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393 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/23 12:07:36.66 2ggM2dAVo 1/397
>>1です
亀ですが、皆様 乙ありがとうございました
勿体無いお言葉まで頂き、大変嬉しく思っております。
ところで、スレってhtml化依頼しなきゃ落ちないんでしたよね
html化の依頼するか、
折角残りがあるから
蛇足ながら本編の補足のような話を後で書いて投下するか悩み中です。
本当は長くなりそうだから、削った話です。
ほむらとマミと魔女の話や、
外伝組みや仁美とほむらの絡み、
ヤ●ザとほむらの絡みとか
需要はあるかな
394 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/23 12:29:01.86 Uq3S6EmGo 2/397やーさんとのからみはみたいかも。
395 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/23 12:55:53.26 2DUT3NAao 3/397ほむらとマミは読みたいかなー
396 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/23 13:32:34.46 eIiT0fPZo 4/397需要しかない
397 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/23 14:15:24.62 b8TwJoLZo 5/397ほむマミ!ほむマミ!
398 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/23 15:21:54.81 5iZYkZGwo 6/397杏ほむ!杏ほむ!
さぁはやく書く作業に戻るんだ
399 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/23 16:51:53.67 2ggM2dAVo 7/397
>>394-398
ありがとう、書けそうなのから書く
いつ書けるかわからないけど
400 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/23 20:10:23.75 2ggM2dAVo 8/397
やーさんとの絡み
タイミングは、まだ入院中。
投下します。
蛇足分は あんまり考えずに書いてるから
変なところがあったらごめんなさいね
病院から無許可で外出。
今回のループも、射太興業のロッカーで恒例の「お買いもの」。
ワルプルギスの夜には到底役に立たないが、
弱い魔女や使い魔相手には充分役に立つ銃火器がある。
手軽に侵入できるのも高ポイントだ。
ショットガンのベネリモデル1や拳銃のデザートイーグル、ベレッタ
弾薬を見つけ、盾にしまう。
……ん? これは……
対戦車ロケットランチャーRPG-26!?
そういえば、福岡ヤクザが持っていたとかいうニュースを見たが、
こっちの方にまで流れていたのかしら?
恐ろしい世の中ね。
そう考えながら、また盾に収納。
ついでに、耐火金庫もまるごと盾に。
あとで金庫を破壊し、中身を頂こう。
現金は確か1000万以上、金塊やら とある権利書やら、
お偉い政治家から金をゆする為の証拠やら。
いずれもそのまま使うことは出来ないが、
非常に有効なアイテムだ。
活用させて頂こう。
事務所から出て、時間が再び動き出す。
ほくほくとした顔で帰路につく。
小額なら資金洗浄しなくても問題ないだろう。
旅の資金として流用し、また米軍基地へと侵入するか。
よし、落ち着いた場所で計画を立てるため、喫茶店にでも。
巴マミが、ケーキは一級品だと教えてくれた店が近くにある……
そう考えた所で、野太い悲鳴が上がるのが聞こえた。
おそらく、私が先程「お買い物」した場所だろう。
無実の容疑者が仕立て上げられ、
粛清されているのかもしれない。
殴る蹴る程度なら、大して良心も痛まないけれど、
殺されでもしたら、ちと気の毒だ
仕方なく、様子を伺うため、射太興業へと戻る……。
ほむら「……あらまぁ」
先程より、7人ほど人数が増えている。
新たに見る人間達は付けているバッジも違う為、
違う団体の方と、取引の日だったのかもしれない。
それが、私が色々と頂いた所為で、抗争にまで発展したのか。
……いや、抗争ではない。
武器は私が一切合財頂いた為、一方的だ。
射太興業の方々は、芋虫のごとく倒れ、呻いている。
出血が激しい方もいる。
流石に無視できないか……
ほむら「……待ちなさい」
「ああんっ!?」
「誰だテメー、このガキがっ!」
「おい、見られた、どうする?」
「けっ、ちょいガキだが、中々の上玉だ。拉致って薬漬けにでもしちまえ!」
「ロリっぽいねぇ、いいねぇ!」
「けっ、この変態が!」
品が無いわねぇ。
7人の大の男。
殺さずに相手にするのはちょいと骨だ。
体格差があるため、
押さえ込まれると私は弱い。
魔力を使うのは勿体無いが……
時よ、止まれ!
――ロープで縛り上げ、ついでに武器と……
身分証明書等を頂戴する。
指示だしをしていた、
ボス格の人間の顔を足で踏みつけ、
時間の流れを戻した。
「「「……っ!? な、なんじゃこりゃああああっ!」」」
ほむら「うるさい、黙れ」
「こ、この餓鬼ァ……っ!」
状況が分かっていないボスヤクザが口を利いたため、
かかとで下あごを踏み砕いた。
鮮血が飛び、辺りは静まり返る。
痛みに苦しむ男の発する音を除いて。
ほむら「……よし、いい子達ね。ちゃんと、静かに出来るじゃない」
ほむら「射太興業には、この円あけみがいるわ」
ほむら「それでも、うちのシマを荒らすつもりなら、
拷問した上で殺すけど……」
ほむら「躾の出来てる犬の様に従順にこの場を去るなら、
開放してあげない事もないわ……どうする?」
「……」
死んだ目をして、一人が頷いた。
その男と、もう一人隣に居た男に、
遠距離操作で爆破できる首輪爆弾をとりつけ、ロープを解く。
首輪がどういうものか、どうやら分かったらしい。
二人は可愛そうに、顔は青ざめ、ガチガチ震えている。
7人は外の道路脇に止めてあった
大型のバンで乗り込んできていたようだ。
縛られたままの5人を運ばせ、車を発進させた。
縛られてない二人は 車をノロノロ進ませながら、
懇願するようにこちらを振り返り、
首輪爆弾を何度も指差す。
ダミーだと伝えてやると、
アクセル全開で逃げ帰った。
事務所に戻ると、射太興業の方々は
総出で土下座しながら、私を迎えてくれた。
「「「姐さん!!!!」」」
ほむら「……あ、あねさん?」
「助けていただき、ありがとうごぜえます!」
「沈められるところでした! レンコンもヤッパも急に無くなるんですから!」
「たずがっだよーーー、おがーじゃーーーん!!!」
ほむら「……」
私に原因があるとも知らず、
感謝しているらしい。
「おれぁ、この事務所で所長やってる、玄です!」
「金庫番やってる、うろです!」
「ただの平の構成員のブッチーです!」
虚「●×組のケチな下部組織のうちですが、
姐さんさえいれば百人力!
この見滝原一帯、全てうちのシマにすることだって可能でさァ!」
ブッチー「姐さん、うちに所属してくれるんですよね!」
玄「俺たちぁ、一生ついていきやす!」
ほむら「……」
ヤクザ組織に構ってる暇などないのだけど……
いや、しかし、この射太興業は規模の割りに
銃火器の取り扱いの質と量は素晴らしいものがある。
意外な所から事態の突破口になることも、
あるかもしれない。
キープをしといても、いいのかもしれない……
413 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/23 20:23:43.47 2ggM2dAVo 21/397
やーさんとの絡み 終わり
やーさん達の名前に特に意味はありません。
ヤクザの口調もよく分からないから適当です。
続けるよりは、他の話に移った方が面白そうかな。
次の投下がいつになるかは未定です。
ではでは。
425 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/26 21:08:29.79 rxNOJxtto 22/397
今回のは、ほむらとマミと魔女の話と以前書いた内容にあたるのですが、
若干変更しました。
きゅうべぇや杏子とも絡み、
時間も本編終了後です。
では、投下します。
マミ「結構、美味しく出来たと思うわ」
ほむら「マミがそう言うなら、期待大ね」
マミ「えへへ」
ほむら「じゃあ、一人分を切り分けるわね」
マミ「うん。でも、誰にもって行くの? どうせなら、招待すればいいのに」
ほむら「もう、来る事が出来ない人なのよ」
マミ「え……?」
ほむら「マミ、杏子。支度しなさい。出かけるわよ」
杏子「あれ……。先にケーキ食べるんじゃないのかよ」
ほむら「夕方、まどかや さやかも来る予定よ。
私達はそれまで我慢しましょう」
――外出の支度が整い、私達は目的地へと向った。
第一の目的地は、見滝原病院だ。
マミ「何だ……。来る事ができないって、入院してる人の事なの?」
杏子「相手は誰だい。さやかの愛しのおぼっちゃんか?」
ほむら「違うわ。こっちへ」
杏子「お、おい。建物の中に入るんじゃないのかよ!
マミ「……ん? そっちは……」
ほむら「おまたせ、シャルロッテ。あなたの好きだった、チーズケーキよ」
マミ「……」
杏子「……?」
私はチーズケーキを箱から出し、
ピンク色に咲いたアスターがメインの小さな花束と一緒に、
病院の壁際に置く。
マミ「ほむらさん。ここって、魔女が結界を張った所よね」
ほむら「そうね」
マミ「しゃるろって……?」
ほむら「彼女の魔女としての名前よ」
ほむら「きゅうべぇ!」
QB「……お呼びかい?」
ほむら「彼女の事を、聞かせてあげて頂戴」
QB「シャルロッテのことかい。分かったよ」
杏子(なんか、ほむらの使い魔みたいだな。こいつ)
QB「彼女は、お菓子……その中でもチーズに関するものが好きな女の子だった」
QB「執着心が強くてね、欲しいものは中々諦めない」
QB「魔女となってからも、人間だった時も」
マミ「……だから、あんなに結界がお菓子だらけだったのね」
ほむら「人間だった時からそうなの?」
QB「そうだね」
ほむら「なんで、そんなにチーズに思い入れがあったのかしら?」
QB「彼女自身も好きだったと思うけど、何より母親が好きだったからじゃないかな」
マミ「お母様が?」
QB「彼女の母親は、末期癌で、死に掛けていた。
そのため、乳製品の摂取を禁止されていた。
どうせ死ぬというのにね」
QB「母親は我慢していたけど、死の直前、どうしても食べたいと言い出した」
QB「彼女は、母親の最後の願いを叶えてあげたかった。
だから、時間とお金の無かった彼女は、
たった一つのチーズケーキを願い、僕と契約した」
マミ「……」
杏子「……」
QB「彼女と彼女の好きな母親が好きなチーズケーキ」
QB「だが、祈りの為、厳密に一つしか手に入らず、
魔女化した後もチーズだけはだせない」
QB「だから、こうやって、ほむらはチーズケーキを捧げようと思ったんだろう?」
QB「だが、魔女に捧げようとする意味はわからないけど」
マミ「なんで、貴方は末期癌の母親を持つ子の心の隙をつくような事をして……」
杏子「なんで、そんな したり顔で説明できんだよ……」
QB「ほむらが説明しろっていったから説明したんだよ?
何で怒っているんだい。訳がわからないよ」
ほむら「そうよ、怒っちゃ駄目。きゅうべぇって、こういう奴等なの」
ほむら「むしろ、こういう奴だからこそ、この場に呼んだの」
QB「どういうことだい? 説明させたかったんじゃないのかい?」
ほむら「魔女とはいえ、私達と同じ元・人間よ。
人間に害をなすから、倒すしかないけど
死を悼む事はすべきだわ」
ほむら「こういう場にいることも、感情を理解する一助となるでしょう」
QB「ふーん、なるほどね」
ほむら「さあ、二人とも。彼女の死後の安らぎを想って、黙祷しましょう」
マミ「うん」
杏子「そうだな」
ほむら「……」
マミ「……」
杏子「……」
QB「僕もかい? しょうがない。静かにしていればいいんだね」
QB「……」
マミ「……この子、癌を治せばよかったって後悔していたのかもね。ママ」
ほむら「! マミ……」
ほむら(ご両親の事、思い出しているのね)
杏子「……今日は、魔女の慰霊ツアーかい?」
ほむら「……ええ、そうよ。貴女に祈りを捧げて欲しい子もいるわ」
QB「エルザマリアかい? 葬儀の形式的に」
ほむら「ええ」
ほむら「次……いきましょうか」
杏子「わかったよ。たまには、こういうのも わるかねぇな」
マミ「さようなら、シャルロッテ。また、たまにならチーズケーキ、
持って来るからね」
杏子「またな、シャルロッテ」
ほむら「またね」
三人と一匹でとぼとぼとあるいていると、
きゅうべぇがテレパシーを飛ばしてきた。
QB((こんなことに意味があるのかい?
個体の死へ執着することが僕には理解できない))
ほむら((私が死んだら、勿体無いと思わない?))
QB((それは、そうだね))
ほむら((その延長線上よ。
人間には遺伝的要因と環境的要因による個体差が大きい))
ほむら((そこから個を尊ぶという心が生まれるのよ))
QB((ふぅん……なるほどね。まぁ、さやかみたいなのから、君みたいなのまでいるからね))
QB((君達と僕達とでは生存戦略自体が違うから、そういう感情が生まれるんだろうね))
ほむら((さやかを貶めるのは止めなさい。魔法少女の素質だけで語るんじゃないの))
QB((君だってやってるだろう))
ほむら((私はいいの))
QB((……それにしても、死んでたら、君達がどういう行動をとろうと認識できないだろう?))
QB((やっぱり、無駄じゃないかい? そんなの))
ほむら((死者を想うのは、実は生きている私達自身の為よ))
QB((君達自身?))
ほむら((私達の中で他人の死を理解し、乗り越える為よ。精神の合理化))
ほむら((私達の場合、自分達の元同類を殺しているわけだから、
どうしてもその事実が精神的に私達を苦しめる))
ほむら((意識していなくてもね))
ほむら((それならいっそ、魔女達の死を悼む時間をとった方がいい))
ほむら((辛い事も知ってしまうかもしれないけど……。私は、そう考えるわ))
QB((ふぅん……))
QB((でも、君が魔女を殺す事にそういう わだかまりを持っているとは意外だね。
全く躊躇していないように見えるけど))
ほむら((もう、慣れたわ))
ほむら((ただ、真実を知って間もないこの子たちには、
そういう場もあっていいのではないかと、そう思ってね))
QB((ふぅむ。そうやって、マミ達の心を強く育てたいのかい))
QB((君は彼女達の成長を願っているようだからね))
ほむら((へえ、分かってるじゃない))
QB((客観的事実として認識は出来るさ。
根本的な理解には程遠いだろうけど……))
QB((君は、本当にマミ達の母親を目指しているんだね))
ほむら((当たり前じゃない))
QB((……君の実年齢は、30は少なくとも超えていると思っていたが、
どうやら40以上なんじゃないか?
そういう事を考える人間は、30にしては若過ぎそうだ。
青年期というより、中年だね))
ほむら((……))
QB((……?))
ほむら「……きゅうべぇ、殺していい?」
マミ「!?」
杏子「な、なんだ、急に?」
ほむら「あなたたちはここに居なさい」
QB「や、やめてくれよ。勿体無いじゃないか。
それに、死を悼むという行為の尊さを語った舌の根も乾かぬうちに
無益な殺生をするのは矛盾しているよ」
ほむら「無益じゃないわ。よりによって、アラフォー扱いとは……」
ほむら「万死に値するわ」
QB「……っ!?」
――恐怖の一端を知ったらしいきゅうべぇを
吊るしたまま放っておき、
慰霊ツアーを続け、その日は終わった。
まどか達とお茶会を楽しんだ後、
片付けをしながらマミと話をする。
ほむら「……マミ、大丈夫かしら?」
マミ「どうしたの、ママ。急に」
ほむら「シャルロッテと貴女の境遇は少し似たところがあったわね。
もしかして、辛い思いをさせてしまったんじゃないかと思って」
マミ「ママ……。うん、正直言うと、自分に重ねてた」
マミ「私がパパとママも助けてって、もしそう願えていたら……」
マミ「シャルロッテも、そう悩んでいたんじゃないかと思うと」
ほむら「……」
マミ「きゅうべぇは、今も新しい魔法少女との契約を続けてるんだよね」
ほむら「ええ。あいつは、別に私達の味方でも何でもないわ」
ほむら「私達には手を出してこないけど、奴には奴の目的がある」
ほむら「私が使えないと思ったら、すぐに手のひらを返して、
絶望させようと手を打ってくるでしょう」
ほむら「奴の目的を私が果たせると確定しないかぎり、
奴は奴なりの今までのやり方を崩す事はないわ」
マミ「そっか……」
マミ「じゃ、私が新しい子達を守ってあげなきゃ。
ママが、してくれたみたいに」
ほむら「マミ……」
マミ「今までみたいに、寂しさを埋めるためじゃなくて、
本当の意味で、守ってあげられるようになりたい」
マミ「他の子に、強さを分けてあげられるように」
マミ「だから、マミももっと、強くならなきゃね」
マミ「大人にならなきゃ。精神的な意味で」
ほむら「……そう思えた時点で、貴女は強くなってるわ」
マミ「そうかな? えへへ」
ほむら「そうよ……」
嬉しそうなマミの頭を、撫でてあげた。
皿洗いの途中だったため、髪の毛に少し泡をつけてしまう。
私は慌てて その泡をぬぐい、
マミは私の慌てる様を見つめながら微笑んでいた。
443 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/26 21:28:55.41 rxNOJxtto 40/397
終わり
本編でママとなったほむらが、
マミ達を精神的に成長させたいと願い、
行動する場面を描きたい、そう思って考えていたシーンでしたが
上手く描けなかったから没にしました。
そのシーンの改変です。
書きたいシーンがあっても実際書くのは難しいね。
シャルロッテの設定はWiki読んでて
末期癌患者はもしかして母親だったりしてって適当に考えたものを
そのまま。
では、次こそ外伝組みとの絡みかな
ではでは
「ゆまとほむほむ」
ヤクザ達を下僕にした次の日。
病院を抜け出し、風見野の隣町にやって来た。
ループによっては、佐倉杏子の保護下にいる千歳ゆま。
彼女は、母親から虐待を受けている。
女として男に飽きられ、
弱い者にあたりちらしているのだ。
幾らでもある話なのだろうが、
この歳になると捨て置けなくなってくる。
昔は関係ないと割り切れたのに、
涙もろくなったのか、はたまた……
自分の実年齢を考え、ため息をつきながら
千歳ゆまの住む場所へ。
どう解決したものか。
虐待の処理は正攻法では難しい。
明確な証拠がないと警察も児童相談所も動いてくれない。
ここで効果的な解決法は……
金と暴力だろう。
――ピンポーン
ほむら「千歳さん、いらっしゃいませんか?」
???「……はい?」
ほむら「ゆまちゃんのお母様、眞子さんですね?」
眞子「そうだけど……あんた、なんなん? ゆまの友達?」
ほむら「そんなところです」
眞子「それなら、悪いけど……、ゆまはアンタに構ってる暇なんてないよ。
帰ってもらえない?」
ほむら「いえ。私が最初に用があるのは、貴方です」
眞子「わたし……?」
ほむら「ぶっちー、つれて来なさい」
ブッチー「へい、姐さん。おら、来い!」
???「ひぃっ!」
私の下僕、ブッチーが
家の前に止めてあった車からおりて来る。
スーツ姿の男を連行し、玄関内に侵入。
千歳ゆまの母親の前に投げ出した。
芋虫の様に倒れこむ、千歳ゆまの父親。
眞子「……あ、貴方?」
ほむら「旦那さんですよね?」
眞子「あ、あんた! うちの人に何を……!」
ほむら「旦那さんの心配ですか。お優しい事ですね」
眞子「うるさいっ!」
ほむら「他の女のところにしけこんでた、素晴らしい旦那さんですもんね?」
眞子「……え?」
ほむら「そうですよね? 旦那さん?」
ゆまパパ「……っ!」
ブッチー「おら! 姐さんの質問に答えろっ!」
ゆまパパ「は、はいいいっ! すいません! その通りです!」
眞子「……」
眞子「……この、糞がぁああああああっ!!!」
千歳眞子は娘を虐待した糞以下の存在の癖に、
一丁前に浮気男への怒りをぶちまけた。
勝手に夫婦喧嘩でもしていればいい。
……いや、通行の邪魔だ。
私の目の前で、倒れた旦那を何度も踏みつける
千歳眞子の背中を蹴飛ばした。
壁に叩きつけられ少しのけぞり、
倒れて動かなくなる。
どうでもいい。
千歳ゆまの元に向おう。
ほむら「……」
千歳ゆまは台所の床の上で、
頭から血を流し、気絶していた。
通りで、会わせるのを拒否していたはずだ。
背骨を蹴り砕いてやれば良かった。
……私は魔法を使い、怪我を治す。
その際、髪に隠れた部分に、
タバコで根性焼きをした跡が見えた。
これも出来たら消してやりたいが、
千歳眞子がゆまへの親権を主張した時のため、
まだ消す事は出来ない……
千歳ゆまを抱きかかえ、
私はこの場を後にした。
――経済や法律関係にわりと強い虚(うろ)に、
処理は任せた。
千歳ゆまの父親の浮気の証拠は
過去のループで幾らでも握ってある。
千歳眞子の虐待の証拠も幾らでもある。
千歳眞子夫妻は協議離婚の形へ。
千歳眞子は、元夫から慰謝料を受け取る代わりに
ゆまへの親権を放棄した。
裁判の上で、常習性のある虐待は大きい。
それに元々、娘に大して興味がなく、
小間使い兼、ストレス発散の道具だったのだろう。
千歳眞子はすんなりと諦めた。
親権を持つ千歳ゆまの父親であるが、
浮気の相手方も既婚者であるため、
ばらすぞと脅しをかければ、言いなりだ。
……それに、脅しに抗う意思など彼には微塵も無い。
千歳ゆまの事はどうでもいいのだろう。
千歳ゆまは、私の手元に置いておける。
あとは、本人次第だ。
――
ゆま「……あれ、お姉ちゃん……だれ? ここは?」
ほむら「私の名は暁美ほむら。はじめまして、ゆまちゃん」
ゆま「ゆまの事、知ってるの?」
ほむら「ええ」
ゆま「……ベッドで寝てるの。ここは……病院?」
ほむら「私の事務所よ。寝室を作らせたの」
ゆま「じむしょ……?」
ほむら「ええ」
ゆま「……よく、分からないよ。それより、早く帰らないとママに怒られちゃう」
ほむら「……」
ほむら「もう、いいの」
ゆま「えっ?」
ほむら「今日から、ゆまちゃんはここに住むの」
ゆま「……えっと、どういう……こと?」
ほむら「私とそこにいる、玄っていうおじさん。あなたの親戚なんだけど」
玄「えっ? 俺?」
ほむら「おじさん?」
玄「は、はい」
ほむら「お父さんとお母さん、急に遠くに行かなきゃいけなくなったの」
ほむら「その間、貴方の面倒は私達がみるから……」
ゆま「……ゆま、捨てられちゃったの?」
ほむら「……」
ほむら「……そうね、あいつら、貴方を捨てたわ」
ゆま「……やっぱり」
ほむら「だから、お姉ちゃんがゆまちゃんを拾ったの」
ほむら「ゆまちゃんは、もう私の物。いいかしら?」
ゆま「おねえちゃんのもの??? ゆまが?」
ほむら「ええ、そうよ。ゆまちゃんはとっても役に立ついい子だからね」
ほむら「何も心配せず、ここにいればいい」
ゆま「……うん」
幼女への接し方が分からない。
魔女との戦いの方が気楽だ。
何を言っても傷つけている気がする。
ただ、千歳ゆまは必要とされたがる欲求が、人一倍強い。
その辺りをフォローしたつもりだが、上手く行かない。
笑顔を少しも見せることはなかった。
親に捨てられた当日、当然といえば当然かもしれないが。
下僕達に、千歳ゆまに悪い事をしたら
仕置きをすると釘を刺し、
私は病院に帰った。
……しかし、あの下僕達は私が暴言を吐くと、
何故 恍惚の表情を浮かべるのだろうか。
――翌日、ケーキを持って事務所に入る。
中の様子を見て、思わず足を止めてしまった。
ほむら「あら……? すいません、間違えました」
玄「あ、姐さん! 間違えてないですよ!」
ほむら「事務所が異常に綺麗になってるんだけど……」
虚「ゆまちゃんが……」
ほむら「ゆまちゃんが?」
ブッチー「姐さんのご親戚に、そんな事させられないつったんですけど……」
ほむら「そう……」
ゆま「あ! おねえちゃん!」
ほむら「ゆまちゃん?」
ゆま「ゆま、お掃除したよ! 綺麗になったでしょ? 偉い? ゆま役に立った???」
ほむら「ええ。凄く偉いわ」
ゆま「じゃあ、ここにいていいっ!?」
ほむら「最初から、そう言ってるのに」
ほむら「……ケーキ、買ってきたわ。
ゆまちゃんがここに来てくれたお祝いよ」
ゆま「け、ケーキ!」
ほむら「ブッチー、包丁は? みなの分、切り分けるから」
ブッチー「えー……、姐さん。ドスならあるんですが」
ほむら「……しょうがないわねぇ、それでいいわ」
ケーキを頬張る千歳ゆまは、ようやく弛緩した顔になってくれた。
それから、私の視線に気がつき、こちらを向く。
しばらく見つめあった後、
「ケーキ、甘いね、おいしいね!」
そう、笑いかけてくれた。
476 : 1[sage] - 2013/03/31 21:18:59.32 GEORSxc9o 58/397
とりあえず、終わり。
ドスに色々ついていないといいけど。
これからの展開ですが、
やくざとの絡み→ゆまとほむほむと繋がって、
今後、おりこ組や、仁美、詢子あたりをもっと絡ませて展開していくと思う。
本編の時もそうだけど、SS書いてるときはHEATSとか
昔の熱いアニソン聞きながら書いてる所為か
当初の予定より盛りすぎちゃう……
風呂敷の広げすぎに注意しないと。
ではでは。
「ゆまとほむほむ その2」
退院後、見滝原中学校に初登校。
放課後、まどか達から歓迎会を開いてもらい、
さらにその後、マミと魔女退治。
まどか達に目撃されてしまい、
魔法少女の説明を兼ねたお茶会。
……なんだか振り回された、疲れる日だった。
とっとと自分の部屋のベッドに潜り込みたい気分だったが、
幼い女の子を、ヤクザの所に預けているのだから
細かく様子を見ておかないと不安だ。
射太興業に向う事にする
――
ゆま「あ、おねえちゃん! 今日は、遅かったね」
ほむら「ごめんね。今日から学校があったものだから、色々とね」
ほむら「……んで、貴方達はなんでそんな凹んでるのかしら?」
玄「タバコ吸ってたら体に悪いと、ゆまちゃんに怒られました。
俺のタバコ返して……」
虚「昼飯をカップラーメン食べようとしたら、そればっかだねと呆れられました。
美味いんだよ、カップラーメン。体がジャンクを欲してるんだよ、いいじゃねぇか……」
ブッチー「ゆまちゃんが昼飯作るって言い出して、
包丁ないからドスで料理し始めて冷や冷やしてました……」
ほむら「……明日、調理器具一式持ってくるわね」
ブッチー「助かります……」
ほむら「ふ……。それにしても、極道もんも、幼女には敵わないのね」
ゆま「おねぇちゃん! だって、おじちゃん達、びょーきしちゃうんだよ!?」
ほむら「そうね、ふふ」
玄「くっそー、怒るに怒れねぇ」
ほむら「いい機会ね。タバコとジャンクフード断ちするのね」
玄・虚「げっ」
ほむら「体の小さい内は、余計タバコの害が出易いのよ?」
ほむら「食べ物だって、ゆまちゃんにまともなもの食べさせないと……」
玄「……は、はぁ……」
虚「まじかよ……」
ブッチー「ところで、姐さん。なんで制服着てないんですか?」
ほむら「こんな時間に学生服来て歩いてたら補導されるでしょう」
玄「なんか姐さんが補導ごときを恐れるのは意外だな」
ほむら「無駄な手間は省きたいのよ」
ブッチー「みたかったなぁー……。姐さんの学生服姿……」
ほむら「黙りなさい、このロリコン」
ブッチー「……」
玄「貶されてニマニマするんじゃねぇ、ブッチー」
ほむら「それより、虚。例の株は買っといてくれた?」
虚「はい。……激熱ですね。めっちゃ上がりましたよ、株価」
ほむら「よし。FXの事はちゃんと勉強した?」
虚「……まぁ、なんとなく、基本的には分かったと思います」
ほむら「それについても、何をいつ買えばいいか、後でメールで送るから」
虚「はい。やってみます」
玄「喧嘩も強けりゃ、度胸も据わり、金儲けの才も異常と来ましたか。
姐さん、本当に何者なんですか?」
ほむら「……ふっ、魔法少女って事にしましょうか」
ゆま「まほーしょーじょ!?」
玄「ぶわっはっは! 姐さんでも冗談言うんですね」
虚「対極にいると思いますがね」
ブッチー「ありだな……」
ゆま「おねーちゃん、まほーしょーじょなの!?」
虚玄ブッチー(((あ、信じちまった)))
ほむら「そうよ? 現代兵器とお金で悪を叩きのめす魔法少女なの」
虚「それ、魔法少女側も悪なんじゃないっすか?」
玄「そんなアニメ、昔あったなぁ。正義の味方だと思ったら、主人公側も悪だった……。
ロボットアニメだったか」
ほむら「人を悪人呼ばわりしないで頂戴」
ほむら「さて、ゆまちゃんの様子も見たことだし、そろそろ帰るわね」
ゆま「えっ、もう帰っちゃうの?」
ほむら「これから毎日学校だし、まだ夕ご飯も食べてないの。
ごめんね」
ゆま「夕ご飯なら、ゆま作ってあるよ!」
ほむら「私の分を?」
ゆま「うん、美味しく出来たか分からないけど……」
ほむら「そ、そう……。ありがと。頂くわ」
ゆま「ほんと!?」
ほむら「ええ」
ゆま「じゃ、あたためてくるね! ぶっちー!」
ブッチー「へいへい」
千歳ゆまがブッチーを引き連れてコンロがある部屋に向う。
それを見送りながら、残った二人に疑問をぶつけた。
ほむら「包丁は無いのに、コンロはあるのね」
虚「そりゃ、俺のカップラーメンの為に」
ほむら「ああ、成程……」
玄「あと、うちが扱ってるものに、炙ったりする必要がある物があるんで」
ほむら「……麻薬か何か?」
玄「一応、合法ですよ」
ほむら「脱法でしょう。正義の魔法少女としては許せないわね。
もう止めなさい」
虚「いい金になるんですがね」
玄「そうそう。馬鹿から金を取るのが世の中ってもんで……」
ほむら「……二度言わせる気?」
玄・虚「……はい、分かりました」
空気が悪くなってしまったので、
千歳ゆまのいる部屋に私も向った。
「殺されるかと思った」という声が、扉越しに聞こえる。
一瞬そう思ったのは、事実だ。
所詮、ヤクザはヤクザ、か。
それでもいい。
今みたいに、恐怖で縛ることが出来れば
ヤクザでも使い道はある。
千歳ゆまが「もうあったまったかなー」とブッチーに頻りに聞き、
ブッチーは「まだじゃないですかねー」と何度も返していた。
ほむら「……フライパン、あったのね」
ゆま「あ、おねーちゃん!」
ブッチー「近所の金物屋から買ってきたんですよ。
ゆまちゃんが どうしてもって言うから」
ほむら「……なるほど、ね。変なものはついてないわけね」
ブッチー「……? あー、ないっす。大丈夫ッす」
ゆま「へんなもの???」
ほむら「何でもないわ。美味しそうね、ゆまちゃん」
ゆま「ほんと!?」
ほむら「ええ」
野菜炒めらしい。
具材の形が歪に見えるが、
匂いはいい。
ドスで切った事を割り引いて考えれば、
千歳ゆまは歳の割りに料理の腕は良さそうだ。
……実の親に扱き使われていた所為かもしれないが。
千歳ゆまは、紙皿に野菜炒めを盛り付けてくれた。
ご飯も、電子レンジで温めてくれる。
ご飯はレトルト、サ●ウのごはん。
炊飯器もないし、仕方がない。
ほむら「うん、本当においしいわ」
ゆま「やったぁ!」
ほむら「ふふふ……」
ブッチー「良かったな、ゆまちゃん。
じゃ、姐さん。俺はあっちの部屋にいますね」
ほむら「ええ……」
ブッチー退出後、千歳ゆまと二人の時間が過ぎる。
実は、まだ少し苦手意識がある。
私はクールな人格という仮面を被った状態での
上から目線でのコミュニケーションでないと、
未だどう人と接すればいいのか、分からなくなるのだ。
多分、その壁を千歳ゆまも感じ取っているのだろう。
だから、必至に私の役に立とうとしてくる。
別に、そんな事をして欲しくて
やってる訳ではないのだが……。
私が最後までちゃんと食べるか確認するかのように、
じっと見つめる千歳ゆま。
食べ終わって、その頭を撫でてやる。
千歳ゆまはにっこり笑いかけてくれる。
私も、ぎこちなく笑い返した。
そして、千歳ゆまの前髪を掻きあげる。
見えるのは、頭皮の一部が焦げた跡。
ゆま「……おねぇちゃん。あんまり、見ないでほしい……」
ほむら「……」
ゆま「……おねぇちゃん?」
ほむら「私、魔法少女なのよ」
ゆま「うん」
ほむら「だから、大丈夫よ」
ほむら「こんなもの、消し去ってみせる」
ゆま「えっ……」
全力で治癒魔法を使い、
なんとか千歳ゆまの火傷跡を修復した。
得意な術ではないのだけれど、
見て分からない程度には治ったと思う。
不思議そうに私を見ているので、
私の手鏡で、千歳ゆまに自分の額を見せてやった。
しばらく、言葉のない千歳ゆま。
ほむら「綺麗に、消えたでしょ?」
ゆま「うん」
ほむら「もう、怖いおかあさんは居ないからね」
ほむら「何にも、怯える必要はないのよ?
新しい傷が増える事も、もうない」
ゆま「……ママ、いない? 苛めてくるママも、いない?」
ほむら「ええ、いないわ」
ゆま「……いないの」
ほむら「ど、どうした……の?」
千歳ゆまは、突然涙を流し始める。
何故……、あんな母親失格の女、居ない方がいいだろう。
それでも、母親だったという事なのだろうか
ゆま「ゆまね、怖いことしてくるママがね、
本当は、ママじゃなくて。
どこかに、本当のやさしいママが、いるんだって」
ゆま「ゆまがいい子にしてたら、いつか迎えに来てくれるって」
ゆま「そう考えるようになってて」
ゆま「でも、あの怖いママが、ほんとうの、ゆまのママで」
ゆま「やさしいママなんて、やっぱりいなくて」
ゆま「ゆまのママも、もういなくて……」
ゆま「ゆまは、すてられて……」
……千歳ゆまは、もしかして
私に、母親を見ていたのだろうか?
怖いママから、自分を助けに来てくれた優しいママが私?
なんということか、私は……その対極にいる。
私が優しいママである事を否定し、
人間失格女が本当のママである事も否定し……
千歳ゆまに孤立しているよう、思わせてしまったのだろう。
私に母親代わりなどつとまるはずもない。
掛ける言葉も思い浮かばないまま、
千歳ゆまを抱きしめ、泣き止むのを待った。
千歳ゆまは長い間 静かに泣き続け、
そのまま夢の世界へと堕ちていった。
509 : 1[sage] - 2013/04/05 22:29:45.49 vCt/3PeAo 77/397
終わり
まだ本編中盤ほど思い切れていないほむほむでした。
では、また。
「ゆまとほむほむ その3」
千歳ゆまとそのまま寝てしまった私は、
登校までの時間に急いで家へと帰り、準備を整えた。
そして何食わぬ顔で日常生活をこなし、
お菓子の魔女まで撃破。
その際、見栄で暴走してしまった巴マミだが、
逆に自信を喪失させる結果となってしまった。
巴マミを元気付けるのに苦労し……、
漸く、射太興業へと向った。
射太興業の扉を開けると、
一番最初に目に入ったのは千歳ゆまだった。
ゆま「おねぇちゃん!」
ほむら「わっ、ゆ、ゆまちゃん。吃驚した。こんばんわ」
ほむら「ドアの前で、待ち構えてたの?」
ゆま「べ、べつに待ちかまえてないよ?
ただ、その、階段上がってくる音がして、
おねーちゃん来てくれたなって思って……」
ほむら「そう……」
ブッチー「6時過ぎから、ずっとゆまちゃんソワソワしてたもんな」
ゆま「し、してないもん!」
ほむら「ふふ……」
ほむら「ゆまちゃん。今日は調理器具持ってきたからね。
もう、ドスなんて危ないもので料理しちゃ駄目だよ?」
ゆま「わーい! あ、じゃあ、ゆまね! ごはん作る!」
ほむら「あら、ごめんなさい。今日は、実はカボチャのクリームシチューを持ってきたの」
ほむら「私はもう食べちゃったし……。ゆまちゃん。ご飯まだなら、食べてほしいな」
ゆま「シチュー? おねぇちゃんがつくったの?」
ほむら「そうよ。まぁまぁの出来よ」
ゆま「うん! ゆま、たべる!」
ほむら「よし……。あ、貴方達も食べる?」
玄・虚「いいんすか?」
ほむら「ええ。沢山あるわ」
ブッチー「姐さんの……女子中学生の……手料理……」
ほむら「うわぁ……」
食後、満足そうな千歳ゆまと、二人の時間を過ごした。
……といっても、この子と共通の話題などない。
昼間の間、何があったか千歳ゆまが一生懸命私に話してくれ、
それに対し適当に相槌をうつ。
話し終えると、沈黙の時間。
沈黙に耐えかね、私はタブレットPCを出す。
そう、翌日以降の事を考えなければならない。
千歳ゆまには悪いが、タブレットPC片手に明日の計画を立て始める。
……そんな私を、千歳ゆまは咎めようとせず、
静かに私に寄り添っていた。
私の長い髪がお気に入りのようだ。
飽きもせず、長い時間かけて私の髪の毛を梳いている。
ほむら「……ゆまちゃん?」
ゆま「なぁに? おねぇちゃん」
ほむら「いや……、ゆまちゃんが暇かなって」
ゆま「そんなことないよ。おねーちゃん、くっついてても嫌がらない。
お仕事中なのに」
ほむら「……」
ゆま「おねぇちゃんは、どんな時でも、あっちいけって言わない。
だから、ゆまは、ここに居ていいんだって、思えるもん」
ゆま「ゆまは、こうしてるだけで幸せ」
ほむら「ゆまちゃん……」
タブレットPCに逃げていた私は、
千歳ゆまの笑顔に負け、出来るだけ向き合おうと決めた。
今までとは逆に、私がこの子の髪の毛を梳き、頭を撫でる。
ゆま「えへへへ……」
ほむら「ゆまちゃんは、くっ付いているのが好きね」
ゆま「あったかいもん」
ゆま「おねぇちゃんは、いや? いやなら……」
ほむら「いやじゃないわ」
ゆま「……おねぇちゃん!」
私にぎゅーっと抱きついてくる千歳ゆま。
私は軽く抱き返すだけに留めた。
ほむら「……素直に、甘えてくれるようになって嬉しいわ」
ゆま「おねぇちゃんが嬉しいの?」
ほむら「ええ。私はなんというか、無愛想だし、近寄りがたい人間になってしまった」
ほむら「歳をとって、ようやく、幾らか仮面を被って、取り繕えるようにはなったけど」
ほむら「……でも、正直言うと」
ほむら「本当の意味で貴女を救えるのは、私じゃないと思ってる」
ほむら「私には、しなくちゃいけない事があるし」
ほむら「私という、人間は……」
ほむら「貴女の傍にずっといるには、相応しい人間じゃない、と思う」
また私は、千歳ゆまに悲しそうな顔をさせてしまった。
ずっと張り付いている無表情面しか浮かべられない癖に、
内心は焦りまくっている私。
ほむら「いえ……、貴女の傍にいるのが、嫌な訳じゃないの」
ほむら「ただ、私は、貴女の幸せを考えると、
もっと貴女に相応しい人が、そばにいるといい」
ほむら「心の底から、貴女を愛してくれて、心配してくれて、幸せを祈ってくれる。
貴女を育ててくれる、素晴らしい人。
そんな人を、私は貴女の為に、探すつもり」
ほむら「貴女を、一人にはしたくない……」
ほむら「心配しないで、待っててほしい」
ゆま「おねぇちゃん……」
ゆま「ゆまには、よく分からないけど」
ゆま「ゆまの事、愛して、心配してくれて、幸せを祈ってくれる、素晴らしい人」
ゆま「ゆまにとっては、おねぇちゃんしかいません」
ほむら「……いや、私なんかじゃ……」
ゆま「おねぇちゃん、やめて……」
ほむら「えっ?」
ゆま「ゆまのこと、嫌いだから、そんな事いうんだったら、いいんだけど……。
ゆまは、おねぇちゃんの事大好きだから、おねぇちゃんの事、悪く言わないでほしい」
ほむら「……ご、ごめん」
ほむら「……ねぇ、ゆまちゃん」
ゆま「なぁに? おねぇちゃん」
ほむら「ゆまちゃんは、その……私の事、どうしてそんなに……」
ゆま「おねぇちゃんは、ゆまの悪いゆめを終わらせてくれた」
ゆま「それに、くっついてると、おひさまみたいに、あったかい」
ゆま「怒らせると、ちょっぴり怖いけど……」
ゆま「どこか大人っぽいおねぇちゃんは、まるで……」
ゆま「……」
ほむら「……ゆまちゃん……」
千歳ゆまは、何かを言いかけて……
下を向いて黙ってしまった。
まるで、の後に続く言葉。
私の自惚れ出なければ、きっと……
ほむら「ねぇ、ゆまちゃん……」
ゆま「なぁに?」
ほむら「私は今、貴方のママにはなれない」
ゆま「……うん」
ゆま「うん、わかってるよ。おねぇちゃんは、おねぇちゃんだし……」
ほむら「いいえ、違うの。ゆまちゃん」
ゆま「ちがう?」
ほむら「私、私でよければ……、貴女のママになりたいと思ってる」
ほむら「だけれど、私には、しなきゃならない事があるの」
ほむら「それが出来るまで、貴方の母親になれる資格なんてない」
ほむら「私はそのしなきゃいけない事から、目を逸らしちゃいけない」
ほむら「そうなったら、私は、私でなくなってしまう」
ゆま「……」
ほむら「やらなきゃいけない事の為に、これから、
あまり貴女の所にこれない日が続く事もあると思う」
ほむら「……でも、乗り越える事が出来たら、迎えにくるから。きっと……」
ほむら「待ってて頂戴、ゆま」
ゆま「……うん!」
……無限に続くかのようなループに囚われ、
子供なんて持てるわけが無いと思っていた私。
ループがなくても、魔女との戦いを強制される魔法少女だ。
そんな私なんかを、ゆまは本気で母親の様に想ってくれる。
いや、私なんかと言ってはならない。
ゆまが認めてくれた私だ。
……自信を持て。
まどか達と、時間がずれすぎ、
所詮、深い絆を結ぶのは難しいだろうと、どこかで思っていた。
歳をとった今だからこそ、
新しい信頼関係を結ぶ事が出来るようになるかもしれない。
それを気がつかせてくれたゆまの為にも、
私は今度こそ、ループを切り抜けなければ……
531 : 1[saga] - 2013/04/13 20:32:04.53 s26lL8fUo 93/397
今日はここまで。
この話だと本編最後に若干違和感があるかもしれません。
魔女落ちしかけるまえの台詞も、
見送る場面も変わったものになるだろうなぁ
すいません。
また。
「ほむほむと仁美」
上条恭介の事で錯乱しかけていた さやかを元気付け、
仁美を魔女の手から救い……
マミを子供として迎え入れた。
更に、佐倉杏子を金で雇う。
濃い4日間だった。
電話連絡程度しか、ゆまと連絡を取れていない。
久々に、顔を見せておこう。
酷く、寂しがっているようだったから……。
私は、射太興業へと向った。
???「ほむら……さん?」
佐倉杏子を雇ったお陰で、今日から魔女狩りから開放された。
ワルプルギスの夜対策に全力を注ぐ為、
魔法少女の未来を幸せなものにする為、
今日から学校はさぼる。
夜はマミの家に泊まる事になったので、
ゆまを相手に出来るのは昼間の……
それも、やるべき事の合間だけだ。
ゆまも学校に通わせたいし……
会える時間は、かなり短くなってしまう。
ほむら「寂しい思いをさせるわね……、ゆま」
ゆま「そんなことないよ! こうやって会いに来てくれるもん」
ゆま「無理しないでね、おねぇちゃん」
ゆま「ゆまのこと、忘れないでくれたら……。ゆまは、それで幸せだから」
……いじらしい。
それにしても。なんだか、私。
現地妻をあちこちに作ってる浮気者みたいじゃない?
いや、そんなわけない。
小学生の少女相手に、何を馬鹿な事を考えているのか。
グエッ
部屋の外から、急にカエルが潰れた様な音がした。
おそらく、ブッチーだろうか。
緩んでいた私の体は、一瞬で戦闘態勢に切り替わる。
以前、打ちのめしたやつ等のお礼参りか?
魔女や使い魔の気配は感じない。
ゆま「お、おねぇちゃん?」
ほむら「ゆま、そこの机の下に隠れてなさい」
ゆま「……う、うん」
ほむら「いい子ね、大丈夫。すぐ終わるわ」
一瞬の時間も要らないから……
魔法少女の姿に化けてから
扉を開け、時間を止める。
そこに広がっていた光景は、私の想定の範囲内を激しく逸脱していた。
既に倒れたブッチー。
投げられた金属バットが顔に当たる直前の虚。
襲撃者に殴りがかった様子の玄は、
逆に袖を捕まれ、攻撃を封じられている。
そして、玄の背後に体を回転させながら入り込み、
肘打ちを後頭部に喰らわせようとしている……
襲撃者――志筑仁美がいた。
私は虚の顔の前のバットを叩き落し、
志筑仁美の肘と玄の間にクッションを挟む。
そして、4人の死角へと移動し、
時間の流れを戻して魔法少女の変化を解いた。
仁美「!?」
虚「ぎゃあああっ……って、あれっ!?」
玄「……っ」
ほむら「……これは何事なの? 仁美……」
仁美「ほむらさん……」
ブッチー「ああ……女子中学生に殴られたぁ……ああん」
私の姿を見た志筑仁美は、どうやら安心したらしい。
殴りこみも、壮絶な勘違いだったようだ。
仁美「良かったですわ、ほむらさん。無事なようで……」
仁美「てっきり、ほむらさんが ヤクザものの慰み者にされてるのかと」
ほむら「私はこの子達に手篭めにされるほど、弱くはないわ」
仁美「そうですわよね! ほむらさんですもの……」
ほむら「それより、ヤクザに殴りこみなんて危ないまねはやめて頂戴。
貴方が捕まったら、それこそ慰み者よ?」
仁美「で、でも……」
仁美「ほ、ほむらさんこそ、こんな方々と何をしてるんですか! 危ないです!」
ほむら「私はちょっとした理由があるの。この子達は、私の舎弟よ」
仁美「舎弟……?」
玄「姐さんの知り合いか……納得」
虚「バットが……死ぬかと思った。女子中学生こえぇ」
ブッチー「ああ……、俺、何かに目覚めそう」
仁美「……何か役に立つんですの?」
ほむら「立たせるのよ」
仁美「……ほむらさん!? ほむらさんに男は要らないと思うのですの!」
ほむら「……へ?」
仁美「いやですのっ! ほむらさん、そんなのいけませんわーー!!!!」
ほむら「……よく分からないけど、落ち着きなさい」
ほむら「私なら問題ないから、仁美。今日のところは帰って……」
仁美「私、ほむらさんが説明して下さるまで帰りませんから!」
ほむら「……聞き分けの悪い子は嫌いよ?」
仁美「……ひぐっ、きっ、嫌われても、いやですもの。のけ者も、何も出来ないのも……」
ほむら「な、泣かないでよ……」
仁美「泣いてませんしっ! ぐすっ!」
ほむら「……はぁ。わかった、わかったわ」
ほむら「私、ちょっと出かけてくるから」
ゆまと、舎弟たちに外出する旨を伝え、仁美を連れて外に向う。
ゆまにまた寂しそうな顔をさせてしまった。
まったく……、人騒がせなお嬢様め。
工場団地にある通学路をなんとなく、二人で歩いている。
何を話したものか……
どうやって、ヤクザ達との関係を怪しまれず説明するか……
既に詰んでいる気がしてならない。
悩んでいると、勝手に志筑仁美が話し始めた。
仁美「ほむらさん……、貴女は何者なんですの?」
ほむら「……それは、どういう意味かしら?」
仁美「先程のバットも、肘打ちも、確実に成功させた自信がありますの。
それが、ありえない場所にバットは叩き落され、
突然あらわれたクッションで肘打ちの威力も激減……」
仁美「あの方々に、それを行えるような力があるとは思えません」
仁美「唯一あるとしたら、ほむらさん。貴女だけ」
仁美「防御なんて実行不可能な位置に居た、貴女だけですわ」
ほむら「……さて、何の事か……分からないわね」
仁美「……それだけじゃないですわ。
ほむらさん、昨日 金髪の女性……おそらく、見滝原中学の女生徒と
それから、赤毛の活発そうな女性とご一緒でしたわよね?」
ほむら「……」
仁美「学校を休んでいらしたのに、習い事の帰り、偶然見かけましたの。
声を掛けさせてもらおうかと思い、近寄ろうとした時……」
仁美「3人とも宝石のようなものを取り出し、服装が急に変わって、
何も無い場所で突然消えました」
仁美「あれは、なんですの?」
ほむら「それで、今日もつけていたってわけ?
……ただの、人違いの可能性が高いんじゃないかしら?」
仁美「私がほむらさんを見間違えるはずがありません」
ほむら「……」
ほむら(なんで、そんなに自信満々なのかしら……)
仁美「教えてくださいませんのね?」
ほむら「……巻き込みたくない。分かってくれない?」
仁美「……私は、貴女の……最低な友達です。
我がまま言って、甘えてばかりの……」
仁美「それでも、お友達であるっていう意地がありますの」
仁美「何か危ない事に関わっているのでしたら、止めて欲しいですし」
仁美「それがどうしても無理なら、力になりたい……」
仁美「そんな、私の心も、否定なさるの? ほむらさん……」
ほむら「……はぁ、しょうがないわねぇ」
ほむら「いいわ。じゃあ、荒唐無稽な真実を話してあげる。
それを信じるも信じないも貴女の自由」
ほむら「……それでどう?」
仁美「……是非、お聞かせください」
このお嬢様にはお手上げだ。
……私は全ての時間軸を通して初めて、
志筑仁美に魔法少女の事、魔女やインキュベーターの事を
洗いざらいぶちまけた。
まどかや時間遡行の事は秘密だが、
真実しか話していない。
信じられる話では、ないだろうが……。
仁美「魔法少女……」
ほむら「……ふふ、笑いなさい。いい歳して魔法少女もないわよね」
仁美「いいえ、信じますわ」
ほむら「簡単に言うのね?」
仁美「いいえ、簡単ではありません。でも、ほむらさんが言う事ですから」
仁美「数々の疑問も、それで説明がつきますし」
ほむら「……」
仁美「ほむらさんは、その魔法少女の過酷な未来を変えたいと思ってるのですね?」
ほむら「そうね」
仁美「その為には、経済力も、人脈も、権力も必要ですのね」
ほむら「……私ではどれも、限界があるのだけれどね」
ほむら「無いもの強請りしても仕方ないから、自分の持ってるもので何とかやりくりするしか……」
仁美「その、どれもが……家にはありますわ」
ほむら「……仁美?」
仁美「私の家は志筑家ですの。この辺りでは、そこそこの名家ですわ」
仁美「ほむらさんは、「志筑に興味はない。仁美に興味がある」と言ってくださった」
仁美「その時、私は貴女が認めてくださった「仁美」に誇りを持てましたの。
でも、その「仁美」は、志筑仁美の上でこそ成り立ってるのです」
仁美「それに気がついて、ようやく、私は「志筑仁美」を受け入れられました」
仁美「そして、今、貴女の話を聞いて、私のすべき事が分かりました」
仁美「怖かったお父様も、女としての未来を強いるお母様も、
ほむらさんの敵を思えば、大したことではありませんわ」
仁美「私は、志筑家の全てを手に入れます。
そして、志筑仁美としての力で、大事なお友達の未来を守ってみせますわ!」
今までにない強い瞳で、私を見返す仁美。
……そんな仁美を見ている内に、
マミや、さやかから感じたような暖かな力の流れを感じた。
私に、また新しい力を与えてくれる。
そう、これは……
ほむら「専用のパッシブスキル……て、帝王学……?」
仁美「え?」
ほむら「い、いえ……。何でもないわ」
私が一番苦手だった、
生きた人間を相手にする心得を私は得る事ができた。
562 : 1[saga] - 2013/04/20 21:15:11.95 UTOPiV4Fo 112/397
終わり。
このスレ本編のほむほむは行き成り精神的に超人過ぎたから
本当はゆまとか仁美、皆との係わり合いでステップアップさせたかった。
結局削ったんですが、こんな感じの話があったと妄想してました。
つぎあたり、おりこ達と絡める……かなぁ
「ほむほむと詢子さん」
仁美「ほむらさん、はい、あーーーん」
ほむら「……」
射太興業で、ゆまの入れてくれたコーヒーを片手に、
パソコンの前で魔法少女ネットの開設をしようと頭を悩ませている。
そんな私の隣には、チョコレートを私の口元に運んでくれる仁美がいる。
ほむら「……あの、仁美。なんであーんなの?」
仁美「頭を使うなら、まず糖分をとった方がいいと思いますわ?」
ほむら「自分のペースで食べるからいいのよ?」
仁美「そんな、遠慮なさらず……」
ゆま「ゆまもおねーちゃんに、あーんする!」
仁美「あらあら」
ほむら「……」
ほむら(私が言うのも何だけど、仁美は学校いってなくていいのかしら……)
ほむら(今、平日の昼間よ?)
玄「姐さんは美少女をはべらす趣味をお持ちだったんだなぁ」
ブッチー「これはこれでありだ……」
虚「ブッチー、お前は何処に行こうとしているんだ」
ほむら「貴方達、うるさいわよ。言われた事に集中してなさい」
玄・虚・ブッチー「へーい」
仁美「あの方々は何をしているんですの?
見るからに事務仕事が苦手そうな方々ですが……」
ほむら「今のままじゃ、ヤクザですって言ってるようなものだから、
いっその事、大々的に変えようかと思ってね」
仁美「大々的?」
ほむら「警備会社を設立させようかと思ってるの」
仁美「……強面のこの方々なら、打って付けかもしれませんが……、
3人しかいませんわよ?」
ほむら「大丈夫よ、以前ここにカチコミに来た子達がいるのだけど、
個人情報はその時に抑えておいたから。
後日、暴力で屈服させてきたわ」
ほむら「吸収する予定よ」
仁美「大丈夫でしたの?」
ほむら「元々、カチコミに来た時の事がトラウマだったようだから楽な仕事だったわ」
仁美「流石ですわね」
ゆま「ゆまもおねーちゃんみたいになりたいなぁ」
仁美「いいですわね。素晴らしいと思いますわ」
ほむら「……いえ、私は ゆまちゃんはゆまちゃんのままがいいと思うわ」
ゆま「おねーちゃんがそういうなら……」
ゆま「そうだ、おねーちゃん。もう、2時になるけど」
ほむら「あ、もうそんな時間なのね」
仁美「ん? 何か用事ですの?」
ほむら「……人には言えない用事よ」
仁美「私とほむらさんの仲ですのに……」
ほむら「お友達、よね。知られたく無い事もあるわ。友達の間には」
仁美「……でも、なにか力が必要な時は、なんでも仰ってくださいな」
ほむら「ありがとう。……それじゃ、行ってくるわね」
ほむら「いい子にしてるのよ、みんな」
玄「いい子ってのは俺達も含まれてるんかなぁ……」
ブッチー「俺はむしろ含まれてて欲しいっす!」
虚「うわぁ……」
――今日は見滝原に本社のある、
とある一部上場企業にやってきた。
玄関から堂々と入り、受付嬢に円暁美が来たと告げる。
むろん偽名だ。
私の中学生くらいの外見に驚きながらも、
上から話が通っていたらしく、すんなり社長室に向う事ができた。
???「……何だい、ありゃあ……。まさか……?」
社長の所に行くと、単刀直入に、
彼の弱みを伝える。
社会的地位や家庭の崩壊に直結する内容であったため、
すんなりと彼は私の要求を呑んだ。
社長「……しかし、この地にテロリストがやって来て、
うちの本社が吹き飛ばされる……とは。
何故、分かるのですか。流石に、荒唐無稽で……」
ほむら「神託ですわ」
社長「私は、生憎と無宗教なものでして」
ほむら「私が誰の知るはずも無い貴方の秘密を知っているのも
神託によるものですのよ?」
社長「……そうでしたか」
ほむら「私は、風見野に古くからある神社の巫女ですの。
この地を襲う事になる大きな人災の存在を知り、防ぎたいのです」
ほむら「それに、会社の重要なデータを確実にバックアップし、
データや重要書類、機材などを直ちに運び出せる準備をしておく、
それだけのこと。易い事でしょう?
運び出すだけの時間はありますから」
社長「……」
ほむら「それを守るだけで、貴方の秘密が守られるのです」
社長「……期日は、何時までですかな?」
ほむら「二週間以内にお願いしますわ。一週間後にもう一度確認に来ますから」
ほむら「その時、もし進んでいなかったら……?」
社長「……わかりました」
ほむら「……あ、ちなみに、数ヶ月前の経理に関する不正のこと、私知っていますので。
知ってる事は、貴方の下らない性癖の事だけじゃありません。
社内のことも、大体 把握していると思ってください」
ほむら「適当なことをやっていますと、後悔しますからね」
社長「!?」
嘘で塗り固めたが、
本社が吹き飛ばされる、それは本当に起きる確率が高い。
ワルプルギスの夜のビル投げには、
この建物が使われる可能性が高い為だ。
今回は、私が爆破するかもしれないが……
それも、全て魔女の所為。
むしろ、すぐに企業としてリスタート出来る準備を進めさせてやるだけ、
感謝してほしいものだ。
ビル内の間取りを確認し、
爆破に効率の良さそうなポイントを記憶。
後日、爆薬を仕掛ける計画を考えながら、
帰路についた。
……その途中。
川に掛かった橋の上、
誰かに声が掛けられる。
やばい、この声……。
知らないフリをしなければ。
???「……ちょっと、ごめんよ。そこの貴方」
ほむら「はい?」
???「あっと……、急に声を掛けて悪いね。私は鹿目詢子というんだけど」
ほむら「鹿目……さん?」
詢子「そうだ。もしかしたら、あなた……」
ほむら「まどか……さんの、お母様ですか? もしかして」
詢子「! そうだ、そうだよ。じゃあ、やっぱり貴方が、暁美ほむらちゃんか」
ほむら「はい、そうです。まどかさんには、お世話になっております」
詢子「いやいや、世話になってるのは私の娘の方じゃないかい?
ちょっとおっちょこちょいだからねぇ」
ほむら「ふふふ。でも、それが可愛いんですよ」
詢子「お、そう思ってくれるかい。ありがとうよ」
ほむら「……ところで、お義母さま。もしかして、私に用があったのですか?」
詢子「いやぁ、ほむらちゃんが……、あ、えっと、ほむらちゃんでいいかい?」
ほむら「はい、お義母さま」
詢子「じゃあ、ほむらちゃん。貴方が、平日の真昼間から、私の会社に訪問してきてさ、
しかも、社長室に直行したと来たもんだ」
ほむら「ああ……」
しまった、お義母様がどこで働いているかを失念していた。
娘の友人が、突然現れて社長室に直行じゃ、
そりゃあ気になるだろう。
ほむら「私の父が、社長さんと知人なもので。
緊急の連絡を頼まれたんです」
詢子「へぇ……学校を休ませるほどの緊急な連絡かい?」
ほむら「……私、持病がありまして、たまに学校を休んで
病院で検査を受けなければならないものですから。
その帰りを利用して、ですよ」
ほむら「直接会って渡す必要があるものもありましたし」
詢子「そ、そうかい。そりゃ、変に勘繰って悪かったね」
ほむら「いえ……。白昼堂々、考え無しに会社に行った私の所為ですよ」
ほむら「お義母さまこそ、私を追いかけてきて、大丈夫だったのですか?」
詢子「外回り行ってくるつって出てきたから、大丈夫だよ。
実際、外回りしなきゃいけないからね」
ほむら「なるほど……」
詢子「……病院の検査も、仕事の用事も終わったなら、暇なのかい?
それとも、学校に今からでも向うのかい?」
ほむら「そうですね、今から向っても最後の講義が受けれるかどうかですし、
今日はもう帰ろうかと……」
詢子「なら、そこらの喫茶店に入ってコーヒーでも一杯どうだい? 奢るよ」
ほむら「いいんですか?」
詢子「ああ。こんなおばちゃん相手で、嫌でなけりゃ、だが」
ほむら「あら、そんな言われ方をされると、断れないですよ」
詢子「ふふ、大人は汚いのさ」
二人で落ち着いた雰囲気の喫茶店に向った。
コーヒー二つにケーキを注文。
待ってる時間に、お義母さまは口を開いた。
詢子「あの子の……、まどかの、学校の様子はどうだい?」
ほむら「いい子ですよ。学校でのお友達でも、私の一番のお気に入りです」
詢子「そうかい。あいつも男じゃなくて、女の子にもててやがるなー」
ほむら「……というと、お義母さまもどっちかというと?
詢子「あはっ、私は男っぽい性格だからね。まどかの奴とは違う」
詢子「どっちかというと、守ってあげたくなるタイプだろ? あの子は」
ほむら「そうでしょうか? あの子は今はちょっと自分に自信がないだけです。
それさえ克服できれば、結構 お義母さん似なんじゃないかと思いますよ?」
詢子「……そうかい?」
ほむら「ええ。困ってる人には直に手を差し伸べてくれる、優しさがある。
強引に引っ張っていく強い一面だって、あの子はありますよ」
詢子「ふーん。よく見てるんだな。
こっちに転校してきて、そんなに経ってないだろうに」
ほむら「……私の事、よく知ってるんですか?」
詢子「まどかがよく話してくれるよ。
前まではさやかちゃんと仁美ちゃんばかりだったけど、
今は貴方と巴さんが頻度が一番高いね」
詢子「貴方の事、髪が長くてすっごく綺麗で、格好いい子だってべた褒めさ」
ほむら「そ、そんな事ありませんけど……」
詢子「あるさ。それで、写真も見せてくれてね。そのお陰で今日は気が付けたって訳」
ほむら「なるほど……」
詢子「やっぱり、その四人と結構つるんでるのかな? うちのまどかは」
ほむら「ええ……」
詢子「……こういう事を言うのも、何なんだけどさ」
ほむら「はい」
詢子「あの子、最近 学校の帰りが妙に遅くなる日が多くて、
連絡も忘れがちになってるらしいんだよ」
詢子「もしかしたら、何か悪い事に巻き込まれていやしないかって、
ちょっと不安でね」
ほむら「……そうでしたか」
詢子「いや、でも。今日はほむらちゃんと話せて良かったよ。
貴方は話してる限り、しっかりした子だし、
他の子も巴さんって子以外、よく知ってる子だし」
詢子「ちょっと楽しすぎて、舞い上がってるだけ、かな」
ほむら「巴さんも、尊敬できる先輩ですよ。大丈夫です」
ほむら「それに、悪い事も危険な事も、私があの子に近づけさせません」
詢子「……」
ほむら「……」
詢子「そっか……。まどかの事、たのむわ。ほむらちゃん」
ほむら「ええ。お義母さま」
詢子「あはは、なんだか、そのお母様って、義母の方で呼んで無いかい?」
ほむら「あはは、それもよさそうですね」
詢子「ぞっこんだね、あの子に」
ほむら「はい」
詢子「……こりゃ、ガチかい?」
ほむら「大好きな友達です」
詢子「そりゃ、失礼」
詢子「……じゃ、頼まれてくれたから、一つ言っておくよ」
ほむら「なんですか?」
詢子「最近、あの子は何か悩んでいるようなんだ」
ほむら「悩み……ですか」
詢子「もう、貴方達位の歳になると、母親には言えない事が一杯あるんだろうな」
詢子「母親つっても、それが何かさっぱりわからない駄目な母親だが、
何か悩みがある事ぐらいは、分かる」
ほむら「……」
ほむら(魔法少女関連の事かしら。
きっと、まだどこか、魔法少女になりたいのでしょうね。
あの子の願いの根本は、「守る」事だし……)
ほむら「分かりました。あの子が悩んでるなら、私も力になりたい」
詢子「ありがとう。そう言ってくれて」
ほむら「……それと、お義母さまは、まどかさんにとって、いいお母さんだと思います。
あの子のこと、強く想っている事がわかりますから」
詢子「……そうかい、ありがとう」
ほむら「まどかさんの帰宅が遅くなったり、連絡が忘れがちにならないよう、
私も注意しますね」
詢子「助かるよ、本当に」
詢子「あの子は、いい友達をもったな」
ほむら「……いい友達になれるよう、がんばります」
もしかしたら、店員は空気を読んでいたんだろうか。
話がふいに途切れ、
二人に沈黙が訪れたタイミングを見計らい、
コーヒーにケーキが届いた。
ここのガトーショコラは美味しい。
詢子「さて、親馬鹿だったかもしれないな。つき合わせて悪かった。
侘びに、食べておくれよ。ここのは美味しいから」
ほむら「ですよね」
詢子「お、知ってるのかい」
ほむら「巴さんが、スイーツ狂いでして」
詢子「なるほどー……」
娘の交友関係について、色々聞いてくれる。
それを話すのは、実はすごく楽しい事だった。
あっという間に、時間が過ぎる。
お義母さまは、時計を気にし始めた。
詢子「あー、もうこんな時間か。楽しかったものだから、気がつかなかったよ」
詢子「そろそろ、営業に行かなきゃまずい時間なんだ」
ほむら「そうですか……。わかりました」
詢子「今日は、本当に楽しかったよ。また奢るから、
よかったら、おばちゃんに付き合ってくれないかい?」
ほむら「はい、是非!」
詢子「こんなに楽しいとは思わなかったなー。
娘の友達と話しているというか、
なんだか、ほむらちゃんは視点が私達の年代に近いよな」
ほむら「そ、そんなことないですよ!」
詢子「そりゃそうだ。ま、大人っぽいってことだ」
ほむら「……ありがとうございます」
ほむら(そういえば、20年ループしてるから、私ってばお義母さまと同い年……)
詢子「じゃ、またナンパしにくるからね」
ほむら「はい、待ってます。
実は、私もお義母さまに聞いてみたいことがあったので
今度付き合ってくれる時を楽しみにしています」
詢子「私に聞いてみたい事……? なんだろ?」
ほむら「あ、今度でいいですよ。お仕事にとりかからないと、
お義父さまや、まどかさんとタツヤくんが中々帰ってこない。
ほむらの所為だって、嫉妬されちゃいます」
詢子「お? あはは、そっか。それじゃ、行くよ。またねー!」
お義母さまは元気よく駆け出して行った。
ハイヒールでよく走るものだ。
特殊な走法でも取得しているのだろうか……。
まあ、いい。
今度のお茶会が楽しみだ。
私視点では、ママ友が出来たようなもの。
母親の心得、早く聞いてみたいな。
596 : 1[saga] - 2013/04/27 21:58:59.43 nHpwYtI7o 140/397
今日はおわりー
たぶん、もう一話 詢子との絡みの話です。
「ほむほむと詢子さん2」
ワルプルギスの夜のビル投げに利用されそうな
建造物を所有している会社の社長を脅して一週間後……
私は、再びその会社に姿を現した。
脅迫どおりに事が進んでいる事に安心し、
その帰りがけに廊下ですれ違った一人の女性を誘った。
ほむら「お義母さま!」
詢子「おお、ほむらちゃんじゃないかい。また、社長の所に来たのかい?」
ほむら「はい。ちょっと脅しに」
詢子「あはは、相変わらず面白い子だね。ほむらちゃんは」
ほむら「それほどでも」
ほむら「お義母さま、今日は忙しいんですか?」
詢子「そうだねぇ、今日は外回りが無くて、いやーな事務仕事が溜まってるもんだから……」
ほむら「そうですか……」
???「あー、鹿目くん! そういわず、事務仕事ならこっちで上手くやっておくよ!」
???「鹿目くん、いつも大変だからね。ちょっと休憩しておいでよ!」
詢子「専務に……部長……?」
専務「いいから、いいから! 暁美さんもいらっしゃることだし、行った行った!」
部長「ゆっくりしてきていいからな!」
詢子「……はぁ。では、お言葉に甘えて……」
詢子「そこの休憩コーナーでもいいかい?
あんまり他人に任せたくない仕事もあるから、悪いけどそこまで時間がとれないんだ」
ほむら「いえ、すいません。私も、重役の方々があんな風に
気を回してくださるとは思っていなかったので。
お仕事の邪魔になるようなら、今日のところは……」
詢子「いや、押し付けられる所は押し付けてやる。だから、助かったのは助かったよ。
いやーな事務仕事を前に休み無しだったし、30分くらいは休憩してやろ」
詢子「……にしても、怖がられてるねー? ほむらちゃんは」
ほむら「いえいえ。あの方々がお優しいんじゃないですか?」
詢子「あの狸どもが? ないない。社長を脅してるって話、ちょっと信じちゃいそうだな」
ほむら「いやですよ、お義母さまったら」
詢子「あははは」
ほむら「……そうだ。友人とクッキーを焼いてきたので、お茶請けに」
詢子「お。じゃあ、コーヒーでも奢るよ」
ほむら「コーヒーも水筒に持ってきてます。私が淹れたので良ければ……」
詢子「いいお嫁さんになれそうだな、ほむらちゃんは」
ほむら「無理ですね。相手がいない」
詢子「簡単に見つけられそうだけど?」
ほむら「今のところ、興味ないですから」
詢子「ふむ。じゃあ、まどかの婿になるかい? 将来有望そうだし」
ほむら「もう一回仰っていただけます? 録音しておきたいので」
詢子「やっぱりガチじゃないか」
ほむら「冗談ですよ」
詢子「度重なると、冗談に聞こえないなー」
ほむら「じゃあ、受け取り方は自由、としときます」
詢子「……別にレズビアンにそこまで偏見はないが、子供がなー」
ほむら「養子では駄目ですか? 私の連れ子になってしまいますが」
詢子「うーん、一人くらいは血の繋がった孫が欲しいな」
詢子「……ってか、つれご???」
詢子「ちょっと待て! ほむらちゃん! あんた、中学生にして……っ!?」
ほむら「実子じゃありません」
詢子「そ、そうかい……。じゃあ、どういう……? 聞いてもいい事なら聞かせておくれよ」
ほむら「……私の周りに、親が居ない子達や、
居ても両親とも自分の子を傷つける屑しかいない子供がいます。
自分達で必至に生きようとしていますが、現実は甘くない」
ほむら「だから、あの子達が独り立ちできるくらい強くなるまで、
私が親代わりになろうかと思っています」
詢子「……それは、なんというか……大変だな。親戚の子なのかい?」
ほむら「血の繋がりはないですが、付き合いも長いですし。今は家族だと思っていますよ」
詢子「そっか……」
詢子「……なにか、困った事があったら言っておくれよ?
大人の力が必要になる事もあるだろ?
ほむらちゃんは親元離れて、独り暮らしみたいだし……」
ほむら「ありがとうございます。ただ、金銭的には親が援助してくれてますし(嘘だけど)
元々、独りで何とか生きてきた子達なので、生活力は同年代でもある方ですよ。
私が助けられてるくらいです」
詢子「それならいいが……。ほむらちゃんだって学生なんだし、平日の昼間とか困るだろ?
小さい子の面倒みるなら、何なら、うちの旦那と相談して……」
ほむら「あ、小学生と中学生なので……平日の昼間も大丈夫です」
詢子「……ほとんど、ほむらちゃんと年齢変わらないじゃないか!」
ほむら「そういえば、そうですね」
詢子「ほむらちゃんは本当に、中学生かどうか怪しいね……」
ほむら「外見上は見えるでしょう?」
詢子「そうだね……」
ほむら「むしろ、お義母さまには、聞いてみたい事があったんです」
詢子「聞いてみたい事?」
ほむら「母親の心得、みたいなものです」
詢子「母親の心得ー? 私にかい?」
ほむら「はい。まどかさんみたいな、いい娘を育ててるお義母さまにだからこそ、
聞いておきたいんです」
詢子「……私じゃ、いいアドバイスなんてできないと思うけどな」
ほむら「そんな事ないですよ。お義母さまがいらっしゃるから、まどかさんがいるんですから」
ほむら「あんな芯の強い子を育てられるようになりたい」
詢子「まどかは、優しい、いい子に育ってくれたと思うが……。
ほむらちゃんが褒めるほど、芯の強い子かな?
だとすると、嬉しいが……」
ほむら「はい。あの子は、どんな状況でも心の底からは絶望しない。
そして、優しさを忘れない」
事実、今までの時間軸でまどかは、魔法少女となった場合でも、
魔力の枯渇や魔女の呪いでもない限り、魔女化しなかった。
ワルプルギスの夜を前に二人で倒れても、
私を気遣える優しさがあった。
芯の強さで言えば、杏子と二強だと思う。
ただ、自分に自信が無い為か、表面上は正反対だけれど……。
願いは、常に弱い誰かを、無償で助ける為のものだった。
それに、自分に自信が持てた彼女は、実に精神的に頑強でクール。
とある時間軸で、
発狂したマミのソウルジェムを、私を救う為に
躊躇無く一撃で破壊した時のまどかの精神力は、
今の私よりはるか高みにいるだろう。
詢子「なんだか、ほむらちゃんは私の知らないあの子を一杯知ってるみたいだな」
ほむら「それは、お義母さまだって。友達しか見れない姿ってあるものです」
詢子「そうだな……」
詢子「……しかし、母親の心得つってもなぁ。
私は本当に、偉そうに語れることなんてないんだよ」
ほむら「突然、そんな事聞かれても、困っちゃいますよね……」
詢子「いや、そういうこっちゃない」
詢子「私は結構ヤンチャしてて、若くして出来婚でさ」
ほむら「……別に、出来婚に偏見はありませんけど」
詢子「当時はなー、結構 偏見が強くてな。しかも、二十歳だったんだぞ? 当時」
詢子「周囲も反対して堕ろせって言われて、知久……旦那の奴も、フルボッコにされてさ」
詢子「でも、私もこの性格だから、反発しちまって「大学辞めて、私一人ででも生んで育てる!」」
詢子「そう、大見得きっちまったわけさ」
詢子「まぁ、知久も一緒に育ててくれるつもりだったから、半泣きだったけどな。
そりゃないよ、詢子さんって」
ほむら「ふふ。お義母さまと、お義父さまらしいです」
詢子「そうだろ? でもな……、格好悪いが、すぐ後悔することになる」
ほむら「えっ?」
詢子「妊娠っつーのはな、経験してみないと分からないもんさ」
詢子「初期はつわりがあって、人に寄っちゃ入院が必要なくらい栄養失調に陥ることがある」
詢子「妊娠費用の足しにしようと、お金を稼ごうとしても
ちょっと激しく動いただけで、切迫流産やら切迫早産になりかける」
詢子「私も無理しちまって、切迫流産になってお腹の子に泣きながら謝った」
詢子「もう無理しないから、頑張って生きてって」
詢子「結局、私は安静にしていて、知久が必至に働いて、お金を稼いでくれた」
詢子「だが、知久は、あんまり就職先で馴染めなかったみたい」
詢子「私の妊娠が発覚してから、急いで探した職場だ。あまりいい環境じゃなくてね」
詢子「鬱っぽくなりながら、それでも私達の為に無理して働いているのが分かってさ」
詢子「しかも、安定期の間は良かったんだが、
妊娠後期だと胸と腹に五キロ以上の重りがつき、内臓もろもろ同時に圧迫される」
詢子「掃除の途中にお腹の重みに耐え切れなくって、
机の角にお腹を打ちそうになり、あわててお腹を守って顔面強打」
詢子「……家事も止めた方がいいって事で、そっちまで知久に甘えることになる」
詢子「私は、後悔したさ。自分達は大きくなったつもりで、まだまだ未熟だったって」
詢子「母親になる資格なんてなかったと」
ほむら「……」
詢子「結局、私の親に侘びを入れて家事やら病院への付き添いやらを、甘える事になった。
「それ見たことか」って顔をされたが、お腹のまどかを守れて、それでもほっとした」
詢子「その後、無事に出産も出来たが、今度は育児ノイローゼ」
詢子「酷い頃は二から三時間毎に泣くから二人で寝不足になるし。
職場での人間関係に悩んでた知久は、
まどかの生後半年くらいで完全に病んでしまった」
詢子「指先や目元が常にピクピク動いてたり、
突然トイレとか風呂に引きこもって泣くようになったりとかさ」
詢子「……だから、私は知久に仕事を止めて貰って、育児に専念してもらった。
母乳からミルクに切り替えれば、男でも育児は可能だからな」
詢子「免疫的にも初期は母乳やってるから、問題ないし」
詢子「私が働く事にした」
詢子「まぁ、私はもともと主婦って柄じゃなく、働きたかったし。
実際、今の仕事が性に合ってたんだろうな。
遣り甲斐がある」
詢子「知久だって、その時の主夫ってのは珍しいし、
色眼鏡で見られることもあったろうし、コンプレックスもあるんだろうけど」
詢子「そういうのをおくびにも出さず、自分が一歩引いて私を立ててくれる。
完璧に家事に育児をこなして」
詢子「こうして漸く、私の強がりでガタガタになりかけた家庭はまわり始めた」
詢子「まどかもいい子に育ってくれて、仕事も上手く行って……
もう一人、生む余裕が出来た」
詢子「今でこそ上手くいってるように見えるが……、何てことはない」
詢子「私は知久やまどか、周りの人間に助けられて、なんとか生きてこれただけの人間さ」
詢子「普通の母親みたいなことは殆どやれてないし、
ほむらちゃんに教えられるような心得なんてないんだよ」
ほむら「……そんなことないです」
詢子「そうかい? そう言ってくれるのは嬉しいが……」
ほむら「聞いてて、大事な事を教わりましたよ」
ほむら「どんなに大変でも、家族の事を思い遣って戦っていれば、
いつかは幸せな家庭を築けるって」
詢子「……」
ほむら「私も、私なんかが何処までやれるのか、実は結構不安だったんですが……」
ほむら「私も我武者羅にやって、家族の事きっと幸せにしてみせます」
ほむら「大切だって想うのは、確かだから……」
詢子「……おしいな」
ほむら「? おしい?」
詢子「ほむらちゃんが男だったら、本当にまどかをやりたくなったよ」
詢子「ほむらちゃん、うちの子にならない?」
ほむら「ありがたい申し出ですが、私の父母は健在ですので……」
詢子「そうか……。うーん、女同士かー……、うーん……」
詢子「まどかもほむらちゃんが大好きなのは伝わってくるがなー、うーん……」
聞き捨てならないことを口走りながら、
お義母さまは独り言を言い始めた。
……お義母さまは、戦っていたんだな。
私の母も父も、私を産んだときはこうやって戦っていたのだろうか?
私の病気で見滝原に越してきて以来、疎遠になっていたが……
ループを抜けたら きっと顔を見に行こう。
今でこそ、分かり合える事があるだろうから……。
625 : 1[saga] - 2013/05/05 21:27:25.79 WT42AHxao 159/397
終わりです。
詢子さんはつわりも平気でつるんと産んじゃいそうなイメージがありますが、
実際どうなんだろう。
詢子さん19の時に種付けで、20で出産だから
実際どうだろうかと妄想したSSでした。
公式や皆さんの想像と大きく違っていましたらすいません。
それでは、また。
次はおりこ組みと絡ませられたらって想うんですが
何だか上手くキャラが動かないので難産になりそうです。
「ほむほむとまどかさん」









653 : 1[sage] - 2013/05/11 21:24:31.90 D5E4SjFHo 178/397
このスレのほむらだとこんな感じかと……
でも、本当はへたれ攻めがいい。
次の話ですが……
政治家の汚職の話がかけません
次、いつになるか分かりません
ご了承ください
「上条さんとさやさや」











「スイーツ狂いマミさんとほむほむ」










スイーツ狂いマミさんとほむほむ 終わり
やーさん達代理キャラ使用に付き注意です
「ゆまちゃんとやーさん達」
①×ブッチー




②×玄&虚








「ゆまとみんなの絡み」













終わり
新人魔法少女研修で教鞭を振るう鬼教官ほむほむ軍曹








807 : 1[saga] - 2013/06/16 21:46:41.22 qq+gHz2Qo 280/397
ほむほむは何処まで盾に保管できるんでしょうかね。
そんなの無理だろって思われた方は、
因果をまとって力を増したからって事にして下さい。
代理として出演させたキャラクターが好きな人はすいませんでした。
「QBとほむほむの感情研究」









「女性の敵・魔獣の発生元・ショウさんとショウさんの子分に、正義のほむ鉄槌」 ※閲覧注意














とりとめのない話になりましたが、一応投下していきます
ほむらと詢子さん、知久さんの語り合い









【……79年後】









おわり





































































































































