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一方通行「バカみてェな三下を顔面パンチしたら記憶喪失になった」【前編】
一方通行「バカみてェな三下を顔面パンチしたら記憶喪失になった」【後編】
EX.1 アルバイト
-黄泉川家・リビング-
テレビ<エーツヅイテノニュースデス
芳川「…………………………」
一方通行「…………………………」
芳川「……暇だわ」
一方通行「働けニート」
芳川「あら、暇と言っただけでニートって言われるとは思わなかったわ」
一方通行「そォいや、前、アルバイトの面接を受けに行ってたとか言ってたが、結局アレどォなったンだ?」
芳川「そういえば、まだ連絡が来ないわね」
一方通行「落ちたンじゃねェのか? うちではニートは引き取れませン、ってなァ」
芳川「それはないとは思うんだけど。マニュアル通りの回答したから完璧だったはずよ」
一方通行「マニュアル通りってところがすでに怪しィンじゃねェか?」
芳川「でも、アルバイト急募っていう貼り紙がしてあったから、落ちるとは思えないんだけど」
一方通行「もうすでに、バイトが決まってたンじゃねェか? 面接は行うだけ行って」
芳川「……ふむ。まあ、それならそれで別にいいけど」
一方通行「残念ながらニート脱出ならぬか」
芳川「一応、働こうという意欲を見せたから、ニートの定義から外れるんじゃないかしら?」
一方通行「今さっき、別にいいやみたいなこと言わなかったか?」
芳川「キミだって傍から見たら不登校の引きこもりなのに、よくそんな口が利けるわね」
一方通行「俺はイインだよ」
芳川「レベル5だからって学校に行かないのは甘え」
一方通行「面接失敗したからって、他のバイト先を探さないのは甘え」
芳川「面接は失敗した覚えはないわ。全部テンプレ通りの何の面白味のない回答だったもの」
一方通行「どォでもいいわそンなモン」
<プルルルルルルルル
芳川「あら、珍しく私の携帯電話が鳴ってるわ」
一方通行「いい歳した大人がそンな寂しィ事言うンじゃねェよ」
芳川「キミも同じようなものでしょ?」ピッ
一方通行「ンだと?」
芳川「もしもし?」
芳川「……はい、そうです」
芳川「……はい……はい、ありがとうございます」
芳川「……はい……では、よろしくおねがいします」
芳川「……失礼します」ピッ
一方通行「……何の電話だよ?」
芳川「バイトの合格通知ってところかしらね」
一方通行「落ちたンじゃなかったのかよ?」
芳川「私は一言も落ちたなんて言ってないのだけど」
一方通行「まァいいか。脱ニートおめでとさン」
芳川「その脱ニートと言われるのは気に入らないけど、ありがと」
一方通行「で、いつから働くンだ? 元ニートさン」
芳川「受かろうが落ちようが、結局ニート呼ばわりされるのね」
芳川「とりあえず、明日の午後から出ることになったわ」
一方通行「午後っつゥことは、昼過ぎだからそンな人がいねェ頃の時間か」
芳川「おそらく、オリエンテーションを兼ねてるのじゃないかしら?」
一方通行「だろォな。まァ、せいぜいクビにならねェよォにガンバれよ」
芳川「まあ、これで私は脱ニートと言う訳だから、貴方も脱引きこもり頑張りなさいよ」
一方通行「チッ、だから俺は(ry」
―――
――
―
-第七学区・とあるコンビニ-
芳川「今日からお世話になります芳川です。よろしくお願いします」
店員「ああ、どうも。こちらこそよろしくお願いします」
芳川「ところで、私は何をしましょうか?」
店員「あ、別に敬語じゃなくていいですよ。俺の方が年下ですし」
芳川「そう。ならそうするわ。ところで私は何をすればいいのかしら?」
店員「うーん、そうですね。レジとかはできますか?」
芳川「マニュアルは一通り読んだから大丈夫だとは思うわ」
店員「じゃあ、レジお願いしてもいいですか? 俺は肉まんとかおでんとかの補充してますから」
芳川「わかったわ」
店員「何かわからない事があったら俺に聞いてくださいねー」タッタッ
芳川「……………………」
―――
――
―
―
――
―――
芳川「―――以上で一二八〇円になります」
芳川「……一五〇〇円お預かりします」ピピガチャ
芳川「二二〇円のお返しになります」チャラ
芳川「ありがとうございましたー」
芳川「……ふう」
店員「すごいですねー芳川さん。レジ完璧じゃないですか!」
芳川「この程度の機械、研究者時代に使って機材に比べればどうということはないわ」
店員「へー、芳川さんって研究者だったんですか」
芳川「まー、今は研究所一つ潰しちゃって無職だったのだけどね」
店員「そ、壮絶な過去をお持ちで……」
芳川「キミはどうなの? バイトしてるってことは何か欲しいものでもあるの?」
店員「い、いえ、そういうわけじゃあないのですが……」
芳川「? じゃあどういうわけ?」
店員「実は先月不幸なことに、一ヶ月分の生活費が入ったサイフをどこかに落としてしまって……」
店員「それで、これはマズイとバイトを始めて今に至るわけですよ。はい」
芳川「それは災難ね」
店員「……まあ、どうせ放課後は買い物に行く以外は暇だったんで、時間の有効活用と考えたらバイトを始めて良かったと思えますよ」
芳川「ふふふ、そうね」
―――
――
―
―
――
―――
芳川「いらっしゃいませー」
芳川「鮭弁当が三点、鮭おにぎりが五点」ピッピッ
芳川「以上で一九五〇円になります」
芳川「……ああ、カードですね」ピッ
芳川「お弁当は温めますか?」
芳川「……………………」ガサゴソ
芳川「ありがとうございましたー」
芳川「……あんな鮭ばかり買って、熊か何かなのかしら?」
店員「……はい?」
芳川「いらっしゃいませー」
芳川「サバの味噌煮が十点、サバのカレー煮が十点」ピッピッ
芳川「以上で二一〇〇円になります」
芳川「……二五〇〇円お預かりします」ピッ
芳川「四〇〇円のお返しになります」
芳川「……………………」ガサゴソ
芳川「ありがとうございましたー」
芳川「……今、学園都市って魚類が流行っているのかしら?」
店員「……はい?」
芳川「いらっしゃいませ……あら一方通行じゃない」
一方通行「よォ。ちゃンと店員やってンじゃねェか」
芳川「ふふふ、私を舐めないでいただきたいわね」
一方通行「まァ、どォでもいいけどよォ。ほい」ガチャン
芳川「また、こんなに缶コーヒーばかり買って……」
一方通行「うるせェよ。店員が客の買い物に口出してんじゃねェよ」
芳川「はいはい……ええと、ジョーンズ うまみBLACKが七点、WANDAブラックWANDAが十点」ピッピッ
芳川「……ぷ、プッツンプリンが一点……ぷぷ」ピッ
一方通行「オイ、これは俺ンじゃねェぞ! クソガキの分だぞ!」
芳川「わ、わかってるわ……プッツンプリンて……ぷぷ」
一方通行「ブッ殺すぞクソババァ」
芳川「い、以上で二三七〇円になります……ぷぷ」
一方通行「いつまで笑ってるつもりだオマエ? カードで」
芳川「かしこまりました。カードですね」ピッ
芳川「あ、缶コーヒーは温めますか?」ププ
一方通行「よォし、今からオマエを圧縮して電子レンジでチンしてやるよ」
芳川「まったく。冗談に決まってるじゃない」
一方通行「真面目に仕事しやがれ」
芳川「はいはい」ガサガサ
芳川「はい」スッ
一方通行「ン」ガサ
芳川「ありがとうございましたー。またのお越しをー」
一方通行「オマエがいない時限定でまた来るわ」カツンカツン
店員「―――休憩終わりましたー」テクテク
芳川「……ねえ」
店員「はい?」
芳川「この店って変な人ばかり来るのね」
店員「……はい?」
EX.2 従犬部隊
-黄泉川家・リビング-
テレビ<オマエナンカキライダ ソンナ
打ち止め「ねえねえ」
一方通行「あァ?」
打ち止め「お腹が空いた、ってミサカはミサカは三時のおやつを要求してみる」
一方通行「……適当にそこら辺にあるモン食えばいいだろ?」
打ち止め「そこら辺ってどこら辺? ってミサカはミサカは尋ねてみる」
一方通行「どこら辺って……冷蔵庫の中とか、いつもの菓子の入った棚の中とか……」
打ち止め「探しても一つもなかったんだけど、ってミサカはミサカは戦果を報告してみる」
一方通行「……俺にどォしろと?」
打ち止め「コンビニに連れて行って! ってミサカはミサカは元気いっぱいにお願いしてみる」
一方通行「……めンどくせェ」
打ち止め「このままじゃァ、ミサカは飢え死にしちゃうよー、ってミサカはミサカは空腹を訴えてみたり」
一方通行「一おやつくらい抜いても死にやしねェよ」
打ち止め「もし死んだらどうするつもりなの?」
一方通行「もしももクソもねェよ。死なねェッつってンだろォが」
打ち止め「むー、こうなったら……」
打ち止め「アワキお姉ちゃーん!!」
結標「へっ? 私?」
打ち止め「コンビニ連れて行ってー!!」
結標「えっ? ちょ、ちょっと待って。このドラマが終わるまで待って……」
テレビ<オネエチャーン ヨシヨシリョウクン
打ち止め「ミサカは知ってるよ。このドラマがあと一時間近く放送される事を……」
結標「芳川さんにでも連れて行ってもらったら?」
打ち止め「ヨシカワはバイトに出かけてるよ、ってミサカはミサカは事実を述べてみる」
結標「あ、そうか。バイト始めたんだっけ……」
打ち止め「アワキお姉ちゃん連れて行ってー!」
結標「……あ、一方通行が連れて行ってあげなさいよ!」
一方通行「はァ!? 何で俺が?」
結標「どうせ暇でしょ」
一方通行「何言ってンだオマエ? 俺は忙しィンだよ」
結標「ハイハイ昼寝で忙しいんですねわかります」
一方通行「大体オマエだって暇だろうが。そンなクソつまンねェドラマの再放送なンか見て何がおもしれェンだか」
結標「なっ!? この野郎、コウくんを馬鹿にしたわね!?」
一方通行「天才子役()」
結標「よろしい、ならば戦争だ」
打ち止め「ふ、二人ともやめて! ミサカのために争わないで、ってミサカはミサカは悲劇のヒロインを気取ってみる」
ピンポーン
打ち止め「あ、誰かが来た。お客さんかな? ってミサカはミサカは速足で玄関に向かってみる」トテチテ
一方通行「ガキを甘やかすとロクな大人になンねェンだよ! ソース俺」
結標「ぐぬぬ、それを言われると納得せざる負えない……」
一方通行「オイ、ふざけンなよ! 否定しろよオイ!」
<ドナタデスカッテミサ…ウワッカッテニハイラナイデッテミサカハミサカハ…
ガチャ
一方通行「大体よォ……はァ?」
結標「……どうしたの?」
一方通行「あはッ! ギャハハハハハハッ!!」
結標「!? な、何よいきなり!?」
一方通行「木ィィ原クンよォ!! ンだァ!? その思わせぶりな登場はァ!? ヒトのツラ見ンのにビビって目ェ背向けてたインテリちゃンとは思えねェよなァ!!」
木原「いやぁ、俺としてもテメェと会うのはお断りだったんだけどな。一般常識的に考えてしょうがねえじゃねえか」
結標「……誰?」
一方通行「わざわざこンなところまで何しに来やがったクソ野郎が!?」
一方通行「俺を研究機関かどっかに連れに戻そォと考えてンなら、とっとと引き返しやがれ!! ミンチになる前になァ!!」
木原「別にそんなつもりはねぇよ。勘違いが甚だしいんじゃねぇのかナルシスト君?」
一方通行「なら何しに来やがったンだ木原君よォ!?」
木原「何って……あれだよ、あれ。引越しの挨拶に決まってんじゃねぇか」
一方通行「………………はァ?」
―――
――
―
―
――
―――
結標「……お茶でいいですか?」
木原「あぁ、どうぞお構いなく」
一方通行「で、オマエの後ろに立ってるスーツの集団は何なンだァ?」
木原「コイツら? 俺の部下だけど」
一方通行「何でオマエは引越しの挨拶に部下巻き込ンでンだよ?」
木原「いやー、引越しっつってもテメェが思ってるような引越しとは違うんでな」
一方通行「……どォいうことだ?」
木原「よーし、馬鹿でマヌケなクソガキのために、懇切丁寧に説明してやろーかな」
一方通行「スクラップにするぞク・ソ・ヤ・ロ・ウ」
木原「あぁ? 殺れるモンなら殺ってみろよクソガキ」
一方通行「上等じゃねェか!!」カチ
結標「どうぞ、お茶です」
木原「あぁ、有難うございます」
結標「あ、後ろの方々もどうぞ」
後ろの人達「………………………」
結標「?」
木原「おいお前ら。せっかくくれるっつってんのに、無視はねぇだろ」
後の人A「よろしいのですか?」
木原「あぁ? そこで貰わなかったら失礼だろ。わかんねーのかなクズども、殺すぞ」
後ろの人達「り、了解」カチャ
結標「!?」
後ろの人達「ありがとうございます!!」バッ
結標「い、いえ……」
一方通行「そろそろイイかな木原君? 早くオマエを解体したくてうずうずしてンだけどよォ」
木原「いやぁ、別に今テメェを潰しても構わねぇんだけどよ、今日は残念ながら騒動を起こしに来たわけじゃねぇんだわ」
結標「そうよ一方通行。どんな因縁があるかは知らないけど、一応お客様じゃない」
一方通行「……チッ」カチ
木原「そーいや説明すんのどっかの馬鹿のせいで忘れてたな」
一方通行「殺す」
木原「おいおい、この程度の煽りでキレるとかカルシウム足りてるのかなー?」
結標「もう、一方通行。説明が進まないじゃない」
木原「そこのお嬢ちゃんの言うとおりだぜ。黙って聞いててくれるかなー?」
一方通行「……早く終わらせろクソ野郎が」
木原「よし、じゃあ説明に入るかな」
木原「まず、俺達は別に隣の部屋を住処にするために引っ越してきたわけじゃねぇ」
木原「あの部屋はオフィスとして使うために借りたんだよ」
一方通行「オフィス? オマエ起業でもしたのか?」
木原「まぁな。前までは『猟犬部隊【ハウンドドッグ】』っつう学園都市直属の暗部組織だったんだけど、部隊丸ごとクビになっちまってな」
一方通行「あはッギャハッ! ざまァねェじゃねェか木原くゥゥン?」
木原「おいおい、黙って聞いてろっつったろ。殺されたいのは分かったからさー」
木原「まあ、とりあえず路頭に迷ったから会社でも創るかなと思ってな」
木原「クビになったそこのクズども引き連れて、新しい会社を創ったわけだ」
結標(すごい行動力だな……)
木原「まぁ、業務内容は簡単だ。『犬の散歩から暗殺まで。金さえ払えば何でもやる何でも屋』」
木原「その名は『従犬部隊【オビディエンスドッグ】』っつうわけだ」
一方通行「……ギャハッ、あぎゃははッ!! オイオイ、飼い主に無様に尻尾振る奴隷犬だァ? 負け犬の木原君にはお似合いじゃねェか」
木原「何勘違いしてるのかな? 奴隷犬はコイツら。俺は働かねーよ」
結標「……つまり、木原さんはその何でも屋の社長ってことですか?」
木原「そうそう。何かやって欲しかったら何でも言ってね」
結標「は、はあ……」
木原「あっ、そういえばあれ渡すの忘れてたわ。おい! そこのオマエ」
社員A「じ、自分ですか?」
木原「そーだよ、オマエ。あれだ、あれ持って来い!」
社員A「あ、あれとは?」
木原「おい、わかんねぇのかなー? 殺すぞクズ」
社員A「わ、わかりました! あれですね!?」
~五分後~
社員A「持ってきました。これですね」スッ
木原「おいおい、五分間待たせるとか、舐めてんのか、あぁ!?」ガシッ
社員A「ひ、ひぃ、す、すみません!」
木原「ったく……あ、これどうぞ皆さんで食べてください」つお茶菓子
結標「あ、ありがとうございます」
一方通行「あれ、だけで、そンなモン持ってこさせるとか、ぜってェバカだろオマエ」
木原「あん? 伝わりゃいいんだよ伝わりゃぁ」
―――
――
―
―
――
―――
木原「そろそろお暇させてもらうわ。他の住民にも挨拶に行かねぇとなぁ」
一方通行「わざわざ社長自ら行かなくてもいいンじゃねェのか?」
木原「馬鹿言うなよ。コイツらが挨拶なんて高尚な事出来るわけねェだろ」
一方通行「どんだけ信用してねェンだよ」
木原「じゃあ、何か用事があったらいつでも来てくれや。金さえ払やぁ何でもしてやるぜ」
結標「は、はい」
木原「そういや、オマエらの保護者は居ねェのか?」
結標「今、両方出てます」
木原「そーか、じゃあそいつらによろしく言っといてくれや」
結標「わ、わかりました」
木原「じゃあ、またな」
一方通行「二度と来るンじゃねェよ」
結標「……変わった人たちだったね」
一方通行「オイオイ、あれで変わった人だったら、そこら辺のスキルアウトどもが一般人通りこして善人レベルにランクアップするぞ」
打ち止め「……ねえねえ」
一方通行「あ? あァ、そォいやオマエ全然喋ってねかったな」
結標「どうかしたの打ち止めちゃん?」
打ち止め「うーん、何かあのキハラって人苦手かも、ってミサカはミサカは率直な感想を述べてみる」
一方通行「ギャハッ、それが普通の感想だわな。変わった人とか言い出すバカとは違ってな」
結標「何? それって私が普通じゃないって言うの?」
一方通行「……さァな」
結標「ちょっと、流さないでよ」
打ち止め「……結局、ミサカのおやつ買いに行けなかったな、ってミサカはミサカはしょんぼりしてみる」
一方通行「菓子ならさっき木原がくれたヤツ食えばいいじゃねェか」
打ち止め「えっ? いいの? あんな高そうなお茶菓子」
一方通行「別に構わねェだろ。少なくとも俺はいらン」
打ち止め「わーい、ミサカはミサカはお茶菓子に突撃ー!!」
一方通行「……単純なヤツ」
EX.3 そげぶマン
テレビ番組。テレビ番組にはいろいろなジャンルが存在する。
バラエティー番組やクイズ番組などの娯楽系番組があれば、ニュース番組やワイドショーなどの情報番組などもある。
それらは人々の間へ浸透していき、今では欠かせぬモノとなっていった。
もちろん学園都市のテレビにもそれらの番組が放送される。
その中でも、学園都市オリジナルながらも、高い視聴率を誇る番組があった。
その名は『そげぶマン』。
名前の通りヒーローが怪人を倒すという、至ってシンプルなアニメーションである。
学園都市で放送される児童向けアニメ四天王の一つである
学園都市の技術を最大限に駆使されたそのクオリティや、ご都合主義の塊のようなストーリー.
それらは学園都市内に住む夢見る少年から中二病患者まで、子供達の心を瞬く間に魅了していった。
これは、とある少年と少女が、このアニメに魅了されていくお話である。
-黄泉川家・リビング-
テレビ<ナンデヤネン! ワハハハハ!!
一方通行「…………」ボー
打ち止め「ねえねえ! チャンネル変えてもいい? ってミサカはミサカはリモコン片手に聞いてみる」
一方通行「あァ? 別に構わねェけど」
打ち止め「わーい、ありがとー! ってミサカはミサカは透かさずチャンネルを変えてみる」ピッ
一方通行「こンな時間にオマエが見るよォな番組あったっけか?」
打ち止め「んーん。別にないよ」
一方通行「じゃァ、何でチャンネル変えたンだ?」
打ち止め「今からアニメの再放送が始まるっていう情報をミサカネットワークで拾ったから、ちょっと気になって……」
一方通行「アニメ? くっだらね……」
打ち止め「でもでも、学園都市の子供たちの中では大人気らしいよ、ってミサカはミサカはネットワーク内の情報を駆使して弁解してみる」
一方通行「まァ、別にどォでもいいけどよ」
打ち止め「……そろそろ始まるかな? ってミサカはミサカは時計を見ながら言ってみる」
テレビ<チャーチャチャー♪
打ち止め「あっ! 始まったみたいだよ、ってミサカはミサカはわくわくしながら画面を凝視してみる」ジー
一方通行「……さァて、寝ようかな、と」ゴロン
――――――――――――――――――――――――
朝
上藤『俺の名前は上藤浄真。至って普通の男子高校生さ』
上藤『さあて、今日も学校に行って補習を頑張るか!!』
???『ちょっとオマエ! 待ちなさいよ!!」
上藤「ん? ああ、何だ琴美か」
琴美「何だって何よ!? 今日こそ勝負してもらうわよ!!」
上藤『コイツは美作琴美。俺の幼馴染みの中学生だ』
上藤『昔から事あるごとに勝負を挑んでくる変な所があるが、決して悪い奴ではない』
上藤「お前なあ、上藤さんはこれから補習に行かなきゃならないんですよ」
上藤「だから、勝負はまたいつ―――うお!?」バッ
琴美「チッ、外したか……」
上藤「いきなり何すんだよ? 後頭部を狙って回し蹴りとか下手したら死ぬぞ!?」
琴美「どうせオマエは何やっても当たらないんでしょ!? ならいいじゃない!?」ゴォウ
上藤「ああーもうっ!」
上藤「最悪だああああああああああああああああああ!!」
タララッタ~♪(OP)
――――――――――――――――――――――――
一方通行「……何だこりゃ?」
打ち止め「うーん、何かこんな光景をどこかで見たことあるような……ってミサカはミサカはネットワーク内で検索をかけてみる」
一方通行「つゥか至って普通の高校生が何でいきなり中学生とバトってやがンだ?」
打ち止め「まあ、まだ始まったばかりだしいいんじゃない? ってミサカはミサカは視聴を継続してみる」
――――――――――――――――――――――――
夕方
上藤「ああー、朝はケンカ大好き中学生と絡まれ、さらに補習が長引いてもうこんな時間か……最悪だ」
上藤「まあ、こんな時はさっさと家に帰ってゆっくり寝てしまおう……」
上藤「……はあ」
???「……はぁ……はぁ……はぁ」タッタッ
上藤「……ん? ちょっ」
ドカン
上藤「うわっ!? 痛つつ……」
???「痛ったーい!! ちょっと何やってるのかな!?」
上藤「な!? ぶつかって来たのはソッチだろ!?」
???「わ、私が悪いって言うのかな!?」
上藤「さっきのは絶対お前が悪い」
???「……はっ!? ヤバい、逃げないと」
上藤「逃げる? 何が?」
???「あ、アンタには関係ないかも! それじゃあ!!」タッタッ
上藤「な、何だったんだ?」
――――――――――――――――――――――――
一方通行「スンマセーン、この白いヤツどっかで見たことある気がするンですがァ」
打ち止め「そうなの? このアニメ見たことあったの?」
一方通行「いや、そォいうわけじゃなくて現実の話だよ」
打ち止め「そうなんだ……へぇー、ミサカがいない所でこんなかわいい女の子と……」ブツブツ
一方通行「あァ? 何ブツブツ言ってンだオマエ?」
打ち止め「何でもない!!」
一方通行「何をそんなに怒ってンだ?」
打ち止め「怒ってない!!」
一方通行(わけわかンねェ……)
――――――――――――――――――――――――
夜
上藤「あー、ついてねえなあ……」タッタッ
上藤「まさか学校に部屋の鍵を忘れるとは……」タッタッ
上藤「普段から予備のカギも持ち歩いとくべきだった……」タッタッ
メラメラ
上藤「……ん? 何だ?」
上藤「……火事?」
ドカアアアアアアン!!
上藤「うわ、何だァ!?」
???「はっ、はっ、ごほっ、ごほっ!!」
上藤「お、オマエはさっきの……」
???「あ、アンタはさっきぶつかって来た」
上藤「ぶつかって来たのはお前だろ!?」
????「ふふふ、まさか一般人にこんなところを見られてしまうなんてね」
上藤「!? 誰だ!?」
イノケン「僕の名前はイノケン=ステルス。その子の持っているある『モノ』を狙う怪人さ」
上藤「か、怪人だって!?」
――――――――――――――――――――――――――
一方通行「……自分から『一般人に見られたか』とか言っときながら、自分で説明しだしたぞこの怪人」
打ち止め「やっぱり、子供向けのアニメだからツッコミどころがいろいろ多いね、ってミサカはミサカは半分ワクワクしてる自分がちょっと悔しかったり」
一方通行「まァ、オマエはガキだしな」
――――――――――――――――――――――――――
???「に、逃げて!! 早くここから!!」
上藤「逃げるって、逃げれるわけねえだろ!! こんなボロボロな小さな女の子を置いてッ!!」
???「ふ、ふふっ、私は大丈夫よ。だから早く……ッ痛!?」
上藤「おいっ! 足を怪我してるじゃねえか!!」
???「あ、アンタがいても邪魔なだけなのよ。だから早く逃げて」
イノケン「ふん。その子の言うとおりだよ」
上藤「何!?」
イノケン「キミみたいな一般人が、怪人である僕に勝てる訳ないじゃないか?」
イノケン「だから、とっととここから立ち去るべきだね」
???「そうよ! だから早く―――」
上藤「……ふざけんじゃねえ」ボソ
???「……えっ?」
上藤「ふざけんじゃねえぞ!!」
???「!?」
上藤「そんなに小さい体で、そんなにボロボロなクセに、強がってんじゃねえよ!!」
???「な、べ、別に私は強がってなんか―――」
上藤「嘘ついてんじゃねえ!!」
???「!? う、嘘なんかじゃ……」
上藤「だったら、何でお前はそんな涙を流してんだよ!?」
???「えっ? わ、私、いつの間に涙なんか……」
上藤「助けてやるよ。こんなクソ野郎、俺がぶったおしてやる!!」
~CM~
―――――――――――――――――――――――――――
一方通行「無理じゃねェ!?」
打ち止め「えっ、何で!? ってミサカはミサカは驚きながらも尋ねてみる」
一方通行「いやいや、さっきまで『至って普通の男子高校生』って言ってたやつが、怪人に勝てるわけねェだろ普通」
打ち止め「で、でもでも、もしかしたら彼にはすごい力が……」
一方通行「まァ、それが妥当だろォけどな……」
―――――――――――――――――――――――――――
イノケン「ふーん。僕を倒す、って?」
上藤「ああ」
イノケン「ふはははははっ!! 何をバカなこと言っているんだい?」
イノケン「三千度もの炎を操るこの僕にかい!?」
イノケン「無理だね! 絶対にキミは勝てない!! 百パーセント言いきれるね!!」
上藤「そんなの……やってみねえと……」
上藤「わからねえだろぉがッ!!」ダッ
イノケン「ふふふ、そこまで言うなら……」
イノケン「死ね」
ゴォパァアアアア!!
ゴォウウウウウウウウン!!
???「!? そんな……」
イノケン「ふははははははは!! どうだ!? 僕の三千度の炎の味は!?」
イノケン「まあ、聞いたところで……もう消し炭になってるかな?」
「……誰が」ダッ
イノケン「!?」
上藤「誰が消し炭になったって!?」ゴォウ
ガコン!!
イノケン「ごふっ!!!!!?」ガコンダコン
???「ど、どうして生きてるの!? アンタさっき三千度の炎に飲み込まれたはずじゃあ……」
上藤「バーカ。いくら三千度の灼熱の炎でも……」
上藤「いくら即死級の攻撃でも当たらなきゃノーダメだろ?」
――――――――――――――――――――――――――――
一方通行「いやいやいやいやいや、オマエあれは当たってたろ!?」
打ち止め「お、おお!」キラキラ
一方通行「……あァ?」
打ち止め「す、すごい……」キラキラキラ
一方通行「……やっぱり、何にも考えねェガキから見たらおもしれェのか?」
打ち止め「か、かっこいい……」キラキラキラキラ
――――――――――――――――――――――――――――
イノケン「ふふふふふふふふふ、よくもこの僕をここまでコケにしてくれたな」
イノケン「もうゆるさん!! うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」ゴゴゴ
ゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!
上藤「な、何だこりゃ!?」
上藤「ほ、炎の巨人!?」
イノケン「これが僕の最終形態。『魔女殺しの魔王』だっ!!」ドン
イノケン「さっきのまでの数千度のちっぽけな炎とは違うぞ? 今の僕の体表面の温度は一万度だ!!」
上藤「ば、化け物かよ……」ガクッ
イノケン「ふははははははははははははは!! さっきまでの威勢はどうしたんだい?」
上藤「く、くそぉ……」
――――――――――――――――――――――――――――
一方通行「オイ待て。一万度って、普通もう終わりじゃね?」
一方通行「太陽の表面がたしか六千度だった気がすンだけど、これおかしくね!?」
一方通行「コンクリートの一つも溶けてねェぞこれ!?」
打ち止め「ど、どうするんだろ……」ゴクリ
一方通行「……ダメだ。もう心を無にして見よォ」
――――――――――――――――――――――――――――
???「……ねえ」
上藤「お、お前!? 下がってろって言ったろ!?」
???「アンタはここで死ぬ必要はないんだよ」
上藤「何……だと?」
???「ねえ怪人! アンタの狙いは私の持ってる『O.H.T.Tストーン』が狙いなんでしょ!? 」
上藤「『O.H.T.Tストーン』……何だよそれ?」
イノケン「ふふふ、たしかにそうだけど、それが何か?」
???「これを渡すから、この人を見逃して欲しいんだよ!!」
イノケン「……僕と取引をしようと?」
???「…………」コク
イノケン「ふむ……」
イノケン「たしかに良い取引だけど、残念ながらノーだ」
???「!? 何で!?」
イノケン「だって、普通に手に入る物をわざわざ取引してまで手に入れる必要はないだろ?」
イノケン「それにそこの一般人は僕の顔を傷つけた。だから逃がす気はさらさらないね」
???「そ、そんな!」
イノケン「と、いうわけでまとめて死んでもらうよ!!」
ゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!
上藤「く、クソォおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
ピカァアアアアアアアン!!
イノケン「!? 何だと!?」
上藤「あ、あれ? 生きてる」
???「『O.H.T.Tストーン』が光ってる!? ま、まさかアンタが!?」
上藤「えっ? 何?」
???「アンタ名前は!?」
上藤「えっ? か、上藤浄真だけど」
???「じょうま! これを……」スッ
上藤「えっ、これって?」
イノケン「クソッ! まさか『O.H.T.Tストーン』の適応者か!? やらせるか!!」
グォウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!
???「十万三千の魂よ! かみどうじょうまに力を――――」
クワァアアアアアアアアアアアアン!!
上藤「う、うわあああああああああああああああ!!」
―――
――
―
イノケン「……やったか!?」
イノケン「ははは、やってやった」
イノケン「あとは『O.H.T.Tストーン』を回収するだけ――」
?????「平和を脅かす悪の使者よ……」
イノケン「!?」
?????「キサマが私欲のためにこの少女を傷つけてもいいなんて幻想を持ってやがるなら」
そげぶマン「まずは、その幻想ブチ壊してやる!! 『そげぶマン』参上!!」シュターン
~つづく~
―――――――――――――――――――――――――――
打ち止め「おおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」キラキラキラ
一方通行「うォォおおおおおおおお!! すげェ続きが気になるッ!」
打ち止め「早く来週にならないかな!? ってミサカはミサカは床を叩きながら待ちきれないアピールをしてみる」ドンドン
一方通行「クソがァ、カッコいいじゃねェか『そげぶマン』。チクショーめがァ……」
ワイワイガヤガヤワイワイガヤガヤ
結標「……何だこれ?」
『そげぶマン』制作:A.C.STAFF 提供:統括理事会
EX.4 大食らいシスター再び
-第七学区・地下街-
一方通行「……はァ、いつの間にこンなところに来たンだ?」
一方通行「暇潰しに散歩でもしようと外に出たが、まさかこンなところまで来るとは思わなかった」
一方通行「能力の制限が付いて不便極まりねかったが、その分俺の体力が増えてンのかもしれねェな」
一方通行「っつっても、こンなに歩きゃァ多少は疲れるか」
一方通行「適当な店にでも入って休憩でもしてるか」カツンカツン
ガン
???「あう!」
一方通行「あン?」
一方通行(ンだァ? 何かが足に引っ掛かった……)
一方通行「…………………」
???「うーん……」
一方通行「何やってンだオマエ?」
???「……うー、お腹空いた」
―――
――
―
-第七学区・ハンバーガーショップ-
一方通行「……で、またオマエは『とうま』ってヤツに昼飯を作ってもらえず置いてけぼりにされたってわけか暴食シスター」
禁書「暴食シスターじゃないんだよ! インデックスなんだよ!」ガツガツムシャムシャ
一方通行「ハンバーガー二一個目に現在進行系でチャレンジしながらそンなこと言われてもな」ハァ
禁書「ところであなたはまたあの子を捜してるの? あの茶髪にアホ毛の子」バクバク
一方通行「いいや、俺はただの散歩だ」
禁書「ふーん、そうなんだ」ニヤ
一方通行「……ンだその顔は?」
禁書「暇なら、またとうまを一緒に探して欲しいんだよ!」モグモグ
一方通行「口に食べ物が入ってる時に喋ってンじゃねェぞ。せめて、手で隠せ」
禁書「あっ、……恥ずかしいんだよ///」バッモグモグ
一方通行「オマエがそれを言うと何かすごく不自然だな」
禁書「むー、何かなそれ?」モシャモシャ
一方通行「つゥか、人捜しなら警備員か風紀委員に頼んだ方よくねェか?」
禁書「あんちすきる? じゃっじめんと?」
一方通行(相変わらずの現代知識の欠如っぷりだなァオイ)ハァ
禁書「?」モグモグ
一方通行「……まァ、どォせ暇だし別に構わねェよ」
禁書「やったー、ありがとうなんだよ!」モグモグ
一方通行「だから、隠せっつってンだろ!」
禁書「わっ、ごめんなさい」バッ
一方通行「ったく……」
一方通行「……ンで、そのとうまってヤツはどんなヤツなンだ? 姿形がわからねェモンを捜し当てられるほど俺は有能じゃねェぞ」
禁書「そう言われればそうかも。うーん……別に普通の人だよ」
一方通行「……何か特徴はねェのか? 俺から見たら大体の人間が普通なンだよ」
禁書「あなたが言うとすごい説得力だね」
一方通行「ほっとけ」
禁書「ええとね。何と言うか、ツンツンした髪型が特徴かも」
一方通行「ツンツン? 髪が立ってンのか?」
禁書「よくわかんないけどたぶんそう」
一方通行「……チッ、それだけか?」
禁書「それだけだよ」
一方通行「オイオイ、そのとうまってヤツはどンだけ特徴がねェンだよ?」
禁書「そう言われても、それくらいしかないんだよ」
一方通行「ツンツン頭のヤツなンて、そこら辺捜しゃァざらにいるぞ」
禁書「そうなの? よくわかんないかも」
一方通行「……あァ、あれだ。写真とかねェのか? 携帯電話の中とかによォ」
禁書「写真はないけど、けいたいでんわならあるんだよ」バッ
一方通行「貸せ」
禁書「はい」スッ
一方通行「…………」カチャ
一方通行「……オイ、電池切れてンぞ」
禁書「でんち?」
一方通行「ちゃンと充電してンのかこれ?」
禁書「じゅうでん?」
一方通行「……はァ、ダメだこりゃ」スッ
禁書「何かわかった?」
一方通行「これでわかったら、それこそ超能力者だろォな。俺には無理だけど」
禁書「あなたも超能力者ってやつなの?」
一方通行「……まァな」
禁書「ふーん」モグモグゴクン
一方通行「…………」
禁書「ねえねえ」
一方通行「あァ?」
禁書「こっちのでらっくすめがとんちーずばーがーってやつも食べてみたいんだよ!」キラキラ
一方通行「……勝手にしろ」ハァ
-第七学区・表通り-
一方通行「……はたして、これと言って特徴のない人間を俺は見つける事ができるのかねェ」ハァ
禁書「何一人でブツブツ言ってるの?」
一方通行「何でもねェよ」
禁書「そういえば、たぶんだけど特徴がまだあったんだよ」
一方通行「あァ? 言ってみろ」
禁書「今日とうまは短髪と出掛けるって言ってたんだよ! だから短髪が一緒にいるかも」
一方通行「短髪? 誰だそれ?」
禁書「茶髪で短髪な品のない女なんだよ」
一方通行「……それこそどこにでも居そうなやつだよな」
禁書「うーん、何となくだけどこの前あなたが捜してた子とちょっと似てる……かも」
一方通行「あァ? アイツと似てるだァ?」
禁書「うん。でも短髪の方がちょっと大きいかな」
一方通行「…………」
一方通行(アイツに似てて少し大きいってまさかオリジナルか? 品のねェってところでクローン共ではねェと思うし)
一方通行「……はァ、めンどくせェことになりそうだな」
禁書「どうしたの? 何かわかった?」
一方通行「あァ、めンどくせェってことはわかった」
禁書「何それ?」
一方通行「何でもねェよ」ハァ
禁書「……あっ!!」
一方通行「あァ? 何だもう見つけたのか?」
禁書「あのくれーぷって食べ物を食べてみたいんだよ!」
一方通行「オマエ……本当に捜す気あンのか?」
―――
――
―
―
――
―――
禁書「うんうんおいしい」モグモグ
一方通行「……オマエ、さっきハンバーガー三〇個食ったばっかだろ」
禁書「デザートは別腹ってテレビで言ってたんだよ!」ムシャムシャ
一方通行「にしても限度があンだろ」
禁書「このいちごきな粉味おいしいんだよ」クチャクチャ
一方通行「……はァ」
禁書「あなたも食べてみる?」スッ
一方通行「人に奢ってもらっといてそれはねェだろ。俺は甘いモノは食わねェ」
禁書「感謝はしてるんだよ」モグモグ
一方通行「感謝してンならとっとと食い終わって、とうまってヤツを見つけてくれ」
禁書「うん。そうする」ゴクン
一方通行「……そのとうまってヤツはどこに行くかとか聞いてねェのか?」
禁書「うーんとねえ、えいがに行くって言ってたんだよ!」
一方通行「映画か……ここら辺ならあそこしかねェな」
禁書「心当たりがあるの?」
一方通行「まァな。この辺りで映画館って言ったら、有名どころの大型のヤツと、路地裏とかにあるマニアックなのしかやってねェヤツの二つぐれェだしな」
禁書「へー、よくわかんないけどあなたって物知りなんだね!」
一方通行「……別に普通だろ」
禁書「そうでもないよ。とうまに聞くといつもいつもわかんないとか適当に返されるんだから」
一方通行「そりゃァ、単にソイツがめンどくせェだけじゃねェか?」
禁書「むー、どちらにしろあなたは良い人なんだよ!」
一方通行「良い人……ねェ……」
一方通行「……まァいい、とっとと映画館に行くぞ。今ならソイツらもいるかもしンねェからな」
禁書「わー!! すごい!!」
一方通行「……? 聞いてンのか?」
禁書「トルコアイスってすごいね!! すっごく伸びてる!!」
一方通行「……は? トルコアイス?」
おじさん「ハイ!!」ビヨヨーン
禁書「おおー!!」キラキラ
おじさん「オイシイヨ」ビヨーン
禁書「おいしそー!!」キラキラキラキラ
一方通行「……今度はデザートのデザートは別腹って言うつもりかコラ」
-第七学区・大型映画館-
一方通行「……ふゥ、さてお目当てのとうまクンは居ンのかねェ?」キョロキョロ
禁書「アイスうまうま」ペロペロ
一方通行「オマエとっととそれ食っちまえよ」
禁書「えっ、何で?」ペロペロ
一方通行「そンなモン映画館内に持って入るとか、普通に非常識だろ」
禁書「へー、そうなんだ。じゃあ食べるね」ガブッ
一方通行「あのLLサイズを一口で食べるか……」
禁書「じゃあとうまを捜すんだよ!」
一方通行「っつっても、どうやって捜すかだな。ソイツらが映画を見てンだったら劇場にいることになるな」
禁書「それなら中に入って捜すんだよ!」
一方通行「それは無理だ」
禁書「えっ? 何で?」
一方通行「この中に入るには券を買わなきゃいけねェンだ」
禁書「じゃあ買えばいいんじゃないのかな?」
一方通行「バカかオマエ。見る気もねェ映画の券買ってどうする気だ?」
一方通行「それに映画ってのは時間帯ごとに放映するのが決まってンだよ」
禁書「つまり、どういうことなのかな?」
一方通行「今券を買ったところで中には入れねェンだよ。劇場入口に改札みてェな装置があるからよ」
禁書「かいさつって何?」
一方通行「……はァ、何でもねェよ。ただ入れねェってことだけ理解しろ」
禁書「うん、わかった」
一方通行「つゥか、とうまクンはどンな映画を見るかとか聞いてねェのか?」
禁書「んーん。聞いてないんだよ」
一方通行「……つゥことは持久戦か。映画が終わるの待つという作戦になるな」ブツブツ
禁書「ねえねえ!」
一方通行「あァ?」
禁書「あれが食べたいんだよ」
一方通行「あ、ああポップコーンか……ってまだオマエ食うつもりなのかよ?」
禁書「そろそろおやつの時間だってお腹の時計が私に示しているんだよ!」
一方通行「まだ二時なンだが……」
禁書「一時間の誤差なんてあってないようなものなんだよ!」
一方通行「……はァ、わかったわかった買えばいいンだろ買えば」カツンカツン
店員「いらっしゃいませー!」
一方通行「どれが欲し――」
禁書「全部!!」
一方通行「……ポップコーン全種類ください」
禁書「LLがいいかも!」
一方通行「……全部LLで」
店員「か、かしこまりましたー」アセ
―――
――
―
―
――
―――
禁書「やっぱり塩味はオーソドックスでおいしいんだよ。あ、でもキャラメル味も甘くておいしいんだよ」モシャモシャ
一方通行「店員の顔引きつってたぞ」
禁書「バーベキュー味も悪くな――」モキュモキュ
一方通行「オイ! ちょっと食うのやめろ!!」
禁書「? 何かな?」クシャクシャ
一方通行「今この時間帯の映画が終わって客が出て来てンだが、それらしい人間が全く見当たらねェンだが」
禁書「んー、ほんとだね。とうまも短髪も見当たらないね」
一方通行「つゥか、そのとうまってヤツはいつ出掛けたンだ?」
禁書「うーんとね、朝の十時十三分だったんだよ」
一方通行「……は?」
禁書「あれ? 聞こえなかったかな? 朝の十時十三分。正確には十時十三分二八秒だったはずだよ」
一方通行「……それってつまり、ソイツらはもうすでに映画を見終えて、どこかで昼飯を食い終えて、どこかでキャッキャウフフしてるっつゥわけか?」
禁書「えっ!? そうなの!? きゃっきゃうふふは困るんだよ!」
一方通行「…………」
禁書「…………?」
一方通行「無駄骨じゃねェかァ!!」ガン
禁書「ひゃ!? ぽっぷこーんわさび味がこぼれた!」アセ
一方通行「ここにポップコーン食いに来ただけじゃねェか!」
禁書「何をそんなに怒ってるのかな? ぽっぷこーん食べる? おいしいよコンソメ味」
一方通行「いらねェよ! 俺が欲しいのは自由と解放だけだ」
禁書「あんまりイライラすると体に悪いよ。こういう時は糖分を取った方がいいかも。はい、チョコレート味」
一方通行「……ハァ、とっとと食っちまえよそれ」
禁書「どうしたの? 何か悩みごとでもあるの? 私はシスターだから何でも相談するといいかも」エヘン
一方通行「シスターさン、いつなったらとうまクンは見つかるンですかねェ? 教えてくださいシスターさン」
禁書「そ、それは……」
一方通行「それは?」
禁書「それは……わからないんだよ」スイー
一方通行「……もォいい。さっさとそれを食い切れ」
禁書「う、うんわかったんだよ! がんばるんだよ!」モシャモシャ
一方通行「……はァ」
一方通行(いつになったら帰れるンだろォな俺は)
-第七学区・とある公園-
一方通行「……つゥかさァ」
禁書「何?」
一方通行「もう捜す意味ほとンどねェよな?」
禁書「そうなの?」
一方通行「だってよォ、オマエ最初言ってたじゃねェか。昼飯ねェからとうまを捜してるって」
禁書「うん、そうだよ。とうまを捜しているんだよ!」
一方通行「もう昼飯とっくに終わってンじゃねェか! つゥかもう五時回ってるし!」
禁書「あ、ほんとだ! よくよく考えたらお昼もおやつも食べてたんだよ!」
一方通行「だったらもォ見つける必要ねェだろ。もしかしたら家に帰ったら戻ってきてるかもしンねェだろ」
禁書「うーん、それもそうだよね」
一方通行「だったらさァ、もう今日はこの辺にしてお開きとしよォや」
禁書「でもでも、何か見つけない時が済まないというか……」
一方通行「そォいやオマエ、前会った時は三毛猫抱えてねかったか?」
禁書「え、……あ、スフィンクス。今ごろ家で寂しそうにしてるかも」
一方通行「さっさと行ってやれよ。猫さンは寂しいと死んじまうンだぜェ?」
禁書「え、え、え!? そ、それは困るかも! じゃ、じゃあね白い人!!」タッタッ
一方通行「…………」
一方通行「……ふゥ、やっとこの長い散歩が終わるっつゥわけか」
タッタッタッ
一方通行「……あァ?」
禁書「…………」タッタッ
一方通行「……どォした? 忘れ物か?」
禁書「うん、ちょっと忘れ物なんだよ」
一方通行「ああ、で、何を忘れたンだ?」
禁書「あなたの名前を教えて欲しくて……」
一方通行「……別に名乗るほどのモンじゃねェよ」
禁書「でもずっと白い人って呼ぶのも何か変なんだよ!」
一方通行「別に構わねェよ白い人でも黒い人でも」
禁書「よくないんだよ! 名前教えて!!」
一方通行「…………」
禁書「教えて!!」
一方通行「…………はァ、わかった教えりゃイインだろ」
禁書「うん!!」
一方通行「……一方通行」
禁書「あくせられーた?」
一方通行「そうそう一方通行。それだけだ」
禁書「うんありがとねあくせられーた。じゃあ今度こそ行くねあくせられーた」タッタッ
一方通行「…………」
一方通行「……やっと行っ――」
禁書「ご飯おいしかったんだよ!! ありがとう!! またねあくせられーた!!」ノシ
一方通行「…………」
一方通行「……チッ、あンだけ奢らせて、あンだけ歩かせてお礼の言葉がたったこれだけかよ」
一方通行「…………」
一方通行「ハイハイまたなインデックスさんよォ」カツンカツン
-第七学区・とある高校の学生寮-
ガチャ
禁書「ただいま! スフィンクスー生きてるー!?」
スフィンクス「にゃー」トコトコ
禁書「あ、よかったスフィンクス生きてたんだね」ダキッ
スフィンクス「にゃー?」
上条「お、おかえりなさいませインデックスさま」ドゲザ
禁書「……何やってんのとうま?」
上条「お昼ごはんを用意するのを忘れてしまい、誠に申し訳ありません。どうぞ、この馬鹿野郎の頭を噛み砕いてくださいませ、ははー」
禁書「別にいいんだよ。もうお昼もおやつも食べて来たんだよ!」
上条「あ、あれ? 小萌先生のところでも行ってたんでせうか?」
禁書「違うよ。白い人に奢ってもらったんだよ!」
上条「白い人って、あの時ハンバーガーを奢ってくれたって言ってた人か?」
禁書「うんそうだよ! くれーぷとかアイスとかぽっぷこーんとかいろいろ食べさせてくれたんだよ!」
上条「……お前、それはさすがに不味いだろ。ちゃんとお礼言ったんだよな? 相手のゴキゲン取ったんだろうな?」
禁書「ちゃんとお礼は言ったんだよ! 見くびらないで欲しいかも」
上条「そ、そうか……はあ、改めて俺もその白い人にお礼しに行った方が良いかな?」ハハ
禁書「あ、そういえば白い人が名前を教えてくれたんだよ!」
上条「えっ、ほんとか? これは本当にお礼しに行かなきゃな……で、なんていう人だ?」
禁書「あくせられーただよ!」
上条「はいはいアクセラレータアクセラレータ……は? 今何て!?」
禁書「あくせられーただよ。とうまは物覚えが悪くて困るかも」
上条「完全記憶能力を持ってるお前と比べんじゃねえよ。それにしても、アクセラレータってまさか……」
禁書「……ねえとうま!」
上条「はい?」
禁書「お腹空いたんだよ!」ニコ
EX.5 学園都市クエスト
-黄泉川家・リビング-
打ち止め「アワキお姉ちゃーん」トテチテ
結標「どうしたの打ち止めちゃん?」
打ち止め「そういえば、ゲーム買ったっきりで遊んでないよね、ってミサカはミサカは隅っこで埃を被っているゲーム機の箱を見て言ってみる」
結標「そうね。結局いろいろあって遊べなかったのよね」
打ち止め「じゃあ、今遊ぼーよどうせ暇だし、ってミサカはミサカは暇つぶしにゲームをすることを提案してみる」
結標「そうね。じゃあそうしましょうか」
打ち止め「わーい、ついにゲームで遊べるぞ、ってミサカはミサカは両手を上げて喜びを表現してみたり」
―――
――
―
―
――
―――
結標「……うぉぉ、相変わらず重いなこれ」
打ち止め「ファイト! ファイト! ってミサカはミサカは精一杯アワキお姉ちゃんを応援してみる」
結標「よ……いしょ!!」ガチャン
結標「……あとは箱の中から本体を出すだけね」カパ
結標「……このぉ! おらぁぁ!!」ガチャン
打ち止め「ちょ、ちょっとアワキお姉ちゃん!? そんなに乱暴にしてもいいの? ってミサカはミサカは大きな落下音に少し戸惑いを見せてみたり」
結標「あ、ああ、箱に、ナパーム弾が直撃しても壊れない、って書いてあるから大丈夫大丈夫」
打ち止め「うわぁ、なんという無駄な耐久力……ってミサカはミサカは唖然としてみたり」
結標「まあ、その無駄な耐久力を発揮するための素材を使っているせいで、こんなに重いのかもしれないけどね」
打ち止め「特殊な合金でも使ってるのかな、ってミサカはミサカは何となく予想してみる」
結標「さあ? 書いてないから何とも言えないわ……」
結標「……ええと、このプラグをテレビに繋いで」カチャ
結標「これをコンセントに刺す、と」カチ
結標「打ち止めちゃん、そこにあるゲームソフトを取ってもらえない?」
打ち止め「うんわかった、ってミサカはミサカはテーブルの上に置いてある箱を手に取ってみる」
打ち止め「はいアワキお姉ちゃん!」つ学園都市クエスト
結標「ありがとね」スッ
結標「……ええと、このディスクを」カチャ
結標「んーと、どこかなー?」
打ち止め「ここじゃない? ってミサカはミサカは説明書を見て一致させながら人差し指を指してみる」
結標「あ、ああ、ここね。ありがと」カチャウィーン
結標「……はい、じゃあ起動!」ピッウォーン
テレレーレーレーレーレー♪
『学園都市クエスト』
打ち止め「おおー! これって学園都市かな? ってミサカはミサカは画面に映る背景を見て分析してみる」
結標「すごい画質ね。まるで本物の学園都市の風景を見ているかのようね」
打ち止め「ところでどっちが操作するの? ってミサカはミサカは素朴な疑問を浮かべてみる」
結標「打ち止めちゃんが操作してもいいわよ」
打ち止め「えっ、いいの?」
結標「うん。私は見てるだけでいいから」
打ち止め「わかった! じゃあお言葉に甘えてミサカはミサカはボタンをポチっとな!」
ア はじめから
つづきから
オプション
ピコーン
『あなたの性別を教えてください』
結標「……性別だって」
打ち止め「うーん、ここは普通に女の子にするべきだろうけど何か違いはあるのかな、ってミサカはミサカは首を傾げてみる」
結標「ちょっと待って。うーんとね……」
結標「どうやら男を選んだ場合に体力とか身体能力が上がりやすくて、女を選んだら知力とかが上がりやすいみたいよ」
打ち止め「うーん、要するに脳みそ筋肉かガリ勉か、ってこと? ってミサカはミサカは二つの特徴を一言で表してみたり」
結標「でも能力のレベルとかには影響ないらしいわよ」
打ち止め「ううう、何だかよくわかんない、ってミサカはミサカは頭を抱えてみる」
結標「どっちでもいいんじゃない? 浜面くんが言ってように誰でも能力が使えるようになるらしいし」
打ち止め「……じゃあ普通に女の子にしよー、ってミサカはミサカはガリ勉を選択してみる」カチ
.男
ア 女
ピコーン
『あなたの名前を教えてください』
打ち止め「……名前だって」
結標「打ち止めでいいんじゃない?」
打ち止め「そうだね、じゃあ……」
打ち止め「…………」
打ち止め「……でも名字と名前両方決めるらしいよ、ってミサカはミサカは画面を見ながら報告してみる」
結標「うーん、そうしたら名字も決めなきゃいけないのか……」
打ち止め「じゃあアワキお姉ちゃんの名字借りて良い? ってミサカはミサカは提案してみる」
結標「別に構わないわよ」
打ち止め「やったー! じゃあ今度こそ……」
打ち止め「む、す、じ、め、ら、す、と、お、ー、だ、ー、っと」
『【むすじめ らすとおーだー】これでよろしいですか?』
打ち止め「ハイ! ってミサカはミサカは元気よくボタンを押してみる」カチ
ア はい
.いいえ
ピコーン
結標「まさか全部ひらがなとは思わなんだ……」
『では、これからする質問に答えてください』
『Q.1 あなたは白色と黒色だったらどっちが好き?』
打ち止め「……何これ? 答えればいいのかな? ってミサカはミサカは助言を求めてみる」
結標「うん。どうやら心理テストみたいなもので、回答のパターンによって能力の種類が変わるみたいね」
打ち止め「ふーんそうなんだ。じゃあ自由に答えていけばいいんだね、ってミサカはミサカは確認を取ってみる」
結標「大丈夫よ」
打ち止め「よーし、ええと、白と黒だったらあの人の髪の色が真っ白だからここは『白色』だね、ってミサカはミサカは即答してみる」
ア 白色
.黒色
ピコーン
打ち止め「ドンドン答えていくぞー! ってミサカはミサカはしっかり意気込んでみる」フンス
―――
――
―
―
――
―――
『Q.500 犬と猫だったらどっちが好き?』
打ち止め「……ふわぁー、これ一体何問あるの? ってミサカはミサカはあまりの質問の数にうんざりしてみたり」
結標「……説明書には書いてないわね」
打ち止め「もー、早くゲームをやりたいー! ってミサカはミサカは猫が好きだから迷わず猫を選んでみたり」カチ
.犬
ア 猫
ピコーン
―――
――
―
―
――
―――
『Q.1000』
結標「だぁー!! どういうことなのこれ? 何でゲームを開始して一時間は経っているはずなのに、未だに物語が始まらないのよ!?」
打ち止め「お、落ち着いてアワキお姉ちゃん。怒っても物語は始まらないよ?」
打ち止め「ミサカも正直イラついているけど、ミサカはミサカはちょっと大人になってアワキお姉ちゃんをなだめてみたり」ドオドオ
『みなさんお疲れさまでした。これが最後の質問となります』
打ち止め「ほ、ほら、やっとこれで終わるんだよ? ってミサカはミサカはまだ始まってもいないのにエンディングを迎えた気持ちになってみたり」
結標「ほ、ほんとね。早く答えてゲームを始めましょ」
『正直この質問攻めにムカついていましたか?(笑)』
結標「…………」
打ち止め「…………」
結標・打止「「当たり前だコラァァああああああああああああああああああああッ!!」」ガチャン
ア はい
.いいえ
ピコーン
―――――
学園都市。
東京西部に位置する完全独立教育研究機関。あらゆる教育機関・研究組織の集合体であり、
学生が人口の8割を占める学生の街にして、外部より数十年進んだ最先端科学技術が研究・運用されている科学の街。
また、人為的な超能力開発が実用化され学生全員に実施されており、超能力開発機関の側面が強い。
総面積は東京都の約3分の1に相当する巨大都市で、総人口は約230万人(その8割は学生)。
それぞれ特色のある23の学区から構成されており、それぞれの学区で独自の条例が、学園都市の法律とは別に制定されている。
~省略~
打ち止め「……あれ? スタートボタンを押してもスキップされない? ってミサカはミサカは長い説明に我慢できなかったり」
結標「初見くらいはちゃんと読みなさいよ。一応ゲームに必要な設定かもしれないじゃない」
打ち止め「えー、面倒くさーい」
テンテンテンテーテテ♪
結標「あ、始まったみたいよ?」
打ち止め「おおー! わくてかが止まらないぜ、ってミサカはミサカは気持ちをそのまま声に出してみる」
―――――
四月十五日(金)午後四時〇〇分 星黒高校 1-A教室 ~放課後~
らすとおーだー(以下らすと)「私の名前は『むすじめ らすとおーだー』」
らすと「今年から学園都市の学校に通うことになった高校生です」
らすと「今日は昨日あった身体測定の結果が帰ってくる日だ」
らすと「私には一体どんな能力が隠されてあるのかわくわくしてます」
先生「……ええと、次はむすじめ」
らすと「は、はい!」
―――――
結標「……らすとおーだーって、文面で見るとすごい文字数多いのね」
打ち止め「そうだね。結構今さらだけど」
打ち止め「しかし、どんな能力かわくわくするね、ってミサカはミサカは画面内の自分と同じ気持ちになってみたり」
結標「…………」
結標(私にもこんな時期があったのかな? 記憶がないからさっぱりだけど……)
―――――
先生「えー、むすじめらすとおーだー。お前の測定結果だが……」
らすと「…………」
先生「異能力者【レベル2】の電撃使い【エレクトロマスター】だ」テッテレレー
らすと「や、やった。今日から私も能力者……」
先生「これからも精一杯努力するように」
らすと「は、はい!」
―――――
打ち止め「わーい! ミサカと同じ電撃使いだぁ、ってミサカはミサカは内心ちょっと残念だけど喜んでみたり」
結標「すごい偶然ねー、いくつもある能力の中で自分と全く同じ力が手に入るなんてね」
打ち止め「どうせならあの人と同じベクトル操作とかだったらおもしろそうだったのに……」
結標「これ一応RPGだから、一方通行の能力だったらユルゲーになってしまうわ」
打ち止め「それもそうか、ってミサカはミサカは舌を出してうっかりアピール」テヘ
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四月十五日(金)午後四時〇〇分 星黒高校 1-A教室 ~放課後~
R子「ねえねえ。身体測定の結果どうだった?」
らすと「電撃使いのレベル2だったよ!」
この女の子はR子さん。
星黒高校に入学した時に知り合った友達です。
中学の時から学園都市に住んでるから、私なんかよりずっとココに詳しいんだぁ。
R子「れ、レベル2? す、すごいな、らすとおーだーちゃんは」
らすと「そんなことないよ。R子さんはどうだったの?」
R子「私なんて全然」
R子「中学の時から万年無能力者【レベル0】の空力使い【エアロハンド】」
R子「埃一つぐらいしか動かせないダメダメ無能力者さ。あはは」
らすと「R子さん……」
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◎選択肢
1『元気出して? R子さんはR子さんだよ』
2『大丈夫だよいつか上がるよ。一緒に頑張ろ? ねっ?』
3『あははー、ごめんねなんか勝手に能力者になっちゃって。ま、お互いがんばりましょ?』
打ち止め「……何か選択肢が出てきたよ? ってミサカはミサカはどれにしようか迷ってみる」
結標「何か明らかに地雷臭のする選択肢があるのだけど……」
打ち止め「とりあえず三番は無しだね、ってミサカはミサカは冷静に判断してみる」
結標「残すは一番と二番ね? 一見どちらも励ましの言葉に見えるけど……」
打ち止め「ミサカは二番だと思うな、ってミサカはミサカは自分の意見を提示してみたり」
結標「あら、どうして?」
打ち止め「一緒に頑張ろ、ってところが友情っぽいと思います」
結標「うーん、残念ながら私は一番だと思うな」
打ち止め「えっ、どうして? ってミサカはミサカはアワキお姉ちゃんに理由の提示を求めてみたり」
結標「二番の一緒に頑張ろ、たしかに良い言葉だとは思うわ。しかし……」
打ち止め「しかし?」
結標「二番は能力面のことしか言っていない! しかし一番はちゃんと人間性に触れているのだ!」キリ
打ち止め「な、なんと!」
結標「恐らくこのR子ちゃんは傷ついているわ。だから人間部分を慰めてあげれば……」
打ち止め「でも逆に嫌がられないかなー、ってミサカはミサカは推測してみたり」
結標「うーん、まあ打ち止めちゃんが思う方を選んでみれば? たぶん三番を選ばない限り失敗はないと思うから……」
打ち止め「そうだね。じゃあアワキお姉ちゃんを信じて一番を選んでみるよ、ってミサカはミサカはボタンを押してみる」ピコ
ア1『元気出して? R子さんはR子さんだよ』
.2『大丈夫だよいつか上がるよ。一緒に頑張ろ? ねっ?』
.3『あははー、ごめんねなんか勝手に能力者になっちゃって。ま、お互いがんばりましょ?』
ピコーン
―――――
らすと「元気出して? R子さんはR子さんだよ」
R子「ば、馬鹿だなー! らすとおーだーちゃんはー。私はいつも元気元気」
らすと「そ、そう? ならいいんけど……」
R子「らすとおーだーちゃんは優しいねー、このこの」ウリウリ
らすと「うわ、ちょっと、やめて、あははははは」
R子「わははははははは!」
R子「ありがとね。らすとおーだーちゃん」ボソ
らすと「……えっ? 何か言った?」
R子「別にー、何でもないって。じゃあそろそろ帰ろー!!」テクテク
らすと「ま、待ってR子さん!」テッテッ
―――――
打ち止め「おおおー! さすがアワキお姉ちゃん。R子ちゃんが元気になったね!」
結標「いやいや、それほどでもー」
打ち止め「やっぱりお姉ちゃんは人生経験が豊富だね、ってミサカはミサカは尊敬の眼差しで見つめてみたり」キラキラ
結標「いやいや、人生経験って言っても記憶喪失しちゃってまだ一年間も満たない人生経験だけどね」
打ち止め「そ、そうだったごめん! ってミサカはミサカは頭を下げながら自分のデリカシーのなさに怒ってみたり」
結標「べ、別にいいわよそんなこと。記憶なんてなくても十分楽しいし」
結標「ほら、ゲーム進めるわよ」
打ち止め「……うん! ってミサカはミサカは元気一杯返事をしてみる」
―――――
四月十五日(金)午後四時一五分 第七学区 通学路 ~下校中~
R子「そういえばらすとおーだちゃんに超能力者【レベル5】のことは教えたっけ?」
らすと「ううん。何それ?」
R子「まあその名の通りレベル0からレベル5までの六段階で査定される能力者の中でトップ」
R子「学園都市にただ一人しか存在しない最強の能力者」
R子「その名は超能力者一方通行!」
らすと「へー、そんなにすごい人なんだー」
R子「すっごく強くてすっごくお金持ちでさらにイケメンって言う噂らしいよ」
R子「一度でいいからこの目で見てみたいなー一方通行さま」
―――――
結標「きゃははははは! 一方通行様ってきゃはは! この世界での一方通行はイケメンなんだ? あははははは!」
打ち止め「ちょ、ちょっとアワキお姉ちゃん。そんなに笑う必要はないよー、あの人は現実世界でもその……カッコいいよ」ボソ
結標「ほほぉ、さては打ち止めちゃん。アイツに惚れてるな?」
打ち止め「えっ、そ、その、え、えへへ……///」
結標「こんな可愛い娘に好かれてるなんて隅に置けないわねアイツも」
―――――
R子「そうだ、今日はどっかよって行かない?」
らすと「うんいいよ。どこに行く?」
R子「うーん、そうだなー、……!?」
らすと「どうしたのR子さん?」
スキルアウトA「おらおら! 金を出せっつってんだろぉがコラッ!!」
バコドコ!!
メガネ「ひ、ひぃ! 勘弁してください!」
スキルアウトB「つべこべ言わず出せって言ってんのがわからないかなー?」
メガネ「こ、このお金だけはダメなんです! 今月の生活費が……」
スキルアウトB「あァ!? 知らねえなー。んなこと俺達には関係ねえだろうがよ」
R子「……うわぁ、あの人かわいそう。カツアゲにあってる」
らすと「何なのあの人たち!? 何であんなことを……」
R子「あいつらは武装無能力集団【スキルアウト】って言って」
R子「能力開発とかで上手く行かなくてやけになった不良やチンピラみたいなものよ」
R子「ああいうのには関わらない方がが良いよ。後から仕返しされても困るし」
らすと「……そうなんだ」
―――――
結標「うわー、まさに絵に描いたようなチンピラね」
打ち止め「あのメガネの人かわいそう、どうにかしてあげられないのかな? ってミサカはミサカは心配してみる」
結標「うーん、どうだろうか?」
―――――
スキルアウトC「……あァ!? 何見てんだテメェら!?」
R子「あ、いえ別に……」
らすと「…………」
R子「ちょっとらすとおーだーちゃん! 早く行こ!」
らすと「……私は」
選択肢
1『こんなの見過ごせないよ! 私はあの人を助ける!」
2『そうだ! 風紀委員を呼ぼう!」
3『……そうだね。行こう」
―――――
打ち止め「選択肢キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!」
結標「これはどうすればいいのだろうか……」
打ち止め「そんなの一番に決まってるよ! 悪いヤツを倒してみんな幸せ! ってミサカはミサカは一番を希望してみたり」
結標「うーんでもこれは難しいんじゃない?」
打ち止め「? 何で?」
結標「レベル2クラスの能力しか持ってなくて、スキルアウト三人を果たして相手にできるのか……」
打ち止め「うーんどうだろうか? ってミサカはミサカは頭を抱えて考えてみる」
結標「だからここは安全策二番を推すわ!」
打ち止め「でもでも、風紀委員さんはすぐに来てもらえるのかなー? ってミサカはミサカは疑問に思ってみる」
結標「まあゲームだから大丈夫じゃない?」
打ち止め「そうだね。ゲームだもんね! ってミサカはミサカは納得しつつ二番を選択してみる」カチ
.1『こんなの見過ごせないよ! 私はあの人を助ける!」
ア2『そうだ! 風紀委員を呼ぼう!」
.3『……そうだね。行こう」
ピコーン
―――――
らすと「そうだ! 風紀委員を呼ぼう!」
R子「えっ? 別にそんなことしなくても誰かが呼んでるよきっと」
らすと「もし誰も呼んでなかったらどうするの!?」
R子「え、そ、そうだね。だったら私が呼ぶよ」カチ
R子「…………」プルルルル
R子「あ、もしもし風紀委員ですか? あ、はい、事件です。恐喝です」
R子「えっと場所は―――」
スキルアウトC「おいおい何をしているのかなお嬢ちゃん?」
R子「ひっ!?」
スキルアウトC「今すぐその電話を切れ。じゃないとちょっと痛い目に遭うことになるぜ?」ボキボキ
R子「あ、あ、あ、その……」ガクブル
らすと「やめてよ!」
スキルアウトC「あん!?」
らすと「一体何でそんな悪いことするのあなたたち!?」
スキルアウトB「あァ!? そんなのお前には関係ねえだろうが」
スキルアウトA「このお嬢ちゃんうっとおしいな」
スキルアウトC「俺がヤっとくからお金の方よろしくー」
スキルアウトA「りょうかーい」
スキルアウトB「俺にも残しとけよ」
スキルアウトC「じゃ、痛い目に遭うってことでよろしくね!?」
らすと「…………」キッ
タタタターン♪

結標「おー、ゲームを開始して約一時間十五分。やっと戦闘が始まった」
打ち止め「結局風紀委員を呼んでもダメだったね、ってミサカはミサカは戦闘画面を見てわくわくしてみたり」
結標「たぶん一番を選んだりしたらあのスキルアウトが三人になっていたのでしょうね」

打ち止め「うーんどうするアワキお姉ちゃん? シンプルに戦う? それとも逃げる?」
結標「たぶんこういうイベント戦闘は逃げられないと思うから、戦うしかないと思うわ」
打ち止め「よーし、じゃあ『戦う』で」カチ
ピッ

打ち止め「こうげき? のうりょく? とくぎ? 何がなんだかサッパリ、ってミサカはミサカは子供らしくシンプルに『攻撃』を押してみようと考えてみたり」
結標「ちょっと待って、今説明書で探すから……」ペラペラ
打ち止め「問答無用! ってミサカはミサカはボタンをプッシュ!!」カチ
結標「ちょ、待っ―――」

打ち止め「わっ! すごいダメージを受けちゃった、ってミサカはミサカは現状報告してみたり」
結標「……言わんこっちゃない、女主人公は身体能力が弱いから肉弾戦は向かないのよ」
打ち止め「もー、それを早く言ってよー、ってミサカはミサカは自分のことを棚に上げて文句を言ってみたり」
結標「結構最初の段階で言ってた気がするけど……」
打ち止め「じゃあどうすればいいの? ってミサカはミサカは打開策を求めてみたり」
結標「じゃあ、次は『能力』で攻撃してみましょう」
打ち止め「わかった、『能力』だね、ってミサカはミサカは巧みにコントローラーを操って『能力』にカーソルを合わせてみたり」カチ

結標「うん。多分これで攻撃した方がダメージが大きいのじゃないかしら?」
打ち止め「APって何?」
結標「たぶん能力を使用するためのエネルギーか何かじゃないかしら? ほら、HPの下にあるやつ」
打ち止め「ホントだ! ってことは電撃攻撃は三回しか使えないってこと? ってミサカはミサカは計算結果を報告して確認を取ってみたり」
結標「うんそういうことね。まあ、最初の敵だから二、三回で倒せると思うけど……」
打ち止め「じゃあ、これを選ぶね! ってミサカはミサカはビリビリアタックを決行してみたり」カチ
ピコーン

打ち止め「あ、一定の確率で動けなくなった、ってミサカはミサカは思わぬ幸運に喜んでみたり!」
結標「これはラッキーね。一気に畳み掛けましょ!」
打ち止め「了解! ってミサカはミサカは結標参謀の指示に従ってみたり!」カチカチ

トゥルルル~♪
打ち止め「や、やった! 倒したよ! ってミサカはミサカはミサカの完全大勝利ー!!」ワーイ
結標「やったわね! 打ち止めちゃん!」ワーイ

テレレレッテッテッテー♪

打ち止め「おおおおお! 何かレベルアップした!? まさかのもう強能力者【レベル3】!? ってミサカはミサカは腰を抜かして驚いてみたり」
結標「そういうわけじゃなさそうよ」
打ち止め「えっ? どういうこと? ってミサカはミサカは首を傾げてみる」
結標「多分能力的なレベルじゃなくて、身体能力のレベルが上昇したのではないかしら?」
結標「その証拠にレベルが1から2に上がっているもの」
打ち止め「うーんよくわかんないけど、強くなってことでいいの? ってミサカはミサカは確認を取ってみる」
結標「うん。そういう事で構わないと思うわ」
打ち止め「よおし! じゃあじゃんじゃん戦ってレベルアップと行こうかー!! ってミサカはミサカは意気込んでみたり」
結標「おー!」
プッツーン
打止・結標「!?」
テレビ「」シーン
打ち止め「……なん……だと?」
結標「……うそ……でしょ?」
黄泉川「ゲームは一日一時間じゃん♪」
打ち止め「」
結標「」
その夜は二人して枕を濡らしたという。
結標「次の日ゲーム機を起動したらオートセーブ機能があったみたいでデータが残ってました」
打ち止め「さすが学園都市製のゲームだね! ってミサカはミサカはこのゲームを作った会社を褒め称えてみたり」
【番外編・後編】に続きます

