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8.マラソン大会
December Second Friday 15:45 ~帰りHR~
-とある高校・一年七組教室-
小萌「――というわけで、今週末の日曜日は急ですがマラソン大会を開くことになりました!」
クラス一同「えっ?」
小萌「なので、忘れずに学校に来てくださいですねー」ニコ
クラス一同「なん……だと……?」
同日 16:00 ~放課後~
-とある高校・一年七組教室-
青ピ「ま、まさか休日が潰されるなんて思わへんかったわ」
土御門「ホントにゃー! 日曜日は舞夏とゆっくり過ごす予定だったのにくそぅ!」
青ピ「しかもマラソン大会だったなんて!!」
土御門「無駄な体力使わせて欲しくないにゃー!!」
一方通行「コイツら……」
上条「ま、まあいいじゃねえか。その代わりに振り替えで月曜日が休みになったんだから」
結標「でも、マラソンかー、やった記憶はないからちょっと楽しみね」
姫神「あれは。地獄」
青ピ「そうやでー、疲れるし喉が渇くし汗かくし……良いことなんて一つもないでー!」
結標「それは嫌ね……」
一方通行「くっだらねェ」
上条「そういや、お前ってどうするんだ? 杖付きの体だし、その時だけ能力使うのか?」
一方通行「さァどォだろォな? マラソンってあれだろ? 長距離を一生懸命走る馬鹿げた遊びだろ?」
上条「まあ、人によって価値感は違うけどそれで合ってると思う」
一方通行「体育の時間さえ能力使わせてくンねェンだから、今回も能力なしでやるンじゃね?」
上条「それってきつくないか? 杖ついて何キロも走るなんて無理だろ普通」
一方通行「チッ、たしかにな……」
吹寄「そういえばずっと気になってたのだけど、あなたの能力って一体何なの? 今まで見た限りだったら肉体強化だけど……」
一方通行「あァ? まァ、そンなところだ」
上条(本当はもっと恐ろしいチカラだけどな……)タラッ
姫神「……ねえ」
一方通行「あァ?」
姫神「何で能力を使う時はいつも。首についてるチョーカー? のスイッチを押すの?」
青ピ「そういえば、ボクもずっと気になってたなー」
上条「たしかに、前会った時は付いてなかったのにな」
結標「二ヶ月くらい一緒に住んできたけど、私もそういえば知らなかったなー」
みんな「えっ?」
結標「えっ?」
吹寄「……で、実際どうなのアクセラくん?」
一方通行「あァ、これはアレだ。脳がちょっとイカれちまったから機械で補強してンだよ」
姫神「事故にでも遭ったの?」
一方通行「……まァな」
結標「それは知らなかった。打ち止めちゃんがいつもネットワークやらなんやらって言ってたのは何?」
一方通行「……教えるのが面倒臭ェ」
結標「いいじゃないちょっとくらい!」
一方通行「黙秘権を行使しまァす」
結標「ぐぬぬ……」
上条「……とにかく、週末はすっげえ疲れるってことだよな」
青ピ「はぁ、ダッルいわー」
土御門「あぁー舞夏ぁー!」
吹寄「この馬鹿どもがっ! もうちょっとやる気を出せないの?」
一方通行「つゥか、こンな誰得イベント誰が企画しやがったンだよクソが」
結標「多分校長クラスのえらい人じゃない?」
一方通行「そンなジジイ一人の一存で決められるモンなのか?」
上条「さあ? しかし、ホント何でこんなイベント突然開こうと思ったんだろうな?」
土御門「ジジイが青春という幻想を俺達に押しつけるために開いたとかだったらマジギレするにゃー」
青ピ「カミやんの幻想殺しの出番や! 校長の幻想をぶち殺しに行ってくるんや!」
上条「停学、最悪退学になるわッ!!」
結標「青春ねえ……」
一方通行「くっだらねェ」
―――
――
―
December Third Sunday 07:20
-黄泉川家・リビング-
一方通行「……あァー、寝っむ」フワァー
打ち止め「あ、おはよー! ってミサカはミサカは日曜日なのに珍しく早起きなあなたに挨拶してみたり」
芳川「ホントね。てっきり昼ぐらいに起きてくると思ったのだけど」
一方通行「あァあれだアレ。今日はマラソン大会とかいうふざけた行事があるからよォ」
打ち止め「あ、そういえばそうだったね、ってミサカはミサカは度忘れしてた事を思い出してみる」
芳川「キミがマラソン大会ねえ……面白いくらいに似合わないわね」
一方通行「自分でもそォ思う」
芳川「どうやって参加するの? 能力使って簡単楽ちんに一等賞でも狙うつもり?」
一方通行「俺としてもそれが一番なンだけどよォ、体育の時間はチカラ使わせてくンねェから多分無理だろ」
芳川「愛穂も鬼ねえ」
一方通行「まったくだわ……」ハァ
打ち止め「……ま、まあ、元気だしなよ! ってミサカはミサカは落ち込んでるあなたを励ましてみたり」
一方通行「別に落ち込んでなンてねェけどな」
一方通行「……つゥか、そォいや黄泉川はどこ行った?」
芳川「何か学校で準備をしなきゃいけないとかで、朝早くから出ていったわよ」
一方通行「つまりマラソン大会の準備ってわけか」
芳川「その考えが妥当でしょうね」
一方通行「……はァ……面倒臭ェ」
打ち止め「それより朝ごはん作ってあるよ! ってミサカはミサカは未だにつっ立ったままのあなたに教えてみる」
一方通行「あァ、そォかよ」ガチャ
芳川「…………」ズズズ
一方通行「…………」クチャクチャ
打ち止め「…………」
ピロリロリン♪
打ち止め「あっ、黄泉川からのメールだ、ってミサカはミサカは携帯の着信音から判断してみたり」カチャ
一方通行「あァ? 何でアイツがコイツにメールを?」
芳川「さあ?」
打ち止め「……ふむふむ……ふふふ、了解、っと」ピッ
一方通行「何のメールだったンだ?」
打ち止め「何でもないよふふふ、ってミサカはミサカはこぼれる笑みを必死に隠してみたり」ニヤニヤ
一方通行「?」
一方通行「そォいや結標はまだ寝てンのか?」
芳川「いいえ、もう彼女ならとっくに起きてるわよ」
一方通行「アイツも朝早くに出ていったのか?」
打ち止め「んーん、さっき歯を磨きに行ったところだよ、ってミサカはミサカは明確な情報を伝えてみる」
一方通行「そォか……」
打ち止め「だからそろそろ戻ってくる頃じゃないかな? ってミサカはミサカは経過した時間から予想を立ててみる」
ガラララ
打ち止め「おお、噂をすればなんとやら……」
結標「あら一方通行おはよ。珍しく早起きじゃない?」
一方通行「別にイイだろ。俺が早く起きよォが遅く起きよォが」
結標「まあそうだけど」
一方通行「つゥか何で俺がいつも遅起きしてるよォな扱いになってンだよ」
結標・打止・芳川「「「だって事実じゃん」」」
一方通行「はァ?」
一方通行「そォいや今日は、学校何時集合だっけな?」
結標「たしか八時四五分にグラウンド集合だったから、いつも通りに出発すれば問題ないんじゃない?」
一方通行「何で朝っぱらから走らされなきゃいけねェンだろォな」
結標「貴方の場合は走ると言うより歩くって言った方が良いんじゃない?」
一方通行「キロ単位を歩き切る自信ねェンだけど」
結標「貴方体力ないしね」
一方通行「俺だけ一〇〇メートル走で勘弁してもらえねェだろうか?」
結標「無理じゃない?」
一方通行「チッ」
―――
――
―
―
――
―――
結標「~~~♪」カチカチ
一方通行「……何やってンだオマエ?」
結標「ん? ああ、占いのサイト見てるのよ」
一方通行「占いだァ?」
結標「うん。学生の中で結構流行ってるらしいわ」
一方通行「くっだらねェ。科学の街学園都市でオカルトが流行るなンて世も末だな」
結標「まあいいんじゃない? 気休めみたいなものでしょ?」
一方通行「つゥかオマエは信じてンのかよ? 占い」
結標「うーん信じてるか信じてないかと言ったら信じてないかな」
一方通行「なら何でそンなモン見てンだよ?」
結標「言ったでしょ? 気休めって」
一方通行「気休めねェ……」
結標「当たれば八卦当たらぬも八卦って言うでしょ?」
一方通行「まァな」
結標「……ふむふむ、今日の運勢は星二つか。微妙ねえ」
一方通行「どォせ当たンねェンだからどォでもイイだろ」
結標「『今日はちょっとした失敗をしちゃってピンチになっちゃうかも、最後まであきらめずにがんばってね』だって」
一方通行「これで星二つって星一つはどンだけかわいそォなンだよ」
結標「ラッキーアイテムは『白い物』だって! 何かないかな? 白い物」
一方通行「あァ? そこにあるティッシュでも持っていきゃァイイじゃねェか」
結標「うわぁ、それはさすがに引くわー」
一方通行「はァ? 助言してやっただけアリガタイと思えよ」
結標「うーんどうしようかなー」
一方通行「無視かよ」
結標「何かなかったっけなー」
一方通行「気休め程度でそこまで悩むとか……」
結標「……! そうだ! あれがあった!」
一方通行「あァ?」
結標「ちょっと取ってくるわ」スタスタ
一方通行「一々そンなどォでもイイ事伝えなくてもイイから」
―――
――
―
―
――
―――
結標「――じゃーん! 白いリボン!」
一方通行「ンだそりゃ? 体に巻き付けて『私がプレゼントです』みてェなプレイでもすンのか?」
結標「あほか! そんな馬鹿みたいなことする訳ないでしょ! ……あっ」
一方通行「あァ?」
結標「まさか貴方ってそういうプレイがお好みで?」
一方通行「死ね」
結標「死ねはないんじゃない!? そもそも貴方の言いだした事だし」
一方通行「じゃあ何に使うンだよそれ?」
結標「髪をくくるのに使うのよ! 普通考えればわかるでしょ?」
一方通行「その発想はなかった」
結標「なぜ馬鹿みたいな発想は出てきて、普通に髪をくくるという発想が出てこなかったのか……」
一方通行「つゥかオマエそんなモン持ってたンだな」
結標「黄泉川さんがいらないからってくれたヤツよ」
一方通行「中古かよ」
結標「別にいいじゃない。使えるんだから」
一方通行「つゥか、それ一つだったらいつもの髪型出来なくねェか?」
結標「別にいいわ。どうせマラソン大会はポニテで出場するつもりだったから」
一方通行「はァ? 何で?」
結標「長距離走るのだからいつものヤツよりポニテの方がいいじゃない?」
一方通行「俺は女じゃねェからわかンねェよ」
結標「てか、貴方は男の中だったら十分髪長いと思うけど……」
一方通行「……そォいやしばらく切ってねかったなァ、どォでもイイが」
結標「切った方が良いわよ。前にも言ったけど貴方の体って中性的だから遠目で見れば女の子に見えないこともないわよ」
一方通行「果てしなくどォでもイイ情報アリガトウ」
結標「……ふむ、一度貴方に女装をしてもらいたいという衝動が――」
一方通行「よォし、スクラップの時間だァ!」
結標「いやねえ、冗談よ冗談」アハハ
一方通行「二度とそンな冗談口にすンじゃねェぞ」
結標「……って、もうこんな時間じゃない!」
一方通行「オマエがティッシュでイイモノを白リボンなンざ探すからだ」
結標「ちょ、ちょっと待ってね。今付けるから……」ガサガサ
一方通行「……今から変えンのかよ?」
結標「今日一日のラッキーアイテムなんだから、最初から身に付けとかないと」シュルル
一方通行「くっだらねェ」
結標「……じゃーん! 淡希お姉さんポニテバージョン!」ドン
一方通行「…………」
結標「……あれ? 何かコメントは……」
一方通行「髪型変えたンならとっとと行くぞ」カツンカツン
結標「あれっ、無視? ねえ! ちょっと待ってよ何にもコメントがないと私すっごい恥ずかしいんだけど! ねえ!!」
―――
――
―
同日 08:35
-とある高校・一年七組教室-
ガラララ
結標「……ぜぇ……ぜぇ……何とかギリギリってところね」
一方通行「何をそンなに疲れてやがンだ?」
結標「能力使用してたクセに何言ってんのよ!」
一方通行「ハァ? 置いて行かずに一緒の速度で走ってやったのに何ですかその態度はァ?」
青ピ「――二人ともおはようさん! おっ、姉さん今日はポニテやん!」
土御門「ほぉー、ポニテもなかなかのもんだにゃー」
結標「あれ? もうみんな着替えてるの?」
吹寄「四五分に集合だから、早めに着替えてたのよ」
結標「四五分……ってあと一〇分しかないじゃない!?」
姫神「早く着替えた方がいい」
一方通行「ったく。オマエが白いモノなンか探してるからだ」
結標「何よ。私のせいだって言いたいの?」
一方通行「一〇〇パーそォだろ」
結標「ぐぬぬ……言い返せないのが悔しい」
上条「そんなことより早く着替えに行った方が良いんじゃねえか?」
結標「そうよね。じゃあ行くわよ一方通行……ってあれ? どこに行った?」
吹寄「彼なら能力らしきものを使ってどこかに消えていったけど……」
結標「あの野郎! 先に行きやがったな!?」
姫神「あと七分」
―――
――
―
―
――
―――
同日 09:10 ~マラソン大会開会式・ルール説明~
-とある高校・運動場-
黄泉川「えー、ではマラソン大会のルールを説明するじゃん」
黄泉川「今回のマラソン大会は、第七学区内の決められた道路を走っていくという至ってシンプルな内容じゃん」
黄泉川「ちなみに走る距離は学生に優しい一〇キロじゃん」
黄泉川「二.五キロずつの地点にチェックポイントがあるので、ちゃんと通るように!」
黄泉川「ちなみに通った選手を確認するセンサー付きの機械が置いてあるじゃん」
黄泉川「だからズルしてコースを外れて近道してゴールしても無駄じゃん」
黄泉川「それとチェックポイントでは飲み物等が配られるので、自由に水分補給をしてもいいじゃん」
黄泉川「ちなみに五〇位までに入った生徒全員には豪華賞品が贈呈されるじゃん」
黄泉川「さらに一位に入賞した生徒のクラスには、冬休み中に使える第二十学区のスキー場無料入場券が贈呈されるじゃん」
黄泉川「みんながんばって走るじゃん」
黄泉川「ああ、あとこの大会は大覇星祭のような能力測定も兼ねているので、能力の使用は基本的にはオーケーじゃん」
黄泉川「入賞を目指して自分の順位を上げるために使ってよし、相手を蹴落とすために使ってもよし」
黄泉川「ただし相手を大けがさせたりしたら失格じゃんよ」
黄泉川「ええと、以上でルール説明を終わるじゃんよ」
青ピ「……聞いたか土御門くん?」
土御門「聞いたにゃ青髪」
青ピ・土御門「「これは一位になるしかない!!」」ゴォォ
上条「……何か燃えてらっしゃいますねー」
青ピ「当たり前やんカミやん。スキー場と言えば、冬場のナンパポイントの一つやん」
土御門「そうだにゃー。しかも第二十学区のスキー場と言えば、可愛いメイドさんがたくさんいると噂のメイド喫茶があるんだぜい」
上条「お前ら……素直にスキーを楽しみたいっていう感情は湧かねえのか?」
土御門・青ピ「「俺(ボク)達は欲望に忠実になれる男だぜい(やでー)」」
一方通行「……くっだらねェ」
結標「ねえねえ。スキーってあれよね? 雪山を滑ったりするスポーツのヤツ」
一方通行「ああ、たしかそォだった気がする。やったことねェから知らねェけど」
吹寄「ふふふ。これは是非とも一位を狙わなければな」
結標「あら、吹寄さんやる気ね?」
一方通行「オマエもあれか? 男ォ引っ掛けるためか?」
吹寄「ば、馬鹿言わないでよ!! あんな馬鹿どもと一緒にしないでちょうだい!」
一方通行「へいへい、じゃあ何でそンなやる気なンだよ?」
結標「もしかして、単純にスキーに行きたいの?」
吹寄「うーんまあそれもあるけど……」
結標「それもあるけど?」
吹寄「この前通販で買った、『スキーをするだけで能力が上昇しやすくなるDXスキーセット』を使うためよ!」
結標「へ、へー」
一方通行「絶対ェ騙されてンだろそれ」
吹寄「なっ? そ、そんなのまだわからないじゃない! 使ってみなきゃ!」
一方通行「そンなモンで能力が上昇すンなら世の中レベル4やレベル5がうじゃうじゃいる事になンぞ」
吹寄「くっ、それを言わないでよ……」
結標「ちょっと一方通行。そこまで言う事ないじゃない!」
一方通行「何だこれ?」
吹寄「大丈夫よ、誰も悪くない……悪いのは通販で変なものをついつい買ってしまう私だから……」
結標「ちょっと一方通行謝りなさいよ!」
一方通行「何この流れ? 俺が悪りィのか? なァオイ!」
ワイワイガヤガヤ
姫神「…………」
姫神(みんな何話しているんだろう?)
姫神(あんなに楽しそうにして)
姫神(私だけ。何で場所離れてるの?)
姫神(ただでさえ影が薄いのに。このままじゃマズイ)
姫神「…………はぁ」ガックシ
―――
――
―
―
――
―――
同日 09:25
-とある高校・スタートライン-
<スタート開始時刻まであと五分です
青ピ「おーおー、まさか全校生徒一斉にスタートラインに立つなんて思わへんかったなー」
上条「すげえ人数だなこりゃ。八〇〇人くらいはいんじゃねえか?」
土御門「道が大渋滞になりそうだにゃー」
上条「交通整理のために警備員とか配備されてんのかな?」
土御門「じゃないと結構危ないぜい」
上条「だよなー」
一方通行「面倒臭ェ」
青ピ「まあ、とにかく一年が最前列付近に立てるってのはラッキーやな」
土御門「だにゃー、三年の連中とかがかわいそうだにゃー」
青ピ「これで一位入賞の可能性がグッと広がるってわけやな!」
上条「……つーか上級生には体育クラスとかがねかったっけ?」
一方通行「体育クラス? 運動大好きな馬鹿どもが集まるクラスか?」
上条「うーん、それもあるけどちょっと違うかな?」
一方通行「あァ?」
青ピ「体育クラスには肉体強化系の能力者がたくさんいるんやでー」
土御門「だから球技大会とか開催された日には、体育クラス同士で決勝戦を戦うくらいなんだぜい」
一方通行「……ってことは今回もソイツらの独壇場ってわけか」
青ピ「だからこそこの地の利を生かす必要があるんよ」
土御門「にゃー」
上条「……ってか一方通行」
一方通行「何だ?」
上条「この大会能力使用してもいいんだから、お前の独壇場じゃね?」
一方通行「あ、ああ、そォいや能力使ってもよかったンだな」
青ピ「ってことは一位はアクセラで決定ってわけやな」
土御門「スキー券獲得確定だぜい」
一方通行「……はァ、まあ任せとけよ。体育クラスなンて三下クラス、俺が踏みにじってやるよ」
<それではスタート十秒前です!
上条「お、そろそろ始まるみたいだな」
土御門「いよいよかにゃー、腕が鳴るぜい」
青ピ「腕というより足なんとちゃう?」
一方通行「どォでもイイだろそンなモン」
<5、4、3、2、1
一方通行「さァて、遊ンでやるよ三下どもォ!」カチ
<スタート!! ピィィィィイイイイイイイイイイイイイイ!!
<うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
一方通行「オラァ!」クイ
一方通行「…………」
一方通行「オラァ!!」グイ
一方通行「…………アレ?」
上条「何やってんだ一方通行!? 早くしろ!」
一方通行「あ、ああちょっと待ってくれ。オラッ!」テクテク
一方通行「…………」
一方通行「なぜか能力使えねェンだけどォォおおおおおッ!?」
From:ヨミカワ
Sub :(non title)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
今日学校でマラソン大会があるから、一方通行が
ズルしないように九時半くらいから能力に制限を
かけて欲しいじゃんよ。普通に走れるくらいでお
願いじゃんよ。じゃ、頼んだじゃん!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
打ち止め「ふふふー、そろそろあの人が困ってる頃かな? ぬふふー」
芳川「一方通行……ご愁傷様」
8.ラッキーアイテム
December Third Sunday 09:34 ~開始一分経過~
-とある高校・放送席-
部長『ハイでは始まりました能力有りマラソン大会ッ!』
部長『実況は私放送部部長と』
へそ出し『【へそ出しカチューシャ】でお送りする』
部長『ここで一つ、参加中の生徒からメールが届いています』
へそ出し『競技中にメールなんて随分と余裕だな』
部長『ハンドルネーム:匿名希望さんですね。ありがとうございます』
部長『ええと内容は、『お前らもちゃんと出場しろよコラッ!!』だそうです』
へそ出し『匿名希望で文句言われても困るんだけど』
部長『まあ私は先生に頼まれたのでここで実況してるわけですが……』
へそ出し『……何かしら? その目は」
部長『雲か……へそ出しカチューシャさんは何故ここに?』
へそ出し『何故って実況と言えば私なわけだけど』
部長『えっ?』
へそ出し『えっ?』
―――
――
―
―
――
―――
部長『――えー、ただ今競技開始から四分が経過したところです』
へそ出し『今の状況はどう?』
部長『ただ今トップを走ってるのは三年の体育クラスの方達ですね』
へそ出し『まあ、それが当然だけど』
部長『体育クラスの方達が一位から九位、あとはその他の生徒たちですね』
へそ出し『その中でも能力を持っている人たちが大半を占めてるのだろう』
部長『そうですね。肉体強化以外で強いのは念動系能力者ですね』
部長『相手の動きを一時的に止めたり、物体を動かして邪魔したりするのに便利ですからね』
部長『必然的にレベルの高い生徒たちが有利だから、他の生徒達はやる気が起きないんじゃないでしょうか?』
へそ出し『……そうでもない』
部長『えっ? どういうことですか?』
へそ出し『今二六位辺りの生徒達を見てみろ』
部長『……おお、これは――』
―――
――
―
―
――
―――
同日 09:34 ~開始四分経過~
-第七学区・マラソンコース第一区間一八〇〇メートル地点-
ワーワードタドタワーワードタドタ
上条「……はぁ……はぁ……くそっ、体育クラスのやつら早過ぎだろ!?」
青ピ「ひぃ……はぁ……何人抜かれた?」
土御門「たぶん二十人くらいじゃないかにゃー?」
青ピ「甘かった! こっちが有利だからって勝てると思うたボクが甘かった!」
上条「くそぉ、せめて入賞ぐらいはしてやる!」
土御門「まだ、後ろの方に体育クラスのやつらがたくさんいるんだにゃー……それに――」
ゴォオウ!!
上条「ッ!?」バッ
火炎放射「ヒャッハー!! ライバルは早めに潰しとくに限るぜー!!」ボボボ
バキン!!
火炎放射「何ッ!?」
上条「邪魔だッ!!」バキッ
火炎放射「ぐへっ!?」
土御門「こんな風に体育クラス以外のヤツらもいるしな」
青ピ「いやー、カミやんのおかげで能力者相手だったら便利やわー」
上条「テメェら人を盾扱いしてんじゃねえ!」
シュン シュン シュン シュン
<ギャー!! <なんだなんだー!? <何で俺がこんなところに!?
上条「何だあ!? いきなり人が消えたッ!?」
土御門「テレポート……まさか!?」
結標「みんなごめんねー? ちょっと通行の邪魔だから退いてねー」
吹寄「む、結標さんってこんな能力だったんだ……」
結標「はいはいどいたどいたー!」ブン
<うわぁああああッ!! <そ、そんなー <ひええええ!!
吹寄「こ、これはやりすぎじゃない?」
結標「まあこれもスキー券のためだからね。急いで先頭グループに追いつかないと!」
吹寄「……そうね、じゃあ先を急ぎましょ」
結標「というわけで、みんなー先に行ってるわねー!」
<ひ、ひでー!! <どこのクラスのヤツだあの女!? <キィームカツクー!!
上条「くっそー、これじゃあ倒れた人が邪魔で走りにくい!!」
土御門「にゃー、同じクラスながら恐ろしいぜ結標淡希」
シュン!
青ピ「ひえー!」
土御門「青髪ィいいいい!!」
上条「ムチャクチャ過ぎんだろクソー!!」
───
──
─
―
――
―――
同日 09:34 ~開始四分経過~
-とある高校・放送席-
実況『……何でしょうかあれは? 無茶苦茶してますね』
へそ出し『結標淡希。半月くらい前に転校してきた生徒だ』
実況『ええと……レベル4ォ!?』
へそ出し『能力は空間移動系最強クラスの座標移動だ』
実況『そ、そんな化け物がウチの学校に来てたなんて……』
実況『これはもしかしたら体育クラスの連中も危いかもしれませんね』
へそ出し『そうかしら?』
実況『そうですよ。さすがに空間移動能力者が相手では分が悪すぎますし』
へそ出し『まあ、実際そういうわけではないのだけど』
実況『はい?』
―――
――
―
─
──
───
同日 09:36 ~開始六分経過~
-第七学区・マラソンコース第一区間六〇〇メートル地点-
一方通行「……ぜぇ……ぜぇ……おェッ! し、死ぬ……」カツンカツン
一方通行(能力使用モードにしても走ることしかできねェとかどォいう事だ?)
一方通行(まさかあの時のクソガキが受けた黄泉川のメールの内容は……クソがッ!)
一方通行(一体何を考えてやがンだあのババァは。俺からチカラを取ったら何が残ンだよ?)
一方通行(アイツら絶対ェ覚えてろよクソ野郎がッ)
一方通行(しかも中途半端な能力使用モード残しやがって)
一方通行(走る事しか許されてねェなら、普通に杖ついて歩いた方がマシじゃねェか)
一方通行(もし杖置き忘れてきたら俺どォなってたンだろォな……)
一方通行(つゥか、走るための演算しか許されてねェなら、能力使用モードのバッテリーはどれくらい持つンだ?)
一方通行(いつも通り三○分なのか、それとももう少し伸びンのか……)
一方通行(杖付きで歩くのと走るのじゃあ、結構演算する量が違うからな)
一方通行(どちらにしろ節約をするに越したことはねェな)
一方通行「……よし、息が整ってきた」
一方通行「ここで距離を稼がねェとな」カチ
一方通行「オラァ!!」スタスタ
~一五秒後~
一方通行「……ぜェ……ぜェ……もォ……無理、おェ」カツンカツン
―――
――
―
―
――
―――
同日 09:38 ~開始八分経過~
-第七学区・マラソンコース第一区間二四〇〇メートル地点-
体育A「……後が騒がしいな」
体育B「どうせ、俺達に追いつけない発火能力者辺りが自棄になって暴れ回ってるだけだろ」
体育C「おっ、そろそろチェックポイントだぜ」
体育B「もう四分の一走ったのか。案外楽だな」
体育D「俺達は脚力を強化してるからな。速くて当然だ」
体育B「今回も五十位くらいまでは体育クラスの連中で埋まるだろうな」
体育E「ぎゃははっ! それは面白い! 普通系ざまあ――」
バタバタバタバタバタバタバタバタバタバタ
体育B[ッ! 何だ!?」
体育A「……こいつら同じクラスの?」
体育D「何で空からコイツらが!?」
体育E「痛って、舌噛んだッ!」
結標「あのーすみませーん」
体育一同「!?」
結標「先頭ってここでいいんですか?」ニヤ
体育A「……体育クラスの人間ではないな」
体育E「何それこわい」
体育C「いや、たしかにあんなヤツ見たことねえよ」
体育D「じゃ、じゃあどこのクラスのヤツだ?」
体育B「ってか他の体育クラスの連中は何で上から!?」
吹寄「む、結標さん。さすがにこれはやり過ぎじゃない?」
結標「えっ? でも能力を有りでしょ? だったらこれくらいは有りなんじゃないの?」
吹寄「さすがに人をテレポートさせて他人にぶつけるなんて……」
<オラァアアアアアアアアアア!! <先頭が見えてきたぞ!! <これなら希望がある!!
結標「あら、後ろの人たちが追いついてき始めたわ」
吹寄「……さすがに立ち止まってたら追いつかれると思うけど」
結標「そうね。じゃあ先に進みましょ」
吹寄「わ、わかった」
体育B「く、くそう。後ろのやつらが来やがったぞ」
体育C「まだ始まったばかりだ。本気を出せば逃げ切れ――」シュン
体育D「あれ? アイツどこ行った?」
体育E「Cィいいいいいいいいいいいいッ!!」
結標「お先に失礼しまーす!」
体育B「あのアマァああああああッ!!」
体育C「潰しやるよクソがぁ!!」
体育D「あれ? お前どこ行ってたんだよ?」
体育C「そこの喫茶店の店内に飛ばされてた」
体育E「これはひどい」
体育A「……とりあえず、ヤツを追うぞ」
―――
――
―
―
――
―――
同日 09:40 ~開始10分経過~
-とある高校・放送席-
実況『ええ、現在トップが第一のチェックポイントを通過したところです』
実況『トップを走るのは一年七組の結標さんと吹寄さんです』
実況『結標さんが能力で相手の妨害をしながら、吹寄さんがより前を走るという戦法のようです」
実況『それを追うのが体育クラスの脚力強化系の五人組です』
実況『飛ばされはまた追い、飛ばされはまた追いの繰り返しですね』
実況『良くくじけないですよねーホント』
へそ出し『彼らにも上級生のプライドがあるのだろうけど』
実況『このままだったら結標さんたちがトップのままゴールしそうですね』
へそ出し『でも、そう簡単にはいかないのだろうけど』
実況『……どういうことでしょうか?』
へそ出し『あの強力なチカラには欠点があるってことよ』
実況『欠点……?』
───
──
─
―
――
―――
同日 09:48 ~開始一八分経過~
-第七学区・マラソンコース第一区間二四〇〇メートル地点-
一方通行「……あァ? ンだァこりゃあ?」
~死屍累々~
一方通行「どンだけバイオレンスなマラソン大会が繰り広げられてンだよ?」
<ううーテレポーターコワイヨー <もう走りたくないよー <汚物はヒャッハー……
一方通行「テレポーター? 結標のヤツが暴れてやがンのか?」
一方通行「チッ、能力か自由に使えるなンて羨ましい限りだなァオイ」
一方通行「……つゥかこンなところで道草食ってる場合じゃねかったな」
一方通行「よっと」カチ
一方通行「…………」タッタッタッタッ
一方通行(大分走るという行動にも慣れてきた)タッタッタッタッ
一方通行(どのような姿勢でどのようなペースでどのような足運びで走ればいいのか)
一方通行(一番自分に適した数値を計算してその通りに体を動かす)
一方通行(これで多少は長く走り続ける事が出来るようになったってわけだ)
一方通行(移動方法はこれで問題はなくなった。だが……)
一方通行「問題はこのバッテリーの残量だな」
一方通行「どれだけの量を消費しているのか全く見当がつかねェ」
一方通行「まあイイや。バッテリーが切れたら切れたでラクになれるしな」
ピー
一方通行「あァ? ああ、これがチェックポイントってヤツか」
一方通行「どォせだから水分でも補給して行くか」カチ
一方通行「…………」カツンカツン
一方通行「…………」キョロキョロ
一方通行「…………」
一方通行「……チッ、コーヒーはねェのかよ」
―――
――
―
―
――
―――
同日 09:50 ~開始二〇分経過~
-第七学区・マラソンコース第二区間二三〇〇メートル地点-
結標「はぁ……はぁ……」
吹寄「大丈夫? 結標さん」
結標「だ、大丈夫大丈夫。ちょっと目眩がするだけ……」
吹寄「そ、それって結構危ないんじゃないの!?」
結標「ちょっと能力使いすぎちゃったかな? てへ」
吹寄「ふざけてないで少し休みましょ? ちょうど結標さんのおかげで後ろとの差は大きいし――」
<オラァぁああああああああああッ!!! <見つけたぞゴルァアアアアアアアアア!! <ブッ殺ォおおおおおおおスッ!!
吹寄「くっ、さすがは体育クラスってところか」
結標「ま、まかせて。すぐに後ろの方に飛ば――」クラッ
吹寄「ちょ、ちょっと結標さん!?」
結標「ぐうっ……」
体育A「ん? テレポートが来ない?」
体育E「ひゃはっ、疲れて演算する程体力が残ってねえんじゃねえの?」
体育B「そりゃあ好都合だ! 一気に差を付けられる!」
体育D「所詮は一般クラスってわけだ。体育クラスとの体力の違いが分からずに闇雲に走り回る」
体育E「なにそれカッコいい!!」ケラケラ
体育A「油断はするな。もしかしたら不意打ちの可能性も大いに考えられる」
体育C「うっす委員長」
体育B「覚悟せえやクソアマ共ォ!!」
結標「で……でいっ!!」ブン
体育A「ッ!?―――」シュン
体育B「オラァあ――」シュン
体育C「でえええ――」シュン
体育D「きえええ――」シュン
体育E「イエーイ――」シュン
結標「ぜぇ……ぜぇ……」
吹寄「だ、大丈夫?」
結標「へ、平気よ。これで少しは時間が……」
青ピ「おーい!! 二人ともー!!」
吹寄「あ、青髪!?」
土御門「にゃー、やっと追い付いたにゃー」
上条「しかしすげえな結標。まさか体育クラスの奴らと互角に渡り合えるなんてな」
結標「はぁ……はぁ……まあ、これでもレベル4だしね」
上条「何だか顔悪くねえか?」
結標「大丈夫、走ってて疲れてるだけだから……」
吹寄「結標さん、やっぱり少し休んだ方が良いわ」
結標「で、でも……」
吹寄「体を壊したらゴールも何もないし。まだまだゴールまでの道のりは遠いのだから」
青ピ「そうやでー。そない無理せんでもボクたちが先行っとくから」
土御門「青髪の言うとおりだぜい。お前の能力はただでさえ体力使うしにゃー」
結標「そ、そう。わかった、少し休ませてもらうわ」
土御門「よし! じゃあ俺達はさっさと進むぜいカミやん、青髪!」
青ピ「おしキタァ! ほな後ろが追いついてくる前にとっとと行きましょか!」
上条「お、おう! じゃあゆっくり休めよな結標!」
結標「わかったから早く行きなさい」
青ピ「よっしゃー!! デルタフォース出撃やでー!!」
ダッダッダッダッダッダッダッ!!
吹寄「……ふぅ、あの馬鹿ども元気ねえ」
結標「……そういえばアイツ今ごろどこ走ってんのかな?」
吹寄「アイツってアクセラの事?」
結標「うん。能力使用モードが制限されてるらしいから、今ごろぜぇぜぇ言いながら走ってるのでしょうね」
吹寄「彼そんなに体力ないの?」
結標「そりゃあビックリするくらいないわよ。この前なんか一緒に買い物に行こうとしてて一キロぐらい歩いただけで足がガクガクになってて」
吹寄「ふふっ、仲良いのね二人」
結標「えっ? そ、そう?」
吹寄「少なくとも仲悪そうには見えないわ」
結標「あはは、そう……なのかな?」
<オラァアアアアアアアアアア!! <ドッセエエエエエエエエエエエエエエエエエエイ!! <グワッシャァアアアアアアアアアアア!!
結標「……はぁ、もう来たか」
吹寄「安定の速さね」
結標「じゃ、出発しますか」スク
吹寄「えっ、もういいの?」
結標「大丈夫大丈夫。そろそろ目眩も治ってきたから」
吹寄「……そう、じゃあ行きましょ!」
―――
――
―
―
――
―――
同日 09:52 ~開始二二分経過~
-とある高校・放送席-
実況『――ええ、現在トップを走るのは一年七組の上条くん、土御門くん、青ピ(仮)くんです』
へそ出し『やっぱり面白いヤツだな彼は』
実況『どうかしたんですかへそ出しカチューシャさん?』
へそ出し『いいえ。何でもないのだけど』
実況『そうですか。次に続くのがさっきまでトップを走っていた一年七組の結標さんと吹寄さんです』
実況『その後ろに相変わらず体育クラスの脚力強化組です』
実況『さっきと同じように、近づいて来たら飛ばす近づいて来たら飛ばすの繰り返しの作戦を行っているようです』
実況『しかし、その作戦の要である結標さんの体力の消耗が激しいので、この作戦も長くは続かないかもしれません』
へそ出し『今は上条君たちが前にいてくれるおかげで、結標さんもやりやすいと思うのだけど」
実況『そうですね。しかしまだ距離は半分残っています。結標さんがダウンすれば、体育クラスの方たちは余裕でトップを狙える距離ですね』
へそ出し『その時までにどれくらい時間を稼げるかが問題というわけだな』
実況『ではその後ろを走る生徒は――』
―――
――
―
―
――
―――
同日 09:53 ~開始二三分経過~
-第七学区・第二区間八〇〇メートル地点-
一方通行「…………」テッテッ
一方通行(何か走るのが苦じゃなくなってきた)
一方通行(足を交互に早く前に動かすだけの単純な作業。そンな風に感じてくる)
一方通行(走り方一つ変えただけでここまで変わるモンなのか?)
一方通行(まあ、面倒事がラクに遂行できるだけここは喜ぶべきなんだろォな)
一方通行「…………」テッテッ
一方通行「…………あァ?」
姫神「はぁ……」
一方通行「姫神か?」カチ
姫神「ああ。アクセラ君?」
一方通行「こんなところで何やってンだよ?」
姫神「いや。ちょっと無理して疲れたから休憩中」
一方通行「無理って、マラソンってのは自分のペースで走るモンじゃねェのか?」
姫神「みんなと一緒に走ろうと思ったのだけど。思いのほかみんな早くて」
一方通行「そォか……そりゃあ残念だったな」
姫神「しかしアクセラ君すごいね。さっきまであんなにぜぇぜぇ言いながら走ってたのに」
一方通行「ああ、それなら理想的な走り方っつゥのを自己流で編み出してみたからな」
姫神「すごいね。私にはそんなことはできない」
一方通行「別にオマエはこンなどォでもイイことする必要ねェよ」
姫神「何で?」
一方通行「オマエはオマエのペースで、オマエのやり方で行きゃあいいだろ。マラソンなんだしよォ」
姫神「私の?」
一方通行「ああ、休みながらでも進んでいく。それで問題ねェンじゃねェか?」
姫神「……そうだね」
一方通行「じゃあ俺は行くが、オマエはどォする?」
姫神「私はもうちょっと休んでから行く」
一方通行「そォか。じゃあ精々頑張れよ」カチ
姫神「アクセラ君もね」
タッタッタッタッタッタッタッタッタッ
―――
――
―
―
――
―――
同日 09:58 ~開始二八分経過~
-第七学区・第三区間八〇〇メートル地点-
結標「……はぁ……はぁ……このっ!」ブン
体育A「――――――」シュン
体育B「どりゃあ――」シュン
体育C「ぐおおお――」シュン
体育D「せいやあ――」シュン
体育E「カモーン――」シュン
結標「……はぁ……ごほっ、ごほっ!!」
吹寄「結標さん大丈夫っ!?」
結標「だ、大丈夫だって。まだまだ……」
吹寄「休みたくなったら休んでも――」
結標「……絶対に」ボソ
吹寄「えっ、何?」
結標「絶対にみんなでスキーに行くんだから……」
吹寄「……そうね。がんばりましょ!」
<ドァアアアアアアアアアアア!! <ブワアアアアアアアアアアアアア!! ぶるあああああああああああああああああああ!!
吹寄「!? もう追いついてきた!?」
結標(疲れて飛ばせる距離が短くなってるっ!?)
吹寄「くっ! さすがに早すぎる!」
結標「安心して」クイ
吹寄「えっ?」
結標「今度はちゃんと遠くに飛ばす――ッ!?」グラッ
吹寄「結標さん! 危ない!!」
ゴキッ!!
結標「痛ッ!!?」
吹寄「大丈夫結標さん!? どこか痛むところは!?」
結標「くうぅ、ちょっと足をひねっちゃったみたい……」
吹寄「大変だわ! 今すぐ救護班に……!」
体育B「ああ? どうしたんだアイツら?」
体育D「怪我でもしたんじゃね?」
体育E「ぎゃははワロス、それなら好都合じゃね?」
体育C「よっしゃー、これでやっとまともに走れる!!」
体育A「……ふむ」
結標「……吹寄さん……先に行って」
吹寄「そ、それはできない!」
結標「私なら大丈夫」
結標「貴女は私と一緒にリタイアする必要はないから……最後まで走って!」
吹寄「で、でも……」
体育E「あひゃひゃひゃ、ざまあああああああねええええええ――」
結標「邪魔」ブン
体育E「ちょおま――」シュン
結標「お願い。私の分まで頑張ってちょうだい」
吹寄「……わかったわ。結標さんの分まで頑張るわ!!」
結標「じゃ、いってらっしゃい!」
吹寄「行ってきます!!」タッタッ
結標「…………」
結標「…………さあて、ここからは私がどれだけ時間を稼げるかよね?」
ウオオオオオオオオオオオオオオッ!! ヘイヘエエエエエエエエエエエエエエエエイ!! オラオラオラオラオラオラオラオラオラッ!!
結標「このぉ――うっ!?」
結標(こ、こんな時に吐き気が――ッ!?)
体育A「……テレポートが来ない」
体育D「いやっははは! 俺達の完全勝利だぜー!!」
体育E「何というメシウマ状態」ケラケラ
体育B「あとは前を走ってる雑魚どもを追い掛けるだけの簡単作業だぜ!!」
体育A「よし、では奴らを追うとしよう」
B・C・D・E「「「「了解委員長!!」」」」
結標「……く……そ……」
―――
――
―
―
――
―――
同日 10:00 ~開始三〇分後~
-とある高校・放送席-
実況『ただいま一〇時ちょうどとなります。マラソン大会開始から三〇分が経過しました』
実況『現在トップを走っているのは一年七組上条くん、土御門くん、青ピ(仮)くんの変わらぬ三人組です』
実況『しかし、今までとは状況が違います』
実況『次に体育クラスの五人組が彼らの後ろを激走しております」
実況『結標さんがダウンしたことにより、妨害が無くなった彼らは疾風の如く道路を駆け抜けて行きます』
実況『彼らの後ろにさっきまで結標さんと一緒にいた一年七組の吹寄さんが走っております』
実況『やはり、結標さんがいないのはさすがに辛いかあ!?」
へそ出し『ふむ。まあそうだな」
実況『この勢いなら一位は体育クラスの人たちでしょうかね?』
へそ出し『この展開からするにそうだろうな。結標さんが復活するなんて奇跡が起きれば別だけど』
実況『都合よくそんな奇跡起きませんよー!』
へそ出し『でもまあ、別の奇跡なら起きるかもしれないな』
実況『別の奇跡とは?』
へそ出し『……さあ……何だろうな?』
実況『?』
―――
――
―
―
――
―――
同日 10:02 ~開始三二分後~
-第七学区・第四区間〇メートル地点-
ピー
上条「はぁ……はぁ……!!」
青ピ「あと二五〇〇メートルか。ちょっと長いなー」
土御門「そういえばさっきの放送聞いたかにゃ?」
上条「ああ! 結標がダウンしたって言ってたな。心配だ……」
青ピ「そうやね。あんな頑張ってたんやからなー」
上条「くそっ! 今すぐにでも駆けつけたいが……」
土御門「それもあるけどすぐ後ろに奴らが来てるぜい」
青ピ「あー、何だかんだいっても姉さんの援護は大きかったんやなー」
上条「今はそんなこと言ってる場合じゃねえだろ!! 今は結標の遺志をついで一位を目指すべきだ!!」
土御門「カミやん。そんな当たり前の事今さら言う必要はないぜい」
青ピ「そうやでー、ここで一位を取ってスキーヤーガールズたちをナンパするんやでー」
ゴツン!!
青ピ「ちょ、本気で殴らんでもええんとちゃうん!? ちょっとしたジョークやん!?」
土御門「こんなちょっとしたシリアスなシーンにジョークは必要ないんだぜい!」
上条「そうだ!! テメェはちょっとは自重しろ!!」
青ピ「すみません」
<おおおお見えたぞおおおおおおおおおおおおおお!! <先頭の馬鹿どもだ!! <これで一位確定だな!!
土御門「チッ、もう追いついて来やがったかにゃー!」
青ピ「さすがに肉体強化系の能力者を生身で相手をするのは無理があるでー!」
上条「クソぉ! アイツらだけ能力禁止にするべきだろ!!」
土御門「こればかりは無能力者の遠吠えにしか聞こえないんじゃないかにゃー」
青ピ「そうだ! カミやんの右手でアイツらの能力どうにかできへん?」
上条「無理だ! 五人を相手に右手一本でさばき切れねえ!」
土御門「これは果てしなく無理ゲーだにゃー」
上条「あきらめんじゃねえ!!」
体育A「悪いが抜かせてもらうぞ」スッ
体育B「一年坊主のクセにおつー!」スッ
体育C「ザコは消えなサーイ」スッ
体育D「遅すぎワロタ」スッ
体育E「あひゃうへぐほほへへっ」スッ
上条「がァあああああああッ!! クソォおおおおおおッ!!」
土御門「あいつらすっげえムカつくにゃー!!」
青ピ「腹立つ!! エライ腹立つわ!!」
―――
――
―
―
――
―――
同日 10:08 ~開始三八分経過~
-第七学区・第三区間八〇〇メートル地点-
一方通行「…………」タッタッタッタッ
一方通行(おおォ、こりゃあすげェな)
一方通行(走っても走っても疲れねェ)
一方通行(疲れるところかテンションが上がってくる)
一方通行(これが噂に聞くランナーズハイってヤツかァ?)
一方通行(オイオイさっきまで『走る? 何それおいしいの?』状態だったのに、こンな短時間で『スターマリオ』状態ですかァ?)
一方通行「あはっぎゃはっ! 走るのって楽しいなァ!!」
一方通行「…………」タッタッタッタッ
一方通行(まァそンな事は置いといて、そろそろバッテリーが切れてもおかしくねェ頃だろ)
一方通行(通学中に十二、三分使って、このマラソン中に走ったのがニ〇分弱)
一方通行(単純計算で三〇分超えてるから、この今の状態のバッテリーの減る速度は遅いってことか)
一方通行(ま、どちらにしろ精々四五分とかそンなモンだろ)
一方通行(さっき通ったチェックポイントが二つ目だから、俺は五キロ走った事になる)
一方通行(つまり、あともう一回同じことを繰り返さなきゃいけねェっつゥことだろ)
一方通行「さァて、バッテリーは持つのかねェ?」タッタッ
一方通行「…………あァ?」スタ
一方通行「アイツは……」カチ
結標「…………」
一方通行「オイ結標」
結標「…………」
一方通行「もしもーし、結標さーン!?」
結標「…………」
一方通行「無視ですかァ? そろそろ反応しねェとブン殴りますよォ?」
結標「…………」
一方通行「ふン」
ゴツン
結標「――痛い!?」
一方通行「ホントに寝てやがったのかオマエ?」
結標「あ、一方通行?」
一方通行「何こンなところで豪快にサボってやがンですかァ?」
結標「……あれ? 私何やってたんだっけ?」
一方通行「ハァ? まだ寝ぼけてンのかァ? だったらもう一発ブン殴って目ェ覚まさせてやろォか?」
結標「ちょ、ちょっとタンマ! そんな暴力反――痛ッ!!」ズキ
一方通行「あァ? どォした?」
結標「あ、足痛ったぁ……」
一方通行「……捻挫してやがンのか?」
結標「何でこんなことに……はっ、マラソン!!」
結標「ねえマラソン大会の結果どうなったの!?」
一方通行「……まだ寝ぼけてンのかオマエ? ゴールしてねェンだから終わりもクソもねェだろ」
結標「そういえば放送委員の放送で何か言ってなかった?」
一方通行「知らねェよ。そンなモン走りながら聞いてられっかよ」
結標「そ、そう……」
一方通行「それより・…・ほらよ」スッ
結標「……何?」
一方通行「肩貸してやっから、とっとと警備員がいるところにでも行くぞ」
結標「そ、そんな、いいわよそこまでしてくれなくて……」
一方通行「うっせェよ、黙って手ェ掴めよクソが」
結標「う、うん……」ガシッ
―――
――
―
―
――
―――
一方通行「う、うわァ、重ッ……」
結標「ちょ、ちょっと女子に向かって重いってのはないんじゃない!?」
一方通行「うるせェ重いモンは重ェンだからしかたがねェだろ」
結標「単に貴方の腕力がないだけじゃないかしら!?」
一方通行「黙れ殺すぞ」
結標「やれるもんならやってみなさいよ! どうせ能力未だに制限されてんでしょ?」
一方通行「チッ、ふざけやがって……」
『ええと、現在競技が開始して四一分が経過しました』
一方通行「あァ? 何だこりゃあ?」
結標「多分放送部員の放送じゃない?」
一方通行「ああ、これがか」
結標「貴方これまで一体何やってたの?」
一方通行「ランナーズハイに入ってた」
結標「はあ?」
『いよいよトップがゴールへ近づいてきました』
結標「ど、どうなのかしら? 三人が逃げ切ってくれてるかな?」
一方通行「三人ってあの三下どもの事か?」
結標「うん、そうだけど」
一方通行「ヘェー、そンな前にいやがンのかアイツら」
『トップは、後ろのグループから四〇〇メートルという圧倒的な差をつけている体育クラスの脚力強化系のみなさんです!』
結標「そ、そんな……」
一方通行「まあ、そりゃそォだろォな」
『そしてその後ろに続くのが体育クラスのサッカー部員とバスケ部員に、何とその後ろに一年七組の三人組が食らいついています』
一方通行「ヘェ、アイツらやるじゃねェか」
結標「で、でも……これはもう、一位は無理よね?」
一方通行「当たり前だろ。四〇〇メートルとか馬鹿みてェな差ァ付けられてンだからよォ」
結標「そう……よね……」
一方通行「何をそンなに落ち込ンでンだ? たかがマラソン大会なンかで……」
結標「いや行きたかったなー、って思って」
一方通行「行きたかった? ……あァスキーにか」
結標「うん。みんなで……スキー行きたかった……」
一方通行「ハァ?」
結標「……思い出……作りたかったな……」
一方通行「あァ? 何泣いてンだよオマエ? キメェぞ?」
結標「う、うるさいっ!! しょうじゃない悔しいん……だから……」グスン
一方通行「…………」
一方通行「……チッ」カチャ
一方通行「…………」ピッピッピ
結標「な、何やってんの?」
一方通行「黙ってろ」
プルルルルルル、ピッ
『もしもしー! 今は競技中じゃないのー? どうしかしたのー? ってミサカはミ――」
一方通行「オイクソガキ。能力の制限を解除しろ今すぐだ!」
『えっ? 何で? あなたの能力はズルじゃな――』
一方通行「イイからさっさとしろクソガキ!!」
『な、何をそんなに怒っているの? ってミサカはミサカは少し戸惑ってみたり』
一方通行「打ち止め……頼む」
『だから何で? ってミサカはミサカはあなたの――』
一方通行「頼む」
『……う、うんわかった! 何だかよくわからないけど、黄泉川に怒られるかもしれないけど解除するね! ってミサカミサカは約束を破る悪い子になってみたり』
一方通行「イイ子だ」ピッ
結標「貴方……何をやって――?」
一方通行「ったくよォ、金さえ払やァいつでも実現できるよォな事で泣いてンじゃねェよボケ」
結標「な、何よ!? みんながみんな貴方みたいなお金持ちじゃないのよ?」
一方通行「ハイハイ、それぐらいわかってますよォと」
結標「何よそ――」
一方通行「じゃあ行くとするか……みンなでスキーってヤツによォ」カチ
結標「…………えっ?」
一方通行「…………」ヒュンカランコローン
結標「ちょっと貴方、杖なんか捨てて大丈――」
一方通行「しっかり掴ってろよ結標」ガバッ
結標「!? 何っ、これ!? これって――」
ドンッ!!
―――
――
―
―
――
―――
同日 10:15 ~開始四五分経過~
-とある高校・マラソンゴール地点-
実況『……おおっと! 先頭グループが見えてきました!』
実況『な、何ぃ!? こ、ここでラストスパートをかけた!?』
実況『す、すごいです! 今まで走りが何だったのかと思えるほど速いです!!』
へそ出し『今まで本気で走ってたわけじゃなかったということだな』
実況『圧倒的! 圧倒的過ぎる!! これが体育クラスの力なのかぁ!?』
実況『……ん? 何ですか? 今いいと――えっ?」
へそ出し『どうかした?』
実況『最新の情報が入ってきました! 今第四区間のチェックポイントをものすごい速度で通過した生徒がいるそうです!!』
実況『この速度のままコースを進んだら……一○秒後にはここに到達します!!』
実況『その生徒の名前は! ……ええと、いっぽうつうこう……くん?』
へそ出し『アクセラレータな』
体育B「……はあ!? 何だよそれ!? 誰だよアクセラレータって!?」
体育C「聞いたことねえよ! そんなヤツ学校にいたか!?」
体育D「しかも何だよ二五〇〇メートルを一〇秒って化け物かよ!?」
体育E「なんてこったい」
体育A(アクセラレータ……まさか!?)
体育C「くそお!! 大体何なんだよソイツ!? ふざけた名前しやがって!! 厨二病か!!」
一方通行「変な名前に加えて厨二病で悪かったなァ!?」シュイン
体育全員「!?」
実況『おおおっと!! 現れました一方通行さん! 低空飛行しながら何と結標さんをお姫様抱っこして登場しました!! これは恥ずかしい!!』
へそ出し『ふふふ、予想通り面白い事になった』
実況『結標さん顔真っ赤ですねー、微笑ましい限りです!』
結標「~~~~~~~~///(は、恥ずかしい……!!)」
体育C「何だよてめえ!! 女連れて走……飛んでじゃねえよ!!
体育E「彼女持ち裏山。リア充爆破白!!」
一方通行「あァ? 何わけわかンねェこと吠えてンだこの三下どもはァ?」
体育B「死ね死ね!」
体育D「クソが! だったら俺の全速力だゴルァ!!」
ドンッ!!
体育E「でた! Dさんのジェットフットスタンプダッシュだ!!」
一方通行「……へェー」
体育D「はぁ……はぁ……これなら」キョロ
一方通行「遅ェ」
体育D「何ぃいいいいいい!?」
体育B「まさかDのジェット(ryがッ!?」
体育A[まさか……ヤツは学園都市第一位の……!?」
一方通行「コッチは怪我人がいンだよ。さっさとゴールさせてもらうぞ」
ドォン!!
実況『ゴォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオルゥウウウ!!!』キーン
へそ出し『……うるさいんだけど』
実況『一方通行くん! 結標さんを抱えたまま颯爽とゴール!!』
実況『決まりました!! 今回のマラソン大会の優勝者は一年七組一方通行くんです!!』
―――
――
―
―
――
―――
上条「……あれ? 結局アイツ能力使えたの?」
土御門「にゃー、全部あの野郎に良いとこ取りされたにゃー」
青ピ「ボクらぁの苦労は何やったんやろうな?」
吹寄「おいお前ら! 今アクセラがゴールしたって?」
上条「ああ吹寄か? そうそうしかも結標抱えてな……ったく、うらやましいや――」
土御門・青ピ「「お前が言うな!」」
バキッ!!
上条「何でえ!?」
―――
――
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――
―――
姫神「……はぁ……はぁ……少し休憩」
姫神「…………」
姫神「アクセラ君。ゴールしたんだ」
姫神「…………」
姫神「おめでと。アクセラ君」
―――
――
―
―
――
―――
実況『これはすごいですねー、へそ出しカチューシャさん!!」
へそ出し『ふふふ、そうだな。カップル同士でゴールなんて普通に考えたらできないことだけど』
結標「か、カップルって~~~///」カァ
一方通行「……チッ、救護のヤツらはどこにいやがる?」
結標「……えっ?」
一方通行「使えねェヤツらだなクソが」
結標「あれ?」
一方通行「このまま直で冥土帰しのところに連れていくかァ?」
結標「……まさかさっきの放送聞いて……なかった?」
一方通行「あァ? どォした結標? 足でも痛むのか?」
結標「い、いやその……そ、それよりちょっと早く降ろして!」
一方通行「……? 何でだ?」
結標「そ、その……は、恥ずかしい///」
一方通行「あァ? 何くだらねェこと言ってンだ? そンなわけにはいかねェだろォが。オマエ足怪我してるし」
黄泉川「一方通行!!」
一方通行「おォ黄泉川か!」
黄泉川「お前何で能力使えるじゃん!?」
一方通行「あァ? ガキに許可させた」
黄泉川「……ったく、せっかく運動する楽しさを教えようと頼んだって言うのに」
一方通行「それなら大丈夫だ。さっきまでランナーズハイ入ってたから」
黄泉川「……はい?」
一方通行「それより結標が捻挫してンだ。すぐに病院にでも連れて行ってやってくれ」
黄泉川「えっ!? ホントじゃんかよ!? ほかの警備員達は何やってたじゃん!!」
一方通行「とにかく、早くコイツを――」グラッ
黄泉川「ちょ、ちょっと一方通行ァ!?」
一方通行「…………」ガクッ
結標「わっ!? 一方通行!?」
黄泉川「ちょっと危ないじゃん!!」ガシッ
一方通行(あァ? 体が……動かねェ……?)
黄泉川「バッテリーでも切れたのか?」
結標「でも電極ちゃんと付いてますよ?」
一方通行(……ああ……何か眠くなってきやがった……)
黄泉川「――――」
結標「――――」
一方通行(何言ってンだコイツら? まァイイや……)
一方通行(……俺は寝る…………)
―――
――
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―――
December Third Sunday 10:00
-第七学区・とある病院・とある病室-
一方通行「…………あァ?」
一方通行「ここは……どこだ?」ギョロ
一方通行「…………」
一方通行「とりあえず起き上が――」ピン
一方通行「痛ってェえええええええええええええええええええッ!!?」
冥土帰し「病院では静かにね?」
一方通行「……オマエか。つゥか、何で俺は病院のベッドなンかで寝てンだァ?」
一方通行「それにこの身体中を走り回るこの激痛は何だ?」
冥土帰し「ああ、それはね。筋肉痛だよ」
一方通行「筋肉痛だァ!?」
冥土帰し「そう。ただの筋肉痛だ」
一方通行「……オイオイ冗談はやめとけよ。俺が知ってる筋肉痛は入院するほどの怪我じゃねェンだよ」
冥土帰し「いいや。正真正銘筋肉痛だ」
一方通行「……じゃあ何で俺入院してンだ?」
冥土帰し「キミは普段から運動をしていないね?」
一方通行「まあそォだな。する必要ねェし」
冥土帰し「だから君の身体は極度な運動不足だったってわけだ」
一方通行「まァ否定はしねェよ」
冥土帰し「そンな身体で全力でマラソンに臨んだらしいじゃないか?」
冥土帰し「さらにキミの保護者から聞いたけど、ランナーズハイにまでなったそうじゃないか?」
一方通行「あァ、たしかにランナーズハイにはなった」
冥土帰し「そこまで全力で運動したらキミの身体は持たないんじゃないかな?」
一方通行「……あー、だから俺入院してンのか」
冥土帰し「やっと理解してもらえたかな? じゃあ僕は行くけど、ちゃんと安静にしておいてね?」
ガラララララ
一方通行「…………」
一方通行「くっだらねェ」
一方通行「寝よ」
―――
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―
―
――
―――
同日 13:00
-第七学区・とある病院・とある病室-
「――――ふふふ、あの時はよくもあんな恥ずかしい事をしてくれやがったわね」
一方通行(あァ? 何だァ? 誰かそこにインのかァ?)
「ぬふふふ、私のこのスーパーデラックスマジックペン(定価245円)が火を噴くわ」
一方通行(この声は……結標かァ? マジックペン? 火を噴くわ? ……ッ!?)
結標「よし!! いざ参……る?」
一方通行「…………」ギロ
結標「オハヨウゴザイマスアクセラレータサンキョウモイイオテンキデスネ」
一方通行「オマエ何してやがンだコラ。それに今は昼だ」
結標「やだ何言ってんの? 別に悪戯しようとか思ってないし」サッ
一方通行「じゃあ今背中に隠したモン見せてみろや」
結標「だが断る」
一方通行「殺すぞ」
結標「……ふふふ。そんなこと私に言ってもいいのかしら?」
一方通行「あァ?」
結標「筋肉痛で動けないんでしょ?」
一方通行「……そォいえば筋肉痛だったな俺」
結標「おい」
一方通行「で、それがどォしたってンだ?」
結標「だから、身体が動けなかったらいろいろと不自由なんじゃない?」ニヤニヤ
一方通行「……何が目的だ?」
結標「べーつにー?」ニヤニヤ
一方通行「まァイイや。泣かす」カチ
結標「……あれー? 筋肉痛で動けないんじゃなかったかし……ら?」
一方通行「とりあえず一発殴っとくか」
ガン!!
結標「しくしく本気で殴ってきたしくしく」
一方通行「しくしくとか口で言ってンじゃねェよ嘘泣き確定じゃねェか」
結標「でも泣きたいのはホントよ」
一方通行「死ね」
結標「この状態でその言葉を投げかけてくるなんて、貴方ってホント酷いわね」
一方通行「知るか……つゥか、オマエ足の怪我の調子はどォだったンだ?」
結標「ああこれ? ギプス付けて松葉杖生活だけど、今週の金曜日ぐらいには治るそうよ」
一方通行「捻挫って三週間くらい安静じゃねかったか?」
結標「えっ、そうなの?」
一方通行「……チッ、さすがは冥土帰しってことか」
結標「まあこれで貴方とお揃いね」
一方通行「何がだ?」
結標「杖を使わないと歩けないところ」
一方通行「あァ? 喧嘩売ってンのか? 俺の杖はそンなにダサくねェよ」
結標「ええっ!! そんなに変わらなくない!?」
一方通行「わかんねェかなァ、このトンファーみてェな形状の良さが」
結標「……やっぱり貴方って厨二病ってやつよね」
一方通行「よォし今度は何発殴ってやろォかァ!?」
結標「ごめんごめんゆるして!」
一方通行「……チッ」
結標「……そうだ。リンゴ食べる?」
一方通行「いらね」
結標「ええー、そこは食べようよー」
一方通行「いらね」
結標「ちぇー、せっかく剥いてあげようと思ったのに」
一方通行「お前が剥いたら芯しか残らねェよ」
結標「何それ? 私がリンゴの皮を剥けないって言うの?」
一方通行「オマエに剥かせるくらいなら俺が剥くわ」
結標「えっ、ホント!? じゃあ剥いて!?」
一方通行「ハァ!? 何で俺が……」
結標「さっき貴方が剥くって言ったじゃない」
一方通行「面倒臭ェ」
結標「……ああ! まさかホントは剥けないんだー?」ニヤニヤ
一方通行「あァン!? 何言ってンだこのババァはァ!?」
結標「あれでしょ? 剥けないから断ってるんでしょ?」
一方通行「わかった剥けばイインだろォ!? 寄越せ!! キレイに皮だけ剥ぎ取ってやる!!」
結標「はい! じゃあウサギやってよ!」スッ
一方通行「ウサギ? 何だそりゃあ?」
結標「えっ、知らないのウサギ?」
一方通行「いや、ウサギは知ってるけど。リンゴとウサギの接点が見当たらねェンだけど」
結標「……はぁ……ダメだこりゃ」
一方通行「面倒臭ェからそのまま剥くわ」カチ
一方通行「…………」コン
結標「?」
ズバッ!!
結標「何と!?」
一方通行「ベクトル操作で余裕だろ」カチ
結標「何と万能な能力。一家に一台欲しいわね」
一方通行「俺は家電製品じゃねェぞ」
結標「しかもあらかじめ八等分に切ってくれてるこの優しさ!」
一方通行「無視かよ」
結標「じゃあいただきまーす」ハグ
一方通行「……つゥか、オマエが食べてかっただけじゃねェのか?」
結標「あ、バレた?」
一方通行「はァ……別にイイけどよォ……」ゴロン
結標「…………」モグモグ
一方通行「…………」
結標「…………」シャクシャク
一方通行「……つゥか、それ食ったらオマエ帰れよ。ゆっくり寝れねェから」
結標「えっ!? 私との会話イベントより睡眠の方が大事!?」
一方通行「当たり前だ。帰れ」
結標「くそぅ……結構傷つくわ、その一言」
一方通行「嘘乙」
結標「……まあいいわ。じゃあ私帰るわ」カコン
一方通行「おォカエレカエレ。つゥかリンゴ全部食っていけよ」
結標「もともと貴方へのお見舞いの品の中に入ってたのだから、貴方が食べればいいんじゃない?
一方通行「俺は甘いモンは食わねェ」
結標「はは、言うと思った」
一方通行「そォかよ」
結標「あ、そういえば一方通行?」
一方通行「ンだよ?」
結標「昨日の占いの事だけどさ」
一方通行「占い? ああ、アレか。それがどォした?」
結標「ラッキーアイテム当たってたね」ニコ
一方通行「ハァ?」
結標「じゃ、またね」カコンカコン
ガララララ
一方通行「…………」
一方通行「何だ言ってンだアイツ?」
9.冬休み
December Third Friday 11:35 ~帰りHR~
-とある高校・一年七組教室-
小萌「――はい! ということで明日から冬休みとなります」
<いえーい!! <いやっほぉおおおおおおう!! <HOOOOOOOOO!! <キタコレ!!
小萌「くれぐれも羽目を外し過ぎないようにしてくださいねー!」
<はーい!!
小萌「あ、ちなみに前回の期末テストで赤点を取った生徒は、冬休み中に補習がありますので忘れないでくださいねー」
<ええええええええええええええ!!
上条「がァあああああああああッ!! 不幸だァああああああああああ!!」ガシガシ
青ピ「良かったやんカミやん! 冬休み中も小萌先生と会えるで!」
上条「よくねえよ! くそォおおッ!! せっかくの休みがァ!!」
土御門「にゃー、これはもはやカミやんにとって逃れる事の出来ない運命なんだろうにゃー」
上条「嫌だ!! そんな運命!!」
土御門「おとなしく行ってくるにゃー」
青ピ「せやで。行かへんかったら行かへんかったで小萌先生泣くでえ?」
上条「うっ!? それを言うなよ……」
一方通行「……はァ、うるせェヤツらだな」
結標「何のんきな事言ってんの? 貴方も補習メンバーでしょ?」
一方通行「…………は?」
結標「赤点取ってたじゃん。国語の一〇点」
一方通行「あァ? 一〇点だァ? 何言ってやがンだ、俺は全教科一〇〇点だったろ?」
結標「何勝手に記憶を良いように改竄してるのよ? 国語が一〇点、古文が四二点、英語が八六点、と一〇〇点じゃない教科が三つあるじゃない」
一方通行「嘘ばっか言ってンじゃねェぞ。俺は学園都市第一位の一方通行だぞ?」
結標「嘘なんてついてないわ! きちんとこの目で見たもの!」
一方通行「じゃあ証拠を見せてみろよ! そしたら信じてやるよ!」
結標「はい」スッ
一方通行「あァ?」ジロ
つ携帯電話のディスプレイに映る証拠写真
一方通行「…………」
結標「どうよ?」
一方通行「……これ合成写真じゃね?」
結標「どんだけ信じたくないのよ。いい加減現実を見なさい現実を」
一方通行「オイオイマジかよォ……あれは夢じゃねかったのかよォ……」
結標「ようやく現実に戻ってきたか」
一方通行「結標、俺は一体どうすればイインだァ?」
結標「おとなしく補習にいってらっしゃい」
一方通行「(´・ω・`)」
同日 11:45 ~放課後~
-とある高校・一年七組教室-
青ピ「いやーやっと冬休みやなー」
土御門「にゃー、待ち遠しかったぜい冬休み!」
上条「くそ、うらやましいヤツらめ……」
一方通行「ホントだよなァ」
土御門「そういえばアクセラちゃんも補習かにゃー」ニヤニヤ
青ピ「頭良いからちょっと以外やなー、ぷぷっ」ニヤニヤ
一方通行「ホントうらやましィわァ、ブチ殺したくなるくれェうらやましィわァ」カチ
土御門「ちょ、ちょっとタンマ! 冬休み前に大怪我とかマジ勘弁だにゃー!」
青ピ「そうやで! 病院内で年明けるなんてまっぴらごめんやでー!」
一方通行「安心しろ、オマエらには永遠の休暇を与えてやるからよォ」ゴキゴキ
青ピ「そんな休暇いらへんわー!!」ドタドタ
土御門「にゃー!!」ワタワタ
ワイワイガッシャーンドッコーン!!
吹寄「……まったく! うるさいぞ馬鹿ども!!」
結標「あの馬鹿、何してんだか」
姫神「結標さん。そのギプス今日取れるんだっけ?」
結標「ええ、その予定よ」
吹寄「ホントごめんなさい。私たちがもっと足が速かったら……」
結標「い、いやいやそんなことないって! それにあれは私が勝手にコケただけだし……」
姫神「でもすごかったねアクセラくん」
吹寄「そうよね。体育クラスの上級生相手に逆転ゴールするなんてね」
姫神「そういえば。学校新聞に写ってたね」
結標「写ってたって何が?」
姫神「二人が」
結標「誰が?」
姫神「あなたとアクセラ君」
結標「えっ?」
吹寄「ああ、あのゴールした後の写真ね」
結標「そ、そのゴールした後の写真ってまさか……」
姫神「そう。あなたが思っている通り。結標さんがアクセラ君にお姫様抱っこされてる写真」
結標「えっ? ま、まさかそんな恥ずかしい写真が全校生徒に公開されてるって言うの!?」
吹寄「し、知らなかったの? 掲示板に普通に貼られてたのだけど」
結標「掲示板なんてどこにあるのか知らないんだけど……」
吹寄「……まあ、ドンマイ」
姫神「がんばれ」
結標「~~~~~~~///」カァ
姫神「しかし彼は一体。何者なのだろうか?」
吹寄「たしかにそうよね。前は肉体強化系みたいな能力とか言ってたけど、あれは確実に違うわよね?」
姫神「どう肉体強化したら。空中を高速で飛行できるのだろうか」
吹寄「ホント彼は何者なの?」
姫神「うーん……」
結標「あ、ああ実は彼レベル5なのよ」
吹寄・姫神「「え?」」
一方通行「オラァ!!」ドォン
青ピ「ひー!」
土御門「にゃー!」
上条「やめろ一方通行!! こいつらはどうでもいいけど教室が壊れる!!」
青ピ「えっ!? 親友たちの命より教室の方が大事なん!?」
上条「誰が親友だ! この悪友どもめ!」
土御門「カミやんひどいにゃー」
一方通行「チッ、くっだらねェ」カチ
吹寄「ねえアクセラ?」
一方通行「あァ?」
吹寄「あなたがレベル5っていうのはホント?」
一方通行「……ああ、まァそォだが」
青ピ「えっ!? アクセラちゃんってレベル5やったん!?」
姫神「何で今まで隠してたの?」
一方通行「別に隠す気はねェよ。聞かれなかったから言わなかっただけだ」
吹寄「す、すごい! こんな学校にレベル5の人が転入して来てたなんて……」
青ピ「どっひゃー! なんてこったい!」
結標(レベル5ってそんなにすごいのね……)
上条「…………」
姫神「上条君。全然驚いてない?」
上条「ああ、実は俺一方通行と会ったことあるから知ってたんだよな」
姫神「そうなんだ」
吹寄「上条貴様! 何でそんな大事な事今まで言ってくれなかったのよ?」
上条「別に俺の口から言う事でもないだろ? もしかしたら本人からしたら、言いふらされることが嫌かもしれねえし」
吹寄「たしかに……そうね」
一方通行「俺は気にしちゃあいねェけどな」
土御門「しかもアクセラちゃんは七人のレベル5の中でも第一位なんだぜい!」
青ピ「な、なんやてー!?」
吹寄「だ、だ、だ、第一位ってあの第一位!?」
一方通行「何だよそのリアクション?」
結標「あれ? 土御門君もこの事知ってたの?」
土御門「それなりに情報通だからにゃー」
上条(さすが多重スパイ……)
青ピ「なあなあアクセラちゃん!」
一方通行「あァ?」
青ピ「第一位ってことは学園都市で一番頭が良いってことやろ?」
一方通行「……まァ、そォだろォな」
青ピ「ほなぁ何で赤点なんか取ってんの?」プププ
一方通行「オマエどンだけ死にてェンだよ?」カチ
青ピ「わっ、ストップストップ冗談やないかー!」
一方通行「……チッ」カチ
土御門「ま、そんなことよりこれからの事を話し合うとしようぜい!」
吹寄「これからのこと?」
上条「何じゃそりゃ?」
土御門「もちろん決まってるにゃー! 二学期終了記念の打ち上げだにゃー!!」
結標「そういえば、そんなこと話してたわね、テスト期間中に」
青ピ「たしかボウリングとか言ってへんかったかな?」
土御門「ボウリングでもいいんだけど、結標が怪我してるからスポーツはやめた方がいいにゃー」
結標「別にそんな気を遣わなくてもいいわよ! 今日でこのギプス生活とおさらばの予定だから」
吹寄「でも結標さん。捻挫っていうのは治ってからもしばらくは運動は控えた方が良いのよ?」
上条「そうだぜ。ボウリングしててうっかりまた怪我しちまったらマズいからな」
土御門「というわけで、ボウリングはなし――」
結標「だ、ダメよ! 私一人のためにそんな……」
一方通行「…………」
結標「それに最悪私は見てるだけでも大丈夫だし、それに――」
上条「……わかった。じゃあ行こうぜ! ボウリング!」
吹寄「そうね。そこまで言うのだったら」
姫神「異論なし」
青ピ「ほなボウリング決定やなー土御門くん?」
土御門「……そうだにゃー。じゃあ今日はボウリングでストレス発散と行こうぜい!」
みんな「おー!!」
土御門「じゃあ言ったん家に帰って後、ボウリング場に現地集合ということで、何時に集合にするにゃー?」
吹寄「第七学区でボウリング場っていえばあそこしかないわね」
姫神「あそこって?」
上条「メインストリートの近くにでっかいゲーセンみたいなのがあってな。ここから二〇分もしねえんじゃねえか?」
姫神「ああ。あの派手でうるさいところ?」
青ピ「そう、そこそこ」
土御門「何時くらいに集合できそうかにゃー?」
吹寄「帰ってから昼食食べて、そこに行くのだったら大体二時くらいかしら?」
姫神「同じく」
青ピ「ボクもそれくらいなら余裕やでー」
土御門「なら二時集合で大丈夫かにゃー?」
一方通行「ちょっと待て」
土御門「どうかしたかにゃー?」
一方通行「その時間だったら、俺たちは一旦病院に寄っていくから少し遅れるかもしンねェぞ?」
結標「別に病院に行ってから直で行けばよくない?」
一方通行「あァ? このクッソ重ェ鞄を持って行動すンのかよ?」
結標「重い? この鞄が?」ヒョイ
一方通行「オイ勝手に俺のモンに触ンじゃねェ!」バッ
結標「普通に軽いじゃない?」
一方通行「俺は基本的には能力使わねェと力入ンねェンだよ!」
結標「元々筋肉がないって正直に言えばいいのに……」
一方通行「ンだとォ!?」
土御門「じゃあ、コインロッカーにでも入れとけば良いんじゃないかにゃー?」
一方通行「あァ? コインロッカーだァ?」
結標「おお! それは名案ね!」
吹寄「コインロッカーならその辺にいっぱいあるしね」
結標「これなら普通に間に合うんじゃない? ね、一方通行」
一方通行「……チッ、わかったよ」
土御門「じゃあ、各自昼メシを食べてきて二時に第七学区の巨大ゲーセン集合ってことでオッケー?」
みんな「問題なし!」
土御門「よし、じゃあ一旦解散にゃー!!」
―――
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――
―――
同日 12:30
-第七学区・とある病院-
結標「こんにちはー!」カコンカコン
一方通行「…………」カツンカツン
冥土帰し「おや、二人ともこんにちは。結標さん足の調子はどうかな?」
結標「別に痛みとかはないと思うわ」
冥土帰し「そうか。それならよかった」
一方通行「オイ冥土帰し」
冥土帰し「何かな?」
一方通行「電気もらうぞ。コイツの充電をする」コンコン
冥土帰し「別に構わないよ?」
結標「あれ? 今日そんなに能力使ってたっけ?」
一方通行「チカラ使わなくてもバッテリーは減ってンだよ」
結標「でもそれって微々たるものでしょ?」
一方通行「万が一のためだ」
結標「万が一って?」
一方通行「何でもねェよ。とっととそのみすぼらしいギプス取ってもらえよ」
結標「なっ、みすぼらしいって何よ?」
一方通行「事実だろォが」
結標「こ、この野郎……」プルプル
冥土帰し「まあまあ落ち着いて。じゃあそこのベッドに座ってもらえるかな?」
結標「は、はいすみません!」バッ
冥土帰し「ええと、ギプスが付いてる方の足を出してくれるかな?」
結標「はい」スッ
冥土帰し「よし、じゃあ取るよ」スッ
結標「……な、何ですかそのノコギリみたいな機械は?」
冥土帰し「ギプスを切るためのカッターだ。何も怖がる必要はないよ?」
ウィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン
結標「い、い、今でもギプスごと足を切断しようと言わんばかりの回転音が聞こえてくるんですが?」
冥土帰し「大丈夫だ。君の身体には傷一つ付かないからね?」
ウィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン
結標「そ、そんなこと言われても怖いものは怖いんですけど!?」
冥土帰し「ちょっと動かないで」
ウィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン
結標「そ、そ、そ、そうだ一方通行。貴方の能力を使えばギプスなんて余裕で外せるわよね!?」
一方通行「あァ? 医者が取ってくれるモンを何で俺がわざわざ取らなきゃいけねェンだ?」
ウィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン
結標「そ、そ、そんなこと言わずに助けてよ一方通行ぁ!!」
一方通行「大人しく逝ってこい」
ウィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン
結標「ぎゃァァァあああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!!」
※病院内ではお静かに
―――
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―
――
―――
ポロッ
冥土帰し「はい取れたよ」
結標「……ぜぇ……ぜぇ……死ぬかと思った」
一方通行「うっせェンだよ」
冥土帰し「足を動かしてみて、何も異常はないかな?」
結標「ええと……何も異常はありません」
冥土帰し「じゃあ普通に歩けるかい?」
結標「……大丈夫です」ペタペタ
冥土帰し「よし、なら大丈夫だね」
結標「……はぁ、何か疲れた」ドスン
一方通行「そりゃあ、あれだけ泣き叫びゃあ疲れるだろォよ」
結標「な、泣いてなんかいないわよ!」
一方通行「ハイハイそォですよねェ、泣いてなンかいないですよねェ」
結標「何それすっごいムカつく」
結標「……って、何かギプス付いてた足がベタベタする」
冥土帰し「それならこれを使うといいよ?」スッ
つ『超消臭!超消毒!ウェットペーパーS!!緑茶成分配合』
結標「……何かこれを見ると足が臭いと言われてるみたいで嫌ね」
一方通行「事実臭ェンじゃね? 五日間ぐらい洗ってねェンだから」
結標「ま、まあそうよね。洗ってないんだからしょうがないよね」
一方通行「つゥか、元々臭――」
シュン! ガン!!
一方通行「痛ってェ!? 何しやがンだオマエ!! 椅子を頭上にテレポートさせるとか馬鹿かオマエ!?」
結標「いや、何か貴方がとても失礼な事を言おうとした気がしたから」フキフキ
一方通行「気がしただけでテレポートさせてくンじゃねェ!!」
結標「じゃあ何て言おうとしたのよ?」
一方通行「いや、だから元々臭ェンじゃねェかな、と」
シュン! ガンガンガンガンガンガンガンガンガンガン!!
一方通行「ちょ、オマエ! 危ねッ!? オイ、ふざけんじゃ――って痛ッ!?」
結標「やっぱり失礼な事言おうとしてたんじゃない!!」
冥土帰し「ちょ、ちょっと病院の物をむやみに武器にしないでくれないかな?」
一方通行「ったく、何を怒ってンだオマエ? 多少臭ェくれェで――」
シュン! ガンガンガンガンガンガンガンガンガンガン!!
一方通行「がァ!? ゴフッ!? クソっ!! 痛ッ!? 死ぬッ!!」
結標「死ね!! 死ね!! 死ね!! 百回くらい死ね!! このクソボケゴミカスバカ野郎ォ!!」
冥土帰し「ああ……機材が……」
―――
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――
―――
一方通行「」ピクピク
結標「で、冥土帰しさんに話があるんですけど」ギロ
冥土帰し「は、はい! 何かな?」アセ
結標「この足でボウリングって可能ですか?」
冥土帰し「ぼ、ボウリングってあの球を転がすやつかな?」
結標「たぶんそれです。友達から聞いたんですけど、捻挫が治った後もしばらく運動はしない方が良いって……」
冥土帰し「うんそうだね。足に負担のかかる運動は極力控えた方が良いね」
結標「どうしてもですか?」
冥土帰し「うーんできればやめた方がいいんだけどねえ?」
結標「そう……ですか」シュン
冥土帰し「ふむ。まあ、どうしてもっていうなら方法はなくはないんだけどね?」
結標「ほ、ホントですか!」ガタ
冥土帰し「ええと、ちょっと待っててくれるかな?」テクテク
~五分後~
冥土帰し「これを使えばそれなりの運動にも耐えられるはずだ」
結標「これって……何ですか?」
冥土帰し「足を外部からの衝撃から守るサポーターみたいなものだよ」
結標「これを付ければボウリングができるんですか!?」
冥土帰し「うんそうだね。じゃあこれを君に渡そう」
結標「えっ? いいんですか?」
冥土帰し「患者に必要なものは何でも揃えるのが僕の主義でね」
結標「あ、ありがとうございます!」
冥土帰し「でも無理は禁物だからね? ではお大事にね?」
結標「ありがとうございました! ほら一方通行、さっさと起きなさいよ」
一方通行「……あァ? 俺は一体何をしていたンだ?」
結標「何馬鹿な事言ってんのよ? 先行ってるわよ?」スタスタ
一方通行「お? おォ……」
冥土帰し「……一方通行」
一方通行「何だよ?」
冥土帰し「君はデリカシーというものを勉強した方が良いかもね?」
一方通行「?」
―――
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―――
10.打ち上げ(前篇)
December Third Friday 13:59
-第七学区・とあるアミューズメント施設・前-
土御門「にゃー。待たせたぜい!」テクテク
吹寄「遅い! 五分前集合が常識でしょ!」
青ピ「まあ間に合ってんやからええやないの」
姫神「上条君は?」
土御門「カミやんは……もうちょっとかかりそうだぜい」
姫神「また。あの暴食シスターか」
土御門「御名答」
青ピ「あとはカミやんとアクセラちゃんと結標の姉さんやな」
土御門「アクセラたちはまだ来てなかったのかにゃー?」
吹寄「二人は病院が長引いているのかしらね? 上条はどうせくだらない理由で遅れてるのでしょうが……」
一方通行「ったく、遅れるヤツの気がしれねェな」
吹寄「ホントよね……って」
土・青・吹・姫「「「「えっ!?」」」」
一方通行「あァ?」
姫神「アクセラ君。いつの間に」
一方通行「つい五秒前くらいに来た」
吹寄「結標さんは?」
一方通行「さあ? そろそろ来ンじゃねェか?」
吹寄「何でそんな疑問形なのよ?」
結標「おーい!!」
青ピ「ん? おっ、結標の姉さんや! おーい!」
一方通行「やっと追い付いたか」
姫神「追い付いた?」
一方通行「おォ。あと十秒で集合時間だったから能力使って先にここに来た」
土御門「結構それひどくないかにゃー?」
結標「遅れてごめーん!!」タッタッタ
吹寄「どうしたの? 病院の検査が長引いてたの?」
結標「いや、そういうわけじゃないのだけど……」ギロ
一方通行「ちょっと用事を思い出した」カツンカツン
結標「待てこら」ガシ
一方通行「オイ離せ。俺は悪くねェ」
結標「遅れたのは全部貴方のせいでしょうが!」
姫神「どういうこと?」
結標「こいつコインロッカーに入れるための小銭持ってなかったのよ!」
青ピ「財布を持ってへんかったってこと?」
一方通行「勘違いしてンじゃねェ。俺は基本的にはカードでしか買い物しねェンだよ」
吹寄「で、でもそれなら自販機とかどうしてるの? さすがにあれは現金じゃないと」
一方通行「現金ぐれェそれなりに持ち歩いてる。だけど、たまたまあの場に小銭がねかったンだよ」
結標「貴方が自販機で缶コーヒーばっか買ってるからでしょ!?」
一方通行「うるせェな。人の買い物にケチ付けてんじゃねェよ」
土御門「結局どうして遅れてたんだにゃー? アクセラが小銭を持ってなかったことはわかったんだが」
結標「ああ、それでこいつは『小銭ねェから両替してくる』って言ってどこかに行ったわけよ」
吹寄「それで?」
結標「で、そのまま二〇分は待ったわ!」
姫神「何をやってたの? アクセラ君」
一方通行「あァ? 両替機を探しに地下街をさまよってた」
姫神「それで見つかったの?」
一方通行「まァな」
結標「という事で、ここに来るのも遅れたと言うわけよ」
一方通行「遅れたのはオマエだけだろ」
結標「貴方はチート能力使ったから無効よ!」
一方通行「何だよ? 無効って」
吹寄「まあまあ二人とも落ち着いて!」
姫神「ケンカよくない」
結標「あ、うん、ごめん」
一方通行「落ち着くも何も俺は端から落ち付いてンだけどな」
青ピ「てか、それなら姉さんがアクセラに小銭を貸してあげればよかったんとちゃうん?」
一方通行「…………」
結標「…………」
姫神「気付いてなかったんだね」
吹寄「で、あとはあの馬鹿野郎だけというわけだが……」
~30分後~
吹寄「おっそーい!! 何やってんのよ上条の馬鹿は!?」
青ピ「さ、さあ?」
吹寄「土御門ォ!! お前はあいつと同じ寮だったわよね!?」
土御門「は、はい!」
吹寄「あいつは何をやってたのよ!?」
土御門「お、俺が部屋を出る時は昼食を作ってました!」
吹寄「作ってた!? 何でそんな時間に昼食を作る必要があるのよ!?」
土御門「か、カミやんにもいろいろ事情があるんだにゃー!」
一方通行「……ああ、インデックスのヤツか」
姫神「暴食シスター。相変わらず自重しない」
上条「みんなスマーン!!」タッタッタ
青ピ「おっ! カミやーん!! 遅いでー!!」
上条「同居人の昼メシ作って遅れた上にここまでの道の全信号に引っ掛かっちまったー!」タッタッタ
姫神「自重しないのは右手もだった」
一方通行「相変わらずの不幸だなァオイ」
結標「そうねえ。かわいそうになってきた」
吹寄「かーみーじょー」ユラ
土御門「!? カミやん! 避けろ!!」
上条「へっ?」タッタッタ
吹寄「いくら何でも遅すぎるでしょォおがァァあああああああああああッ!!」バッ
上条「げっ! すみませ――」
ゴツン!!
上条「ごふっ!!」バタ
青ピ「カミやァァあああああああああああああん!!」
姫神「綺麗に。頭突きが決まった」
土御門「カミやんェ……」
結標「吹寄さん……怖い」ガクブル
一方通行「次からは遅れないように努力しよう」ボソ
―――
――
―
―
――
―――
同日 14:40
-とあるアミューズメント施設・ボウリングコーナー-
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロガコーン!!
上条「……痛ってー、頭がグラングランする」
姫神「大丈夫?」
吹寄「貴様が遅れるのが悪いのよ!」
上条「いやですね吹寄さん。こちらにも言い分というものがありましてね?」
吹寄「聞かん!」
上条「ひどい!!」
一方通行「三下ァ。またインデックスのヤツか?」
上条「ああ、いつも通り変わらない食欲でしたよ。おかげでこっちは昼食抜きですよあはは」
結標「そ、それはさすがにかわいそうね」
一方通行「あとで何か適当に食い物でも奢ってやるよ」
上条「い、いいんですか一方通行さん!!」
一方通行「お、おォ。別にオマエくらいの食費なンざ安いモンだ」
上条「ありがとうございます!!」ドゲザ
一方通行「お、オイ! こンなところで土下座なンかしてンじゃねェ!」
青ピ「あー、アクセラさんがカミやんを土下座させてるでー!」
土御門「これはどういう土下座なんだろうにゃー?」
一方通行「ちょ、オマエら! 余計な事言ってンじゃねェよ!」
<なんだなんだ? <恐喝? <カツアゲ <あの白い人コワイ <ヤンキーか? <風紀委員呼ばないと
一方通行「言わンこっちゃねェ! 何か変な誤解が生まれちまったじゃねェか!」
上条「? どうしたんだ一方通行? 俺でよければ力になるぜ?」(キリ
一方通行「主な原因はオマエだよ!」
上条「えっ?」
吹寄「おい馬鹿ども! そんなところで遊んでないで早くこっちに来なさい!」
三バカ「はーい!」
一方通行「コイツら……」
―――
――
―
―
――
―――
吹寄「この用紙にプレイする人の名前を書くらしいわ」
土御門「今回は俺、吹寄、カミやん、青髪ピアス、姫神、アクセラの六人かにゃー?」
結標「ちょっと! 私を忘れないでよ!」
姫神「でも結標さん。さっきまで捻挫してたんじゃ?」
結標「大丈夫よ! 医者からサポーターを貰って来たから!」シャキーン
青ピ「おお! 何やこの見たこともない形のサポーターは?」
結標「あらゆる衝撃から足を守る高性能サポーターよ!」
吹寄「なら大丈夫そうね」
土御門「それじゃあ結標も参加という事で七人だにゃー」
上条「じゃあ、とっとと名前を書くとしようぜ!」
姫神「七人は多いから。二組に分けた方が良くない?」
青ピ「せやな。じゃあグーパーで三人と四人にわけようや」
一方通行「何だよグーパーって?」
結標「えっ? グーパーも知らないの?」
土御門「ジャンケンのグーとパーどっちか出して、グループ分けさせるのに使う方法の中の一つだにゃー」
一方通行「へェ、そンなモンがあったのか。サッパリ知らなかった」
結標「貴方常識知らなすぎでしょ?」
一方通行「仕方がねェだろ。そォいうのに縁のねェ環境で育ってきたンだからよォ」
吹寄「じゃあ分けましょ。グーとパーでわかれましょ!」
―――
――
―
―
――
―――
グーチーム パーチーム
1.アオピ 1.モトハル
2.アイサ 2.セイリ
3.アワキ 3.トウマ
4.アクセラ
姫神「よし。できた」
上条「つーか何でそっちのチーム全員名前が『ア』から始まってんだよ」
青ピ「うはっ、ホンマやん!」
土御門「これは何かの策略かにゃー」
一方通行「ジャンケンに策略もクソもねェだろ」
吹寄「じゃあカウンターに持って行くから、そこら辺で待ってて!」テクテク
結標「いってらっしゃーい!」
土御門「にゃー! 久しぶりのボウリング。腕が鈍ってそうで怖いにゃー」
青ピ「ボウリングなんて実際のところそんなん行かへんしな」
上条「そうだな(俺はボウリングなんてした記憶全部消滅したけどな)」
一方通行「チッ、くっだらねェ」
結標「ちなみに貴方はボウリング得意なの?」
一方通行「能力使用モード限定で得意だ」
結標「つまり不得意ってことね。わかったわかった」
一方通行「何だその言い方。誰も不得意とは言ってねェぞ」
結標「まあ、精々楽しみにしてるわ」ニヤ
一方通行「後で絶対ェ泣かす」
吹寄「みんなー、あたしたちは9レーンと10レーンらしいわよ」テクテク
上条「よし、じゃあ行くか」
土御門「楽しみだにゃー!」
青ピ「ボクのスーパーショットが火を噴くでえ!」
一方通行「ボウリングの投球でショットって言うのか?」
結標「さあ?」
姫神「…………」ワクワク
―――
――
―
―
――
―――
土御門「まずは専用のシューズを借りなければにゃー」
青ピ「よいしょと!」ピガタン
姫神「これを押せばいいの?」
上条「そうそう」ピガタン
一方通行「一々靴履き替えなきゃいけねェのか? 面倒臭ェ」ピガタン
結標「貴方って事あるごとに面倒臭いって言ってるわよね?」ピガタン
一方通行「そうか?」
結標「そうよ」
姫神「吹寄さんは。靴借りないの?」
吹寄「ふふふ。あたしにはこれがあるから大丈夫よ!」スッ
上条「出た! 吹寄さんの胡散臭い通販グッズだ!」
吹寄「上条貴様、もしかしてあたしに喧嘩を売っているのか?」
上条「いや、別にそんなことないですよ!? 頭突きだけはやめてくだされ!」バッ
吹寄「何よ。そんなあたしがところ構わず頭突きする馬鹿女に見える?」
上条「滅相もありません!」
青ピ「カミやん。さっきの頭突きがトラウマになったんやろうなー」
土御門「かわいそうだにゃー」
土御門「お次はボール選びだぜい!」
青ピ「自分に合ったちょうどいい重さのボールを選ぶんやでー」
姫神「わかった」
吹寄「さーて、どれにしようかなー?」
一方通行「さすがに球は通販で買わなかったンだな」
吹寄「まさか、あたしが通販で見た物を何でも買ってるような人だと思ってる?」
一方通行「別にィ。ただ気になっただけだ」
吹寄「まあ、ボールもちょっとは欲しかったんだけど高かったのよ」
一方通行「安かったら買ってたのかよ」
結標「一方通行ー」
一方通行「あァ?」
結標「貴方のボール何ポンドにしたの?」
一方通行「七ポンド」
上条「な、七ポンド?」
一方通行「あァ? 悪りィかよ?」
上条「いや、悪くはねえけど……」
結標「貴方っていっつもコンビニで大量の缶コーヒーを買って帰ってくるくせに、何でそんな軽そうなボール使ってんの?」
一方通行「あァ? 缶コーヒーは別だろォが」
結標「どういう筋肉してんのよ?」
姫神「欲望に忠実になれる筋肉」
一方通行「まァ良いじゃねェか。コイツが俺にとってベストだ」
青ピ「ちなみにそれって子供用のヤツやないか?」
一方通行「そォなのか?」
青ピ「持つところの穴が五つあるやろ?」
一方通行「……あるな」
青ピ「なら子供用やな」
結標「ちょっと子供用って貴方!」プププ
一方通行「あァ? 青髪の野郎が言ってたじゃねェか。自分に合った重さを選べって」
結標「それにしたって子供用って」プププ
一方通行「……知ってるかァ? 子供用の球でも使いよォによっちゃあ、人一人壊すくれェラクにできンだぜェ」
結標「ごめんごめん……ぷぷぷ」
一方通行「殺す」カチ
上条「やめろ一方通行! ボウリングの球はそんなことに使うモンじゃねえッ!」ガシッ
―――
――
―
―
――
―――
同日 15:00
-ボウリングコーナー・9、10レーン-
ゴロゴロゴロゴロゴロガッシャーン!!
土御門「よーし、どうせチームに分かれたんだから、チーム対抗戦でもしないかにゃー?」
青ピ「おおええなー対抗戦! やろうやろう!」
結標「ちょ、ちょっと青髪君! 大丈夫なの? こっちは素人ばっかりなのよ!」
青ピ「まあ大丈夫やろ。で、勝敗はどう決める?」
土御門「そうだにゃー、お互いのチームの合計点のアベレージで比べるのはどうかにゃー?」
一方通行「分かりやすい方法だな」
青ピ「ええでー、じゃあ負けた方の罰ゲームはどうする?」
吹寄「ここのボウリングの料金を全額払うってのはどうかしら?」
上条「げっ、じゃあ最悪払う金額が倍近く膨れ上がるってことかよ!?」
吹寄「負けなきゃいい話じゃない」
上条「で、でも嫌な予感しかしねえ……」
土御門「よーし、負けた方のチームがボウリングの料金奢りってことで決まりにゃー」
青ピ「よーし負けへんでー!」
土御門「ああそれと、もちろん能力使用は禁止だにゃー。勝敗が簡単に決まってしまうからな」
結標「まあそうよね」
一方通行「チッ」
───
──
─
─
──
───
結標「ねえねえ青髪君」
青ピ「ん? 何や結標の姉さん?」
結標「本当に大丈夫なの? こっちはほぼ初心者三人という残念チームなのだけど……」
一方通行「オイ人を初心者扱いしてンじゃねェぞ」
結標「でも貴方は能力未使用状態でのボウリングは初めてでしょ?」
一方通行「つゥか、何で能力使っちゃいけねェンだ?」
結標「えっ、そりゃそうでしょ。一応スポーツなんだし……」
一方通行「何言ってンだ。学園都市内じゃあスポーツに能力を使う方が普通だぞ」
結標「そうなの?」
青ピ「せやな。野球の大会の中継とか見とると、球が消えたり物理法則を無視した動き方をするなんてことザラやしな」
結標「へー、それは知らなかったわ」
姫神「……結局大丈夫なの? 青髪君」
青ピ「まあ大丈夫やろ。楽しんでいこうやー」
結標「……エラく余裕ね? 何か策でもあるの?」
青ピ「別にないけど」
結標「じゃあ何でそんなに余裕なのよ?」
青ピ「まあ、向こうのチームにはカミやんがおるしなー」
結標「……ああ、そういうことか」
姫神「納得」
一方通行「三下ェ……」
<があああああ!! またガターだあああああ!! <上条貴様! 真面目にやりなさい! <俺は真面目にやってんだよおおおおお!!
青ピ「どうやら向こうのチームはもう始めとるよーやな」
一方通行「つゥか、ボウリングに運の善し悪し関係あンのか?」
結標「さあ? どうだろうか?」
姫神「ビギナーズラックという言葉があるくらいだから。関係あるのかも」
青ピ「じゃあこっちもボチボチ始めよーかな。第一投手! 青髪、行きまーす!!」
一方通行「黙って行け」
青ピ「スーパーデリシャスストロングウルトラメガトンスパーククラッシャーデリシャスショットォおおッ!!」ガコン
一方通行「名前長げェ!」
姫神「デリシャス。二回言ってる」
結標「どうでもいいことに気が付くのね貴女」
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロガシャーン!!
テッテレレレー♪
『ストライク!!』
青ピ「イエーイ!! 開幕ストライクキター!!」
結標「おおおっ! すごいすごいっ!」パチパチ
姫神「おめでとう」パチパチ
青ピ「いやー、もしかしたらボクぅ、今日ごっつう調子ええんちゃうん!?」
一方通行「チッ、たまたまだろ」
結標「次は姫神さんね、頑張ってね!」
姫神「青髪君。投げ方教えてもらえる?」
結標「あ、私も私もー」
青ピ「わかったでー、いくらでも教えたるわ!」
ワーワーキャーキャー
一方通行「……くっだらねェ」
一方通行「飲みモンでも買ってくるか」カツンカツン
───
──
─
―
――
―――
ピッ、ガタン
一方通行「…………はァ」ガコン
一方通行「さァて、どォすっかなー」
一方通行(マラソン大会ではいろいろ計算して理想の走り方っつゥの導き出し、実行する事ができた)
一方通行(つゥことはボウリングも同じ事が可能かもしれねェ)
一方通行(ボウリングってのはよォするに一回の投球で全てのピンを倒すスポーツだ)
一方通行(放射線状に広がったピンを倒すためには、前列に立っている一本だけのピンを必ず倒す必要がある)
一方通行(そこを起点としてドミノ倒しにして全てを倒す)
一方通行(よォするに真ん中に投げればイインだろ? 楽勝なンだよ)
一方通行(俺の選んだ七ポンドの球。あの重さと俺の腕力からどれだけブレが出るかを計算し)
一方通行(どの角度で、どの位置から、どのくらいの力で、どの位置へ投げるかの理想を導き出す)
一方通行「楽勝なンだよ、俺を誰だと思ってやがる……」ブツブツ
結標「何自販機の前で一人でブツブツ言ってんのよ?」
一方通行「おォうい!? 何だオマエ!? 顔近けェンだよ!?」
結標「何だはないでしょ? 貴方の番よ?」
一方通行「お、おォわかった。すぐ行く」
結標「あ、そうだ。ついでだし私も飲み物買っとこ」チャリン
一方通行「俺は先に行ってるぞ」
結標「はいはーい」
―――
――
―
―
――
―――
青ピ「おおっ、アクセラちゃんおかえりー!」
一方通行「おォ、今の戦況は?」
姫神「上に付いてる。モニターを見ればわかる」
一方通行「…………」ジロ
1
━━━━━━━━
アオピ ┃|X
┃
━━━━━━━━
アイサ ┃3|4
┃ 7
━━━━━━━━
アワキ ┃8|/
┃
━━━━━━━━
アクセラ┃ |
┃
━━━━━━━━
一方通行「……姫神」
姫神「何?」
一方通行「地味な結果だな」
姫神「お願いだから。ツッコまないで」
一方通行「結標はスペアか」
青ピ「姉さん結構上手いで! まだ一フレーム目だからそんなには言えへんけどな」
一方通行「じゃあ次は俺の出番か」
青ピ「せやな」
姫神「がんばって」
一方通行「へいへい……ッ!?」ガタ
一方通行(球が予想以上に重ェな……)
一方通行(クソが、あらゆる数値を入力して理想の投げ方を導き出したどころで、それを実行する事ができなかったら意味はねェ)
一方通行(チッ、マラソン程簡単じゃあねェっつゥことかァ?)
姫神「……どうかしたの? アクセラ君」
一方通行「いや、何でもねェ」
姫神「そう」
一方通行(とりあえず何回か投げてみて、実際はどンなモンなのか試してみる必要があるな)
一方通行(理想の走り方を実行するのにもそれなりの時間走ったからな)
一方通行(投げていきながら徐々に調整していく必要があるな)
結標「おまたせー、ってあれ? 一方通行まだ投げてなかったの?」
青ピ「何か考え事してるみたいやな」
結標「おーい、早く投げなさいよ一方通行ー!」ポンポン
一方通行「……おォ、わかった」カツンカツン
姫神「……今さらだけど。杖付きの体でボウリングしても大丈夫なのかな?」
結標「さ、さあ? どうなのかしら?」
青ピ「アクセラちゃーん! がんばるんやでー!」
一方通行「…………」
一方通行「……さァて、実際に投げてどれくらいの反動が腕にくるンだろうな」
一方通行「オラァ!」ガコン
ゴロゴロゴロガタンゴロゴロゴロゴロゴロ
一方通行「…………」
一方通行(……まァ、こンなモンか)
結標「あーガターか、ドンマイドンマイ!」
青ピ「まだ次があるでえ!」
一方通行(……まァこれで大体のデータはわかった。次は外さねェ)カツンカツン
姫神「……また何か考えてる」
結標「ボウリングってそんなに考えるような競技なのかしら?」
青ピ「上手い人はそれなりに考えてるらしいで」
結標「そうなんだ」
一方通行(さっき立てた式の数値を修正。再計算……)
一方通行「…………」
一方通行「オラァ!!」ガコン
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロカコン!!
一方通行「…………なっ!?」
青ピ「あー一本かー。ドンマイドンマイ」
結標「まあこんなもんよ。杖付きなんだし」
姫神「まだ次がある」
一方通行(……どォいう事だ? 俺の計算に狂いはねェはずだ。あンな風に球が逸れるなンてありえねェ)
一方通行「……どォなってやがンだこりゃあ?」
───
──
─
11.打ち上げ(中篇)
December Third Friday 15:30
-ボウリングコーナー・9,10レーン-
~五フレーム目~
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロガシャーン!!
テッテレレレー♪
『ストライク!!』
青ピ「しゃー!! ストライク二回目キター!!」
結標「おおおおおー!!」パチパチ
姫神「すごいすごい」パチパチ
青ピ「いやー、ホンマ今日調子ええわー!」
一方通行「…………」
一方通行(さて、ここまでいろいろ分析しながら投げてきたわけだが)
一方通行(どう数値を修正しようが、いつも的外れな方向へ曲がっていく)
一方通行(見たところ障害物も何もねェはずだが……)
一方通行(一体どォなってやがンだ。このボウリングという競技には既存の物理法則ってのが通用しねェのか?)
姫神「よし。次こそは」ガタ
結標「がんばれ姫神さん!」
青ピ「姫神ちゃんならやれるでー!」
一方通行「…………」
姫神「えい」ガコン
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロパコーン!
結標「……よ、四本」
青ピ「だ、大丈夫やでー。ピンが固まってるから上手く狙えばスペアいけるで」
姫神「…………」ガタ
一方通行「…………」
姫神「…………えい」ガコン
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロガタン
姫神「…………」
結標「ど、ドンマイ姫神さん! まだ次があるわよ!」
青ピ「そ、そうやで。最初から上手い人なんていないんやから」
姫神「…………」
結標「つ、次は私ね! よーしがんばっちゃうかなー!」ガタ
青ピ「おおーし姉さんがんばるんやでー!」
一方通行「…………」
結標「……何やってんの? また考え事?」
一方通行「……あァ? まァな」
結標「こんな時に考え事なんてしなくてもいいのに。素直にボウリングを楽しみなさいよ」
一方通行「そのための考え事だ」
結標「あ、そう」
結標「よーし、えい!」ガコン
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロガシャーン!!
テッテレレレー♪
『ストライク!!』
結標「キャー!! やったー!! 初めてストライク出しちゃったー!!」
青ピ「おおおおお!! すごいやん姉さん! 初心者とは思えへんな!」
姫神「…………」orz
結標「ひ、姫神さーん!」
一方通行「チッ、くっだらねェ」カツン
青ピ「おっ、次はアクセラちゃんの番か。がんばるんやでー!」
一方通行「ハイハイ……あン?」ジロ
一方通行「……この薄汚れた布は何だ?」
青ピ「ん? ああそれ? ボールに付いたオイルを拭うために置いてあるんよ」
一方通行「オイルだァ? 何でそンなモンが付くンだよ?」
青ピ「ええとな、レーンの表面上にはコンディショニングオイルゆうて、レーンを保護するための油が塗ってあるんよ」
一方通行「油?」
青ピ「そうそう。それによってボールの挙動が変わったりするから、それを防ぐためにボールをそのタオルで拭くんよ」
一方通行「……そォか」
一方通行(そォいう事かクソッたれ。道理でおかしい挙動で球が進むわけだ)
一方通行「…………」ガタ
一方通行(たしかに球の表面上にベタベタした油みてェなモンが付着してるな)
一方通行(そしてレーン上にも同じように油が塗布されてンな)
一方通行(たしか能力使ってパーフェクトゲームをしてた頃は、直接ピンに球を投げ込ンでたからな)
一方通行(つゥことはこれらの要素も含めて再計算する必要があるってことかァ?)
一方通行「……無理だ」
一方通行(計算する要素が多すぎる上に、計算式が複雑すぎる)
一方通行(今の通常モード程度の頭じゃあこれ以上の計算は不可能だ)
一方通行(クソッたれ、結局能力がなけりゃあ何もできねェのかよ……)
結標「また考え事してる」
青ピ「何を考えてんやろうな?」
姫神「……たぶん彼は。理想のボウリングの投げ方を。計算して導き出そうとしているのだと思う」
結標「……何それ?」
姫神「マラソン大会の日。彼とバッタリ会った時に。理想の走り方を計算して編み出したと言っていた」
青ピ「へー、そんなことができるんやねー。さすがレベル5」
結標「でも走る事とボウリングでストライクを取るのとじゃ、全然違うんじゃない?」
姫神「だから。ずっと考えてるのじゃない?」
青ピ「頑張るなーアクセラちゃん」
一方通行(……さて、どォするか)
一方通行(もういっそあきらめて闇雲に投げるか? いや、それじゃあ俺の気が済まねェ)
一方通行(それにこの軽い球と弱い腕力で全部倒すのなら、なおさら計算して投げる必要がある)
一方通行(クソが。能力さえ使えりゃあこンなくだらねェことで悩む必要がねェのによォ)
結標「一方通行ー! 考えるのはいいけど早く投げなさいよー!」
一方通行「チッ、うるせェな。それくれェわかってンだよ」
姫神「計算。難しいの?」
一方通行「あァ? ああ、まァな。少なくとも今の俺の演算能力じゃ――ッ!?」
一方通行(待てよ。何だ? 何かが引っ掛かってる。落ち着いて情報を整理しろ)
一方通行(今回のボウリングのルールは『能力の使用』が禁止)
一方通行(だから、この杖付きの身体でできる理想の投げ方を導き出す必要がある)
一方通行(だが、そのために必要な周辺情報が多すぎる)
一方通行(今の俺の頭じゃあ理想の投げ方を計算し導き出すのは不可能)
一方通行(それを求めるには『能力使用モード』クラスの演算能力が必要……)
一方通行(しかし、『能力の使用』は禁止――あァ? 待てよ)
一方通行(禁止されてるのは『能力の使用』。能力を使って球を飛ばす事だ……)
一方通行(……ぎゃはっ、オイオイそォいう事かよクソッたれ……)
一方通行「…………」カチ
結標「あっ! 一方通行が電極のスイッチを入れた!!」
青ピ「何やて? アクセラちゃんルール違反はおえんでー!」
一方通行「あァ? 何言ってンだオマエら。あくまで禁止されてンのは『能力の使用』だけだろ?」
結標「えっ? どういう事?」
一方通行「『能力使用モード』を禁止するなンて誰も言ってねェよなァ?」
結標「? たしかにそうだけど……」
姫神「……あっ! そういう事か」
青ピ「どういうこっちゃ? ボクにはさっぱりわからへんのやけど」
姫神「難しい計算の答えを。能力使用モードの演算能力を使って導き出す。でしょ?」
一方通行「そォいう事だ」
一方通行(さてと……)
一方通行(……さっき立てた計算式に二つの条件を追加)
一方通行(ボールに付着している油と……)カコン
一方通行(あのレーンに散らばってるうっとおしい油の散布情報)
一方通行(油の滑り具合は今までの投げた球の誤差から抽出)
一方通行(その二つの条件を踏まえ、再計算ッ!)
一方通行「…………」カチ
一方通行「ぎゃはっ、こっから先は俺のワンサイドゲームだァ!!」
―――
――
―
―
――
―――
~10フレーム目~
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロガシャーン!!
テッテレレレー♪
『ストライク!!』
結標「……す、すごい」
青ピ「ほぉーこれはたまげたもんやなー。まさか五フレーム目から全部ストライクなんて」
姫神「さすがレベル5」
一方通行「ケッ、楽勝なンだよボウリングなンてなァ」カツンカツン
土御門「おっ、そっちも一ゲーム目はおわったかにゃー」
吹寄「おのれ上条め……」ブツブツ
上条「だからこれが俺の全力なんですよ! 信じてくらさい!」
青ピ「じゃあ一回戦の結果発表といこうや!」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
グーチーム パーチーム
1.アオピ 158 1.モトハル .139
2.アイサ 76 2.セイリ 121
3.アワキ 118 3.トウマ 47
4.アクセラ 191
AVE 135.75 102.33
『グーチームWIN!!』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
上条「げえっ、何だあ!? あの一方通行のスコア表!」
吹寄「後半からストライクのマークしかないわね……」
土御門「まさか能力を使ったんじゃねえかにゃー?」
上条「何だと!? それは卑怯だぞ一方通行!!」
一方通行「能力なんて使ってねェよ。使ったのは能力使用モードだ」
土御門「……あー、そういうことか」
一方通行「違反はしてねェだろ?」ニヤ
土御門「まあそうだにゃー」
上条「……どう違うんだ?」
一方通行「オマエの頭じゃ一生わかンねェよ」
上条「酷い!」
青ピ「よーしこれでまずこっちの一勝やな!」
土御門「青髪ピアスの点数地味に高いな」
青ピ「今日は絶好調だったんやでー」
上条「結標も何気に高いよな」
吹寄「ホントね。あたしのスコアと大差ないじゃない」
結標「えへへー」
青ピ「姉さんホンマすごいでー! 初心者とは思えない飲み込みの早さだったんやでー」
一方通行「どォせ記憶がないだけで体は覚えてたンじゃねェの」
結標「まあ、それが妥当でしょうね。そんな感じがしたもの」
姫神「……私の点数が。すごく地味」
上条「俺のよりは遥かにマシだぞ姫神」
姫神「上条君のは逆に低過ぎて目立ってる」
上条「うぐっ、チクショウ。この右手さえなけりゃあもっといってたはずなのに……」
土御門「たしかにカミやん一フレームで七本以上倒した事なかったしにゃー」
結標「えっ、それホントなの?」
上条「不幸だー!」
吹寄「何が不幸だ! 自分の下手さを不幸のせいにするんじゃないわよ!!」
上条「ひぃ、すみません!!」
一方通行「それにしたって低すぎンだろオマエ」
青ピ「よーしじゃあ二回戦始めるとしようやー!」
結標「何回戦までするの?」
土御門「無難に三回勝負で良いんじゃないかにゃー」
上条「つーか、一方通行がいるだけでこっちに勝ち目がねえんじゃねえの?」
土御門「たしかににゃー。この調子だと普通にパーフェクトゲーム出されそうだしにゃー」
一方通行「当然だ。俺を誰だと思ってやがる」
結標「じゃあ能力使用モードの禁止にすればいいんじゃない?」
一方通行「…………は?」
上条「おっ、それならまだ勝ち目がありそうだな」
一方通行「え?」
姫神「アクセラ君の。本当の実力がわかる」
一方通行「オイ」
吹寄「よーし、だいぶ体も温まってきた事だしここからが本番ね!」
一方通行「マジでか?」
青ピ「今日は調子がええから自己ベスト更新に挑戦しみよーかなー!」
一方通行「ちょ」
土御門「じゃあ二回戦から『能力の使用及び能力使用モードの禁止』だにゃー!」
一方通行「なっ!?」
結標「まあ、精々がんばりなさい」フフフ
一方通行「( ゚д゚)」
一方通行「( ゚д゚ )」
―――
――
―
―
――
―――
同日 17:00
-とあるアミューズメント施設・休憩場-
青ピ「いやー、久々にこんな楽しんだわー!」
吹寄「そうね。ボウリングはストレス解消に持ってこいね」
土御門「しかし悔しいにゃー! あともう少しでこっちのチームの勝ちだったのに」
結標「すごい接戦だったわよね。あそこでストライクが出てなかったら負けてたわ」
吹寄「結標さんホント上手いわよね。三回戦目はあたしより高かったし」
結標「いやいやそんなー、二回戦は吹寄さんがトップだったじゃない!」
吹寄「あのスコアには自分でも驚きを隠せなかったわ」
土御門「驚いたといえばカミやんがストライクを出したのも驚いたにゃー」
青ピ「ホンマやね。あれは敵味方関係なく全員で驚いてたしなー」
上条「テメェら……」プルプル
吹寄「でもせっかくのストライクもその後の五連続ガターで台無しだったけどね」
結標「ある意味奇跡ね」
上条「不幸だ……」
ワイワイガヤガヤ
一方通行「…………」ズーン
姫神「どんまい」ポン
土御門「ところでこれからどうするにゃー?」
結標「二次会ってこと?」
上条「えっ、二次会をするなんて聞いてねえんだけど」
土御門「そりゃそうだぜい。今初めて言ったんだからにゃー」
上条「そろそろスーパーの買い物に行かなければならないんですが……」
土御門「じゃあ二次会どうする?」
上条「無視か!」
吹寄「あまり遠くには行きたくないわよね。時間的な問題も考慮して」
青ピ「じゃあこの建物の中にあるモンで済まそーか?」
結標「この建物の中ってボウリングのほかに何があるの?」
土御門「そうだにゃー、ゲーセンとかバッティングセンターみたいなスポーツ関係のヤツとかカラオケとか……」
上条「その中だったら必然的にカラオケならねえか?」
吹寄「じゃあカラオケで良いんじゃない? 外出るの面倒だし」
上条「面倒臭いなら帰るという選択肢はないのでせうか?」
一方通行「激しく同意」
結標「あら一方通行。やっと元気になったのね」
一方通行「俺は元から正常だ」
結標「あんなに暗い表情してたのに?」
一方通行「気のせいだろ」
土御門「じゃあ二次会はカラオケということで決定だぜい!!」
青ピ「イエーイ!!」
吹寄「騒ぐな馬鹿ども! 場所をわきまえなさい!」
結標「まあ休憩所だからいいんじゃない?」
姫神「私。カラオケ初めて」
一方通行「奇遇だな。俺もだ」
吹寄「あなたたちカラオケ行った事ないの?」
姫神「聞いたことぐらいならある」
一方通行「そンなモンに行くよォな人間に見えるか?」
結標「うーん、見えないわね」
一方通行「つゥか、オマエもどォせ行った記憶はねェンだろ? 絶賛記憶喪失中の結標さンよォ」
結標「ふふふ。残念ながら私は前打ち止めちゃんと一緒に行った事があるのよ!」
一方通行「なン……だと……?」
結標「あれ? 知らなかったの?」
一方通行「オイ聞いてねェぞそンなモン!」
結標「だって貴方昼寝してたし」
一方通行「(´・ω・`)」
結標「あれー? もしかして一緒に行きたかった?」
一方通行「はあ!? 何言ってンだ!? そンなモンに行きてェわけねェだろォが!」
青ピ「…………」ニヤニヤ
土御門「…………」ニヤニヤ
一方通行「オイオイ何だこの馬鹿みてェなツラした三下どもはァ?」
青ピ「アクセラちゃんツンデレ可愛い!」
土御門「本当は誘って欲しかったのを必死に隠すアクセラちゃん可愛い!」
一方通行「よォし、そンなにツンツンして欲しィなら、銃弾と同じ速度の指でオマエらの体をツンツンしてやるよ」カチ
青ピ「ぎゃー!! それだけは勘弁してやー!!」
土御門「正直男のツンデレは見苦しいだけだにゃー!!」
一方通行「指銃ッ!!」ズドン
青ピ「ひゃー!! 壁に穴が開いた!?」
土御門「六式とかシャレにならないにゃー!!」
一方通行「あはぎゃはっ!! ほらほら逃げろ逃げろォ!!」ヒュンヒュンヒュンヒュン
青ピ・土御門「「ぎゃァあああああああ!!」」
ズドンバコンズドドドドドド!!
吹寄「おい上条! さっさとこれ止めなさい!」
上条「ええっ!? 何で俺なんでせうか!?」
吹寄「馬鹿の始末は馬鹿がつけろ!」
上条「理不尽だぁ!!」
姫神「がんばってね」
結標「頼むわね上条君」
上条「う、うう。くっそォおおおおおおおおおおおッ!!」ダッ
―――
――
―
―
――
―――
12.打ち上げ(後篇)
December Third Friday 17:10
-とあるアミューズメント施設・カラオケコーナー-
店員「七名様でございますか?」
吹寄「はい」
店員「では206号室にお入りください」
一方通行「チッ、カラオケとかくっだらねェ」
結標「ええー、楽しいわよカラオケ」
青ピ「そうやね。思いっきり歌うのはストレス解消に持ってこいやし」
土御門「ちょっと暇な時間とかに時間をつぶせて便利だにゃー」
上条「貧乏人の上条さんにはそんな発想できませんよー」
一方通行「つゥか、何で歌を歌うのに金なンざ払う必要があンだよ?」
結標「じゃあ逆に聞くけど、貴方は歌いたくなったらどうするつもりよ?」
一方通行「そンな気はサラサラ起きねェ」
姫神「そうなんだ」
結標「話にならないわね」ハッ
一方通行「叩き潰すぞテメェ」
吹寄「ハイハイ面倒だから喧嘩しない!」
一方通行「喧嘩なンてしてねェよ。大体争いは同じレベルの者としか発生しないって神様が言ってた」
結標「何よ? 私と貴方はレベルが違うっていうの?」
一方通行「出直して来いよ格下がァ」ニヤ
結標「こ、この野郎ォ……」
吹寄「いい加減にしろ」ゴツン
一方通行「痛ってェ!? 何で俺だけ殴りやがった!?」
吹寄「あなたが大体の原因でしょ?」
一方通行「ンだとォ!?」
土御門「おうふ、ついに吹寄ナックルがアクセラの頭へ」
上条「なんてこったい」
青ピ「ついにアクセラも三バカに加入かー? これからはクラスの四バカ【スクエアフォース】やな」
一方通行「オマエらと俺を一緒にすンじゃねェ!」
結標「はいはい部屋に着いたわよー。行きましょーねー」グイグイ
一方通行「離せ結標ェ!! オマエら後で殺す!」ズザザザ
上条「……あれ? 『オマエら』って何か俺まで巻き込まれてない?」
青ピ「当たり前やん。四バカのエースカミやん」ポン
土御門「地獄に行く時は一緒だぜい」ポン
上条「嫌だァあああッ!!」
姫神「…………」ジー
上条「姫神さん。その憐みの視線はやめて欲しいのですが」
―――
――
―
―
――
―――
~206号室~
土御門「はいはいじゃあ最初誰が歌うかにゃー!?」
結標「トップバッターは結構キツイわよねー」
姫神「そうなの?」
結標「テレビで言ってた」
吹寄「上条! 貴様が最初に歌いなさい!」
上条「えっ、やだよ! 何で!?」
一方通行「くっだらねェ。俺は寝る」ゴロン
結標「わざわざカラオケボックスまで来て寝るとか……」
青ピ「これじゃあ埒があかんから、じゃんけんで負けた人が最初に歌うでどうやろか?」
上条「面倒臭いからそれでいんじゃね?」
結標「まあ、それならみんな平等だしね」
姫神「でも。私初めてだから。負けたらどうしよう」
吹寄「大丈夫よ。カラオケなんて遊びみたいなものだし」
土御門「はい! じゃあじゃんけんで決定にゃー」
吹寄「じゃあ出さんと負けよ! 最初はグー! ジャンケンポン!!」
―――
――
―
―
――
―――
結標「あちゃー、負けちゃったかー」
一方通行「ざまあ」
青ピ「はいじゃあ姉さん。トップバッター頼んだでえ」
結標「うーん曲何しようかなー」ピッピッ
姫神「その機械は何?」
結標「えっ、これ? これは曲名とかアーティスト名とかで曲を検索する機械よ」
姫神「すごいハイテク」
土御門「みんなー、飲み物とか頼むけど何にするにゃー?」
青ピ「コーラ」
吹寄「メロンソーダフロート」
結標「アイスティー」
姫神「緑茶」
上条「安いヤツ」
一方通行「コーヒー」
土御門「はいはい了解にゃー。カミやんはトイレで水道水でも飲んでくればでいいだろ」
上条「それはひどい! じゃあオレンジジュースで良いよ!」
土御門「了解了解。あとは何か食べたい食べ物とかあるかにゃー?」
吹寄「おまかせでいいわ」
青ピ「別に食べ物食べに来たわけじゃあらへんからな」
上条「ちなみにそのお代は割り勘でせうか?」
土御門「当然だにゃー」
上条「チクショウ!」
土御門「じゃあ適当に頼んどくから、始めといてくれにゃー……はいもしもし」
結標「うーんじゃあ一番手という事だからこれにするわ!」ピッ
『No buts!/川田まみ』
デデデデデデーデーデ♪ デデデデデデーデーデ♪
青ピ「おおっ!! 開幕マヨラーキター!!」
吹寄「マヨラー?」
上条「何言ってんだコイツ?」
姫神「すごい音量だね」
青ピ「まあカラオケやしね」
結標『ゆーびーではーじくー♪ コーインみーつめーた♪』
結標『おーもーてならGO、裏はーSTAYー♪ まず答えを聞かーせて―♪』
上条「そういや次誰が歌うんだ?」
青ピ「せやな。カミやん歌う?」
上条「いや、まだいいわ」
土御門「おっ、結標はマヨラーか。これは盛り上がりそうだにゃー」
姫神「結標さんは。マヨネーズが好きなの?」
青ピ「そういうわけじゃないんやけどなー」
結標『てーんしはみさーだーめるえーがおのままー♪』
デデンデーデデデデデデデ――
青ピ「おっ、来るで!」
上条「何が?」
土御門「せーの!!」
結標『迷えー!!♪』
青ピ・土御門「マヨラァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
上条「!? ビックリした! 何言ってんだお前ら!?」
青ピ「いやーこれがこの歌の形式美やし」
土御門「まだまだ続くぜい!」
吹寄「お前ら少しは自重しなさいよ」
姫神(これがカラオケ……)
結標『そーう!♪』
青ピ・土御門「ソォオオオオオオオオオオス!!」
結標『それこーそかーみかーらの送りーもーのー♪ (乗り越え―た―ら)見ーえてくるさー♪』
結標『だからいーまーすぐー♪』
結標『のーばァあああああああああっつ!!♪』
青ピ・土御門「ノーパアアアアアアアアアンツ!!」
上条「なんじゃこりゃ?」
吹寄「アホくさ」
~省略~
結標『のーばあああああああああああああああっつ!!♪』
上条・土御門・青ピ「ノーパアアアアアアアアアアアンツ!!」
一方通行「何でオマエまで一緒になってやってンだよ」
姫神「の、のーぱー」
吹寄「姫神さん。別にやらなくてもいいわよ」
結標「はー、歌った歌った!」スッキリ
青ピ「姉さんおつかれー!」
結標「あら、まだ誰も次の曲入れてないの?」
土御門「そうだにゃー、ここはカミやん言っちゃおうぜい!」
上条「あははー、まだ上条さんはいいや」
青ピ「じゃあ次ボクが行くわ!」ピッ
結標「何の曲入れたの?」
青ピ「多分盛り上がる曲」
『マジンガーZ/水木一郎』
デデンデン♪ デデンデン♪ デデンデッ♪ デデンデッ♪ デデッデデデデデデデデーンデン♪
青ピ『そーらにーそびえるー♪ くーろがねのーしろー♪』
土御門「うはっ、声野太ッ!!」
吹寄「へー、青髪ってこんな声出せたのね」
結標「ところで時間を無駄にしないためにも、次歌う人決めとかない?」
上条「俺はまだいいや」
土御門「カミやーん、いつかは歌わなきゃいないんだぜい?」
姫神「次。私歌いたい」
吹寄「お、やる気ね姫神さん」
姫神「これどうやって使うの?」
結標「ここのタッチパネルで曲名を入力してみて」
姫神「わかった」ピッピッ
青ピ『正義の心に♪ パイルだァアアアアオォオオオン!!♪』
土御門「サビが来るぜい」
上条「この曲にも何かあんのか? ええと、形式美ってやつ?」
土御門「ええと、最後のところの――」
青ピ『とばっせぇ! てぇっけん! ロォケットパンッチィ♪』
青ピ『今っだ! だすんだ! ブレストファイーヤァアアアアアアアアアア!!♪』
土御門「カミやん。そろそろ来るぜい」
上条「おう!!」
青ピ『マジンゴー! マジンゴー! マージンガァアアアアアアア――♪』
青ピ・上条・土御門『「「ゼェエエエエエエエエエエ――」」』
コンコンガチャ
店員「失礼します。お飲み物をもってまりしました」ガチャ
青ピ・上条・土御門『「「ット……」」』ボソ
結標「あっ、ありがとうございますー」
姫神「彼らどうしたの?」
吹寄「歌ってる時に店員が入ってきて恥ずかしくなったんでしょ、そういうのよくあるの」
結標「とくに熱唱してる時に来たら恥ずかしいわよね」
一方通行「……コーヒーコーヒー」カタン
~省略~
青ピ・上条・土御門『「「ゼェエエエエエエエエエエエエエエエット!!」」』
姫神「わー」パチパチ
結標「ゼェット!」パチパチ
吹寄「結構盛り上がったわねー」パチパチ
青ピ「いやいやどーもどーもー」
上条「えーと、次は姫神だったっけ?」
姫神「うん」
青ピ「ほいマイク」
姫神「ありがとう。がんばる」
土御門「そんな気張らなくてもいいにゃー。楽にやればいいぜい」
結標「姫神さんは何を歌うのかしら?」
『とおりゃんせ/童謡』
上条「えっ?」
青ピ「これは……」
吹寄「うわー懐かしいわね」
結標「これ何の曲?」
土御門「童謡だにゃー」
結標「童謡? 何で童謡なんかを……」
タン♪ タン♪ タン♪ タン♪ タンタタタン♪
姫神『とーりゃんせー♪ とーりゃんせー♪』
姫神『こーこはどーこの細道じゃー♪ 天神ーさまの細道じゃー♪』
姫神『ちーっと通してくだしゃんせー♪ ごよーのないものとおしゃせぬー♪』
吹寄「 ( ゜д゜) 」
結標「 ( ゜д゜) 」
上条「 ( ゜д゜) 」
青ピ「 ( ゜д゜) 」
土御門「 ( ゜д゜) 」
一方通行「 ( ゜д゜) 」
姫神『この子の七つのお祝いにー♪ お札をー納めに参りますー♪』
姫神『行きはよいよい帰りはこわいー」
姫神『こわいながらも とーりゃんせー♪ とーりゃんせー♪』ニコォ
~省略~
姫神『とおりゃんーせ…………♪』
姫神「……どうだった?」
青ピ「な、なかなか良かったでーヒメやん!」パチパチ
土御門「は、初めてのカラオケだとは思えなかったにゃー」パチパチ
結標「ホ、ホントよねー」
吹寄「じょ、上手だったわー」
姫神「本当? ありがとう」
上条「」ガクガクブルブル
一方通行「くっだらねェ……くっだらねェ……」ガチャガチャガチャガチャ
姫神「……どうしたの?」
上条「おわぁ!? ひ、姫神ぃ!? な、何でもねえよ上手だったぞ姫神!」アハハ
姫神「?」
一方通行「くっだらねェ……くっだらねェ……」
───
──
─
─
──
───
土御門「次は誰が歌うかにゃー?」
青ピ「あれ? カミやんとアクセラどこいった?」
結標「トイレに行ってくる、って言ってたけど」
姫神「ジュースの飲みすぎ?」
吹寄(たぶん、姫神さんの歌のせいだと思うけど……)
土御門「じゃあこれまで女、男、女できたから、流れ的俺が歌うかにゃー」
結標「何歌うの?」
吹寄「どうせ土御門のことだから、妹やメイドとかに関係する歌とかを歌うんでしょうね」
土御門「おっ、吹寄はそういうのがお望みかにゃー?」
吹寄「いや、別にそういうわけじゃ……」
土御門「じゃあ吹寄のリクエストに答えて妹関係で一曲!」ピッ
『Love Destiny/堀江由衣』
青ピ「おっ、つっちーそれ歌うんか!」
結標「何の曲?」
青ピ「某妹アニメの主題歌やでー」
姫神「歌手が女の人の名前なんだけど」
吹寄「嫌な予感しかしないわね」
デデデデーデデデデデデーンデタラララータラララタタタ♪
土御門『あーいたいあいあいあいあいのに♪ あーえないあいあいあい今夜はー♪』
土御門『まーどをうつあめーよりー♪ はげしいー嵐に揺れてるー♪』
土御門『あーえないあいあいあいあいからー♪ もっと愛あいあいつのるよー♪』
土御門『もーえつきてもいいー♪ こーれがーさいごのーしんじーつー♪』
吹寄「……案外普通ね」
姫神「どんな曲を想像してたの?」
吹寄「歌詞に『妹LOVE☆』とか『い・も・う・とHEYHEY』とかみたいなの想像してたわ」
結標「それはひどい」
ガチャ
上条「うーす。ただいまー」
一方通行「あァー疲れたァ」カツンカツン
結標「おかえりー」
上条「おっ、土御門が歌ってんのか」
一方通行「ンだァ? エラくまともな曲だなァ」
吹寄「でしょ! そう思うわよね?」
青ピ「土御門くんェ……」
土御門『ひーとーみとーじーたらー♪ ふーたーりになーれるー♪』
土御門『今! たとえ! この部屋ひとりーでーもー♪ Its my only destiny♪』
土御門『あーいたいあいあいあい舞夏に♪ あーえないあいあいあい今夜はー♪』
土御門『かーってにあふれーてく♪ 激情をー止められないー♪』
土御門『だからあいあいあいあいたいー♪ だけどあいあいあいあえないー♪』
土御門『もうー戻れはしーないー♪ こーれがーさいごのーしんじーつー♪』
一方通行「……今確実に歌詞変えただろ」
上条「えっ、どのへんが?」
姫神「舞夏ちゃんの。名前が聞こえた」
上条「マジでか!?」
吹寄「貴様……ちゃんと歌聞いてたのか?」
上条「oh……」
~省略~
土御門『もうー戻れはしーないー♪ こーれがーさいごのーしんじーつー♪』
土御門『舞夏ァLOVE!!』
青ピ「フゥ!! つっちーかっけー!!」
結標「いい曲だったわ!」パチパチ
姫神「心に響いた」パチパチ
土御門「いやいやどうもどうもー」
吹寄「土御門にしては良い選曲だったわね」
一方通行「同感だわ。もっとキチガイ染みたモンかと思った」
上条「キチガイって電波系ソングとかキャラソンとかか?」
一方通行「そンなに歌とか詳しくねェから知らねェが多分それだろ」
土御門「何ならソッチも歌ってやろうかにゃー?」
上条「おいやめろ。女子連中がドン引きするぞ」
一方通行「歌うなら別室にどォぞォ」
土御門「にゃはー、冗談だぜい!」
吹寄「よし! 順番的に次は私ね!」
結標「吹寄さんがんばー!」
上条「しかし吹寄が歌ってるところなんて想像できねえな」
吹寄「なっ、失礼ね! 私だって歌くらい歌えるわよ!」
一方通行「あっ、コーヒーなくなった。ちょっと頼むかなァと」
青ピ「一人で頼めますかー?」
一方通行「当たり前だろ、ガキじゃねェンだからよォ」ガチャ
結標「ちゃんとコーヒーだって店員さんに伝えるのよ」
一方通行「うっせェな。オマエは俺の母親か……」
吹寄「……よし、この曲でいっか」ピッ
『鏡の中のアクトレス/中原めいこ』
ダッダダッダ♪ ダンダンダンダンダンダン♪
土御門「古っ!」
吹寄「な、何よ!? 良いじゃない好きなんだから!」
青ピ「にしてもこれは……」
吹寄「青髪だってマジンガー歌ってたじゃない!」
結標「そんなに古いの?」
土御門「80年代くらいのアニメの曲じゃなかったかにゃー?」
上条「それは古い!」
吹寄「上条貴様ッ!!」
上条「何で俺だけそんなマジトーン!?」
ダンダダダンダダ♪ ダッダッダッダ♪
吹寄『いーつもならあーなたのサイドシートで♪ 車をすーべらす precious night♪」
結標「おおっ! 普通にうまい!」
青ピ「予想外に上手くてワロタ」
土御門「だにゃー」
一方通行「あァもしもし。コーヒー一つ追加で頼む」
上条「あっ、オレンジジュース切れてた。一方通行オレンジジュースも頼む!」
一方通行「ああ、あとオレンジジュースも……あァ? オレンジコーヒーじゃねェよ。コーヒーとオレンジジュースだ!」
上条「何だよオレンジコーヒーって?」
結標「貴方たちちゃんと歌聞きなさいよ」
吹寄『かーわいたーあとーのーマニキュアーの色♪ むーなしく夜を飾るだ・け♪』
ダダダ♪
吹寄『A-HA-HA♪ 鏡の中のアクトレス♪ A-HA-HA♪ はっきり言えばいいのにー♪』
吹寄『A-HA-HA♪ ためらいがー耳元でささやくー♪ Cause I love you♪』
吹寄『鏡の中のアクトレス♪ A-HA-HA♪ 演じるたびに素顔がー♪ A-HA-HA♪ 離れてゆく』
吹寄『You've broken my heart♪』
~省略~
吹寄『A-HA-HA♪ 戻れないわ You've broken my heart♪』
結標「吹寄さんホント上手ねー!」パチパチ
姫神「上手上手」パチパチ
吹寄「あ、ありがと!」
青ピ「ホントやねー英語のとこの発音ばっちしやったし」
コンコンガチャ
店員「失礼します。お飲み物をお持ちいたしました」
一方通行「おっ、キタキタ……あァ? 何だこれ?」
店員「オレンジコーヒーですが……」
一方通行「ふざけンじゃねェぞ! 俺が言ったのはコーヒーだッ! あれだけ違うっつったのによォ!」
店員「す、すみません! 今すぐ取り替えてきます!」
上条「あ、いいですいいです。このオレンジコーヒーは俺が貰いますから」
店員「本当に申し訳ありませんでした!」
ガチャ
結標「……コミュ障が無茶しやがって」ボソ
一方通行「何か言ったかなァ? 結標くゥン!?」
結標「別に何でもないわ」
土御門「次誰が歌うかにゃー?」
青ピ「残ったのはカミやんとアクセラちゃんだけやな」
上条「どうする? 一方通行歌うか?」
一方通行「いや、俺は歌わないからオマエがいけ」
結標「えっ、貴方歌わないの? カラオケボックスまで来て?」
一方通行「面倒臭ェ」
上条「じゃ、じゃあ俺が歌うわ。ええと、何歌うかなぁ……」ピッピッ
青ピ「じゃあカナミンの主題歌で!」
上条「そんなモン歌えるか!」
土御門「じゃあそげぶマンで!」
上条「……何だそれ?」
吹寄「……もう! 何でもいいからさっさとしなさい!」
上条「何をそんなに怒ってるのでせうか? じゃあこれでいいや」ピッ
『CHA-LA HEAD-CHA-LA/影山ヒロノブ』
テテテテテ テテテテテダッダン♪ デッデデデッデン デッデデデーン♪
青ピ「おっ、DBか」
土御門「カミやんらし選曲だにゃー」
吹寄「ってあたしの曲古いって言ったクセに貴様のだって結構古いじゃない!」
上条「えっ、でもこれ今でも結構聞くだろ!?」
吹寄「そういう問題じゃない!」
上条「えー」
土御門「カミやんボーカル部分始まるぜい?」
上条「あっ」
デーデデー♪
上条『ひーかるくーもを突き抜け Fly Away♪』
青ピ・土御門「「Fly Away!」」
上条『からだーじゅーうに♪ ひーろがるパノラマー♪』
姫神「……上手」
結標「何となくズコーな展開を予想してたけど、普通にうまいわね」
吹寄「そ、そうね……」
土御門「カミやんはそこそこ歌えるからにゃー」
青ピ「ズコーだった方がおもしろかったんやけどなー」
上条『とーけたこおりのなーかに♪ 恐竜がいーたらたーまのりしーこみたいねー♪』
ダダダッダダダダッ♪
上条『CHA-LA HEAD-CHA-LA♪ なーにが起きても気分はーへーのへのかーっぱー♪』
上条『CHA-LA HEAD-CHA-LA♪ むーねがパーチパチするほど♪』
上条『騒ぐげ・ん・き・だ・まああああああ♪』
青ピ・土御門「「Sparking!!」」
~省略~
上条『騒ぐげ・ん・き・だ・まああああああああああ♪』
青ピ・土御門「「Sparking!!」」
一方通行「くっだらねェ」
上条「あー疲れたー。あんまり本気で歌うモンじゃねえな」
土御門「カミやんお疲れい!」
青ピ「よかったでーカミやん!」
上条「それより飲み物くれー。俺のオレンジコーヒーはどこですかー?」
姫神「はい」スッ
上条「おっ、ありがと姫神」
吹寄「か、上条」
上条「ん? 何だ吹寄」ズズズ
吹寄「ま、まあまあうまかったわね!」
上条「……ああ、はいそうですか」
吹寄「な、何よその態度!? 貴様、せっかくあたしが褒めてやったというのに!」
上条「なっ、何をそんなに怒ってるのでせうか!?」
青ピ「そんなことより次はアクセラちゃんの出番やなー」
上条「たしかに残ってんのは一方通行だけか」
一方通行「あァ? 俺は歌わねェぞ?」
土御門「ここまで来たら一曲ぐらい歌って行こうぜい」
一方通行「面倒臭ェ」
上条「どんだけ面倒臭いんだよ」
結標「あ、わかった。どうせあれでしょ? 音痴なのを露呈させたくないから歌わないのでしょ?」
姫神「アクセラ君。音痴なの?」
吹寄「ああ、そういうことか」
一方通行「ハイハイそこォ! 勝手にデタラメ撒き散らしてんじゃねェ!」
結標「いやー、だってあまりにも歌うのを拒んでくるから」
一方通行「そンな理由で音痴呼ばわりされンのは迷惑なンですけどォ」
姫神「なら。上手なの?」
一方通行「あ、当たり前だろォが。俺を誰だと思ってやがンだ? レベル5の一方通行だぞ」
吹寄「じゃあ歌えばいいんじゃないの?」
一方通行「い、いやアレだよアレ。俺歌とか全然知らねェからよォ」
結標「歌知らないのに何で音痴じゃないって断言できるのか……」
一方通行「あ、アレだよ『君が代』とかなら余裕で歌えンだよ!」
上条「国歌とかカラオケにあんのか?」
青ピ「一応あるのはあるみたいやで」ピッピッ
土御門「でも、国歌歌わせてもおもしろくないにゃー」
一方通行「じゃあ、俺の番はスルーっつゥことで――」
青ピ「じゃあボクが選曲してあげるわー」
一方通行「…………は?」
結標「おおっ! それは名案ね!」
上条「まあ、レベル5なら初見の曲でもそこそこ歌えんだろ」
一方通行「あ? 何だァこの展開ィ……」
土御門「青髪ー! 盛り上がる曲で頼むにゃー!」
一方通行「勝手に話し進めてンじゃねェよ」
青ピ「わかっとるわかっとる! よし、これでいっか」ピッ
一方通行「わかってねェじゃねェか!」
姫神「はいマイク」スッ
一方通行「あ、どうも」
吹寄「アクセラ頑張れー!」
上条「何の曲入れたんだ?」
青ピ「そろそろ画面に出るやろ」
一方通行「まともな曲入れたンだろォな?」
青ピ「(中毒者の)みんなに大人気の曲やから大丈夫やでー」
一方通行「……そォか」
『はっぴぃ にゅう にゃあ/芹沢文乃(伊藤かな恵)&梅ノ森千世(井口裕香)&霧谷希(竹達彩奈)』
上条「ぶっ」
土御門「これは……」プププ
一方通行「ンだァ? このふざけた曲名はァ?」
姫神「何の曲?」
吹寄「どう見てもアニメの曲じゃない?」
青ピ「御名答」プププ
一方通行「オイオイこンなモン歌わね――」
土御門「あ、この曲ボーカル部分すぐあるぜい」
一方通行「は?」
タータタタンタータタタタンタ♪ タータータータータタタタタタタタタン♪
一方通行『にゃあ?』
上条「ぶはっ」
土御門「ぶふっ」
青ピ「ぶへっ」
一方通行『ンでンでンでェ?(にゃあ)にゃァンでェ? かまってかまって欲しィのォ?』
一方通行『イイ子じゃないとォきのわたしィ、カワイィとかありえなァい?』
結標「これはぷぷぷひどいぷぷぷ」
吹寄「何てひどい曲……」
姫神「…………」←必死に笑いをこらえている
一方通行『それそれそれェ?(にゃあ)らァあぶッ? もらってもらってくださいィ?』
一方通行『非常事態が日常ですゥ? 好きって言ったらジ・エンドにゃン?』
上条「~~腹が~~腹が痛ェ」
土御門「ギャップがすごすぎる~~」
青ピ「アクセラちゃんかわいいで~~」
一方通行『わがままそのままねこまンまァ? 上から目線のてンこ盛ィ?』
一方通行『三毛ブチィ? トラシロォ?』
上条・土御門・青ピ「「「早くしろ!」」」
一方通行『うェるかむねこまねきィ?』
結標「ちょ、ちょっとトイレぶはっ!」
姫神「い……いってらっ……しゃぷぷ」
吹寄「……この環境でアクセラはなぜこれを歌い続けることができるのだろうか?」
一方通行『ちょォしにのっちゃだめェ? にゃンたら優しすぎるのだァいキィラァいィ?』
ダン! ダン!
上条・土御門・青ピ「「「みゃーん!」」」
一方通行『はァァァぴィにゅうにゃァ? はァァァじめましてェ?』
一方通行『キミにィあげるゥ最初のオォォバラァン? 逃げるからァ追い掛けてェまァるい世界ィィ?』
ティロティロ♪
一方通行『ラァアアアッキィニューフェェイス? ちィィかづいてるゥ?』
一方通行『わたしだけェェ見つけなさいィィ? 拾いたいなら拾えばァァァ?』
一方通行・上条・土御門・青ピ『「「「いーじゃン(ん)!」」」』
トントンガチャ
店員「失礼します、とミサカは笑いをこらえながら部屋に入ります」
一方通行(あァ、アイツは……)
店員「さきほどは飲み物を間違えてしまい申し訳ありませんでした。コーヒーです、とミサカはコーヒーの入ったコップをテーブルに置きます」
吹寄「あっ、どうも」
店員「ではごゆっくり、とミサカはこの部屋を後にし――」
一方通行『オイ待てコラ』
店員「(^_^d)グッ」
一方通行『…………』
店員「では!」ダッ
一方通行『ちょ、逃げンなァ!』
土御門「アクセラちゃん! 二番が始まるぜい!」
一方通行『あァ?』
ギューンギュギュギュギュ♪
一方通行『ンでンでンでェ♪(にゃあ)にゃァンで♪』
~省略~
一方通行『ぐずぐずゥしない拾えばァァァ♪』
テッテレテッテッテッテ♪
一方通行・上条・土御門・青ピ『「「「いーじゃン(ん)!」」」』
タッタラタタタタタターン♪
一方通行『にゃァァン!』
青ピ「…………」パチパチ
上条「…………」パチパチ
土御門「…………」パチパチ
吹寄「…………」パチパチ
姫神「…………」パチパチ
結標「…………ぷぷ」パチパチ
一方通行「……オイオマエら何か言えよ。ああ、あと結標は泣かす」
上条「ま、まあよかったんじゃねえか?」
姫神「うん。盛り上がったと思う」
吹寄「ああ、一応は盛り上がったわ」
一方通行「つゥか、絶対ェこの曲大人気とか嘘だろ」
青ピ「まあ一般人から見たら人気ないかもしれへんけど、一部のマニアからは大人気やでー!」
一方通行「そンな変なモン歌わせンじゃねェ」
土御門「まあまあアクセラだって最後はノリノリだったじゃないかにゃー?」
一方通行「は? 別にノってねェし」
結標「にゃーん♪」ププ
一方通行「死体決定だクソ野郎ッ!!」カチ
上条「まあ落ち着こうぜ一方通行」ポン
一方通行「右手で俺に触ンじゃねェ!」
青ピ「じゃあ二週目行くとしようやー!」
土御門「たしか結標からだったかにゃー」
結標「そうだ! 吹寄さん姫神さん! 三人で歌おうよ!」
吹寄「いいわね!」
姫神「わかった」
土御門「これは負けてられないにゃー! 俺たちスクエアフォースも歌おうぜい!」
青ピ「おおええなあそれ! 乗った!」
上条「どうせ四人になったんだから四人組の曲歌おうぜ!」
一方通行「俺はもう歌わねェ。あと勝手に馬鹿の集まりに俺を加えてンじゃねェ!」
―――
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プルルルルルルル
土御門「あ、電話だぜい」
上条「俺が出るよ」ガチャ
上条「もしもし……ああ……はい」
上条「退出十分前だってさ!」
青ピ「あー、もうそんな時間かー」
結標「楽しんでると時間が経つのが早いわねー」
土御門「延長しようぜい! 延長ー!」
吹寄「馬鹿か! もう完全下校時刻に近いわよ!」
姫神「本当だ」
上条「もう切り上げようぜー。正直もう疲れた」
一方通行「俺も疲れた。早く帰って寝たい」
結標「あれ? 夕飯を食べるとお風呂に入るというのが抜けてるわよ?」
一方通行「面倒臭ェ」
吹寄「上条! もう断っときなさい!」
上条「わかってますよ-、もしもし……あ、はい、いいです」
青ピ「あ゛ー喉が痛いわ゛-」
結標「たしかにそうね。ちょっと騒ぎ過ぎたかしら?」
土御門「あと十分だけどもう一曲くらい歌うかにゃー?」
上条「もういいんじゃねえか? みんな疲れただろ」
一方通行「つゥわけでとっとと退出だ」カツンカツン
結標「帰り支度早ッ!?」
上条「どんだけ早く帰りたいんだよ……」
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同日 18:40
-第七学区・とあるアミューズメント施設・前-
青ピ「あぁー! 疲れたー!!」
上条「うわぁ、もう外は真っ暗だなー」
姫神「もうとっくに十二月だしね」
一方通行「あァ、さっぶゥ」
結標「ちょっと貴方。そういえば何で防寒具の一つも付けてないのよ?」
一方通行「今までそンなモン必要ねかったからな。用意してねェンだよ」
吹寄「この季節でマフラーはおろか手袋すら付けないとは……」
一方通行「今までは速攻部屋に帰って引きこもってたからな。必要性がねェ」
結標「もう! 見てられないわ……ほら、マフラー貸してあげるから!」スッ
一方通行「あァ? いらねェよそンなモン……ってオイ、ムリヤリ巻こうとすンじゃねェテメェ!」バッ
結標「コーラー! うーごーくーなー!」
ワイワイガヤガヤ
吹寄「あなたたちってホント仲いいわよねー」
姫神「姉弟みたい」
一方通行「ハァ? 何でこンなクソババァの弟にならなきゃいけねェンだ!?」
結標「……! もらった! 隙あり!」バッ
一方通行「ッ!? しま――」
結標「よーし、やっと巻けた」
一方通行「……チッ」
土御門「ところで今のうちに相談なんだけどにゃー」
上条「何だよ?」
土御門「前やったマラソン大会で、我らがヒーロー一方通行が手に入れたスキー場無料入場券についてなんだけどにゃー」
青ピ「おおっ、あの学校新聞でデカでかと載るほどのカッコイイゴールをしながら手に入れたスキー場無料入場券のことか!」
姫神「ああ。あのお姫様抱っこの」
吹寄「いやー、あの写真はいつ見てもすごいと思うわー」
上条「何か話がスキー券から一方通行達のゴールシーンの話になってねえか?」
結標「…………///」カァ
一方通行「何一人悶絶してやがンだ?」
結標「な、何でもない///」
一方通行「?」
土御門「どうせみんな券をもらったんだから、時間さえ合えば一緒に行かないかと思ってな」
吹寄「うーんまあ、私は別に構わないんだけど……」チラ
上条「はい?」
一方通行「ンだよ?」
姫神「二人とも補習だから。全員の予定が合わない可能性がある」
結標「あー、そういえばあったわねー補習」
一方通行「くっだらねェ」
上条「嫌なモン思い出しちまった……」
青ピ「まあ、そこは小萌先生に頼みこんでみて補習を休みにしてもらえばええんとちゃう?」
上条「その場合、俺らの勉強量がすっげえ増える気がするのですが?」
一方通行「面倒臭ェ」
土御門「そうだにゃー、じゃあまあ今日はもう遅いから解散として、あとはメールなりなんなりして決めるとしようぜい」
吹寄「ま、それが妥当ね」
姫神「そろそろ。警備員の人たちが。巡回し始める時間」
上条「げっ、もう特売の商品なんて残ってねえだろうな……」
一方通行「残ってたとしたら、こンな時間まで買い出しに行く気かよオマエ?」
上条「もう冷蔵庫の中が全滅何ですぅ!」
一方通行「……はァ、しょうがねェな。適当にコンビニの食いモン奢ってやる。勿論インデックスの分もな」
上条「ほ、本当ですか!? ありがと――」ドケ
一方通行「やめろ! さっきと同じ状況になってねェかこれ?」
結標「ってことはコンビニ寄るの?」
一方通行「まァ、そォなるな」
結標「ちょうどよかったわ。打ち止めちゃんからおやつの追加を頼まれてたから」
一方通行「あンまガキ甘やかすンじゃねェぞ」
土御門「はい! じゃ、今日はもう解散だにゃー! カミやーん俺もコンビニ付き合うぜー!」
青ピ「あっ、ずるい! ボクも奢ってくれやアクセラちゃん!」
一方通行「オマエらはうっとォしいから付いてくンな」
吹寄「じゃあ結標さん、さよならー」
姫神「さようなら」
結標「またねー」ノシ
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【後編】に続きます


能力使用でズルとは何事なのか