ヒーラー「どういうことだ?」
エルフ「そのままの意味ですよ」
ヒーラー「?」
エルフ「普通、こんな華奢な女の子に守ってもらう男性がいますか?」
ヒーラー「だって君の職業は剣士だろ?それにエルフだから身のこなしも」
エルフ「でも!普通の人は女の子が剣を振り回して戦うことを止めると思います!」
ヒーラー「……そもそも、俺について行きたいと言ったのは君じゃないか」
エルフ「うっ……確かにそうですけど……」
ヒーラー「ならいいじゃないか」
元スレ
ヒーラー男「男らしくない?」 エルフ「はい」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1329253845/
エルフ「でも、だからって……」
ガサガサッ
ゴブリン「……」
エルフ「っ!敵襲!」ザッ
エルフ「ヒーラーさん!ってあれ?」
ヒーラー「がんばれー」
エルフ「なんで貴方は真っ先に木の上に避難してるんですか!?」
ヒーラー「ほら、前見ろ」
エルフ「!!」
ゴブリン「ガアアアアッ!!」バッ
エルフ「遅い!」シュ
ザシュ!
ゴブリン「グッ!?……」ドサッ
エルフ「……ほら、片付きましたよ?」
ヒーラー「いや、まだいるぞ……」
エルフ「えっ?」
ヒーラー「背後だ!」
バッ
エルフ「ッ!」ザッ
狼「グルルルルッ!!」
エルフ「腕を軽くやられましたね……」ポタポタ
ヒーラー「ヒール!」
パアッ
エルフ「なんか、気に食わないけどありがとうございます」
狼「ガアッ!」バッ
エルフ「せいやッ!!」シュ
グショ
狼「」グッタリ
ヒーラー「うわ、剣が頭から尻に貫通してる……」
エルフ「早く木から降りてください、剣抜くの手伝ってほしいので」
ヒーラー「なんとか町に着いたな」
エルフ「とりあえず、私は宿を探すついでに剣の手入れでもしてきますね」
ヒーラー「……服とか見ないの?」
エルフ「いえ、まずは剣からです」
ヒーラー「……女の子らしくないね」
エルフ「貴方には言われたくありません!」
ヒーラー「暇だから酒場に着たけど」
ワイワイガヤガヤ
ヒーラー「混んでるな……」
盗賊「あっ、ヒーラーのお兄さんだ!」
ヒーラー「おっ!久しぶりだな」
盗賊「3ヶ月ぶりだね、あれ?エルフちゃんは?」
ヒーラー「宿探しと剣の手入れだとさ」
盗賊「へぇ、いつもと変わらないね」
ヒーラー「ったく、少しは女の子らしくアクセサリーとか洋服とか見ればいいのに」
盗賊「……あたしからすれば、お兄さんも人の事言えないような」
ヒーラー「?」
盗賊「でも、羨ましいね」
ヒーラー「?なにが?」
盗賊「エルフちゃんは自分の事よりも、お兄さんの事を優先してるじゃない」
ヒーラー「?」
盗賊「だって、その剣の手入れだってお兄さんを守る為の行動じゃん」
ヒーラー「……確かにそれもあると思うが、違うと思う」
盗賊「え?」
ヒーラー「多分、武器屋行ってるよあいつ」
エルフ「しゅごいいいいいいいいいいい!!この光沢!シャープな形!」
武器屋「(あの子、もう2時間もあのままだよ……)」
ヒーラー「ほら、宿屋に行くぞ」グイッ
エルフ「待ってください!ほら!!あの剣すごいですよ!ねえ!」
盗賊「(本当に武器屋にいた……)」
エルフ「ほらほら、このエクスカリパー見てください!伝説ですよ!伝説!」
ヒーラー「それは偽者だ!早く行くぞ!」グイッ
エルフ「やだやだ!買って買って!」ジタバタ
盗賊「(うわ、駄々子かよ……)」
ヒーラー「……さっき、この周辺の洞窟に珍しい剣があると聞いたな」
ヒーラー「それ以上の」ボソッ
エルフ「!?ッ早く宿にいきましょう!」ダダダダダダダ
盗賊「(……)」
カポーン
ヒーラー「久々の風呂だな」
ヒーラー「まあ、こうやってのんびりするのも……」
盗賊「……」ブクブク
ヒーラー「うわ!!盗賊お前いたのか!?」
盗賊「……お兄さん、ここ混浴だよ」
ヒーラー「すまん!」
盗賊「……別に触ってもいいんだよ?」クイクイ
ヒーラー「まな板」
盗賊「死ねっ!死ね!」バシッ
ヒーラー「痛っ!?」
ヒーラー「……」ヒリヒリ
盗賊「男らしくとは言うけど、あまり正直すぎるのはよくない!」プンプン
ヒーラー「だって、無い物は無い」
盗賊「せいやっ!!」ゲシッ
ヒーラー「グフッ!?」
盗賊「言うな!」
エルフ「楽しそうですね」
盗賊「いたの!?」
エルフ「ええ」バイーン
盗賊「……」ペターン
エルフ「どうしたんですか?」バイーン
盗賊「……」ペターン
ヒーラー「絶壁と山だな」
盗賊「フンッ!!」バシッ
ヒーラー「ぬわああああああああああああ」
エルフ「?」ボイーン
盗賊「……なにを食べたらそのサイズになるの?」
ヒーラー「……もうでるわ」バシャ
エルフ「ちょっとまってください!」ギュ
盗賊「(うわ、お兄さんの腕を胸で挟んでるよ!?)」
ヒーラー「何?」
盗賊「(すげー、お兄さん動じないよ!スゲー!)」
エルフ「さっきの珍しい剣とやらの事を詳しく教えてください!」
ヒーラー「そんなもん、風呂上がった後でもいいじゃないか」
エルフ「だって、ヒーラーさんすぐ寝ちゃうじゃないですか!!」
ヒーラー「いいじゃないか!むしろお前は剣の手入れを早く済まして早く寝ろよ!」
盗賊「(なんで、お兄さんはあたしの時は顔真っ赤にしてたんだろ……)」
盗賊「(貧乳派?……ハッ!?認めてないぞ!あたしは!)」
ヒーラー「とにかく、俺はもう出るぞ」
エルフ「行かせません!」バッ
ヒーラー「ちょ!?押すな押すな!?」
ドシャーン!!
エルフ「さあ、じっくり話を聞かせてください」
ヒーラー「お前なあ……」
盗賊「(エルフちゃんがお兄さんに騎乗位してるようにしか見えない!!)」
ヒーラー「早く降りろ、湯冷めするから」ブラン
盗賊「(お兄さん、アンタのソーゼージは不能ですか?)」
エルフ「さあ、さあ」クネクネ
盗賊「(なんか、ものすごいエロイです……///)」
盗賊「……んっ……あっ!」クチュ
ヒーラー「おい、大丈夫か?」
盗賊「」ピクピク
エルフ「顔真っ赤ですね」
盗賊「」ピクピク
ヒーラー「のぼせたか」
盗賊「」ピクピク
ヒーラー「一応、ヒールしたから大丈夫だな」
エルフ「どうします?置いていきますか?」
ヒーラー「ああ」
「おいっ!女の子がタオル一枚で倒れてるぞ!」
ワイワイガヤガヤ
エルフ「いいんですかね?」
ヒーラー「多分」
ヒーラー「寝るか」
エルフ「待ってください」
ヒーラー「ん?」
エルフ「珍しい剣の話は?」
ヒーラー「zzz」スヤスヤ
エルフ「寝ない!」ドゴッ
ヒーラー「アガッ!?」
エルフ「さあ」
ヒーラー「zzz」クークー
エルフ「さあ!」ドゴォッ
ヒーラー「オボッ!」
エルフ「さあ!!」
ヒーラー「zzz」ガーゴー
エルフ「おい」
_____________
ヒーラー「起きたら全身痣だらけだった」ヒリヒリ
盗賊「……そう」
ヒーラー「まったく、あの怪力女は……」
盗賊「……へぇ」
ヒーラー「? 元気ないな?どうした」
盗賊「昨日、風呂でのぼせた後、放置したでしょ」
ヒーラー「ああ」
盗賊「……あの後、憲兵に痴女と間違えられて追われた」
ヒーラー「……ごめん」
盗賊「で、お兄さん達はいつまでこの町に?」
ヒーラー「明日には、ここを出発しようと思ってる」
盗賊「ふーん」
ヒーラー「盗賊は?」
盗賊「今から出ようと思う」
ヒーラー「急だな」
盗賊「……どこぞのお兄さん達のせいだからね」
ヒーラー「……」
盗賊「……じゃあね」スタスタ
ヒーラー「……ごめん」
店主「振られたね、あんた」
ヒーラー「……貧乳には興味ない」
店主「……」
ヒーラー「そうだ、聞きたいことが」
店主「? なんだ?」
ヒーラー「この人を知っているか?」ペラ
店主「……」ジー
ヒーラー「どうだ?」
店主「このワイン、50G」
ヒーラー「……買うよ」
店主「物分りがよくていい」ニコニコ
ヒーラー「で?」
店主「……この写真、十年前のものだね」
ヒーラー「ああ」
店主「この写真の男なら、2ヶ月前に見たよ」
ヒーラー「そうか……、行き先はわかるか?」
店主「ああ、たしか砂漠の方に行くとか」
ヒーラー「そうか、ありがとな」
ヒーラー「……砂漠か」
ヒーラー「あの人は」
_______________
___________
______
___
_
_________
少年「」
「おい!誰かこの子を手当て出来るものはいないのか!?」
「無理だよ!腹をザックリやられてるんだ!」
「かわいそうに、家の中に山賊が入るなんて」
「この子はまだ息があるけど、ほかの家族は……」
「おい!」
少年「……(僕は死ぬの?)」
ローブの男「どけ」
「なんだ!あんたは!」
少年「……?」ドクドク
ローブの男「これはひどいな」バッ
キラキラ
少年「……傷が……」シュワシュワ
「すごい、あんな深い傷が一瞬で治った……」
ローブの男「……」スタスタ
少年「待って!!」
ローブの男「……なんだ?」
少年「助けてくれてありがとう!」ペコ
少年「あの、これ少ないですけど……」チャリ
ローブの男「礼はいい」
少年「でもっ!」
ローブの男「……俺にとっての礼は、助けたものが長生きすることだ」
少年「……」
ローブの男「将来、大人になったら元気な姿でも見せな、それが俺への礼だ」
少年「じゃあ、顔を忘れないように写真だけでも」パシャ
ローブの男「おい」
少年「またね、おじさん!」
ローブの男「……そんな老けてねえよ」スタスタ
______________
_________
_____
___
_
ヒーラー「(あの人は、今どうしているのだろうか)」
ヒーラー「(俺は、あの後あの人に憧れてヒーラーを目指すことにした)」
ヒーラー「(誰かの命の恩人になれるような人間に)」
ヒーラー「(それから年月が過ぎ、今に至る)」
ヒーラー「(あの人は多分俺の事は覚えていないだろうから、直接会うことにしたが)」
ヒーラー「(案の定見つからない……)」
ヒーラー「どこにいるのやら……」ハァー
「モンスターが侵入したぞ!!」
カンカンカンカンカンカンカン
ヒーラー「!?」
ドラゴン「……」
「ひいいいいい!ドラゴンだ!?」
憲兵A「恐れるな!バリスタを放て!」
憲兵B「了解!」
カラカラカラカラ
ドラゴン「?」キョトン
憲兵A「バリスタ砲、てえっ!!」
ドゴンッ!!
ドラゴン「!?グガアアアアアッ」
憲兵B「今だ!全員突撃!!」
オォー!
ドドドドドドドドドドドドド
エルフ「すごい連携だなあ……」
ドラゴン「ウガァ!!……」ヨロヨロ
憲兵A「よしっ!ドラゴンはもう虫の息だ!」
憲兵B「バリスタ準備OKです!」
憲兵A「よしっ、撃て!」
ドラゴン「グガアアアアアアアアアア!!」バサッバサッ
憲兵B「飛んだ!?」
憲兵A「大丈夫だ!撃て!」
少女「おかあさん!どこー!」ウロウロ
エルフ「ドラゴンの真下に女の子が!?」
エルフ「憲兵さん待って!!」
憲兵A「なんだ?お嬢さん?」
ドゴンッ!
ドラゴン「グガッ!?」ゴバッ
憲兵B「命中!」
ドラゴン「」ヒュー
少女「え?」
グシャ
エルフ「あ……ああ……」
ヒーラー「なんの騒ぎだこれは?」
「ああ、さっきドラゴンが町に侵入したらしいぜ」
ヒーラー「へぇ、大丈夫なのか?」
「いや、この町の憲兵は優秀揃いだから大丈夫だろうな」
ヒーラー「そうか」
エルフ「ヒーラーさーん!!」ダダダダダダダ
ヒーラー「どうした?」
エルフ「……女の子が!」
ヒーラー「ん?」
エルフ「ドラゴンの下敷きになって大変なんです!!」
ヒーラー「なんだと!?」
少女「うっ……」ドクドク
「おいっ、医者はいないのか!!」
「今、病院のほうもドラゴンが来たせいで大忙しだ!」
「旅人でもいい、この子を助けてくれ!」
エルフ「ヒーラーさんこっちです!」
ヒーラー「っ!あの子か?」
エルフ「はい、今はドラゴンをどかした後みたいですけど」
「なんだ?あんたは?」
ヒーラー「……一応、職業柄は医者だな」
「そうか!なら早くあの子を!!」
少女「……」ドクドク
ヒーラー「(まずいな、内臓のほとんどがつぶれてるぞ……)」
エルフ「この子は助けられそうですか?」
ヒーラー「……まかせろ」
ヒーラー「少し離れてくれ」ザッ
「なんだ?」
「なんか円を描き始めたぞ?」
エルフ「……」
ヒーラー「(陣は描き終わった)」
ヒーラー「……【ヒーリング】」
パアァ!
「うわ!?眩しい!」
「目が!目がああああ!?」
______________
__________
_____________
エルフ「お疲れ様です」
ヒーラー「……久々にあんな大掛かりな魔法使ったよ」
エルフ「でも、あの子はとても感謝してましたよ?」
ヒーラー「まあ、助けられてよかったよ」
エルフ「……」
ヒーラー「さて、宿に帰るぞ」スタスタ
エルフ「……」
___________
_________
______
____
__
_
_________
エルフ「……」ヨロヨロ
エルフ「(不覚でした……あんな山賊に手傷を負わされるとは)」
エルフ「グッ!?」バタッ
エルフ「(ここまで……)」
ヒーラー「おい!無事かあんた!」
エルフ「(……人間?)」
ヒーラー「おい!おい!」
エルフ「(意識が……)」
ヒーラー「【ヒーリング】!」
エルフ「(暖かい……光)」
ヒーラー「大丈夫か?」
エルフ「……はい」
ヒーラー「ケガは直ったみたいだし、元気でな」
エルフ「……待ってください!せめてお礼だけでも!」
ヒーラー「……礼はいらないよ」
エルフ「しかし!それではエルフ族の恥!」
ヒーラー「……早く町にでも行きな、エルフを狙う変態だって世の中にはいるんだ」
エルフ「……わかりました」
ヒーラー「……達者でな」
エルフ「私は迷子なので、道がわかりません」
ヒーラー「は?」
エルフ「あなたの行き先はどこですか?」
ヒーラー「この先の港町だけど」
エルフ「では行き先が同じですね」
ヒーラー「は?」
エルフ「別にこれはお礼ではなくて、たまたま、行き先が一緒なだけですからね」
ヒーラー「え?」
エルフ「ああ!察してください!!」
ヒーラー「!」
エルフ「お礼として、次の町まで一緒に行ってあげます!」グイッ
ヒーラー「おい!引っ張るな!」
_______________
___________
_______
____
__
_
____________
エルフ「(この人に付いていって半年か)」
ヒーラー「おい?どうした?」
エルフ「(港町から出る時も、とりあえず理由つけて付いて行ったけ?」
ヒーラー「おーい!」
エルフ「(まだお礼は終わっていないとか、護衛するとかで)」
ヒーラー「……洞窟の剣」ボソッ
エルフ「ハヒィ!?そういえばまだ聞いてませんでした!」
ヒーラー「ほら、早く宿に戻るぞ」トコトコ
エルフ「はい!」
___________
_______
____
__
_
___________
ヒーラー「がんばれー」
エルフ「ちょっとは援護してくださいよ!!」
ボストロール「フンッフンッ!」ドシンドシン
ヒーラー「そいつを倒せば剣はもうすぐだぞ!」
ボストロール「フウンッ!!」ブンッ
エルフ「大振りすぎですよっ!」ヒュン
グサッ!
ボストロール「グワアアアアアアア!?」
ヒーラー「うわ、目から脳天に貫通した」
エルフ「剣!剣はどこです!」
台座「」
エルフ「あった!」ダダダダダダダダダ
ヒーラー「ほう、立派に飾ってあるな」
エルフ「聖剣とでも呼びますか」
ヒーラー「ん?この台座の裏に何か書いてあるな……」
エルフ「そんなものはどうでもいいですよ!」グッ
ヒーラー「なになに……」ブツブツ
エルフ「うぐぐぐぐぐぐっ!!」ググッ
ヒーラー「おい、この剣が製作されたのは」
エルフ「せいやっ!!」グッ
パキッ
ヒーラー「……まあ落ち込むな」
エルフ「……」ションボリ
ヒーラー「まさか台座に刺さってた剣が風化してたとは」
エルフ「台座から抜こうとしたら折れたました……」
ヒーラー「……ほらよ」スッ
エルフ「えっ?……これは!?」
ヒーラー「あの武器屋で売ってた エクスカリパーだよ」
エルフ「なんでこれを……」
ヒーラー「あの助けた女の子の父親が武器屋でな、お礼にって」
エルフ「ひゃっほい!大好きですヒーラーさん!」ギュ
ヒーラー「(多分、名前からして偽者だけどな)」
エルフ「で、次はどこに行くのですか?」
ヒーラー「ああ、砂漠の方にな」
エルフ「砂漠!?」
ヒーラー「別に無理して来なくてもいいんだぞ?」
エルフ「っ!行きます!行きますとも!」
ヒーラー「そうかい」スタスタ
______________
ヒーラー「がんばれー」
エルフ「お願いですから援護ください」
ヒーラー「馬鹿いうな!俺は戦えないからこうやって距離を置いてだな!」
エルフ「明らかに安全地帯じゃないですか!その崖の上!」
ワーム「グガアアアアアアアッ!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
エルフ「ひいいいいいい!?」ダダダダダダダ
ヒーラー「食われるなよー」
エルフ「っハァ……ハァ……」ボロボロ
ワーム「」
ヒーラー「お疲れ様」
エルフ「危うく死ぬところでしたよ……」
ヒーラー「大丈夫、体の一部が消えても俺が止血はしてやるから」
エルフ「……最終的には達磨ですね」
ヒーラー「うん」
エルフ「そういえば、このワームの腹辺りなんか動いてますね」
ヒーラー「開けろ」
エルフ「え?」
ヒーラー「とりあえず開けてみろ」サッ
エルフ「なんで岩の後ろに隠れるんですか……」
ヒーラー「安全確保」
エルフ「セイッ!」シュッ
スパッ!
盗賊「……やあ」
エルフ「……食べられてたんですね」
ヒーラー「……食われてたのか、実は少ないのに」
盗賊「うるさい!!」
エルフ「よくあのノコギリみたいな歯があったのに、無傷ですね」
盗賊「洞窟かと思ったんだ……」
ヒーラー「寝ているワームの口から入ったんだな」
盗賊「まさか、ワームとは思わなかったんだよ!」
エルフ「いや、歯で気づいてくださいよ」
盗賊「で、お兄さん達はこの先に行くの?」
ヒーラー「ああ」
エルフ「はい」
盗賊「ならこのあたしが」
ヒーラー「却下だな」
盗賊「なんで!?」
ヒーラー「少なくとも、ワームと洞窟を間違えるやつには頼りたくないな」
盗賊「……」
ヒーラー「まあ、勝手についてくる分には止めないよ」
盗賊「……流石お兄さん、ツンデレだね」
エルフ「ですね」
ヒーラー「うるさい」
盗賊「まあまあ、あたしも一応は戦えるんだから、お兄さんと違って」
ヒーラー「そりゃお前、俺はサポート職なんだから当たり前だろ」
エルフ「ふーん、女の子にばっか戦わせて恥ずかしくないんですかね?」
ヒーラー「おい、お前は俺への恩返しだろ」
エルフ「(……)」
盗賊「で、行き方はわかるの?」
ヒーラー「ああ、この先をまっすぐ進むと旗があるからそれを目印にするらしい」
盗賊「ふーん」
エルフ「(……恩返しか)」
エルフ「(私にとっての、この人への恩返しは護衛)」
エルフ「(私は戦うことはできるけど、命は救えない)」
エルフ「(逆にこの人は、命は救えるけど、戦えない)」
エルフ「(だからこそ、私はこの人の助けになってあげたいのかもしれない)」
ヒーラー「おーい?」
盗賊「先行っちゃうよ?」
エルフ「待ってくださいよ!
命の恩人さん
終わり

