しなければ、魔法少女を人間に戻すエネルギーの余裕も生まれないからね」


キュゥべえ「ある程度の魔法少女達はきちんと魔女にしなければいけない。かといってこちらが
還元希望者への対応を怠れば、魔法少女を志願する者も減ってしまう」

キュゥべえ「そこで、引退制を導入する。20歳以上の魔法少女は・・・いつでも魔法少女をやめることが
できるようになる。もちろんその際、元の身体にもどしてあげるよ」


マミほむあん「!!」


マミ「20歳まで生き延びれば・・・元の身体に戻れるの・・・?」


キュゥべえ「こうすれば、契約した魔法少女は必死で生き延びようとするだろう?
その結果20歳前に力尽きる者はより強力な魔女を生み出す。より大量のエネルギーを回収できる」


キュゥべえ「君たち人類にとっても得な取引だと思うけどね」


杏子「えげつねぇ・・・希望を与えてるようでえげつねーぞお前ら・・・」

杏子「結局差し引きゼロじゃねーか・・・人間に戻れる魔法少女がいる反面・・・
より強力な魔女がそこらへんに発生することになるんだからな・・・」


キュゥべえ「そしてもう一つ・・・君たちを元に戻す方法はあるけど・・・
君たちはその条件を満たしてないから話しても無駄だね」


杏子「なんだよ・・・教えろよ。おい、氷室。あんたは知ってるのか?」


氷室「知ってるけど、教えられないね・・・それを言ってしまえば、
鹿目さんやさやかが安易に契約する可能性があるから」


キュゥべえ「さて・・・魔法使いの正体についてだが・・・」

471 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:38:00.57 1AXtC1Ug0 457/759

キュゥべえ「これは・・・魔法少女に・・・
女性にだけ戦わせる事にその星の人々が責任の感じてしまうから生まれた措置なんだ」


キュゥべえ「男でも魔法少女と同じ力を持つことが出来る。こうすれば・・・
引退した魔法少女の穴を埋める意味でも魔女退治に効率がいい循環が生まれる」


キュゥべえ「もちろん、魔法使いも力尽くとき君たちの魔女にあたる「魔導帝(まどうてい)」という怪物を生み出す
その時のエネルギーも、きっちり頂いてるけどね」


キュゥべえ「わかりやすく言えば、僕たちと対等な(大嘘)交渉をしてる世界では
魔女と魔導帝を退治するのが・・・魔法少女と魔法使いの主な仕事なんだよ」


キュゥべえ「魔法使いに契約できる男性も限られたものにする。
30歳以上独身かつ「ある条件」を満たした者のみ、魔法使いの契約は許される」


杏子「ある条件?なんだよ氷室、教えろよ」

氷室「ごめん、それも勘弁してよ・・・女の子の前でそれバレるのは男にとって相当キツイ事なんだ・・・」


さやか「あっ・・・(察し)」


マミ「でもなんで・・・30歳男子なの?」

キュゥべえ「恋愛に発展させたくないからさ。同じ境遇で戦う歳が近い男女だと、
比較的カップルができやすくなってしまう。そうなったら・・・絶望せずに20まで生きる可能性が高くなる」


キュゥべえ「マミのノートにもあったじゃないか。同い年の魔法少年がマミを助けて
その後友達を経て恋愛に発展するストーリーが」

キュゥべえ「アレは僕たち搾取側からすれば、相当な赤字に該当する。だから・・・
男女で契約できる条件を分けるべきなのさ」


472 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:39:48.46 1AXtC1Ug0 458/759

マミ「きゅきゅきゅきゅ・・・キュゥべえ!あ・・あれ・・見たの!?見られてたの!?
駄目よ!!その先は・・・言わないで・・・!!」


さやか「マ・・・マミさんの恋愛仮想ノート!?き・・・聞きたい!
キュゥべえ!その続きは?どんな感じの男の子がマミさんを助けるの?」


キュゥべえ「あ・・・あなたはクラス一モテるけどなぜか彼女が居ない○○君!?
あ・・・あなたも・・・魔女と戦う戦士だったの?」

キュゥべえ「そういう君は巴さん!?そうか・・・君みたいな素敵な子に友達も彼氏も居なかったのは、
僕と同じ使命を背負った戦士だったからなんだね?ずっと孤独に戦い続けたんだね」


キュゥべえ「僕・・・ずっと巴さんと話がしたいと思ってた・・・でも・・
魔法少年だから・・・使命のために生きる事がすべてだと思ってたから・・・」

キュゥべえ「私も・・・同じ境遇の仲間がいてくれて嬉しい。これからは一緒に・・・」


マミ「やめてええええええええええ!!!私を今魔女にさせるつもり!?
お願いキュゥべえ!そこから先は言わないでえええええ!!」


キュゥべえ「いくぞ!協力技「ティロ・マリターレ」!」

キュゥべえ「ちゅどーん」

キュゥべえ「ふぅ・・・マミ、やったね。息もばっちりだ」

キュゥべえ「でも・・・このワザ・・・ただ一緒に放出系魔法してるだけだよね?
そもそもティロ・マリターレってどういう意味なんだ?」

キュゥべえ「もう!ちゃんと勉強しなさいって言ったでしょ!」

キュゥべえ「やだよ、マミと一言でも多く話していたいんだ。だからマミから教えてくれないか?」

キュゥべえ「○○君のバカ・・・絶対私から言うもんですか・・・教えてなんかあげないんだから・・・」

キュゥべえ「結婚の祝砲って意味なんて・・・言えるわけないよね。かっこ心の声」



まどさや杏子ほむ「・・・///」かぁあああ・・・





マミ「あ・・あうああうあうあう・・・あうあう・・・」ぶしゅぅ・・・


マミ「いや・・・いやあああああああ!!!」


マミ「魔女になった私が見える・・・・!誰か・・・早くグリーフシードを!」




Candeloro デェン!(魔女文字)

473 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:41:13.31 1AXtC1Ug0 459/759

さやか「マミさん!気をしっかり!ホラ、あたしも恥ずかしいテキストもって来たよ!」

さやか「絶対半分は女子会みたいなノリになるって解ってたから、持ってきたの!
ほら、幼稚園の頃と最近恭介に渡そうと思ったけど渡せなかったラブレター!」


杏子「マミ!あたしで良ければティロ・マリターレやってやるからさ!」


ほむら「ディスプレイを見なさい、メガネ三つ編みの頃の私よ!
この頃は私もあなたにあこがれて散々恥ずかしいことをしていたわ!」


まどか「マミさん!恥ずかしさも共有だよ!!わたしも新作ノート持ってきました!」



マミ「うっ・・うっ・・・」しゅうう・・


キュゥべえ「グリーフシードを一つ無駄に消化したね」

氷室「いや・・・これで耐性はついたさ」


キュゥべえ「まだまだノートはある。
マミを魔女にする頃合だと判断したら、また今みたいに読み上げさせてもらうさ」


氷室「相変わらず手段を選ばないんだね君たちは」

キュゥべえ「そのためなら感情をこもった読み上げさえ辞さない」


キュゥべえ「説明を続けさせてもらうよ」


キュゥべえ「魔法使いと魔法少女との最大の違いはかなえる願いだ」

キュゥべえ「魔法少女ほど素質が無いから、魔法使いの契約の願いは
全員「せめて魔法少女と同等に戦える力が欲しい」に固定される」


氷室「そうでなければ僕もとっくに、助けたかった大事な人を生き返らせる祈りをしている」

キュゥべえ「そして・・・魔法使いにおける「引退」は「卒業」といい代えることができる」


キュゥべえ「30歳以上かつ「ある条件」この「ある条件」を克服することを君たち
人類は「卒業」とよんでいる」

キュゥべえ「卒業することが魔法使いを元の人間に戻してあげられる条件だ」


さやか「・・・魔法少女システム関係ないよね、それ。
リアルの世界で頑張ることが引退条件ってえげつねーわ・・・」


474 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:42:48.17 1AXtC1Ug0 460/759

氷室「君たちが・・・魔女にならずに・・・人間にも戻れる未来を手に入れる条件は、
ワルプルギスとひたすら派手に戦う事だ。」


氷室「目撃者が多ければ多いほど、僕がやってきた未来に早く近づけるからね」

キュゥべえ「だけど・・・僕はそれを快く思ってないよ」


マミ「え・・・?」


キュゥべえ「君たちをまだまだ家畜同然の扱いをしていたい。
地球から得られるエネルギーを独り占めしたい。」

キュゥべえ「それが君たちの言う、正しいかどうか関係無しに僕がやりとげたい事、
守りたい事なんだ」

キュゥべえ「だから・・・僕も未来を変えるために動くよ。
氷室がやって来た未来も・・・僕から言わせれば悲惨な結末だ。一方的に搾取できる相手が減るからね」


キュゥべえ「僕たちインキュベーターの勝利条件は・・・ワルプルギスの日・・・もしくは
それまでに君たちを全滅させる事だ。一般人になるべく知られずにね」


さやか「言い切ったな・・・」


キュゥべえ「だから僕はもうまどかもさやかも勧誘しないよ。
ワルプルギス相手に派手にやれる魔法少女が増えると不利だからね」


ほむら(・・・!?)



ほむら(あのインキュベーターが・・・さやかはまだしも・・・まどかとの契約を諦めた!?)


ほむら(長期的に見れば・・・このままの環境でエネルギーを独占するのが得策だと判断したのね・・・)


ほむら(ようやく・・・肩の荷がおりるのね・・・後はワルプルギスの夜さえ倒せれば・・・)


ほむら(まどかと・・・普通の人間として・・笑い合える未来が手に入る・・・)



まどか「でもなんで・・・その事を正直に話す気になったの?」

475 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:43:55.75 1AXtC1Ug0 461/759

キュゥべえ「それが・・・僕と氷室との相互取引だからさ」

まどか「相互取引・・・?」


氷室「僕がやってきた未来の情報をインキュベーターに公開する
その代わりに僕の説明に説得力を持たせるためにインキュベーターからも
一つ上の領域の魔法少女システムを公開するとね」


キュゥべえ「君たちは僕を敵対視するだろうけど・・・基本的に
君たちの敵でも味方でも無いからね・・・」


キュゥべえ「使い終わったグリーフシードの回収および大人の下着の回収は
僕を頼らなければどうにもならないだろ?」


マミ「大人の・・・下着?」

氷室「僕たちはソウルジェムを・・・魔導帝を生み出すブリーフシードに変えないために・・・
女性の下着を使って穢れを取り除くんだ」


さやか(聞き間違い?グリーフじゃなくてブリーフって言った?)


氷室「そして、穢れを吸った女性の下着は・・・大人の下着へと変わる」

氷室「この黒い下着は・・・もともとそれぞれピンクと水色だったものだ」

スッ


さやか「あたしのブラ!」

まどか「わたしのも!」

ほむら(まどかの・・・黒ブラ!?)ドキドキ


氷室「こいつの回収だけは・・・インキュベーターを頼らなければいけない。」


ほむら「そ・・・そんな事しなくても・・・普通に下着として活用すればいいんじゃないかしら?」

氷室「・・・身につけた女性が魔女になる」


ほむら「そ・・そうなのね・・・」がっくり



氷室「でも・・・いいかもしれない。「自分の中の魔女」と向き合うために・・・
魔女結界展開呪文を身につけるために・・・」



氷室「今ここで・・・まど黒ブラを着けてみるかい?ほむらさん?」



まどか「えっ」


ほむら「ほむっ!?」

476 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:45:48.24 1AXtC1Ug0 462/759

氷室「君たちは鹿目ほむらさんと戦ったんだろ?彼女も結界展開呪文を使ってきたはずさ」

氷室「絶望して、自分が魔女になる一歩寸前で自意識を戻す。それができた魔法少女は、
結界展開呪文を使えるようになるのさ」


杏子「じゃあ・・・あたしにも、魔女結界が使えるのか!?」

マミ「・・・さっき私も自分の中の魔女を見たわ・・・私にも使えるのね・・・」

マミ(ちょっとこういう能力って素敵かも・・・闇落ちを乗り越えた主人公が
その闇を操る能力なんて・・・)ワクワク



氷室「一般人を自分の魔女結界に隔離して守ることや、魔法少女同士戦わなければならなくなった時に
この魔法は便利だから是非覚えて欲しいんだけど・・・」


氷室「この家には資料が無い。自分が魔女になった姿は・・・ほむらさんだけは見ることが出来ない」

氷室「つまり・・・ほむらさんが自分の中の魔女を認識するためには、まど黒ブラを身につけるしかない」


氷室「やってみるかい?ほむらさん・・・より強く守るための力が必要ならば・・・
黒ブラの穢れで・・・魔女化寸前まで自分を追い込むしかない」


まどか「そんな!危険すぎるよ!ほむらちゃんが魔女になったらわたし・・・」


ほむら「いいえ、まどか。やらせて・・・」

まどか「ほむらちゃん・・・」


ほむら「もっと強くならないと・・・鹿目ほむらに・・・自分自身にも勝てなかったもの・・・」


ほむら「私は・・・自分自身に勝ちたい・・・そのためにも・・・」

ほむら「まどかを・・・守るためにも・・・私は・・・私は・・」


ほむら「自分の中の「魔女」を・・・克服してみせる!!」ガバッ




まどか「ほむらちゃん!」


まどか「・・・頑張って!自分に負けないで、ほむらちゃん!」


さやか「いや・・・顔にかぶる意味あったか?」





ほむら「フォオオオオオオオオオオオオオ!!!」


ビシッビシッ  ・・・ビキィッ・・・

477 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:46:49.11 1AXtC1Ug0 463/759

ほむら「・・・ここが・・・私の中の・・・絶望・・・」

此岸の魔女「あなたは私」


Homulilly デェン!(魔女文字)


此岸の魔女「あなたがいくら頑張っても・・・あなたが友達になったまどかは戻らないわよ」

ほむら「わかっているわ・・・」


此岸の魔女「ならば何故・・・私を受け入れないの・・?楽になってしまえばいいのに・・・」

ほむら「好きだからよ・・・あの時のまどかも・・・今のまどかも・・・」


ほむら「さやかが教えてくれた・・・人を好きになるのに・・・
それを守りたいと思う気持ちに・・・理由なんかいらないって・・・だから・・・くじけない」


ほむら「何よりも今・・・絶望よりも・・・まどかの下着に包まれている・・・その幸福が私を満たすの・・・」



ほむら「さぁ・・・ホムリリー、私に力を貸しなさい」


ほむら「私は・・・例え魔女になろうと・・・悪になろうと・・変態になろうとも・・・」


ほむら「まどかを・・・守る!これからもずっと!!」



カッ




ほむら「ぶはあっ・・はぁっ・・・はぁっ・・はぁっ・・・」


まどか「ほむらちゃん!」

氷室「どうやら・・・乗り越えたようだね」

さやか「感動したいけど絵図のせいで出来ない・・・」



キュゥべえ「じゃあ、大人の下着を回収しよう」

キュゥべえ「きゅっぷい」あむあむ


杏子「え?背中じゃなくて口のほうで食うのかよ!?」


マミ「・・・キュゥべえが単なるド変態に見えるわ」



478 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:47:55.39 1AXtC1Ug0 464/759

キュゥべえ「ワルプルギスまでのぼくの君たちに対する対応は、
グリーフシードの回収およびまどかとさやかの勧誘の一時停止だ」


キュゥべえ「そして、氷室がこの時間軸にいる場合に限り、
君たちには未来の対応と同じ事をさせてもらう」

キュゥべえ「つまり、黒下着の回収・・・及び魔法少女と魔法使いが人間に戻るための措置」


杏子「っつっても、20歳にならなきゃ、元に戻れないんだろ?
ワルプルギスまでの約一週間で歳をとれるわけねーじゃん」


マミ「そうね・・・知り合いに20歳魔法少女が居たら教えてあげるんだけど・・・」

さやか「マミさんのボディで20未満ってのもおかしな話ですけどね」


マミ「美樹さん・・・あなたと上条君のケーキ入刀の時は
ウェディング・スパークエッジと叫んでもらおうかしら?」


さやか「あ・・マジですいません、それだけは・・・」


キュゥべえ「ワルプルギスの後は通常営業に戻るよ。
だから、人間に戻る未来を勝ち取るためには、まずワルプルギスを倒さないとね」



氷室「全て・・・説明できたかな・・・そろそろ時間だ」


さやか「時間?」




鹿目(グラサン未来ほむ(グラほむ))「話はまとまったかしら・・・かみじょ・・・コホン、氷室」



ほむら「鹿目ほむら・・・!?」


479 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:49:10.02 1AXtC1Ug0 465/759

まどか「この人が・・・未来のほむらちゃん・・?」

杏子「・・・確かに雰囲気は大人になったけど・・・」


鹿目「・・・何かしら?」スラーッ↓


ほむら「あなたは断じて私じゃない!20年後なら成長してもいい箇所が、成長してないじゃない!!」

鹿目「事実よ。受け入れなさい」



鹿目「20年後の私は既婚者で夫とちゃんと子作りにも励んでいるわ。
もちろん・・・胸も触らせてあげてる」

鹿目「それでも・・・何度やっても結果は変わらなかった。だから
好きな人にもまれれば大きくなるという話は都市伝説よ」


鹿目「ちょうどタイムリーな話題で中の人斉藤千和さんが結婚するらしいから、
私が彼と結婚したのも斉藤さんと同じ32歳、二年前という事にしましょう」



杏子「・・・まさか、あんたの夫って氷室じゃねーだろうな?」ギロッ

マミ「佐倉さん、違うわよ!氷室さん独身っていったじゃない!」


さやか(独身・・・そして・・・コホン、)


氷室「・・・出頭しなければならないようだね・・・」



一同「えっ・・・」


鹿目「ごめんなさい・・・あなた達のためになるべく引き伸ばす努力はしたわ・・・」


鹿目「早いと言われるのはわかっている・・・でも、管理局は・・・早急に氷室の身柄を確保しろと
発令をしたわ」


鹿目「あなた達・・・大人がいなくなるのは不安だろうと思うけど・・・氷室とお別れよ」


一同「!!」


マミ「そ・・・そんな・・・」

杏子「ウソ・・・だろ・・・」



鹿目「本来・・・氷室はいないはずの人間よ・・・あなた達だって氷室がいなければ・・・
ワルプルギスの夜は自分達だけで越えなきゃいけない問題のはず」


鹿目「勝ち取ってみなさい。大人の力に頼らずに・・・」

鹿目「私もかつて、あなた達だった・・・だからわかるの。あなた達子供が・・・一番何を嫌がるのかもね・・・」


鹿目「子供が一番嫌がること・・・それは・・・子供扱いされる事だと私は知っている」



鹿目「だから・・・お別れなのよ・・・一人前の大人として・・・信頼して、あなた達にこの時代を託すのよ」

480 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:50:17.68 1AXtC1Ug0 466/759

氷室「ほむらさん・・・僕の心残りは、もう無いよ・・・この子達ならきっと・・・
僕たちが生きてきた未来よりも素敵な未来へと進んでいける」


さやか「氷室さん・・・」ポロッ


氷室「さやか、恭介に伝えてくれないか?約束をやぶってしまってすまないって」

氷室「でも・・・恭介の腕を治す技術はあと10年以内に必ず開発される。それだけは信じて欲しいと」

氷室「絶対に・・・自分もさやかも諦めるな・・・とね」


さやか「氷室さんッ!」ガバッ


氷室「それと・・・例の幼稚園の頃と最近書いた2通の恭介へのラブレター、
本人に渡してくれ・・・」

氷室「僕の生きてきた時代の恭介は、ひどく後悔していた。
さやかが死んだ後にそれを見つけて・・・
なんでさやかの気持ちに気付いてやれなかったんだろうって」


さやか「うん・・うん・・・渡すよ・・・何度でもあたしは・・・
恭介に大好きだっていってあげるんだ・・・」



まどか「氷室さん・・・」


氷室「鹿目さん・・・さやかの親友でいてくれて・・・ありがとう」

氷室「君に見せた夢の意図は・・・絶対に友達を悲しませる願いだけはしてはいけないという事だ」

氷室「これからも・・・さやかの・・・そしてほむらさん達の傍にいてあげてくれ・・・」

氷室「君は無力なんかじゃない・・・誰かの傍にいてあげること・・・それは誰にでも出来るようで
誰にでも出来ることじゃない」

氷室「君がいることで救われる人達がいる。それを忘れないで」


まどか「うん。解ってるよ・・・わたし、ほむらちゃん達と離れない。ずっと、手を繋いでいたい」ガバッ


481 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:51:38.74 1AXtC1Ug0 467/759

マミ「氷室さん・・・私・・・氷室さんの事・・・」


氷室「そこから先は口に出してはいけないよ。君が余計に悲しくなるだけだ」

氷室「わかっていたさ・・・君の気持ちは・・・昔は僕は鈍感な男だったけどね」


氷室「今では鈍感なフリをしてかわす術を身につけた。大人ってズルいだろ?」

氷室「君はひとりぼっちなんかじゃない・・・
少しズルくなって使命も青春も楽しもうとする気概さえあれば、、なんでも手に入ったんだ」

氷室「僕の生きてきた時代では、巴さんが亡くなった後隠れファンの人達が嘆いているのも見てきた」


氷室「町のアイドルスカウトマンが何度か君に接触を試みようとしていた事も後からわかった」

氷室「家族も、友達も、恋人も・・・巴さんくらい素敵な人だったらこれから手に入れられる」

氷室「だから・・・巴さんにはズルさを身につけて欲しい。嫌なことに対する大人のかわし方を身につけて、
これからは一人ぼっちじゃない青春を楽しんで欲しい」


氷室「その過程で君は気付くはずさ。世界を広く見渡せば氷室よりも素敵な男性はいくらでもこの世に居るってね」

氷室「それでも、君の気持ちが変わらなかったときは・・・僕もきちんとした返事を出すよ」


マミ「氷室さん・・・私は・・・あなたにも・・・ひとりぼっちになって欲しくない・・・」ガバッ



杏子「ふん・・・」


氷室「杏子・・・すまなかったな・・・」

杏子「ナニがだよ?」

氷室「僕の計画では・・・本気でパパになるつもりだったんだ」

氷室「君をさやか達と同じ学校に通わせてやりたかった」


杏子「別にかまわねーよ。今はマミが家族になってくれるからな」


氷室「君がつく信仰(うそ)が僕は大好きだ。どんなに乱暴な言葉で隠そうが、君の優しさが隠しきれてない」

杏子「うるせーな・・・お前も恭介と同じ無自覚の恥ずかしいヤツだな・・・///」

氷室「これからも・・・素直な気持ちと優しい嘘を使い分けて誰かを幸せにしてやってくれ」

氷室「君の家族も・・・きっともう幸せな気持ちで見守ってるに違いないから・・・」


杏子「あたしは・・・もう自分の正義が信じ通せればそれでいいよ」


杏子「あたしの家族が自殺した理由は魔女の仕業だった」

杏子「あたしが逃がした使い魔はとっくに始末されたいた」

杏子「娘を虐待している母親はニセモノだった。それでいい」


杏子「最後に一言・・・あんたのことをパパって呼んでやる。でもこれを
本音と捉えるかは・・・完全にあんたの信仰だから・・・無理強いはしない」


ガバッ


杏子「色々ありがとな・・・パパ・・・感謝の気持ちは・・・
たとえ離れ離れになっても・・・変わらないから・・」

482 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:52:58.21 1AXtC1Ug0 468/759

ほむら「氷室・・・」


氷室「・・・ほむらさん・・・実はね・・・さやか達を助けるというのは・・・
君との友情がなくなってしまうという事なんだ・・・」

ほむら「え・・・?」


鹿目「恋人同士ではないけど・・・未来で私と氷室は親友と呼べる間柄になっているの」

氷室「もしもう一度だけ過去に戻れたら、さやか達を救い出す方法等を色々話してるうちに仲良くなったんだ」

氷室「さやか達が無事ならば・・・この時代の僕は君とのつながりが無くなってしまうんだ」

氷室「それだけは悲しい。君と僕が親友同士でなくなった時間軸を作り出してしまったことが・・・悲しい」


ほむら「・・・さやか以外の子は基本苗字なのに・・・私を名前で呼んでいたのはそのためだったのね・・・」

ほむら「この時代のあなたがどこの誰かもわからないのに・・・対処しようが無いわね」


ほむら「でも・・・これだけは言える・・・」


ほむら「この時代のあなたじゃない「バイオリン仮面/氷室」と名乗る人物と・・・
鹿目ほむらとも違う「暁美ほむら」は・・・」ポロポロ・・・


ガバッ


ほむら「間違いなく・・・とてもよく似た志を持った・・・親友だった・・・戦友だったと・・・」


ポロポロ・・・



さやか「氷室さぁん・・・」

まどか「氷室さん・・・」

マミ「氷室さん・・・」

杏子「氷室・・・」

ほむら「うっ・・うっ・・・氷室・・・」



さやまどマミあんほむ「お別れなんていやだよ!!バイオリン仮面!!」




氷室「・・・まるでヒーローショーに参加してる男児だね・・・」


氷室「僕だって・・・この時代に戻りたい・・・でもどうなるか解らない・・・」


氷室「希望のある時間軸を作り出したとはいえ・・・僕は時空犯罪者だからね・・・」


氷室「最後に・・・みんな、大好きだよ・・・」


氷室「君たちは僕にとって・・・娘であり生徒だ」


氷室「バイオリンがなければ・・・僕は教師になりたいと願っただろうね」


鹿目「私もできるかぎり氷室の罪が軽くなるように努力してみるわ・・・
彼がこの時代に住めるようになれるように努力してみるつもり・・・」


鹿目「それでも・・・大人の世界にはどうしようもないこともあるから・・・」

483 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:54:20.06 1AXtC1Ug0 469/759

~帰り道~

さやか「行っちゃったね、氷室さん」

杏子「そうだな・・・」


さやか「ところでさ杏子、あんたマミさんにキスした自分を幻術だっていったけどさ、」

さやか「アレって、キスしたほうが本物で後から現れた杏子が幻術でも、成り立つよね?」


杏子「!?」


杏子「ふっざけんな!///だ、だれが・・・マミにキスなんかしてやるんだ!!
お前の考えすぎだバーカ!!キスしたほうが幻術なんだよ!!」


さやか「あたし、二人の杏子がくるくる回ってるときニセモノだった方を良く見てたの。
見失わないように・・・そしたら、キスしてたほうが残って後から現れた本物だと思ってた杏子が消えたんだよ」


杏子「そ・・それはお前の・・見間違いだ・・・あたしはマミにキスなんかしてねー・・・・」


杏子「だいたい・・・口同士じゃなったし。ほっぺにはしたけど・・・だから親愛の一つだ」

杏子「まどかの母親も・・・タツヤのほっぺにしょっちゅうキスしてるっていってたから・・・」

杏子「仲のいい家族なら・・・それが普通なんだろ?今のあたしは・・・
別にマミの顔にキスくらいしてやってもいいと思うけど・・・」


さやか「そうやってごまかしてる時点でキスしてるんだけどなー。
幻だったらどこにキスしようが勝手じゃん・・・」


杏子「あ・・・」


杏子「もういいや・・・お前が信じるほうでいいよ。これも信仰だ。信じる信じないは勝手にやってくれ」



さやか「じゃあ、キスした方で!」

杏子「クッソうぜえ」


さやか「それはそうと、今日うち来る?氷室さん行っちゃったから明日からホテル借りるの苦労するよ?
保護者いないから」


杏子「いや・・・まとめて宿泊費払ったから後2日くらい使えるはずさ。
荷物もホテルに置きっぱなしだから整理のためにも今日はやめとく」


杏子「つーか、今日は恭介のとこ行かなくていいのかよ!」

さやか「あ・・・あの・・・ちょっと恥ずかしいんだよね・・・その・・・
顔を合わすと・・・火が出そうなくらい・・・」



さやか「しちゃったから・・・」



杏子「キスを・・・か。まったく・・・人の事キス魔みたいに言っといて・・・・」

484 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:54:59.27 1AXtC1Ug0 470/759

杏子「じゃあ、あたしが行ってやるかな。っつーか寝床も恭介の家に泊まればよくね?」


さやか「は!?」



さやか「ななな・・・なんでそうなるのよ!」

杏子「さやかが行かねーんだろ?だったら恭介の家に行くのはあたしの勝手じゃねーか」


杏子「恭介のヤツ、さやかに会えない欲求不満をあたしにぶつけてくるかもな」ニヤニヤ

さやか「きょ・・・杏子!?あ・・あんたまさか・・・恭介のこと・・・」


杏子「だとしたらどうする?あたしが恭介の事好きで、さやかと付き合ってるとかキスした
とか関係無しにガンガン行くぜって宣言したら、あんたはどう出るんだい?」


さやか「ほ・・・本気なの・・・!?」

杏子「信仰だ。さやかにとってあたしが嘘ついてるか本音を言ってるか都合のいいほうを選べ」

杏子「そして、その判断が間違ってた時でも後悔しない様に行動してみな?
だとすれば今やるべきことは・・・わかるよな?」


さやか「・・・恭介の所に行く・・・」



杏子「よし、行ってこい。しっかりしやがれよお前ら・・・喧嘩したわけでもないのに
恥ずかしいからで会わないでどうすんだよ・・・」



さやか「ありがとね・・・杏子・・・」



杏子「あ?」

485 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:55:43.94 1AXtC1Ug0 471/759

さやか「その信仰が嘘でも本当でも・・・あんたはあたしの心配をしてくれてる、
だからあたしの前で口に出して言ってくれたんだ」


杏子「さぁ・・・どうかな?」


さやか「毎日会ってるようで実はちょくちょく穴が開いてるんだよね・・・
今日だって氷室さんに会うっていったら寂しそうにしてたし・・・だから、今からでも恭介に会う」


杏子「それでいい。行ってやれ。」


さやか「じゃあね杏子!恭介が落ち着いたら、その時こそちゃんと家に招待するからさ!」


杏子「おう、楽しみにしてるぜ、しっかり恭介を離すんじゃねーぞ・・・」



杏子「・・・」




杏子「じゃないと・・・あたしも・・・諦めがつかないからさ・・・」


486 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:56:36.87 1AXtC1Ug0 472/759

~上条邸~

さやか「・・・もうこの家から・・・バイオリンの音が聞こえることは無いんだね・・・
やっぱり・・・ちょっと寂しいな・・・」


(チャイム音)


上条父「はい」

さやか「あ・・・あの・・おじ様・・・美樹です・・・恭介君と話をさせてください・・・」


上条父「そんな頼み方じゃいやだよ」プツッ



さやか「は・・・!?」

(チャイム音)

上条父「はい」

さやか「えっと・・・おじ様・・・あたしなにか失礼なこと言いました?言葉遣い間違ってました?」


上条父「むしろなれなれしくして欲しいんだけどね」

さやか「え・・・?」




さやか「・・・おっさん?」




上条父「・・・」プツン




さやか「ああ、ごめんなさい!じゃあ・・・お兄さん!?」

上条父「お世辞を言えって意味じゃないんだよ」



さやか「(氷室さんと杏子の例があるから・・・)パパ・・・?」


上条父「近い!」



さやか「(ああ・・・そういう事か・・・)」


さやか「お・・・お義父さん・・・」


上条父「きたああああ!!ブッヒヒイイイイイイン!!!!」



さやか「義娘のさやかです・・・夫の恭介をお願いします・・・///」


上条父「ポウッ!」


上条父「恭介、さやかちゃんが来たよー。門を開けて迎えてあげなさい」ドバドバ



恭介「・・・///父さん・・・とりあえず、鼻血を拭こう・・・」

さやか「親公認の仲ってのも考えもんだね・・・」

487 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:57:16.17 1AXtC1Ug0 473/759

~恭介の部屋~

恭介「・・・来てくれたんだ・・・」


さやか「・・・う・・ん・・・」


恭介「昨日・・・あ・・・あんな事しちゃった後だと・・ちょっと恥ずかしいね・・・」

さやか「恭介ってば・・・意外と強引なんだもん・・・」

恭介「無防備に男を部屋に上げるさやかが悪いよ・・・」


さやか「今日も・・・する?」

恭介「う・・・うん・・」


チュッ


~~~


恭介「そうか・・・氷室さんは急にもとの時代に帰ることになっちゃったんだ・・・」

さやか「あんまり驚かないんだね、氷室さんが未来人だって事に」


恭介「予想はしてたからね。色々不思議な人だったから・・・
彼の正体がどんな人でも驚きはしないよ」

さやか(魔法少女のことも・・・いつか恭介に話せば受け入れてくれるのかな・・・)


恭介「前もってわかってたら・・・今までのお礼に家に招待したのに・・」


さやか「やっぱり・・・自分の代わりにバイオリン弾いてくれる人がいなくなるって・・・
悔しい?」

恭介「それは・・・残念だとは思うけど・・・氷室さんばかりに依存してられないし・・・」


恭介「少し早い卒業が来たんだと思うよ・・・僕自身も油断してた。
氷室さんがいつまでも傍に居てくれるものだと思ってた」

恭介「でも・・・氷室さんに学んだことは・・・絶対に変わらないから・・・」


恭介「昨日まで当たり前だったものが無くなる事もある。
左手だったり・・・氷室さんだったり・・・それを学べた」


恭介「でも・・・さやかだけは絶対無くしたくない。そう自覚できたから・・・
当たり前にいてくれる君と・・・いつまでも一緒である当たり前を大事にしていたいから・・・」

さやか「恭介・・・」



恭介「僕は僕で新しくパートナーになるバイオリニストを探すよ・・・
見つからなかったら作曲家でも音楽講師でもなんでも目指すさ」

恭介「少し味気ないけど・・・新曲を聞くかい?パソコンにすでに打ち込んであるんだ」


さやか「うん!」


♪~♪~♪


488 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:58:32.81 1AXtC1Ug0 474/759

さやか(機械に打ち込んだ音だけで・・・こういうのを作れる恭介は・・やっぱりすごいよ・・・)


恭介「今回のはどうだった?正直に言って欲しいな」

さやか「ちょっとだけ辛口で言うね・・・」


さやか「明らかに氷室さんの影響を受けてる曲が何曲かあるけど・・・
同時に恭介の曲の良さをなくしている気がする」


さやか「氷室さんを知らない人は、オリジナルだと思うけど・・・
わかる人にはわかっちゃうと思う・・・誰かの真似だって・・・」


さやか「恭介は氷室さんじゃないんだから、もっと自分らしいところで勝負したほうがいいよ」

さやか「氷室さんっぽくない曲は・・・普通に凄いと思うから・・・」


さやか(こんな所で・・・立ち止まらせるのが惜しいくらいに・・・)


恭介「・・・やっぱりわかっちゃうか・・・」

恭介「でも・・・氷室さんみたいな悲しい曲を作れる人にも・・・憧れてるんだ」


恭介「あの人は・・・絶対越えなきゃいけない目標だったから。
そしてこれからも・・・」


さやか「だったら、恭介らしさで越えよう!あたし、氷室さんの曲も好きだけど・・・
恭介の曲のほうがもっと好きだから!」


恭介「ありがとうさやか・・・でもしばらくは・・・氷室さんの影がちらつくと思う。
それほどまでに・・・彼は僕に影響を与えすぎた人だったから・・・」


さやか「心配要らないよ!あたしは、恭介の良さをいつまでも覚えてるから!
恭介が自分を見失いそうになる時も・・・いつでも傍に居るからね!」


氷室(あと10年もたてば・・・恭介の腕を治す医術がきっと開発される)


さやか「・・・」


さやか「恭介・・・あたしからもプレゼント。・・・この手紙・・・読んでみてくれない?」


恭介「2通?」



さやか「付き合った後でこういうのも照れくさいんだけどさ・・・
恭介に告白する前に渡せずにいたラブレターなんだ・・・」


さやか「一つは幼稚園のころ書いた物、もう一つは事故前に書いた物」


さやか「ちょっと変わった趣向なんだ。2つ一緒で・・・どっちかが欠けてもラブレターとして
成立しないんだ」


恭介「それは・・・意味深だね・・・
およそ10年後に書いた物と幼稚園の頃書いた物が・・・繋がった手紙だなんて・・・」


恭介「読むよ・・・音読してもいいかい?」

さやか「駄目!恥ずかしすぎるから!」

恭介「そういう反応されると、ますます声に出したくなる・・・さやか可愛いよ」

さやか「恭介の・・・いじわる・・・」

489 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:59:06.80 1AXtC1Ug0 475/759

~恭介黙読中~

さやか(今度はどんな反応してくれるんだろうね、また感動で涙を流してくれるのかな?)

さやか(それとも感極まって一線を越えちゃったり!?あーん、もう恭介のえっちー♪)

さやか(改めて恭介のほうからもプロポーズされたり!?やっぱり何度言っても言われても良いもんだよねー)


恭介「さやか・・・」

さやか「なぁに?」






恭介「すごい、面白いよこれ」






さやか「は!?」

490 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 13:59:57.57 1AXtC1Ug0 476/759

恭介「なるほど・・・2つで一つか・・・こういう見せ方もあるんだね・・・
いや・・・実に面白い」

さやか「えっ・・ちょっと・・・恭介?ねぇ?」


恭介「静かに!これがヒントになって、新しい曲が出来そうなんだ!」

恭介「これをこうして・・・あれをこうすれば・・・」


恭介「なんてことだ!また新しい見せ方の曲が出来てしまった!」


恭介「すごいよさやか!完璧じゃないか!まさかラブレターから新曲のヒントが
生み出せるなんて・・・予想以上だよ!」


恭介「ありがとうさやか!さっそく明日にでも聞かせてあげるからね!」


さやか「・・・」



さやか「恭介の・・・恭介の・・・」プルプル



さやか「大馬鹿やろおおおおおおおッ!」バチン


恭介「バッハ!」ドサッ




さやか「ちっとも変わってないじゃないアンタ!バイオリン弾いてた頃と!」

さやか(バイオリンが弾けない恭介はあたしだけを見てくれるって思ってたけど・・
全然違った!こいつなんにも変わっちゃいない!)


さやか「あたしの・・・あたしの恋心はね・・・新曲を生み出すための道具じゃないのよバカ!」

恭介「さやか・・・ナニを怒っているんだい?
君は自分が編み出したこの2通のラブレターの魅せ方の素晴らしさを自覚していないのかい?」


さやか「ちょっとそこに立って恭介・・・」


さやか「スパークエッジ!(チョップ)」


恭介「モーツァルト!」がくっ



さやか「うわああん!お義父さーん!お義母さーん!」ガチャッ


491 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 14:01:36.00 1AXtC1Ug0 477/759

~夕食時~

さやか「・・・」むすっ


恭介父「それは恭介が悪い」

恭介母「悪いわね」


恭介「・・・ごめんなさい・・・」


さやか「いいよもう・・・恭介が無神経なのは今に始まったことじゃないから・・・」

さやか「待ってあげるから・・・」


さやか「恭介がちゃんと女心をわかるようになる時まで・・・待っててあげるから」


さやか「氷室さんのように・・・鈍感を装っててもちゃんと相手の気持ちに気付いてあげられる大人になるまで・・・」

恭介「氷室さんのように・・・か」


さやか(結局・・・長い道のりになるって事は・・・変わらないんだね・・・)

さやか(ちゃんと待っててあげる・・・そして・・・後押ししてあげる・・・)


さやか「でも結局は・・・恭介が好きって事だから・・・」

さやか「これから・・・喧嘩したときに思わず嫌いとかよそよそしくしちゃう事もあるかもしれないけど・・・」


さやか「それだけは変わらないから・・・あたしのこと・・・信じてね?」

さやか「これからも・・・ずっと好きだから・・」


恭介「あ・・うん・・///」


~~2日後~~


マミ「魔女結界を発見したわ」ワクワク

ほむら「よりによってこの日に・・・なのね・・・」


杏子「ちょーうぜえ・・・」



マミ「今日は皆で決めた必殺技を叫ぶ日よ!さぁ、張り切っていきましょう!」


492 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 14:02:19.84 1AXtC1Ug0 478/759

~影の魔女結界~


ゆらゆら・・


影の魔女「・・・」


Elsamaria デェン!(魔女文字)


マミ「佐倉さん!」

杏子「あるこばれーの・・・」
マミ「もっと感情を込めて!!」


杏子「必殺!アルコバレーノ・ファンタズマ!!」


ズラーッ


さやか(幻影)「さぁ、魔法少女さやかちゃんの登場だよ!」

まどか(幻影)「わたしにまかせて!」


幼女の魔法少女(幻影)「キョーコを守る!」

黒い魔法少女(幻影)「愛は・・無限に有限だ!」

白い魔法少女(幻影)「救世を成し遂げます」


マミ「中和せよ!魔女結界!キャンデロロ!!」


じゅわ~


ほむら(魔女結界内で魔女結界呪文を使えば・・・相手の結界を相殺できる・・・
そしてさらに魔女結界呪文を使える魔法少女が居れば・・・)


ほむら「・・・侵食せよ」
マミ「暁美さん!」


ほむら「侵食せよ!魔女結界!ホムリリー!!」


グワッ


ほむら(敵の魔女を・・・自分の結界内にとりこむことも・・可能!)


マミ「結界魔法:ホムリリー 本体:暁美ほむら
展開範囲B(スゴイ)外部からの防御力C(並)相手への攻撃性D(ニガテ)」


杏子「解説まで始める気かよ!!」

493 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 14:03:08.21 1AXtC1Ug0 479/759

マミ「結界特有効果:有り」

マミ「未来からきた自分自身、鹿目ほむらの同一名の結界魔法からヒントを得た結界効果。
鹿目ほむらの物と同じく、時間の流れが異なる空間を作り出す。ただし性質は真逆」

マミ「結果外の時間1時間あたりが結界内の8時間に相当する。これにより、外の世界の時間を消費せずに
魔女討伐が可能になる。」


ほむら「他にも応用はあるけど・・・今はこれで十分よ・・・!」


杏子「いくぜマミ、ほむら、幻影ども!ワルプルギス戦を想定して、大技で決めるんだ!」


ほむら「ええ」(危険物第四類)

マミ「わかってるわ!」(無数のマスケット)


杏子「ふしゅぅ・・」(槍の巨大化)


さやか「大技っていっても、わかんないよ。こちとらまだ初心者なんだし」

杏子「うるせーな、じゃあとりあえずブッ叩いとけ!」


まどか「えっと・・その・・・パニエロケットでいいかな?」

ほむら「まどか・・・・可愛すぎるわ・・・」


杏子「おい、それ幻影だぞ」


幼女の魔法少女「・・・」(イメージが足りないので基礎的な打撃の構え)

白い魔法少女「・・・」(イメージが足りてないので基礎的な放出魔法の構え)

黒い魔法少女「・・・」(イメージが足りてないので基礎的な斬撃の構え)

494 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 14:03:46.62 1AXtC1Ug0 480/759

影の魔女「・・・!?」

影の魔女「嘘やん・・・なんか知らないうちに・・・めっちゃ囲まれてるし・・・」

影の魔女「しかもめっちゃ力溜めてる・・・一人相手にここまでするの?」


影の魔女「嘘やん・・・リンチですやん。」

影の魔女「ワルプルギスさんの身体の一部になるスカウト、早めに判子押しとったらよかったなぁ・・・」



杏子「最後の審判!」

マミ「パロットラ・マギカ・エドゥ・インフィニータ!!」

ほむら「タンクローリーだッ!」

まどか「パニエロケット!」

さやか「未完成スパークエッジ!って、近接ワザの最中に撃つなよ!おっかねーなぁ!!」


幼女「打撃!」

「放出!」

「斬撃!」





ちゅどどどどどどどどどーん

495 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 14:04:37.48 1AXtC1Ug0 481/759

ほむら「ホムリリー・・・結界解除・・・」

マミ「キャンデロロ・・・結界解除・・・」

杏子「あるこばれーのふぁんたずま・・・解除・・・」


しゅうう・・・

杏子「くぅ~疲れたなぁ、相当魔力の無駄遣いだったんじゃねーか?」


マミ「でも、相手はあのワルプルギスよ。一気に魔力を放出する感覚にだって慣れておかないといけないわ」

さやか「あたしも遠距離の必殺技とか、覚えたほうがいいのかな?」

ほむら「いいえ。ワルプルギスの夜まで時間が無いわ。長所である回復魔法と
唯一の高火力、スパークエッジの完成に力を注ぎなさい」


杏子「それじゃあらためて・・・」


杏子マミほむらさやか「お疲れ様でした!ワルプルギスの夜までよろしく!」





杏子「・・・・」





杏子「おい・・・・」

496 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 14:06:23.56 1AXtC1Ug0 482/759

ほむら「なんでさやかが・・・」

マミ「幻惑じゃないの・・・?佐倉さん・・・」



さやか「やだなぁマミさん、本物のさやかちゃんですよ!
心境の変化ってヤツでして・・・」





杏子「な・・ナニを見てきたんだお前は!?なんで・・・なんで魔法少女になんかなりやがった!!」


杏子「魔法少女の肉体はどうなるか・・・ソウルジェムがにごりきったらどうなるか・・・
全部説明を聞いてきたはずだろ!?なんで・・・なんで契約しやがった!?」


さやか「見てきたからこそなろうと思ったんだよ。絶対に絶望に負けない自信があった。
20歳まで生き延びてやるって意地があったから・・・」

さやか「ほむらがやられた時から思ってたんだよね。皆が苦手な回復系の専門になりたいって」


さやか「あ、ちなみに強くなりたいって願っても神経にまで蝕んだ恭介の傷が治せる
程の魔法少女にはなれなかったみたい」

さやか「だから、本来の願いを叶えたよ。ちょっと初期状態じゃ弱いかもしれないけど・・・
ご指導よろしくね!先輩達!」


ほむら「さやか・・・まさか・・・そんな・・・」


ほむら「インキュベーター!!出てきなさい!これは・・・これはどういう事か説明して!!」



キュゥべえ「見ての通りだよ?美樹さやかは魔法少女になった。それだけさ」

497 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 14:07:41.97 1AXtC1Ug0 483/759

ほむら「そこじゃ無いわ!あなた・・・まどかとさやかとは契約しないってたじゃない・・・
なぜ・・・なぜ、さやかが・・・?」

ほむら「まさか・・・貴方・・・嘘を吐く術を身につけたとでも言うの!?」


キュゥべえ「もう一度僕が言った言葉を復唱してごらん」


ほむら「あなたは・・・確かにこう言ったわ・・・」


ほむら「「まどかとさやかを勧誘しない」と・・・契約しても自分達が不利になるだけだからと!」


ほむら「ハッ!?」


キュゥべえ「うん。確かに「勧誘」はしてないね・・・」

キュゥべえ「さやか本人が希望したんだ。契約したいとね」


キュゥべえ「不利になる状況でも契約を拒否する権利が僕たちインキュベーターに無いだけさ」


キュゥべえ「「勧誘しない」という条件に「契約できない」という条件は含まれていないだろ?」


キュゥべえ「4人も魔法少女が居たんじゃワルプルギスはひとたまりも無いね・・・
これは・・・僕たちインキュベーターにとっては相当不利になった。」

キュゥべえ「「不利になった」だけで僕たちの行動は変わらない。
「不利にならないよう最大限努力する」とも言っていない。計算があるない関わらず
契約を必要としてる子は契約させる。それだけだ」


ほむら「そんな・・・そんな・・・」ドシャッ

マミ「美樹さん・・・」


さやか「やだなぁ、そんな顔しないでよ、マミさんもほむらも!」


さやか「今のあたしは、戦うことの恐怖よりみんなと同じ立場になれた喜びのほうが大きいんだから!」


杏子「ふっざけんじゃねえ!!」ガシッ


さやか「杏子・・・」


杏子「恭介の・・・腕を治したのか・・・」


さやか「そうだよ」


杏子「お前は・・・アイツの・・・アイツの何を見てきたんだよ・・・」



恭介(今ではこの動かない左手が、さやかとの絆だ)



杏子「バカヤロウ・・・・バカヤロウ・・・」


さやか「恭介ってば結局無神経で鈍感なところがあるからさ。」


さやか「だから、アイツが女心を解るときまで待ってやるって決めたんだ。
20歳くらいまで待ってやるくらいがちょうどいいって思ってさ」


ほむら(・・・氷室・・・戻ってきて・・・助けて・・・)

498 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 14:08:27.70 1AXtC1Ug0 484/759

ほむら(私たち・・・大人になれた気がしていた・・・心を通じ合わせて・・・
何事にも立ち向かえるようになっていた気がしていた・・・)


ほむら(私には・・・この想定外の事態を・・・どう対処していいかわからない・・・)


ほむら(助けて氷室・・・私・・・わからないの・・・とても嫌な予感がするの・・・)

ほむら(どうしていいかわからない・・・誰か・・・助けて・・・)



~上条邸~


恭介「・・・」ぐっぐっ


恭介「なんで・・・」



恭介「おかしいな・・・なんで急に治るんだ・・・?」



恭介「あれだけ動くのを望んでたはずなのに・・・なんでだろう・・・」









恭介「冷めたい気がする・・・僕の左手」



499 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 21:55:33.08 1AXtC1Ug0 485/759

まどか「さやかちゃんが契約してからちょうど一週間が経とうとしていたその日、暴風とともにそれは現れました」

まどか「最大、最強の魔女」


まどか「あれが・・・ワルプルギスの夜・・・」


まどか「キュゥべえは不安を煽ってくるものだと思いましたが、」

キュゥべえ「まともにぶつかり合えばワルプルギスの夜は間違いなく倒される。4人の中の1人も欠ける事無く」


まどか「そう・・・断言しました」


まどか「だからこそ、色々な不安が拭えません」

500 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 21:56:22.68 1AXtC1Ug0 486/759

~ワルプルギス出現10分前~


杏子「よく耐えたなさやか、この「一ヶ月」の修行であんたは飛躍的な上昇を見せた」

さやか「杏子・・・もう怒って無いんだね、あたしが勝手に契約したこと」

杏子「まぁ最初は絶対仲直りしてやんねーって思ったけど・・・なっちまったもんは仕方ないさ」


杏子「人のための祈りなんてくだらねーって前のあたしなら言ってたと思うけど・・・
もうあんたにあたしが願った奇跡も話しちまったからな」

杏子「恭介を守ることだけ、その事だけに好き勝手に生きるのなら安心だ。
魔法少女なんて正義の味方でもなんでも無いって事を理解してからの契約だったから、なんぼかマシさ」


マミ「美樹さん・・・あなたの伸び具合は佐倉さん同等の才能を感じるわ」

マミ「暁美さんが経験してきた時間軸では一週間ほどで戦死、魔女化していたけども・・・
単純に経験が足りなかっただけよ」


マミ「今の貴方は足手まといなんかじゃない。私たち以上に頼りになる一人前の魔法少女よ」


ほむら「結界魔法ホムリリー・・・時間の流れが外部よりも遅い空間・・・」


ほむら「その応用で私たちは外の世界の一週間を一ヶ月まで引き伸ばした」

ほむら「主な目的は結界内でさやかの特訓・・・それも・・・下手に新しい物を覚えさせずに
回復魔法とスパークエッジの完成に努めた」


ほむら「私たちが弱いせいでさやかに契約させてしまったものよ・・・
だから今度は全力でさやかを・・・守るわ」


さやか「ありがとほむら!でも、契約はあたしが自分の意思で決めたことだから!」

さやか「自分の身は自分で守るよ!そのために、一週間みっちり修行したんだから!」


ほむら(不安は杞憂だったのかしら)


マミ(この一週間で美樹さん・・・比べ物にならないくらい強くなったけど・・・)

マミ(途中、鬼気迫りすぎて怖いものがあった・・・ソウルジェムを限界まで濁らせて特訓を申し出たこともあった)


マミ(悪いことが起こる前触れで無ければいいのだけど・・・)

501 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 21:57:00.94 1AXtC1Ug0 487/759

ほむら「来るわよ・・・」

















ワルプルギス「アハハハハ・・・ウフフフフ・・・」



???? デェン!(魔女文字)

502 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 21:57:46.02 1AXtC1Ug0 488/759

杏子「ワルプルギスの夜にも幻術は利くかな?」

ほむら「例外なく有効なはずよ」

マミ「元気良くお願いします♪」

さやか「あたしの分身、ちょっと胸増量で!」


杏子「見得はらなきゃいけないのはマミやさやかじゃなくてほむらだろ?」

ほむら「杏子・・・ワルプルギスより先に撃たれたい?」


杏子「はいはい。それじゃ・・・いっちょやったるか」


杏子「アルコバレーノ・ファンタズマ!!」


ズラーッ


ワルプルギス「アハハハハ・・・ハッ!?」


さやか「へいへい!敵さんびびってる!」

ほむら「浮かれないでさやか、まずは一気に魔力を放出せずに様子見で戦うの」


ほむら「ワルプルギスの夜の強さはループごとにバラつきがある。
幻惑に紛れて適当に応酬しながらそれを見極めるわ」


ほむら「まどか(素質:並)をやむなく加えて5人がかりでも勝てない時もあった。
もしヤツがそのループのワルプルギス並に強力ならば、作戦を変えるわ」


杏子「まぁ、コイツが過去最強のワルプルギスだとしても、あたしたちはやんなきゃいけないんだけど・・なっ」

ザシュッ

さやか「うおりゅあああああああ!」


ザシュッ


マミ「二人の斬撃が決まった!今よ!!」


ほむら「対戦車砲!」

マミ「ティロ・フィナーレ!!」


ドッグォン!!!

503 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 21:58:17.23 1AXtC1Ug0 489/759

ワルプルギス「アハハハ・・・アハハーッ!!」


(両手を振り回して分身たちを一掃するワルプルギス)


杏子「さて・・・ほむらの支持通り一発殴った後、退いて分身に相手させてるけど・・・
あの攻防でヤツの強さがわかったかい?」


ほむら「ええ」

ほむら「5人がかりで勝てないワルプルギスの戦闘力を6とするなら・・・
ヤツは2.5といったところね」


マミ「魔法少女3人でなんとか勝てるレベルという事は・・・」

さやか「さやかちゃんも加わってるから、確実に勝てる相手という事だね!」


ほむら「でも油断しないで。私たちの身体がもう死んでいるということは、
防御がおろそかになるという事・・・再構成に魔力を消費させない意味でも、
自分が壊れやすい人間の体の体(てい)で行くわよ」


さやか「なにかあったらあたしが回復してやんよ!」

杏子「今度は7割の力でやるぜ。一気に叩けるのならもうそのまま倒しちまおう」

ほむら「問題ないわ」


使い魔「キャハハハーッ」

杏子「ローザ(桃)・ファンタズマ!幻影ども!使い魔をひきつけろ!」


まどか達(幻影)「こっちだよ!」

使い魔「キャハーッ」フラフラ・・


杏子「幻影が使い魔を相手するから・・・本体に構わず突っ込んでいける・・・
氷室・・・あんたとの特訓、マジで役に立ったよ・・・」


杏子「最後の審判!」

マミ「ボンバルダメント!」

ほむら「タンクローリーだッ!!」


ドゴゴゴゴゴ・・・

504 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 21:58:52.63 1AXtC1Ug0 490/759

ワルプルギス「アハハハ・・?ウ・・フフフ・・・!?」フラッ


ほむら「フラついてる!?や・・・やはり並のワルプルギス!これは・・・勝機だわ!」


さやか「悪いね先輩達!おいしいとこもらっちゃうよ!!」


さやか「これでとどめだあああ!!スパークエッ・・・」



キラッ





ヒュォオオオオオ・・・・





杏子「さやかああああああああああ!!」





マミ「体制を立て直して佐倉さん!次が来るわ!!」


ほむら「なんて・・・高圧力なレーザー・・・甘かった・・・相手はあくまで・・・」


ほむら「最強・・・ワルプルギスの夜・・・」

505 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 21:59:31.92 1AXtC1Ug0 491/759

~さやかが吹っ飛ばされた先の瓦礫の山~


さやか「いててて・・・」


キュゥべえ「こっぴどくやられたようだね」

さやか「ん。まぁ油断してたことは認めるよ」


さやか「ところで、何しに来たの?」

キュゥべえ「君を魔女にしに来た」

506 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 22:00:10.43 1AXtC1Ug0 492/759

さやか「直球だね。でもアンタの思い通りになんかさせないよ」


さやか「ちょっとそっちに千切れた足無い?こっちに放り投げて欲しいんだけど・・・」

キュゥべえ「これかい?」ポイッ


さやか「サンキュ。」


さやか「よっしゃくっついた、便利だね魔法少女」


さやか「じゃあねキュゥべえ、あたし戻らなきゃ(使命感)」

キュゥべえ「魔法少女の体にも随分吹っ切りがつけたようだね」


さやか「まぁ、杏子達と違ってあたしはわかってて契約したしね」

キュゥべえ「是非君に魔女になって欲しいんだけどな・・・」


さやか「なんで?」

キュゥべえ「このままだと君たちがワルプルギスに勝ってしまうからさ」


キュゥべえ「ワルプルギスは倒される。もはや嘘を吐くまでも無い。だから・・・」

キュゥべえ「ほむら達は誰一人魔女になることなく、ワルプルギスの日を迎えたと思いこんでいる」

キュゥべえ「だから今日なのさ。ワルプルギス当日に誰かが魔女になればほむらにとっても想定外を与えられる」


キュゥべえ「魔女になった君を助けようとして、ワルプルギスにやられる。それが理想の形だ」


さやか「それ、口に出しちゃう?勝てるってとこごまかせば焦って私たちが自滅する可能性もあるのに」




キュゥべえ「この緊迫した状況だとマミのノート読み上げも意味が無いだろうね」

キュゥべえ「だから魔女化させるなら君だ」


さやか「無駄だよ。あたしは全部わかってて契約したんだ。魔女にはならないよ」


キュゥべえ「そうかい?」






キュゥべえ「君は今・・・上条恭介と不仲なんじゃないのかい?」






さやか「・・・」

507 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 22:01:28.27 1AXtC1Ug0 493/759

~避難所~



まどか「なんで・・・なんで・・・上条君が・・・仁美ちゃんと一緒にいるの・・・?」



仁美「さやかさん・・・どちらへ行かれたのでしょう・・・」

恭介「さやかなら大丈夫だと思う・・・多分他の避難所で誰かを励ましてるに違いないよ」

仁美「思う・・・?多分・・・?随分とあやふやなことをおっしゃいますのね」

恭介「ちょっと色々あってね・・・さやかと顔をあわせづらいんだ・・・」

恭介「まともに話をしなくなって・・・3日ほど経つ」


まどか「上条君!仁美ちゃん!」

恭介「・・・鹿目さん・・・」

仁美「まどかさん・・・」



まどか「ぐ・・・偶然だね!仁美ちゃんと上条くんもこの避難所だったんだ!」

恭介「鹿目さん・・・さやかはどこに・・・」

恭介「いや・・・なんでもない」

まどか「恭介君・・・?」


仁美「なにかご用ですか?」

まどか「あのね・・・せっかく会えたんだし、避難所にいる間は3人一緒に行動しないかなって・・・」


恭介「僕は構わないよ」

仁美「私も・・・と言いたいところですが・・・まどかさん、家族の方達が心配するのでは?」


まどか「あ・・後でちゃんと連絡入れるよ!今は・・・」



タツヤ「うわあああああん、ねーちゃ、どこ~」

508 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 22:02:19.16 1AXtC1Ug0 494/759

まどか「タツヤ!?」

知久「まどか、ここに居たのか。駄目じゃないか、タツヤを泣かせちゃ。
ホラ、ママの所へ戻ろう」


仁美「私たちの事は心配せずに戻ってください。タツヤ君を悲しませないで」


まどか「あ・・・あのね・・・仁美ちゃん・・・さやかちゃんは・・・」


仁美「2、3・・・質問したらもう私も家族の下へ戻ります・・・だから今は二人きりにさせて下さい」



まどか(仁美ちゃん・・・)

知久「さ、まどか。それぞれの事情があるんだから友達に迷惑をかけてはいけないよ。
僕達も戻らなきゃ」



まどか(氷室さん・・・)

まどか(とても・・・嫌な予感がするの・・・ワルプルギスの夜には・・・勝てるはずなのに・・・)


まどか(バイオリン仮面・・・助けて・・・)

509 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 22:03:06.59 1AXtC1Ug0 495/759

~一週間前(影の魔女撃破日)~


さやか「恭介!」


恭介「さ・・やか・・・」

恭介「・・・動くんだ・・・何が起こったかわからないけど・・・僕の左手が・・」


さやか「良かった・・・本当に良かった・・・」

さやか「早速だけど弾いてみようよ、バイオリン!」


恭介「うん・・・」


♪~♪~♪


さやか「え・・・?」


さやか「きょ・・恭介?なんで・・・氷室さんの曲を・・・?」


恭介「やっぱり・・・彼には遠く及ばないや・・・」カタッ


さやか「恭介?な・・・なんでやめちゃうの?せっかく弾ける様になったのに・・・」


恭介「・・・すまないけどさやか・・・色々な事が起こりすぎて・・・頭の整理がつかないんだ」

恭介「今日はもう休むよ・・・君も帰ってくれないか?」


さやか「恭介・・・」


恭介「ゴメン・・・一人になりたいんだ・・・」



~帰路~


さやか「そうだよね・・・いきなり治ったんだから恭介だってとまどうよね・・・」


さやか「恭介・・・がんばってね・・・あんたはこんな所で10年もくすぶってちゃ駄目な
凄いヤツなんだから・・・」


510 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 22:03:51.64 1AXtC1Ug0 496/759

2日目


~上条邸~

さやか「恭介ー。迎えに来たよー」

恭介父「さやかちゃん!?恭介ならもう出たよ?」


さやか「え・・・?」

恭介父「私はてっきり、さやかちゃんと待ち合わせるものだと思ってたけど・・・」



~音楽室~

♪~♪~♪


恭介「・・・」


さやか「恭介・・・また氷室さんの曲を弾いてる・・・」

さやか「でも・・・練習に熱が戻ってきたのは間違いないよね!
早朝で音楽室を借りるためにあたしより先に学校に行ったのなら、よしとするよ!」


ガララッ

さやか「がんばってるじゃん、恭介」


恭介「さやか!?」カラァン

さやか「ホラ、続けてよ!昨日は恭介がもうバイオリン弾く気が無いんじゃないかって心配したけどさ
自分からやりだすんだから、まだ情熱は失って無いって事だよね!」


恭介「出て行ってくれ」

さやか「恭介・・・?」


恭介「君に聞かれると・・・集中できない・・・」


さやか「・・・!?」


さやか「そっか・・・そうだよね・・・あたし・・・うるさかったよね・・・」


恭介「ゴメン・・・そういう意味じゃないんだ・・・」

恭介「僕も・・・奇跡が起こったのなら・・・もっと上手くならなくちゃって思うだけだから・・・」


恭介「さやかがそこにいると・・・弾けない理由があるんだ・・・だから・・・今はごめん・・・」


さやか「ううん!気にして無いよ!ごめんね恭介、練習の邪魔しちゃって!」


511 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 22:04:29.58 1AXtC1Ug0 497/759

~教室~


まどか「さやかちゃん・・・泣いてるの・・・?」

さやか「違うよ、ただの寝不足」

仁美「寝不足!?ま・・・まさか恭介君と一夜を・・・」


さやか「そうなんだよ~。恭介のヤツ寝かせてくれなくてさ~」

さやか「ってなんでやねん!あたしたちはまだ中学生だよ!!」

まどか「さやかちゃん・・・?」


ガラガラッ


恭介「・・・」

さやか「恭介・・・」


中沢「あれ?バイオリン持ってる?上条?お前・・・左手の怪我・・・」

恭介「思ったより・・・大したこと無かったみたいなんだ・・・急に治った」


仁美「良かったですわねさやかさん!愛の力ですわ!完全に私が入り込む余地なんて無かったのですね!」

さやか「ああ・・うん・・・」

仁美「嬉しくありませんの?」


まどか「さやかちゃん・・・まさか・・・」

512 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 22:05:22.95 1AXtC1Ug0 498/759

~昼休み~


ほむら「・・・というわけよまどか。さやかは魔法少女の契約を交わした」

杏子「・・・」

マミ「鹿目さん、なにも心配要らないわ!元々ワルプルギスは今の私たちなら勝てる相手ですし、
ちゃんと美樹さんは守る余裕はあるわ」

ほむら「私のせいよ。私が・・・頼りないところを見せたばっかりに・・・」


さやか「ほむら!それは違うよ!」

さやか「確かに氷室さんは10年後恭介の腕が治せるって言ったけど・・・
恭介は絶対に立ち止まっちゃいけない凄い才能の持ち主だって思ったから契約したの!」


ほむら「それでも・・・責任を感じずにはいられない・・」

ほむら「さやか・・・上条君との予定・・・なるべく早く切り上げてもらえるかしら?
放課後・・・特訓をしたいの。」


ほむら「少しズルい手だけど・・・時間をたっぷりつかってあなたを一人前にするわ」

513 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 22:08:20.23 1AXtC1Ug0 499/759

~放課後~

恭介「ごめん、さやか・・・実はバイオリンの講師を待たせてるんだ。
今日はすぐにでも帰りたいから・・・別々に帰路についてくれるかい?」


さやか「なんだ、ちょうどよかったよ。あたしもほむら達にお茶会誘われてるんだ!」

さやか「頑張ってね恭介!あたし、いつまでも待っててあげるから!」


恭介「そうだね・・・しばらくデートはやめにしてバイオリンに集中させてくれると嬉しいかな」

514 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 22:09:06.36 1AXtC1Ug0 500/759

恭介邸


恭介「香月先生・・・お願いします」

香月「怪我が治って一発目のレッスンだからね、まずは軽くいってみよう
はい。安部マリア、二人だけでやらないか♪」


♪~♪~♪

香月「恭介君?」


香月「それ・・・安部マリアじゃないよね」


恭介「・・・」

♪~♪~♪


香月「しかも・・・なによそれ?」


香月「どうみても病み上がりの人間が弾くものじゃないわ!その曲の楽譜はあるの!?
見せなさい!!」


香月「・・・なによコレ・・・」


恭介「香月先生・・・僕がそれを弾けるようになるまで・・・何年かかります?」


香月「正気の沙汰じゃないわよ!こんなもの・・・世界にいる誰も弾けないわよ!」

恭介「氷室っていうバイオリニストをご存知ですか?」


恭介「その人は・・・弾いて見せたんです。しかも・・・速度を崩さず・・・見事な音色で・・・」


恭介「教えてください香月先生・・・僕がそれを弾けるようになるまで・・何年かかりますか?」


香月「30年経っても無理ね。あたしが教えられることじゃないわ」


恭介「そうですか・・・だったら・・・」


515 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 22:10:01.46 1AXtC1Ug0 501/759

~夕食時~

恭介父「恭介・・・香月先生にもう来なくてもいいと言ったのはどういう訳なんだ!?」


恭介「言葉の通りの意味だよ・・・僕の師匠は・・・後にも先にも氷室さんだけだった。
それを再確認できただけの話さ」

恭介「これからは僕1人で練習するよ・・・大人の教えなんていらない」


恭介父「恭介・・・感謝の気持ちを忘れた者は・・・何をやってもうまくいかないぞ・・・」


恭介「だったら!!氷室さんくらいうまい人を連れてきてよ!!」ガタッ


恭介父「恭介・・・」

恭介「手がかりは・・・僕の記憶だけなんだ!!録音した物じゃ・・・あの感動は出せない・・・!!」


恭介「香月先生も知らないっていってた!僕達があった特徴の・・・氷室というバイオリニストはいないって言ったんだ!」

恭介「氷室さんは・・・未来から来たバイオリニスト・・・だったらこの時代ではまだ僕と同じくらいの子供の可能性がある」


恭介「だから・・・越えなきゃ・・・スタートラインが同じ・・・今のうちにいっぱい練習しなきゃ・・・
あの曲を弾けるのは・・・氷室さんだけじゃないって・・・解らせなきゃ・・・」


恭介「20年後の未来人なのに・・・30年経っても無理だって言われたんだ・・・でも・・・諦めたくない・・・」


恭介「じゃないとさやかは・・・笑ってくれないよ・・・」


恭介「さやかが言ったんだ・・・氷室さんみたいな素敵な男性になってくれって・・・だから・・・越えなきゃ・・・」
フラフラ・・・


恭介父「恭介!待ちなさい!」

516 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 22:10:48.16 1AXtC1Ug0 502/759

しゅわ~(結界解除)~


さやか「ぜぇっ、ぜぇっ」

さやか「8時間ぶっ続けって・・・新人いびり!?」

ほむら「外の時計を見なさい」


さやか「うおっ!?一時間しか経ってない!?」

ほむら「この調子でワルプルギスまでに徹底的にあなたを鍛えるわ」

ほむら「私の弱さがあなたを巻き込んでしまったのなら、
あたなたが一人前になるまで私が責任を取る」


マミ「そうね・・・私も協力するわ」

杏子「・・・」


さやか「あ・・・でもこの方法だと恭介の体感時間よりもあたしの方が
恭介に会えない時間が長く感じちゃうってことだよね・・・」


ほむら「会えるときに思いっきり甘えればいいじゃない。遠慮しない仲になったんだから」

さやか「そうでもないんだよね・・・恭介がバイオリンの練習に集中したいって言ったから」

ほむら「さやか・・・?」


さやか「大丈夫だよ、あたしは待つためにも契約したんだ」

517 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 22:11:30.53 1AXtC1Ug0 503/759

~3日目~

恭介「ぐっ・・ふぅっ・・・」

ギギギ・・・

カラァン


さやか「恭介!!」

恭介「さやか・・・聞いていたのかい・・・
ごめんね・・・下手な演奏聞かせて・・・」


さやか「おじ様が恭介の様子がおかしいって言うから・・・無断で家に来ちゃった・・
不眠不休でバイオリンを弾いてるって・・・」


さやか「それよりなんで・・・なんで無理に氷室さんの曲を弾こうとするのさ!?」

さやか「恭介は恭介だよ!良い所がいっぱいあるのに・・・なんで氷室さんを追うようなことばっかり・・・」


恭介「バイオリンが弾けるようになってわかったんだ・・・僕と氷室さんの・・・決定的な才能の差に・・・」

さやか「え・・・?」

518 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 22:12:33.44 1AXtC1Ug0 504/759

恭介「氷室さんほど・・・素晴らしい曲は書けない」

恭介「演奏者としても・・・彼より劣っている」

さやか「氷室さんの方が練習してきたんだから当然でしょ!!」

さやか「きっと恭介だって・・・氷室さんの年齢になる頃には・・・もっと素晴らしい奏者になってるはず・・・」


恭介「さやかにはわからないよ!!自分でも解るし・・・先生達にも言われたさ!」

恭介「氷室さんの楽譜を見せたんだ・・・そしたらこれを作れるのも弾けるのも・・・本当の天才だって」


恭介「彼の過去に何があったか知らないけど・・・よほどのことが無い限り僕に
あそこまで悲しさに訴える曲はできやしないって・・・」

恭介「30年経っても無理だって言われたよ・・・」


さやか「恭介・・・」

さやか「まだ復帰してから3日目じゃ・・・」
恭介「本当ははじめて氷室さんの演奏を聞いたときからわかっていた」


恭介「僕の手がたとえ治っても彼に勝てる日は来ないだろうって」

恭介「だから・・・治らない手にどこかほっとしていたんだ・・・
このままバイオリンが弾けないままなら・・・彼との差を感じなくて済むって」

恭介「作曲家になるのも・・・もし駄目な演奏をしたら奏者のせいにできるからって・・思ってたからかもしれない」

恭介「さやかは僕の曲がいいっていってくれたけど・・・それも怪しくなってきた・・・
今の僕の心で・・・僕らしさを取り戻したいい曲なんて・・・書けない」


さやか「恭介・・・」

519 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 22:13:01.90 1AXtC1Ug0 505/759

恭介「動かなくなった手が・・・女神様が僕とさやかを繋ぐために与えてくれた希望にさえ感じていたのに・・・」

恭介「今では・・・動いた手が・・・魔女がもたらした絶望にさえ思えてくる・・・」


さやか「え・・・?」ピシッ


恭介「こんな挫折を味わうくらいなら・・・手なんて動かないほうが良かった!!」


さやか「きょ・・う・・・すけ・・・」ビシッパシッ


さやか「・・・」

さやか「あのね・・・恭介・・・」


さやか「あたし・・・恭介が落ち込んでるのは・・・一時的なものだと思ってるから・・・」

さやか「恭介くらいすごいヤツだったら・・・きっと簡単に乗り越えられると思ってるから・・・」


さやか「だから・・・しばらく恭介をそっとしておきたいの・・・
ほむら達と・・・やらなくちゃいけない事もできたし・・・」


恭介「さやか・・・」

恭介「そうだね・・・ごめん・・・僕がふがいないばかりに・・・」

恭介「今の僕がさやかと会っても・・・お互いに傷つけるだけだと思うから・・・」


恭介「しばらく一人になろう。今の僕たちに必要なのは・・・冷静に考える時間だと思うから・・・」



さやか「うん・・・」

520 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 22:13:38.13 1AXtC1Ug0 506/759

ザーッ



恭介父「雨降ってるね・・・送っていこうか?」

さやか「構いません・・・一人で帰ります・・・」

恭介父「じゃあ傘を貸そう。次に来るときに返してくれたらいいさ」

さやか「それも結構です・・・」


さやか「次・・・いつ来れるかわかりませんから・・・」

恭介父「さやかちゃん!?さやかちゃん!?」


さやか「・・・」バシャバシャ



さやか「言えなかった!あたし・・・辛そうな恭介に「だったらバイオリン弾かなくていい」って言えなかった!」


さやか「だってあたしの願いを自分で否定することになっちゃうもん!言えるわけないじゃない・・・!」


さやか「恭介に限ってそんな事ないとおもってた!弾けるようになってから・・・絶望するなんて・・・」

さやか「氷室さんはあたしたちを助けもしたけど・・・恭介に越えられない壁を見せ付けもしたんだ・・・!」

さやか「バカだよあたし・・・ほむらが何度も教えてくれたのに・・・また同じ願いを叶えて・・・救いようが無いよ・・・!!」


521 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 22:14:13.62 1AXtC1Ug0 507/759

~ワルプルギス前日~

ほむら「今日の訓練は終わりよさやか。いよいよ本番を残すのみとなったわ。」


さやか「うん・・・」


さやか(あたしの体感時間だと・・・学校以外では恭介と一ヶ月会ってないことになるんだ・・・)

さやか(会いたいよ・・・・恭介・・・)

522 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 22:15:09.19 1AXtC1Ug0 508/759

~現在~


さやか「不仲なのは否定しないよ」

さやか「でもそれは男女が付き合っていく途中で一度や二度あるものだと思うから」

さやか「それをネタにあたしを魔女に煽ろうってのなら通用しない」


(着信音)


マミ「美樹さん!?無事なの?いまどこかしら?」

さやか「すいません、テレパシー圏外まですっ飛ばされちゃって・・・」

マミ「私達もダメージを受けたの・・・そこから回復できるかしら」

さやか「やってみます・・・」


さやか「はっ!!」


ポウッ(3つの回復波動)


さやか「いっけえええええええ!!」


キュイーン


さやか「マミさん!」


マミ「届いたわ!ありがとう!遠距離からでも回復できるようになったなんて、
あなたの回復の才能は本当に突出しているわ」

さやか「マミさんたちの指導のおかげです・・・あたしもそちらに戻りますから!!」

ピッ

523 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 22:15:56.13 1AXtC1Ug0 509/759

キュゥべえ「マミたちは君と上条恭介の不仲を知らないようだね」

さやか「気を使わせるのも悪いから言って無いだけだよ」

さやか「お互い特訓に集中したいからしばらく
デートは中止ってお互いで決めたって言ったら納得してくれたし」


さやか「あたしは絶望しないよ。それじゃあねキュゥべえ」



キュゥべえ「絶望するのは君じゃない。上条恭介だ」



さやか「!?」

524 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 22:16:40.46 1AXtC1Ug0 510/759

キュゥべえ「彼は氷室という壁を前に立ち止まっている」

キュゥべえ「越えなきゃいけないという使命感に押しつぶされてバイオリンを弾かなくなることもありえる」


キュゥべえ「それだけに依存していた人間がそれにおいてどうしようもない差を味わうとき
人は挫折し・・・絶望する」

キュゥべえ「上条恭介はこれからバイオリニストの道も諦めてただ何者にもなれずに無気力に生きていくのさ」


さやか「恭介は・・・恭介はそんなに弱い人間じゃない!」

さやか「あたしに誓ってくれたんだ!音楽は諦めても・・・
普通の仕事に就いて、あたしと平凡な家庭を築いていこうって」


キュゥべえ「それはあくまでバイオリンが弾けない場合さ」

キュゥべえ「今の彼は弾けるのに・・・氷室を越えられないから弾きたくないと思っている」

キュゥべえ「弾けるのに弾かない。その自己嫌悪が彼を絶望させる」


キュゥべえ「君だって・・・彼にもう弾かなくていいとは言わなかっただろ?」

キュゥべえ「君が押し付けたんだ。氷室より上手くなってくれって」


さやか「そんな・・・」


525 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 22:17:25.72 1AXtC1Ug0 511/759

キュゥべえ「芸術の道において一度挫折した者が立ち直るのは困難だ」

キュゥべえ「自殺だってありえる。芸術の道を歩んできた者たちでそうなってしまったケースも珍しくない」


キュゥべえ「生きていたとしても・・・何事にも喜びを示さず無気力になるだろう」

キュゥべえ「音楽に関するもの全てが嫌になってるはずさ。今の彼は作曲家の道さえ諦めかけてる」


キュゥべえ「とどめをさしたのは君だ」



さやか「嘘よ・・・嘘よそんなこと・・・あたしは・・・あたしはただ・・・」


さやか「苦しませるつもりなんてなかったのに・・・」


キュゥべえ「今から見せる映像は僕たちインキュベーターによるシミュレーションだ」


キュゥべえ「上条恭介が沈む様をみせるのもいいけど・・・君にはこちらの方が効果的だろうね」


キュゥべえ「すなわち・・・手を治してない方の・・・幸せな未来を」



さやか「やめて・・・」



さやか「やめてえええええええええええええええええ!!」



カッ

526 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 22:18:50.16 1AXtC1Ug0 512/759

恭介「さやか、やったよ。魔法少女あおい☆マギカのBGM作曲の依頼だ」

さやか「本当!?実はあたしも・・・そのアニメでエリってキャラの仕事とったんだよね」

恭介「本当かい?夫婦で仕事できるなんて・・・なんて幸せなんだ!」


さやか「少しずつ・・・恭介の仕事が認められてるんだね・・・あたし嬉しいよ・・・」

恭介「すまないさやか・・・僕が音楽の道を諦められないばかりに・・・君に声優の仕事をさせてしまって・・・」


さやか「声優はあたしが好きでなった仕事だよ!恭介は気にしないで!」

恭介「さやか・・・本当に感謝してる・・・君が支えてくれたから僕は・・・」

さやか「ねぇ恭介・・・今でも・・・左手治したいと思う?」


恭介「もう・・・そんな気はおきないよ」

恭介「氷室さんの言った通り医学は進歩した。バカ高い手術料も・・・父さんたちは出してくれるといっている」

恭介「でも・・・もういいんだ。僕たちの未来は・・・僕たち二人だけで作っていくんだって・・・
いつまでも氷室さんや・・・父さんたちに甘えるわけにはいかない、そう気付けたから」


恭介「変と思うかもしれないけど・・・嬉しいんだ・・・左手を失った代わりに得たもの全てが・・・」

恭介「この動かない左手が・・・引き合わせてくれた・・・バイオリンの仮面で取り繕ってた僕を・・・素直にさせてくれた」


恭介「この左手でも・・・さやかに触れて未来が変わったんだ。だから・・・治さないほうがいい」

恭介「感覚が無い左手だからこそ・・・唯一感じられるさやかの温度を大切にしたいと気付けたから」

恭介「さやかと僕の絆だよ。だから今は・・・高いお金を払ってまで治そうとは思わない」


さやか「恭介・・・」ぎゅっ

恭介「君さえ僕の味方なら・・・君さえ失わずにいれたら・・・
もうバイオリンの仮面なんて着ける必要ないんだ。ヒーローになんて・・・ならなくていい」


恭介「君一人だけは絶対まもり抜いて見せるから」


さやか「これからは・・あたし一人じゃないよ」

さやか「あたしね・・・子供が出来たの」

527 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 22:19:24.97 1AXtC1Ug0 513/759

恭介「・・・!やったよさやか・・!!」

恭介「でも・・・幸せにしてあげられるかな・・・僕の仕事だって・・・いつ観衆に見捨てられるかわからないものだし・・・」


さやか「きっと大丈夫!これから恭介は認められていくよ!」

さやか「今までだって諦めずにいたからこそ、仕事が入るようになったんだから!」


恭介「女の子なら・・・恭子?」

さやか「それは、杏子が顔真っ赤にして怒りそうだから勘弁してあげてよ・・・」


恭介「ははっ・・そうだね。」

さやか「ふふっ・・・」




パキィィィィィン!!

528 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 22:21:08.02 1AXtC1Ug0 514/759

さやか「あ・・・ああ・・・・」


さやか「あたしが・・・壊したの・・・?手を治したばっかりに・・・恭介に挫折を味あわせたの・・・?」

さやか「平凡だけど幸せになれる未来を・・・あたしが壊してしまったの・・・?」



キュゥべえ「魔女化寸前だ」

キュゥべえ「駄目押しにもう一つビジョンを。これはこれからすぐに起こりえる未来さ」



~~

仁美「私は・・・押し付けませんわ。あなたにバイオリンを・・・」

仁美「さやかさんと違って・・・あなたを好きになったきっかけはバイオリンではありませんもの」


恭介「志筑さん・・・」

仁美「もしも・・・私を選んでくださるのなら・・・手を握ってください」

仁美「でも忘れないで・・・私たちはさやかさんを裏切って・・・
もう二度と後戻りできなくなることに・・・」


恭介「もう僕は・・・弾かなくていいのかな・・」

仁美「はい・・・楽になさってください」


恭介「志筑さ・・・いや・・・」


恭介「仁美さん・・・」


仁美「恭介さん・・・///」


~~



ピシピシ・・・パリィ・・・

529 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 22:21:52.11 1AXtC1Ug0 515/759

キュゥべえ「グリーフシード・・・生まれたね」


さやか「あたし・・・割り切ったつもりなのに・・・」

さやか「この体のこと・・・魔女になること・・・」


さやか「魔法少女は・・・正義の味方なんかじゃないこと・・・」

さやか「何が大切で・・・何を守りたったか・・・ちゃんとわかってたはずなのに・・・」

さやか「あたしは・・・恭介の味方でいさえすればいいって思ってたのに・・・」


さやか「恭介に与えた希望が・・・絶望になっちゃった・・・」

さやか「結局あたしは・・・恭介一人の味方にも・・・なれなかった・・・」


さやか「その傍も・・・仁美にとられちゃった・・・バイオリンなんて弾けなくていいって・・・
言ってあげられるだけの・・・自分の間違いを認める勇気が無かったから・・・」




さやか「あたしって・・・ほんとバカ・・・!」




グゴォオオオオオオオッ

530 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 22:22:46.08 1AXtC1Ug0 516/759

~ワルプルギス地点~

ワルプルギス「アハハハ・・・!?ウフ・・?」ボロボロ・・・


杏子「自己修復が・・・間に合わなくなってるのか・・・」


杏子「いけるぞ!倒せる!やっぱり4人だと圧倒的だな!!」


マミ「美樹さんの回復が決め手だったわ!彼女いなければ3人でも勝てたかどうかわからなかった」


ほむら「長かった・・・ついに私は・・・まどかとの未来を・・・手に入れられるのね・・・」



杏子「最後だマミ!・・・協力ワザ・・・やってやるよ・・・」

マミ「佐倉さん・・・ティロ・マリターレよ・・・お願いできるかしら・・・」


ほむら「10連タンクローリー・・・スタンバイ!!」


杏子マミ「ティロ!マリター・・」



キュゴオオオオッ


ほむマミあん「!?」

531 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 22:23:23.70 1AXtC1Ug0 517/759

杏子「な・・・なんだ・・・!?あの魔力の柱は・・・!?」


マミ「あそこは・・・美樹さんが飛ばされた方角!?
美樹さんが・・・新しく現れた魔女と戦っているとでもいうの?」


ほむら「そんな・・・ありえない・・・あの波動は・・・」


ほむら「なぜなの・・・上条恭介と両思いになった今・・・さやかが絶望することなんて・・・ありえないのに・・・」



マミ「!?」

杏子「どういう事だよ・・・おい・・・」




ほむら「美樹さやかが・・・魔女になった・・・」


532 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/10/31 22:25:44.81 1AXtC1Ug0 518/759

ED;ヴァイオリン版「Magia」

http://www.nicovideo.jp/watch/sm14293357?ref=search_key_video


~後編へ続く~

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