1 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/10/22 01:30:36 rw41.vN6 1/32

「ん…?」

許嫁「考えてみて」

許嫁「幼馴染っていうのは、許嫁と似てるでしょう?」

「どの辺が?」

許嫁「幼馴染は、昔結婚する約束をしたとか」

許嫁「仲が良くて、いつくっついてもおかしくない関係でしょう」

「うん」

許嫁「許嫁の方は言うまでもないわね」

許嫁「違いこそあれ、どちらも一種の絆で結ばれているでしょう?」

「一理ある」

元スレ
許嫁「私は幼馴染の上位互換という事に?」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1382373036/

3 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/10/22 01:37:54 rw41.vN6 2/32

許嫁「この2つに共通するのは」

許嫁「突如現れる邪魔者」

許嫁「突然の新しい出会い」

許嫁「こういった変化球によって、
固いと思われていた関係がどうなるか」

許嫁「そういう部分」

許嫁「分かる?」

「何となく(分からない)」


許嫁「正直に言いなさい♪」グリグリ

「いたいいたい何故バレた」

許嫁「長い付き合いだもの、当然よ」グリグリ

「さすが幼馴染さんいたいってば」

4 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/10/22 01:42:03 rw41.vN6 3/32

「確かに通ずる物があるけど……
一緒に居る時間的に、むしろ下位互換なんじゃ」

許嫁「甘い」

許嫁「甘過ぎる」

「しょっぱい評価」

5 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/10/22 01:46:51 rw41.vN6 4/32

許嫁「例えば、可愛い幼馴染の居る男が転校生のコとくっついたとするわ」

「う…おぇっ…」

許嫁「ちょっと、話を切らないで」

「ごめ…うぇっ…」

許嫁「どれだけ切ない話が苦手なの、頼りない人」

「っく…トラウマが…」


許嫁「全く…」

「ひっ膝枕!?」

6 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/10/22 01:52:33 rw41.vN6 5/32

許嫁「本題に戻るわ」

許嫁「幼馴染は、その男が好きだった」

「ベタ」

許嫁「ぽっと出のヒロインにいきなりあの人を取られたという訳よ」

許嫁「理不尽ね」

「理不尽だな」スリスリ

許嫁「ちょっと、くすぐったい……」

7 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/10/22 02:01:53 rw41.vN6 6/32

許嫁「でも」

許嫁「幼馴染には文句を言う権利はないわ」

「何故」

許嫁「幼馴染は、その男の彼女でも何でもないんだから」

「幼馴染って、案外脆いな…」スリスリ

許嫁「んっ……でも、それを許嫁に置き換えてみなさい……あふ…」

「一筋縄ではイかなくなる…」スリスリ

許嫁「そう…その通り…ひあっ……ちょっと…やめなさいよ」

「はい」

8 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/10/22 02:09:36 rw41.vN6 7/32

許嫁「この場合は、婚約解消とか、そんなレベルの難題が立ちはだかるわ」

「なるほど……幼馴染とは絆の固さが違うのか…」

許嫁「長年の想いよりも大人の都合が勝る、悲しい話ね」

9 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/10/22 02:14:07 rw41.vN6 8/32

「でも、すぐに出会った人と仲良くなるもんか?普通」

「さっきの話だと、二人とも喜んで婚約破棄に立ち向かうと思うけど」

許嫁「黙りなさい」

「でも」

許嫁「黙りなさい」

許嫁「黙りなさい」


「……大人の都合か」

許嫁「大人の都合よ」

10 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/10/22 02:23:25 rw41.vN6 9/32

「…幼馴染は、俺の事嫌い?」

許嫁「……」

許嫁「男なんて嫌いよ」

「………」


「そろそろ起きて良い?」

許嫁「起きたら大っ嫌いになるわよ」

「……」


「……」スリスリ

許嫁「ゃっ…」

「好きです」

許嫁「あぅ…っ!?」

11 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/10/22 02:34:52 rw41.vN6 10/32

許嫁「っはあ……はぁ…」トロン

「……」ムラッ


ガバッ

「ぐっ!?」

許嫁「……っーー」

「ッーーーー」



「ぷはっ…幼馴染、何を」

許嫁「……責任、取りなさいよ…っ」

「あっ、ちょっ」




おわり^^

14 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/10/24 00:36:04 d03k9NCs 11/32

許嫁のほうが固い絆ってか
それこそ固い束縛があるだけなんじゃ…

15 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/10/24 03:15:02 BpnRKp8Q 12/32

>>14
絆よりも繋がりの方が適切だった
脳内修正頼む

12 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/10/22 02:57:26 h2A28vhM 13/32

後日談はよ

16 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/10/24 04:18:35 BpnRKp8Q 14/32

  ~事後~


許嫁「ん…もうこんな時間」

「…家まで送ろうか?」

許嫁「それよりも、一刻も早く体を洗いたいわ」

「ああ、確かに…お風呂、お先にどうぞ」

許嫁「ありがとう、と言いたい所だけど」


許嫁「一緒に来て」グイッ

「えっ」

許嫁「拒否権はないんだから♪」

「なっ待」

17 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/10/24 04:30:19 BpnRKp8Q 15/32

ーーーーー



許嫁「痒い所は?」シャコシャコ

「な、ないです…」

許嫁「…一緒にお風呂なんていつ以来かしら」

「…小学生が最後だったかな」

許嫁「何固まってるのよ」ツン

「ひゃあっ!?」

許嫁「あんたって敏感よね」クスッ

「うぅ…」

18 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/10/24 04:37:09 BpnRKp8Q 16/32

許嫁「……」シャコシャコ

「……」

許嫁「…中学生の頃かしら、お互いにそっけなくなったのは」

「うん…」

許嫁「私、あの時からあんたを意識してたわ」

「えっ!?てっきり嫌われてたのかと…」

許嫁「酷いじゃない。バレンタインだってチョコレートを渡したのに」

「そ、そういえば…」

許嫁「全く、こういうのは鈍感なのね」ツンツン

「わっ!や、やめてよ!」

許嫁「ふふ」

19 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/10/24 04:45:10 BpnRKp8Q 17/32

「…高校、同じだって分かった時はびっくりした」

許嫁「……」

「だって、幼馴染は確かあそこは第三志望だったし」

許嫁「最初から第一志望だったわよ」

「? どういう事?」

許嫁「あんたと同じ所が良かったって事」ギュッ

「っ!?」

(タオル越しとはいえ…!)

20 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/10/24 04:48:52 BpnRKp8Q 18/32

「(いや、駄目だ、踏み止まれ…理性を保て…!)」

許嫁「……」ムスッ

許嫁「前も洗ってあげるわ」シャコシャコ

「えっ!?あっ、そこは駄目えぇ」

21 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/10/24 04:56:10 BpnRKp8Q 19/32

許嫁「そろそろ湯船に入りましょう」

「いつの間にお湯張って」

許嫁「黙りなさい」

「……」チャプ

許嫁「ふうん…向かい合わせにはならないのね」チャポ

「……」

許嫁「あんな事したのに?」

「それは…!」

22 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/10/24 05:05:01 BpnRKp8Q 20/32

許嫁「言って置くけど、ここまでしておいて逃げるなんて許さないわよ?」

「あ、当たり前だ!一生支えるよ!」

許嫁「……」

「分かったよ、ちゃんと向き合うから…」モゾ

許嫁「だめ」

「え?」

許嫁「今は振り向いちゃだめ…」

「ちょ、のぼせた?」

許嫁「そうよ。それで良いからあっち向いて」フイ

23 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/10/24 05:10:08 BpnRKp8Q 21/32

ーーーー



「温まった…」

許嫁「どうして湯上がりの一杯は格別なのかしらね」

「さあ?」

「でも」

「やっぱり牛乳が一番」グイッ

許嫁「同意するわ」クイッ

24 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/10/24 05:14:05 BpnRKp8Q 22/32

「……もうこんな時間だけど」

「早く帰った方が」

許嫁「…や」

「でも」

許嫁「今夜くらい、甘えたいの…」

「…!………布団敷いておくよ」

許嫁「ありがと…家に電話してくる」

25 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/10/24 05:17:01 BpnRKp8Q 23/32

ーーーー



許嫁「…」モゾモゾ

「……」

許嫁「…」

許嫁「…」ピタッ

「……」ギュ

許嫁「えへっ……」

26 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/10/24 05:23:46 BpnRKp8Q 24/32

許嫁「……頭、撫でて」

「……」サラサラ

許嫁「……」

「……」サラサラ

許嫁「私…今、しあわせ」

「……それ、こっちの台詞…」サラサラ

許嫁「もう、絶対に離さないんだから…♪」ギュム

「好き」

許嫁「大好き」

32 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/11 21:53:13 G9VePYVk 25/32

翌日


「おはよ…」ボ-ッ

許嫁「おはよう、ご飯出来てるわよ」

「なんか母ちゃんみたいだ…」

許嫁「」ピキッ

「あ、あれ?」

許嫁「私、先行ってるわ」スタスタ

「あっ、ま、待って!」アタフタ


パタンッ


「怒らせちゃったかなぁ…」

34 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/11 22:07:48 G9VePYVk 26/32

許嫁「……」スタスタ

許嫁「……あ、リボン…」

許嫁「…はぁ……戻らなきゃ」


「幼馴染~っ」タッタッ

許嫁「!おとk………何、そんなに慌てて」

「はぁ…はぁ…さ、さっきは変な事言ってごめん」

許嫁「急いで来た所生憎だけど、私忘れ物があるから戻らなきゃ…」

「そうそう、ほら、リボン」スッ

許嫁「!………つ、つけて」

「え?」

許嫁「さっきの分。…つけて」

35 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/11 22:13:59 G9VePYVk 27/32

「わ、分かった…」ドキドキ

許嫁「……んっ」ピクン

「ご、ごめん…くすぐったかった?」

許嫁「っ……」

許嫁「続けて」

「(や、柔らかい感触が…)」

「(無心、無心…!)」スッ

許嫁「んぅっ……」ピク

「……っ、よし」

「終わった」

36 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/11 22:19:18 G9VePYVk 28/32

許嫁「…」

許嫁「56点。結び目が綺麗じゃない」

「……ごめん、後は自分で直して…」

許嫁「良い」

「…え?」

許嫁「男がつけてくれたから良いの」

許嫁「行きましょ」

「あっ…う、腕を絡めなくても」

37 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/11 22:31:14 G9VePYVk 29/32

「も、もう教室の前だし」

「そろそろ手を離しても」

許嫁「嫌なの?」ジト

「い、いや」

「むしろ嬉しいけど…恥ずかしい」

許嫁「♪」ガラッ


知人「おおっ!今日はいつにも増してアツいな」

「あ…」カア

知人「なんだ、もう一生の誓いでも立てたのか?」

「そ、そんなんj」

許嫁「ええ」

「」

知人「」


許嫁「だって」

38 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/11 22:36:51 G9VePYVk 30/32




許嫁「幼馴染で許嫁だもの」フフン



人人人人人人人人人
く お し ま い >
人人人人人人人人人

39 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/12 00:44:27 2o.OjUZQ 31/32

乙乙でした

40 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/12 11:44:43 tXUQ6vek 32/32

壁!壁をよこせ!
今の俺に壊せない壁などないわ!!

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