#1 の続きです
マミ(私の腰が治らないのは・・・精神的な問題だと暁美さんは言った・・・)
マミ(私が恐れているのは・・・魔女との戦い・・・?いいえ、戦いそのものを
恐れている・・・?)
マミ(それも違うわ。私が恐れているのは・・・戦いじゃない・・・)
マミ(私にとって・・・本当に恐ろしいことは・・)
マミ(私が今気になっている、あの人ならこの状況をどう戦うだろう?)
マミ(佐倉さんも私も傷つかずに済む。そんな方法を彼なら考え付くかもしれない・・・)
マミ(・・・やってみる価値はありそうね。)
カチャッ
杏子(銃口を地面に向けた!?一体何のつもりだ!?)
マミ「ティーロ!」バフッ!!
杏子「うわっ!!」
杏子「くそっ!!煙幕か!だがその体で逃げ切れるとでも・・・!?」
ダダダッ・・
杏子「・・・」
杏子「ふーん。どうやらなにが原因か知らないけど、トラウマは乗り越えたみたいだね」
マミ「・・・」(しっかり両の足で直立するマミ)
杏子「完全復活ってわけかい?じゃあ第2ラウンド、始めるよ!」
杏子「くそ!!マミの奴うまく逃げたか。」
杏子「まぁいいさ。いくらでも仕掛けられるからね。今日のところは引き下がってやるよ」
ぐぅ~
杏子「・・・」
杏子「腹減ったな」
杏子「あんまんでも食うか」
ほかほか
杏子「うおっ、うまそう。」
杏子「いただきま~す」
ガブッ
杏子「あれ?なんか変だぞこのあんまん、弾力がありすぎて噛み切れない」
マミ「あんまんでは無い!!」
マミ「それは私のおっぱいよ」
バァァァアアン!!
杏子「!?マ、マミ!!」
マミ「あ・あっ・・・佐倉さん・・・歯を立てちゃぁ・・駄目ぇ・・・」ビクンビクン
杏子「ナニやってんだ!?お前はあああああああああああ!?」
マミ「お願い・・・あのころの佐倉さんのように・・・優しくし・・てっ」
杏子「お、おいマミ!離せ!む、胸が口に・・・」フガフガ
通行人A「なんだなんだ」ザワザワ
通行人B「寝姿の女性が別の女の子に乳を押し付けてる!?」
通行人C「あっ・・・(察し)そういう仕事ね。」
キリカ「ズ、ズルイ!私だって織莉子とそんな事したこと無いのに!!」
杏子「見るな、見るなーッ!!」
杏子「だああああああああああ!!(恥)
わかったよ!とりあえずこっち来い!!話合いでやってやる!」
マミ「佐倉さん・・・」
路地裏
杏子「ふぅ・・・とりあえず休戦してアンタの言い分を聞いてやる。
ワルプルギスの夜が来るってのは本当かい?」
マミ「ええ。ほぼ間違いないわ。暁美さんから聞いた話でしかないけど」
杏子「んで、あの暁美ほむらって奴と組んでるのは、
そいつを倒すためだけで他意は無いってか。」
マミ「他意・・・ね。」
マミ「本当はあなたが言ったとおりかもしれないわね」
杏子「あ?」
マミ「寂しくて暁美さんを受け入れた。その面もあるかもしれない」
杏子「へぇ、やっぱアンタ誰でも良かったわけだ」
マミ「それだけは違うわ。」
マミ「あなたの事ははあなたの事でずっと心配だったわ」
杏子「な・・・!?今度はあたしを仲間に引き込む気かい?」
杏子「言ったはずだよ。あたしはアンタみたいな正義の味方にはなれないって」
マミ「正義の味方なんかじゃ無いわ」
マミ「独りぼっちになるのが怖くて・・・無理してお姉さんぶってた・・・
私はただの、寂しがり屋の一人の少女よ。あなたの言う通りね」
杏子「!?」
マミ「魔女と戦ったとき、私は死にかけたわ。頭から食べられそうになったの」
マミ「死への恐怖が、私の体を動けなくしたと思ってたけど・・・本当に怖がってたことは死の先にあった」
マミ「それは孤独」
マミ「自分だけがひとりぼっちの闇の世界へと取り込まれる感覚・・・
あの瞬間それがはっきり解った。」
マミ「私は孤独を恐れている・・・でもそれは、私だけじゃなくて誰もが抱えてるものだと思ったの」
マミ「私以外の誰かにも、一人ぼっちなんかにさせちゃいけないって思ったら・・・
自然に体が動いたわ。」
杏子「・・・誰だよそれ・・・」
マミ「あの状況で誰?ってとぼけるのも凄いわね」
マミ「佐倉さんだって独りぼっちになる必要なんか無いわ」
マミ「あなたを悪い人になんかさせちゃいけない。
誰かの命を奪ってしまったらきっとあなたは後戻りできなくなる」
マミ「私をもう一度奮い立たせたのは正義の心なんかじゃないわ。
一人でも多くの、そして自分の孤独を救おうとしてる。単なる自己満足に過ぎないの」
マミ「もちろん親が魔女の手にかかれば明日を孤独で生きる子供達。
それを救うって考えれば正義の味方とも言えなくは無いけどね」
マミ「佐倉さんを助けたい。一人ぼっちにさせない。
そして、私のためにも・・・また一緒に、そばにいてほしい」
マミ「そこに正義があるかどうかなんて、後回しよ」
杏子「・・・」
杏子「それがアンタの本心だとして・・・えらくベラベラとしゃべるんだな。」
マミ「最近出会ったとある人の影響よ。その人は自分の欲望に正直に行動する人で・・・」
マミ「その人ならどうするだろうって思ったら、まずあなたに素直な気持ちを伝えることが大事だと気付けたわ」
杏子「・・・」
マミ「お願い、力を貸してくれないかしら。3人・・・いいえ、バイオリン仮面を含めて4人が協力すれば
ワルプルギスの夜を倒せる確率はそれだけ上がるわ」
マミ「その上でこの町を縄張りにするのならすればいい、私の事が気に入らなければいつでも
仕掛けに来ると良いわ」
杏子「・・・考えさせてもらうよ。とりあえず今日のところは引き下がってやる」
杏子「勘違いするなよ。また気にいらねぇ行動をとりやがったらいつでも潰しに行くからな」
マミ「佐倉さん・・・」
タッタッタッ
ほむら「巴さ!・・・・ん?」
~巴部屋~
さやか「マミさん!ぶ、無事だったの!?」
マミ「ええ、それどころかホラ、完全復活よ。」(もう何も怖くないのポーズ)
ほむら「パジャマのままそれをやるとなかなかシュールね」
まどか「でも、佐倉って人と戦ってたんじゃ?」
ほむら「!そういえばそうよ。佐倉杏子はあなたに危害を加えに来たわけではなかったのね。」
マミ「だから、彼女には腰のリハビリに付き合ってもらってたのよ。
佐倉さん相変わらずテクニシャンだから。おかげで腰から下が絶好調よ」
ほむら「・・・ナニがなんだか。」
さやか(腰のリハビリ・・・突き合う・・・テクニシャン)
さやか(腰から下が絶好調・・・ハッ!!)
さやか「佐倉杏子って・・・マミさんの、その・・・恋人か何か?」
マミ「ふぇっ!?」
まどか「ん」
まどか「言うまでも無く、いやらしい意味じゃないからね。さやかちゃん。」
さやか「い、いや違うよまどか!別に変なこと考えてないって!!
さ、さやかちゃんは天使!人魚姫!いやらしくなんかないぞー。」
まどか「上条君とそんな事してみたいってさやかちゃんが思ってたとしても、
わたしは幻滅しないよ。むしろ、仁美ちゃんのためにも絶対上条君を手放しちゃ駄目だよ。」
さやか「仁美のためにも?」
まどか「仁美ちゃん、すごい悩んでたの・・・
さやかちゃん以外の人に上条君が取られるのが我慢できないって」
さやか「・・・仁美・・・」
まどか「だから、あのままさやかちゃんがナニも行動をとらなかった場合
私が行くしかないって思ってて・・・切羽詰ってたらしいの」
まどか「仁美ちゃんは仁美ちゃんで・・・ものすごく思いつめて、悩んで・・・」
まどか「だから、仁美ちゃんのためにも・・・上条君をしっかり支えてあげてね。さやかちゃん」
さやか「そっか・・・そうだったんだね・・・」
さやか「魔女の口付けを受けちゃうほどに、仁美は悩んでた。
だから無駄にしないよ。仁美の悩みも。あたしは・・・たとえどんなことがあっても
恭介のそばに居て、アイツを支え続ける。」
まどか「うん!」
ほむら「じゃあ、改めてお祝いの言葉を言わせてもらうわ。」
マミ「あなたの勇気がもたらした幸福よ。一生の自慢にしなさい。」
まどかほむらマミ仁美「上条恭介君とのカップル成立おめでとう!!」
さやか「くぅ~wありがとう!」
さやか「って、なんで仁美が!?」
仁美「さやかさん、おめでとうございます」
まどか「目が覚めてたんだね。」
さやか「仁美・・・ごめん」
仁美「・・・何を謝る事があるのです?」
さやか「仁美に先に告白されたら・・とても敵わないって思ってさ。
だから・・・あたしが先に伝えたよ。恭介の事ずっと好きだったから」
さやか「仁美が先に伝えるか、二人一緒に告白してたらまた違った結果になっていたのかも。
って思うとさ、あたしが抜け駆けしたみたいに思えてきて・・・それで、ごめん」
仁美「それはお互い様ですわ。
それに、今回に限っては多分私が先に告白しても敗北してたでしょうし・・・」
さやか「・・・どういう事さ?」
仁美「簡単な話です。さやかさんが恭介君の心を射止めるには
ほんのちょっぴり女性的な所をアピールすればよかったのですから」
仁美「そういう意味では・・・下着のトラップ、お見事でした」
仁美「好きな人の前で中々素直になれないさやかさんが・・・
言葉を介さずそれをアピールするには・・・無言で下着を差し出す・・・
こんな冴えた手は他にありませんから・・・」
さやか「あ・・・ほむらがマミさんを迎えに言ってる時のあたしとまどかの会話・・・」
まどか「その時もうすでに意識はあったんだねー↓」
仁美「ええ。狸寝入りさせてもらいました」てへ
仁美「さやかさん・・・恋する乙女には大きく二種類に分かれるのはご存知ですか?」
さやか「・・・?何ソレ?」
仁美「相手の事に盲目になってしまうタイプと相手の事をなんとなくわかってしまうタイプ」
仁美「さやかさんは前者、私は後者ですわ」
さやか「う・・・まぁあたしの事は否定は出来ないけどさ・・・」
さやか「仁美は恭介のなにが解ったって言うのさ」
仁美「・・・秘めた想い。でしょうか・・・」
仁美「きっと上条君にはさやかさんが好きだという深層心理がありましたけど、
それを思い出さないまま自然にさやかさんを意識しなくなってしまったと、
彼を見ているうちになんとなく解ってしまったんです。」
さやか「・・・当たってる。
恭介は・・・あたしに告白された後、思い出したって言ってた」
仁美「私が勝てるとしたらそれを上条君が思い出す前に先手で動くことでしたけど・・・」
仁美「今回は下着のトラップを敷かれてましたから、先手をすでに取られてたんです」
仁美「ですから、私が先に告白しても勝ち目など無かった。そう思います」
仁美「別に下着でなくとも、ほんのちょっぴりさやかさんが大胆になるだけで、
恭介君の心はさやかさんに捕まれたまま離れないものになったでしょう」
仁美「例えば、強引に唇を奪ってみせたり。」
さやか「!!ちょ、ちょっと仁美!?///」
仁美「自然なパンチラやちょっと胸を触らせてあげるとかでも、簡単に落ちたでしょうね。」
仁美「さやかさん・・・とっても魅力的(意味深)ですもの」
さやか「ひ・・・仁美が壊れた!!」
仁美「ですから、完全敗北ですわ。でもさやかさん、私諦めたわけではないですの」
仁美「さやかさん以外の誰かが上条君を奪うくらいなら、私が奪いますからね」
仁美「さやかさんはしっかり彼を捕まえておいてください。」
さやか「お・・・おぉう、くぅ~、こりゃうかつに恭介と喧嘩なんかできないね・・・」
さやか(そして・・・ほむらの言ってることも当たってたな・・・
本当にあたしが恭介を手放したら全力で奪いに来るよ・・・)
仁美「あらためて祝福させてもらいます。おめでとう。さやかさん」
仁美「ところでここはどなたの家でしょう?私、病院に向かったところまでは覚えてますのに・・・」
ほむら「私が説明するわ」
ほむら「ここは通称巴部屋。そちらの3年生の先輩の巴マミさんが一人暮らしをしているマンションよ」
マミ「そんな通称名乗った覚えは無いわ。相撲部屋みたいな呼び方やめてくれるかしら?」
仁美「あっ、どうも初めまして。志筑仁美と申します」
マミ「巴マミよ。よろしくね」
ほむら「おそらく明日、幻覚か催眠による集団自殺未遂という認識でニュースが発表される」
ほむら「志筑さん。あなたは訳あってその人たちに巻き込まれていたのよ」
仁美「・・・それは・・・怖い話ですわね」
ほむら「だからあなたの身柄だけはここで保護させてもらったわ。
授業を抜け出してまで集団自殺なんて、叱られるだけじゃすまないわ」
ほむら「おそらくこの先、危険な人という認識になるでしょうね」
ほむら「あなたは集団自殺があった時間帯には上条恭介の病室に
さやかと一緒にいた・・・という事にして欲しいの」
ほむら「もちろん、集団幻覚に巻き込まれたことが不安なら後日精密検査を受けると良いわ」
仁美「・・・私はそれで構いませんわ。お気遣いいただいて、ありがとうございます」
ほむら「もっと言えば・・・上条恭介に告白したという事実が欲しいから後日改めて
病室を伺ってほしいのだけれど・・・」
仁美「!」
さやか「ほむら・・・やっぱりそれだけはよそうよ。仁美にとって傷を深くするような事は・・」
仁美「いいえ。やらせていただきますわ」
さやか「・・・仁美!?」
仁美「上条君の口からハッキリとさやかさんが好きだと聞かなければ諦めがつかないですもの。」
仁美「もしかしたら上条君がノロけてさらに
さやかさんとの絆を見せ付けられる結果になるかもしれませんが・・・」
仁美「それが、さやかさんが上条君を好きだと知っていながら
慕ってしまった私の、けじめだと思いますから・・・」
さやか「仁美・・・やっぱあんた強いよ。あたしなんかよりよっぽど。
あたしが勝者でいいのかな。って時々思うよ。」
仁美「コホン・・・それに・・・」
仁美「恭介君に私の気持ちを知ってもらうことで、いつか逆転の目が出るかもしれませんし」
さやか「うぇ!?」
仁美「告白は失敗しても友達から始めていただければ、
恭介君に擦り寄る他の女の子たちから彼を守ることも出来ます」
さやか「やっぱ仁美は仁美だな。したたかさというかすごい根性だよアンタ・・・」
まどか「わたしも、あらためて上条君に挨拶していいかな?
友達としてもっと上条君と仲良くなってみたいの」
マミ「あらあら、美樹さんの彼氏はモテる子なのね。」
さやか「なんか複雑だよ。喜んでいいのか焦ればいいのか。
「あたしの彼氏はこんなにかっこいいんだぞー」って自慢していいのか。」
ほむら「焦ってるほうがあなたらしいわ。
上条恭介の前で自爆して恥を晒してしまうところが見てみたいわ。」
さやか「ほむら!!このっ!このやろう!!」グリグリ
ほむら「ちょ、さやか!やめ・・やめなさい・・!ヘッドロックは・・」
ほむら「・・・!!さやか、あなた巴さんに負けずとも劣らないモノを持っているわね。」ムニュムニュ
さやか「ほむら!?」
ほむら「これが上条恭介のモノになってしまうって考えたら・・・
少し悔しい気持ちになるわ。男の好きにさせるなんてもったいない」ムニュムニュ
さやか「なななな・・なんでそこで恭介が出てくるのよ!触らせるわけないじゃない!・・・・・まだ(小声)」
まどか「さやかちゃんにセクハラできるなんて、相当レベル高いよほむらちゃん!」
マミ「あらあら、みんな仲が良いのね。マミ姉さん一人は寂しいわ。」
仁美「でしたら、私とお近づきになりませんこと?」
マミ「いいわね。」
さやか「そうだ!今日もお泊まり会しようよ!今日は仁美も一緒にさ!」
まどか「そういえば、もう放課後の時間帯だね」
仁美「完全にサボってしまいましたわ。家の者がなんて言うか・・・」
さやか「そういう事、だからこのまま学校終わった体(てい)でお泊まり会に以降ってことで!」
ほむら「・・・昨日宿泊会をした当初の目的を忘れてないかしら」
さやか「情報交換でしょ?わかってるって、そっちもなんとかやるって。」
まどか「今日はみんないっぺんに泊まるの?それとも別々?
前もって言ってないからわたしは許可が出るかわからないよ。」
まどか「だから誰か泊まるならまたわたしの家だと思うけど」
まどか「あっ、というか家に電話しづらいな・・・今日のこと多分怒られちゃう・・」
ほむら「なら、私が一緒に謝って行ってあげるわ。」
さやか「じゃあ、まどほむペア決定だね!」
まどか「えっ?わたしと、ほむらちゃん?が、わたしの家に泊まるの?」
ほむら「ささささ、さやか!あ、あなたは来ないの!?」
さやか「昨日と違う組み合わせのほうが面白いじゃん。」
ほむら「でも、鹿目家とお付き合いのあるあなたと違って・・わ、私なんかがいきなり行って
泊めてくれるかしら?」アタフタ
まどか「それよりもまず今日のことパパとママが許してくれるかだよ・・・」
さやか「なんなの?あんた達。まだお互いの距離感つかめなくてまごついてる感じ?」
さやか「これを機会に親友になっちゃえばいいんだよ!転校生の歓迎会だって言えば
まどかの両親なら許してくれそうだけどなー」
まどか「ち、違うの。そうじゃなくてね、」
ほむら「先ほどちょっとした事故があって・・・そのお互いふたりきりだと
意識しすぎて顔をあわせづらいというか・・・///」
さやか「なんだそれ?」
仁美「なるほど・・・そういう事ですか。」ニヤリ
さやか「仁美はマミさんと親睦を深めたいって言ってるからあたしは仁美とマミさんについていくよ。」
仁美「お二人の邪魔しちゃ悪いですものね。」ニヤニヤ
まどほむ「///」
さやか「あたし達は誰ん家泊まる?」
マミ「私の家はいつでもOKよ。」
仁美「学校をサボってさえいなければ、私の家にご招待したいのですが・・・
ふぅ・・・心が重くて私家に電話する気にもなれませんわ。」
さやか「え!?それってつまり無断外泊するって事?
やめなよ仁美!!連絡なし朝帰りはマジでまずいって!」
仁美「・・・ええ。わかってます。ですがこれを機会にすこし
家庭に逆らってみるのもいいかもしれないと思ってるんです。」
さやか「おぉう・・・不良だねアンタ・・・」
さやか「だったらアタシの家かな。アタシの母さん、そういう仲介はうまいんだ。」
さやか「あたしもいっぱい怒られるかもしれないけど、
仁美の家に母さんから連絡してくれるように頼んでみるよ!」
仁美「さやかさん・・・ありがとうございます・・・」
マミ「美樹さん家でお泊り・・・楽しみだわ。」
さやか「じゃあ家に連絡だね。」
仁美「その前に上条君に今日はもう病室に行けないと伝えるべきなのでは?」
さやか「あ」
さやか「恭介ゴメン!やっぱり仁美が事件に巻き込まれてたみたいなんだ!」
さやか「だから今日は仁美についていたいんだ・・・病室に戻るって言ったけど・・ゴメン。」
さやか「えっ・・?えっ・・・あ、うん。うん。」
さやか「それじゃあね恭介。明日の朝また来てあげるから。」ピッ
仁美「どうでした?」
さやか「なんかムカつく・・・あたしがいなくても平気みたい。
機嫌がすごいいいらしいの。」
仁美「離れていても通じ合えるという事では無いでしょうか?」
さやか「あの受け答えはそんな感じじゃなかったけどな・・・
まぁ明日は絶対来て欲しいっていってたから信じてやるけどー」
さやか「それと、まどかゴメン!例の紙袋、仮面のアイツにやっぱり取られたみたい。」
まどか「仮面・・・あっ(察し)」
まどか「さやかちゃんの予想通りアレが必要だったってこと?」
さやか「そうみたい」
仁美「仮面のアイツ・・・誰ですの?」
さやか「ああ、いやぁ、こっちの話。じゃ、行こ。」
~病室:恭介発電所~
恭介「新たに得るものと失うもの・・・」
恭介「さやブラを失った僕に氷室さんが残していった新しく得るもの・・・」
恭介「それはボイスレコーダーだった。」ピッ
さやか(レコーダー)『恭介・・・大好きだよ』
恭介「繰り返したいと思っていた時間が・・・今この手に・・・録音してくれてたんだね。
ありがとう氷室さん。」
恭介「さすがにこれを何回も聞いてるところをさやかに見られるのは恥ずかしすぎるよね。」
恭介「だから今日は一人で構わない。もう少しだけ余韻に浸っていたいからね。」ピッ
さやか(レコーダー)『大好きだよ』
恭介「・・・」
恭介「素晴らしい。」
恭介「だけど一つ気になるのはこのレコーダーに印刷された製造年月・・・」
「2031年」
恭介「・・・なんの冗談だろう・・・それともこういう名前のブランドなのかな・・」
恭介「今から20年後・・・だよね。」
~夕刻~
巴部屋:無人
美樹ハウス;さやか 仁美 マミ
まど家:まどか ほむら
ほむほーむ:無人
佐倉杏会:杏子
恭介発電所:恭介
そして、町のどこかに・・・氷室。そのまた別のどこかにキュゥべえ。
~まど家~
まどか「ママ、パパ、ごめんなさい。わたし、学校サボっちゃいました。」
ほむら「私が振り回したような物です。ごめんなさい。」
詢子「和子から話は聞いてるよ。素直に謝ったから大目に見てやるよ。」
詢子「さやかちゃんと仁美ちゃんのために頑張ったんだってな。
まどかくらいの年にしかできないやんちゃってヤツさ」
詢子「まどかもアタシの中の人・・・もとい若いころに似てきたのかねえ。」ナデナデ
まどか「あの・・ママ?」
詢子「暁美・・・ほむらちゃんだっけ?転校生の。泊まっていくんだろ?
先に風呂に入っちゃいな。」
ほむら「あ、いえ・・その・・・でも先日美樹さんも泊まっていったのに、その・・迷惑では・・・」
詢子「なに言ってんだ。タツヤの遊び相手が増えるのなら、あたしらはいつでも歓迎するさ。」
詢子「それに、いろいろな話、恭介くんがどちらを選んだかとか興味ある。今夜は寝かさないぞー。」
詢子「なんなら徹夜でおしゃべりすっか。明日私も会社休むからさ。」
まどか「それはさすがに・・・わたし達、明日はちゃんと学校行かなきゃだし・・・」
~美樹ハウス~
さやかーちゃん「えらく中途半端な時間に帰ってくるのねあんた。
また恭介君とこ?」
さやか「ああ、ううん。学校サボったから。」
さやかーちゃん「ふーんそうなんだ。あたしは知らないよ。あんたがどこに高校にも行けなくなっても。
仁美ちゃんやまどかちゃんと同じ見滝原高校に行きたいなら、ちゃんとやりなよ。」
さやかーちゃん「ところで、仁美ちゃんと・・・そちらの、お姉さんは誰だ?なんでうちに?」
さやかーちゃん「えっ!?中学生!?」
~説明中~
仁美「まさか、本当に私の家の者を説得してしまうなんて・・・」
マミ「本当に親子って感じね。話しやすいところとかよく似てるわ。」
さやか「恭介と両思いになったって報告したら、赤飯炊こうとしたのは飛躍しすぎだけどね」
さやかーちゃん「この歳でおばあちゃんかー」
さやか「おい」
~佐倉杏会~
杏子「なーんか、マミのヤツ楽しそうだったな。今日もあの家に誰か集めてんのかな・・・」
杏子「あの頃はマミとあたしだけだったのにな・・・」
杏子「くそ、面白くねー。」ガンッ!
杏子「・・・また後でちょっかいかけてやるか。」
~氷室の一室~
氷室「フォオオオオオオオオ!!」
シュウウウ・・・
氷室「よし、浄化は完了だ。」
氷室「やっぱりさやかの下着が一番僕のソウルジェムと相性がいいらしい。」
氷室「浄化用にさやブラを使用した・・・さやパンは実践用にとっておくか。」
氷室「まどパン、まどブラはどうしよう。浄化用に取っておくのも有りだけど、本人に返したほうがいいかな?」
氷室「ほむらさんへのお土産、という選択肢もありだな。」
~とある場所のキュゥべえ~
キュゥべえ「それぞれの夜・・・か。」
キュゥべえ「バイオリン仮面の正体もわかりかけてきた。
僕は僕の仕事をするだけさ。」
~まど家風呂~
ちゃぽん
ほむら「ふぅ・・・」
ほむら「そういえば今日は・・・志筑さんの元へ、巴さんの元へと走りっぱなしだったわね。」
ほむら「疲れた体に・・・いつもとは違う他人のお風呂・・・気持ち良いわ。」
まどか「ほむらちゃーん?入るよ?」
ほむら「・・・!?まどかッ!?」ザバッ↑
ほむら「あ・・・」↓ズブズブ
まどか「ママがお客様の背中ぐらい流してあげなさいって。」
ほむら「えっと・・・それはつまり・・ま、まどかの前で裸を見せないといけないわけよね・・・」
まどか「そうだね。///」
まどか「まだ・・・あの事意識してるの?大丈夫だよ!女の子同士なんだから。」
ほむら「それもそうね・・・じゃあ・・・お願いできるかしら・・・」ザバッ↑
ほむら(事故的にとは言え・・・私はまどかの唇を奪ってしまった・・・・)
ほむら(かつてないほど私の鼓動は高鳴っているけれど・・・
まどかの方からもう意識していないと言われたとき・・・私は少し残念に思ってしまった・・・)
ほむら(まどかを助けたいと思ったとき・・・その気持ちは友情から来るものだと思っていたけれど・・)
ほむら(もしかしたら私は・・・まどかに・・・)
まどか「ほむらちゃんのお肌すべすべー」ナデナデ
ほむら「ひゃうっ!ま・・・まどか!?」
まどか「それじゃ、湯船に戻って。わたしは自分の体を洗うから。」
ほむら「いいえ、私にさせて頂戴。まどかも私の体を洗ってくれたもの、
私が洗わない道理は無いわ。」
まどか「そっか。じゃあ洗いっこだね。おねがいしていいかな?」
ほむら(・・・何かに理由をつけて・・・私はまどかに触れている。我ながら卑怯ね)
ほむら(まどかを助けたいと思って繰り返した数だけ・・・他のまどかを犠牲にしてきたのに・・・)
ほむら(まどかだけじゃない・・・マミ、さやか、杏子・・・)
ほむら(心が通じ合えそうなこの世界でも・・・失敗すればまた繰り返さなければいけないのかしら)
ほむら「嫌よ・・・」ボソッ
まどか「ほ、ほむらちゃん?」
ほむら「もう・・・繰り返すのは・・・嫌・・・」ポロッポロ・・・
まどか「ほむらちゃん!?」
まどか「すぅ・・・すぅ・・・」
ほむら「ま・・まどかの寝姿が目の前に・・・」ドキドキ
まどか「ほ・・むらちゃ・・ん」
ほむら「まどかが・・・寝言で私の事を・・・」
まどか「わたし・・・魔女には・・・なりたくない・・・」
ほむら「!?」
まどか「う・・うえっ!?」ガバッ
まどか「なに・・・?今の・・・?」ハァハァ
ほむら「ま・・ど・・か・・・?」
ほむら「まどか!?どうしたのまどか!?」
ほむら「すごい汗よ!まどか!ねえ!」
まどか「また・・・ほむらちゃんが出てくる夢を見た・・・」
まどか「生生しくて・・・肌触りがあって・・・夢じゃない・・・
きっとどこかで・・・経験してきた・・・「何か」が見えたの・・」
まどか「ねぇほむらちゃん・・・もしかして、
時間を繰り返して助けたい友達って・・・わたしの事?」
ほむら「!!・・・そ・・それは・・・」
まどか「じゃあもう一つ・・・こっちだけはちゃんと答えて欲しいことなんだけど・・・」
まどか「魔法少女は・・・魔女・・・になるの?」
~早朝の見滝原銭湯~
杏子「いつもは忍び込むけど、今日はちゃんと金を払ってやるか。盗んだ金だけどな。邪魔するぜー」
マミ「・・・佐倉さん?」
杏子「げ」
杏子「な、なんでまた会うんだよ!!マミがなんでここにいるんだよ!!」
さやか「3人だとウチの風呂が狭いからに決まってんじゃん。」
杏子「そ、そうなのか・・・って誰だよ!!」
さやか「あんたこそ!!」
マミ「えっと・・・彼女が佐倉杏子さんよ。志筑さんは話にも聞いてないと思うから、
隣町の私の後輩っていう認識で良いわ。」
さやか「!?マミさんの腰のリハビリに付き合った子か!!」
さやか「いやーありがとう、ありがとう!最初話を聞いたときは悪い子かと思ったけど、
うちのマミがお世話になりあした!!おかげで体も治って、胸もこんなに立派に・・・」
マミ「胸は関係ないわよね・・・」ピクピク
杏子「おい、軽々しく手を握るな!マミ!なんなんだよコイツは!?
馴れ馴れしいぞ!後輩の教育くらいちゃんとしろっつーの!!」
仁美「さすがさやかさん。私と初対面の時もこんな感じでしたわ。」
マミ「一時休戦は今日いっぱい有効かしら?」
杏子「・・・ああ、あたしから言い出したことだからな・・・そういう事にしてやんにょ」
さやか「にょ?」
杏子「うるせー!!噛んだだけだ!いちいち突っ込むんじゃねー!」
パシッ(タオル)
さやか「にょーっ!!」
さやか「あたし、美樹さやか。よろしくね。」
杏子「このタイミングで自己紹介かよ!!」
さやか「お、あんたもツッコミとかいけちゃうクチ?」
仁美「そうですわね。さやかさんに近しい物を感じます。」
さや杏「「あたしはこんなに騒がしくねー!!」」
仁美「出会ったばかりで息もピッタリですわね」ニヤニヤ
マミ「おいで佐倉さん。洗ってあげる」
杏子「な!?ふっざけんな!!あ、あれであたしが昔に戻ったと思ったら大間違いだ!!」
杏子「言っただろ!また気に入らないことしたらぶっ潰すって!!
今だって後輩連れてなあなあでよろしくやってるじゃねーか!!」
杏子「休戦中じゃなかったらとっくに戦闘だ!のぼせあがってるんじゃねー!」
さやか「銭湯だし、のぼせあがりもするよ?」
杏子「だああああああ!!うぜえ!超うぜえ!!なんだコイツ!なんだコイツ!!」
杏子「こんなのでも傍にいてくれるだけ嬉しいってかアンタ!!いったいどんだけ・・・」
さやか「さっきから話聞いてたらあれだね。」
さやか「要するにアンタ、マミさんの事が大好きなんだね。」
杏子「----ッ!?」
さやか「独り占めしたいんでしょ?」ズバッ
さやか「詳しいことは聞いてないけど昔師弟関係だったんでしょ?」
さやか「昔はマミさんの理解者が自分だけだったから独り占めできたけど・・・」
さやか「今になってあたし達みたいなマミさんの友達ができたのが悔しいんだ。」
杏子「な・・なななな・・・・」カタカタ
さやか「だから悪の(魔法)少女のフリしてマミさんにちょっかいを掛けようとした。
縄張り狙いだとか心にも無いことを言って、マミさんの気を引こうとしたんだね?」
仁美「・・・師弟関係?なんのでしょう?」
マミ「(魔法)少女としての戦いの・・・としか今はいえないわ」
仁美「まぁ!手料理かなにかですわね!」
仁美「この町はたしかに良い食材であふれてますからね。「縄張り」という喩えも納得ですわ。」
さやか「師弟関係が崩れても心のどこかでマミさんの正義感を理解できるのはあたしだけだー
って考えがあったんだ。だから新しく仲間が出来たマミさんが許せなかった。」
さやか「うんうん。解るよー。あたしも恭介とすれ違ってたままだったら
そうなってたかもしれなかったし。なんであんたの彼女が仁美なのよ!!ってなってたかもしれない」
さやか「何よりマミさんの一番(大事な体の部品)が食べられてたら、
あんたと敵対してたかもしれない。」
仁美「巴さんの一番・・・の得意料理ですか・・・確かに私たちが先に頂いちゃったら
昔のお友達は嫉妬しますわね。」
杏子「だああああ!!ちげーちげー!!ぜってーちげーよ!!」
杏子「あたしは本気でマミを殺(と)りに来たんだ!!」
さやか「うん。マミさんを取るって口に出してるよね。」
杏子「うぜええええええ!じゃあ殺(や)る!だ!!これで聞き間違えようがねーだろ!」
仁美「そ・・・そんな・・・女の子同士で・・ヤるだなんて・・・
禁断の恋の形が・・・ついに最終進化を・・・」
杏子「こいつも残念なヤツかよ!!」
仁美「志筑仁美ですわ。」
杏子「ウザッ」
仁美「ということは先ほどの一番とは料理ではなく巴さんの初めてを私たちが
頂いたら・・・という話になってしまいますが・・」ハァハァ
仁美「わたくし共は基本ノーマルですから巴さんに思いを伝えるのならどうぞお先に。」
杏子「~~///ッ!?」ザバッ
杏子「帰る!!教育がなってねーマミの後輩の子守なんかまっぴらだ!!」
マミ「ちょっと・・・佐倉さん!?」
さやか「行っちゃった・・・」
仁美「ちょっと洗礼がキツすぎましたかね。」
さやか「あれ?戻ってきた」
杏子「・・・」ちょこん
杏子「体、洗ってないことに気付いた。タダでしてくれるっていうのなら・・・
もらってやる。あたしがお前を利用してる可能性だって有るんだからな。
さっさと・・・しやがれ。マミ・・・さん(小声)」
マミ「♪~♪~♪」ゴシゴシ
杏子「・・・///」
杏子「マミ・・・また大きくなったよな」ボソッ
マミ「ふぇっ!?」
さやか「え、昔より(胸囲が)幅広くなってるって事・・?」
さやか(と・・・言う事は・・・あたしもマミさんと同じ中学三年生になれば、
今のマミさんくらいになる可能性が!?きょ、恭介に教えなきゃ!)ドキドキ
さやか(ってあたし、ナニ考えてるの!?純だよ!純な付き合いをするんだよ!
恭介を元のさわやかイケメンに戻すためにも過度なサービスは禁止だよ!)
さやか(ああ、でも教えたい・・・じゃなくて・・・
恭介との絆を絶対に離れない物にするためにこの身体をすべて恭介に・・・
ってどこかで考えてるんだ!!だ、駄目だよあたし。ま、まだ中学生なのに!!)
仁美(ぐぬぬ・・・わたしも小さいほうではないのに・・・あれだけはあれだけは・・
お金だけでは買えない物・・・あれがあれば上条君ももしかして・・・)
マミ(胸の事・・・と好意的に受け取りたいけど・・・
そういえば佐倉さんとお風呂に入ったことなんて無かったし・・・)
マミ(暁美さんが言った巴部屋・・・という表現・・・もしかして私・・・太った?
いいえ、どちらかと言えば、ぽっちゃりしてるのかしら?)
杏子(さっきあたしは・・・アレに挟まれてたんだよな・・・)
杏子(マミの体温が直に伝わってきて・・・あのまま眠れたらどんなに幸せだろうって思ってしまった。)
杏子(くそっ・・・あたしはやっぱり素直じゃないだけなのか?マミと仲直りしてーのか?)
杏子(アレ?そういえばあたし肝心な事わすれてた)
杏子「おいマミ!あたしのあんまんどこにやったんだよ!!」
マミ「えっ!?」ビクン
杏子「とぼけるんじゃねーよ!アンタ、あたしが食おうとしたあんまん押しのけて
胸を押し付けてきたじゃねーか!「まるでよりきろうとする相撲取りみたいに」!!」
マミ「うっ・・・」グサッ
杏子「すりかえたあんまんをどこにやったかって話だよ!」
マミ「あ、あの時は・・・私も小腹が空いてたから・・・その・・・」
杏子「・・・この・・・食いしん坊め!」
マミ「うっ・・うっ・・・」グサッグサッ
マミ「う・・・うわああああん!!」ポロポロ
杏子「な・・・マミ!?」
さやか「ちょっと!マミさん!?」
マミ「太ってないもん!太ってないもん!」
仁美「え、ええ、太ってませんわ。太ってませんわ。
だから落ち着いてください、巴さん!!」アタフタ
杏子「・・・イメージ狂いすぎだぜ先輩・・・」
~脱衣所~
マミ「ぐすん」
さやか「駄目だよ杏子、女の子に対して太ってる発言は」
杏子「言ってねー!!マミのヤツが変な意味にばっかり捉えるからだ!」
仁美「一応、形だけでも謝れてみてはいかがですか?」
杏子「ふっざけん・・」
マミ「ぐすん」
杏子「あのな・・マミ・・・」
マミ「なに?」
杏子「ご、ごめんなさ-」
マミ「ん?」ニッコリ
杏子「だああああ!?嘘泣きじゃねえええか!あっぶねええええ!」
杏子「やっぱり今のなし!よく考えれば交戦中だから馴れ合う義理とかねーし!!」
マミ「謝ってくれないの?」ぐすん
杏子「謝らねーよ。」
マミ「ひどいわ!昔はもっと素直な子だったのに!佐倉さんなんて、嫌いよ!!」
杏子「うっ!」ズキッ
さやか「ほら、嫌いだって言われて傷ついてるじゃん、あんた。」
さやか「本当はマミさんに昔のことも含めて謝りに見滝原に来たんじゃないの?」
杏子「それだけはちげーよ。」
杏子「また仲間内でなぁなぁでやってるなら、自分の考えの甘さを思い知らせに来ただけさ」
さやか「それを世間ではやきもちと言うのだよ、杏子ちゃん!!」ムニュムニュ
杏子「わあっ!?何しやがる!!胸をもむな!」
さやか「可愛いやつめ。この、この!」
杏子「離せ、この・・・おい、マミ!やめさせろ!」
マミ(あら?魔法少女の力なら無理やりひきはがすこともできるんじゃ無くて?)
杏子(それもそうだけど、アンタの連れだろ!アンタがちゃんと教育しとくべき問題だろ!
初対面でこれはねーよ、さすがに!)
仁美「こ・・これは、さやかさんとまどかさんの時にも行われた目と目で通じ合う関係!?」
仁美「加えて、女の子同士の親密なスキンシップ、素晴らしいですわ!」
仁美「女の子同士の禁断の恋の形が5角形にも6角形にもなるのですわね!」
さやか「よし、このさやかちゃんが杏子の友達になってやろう。」
杏子「は?」
さやか「杏子がマミさんに素直になるための相談役」
杏子「いらねーよ!」
さやか「じゃあ、杏子とマミさんが仲直りするための仲介役だ!」
杏子「言い方が変わっただけじゃねーか!」
さやか「じゃあ、杏子の弟子だ。」
杏子「は?」
さやか「あたし素質持ちなんだよ?もし契約したらあんたの仲間になってやってもいいかも。
この町を縄張りにしたいのなら戦力は必要だよね?」
杏子「必要だけどいらねー。あたしは馴れ合いたくないっつってるじゃん。」
さやか「ふーん。でも、あたしは諦めないよ。杏子につきまとっていつか本音ってやつを
聞かせてもらうからね!」
杏子「あああ!!もう、勝手にしろ!!調子狂うぜこいつ・・・」
さやか「じゃあ、あたし達もう友達だね!よろしく!」
杏子「・・・はいはい。それでいいよ、もう・・・まったく・・・」
マミ「ふふふっ」
杏子「・・・」
マミ「そうだ佐倉さん。はい、私の家のカギ。」
杏子「・・・なんのつもりだよ?」
マミ「寝るだけなら自由に使って構わないわ。今日もお泊まり会をするから、どうせ留守になるもの。」
マミ「食材に手をつけてもいいけど、
ほどほどにね。私がいるときまたもっとおいしい物を作ってあげるから。」
杏子「・・・」
杏子「ふん、よこせよ」ガシッ
マミ「佐倉さん・・・」
杏子「勘違いすんなよ。ただでもらえるもんはもらってやるってだけの話さ。
冷蔵庫の中のモン、全部食われても後悔するんじゃねーぞ。」
さやか「じゃあ、ここでお別れだね。バイバイ杏子。悪いことすんなよー」
仁美「ごきげんよう。また会えるといいですわね。」
マミ「佐倉さん、またいつでもいらっしゃい。稽古でも食事でもなんでも歓迎するわ。」
杏子「・・・」
杏子「バカなやつ、アタシはホテルに忍び込むのが面倒だからカギ受け取っただけなのに。」
杏子「食材だけじゃなく、金目のもん盗られてもしらねーぞ・・・だから・・・」
杏子「早く家に戻って来いよな」ボソッ
~~~
ワルプルギスの夜「アハハハハ・・・ウフフフ・・」ボロボロ・・・
まどか「ほむらちゃんも・・・死んじゃったの・・・?」
QB「ワルプルギスの夜と相打ち・・・一個人の魔法少女としては前例の無い戦果だよ
暁美ほむら」
QB「マミが死んで、さやかが魔女になり杏子が運命を共にした」
QB「そして今、暁美ほむらもまた、破滅の運命に身をゆだねた」
QB「正確には力を使い果たし、絶望し魔女化する直前、自分の手でジェムを砕いた。」
QB「そうそう、死の直前君宛にことづけがあってね。」
QB「「あなただけでも逃げて。絶対生きて、私の戦いを無駄にしないで」だそうだ。」
まどか「~~ッ!!」ポロポロ
まどか「キュゥべえ、わたし・・・契約するよ・・・
ほむらちゃんは怒るかもしれないけど・・・ほむらちゃんたちが犠牲になったのに・・・
わたしだけが生きてるなんて・・・嫌だよ・・・」
まどか「希望も絶望も一緒に背負ってあげられる・・・それが、本当の友達だと思うから・・」
まどか「だから私の願いは・・・」
まどか「今まで犠牲になったこの町の魔法少女を・・・生き返らせて欲しい」
QB「残念だけど今の君の素質では無理だ。一人生き返らせるのに精一杯だ」
まどか「!?」
まどか「ねぇ・・・どういう事?キュゥべえ言ったよね・・・?
わたしなら・・・どんな願い事も叶えられるって・・・
宇宙の法則を捻じ曲げる事だって出来るって・・」
キュゥべえ「君にも説明したとおり、君のかつての膨大な因果は暁美ほむらが
何度も時間を繰り返してきたことによる副作用だった。」
キュゥべえ「だが、暁美ほむらが時間を戻せるのは最初の時間軸の世界で僕と契約した
時刻までに限定されている。」
キュゥべえ「その特異点を過ぎた今・・・つまり暁美ほむらが時間遡行の能力をなくした今、
この時間軸は他の平行世界の干渉を受けない独立した未来へと向かい始めた。」
キュゥべえ「加えてワルプルギスの夜を倒し、君も契約していない。
暁美ほむらの本懐は成し遂げられたといっても過言ではない。」
キュゥべえ「簡単に言えば、「鹿目まどかの安否」という目的で暁美ほむらが
平行世界から束ねた因果が全て消失したのさ。」
キュゥべえ「君は因果の特異点では無くなった。」
キュゥべえ「もう、並の素質しかないんだよ。君には・・・」
キュゥべえ「だから、僕ももう無理強いしてでも君と契約したいとは思わない。」
キュゥべえ「それでも僕と契約したいというのなら、誰を蘇生させるか慎重に選んだほうがいい。」
キュゥべえ「もう一度言おう。今の君の素質ではたった一人しか蘇生できない。」
まどか「そ・・んな・・・」ポロポロ・・・
キュゥべえ「決まったかい?」
まどか「わたしが・・・生き返らせて欲しいのは・・・」
???「ここは・・・私・・・生きているの・・?」
まどか「???ちゃん!」
???「ま・・・ど・・か・・・」
???「!?」
???「まどか!!どうして?どうして魔法少女に!!」
まどか「???ちゃんを、ひとりぼっちにしたくなかったの。
ごめんね・・・でも・・これからはずっと一緒だから・・・」
~~~
まどか「やっぱり・・・???ちゃんみたいにうまくはいかないね・・・」ピシピシ
???「まどかッ!」
まどか「わたし・・・絶望なんかしてないよ・・・だって契約してから・・・
???ちゃんがずっとそばに居てくれたんだもん・・・すっごく、すっごく
楽しかった・・・」
まどか「でも・・・もう終わりだね・・・今の魔女・・・強かったね・・・」
まどか「今ならあの時の???ちゃんの気持ち・・わかるよ・・・
自分の命を犠牲にして、わたしを助けようとした訳が・・・」
まどか「生き返らせたりしちゃって・・・ごめんね・・・
また・・・???ちゃんを独りぼっちにさせちゃうんだね・・・」
???「まどかッ!?いや・・・いやよ・・・二度と・・二度とあなたを失いたくない!」
???「私もいく!死ぬときも一緒よ!まどか!」
まどか「だめ。」
まどか「わたしだけわがまま言って・・ズルイよね・・・でも言ったでしょ?
あの時の???ちゃんの気持ちがわかったって・・・」
まどか「あなたに生きていて欲しいの・・・???ちゃんと過ごした日々で・・伝わったの・・
覚えていなくても・・・何度も泣いて、傷だらけになりながらそれでもわたしを救おうとしてくれた・・・
???ちゃんの意志が・・・」
まどか「???ちゃんは・・わたしの最高のともだち・・」
???「まどかッ!!!」
まどか「だから・・・???ちゃんには、
わたしが守りたかった物・・・代わりに守ってあげてくれないかなって・・・」
???「約束するわ!だから・・・だから・・・お願い・・・いかないで・・
わたしを・・・置いていかないで・・・」
まどか「わたし・・・魔女にはなりたくない・・・だから、頼まれてくれるよね?」
???「・・・」ウン
まどか「なんだか・・・前にもこんな事頼んだ気がするね・・・」
まどか「ありがとう・・・大好きだよ・・・ほむらちゃん・・・」
~現実世界まど家~
まどか「ほむらちゃんは私のために・・・時間を繰り返して・・・」
まどか「私はほむらちゃんのために・・・魔法少女になって・・・
そして魔女になる・・・そんな夢を見たの・・」
ほむら「!?」
まどか「ほむらちゃん、答えて!」
まどか「ほむらちゃんが助けたい友達ってわたし?」
まどか「・・・魔法少女はいずれ・・・」
まどか「魔女になるの?」
まどか「・・・」モグモグ
ほむら「・・・」モグモグ
詢子「・・・あんた達・・・喧嘩でもしたの?」
まどか「うぇっ!?」ビクッ
ほむら「そ、そういう訳では無いです。わ、私がちょっと
まどかを困らせてしまって・・・」
まどか「わたしはもう平気だよ!ほむらちゃんも気にしないで!」
詢子「ならいいんだけどね・・・」
~通学路~
まどか「・・・」
ほむら「・・・」
ほむら(・・・まどかの夢の中のインキュベーターは・・・
繰り返すほどに・・・まどかの因果が高くなる・・・と言った。)
ほむら(確かに繰り返すほどに・・・まどかの素質は高くなっていった・・・)
ほむら(私のループが・・・原因で・・・)
まどか「・・・」
ほむら「今日は・・・さやか達は上条君のところに寄ってから学校に来るのよね?」
まどか「えっ!?」
ほむら「なら、今日は2人きりで登校ね。もっと他愛の無い話をしましょう。」
まどか「そ、そうだね。わたしが見たのはただの夢だった!ただの夢だったんだよ・・・」
ほむら(マミが死に・・・さやかが契約、魔女化そして杏子と心中・・・)
ほむら(まるで・・・あの時バイオリン仮面が現れてなかったら起こりえる最悪のシナリオね。)
ほむら(バイオリン仮面が現れなかった未来もある・・・そういう事なの?)
~病室:恭介発電所~
恭介「・・・」ソワソワ
さやか「やっほー恭介。要望どおり来てやったぞー」
恭介「さやか!!」
さやか「昨日は戻れなくてごめんね。あのあと仁美達を家に泊めて---」
ギュッ
さやか「・・・きょきょきょきょ・・・きょうすけえええ!?///」
恭介「本物だ・・・本物のさやかだよ・・・本物のさやかのぬくもりだ~。ふふふっ・・・」
恭介「声だけ聞いてたら少しは落ち着くと思ったんだけどね・・・
やっぱり本物はそれ以上だよ!愛おしいよ、さやか!」
さやか「///あのね・・・恭介・・・話は最後まで・・・聞いてね・・」
さやか「仁美達を泊めたから・・・今日は一緒に来てもらったの・・・」
仁美「///・・・見せ付けてくれますわね・・・」
マミ「///・・初めまして・・上条君。3年の巴マミよ・・・」
恭介「!?」
恭介「あ・・・あ・・・///」カ~ッ↑
恭介「いやあああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」
さやか「恭介・・・落ち着いた?」
恭介「うん・・・取り乱してごめんね・・。」
仁美「本当は、二人きりにしてあげたかったのですが・・・私たち
2人それぞれ恭介君に用があって来ましたの。」
マミ「私もよ。初対面だけど・・・どうしても上条君に聞いてみたいことがあって。」
恭介「こ、光栄だなあ・・・さやかの友達までもが、僕のこと気にかけてくれるなんて」
さやか「ひ、仁美?あんた本当に大丈夫なの?逃げ出したって誰も文句言わないよ!?」
仁美「さやかさんとは違うといったでしょ?
ちゃんと自分の気持ちに決着をつけるためにも、伝えますわ。」
仁美「上条恭介君・・・実はわたくし・・・以前よりあなたの事をお慕いしておりました。」
恭介「・・・・」
恭介「はい?」
仁美「好きです。という意味ですわ。異性として・・・」
恭介「いや・・あの・・その・・・」
恭介「さやか!これは一体・・・!?」
さやか「目をそらさないで!男ならちゃんと返事なさい!」
仁美「もうよろしいですわ・・・
どうしても諦め切れなくて・・・あなたの口からちゃんと
さやかさんが好きと聞きたかったけれど・・・先ほどのやり取りで・・
わたしには入る余地が無いと悟りましたから・・・」
仁美「では・・ごきげんよう。
さやかさんを・・・大切にしてあげてくださいね・・・」
恭介「ちょ、ちょっと待った志筑さん!ぼ、僕の返事はまだ終わってない!」
仁美マミ「え!?」
さやか(え、なにこれ?付き合って一日であたしがフラれるフラグ!?)
恭介「いや・・・返事というより・・・危なかったというべきかな・・・」
恭介「もう少し・・・僕が自分の気持ちに気付くのが遅かったら・・・
多分志筑さんにOKを出してたと思う・・・」
恭介「そして・・・さやかの気持ちに気付かずに、
「志筑さんと付き合います」という事をノロケて報告していたってね。」
恭介「ほんの・・2日前までは僕の中でのさやかは・・・
本当に家族のような存在だったんだ・・・母親だったり、姉だったり妹だったり・・・」
恭介「だから・・・「こんな僕でも彼女が出来ました」と報告すれば・・・
さやかは安心してくれるんじゃないかって勝手に思ってて・・・」
恭介「実際はそんな事すれば、さやかがただ傷つくだけなのも知らずに・・・
そう行動していたと思う。」
さやか「恭介・・・」
恭介「自分で言うのもなんだけど、僕は無神経な人間だという自覚もあるし・・・」
恭介「志筑さんへのプレゼント何がいい?って相談をさやかにしていたと思う。」
恭介「だから・・・僕が言える返事は・・・ありがとう。かな・・・」
恭介「志筑さんは・・・さやかが僕に告白できるまで待っててくれたんだね?」
仁美「えっ・・?いや・・それは・・誤解ですわ・・むしろ私は・・・抜け駆けしようと・・」
恭介「結果的にその行動に触発されてさやかが勇気を出してくれたとすれば、
さやかを助けたことになるよね?だから志筑さんの真意は聞かないよ。」
恭介「だから、ありがとうなんだ。さやかを傷つけずにいてくれてありがとう。
さやかの親友でいてくれてありがとう。」
恭介「そして、僕も・・・さやかを傷つけずに済んだ。
だから・・・ありがとう・・・」
恭介「志筑さんに告白してもらって・・・よりさやかを大切だと実感できた。
だから・・・ありがとう・・しか言えないんだ。」
仁美「・・・」
仁美「うっ・・・ううっ・・」ポロポロ・・・
さやか「仁美!?」
マミ「志筑さん!?」
仁美「ひどいですわ・・・恭介君・・・私を傷つけないように、
優しい言葉をかけてるようで・・・その内容はさやかさんの事ばかりじゃないですか!」
恭介「あ」
さやか「あ・・・ってアンタ、自覚なかったの・・?」
恭介「僕ってホント、無神経」
仁美「自分の事を絶対好きにならない人に恋している・・・
これが・・・本当の失恋というものですのね・・・今、ハッキリと実感しました。」
仁美「でも・・・告白して良かったですわ。」
仁美「恭介君の胸中も伺わずに・・・
私にもチャンスがあると思い込むほど辛いものは無いですもの・・・」
仁美「ですから・・・私から言える言葉も・・・ありがとうなのかもしれませんね・・・」
恭介「志筑さん・・・」
仁美「さやかさんを、傷つけないでいてくれてありがとう。
抜け駆けしようとした私なんかに・・・気をかけてくれてありがとう。」
仁美「そして・・・きっぱり諦めさせてくれて・・・ありがとう・・・ですわ」
恭介「志筑さん・・・あなたは強い。
だから・・・さやかがいないと折れてしまう僕なんかのそばにいてはいけないよ・・・」
仁美「それも結局はさやかさんが好きだというノロケですわ。」
恭介「あ」
さやか「恭介・・・あんたマジで無神経すぎ・・・
よっしゃ、ビンタや!仁美を泣かせやがってこの、この!」
恭介「なんでビンタやねん!ちょっと・・さやかやめてよ・・・」
マミ「本当に仲がいいのね・・・羨ましいわ。」
マミ(志筑さんと美樹さんの・・・美樹さんと上条君の絆が・・・それぞれね。)
仁美「では私はこれで・・・さやかさんは一時間目を休まれるらしいので・・・
おふたりでごゆっくり・・・(意味深)」
さやか「またねー。恭介は無神経なこと言わないようにきっちり調教(意味深)しとくからさ!」
恭介「ところで・・・3年の巴先輩って・・・さやか部活でも始めるのかい?」
さやか「先輩つーか、まぁ友達だね。」サラッ
マミ「み・・・美樹さん」キュン
さやか「ちょっとだけ試してみたいことがあってね、来てもらったんだ。」
恭介「試す?ナニを?」
マミ「左手、握らせてもらうわね」ギュッ
恭介(ボクをかあああああああああ!!
他の女の子に惚れないように試すってかあああああ!?)
マミ「私はちょっとした魔法が使えるのだけれど・・・
といってもおまじない程度に捉えてくれて欲しいんだけれど・・・」
恭介「・・はぁ・・」
恭介(魅惑の魔法とかじゃなくて良かった・・・)
マミ「過度な期待はしないでね・・・
あなたの左手・・・治せるかどうか・・試させてね・・」
(回復魔法の光)
さやか(・・・恭介には・・・見えてないよね・・?)
恭介「・・・すごい!皮膚の外傷がみるみる治っていく!」
恭介(本当に魔法が使えるのかこの人は!?)
恭介(良かった・・・僕が巴さんに惚れないか試そうとしてるわけじゃなかったんだね。)
マミ「さぁ、上条君・・・私の手を握り返してみて。」
恭介「うっ・・・ぐっ・・・」
恭介「ふぅ・・・」
恭介「はぁはぁ・・・」
恭介「残念ですけど・・・動きません。感覚も・・・無いままです。」
マミ「そう・・・」
さやか「・・・ごめん恭介・・・期待させるだけさせて・・・でも、
試してみたかったんだ。」
恭介「・・・」
恭介「いいよ。さやかが僕を思ってやってくれたことだ。それに・・・」
恭介「僕の演奏が聞きたいのなら・・・聞かせてあげられるんだよ。」
さやか「え?」
恭介「そろそろかな・・・?」
恭介「巴さんもさぁ・・・屋上・・・で演るんですけど、聞いてかない?僕のバイオリン。」
さやか「え?」
マミ「ど、どういう事・・!?だってあなたの左手は・・・」
恭介「さやかはもちろん来てくれるよね?」
さやか「もちろん!って・・・まだ状況が掴めてないけど・・・」
マミ「私も・・・一限目サボって付き合おうかしら・・・実はまだちょっと上条君に用事があるし・・」
さやか(・・・マミさんの恭介への用事って何だろう・・・?)
恭介「よし!決定だね。じゃあさやか、車椅子押して屋上までお願い」
さやか「う・・うん!」
~屋上~
氷室「やぁ、さやか、恭介・・・それと・・・巴さんも一緒か・・・」
さやか「ひ、氷室さん!?」
マミ「え?誰?」
さやか「バイオリン仮面!これが変身前の素顔なんすよ!(小声)」
マミ「ええええええええ!?バ、バイオリン仮面!?///」
マミ(ど・・・どうしましょう・・・こんな所で会うなんて思って無かったわ・・)ドキドキ
恭介の父「やあ。さやかちゃん、久しぶり。」
さやか「おじ様・・・ご無沙汰してます。」
恭介の父「私の事はお義父さんって呼んで欲しいなぁ。
小さい頃じゃれあう二人を見た時からの私の夢だったんだよ。さやかちゃんを娘にするのは。」
恭介の母「ほんとよね・・・結婚はいつになるのかしら・・・
やっと元のさやに納まったって感じよね。」
さやか「さやかちゃんだけに?ってやかましいわ!///
気が早すぎますよ!あたしたち・・まだそんな・・・結婚なんて・・・」
恭介「父さん・・・母さん・・・///さやかが困ってるからやめてあげてよ、それより・・・」
父「ああ・・・挨拶の次は、バイオリンだ・・・」スッ
さやか「(ズキッ)そ・・それは・・・恭介の・・バイオリン!?」
父「お前からは処分してくれと頼まれたが・・・本当に持ってきて良かったんだね?」
恭介「うん・・・僕はもう・・・自分の事故・・そしてバイオリン・・・
なによりさやかの気持ちから・・・逃げたりはしないって、決めたから・・・」
さやか「きょ・・・きょうすけぇ・・///」
父「それじゃ氷室さん・・・お願いします。」
氷室「父さん・・・そして、恭介、バイオリン・・お借りします・・・」
さやか「え?」
マミ「ひ・・・氷室さんが弾くの?」
恭介「さやかに聞いて欲しい。さやかに初めて聞かせたあの曲を・・・
昨日徹夜して書き直した。」
恭介「氷室さんのじゃない・・・上条恭介の・・・「人魚姫の祈り」だ。」
氷室「・・・」♪~♪~♪
♪~♪~♪
マミ「・・・あの時・・結界で聞いた物と似てる・・・けど全然違うわ・・」
♪~♪~♪
さやか「・・・優しさと力強さのイメージ・・・そうだ・・これはあの時・・・」
~幼稚園回想~
さやか「うう・・うぇぇぇええ・・」グスグス・・
きょうすけ「どうしたの?さやかちゃん?」
さやか「にんぎょひめさん・・・かわいそうだよぉ・・」
きょうすけ「そっか・・・さやかちゃんは、にんぎょひめさんに、しあわせになってほしいんだね。」
きょうすけ「よし!おれにまかせろ!」
きょうすけ「○○○○○かめん、さんじょう!」
園児A「はぁ?なんだそのヒーロー?きいたことねーよ。」
きょうすけ「それはそうだよ、だっておれがかんがえた、ヒーローだもん!」
園児B「なんだそれ、だっせー。ちょうよわそー」
きょうすけ「うるさい!さやかちゃんをいじめるやつはこうだ!」
きょうすけ「ひっさつ!ええと・・・ええと・・・」
園児A「なんだよ?なにかするんじゃなかったのか?」
きょうすけ「バ、バイオリンだ!バイオリンがないと、ひっさつわざはでないんだ!」
きょうすけ「でも、ようちえんにもってくるのは きんしだから、ちからがだせないんだ!」
きょうすけ「バイオリンがあれば・・・おまえらなんかバイオリンビームで・・・」
園児B「だいたいおまえばっかり、さやかちゃんとはなしてて、なまいきなんだよ!」ポカッ
きょうすけ「や、やったなー!くそー!キックだ!バイオリンキーック!」
園児A「ふたりにかつつもりか?おもしれーじゃん。この!この!」ポカポカッ
さやか「やめてえええええ!!きょうすけくんをいじめないでええええ!!」
きょうすけ「さ、さやかちゃん!」
園児A園児B「!!」
さやか「ぼうりょくふるうひとは・・・きらいだよ!」
園児AB「さ・・さやかちゃん」ガーン
さやか「きょうすけくん・・・ごめんね・・でもあたし・・わかったよ・・・」
さやか「あたし・・・つよくなるから・・・いつまでもきょうすけくんにまもられてばっかりじゃ、ないから・・・」
きょうすけ「はははは・・かっこわるいとこみられちゃったな・・・」
きょうすけ「そうだ!さやかちゃん、こんどコンクールにきてくれないかな?」
さやか「こんくーる?」
きょうすけ「ぼくがえんそうきかせてあげるよ!きっとげんきがでるよ!」
さやか「ありがとう・・・おかあさんにたのんで・・ぜったいいくね!」
きょうすけ「いいよ、チケットあげるよただで!ぜったいみにきてね!」
~コンクール当日~
きょうすけ「25ばん、かみじょうきょうすけ・・・きょくは・・・」
きょうすけ「にんぎょひめのいのり」
♪~♪~♪
審査員「!?」ザワッ・・
審査員A「お、おいどういう事だ!?課題曲と違うぞ!?」
審査員B「人魚姫の祈りという曲・・知ってるか?」
審査員C「い、いや・・・知らない・・・」
審査員A「こ・・・この歳でこの曲を自分で作曲!?素晴らしい才能だ・・・
し・・しかし・・審査は審査だ・・・規約にそって行わねば・・・」
♪~♪・・・ピタッ
さやか「・・・・」
さやか「す・・すごい・・」パチパチパチパチ
観客「わあああああああああ」パチパチパチパチパチ
観客「すげええええ!?な、なんだこれ!?本当に子供か!?」パチパチパチパチ
観客「いいぞおおおおおお!!」パチパチパチパチパチ
審査員B「そういうコンクールじゃねーから!騒ぐようなノリじゃねーから!
あくまで幼稚園生バイオリニストの育成のため課題曲を弾かせるコンクールだから!!」
審査員A「25番・・・上条恭介君だね?」
きょうすけ「はい!」
審査員B「残念だけど・・・採点できないよ・・・課題曲じゃなかったからね・・・」
審査員C「君の才能は素晴らしいが・・・ルールを守れないのならどうしようもないよ・・・
今度課題曲の場で自作曲を弾くようなことがあればウチが主催するコンクールはすべて
参加を断らせてもらうからね」
きょうすけ「は・・・はい」しょぼん
~~~
さやか「きょうすけくーん!」
きょうすけ「さやかちゃん・・・」
さやか「しんさいんのひとたちに、よばれてたみたいだけど、どうしたの?」
きょうすけ「ええと・・・それはね・・・」
きょうすけ「そ、そう!いっぱいほめられた!かな・・・」
さやか「そうだよね!あんなすごいきょく、つくれるんだもん!
おとなたちもほめないわけないよね!」
きょうすけ「でも、ぼくすごすぎるからなー。おとなたち、
100てんじゃたりないって、ぼくにてんすうつけずにかえっちゃった。」
さやか「そうなんだ・・・きょうすけくん・・・かわいそう・・・」
きょうすけ「それよりさやかちゃんだよ!どうだった?ぼくのえんそう?」
さやか「すごかった!」
きょうすけ「なんてんかな?なんてんかな?」ワクワク
さやか「うーんとね・・・」
さやか「38点!」
きょうすけ「さ・・・さんじゅうはってん~!?」ガーン
きょうすけ「そ・・それはてきびしすぎるよ・・・さやかちゃん・・・」
さやか「ちがうのー!100てんよりうえなんだよこのすうじは!
ママがおしえてくれたの!ちゃんといみがあるんだよ!!」
きょうすけ「ははは・・・みちはけわしいね・・・ぼく・・もっとがんばらなきゃだね・・・」
きょうすけ「さやかちゃんは・・・もっとよろこんでくれるとおもってたのに・・・」
さやか「ちがうよーきょうすけくん!すっごいよかったんだよ!おちこまないでよ!」
きょうすけ「それは・・ほんとう?」
さやか「ほんとうだよ!どうやってあのきょくつくったか、きかせてよ!」
きょうすけ「じゃあ、またちがうひに、ぼくのいえにきてよ!
このきょくがどうやってできたか、きかせたりないくらい、いっぱいりゆうがあるんだ!」
さやか「うん!」
~上条邸~
さやか「○○○○○かめん?・・・いったいなにものなの?」
きょうすけ「ぼくがかんがえたヒーローだよ!
そのしゅだいうたが、「にんぎょひめのいのり」なんだ!」
さやか「そうなんだ。しょうたいはだれなの?」
きょうすけ「おうじさまだよ!いちどにんぎょひめと、はなればなれになったおうじさまが
おなじじかんを、もういちどだけやりなおすのさ!」
きょうすけ「そして、さいごは、にんぎょひめとおうじさまがけっこんするんだ!」
さやか「すごーい。にんぎょひめさん・・・ゆめがかなったんだね!」
きょうすけ「へへっ。またわらってくれたね!やっぱりさやかちゃんはそっちのほうが・・・」
きょうすけ「か・・かわ・・・」
さやか「きょうすけくん?」
きょうすけ「な・・・なんでもない!!よーし、またひいちゃうぞー。」
♪~♪~♪
~回想終了~
さやか「きょうすけくん・・・嘘ばっかり・・・幼稚園児にオリジナル曲弾かせるなんて・・・
そんなコンクールあるわけないじゃん・・・」ポロポロ・・
恭介「そうだよ・・・ただ君の笑顔を取り戻したくて・・・見栄を張っていたんだ・・・
オリジナルのコンクールだったと・・後から嘘をついていたっけ・・」
恭介「こんどはどうかな?何点くらいかな・・・?さやかちゃん?」
さやか「点数なんか・・・つけられないよ・・・
こんどはあたしが・・・100点じゃ足りないくらい満たされてるもん・・・」
さやか「でもごめんね・・・恭介・・・腕を治してあげられなくて・・・ごめんね・・・
あたしがあの頃と変わらない・・・怖がりで弱虫なばっかりに・・・」ポロポロ・・・
マミ「美樹さん・・・」
さやか「本当は自分の腕で・・・あたしに聞かせたかったんだよね・・・」
さやか「あたしが・・・聞きたいって言ったから・・本当は弾けないことが辛くても・・・無理して・・・」
恭介「何を言ってるんだい?さやか?」
恭介「僕は紛れも無く、「自分の腕」で演奏したじゃないか。」
さやか「!!」
氷室「そうだ。まぎれもなくこれは「恭介の腕」だ」
恭介「これからは氷室さんが、僕の腕になってくれる・・・だからもう、
さやかが気を使う必要なんか無いよ。」
恭介「入院中は色々持ってきてくれてありがとう。僕はこんなお礼しか出来ないけど・・・」
さやか「うん・・うん・・・これは・・・恭介の曲だよ・・・
あの時聞いた・・・恭介の曲だよ・・・」
さやか「あたし今・・・最高に幸せだよ・・・」
さやか「マミさん・・・あたしの願い事・・・叶ったよ・・」
マミ「私はここにいるわよ!?なぜ空を見上げて言うの!?」
さやか「契約なんか・・・する訳ない。」
マミ「人を故人みたいに扱わないで!こっち見て話して!」
~病室:恭介発電所~
恭介「巴さん・・・」
氷室「僕たちに質問ってなんの事だい?」
さやか(マミさんが恭介に用があると言ったときは
もしかしてマミさんも恭介を・・・って思ったけど・・・)
さやか(氷室さんも呼び出してる時点で違うよね。ちょっとホッとした。)
マミ「あの・・ですね・・・客観的に・・・一般男子目線から聞かせて欲しいんですけれど・・」モジモジ
マミ「私の身体・・・どう思います?」
氷室恭介「「え?」」
さやか(えええええええ!?ちょ、ちょっとマミさん、それは・・・
3人、いや・・・あたしをいれて4人でのお誘い!?大胆すぎるでしょあんた!)
恭介「「いや・・あの・・その・・すごくおおき・・」」
マミ「太って・・・無いですよね・・」ウルウル
氷室恭介「「はい?」」
さやか「あ・・・マミさん・・・まだ気にしてたんすね。」
マミ「ごめんなさい・・・変なことを聞いて・・・」
マミ「でも、なんだかそういうイメージを持たれてるようで・・・気になって聞いてみたの。」
マミ「そうね・・・美樹さんと比べて太ってるか太ってないかだけでも教えてくれないかしら?」
恭介「あのですね・・・それは・・・」
恭介(どどどど、どうしよう!?そんなことないです!すっごいスタイルもいいし可愛いよ!
って言いたいけど、それはさやかがいる前で他の女の子を褒めるって事だよ!!
ぼ、僕には出来ないよ!どうするんだ・・・どう発言すればいいんだ!?)チラッ
さやか(ええい、恭介!こっちを見るな!アンタ、男でしょ!女の子を泣かせないために
気の利いた一言でもいってあげなさいよ!!)
氷室「ふむ、それは・・・内面的なキャラクターのイメージの違いだね。」
恭介さやか「「え?」」
マミ「内面的な・・・キャラクター?」
氷室「逆にさやかが巴さんほどセクシーキャラのイメージが無いのはそういう事だ。」
氷室「二人の間に誤差はあれど、スタイルの差は無いといっても過言ではない。」
さやか「誤差!?主に胸か!?胸って言いたいのかこのやろー!!」ぷるん
恭介「落ち着いてさやか、誤差って言ってるじゃないか。」
恭介(やっぱり、さやかのも・・大きい・・)ドキドキ
氷室「さやかはやんちゃ娘。巴さんはお母さんお姉さんのイメージ。これは・・双方自覚してるかな?」
マミ「お・・お母さん・・」
さやか「はいはい、どうせおてんば人魚ですよ。」
氷室「活発なイメージがある子とお母さんのイメージがある子。
抱きしめる前にどちらがやわらかそうかといえば、後者だ。」
氷室「さやかはさやかで、実は「こんなに女の子らしかったのか」っていう萌えポイントもあるけどね。」
さやか「あの・・その・ありがと。」ドキドキ
さやか(やっぱり・・・なんか、氷室さんの言う事・・心にくる物があるんだよな・・・
恭介のこと好きなはずなのに・・おかしいな・・)
氷室「やがて、この「お母さん」のイメージが勝手に暴走して巴さん本人とは別のベクトルに
向かっていく。」
氷室「つまり、一般的なお母さんのイメージ。ふくよかな女性だ。」
氷室「これが先ほどの「やわらかそう」なイメージと同一してしまい・・・
いつのまにか・・・「巴さん」=「ふくよかな女性」のイメージになってしまうんだ。」
マミ「そ・・・そうだったんですか・・・」
氷室「もっと言えば・・・そこまで胸が大きいのなら・・身体ももっと太っていなければ
おかしいはずっていう先入観も含まれるからね。」
マミ「胸・・・が原因の一つでもあるのね・・複雑だわ・・・」
さやか(あれ?マミさん・・・?セクハラスルーしてますよー)
氷室「結論から言えば、太っていない。
胸が大きいのにちゃんとくびれてるのはおかしいとさえ言えるレベルでセクシー、エロいっ!」
マミ「ええええ///いや・・あの・・その・・・」
マミ「あ・・ありがとうございます・・・」
さやか(ありがとうじゃないよ!セクハラだよ!あんた氷室さんに落ちかけてるじゃんかよ!)
氷室「そして、実は巴さん並にセクシーなさやかはもっと評価されるべき。」
さやか「ななななな・・・///・・・あ、あたしがマミさんと同じくらい!?
バ、バカ言ってんじゃないの!!褒めたってナニもしてあげられないわよ!」
さやか(あたしもかよ・・・あたしもセクハラが褒め言葉に感じるほど氷室さんに
落ちかけてる・・・きょ・・恭介、このときめきを止めて・・・)
さやか(恭介が一言、「さやかの身体は僕のものだ!」って言ってくれるだけでいいのよ!
それだけで、あたしはもう何も怖くないのに・・・)
恭介「うっ・・」ポタッポタッ(鼻血)
さやか「恭介!?」
さやか「ほら、恭介・・・じっとしてて」フキフキ
恭介「・・・ごめんさやか・・・改めてさやかを意識したら・・・
興奮しちゃって・・」
恭介「作曲するのに大変で・・・ちゃんと処理して無かったから・・・」
さやか「鼻血を?」
恭介「あ・・・もういいです。詮索しないで。」
マミ「それじゃあ・・・最後に一つだけ聞かせてください。」
氷室「ナニかな?」
マミ「私と美樹さん・・・氷室さんの好みに近いのはどちらですか?」ドキドキ
さやか「え」
さやか(マ、マミさん!?それ、完全に氷室さんのこと遠まわしに好きだって言ってるじゃん!)
さやか(あああああ!氷室さんを見つめる目が完全に乙女だよ!ちょっと前のあたしだよ!)
さやか(頼んだよ、氷室さん!さっきみたいに気の利いた答えをいってあげてよ!
ここは嘘でもマミさんと答える場面だよ!!)
氷室「どちらかと言えばさやかだね」キッパリ
マミ「」
さやか(おおおおおおおおおおい!?空気よんでくれえええええええええ!!)
さやか(な、なんだよコイツ!?無神経かつ鈍感だよ!!なんて事してくれたんだ!
迷い無くあたしだって答えやがった!!)
さやか(この感覚・・・覚えがある!恭介!!まさしく氷室さんの無神経さと鈍感さは
恭介の物なんだよ!!)
さやか(・・・あたしも・・・氷室さんを好きかもって想ったのは・・・
恭介に似てたから・・・なんだね・・・ちょっと安心したよ・・・)
マミ「うっ・・うっ・・」ポロポロ・・・
さやか(・・・こっちは、深刻だけど・・・)
マミ「・・・」しょぼん
さやか「お、落ち着いてねマミさん・・・あくまで好みの問題だから・・」
さやか「それに・・・あたしが氷室さんを好きになるって事はありえないから・・・
(揺れかけた原因もわかったし・・・)」
さやか「マミさんの努力次第で・・どうにでもなるんだよ!」
さやか「そもそも、氷室さんが早乙女先生みたいに見た目若いだけで30超えてたらどうするのさ!
大学生くらいならギリギリだけど、20歳の差は大きいって!」
マミ「それでも・・・氷室さんのこと、バイオリン仮面のこと、ちょっと素敵な人だなという想いは、変わらないわ。」
さやか「そ、そうだ!きょ、恭介!こっちがあたしの弁当。
こっちがマミさんの弁当。食べてみたいのはどっち?」
恭介「え?」
さやか「ちなみに、マミさんは昨日あたしの家に泊まった!
同じ食材で純粋に料理の腕の差が出るお弁当です!!」
恭介「正直に言うと・・・巴さんのお弁当のほうがおいしそうだな。」
マミ「!?」
さやか「マミさん!わかった?こういう事!男が答える回答なんて、
いつでも気まぐれで付き合ってる女の子でも裏切るときがあるの!」
さやか「本当に氷室さんが好きなら、その場その場の受け答えに惑わされてちゃ駄目!
相手の心を芯で捉える覚悟がなきゃ。」
マミ「み・・美樹さん、あ・・・ありがとう・・・少し勇気が出たわ。」
さやか「そして、恭介には悪いけど、マミさんのお弁当じゃなくてあたしが作ったやつ、
食べてってね。」コトッ
恭介「え・・・?」
さやか「なによ、やっぱり嫌だった?」
恭介「そ、そんなはず無いだろ!わざわざ僕の分まで作ってくれてたなんて、嬉しいに決まってるじゃないか!」
恭介「早速いただくよ。徹夜してたから病院食はたべそこねてて・・・」カパッ
さやか「そ・・そうなんだ・・・」
マミ「・・・そろそろお邪魔かもね・・私も・・学校へ行くわ。」
さやか「マミさん・・・またね。あたしはもう少し恭介の面倒みてくよ。」
マミ「ええ。学校で会いましょう・・それとももっと遅くなるかしら?」
さやか「マ、マミさん!!///からかうなら、はやく出てってよ!」
バタン
恭介「ごちそうさま」
さやか「はやっ!!もうちょっと味わって食べてよー。感想とか聞きたかったのにー」
さやか(もっといえば・・・「あーん」とか・・・)
恭介「ごめんごめん。言っただろ?ずっと曲を書いていたって。本当言うと早くなにか
食べたくてしょうがなかったんだ。」
さやか「うん。食いっぷりとか見てると・・・そこはさすがに男の子だねって思うよ。」
さやか「それで、どうだった?感想聞かせてよ!」
恭介「うーん・・・正直いうと・・38点なんだよね。」
さやか「うぉおい!手厳しいなオイ!」
さやか「・・・まぁでも・・・料理に関して言えば・・・正直に言ってくれたほうがいいのかな・・」
恭介「もっと正直に言えばさやかが作ってくれるだけで嬉しいんだよ。味なんてどっちでもいい。」
さやか「きょ・・・きょうすけ・・・///」
恭介「それでも・・・さやかが上手くなりたいのならいつでも味見させてもらうよ。」
恭介「とはいっても・・・将来的に僕が料理することになるかもしれないんだけどね・・・」
さやか「なんで?」
恭介「バイオリンで食っていく道は諦めたからね。
もしかしたらさやかに働いてもらって専業主夫になるかもしれない。」
恭介「さやかの分の食事も僕が作る事になるかもしれないんだよ」
さやか「あのね・・・///恭介・・それ・・・」
さやか「結婚する前提での話になってるよね・・・///」
恭介「あ」
恭介「ごめん・・・また、無神経だったかな・・・」
さやか「ううん・・すっごい嬉しい。」
さやか「でも言わせて・・・恭介の・・・バカ・・・///」
その日の夜
店員「いらっしゃいませー」
杏子「あんまんだ。今残ってる分全部もらうぜ」キョロキョロ
店員「?4つで420円です」
杏子(マミのヤツはいないな・・・さやかや仁美のおっぱいも
十分あんまんに擬態できる大きさだけど・・・安心していいかな。)
杏子「500円で払うぜ。ちょっと待ってな」ガサゴソ
杏子「あれ?なんだこの財布?こんなに奥行きあったっけ?」
???「財布では無い!!」
バイオリン仮面「君が手を入れてるそれは、私の社会の窓だ!!」ダバァアアアアアン!!
杏子「うわあああああああああああああ!?」
店員「!?レジに人が寝そべっている!?な、なんなんだコイツはああああああ!?」
バイオリン仮面「私の名は、バイオリン仮面!!」
杏子「バ・・・バイオリン仮面!?そうか、あんたが噂のイレギュラーってヤツか!!」
杏子「ってイレギュラーすぎんだろ!!」ズコーッ
店員「け・・・警察・・いや、病院に連絡だ!!」
バイオリン仮面「待ちたまえ。すぐに出て行く。私はこの子が買う分のお金を払いに来たんだ。」ゴソゴソ
杏子「へ、変なところから出そうとしてるんじゃねーよ!!それに余計なお世話だ!」
杏子「ほらよ!500円!釣りはもういらねーぜ!!」
店員「お客さん!それ500円じゃないよ!」
杏子「え?」
バイオリン仮面「それは、私の社会の窓から出したギターピックだ!」
ギターピック「・・・」ほかほか
バイオリン仮面「生温かいだろ?」
杏子「うぎゃああああああ!!き・・きったねえええええええ!!!!!」ペシッ
バイオリン仮面「すまんが君、500円玉が奥のほうに入っててね。私の股間からひっぱりだしてくれないか?」
店員「は・・・はぁ!?」
~~~
店員「ご、ご来店ありがとうございました~」
店員「またのお越しを・・・」
店員「待てません。」
バイオリン仮面「さぁ、佐倉杏子。受け取るがいい。それが君のあんまんだ」
杏子「あ・・・あんまんの温かさが変な意味に感じるぜ・・・」
杏子「それより財布だ!あたしの財布をどこにやった!?」
バイオリン仮面「聞くまでも無いと思うがね」ジィー↓
杏子「ズ、ズボンの中!?そ、そんなところに入れてんじゃねーよ!!」
バイオリン仮面「君に手を差し伸べる勇気があるのならいつでもWELCOM!(ようこそ!)」
杏子「ふっざけんな!!」
バイオリン仮面「どうせ盗んだ金だろう?生活費が欲しかったら私の話を聞くがいい。」
杏子「はあ!?」
バイオリン仮面「佐倉杏子、私の事はパパと呼べ!」
~帰り道~
杏子「あ、使い魔」
使い魔「ブーン、ブーン!!」
バイオリン仮面「戦わないのか?」
杏子「グリーフシード落とさないやつ相手に戦うなんてゴメンだね。
アンタも手を出すのなら容赦しないよ。適当に人を食わせて魔女にするのさ。」
バイオリン仮面「・・・やはり君はそういう考え方なのか・・・」
バイオリン仮面「私は戦わせてもらうよ。使い魔でも人を殺傷できる能力は十分あるからね。
ほうっておけない。」
バイオリン仮面「だが、私一人では使い魔すら倒す力を持ち合わせてないんだ。
私の力は魔女たちの動きを止めてる間に他の魔法少女にとどめを刺してもらうものだから。」
杏子「だったら、なおさら見逃すしか無いんじゃねーの?
あたしは使い魔を倒すのに力を貸しはしないよ」
バイオリン仮面「そうだろうな・・・ならば、仕方ない・・・」
バイオリン仮面「・・・」ゴソゴソ
杏子「紙袋?ナニが入ってるんだ?」
バイオリン仮面「むん!」バッ
杏子「水色の・・・布!?なんだアレ?」
バイオリン仮面「チェンジ・マスク!!」ピカッ
杏子「水色の布を顔に被った!?でもマスクは変わってないぞ、
バイオリンがプリントされた黒の生地のままだ」
バイオリン仮面「さやか・・・力を貸してくれ」
バイオリン仮面「フォオオオオオオオオオ!!」
杏子「!!剣を繰り出した?これがヤツの固有魔法!?」
バイオリン仮面「喰らえ使い魔!スパークエッジ!!」
杏子「ちょっと、ちょっと!ナニしてんのさ!!」ヘンシン!
ガキィン!!(衝突する槍と剣)
バイオリン仮面「!?」
杏子「言っただろ?容赦しないってな。アイツは逃がすんだよ、あたしが決めたことに口を出すのなら、
アンタをパパって呼ぶ話も無しにさせてもらうぜ」
~巴部屋~
杏子「ただいまっと。」
バイオリン仮面「お邪魔します」
杏子「言っとくけど、話を聞いてやるためだけに部屋に入れたんだからな。
マミの部屋でナニもすんじゃねーぞ。そうでなくとも男を部屋に入れたなんて知ったら
アイツは卒倒すると思うからな。」
バイオリン仮面(あの使い魔が出た区域は他の魔法少女もいる・・・
あの使い魔が狩られてることを願うしかないな。)
杏子「それで・・?パパと呼べってのはどういう話だよ?」
バイオリン仮面「簡単な話だ。ワルプルギス討伐に向けて、君は私に協力する。
その代わりに私から衣食住すべてを提供してやろうという事だ。」
杏子「その話、本当だろうな?」
バイオリン仮面「もう盗みをしないと誓うのならね。」
杏子「そうか・・・パパっていうのはいわゆる養父の意味かい。
いいぜ、本当の話なら協力してやる。だけどあたしがいい子ちゃんになった訳じゃないからな。」
杏子「わざわざ盗みに行くのが面倒だから施しをくれる者にノッてやってるだけさ。」
バイオリン仮面「それでも構わないさ。君が盗みをしなくなる結果には変わらないからね」
杏子「・・・マミと同等のお人よしかい?アンタ。」
バイオリン仮面「さて、財布を返そうか。当分の生活費を入れておいた。
元々のお金は強奪した物だから警察に届ける。問題ないね?」
杏子「だ!か!ら!財布が生温かいっつーの!くれた金でソッコー新しい財布買うからな!」
バイオリン仮面「それとだ杏子、ワルプルギス討伐までの特訓は私が見てやるからな。」
杏子「はぁ!?特訓?必要ねーよ。あたしはマミと別れても一人で生き延びて来たんだ。
あたしの実力が疑わしいのなら実戦で証明してやるぜ?」
バイオリン仮面「だが、君はとある能力を失ったはずだ。」
杏子「!!」
バイオリン仮面「それを取り戻さなければ、いくら体術が素晴らしくても
余計なダメージを受けることは必至だろう。」
杏子「あんな力・・・いらない・・・もう欲しくも無い・・・」
バイオリン仮面「なぜだ?」
杏子「・・・あんたに言う義理はねーよ。」
バイオリン仮面「協力関係を築くために・・・もう少し素直になってもらわなければ困るのだが・・・」
バイオリン仮面「仕方ない・・・聞き出すとしよう!」バッ
杏子「バイオリン!?そんなものどうするつもりだ!?」
バイオリン仮面「3曲!!「萌えか?そこが萌えなのか?」」♪~♪~♪
杏子「おい!?うるせーぞ!ここはマンションだってわ・・すれ・・た・・か・・」
♪~♪~♪
杏子(!?口が・・・思い通りに動かない?いや・・違う・・・勝手に動く・・・!?)
杏子「あたしが・・・能力を手放した理由は・・・」
~~~
バイオリン仮面「そんな事があったのか・・・ほむらさんに聞いた話では股聞きだったから、
いまいち詳細が解らなかったよ」
♪~♪~♪
杏子「本当はあたしは・・・マミさんに会いに来ただけだったんだ。」
杏子「それで、もしマミさんが変わらずに優しい笑顔のまま迎えてくれたら・・・ごめんねって言いたくて・・」
杏子「でも・・・あの頃あたしがいた場所に・・・
マミさんの優しさに魅せられた他のヤツがいるって思ったら・・・なんだか寂しくて・・・悔しくて・・・」
杏子「本当は素直に謝れば・・・マミさんなら許してくれるって知ってる・・・でも、
その優しさがかえってあたしを苦しめるんだ・・・」
杏子「だって・・・あたしが・・・あたし自身を許してないから・・・」
杏子「家族を死なせたあたしは・・・本当は誰からも許されちゃいけないんだ・・・
でも、マミさんはそんなあたしに優しくしようとする・・・それがたまらなく痛い。」
杏子「だから・・・マミさんを攻撃した・・・マミさんさえあたしを悪の魔法少女だと
罵ってくれれば、何もかも自業自得にできる気がして・・・あの頃のあたしを正当化できる気がした。」
杏子「でも本当は・・・違うんだ・・・マミさんはあたしにとって残された最後の家族なんだ。」
杏子「本当はマミさんに否定されることが解決方法じゃないってことも頭では理解できてる・・・
マミさんが友達としてじゃなく・・・家族としてアタシを迎えてくれたとき・・・
あたしは・・・あの時の事を自分で許せる気がするんだ。」
杏子「マミさんはあたしにとっての姉さんだ。でも・・・家族を救えなかったあたしに・・・
またあの暖かさに甘える資格なんか無い気がして・・・」
♪~♪・・・ピタッ
杏子「ハッ!?」
杏子「て、てめえ!?ナニしやがった!!な、なんでアタシの口から・・・デタラメばかり言わせやがるんだ!!」
バイオリン仮面「デタラメでは無い!」
バイオリン仮面「それは君の本心だ!!」
杏子「なん・・・だと・・・?」
バイオリン仮面「3曲!!「萌えか?そこが萌えなのか?」この曲の効果対象は
人間および魔法少女!能力は「萌え」部分=「デレ」の部分!つまり「本音」を聞き出す!」
バイオリン仮面「これでわかっただろう?君が能力を取り戻すには
あの頃の自分自身を許す必要がある。」
杏子「認めねー!認めねーぞ!そんなの!なにがあたしの本心だ!今のは違う!!」
杏子「それに、自分を許すことなんてもっと認めない!あたしのせいだ!
あたしの勝手な祈りのせいで家族が死んだんだぞ!」
杏子「マミにだって・・・今さら素直になんかなれない・・・あたしは・・
あたしは・・・」
バイオリン仮面「素直になんてならなくてもいいさ。」
杏子「!?」
杏子「へぇ・・・あたしの本心とやらを自白させた割には意外な説法だね。
あたしはてっきり素直になっちまえとでも言うのかと思ったよ。」
バイオリン仮面「必ずしも嘘が悪いこととは言わないさ。
相手を傷つけないための優しい嘘だってある。」
バイオリン仮面「君が町を出て行くときに巴さんに言った言葉も、
彼女をこれ以上傷つけないための嘘だと言える。」
バイオリン仮面「ただ、自分を大切に思ってくれた人に対して、
優しい嘘も素直な気持ちも言えなかった私のようにはなってはいけない。」
杏子「・・・あんたも家族か誰かを・・・失ったクチかい?」
バイオリン仮面「誰かを傷つけないための嘘ならいくらついても構わない。
だが杏子・・・君の嘘は、自分自身を傷つけている。」
杏子「・・・あんたにナニがわかるんだよ。って、本心聞き出したんだっけ」
バイオリン仮面「巴さんに素直になれないならなれないなりの謝り方があるさ。
だから照れる必要も気負う必要も無い。」
バイオリン仮面「そして・・・いつか優しい嘘・・・つまり幻惑魔法が
必要になるときが必ず来る。」
バイオリン仮面「その時こそ君は能力を取り戻すだろう。
何故なら君の祈りもまた、優しい嘘から始まったのだから。」
バイオリン仮面「では、また会おう杏子。明日以降の寝床は見滝原ホテルのロビーで決めよう。」ゴソッ
杏子「おい、ちょっと待て」
杏子「なんで、マミの下着を大量に持ち帰ろうとしてるんだ?」
バイオリン仮面「欲しいからね」
杏子「欲しいか欲しくないかで言えば、あたしも欲しいぞ」
バイオリン仮面「えっ?」
杏子「うん?」
バイオリン仮面「なるほど、君は巴さんの下着が欲しいのか。その心情こそが
実は巴さんを慕っているという何よりの証拠に・・・」
杏子「本当は新品がいいけどな。替えの下着がいつまでもあるわけじゃないから
盗ってもいいっつーなら、マミのでも盗ってくぜ」
バイオリン仮面「・・・君は・・・巴マミの使用済み下着だから欲しいというわけでは無いのかい?」
杏子「は?なにそれ?訳わかんねー。新品ならまだしもお古だぜ?
おさがりなんて事情が無ければゴメンだね。」
バイオリン仮面「そこに価値があるのだよ、佐倉君。」
杏子「それがわけわかんねーんだって!」
杏子「つーか、あんた男だろ?女物の下着なんか履いてどうすんのさ?
女装趣味でもあるのかい?」
バイオリン仮面「それは私とはまた違ったタイプの魔法使いだね。」
バイオリン仮面「まてよ・・・杏子、君は・・・他人に下着を譲るという行為に抵抗を覚えないタイプなのか?」
杏子「あ?代わりにナニかくれるっつーのなら問題ないぜ。金だったり食いモンだったり。
使用済みなんかもらってナニが嬉しいのかはわけわかんねーけどな。」
バイオリン仮面「じゃあ単純に私が用意した新品の下着と交換するというのは?」
杏子「いいんじゃねーの?」
バイオリン仮面「素晴らしい。君は最高の永久機関だよ・・・佐倉杏子。」
杏子「・・・?わけわかんねぇ。とりあえずマミの下着置いてけよ。
あたしがナニ言われるかわかんねーからな。」
杏子「ナニに使うかわからねーけど、使用済みの下着が欲しいなら
あたしのをやる。その代わり新品をもってこいよ。」
バイオリン仮面「了解だよ、杏子。でもマミブラの方は君には無い輝きがあるんだ。
一枚くらい持っていっても・・・」
杏子「大きさって言いたいのか・・・?殺すぞ・・・」
次の日の朝、巴部屋
杏子「もう学校が始まってる時間だっつーのに、マミのやつ帰ってこねー。」
杏子「ちょっといたずらしてやるか。」
杏子「マミの予備の制服。借りるぜ。」
杏子「バイオリン仮面のいう事も一理あるからな。
幻惑の魔法を取り戻すためのステップその1だ」
杏子「よし、学校へ行くか。」
~学校~
杏子「ここが、マミの通ってる中学か・・・」
教師A「そこの君、待ちなさい、ウチの生徒かね?」
杏子「は?見りゃわかんだろ?」
教師A「なぜ私服を着ているんだ?」
杏子「!!」
杏子「わ、わるい先生、あたし、トイレだ!!」
教師A「あっ!こら!待て!」
~女子トイレ~
杏子「ふぅ・・・服装をごまかす程度の幻惑もできねーのか・・・」
杏子「小物から幻惑してみるか・・・というわけでマミの制服が役に立つぜ」
~着替え中~
杏子「さすがにマミの制服は胸が余るね・・・ってやかましいわ!!」
杏子「さて、徘徊スタートだ。」
杏子「♪~♪~♪」
島袋先生「ちょっと待つさーそこの女子。授業中に何してる?」
杏子「ああ、ちょっとトイレに寄ってたんだ」
島袋「それより、君、うちの生徒じゃないよな?」
杏子「・・・なんでだ?制服着てるだろ?」
島袋「オレの頭には女子生徒全員の顔がインプットされてるのさー
証明したいのなら生徒手帳をみせなさい」
杏子「チッ、ほらよ!」スッ
島袋「って、これ板チョコじゃねーか!!」
杏子「くそっ!これも駄目か!」ダッ
島袋「ちょっと待って!個人的に気に入ったんだ。
お小遣いあげるからちょっと放課後付きあうのさー。」
島袋「リーダー的テクニックでひーひー言わせたい!」
杏子「うるせーバカ!世紀末に帰れ!」
島袋「捕獲レベル高そうなのさー諦めるのさー」パキッ
島袋「あ、チョコうまい。」
杏子「マミのヤツいるかい?」
3年女子「まだ来てないみたい。昨日も一時間目欠席だったから、ちょっと心配かな。」
杏子「心配?」
3年女子「巴さん・・・一人暮らしが大変で私たちとはあまりしゃべってくれないけど、
本当はみんな仲良くしたいのよ。」
3年女子B「勉強も出来るし家事もできるし、巴さん。色々教えてもらいたいよね。」
3年男子「加えてあのスタイルの良さだよ!お近づきになりたくない訳ないじゃん!」
3年女子C「エロ思考の男子は消えろ!巴さんの後輩が怯えてるでしょ!」
杏子「・・・あたしが何年生かも設定してないのに後輩扱いかよ・・・
やっぱ胸か。」
杏子(怯えてるのはマミのやつだよ、自分からもっと関わっていきゃいいのに・・・)
杏子(・・・マミに友達がたくさん出来たら・・やっぱり寂しいのかな・・・あたしは・・・)
杏子「じゃあ、先に暁美ほむらってヤツに会っていくか」
~学校の屋上~
ほむら「・・・まどか・・・他言しないと誓えるのなら・・・以前の質問に答えてあげるわ・・」
まどか「ほむらちゃん・・・」
ほむら「私が時間を巻き戻してたのは・・・まどかを救うため・・それで間違いないわ・・・」
まどか「救うっていうのは・・具体的にどういう事?」
ほむら「約束した世界のまどかは・・・魔法少女の真実を知らずに契約してしまった。」
ほむら「まどかがキュゥべえに騙される事。それを防ぐことが私の目標。」
まどか「キュゥべえが・・・何か隠しているの?」
ほむら「ええ。聞かれない限りアイツは答えない。」
ほむら「魔法少女の魂はソウルジェムに固定されてしまうこと。
そのソウルジェムはグリーフシードとなっていずれ魔女を産むこと。」
まどか「!!・・・そんな・・・ひどすぎるよ・・・・
ほむらちゃんも・・・マミさんも・・・いずれ魔女になるの・・・?」
ほむら「その時に生じる感情の爆発をエネルギーにしてるのがキュゥべえ。
宇宙のためにという名目でね。正式名称は・・・インキュベーター。」
杏子「おい・・・今の話・・・どういう事だ!?」
ほむら「!?」
まどか「だ、誰!?」
ほむら(佐倉杏子!?な・・・何故校内に!?)
ほむら(そして・・・なぜ気づけなかった!?)
杏子「マミが来るまでやることがねーから屋上にいたんだ。人の気配がしたから、
幻惑で壁のフリができるか試してみた。」
杏子「アンタ達が気付かなかったとこを見ると、どうやら成功のようだね。」
杏子(軽いヤツなら・・・使える。そして、実戦にはそれで十分だ)
(変身の光)
まどか「ま・・・魔法少女・・!?」
杏子「暁美ほむらってのはアンタだろ?あの時マミの家にいた」
ほむら「くっ・・!」
(変身の光)
杏子「何も言わずに死ぬか半殺しにぼこられてからしゃべるか、好きなほうを選びな。」ブンブンブン!!
まどか「やめて!二人とも!!ま、まずは話し合ってよ!」
杏子「話し合い?さっきの事が本当なら、こいつは事実を知ったうえで何故こう平然としてられるんだよ。
何かたくらんでる証拠さ。」
杏子「動けなくしてから吐かせるのが得策なのさ!」バッ
まどか「やめて!!」
さやか「きょーこっ♪」乳ムニュッ
杏子「にゃああああああああ!?」
ほむら「!?」
まどか「さ・・・さやかちゃん?」
ほむら「・・・」
(変身解除)
杏子「・・・」
(変身解除)
さやか「なんだー杏子も来てたんだ。おっ、制服似合うね・・・
でも胸がちょっとぶかぶかだね・・・」
さやか「わかった、マミさんのだ!」
杏子「ああああ、うるせー!何しにきやがった、さやか!!」
さやか「あたし、ここの生徒だよ。学校に来るのは当たり前じゃん。」
さやか「とはいっても、もう昼休みになっちゃったけどね・・・
だから、お昼ご飯!まどか達探してここに来た。」
マミ「あら、みんなここに居たのね。佐倉さん・・?
そう・・・忍び込んできたのね・・・もう!」
まどか「マミさん!」
杏子「マミ・・・」
杏子「・・・」キッ(睨み)
ほむら『マミやさやかに知られたくない。
後で必ず説明してあげるから、今は聞かなかったことにして。』
杏子『チッ』
マミ「みんなで食べましょう。佐倉さんは・・・お弁当持ってきた?」
杏子「ふん。」ドサドサ
さやか「あんたコレ、全部お菓子じゃん!」
杏子「悪いかよ。」
マミ「しょうがないわね・・・私のお弁当食べなさい。」
杏子「お、思惑通り。マミならそういうと思ってたぜ。
何か食えないかと思って学校に来たんだよなー実は。」
マミ「なら私はこっちのお菓子をいただくわ。パンが無ければというやつね。」
杏子「これもあたしのだ!」
さやか「両方食う気かよ!」
マミ「しょうがないわね・・・ダイエットも兼ねて・・・」
さやか「だから太ってませんって!!」
まどか「あの・・・マミさん?」
マミ「あっ・・・ごめんなさい・・・そういえば鹿目さんと暁美さんは
はじめましてだったよね?」
マミ「暁美さんは・・・ある意味はじめましてじゃないかもしれないけど・・・」
杏子(いや、会ったことねーぞ。こんなヤツ・・・)
マミ「こちらは隣町で魔法少女をやってる佐倉杏子さん。
元々私の一番弟子で・・・」
杏子「その話はするな!今は関係ねーだろ。今は!」
マミ「こちらは暁美ほむらさんと鹿目まどかさん。
暁美さんは魔法少女。鹿目さんは素質持ちだけど契約はしてないわ。」
まどか「えっと・・あの・・・よろしく・・・でいいのかな・・・?」
さやか「そういや、あんたらなんで変身してたの?」
ほむら「・・・」
杏子「・・・」
まどか「つ・・使い魔がいたの!」
杏子ほむら「!?」
さやか「え」
まどか「たまたま、ほむらちゃんと佐倉さんがいるこの場所で・・・使い魔が現れて・・・」
まどか「たまたま退治しようと一緒に変身して・・・鉢合わせて・・」
まどか「ほむらちゃんと佐倉さんがお互いに驚いてる間に使い魔は逃げちゃったけど・・・」
マミ「そうなの?おかしいわね・・・校内に使い魔が現れたらまず私は解るはずだけど・・・」
まどか「き、きっと・・・弱い使い魔だったんですよ!」
マミ「それに・・・佐倉さん・・・あなた使い魔は狩らない主義だったんじゃないの?」
まどか「えっ・・・そうなの・・?」
さやか「な・・・!?」
杏子「・・・」
ほむら『まどかが言ったことにつじつまを合わせて!佐倉杏子』
ほむら『・・・お願い。あなたは割り切れるかもしれないけど・・・
魔法少女の事実をマミが知れば、おそらく彼女は壊れてしまうわ。』
ほむら『必ず後で説明する。だから-』
杏子「ん。あぁ、まぁ・・その・・実はだな・・・」
杏子「マミに返事をしにきたんだ。例のワルプルギスの件について・・・」
マミ「返事?」
杏子「力をかせっつっただろ、ワルプルギスの夜を倒すために」
マミ「協力してくれるの?」
杏子「使い魔を狩ろうとしたその行動が返事だと思ってくれ。
とりあえずここ一ヶ月はそっちのやり方に従ってやる。」
マミ「あ・・・ありがとう・・・本当にありがとう・・佐倉さん!」
杏子「・・・」
杏子(さっきのこいつらの話が事実なら・・・マミのこの笑顔は・・・)
さやか「ちょ、ちょっとねえ!今のどういう事さ!
あ、あんた使い魔見逃したりしてたの!?」
杏子「だああああ!うるせー!お前が出てくると全部ややこしくなるんだよ!
もうしてねー!これからワルプルギスまで、
マミの方針に従ってやるっていってんだからもういいだろ!」
杏子「ただし、条件はアイツのグリーフシードをあたしに無条件で譲ること、
ワルプルギスを倒した後、縄張りを譲ること」
マミ「私は・・構わないわ。暁美さんは?」
ほむら「問題ないわ。私はワルプルギスさえ倒せれば後はどうでもいいもの。」
まどか「・・・」
杏子「そして、全部終わった後はマミのマンションはあたしが住む」
マミ「!!」
さやか「な・・・なんだと~!?」
さやか「あ、あんた!マミさんにこの町からでていけって言いたいの!?」
マミ「か・・・構わないわ!!」
さやか「マミさん!?」
杏子「よし、交渉成立だ。これからワルプルギスまで、あんた達の正義の味方ごっこに協力してやんよ」
マミ「言ったでしょ?正義の味方なんかじゃないわ。」
さやか「え?マミさん・・・ナニいってんのさ?」
マミ「いい機会だから言わせてもらうわね・・私は正義の味方なんかじゃないわ。
ただ・・・『ごっこ』は間違えてないわね・・・孤独が嫌だっただけよ。」
マミ「誰かの前でかっこつけてただけなのよ。
仲間を集める手段が・・・たまたま正義の味方の行動に似ていただけ。」
マミ「だから・・・今は何よりも佐倉さんが帰ってきてくれて嬉しい。
そばにいてくれるだけで・・・楽しい。」
杏子「フン」
さやか「マミさん・・・」
マミ「美樹さんも契約しようと考えるのなら、私に対するイメージを
洗いなおすことからオススメするわ。でなければ勝手な理想像に押しつぶされるだけだから。」
マミ「あとは・・・この町の魔法少女という言い方は可笑しいのかもしれないけど、バイオリン仮面だけね。」
マミ「4人もいればきっとワルプルギスの夜を倒せるわ!
・・・佐倉さんにバイオリン仮面を会わせたいのだけれど、どうすればいいのかしら?」
杏子「もう会ったよ」
さやか「え?」
杏子「あたしに住むところと食うものをくれるみたいなんだ。その代わりワルプルギスの事、
手を貸せって言う取引でな。」
杏子「今日もホテルで待ち合わせだ」
さやか「ホテル!?ちょ・・・ちょっと!それアンタいかがわしい事したりされたりって無いでしょうね!?」
杏子「いかがわしい事!?具体的になんのことだよ?」
まどか「あわわ・・・・///」
マミ「さ・・佐倉さん・・・バイオリン仮面に・・・その・・身体を触られたりしてないかって事よ。
な・・・なにか変な要求はされてない!?」
杏子「あるかよ。ただあたしに修行をつけたいとか言ってたから、不可抗力で触れることはあるかもな。」
さやか「ほっ・・・なんだ・・・純粋に杏子の寝床を心配してるだけか・・」
杏子「後は・・・あたしのパンツを毎日回収するとは言ってたな」
一同「!!」
杏子「自分の事を『パパ』と呼ばせようとしてたり。」
さやか「・・・」
さやか「援交だあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!」
~ホテル見滝原~
杏子「おーい、バイオリン野郎ーどこだー、来てやったぞー!」
まどか「・・・」
~回想~
さやか「あんたそれ、絶対騙されてる!行っちゃ駄目!」
マミ「そうよ!寝床も食事も用意する!
下着も私のをバイオリン仮面に渡すわ!!」
杏子「ふざけんな!あたしがせっかくアイツが盗っていこうとするのを止めさせたのに!」
杏子「なにより、マミ!あんたと二人きりになるのは・・まだ、辛いんだよ・・」
さやか「だったらあたしも行くよ!言ったでしょ!あんたがマミさんと
仲直りするための友達になるって!」
さやか「あんたがちゃんとマミさんと向き合えるまで、あたしが心配してあげる。
だから、バイオリン仮面がアンタに変なことしないか監視する!」
杏子「駄目だ。あたしとマミの事情に一般人を巻きこまねー。」
杏子「あたしとバイオリン仮面との事情はもっと関係ねー」
マミ「じゃあせめて誰か一人あなたのそばにつけさせて!
心配でたまらないわ!そんな取引!」
杏子「いいっつってるのに・・・まぁ・・・どうしてもって言うのなら・・」
~回想終了~
まどか「佐倉さん・・・なんでわたしなの?」
杏子「杏子。呼び捨てで呼んでくれ。あんたやさやかと同い歳だから。」
杏子「マミは問題外だし・・・さやかもウザイ。
暁美ほむらは・・・信用ならねーし、消去法だ。」
まどか「・・・またこういう事になるかもしれないから、
帰るのが遅くなったり泊りがけでも心配しないでって家には言ってるけど・・・」
杏子「あんた、さやかのお友達なんだろ?
アイツの友達続けられるってお人好しじゃん?」
杏子「アイツ、初対面のあたしにずーずーしいし、おせっかいだし。」
杏子「だから、内緒話するにはあんたみたいなのが気楽なんだよ。」
まどか「内緒話?」
杏子「さっき屋上で暁美ほむらとしてた話だよ」
杏子「魔法少女が魔女になる。あんた信じるかい?」
まどか「・・・信じちゃうかな・・・ほむらちゃん・・・嘘はつかないし」
まどか「何より・・夢を見たの。わたしがほむらちゃんのために契約して・・
魔女になる夢を・・・」
まどか「ううん。もっとはっきりとした・・
夢を使って別の未来を経験したって言っても良かった・・・」
まどか「その夢の中で魔女になったさやかちゃんのために杏子ちゃんが
いっしょに結界の中で最期までいるんだよ。」
まどか「杏子ちゃん、さやかちゃんとすぐ仲良くなっちゃったから、
さやかちゃんのためにそうするだろうなって思ったら、
あの話も嘘じゃないと思えて。」
杏子「ハァ!?あたしとさやかが仲いいだって!?バカいってんじゃねーよ!」
まどか「ふふっ・・・ごまかしきれないよ。さやかちゃんと話してるときの杏子ちゃん、
年齢以上に幼く見えるの。とっても可愛いよ!」
まどか「マミさんと話すときはもっとかな。」
杏子「このやろ・・///」
まどか「ほむらちゃんからも漠然と『この町を縄張りにしようと企む子』としか聞いてなかったから、
どんな人だろうと思ったけど、全然そんなこと無かった。」
まどか「強がってみせても、わかるんだ。杏子ちゃん、マミさんやさやかちゃんのこと
ちゃんと心配してるんだなって。」
まどか「・・・だから・・・」
まどか「さやかちゃんが杏子ちゃんがマミさんに素直になるための友達なら、
わたしは杏子ちゃんがさやかちゃんに素直になるための秘密の友達だね!」
杏子「はぁ!?」
まどか「意地張ってれば友達が逃げてくと思ったら大間違いだよ。
これなら、どんどん友達増えていっちゃうよ。」
杏子「ほんと、変なヤツだな。あんたもさやかも。」
杏子「話、戻そうぜ。暁美ほむらがいってた話、アンタは信じるんだよな?」
まどか「うん」
杏子「だとしたら、安心だ。
これで魔法少女になろうとするヤツが一人減ったって事だからな。」
まどか「・・・」
杏子「え、なにその表情。あの話が本当だと信じて、なおかつ
魔法少女になろうとしてるの、あんた?」
まどか「ちょっと、考えちゃう。」
杏子「おい・・・どういう事だよ・・」
まどか「さっき夢を見たって言ったでしょ?
もしあれが本当なら・・・わたしにはすごい才能があるらしいの」
まどか「でも、その才能は・・・
ワルプルギスの夜を越えると無くなってしまう物らしいの」
杏子「なんだそりゃ?どういう意味だ?」
まどか「それはまだ秘密。ほむらちゃんの事情にも関わってくるし」
まどか「だから・・・魔法少女が魔女になる悲劇を食い止めるために・・・
ワルプルギスを倒す前に・・・とんでもない願いが叶っちゃううちに
契約するのも・・・アリかなって。」
まどか「全ての魔女を、生まれる前に消し去りたいとか・・・」
杏子「ふーん・・・おっとりしてるようで、覚悟決めるときは決めるんだね。アンタ。」
杏子「どっちにしろ、魔法少女になんてならないほうがいいさ。
その話は暁美ほむらの話が正確なものだと確認してから考えな。」
氷室「やぁ、ここにいたんだね。佐倉さん。・・・鹿目さんも一緒か。」
杏子「・・・誰だあんた?」
氷室「バイオリン仮面だよ。これが素顔だ。サングラスだけどね。」
氷室「偽名は氷室。よろしく」
~~~
氷室「二人が驚くリアクションは省略させてもらうよ。
それより佐倉さん、僕も滞在するここのホテルが
君がワルプルギスの夜と戦うまでの根城だ。構わないね?」
杏子「おお。何度か忍び込んだことあったけど、ここはいいホテルだ。」
氷室「僕と一緒の部屋に入るかい?それとも、あらためて個室を取るかい?」
杏子「どっちでもいい-」
まどか「個室とろう!杏子ちゃん!!駄目だよ!男の人と一緒なんて危ないよ!
まどか「そ、それと・・・バイオリン仮面さん・・・いえ氷室さん!
杏子ちゃんの下着取るのやめて!!純な杏子ちゃんを騙して、
ナニを企んでるの!?」
氷室「申し訳ないけど、それだけは聞けないよ。」
氷室「一度見せてあげたほうがいいだろうね。僕のソウルジェムが
浄化されるところを。」
氷室「二つ部屋を取ろう。僕も別の偽名をまた使う。」
シュイン!
杏子「わっ!髪が赤くなった!?」
氷室「君と髪の色を合わせたほうが疑いをもたれにくい。」
フロント「こちらに、保護者様とお子様の名前をお書きください。」
杏子「親子って設定で部屋を取るのか。」
氷室「な?パパって呼んだほうが都合がいいだろ?」
フロント「新しく部屋を借りられるのは氷室あんすけ様と娘さんの
氷室杏子さんでまちがいないですね?」
杏子「あんすけ?変な偽名だな。」
氷室「フロントが読み方を間違えただけさ。」
~氷室の個室~
氷室「さて・・・君たちには僕の浄化行為を見てもらおうか。」
氷室「これが僕たち「魔法使い」のソウルジェムだ」スッ
まどか「わっ・・・魔法少女の物より大きい!」
杏子「いなりずしみたいな形だな」
氷室「そして、これの浄化に使用するのは、セクシーすぎない
ごく普通の使用済み下着だ」
杏子「ピンクのブラ?どこから持ってきたそんなもの?」
まどか「///・・・わ、わたしの・・・だよそれ・・・
やっぱり、バイオリン仮面が持ってたんだねー↓」
氷室「下着をソウルジェムに擦り付ける。すると・・・」
シュゥウウウ・・・
杏子「ソウルジェムの黒い穢れが・・・まどブラに移った!?」
まどか「わ・・わたしのブラジャーが・・・真っ黒になっちゃった・・・!!
まるで大人の下着だよ!」
氷室「そう・・・穢れを吸い取った少女(の下着)は大人(の下着)になる。
これが・・・魔法使いのソウルジェムの真相だ。」
杏子「へー」
まどか「なにかの比喩なの?それ」
氷室「・・・本当に純だね。君たちは」
氷室「これでわかっただろ?君たちの下着が必要な訳が。
やましい気持ちはこれっぽっちも無く、ただ浄化のために欲しいんだよ。」
杏子「そういう事ならしゃーねーな。文字通り一肌脱いでやるか。」
まどか「納得しちゃ駄目!まだまだツッコミどころはたくさんあるよ!!」
~病室:恭介発電所~
恭介「中途半端な時間に眠たくなってきたな。やっぱり、徹夜したせいか。」
恭介「寝る前にナニかしようかな?」
恭介「放課後もさやかが来るって行ってたから・・・うかつな事は出来ないね。」
恭介「あれを聞きながら眠りに落ちよう。それが・・・今の僕が
うかつな事以外で至福を得られる最高の時間だ。」
ピッ
恭介「心が安らぐ・・・」
恭介「すぅ・・・」
ガチャッ
さやか「恭介♪」
さやか「寝てる・・・しょうがないなー。コイツは。」
さやか「徹夜で作曲してたからしょうがないか・・・」
さやか「あたしのために・・・ね・・・きゃー♪もう!恭介ったらー!」
さやか「ナニか聞きながら寝てるね・・・イヤホン借りるよ。あたしにも聞かせて」
さやか(ボイスレコーダー)「大好きだよ・・・」
さやか「きょきょきょきょ・・・きょうすけぇ!?///」
さやか「あ、あの時のあたしの告白!!なんてもの繰り返し聞いてるのよ!!」
さやか「あ~もう!///バカ!バカ!バカバカ!!バカバカバカバカバカバカ!!」
さやか「・・・恭介のバカ・・・」
さやか「何度でも・・あたしが直接言ってあげるのに・・」
恭介「すぅ、すぅ・・・」
さやか「・・・本当に・・寝てるのかな~?」
さやか「関係ないよね。じゃあ改めて・・」
さやか「大好きだよ・・・恭介」
恭介「!」ピクンッ
さやか「え!?ナニ今の?」
さやか「このボイスレコーダー・・・2031年製って書かれてる・・」
さやか「やっぱり・・・バイオリン仮面が・・・未来人!?」
~病院受付前~
マミ「あら、早かったのね」
さやか「恭介のヤツ、疲れて寝ちゃっててさ。」
ほむら「私たちを放置してずっと一緒にいてもよかったのに。」ニヤリ
さやか「ほむら!」
マミ「ねぇ!今日は誰の家でお泊り会する?」ソワソワ
さやか「マミさんノリノリだな、オイ!使命は!?魔法少女の使命は!?」
ほむら「もちろんパトロールはするわ。工場で逃がしてしまった魔女は間違いなく生きているし・・」
ほむら「その上で今日は私の家に招待するわ。」
さやか「ほむらのノってきた!?」
ほむら「もちろん、ワクワクはしてるわ。」
ほむら「でも、情報交換も大事よ。今日は私の核心に迫る話を二人にしてあげる。」
ほむら(ワルプルギスの夜までにお泊り会を繰り返す・・・こんな単純なことで
結束と情報交換が出来るなんてね・・・今まで気付かなかったのは盲点だわ。)
マミ「そうね、私も美樹さんに一つ忠告があるから、暁美さんの家でじっくりと話合いましょう。」
~街中~
マミ「あれは・・・」
ほむら「使い魔ね。」
マミ「暁美さんが工場でしとめそこなった魔女の使い魔かしら?」
ほむら「おそらく違うわ。私が対峙したのは精神に訴える能力を持っていた。」
ほむら「単純に人間を捕食する能力しかもってなさそうね。さっさと撃ち落しましょう。」
使い魔「ぶーん!ぶー・・」ドサッ
マミ「・・・まったく音がしなかったわ」
ほむら「サイレンサーよ」
さやか「本物の銃火器!?魔法はどこいった!?」
~ほむほーむ~
さやか「なんだこの部屋・・・?」
マミ「すごい数の・・ホログラム・・・」
ほむら「さて・・・どこから話しましょうか・・・」
ほむら「私が時間を繰り返してきてるというのは・・・二人とも漠然とは聞いてるみたいね。」
さやか「お、おう」
マミ「美樹さんには私から話したわ。」
ほむら「実は違う時間軸で・・・私はあなた達とすでに出会っている。」
さやマミ「!!」
ほむら「時間を繰り返すとはそういう事よ。ワルプルギスの夜までに・・・
何度もあなた達は何らかの形で死亡している。」
ほむら「その際、さやかは契約するケースが多かった。
死亡する原因は上条恭介との不仲」
さやか「そんな・・・」
ほむら「その呪われた連鎖を断ち切るのが私の目的。
本当に私が救いたい人物は・・・」
~氷室の個室~
杏子「そうだ、あんたは知ってるか?」
氷室「何をだい?」
杏子「魔法少女が魔女になる。暁美ほむらがそういっていた。
ソウルジェムが魔法少女の本体とも言ってたけど、こっちの問題のほうが重大だ。」
氷室「!!」
杏子「アンタはそれが本当かどうか知っているかい?」
氷室「・・・」
氷室「後ほどちゃんと説明する。君は今幻術の魔法を取り戻すことに集中してくれ」
杏子「あんたもか・・・チッ、しょうがねーな。」
杏子「まどか、あたしの部屋行こうぜ。」
まどか「えっ・・・わたし帰ろうとしてたのに・・」
杏子「なんだよー泊まっていけよ。家には事情通してあるんだろ?」
まどか「それはそうだけど・・・」
杏子「それに・・あんた、あたしがさやかと仲良くなるための友達になってくれるんだろ?」
まどか「あ・・うん。」
杏子「だったらちょっと付き合え。」
杏子「さやかと仲良くなること・・・それがマミとちゃんと向き合うために必要な一歩だと思うから。」
杏子「マミと向き合うことはあたしにとっては思い出したくない事故と向き合う意味でもある。」
杏子(そうしたら・・いつかあたしはあの時のあたしを許せるのかな・・・)
まどか「そっか。そういう事か・・・だったらわたし、力になるよ!」
氷室「明日は朝から特訓を開始する。今日はよく休むように。」
杏子「女子のおしゃべりはとまらねーぜ?まぁ、睡眠不足は魔力で補うから安心しな。」
~ほむほーむ~
マミ「そ・・そんな事が・・・」
さやか「まどかを助けるために・・・ほむら・・アンタ・・」
ほむら(魔女化だけ伏せて何とか説明できたわね。でも、いつかは
話さなければならない事・・・)
ほむら(だったら先に・・・)
ほむら「巴さん・・・私たち魔法少女のソウルジェム・・・
これの重大性は解る?」
マミ「な、何を今更・・・ソウルジェムがなければ変身も魔法も使えないわ・・・」
ほむら「それだけじゃない。文字通り「魂」なのよ。」
ほむら「さやか、私のソウルジェムを持って100メートル以上外へ出て、
そこからまた私の家に戻ってきて。私の手にソウルジェムを戻して」
さやか「う、うん・・・」
~~~
さやか「そんな・・・」
マミ「この身体が・・・ただの抜け殻・・・」
マミ「いいえ・・死体・・ゾンビ・・・」
ほむら(上条恭介と恋仲になり、この事実を知った今、さやかの契約はほぼ100%ありえない。)
ほむら(そして・・・)
ほむら「これよりも衝撃的な事実がソウルジェムには隠されている。」
マミ「え!?」
ほむら「今から受け入れる覚悟をしておいて、巴さん。今は魔法少女の身体が抜け殻という事実に向き合うのに
精一杯でしょうから。」
ほむら「佐倉杏子も含めた場で、いずれちゃんと話をする。今はまだその時ではないわ。」
マミ「ええ・・・解ったわ・・・」フラッ
さやか「マミさん!顔が・・・真っ青ですよ!」
マミ「だ・・・大丈夫・・落ち着いたわ・・・」
マミ「・・・も・・・元よりあの時尽きてた命だもの・・・」
マミ「今の私には守りたい人達がいる。そばにいてほしい人達がいる。」
マミ「佐倉さん、暁美さん、美樹さん、鹿目さん。」
マミ「会話は無かったけど・・・学校のクラスメイトたち・・・そして・・・
親の帰り・・・子の帰りを待つ人達・・・」
マミ「私が魔法少女になりたてのとき・・・見捨ててしまった命のためにも・・・」
マミ「私は・・・魔法少女を続けるわ。」
ほむら「巴さん・・・ありがとう・・・」
マミ「だから・・・今の話を踏まえた上で・・・
美樹さんにきちんと言っておかないといけないことがあります。」
さやか「そういえばそんな事言ってたね。何ですか?」
マミ「美樹さん、あなた・・・やっぱり、契約のこと・・・今でも少し迷ってるでしょ?」
さやか「!!」
ほむら「!?」
さやか「いやぁ・・まぁ・・・ほむらの今の話を聞くまでは・・・でしたけど・・・」
マミ「今でも。よ」
さやか「・・・」
さやか「はい・・・」
ほむら「さやか!何を考えているの!?正気!?」
ほむら「あなたの幸せは上条恭介と添い遂げることでは無いの!?彼の腕を治したところで、
あなたが自分の身体のことを割り切れなければ、きっと・・・それは崩れてしまうわ。」
ほむら「魔法少女になってはだめよ・・・あなたのために・・・彼のために・・・」
ほむら「何より・・・そんなことをすれば・・・まどかだって悲しむわ・・・」
さやか「ほむら言ったよね・・・別の世界で契約したあたしは・・・
恭介と仁美がくっついた所を見て自滅するって・・・」
さやか「今・・・恭介がちゃんとあたしを見てくれてるこの状況なら・・・
きっとくじけない気がするんだ。恭介さえいればいい。悔しいけど正義なんかじゃなく、
それがあたしの本当の願い。」
さやか「それに・・・魔法少女が人間じゃないって認めるってことは・・・
あたしがマミさんやほむらを否定することにも繋がるから・・・」
さやか「ほむらもマミさんも・・・人間だよ。杏子だって・・・
だって笑い合えたじゃん。フザけあったり・・・今知ったソウルジェムの事実に・・・
悲しんだりすることも出来る。」
さやか「ほむら達をゾンビだなんて言うやつがいたら、あたしがぶっ飛ばしてやる!」
さやか「魂の在り方が変わっただけの人間だよ。暖かいぬくもりが・・・たしかにそこにある。」
マミ「美樹さん・・・」
ほむら「さやか・・・」
さやか「恭介が一番大事。でも、ほむら達との友情も・・・今は同じくらい大事に思えてきて・・・」
さやか「少しでも戦力になるのなら・・・あたしはそれに応えたい。」
さやか「恭介があたしにしてくれたように・・・あたしも恭介の気持ちに応えたい。」
さやか「杏子も強がっているようで・・・マミさんの優しさに応えようとしている・・・」
さやか「ほむらは・・・まどかとの約束を果たそうとしている・・・」
さやか「あたしだって・・・誰かの愛情や友情に応えたい・・・」
さやか「そう思ったら・・・たとえどんな困難が待っていても・・・
魔法少女になるのが・・・みんなの気持ちに応える道だと思って・・・」
マミ「・・・自分で自分の願いをハッキリさせたのね。正義の味方じゃなくて、
自分の望み・・・自分が守りたいもの・・・それをハッキリさせてるのなら・・・良いわ。」
マミ「私が再び戦う理由も正義なんかじゃない。美樹さんにそれが理解できるのなら・・・
もう誰にもそれを非難できる資格なんて無いのかもしれないわね・・・」
ほむら「私は絶対反対よ、さやか。まだソウルジェムには秘密があるといったでしょう?」
ほむら「約束してさやか!!私に少しでも友情を感じているのなら・・・
ソウルジェムのもう一つの秘密を話すまで・・・絶対契約しないで!!」
ほむら「それを知らずに契約すれば・・・あなたはきっと後悔するから・・・」
さやか「ほむら・・・」
ほむら「お願い・・・まどかだけじゃない・・・今は私も・・・あなたが何も知らずに
契約してしまう事が・・・魔法少女に引き込んでしまう事が・・・悲しい・・・そう思ってしまう」
ほむら「少なくともこの時間軸では・・・あなたも私の大切な友人の一人よ・・・
頼むから・・・自分を粗末にしないで・・・」
さやか「・・・」
さやか「わかったよほむら・・・あんたの話を聞くまで、あんたが話してくれるまで、
とりあえず契約のことは考えないようにする。」
ほむら「さやか・・・約束よ。」
さやか「うん。絶対破らないよ。」
さやか「ところで・・・恭介の病室でバイオリン仮面・・・氷室さんが残していったと
思う私物に書かれていた年が・・・」
ほむら「2031年!?」
マミ「やっぱり・・・未来人だったのね・・・今から20年後までに・・・
一体どんなことが起こるというの・・・!?」
~杏子の部屋~
杏子「まどか!さやかを呼び出せねーか?」
まどか「さやかちゃんに素直に相談するんだね?」
杏子「いちいちうっせー。///お前はもう寝ろよ。」
~ほむほーむ~
さやか「あ、まどかからだ」
さやか「もしもし?」
杏子「・・・よぉ・・・」
さやか「・・・もしかして、杏子?何の用?」
杏子「本当にあたしの友達になってくれるのか?」
さやか「あたしはもう友達のつもりだったけど?」
杏子「・・・じゃあホテル見滝原に来てくれ。
マミやまどかに聞かれちゃ恥ずかしい話がある。」
さやか「いいよ。今から行ってあげるね。夜はほむらの家に戻らなきゃだし。」
~~~
さやか「おまたせ」
杏子「まどかは部屋に置いたままだ。お前にしか言わねーから、良く聞けよ。」
杏子「マミの前で素直になる必要なんか無いって言ってくれるやつがいた。
だから・・・マミ以外には素直に話す。」
杏子「絶対マミには言うなよ!めちゃくちゃはずかしいんだからな!!」
さやか「任せなさい!秘密は守るよ!」
杏子「あたしは・・・マミの事が好きだ。本当は・・・心配でたまらない・・・」
さやか「ほぅほぅ・・・だいぶ素直になったじゃん」
杏子「アイツにお前らみたいな友達が出来て・・・嫉妬してたことを認める。」
杏子「でも、あたしの気持ちは・・・友達以上の気持ちなんだ。」
杏子「わかるだろ?それをなんて言うかを・・・」
さやか「・・・」
さやか「えええええええええええええええええ!?」
杏子(家族・・・だなんて言えやしないよな。)
杏子「家に帰ったらただいまって言ってくれるような・・
そんな絆を・・マミに求めていた。」
さやか「ああ・・そうなんだ・・(同棲愛!?)」
杏子「あんただってわかるだろ?まどかから聞いた恭介とか言う彼氏・・・
気が早いって否定するかもしれないけど・・・
あたしにとってのマミが・・・あんたにとっての恭介なんだ。」
杏子(いずれ夫婦になる仲なら・・・家族と言えなくは無いしな・・・)
さやか「お・・・おお・・・おおおおお・・・・」
さやか「わかるよー・・・友達よりも大事な人・・・あたしにとっての恭介ぇー(棒読み)」
杏子「あたしにとってのマミ」
さやか「あたしらはまだ同棲してないし、同性じゃないけどね・・・
でもいつか・・・同姓になりたいなー・・・」
杏子「そんな絆さえあれば、安心なんだ。あいつの周りに友達が出来ても、いつでも繋がってると感じられる」
さやか(繋ぐ!?女の子同士で・・・どうやって?)
杏子「そりゃ、あいつに彼氏とか出来たら、やっぱりちょっと悔しいかもしれないけど。」
さやか(それは当たり前だよ!むしろマミさんの事愛しちゃったのなら、他に恋人作らせんなよ!!)
杏子「多分マミのやつもそうなんだ。
あたしから素直になりさえすれば、いつでも(家族のように)受け入れてくれる。」
さやか「お・・・おお・・・おおおお・・・」
さやか「おおッ!?」
杏子「でも・・・やっぱり眩しすぎて駄目だな。
暗闇を歩いてきたあたしには・・・マミの笑顔が・・・眩しすぎる。」
杏子「あたしは・・・昔・・・勝手な願いで大切な人を亡くしたんだ。
そのせいで・・・マミとも喧嘩別れした。」
さやか(その大切な人は異性!?同性!?)
杏子「その後(腹の)隙間をうめるためいろんな悪い遊びもしてきたし。」
さやか(ダメ!同性間でも異性間でも愛が無きゃそんなことしちゃダメ!!)
杏子「今更あたしの大切な人になってくれなんて・・・言えるわけねーよ。」
さやか(・・・)
さやか(これは・・・本物ですね・・たまげたなぁ・・・)
さやか(そして・・・マ・・・マミさんが・・・女の子OKな人だったなんて・・・)
さやか(他人に胸を揉まれると大きくなるという都市伝説があるけど・・・
ま、まさか・・・マミさんの胸は・・・いままでマミさんを通り過ぎて行った人達が・・・)
さやか(そういえば・・・杏子と出会うまで・・・色々な魔法少女を同じ志に誘おうとしたって
言ってたけど・・・)
さやか(そっちの意味なのか!?そっちの意味なのかあああああああ!?)
さやか(杏子がやっとであえた初めての仲間ってそういう意味なのかあああああ!?)
さやか(ああああああ、、、もおおおおおおおおおお!!!)
さやか「どうせいっちゅうねんッ!!」ちゅどおおおん
杏子「うぉおッ!?」ビクッ
さやか(落ち着け・・・FOOLになれさやかちゃん・・・って誰がバカだ!)
さやか(愛は無限に有限・・・とかどっかのだれかが言っていた気がする・・・)
さやか(つまり・・・愛は有限に無限でも有り得るんだ・・・)
さやか(何がいいたいかというと・・・結局愛の形なんて人それぞれだよね!って事!)
さやか(女の子同士!結構じゃないか!マミさんは魅力的だ!惚れないほうがおかしい!!)
さやか(杏子は間違っちゃいない!うん。女の子同士は正義!異性交遊も正義!)
さやか(男の子同士は・・・申し訳ないけど中沢に恭介を取られちゃうよぉ・・・な展開になるからNG)
さやか(あたしだって、もし恭介が女の子だとしても、好きになってたもん。
恭介だから、好きになったってハッキリ言える!!)
さやか(そしたら恭介じゃないよね・・・きょ・・・恭子ちゃん!?恭子ちゃん可愛いよ!恭子ちゃん!!)
さやか(恭子ちゃん・・・キョウコちゃん・・・杏子ちゃん!?)
さやか(美樹さやかは・・・恭介が好き・・・恭子が好き・・・杏子が好き!?)
さやか「あ、ああああ、あたしも・・・杏子が好きだあああああああッ!!」ガバッ
杏子「うおおおおおおおお!?な、なんなんだ一体!?」
~杏子、一家心中まで説明~
さやか(ああ・・願いで失った大切な人は家族って意味ね。)
さやか(でもマミさんに向ける大切な人の思いは・・・恋心で間違いなさそうだね・・・)
さやか(マミさんと家族になりたい・・・つまり、結婚願望がある・・・と。)
さやか「ふぅ・・・とりあえず同性って事を無しにして相談に乗ってあげる。」
杏子(同棲しちゃ駄目なのか)
さやか「結局・・・杏子が自分を許すしか無いんじゃないかな。」
杏子「やっぱりか・・・バイオリン仮面にも言われたぜ・・・」
杏子「あたしさえ願い方を間違えなければ・・・って思うと・・こればっかりはな・・・」
さやか「難しいよね・・・」
杏子「自業自得って言い方も・・・結局は自分に罪を感じて生きているだけだしなー」
さやか「いっそ、新しい信仰を持ってみるのもいいかもしれないよね。」
杏子「どういう事だ?」
さやか「その心中があった日・・・お父さんはきっと立ち直ろうとしていたんだよ。
でも・・・魔女か使い魔につけこまれて衝動的に自殺した・・・もしそうだとしたら、
杏子のせいじゃないよね。」
杏子「そんな都合のいい話があるか。大体それが事実だとしてももう証明しようがねーだろ」
さやか「お父さんが自分の意思で心中しようとしたかどうか、ってのももう証明しようが無いよね?」
杏子「・・・そういえば、そうなのかな・・・」
さやか「そうだよ。どうせ意地を張るのならさ、もっと自分に都合のいいように何でも信じてみようよ!」
さやか「杏子が信じてるのは家族と過ごした暖かい日々?それとも・・・悲観した後の絶望?」
さやか「杏子の信じるとおりに生きていけばいい。杏子が信じる正義を・・・貫けばいい。
誰も・・それを非難できる権利なんて無い。」
さやか「そんな奴がいたらあたしが、許さない。」
杏子「さやか・・・」
杏子「あんたの方が・・・よっぽど新しい信仰を広めていくのに・・・向いてるのかもな。」
さやか「なーんちゃって。こういう考え方ができるようになったのは・・・つい最近なんだけどね。」
さやか「ここ3日ほどで、あたしは自分の欲望、自分の願いについて見つめなおす機会があったんだ。」
さやか「それまでは・・・ただ漠然と魔法少女もマミさんの事も正義の味方だと思ってた。」
さやか「自分の欲望を押し殺して・・・ただ見返りをくれない人、気付いてくれない人のために戦う。
それがカッコイイと思ってた。正しいことだと信じてた。正しくなかったとしても・・・
魔法少女はそうあるべきだと思い込んでた。」
さやか「でも・・・わかったんだ・・・たとえ魔法少女になってもならなくても・・・
結局人は・・・自分一人の願いを叶える事しか出来ないって・・・
それさえ出来ない人もいるって。」
さやか「だから・・・あたしは自分の願いに素直になる道を選んだ・・・
正義よりも・・・世界よりも・・・恭介が大事。契約する前にそれに気付けた。」
さやか「たった一つ信じることを貫き通せばいい。そう思えたのなら、
あたしが杏子の生き方を否定することなんて出来やしないんだよ。」
さやか「それに気付かずに契約してたら多分・・・杏子と戦ってたと思う。」
さやか「他人に意地張っても構わないよ。他人に嘘をついたって構わない。」
さやか「でも・・・自分には素直に生きてみてもいいんじゃないかな?
悲しい過去も・・・いくらでも都合のいいように信じることもできるんだし。」
杏子「さやか・・・」
さやか「きっとマミさんだってそうだよ。」
さやか「正義よりも守りたいものが・・・たまたまあたし達やこの町の人達だっただけ。
正義の味方に近い位置に・・・マミさんの願いがあっただけ。」
さやか「きっとマミさんも・・・杏子を助けるためだったら、正義も世界も裏切ってみせる・・・そう思うよ。」
杏子「・・・」
杏子「マミにも・・・そう言われた・・・」
杏子「なによりも・・・自分のために・・・私の傍にいてくれってマミに言われた。」
杏子「その気持ちが・・・すごく嬉しかった・・・」
杏子「本当はもう一度・・・マミさんを・・・信じたい・・・」ポロポロ
さやか「杏子!?」
杏子「マミさんの傍で・・一緒に戦いたい・・・支え合いたい・・・」
杏子「マミさんにゴメンねって謝りたい・・・」
杏子「マミさんの手料理を食べたり・・・ダッセー必殺技叫ばされたり・・時には喧嘩したり・・・」
杏子「マミさんだけじゃない・・・さやか達にも囲まれながら・・・暖かい日々を過ごしていきたい。」
杏子「あの日失った光・・・それが・・・あたしの本当の願い・・・本当の祈り・・・」
杏子「あたしが最初に願ったときもそうだったっけ。ただ・・・家族の幸せを願ってたんだ。」
さやか「杏子・・・」
さやか「あ、あたしは・・・もう杏子の友達だからね!絶対杏子の傍を離れたりしないから!!」
杏子「・・・あんがとよ・・・」
杏子「じゃあ友達として、約束してくれ。今日のことは絶対マミに言わないって。」
杏子「約束を破ったらその・・アレだ・・・・絶交だ。」
杏子「もう友達なんだからな、あたしと口聞きたかったらちゃんと守れよ。
あたしは絶交になっても構わないんだけどな!」
さやか「今更とってつけたようにツンデレキャラかよ・・・萌えか。杏子のそんなところが萌えなのか。」
さやか「杏子の友情は、さやかちゃんがキッチリ徴収しましたからね!!」
~朝~
~ホテル地下駐車場~
バイオリン仮面「・・・素直に特訓を受けるとはね・・・もう少し駄々をこねると思っていたけど・・・」
杏子「うるせー。あたしの気が変わらないうちにさっさと始めな。」
杏子(順序が逆かもしれない・・・でも幻惑の魔法を取り戻すことは・・・あの日のあたしを許す事・・・
受け入れることに繋がる・・・)
杏子(そして・・・マミと向き合うことに繋がる。)
杏子(ちゃんとマミと向き合うんだ・・・さやかがそう背中を押してくれたから・・・
そのさやかと向き合えるようになったのは・・・まどかのおかげ・・・
杏子(だから・・・まどかとさやかの友情に応えるためにも・・・あたしは・・・)
バイオリン仮面「では・・・佐倉さんの能力を取り戻すための特訓を・・・開始する・・・」
バイオリン仮面「まずは5曲!!「伝えられなかった世界(おもい)」!」♪~♪~♪
杏子「!!景色がゆがんでいく・・・!?こ・・・これって・・・魔女結界・・・だよな!?」
バイオリン仮面「どんどん行くぞ!!6曲!!「クラリッサ」!!」♪~♪~♪
使い魔(バックダンサー)達「ウヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!」
杏子「な・・・!?つ・・・使い魔を召喚した!?」
杏子「なんなんだ!アンタ本当にナニもんなんだ!?」
バイオリン仮面「さぁ佐倉杏子・・・使い魔を全て倒して見せろ!!」
杏子「そんなことかい。わかりやすい特訓方法でいいねぇ・・・」
バイオリン仮面「ただし、条件は使い魔に自分の身体を触れさせない事だ!
ダメージはもちろん、ガードも失格!!」
杏子「な・・・!?」
使い魔(バックダンサー)達「あひゃはyはやはやはやひゃあああ」うじゃうじゃ・・・
杏子(この数の使い魔相手に・・・無傷で・・!?)
~杏子の部屋~
まどか「う・・ん・・・朝か・・・」
まどか「杏子ちゃん・・・先に部屋を出たんだ。氷室さんと・・・特訓に出かけたんだね。」
まどか「わたしは学校にいく用意しなくちゃ。えっと・・・」
まどか「あれ?なんだろう。ドアのところに・・・手紙が。」
まどか「氷室さんからだ・・・」
氷室(手紙)「鹿目さん、僕と佐倉さんは特訓に出かける。
君は朝食をすませて学校へ行ってくれ」
氷室(手紙)「それと・・・君は夢を見ただろ?あれは僕の4曲目の能力なんだ。
僕が生きてきた別の未来の映像を対象者に見せることができる。」
氷室(手紙)「僕の正体は・・・20年後からやってきた未来人だ。
未来を変えるためにこの時代へやってきた。」
氷室(手紙)「つまり・・・君の見た夢は・・紛れも無い事実なんだ。
その未来で君は・・・魔法少女に関する重要な秘密を知ったかもしれない。」
氷室(手紙)「できることなら・・・まだ誰にも言わないで欲しい。
とくに巴さんには・・・いずれ・・・ほむらさんも踏まえた場でちゃんと説明するから・・」
氷室(手紙)「君にだけ映像を見せたのにはちゃんと意図がある。
どうか・・・僕を信用して秘密を話すのは待ってて欲しい。」
まどか「・・・」
まどか「あの夢が・・・本当にあった別の未来・・・すべて・・事実・・・」
まどか「ほむらちゃん・・・やっぱりほむらちゃんは・・・」
~通学路~
マミ「ねぇ美樹さん・・・なんだか妙に距離を感じるのだけれど・・・」
さやか「えっ!?き・・気のせいですって!!
恋人ならまだしも、友達ならこれくらいが普通ですって!」ビクビク
ほむら「その割りにまるで守ってもらいたいかのように私にベッタリね、さやか。
もしかしてそっちの趣味かしら?」
さやか「今はそういう冗談はやめて!!マジでやめてよ!」
さやか(マミさんがガチなんだよおおお)
ほむら「あら、残念ね。あなたとなら構わないとちょっと思っていたのよ」
さやか「ほむらもかよ!!ノンケはあたしだけか!!」
ほむら「冗談よ。」
マミ「えっ?私だってそっちの気は無いわよ?おかしな美樹さん。」
さやか(恭介より先にあたしの純潔奪われちゃうよおおお)
幼女「あ、女王様だ!!」
さやか「え?」
幼女「ねぇ!女王様でしょ!あの時街であった女王さまだよね!」
さやか「も・・・もしかしてあの時のアレ・・・見てた子・・?」
マミ「美樹さん?その子は?」
ほむら「(私も・・・どこかで会った事がある?)・・・女王とはどういう意味かしら?」
幼女「お馬さんに乗ってる人!!でも、ちょうきょうしでも、きしでも無いそれは、女王さまだって、
おじいちゃんとおばあちゃんが教えてくれたの!」
マミほむら「!!」
マミ「み・・・美樹さん・・///」
ほむら「あ・・・あなた・・・上条君と・・・もうそんなプレイを・・・」
さやか「してねーよ!!あたしが乗ったのはバイオリン仮面だ!!」
ほむら「!!・・・お・・・大人を服従させてしまう素質があるのなら・・間違いなくあなたは女王よ。」
さやか「成り行きで乗っただけ!そうしないと病院まで間に合わなかったから!!」
マミ「え・・ええ。美樹さん・・・病院にいったほうがいいわ。むしろ何故その時診てもらわなかったの?」
さやか「だあああああああ!!ややこしい!移動手段としてだよ!わかりやすく言えば
あたしがバイオリン仮面に担がれてたの!誤解を生むような絵図に見えたって意味を含めて!!」
幼女「お姉ちゃんは・・・女王さまじゃ無いの?」
さやか「悪いけど違うよ。」
さやか「でも・・・将来を誓い合った王子様はいるけどね~。キャッ!もう!言わせないでよ~」
さやか「このおませちゃん!さやか姫が打ち首にしてくれるぞ~」つんつん
幼女「きゃっ・・ははは・・このおねえちゃん面白~い。」
さやか「今日は一人?お爺ちゃんとお婆ちゃんは?」
???「ゆまちゃん・・・ここにいたのね。」
ゆま「ママ!」
さやか「え?ママ?そっか。今日はお母さんと一緒なんだ。」
ゆま「お爺ちゃんとお婆ちゃんとはぐれた後ママに会ったの。」
ゆま「叱られると思ったけど、とっても優しくしてくれるんだよ!」
さやか「ちょっと待て、叱られる要素があったか?今の会話」
ほむら(・・・)
ほむら(なに?この違和感は・・・)
母親「もう行きましょうゆまちゃん。お姉ちゃん達に
さよならとお礼を言いなさい。」
ゆま「じゃあねーおねえちゃんたち!遊んでくれてありがとう!」
さやか「あたしの名はさやかだ。また会おうな!ゆまちゃん!」
ゆま「ねぇママ。どこに連れて行くの?おじいちゃん達のとこ、
戻らなくて大丈夫かな?」
母親「お義父さんたちには私から言っておくわ。ゆまちゃんと
一緒に・・・是非行ってみたい場所があるのよ。」
母親「ここよりも・・・もっともっと素敵な世界よ。」
#3に続きます