654 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/06 00:16:26.67 T/Yq5bhho 1/227



  ――#5 新約・温泉に行こう



元スレ
絹旗「きぬはた荘、あふたー!」白井「あふたー?」~その2
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1315074469/
絹旗「きぬはた荘、あふたー!」白井「あふたー?」~その3
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1319119660/


※関連記事
【本編シリーズ】
絹旗「きぬはた荘、ですか?」滝壺「うん」 【前編】 【後編】 【おまけ短編集】
絹旗「きぬはた荘、ですか?」滝壺「うん」 その2号室 【前編】 【後編】
絹旗「きぬはた荘、ですか?」滝壺「うん」 その3号室 【本編】 【番外編】
絹旗「きぬはた荘、ですか?」滝壺「うん」 その4号室
絹旗「きぬはた荘、ですか?」滝壺「うん」 その5号室
絹旗「きぬはた荘、ですか?」滝壺「うん」 その6号室 【前編】 【後編】 【幕間】
絹旗「きぬはた荘、ですか?」滝壺「うん」 その7号室
【番外編】
絹旗「……超暑いです」白井「沖縄ですし」 【前編】 【後編】
【アフター】(当SSシリーズ)
絹旗「きぬはた荘、あふたー!」白井「あふたー?」
#0 プロローグ
#1 とある秋風の休日模様
#2 子どもができたら名前を考えないとね
#3 絹旗・白井のあの人はいま!
幕間1 婚后さん帰国の日
#4 トライアングル△トーク

※注記
『絹旗「きぬはた荘、あふたー!」白井「あふたー?」』は2013年10月時点で未完結です。

655 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/06 00:17:07.29 T/Yq5bhho 2/227



~11月中旬 第7学区 常盤台新寮~


絹旗 「……」

テスラ 「……」

白井 「」ペラ...ペラ...

アスカ 「」スピー

絹旗 「……雑誌ですか?」

白井 「ええ」

絹旗 「……」

テスラ 「……」

絹旗 「あの……」

テスラ 「ミャゥ」

白井 「何か?」

絹旗 「もう何回目かも分からないですが」

白井 「……そのお話なら結構ですの」

絹旗 「白井さん!」


656 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/06 00:18:41.37 T/Yq5bhho 3/227



白井 「先にシャワー頂きますわね」


<バタン


絹旗 「はぁ……」

テスラ 「」ハァ

絹旗 「どうしたもんでしょうかね」

テスラ 「マオ」

絹旗 「そろそろ超やめさせないとマズイんですが、本人があの調子では……はぁ」

テスラ 「」ハァ

絹旗 「誰かに相談しましょうか。……あー、でも」

テスラ 「フミフミ」ペシペシ

絹旗 「……そうですね。今日一杯粘ってみて、ダメだったら誰か超頼りましょうか」

 :
 :
 :



657 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/06 00:20:28.02 T/Yq5bhho 4/227



<ガチャ


白井 「お風呂空きましたのー」

絹旗 「白井さん」

白井 (なぜベッドで正座を?)

絹旗 「超お話があります」

テスラ 「フミャ」

白井 「は、はあ」

絹旗 「まあ、どうぞこちらに」

テスラ 「ミャウミャウ」ポムポム

白井 「え、えぇ……それで、お話というのは?」

絹旗 「お願いですから、もうやめてください」

白井 「……」

絹旗 「同居人として、パートナーとして、もう超見てられない領域まで来ています」

白井 「……ですから、そのお話は」


658 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/06 00:21:29.40 T/Yq5bhho 5/227


絹旗 「なんで、そこまでしなきゃいけないんですか!?」

白井 「わたくしにも譲れない部分はありますの」

絹旗 「身体を壊す前にやめてください。私が言いたいのはそれだけなんですよ」

白井 「……」

絹旗 「何がいけなかったんですか? ケーキバイキングですか? それとも温泉イベントですか?」

白井 「敢えて言うなら……どちらもですの」

絹旗 「……」

白井 「温泉に行く日まで、あと1週間もございません。それまでに、せめて……」

絹旗 「だからって……!」

白井 「淑女たる者、人様の前でだらしのない身体を晒すわけには参りませんの!」

絹旗 「だからって、今のダイエットは超やりすぎですよ!」

白井 「それぐらいの苦労は背負って当然ですの!」

絹旗 「もう栄養失調リーチじゃないですか! 超マジ死んじゃいますよ!?」

白井 「そうはならないように気を使っております!」

絹旗 「……どうしても、やめてもらえないんですね?」


659 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/06 00:23:29.25 T/Yq5bhho 6/227


白井 「……ええ」

絹旗 「超分かりました。なら私にも考えがあります」

白井 「?」

絹旗 「これを見てください」スッ

白井 「これは……ウエハース?」

絹旗 「学園都市特製の災害非常食です。あらゆる栄養素と800kcalがこれ一枚で摂れます」

白井 「!? 絹旗さん、まさか!」

絹旗 「これを超力づくでも食べてもらいますからね!」バッ

白井 「ひゃっ……や、やめ……!」

絹旗 「観念しやがれですぅぅぅ! 食べちゃえぇぇぇ!!」グイグイ

白井 「いやぁぁ! せめて、せめてイベントが終わるまではぁぁぁぁ!!」ジタバタ


<バーン


寮監 「貴様ら、こんな夜更けにプロレスとはいい度胸だ!!」

絹旗白井 「「」」


660 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/06 00:24:59.07 T/Yq5bhho 7/227



~翌日夕方 第7学区 隠れ家的喫茶店~


絹旗 「ということがありまして、首を超痛めてます」ズキズキ

番外個体 「そりゃいけないなぁ。無理なダイエットは身体を壊すだけだよ」ケラケラ

ショチトル 「マスターはダイエットとは無縁そうだな。食事制限等しているところを見たことがない」

番外個体 「食事制限は淡希の専売特許っしょ」

ショチトル 「義姉さんも、菜食主義だからな……」ハァ

絹旗 「超好きなように食べてれば、身長もミサワさんぐらいになれるんでしょうか」

ショチトル 「ヒール込みで170は正直うらやましいぞ」

番外個体 「得したと思ったことはないけどね。ま、絹旗さんはそのままのほうがいいって、絶対」

絹旗 「なんでですか。せめて150には超届きたいですよ」

番外個体 「だって大きくなった絹旗さんとか想像できないし」

ショチトル 「この"頭なでなでしやすい高さ"は魅力の一つかもしれないな」

絹旗 「超ほっといてくださいよ!」

番外個体 「大人になってもそのまま(の大きさ)の絹旗さんでいてね?」

絹旗 「イーヤーでーすー!」


661 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/06 00:27:13.13 T/Yq5bhho 8/227



<カランカラン♪


ショチトル 「いらっしゃいませー」トテテテ

番外個体 「それにしても、もう今週の土曜なんだね」

絹旗 「ええ。思ったより早く日程が決まって超よかったですよ」


<お一人か?空いてる席に好きに座るといい。


番外個体 「全員参加だっけ? さすがに前回使ったキャンピングカーじゃ入らないだろうね」

絹旗 「まあ、ムリですね。だから現地集合という形になりました」

番外個体 「でも確か、第7学区中央駅から送迎バス出てるんだよね?」

絹旗 「ええ。第22学区がお隣にあるお蔭ですね」

ショチトル 「マスター、注文だ。ツナサンドとアイスコーヒー」

番外個体 「はいはーい」

絹旗 「あ、すいません。私も追加で超ハニートースト」

番外個体 「後でね」

絹旗 「」ムー


662 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/06 00:28:18.42 T/Yq5bhho 9/227


番外個体 「できた、持ってって」

ショチトル 「了解した」ヨイショ


<お待たせした。ツナトーストとドリンクのセットだ。


番外個体 「さて、ハニートーストだったね」カチャカチャ

ショチトル 「温泉か……考えてみたら漠然としか知らないな」

絹旗 「お湯が超いっぱいありますよ」

ショチトル 「それぐらいは分かっている」

絹旗 「身体にいいですよ」

ショチトル 「具体的には?」

絹旗 「……ええと、こう、ほやーーっと」

ショチトル 「なるほど、分からん」

番外個体 「はい、お待たせ」コトッ

絹旗 「あ、きた! 超いただきます」ハムハム

ショチトル (帰ったら調べてみるか……)


663 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/06 00:29:26.41 T/Yq5bhho 10/227



~同日夜 第7学区 結標海原邸~


ショチトル 「温泉というものについて調べてみた」

結標 「そういえばもうすぐね。で、何か分かった?」

ショチトル 「皮膚病や火傷に効果があるのだな。不思議だ、ただのお湯なのに」

結標 「ただのお湯じゃないのよ。すっごく大雑把に言えば、地下水が地熱で沸かされたものなの」

ショチトル 「? つまりお湯だろう」

結標 「ええと、天然の地下水だから。水道水を沸かしたのとは比べ物にならないぐらいのパワーがあるの」

ショチトル 「なるほど」フム

結標 「貴女の身体にだって、なにかしらの効果があるのかもしれないわよ?」

ショチトル 「本当か? バイトを始めてから肩凝りや脚のむくみに悩まされていたのだが」

結標 「それならきっと、いい効果が出るんじゃないかしら」

ショチトル 「これは楽しみだ」キラキラ

結標 「ちなみに。日本独自だと思うけど、ああいう場所でのマナーってあってね」

ショチトル 「マナー? 先日、テレビで旅行番組をやっていたので参考になるかと見ていたが」


664 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/06 00:31:43.40 T/Yq5bhho 11/227


結標 「あー……あれはテレビ用だから」

ショチトル 「というと?」

結標 「例えばテレビでやってるみたいに、タオルを身体に巻いてお湯に入るのは嚴禁だからね」

ショチトル 「なー!?」

結標 「え……当然でしょ?」

ショチトル 「じゃ、じゃあ、老若男女を問わず生まれたままの姿でうろうろしているということか?」

結標 「ま、まあ、そうなるわね」

ショチトル 「……目から逆鱗だ」

結標 「男女きっちり場所は分かれてるんだから。女同士なら別に恥ずかしくないでしょ?」

ショチトル 「そうは言うが……義姐さんやマスターのような身体と比べられると気後れするというか」

結標 「貴女だって年齢不相応なボディのくせに何を言い出すの」

ショチトル 「そうなのか? これまで比べる対象がいなかったので実感がないが」

結標 「絹旗さんとか白井さんに比べると"ホントに同年代?"って思っちゃうし」

ショチトル 「でも、あの二人は小柄な方だし」

結標 「ともかく! 人前に出しても恥ずかしくない程度には育ってるから心配しない!」


665 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/06 00:33:25.83 T/Yq5bhho 12/227


ショチトル 「そう易々と人前に出されても困るのだが」

結標 「はぁ……とりあえず、お湯にタオルはいれないようにね。刺すような視線で見られるわよ」

ショチトル 「こ、心得た。他にはあるか?」

結標 「泳がないこと」

ショチトル 「まあ、それはそうだろう」

結標 「髪はまとめること。これは貴女ならいっか」

ショチトル 「長い人は束ねないといけないのだな」

結標 「あと、先に身体を洗うか、最低限かけ湯してから入ってね」

ショチトル 「かけ湯?」

エツァリ 「熱湯を身体にかぶせるトラップのことです」

ショチトル 「なぜトラップがあるんだ!?」

結標 「ウソ教えない」ベシッ

ショチトル 「?」

結標 「まあ、あと細かいことは当日教えるから」

ショチトル 「わ、分かった」


666 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/06 00:34:39.76 T/Yq5bhho 13/227



~その頃 第7学区 浜滝邸~


フレメア 「こーして、あーして……」

滝壺 「ストップ。そういうにやったら絡まって痛くなっちゃうよ」

フレメア 「うーもー、大体やり直し」シュルシュル

浜面 「何やってんだ、さっきから」

滝壺 「髪型、自分で綺麗にアップにできるようにしたいんだって」

浜面 「なんでまた?」

滝壺 「ほら、温泉だと髪纏めないとアウトだから」

浜面 「あー、なるほどな」

滝壺 「フレメアはウェーブヘアだから、余計やりにくいよね」

フレメア 「むー」

浜面 「おい、髪弄りすぎてメドゥーサみたくなってるぞ」

フレメア 「?」モジャモジャ

滝壺 「いったん戻そうか」


667 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/06 00:36:02.10 T/Yq5bhho 14/227


フレメア 「うまくできなーい。浜面やってみて」

浜面 「俺に求めるな、俺に」

滝壺 「はまづらじゃムリだよ」

浜面 「分かってるんだけど、言い切られると悲しいな」グスン

フレメア 「再チャレンジ」シュルシュル

浜面 「オールバックにする必要あんのか?」

滝壺 「あ、そっか。だから変に引っ張られてうまくできないんだ」

フレメア 「なにかいけないの?」

滝壺 「前髪は残して、後ろ髪だけまとめてみよっか」

フレメア 「分かった、にゃあ」シュルシュル

浜面 「お、そうそう。相談なんだけどよ」

滝壺 「どうしたの?」

浜面 「当日な、第22学区までの足なんだけどさ」

滝壺 「うん」

フレメア 「にゃ、にゃあ」シュルシュル


668 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/06 00:37:11.64 T/Yq5bhho 15/227


浜面 「レンタカー借りてもいいか?」

滝壺 「レンタカー? いいけど、どうして?」

浜面 「ほら、正式に免許取っただろ? だからさ、こう、なんか運転してみたいんだよ」

滝壺 「うん、いいよ」

浜面 「ホント!? じゃ早速予約してくるわ」ウキウキ


<さて、どうすっかな。
<ここは思い切って4t車とかいっちゃうか?


フレメア 「大体できたー」テッテレー

滝壺 「あ、今度は大体じゃなくてちゃんとできたね」

フレメア 「似合う? 似合う?」

滝壺 「うん、いつもと違ってなんか可愛い」


<ドラゴンライダー……か。


滝壺 「はまづら。普通の車にしてね?」


708 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/08 00:41:22.60 XG/mZtL/o 16/227



~数日後 第7学区 とある駅前~


絹旗 「現在時刻12:55。はい、私たちは第7学区中央駅前に来ています」

白井 「絹旗さん、これは取材ではなくプライベートですの」

婚后 「あの取材はまだお続けに?」

絹旗 「いえ、やってませんけども」

白井 「身に着いた癖と申しますか」

婚后 「習慣とは恐ろしいものですわね」クスクス

白井 「未だにカメラアングルを気にしたアクションをすることもあって」

絹旗 「いいじゃないですか、別に。私は常日頃からアングルを超計算してるんですよ」

婚后 「見られることを意識するのは大事とも申しますわね」

白井 「当然ですの。それによって淑女は磨かれますの」フンス

絹旗 「まあ、白井さんは今日温泉で超タップリと見られてきてください」

白井 「……で、ですが、今のわたくしなど……」グス

絹旗 「別に白井さんならそのままでも超大丈夫ですから!」


710 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/08 00:44:01.90 XG/mZtL/o 17/227


婚后 「?」

絹旗 「いや、今日に備えて超強引なダイエットをしてですね」

婚后 「それはいけませんわ。バランスの良い食事をとるのが大事ですわよ」

絹旗 「ほらほら、聞いてます?」

白井 「婚后さんが言うと説得力がありますの……」

絹旗 「婚后さんのこのバリボーなボディの秘訣は超バランスの良い食事だそうですよ」

婚后 (バリボー?)

白井 「これは認識を改める必要がありますの」

婚后 「あ、あの、あくまでわたくしの主観ですから」

絹旗 「まあ、身体のことだから人それぞれですよね」

白井 「こうなれば、関係者にインタビューしてまわって……」ゴニョゴニョ


<あら、絹旗さん?


絹旗 「?」

結標 「奇遇ね。貴女たちもここから乗るんだ」


713 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/08 00:46:19.48 XG/mZtL/o 18/227


婚后 「あら、ごきげんよう」

海原 「どうも、ご無沙汰してます」ペコリ

ショチトル 「そちらも3人か」

婚后 「貴女がいらっしゃるということは、あのお店も今日は休みなのですね」

ショチトル 「ああ。まあ、マスターは気分で閉めることもあるがな」

白井 「大きいお姉様らしいですの……」

結標 「そういえば、あの子はいないわね。別ルートかしら」

ショチトル 「なんか、車で行くという旨のことを言っていたぞ」

婚后 「車?」

結標 「あぁ、アレ使うんだ」

白井 「車をお持ちですの?」

結標 「第一位の彼がね、買ってくれたんだって」クスクス

海原 「LEVEL5の第一位となると、財力も一味違うようですね」ニコニコ

絹旗 「むう、超ケチです。便乗させてくれればよかったのに」

結標 「多分あれ5人乗りだから、みんな乗せるのは厳しいんじゃない?」

海原 (それにしても一方通行さん、借金の件もなかったことにしてしまったようですね)


714 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/08 00:48:41.02 XG/mZtL/o 19/227


絹旗 「それで思い出しましたけど、滝壺さんたちも車で行くらしいですよ」

婚后 「まあ。では浜面さんもお車をご購入に?」

絹旗 「まさか。超浜面にそこまでの甲斐性はないですよ」

結標 「じゃ、滝壺さんが買い与えたの?」

絹旗 「ああ、そうではなく。今回は超レンタカーだそうです」

海原 「手頃でいいじゃないですか」


<プップー


結標 「あ、来たわね」

絹旗 「アレが第22学区行きのシャトルバスですか」

婚后 「私たち以外に乗る方はいらっしゃらないようですが」

ショチトル 「昼時だからではないか?」

海原 「中途半端な時間なのは否めませんね」

白井 「空いていて良いではないですか」

絹旗 「そうですね、とりあえず乗っちゃいましょうか」


715 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/08 00:50:38.38 XG/mZtL/o 20/227



~その頃 第7学区 番外通行邸付近~


番外個体 「全員乗った?」

一方通行 「はいよォ」

打ち止め 「乗ったー! ってミサカはミサカは運転席の背後から声を掛けてみたり!」

一方通行 「オイ、クソガキ。今は後部座席でもシートベルト必要なンだぞ」

番外個体 「一応締めといてね。点数引かれるの私なんだから」

一方通行 「つーかチャイルドシートじゃなくていいのか?」

番外個体 「あー、どうだろ……」

打ち止め 「そ、そこまで子供じゃないもん! ってミサカはミサカはあまりの扱いに憤慨してみたり!」プンスコ

番外個体 「はいはい。んじゃ行くよ」カシュシュシュ ブルン


  ブロロロロ...


一方通行 「急がなくていいからな。安全運転で頼むわ」カシュッ

番外個体 「善処する」


716 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/08 00:52:25.71 XG/mZtL/o 21/227


打ち止め 「ねー、なんで一人だけ缶コーヒー飲んでるの? ミサカのは? ってミサカはミサカは催促してみたり」

一方通行 「ほれ」ポイ

打ち止め 「わっわっ」パシッ

番外個体 「ちょっと零さないでよ」

一方通行 「善処する」

打ち止め 「どれぐらいかかるのかな? ってミサカはミサカはジュースを味わいつつ尋ねてみたり」

番外個体 「第22学区は第7学区の隣だから、そんな時間かからないよ」

 :
 :
 :

番外個体 「ありゃ、信号か」キキー

打ち止め 「えー、またー?」

一方通行 「よく引っかかりやがるな、今日は」

番外個体 「……」

一方通行 「どォした?」

番外個体 「ん、ちょっと昔を思い出した」


717 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/08 00:54:01.08 XG/mZtL/o 22/227


一方通行 「?」

番外個体 「覚えてない? あなたと最初にドライブしたのはロシアの大雪原だったよね」

一方通行 「あァ。さぞ運転しやすかったろうよ。信号も標識も対向車もねェンだからな」

番外個体 「飛ばし放題だったよね」ケラケラ

打ち止め 「なにそれ、知らないんだけど。ってミサカはミサカは疑惑の目を向けてみたり」ジトー

一方通行 「オマエ寝てたじゃねェか」

番外個体 「ガン寝だったじゃん」

打ち止め 「むむ……あ、隣の車にフレメア発見! ってミサカはミサカは手を振ってみたり」ノシ

番外個体 「なぬ!?……助手席にいるのは滝壺さんだ」

一方通行 「三下2号も何らかの手段で車を調達したってこったな」


<ブロロロロ


打ち止め 「あっ、いっちゃった。ってミサカはミサカは走り去る赤い車を目で追ってみたり」

番外個体 「……」ウズウズ

一方通行 「オイ、やめとけよ」


718 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/08 00:55:18.08 XG/mZtL/o 23/227


番外個体 「分かってる……さすがにこのデカイ車であの車には勝てない。分かってるからこそ悔しい」バンバン

一方通行 「さっさと行け。信号変わってるだろォが」

番外個体 「……せめて後ろくっついてやろ」ニヒヒ

一方通行 「」ハァ



~その頃~


フレメア 「ねー、なんで浜面の膝の上座っちゃいけないの」

滝壺 「危ないから」

フレメア 「ぶー」

浜面 「さすがにな。膝にフレメア乗せて運転はできねぇよ」

滝壺 「それにしても、よくこんな車レンタカーであったよね」

浜面 「あぁ、俺もびっくりしたぜ。まさかRX-7を運転できるなんてな」ウキウキ

フレメア 「すごい車なの?」

浜面 「あぁ、すげぇぞ! ロータリーエンジンだぞ!」


719 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/08 00:56:48.15 XG/mZtL/o 24/227


フレメア 「でも後ろが大体狭い」

滝壺 「前もあまり広くないよ」

浜面 「それはしょうがない。スポーツカーの宿命ってヤツだ」

フレメア 「次は広い車にしてほしい、にゃあ」

浜面 「そうだな、考えておく」

滝壺 「ということはワンボックスかな?」

浜面 「ワンボックスはなぁ、アイテム関連で飽きるほど運転したしなぁ……ん?」

滝壺 「どうしたの?」

浜面 「……後ろの黒い車、ずっとついてくるぞ。なにもんだ?」

滝壺 「後ろって……ランクル?」

浜面 「おお」

フレメア 「大体、みさわ妹が乗ってたよ」

浜面 「え? じゃあれ姐さんの車か?」


720 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/08 00:58:24.29 XG/mZtL/o 25/227


滝壺 「多分そうだよ。この間写真見せてもらった」

浜面 「もうマイカー持ちなのかよ……羨ましいぜ、畜生」

滝壺 「買ってあげようか?」

浜面 「それはそれで、男としてのプライドがだな」

滝壺 「働いて返してくれればいいよ」

浜面 「…………あの、わたくしには資格取得にまつわる出費もあってですね」

滝壺 「それも働いて返してくれればいいよ」

浜面 「……俺、定年過ぎても働いてないといけないんじゃね?」

フレメア 「馬車馬と浜面って大体似てるよね」

浜面 「似てねぇよぉぉ!!」

滝壺 「あ、浜面、右だよ」

浜面 「おお、右折か」

滝壺 「ううん、さっきの交差点を右」

浜面 「……後ろにくっついてた筈の姐さんの車がいないのはそのせいか」

フレメア 「浜面ミスった、にゃあ」


721 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/08 00:59:35.37 XG/mZtL/o 26/227



~同日 第22学区 スパリゾート安泰泉 入り口~


絹旗 「おお、どうやら私たちが超一番乗りのようですよ」

結標 「マイカー組はまだ来てないか」

白井 「待ち合わせの時間よりも早くついてしまいましたし」

海原 「では、ここで待たせてもらうとしましょうか」

ショチトル 「そうだな。約一名、体調に支障をきたしているようだし」

婚后 「」

絹旗 「……超大丈夫ですか?」

白井 「やはり婚后さんには、あのグルグルはきついですの」

婚后 「大丈夫ですわ……少しじっとしていれば……」

ショチトル 「それにしても……ここは本当に地面の下なのか?」

結標 「誰でも最初はそう思うわよね」

ショチトル 「あの空はなんなんだ?」

白井 「地上カメラの映像を、空のスクリーンに映しておりますの」


722 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/08 01:01:50.32 XG/mZtL/o 27/227


ショチトル 「……ピンとこないな」

海原 「空にとても大きなテレビが浮かんでいると思えばいいですよ」

絹旗 「間違ってはいないですが、なんか違うような」


<おっ待たせー


結標 「あ、やっときたわね」

番外個体 「安全運転で来たからね♪」

打ち止め 「」グルグル

白井 「あの……小さい大きいお姉様、どうかされましたか?」

打ち止め 「はうー」グルグル

番外個体 「地下に入るときのグルグルで目まわしちゃったんだよ」ケラケラ

一方通行 「オマエが調子乗って飛ばし過ぎるからだろォが」

結標 「どこが安全運転なのよ」

番外個体 「」テヘ

絹旗 「さて、残るは滝壺さんたちですね」


723 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/08 01:02:57.10 XG/mZtL/o 28/227


白井 「あと黒夜さんもですの」

絹旗 「あ、超忘れてました」テヘ

海原 「黒夜さんというと……あの写真の方ですか?」

絹旗 「写真?」

海原 「いつぞや、滝壺さんから送られてきた」

結標 「ああ、二人が抱き合ってるヤツでしょ? その子よ」

絹旗 「アレは超放送事故ですよ! 超黒歴史ですよ!」

ショチトル 「満更でもないように見えたけどな」

絹旗 「全員その写真は消してください! 超今すぐ!」ムキー

白井 「皆さん、お気になさらず。これは照れ隠しですので」

絹旗 「誰がですか!」


<やっほー


打ち止め 「あ、フレメアだ!」

フレメア 「おまたせー」トテテテ


724 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/08 01:04:27.77 XG/mZtL/o 29/227


フレ止め 「「いぇーい☆」」パシッ

浜面 「悪い! 駐車場の空きがなかなかみつからなくてな!」

滝壺 「ウソ、すんなり止められたよ?」

浜面 「」

番外個体 「浜面さん、道間違えたでしょ?」ニヨニヨ

一方通行 「途中から明後日の方向に走り去っていったよなァ?」ニヨニヨ

絹旗 「これだから超浜面は」ハァ

白井 「だから遅れ気味でしたのね」

ショチトル 「ルートの確認は事前にしておくべきだろう」

浜面 「すいません……」ショボン

海原 「まあまあ。誰でも道を踏み外すことはありますよ」

浜面 「おい、その言い方はなんか違うだろ」

結標 「ともかく、これであと一人ね」

滝壺 「くろよるだね」

絹旗 「……そういえば、あの窒素女はどうやって来るつもりなんでしょう」


758 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/09 23:46:31.17 pQu8xWozo 30/227


浜面 「……おい、なんだアレ」

絹旗 「?」

白井 「なにやら……妙なものがこちらに接近しておりますが」


<ガッションガッションガッションガッション


フレメア 「カマキリロボ?」

打ち止め 「すごーい!」

番外個体 「……ね、アレって駆動鎧じゃない?」

一方通行 「おそらくはな。だが見たことねェ型だ。新型か?」

番外個体 「あなたたちは一応下がってて」グイ

フレ止め 「「??」」


<プシュー


結標 「止まったわね……」

ショチトル 「知り合いか?」

海原 「ロボットの知り合いはいないですよ」


759 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/09 23:47:58.43 pQu8xWozo 31/227


白井 「……あの、カマキリロボの背中に横座りしてるのは」

絹旗 「黒夜!?」

黒夜 「よっと」スタッ

絹旗 「なんちゅう登場の仕方してるんですか……」

黒夜 「あれ? 私が最後か。悪い、こいつの足が遅くてさー」ガンガン

カマキリ 『仕方ないだろう。こいつは機動性を追及されていない』

フレメア 「喋った!」

結標 「中に誰か乗ってるの?」


<バシュッ


シルクロ 「失礼、私だ」

番外個体 「あ、お兄さんだったんだ」

一方通行 (なにもンだ、こいつ)

滝壺 「前に写真で見たイケメンさんだね」

白井 「実物はなおイケメンさんですの」


761 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/09 23:49:51.35 pQu8xWozo 32/227


シルクロ 「今日はお招き頂いて感謝する。仲良くしてやってくれ」

黒夜 「またそうやって保護者面しやがって」ブツブツ

シルクロ 「では私は帰るぞ。迷惑はかけないようにな」

黒夜 「は? ちょっと待てよ、帰りどうすんだよ!」

白井 「せっかくいらしたのですし、ご一緒なされては?」

浜面 「そうだそうだ。男女比率の偏りが少しは解消されるぜ」

シルクロ 「折角だが、人前で肌を晒すのは苦手でね。今回は遠慮させてもらおう」

結標 「残念だけど、仕方ないわね」

黒夜 「いやだから、帰りはどうするんだって!」

絹旗 「別にシャトルバスでもタクシーでも使えばいいじゃないですか」

黒夜 「それはそうなんだけどな……」

シルクロ 「では、私は失礼する。あ、マスター」

番外個体 「ん? 私?」

シルクロ 「この辺にガソリンスタンドはないだろうか」

番外個体 「あっちの道いって、最初の交差点の角にあるよ」


762 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/09 23:51:43.62 pQu8xWozo 33/227


シルクロ 「そうか、感謝する」


<バシュッ


打ち止め 「あ、また入っちゃった」

フレメア 「かっこいー」

カマキリ 『黒夜をよろしく頼む。では、これで失礼する』


<ガッションガッションガッションガッション


黒夜 「」

絹旗 「……超変わった人ですね」

浜面 「アレ運転してみてぇなぁ」

滝壺 「なんだか難しそうだよ」

一方通行 (機体のプリント……FiveOver、ね。やっぱり駆動鎧か)

海原 「貴女が黒夜さんですか。はじめまして、今日はよろしくお願いしますね」ペコリ

黒夜 「あんたは?」


763 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/09 23:53:58.34 pQu8xWozo 34/227


海原 「海原と申します。結標さんがいつもお世話になってます」

黒夜 「世話した覚えはないけどな。絹旗ちゃんから聞いてると思うけど、黒夜だ」

一方通行 「よォ」

黒夜 「お、これがお噂の第一位か? なるほど、やっぱり白いな」

一方通行 「ほっとけ」

フレメア 「クロちゃんおひさー」

打ち止め 「おひさー」

黒夜 「よう、ガキども。マスターの店以外で会うのは何気に初めてだな」

番外個体 (応対の仕方がうちの人そっくり)

浜面 「俺は浜面っつうんだ。よろしくな」スッ

黒夜 「……ああ、よろしく」ガシッ


  キュポンッ


浜面 「えっ」

フレメア 「右手が! クロちゃんの右手が!」

打ち止め 「とれたーーー!?」


764 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/09 23:55:16.51 pQu8xWozo 35/227


浜面 「え? えっ?」

黒夜 「あっ、なにすんだ! 右手返せ!」バシッ

浜面 「お、おお。悪ぃ」

黒夜 「気を付けろよな。引っ張るとすぐ取れんだからよ」パチン

浜面 「???」

白井 「い、今のは?」

番外個体 「それって、機械義肢?」

結標 「よく出来てるわね、全然気付かなかったわ」

絹旗 「あれ? 言ってませんでしたっけ? 黒夜は超訳あって、両腕が機械なんですよ」

ショチトル (そういうのもあるのか……私はそっちじゃなくてよかった)

黒夜 「モノホンと見分けつかないだろ」フンス

フレメア 「じゃあ、じゃあ、左手も取れるのかな?」キュポンッ

黒夜 「あ、取るなコラ!」

フレメア 「パース!」ポイ

打ち止め 「わ、えっ、や、やだ気持ち悪い!」パシッ


765 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/09 23:57:02.32 pQu8xWozo 36/227


黒夜 「乱暴に扱うな! いくらすると思ってんだ!」

フレメア 「つけてあげる、にゃあ」グリグリ

黒夜 「いてててて! やめろやめろ! ちゃんとはめ込まないと痛覚神経にノイズ走るようになってんだよ!」

浜面 「なんでわざわざそんな機能付けたんだよ」

黒夜 「知るか!」

番外個体 「これ、ねこぱんちパーツとかないの?」

黒夜 「ねこ耳とセットであるけど、死んでも使わねぇ」

一方通行 「あンのかよ」

白井 「その身体、入浴はできますの?」

ショチトル 「そうだな。濡らしても平気なのか?」

黒夜 「フロぐらいなら問題ねぇよ」

結標 「ともかく、これで全員集まったのよね?」

絹旗 「そうですね。まずどうしましょうか」

滝壺 「いきなりお風呂いくのは早いと思うな」

番外個体 「それこそ最後でしょ」


766 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/09 23:59:04.34 pQu8xWozo 37/227


海原 「その前に、婚后さんは大丈夫なのですか?」

白井 「そろそろ蘇生するころかと」

婚后 「蘇生もなにも、そもそも死んでおりませんわ」

フレメア 「お姉ちゃん大丈夫?」

打ち止め 「大丈夫?」

婚后 「ええ、もう大丈夫ですわよ。ご心配お掛けして申し訳ございません」ナデナデ

絹旗 「それじゃ超移動しましょうか。なにからしましょうかね」トテトテ

フレメア 「はーい。大体ゲームセンター行ってみたい、にゃあ」

ショチトル 「マスター、ゲームセンターは何をするところだ?」

番外個体 「ゲームするところ」

浜面 「時間つぶすには丁度いいんじゃねぇの?」

結標 「そうね。ここでウロウロしてても邪魔だし、ひとまず行ってみない?」

滝壺 「二人とも、離れすぎないようにね。迷子になっちゃうから」

フレ止め 「「はーい」」

一方通行 「しっかし、こンだけの人数が雁首揃えて移動すると壮観だなオイ」

番外個体 「ちょっとした団体様だもんね」ケラケラ


767 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/10 00:00:30.23 nK8ehrGRo 38/227



~同日 ゲームセンター~


絹旗 「ここって何気に最新型を揃えてるらしいですよ」

結標 「へえ、珍しいわね。こういうところのゲームコーナーって大抵型後れなのに」

黒夜 「絹旗ちゃん、絹旗ちゃん」クイクイ

絹旗 「なんですか。引っ張らないでくださいよ」

黒夜 「セッションやろうぜ」

絹旗 「え……まあ、超構いませんけど」

黒夜 「よーし、行こうぜ行こうぜ」グイ

絹旗 「あ、ちょっと。そんなに引っ張ると」


  キュポンッ


黒夜 「あ」

絹旗 「超言わんこっちゃない……」つ【右手】

黒夜 「悪い悪い」パチン


768 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/10 00:02:13.90 nK8ehrGRo 39/227


黒夜 「じゃ、改めて行こうぜ」

絹旗 「あの、皆さんどうします?」

番外個体 「……各自行動じゃない?」

白井 「そうですわね。外ならまだしも、ここで団体行動となると」

婚后 「周りの人にもご迷惑になりますわね」

海原 「では、適度に散開して適度に合流ということで」

浜面 「だな。この中なら適当に歩いてりゃすぐ見つかるしな」

黒夜 「絹旗ちゃーん」クイクイ

絹旗 「分かりましたよ。じゃ皆さん、また後程」

フレメア 「なんか面白そう」トテテテ

滝壺 「あ、フレメア、待って。迷子になっちゃうよ」

ショチトル 「……マスター。こういうところでは何をすればいいのか分からないのだが」

番外個体 「んー、じゃ一緒においでよ」

打ち止め 「おいでよ♪」

ショチトル 「あ、ああ」


769 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/10 00:03:57.07 nK8ehrGRo 40/227



【リズムアクション】


黒夜 「私ギターでいいか?」

絹旗 「私はそっち超苦手なのでドラムやりますよ」

黒夜 「ふふ、私の超絶テクを見せつけてやるぜ」チャリン

絹旗 「超お手柔らかにお願いしますよ」チャリン

黒夜 「さーて、何からいくかなー」

絹旗 「あ、本物スティックが備え付けてありますよ。超気がきいてますね」スチャ

フレメア 「?」パコパコ

絹旗 「フレメア、危ないから超下がっててください」

フレメア 「はーい」

滝壺 「なんか知ってる曲がいいな」

絹旗 「だそうですよ」

黒夜 「知ってる曲ね。じゃ、クラシックパーティなんてどうよ」ピピッ

絹旗 「いいんじゃないですかね……って、あ」


770 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/10 00:05:45.54 nK8ehrGRo 41/227


黒夜 「よーし、スタートォ♪」

絹旗 (ドラムのレベル、72!? こんなの無理ですよ!)


<チャーーーチャラララチャ--チャチャー♪


フレメア 「あ、大体聞いたことある」

絹旗 「元はクラシックですからね」パコパコ

黒夜 「こっから激しくなるぜェ?」ジャカジャカ

絹旗 (ぬわぁぁぁぁぁぁ)パコパコパコパコ

黒夜 「♪」ジャカジャカジャカジャカ

フレメア 「クロちゃんすごーい」

滝壺 「きぬはたも頑張って。足も忙しそうだけど」

絹旗 「超忙しいですよぉぉぉ」パコパコパコパコ

黒夜 「絹旗ちゃン、大丈夫か? ドラムは後半からもっと激しくなるンだぜ?」

絹旗 「もう超キツイですよぉぉぉ」パコパコパコパコ

 :
 :
 :


771 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/10 00:07:49.06 nK8ehrGRo 42/227


絹旗 (はー、黒夜が上級者だからいいものの、一人でやってたら超確実にゲームオーバーですね……)

黒夜 「最終ステージだし、これぐらいはいっとこォぜ」ピピッ

絹旗 「……ちょ、ちょっと待ってください! ドラムのレベル、98ってなんですか!」

黒夜 「見たまンまだろ?」ニヤニヤ

絹旗 「超無理ですってば、こんなの」

黒夜 「はい、スタートォ」

絹旗 「こらぁぁぁぁ!」

黒夜 「ほらほら、始まったぞ?」

絹旗 「なんということを……!」

黒夜 「ィヤッハァァ♪」ジャカジャカジャカ

絹旗 「無理無理無理無理!!」ポコポコポコ

フレメア 「ね、何が起こってるのか分かる?」

滝壺 「全然分からない。ていうか、分かる分からない以前に視認できない」

黒夜 「センキュゥゥゥ!」ピャー

絹旗 「わぁぁぁぁぁぁ!」ポコポコポコポコ


772 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/10 00:09:17.31 nK8ehrGRo 43/227



【ガンシューティング】


番外個体 「あっ! ねえ、あれやりたい、あれ!」

一方通行 「……ガンゲーか?」

番外個体 「うん。ストレス解消に丁度いいんだよねー」

一方通行 「まァ、つきあってやる」

番外個体 「このゲームさ、リコイルをリアルに再現してるらしいけど、大丈夫?」チャリン

一方通行 「何がだよ」チャリン

番外個体 「リコイルっていうか、反動で肩外れたりしない?」

結標 「そうね、後ろから抑えててあげようか?」クスクス

一方通行 「いらねェよ、アホ」チャキ

番外個体 「ま、せいぜい足引っ張らないようにしてよね」チャキ

打ち止め 「二人とも決まってるー!」

海原 「ミサワさんはウェイバースタイル、一方通行さんはインラインスタンスですか。
    こういうところでも個性が出るものですね」

一方通行 「俺は片手しか空いてねェからどォしてもこうなるンだよ」


773 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/10 00:10:28.14 nK8ehrGRo 44/227


打ち止め 「あ、始まった」

海原 「ハイウェイでしょうか。これはまたリアルですね」

番外個体 「♪」ドカドカドカドカ

ショチトル 「マスター、いい腕だな。なんだか扱いに慣れている感じがするぞ」

番外個体 「軍事訓練は一通りパスしてるしね」

打ち止め (それ言っていいのかな)

一方通行 (あ、このバカ)

結標 「えっ、それってロシアにいたときの話?」

番外個体 「あ、う、うん、そんなとこ」

一方通行 「おい、上から狙われてンぞ。呆けてンじゃねェ」

番外個体 「おっと、危ない危ない」ドカドカ

海原 「しかし、一方通行さんも成長したものです。初めて銃を握った日が懐かしいですね」

一方通行 「つまらねェこと思い出してンじゃねェよ」ドカドカ

結標 「なんで利き手でもない左手でここまで正確に狙えるのよ……」

ショチトル 「訓練の賜物なのだろうな。あときっと、お兄ちゃんの教え方がよかった」ウンウン


774 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/10 00:11:58.58 nK8ehrGRo 45/227


打ち止め 「なんかでかいの出てきた! これがボスなのかな?」

ショチトル 「なんというか、物々しいな」

結標 「これって……」

番外個体 「六枚羽、だよね……」

海原 「強敵ですよ、これは」

一方通行 「俺が本体を狙う。オマエはミサイルを撃ち落とすのに専念しろ」チャキ

番外個体 「しょうがないな、やってあげるよ」ドカドカ


<ボォォォン


打ち止め 「うわー!」

ショチトル 「派手というか、ここまで再現するものなのか」

結標 「ローターを狙いなさいよ。そこ弱点だから」

一方通行 「言われるまでもねェよ。これで終いだ」ドカッ


<ズドォォォォン



775 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/10 00:13:21.10 nK8ehrGRo 46/227



【オンライン対戦型クイズゲーム】


浜面 「んーと、元素記号Kで表される……?」

婚后 「浜面さん、4番ですわ!」

浜面 「お。おお。4番な!」タッチ


<ピローン


浜面 「おし、次が最終問題だ! ……な、なんだこれ……」

婚后 「存在はするが観測することはできず、現代においてもその正体は不明のままとされている。なお、常識は通用せず……」

浜面 「日本語でおk」

白井 「3番! 3番の"ダークマター"ですの!」

浜面 「さ、3番か!」タッチ


<ピローン
<それでは上位4名の発表です。


浜面 「おお、準決勝2位通過だ! お嬢たちのおかげで決勝進出だぜ!」


776 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/10 00:14:34.24 nK8ehrGRo 47/227


白井 「やりましたわね」

婚后 「ここまできたのですから、狙うは優勝のみですわ」

浜面 「モチのロンよ! さて、決勝はジャンルを選んで対決するんだが……どうするよ」

白井 「ここはわたくしたちに有利なところで」

婚后 「理系学問ですわね」

浜面 「よし、せっかくだから理系学問を選ぶぜ!」タッチ


<ジャーン


浜面 「さあ、決勝開始だ」

婚后 「一人目の方が選んだのは……芸能!?」

白井 「これではわたくしたちでは助力しきれませんの……」

浜面 「ま、まあ、なんとかやってみるさ。さて1問目は」

白井 「以下の映画の内、ヒロインが劇中犠牲になるのは……」

浜面 「ヒロインが死ぬ映画なんてあんのか!?」

婚后 「ま、まあ、あるのでしょうね」


777 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/10 00:16:29.57 nK8ehrGRo 48/227


浜面 「これは考えて分かる問題じゃないし、適当に答えるしかないよな……」タッチ

白井 「絹旗さんなら答えられたかもしれませんの」

浜面 「あー、それはあるかもな」

 :
 :
 :

浜面 「4位か……」ショボン

婚后 「申し訳ございません、お力になれず……」

白井 「2人目の方の選択ジャンルはアニメ&ゲーム、3人目の方はスポーツでは……」

浜面 「ま、まあ、誰にでも得意不得意はある! 気にすんな!」

婚后 「己がいかに無知なのかを痛感いたしましたわ」

白井 「そうですの。やはり知識は広く深く持ちませんと」

浜面 「いや、二人とも俺からみりゃ大秀才だと思うけどな」

婚后 「ダメですわ。妥協こそが人を堕落させるのです」

白井 「知識にしろ容姿にしろ、常に上を目指し続けませんと」

浜面 「そ、そうだよな。お互い頑張ろうぜ!」


808 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/13 00:40:43.75 9EhiupcYo 49/227


 :
 :
 :

絹旗 「はー、超疲れましたよ……」

黒夜 「良い感じに汗がかけて、丁度良かったんじゃねぇの?」ケラケラ

絹旗 「結果論じゃないですか。あ、滝壺さん。超すいません、見てるだけになってしまって」

滝壺 「ううん、楽しかった。二人ともすごいね」

フレメア 「クロちゃんすごい、大体本物みたい」

絹旗 「服装も超無意味にパンキッシュですしね」

黒夜 「ところがモノホンギターは弾けないんだな、コレが」

滝壺 「そうなの?」

絹旗 「まったくの別物ですよね。これはあくまでゲームですよ」

滝壺 「なるほど」フム

絹旗 「さて。そろそろいきますか?」

滝壺 「そうだね。みんなを探そうか」

フレメア 「ねえねえ」クイクイ


809 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/13 00:42:16.33 9EhiupcYo 50/227


滝壺 「どうしたの?」

フレメア 「喉渇いた」

黒夜 「ねえねえ」クイクイ

絹旗 「似合わないマネは超やめてくださいよ。で、なんですか?」

黒夜 「ちょっとUFOキャッチャーやっていいか?」

絹旗 「自分のお金でやるならいいんじゃないですか」

黒夜 「ま、そりゃそうだよな」

滝壺 「私ちょっとジュース買ってくるけど」

フレメア 「けど」

絹旗 「あ、私も行きますよ。黒夜は超いつものでいいんですよね」

黒夜 「頼んでいいか? じゃ、いつもの」

絹旗 「はいはい、ドクペですね」

滝壺 「それじゃちょっと行ってくるね」

黒夜 「動き回らないでくださいよ」

黒夜 「こいつがとれるまでは動けねぇよ」ウィーン


810 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/13 00:43:44.77 9EhiupcYo 51/227


フレメア 「クロちゃんは何をとろうとしてたの?」

絹旗 「イルカの人形ですよ」

滝壺 「イルカ、好きらしいね」

絹旗 「なんでかは知りませんけど、超好きですね」

フレメア 「イルカかわいいよね」

絹旗 「……そういえば、今日はイルカ持ってませんでしたね。どうしたんでしょ」

滝壺 「いつも一緒なの?」

絹旗 「ええ、いつも身体のどっかにくっつけてますよ」

滝壺 「忘れちゃったから、今とろうとしてるんじゃないかな」

絹旗 「あ、それは超あるかもしれません」

フレメア 「ねー、大体これが飲みたい」ピョンピョン

滝壺 「はいはい、これだね」ピッ ガコン

絹旗 「ありゃ、ドクペないですか」

フレメア 「ドクペは自販機だとあまり見ない、にゃあ」

滝壺 「どうするの?」


811 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/13 00:45:50.59 9EhiupcYo 52/227


絹旗 「ないもんは超仕方ないですし。黒夜が2番目に好きなやつで」ピッ ガコン

滝壺 「前から思ってるんだけど、きぬはたとくろよるって、仲良しだよね」

絹旗 「え? な、なんでそうなるんですか!?」

滝壺 「2番目に好きなものまでちゃんと把握してるし」

絹旗 「そ、それはたまたま飲んでるのを見たからですよ」

フレメア 「でも、絹旗とクロちゃんって仲良しに見える」

滝壺 「きぬはたも口では色々言ってるけど、自分から実力行使にはあまり出ないよね」

絹旗 「ええ、まあ……黒夜も変につっかかってくることがなければ、いいんですけどね」

フレメア 「クロちゃんは絹旗と遊びたいだけだと思う」クピクピ

滝壺 「私もそう思うな」

絹旗 「……」ウーン

滝壺 「幼馴染なんだしね」

絹旗 「まあ、そうなんですけどね……あのバトル癖さえなければ」

滝壺 「なら、決着つけちゃえば?」

絹旗 「はえ?」


812 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/13 00:47:43.81 9EhiupcYo 53/227



~その頃~


ショチトル 「」ドカドカ

海原 「ああ、そうではなく。肩から肘までまっすぐに伸ばすんです」

ショチトル 「そ、そうか」

一方通行 「リコイルは肘と肩で受け流す感じにすりゃいい」

海原 「そうですね。そういう意味では一方通行さんの撃ち方はいいお手本かもしれません」

一方通行 「慣れねェうちはマネするもンじゃねェよ」

ショチトル 「なるほど、こういう感じか?」ドカドカ

打ち止め 「あ、なんかそれっぽくなってきた!」

結標 「教える必要があるの? これ」

番外個体 「知識と経験はあるに越したことはないっしょ」

打ち止め 「ねー、私も私も」

一方通行 「あと5年育ってからな」

結標 「活かす機会がないことを祈るけどね……あ、ちょっと……」


813 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/13 00:49:27.41 9EhiupcYo 54/227


番外個体 「?」

結標 「化粧直してくる」

一方通行 「あァ? 気にするほど崩れてねェよ」

海原 「この後、入浴の機会があるのですし、それほど気にしなくてもよいのでは?」

結標 「…………そうじゃなくてね」

一方通行 「なンだよ、はっきりしねェな」

番外個体 「分かれよ、トイレに行くっつってるんだよ」

結標 「言わなくていいわよ、このバカ!」ベシッ

番外個体 「いたっ。なんでフォローしたのに叩かれんの!?」

結標 「フォローになってないからでしょ!」

一方通行 「そォいうことだったらさっさと行ってこいよ」

海原 「すみません、気が利かずに」

結標 「~~~っ……もぉー!」ダッ

一方通行 「何怒ってンだ、あいつ」

海原 「こちらの配慮不足でしょう。これは失言でした」


814 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/13 00:51:03.93 9EhiupcYo 55/227


ショチトル 「男の人は多かれ少なかれ、そういうところがあるからな」ドカドカ

海原 「これは手厳しい。僕も勉強不足ですね」

一方通行 「?」

番外個体 「あなたに要求するのは酷な分野だよ……」

 :
 :
 :

結標 「ホンット信じられない! もう!」

結標 「早く戻って文句の一つでも……あら?」

黒夜 「」バンバン

結標 「何やってるのよ。追い出されるわよ?」

黒夜 「貧弱貧弱ゥ! このアーム貧弱過ぎンだろォ!」

結標 「はぁ? ……何かと思えばUFOキャッチャーじゃない」

黒夜 「……そうだ、姐さんの能力って空間移動だよな」

結標 「イヤだからね」

黒夜 「まだなンも言ってねェよォ!?」


815 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/13 00:52:57.24 9EhiupcYo 56/227


結標 「とれって言うんでしょ?」

黒夜 「うン」

結標 「ダメよ、不正じゃない」

黒夜 「でもやったことあンでしょ?」

結標 「なくはないけど……」

黒夜 「頼むよー。もう小銭ないンだよ」


<何やってんですか?


黒夜 「あ、いや。人形とれないから、姐さんにとってもらおうと」

絹旗 「は? 超ダメですよ。下手したら出禁になっちゃいますよ?」

滝壺 「ズルはよくない」

フレメア 「にゃあ」

絹旗 「あ、それと。ドクペなかったんでこっち買ってきました」ハイ

黒夜 「え……ライフガードか。まぁいいよ、これで」

結標 「……ね、取ろうとしてたのって、このイルカ?」


816 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/13 00:55:04.37 9EhiupcYo 57/227


黒夜 「うん」クピクピ

結標 「この大きいのはムリでしょ」

滝壺 「アームの大きさにあってないよね」

絹旗 「とれないようにできてるんですって、こういうのは」

黒夜 「ぐぬぬ……」

結標 「一見、頑張れば取れそうに見えるのが罠よね」

滝壺 「取れそうに見えちゃうよね」ウーン

絹旗 「……ちょっとやってみていいですか」チャリン

黒夜 「頼んだぜ、絹旗ちゃんよ。胸に栄養が行き過ぎてケチになった誰かさんの代わりに」

結標 「誰のことよ、誰の」グリグリ

黒夜 「いてててて! やめろよー!」

絹旗 「あ、なんか、超とれそう」ウィーン

滝壺 「いけるかも」

フレメア 「大体もうちょっと」


<ポトッ



817 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/13 00:56:41.49 9EhiupcYo 58/227


絹旗 「」

黒夜 「あちゃー」

滝壺 「惜しかったね」

絹旗 「貧弱ゥ! このアーム超貧弱過ぎンですよォ!」

結標 (同じこと言ってる)

絹旗 「ぐぬぬ、このまま終われません。超もう一回です!」チャリン

フレメア 「」クピクピ



~その頃~


浜面 「いやー、貴重な経験だった! 店内対戦なんて初めてやったぜ!」

婚后 「正直、ゲームと侮っておりました……奥深いものですわね」

白井 「知識を深める手段としてのクイズというのも、ありですの」

浜面 「しっかし、やっぱりというか、二人とも物知りだよな」

婚后 「いえいえ。まだまだでございます」

白井 「クイズジャンルによってはズタボロでございましたし」


818 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/13 00:58:23.07 9EhiupcYo 59/227


浜面 「得意不得意なんて誰にでもあるって」

婚后 「不得意な分野は補いたいものですわね」

白井 「うーん……一筋縄では参りませんの」

浜面 「焦ることもないと思うけどな。うし、そろそろ他の連中探すか」

婚后 「そうですわね、結構時間も経っておりますし」


<あ、浜面さん見っけ。


白井 「あ、大きいお姉様!」

番外個体 「これあーげる♪」ドサッ

浜面 「……なんだよ、このとてつもない量のうまい棒は」

海原 「UFOキャッチャーの景品ですよ」

一方通行 「くだらねェモンに金使いやがって」

番外個体 「自分も食べたクセになに言ってるんだか」

打ち止め 「」サクサク

浜面 「あ、よく見たら空いてる」


819 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/13 01:00:11.17 9EhiupcYo 60/227


婚后 「ところで、今までどちらに?」

ショチトル 「射撃訓練だ」

浜面 「……あぁ、ガンゲーか」

ショチトル 「そうともいう」

海原 「ところで、結標さんを見ませんでしたか?」

白井 「ご一緒じゃございませんの?」

一方通行 「トイレに行ったきり帰ってきやしねェ」

婚后 「とりあえず……付近を探してみます?」

海原 「いえ、単に時間がかかってるだけかもしれませんし。まずはみなさんと合流しましょう」

浜面 「さりげにデリカシーがねぇな、お前」サクサク

海原 「浜面さんほどではございません」

番外個体 「みんなどこにいるのかな。分かる?」

打ち止め 「わかんない」

婚后 「滝壺さんがおられたらすぐに分かったかもしれませんわね」クスクス

ショチトル 「そうなのか?」


821 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/13 01:01:37.76 9EhiupcYo 61/227


海原 「滝壺さんはそういう力の持ち主なんですよ」

一方通行 「メンドくせェ。向こうから見つけてくれるのを待つか?」

白井 「受動的に過ぎる姿勢もいかがなものかと」

一方通行 「」チッ

番外個体 「気にしないでね。怒ってるワケじゃないから」

白井 「は、はぁ」

海原 「まったく、一方通行さんの悪い癖ですね」

一方通行 「ほっといてくれ」

打ち止め 「もっと素直になれば可愛いのに」

一方通行 「俺に可愛さを求めるのが間違ってンだろ」

浜面 「そうか? 可愛い恰好すれば可愛いんじゃね?」

一方通行 「殴るぞ」

番外止め 「「……ありかも」」

一方通行 「なしだ! 他の連中探すンだろ、さっさと行くぞ」カツカツ

ショチトル (いつも思うが、白い人は不器用だな)


822 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/13 01:03:56.32 9EhiupcYo 62/227


 :
 :
 :

絹旗 「ぐぬァァァァァ!」

黒夜 「何やってンだ、へたくそ!」

絹旗 「あなたにだけは超言われたくないですよォ!」

結標 「埒があかないわね……一個ぐらいなら……」

滝壺 「むすじめ、ダメだよ」

フレメア 「ズルはよくない」

結標 「それは分かってるんだけどね。あの二人を見てると」

黒夜 「もォ見てらンない! 代われ!」

絹旗 「あなたに任せてたら破産宣告するってもンですよ!」

黒夜 「絹旗ちゃンだってさっき万札崩してたろォが!」

結標 「投資額が、二人合わせてそろそろ一万円に到達しちゃうわよ」

滝壺 「どうしたものかな」ウーン

フレメア 「二人とも戻れないとこまで来ちゃったのかな」


823 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/13 01:05:38.54 9EhiupcYo 63/227



<あ、こんなとこにいた。


結標 「あ」

番外個体 「戻ってこないから、どうしたのかと思ったよ」

結標 「ゴメンなさい、こっちにとられちゃって」

フレメア 「あ、おいしそう」

打ち止め 「食べる?」

一方通行 「……何やってンだ、ガキどもは」

滝壺 「UFOキャッチャー。とれないんだって」

ショチトル 「それであんなに熱くなってるのか……」

婚后 「聞きかじった話ですが、ああいったのは取れない設定になっているのでは」

白井 「何回かに一回、アームが底力を発揮するとか」

浜面 「しょうがねぇな、ここは俺が場を収めてやろう」フンス

絹旗 「超浜面になンとかなるンですか?」

黒夜 「正直、期待できねェな」

浜面 「任せとけ。こういうのは、コツってもんがあるのよ」


866 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/15 22:02:05.56 0Z4e2hDHo 64/227


浜面 「よし、これもっててくれな」ドサッ

黒夜 「お、うまい棒のコンポタ味だ」

浜面 「狙いはこのカエルだよな?」

絹旗 「いや、そっちのイルカですよ?」サクサク

浜面 「あ、これ!?」

結標 「……まさか、ターゲットを間違えてたの?」

婚后 「浜面さんへの期待値がストップ安ですわね」

白井 「それでも浜面さんなら……と思ってましたのに」サクサク

浜面 「なんでそこまでフルボッコにされんだよぉ!」

一方通行 「ま、当然の結果だわな」

番外個体 「間違えたままカエルとっちゃうよりはマシだよ」ケラケラ

フレメア 「浜面、大体かっこわるい」サクサク

打ち止め 「かっこわるいかも」サクサク

ショチトル 「いつもこういう役目なのだな」サクサク

海原 「それが浜面さんのいいところなんですよ」


867 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/15 22:04:02.08 0Z4e2hDHo 65/227


浜面 「イルカなのはいいが……別にアレを取ってしまっても構わんのだろう?」

黒夜 「いいから取れ」ゲシゲシ

浜面 「いて。お前それ安全ブーツじゃねぇか! そんなもんで蹴るな!」

滝壺 「はまづら、頑張って」

番外個体 「口だけじゃないところを見せるチャンスだよ」

浜面 「くっそ、見てろよ。400円以内に取ってやるからな」チャリンチャリン

一方通行 「……」

浜面 「」ウィーン

絹旗 「え、どこ狙ってるんですか?」

黒夜 「イルカ通りすぎちゃってんじゃん」

浜面 「まあ、見てろって」


<コロン


滝壺 「あ、アームに押し出されて転がった」

婚后 「なるほど、これは搦め手ですわね」


869 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/15 22:05:33.41 0Z4e2hDHo 66/227


白井 「ですが、まだ穴には届きませんの」

浜面 「なーに、次できめんぜ?」

一方通行 (惜しかったな。もう2cm左なら、そのまま転げ落ちたろォによ)

番外個体 (こりゃ解が分かってる顔だな。教えてあげりゃいいのに)

浜面 「」ウィーン

フレメア 「」ポチッ

浜面 「あ」

滝壺 「残念。外しちゃったね」

絹旗 「んもー、何やってんですか」サクサク

黒夜 「あんだけデカイ口叩いておいてこれかよ」サクサク

浜面 「いや、今のはだな……すまん、なんでもない」

フレメア 「浜面ワンモアー」サクサク

打ち止め 「次こそとっちゃえー」サクサク

結標 「貴女たち、食べ過ぎじゃない?」

海原 「まあ、成長期ですから」


870 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/15 22:07:38.56 0Z4e2hDHo 67/227


浜面 「まあ、見てろよ。これで取ってみせるからな」ウィーン

番外個体 「お、やっぱりちょっと逸れたとこ狙うんだね」

絹旗 「……」ハラハラ

黒夜 「」wktk

浜面 「これで、どぉだぁ!」

一方通行 (よし、いい位置だ)


<コロン コロン カシャン


絹旗 「落ちたー!」ピャー

黒夜 「取れたー!」ピャー

浜面 「うおしゃー!」ウオシャー

ショチトル 「なるほど。あのアームで挟めない大きさでも転がせば取れるのか」

海原 「思えば、このうまい棒たちを取ったときもそうでしたね」

番外個体 「基本だよ」

結標 「言うほど簡単なものでもないと思うけど」


871 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/15 22:09:30.21 0Z4e2hDHo 68/227


フレメア 「イルカさんだー」

打ち止め 「あ、この程よい反発力がクセになりそう」ポミュポミュ

黒夜 「それ私が狙ってたんだぞ!」

浜面 「じゃほれ、持ってけよ」つ【イルカ】

黒夜 「その、なんだ……やるじゃん、ちょっとだけ見直したぜ」ニパー

浜面 「ちょっとだけかい」

白井 (黒夜さんのあんな邪気のない顔、初めて見ましたの)

フレメア 「ねー、浜面。私には?」ピョンピョン

打ち止め 「」ジー...

一方通行 「オマエはナシだ。これ以上家にぬいぐるみを増やすンじゃねェ」

滝壺 「フレメアもだよ」

フレ止め 「「えーーー」」

黒夜 「♪」ポミュポミュ

絹旗 「ひと段落ついたところで、超移動します?」

婚后 「そうですわね。この後はどうしましょう」


872 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/15 22:11:28.36 0Z4e2hDHo 69/227


結標 「ここで固まってても邪魔になるし、まず出ましょうか」

白井 「そうですわね。とりあえず広い場所に」

番外個体 「こんだけ人数がいると取り回しも大変だ」

一方通行 「あァ、まったくだ」

ショチトル 「たまにならいいだろう、たまになら」

海原 「そうですよ。こう一堂に介す機会もそう頻繁にあるものじゃないんですから」

フレメア 「ねーねー」クイクイ

打ち止め 「?」

フレメア 「プリクラ撮ってみたい」

打ち止め 「あ、撮ってみたい!」

結標 「あら、やったこないの?」

フレ止め 「「うん」」

婚后 「さすがに全員は無理でしょうから、お二人と誰かで撮ってこられては」

打ち止め 「じゃこの人!」ガシッ

一方通行 「オイ、待て」


873 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/15 22:13:02.66 0Z4e2hDHo 70/227


打ち止め 「ね、フレメア。いい?」

フレメア 「うん、シロなら浜面よりも大体イケメンだからオーケー」

浜面 「……そりゃ負けるわ、うん」

一方通行 「オマエからもなンか言ってやれ」

番外個体 「美白モード使わないようにね? この人素で白いから、美白モードだと消えちゃう」

一方通行 「オィィィィ!」


<れっつごー!
<なンで俺なンだよォォォ!


海原 「引きずられていっちゃいましたね」

白井 「口ではなんだかんだ言いながら、結局逆らえませんのね」クスクス

ショチトル 「そういえば、義姉さんも携帯に貼っていたな」

結標 「あ、これね」スチャ

番外個体 「私とのツーショットかい……まだ貼ってたんだ」

結標 「当然よ。貴女だって貼ってるんでしょ?」

番外個体 「携帯じゃなくてパスケースだけどね」


874 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/15 22:14:36.21 0Z4e2hDHo 71/227


海原 「おや、一枚増えてますね」

滝壺 「私も写ってるヤツだね」ハイ

結標 「この間、3人で会ったときについでに撮ったのよ」

番外個体 「ピンジャーじゃない滝壺さんの、ある意味レアショットだよ」ケラケラ

絹旗 「……なんだか、超ちょっとうらやましいですね」

黒夜 「そこは私が」

絹旗 「白井さん、婚后さん、私たちもぜひ超記念に」

黒夜 「あれ?」

婚后 「ならば黒夜さんもご一緒に」

白井 「そうですの。絹旗さんの相方なのですから」

絹旗 「いや、私の相方は超白井さんです」

黒夜 「私は相方じゃなくて永遠の好敵手だ」フンス

婚后 「あらあら、これは三角関係でしょうか」クスクス

結標 「貴女もやってみる?」

ショチトル 「魂を吸われるからいい」

結標 「吸われないわよ!」


875 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/15 22:16:26.80 0Z4e2hDHo 72/227



~しばらくして~


絹旗 「結局メンバーを入れ替え立ち替えで超撮っちゃいましたね」

白井 「分配するのも一苦労でしたの」

結標 「でも色んなのがあって面白いじゃない」

番外個体 「一番よく分からないのは、この浜面さんのソロショットだね」

浜面 「なんで一人で撮る羽目になったのか、俺が聞きてぇぐらいだ」

海原 「欲しがる人もおられるのではないですか?」

浜面 「いくらなんでも、そんな物好きは」

滝壺 「私ほしい。携帯電話とかに貼っておきたい」

浜面 「……はい、すいませんでした。どうぞ」

一方通行 「俺にもくれ。射撃の的にするからよ」ニヨニヨ

浜面 「やらねぇよぉぉぉ!?」

ショチトル 「これは携帯電話に貼ればいいのか」

フレメア 「そ。大体こんな感じ」ピトー

打ち止め 「」ピトー


876 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/15 22:17:53.43 0Z4e2hDHo 73/227


ショチトル 「スペース的に2枚が限度だな……どうするか」

婚后 「大切な方と一緒に写ったものでよろしいのでは?」

ショチトル 「ならば全員になってしまう」

結標 「お兄ちゃんとのでいいんじゃない?」クスクス

ショチトル 「む……では間をとって、義姉さんも入れて3人のやつで」ピトー

黒夜 「間をとるって、何と何の間だよ」

絹旗 「もう一枚はどうするんです?」

ショチトル 「……では、マスターとのツーショットにしておく」

番外個体 「あらいやだ。なんだか照れちゃうね」ニヨニヨ

浜面 「さて、いい加減移動するか? このままじゃ移動するする詐欺だぜ」

結標 「そうね。で、どこにいくの?」

絹旗 「あの、それなんですが」

白井 「なにか妙案でも?」

絹旗 「スポーツアミューズメントってのがあるらしいんで、行ってみませんか?」

黒夜 「なんか面白そうじゃん、行ってみようぜ」

滝壺 「決まりだね。それじゃ移動しよっか」


877 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/15 22:19:15.63 0Z4e2hDHo 74/227



~同日 スポーツアミューズメントコーナー


黒夜 「お、さすが。色々あるんだな」

打ち止め 「……ねえ、あれ何やってるんだろ」

フレメア 「……大体、なんだろうね」

番外個体 「あれって?」

打ち止め 「あの人たち」


<カバティカバティカバティカバティカバティカバティ


浜面 「お、カバティか」

滝壺 「あれはああいう競技なんだよ」

結標 「なんだか独特ね」

白井 「あちらではフェンシングの試合もやっておられますの」

婚后 「懐かしいですわね。常盤台にいたころは体育の選択授業でやったものですわ」

海原 「常盤台はそんなことまでやるのですか」


879 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/15 22:20:55.01 0Z4e2hDHo 75/227


婚后 「ええ。薙刀とフェンシングと居合の選択でしたので、わたくしはフェンシングを」

ショチトル 「文武両道、というやつか?」

白井 「そんなところですの」

一方通行 「薙刀は分かるが、フェンシングはどォなンだ……」

絹旗 「もうちょっと超スタンダードなものやりましょうよ」

黒夜 「なあ、パンフみるとプロレスのリングもあるみたいだぜ」

浜面 「なんであるんだよ」

絹旗 「やりませんからね。超危ないし」

黒夜 「えー。私と絹旗ちゃんが組んでタッグマッチとか面白そうじゃん。vs11次元殺法コンビとか」

番外個体 「勝ち目ないよね、それ」

白井 「わたくしのドロップキックでカウントスリーですの」フンス

結標 「私ならコスチューム没収するわね。その方が観客ウケしそうだし」クスクス

ショチトル 「さすが義姐さん、容赦ないな」

絹旗 「ますますやりたくなくなりました……」

浜面 「なあ、絹旗。バスケで勝負でもしてみるか?」


880 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/15 22:22:54.11 0Z4e2hDHo 76/227


絹旗 「え?」

黒夜 「うっわ、自分より30cm以上小さい相手にバスケ勝負吹っかけるかよ。信じらんね」

絹旗 「30cmは超余計ですよ!」ベシッ

浜面 「俺が絹旗に勝てそうなのってこれぐらいなモンだからな!」ハハハ

絹旗 「……」ムム

海原 「浜面さんは昔のこともあって、身体能力"だけ"は高いですからね」

浜面 「"だけ"を強調するなよ! 否定できねぇんだからさぁぁぁ!」

絹旗 「……いいでしょう。そこまで言うのならば、浜面が超浜面たる所以を超思い知らせてあげますよ」

黒夜 「まあまあ、待ちなよ、絹旗ちゃんよ」

絹旗 「止めないでくださいよ。超浜面にここまで言われてはですね」

黒夜 「止めねぇよ? あのさ、そっち3人いるんだから 3on3 で勝負しない?」

海原 「3人って……僕と一方通行さんもですか!?」

一方通行 「ムチャ振りにも程があンだろ……」

打ち止め 「……」ミョンミョン

番外個体 「でも面白そうじゃない?」


881 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/15 22:24:34.74 0Z4e2hDHo 77/227


結標 「そうね、今までこういうシチュエーションって意外となかったし」

ショチトル 「……なあ、私はバスケを見たことはあるが、詳細なルールは知らないぞ」

婚后 「見たことがおありなら、見たままやれば大丈夫ですわよ」

結標 「そうよ、公式な試合でもないんだから」

打ち止め 「……」ミョンミョン

一方通行 「オイ、ちょっと待て。オマエとオマエは参加するな」

結標 「え、なんでよ。勝手すぎない?」

白井 「そうですの! いくらなんでも横暴ですの!」ムキー

一方通行 「空間移動能力者が球技なンざやったら、目も当てられねェ結果になるだろ」

結標 「…………分かったわよ。使わなければいいんでしょ?」

白井 「ならばこの身一つで臨むまでですの」

打ち止め 「……」ミョンミョン

番外個体 「それ言ったら、もっと凶悪な能力持ちがこの中にいると思うけどなー」チラッ

打ち止め 「それなら大丈夫! ね、スイッチ入れてみて!」

一方通行 「?」カチッ


882 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/15 22:26:46.34 0Z4e2hDHo 78/227


打ち止め 「ね? ね?」

一方通行 「……やってくれたな」

番外個体 (何したの?)ヒソヒソ

打ち止め (限定補助。自分の身体能力"だけ"を補えるようにしたんだよー)ヒソヒソ

滝壺 「ボール貸してもらえたよ。で、どうするか決まった?」

フレメア 「」ダムダム

絹旗 「3対3で超対決することになりました」

滝壺 「てことは……その3人?」

浜面 「おうよ」フンス

海原 「僭越ながら」

一方通行 「仕方ねェか」

婚后 「こちらからも3人決めませんと」

黒夜 「絹旗ちゃんは確定だろうな」

白井 「では絹旗さん、残りお二人はどうされます?」

絹旗 「そうですね……じゃあ……」


884 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/15 22:29:22.06 0Z4e2hDHo 79/227


絹旗 「>>890と>>895、超お願いします!」ビシィ



 ※女性陣の中から絹旗と共に立ち向かうメンバーを選んでください。

 ※11次元殺法コンビは自主的に能力封印のガチモード。

 ※被った場合は一個下。無効(不在人物だとか)な場合も一個下。
   >>895が>>890と同IDだった場合も一個下。あと、連投は無効です。



885 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/15 22:29:48.05 0Z4e2hDHo 80/227


といったところで、今回はここまでです。
結果を受けて次回投下分に反映したいと思います。

次回投下は3日以内に致します。
お付き合い頂き、ありがとうございました。


890 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2011/10/15 22:32:33.57 aaknkivG0 81/227

黒夜ちゃン

895 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2011/10/15 22:35:51.94 m+kdLlCeo 82/227

あらためて、婚后さんで

928 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/18 22:14:04.36 DbdkVdepo 83/227


安価のご協力、ありがとうございました。

一方さんの限定補助は>>1の妄想です。
能力行使には膨大な演算が必要→じゃ演算に使える領域やら帯域を
制限すれば身体能力だけ補助とかできんじゃね?って考えた次第です。

ところで、婚后さんの私服を和装で補完してる方からすると、
和服でバスケというすごい光景になりますね。

それでは始めさせて頂きます。
前回の続きからです。


929 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/18 22:15:23.81 DbdkVdepo 84/227


絹旗 「……」

黒夜 「今日はこいつの調子もいいしな、一つやってやんよ」パシパシ

婚后 「フェアな勝負ができるとよろしいですわね」

浜面 「さあ、漲ってきた!」

海原 「お手柔らかにお願いしますね」

一方通行 「さっさと終わらせるぞ」

白井 「時間は決まってますから、さっさとは終わりませんの」

浜面 「どんだけやるんだ?」

白井 「ひとまずは1クォーター。つまり10分ですの」

一方通行 (バッテリ残量的にもそれぐらいが助かるわ)



番外個体 「ところで、誰がジャッジやるの?」

打ち止め 「私やる!」

フレメア 「大丈夫?」

結標 「審判ってことはルールをちゃんと把握してないとダメなのよ?」


930 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/18 22:17:15.00 DbdkVdepo 85/227


打ち止め 「……」ミョンミョン

番外個体 (なるほどね。MNWから関連情報をDLしてるのか)

滝壺 「じゃ、これ使ってね」

打ち止め 「なにこれ? うまい棒?」

滝壺 「電子ホイッスル。このボタン押すんだよ」

打ち止め 「?」ポチ


  ピーーーーーーッ


打ち止め 「わわわわわ!!」

ショチトル 「これが笛代わりという訳か」

フレメア 「白井お姉ちゃん、パース!」ブンッ

白井 「はい、ありがとうございます」バッシィィィ

結標 (地味にすごい音がしたけど……?)

白井 「準備はよろしいですか?」

打ち止め 「はーい」


931 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/18 22:18:43.93 DbdkVdepo 86/227


白井 「それではお一人ずつ前に」

浜面 「俺でいいか?」

一方通行 「ま、妥当だろ」

海原 「やっちゃってください」ニコニコ

黒夜 「……おい、どうするよ」

絹旗 「この中だと……婚后さんしかいないでしょうか」

婚后 「浜面さんに高さで勝てる気もしませんが……できる限りはやりますわ」

浜面 「ジャンプボールの相手はお嬢か。絹旗が出てくると思ってたんだが」

婚后 「あら、わたくしではご不満ですか?」

浜面 「いやいや、恐れながらお相手仕ります」

白井 「では」

フレメア 「はっけよーい」

滝壺 「それは違う競技だよ」

白井 「」ポーン

浜面 「うぉぉ!」ダンッ

婚后 「っ……!」タンッ


932 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/18 22:20:10.81 DbdkVdepo 87/227


浜面 「」バシィ

婚后 (及びませんか……!)

一方通行 「もらったァ」パシッ

黒夜 「絹旗ちゃん、下がれ!」

絹旗 「分かってますよ!」

一方通行 「行け海原ァ!」ブンッ

海原 「手荒いですね」バシィ

婚后 (いつの間にあんな奥まで!?)

絹旗 「黒夜!」

黒夜 「クソッ!」ダダダダ

海原 「おっと」ダム

黒夜 「簡単に抜かせるかよ」

海原 「これは手厳しい」フフ

黒夜 (いけ好かねぇな……)

海原 「浜面さん!」ポーン


933 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/18 22:21:14.73 DbdkVdepo 88/227


黒夜 「ちょっ……!」

浜面 「ナイスパース」パシッ

黒夜 「そんな高いパスありかよぉ!」ムキー

婚后 (この高さは……逆に利用できれば……)

浜面 「先制点頂きます!」タンッ

絹旗 「打たせると超思ってんですかぁぁ!」ダンッ

黒夜 (ダメだ届かねぇ……)


  ガン ガン パスッ


浜面 「よし、まずは満足!」ウェーイ

海原 「外したかとヒヤヒヤしましたよ」

一方通行 「ま、2号にしちゃ上出来だろ」

浜面 「おお、大いに褒めるが良い」

絹旗 「むぐ……」

黒夜 「」ギリ...

婚后 「お二人とも、引き摺らずに! 気を取り直していきますわよ!」ダムダム


934 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/18 22:22:53.03 DbdkVdepo 89/227


打ち止め 「ゴール!」ピー

滝壺 「2Pだね」メクリ


  海浜通行 2―0 絹黒婚


結標 「いきなり翻弄されちゃってるわね……」

番外個体 「やっぱバスケであの身長差は、きっついものがあるよねぇ」

結標 「身長ね……婚后さんも、男連中を除けば身長はトップクラスなんだけどね」

白井 「婚后さんはともかく、絹旗さんと黒夜さんは……148cmで高さ勝負は手厳しいですの」

ショチトル 「マスターも出ればよかったんじゃないか? 女性陣で一番背が高いだろう」

番外個体 「それでも浜面さんにゃ敵わないよ」

滝壺 「男性チームだと、はまづらが185cmぐらいあるから断トツだね」

フレメア 「浜面、大体でかい、にゃあ」

打ち止め (絹旗よりは大きくなりたいな)

ショチトル 「白い人とお兄ちゃんは同じぐらいに見えるな」

結標 「んー……ひとまず、浜面さんにどう対処するかがカギじゃない?」

白井 (……いえ、おそらく本当に手強いのは……)


935 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/18 22:26:40.39 DbdkVdepo 90/227


婚后 (まだ焦るような時間ではございませんわ)ダムダム

婚后 (で……この状況、どう打破しましょう)

一方通行 「……」

婚后 (正面突破は厳しそうですわね……ならば)チラッ

絹旗 「婚后さん!」トテテテ

婚后 「!」バッ

一方通行 「海原ァ!」

浜面 「」ダッ

海原 「」サッ

婚后 「!? しまっ……!」

海原 「頂きました」パシッ

黒夜 「なんで敵にパスしてんだよぉぉ!」

海原 「」ダダダダ

婚后 「絹旗さん! 黒夜さん!」

絹旗 「待ーーてーーー!」トテテテ


936 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/18 22:27:48.60 DbdkVdepo 91/227


海原 「おや」

絹旗 (止まった! 今です!)

海原 「危ない」サッ

絹旗 「あ」スカッ

海原 「お願いします」ポイッ

浜面 「任せろ!」パシッ

黒夜 「させるかよ! 絹旗ちゃんと同じと思うな!」バッ

浜面 「おっ……さすがに俺じゃ厳しいか?」

黒夜 「……テメェ、ボールを頭上に構えてんじゃねぇ」ピョンピョン

浜面 「ははは、届くまい!」

黒夜 「ナメやがって……!」

黒夜 (けどな、この距離ならシュートは難しいハズ。そこを狙って)


<2号!


浜面 「ほいっと」ポイッ

黒夜 (あ、バックパスかよ! 逃げやがったな!)


937 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/18 22:29:08.03 DbdkVdepo 92/227


一方通行 「」パシッ

婚后 「いかせません!」ザッ

一方通行 「いかねェよ?」ニヤー

婚后 「……?」

一方通行 (玉の重さ、ゴールの高さ、角度、距離……ま、こンな感じか?)ポイッ

婚后 「嘘っ……!?」

絹旗 「げ」

黒夜 「マジかよ」


  バスンッ


打ち止め 「ゴールゴール! ゴール!」ピー

滝壺 「今のは3P?」

白井 「余裕で3Pですの」

滝壺 「」メクリ


  海浜通行 5―0 絹黒婚


番外個体 「あちゃー」


938 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/18 22:30:50.39 DbdkVdepo 93/227


結標 「あの3人、妙に息が合ってるわね」

ショチトル 「……というより、白い人の指揮で動いてるように見えるが」

滝壺 「うん。攻撃のときも防御のときもあくせられーたが二人を動かしてる」

白井 「ポジションでいうポイントガード、いわば司令塔ですの」

番外個体 「ポジションまで考えてないだろうけど、結果的にそうなってるよね」

白井 「第一位様のように頭の回転が速く、常に大局を見て動ける方にはもってこいですの」

結標 「絹旗さんたちが最初から苦戦してるのはそういうワケなのね」

ショチトル 「これは手厳しいな。闇雲に動いても逆効果か」

滝壺 「だからきっと、こんごうも同じように司令塔してると思うんだけど」

白井 「結果を出すまでにはいたっておりませんわね」

番外個体 「このままじゃジリ貧だね」

結標 「相手の弱点を突くか、こっちの戦術で有利に持っていくかしないとね」

フレメア 「浜面がんばれー」

打ち止め 「頑張ってー!」ピョンピョン

滝壺 「きぬはたも応援してあげて」


939 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/18 22:32:25.49 DbdkVdepo 94/227



~数分後~


婚后 「……」ポタッ


  海浜通行 10―0 絹黒婚


婚后 (どうにかこの程度で済んでおりますが、こちらの得点がなしでは……)

絹旗 「」ハァ...ハァ...

黒夜 「クソッタレ……」ギリ...

婚后 (……)

婚后 「タイム!」

打ち止め 「タイム! フレメア止めて! ストップウォッチ止めて!」

フレメア 「このボタン? あれ? あれ?」ワタワタ

絹旗 「婚后さん、どうしたんですか」トテテテ

黒夜 「一体なんだってんだよ」トテテテ

婚后 「お二人とも、液体窒素でもかぶって頭を冷やしなさいな」


940 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/18 22:33:57.17 DbdkVdepo 95/227


絹旗 「えっ」

黒夜 「は?」

婚后 「冷静になれ、と申し上げているのです」

絹旗 「むぐ」

黒夜 「そうは言ってもな……」

婚后 「ボールを追うまま動き回っても、いたずらに体力を消耗するだけですわ」

婚后 「そしておそらく、相手はそれも狙ってやっています」

黒夜 「マジで?」

絹旗 「まんまと超はめられてましたか」

婚后 「今のままではただの消耗戦ですわ。やり方を改めましょう」

黒夜 「どうすんだよ」

婚后 「球技の基本かもしれませんが、できる限り相手にボールを渡さないようにしませんと」

絹旗 「まあ、超当然ですよね」

黒夜 「もう防ぐだけで手一杯だもんな」

婚后 「浜面さんの高さのあるシュートと、第一位様の超精度の3Pシュートは脅威ですわね」


941 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/18 22:36:05.34 DbdkVdepo 96/227


絹旗 「浜面が外してくれるから助かってるようなものですね」

黒夜 「できる限りボールキープするってのは分かった。でもさ、とられたらどうすんの?」

絹旗 「ええ。一方通行はこっちがどうパスを回すのか全部読んでますよ」

婚后 「わたくしに考えがあります」

絹旗黒夜 「「考え?」」

婚后 「大事なのはボールをいかにキープするか、カットされたときにどう対処するかですわ」

黒夜 「それは分かった」

絹旗 「とすると、攻めるにしても守るにしても、やっぱり浜面が超邪魔ですね」

黒夜 「あのデカブツ、絹旗ちゃんより40cmも高いからって調子に乗りやがって」

絹旗 「よ、40cm!? そこまで差つけられてませんよ!」ベシッ

婚后 「40cmかどうかはともかく、真っ向からで適わないのはここまででお分かりでしょう」

黒夜 「そりゃそうなんだけど……じゃ、どうすりゃいいんだ?」

婚后 「浜面さんへの対処を考えるにあたって、ポイントになるのは海原さんですわ」

黒夜 「どゆこと?」

婚后 「それらを踏まえて、いくつか策を考えたのですが……」

 :
 :
 :


942 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/18 22:37:42.00 DbdkVdepo 97/227


一方通行 「……」

浜面 「いやー、たまにやると楽しいよな!」

海原 「ええ。ですが運動不足を痛感しますね」

一方通行 (海原を動かして、連中の体力を削ぐ方向に持ってったが)

一方通行 (いつまでも同じ手が通用する奴らでもねェか)

一方通行 (徐々にフォーメーションも意識してるみてェだしな……さァて)

浜面 「おい、大将。後半も同じ感じでいいのか?」

一方通行 「いや……2号、オマエは出過ぎるな。守備寄りで立ち回れ」

海原 「点差を守る作戦ですか」

浜面 「逃げ切ったモン勝ちか、それもありだな」ウンウン

一方通行 「チャンスがあれば俺か海原で取りにいく、いいな?」

海原 「了解です」

一方通行 「オマエはシュートの阻止を重視してりゃいい」

浜面 「よしきた!」フンス


<お集まりくださーい。再開ですのー。



943 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/18 22:39:32.15 DbdkVdepo 98/227


白井 「では、絹旗さん。先程の位置に」

絹旗 「はいはーい」ダムダム

黒夜 「……」

婚后 (練習なし、思いついたばかりでぶっつけ本番……チームメイトを信じましょう)

婚后 「お二人とも」

絹旗 「超大丈夫です」

黒夜 「やってやるさ」

婚后 「ええ、目に物を見せてやりますわよ」クスクス

一方通行 「……」

海原 (僕はこれまで通り、と)

浜面 「ばっちこーい!」ウォー

白井 「小さい大きいお姉様、お願いしますの」

打ち止め 「試合さいかーい!」ピーー

絹旗 (勝負は超ここからです!)ダンッ


974 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/20 22:43:08.27 aiD79w8Do 99/227


番外個体 「さて、どう巻き返すつもりなんだろ」

滝壺 「作戦会議してたみたいだったけど」

結標 「ここからの展開に期待してみましょ」

ショチトル 「前半を見る限り、予断を許せる状況でもないと思うが」

白井 「そうですの。一たび殿方チームにボールが渡ってしまえば」

結標 「あっという間に点取られちゃうでしょうね」

番外個体 「……待って。絹旗さんのアレ、何?」

滝壺 「すっごい体低くしてる」

フレメア 「今なら大体私の方が背高い」フンス

打ち止め 「でもあれじゃあまり早く走れないね」

白井 「……身長の低さを逆に利用してますのね」

結標 「よく見たら黒夜さんも」

番外個体 「なるほど、これが作戦なのかな」

滝壺 「きぬはた、スカートの中が見え隠れしてもお構いなしだね」

ショチトル 「前から疑問だったのだが、なぜあの学校の制服のスカートはあそこまで短いんだ?」

白井 「……言われてみればなぜでしょう」


975 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/20 22:46:24.98 aiD79w8Do 100/227


絹旗 (超走りづれー!)ダダダダ

一方通行 (左から回り込むつもりか?)

一方通行 「海原ァ!」

海原 「」タッ

一方通行 「」クイクイ

浜面 「」サッ

婚后 (動きましたわね)

絹旗 「っ!」ダム

海原 「おっと」

海原 (随分と低い姿勢を……やりづらいですね)チラッ

婚后 「第一位様、ご機嫌が優れないようですが?」

一方通行 「コイツら……」

黒夜 「」ピョコピョコ

浜面 「ええい、邪魔だっつの!」

海原 (お二人ともマークされてますか……)

絹旗 「」ジー...


976 : すごく……重いです…… ◆8GN... - 2011/10/20 22:48:38.97 aiD79w8Do 101/227


海原 「どうやら1対1のようですね」ニコニコ

絹旗 「ええ、まあ」

海原 (さて……)

婚后 「黒夜さん!」

黒夜 「よしきた!」ダッ

浜面 「あ、待て!」

絹旗 「海原さん……足元が超お留守なンですよ!」ダンッ

海原 「なっ!?」

黒夜 「ナイスパース♪」パシッ

一方通行 「海原! なにしてやがる!」

婚后 (脚の間を通してのバウンドパス、やはり有効ですわね)

黒夜 「」グッ

浜面 (シュートか!?)

浜面 「させん!!」ダンッ

黒夜 「」ササッ


977 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/20 22:49:53.51 aiD79w8Do 102/227


浜面 「あれ?」

一方通行 (フェイント!?)

黒夜 「よっ」シュタッ


  パスッ


打ち止め 「ゴール!」ピー

浜面 「」

絹旗黒夜 「「いぇーい」」パンッ

滝壺 「おお、入った」メクリ


  海浜通行 10―2 絹黒婚


番外個体 「一矢報いたね」

結標 「一矢で終わらせないでよ」

ショチトル 「前半とは明らかに動きが違ったな」

白井 「ええ、統制が取れてきましたの」


978 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/20 22:51:40.62 aiD79w8Do 103/227


浜面 「くそ、まさかフェイントとはな……」


<まだ2点だ!引き摺ってンじゃねェ!


浜面 「おー、大将の檄は怖いねぇ。よし、気を取り直していくか!」ダムダム

一方通行 「」クイッ

海原 (了解、先行しましょう)タタッ

浜面 「こっからは俺のハンパねぇ伝説が」

絹旗 「させませンよ!」ダッ

黒夜 「やらせねェよ!」ザッ

浜面 「お、おい!?」

絹旗 「観念しやがれですー」ピョンピョン

黒夜 「寄越せ寄越せー」バタバタ

一方通行 「」チッ

海原 (まさか二人がかりとは……!)

婚后 「……」


979 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/20 22:53:51.48 aiD79w8Do 104/227


婚后 (海原さんは他二人とボールの位置に合わせて常に動き回っておられる……)

婚后 (前半はこれで体力を消耗されてしまいました)

婚后 (それならば、ボールをお持ちの方に二人ぶつけた方がまだ確実)

婚后 (そして……)チラッ

一方通行 「……クソッ」

婚后 (第一位様のお相手、この婚后光子が仕りますわ!……少し怖いですが)

絹旗黒夜 「「」」ワラワラ

浜面 「ぐ、このっ……!」ヒョイ

一方通行 「オイ、バカ!」


<ピーーーーッ


打ち止め 「トラベリング浜面ー!」

浜面 「なぬ!?」

絹旗 「超残念でした」

黒夜 「こっちのスローインからスタートな」パシッ

浜面 「こなくそ……」


980 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/20 22:55:23.22 aiD79w8Do 105/227


黒夜 「絹旗ちゃン!」ポイッ

絹旗 「そのまま婚后さン!」ポイッ

婚后 「」パシッ

一方通行 「させるかよ」ザッ

婚后 「……第一位様、先程の2度の3Pシュート、お見事でしたわ」ダムダム

一方通行 「そりゃどォも」

婚后 「ですが、その弾道。わたくしもしかと見させて頂きました」ポム

一方通行 「……何企ンでやがる」

婚后 (風の強さ、噴射角度、最高到達点、落下地点……予測)

婚后 「お行きなさい!」ポーン


  シュパァァァァァ


一方通行 「エアロハンドか……!?」

浜面 「取れるかよあんなの!」


981 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/20 22:57:04.24 aiD79w8Do 106/227


絹旗黒夜 「「いっけーーー!」」


  ガン ゴロロロロロ パスッ...


打ち止め 「ゴーール!」ピー

婚后 (外したかと思いましたわ……)

黒夜 「さ、す、が、だ、ぜ、お嬢ー!」ピャー

絹旗 「神様仏様婚后様です!」ピャー

婚后 「も、持ち上げすぎです。まだ追いついておりませんのよ!」

滝壺 「3Pだね」メクリ


  海浜通行 10―5 絹黒婚


ショチトル 「これはひょっとしてひょっとするか……?」

結標 「今のあの子たちなら逆転もいけそうじゃない?」

番外個体「……いや、これは火をつけちゃったかも」

白井 「?」


982 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/20 22:58:27.19 aiD79w8Do 107/227


浜面 「くそ、やられたな」

海原 「まあ、まだ5点差あります。焦らずいきましょう」

一方通行 「……」

浜面 「どうした?」

一方通行 「……上等じゃねェか……」

海原 (あ、これは……)

一方通行 「いいねいいねェ、こォじゃねェと潰し甲斐がねェよなァ!!」ヒャァハハハ

海原浜面 「「」」

一方通行 「オマエら、ここからはミス一回につきベクトルキック一発だからな」

海原浜面 「「」」

一方通行 「ここから先は一方通行だ。あの小娘どもに、どォいう相手にケンカ売ったのか、教育してやンよ」ヒヒヒ

浜面 (最初にケンカ売ったの俺なんだけどなー)ポリポリ

海原 (盛り上がってまいりました)

一方通行 「よし、いくぞ」ダン

 :
 :
 :


983 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/20 22:59:31.96 aiD79w8Do 108/227



~数分後~


婚后 「……」ハァ...ハァ...

一方通行 「オイ、息があがってンぞ? なに一人で盛ってやがるンですかねェ」ポタポタ

婚后 「第一位様こそ、すごい汗、ではございませんか……」

一方通行 「……」

絹旗 「……私も汗ふきたいです」

海原 「正念場ですね」

黒夜 (クソッ、追いつけそうで追いつけねェ)

浜面 (何みんなして疲れてんだ?)


  海浜通行 16―14 絹黒婚


フレメア 「盛り上がってまいりました」

打ち止め 「」ハラハラ

ショチトル 「ここまで接戦になるとはな」


984 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/20 23:01:05.92 aiD79w8Do 109/227


番外個体 「いよいよこれは分からないよ」

白井 「見てるこちらも緊張しますわね」

結標 「ね、残りあとどれぐらい?」

フレメア 「大体20秒、にゃあ」

打ち止め 「逆転は厳しいのかも……」

滝壺 「諦めたら、そこで試合終了だよ」



婚后 (……最後の作戦に出るといたしましょう)

婚后 「」クイクイ

絹旗 「」タッ

黒夜 「」ダッ

海原 (動きますか!)

婚后 「絹旗さん!」ブンッ

絹旗 「はい!」パシッ

浜面 「させるかよぉ!」ズォォ


985 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/20 23:02:17.52 aiD79w8Do 110/227


絹旗 「……」

浜面 「この浜面仕上、もうお前らの手にひっかからんぜ」

一方通行 (海原が空いたか。土壇場で油断しやがったか?)

海原 「」タタッ

絹旗 「くっ……」タンッ

浜面 「うぉぉ!!」バシッ

絹旗 「あぅっ」

婚后 (やはりシュートは阻止されますわね……これは想定通り)ダッ

一方通行 「!? 待てっ……!」

浜面 「」クルッ

婚后 (海原さんを空けておけば、そこにパスが集まるのは必然!)

浜面 「うなば、あッ」ブンッ

婚后 「」バシッ

浜面 「いつの間に……!?」

婚后 「黒夜さん!」ポイッ


986 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/20 23:03:26.99 aiD79w8Do 111/227


黒夜 「はいよォ!」パシ

黒夜 (うし、今ならいけるな!)ダッ

海原 (しまった!)

浜面 (黒夜がフリーだったか!)

婚后 「お行きなさい!!」

絹旗 「アレです、アレ!!」

黒夜 (右手にボールを、左手に)

黒夜 「窒素爆槍!」ボンッ


  ブワッ


一方通行 「ッ……」

浜面 「」アゼン

黒夜 「イヤッハァァァ♪」ガゴォォン

打ち止め 「ゴォォォォォル!!」ピー


987 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/20 23:04:39.22 aiD79w8Do 112/227


番外個体 「おわぁ……ワンハンドダンクだ」

フレメア 「クロちゃんかっこいー!」

結標 「驚いたわ……ああいう窒素の使い方もあるのね」

白井 「まさかこの試合でダンクシュートが見れるなんて」

滝壺 「すごいシュートだったね……ええと」

番外個体 「どした?」

滝壺 「距離的には3Pだけど、今の場合って何点?」

結標 「……んんと」

ショチトル 「どうなんだ……?」

白井 「この際、3Pでいいですの」

番外個体 「そうそう。3P分の価値があるでしょ、あれは」

滝壺 「だね、3Pだよね」メクリ


  海浜通行 16―17 絹黒婚


フレメア 「あ。ねえ、終わり終わり」クイクイ

打ち止め 「え? 終わり? しゅーーりょーーーー!」ピッ ピッ ピーーー


988 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/20 23:06:11.14 aiD79w8Do 113/227


絹旗 「勝ったーーー!」ピャー

婚后 「辛勝でしたわね」フゥ

黒夜 「……」

絹旗 「なんですか、黒夜。もっと喜んでくださ……あれ?」

婚后 「黒夜さん? あの、右手は……」

黒夜 「……あそこ」

絹旗 「……あそこのゴールリング掴んでる手がそうですか」

黒夜 「ダンク決めたあと、ぶら下がってたら取れちゃった」


<これは……どういたしましょう。
<超届きませんよ、こんなの。
<そんなこと言わねぇで取ってくれよぉぉ!


一方通行 「……」

浜面 「いやぁ、負けた負けた! 負けちまったな!」

海原 「の割には嬉しそうですね」

浜面 「楽しかったからおk!」b グッ


35 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/24 23:01:32.97 WMkgm/zmo 114/227


フレメア 「次私たちが遊ぶばーん」トテテテ

打ち止め 「ばーん」トテテテ

フレメア 「ねー、お姉ちゃんも」グイグイ

ショチトル 「わ、私もか!?」

結標 「いいじゃない、行ってきなさいよ」

滝壺 「面白そうだから私も」ハイ

番外個体 「淡希、その前に右手取ってあげなよ」

白井 「こう改めてみると、奇妙な光景ですの」

結標 「アダムスファミリーみたいね」

番外個体 「アダムスファミリーのあいつは車も運転するよね」

絹旗 「超思いっきりボールぶつければ落ちてくるんじゃないんですかね?」

婚后 「そうですわね。では、3Pシュートの要領で」フォォ

黒夜 「やめろやめろ! 壊れたらどうすんだ!」

結標 「もう、仕方ないわね」フッ

絹旗 「あ、消えた」


36 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/24 23:03:00.05 WMkgm/zmo 115/227


黒夜 「あれ? どこやった?」

結標 「そこ」

白井 「なぜわざわざ床に」

結標 「だって、触るのはなんか気持ち悪いんだもの」

黒夜 「何気にヒデェな」パチン

打ち止め 「いくよー!」ブンッ

フレメア 「よっ」ヒョイ

滝壺 「フレメア、避けないで取ってあげないと」

フレメア 「?」

ショチトル 「リハビリにはちょうどいいな」パシッ

打ち止め 「さあ、こーーい!」

ショチトル (しかし、なぜドッジボールなんだ?)ポイッ


<オイ、クソガキィィィ!制限解除しやがれェェェ!


打ち止め 「だーめー♪」


37 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/24 23:06:42.17 WMkgm/zmo 116/227


結標 「貴女の彼は何をするつもりなの?」

番外個体 「あれでしょ。ミスへの制裁」

絹旗 「はー、しかし汗かいちゃいましたね」ゴシゴシ

婚后 「久しぶりですわね。ここまで身体を動かすのも」

黒夜 「しかし失敗したな。この硬いブーツじゃやりづらいって」

絹旗 「それ言ったら婚后さんはヒールですし、私に至ってはローファですよ」

婚后 「そう言えば、絹旗さん。いつもヒールローファですわね」

黒夜 「シークレットシューズだろ?」

絹旗 「超違いますよ! こういうデザインなんですよ!」ムキー

白井 「校則スレスレですの……」

浜面 「助けてくれぇぇぇ!」

一方通行 「テメェ、土壇場でパスミスりやがって!」ベシベシ

浜面 「杖で殴るな! それ地味に痛ぇんだよ!」

結標 「ほらほら、止めてきなさい」

番外個体 「はあ……」ガシガシ


38 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/24 23:08:21.69 WMkgm/zmo 117/227


一方通行 「制限なけりゃ自転パワー使って蹴り上げてるところだぞ」

浜面 「宇宙まで吹っ飛ぶだろうが! お前俺を人工衛星にでもするつもりか!?」

海原 「人工衛星になるまえに粉々になりそうですけどね」

番外個体 「ほーら、もうそれぐらいにしておきなよ」

一方通行 「そうは言ってもな」

番外個体 「それともなに。負けたのがそーんなに悔しいの?」

一方通行 「………………バカ言え。ンな訳あるか」

番外個体 「そういうことにしておくとして。バッテリは?」

一方通行 「あー、一応頼めるか」

番外個体 「はいはい」

浜面 「はあ、こんなもんで済んでよかったぜ……」

結標 「お疲れ様。はい、上着」

海原 「おや、これは申し訳ない」

結標 「喉乾いてない?」

海原 「少々」


40 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/24 23:10:30.15 WMkgm/zmo 118/227


番外個体 「はい、これつないでね」

一方通行 「なンだよ、これ」

番外個体 「充電用ケーブル。古いコード使って作ってみた」

一方通行 「」パチ

番外個体 「いいでしょ、首輪とリードみたいで」ビビビ

一方通行 「……なンかやだ」

浜面 「あれ? 戦い終えた戦士へのねぎらい、俺にはないの?」

黒夜 「お前んところの嫁だったら、向こうでドッジボールやってるぞ」ズチュー

絹旗 「だから私のジュース飲むなって言ってるんですよ!」


<それー!
<なー!そんな本気で投げるな!
<当たらなければ、大体どうということはにゃい。
<顔は狙っちゃダメだよ。狙うならボディ。


婚后 「バスケのボールでやるのは危ないのでは」

白井 「硬いですし」

浜面 「……寂しくなんかないし」


41 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/24 23:12:58.93 WMkgm/zmo 119/227



~30分後~


打ち止め 「つかれたー」

フレメア 「汗かいたー」

滝壺 「二人とも、汗拭いて」

ショチトル (結構動けた。運動機能も問題ないとこまできたかな)コキコキ

白井 「そろそろ、ここのレンタル時間も終了ですの」

結標 「今何時?」

海原 「16時に差し掛かるところです」

絹旗 「お風呂超入りたいですー」

黒夜 「同じく」

婚后 「汗かきましたものね」

滝壺 「じゃ、もう温泉行く?」

一方通行 「オイ、充電終わったならこれ外せ」

番外個体 「んー、どうしよっかな」


42 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/24 23:14:54.06 WMkgm/zmo 120/227


滝壺 「時間的にも丁度よさそうだね」

絹旗 「じゃ移動しましょう」

白井 「ではボールを返却してきますの」

フレメア 「パーース!」ブンッ

白井 「はい、確かに」バッシィィィ

黒夜 (なんなの、あの球威)

打ち止め 「お風呂? お風呂?」

番外個体 「お風呂」

一方通行 「オイ、周りの人に迷惑かけるなよ」

打ち止め 「大丈夫だもん!」

結標 「どこから行くんだっけ?」

ショチトル 「……あの案内板の通りに行けばいいんじゃないか?」

海原 「ええ、あれに従えばよさそうです」

婚后 「では参りましょうか。忘れ物はございませんね?」

絹旗 「手はついてますか?」

黒夜 「ちゃんとついてるよ」ホラ


43 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/24 23:16:37.82 WMkgm/zmo 121/227


 :
 :
 :

結標 「じゃ、ここからは別々ね」

海原 「お待ちしておりますので、どうぞごゆっくりと」

一方通行 「オイ、くれぐれも男湯にテレポしてくンじゃねェぞ」ニヨニヨ

結標 「なんで私がそんなことしなきゃいけないのよ」

一方通行 「そりゃいたいけな少年目当てだろ」

浜面 「えっ、そうなの?」

結標 「ねえ、この場で貴方達を女湯にすっ飛ばしてあげてもいいのよ?」

浜面 「なんで俺まで!?」

番外個体 「やめなよ、二人とも」

一方通行 「」チッ

結標 「貴女からよく言っといてよね、こいつに!」

番外個体 「分かった、分かったから」

ショチトル 「何を焦っているんだ?」

結標 「貴女は知らなくていいの」


44 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/24 23:18:29.43 WMkgm/zmo 122/227


浜面 「助かった……のか? んじゃまた後でな」

フレメア 「後でな」

滝壺 「フレメアはこっちだよ」グイ

フレメア 「にゃー」

婚后 「これぐらいの歳ならボーダーフリーなのでは」

白井 「ダメですの。どう考えてもアウトですの」

黒夜 「さすがにダメだろ」

絹旗 「どんな人がいるか超分かりませんしね」

結標 「ロリコンもいるしね」チラッ

一方通行 「オイ」

番外個体 「やめろっつってんだろ!」ベシッ

一方通行 「いてっ。今のは俺が悪いワケじゃねェだろ!?」

打ち止め 「寛大な心を持たなきゃダメなのよ、と思うの」

白井 「仲睦まじいことで……とにかく入るといたしましょう」

絹旗 「こんだけ人数がいると、中々スケジュールが進まないですね」


45 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/24 23:20:05.63 WMkgm/zmo 123/227



~女子脱衣所~


結標 「さて、髪まとめないとね」バサッ

白井 「ですの」バサッ

フレ止め 「「おー」」

白井 「?」

フレメア 「お姉ちゃんたちが髪ほどいたの、大体久しぶりに見た」

打ち止め 「違う人みたい」

婚后 「お二人は普段から結んでますものね」シュルシュル

ショチトル 「……綺麗な黒髪だな。私が伸ばしてもこうはならないだろう」

婚后 「あら。貴女のウェーブヘアーも自然で素敵ではないですか」

ショチトル 「初めて言われた」

絹旗 「黒夜も結んでおいた方がいいんじゃないですか」

黒夜 「メンドクセェからいい」

結標 「貴女がよくても他の人はイヤなのよ」


46 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/24 23:21:43.99 WMkgm/zmo 124/227


黒夜 「ちぇー」

ショチトル 「マスターもじゃないか?」

番外個体 「あ、やっぱダメ?」

滝壺 「みさわも髪伸びたしね」

番外個体 「しょうがないか……あ、これはどうしようかな」

ショチトル 「その赤いピアス、いつもつけているな。大切な品なのか?」

番外個体 「……それなりにね」

結標 「ここで失くしたら見つからないわよ。悪いことは言わないから外しておきなさい」

番外個体 「そうだね、そうしよっか」

絹旗 「」パサッ

黒夜 「ふーん、へー」

絹旗 「……なにジロジロ見てんですか。とうとうそっちの趣味に超目覚めましたか?」

黒夜 「いーやー、慎ましいなーと思ってさー」

絹旗 「ペッタン共和国のあなたには超言われたくないです」

黒夜 「(ピキッ)はっ、ガイアの絶壁が何かほざいてやがる」


47 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/24 23:23:30.13 WMkgm/zmo 125/227


絹旗 「誰が絶壁ですか! 黒夜よりは超膨らんでるじゃないですか!」ホラホラ

白井 「お二人とも、何をそんなことで言い争いを」

黒夜 「嘆きの平原は黙ってやがれ!」

白井 「な、なげ……」

滝壺 「大きくても得することばかりじゃないのに。ソースは私」

結標 「持たざる者には伝わらないわよ」

婚后 「ええ、まったく」

番外個体 「3人とも、持つ者の余裕だね」ケラケラ

結標 「貴女だって人のこと言えないじゃない」

ショチトル 「」ゴソゴソ

結標 (それにしても、あっちの3人と比べるとこの子は育ち過ぎよね)

ショチトル 「? どうしたんだ?」

結標 「ううん、何も」

フレメア 「誰が目標?」

打ち止め 「お母様」


48 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/24 23:25:58.26 WMkgm/zmo 126/227


結標 「あ、ゴメン。準備できた人から先行ってて」

番外個体 「んじゃ行ってるよ」

打ち止め 「ごー!」ガラッ

フレメア 「わ、すごーい、広ーい」トテテテ

滝壺 「あ、フレメア。走ったら」

絹旗 「わぁっ!」ズコー

滝壺 「きぬはたみたいに転んじゃうからね」

番外個体 「あらら」

絹旗 「な、なんで私がこんな……」

黒夜 「なんだ、絹旗ちゃん。こんなところでオーバーヘッドkおわっ」ズコー

フレメア 「クロちゃんもコケた」

黒夜 「いってぇぇなぁぁもぉぉぉ! なんだこの床ぁぁぁ!?」

打ち止め 「ねー、なんかここの床ヌルヌルしてる」

番外個体 「……シャンプーだね、これ。誰か零したのかな」ヌルヌル

滝壺 「入ってすぐのところだから危ないね」


49 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/24 23:27:46.94 WMkgm/zmo 127/227


ショチトル 「トラップじゃないのか?」

黒夜 「なんでトラップがあるんだよ、刻命館かよここは」サスサス

絹旗 「まったく超いい迷惑です」

滝壺 「まず身体洗わないといけなくなっちゃったね」

絹旗 「元々そのつもりでしたけど、なんか超ムカつきます!」

番外個体 「まー、今ならシャワー空いてるし。丁度いいでしょ」

ショチトル 「というか、全体的に人が少ないな」

滝壺 「フレメア、先に身体洗うけどいいよね?」

フレメア 「大体おk」

打ち止め 「じゃあ、改めてごー!」

番外個体 「また私が髪洗うのか……」ハァ

ショチトル (ちょっとうらやましいな)

絹旗 「あっ、超待ってくださいよ。手やら足やらに付着してうまく立てないですよ」ツルツル

フレメア 「絹旗、その動き面白い」

黒夜 「こっちゃ真剣なんdふぎゃっ!」ツルッ ベチン


50 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/24 23:29:24.69 WMkgm/zmo 128/227



~10分後~


絹旗 「ど、どうにかシャワーまでたどり着きました」

黒夜 「文字通り、滑るように移動してな」

番外個体 「傍から見てる分にはなかなかシュールだったよ」

黒夜 「助けろよな、マスターもよぉぉ!」

フレメア 「ねー、背中私に洗わせて?」

打ち止め 「えっ?」

ショチトル (これは……どうやって温度調節をするんだ……?)

滝壺 「」シャワワワワワ


<ズコー
<白井さん、足元に気を付けないと……白井さん?
<あ、あら?白井さん?白井さん!?


絹旗 「やっぱ超危ないですって、あの床」

黒夜 「どこのバカだよ、シャンプーぶちまけやがったのは」


51 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/24 23:30:53.40 WMkgm/zmo 129/227



~その頃~


海原 「浜面さん。こういった場ではかけ湯をするのがマナーだそうですね」

浜面 「おお、常識だわな」

海原 「こちらをどうぞ。そこで汲んできました」

浜面 「そこ? ああ、かけ湯ってのがあるな」

海原 「一番槍を飾ってください」

浜面 「よし、では遠慮なく」ザバァァァァァ

浜面 「あっちぃぃぃぃぃ!?」

一方通行 「……オイ、2号。よく読め」

浜面 「?」

一方通行 「熱いからうめて使え、って書いてあンぞ」

浜面 「……海原、お前」

海原 「これはうっかりしてました」ニコニコ

一方通行 「よく言うわ……」ハァ


80 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/27 00:41:41.07 FZ+8xFO8o 130/227


打ち止め 「(><)」

番外個体 「そろそろ自分で髪洗ってもいい頃だと思うんだけど」ワシャワシャ

滝壺 「フレメアも、前は自分で洗ってたのに」ワシャワシャ

フレメア 「(><)」

番外個体 「一緒に暮らすようになってから洗髪係?」

滝壺 「うん。もともと甘えん坊だったのかも」

フレメア 「人に洗ってもらうのは大体気持ちいい。浜面は下手くそだけど」

番外個体 「浜面さん、ああ見えて意外と手先は器用なのにね」

滝壺 「男の人だから手とか指が硬いんだよ。そういえばさ」

番外個体 「?」

滝壺 「髪伸びたらどうしてる?」

番外個体 「伸びたらって、この子の?」

滝壺 「うん」

番外個体 「前はどうしてたか知らないけど、一緒に住むようになってから私が切ってる」

滝壺 「おー」

フレメア 「おー」

81 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/27 00:44:36.60 FZ+8xFO8o 131/227


番外個体 「私も自分で切ってるからね。それ見られて、"クソガキのも頼む"って言われてさ」

滝壺 「え? 自分で?」

番外個体 「わざわざ店行くのメンドくて。前髪だけね。他は伸ばし放題だよ」

滝壺 「前髪だけなら私も自分で切っちゃうな」

番外個体 「でもなんで私が? と思う部分はある」

打ち止め 「だって前にあの人に切ってもらったらベリーベリーショートにされたんだもん」

番外個体 「それは狙ったんじゃなく、トライアンドエラーの成れの果てだよ」

打ち止め 「どっちにしてももうヤダ!」

滝壺 「フレメアも、今度はまづらに切ってもらおうか?」

フレメア 「大体ヤダ。じゃなくて絶対ヤダ。変にされちゃう」

番外個体 「フレメアは、今の髪型をうまく維持するには店にいかないとダメでしょ」

打ち止め 「にゃお」

滝壺 「そうだね。ほっとくと広がってライオンみたくなっちゃうし。あ、流すよ」シャワワワワ

フレメア 「(><)」

番外個体 「クセっ毛だと大変だろうねー」シャワワワワ

打ち止め 「わっ、な、流すなら言ってよ!」


82 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/27 00:46:28.80 FZ+8xFO8o 132/227


ショチトル 「」ジー...

ショチトル (もし、お兄ちゃんが髪を洗ってくれたら……)

ショチトル 「」プシュー

結標 「どうしたの?」

ショチトル 「なっ、なんでもない」キュッ

結標 「あっ、ちょっと」

ショチトル 「うわっ!? 熱いっ! なにこれ!」シャワワワワ

結標 「温度が最大になってるじゃない。熱いに決まってるわよ」キュッキュッ

ショチトル 「そこで温度調節をすればいいのか……」

結標 「見れば分かるでしょ……あ、いけない。シャンプー忘れちゃった……」

ショチトル 「2本持ってるじゃないか。それではないのか?」

結標 「これ、トリートメントとコンディショナー」

ショチトル 「……」アチャー

結標 「貴女持ってないの?」

ショチトル 「義姉さんが持ってると思って」


83 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/27 00:48:04.57 FZ+8xFO8o 133/227


結標 「……」アチャー

婚后 「お忘れですか? よろしければ、こちらお使いください」つ【シャンプー】

結標 「え? いいの?」

婚后 「どの道、使い切れる量でもございませんし」

結標 「ゴメンなさい、ちょっとだけ頂くわね」

ショチトル 「私も、私も」

結標 「婚后さんのロングヘアを維持するようなシャンプーだから、高いんじゃないの?」クスクス

婚后 「そんな、とても。自家製ですから、材料費のみですわよ」

ショチトル 「自家製?」

婚后 「ええ。実家から送られてくるものでして」

ショチトル 「……すごい甘い匂いがする。何を使っているんだ?」スンスン

婚后 「詳しくは存じませんが、蜂蜜やらプロテインやらをわたくし用に配合したものだとか」

結標 (あ、そういえばこの話、前にもここで聞いたわ)

婚后 「使い心地は保障いたしますわよ」

ショチトル 「すばらしい泡立ちだ」ワシャワシャ


84 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/27 00:49:24.23 FZ+8xFO8o 134/227


番外個体 「身体は自分で洗ってねー」シッシッ

滝壺 「次は私たちが髪洗う番」

フレ止め 「「はーーい」」

フレメア 「ねーねー、背中洗ってあげる」

打ち止め 「え? で、でも……」

滝壺 「ゴメンね、付き合ってあげて。フレメア、人の背中ごしごしするの好きだから」

打ち止め 「う、うん」

番外個体 「そんな怖がらなくても」ケラケラ

フレメア 「さあ、さあ」

打ち止め 「じゃあ、お願いね。その後で代わりばんこだからね?」

フレメア 「大体了解」モシュモシュ

打ち止め 「あ! ゲコ太スポンジ!」

フレメア 「げこ太、ごー」ゴシゴシ

白井 (混ざりてぇぇぇ、小さい大きいお姉様の全身流してさしあげてぇぇぇ)

絹旗 「超やめてくださいよ、白井さん」


85 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/27 00:50:51.98 FZ+8xFO8o 135/227


白井 「わ、分かっておりますの」

絹旗 「まったく、こんなところで超暴走しないでくださいよ」

黒夜 「……」

絹旗 「で、あなたは鏡にお尻映して何やってんですか」

黒夜 「いや、なんか痛くてさ。アザかなんかになってんのかなー、って」

白井 「お二人も転びましたの?」

絹旗 「ええ、もう」

黒夜 「絹旗ちゃんに至ってはオーバーヘッドキックだったもんな」ケラケラ

絹旗 「後頭部を打ちましたよ。超エライ目に遭いました」

黒夜 「転んだ直後のポーズも刺激的だったぜ」

絹旗 「忘れてくださいよ、もう!」

白井 「大丈夫ですの?」

絹旗 「とりあえず今は。後で腫れるかもしれませんけど」

白井 「お尻にアザができたりとか」

黒夜 「絹旗ちゃんのそれは蒙古斑だから」


86 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/27 00:52:53.88 FZ+8xFO8o 136/227


絹旗 「超違いますから!」

黒夜 「どうだかー」ケラケラ

絹旗 「だったら見てくださいよ!」ホラ

黒夜 「いいよ、見せなくて! 絹旗ちゃんの貧相なバックヌードとかなんも嬉しくねぇよ!」

絹旗 「貧相!? あなたにだけは超言われたくないです!」

白井 「お二人とも、それぐらいにしてくださいまし。場所を考えてください」

絹旗黒夜 「「はいはーい」」

黒夜 「そういえば白井ちゃんは大丈夫だったのか?」ワシャワシャ

絹旗 「なんか、超派手に転んだ音が聞こえてきましたけど」シャワワワワ

白井 「一瞬意識が飛びましたの」

黒夜 「全く、迷惑な話だよな」

絹旗 「犯人を捜し出したい気分です」

白井 「……あの、先程から一つ言いたかったのですが」

絹旗 「なんでしょ?」ゴシゴシ

黒夜 「(><)」ワシャワシャ


87 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/27 00:54:30.39 FZ+8xFO8o 137/227


白井 「お二人も転んだのなら、なぜ対処しなかったのですか」

絹旗 「えっ」

黒夜 「あっ」

白井 「お湯で流すなり、スタッフの方に一声かけるなりできたでしょうに!」

黒夜 「ま、まあ、そうだけどさ」

絹旗 「だからって、そこまで怒らなくても」

白井 「お蔭で、あんなところであられもないポーズで失神するという大失態を犯しましたの!」

黒夜 「待て! 怒りの矛先はシャンプー床仕掛けた奴に向けるべきだ!」

絹旗 「そ、そうですよ! 私たちだってどっちかという被害者ですよ!」

白井 「ぐぬぬ……もう嫁に行けませんの」

黒夜 「いざとなったら絹旗ちゃんがもらってくれるだろ?」

絹旗 「なんで私が!?」

白井 「あぁ、いけませんの。略奪愛は禁断の愛……」

黒夜 「略奪ぅ!? 絹旗ちゃんは中古なのか!?」

絹旗 「違いますよ! 超変なこと言わないでくださいよ!」


88 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/27 00:56:27.25 FZ+8xFO8o 138/227


白井 「だって絹旗さんにはもう黒夜さんがおられますもの」

黒夜 「は?」

絹旗 「え?」

白井 「ツンデレ・幼馴染・再会と3拍子、わたくしなどが入る余地など……」ヨヨヨ

絹旗 「いやいやいやいや、なんか超おかしいですよ!?」

黒夜 「……」

絹旗 「なんか言ってくださいよ、黒夜も」

黒夜 「いや……絹旗ちゃんがいいのなら、私は、いつでも……」ポッ

絹旗 「」

黒夜 「とでも言うと思ったか! 残念、私はノーマルだぁぁ!」バシャァァ

絹旗 「つっめたぁぁぁ!? これ水じゃないですかぁ!」

黒夜 「ボディソープ流してやったんじゃん?」

絹旗 「じゃ、私もシャンプー流してやりますよ」シャワワワワ

黒夜 「あつっ!? あつっ! おいバカやめろ!」

白井 「やれやれですの」ハァ


89 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/27 00:57:42.14 FZ+8xFO8o 139/227


 :
 :
 :

結標 「さーて。身体も洗い終わったし、いよいよお風呂タイムね」

ショチトル 「……さすが義姉さん。タオルも巻かずに、あそこまで堂々としてるなんて」

婚后 「あら、女同士恥ずかしがることもないのでは?」

ショチトル 「こういう場所には不慣れで……」

婚后 「少しずつ慣れていくとよろしいですわよ」クスクス

結標 「ねえ、なんか色々種類あるみたい」

婚后 「バリエーションには富んでおりますわね」

ショチトル (? あれは……?)トテトテ

結標 「あ、電気風呂だって。何に効くのかしら」

婚后 「ミサワさんが入ってるお湯ということではございませんわよね?」

結標 「まっさかー」

ショチトル 「なあ……大変なものを見てしまった」

婚后 「と申されますと?」


90 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/27 00:59:02.55 FZ+8xFO8o 140/227


ショチトル 「お風呂が沸騰してた」

結標 「はい?」

ショチトル 「あれに入るのか? 入れるのか?」

結標 「沸騰してるお風呂って、それもうお風呂になってないじゃない」

ショチトル 「だったら見てくれ。その方が早い」

結標婚后 「「?」」

ショチトル 「ほら、これだ」

結標 「……これは沸騰してるんじゃないわよ」

婚后 「ジェットバスですわね」

ショチトル 「?」

結標 「入ってみなさい。その方が早い」

ショチトル 「だ、だけど」

婚后 「何事も経験ですわよ」グイグイ

ショチトル 「お、押さないでくれ! 入るから!」

結標 「ちょっと待った」


91 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/27 01:00:21.90 FZ+8xFO8o 141/227


婚后 「?」

結標 「教えたでしょ? こういうところのマナー」

ショチトル 「……浴槽にタオルは入れない」

結標 「そういうこと」クスクス

ショチトル 「うぅ……仕方ない」パサッ

婚后 「さ、お先にどうぞ」

ショチトル 「」チャプ


  ボコボコボコボコ


ショチトル 「な、な、なんだこれは? 泡? 泡が勢いよく……」

結標 「分かった? そういうお風呂なの」

婚后 「湯加減はいかがですか? 沸騰してます?」

ショチトル 「いや、少々ぬるいぐらいだが……あ、でもこれは、なんかいいな……」

結標 「じゃ、私たちは向こうにいるからね」

婚后 「どうぞごゆるりと」


92 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/27 01:02:04.99 FZ+8xFO8o 142/227


結標 「あの顔、よほど気に入ったみたいね」クスクス

婚后 「あのジェットバブルの刺激は心地よいですもの」

結標 「あ、こっちにも電気風呂あるわよ。入ってみましょ」

婚后 「? こちら普通のお風呂では……」

番外個体 「おや? 淡希に婚后さんじゃないかい」チャプ

打ち止め 「はー……しみる……」

婚后 「電気風呂ですわね」

結標 「入ったらビリッとしないかしら」

番外個体 「別になんもしてないから」

結標 「じゃ、失礼」

婚后 「お邪魔いたします」

番外個体 「ショチトルは一緒じゃないんだ?」

結標 「向こうでふにゃーってなってるわよ」

婚后 「ふにゃーっとですわね」クスクス

番外個体 「?」

打ち止め 「」フニャー


93 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/27 01:04:06.97 FZ+8xFO8o 143/227



~その頃~


海原 「さて」

浜面 「海原さん、お背中お流しいたしやしょうか」ヘコヘコ

海原 「え? いやそんな、悪いですよ」

浜面 「まあまあ、そう言わずに。男同士、腹切っていこうじゃないの」

海原 「腹を割って、ですよね?」

一方通行 「一人で切ってやがれ。介錯ならしてやるぞ」

浜面 「おっと、こいつはうっかりだ」ペチッ

海原 「まあ……では、お願いします。その後で、今度は僕が代わりますよ」

浜面 「そうこなくちゃな。よし、じゃ背中は任せてくれ」

海原 「お手柔らかにお願いしますね」

浜面 「俺のテクニックに驚くんじゃねぇぞ?」つ【デッキブラシ】スチャ

一方通行 (何やってンだ、こいつら……)

浜面 「浜面、いきまーす」ザリッ

海原 「あっだぁぁぁぁぁ!?」

一方通行 「」ハァ


114 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/29 01:51:54.07 xOIlDvaxo 144/227


海原 「あいたたた……まったく、酷いじゃないですか」ヒリヒリ

浜面 「はっはっは。これが熱湯に対する俺の逆襲のシャアだぜ!」

海原 「意味が分かりません」

浜面 「ま、俺たちゃこういうキツイ冗談も笑って流せる仲だってこった」

海原 「やりすぎですよ。くれぐれも僕以外の人間にはやらないでくださいよ」

浜面 「分かってるさ」

海原 「相手が相手なら命の危険すらありますからね、例えば……おや?」

浜面 「ん?」

海原 「一方通行さんはどちらに?」

浜面 「身体洗い終わって向こういったぞ」

海原 「……ああ、あちらにおられましたか」

浜面 「ありゃなんだ? 打たせ湯か?」

海原 「そのようです」

浜面 「……なんでアイツ、打たせ湯の下に座ってんだよ」

海原 「まるで滝修行ですね」


115 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/29 01:53:41.38 xOIlDvaxo 145/227


浜面 「なんか、アイツみたいな体系のヤツがああやってるとアレみたいだな」

海原 「あれ?」

浜面 「即身仏」


  ヒュッ


浜面 「」スコーーン

海原 「おやおや」

浜面 「いってぇぇぇぇ! 誰だ、人の後頭部に洗面器投げやがったの!」

海原 「この状況でこんなことをするのは一人しかいないでしょう」

浜面 「……どういう耳してんだよ、アイツ」

海原 「口は災いのもと、とはよく言ったものですね」

浜面 「くわばらくわばら……ん? あれ?」

海原 「今度はどうしたんですか」

浜面 「髭剃り忘れちまった」

海原 「では、代わりにこちらをどうぞ」


116 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/29 01:56:46.11 xOIlDvaxo 146/227


浜面 「……なんだ、これ。石器か?」

海原 「黒曜石です」

浜面 「剃れんのか?」

海原 「ペーパーナイフぐらいにはなりますよ」

浜面 「……気持ちだけ受け取っておくわ」

海原 「そうですか」

浜面 「しかし参ったな。できる限り剃っておきたいんだがな」

海原 「おや、意外と細やかですね」

浜面 「そりゃお前、無精ヒゲなんざ生やしてたらいい男が台無しだろ」キリッ


  ヒュッ


浜面 「」スコーーン

海原 「お見事です」

浜面 「なんでぇ!? 今の投げるタイミングじゃねぇだろ!?」

海原 「何かが彼の琴線に触れたのでしょう」


117 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/29 01:58:21.54 xOIlDvaxo 147/227


浜面 「くそ、細やかなボケも許されんのか……それはともかく、剃っておきたいのはホントだぜ」

海原 「剃っても顔の造形までは変わりませんよ?」

浜面 「分かっとるわ! そうじゃなくてだな、無精ヒゲ生えてると嫌がられんだよ」

海原 「それは、滝壺さんに?」

浜面 「滝壺もそうだけど、主にフレメアだな」

海原 「どうしてまた」

浜面 「ヒゲじょりじょり攻撃痛いからやめろ、ってな」

海原 「……仲が良いですね」

浜面 「一応言っておくとな。俺が攻撃してる訳じゃねぇんだよ」

海原 「はあ」

浜面 「フレメアが顔くっつけようとして、髭いたい邪魔って言うんだよ」

海原 「……好かれてますね」

浜面 「おい、なんだその目は」

海原 「いやいや、他意はありませんよ」

浜面 「おい、なんで距離を開ける」


118 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/29 01:59:31.48 xOIlDvaxo 148/227


海原 「いやいや、床が滑ってしまいまして」

浜面 「お前誤解してるぞ、絶対!」

海原 「それこそ誤解ですってば。誰も浜面さんがそっちの趣味だなんて思ってませんよ」

浜面 「当たり前だろ! 俺には滝壺というオンリーワンがだな」

海原 「ミサワさんにも、妹さんに手を出されないよう注意をしたほうが」

浜面 「お前、そr」


  ヒュッ


浜面 「」スコーーン

海原 「ですよね」

浜面 「今のは俺悪くねぇだろぉぉぉ!?」ウォー

海原 「二度あることは三度ありますし、仏の顔もまた三度までですよ」

浜面 「くっそ、これ以上バカになったらどうしてくれんだよ」サスサス

 :
 :
 :



119 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/29 02:01:01.03 xOIlDvaxo 149/227


海原 「さて、どうしましょうか」

浜面 「どうするってお前、湯に入るしかないだろ」

海原 「ところで、一方通行さんはどちらに行ってしまったんでしょう」

浜面 「まだあがったワケじゃないと思うけどな」

海原 「まあ、彼なら一人でも……あ、あれ?」

浜面 「どうした? って……」

一方通行 「あ? お前ら、まだウロウロしてたのか」

浜面 「た、た、大変だ!」

海原 「一方通行さん、いくらなんでも長時間入りすぎですよ」

一方通行 「? まだ5分も経ってねェよ」

浜面 「何言ってんだ! お前、溶け始めてるじゃねぇか!」

海原 「お湯が真っ白に染まってるではないですか。一方通行スープになってますよ」

一方通行 「これは元来こォいう種類の湯なンだよボケェ!!」

浜面 「なんだ、そういうことかよ」

海原 「驚かさないでくださいよ」


120 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/29 02:02:20.99 xOIlDvaxo 150/227


一方通行 「分かってて言ってンだろ……」ハァ

浜面 「じゃ、ついでにお邪魔すっかな」

海原 「失礼しますね」

一方通行 「勝手にしろ」

浜面 「いやホント、驚いちゃったぜ」

一方通行 「まだ言うかよ」

海原 「温泉の中には酸性やアルカリ性のものもありますからね。もしや……と思ってしまったんですよ」

一方通行 「それで溶けるって、俺はどンだけ貧弱なンだよ」

浜面 「何はともわれ無事で何よりだ」ハッハッハ

海原 「あなたに何かあれば、そこの壁の向こうにいる人が嘆き悲しみますからね」ニコニコ

一方通行 「……」

浜面 「しっかし邪魔な壁だよな」

海原 「またとんでもない発言ですね」

浜面 「なんだよ、男なら誰だって一度は夢見るだろ?」

一方通行 「夢見るだけで終わらせとけ」


121 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/29 02:03:32.83 xOIlDvaxo 151/227



~しばらくして~


浜面 「なあ、サウナなんてどうよ」

一方通行 「パス」

浜面 「即答かい」

一方通行 「俺溶けちまうンで」

海原 「根に持ってます?」

浜面 「なんだよ、もっと心を広く持とうぜ」

一方通行 「ほっとけ」

浜面 「海原はどうするよ」

海原 「僕も少し頭を冷やしたいので、パスで」

浜面 「なんだよ、つれねぇな」

一方通行 「一人で行ってくりゃいいだろ」

海原 (サウナは、少々怖い思い出が……)

浜面 「んじゃ行ってくるわ。また後でな」


122 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/29 02:05:25.58 xOIlDvaxo 152/227


浜面 「サウナサウナ、と……お、ここか」ガチャ


  ゴォッ


浜面 「お、すごい熱気……ん?」

いい男 「……」

浜面 (おっと先客か)

いい男 「」ペコリ

浜面 「」ペコリ

浜面 (しっかし、すげぇガタイだな。俺も鍛えてるって自負はあるけど、こりゃ適わねぇや)

いい男 「よう、兄さん」

浜面 「ん? 俺?」

いい男 「お前さん、元スキルアウトか?」

浜面 「!?」

いい男 「その鍛え方を見れば分かるさ」フフッ

浜面 「……なにもんだ、アンタ」


123 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/29 02:07:01.13 xOIlDvaxo 153/227


いい男 「俺かい? 通りすがりの湯治客さ」

浜面 「それだけか?」

いい男 「俺のことはこの際どうでもいい。それよりも大事な話がある」

浜面 「な、なんだよ」

いい男 「やらないか」

浜面 「」

いい男 「あの駒場の右腕だった男だろ? 噂以上のいい男じゃないの」

浜面 (あ、ありのまま今起こったことを話すぜ! 以下省略!)

浜面 「すんませーん、俺そっちの趣味ないんで」ソソクサ

いい男 「俺はノンケでも構わない男なんだぜ?」

浜面 「俺が構うっつうんだよぉぉ!」

いい男 「怖がらなくていい。ここは俺に任せておけ」グッ

浜面 (やべぇ! これは俺の今までの人生でvs麦野戦に次ぐ2番目の危機だ!!)

浜面 「さ、さらば!」ピュー


<バタン


いい男 「……なるほど。いい男だ」


125 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/29 02:08:42.13 xOIlDvaxo 154/227


浜面 「あー、怖かった……」

海原 「おや? もう出てきたのですか」

一方通行 「なンだよ、口ほどにもねェ」ケラケラ

浜面 「……なぁ、サウナってな怖いところだな」

海原 「何かあったのですか?」

浜面 「あったといえばあったし、なかったといえばなかった」

一方通行 「?」

海原 「まあ、僕もサウナでの怖い経験はあるから分かりますよ」

浜面 「お前もか!?」

浜面 (まさかあいつ、あそこに住んでるんじゃねぇだろうな!?)

海原 「ということは、浜面さんもですか」

浜面 「あ、ああ」

海原 「まったく恐ろしいですね。僕がサウナに入ったときは(怖い人が)4人もいらして」

浜面 「4人!?」

浜面 (あんなのが4人もいたらどうにもなんねぇぞ!)ガクブル

一方通行 (何があったンだ……?)


126 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/29 02:10:29.18 xOIlDvaxo 155/227



~その頃~


黒夜 「イルカ隊長、出動ー」


  【イルカ】))) シュルイーン


フレメア 「おー」

絹旗 「まさか、イルカを超持ち込むなんて」

白井 「手の平サイズならよろしいではないですか」

絹旗 「まあ、いいんですけどね」

白井 「それにしても黒夜さん……」マジマジ

黒夜 「な、なんだよ」

白井 「少々やせ過ぎでは?」

黒夜 「あー、メシまともに食ってないからじゃね? 家にいりゃゲームばっかやってるからな」

フレメア 「ゲーム? ゲームって大体どんなの?」

黒夜 「そうだな、大体ホラーだな」

フレメア 「ホラー。ブラッド&デストロイ面白いよね」


127 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/29 02:11:57.64 xOIlDvaxo 156/227


黒夜 「あれホラーじゃねぇよ。とっくに全実績解除してるしな」

フレメア 「すごい! クロちゃんすごい!」キラキラ

白井 「なるほど、ゲーム……」

絹旗 「マネしちゃダメですからね」

滝壺 「」フピー

絹旗 「滝壺さん。お風呂入ってるときに寝ないでください」

滝壺 「いけない。気持ち良くてつい」

絹旗 「そうだ。滝壺さんに超聞きたいとこがあったんですが」

滝壺 「なにかな」

絹旗 「さっきゲーセンで。黒夜と決着つけちゃえば? って言ってましたけど」

滝壺 「うん」

絹旗 「何をするつもりなんですか?」

滝壺 「くろよるは、きぬはたに勝負を挑んでくるんだよね?」

絹旗 「ええ、ちょくちょくと」

滝壺 「でも仲が悪いわけじゃないよね」


128 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/29 02:13:38.86 xOIlDvaxo 157/227


絹旗 「決して悪いワケではないと思いますが……」

滝壺 「だったら」

絹旗 「はい」

滝壺 「……」スゥ

絹旗 「?」

滝壺 「」ウトウト

絹旗 「たっ、滝壺さん! 超肝心なところで寝ないでくださいよ!」

滝壺 「いけない。気持ち良くてつい」

絹旗 「続きをお願いします」

滝壺 「うん。それで、じゃあ勝負の決着を完全に付けちゃえば」

絹旗 「はい」

滝壺 「あとは仲良くするだけ」

絹旗 「そう上手くいきますかね……それで済むなら、何回も勝負ふっかけることはそもそもないと思うのですが」

滝壺 「だから、二人だけだと審判も証人もいないから」

絹旗 「審判と証人……なるほど、見届ける人間が超必要ということですね」


129 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/29 02:15:55.35 xOIlDvaxo 158/227


滝壺 「それを私たちでやってあげる」

絹旗 「私"たち"?」

滝壺 「うん」

絹旗 「え、ちょっと、どういう」

滝壺 「題して、きぬくろ七番勝負」

絹旗 「何をするつもりなんですか!?」

滝壺 「みんなには私から話しておくよ」

絹旗 「みんな!? やっぱりみんな超巻き込むんですね!?」

滝壺 「早速行ってくる」スイー

絹旗 「あ、ちょ……行っちゃいました」

白井 「絹旗さん、滝壺さんと何かお話を?」

絹旗 「いや、私も超正直よくわかってないんですが」

白井 「?」

絹旗 「なんか……忙しくなるかもしれません」

白井 「そ、そうですか」


130 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/29 02:17:49.94 xOIlDvaxo 159/227


絹旗 「ところで白井さん、疲れはとれそうですか?」

白井 「ええ。いい気分転換になりましたの」

絹旗 「それなら企画した甲斐が超あったというものです」

白井 「絹旗さんには感謝しないといけませんわね」

絹旗 「私も超楽しんでるんで気にしないください」

白井 「……深く聞き出すことはしないのですね」

絹旗 「?」

白井 「最近、風紀委員の活動が多忙な件について」

絹旗 「聞いたって教えてくれなかったじゃないですか」

白井 「そうですが」

絹旗 「話したくなったら話してくださいよ。そのときには超ゆっくり聞きますから」


<あ、ここにいたのね。


絹旗 「お、結標さん」

打ち止め 「フレメアはっけーん!」


131 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/29 02:20:22.76 xOIlDvaxo 160/227


婚后 「ゆっくりしておられるようで」

黒夜 「お蔭様でな」

絹旗 「ミサワさんは一緒じゃないんですね」

結標 「なんかのぼせ気味だっていうから、あっちのプールサイドチェアのとこで休んでるわよ」

白井 「これはチャンスですの!」ザバァ

絹旗 「ダメですってば!」グイッ

白井 「ゴボガボゴボゴボボボ」ジタバタ

打ち止め 「あ、イルカさんだ!」

フレメア 「イルカさーん」

黒夜 「イカすだろ」フンス

ショチトル 「あ、みんなここにいたのか」

婚后 「ジェットバスはもうご満足ですか?」

ショチトル 「ああ、あれは素晴らしいな。特になんか、こう」

絹旗 「こう?」

ショチトル 「マスターのところでバイトを始めて以来悩まされていた、肩凝りと足のむくみがほぐされた」


132 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/10/29 02:22:15.34 xOIlDvaxo 161/227


黒夜 「お、いいな、それ。私もあとで行こう」

ショチトル 「義姉さん。あれ家にも欲しい」

結標 「後付けってできたかしら……」

婚后 「ジェットバブルを出すユニットはあったかと思いますが」

結標 「それ買ってくれば、どうにかなるのかな」

絹旗 (……それにしても)

ショチトル 「ぜひ、ぜひ前向きに検討してくれ」タユン

絹旗 「……ショチトルって」

ショチトル 「?」

絹旗 「何歳でしたっけ?」

ショチトル 「絹旗さんと殆ど同じ筈だが」

絹旗 「」ムニムニ

ショチトル (自分に心臓マッサージ?)

絹旗 「世の中、超不公平です」

ショチトル 「?」

白井 「ぶはっ……こ、殺す気ですか!」ザバァ


157 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/01 23:22:50.07 YG3jaJH3o 162/227


結標 「それにしても、ジェットバブルそんなに気に入ったのね」

ショチトル 「なぜバレた?」

婚后 「あの弛緩した表情を見れば一目瞭然ですわね」クスクス

ショチトル 「わ、悪いか」

白井 「考えてみたら、貴女のそういった表情は拝見したことがございませんの」

黒夜 「店でしか見たことないけど、いつもキリッとしてるよな」

結標 「もっとさ、お兄ちゃんみたいに全方向に愛想振りまいたほうが歳相応に見られるんじゃない?」

ショチトル 「胡散臭いだけではないか」

絹旗 「超ひどいですね」

婚后 「ですがまがりなりに客商売なのですし、作り物でも愛想は出すべきでは?」

黒夜 「マスターから指導受けるんじゃねぇの?」

ショチトル 「接客態度について、何か言われたことはないな」

白井 「大きいお姉様はあまりそういうところに拘らなさそうですし」

絹旗 「先代マスターもいつも超キリッとしてましたから、その影響じゃないですかね」

婚后 「言われてみれば、先代様も表情に出さない方でしたわね」




159 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/01 23:24:05.48 YG3jaJH3o 163/227


ショチトル (先代か……どんな人だったのか、今度マスターに聞いてみようかな)

結標 「あ、そうだ。それで思い出した」

絹旗 「何をですか?」

結標 「ちょっとしたことよ。じゃ、私向こうで休んでくるわね」ザバ

打ち止め 「私もー」

フレメア 「大体暑い」

結標 「いいわよ、行きましょ」


<そういえば滝壺さんはどうしたの?
<さあ?
<どこだろ?


黒夜 「なあなあ」

絹旗 「はい?」

黒夜 「あれ行ってみない?」

絹旗 「あれって……あれですか?」

婚后 「よいのではないですか? お肌にもよろしいですし」

白井 「せっかくなのですから、色々入っておきますの」

ショチトル (あれ、なんだろう?)




160 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/01 23:25:12.75 YG3jaJH3o 164/227


 :
 :
 :

結標 「あ、いたいた」

番外個体 「」ウトウト

滝壺 「」スピー

フレメア 「滝壺お姉ちゃんも大体発見」

打ち止め 「あ、この椅子脚伸ばせる」ポスン

結標 「」ツンッ

番外個体 「ひゃん!?」

結標 「起きた?」

番外個体 「どっ、どこ不意打ちしてんのさ!」

結標 「何かのスイッチだと思ったわ」クスクス

番外個体 「淡希のスイッチもグリグリしてやろうか、この露出狂が」

結標 「貴女だって今全裸じゃない」

番外個体 「はあ……で、なに。休みにきたの?」




161 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/01 23:26:13.82 YG3jaJH3o 165/227


結標 「それもあるけど、貴女に用事があってね」ポスン

番外個体 「?」

フレメア 「……あ、あれ? もう椅子空いてないの?」

打ち止め 「いっぱい、だね……」

フレメア 「じゃこっちでいい、詰めて詰めて」グイグイ

打ち止め 「お、落ちちゃう! 落ちちゃうから!」ワタワタ

番外個体 「やめなよ、二人とも」

結標 「いくら貴女たちでも、これに二人はキツイわよ」

フレメア 「ぶー」

結標 「ほら、私と同じところ使いなさい。私は端に座ってるから」

フレメア 「はーい」ポスン

番外個体 「で、用って何?」

結標 「ショチトルのことでね」

滝壺 「」スピー

打ち止め (喉乾いた……)




162 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/01 23:27:43.41 YG3jaJH3o 166/227


番外個体 「特に問題とか起こしてないけど?」

結標 「そうじゃなくてさ。あの子、最近肩凝りとか脚のむくみがどうこうって言ってて」

番外個体 「うん」

結標 「あの歳で、よ。早いと思わない?」

番外個体 「うーん、なんかあるのかな」

結標 「まさか、形式的な上司である貴女が酷使してるんじゃないんでしょうね?」

番外個体 「いやいやいや! それはないから!」

結標 「ほんとにー?」ジトー

番外個体 「あのね。ウチの店が、そこまで客入ってるの見たことある?」

結標 「ですよね」

番外個体 「そこは納得してほしくなかったな」

結標 「ま、あの子も長く入院して体力も落ちてるし、それで立ち仕事だし。しょうがないのかな」

番外個体 「ふくらはぎの疲れには私も悩まされてるよ」

結標 「ちなみに、どう対処してるの?」

番外個体 「ベクトル式マッサージと湿布」




163 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/01 23:29:19.63 YG3jaJH3o 167/227


結標 「あー、なるほど。全身くまなくマッサージしてもらってるのね」ニヨニヨ

番外個体 「ちょっ」

結標 「そっかー。ショチトルにも貸してもらおうと思ったけど、それじゃダメね」

番外個体 「いや、あの、そこの二人がいる前でそういう冗談はやめた方がいいかと」

結標 「あっ」

フレメア 「ベクトル式マッサージって?」

打ち止め 「あの人がしてくれる効果抜群のマッサージだよ!」

結標 「……ゴメンなさい」

番外個体 「ま……ショチトルのことに関しては、善処してみる」

結標 「いいわよ、別に。本人がやりたくてやってるんだから」

番外個体 「えっ、結局どうしてほしいの? ムリさせるなって話かと思ったんだけど」

結標 「んー、度が過ぎてればそう言うつもりだったけど、そうでもないみたいだし」

番外個体 「そりゃね」

結標 「だったらこれからもお願いね、ってことで」

番外個体 「こっちも助かってるし。お互い様だね」




164 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/01 23:31:00.37 YG3jaJH3o 168/227


滝壺 「……あれ? みんなどうしたの?」ムクリ

打ち止め 「あ、起きた」

結標 「滝壺さんって、割とどこでも寝れるのね。私寝付き悪いから、たまに羨ましいわ」

滝壺 「私の特技」フンス

フレメア 「この間も、ご飯作りながら寝てた」

打ち止め 「あ、危なくないの?」

滝壺 「いつだっけ」

フレメア 「土曜日」

滝壺 「あ、ご飯って言っても、テーブルにホットプレートでパンケーキ作ってただけだから」

結標 「それでも寝ないでしょ。私なんか、調理中は能力行使するとき以上に神経研ぎ澄ませてるのに」

番外個体 「寝ながら作る滝壺さん>>>>神経研ぎ澄ませてる淡希」

結標 「そうか、私も寝ながら作れば……」

番外個体 「お願いやめて。これ以上、親友が罪を重ねる姿を私に見せないで」

結標 「罪って何よ、罪って!」

番外個体 「今なお語り継がれるあわきん伝説がね」




165 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/01 23:32:41.31 YG3jaJH3o 169/227


結標 「えっ、ちょっと待って。なによそれ」

滝壺 「むすじめの料理を食べたうなばらが救急車で運ばれたとか」

番外個体 「夜中にこっそり料理の練習をして近所に異臭騒ぎを起こしたとか」

滝壺 「新品の中華鍋を一回の調理で燃えないゴミにしたとか」

番外個体 「麦茶と間違えてウィスキーを一気飲みしちゃったとか」

結標 「ウィスキーを麦茶のボトルに入れて冷やすのがおかしいでしょ! あれ誰の仕業だったのよ!」

打ち止め 「で、でも、そういうのって大体さ」

フレメア 「大体おおげさな都市伝説、だったり?」

番外個体 「全部実話なんだな、これが」

結標 「…………昔! 昔の話なの!」

滝壺 「うん。今はそこまで酷くない」

番外個体 「だから語り継がれる伝説だって言ってるじゃん」

結標 「語り継がないでよ、お願いだから……」ガックシ

滝壺 「さてと。私、出る前にもう一回だけ入ってくるけど、どうする?」

番外個体 「今日はそれでフィニッシュムーブにしとくかな」




166 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/01 23:34:17.27 YG3jaJH3o 170/227


打ち止め 「お姉ちゃんも行こうよ」

フレメア 「行こうよ」

結標 「はあ……そうね。今日はこれでラストオーダーかしら」

打ち止め 「え? 私?」

番外個体 「はーい、そうと決まればさっさと行くよー」ヒョイッ

打ち止め 「にゃっ!?」


<おろしてー!自分で歩けるからー!
<にゃはは、照れるでない。


フレメア 「お姉ちゃん、私もあれやってほしいにゃあ」

滝壺 「私はみさわみたいに力強くないからムリだよ」

フレメア 「」ジー...

結標 「ゴメンね?」

フレメア 「ぶー」

滝壺 「あとで浜面に肩車でもお姫様抱っこしてもらおうね?」

フレメア 「大体了解」




167 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/01 23:36:07.26 YG3jaJH3o 171/227



~その頃~


ショチトル 「……おおう」


  シュゴォォォォォォォ


ショチトル 「熱い霧がそこら中から噴き出している……これは何の意味があるんだ?」

婚后 「ミストサウナといいまして、お肌にとーってもよろしいのですよ」

白井 「これから乾燥する時期ですし、この湿度100%の空間で少しでも潤っておきますの」

ショチトル 「なるほど。喉にもよさそうだ」

黒夜 「絹旗ちゃん、先に音を上げた方がイチゴ牛乳な」

絹旗 「いいでしょう、超受けてたちましょう」

白井 「またこの二人は……」ハァ

婚后 「ルームメイトとして、パートナーとしての気苦労も多そうですわね」クスクス

白井 「ええもう。最近は絹旗さんがもう一人増えたようなものですし」

黒夜 「ちょっと待て。それ私のことか?」




168 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/01 23:37:43.87 YG3jaJH3o 172/227


ショチトル 「他にいないだろうな」

絹旗 「こんな狂犬と一緒にされるなんて、超心外です」

黒夜 「私が狂犬なら、絹旗ちゃんは野猿か?」

絹旗 「誰が猿ですか!」

婚后 「別に犬猿の仲でもないでしょうに」

ショチトル 「傍から見てる分には、気の置けない仲に見えるがな」

白井 「みなさんそう言いますの。認めないのは当人たちだけですの」

黒夜 「いや、私は認めてるぜ? そもそも、私と絹旗ちゃんと白井ちゃんは桃園で誓い合った」

絹旗 「すいません、超まったく身に覚えがないんですが」

白井 「同じく」

黒夜 「なんだよ、そこはのっとけよ」

絹旗 「一人でやっててくださいよ、もう」

白井 「それに。誓いというなら桃園ではなく、ロザリオの交換をですね」

婚后 「学園都市で、ロザリオを携帯している人は見たことがございませんわね」

ショチトル 「いないだろうな。持っていたとしても分からないだろう」




169 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/01 23:39:15.38 YG3jaJH3o 173/227



~しばらくして~


ショチトル 「……汗がとまらない」ポタポタ

婚后 「どうやら効果が出てまいりましたわね」

白井 「ドライサウナと違って、緩やかに効果が出てくるのがミストサウナの良いところですの」

黒夜 「」ポタポタ

絹旗 「」ポタポタ

婚后 「……お二人とも限界では?」

黒夜 「全然」

絹旗 「超余裕です」

白井 「二人して眉間にシワよせて何を仰るやら」

黒夜 「絹旗ちゃん、無理は体によくないんじゃない?」

絹旗 「超その通りですね。無理せずさっさと出て行った方がいいのでは?」

黒夜 「別に無理なんてしてねぇし?」

絹旗 「そうですか。あ、ちなみに私は余力をまだ40は残してますよ」

170 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/01 23:40:45.18 YG3jaJH3o 174/227


黒夜 「私の余力は50だ」

絹旗 「本気をだせば20追加されますので、さらに超余裕です」

黒夜 「そうかい。ところで、私はまだ第2形態を残してるんだが」

絹旗 「それはすごいですね。私は第3形態までありますけど」

黒夜 「ぐぬぬ……」

絹旗 「むぐぐ……」

白井 「」ハァ

ショチトル 「すまない。私はもう限界だ」

婚后 「わたくしもそろそろ。白井さん、お二人をお願いしますわね」

白井 「なっ、なぜわたくしが!?」

婚后 「適任ではないですか」クスクス

ショチトル 「……熱い」

婚后 「では、また後程」


<バタン





171 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/01 23:42:14.81 YG3jaJH3o 175/227


白井 「……あんまりですの」

黒夜 (これ、やばいかも……)ポタポタ

絹旗 (あー、なんか視界が……)ポタポタ



ショチトル 「なぜ水風呂があったのか。ようやく理解した」

婚后 「サウナで火照った身体を冷やすためですわね」

ショチトル 「では、あの二人もサウナに?」

婚后 「?」

フレメア 「それー」バシャァ

打ち止め 「や、やったな!」バシャッ

婚后 「お、お二人ともなにを!?」

打ち止め 「熱かったから」

フレメア 「くーるだうん」

婚后 「ダメですわよ、せっかく温まったのに」

ショチトル 「あ、冷たくて気持ちいい」バシャァ




172 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/01 23:43:58.88 YG3jaJH3o 176/227


婚后 「もう、こちらへいらっしゃいな。そのまま外に出ては風邪をひきますわよ」

フレ止め 「「はーい」」トテテテ

ショチトル 「どうするつもりなんだ?」

婚后 「このままお湯に入っては身体に負担がかかりますから。まずはシャワーですわね」

ショチトル 「私も行こう。汗を流したいからな」

婚后 「ほら、順番に」シャワワワワ

フレメア 「はわわわわ」

ショチトル 「しかし、さっぱりしたというか、爽快だな」シャワワワワ

婚后 「ええ、ミストサウナは良い効果が色々とございますからね」

打ち止め 「ぬるい」

婚后 「水風呂の直後だから、これぐらいで丁度良いのです」

ショチトル 「ミストサウナか。あれ、家にも欲しい」

婚后 「どうでしょう……おいそれと増設できる設備でもございませんが」

ショチトル 「むむ。やはり難しいか」

婚后 「またここに来ればよろしいのですよ」




213 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/04 23:26:28.39 Br/jh66Wo 177/227



~温泉エリア ロビー~


浜面 「今日と言う日に感謝しつつ、乾杯!」

一方通行 「しかしおっせェな。いつまでかかってやがる」

海原 「まあまあ、そう仰らずに」

浜面 「無視かよ!」

一方通行 「家でもそうなンだよな。二人して時間かけやがって、俺が入る暇がねェ」

浜面 「みんなそうだろ? 滝壺やフレメアもそうだ」

海原 「結標さんは、日によっては2時間は出てきませんね」

一方通行 「わっかンねェな。何に時間がかかってるやら」

海原 「女性は見えないところで努力しているということですよ」

浜面 「お前のためだろ、お前のため。お前の前では綺麗でいたいってことだよ」

海原 「おやおや、隅におけませんね」

浜面 「世界中のリア充に落雷とかしねぇかな、ホント」

一方通行 「オマエに落雷させてやろうか? 俺から頼ンでおいてやるよ」


214 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/04 23:28:16.29 Br/jh66Wo 178/227


浜面 「頼んでおいてって、ミサワの姐さんにか? いやいや、遠慮させて頂きますよ!」

海原 「浜面さんの業界ではご褒美ではないですか」

浜面 「なんでだよ!」

一方通行 「あ、落雷がダメなら違う技にしてもらうか? 打撃技でも関節技でも、好きなの選べよ」

浜面 「なんで俺が痛めつけられる前提なんだよ」

海原 「ご褒美だからでしょう」

浜面 「違うっての! つか、なんだ? 姐さんはそっちの心得まであんのか?」

一方通行 「護身術の一環だろ」

一方通行 (本人曰く"プレインストール格闘術"らしいけどな。ブレングリード流血闘術かっての)

海原 「ショチトルにも護身術を教えて頂いているそうで。たまに家で練習台にされてしまいますよ」ハハハ

浜面 「大変だねぇ、お兄ちゃんも」

一方通行 「うちのはいったい何を入れ知恵してンだよ」ハァ

海原 「そうですね。ローリングソバットだとか腕ひしぎ十字固めだとか」

浜面 「それ護身術か?」


215 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/04 23:30:08.54 Br/jh66Wo 179/227


海原 「最近ですと、腕へのドラゴンスクリューの練習台になりましたね」

浜面 「大丈夫なのかよ、それ」

海原 「いや、あれはききますよ。腕がもげるかと思いました」

一方通行 (さすがに、俺を締め落とした三角締めは教えてねェか。ありゃ危険だからな)

海原 「次にミサワさんが何を教えるか、恐ろしくもあり楽しみでもありますね」

一方通行 「オマエは身体が普通の人間よりずっと頑丈だっつっても限度があンだろ」

海原 「スキンシップの一環だと思えば、苦でもありませんよ」

浜面 「どいつもこいつも妹には甘いな」

海原 「ま、結標さんからは呆れ気味に見られてますけどね」ハハハ

浜面 「ちくしょう。リア充なんて雷に打たれてしまえ」ケッ

海原 「おお、怖い怖い」

一方通行 「恨み節も程々にしとけ。因果が帰ってくるのは自分だぞ」

 :
 :
 :

浜面 「いやー、しかし風呂上りに飲むこのゲッフゥ」

一方通行 「」ボカッ


216 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/04 23:31:44.38 Br/jh66Wo 180/227


浜面 「ぎゃふん」

一方通行 「殴るぞ」

浜面 「殴ってから言うな!」

海原 「浜面さん。僕らの仲だから良いものの、人前でゲフゥは自重しましょう」

浜面 「悪い悪い。この炭酸ガスのヤツがな」

海原 「アルコールではないでしょうね」

浜面 「さすがに自重したぜ。帰りも車なんだしな」

一方通行 「自重って表現がもうおかしいだろ。こう見えても一応十代なンだからよ」

浜面 「こう見えてもってなんだよ」

海原 「大人っぽいということですよ」

一方通行 「中身はガキだけどな」

浜面 「身体は大人、頭脳は子供、ってか?」

一方通行 「その実態は浜面」

浜面 「やかましいわ! って、あれ? お前」

一方通行 「?」


217 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/04 23:33:47.69 Br/jh66Wo 181/227


浜面 「今初めて名前で呼んでくれたな」カァ

一方通行 「」ボカボカ

浜面 「いてっ! 痛いっての!」

一方通行 「殴るぞ」

浜面 「だから殴る前に言えよ! 胃薬だって食う前に飲むだろ!」

一方通行 「顔赤らめて言うことかこのボケカス!」

浜面 「軽いジュークぐらい許してくれよな!」

海原 「いやー。そのセリフはいいですけど、浜面さんが言うのはナシですよ」

浜面 「自覚はあるわい」

一方通行 「もう金輪際名前で呼ばねェ。オマエなんか2号で十分だ」

浜面 「もはや何の2号なのかも分からねぇよ」ハァ

海原 「リア充として1号なんですけどね」

浜面 「は? なんで俺がリア充なんだよ」

一方通行 「いい加減自覚しやがれ。この中で、一番交際期間が長いのは誰なのか考えてみろ」

浜面 「……ごめん」


218 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/04 23:35:22.39 Br/jh66Wo 182/227



~その頃~


滝壺 「…………なんかピリピリするね」チャプ

結標 「なにかしら、ってまさか」

番外個体 「」フニャー  バチバチ

結標 「漏電しないでよ」ベシッ

番外個体 「いたっ。いや、気が緩んじゃってつい」

滝壺 「なるほど。電気風呂はピリピリするんだ」

番外個体 「今のは所詮漏電だから。もうちょっと本格的にしようとすると」

結標 「いいわよ、やらなくtあぁう!?」

滝壺 「今、一瞬ビリッときた」

結標 「やらなくていいって言ったでしょ!」スパーン

番外個体 「いったぁぁぁ!? な、何すんだ!」

滝壺 「あ、背中に真っ赤な手形」

結標 「よかったじゃない。いい感じにアクセントになって」


219 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/04 23:36:59.30 Br/jh66Wo 183/227


番外個体 「こうなりゃ最大出力で」

結標 「それやったら、すぐさま男風呂に飛ばすからね」

番外個体 「うん、電気風呂じゃなくても気持ちいいよね」チャプチャプ


<おねーちゃーん。


滝壺 「あ、フレメア。どこ行ってたの?」

フレメア 「仕上げのシャワーあびてた」

打ち止め 「同じくー」

滝壺 「はまづらの?」

婚后 「そっちの仕上ではございませんわ」

番外個体 「あ、ゴメン。なんか手間かけちゃった?」

婚后 「いえ、お気になさらず。丁度わたくしたちもシャワーに行こうとしておりましたので」

結標 「じゃあ二人はもう出るの?」

ショチトル 「ああ。十二分に堪能させてもらったからな」

婚后 「お二人はわたくしたちで見てますから、どうぞごゆっくり」


220 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/04 23:38:36.51 Br/jh66Wo 184/227


番外個体 「ゴメンね、大丈夫?」

ショチトル 「私に任せてくれ、マスター」フンス

滝壺 「周りの人に迷惑にならないようにね?」

フレ止め 「「はーい」」

結標 「私たちも、もうちょいしたら出るから」

婚后 「では脱衣所におりますわね。さ、参りましょう」


<喉乾いたー。
<大体私も。
<まず身体を拭いてからな。


番外個体 「はー、脚が伸ばせるお風呂ももう少しで終わりかー」ノビー

結標 「家だと中々こうはいかないものね」

滝壺 「もっと来やすい場所にあればいいのにね」

番外個体 「ここまでの規模じゃなくても、銭湯ぐらい第7学区にあるんじゃない?」

結標 「あるわよ。私だって通ってたもの」

滝壺 「あ、そうなの?」


221 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/04 23:40:18.37 Br/jh66Wo 185/227


結標 「貴女達と共同生活に入る前に居候してたところがね、お風呂ない部屋だったから」

番外個体 「むしろそんな物件があることが驚きだよ」

滝壺 「6畳一間、風呂なしトイレと流し台は共同とか?」

結標 「さすがにトイレとキッチンは各部屋にあったけどね。あ、天井は一部なかったかしら」

番外個体 「はい?」

滝壺 「天井も?」

結標 「段ボールとブルーシートで塞いでたわね」

番外個体 「淡希……苦労したんだね」

滝壺 「よかったね。今は天井がある部屋に住めてるんだよね」

結標 「いや、まあ……」


<み、みなさ~~~ん……


番外個体 「?」

滝壺 「しらいだ。どうしたの?」

白井 「手を貸して……くださいまし……」フラフラ


222 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/04 23:41:47.39 Br/jh66Wo 186/227


結標 「どうしたのよ、一体」

白井 「うっ……」ガクッ

番外個体 「あ、白井さん!」ザバ

白井 「わたくしは、大丈夫ですの……それより」

滝壺 「それより?」

白井 「絹旗さんと、黒夜さんが、動かなくなってしまいまして……」

結標 「どうしてまた……」

番外個体 「二人はどこ?」

白井 「ミストサウナですの……」

結標 「まさか、ずっと入ってて? 何やってるのよ」

滝壺 「しらいは休んでて。私たちで行ってくるから」

白井 「申し訳ございませんの……」

番外個体 「まったく、手の焼けること」

滝壺 「きっとあれだよ。サウナ勝負とかしてたんだよ」

結標 「それで倒れてれば世話ないわね」


223 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/04 23:43:09.97 Br/jh66Wo 187/227


滝壺 「ミストサウナ。ここだね」

番外個体 「お邪魔しまーす」ガチャ

絹旗 「」

黒夜 「」

結標 「あらあら……」

滝壺 「二人とも、大丈夫?」

絹旗 「はぅ……」

黒夜 「水……」

番外個体 「こりゃ脱水症状だね。とりあえず、さっさと外に出さないと」

滝壺 「むすじめ、お願いしていいかな」

結標 「緊急事態だし、小言は後にしておきましょうか」


  フッ x2


番外個体 「どこやった?」

結標 「とりあえずすぐ外」


224 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/04 23:44:17.24 Br/jh66Wo 188/227


滝壺 「じゃ私たちも行こう」ガチャ

絹旗 「ゆ、床超冷たいです……」

黒夜 「もう寒いんだか熱いんだか分かんね……」

結標 「さっき使ってたプールサイドチェア空いてる?」

番外個体 「今なら平気」

結標 「じゃもう一回行くわよ」


  フッ x2


滝壺 「みさわ、しらいを回収しといてくれない?」

結標 「白井さんは、私じゃ飛ばせないものね」

番外個体 「オッケー。じゃそっちはお願いね」

滝壺 「んーと、どうしよ。脱水症状って言ってたよね?」

結標 「まず現状を把握しないと」

滝壺 「そうだね。様子を見に行こう」

結標 「大事なければいいんだけどね」


225 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/04 23:45:47.33 Br/jh66Wo 189/227


絹旗 「はぁ……」

黒夜 「うぁ……」

滝壺 「二人とも、大丈夫?」

黒夜 「なんでもするから……水一杯だけ、もらえないか……」

結標 「水ぐらいいくらでも渡すわよ」

滝壺 「まず水分補給かな」

結標 「そうね。それもぬるめの方が負担にならなくていいかも」

滝壺 「じゃちょっと持ってくるよ」トテトテ

番外個体 「白井さん持ってきたよー」

白井 「」

結標 「なんで脇に抱えてるのよ……まるで狩りから戻ったアマゾネスね」

番外個体 「この方が持ちやすかったから」

結標 「とりあえず寝かせてあげて」

番外個体 「はいはいっと」ボスン

白井 「も、申し訳ございませんの……わたくしが着いていながら……」


226 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/04 23:47:15.69 Br/jh66Wo 190/227


結標 「ホントよ。ヤバイと思ったら問答無用で外に飛ばせばよかったのに」

白井 「ヤバイと思った時には……わたくし自身、もう手遅れでしたの」

番外個体 「11次元演算は複雑だからね。しょうがないしょうがない」

結標 「分からなくはないけどね」ハァ

滝壺 「水持ってきたよー」

番外個体 「ね、絹旗さん。水飲みたかったらさぁ、私のお願いきいてくれる?」

絹旗 「き、ききますから……水……」

結標 「こら」ベシッ

番外個体 「ふぎゃ」

滝壺 「自分で飲める? 口移ししよっか?」

結標 「滝壺さんも!」

絹旗 「平気……の、飲めます……」クピピピ

結標 「ちょっとずつね」

絹旗 「」プハー

滝壺 「こっちはくろよるの」ハイ


227 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/04 23:48:56.37 Br/jh66Wo 191/227


黒夜 「わ、悪い……」クピピピ

黒夜 「あー、こりゃ生き返る」プハー

番外個体 「ほら、白井さんも」

白井 「わたくしは水よりも……大きいお姉様のベーゼで目覚めを」

番外個体 「二人ともー、白井さん大丈夫だからほっといていいやー」

白井 「ごめんなさいぃぃぃぃ!」

番外個体 「ま、冗談を飛ばす余裕はあるってことだね」ハイ

白井 「うう、チャンスだと思いましたのに……」クピピピ

結標 「さて。3人ともどんな感じ?」

絹旗 「さっきよりは超マシになりました……」

黒夜 「いやー……引き際を誤ったな……」

白井 「少し休めば、どうにか」

滝壺 「無理はよくないよ?」

番外個体 「その結果がこれだもんね」ケラケラ

絹旗 「超すいませんでした……」


264 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/07 00:56:15.05 78VWMlfTo 192/227



~脱衣所~


婚后 「熱くありませんか?」フゴォォォォ

フレメア 「大体平気」

ショチトル 「ドライヤーか……私は普段使わないな」

婚后 「髪はいいとして、地肌はある程度乾かした方がよろしいですわよ」

ショチトル 「乾燥させてはいけないのではないか?」

婚后 「濡れたままですと雑菌等繁殖しますし、長期的に見れば濡れたままのほうがかえって乾燥しますわ」

ショチトル 「なるほど」

打ち止め 「♪」フゴォォォォ

ショチトル (髪はまだ濡れてるのに、アホ毛が立っている)

ショチトル (これ引っ張ったらどうなるんだろう……あぁぁ、引っ張りたい)ウズウズ

打ち止め 「? どうしたの?」

ショチトル 「なんでもないぞ」

打ち止め 「ドライヤー使わないの?」


265 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/07 00:58:04.93 78VWMlfTo 193/227


ショチトル 「私はいい。ゆっくり使ってくれ」

打ち止め 「お姉ちゃんと同じだ。普段使わないんだよね」

ショチトル 「マスターも?」

打ち止め 「ほっときゃ乾くでしょ、って」

婚后 「使った方がメリットも多いですのに。はい、終わりました」

フレメア 「ありがとー」

婚后 「次はわたくしの番ですわね」

ショチトル 「それだけ長いと時間がかかるだろう」

婚后 「ええ。加えて焦がさないように気も使いませんと」

ショチトル 「焦げるのか!?」

婚后 「やりようによっては」

ショチトル 「まさか、お前の髪は焦げてこんな色に?」

打ち止め 「違うよ! 生まれつきだよ!」

婚后 「まあ。では元々そんなに明るい色で?」

打ち止め 「染めたりした覚えはないから、そうだよ」


266 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/07 01:02:00.03 78VWMlfTo 194/227


婚后 「ということは、ミサワさんも?」

打ち止め 「だと思う」

ショチトル 「この黒髪は天然物なのか? 靴墨とかで染めたのではなく」マジマジ

婚后 「正真正銘の天然物ですわよ。……というか、染めるにしても靴墨は使わないでしょう」フゴォォォ

打ち止め 「黒髪ロングってちょっと羨ましいかも」

ショチトル 「伸ばしてから、靴墨で染めればいいではないか」

婚后 「だから靴墨ではないと申しておりますでしょう!……あら?」

打ち止め 「どうしたの?」

婚后 「フレメアは?」

ショチトル 「……あれ?」キョロキョロ


<浜面ー!こっちまでジュース持ってきてー!


婚后 「フ、フレメア! ダメです!」

打ち止め 「待って! まだ服着てない!」ワタワタ

ショチトル 「というか入ってくるなー!」


267 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/07 01:03:23.95 78VWMlfTo 195/227



~その頃~


絹旗 「あー、まだ超ちょっと頭痛いですけど……戻りますか」

番外個体 「大丈夫なの?」

黒夜 「これ以上時間かけてもな……」

白井 「皆さんをお待たせする訳にもございませんし……」

滝壺 「うん、私もそろそろ肌寒くなってきた」

結標 「このままじゃ共倒れだものね」

絹旗 「みなさんは?」

番外個体 「婚后さんとショチトルはさっき上がった。チビ二人も一緒」

結標 「それにしても。3人して何やってるのよ」

白井 「え? わたくしも?」

絹旗 「いや、まあ、その……」

黒夜 「熱くなっちゃったというか。サウナだけに」

結標 「……はあ」


268 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/07 01:04:42.35 78VWMlfTo 196/227


黒夜 「なんか、おっきい溜息って暴言より精神的ダメージ大きいな」

滝壺 「倒れるまでやっちゃダメ」

番外個体 「もし白井さんも倒れてたら、発見が遅れたんだから」

絹旗 「超すいませんでした」

黒夜 「チッ、反省してまーす」

番外個体 「してねーだろ」グリグリ

黒夜 「いてててて!! 違うんだよ、マスター!!」

番外個体 「何が違うの?」

黒夜 「元はと言えば、イチゴ牛乳に釣られた絹旗ちゃんが」

絹旗 「なんでそこで私なんですか!」

黒夜 「そりゃ言い出したのは私の可能性もあるけどさ、絹旗ちゃんだってノリノリだっただろ?」

絹旗 「可能性もあるってなんですが。超満場一致であなたですよ」

結標 「貴女達ね」

絹旗黒夜 「「だってこいつが!」」ビシィ

結標 「はいはい、こういう時は両成敗ね」ヒュッ


269 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/07 01:06:28.49 78VWMlfTo 197/227



  スコーン スコーン


絹旗 「いっつぁ……」ジンジン

黒夜 「頭が痛いってのに……」ジンジン

番外個体 「おー。誰の仕業なのか皆目見当つかないけど、上から金ダライが降ってきた」

滝壺 「両成敗? 三方一両損じゃなくていいの?」

白井 「滝壺さんひどいですのぉぉ!」

結標 「この場合の三方一両損だと、私が損するじゃない……さて、戻りましょうか。みんな待たせちゃってるしね」

番外個体 「海原さんとかとっくに出てんじゃないの?」

結標 「あいつはいいわよ、待たせといて」

滝壺 「他の二人も出てると思う。はまづらもお風呂早いし」

番外個体 「あー、そういやうちの人も早いな」

絹旗 「逆に向こうは"何に時間かかってるんだ"とか話してそうですね」

白井 「絹旗さんも普段は早めではないですか」

絹旗 「たしか、黒夜はもっと早いハズですよ」


270 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/07 01:08:00.86 78VWMlfTo 198/227


番外個体 「へー、そうなの?」

黒夜 「風呂? まあ、5分ぐらいじゃない?」

結標 「5分で何ができるのよ」ガラッ

ショチトル 「む、出てきたか」

婚后 「ずいぶんゆっくりされてましたわね」

打ち止め 「」クピクピ

結標 「ゴメンね、ちょーーっとだけトラブっちゃって」

番外個体 「ね、それどうしたの?」

打ち止め 「お姉ちゃんが買ってくれた」

番外個体 「ゴメン、わざわざ」

婚后 「今度お店に伺ったときに返してくださいな」クスクス

滝壺 「あれ? フレメアも一緒じゃなかった?」

打ち止め 「浜面のところに行ったよ」

白井 「やはり男性陣はもう出ておられますのね」

絹旗 「超しょうがないですよ。私たち、かなり長居してましたし」


271 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/07 01:09:29.43 78VWMlfTo 199/227


結標 「ちょっと髪乾かしてくる」

黒夜 「あ、私も行く。濡れたまんまじゃ気持ち悪ぃ」

白井 「というか、みなさん乾かすのでは?」

絹旗 「私は……さっき休んでる間に超半分乾いちゃったし、どうしましょ」

滝壺 「もう夜は冷えるし、乾かさないと風邪ひくかもよ?」

番外個体 「」ゴシゴシ

結標 「貴女は?」

番外個体 「ん? ほっときゃ乾くでしょ」

結標 「ダーメ。ほら、来なさい」ガシッ

番外個体 「えっ、ちょっと」ズルズル

打ち止め 「ね? 言ったでしょ?」

婚后 「一言一句そのままでしたわね」

ショチトル (私も乾かした方がよかったのかな……?)

 :
 :
 :


272 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/07 01:10:59.63 78VWMlfTo 200/227


番外個体 「はー、なんか眠くなってきた」パチン

白井 「大きいお姉様、白い肌と黒い下着のコントラストが素晴らしいですの!」ピローン

番外個体 「何撮ってんだー!!」ピシャーン

白井 「あ、あー! わたくしの携帯がぁ!」

絹旗 「爆発したのが白井さんじゃなくて携帯のほうで超良かったですね」

婚后 「しかし黒とは、大人っぽいですわね」

番外個体 「白井さんには負けるさ」

結標 「なんなの、この布の切れ端」

ショチトル 「面積が少なすぎだろう」

黒夜 「すごい趣味だな……」

白井 「わたくしは着心地重視ですので」フンス

絹旗 「いつも見せられる私の身にもなってください……」

滝壺 「むすじめも、派手な方だと思う」

婚后 「こちらは赤ですか」マジマジ

結標 「ジロジロみないでよ」


273 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/07 01:12:21.14 78VWMlfTo 201/227


番外個体 「そりゃアレだ。勝負下着だから」

結標 「違うわよ、バカ」ピコッ

番外個体 「いたっ」

ショチトル 「マスター。義姉さんが気合いを入れるときはサラシだ」

結標 「」ブフッ

白井 「そう言えば、いつぞやそんな格好もしておられましたわね……外で」

打ち止め 「サラシって?」

滝壺 「布をぐるぐる巻いただけ」

番外個体 「なるほど。これであわきん露出狂説が真実味を」

結標 「違うって何百回言わせるのよ」ピコッ

番外個体 「いて。だからすぐ叩くなっての!」

黒夜 「で。それに比べて、今日の絹旗ちゃんは縞々か。色気のカケラもねぇな」

絹旗 「超ほっといてもらえますか」

黒夜 「ていうか、絹旗ちゃんブラいらないだろ」

絹旗 「あっ、あなたには言われたくないですよ!」


274 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/07 01:13:53.45 78VWMlfTo 202/227


婚后 「まあまあ。どんなに小さかろうが必要ですわよ」

絹旗 「婚后さん、フォローしたつもりがフォローに超なってないです!」

白井 「大きさ関わらずつけてないと。色々困りますわよ」

黒夜 「たとえば?」

白井 「水に濡れたときに透けて見えるとか」

婚后 「限定されたシチュエーションですわね」

打ち止め 「……ね、私もブラ付けたほうがいいのかな」

ショチトル 「私に聞くか。そうだな……どう思う?」

滝壺 「そうだね。もうすぐ必要になるのかも」

打ち止め 「もうすぐ……」

滝壺 「私も、みさわ妹の歳ぐらいから付け始めたし」

ショチトル 「そうなのか」

滝壺 「うん。した方がいいって言われたから」

打ち止め 「フレメアは?」

滝壺 「フレメアはまだ」


275 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/07 01:15:43.03 78VWMlfTo 203/227


番外個体 「なーに心配してんだか」ケラケラ

打ち止め 「」ムー

ショチトル 「マスターの姿が、そのままこの子の将来の姿とはなりえないか? 顔そっくりだし」

滝壺 「どうかな。胸の大きさは後天的要素の方が大きいって言うし」

打ち止め (お母様はおっきい。お姉様は可哀想。ミサカはどうなるんだろ?)

番外個体 「ま、牛乳でも飲んでおくことだね。ところで」

滝壺 「?」

番外個体 「みんなしてマッサージチェアに座ってるのに、ショチトルはなんで動かしてないの?」

ショチトル 「マッサージチェア? 私が座ってるこれのことか?」

番外個体 「うん」

滝壺 「使ってみなよ。気持ちいいから」

打ち止め 「さっき私が動かしたら、後頭部ボコボコされた」プンスコ

番外個体 「身長が足りてないっての」

ショチトル 「椅子をマッサージするのか?」

番外個体 「逆だよ、逆。椅子がマッサージしてくれるんだよ」


276 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/07 01:17:54.93 78VWMlfTo 204/227


ショチトル 「賢い椅子だな」

番外個体 「やってみる?」

ショチトル 「どうすればいいんだ?」

番外個体 「これこれ、このスイッチだね。んーと、範囲は全身。強さは……」ピッピッ

ショチトル 「? 何か動き出しああああああああああ!? な、なにこれ!? なにこれ!?」

番外個体 「ほらほら、立っちゃダメ」グイ

ショチトル 「ま、待って! これは、これはムリ! 背中殴られてる!」

番外個体 「最初は痛いんだよ。でもね、だんだんと」

結標 「何やってるのよ!」スパーン

番外個体 「ふぎゃ」

滝壺 「あ、おかえり」

打ち止め 「マッサージチェア体験中だよ」

結標 「そういうこと……強さが"オラオラ"になってるじゃない。せめて一段階下の"最強"にしなさいよ」ピッ

ショチトル 「あ、これなら……あ、あっ……」

結標 「終わったら代わってね」


277 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/07 01:20:04.60 78VWMlfTo 205/227



~しばらくして~


絹旗 「忘れ物はないですかー」

黒夜 「私がずっと昔、どこかに置き忘れてきた何かを」

絹旗 「はいはい」

番外個体 「フレメアはもう外だっけ?」

滝壺 「うん。浜面のところにいったって」

結標 「フレメアって、ホント浜面くんに懐いてるわね」

滝壺 「はまづらは子供に好かれるから」フンス

婚后 「これも才能なのでしょうね。存外、その道に進むのも有りなのでは?」

結標 「そしたら私と被っちゃう」

打ち止め 「浜面は、大きいけど怖いって感じがしないよね」

ショチトル 「怖さだったら白い人の方が勝ってるだろうな」

番外個体 「言ってあげないでよ。本人も最近気にし始めてるから」

白井 「せめてご本人に、そのままでいいと言ってあげてくださいまし」


278 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/07 01:22:16.55 78VWMlfTo 206/227


絹旗 「さて、みなさんどちらでしょ」

打ち止め 「あ、フレメアはっけーん」トテテテ

浜面 「お、出てきたか」

フレメア 「」ウトウト

ショチトル 「眠そうだな」

滝壺 「ありゃ。さすがに疲れちゃったのかな」

一方通行 「おっせェな。何してやがったンだ」

海原 「まあまあ。そう言わずに。僕らが早すぎたんですよ」

結標 「どれぐらい待ってた?」

一方通行 「たっぷりsムグッ」

海原 「さあ。時計を見てませんでしたので」

番外個体 「ゴメンねー、ゆっくりしちゃってた」

黒夜 「この後はどうするんだ?」

婚后 「まずは一息つきましょう。休みつつ考えればよろしいですわ」

白井 「そうですの。喉も渇きましたし」


307 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/10 01:01:41.01 BsFmgCPHo 207/227


絹旗 「あー、やっぱこれです」

黒夜 「加糖カフェオレ? なんだよ、これ」

白井 「絹旗さんは寮でもそればかりですの」

絹旗 「いいじゃないですか。超好きで飲んでるんですから」

婚后 「名前からしてすごく甘そうですわね」

ショチトル 「うちの店で出している絹旗さん専用メニューはこんなものではないぞ」

番外個体 「あ、モアイブレンドだね。ありゃ私もムリ」ケラケラ

絹旗 「ほっといてくださいよ……あ、そうだ。この間のですね」

番外個体 「ん?」

絹旗 「試作品の砂糖菓子ありましたよね? あの白い棒切れ。あれ超おいしかったのでメニューにしてください」

ショチトル 「本気か?」

番外個体 「あれ、試作品と偽ったイタズラグッズだったんだけど」

絹旗 「」

黒夜 「食べちゃマズイもんだったのか?」

ショチトル 「人体に害はないハズだ」


308 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/10 01:03:25.90 BsFmgCPHo 208/227


婚后 「一体何をお出しに?」

番外個体 「引き出しの奥に忘れ去られてた、賞味期限直前の固まりかけたスティックシュガー」

白井 「砂糖菓子ではなく、砂糖そのものでしたのね」

絹旗 「超ヒドイです!」

番外個体 「大丈夫だよ。絹旗さん以外には一切出してないから」

絹旗 「尚のこと超ヒドイです!」ムキー

黒夜 「つまり絹旗ちゃんは角砂糖かじかじして喜んでたワケだ」ケラケラ

番外個体 「いや、さすがに気付くと思ったんだもん」チビチビ

一方通行 「アリか、オマエは」チビチビ

結標 「なんで貴方達はここまで来て缶コーヒーなのよ」

一方通行 「好きで飲ンでるンだ。ほっといてもらおうか」

打ち止め 「」クピクピ

浜面 「小さい方の姐さんまでコーヒー牛乳か。このカフェイン一家め」

フレメア 「」カックンカックン

海原 「フレメアさん、大丈夫ですか?」


309 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/10 01:04:25.06 BsFmgCPHo 209/227


フレメア 「にゃ」

海原 「?」

浜面 「気にするな。フレメア語だ」

フレメア 「にゃー、にゃ、にゃにゃー」

海原 「??」

滝壺 「大体お腹空いたって」

浜面 「なんで分かんだよ」

黒夜 「腹か。そういえば私も減ったな」

滝壺 「じゃご飯食べに行く? 今何時?」

絹旗 「そういえば何時でしょうね。お風呂出てから超ゆっくりしちゃってますけど」

浜面 「そーね、大体」

海原 「19時過ぎですね」

浜面 「おい」

結標 「んー……どうかしら」

番外個体 「はいはい、淡希は体重が気になるんだね」


310 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/10 01:06:01.41 BsFmgCPHo 210/227


結標 「そうじゃなくて!」

絹旗 「何かあるんですか?」

結標 「予約もなしに、これだけの人数が座れるお店ってある?」

婚后 「言われてみれば……厳しいかもしれませんわね」

白井 「まず人数は……13人?」

一方通行 「時間帯もあるし、簡単にゃいかねェな」

海原 「世の中の皆さんも夕餉の時刻でしょうからね」

浜面 「ハンバーガーでも買って、外の公園で食えばいいじゃねぇか」

結標 「イヤよ、寒いもの」

番外個体 「寒そうな格好してるからだよ」

結標 「さっきから一言多いのよ!」ピコッ

番外個体 「いたっ」

打ち止め 「結局どうするの?」

白井 「どうしましょうか」

絹旗 「んー、時間も考えるとそろそろ帰った方がいいかもしれませんね」


311 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/10 01:07:27.12 BsFmgCPHo 211/227


ショチトル 「私たちはバスだったな。最終便は何時なんだ?」

海原 「……すみません、それは確認が漏れていました」

結標 「これはどっちみち長居できそうにないわね」

婚后 「まあまあ。当初の目的は果たしたのですし、よいではないですか」

黒夜 「目的ってなんかあったっけ」

絹旗 「超温泉ですよ」

浜面 「たっぷり遊んで、温泉も堪能して。まずは満足だろ」

フレメア 「にゃ」

絹旗 「でもまあ、折角来たんですし。もうちょい超ゆっくりしましょうか」クピクピ

婚后 「門限は大丈夫なのですか?」

番外個体 「そうだね。常盤台の寮って門限あるでしょ?」

絹旗 「大丈夫ですよ。夜間外出申請出してますよね?」

白井 「? いえ、存じませんが」

絹旗 「あれ?」

白井 「絹旗さんが提出なさっているのでは?」


312 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/10 01:09:12.40 BsFmgCPHo 212/227


絹旗 「白井さんがやってくれてると思って、出してませんよ?」

白井 「頼まれた覚えはございませんし、絹旗さんが準備はしとくと仰ったから出したものだと」

絹旗 「……」

白井 「……」

絹旗白井 「「ぎにゃぁぁぁぁ!」」

ショチトル 「門限とやらは何時なんだ?」

婚后 「20時20分ですわね」

黒夜 「よーし、今夜はオールナイトニッポンだ!」ガシッ

絹旗 「超ムリですってば! 今の話聞いてたでしょう!」

黒夜 「聞いてたよ? それを踏まえて提案してるんじゃん」

絹旗 「超くたばりやがれ」

白井 「こ、ここ、これはマズイですの」

一方通行 「……なァ、こいつら何に怯えてンだ」

海原 「常盤台の番人でしょう」

結標 「ああ、音に聞く"鬼の寮監"ね」


313 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/10 01:10:49.30 BsFmgCPHo 213/227


婚后 「寮監によって身に刻まれた恐怖は、生涯消えることはございませんわ」gkbr

浜面 「お嬢、大丈夫か? 顔真っ青だぞ」

婚后 「だ、大丈夫です」

滝壺 「もしかして、そろそろ出ないと厳しいかな」

白井 「そうですわね。今ならまだ」

番外個体 「えー、帰っちゃうのー?」ヒシッ

白井 「ぱ」

番外個体 「ねー、もっと遊んでいこうよ、黒子ぉ」

白井 「こ、これは究極の選択ですの……あぁぁぁ、どうすれば」

悪魔 (これは千載一遇のチャンス! 逃す手はございませんの!)

天使 (大きいお姉様のお誘いを無碍になぞできませんの! これは受けるしかありませんの!)

打ち止め (葛藤、ってこういうことを言うのかな)

結標 「はいはい、からかうのも程々にしておきなさい」

黒夜番外 「「反省してまーす」」

海原 「さっきも話した通り、この人数が入れる飲食店もなさそうですし。お二人の時間もありますし」


314 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/10 01:12:17.48 BsFmgCPHo 214/227


浜面 「ここいらで帰るのが妥当っぽいな」

フレメア 「にゃ」

絹旗 「ほら、白井さん。夢から覚めてくださいよ」

白井 「短い夢でしたの……」

黒夜 「人の夢と書いてナントカってヤツだな」ケラケラ

番外個体 「やりすぎたかな?」テヘ

打ち止め 「次からはちょこっと自重すべきだと思うな」

結標 「じゃ、そろそろ引き上げるとしましょうか」

滝壺 「はまづら。フレメアをお願い」

浜面 「はいはいっと」ヨイショ

フレメア 「ふにゃ」ウトウト

打ち止め 「」ジー...

番外個体 「……どうする?」

一方通行 「ヨソはヨソ、ウチはウチだろ」

打ち止め 「ケーチー!」


315 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/10 01:13:27.56 BsFmgCPHo 215/227


ショチトル 「マスターは手厳しいな」

海原 「では僭越ながら僕が」

結標 「人様の家の教育方針に口を出すのはやめなさい」グイ

海原 「いたたたた!」

黒夜 「何やってんだよ、行こうぜ」

絹旗 「そうですね。遅れると寮監に……あぅ」gkbr

白井 「絹旗さん! お気をしっかり!」

婚后 (どれだけ痛めつけられたのやら……)

黒夜 「あ、私と絹旗ちゃんはこの後朝までカラオケなんで」

絹旗 「超イーヤーでーす!」

黒夜 「なんだよ、つれないなぁ。夜は楽しむもんだろ?」

白井 「夜は寝るものですの」

絹旗 (最近あまり寝てないくせに……)

婚后 「ほら、置いてかれますわよ。早く参りましょう」

絹白黒 「「「」」」トテテテ


316 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/10 01:14:46.29 BsFmgCPHo 216/227



~同日 スパリゾート安泰泉 入り口~


番外個体 「さ、て。それじゃ私たちは」

浜面 「ちょぉーーっと待ったぁ!」ドドン

番外個体 「何さ」

浜面 「ここまで車持ってきた方がいいだろ? お互い、小さいのが限界っぽいぜ」

フレメア 「」スピー

打ち止め 「むー」ゴシゴシ

一方通行 「オイ、目こすンな」

番外個体 「一理あるかな」

浜面 「という訳だ。滝壺、フレメアを受け取ってくれ」

滝壺 「確かに受け取りました」ヨイショ

番外個体 「じゃ、ちょっと行ってくるよ」

一方通行 「急いでぶつけたりすンじゃねェぞ」

浜面 「大丈夫だって」


317 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/10 01:16:41.69 BsFmgCPHo 217/227



<うーん、さすがに夜は冷えるね。
<もう12月も間近だもんな。


ショチトル 「私たちはバスだったな」

結標 「そうね。乗せてもらうのも悪いし、そもそも人数的に無理だろうし」

海原 「まあ、バスでゆったり帰るとしましょう」

絹旗 「そういえば、黒夜はこのバスで帰れるんですか?」

黒夜 「どこに止まんの?」

婚后 「第18学区と第7学区のターミナル駅ですわね」

黒夜 「あ、なら大丈夫。家はその二学区の境目だから」

絹旗 「えー、もっと遠くに住んでてくださいよ。第10学区とか」

白井 「第10学区に居住区ってありましたかしら……」

婚后 「刑務所と発電所と墓地しかないような……」

黒夜 「住むとこないじゃん」

絹旗 「刑務所とか」

318 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/10 01:19:05.63 BsFmgCPHo 218/227


黒夜 「私が何したっつうんだよ」

白井 「細かいことは色々やらかしてますの」ハァ

結標 「歳とってから黒歴史化するわよ、そういうのって」

白井 「結標さんが言うと説得力がすげぇですの」

結標 「な、なによ。貴方だってそう思うでしょ?」

一方通行 「俺にふるな」

ショチトル 「二人とも、何かやらかしたのか?」

海原 「若い頃はヤンチャだった、とかそういう類の話ですよ」

結標 「まだそんな歳でもないわよ!」

一方通行 (居づれェ話題だな……)

打ち止め 「」ウトウト

滝壺 「はまづらは今もやんちゃかも」

絹旗 「超浜面ですし。20年経ってもあのままっぽいです」

婚后 「殿方は少年の心を忘れないと申しますわね」クスクス

滝壺 「それがはまづらの魅力の一つだから」フンス


319 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/10 01:20:50.86 BsFmgCPHo 219/227



<プップー


黒夜 「おい、車来たけど。誰んとこ?」

絹旗 「あの超赤い車ですか。あれなんかミサワさんっぽいです」

滝壺 「違うよ。あれ、はまづら」


<キキー


浜面 「よ、おまちどう」

黒夜 「FDとか、似合わねー」

浜面 「うるせえやい! ほっとけ!」

白井 「あ、フレメアは後ろですか?」

滝壺 「ゴメン、お願い」

フレメア 「にゃ」スピー

ショチトル 「この車、後部座席あるのか? そうは見えないが」

婚后 「オマケ程度ですが、きちんとございますわよ」


320 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/10 01:23:24.36 BsFmgCPHo 220/227


結標 「あ、そっちのも来たみたいよ」

白井 「あの黒い車が?」


<キキー バタン


番外個体 「げ。先越されちゃったかー」

黒夜 「このランクルってマスターの?」

一方通行 「あァ。オイ、クソガキ。寒いから乗っとけ」

打ち止め 「ふぁーい……」ヨジヨジ

婚后 「……こう言ってはなんですが、逆ではないのですか?」

絹旗 「私もそれ超思いました。浜面が真っ赤なスポーツカーって何の冗談ですか」

浜面 「いいじゃねぇか、別に!」

結標 「でも浜面くんの車、見栄えいいわね。これでお迎えに来られたら誰でも落ちちゃうんじゃない?」

海原 「え、あの」

結標 「焦らないでよ。たとえ話でしょ」

海原 「驚かせないでくださいよ」


321 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/10 01:25:17.52 BsFmgCPHo 221/227


滝壺 「じゃ、一足お先だけど」

絹旗 「浜面が寝ないように超見張っててくださいね」

浜面 「大丈夫だって。BLACKBLACK買ってあるから」

白井 「お二人とも、くれぐれも安全運転でお願いしますの」

番外個体 「任せといて」フンス

黒夜 「マスター、今度行くから絹旗ちゃんも食べた試作品、私にも味見させてくれな」

絹旗 「忘れてくださいよ!」ムキー

海原 「道中お気をつけて」

一方通行 「あァ」

結標 「……やっぱ車便利そうね。私も免許考えないと」

ショチトル 「二人とも、気を付けて」

浜面 「お前らも風邪ひかないようにな。夜は冷えるしな」

番外個体 「じゃ、また今度ねー」ノシ


<ブロロロロ




322 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/10 01:26:19.97 BsFmgCPHo 222/227


絹旗 「……ミサワさん、大丈夫なんですかね」

白井 「早速といいますか、蛇行運転をしておられますが」

黒夜 「違ぇよ。あれ前の車あおってんだよ」

海原 「前と言うと、浜面さんの車ですね」

結標 「何やってるんだか」ハァ

婚后 「第一位様の怒り声が脳内再生されますわね」クスクス

ショチトル 「なあ、シャトルバスはあれでいいのか?」

絹旗 「お、こっちも超来たようですね」


<キキー プシュー
<オノリニナッテオマチクダサイ


婚后 「さ、わたくしたちも乗り込むといたしましょう」

結標 「後は乗ってのんびりしてるだけね」

海原 「そういう点では自家用車より楽ですね」

ショチトル (あ、いけない。マスターに明日の予定を聞くの忘れてた)


323 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/10 01:28:56.82 BsFmgCPHo 223/227



~数十分後 第7学区 とある駅前~


黒夜 「お嬢は途中で降りちまったんだな」

絹旗 「家は第18学区ですから。行きは私たちに合わせてここまで来てくれましたけど」

白井 「」ズーン

絹旗 「で、超爆睡してて見送れなかったと」

白井 「わたくしとしたことが……」

海原 「不可抗力ですよ。お疲れだったのでしょう?」

絹旗 (白井さんに超リフレッシュしてもらうのが今回の主目的の一つだったんですが……)

結標 「じゃあ、私たちは向こうだから」

ショチトル 「3人とも、帰り道に気を付けて」

白井 「ええ。そちらも、といっても最強のテレポーターがいるのですし、心配はいりませんか」

結標 「そっちだってLEVEL4ばかり3人じゃない」クスクス

絹旗 「まあ、そこいらのチンピラだったら何もしなくても超自滅してくれますけども」

黒夜 「絹旗ちゃん、かっこいーー」ケラケラ


324 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/10 01:30:18.32 BsFmgCPHo 224/227


結標 「ま、用心するに越したことはないわね」

海原 「一応、小柄なJCばかりなのですし」

ショチトル (JCって……)

結標 「じゃ、またその内にね」

白井 「ええ。お気をつけて」


<そういえば、夕食はどうするつもりなんだ?
<帰ってから作ってあげるわよ
<えっ
<えっ
<……何よ


黒夜 「……よし。じゃ私も消えるとするか」

絹旗 「タクシーでも使うんですか?」

黒夜 「いんや」

白井 「では徒歩で?」

黒夜 「さすがにハラ減ってるしな。ラーメンか牛丼でも食べて帰るさ」

絹旗 「ああ、だからですか」


325 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/10 01:31:37.21 BsFmgCPHo 225/227


黒夜 「今日はありがとな。色々楽しかったよ」

絹旗 「うわ。黒夜がきちんとお礼を言うなんて」

白井 「絹旗さん、挑発するような言動は慎んでくださいまし」

黒夜 「私は言うときは言うぜ?」

絹旗 「確かに超ズバズバ言いますよね」

白井 「常に本音ということですの」

黒夜 「ま、そういうこった」

絹旗 「じゃ私たち向こうですので」

白井 「ここで失礼致しますの」

黒夜 「せいぜい寮監とやらに絞められないようにな」ニヨニヨ

絹旗白井 「「あ」」

絹旗 「も、もしかして超ヤバくないですか!?」

白井 「あぁぁ、マズいですの! もうギリギリですの!」

絹旗 「じゃ、じゃ、黒夜、超また明日!」トタタタ

白井 「バタバタしてて申し訳ございませんの!」トタタタ

黒夜 「……走らなくても。白井ちゃんがテレポすればいいのにな」


326 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/10 01:33:09.55 BsFmgCPHo 226/227



~同日 第7学区 常盤台新寮 301号室~


<ガチャ


絹旗 「はー、超ギリギリでしたね」

白井 「危なかったですの……」

ユリコ 「( ・ω・)」フモー

リック 「」スピー

絹旗 「あ、ユリコ。超ただいまです」

テスラ 「」ドタタタ

アスカ 「」ドタタタ

絹旗 「ちょ、テスラ! 待ってください! 登らないでください! いたたた!」

白井 「アスカ、遅くなってしまって申し訳ございません」ヒョイ

絹旗 「結局頭の上ですか……」

テスラ 「」フンス

絹旗 「はー、それにしても帰ってきたらどっと疲れが」

白井 「絹旗さん。一息つく前に最後の一仕事ですの」


327 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/11/10 01:34:28.42 BsFmgCPHo 227/227


絹旗 「えー、なんですか」

白井 「洗濯する物はまとめておきませんと」

絹旗 「それはほっとくわけにもいきませんか……」ゴソゴソ

白井 「」ゴソゴソ

絹旗 「……あの。疲れは、少しでも取れましたか?」

白井 「え? ええ」

絹旗 「超よかったです。それを聞いて安心しました」

白井 「いい具合にリフレッシュできましたの。絹旗さんにはいくら感謝しても足りませんわね」

絹旗 「よしてくださいよ」

白井 「もし絹旗さんに何かあれば、今度はわたくしがお助けする番ですの」

絹旗 「じゃ、私が超ピンチに陥ったときはお願いしますね」

白井 「ええ、約束ですの。門限破りとノート写し以外ならなんでもお受けいたします」

絹旗 「いやいやいや、その二つが超重要なんじゃないですか!」

白井 「そこはご自分でどうにかなさってくださいまし」

絹旗 「えー、私たちの仲じゃないですか」

白井 「親しき仲だからこそ、きっちりすべきところもございますの」

絹旗 「超ケーチーでーすー」

白井 「これは同室のパートナーとしての厳しさであり優しさですの」クスクス


続きます

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