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縦ロール「食事の準備が整いました、女王」
食蜂「――――――――」 ボーーーー タダノ シカバネノヨウダ
縦ロール「女王、女王、――じょ・お・う、じょ・お・う・さ・ま!!」
食蜂「――っ!!はいっ!この食蜂、授業中に寝たりしてませんわぁ!!」 ガッ
食蜂「ですから暴力反対!断固反対!私は拒絶しますわぁーーーっ!!」 ハンキョウラン
縦ロール「」
食蜂「……あ、あらぁ、何かようかしらぁ?いきなり驚かせないでほしいわねぇ」
縦ロール「…………」
派閥A(ヒソヒソ) ゴランシン?
派閥B(ヒソヒソ) ドウナサッタノカシラ
派閥C(ヒソヒソ) コイワズライトカ
派閥AB((ねえよ)) キッパリ
派閥C(酷いっ!?)
縦ロール(中々…いえ恐ろしく由々しき事態ですわ。一体、何が)
黒子「――おやおや……そちらも、ですの」 ゲンナリ
縦ロール「――!!あ、あなたは……」
黒子「そう!わたくしこそが!あの御坂美琴お姉様と恋仲である!」 ビシッ
縦ロール「――という妄想の塊が存在全てである変態白井黒子!」 ブロック
黒子「ちょっ」
縦ロール「さては第三位だけでは飽き足らず、女王にまで毒牙を伸ばそうと…!」
黒子「わたくしはお姉様一筋ですのっ!失礼な!」 フンッ
縦ロール「証拠がありませんわ!近付けさせません!」
黒子「…まあ、あなたと情報伝達ができればそれで構いませんが」
黒子「口論はこのくらいにしませんこと?こちらも…中々参っているところですの」
黒子「先日のことですの…事件が起こったのは」
縦ロール「事件……」
黒子「学園都市ど真ん中にLv5が7人中6人も集まりまして」
黒子「…どうやら、2組に分かれて口論が起こったらしいですの」
黒子「案の定、険悪ムードからほどなく『戦争状態』に発展」
黒子「ジャッジメントが人払いを間に合わせなければ死人が出ていましたの…」
縦ロール「なるほど、それに女王は巻き込まれて…何らかのダメージを」
黒子「――いえ、違いますの。事件の本番はここからのようですの…」
縦ロール「――え?」
黒子「争いが延々と続くかと思われた矢先、学園都市を激しい揺れが襲いましたわ」
縦ロール「…!ああ、あの揺れが。確かに大きかったですわ」
黒子「お姉様曰く、その周囲対処をするうちに争いは有耶無耶になったのだとか」
黒子「そしてその後…1人の少女が皆の前に現れたそうですの…」
縦ロール「しょう、じょ?」 キョトン
黒子「ええ、まさに中高生あたりの女性だったとか」
黒子「……それからですの、お姉様が異常を訴えたのは…」
・
・・
・・・・・・・・
御坂「そいつは…まあ、至って普通の女の子だったわ」
御坂「――ううん、ダサ目の帽子やサングラスでいかにも変装してたから、
あんまり普通とは言えないのかな、はは」
御坂「そいつがね、現れたとたんに――嗤い出したのよ」
御坂「誰かの反応を待つでもなく、自分だけの世界を構築してるというか…
ただひたすら、嗤って嗤って――でも涙が溢れてた」
御坂「そしたらさ――おっそろしいことに、この私が一瞬で金縛りに遭ったのよ」
御坂「――っ、ウプッ、オエエェェッ……ごめ、ん。思い出しただけで吐きそう」
御坂「私だけじゃない。周りにいた人はみんな―似たような症状が出てたわ」
御坂「食蜂さん?ああ、一番酷かったわね。泣いて泣いて、泣き喚いてた」
御坂「能力使用が仇になって、負の感情の奔流にダイレクトアタックされたのよ」
御坂「……ごめん黒子、やっぱりしゃべることも厳しいっぽい」 ハァ ハァ
御坂「しばらくはベッド(病院)で大人しくしてるわ――」
~御坂美琴、軽度の精神治療中~
麦野「オラアァァァァア――ッ!!」 ドゴォーーッ!!
浜面「ぐはっ…みんな、俺に構わず…にげ…て……くれ…」 ドサッ
麦野「――」 イライラ
麦野「――――」 イライライライラ
麦野「――――あぁ!無性に頭にくるっ!!」 イライライライライライライライラ
滝壺(…………見れば、わかる。見なくても、わかる) ボロッ
フ/レ/ン/ダ「――――」 チーン
絹旗(ガクガクブルブルガクガクブルブル) ボロッ
絹旗(なんで、タカが数日でこんな超ヤバイ軋轢が生じてるんデスカ!?)
絹旗(超空気読まないフレンダがぶつ切りになったのは超置いとくとしても)
絹旗(なんで麦野が超激昂してるのかサッパリわからないままです!!)
絹旗(こ、このままだと超間違いなく絶縁騒動ですよ超最悪ですっ!)
麦野「――ほー、まだ泣き腫らしながらも考える余裕がある、とぉ」 ユラッ・・・
麦野「――何も考えられなくなるまで痛めつけてやるよ。――絹旗?」
絹旗「ひいいぃぃぃっ!?」 サァッ・・・
~病院の一室~
冥土帰し「ふーむ。やはり肉体的には至って順調、と」 サラサラ
冥土帰し「精神面要素が強いと僕はあまり助けになれないね、済まない」
御坂「い、いえ…そんな」
冥土帰し「まあ、こう言っちゃなんだが時間が解決してくれるんじゃないかな」
冥土帰し「そういうことで、僕は他の患者の見回りに行くね」
御坂「……思ってたんですけど。原因、聞かないんですか?」
冥土帰し「聞いてほしいのかい?」
御坂「……聞いてほしいような、聞いてほしくないような」
冥土帰し「そうだね。その理由、実は2つある」
御坂「……2つ」
冥土帰し「一つ。そのことを君に語らせるのは、かなり負担を強いるようだ」
冥土帰し「医師として、患者の負担をいたずらに大きくするわけにはいかない」
御坂「……なるほど、至極尤もですね。で、二つめは何ですか?」
冥土帰し「…………」
御坂「…間違っていたら御免なさい。当ててみせても、いいですか?」
冥土帰し「ふむ、聞こうか」
御坂「あなたの医療の腕は確か。そして、手を抜くことを許さない」
御坂「負担を天秤に掛けても、治療のためなら最低限は事情を聞くはず」
御坂「あなたは…『すでに事情を知っている』んじゃ――」 ジッ
冥土帰し「なるほど、そう来たか。これは恐れ入った、ご名答だよ」
御坂「――!!」 ガタッ!!
冥土帰し「おっと、まだ寝ているんだね。急な挙動は発作の元だ」
御坂「でも!事情を知っているのなら、私、じっとしてなんかいられないっ!」
御坂「あなたを揺さぶってでも――吐かせるわ!」
――――スッ……――――
御坂「……え?何、これ…?」
冥土帰し「――地獄への案内状、かな」
御坂「地獄への――案内、状?」 ビクッ
冥土帰し「頃合いを見て、渡すように…とある人に頼まれていたんだ」 フゥ
冥土帰し「中に入ってるのは…まあ誓約書だね。ただし、賭けるのは『命』だ」
御坂「――!?」
冥土帰し「もしサインしたのなら、君が知りたがる全情報が提供されるだろう」
冥土帰し「そのかわり、知ってしまったら抜けることは許されない」
冥土帰し「事件が終結するまでは…『自由』と『安全』はなくなる」
冥土帰し「まずは徹底的な修業で時間をことごとく潰されるし」
冥土帰し「それが終わるや否や死闘三昧、だそうだ」
冥土帰し「くれぐれも軽い気持ちで内容を確認しないでほしい」
御坂「…………」
冥土帰し「ここでそれを中身も見ずして破り捨ててしまってもいいそうだよ」
冥土帰し「それだけで、これまで通りの人生が送れることになる」
冥土帰し「戦力的には惜しい所だけどね」
御坂「…そうね、中身は見ないことにする」
冥土帰し「…………」
御坂「こんなフザケタ物を送る奴に直接会って、問答無用で参加するわ」
冥土帰し「……なに?正気かい?」
御坂「…ったく、誰だか知らないけど、はるか雲の上の存在かもしれないけど」
御坂「Lv.5をちょっとばかし…舐めすぎなのよバーカ!!」
冥土帰し「え……」
佐天(泥A変装)「そんな――」
佐天(泥B変装)「どうして――」
御坂「まあ、自己顕示欲とでも言っときなさいよって感じなんだけど」
御坂「…単純に、ほっとけないでしょうが!!そんな闇の戦いを!」
麦野「…フン!面白いじゃないの、そこまで強いんなら確かめたくなるじゃない!」 ニヤッ
麦野「それに、私たちを強くしてくれるってんなら何はともあれ儲けもんだろ!」
食蜂「この、えも言われぬ感情を拭い去れるというのなら…」 グスッ
食蜂「命懸けの戦いに巻き込まれても真実を知った方が幾分マシだと思うわぁ!」 ガーッ
「「「Lv.5の誇りを以て!参加表明してやろうじゃない(の、のぉ)!!」」」
冥土帰し「…ふ、わかったよ。君の強い想いは」
佐天(泥A変装)「――その覚悟、心から感謝させてもらいます」
佐天(泥B変装)「3日後の正午に、指定の場所で――」
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・・・・・・・・
御坂「…ふう」
御坂「なんなのよ、もうー。つ、疲れたー…」 グテー
御坂「でも、不思議と感情が安定してるみたい」
御坂「明日にでも、退院できるかしら、うん」
スタッ シュタタッ!
御坂「うん、足腰異常なーし。これなら、抜け出せるかな?」 ニヤリ
御坂「そういえば、佐天さんに会いたいな。退院直前のはずだけd」 ダッ!
上条「おっす元気かー」 ガララ
御坂「どおおおぉぉぉぉ!!?」 ズッペン!!
上条「…おおう、10点満点。い、いい滑りっぷりだな、痛くないのか?」
御坂「ううううるさいわ!!アンタのせいなんだから!」
上条「……まあ、元気そうで何より。これでも心配してたんだぜ?」
御坂「あ、ありがと…。アンタは不調訴えたりしなかったの?」
上条「ああ、なんというか…食蜂さんの逆」
御坂「逆?」
上条「幻想殺しが猛烈な感情伝播に対して『洗脳』と認識し打ち消したらしくて」
上条「被害を最小限に抑えられたんだとさ、カエル顔の先生曰く」
上条「おかげさまで、あれから10分もすればケロッとしてましたよ」
御坂「うわ、卑怯よ卑怯」
御坂「ところで、アンタは……」
上条「ん?どした?」
御坂(……ううん、今回はコイツは巻き込まないでおこう)
御坂(これ以上不幸だ不幸だなんて言わせないわ…)
御坂「あ、ううん、なんでもない」
御坂「私ならこの通り元気そのものよ?脱出を図るくらい、ね」
御坂「精神面でも落ち着いてきたみたいだし、じきに退院できるわ」
上条「おいおい、それは許しておけませんなあ」 ガシッ
御坂「え、なに、ちょっと!!」 ジタバタ
上条「まだ完治してない体だろーが。大人しくベッドで寝ときなさい」 ガバッ
御坂(え、なにこれ、なんでお姫様抱っこなんてされれれれれれれ) プシュー
トスッ
上条「心配すんな、軽い軽い。……ほら、やっぱり具合悪そうじゃないか」
上条「顔赤いぞ、意識も朦朧としてそうだし」
上条「見舞いなら俺が代わりに行っといてやるよ、な!」 ホセイスマイル
御坂「ソソソソウ?ジャアヨロシクタノムワネ」 ズキューン
上条「了解了解」
御坂「妹タチダケジャナクテ佐天サンモオネガイスルワ」
上条「了解……佐天?ああ、御坂の親友のね。入院してたのか」
上条「わかったわかった、そっちにも顔を出してくるよ」 ガララ・・・
御坂「…………きゅう」 ボスッ
上条「うーん。よくよく考えると、佐天さんとやらの病室が分からん」
上条「まあ、時間もあるし病院内を虱潰しに廻ってみるか…」
カー カー カー・・・
上条「……あっれー?おっかしーなー?」 タラタラ
上条「御坂妹たちのお見舞い、もとい唯の元気な子との世間話に盛り上がって」
上条「縋りくる彼女たちをなんとか押し留めてかれこれ数時間」
上条「……佐天さんの病室が全く発見できねえ!?」 ファイ!?
上条「病室にお邪魔して怒鳴られながらも探したのに!?」
上条「さては魔術師の仕業だな!?どこだ、出てこい!」 クワッ!!
――――シーン……――――
上条「もう少し探してみるか…インデックス激怒してるだろうな、不幸だー」
上条「……ん?」 マドノ ソト
佐天(タタタッ)
上条「…あー、あんな子だったような気がする。うん、間違いない!」
上条「ずっと外出してたから発見できなかったのか、してやられたね!」 コツン
上条「……病室は別に消えたりしないはずなんだけどな…まあ、いっか」
上条「でも、この病院に掛かってる割には…ずいぶんと元気だな?何処が悪いんだろ」
佐天(泥)(……疲れ、ました、ねえ。疲労しない設計ならよかったのに)
佐天(泥)(各種連絡、物品調達、他の泥佐天たちの精神ケアetc、etc…)
佐天(泥)(これでも誕生して1か月、一番新参の泥人形なんですが)
佐天(泥)(まあ行動自由度から見て一番心の余裕があるのは確かです) ウンウン
佐天(泥)(……今日はさっさと寝ましょう)
佐天(泥)(コソコソ)
上条「ゼェゼェ…お、いたいた。間に合ってよかった」
上条「おーい!!」 ブンブン!!
ス――ッ…………
上条「」 ピシッ
上条「……人もまばらだっていうのに全く気付かれなかった」 ズーン
上条「…ああもう、待ってくれよ!佐天さーん!」 ダッ
佐天(泥)(スタスタ…………)
佐天(泥)(スタスタ………………………)
上条(…声を掛けること数回。全く反応してくれません)
上条(妙に近寄りがたい雰囲気があって、傍に駆け寄ることもできず)
上条(後ろ5メートルをストーカーばりに追いかけている上条さんでした)
上条(耳の重い病気とかかな?それなら納得行くんだが)
上条(ってか、フォーム綺麗ながら小走りが尋常になく速いんですけど!?)
上条(なーるほど、物理的にも追いつきにくいってことですな、ハハハ!) ダダダッ
上条(…というどうでもいい話はおいといて……)
上条(ここ、どこだよ) タラリ
上条(階段を降りて降りて降りて…いや、降りすぎだろ)
上条(もう佐天さんと俺以外だーれも見かけないし)
上条(電灯だって碌に付いてない。……やばいぞ、この感じ) ゾクッ
佐天(泥)(スタ…………) ピタッ
上条「のわぁっ!!」 ドンッ
上条「…って、悪い、急に止まられたもんだから!」
佐天(泥)「……………………」
上条「……佐天、さん?」
佐天(泥)「今のは自分がすっ転がってもレディへの衝突は避けるべきでしょう?」
上条「そうだよな、本当に……って、やっぱり気付いてたんだろ!!」 ガーッ
上条「御坂から頼まれてきたんだけど、佐天さんで合ってるよな?」
佐天(泥)「えー、合ってるとも言いますし合っていないとも言いますね」 クルッ
上条「……??」
佐天(泥)「まあそれは、とっても、とーっても些細なことなんですよ」
佐天(泥)「どうして私が、人っ子一人いない暗闇廊下に誘った(いざなった)か」
佐天(泥)「…あなたは、 わ か り ま す か?」
上条「…え」 ゾクゾクッ
佐天(泥)「上条当麻――無事に難なく、確保」 ガシッ!
上条「……!!?お、おい、ふざけるのは…」
佐天(泥)「ふ、ふふ、ふふふ」
上条(…冗談とかじゃ、ないっ!?それとも操られてるのか!?)
佐天(泥)「あー、ちなみに操られてるなんて訳はありませんよ」
上条「心読むなよ!え、待て、待ってくれ――」
佐天(泥)「問答――無用」 グイッ
――――キイィィ…… バタンッ……――――
・・・・・・・・
・・・・・・・・
~3日後~
御坂「いよいよね…」 ザッ
一方「おゥおゥ、ビビってンのかァ、オリジナルよォ。まだ入院しとくかァ?」
御坂「ご冗談を。唯の武者震いだっての、アンタこそ大丈夫だったのかしら?」
一方「そりゃァあの時は固まったがよォ、それで終わりだったら第一位の名が泣くぜェ」
一方「…応援してくれる奴らも少しはいるようだしなァ」
御坂「ふーん?」 ニヤニヤ
一方「なンだその気持ちわりィ笑いは」 ウワァ
一方(気持ちわりィ、ねェ。そういえば――) ウーン
御坂(……腕組んで、何考えてるのかしら?)
・
・・
・・・・・・・・
番外「…え、またなんか無茶しに行くの!?う、受けるぅ!」
番外「そ、そんな貧相な体つきでよく頑張ってられるねえ?」
一方「勝手に受けてていいからお前は打ち止めのお守りでもしてろォ」 スルー
番外「……え、ちょ」
打ち止め「お守りなんか必要ないもんってミサカはミサカは猛烈抗議してみる!」 プンプン
番外個体「……その言い方は、ないんじゃないかな」 ムッ
通行止め「「え」」
番外「私だって…私だって心配くらいできるんだよ!」
番外「常日頃フザケてるからって、憎い憎い言ってるからって」
番外「ミサカにはそんな資格もないって言うの…!」 グズッ
通行止め「「」」
一方(おい打ち止め、コイツ何もンだ、こンな奴俺は知らねェ。頭でも打ったか) ヒソヒソ
打ち止め(なにこの浄化個体ってミサカはミサカはショートしてみる) ヒソヒソ ブルブル
打ち止め(あ、でも番外個体の『異常動作』は最近妙に報告があるよって
ミサカはミサカはMNWの監視結果をちゃちゃっと纏めてみる!) ヒソヒソ
一方(そ、そゥか……) ヒソヒソ チラッ
打ち止め(そ、そうだよっ) ヒソヒソ チラッ
番外「…………」 ナミダメ
一方(だがァ……これはないわァ…………) オカンガ スルゼ
打ち止め(涙目の番外個体は素晴らしく絵にはなるんだけどねって
ミサカはミサカは男どもの意見を予測先取りして断言してみる)
・・・・・・・・
・・
・
一方「変なこと思い出しちまったなァ」 ウワァ
御坂「それにしても、ここが集合場所だなんて」
窓のないビル「やあ」
一方「まァある程度は期待しちゃいたがァ…」
一方「ようやく、お偉いさンと話が繋がったようだよなァ」
一方「いい傾向じゃねェか、悪い傾向でもあるがなァ」
削板「いいけれど悪い?どういう意味だ、矛盾しているだろう!」 フンッ
一方「なンか出てきたしィ、暑苦しィぞ」
御坂「つまり、これまでダンマリだった上層部がコンタクトを取ってきたってことは」
御坂「それだけ事態が緊迫してる可能性が高いってことなのよ」
一方「しかも、明らかに『戦力外』と宣言しておいた後での徴集だァ」
一方「しょっぱなから絶望させられるような状況報告が待ってるかもなァ?」
削板「なるほど!だがそれは俺たちにとって真実を知るにはプラスだろう!」
削板「もっとプラス思考でガンガン行こうぜ!」 ゲンキデスカー!!
御坂「あー、アンタ見てると嫌でも憂鬱状態にはなれないわ」
削板「おう、それはよかった!さすが俺!この喜びを腹筋で表現するぞぉ!」 フンッ フンッ
御坂「…必ずしも褒めてないからね」 ヤレヤレ
御坂「さーて、誰が招き入れて来てくれるのやら…お、後続も来たみたい」
一方「土御門のヤローあたりかァ……後続?おォ、マジだ」
食蜂「ご、ご、ごごご御機嫌よう御坂美琴さん」 オドオド ガチガチ
御坂「アンタはまだまだ後遺症から抜けてないわね…だいじょぶ?」
食蜂「だ、だいじょぶ、よぉ!手のひらに『人』を300回ほど書いてきたし!?」
食蜂「ようやく派閥のみんなの呼びかけにもすぐに応えられるようになったのよぉ!」
御坂「あー、うん、全然大丈夫じゃないって事だけはわかったわ」
御坂「ぼーっとしてると死ぬような場所に赴くらしいんだからしっかり、ね?」
食蜂「み、御坂さぁん!怖いこと言わないでぇ!!」
麦野「へえ、私以外は逃げ帰ってミルクでも飲んでると思ったけど」
麦野「案外Lv.5も優秀なのね?」 ズサッ
御坂「…あー、苛つくのも面倒くさい。削板氏に丸投げしよ」
削板「おおう、お前もスペシャル筋力トレーニングに付き合ってくれるのか!」 フンッ フンッ
麦野「ああん?第三位、なんか文句でもあんのか?」 ギロッ
御坂「いや、協力しようって時に喧嘩するのが非生産的ってのもあるけど」
御坂「結局ここにやってきた第四位様も根は善人なんかなーと実感してさ」 クスッ
麦野「なっ!?勝手なことほざくんじゃねえよ!まずお前からあの世に送ってやろうか?」
御坂「えーーー」
一方「……オリジナルさンよォ、すっかり図太くなったなァ」
御坂「むっ、精神が強くなったと表現してほしいわ♪」 ドヤァ
一方「……短い期間ながら色々起こり過ぎたからなァ」 シミジミ
削板「あとはっ!あのっ!第二位っ!だけかっ!!」 フンッ フンッ
削板「垣根のっ!垣根のっ!曲がり角ぉーっ!!」 フフフフフフンッ
一方「意味不明な歌に合わせて動くな、キメェ」 ゾワッ
一方「正直あのバカは来るかどうか微妙だがなァ、戦力には間違いなくなるがよォ」
――――いや、彼も必ず……来る――――
一同「「「「「 !!? 」」」」」
★「Lv.5の諸君。待たせてしまって申し訳ない」
麦野「……これは驚いたわね」
食蜂「え、えーっと……もしかしてぇ」
御坂「えっ……理事長、本人のお出迎えですって!?」
削板「こりゃあたまげたぜ!だがますます燃えてきたああああ!!」 スタッ
一方(……危険度がまたグンと上がったなァ) ハァ
★「……着いて、きたまえ」 スゥ・・・
★「さあ、向かおう。……上へ、上へ」 コツッ コツッ
一同「「「「「……」」」」」 コツッ
★「…これまで、事情を説明せず秘匿し続けていたことは詫びる」
★「…申し訳なかった」
一方(おいおい、こんな弱気なトップは初めてお目にかかるぜェ!?)
麦野(それだけ疲弊しているってことよ)
御坂「あ、あの!理事長の『恩人』ってどんな人なの?」
一方「おィオリジナル、それは」
★「…『恩人』、か。そういえば、第一位。私の監視が離れた隙に…」
★「散々好き勝手やってくれたようだが」
一方「ハンッ、テメェが怠慢なのがわりィ。俺は俺のできることをやったまでだァ」
★「…そう言うだろうな。全く、期待を違わせないでくれる」
★「おかげで私は、一連の発覚後にその『恩人』にお灸を据えられたが」 フッ
御坂「……え?」
~地上二十階~
麦野「わざわざ階段でここまで昇らされるとはねえ」
★「…色々理由がある」
★「さて――――」 クルッ
★「第一位、一方通行」
一方「…ン?」
★「第三位、御坂美琴」
御坂「な、なに?」
★「第四位、麦野沈利」
麦野「…なんだよ?」
★「第五位、食蜂操祈」
食蜂「ははははははいっ!」 ビクッ
★「第七位、削板軍覇」
削板「おう、なんだ!」
★「……それから、遅れてやってきた第二位、垣根帝督」
垣根「……あいよ」 ムスッ
一方「…お前も、来たかァ」
★「……」
★「…………」
★「…………この扉の先を、私たちは『四神結界の間』と呼んでいる」
御坂(四神……) ピクッ
一方(結界、だとォ?) ピクッ
★「この先で見たことは…他言無用だ」
★「学園都市の弱点をさらけ出すという面が一つ」
★「下手に関与して死を被る者を出させないという面が一つ…いいね」
★「…いや、事件が解決した暁にはいくらでも流出して構わないが」
★「そして、本当の本当に…引き返すラストチャンスでもある」
★「…覚悟は、しているだろうね?」
――――……――――
★「まあ、聞くまでもない、か。皆、よい面構えだ」
★「では――私だ、『皆』を連れてきた」 コンコン
???「――っ――どうぞ」
★「まあ、本人は…まだ応答できるはずも、ないのだな…」
★「――失礼する」 ガチャッ・・・
私たちは扉から中へと入る。唯の扉のはずなのに――不気味な音を立てた、気がした。
目の前には覆面をした女の子が待ち受けていて、ぺこりとお辞儀をしてくれた。
周りを見渡す。すぐに異常性に気が付いた。『暗い』のに、『明るい』。
この部屋には『明かりがない』。もちろん窓なんてものもない。
なのに、『壁を通過して四方から光が差し込んでくる』。まるで意味が分からない。
光の束が一か所に集まる、中央。
ご丁寧にも漫画の魔法陣かと思わせる意味深な図形まで描かれている。
意味はあるのかもしれない。ないのかもしれない。ただ、――荘厳。
一段と明るいその空間に、ふわり、と浮かんでいる少女が一人。
巫女服、白衣(びゃくえ)に包まれて、死んだように――眠っている。
――覆面は、――していなかった。
―― 一方通行が唖然とするよりも。
―― 垣根帝督が美しさに惚けるよりも。
―― 麦野沈利が絶句するよりも。
―― 食蜂操祈が恐る恐る見やるよりも。
―― 削板軍覇が平常運転で変なことを言い出すよりも。
―――― 誰よりも早く、私は――駆け出した。掛け出さざるを、得なかった。
御坂「…さ、佐天さああぁぁんっ!!?」
――今も病院にいるはずの、私の――大事な、親友だったのだから。
★「…さて、特に第三位は事情を知りたそうだが」
御坂「当たり前よっ!!どういうことなの!」
御坂「事の次第によっちゃ、理事長だろうと容赦しないっ!」
★「どういうことも何も。彼女こそが私の『恩人』…佐天涙子だ」 ヤレヤレ
麦野「なーんだ。お前の知り合いだったのか、第三位さん?」
御坂「……嘘よ!な、なに言ってるの。佐天さんはLv.0なのよ?」
御坂「冗談もほどほどにしなさいよ!」 ビリビリビリッ!!
★「……ああ、システムスキャンなら、だな」
★「その度に適当に掻い潜って低レベルを偽称してきただけだ」 ポリポリ
一方「……なンだと?」
★「事情あって、書類情報含め誤魔化し続けていた――」
★「正真正銘の佐天のレベルは…5でも、第一位が目指した6でもない」
★「世界に敵なし、その気になればいつでも世界征服できる……『Lv.7』だよ」
★「常時なら、私含めたここにいる全員で挑んでも返り討ちに逢うレベルだ」
御坂「…………嘘」 アングリ
一方「……『Lv.7』ねェ。要するに、ダイヤモンドと同じだなァ」
垣根「なるほどねえ、そういうことか」
削板「ダイヤモンド?どういうことだ!」
垣根「技術の進んだ今はともかく、昔は物質の硬さってのは――」
垣根「最も硬い物質であるダイヤモンドとの鬩ぎ合いで決めるしかなかった」
垣根「そうなると、ダイヤモンド自身は硬度を決められない」
垣根「仕方なく、逸脱した硬さとして『硬度10』と決めつけた――」
★「…その通り。システムスキャンはLv.7などは測れない」
★「よって…この値は持て余したゆえの非公式値とでも言おうか」
★「それほど間違っているとは全く思っていないがね」
★「…おっと。一応言っておくと、佐天が君たちより遥かに素質がいいとか…」
★「君たちの才能がないだとか、そんなことは決してない」
★「なぜなら…佐天は天の子として…悠久の時を生きているからだ」
垣根「……はあ!?オイオイ、流石にその出鱈目は―」
★「まあその目つきになるのは想定内だが、黙って聴いているように」
★「佐天はこう見えても、最近は私の戸籍操作なんかも駆使しながら」
★「……実は500年以上生きている――人ならざる体だ」
★「…ああ、そういう意味では努力量だけなら本当に君たちの惨敗だな」
★「『異形』と呼ばれる魔術暴走の具現化の産物から領域を守り――」
★「『魔楼閣』の奥底に眠る『三種の神器』を奪い返すためだけに生きている」
御坂「はい、ストップ、ストーーーップ!!」 ババッ!!
御坂「私たちが知らない単語をイキナリ並べ立てるんじゃないわよ!」
★「よかろう、順に説明してやる」
★「もともと、この学園都市のあった地は…科学とは真逆」
★「魔術の暴走が頻繁に起こる不毛の大地であり…」
★「住んでいる人々は、異形という存在に蹂躙されてきた」
★「天は三種の神器を地上人に与え抑えることに成功したという」
食蜂「三種の神器って、あれかしらぁ?」
食蜂「八咫鏡(やたのかがみ)、八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)、あとぉ…」
御坂「天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)だったわね?…え、あれって唯の――」
★「そうだ。一般的には、この国の歴代天皇の継承宝物、となっている」
★「歴史的価値は計り知れないが、特段特殊な力は宿ってはいない」
★「……だが元来は――天によってもたらされた魔術の結晶で」
★「凄まじいほどの浄化の力を持つものだ――」
★「当時の天皇は、天から神器を授かるや否や、この地の祭壇に祀った」
★「手元に、現在にまで伝わるレプリカを残して。素晴らしいお心で在らせられる」
★「異形はパタリと姿を消し、人々は大いに喜んだ。これが千年以上前」
★「月日が流れ、人々が戦に夢中になり神器の存在など忘れた頃――」
★「悪しき心を糧に復活を遂げた異形が突如として現れ襲撃、神器を奪い去った」
★「こうなると人は太刀打ちできない。再び異形に殺戮され絶望するのみ」
★「……佐天がこの世に誕生したのは、そんな時だという――」
一同((((((ポカーン))))))
★「天を佐ける(たすける)者として、佐天は異形に対抗する術を持っていた」
★「とはいっても、修業してもせいぜい今で言うLv.1や2程度のものだ」
★「少し強い異形が現れるたびに、佐天自身も幾度となく殺された」
★「だが、佐天はめげなかった」
★「殺されると、記憶以外を6歳時点まで巻き戻して復活する能力…」
★「それを、佐天は天から与えられていた」
★「殺されれば、復活早々過去の経験を活かしより効率よく修業する」
★「ただそれをひたすら、ひたすら愚直なほどに繰り返す」
★「異形の発生源、諸悪の根源の『魔楼閣』と呼ばれる地下要塞」
★「一体誰が何のために建立したのかも知らないが…」
★「地下二層で殺されれば次の挑戦では地下三層で殺され」
★「地下二十層で殺されれば次は地下二十一層で足掻く」
★「少しでも最深部に近づこうと潜入を続けているのだ」
★「…君たちが何も知らずに生きていた間にも」 フッ・・・
★「その500年の成果が、三種の神器のうち2つまでの奪還」
★「そしてこの度…とうとう、3つ目の神器をも確保するに至った――」
・
・・
・・・・・・・・
佐天「…………………………………………」 キョロキョロ
???「キュイイイイイイイィィン――――!!」
佐天「『砕石弾』」 ビュンッ!!
???「ガーーーーーーッ!!!?」 シュウ・・・
佐天「…………………………………………」 キョロキョロ
???「キュイイイイイイイィィン――――!!」
佐天「『砕石弾』」 ビュンッ!!
???「ガーーーーーーッ!!!?」 シュウ・・・
佐天「…………………………………………」 キョロキョロ
???「キュイイイイイイイィィン――――!!」
佐天「『砕石弾』」 ビュンッ!!
???「ガーーーーーーッ!!!?」 シュウ・・・
佐天「…細心の注意を払っていればなんとかなりますが」
佐天「慎重行動下の復活連続でループっぽくなってきました…」
佐天「式札は…危険ですね、そろそろ手持ちが」 タラリ
佐天「最悪中の最悪私は死んでもいいとして、横穴を放置は危険すぎる」
佐天「次の私の空白期間数年の間にこの階層の異形が総出で攻めてきたら…」 ブルッ
佐天「…あー、学園都市は3日で崩壊しますねえ」
佐天「…頭はよくないからもう少し持ちます?うーん」
佐天「で、好機と見たイギリス清教とローマ正教が精鋭を送り込んでくる、と」
佐天「五十年前みたいに恥も外聞もなく手を組んでるんですよね、きっと」
佐天「で、私の時以上に一瞬で返り討ちにされて消息なし、まで読みました」
佐天「……先代への憂さ晴らしも兼ねて、いつか『遊び』に行きますか」
佐天「まずは神の右席あたりですか?火水風土の四大属性的にも」
佐天「何かと因縁がありそうですからねえ」
佐天「…あー、でもアレイスターさんにあしらわれるようでは期待薄ですかね――」
フィアンマ「……!!?」 ブルッ!!
佐天「それにしても…………妙に、広い。この感じ…」 コツッ コツッ コツッ・・・
佐天「――――胸騒ぎがします。いえ、まさか――」
佐天「――いやいや、流石に都合が良すぎるというものでしょう、ふふ」
佐天「――――」
コツ、 コツ、 コツ、 コツ、 ・ ・ ・
コツ、 コツ、 コツ、 コツ、 ・ ・ ・
コツ、 コツ、 コツ、 コツ、 ・ ・ ・
・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・
異形「「「「――――」」」」
佐天「あとはこのあたりしか探索場所が残っていませんが…」
佐天「今更ながら異形達に動かれていますねえ」 ピタッ
佐天「確認異形が揃い踏み…つまり他はもぬけの殻」
佐天「立ち去りますか――――」
――――煌々……――――
佐天「――えっ……」
――――煌々、煌々…………――――
佐天「――――う、そ」 ワナワナ
佐天「あれ、は……あの朧げに漏れる青光は…」
佐天「――――さい、だん?」
――――煌々、煌々、煌々…………――――
佐天「…3つ目の――最後の神器が、あそこに……!」
ダッ・・・
ダダダダダダダダダダダダッ!!!!
モグロウ「……!! ガガガガアアアアアッ!!!」 ツイセキ カイシ!!
ズズダラ「……!! ズ、ズ、ズゾゾゾゾゾッ!!!」 ツイセキ カイシ!!
ゲキド「……!! ド、ド、ド、ド、ド!!!」 ツイセキ カイシ!!
佐天「……あれさえ取れば、あなたたち異形はこの地から完全に消え失せる」
佐天「あれさえ取れば、私の数百年にわたる任務は完遂されたことになる」
佐天「あれさえ取れば――殺され続けたりしない――」
佐天「普通の生活を送って泣いたり笑ったりできる、だからっ!!!」
佐天「――邪魔を、するなああああああぁぁぁぁぁっ!!!!!」 ダダダダダダダッ!!
佐天はひらりと身をかわした!
佐天はひらりと身をかわした!
佐天はひらりと身をかわした!
佐天「どきなさい――っ!!」 ジリッ
モグロウ「ガガガアアアア!!」 ブンッ
佐天「――っ、とっとと、どけえええぇぇぇっ!!」 ジリジリッ!!
ズズダラ「ズズズズズズッ!!」 ブンッ
佐天(――囲まれながらも…この距離なら、復活までに余裕で持ち帰れるっ!)
佐天(普通なら対応しきれない包囲網だけど――この式札に全てを託すっ!) サッ!
佐天「大地に眠りし四神の恵みよ、遁(のが)れられない霹(いかずち)を落とせ…」 ヒュウ・・・
???「キュイイィィン!」 バシュッ
佐天「ぐっ!!だ、大丈夫、食らったのは1発!!」 HP 108→84
佐天「式札発動――『吸源破魔』っ!!!」
『吸源破魔』
東西南北の四神の陣により日々僅かながら蓄積されていく浄化力を
数年分一気に階層中に放出することで初めて実用に到る範囲攻撃――!
位置・状況関わらず、階層の全異形に一律300ダメージ!
モグロウ「ガアアアアアアッ!?」
ズズダラ「ゾオオオオオオッ!?」
ゲキド「ドガアアアアァァァ!?」
???「キュイイィィィィ……」
シュウ・・・ シュウ・・・ シュウ・・・
佐天「……ふう――――」 コツッ コツッ
――――煌々、煌々、煌々、煌々!!――――
佐天「――とう、ちゃく」
佐天「……い、今なら『偽物でしたー』って言われても辛うじて立ち直れるよ?」
佐天「――あ、開けちゃうよ?いいね!?」
佐天(スー、ハー、スー、ハー)
佐天「……では」 ゴクッ
――――ギイイイイィィィィ……――――
天叢雲剣「――――――――」 ポワアアアァァァン・・・
佐天「!!!」
――――コトッ……――――
佐天「この浄化圧――間違い、ない。紛うことなき本物、天叢雲剣――!!」
佐天「そっか、私、やったんだ、とうとう!」 ウルッ
佐天「本当に、ほんどうに、よが…っだ……っ!!」 ウルウル
佐天「……あとは帰るだけ、異形は存在を否定され滅するのみ…!」
佐天「――――――――――――――――」 ゴシゴシ
佐天「よし、急がば廻るな、慌てず急げ!確実に、持ち帰ります!」 ググッ!
佐天「祭壇さんも、あとで必ず手入れしに戻りますのでお待ちくださいね!」 ポンッ!
佐天「それでは……みぎゃっ!」 コテンッ
佐天「……いったーい、なんですか、もう……!」 キッ
――――ドクンッ――――
佐天「――――えっ」
佐天「――――――――あ、あはは、冗談、きついです、よ」
佐天「――――そんな、なんで」
佐天「どうして――最深層に下へ誘う階段が、あるんです、か?」
――――ヒュウウウウウウウウウ…………
佐天「――ねえ、答えてくださいよ」 ガクガク
佐天「――誰か、答えてよっ!!!」
佐天「……ああああぁあぁあぁぁああぁぁぁぁ――っ!!!」
・・・・・・・・
・・
・
★「佐天は、先に説明した通り天の子として存在する」
★「この地を、学園都市を異形から守るために必要な三種の神器…」
★「これを奪還することこそが佐天の願いであり存在意義でもある」
★「偶然空いた横穴からショートカットに成功した佐天は」
★「これまた偶然、その階層で最後の神器を無事確保した」
★「ああ、ああ――誰がどうみても、ハッピーエンドになる、はずだった」
★「――っ――だが、最後の神器を確保したにもかかわらず」
★「佐天の目の前に姿を現した階段…これが、最凶最悪の大問題だ」
★「佐天は、最後の神器が見つかった瞬間に『最深層に来れていた!』と錯覚した」
★「異形にとってみれば、奪われたくない物はそこに隠すのが至極当然の道理だからな」
★「…が、現実には、その階層は魔楼閣にとっては通過層にすぎず」
★「階段の下からは新たな異形の気配が鈍く漂う」
★「…つまり、三種の神器を揃えたところで異形にとっては『痛手』程度で」
★「根本的解決にはさらさらならないことが――証明されてしまった」
★「頻度こそ減るだろうが、佐天の望む『ごく平和な日常を生きる自分』は露と消え」
★「これからも何百、何千、何万年と――縛られ続けることになる運命を突き付けられた」
★「天の子としての佐天の存在意義も、砂上楼閣のように容易く崩れ落ちてしまった――」
・
・・
・・・・・・・・
佐天「――ああああああああああぁぁぁぁあああああっ――!!」
―――― ドドゥッ! ドドゥッ!! ドドゥッ!!! ――――
佐天「――ああああああぁぁぁぁああああ――――え、しまっ」
ゲキド「ドドドドドドドドウウウゥゥゥッ!!!!(怒怒怒)」 ゴゥッ!!!
――ガギイイイイイイイィィィッ!!――
佐天「おごぉっ!!??」
HP 84→14 DANGER!!!
佐天「い、いたい、よぉっ――!!から、だが、うごか……」
佐天「ど、どうし、て…ふっか、つ、に、は、はや、す、ぎる……」 ポタポタポタポタ・・・
ゲキド「ドドドドドドドドウウウゥゥゥ――!!」 HP 50/350
佐天「……今、の状況、じゃ、式札、かわ、され、ちゃう……」
佐天「……」
佐天「……!!」 スウッ
ゲキド「ドドドドウウゥゥ――!!」 ダーーーッ
ピッ・・・ フワッ・・・ クルクル・・・・
佐天「速度を、強引に、補うっ!加速、装置に、『水蛇槍』の暴発、使用っ!!」
――轟っ!!――
佐天「――『 超電磁砲 』っ!!」
――バアアアァァァァン!!――
ゲキド「ドォウ!!?」 HP 50 → 20
佐天(付け焼刃、でも、あたっ…た!速度に怯んでいる隙に――)
佐天「本当の、本当に――『水蛇槍』――っ!!」 バシュッ!
ゲキド「ドオオオォオオォォォーーーッ……」 シュウ・・・
佐天「――――」
佐天「…御坂さん、コイン、ありがとう、ございます」
佐天「『超水蛇砲』ですかねえ、正しくは」
佐天「――――」
佐天「がはああぁっ!!」 ボタボタッ ヘタリッ
佐天「…ゴホッ、ゴホッ!」
佐天「――この嘔吐が、怪我によるものに過ぎなかったら、どれだけよかったこと、か」
佐天「――――――――」 フラリ
コツッ コツッ コツッ・・・
佐天「かえ、ろう」
佐天「……あはは、どこに帰るというの?」
佐天「私ノ、安息場所ナンテ、ドコニモ――」
――佐天涙子ハ、眼光ヲ――失ッタ。
・・・・・・・・
・・
・
パチパチパチパチ・・・・
★「どうした、第四位」
麦野「いやー、私たちにこんな話をしてくれて感謝感謝ってね」
麦野「…まあ――」
麦野「出鱈目の作り話もここまで並べ立てられると聴き応えあるわ」
御坂「――!?アンタ、まだ――!!」
麦野「え?まさか第三位さん、こんな話信じたの?おめでたい頭してるわね」 ニヤニヤ
麦野「Lv.5の力を求められて来てみれば」
麦野「流石にこんな絵空事を聴かされるとは思ってなかったわよ、私は」
垣根「俺もまだ否定寄りの半信半疑だな、あいにく」 ウーン
食蜂「わ、私は信じてもいいかなって思うんだけどぉ…」 オロオロ
佐天「――――」 フワリ・・・
御坂「佐天、さん……」
一方「……じゃ、勝手に帰ればイイじゃないかよォ、とっとと失せろォ」
削板「そうだな!やる気がある奴だけが残ればいいことだ!」
★「…いや、無理と言ったろう。乗り掛かったからには抜け出しは許さない」
★「だが、その反応ももっともだ。私も一発で納得してもらえるとは思っていない」
★「そこで――」 パチッ
少女(コクッ) バサッ・・・
御坂「……え」
佐天(泥)「初めまして…ではないのですが」
御坂「…佐天、さんが、もう、一人……!?」
佐天(泥)「いえ、私は本体に作られたコピーの泥人形です」
佐天(泥)「御坂さんのシスターズほどではありませんが」
佐天(泥)「学園都市内の要所に数十人配置されているんですよ?」
佐天(泥)「『泥佐天』と――お呼びください」
★「今から…君たち6人は、この泥佐天と…勝負をしてもらいたい」
一同「「「「「「!?」」」」」」
~ 地上三十階 闘技用改造済階層 ~
佐天(泥)「とりあえず、麦野さん麦野さん、戦闘配置についてください」
麦野「――私から?」
佐天(泥)「あれ、ホラ話だと笑っていた癖に怖気づくんですか?」
麦野「ああ!?やってやろうじゃない、半殺しになっても文句言うなよっ!」
佐天(泥)「初心ですね、青いですね。逆上は自滅のもとですよ」
麦野「…ブ・チ・コ・ロ・ス!」
佐天(泥)「私自身の傾向と対策について事細かにお知らせしますねえ」
麦野「…………は?」
御坂「…………え?」
削板「なんと、潔い!」
御坂「そういう問題じゃないと思うわよ」
佐天(泥)「私はLv.5相当。本体が魔術を込めた『式札』と呼ばれるアイテムを借り受け
攻撃手段に用います。遠距離攻撃のみで、肉弾戦は一切できません」
佐天(泥)「そして、恐ろしく鈍足で、一発攻撃を貰えばすぐにダウンします。
……破壊される、のほうが正しいですか?」
佐天(泥)「本体より数段劣る能力ですが、攻撃威力は逆立ちしてもあなたは勝てません。
ですから、動きで攪乱して裏を取り、確実に攻撃を当てちゃってください」
食蜂「え、え、えええっ!?そこまでばらして、いいのぉ?」
佐天(泥)「……おそらくここまでしても、まず負けませんがね」
麦野「へええ、相当舐められてるみたい、ね……」 ピキピキ
佐天(泥)(いやいや、むしろ事を急いでいるために私自身が
『あなたとの戦力差』を舐めてるんですが。…死なないで、くださいよ?) タラリ
御坂「だ、大丈夫なの?」
佐天(泥)「心配なさらず、御坂さん」
佐天(泥)(スタスタ)
★「……まあ、超電磁砲。見て居たまえ」
★「ときに、システムスキャンのLv.5の判定基準を知っているか?」
御坂「え?…戦闘力だけでなく、科学発展貢献の期待度を吟味した基準、だっけ」
★「そうだ。…逆に言うと、科学関連を抜きにすれば」
★「Lv.5だからといって、一概に戦闘力が強いとは言えない」
食蜂「むう、もしかして私がそうなのかしらぁ」
★「ところが…佐天や泥佐天の能力は、『科学発展貢献の評価が0点』だ」
御坂食蜂「「……えっ」」
★「純粋に…戦闘力の一本勝負で、Lv.7やLv.5を手に入れている」
★「もしも『同じLv.5』だからといって、攻撃のぶつけ合いでもしようものなら…」
御坂「…………」 カンキャクセキヘ イドウ
御坂「……!?」
佐天(泥A)「いよいよ始まります、泥佐天とLv.5との一騎打ち」
佐天(泥A)「実況・解説はこの泥佐天と」
佐天(泥B)「この泥佐天がお送りします」 バーン!!
佐天(泥B)「泥佐天だけに本体反逆の罪は被せません。一蓮托生です」
佐天(泥B)「なにより彼女は泥佐天の中でも新参中の新参…」
佐天(泥A)「成長本体を反映して泥佐天の中で一番強いということですねえ」
佐天(泥A)「いやあ、全部『泥佐天』呼びだとややこしいですね泥佐天」
一同(ポカーン)
佐天(泥C)「お飲み物はいかがですかー」 スッ
御坂「え、あ、うん。頂くわ」 サッ
一方「お、おゥ」 サッ
御坂「…………本当にいっぱい、いるんだ」
佐天(泥C)「シスターズとは似ているようで違いますけど、ねえ」 ニコニコ
御坂「妹たちと、違う……?」
佐天(泥C)「シスターズの皆さんは御坂さんのクローンです」
佐天(泥C)「実験うんぬんの過去はさておいて立派な人間であり人権がありますが」
佐天(泥C)「私たち泥佐天は魔術によって束ねられたにすぎない体」
佐天(泥C)「まかり間違っても私たちが人権を叫んじゃいけないんですよ」
佐天(泥C)「影武者となって異形の攻撃を代わりに受け破壊されるのが宿命」
佐天(泥C)「感情も一応ありますが、命は軽いです。軽くなくちゃいけません」
佐天(泥C)「私たちを庇って誰かが傷付くなら、むしろ最大級の侮辱ですねえ」
一方「……そンなことがあってたまるかよォ」
佐天(泥C)「いや、そこは納得してくださいよアーちゃん」
一方「!?」
御坂「…ア、アーちゃんって」 ププッ
佐天(泥C)「これでも本体は計画の全貌を見てきましたからねえ」
佐天(泥C)「あなたの…いえ貴方達のことは子や孫のように思っていますよ」
一方「なっ」
佐天(泥C)「…あ!実験のことについてはお二人には本当に苦労を掛けました」
佐天(泥C)「遅れて気付いた本体がしっかりアレちゃんを折檻しておきましたから」
一方「…アレちゃンって、まさか、理事長かァ!?」 ビクッ
御坂「…うわあ」
佐天(泥C)「おっと、そろそろ試合が始まる予感」
佐天(泥C)「ちなみに、あの泥佐天は御坂さんがお見舞いに行った泥佐天ですよ」
佐天(泥C)「1か月ほど本体が潜入に勤しむカモフラージュってことでした」
御坂「…………そう、なんだ」 ギュッ
麦野「……」 ギリギリギリ
佐天(泥)「…………」 リラーーックス
佐天(泥A)「麦野選手、いきり立っていますねえ」
佐天(泥A)「一方の我らの代表泥佐天は飄々とした顔つき」
佐天(泥A)「この対峙をどうみますか泥佐天」
★「では…試合、開始」 ピーーッ!!
佐天(泥B)「そうですねえ、やはり麦野選手は肉体面以上に精神面で負けています」
佐天(泥B)「その結果慎重になってくれるのならいいのですが…あ」
麦野「…………食らい、やがれーーーっ!!」 バッ
佐天(泥B)「まるで忠告を聞いていない暴走!いきなり正面突破、だと!?」
佐天(泥A)「なんと開幕早々かめ○め波…じゃない原子崩し!」
佐天(泥A)「これには泥佐天も大層驚いた様子、慌てて躱す!」 オオッ
――ドーーーーーン!!(壁に命中)
垣根「なんだ、思いっきり弱腰スタートじゃねえか」 フッ
佐天(泥A)「あ、横槍ですがそれ違います。丁度相殺しきる腕がないだけです」
垣根「?」
★「これを、付けてみたまえ。ようやく完成にこぎつけた」
御坂「……」 スチャッ
垣根「……なんだよこれ」 スチャッ
一方「なンか漫画で見たことがあるなァ」 スチャッ
――――
麦野沈利 Lv.5 HP 30/30 移動1 攻撃射程補正(直線)
攻撃:威力15~30
佐天(泥) Lv.5 HP 5/5 移動 0.5 各種式札劣化使用
攻撃:威力100~
――――
御坂「」
垣根「」
一方「」
★「ちなみに、君たちLv.5集団に第四位以上の火力を持つ者はいない」
★「なんなら、自分たちの実力もそれで測ってみるといい」
★「数値を信じるかどうかは君たち次第だがね」
食蜂「……」 スチャッ
食蜂「…えーっとぉ、もしもあの泥佐天って子の攻撃をまともに食らったらどうなる、のぉ?」
★「威力は、『無防備状態で食らったときのHP減り具合』と取っていい」
★「まともにどころか、可能な限り相殺したところで余剰分で即死レベルだ」
食蜂「ひいいいぃぃ!?」 サァッ
御坂「あ、あはは、Lv.5ってなんなんだろうなー」 カワキワライ
一方「…これに並ばなきゃ、ならねェのかァ」 ゴクッ
★「いや。佐天が語っていたことによると、HPならびに威力数値50以上で」
★「とりあえずなんとかぎりぎり辛うじて使い物にはなるらしい」
御坂「それでも現状とかなり乖離がある気がするんだけど!?」 ブルッ
★「そうだ。だから佐天は最後の最後まで反対した」
――ドカーン!
★「多くの仲間を、同志を受け入れては失ってきた佐天はここ百年以上」
――ドゴーン!
★「たった一人で、魔楼閣は攻略しきってみせると頑なになっている」
★「だが…観察者として佐天を観たところ。頭打ちの気配がする」
御坂「…頭、打ち?」
――ドッカーン!!
★「単純に『倒されたのならもっと修業を伸ばす』というわけに行っていない」
★「佐天自身もうすうす気付いているが、一向にLv.8の壁を超える前兆がない」
★「修業効率を最適化する余地がもう…なくなっている」
★「現状打破には…君たちの力が必要というわけだ」
垣根「…おい、さっき『Lv.7が逸脱した最高』って話になったばっかじゃ」
★「相対的計算で『Lv.8』相当の異形が確認されてしまったものでね」
垣根「…マジ、かよ!?」
★「まあ、おいおい説明するが異形はかなり頭が悪い」
★「注意力も散漫だし、佐天がサシで相手をする分にはLv.8でも十分倒せる」
御坂「……あのー。本体?の佐天さんの能力も表示できるんだけど」 ピッ
――――
佐天涙子 Lv.7 HP 199/199 移動2 各種式札使用
(過去データ) 攻撃:威力150~
――――
御坂「この出鱈目な数値、どう対応すればいいのかなーって」 タラリ
★「ほう、さっそく使いこなしてくれているか。流石」 カンシン
一方「…うおゥ」 アゼン
★「まあ完全勝利にはこちらの不意打ちからの先制一撃が大抵は大前提だがね」
★「だが…Lv.9やLv.10の異形がいたりしたら?私には答える自信がない」
御坂「…………」 イシキ モウロウ
――ドカーンッ ドドドドドドッ!
麦野「アーッハハハ、どうしたどうしたーーっ!」 タカワライ
佐天(泥)(駄目です、流石にここまでされると自覚してもらうもなにもないですね)
佐天(泥)(仕方ありません、1発撃って…少し黙らせましょう)
佐天(泥)(…私たちの攻撃の最大の欠点は『手加減が効かない』ことなんですが…)
佐天(泥)(当たらないように厳重…注意……!) スウ・・・
佐天(泥A)「――!観客席、警告っ!!」
佐天(泥B)「警告っ!」
佐天(泥C)「警告っ!」
一方「……いよいよ、威力100とかいう攻撃のお披露目かァ?」
佐天(泥C)「察しが良くて助かります!」 キンキュウタイキ
食蜂「……」 ガクブルガクブル
佐天(泥)(目標、ロックオン。仰角『逆』補正、30度っ!)
麦野(ふん、ようやく攻撃する気になったと。待ちくたびれたわ)
麦野(さあ、来い!)
佐天(泥)「…………式札、『水蛇槍』――――っ!!」 バシュッ!!
――――轟ッ!!!――――
麦野「…………でやああああぁぁっ!!」
――――シュバッ!!――――
佐天(泥A)「……いけないっ!本当に撃ち合った!」
佐天(泥B)「泥佐天も計算はしているはずですが…!」
麦野「…いっけぇーーーーっ!!」
水蛇槍「あー、結果をドギマギさせる爆発エフェクト出すことすら分不相応ですねー」
水蛇槍「あなたはとっとと霧散してください、進路を空ける!さっ、さっ」
原子崩し「は、はい」 シュウ・・・
麦野「」
麦野「…………え」 クルッ
麦野「なに、今の」
佐天(泥A)「麦野選手、後ろを振り向いて唖然としております」
佐天(泥B)「後ろの壁がグチャグチャになっていますね、威力を実感し…」
佐天(泥B)「……ア レ イ ス タ ー さ ー ん ?」
★「……っ、無茶を言わないでくれ!耐える壁なんてそう簡単に造れるかっ!魔楼閣が異常なのだ!」
佐天(泥B)「…私は古参なのでよく知らないんですが、闘技場として完成してるはずじゃ」
★「……破壊されるたびに私が苦労して修復しているのだよ…」 ガックリ
★「無駄に壁の厚みがあって強引に凌いでいる」
佐天(泥B)「なんだか凄くダサい耐え方ですねえ」 ハア
★「ぐっ…」
一方「…………今の、見たかァ」
御坂「…………見た、わよ」 マジマジ
垣根(…やべえ、超やべえぞ今の。信じるよ、信じるしかねえだろもう) タラ
削板「うおおおおおおおお!かっこいーーー!!」 カンドウ
食蜂「――――原子崩しで何ともなかった…壁が」 ガクガクブルブルガクガクブルブル
一方「式札ってのを飛ばしたと思ったらァ、青光りを纏って一条に走り出して」
一方「原子崩しを力で一瞬で捻じ伏せやがったァ……!なンなンですかァ!」
御坂「……これが、佐天さんの、生きる、世界なのね」 ビリッ
御坂(一刻も早く逃げ出したい…何もかも忘れて眠りたい)
御坂(…でも。逃げ出したりなんか、しない) ギッ
麦野「――――」
佐天(泥)「麦野、さん」
麦野(ハッ!)
麦野「……お前」 ギリッ
佐天(泥)「分かりましたか、これで」
佐天(泥)「あなたが対峙している者の出鱈目さを、自分の弱さを」
麦野「……もう、一度だ」
佐天(泥)「……は」
麦野「もう一度今の攻撃をやってみろってんだよこの馬鹿があ!」
佐天(泥)「……正気ですか?」
麦野「今度こそは跳ね返す!だからとっととやりやがれ!」 クワッ
佐天(泥)「馬鹿ですねえ、無謀ですねえ」
佐天(泥)「何度も言うように、威力で私に勝とうなんて無理なんです」
佐天(泥)「おまけに…あなたの能力は、出力を上げれば上げるほど――」
佐天(泥)「…己の体を破壊し、破壊しつくし、やがては死に至らしめる」
佐天(泥)「…そこまでしてもなお、私には今の所撃ち勝てはしない」
佐天(泥)「この私でも、本体までは程遠いというのに」
麦野「うるさい、うるさいんだよ!」 チバシリ
佐天(泥A)「麦野選手…頭が現実を受け入れられないか」
佐天(泥B)「もっとも、麦野選手が一番感情的なだけで」
佐天(泥B)「誰しも似たような感覚には陥ると思いますがねえ」
佐天(泥C)「一番感情的なのはアーちゃんなんじゃ…いたっ」
佐天(泥C)「一方通行さん!私、消滅しちゃったらどうするんですか!」
一方「…………」 プイッ
御坂「何やってんのよ…」
――冗談じゃ、ないわ。
アイテムのメンバーとつるみながら。
時には上位の輩に喧嘩も売りながら買いながら。
Lv.5として、この麦野沈利は戦ってきた、闘ってきた。
――いつも余裕な、訳じゃない。
競り負けて死にそうになった回数も少なくない。
…それでも。毎度毎度、悔いのない戦闘内容だとは思ってる。
体の随所にいつだったか、刻まれた傷が私の誇り。疼く痛みが私の支え。
赤子の手をひねる、という言い回しすら受け付けないやられっぷりは、
絶対に許しておけない。自我が――保てなくなりそう。
――促される形の相手が渋々、本当に渋々攻撃を再開する。
見切れない、躱せない、掻き消せない。何度やっても。
学習できるできないの次元じゃ…ない。アイツの気まぐれで当たらない、だけ。
そして、危険を承知で飛び込もうという動きが本能的に抹消される己が憎い。
――闘いっぷりを見て、外野がうるさい、ウルサイ。ああ、ウザイ。
さぞや滑稽に見えるだろうな、デカい口叩いて、反撃1回で放心なんて。
口に出さずとも。降参しろ、諦めろという雰囲気がありありと見て取れるんだよ。
だが…それでも。私には、一矢報いてやらないと死も同然という『縛り』がある。
自分ルール?当たり前だろ、自分がルールで何が悪い。そうやって生きてきた。
幸い、私のせいで直接他の誰かがくたばるような場面じゃない。死の責任は――自分のみ。
――正直、ここには好奇心が勝った。言うほど義の心でやってきたわけじゃない。
その義の心とやらを前面に押し出す第三位が何か叫んでいる。
だが、どうでもいい。ボコられ準備万端の私がいて、ボコってるお前がいる、それで十分。
膝の震えもお構いなしに。ひたすらに、私は、頭に血が上っていた。
麦野「まだまだぁっ!」 ビシッ
――ズガガーーンッ!
麦野「まだ、なんだから」 ヨロッ
――ズガガガーーンッ!!
麦野「…ハアハアハアハア・・・まだ、なの、よ」
――ズガガガガガガガガッ!!
御坂「……第、四位」
食蜂「もう私、見ていられ、ない」 グズッ
垣根「――奇遇だな第五位、俺もだ」 クソッ!!
麦野「……ひっぐ、まだ、って言ってる、で、しょうっ――!!」 ボロッ!
麦野「とっとと――ずずっ、攻撃、ぐずっ、してこい、よぉ!」
佐天(泥)「麦野、さん――」
麦野「ぐずっ、なんで――なんで、私、こんなに、弱いの――!」
トンッ…
佐天(泥)「…あ」
一方「お前は弱くねェよ第四位。目の前の奴が強すぎるだけだァ」
一方「そうじゃねェなら、俺たち全員が弱いんだァ」
一方「誰もお前を馬鹿にしちゃいねェ、この辺でやめとけ」
佐天(泥)「…一方通行さん」
一方「攻撃を当てられてもいないのによォ、見せつけられるだけで」
一方「ここまで疲弊するたァ、とンでもねェ」
――――ゆらり。
麦野「あ、あ、あ――」 ヘタリ
佐天(泥)「麦野さん!?――よかった、気絶しているだけですか」
佐天(泥)「――皆さん。まだ疑っている人、いますか?」
一同「ブンブン」
佐天(泥)「荒療治ですが、初回は思い切り叩き潰させてもらいます」
佐天(泥)「まず、否応にでも実感してください、これからの危険を」
佐天(泥)「胸に刻み込んでください、明確な覚悟を」
佐天(泥)「己の弱さをしかと認めたうえで、強くなろうとしてください」
佐天(泥)「それが――ひいては皆さんの生存確率に直接響きます」
佐天(泥)「決して私は本体と比べて判断は甘口ではありません」
佐天(泥)「そして、私は皆さんが強くなれると信じています」
佐天(泥)「さあ、続いてのチャレンジャーはどなたからでも構いませんよ?」
――静寂と、喧騒が空気を支配する。
・・・・・・・・
・・・・・・・・
午後 6時
御坂「――――つか、れた。死ぬ…」 ボロッ
一方「――――っつゥー。慣れない動き、するんじゃ、ねェなァ」 ボロッ
削板「やばい凄いカッコいいやばい凄いカッコいい」 キラキラ ボロボロ
一方「――オマエ、何、してンだァ――」 ゼェゼェ
削板「余りの凄さに感動しながら絶望しながら反省を込めて腕立て伏せだ!」
垣根「――ああ、そうかよ――既に、ボロボロ、なのに、よく、やるぜ…」 ゴホッ ゴホッ
食蜂「私は、戦闘パスできて、よかった、わぁ」 ホッ
佐天(泥)「食蜂さんの場合、下手すると自殺に追い込みそうですから」
佐天(泥A)「戦闘力皆無なのもわかりきっていますし」
佐天(泥B)「しかし、本番では非力ながらみんなと一緒に潜入の身という事実」
食蜂「――正直、昏倒しない自分を、ほめてあげたいわぁ…」 ガクガク
★「しっかり恐怖心を植え付けられたようだな」
佐天(泥)「それは、もう♪」 フンフン!
御坂「とりあえず、今日はこれでようやく…」
佐天(泥)「帰れませんよ?」 シレッ
御坂「……ええっ!?」
佐天(泥)「帰しませんよ?」 シレッ
御坂「なんかきつくなった!?」
佐天(泥)「始めが肝心ですから。まずは1週間泊まり込みです」
佐天(泥)「既に泥佐天たちが関係者には学校含め連絡に行っていますよ」
佐天(泥)「歯向かおうとすると学園都市から永久追放の後泥佐天が暗殺しに…」
御坂「じょじょじょ冗談に聞こえないわ!」 ドンビキ
御坂「…ううん、覚悟決めたんだもの。このくらいは当然よね」
佐天(泥)「その意気です御坂さん…ごめんなさい(ボソッ)」
佐天(泥)「さあ、夕食の後は各種異形の研究会です。頭を使う番ですねえ」
御坂「……まだ今日が終わったわけですら、ないんだ」
佐天(泥)「そして――名誉ある食事当番係は――」
・・・・・・・・
・・・・・・・・
~地上十階~
上条「いやあビリビリ、キグウダナア?美味しく出来たと思うぞー」 エプロンスガタ
一方「さ、三下ァ!?」 ナゼ!?
御坂「…ええっ!?」 ダマッテタノニ!?
御坂「……なんで、なんでアンタがここに、いるのよっ!」
上条「うおおっと!コンロそろそろ止めなきゃ!ちょっと待ってくれぇ!!」 ダダッ
御坂「…ちょっとおーーーーーーっ!!」 ガーーーッ!
一方御坂「「でもよくよく考えるといつか現れる気はしたなァ(わね)」」
上条「だろ?つーかお前ら、黙ってるなんて酷いじゃないか」 モドリ
禁書「ごっはん、ごっはん!大量に用意したんだよ!」 ソウカン!!
上条「こちらの…でいいんだよな、泥佐天さんにさ」
上条「見舞い代行の果てに拉致られて数日」
上条「どっかの誰かさんに俺の家を差し押さえられて強制移転しましたよ、ええ」
★「…………」 ヨコメ
御坂「ってことは、このちびっ子ともどもここに棲み出すってこと!?」
上条「単位の便宜とかちらつかせられたからじゃ決してありませんよ!」 アセッ
一方「ちらつかせられたンだn」
上条「シャラップ!」
御坂「そ、そっかあ。わ、わたしもここに棲もうかしら」 テレテレ
垣根「おい第三位」 シロメ
御坂「ってことは、佐天さんの事情はもう……」
上条「――当たり前、だろ。聞かされたよ。その意味でも俺がここに居るのは必然だ」
上条「――俺は、佐天さんたちを、救いたい」
上条「これからしばらく、よろしく頼むな2人とも。そして、Lv.5の皆さん!」
佐天(泥)「上条さんには食事の他に。実は、皆さんに先んじて」
佐天(泥)「異形についての座学を学んで貰っているところですよ」
佐天(泥)「なにかと効率が良いかと思いまして」
佐天(泥)「じきに、異形代わりの絡繰りとの実戦を皆さんにしてもらうのですが」
佐天(泥)「初心者視点からの指示、ナビを監視室から飛ばしてもらいますよ」
佐天(泥)「私たちだけだとどうも偏重しそうなので」
佐天(泥)「責任重大ですから、ない頭使って頑張ってくださいねえ」
上条「酷いや…」
麦野「……………………」
――じっと、鏡に映る憔悴しきった顔を見やる。
何時の間にか意識が飛んでいて、次の瞬間晩飯模様。なんだ、そりゃ。
ただただかつてない無気力に苛まれ、それでも強引に顔を整える。
結局私以外の面子も扱かれたようだけど、どう顔合わせしてよいかも分からず
一目散に化粧室に逃げてきたお間抜けな状態。
なまじ中途半端に冷静になったせいか、ますますえげつねえ暴虐妄想が湧いてくる。
頭を抱え、大振り一つ。さらには壁に、どちらも砕けよとばかりに頭突きを一つ。
鈍い音。刹那呻いて、思わず抑えた手から赤い液体が滴り落ちる。
…クソ堅い壁だな、こんちくしょう。
しばらく悶えていたら、なんだか――心の靄が消えていくのが分かる。
こんなことありえない、でも目の前の出来事を信じないほど馬鹿じゃないわ。
とにかく、私の目標が決まった。――存在意義が、決まった。
あの女の言う通り、一方的過ぎた試合に凄まじく感化されたようね。
何か月だろうと何年だろうとここに篭って、あのムカつく女を伸してやるっ。
意地でも根性でもなんでもいい。離脱だけはしない、絶対に。
レベル5だからと胡坐をかいていた過去の私に――サヨウナラ。
麦野(…パチーーーーン!!)
麦野「うっしゃあ、気合い入った!覚えてやがれ、泥佐天どもっ!」
――ようやく、笑うことができたのかしら。
麦野「それじゃとっとと旨い飯にでもありつ…」
ド ク ン ッ ・ ・ ・
麦野「」
麦野「」 ガクガク
麦野「――――は、はは、タイミングによっちゃ失禁ものだろーが、この威圧」
麦野「なんでお前らは、私の、気力、削ごう、と、するんだよ、まった、く…」 フラッ・・・
ガシッ・ ・ ・
「…あらあら、どうして――あなたが、ここに、平然といるのでしょうねえ」
「運んで――あげます、ねえ?」
「あの子には、あの子たちには…楽しいお仕置きが、待っていますね、ふ、ふ、ふ…」 ユラァ
佐天涙子――『肉体のみ』無事に完治――。
俺、上条当麻。――ソレは、唐突に起こった。
麦野さんがいつになったら戻ってくるかなーなんてことを考えつつ
妙に顔を赤らめる御坂を宥めつつインデックスの涎を拭きつつ。
メシをドデカイ食卓に並び終えて待っていたところに、突然の殺気。
…尋常なもんじゃない。――幻想殺しが働く俺だからこそリカバリ早いが。
あれだ、『オマエ、死んだな』って言われて納得しちまうような鋭さ。
一方通行が白い顔を益々蒼白にさせている、食蜂は泣き喚きだしてしまった。
間違いない、これは、あのときの。…いや、それ以上!?
悲しみという要素でなく怒りという要素、まさに精神に殴り掛からんとする大気。
言葉がアホみたいで…申し訳ない。とにかく、 ヤ バ イ。
――あ、フライングで結局食い出してたインデックスが吐いた。これだけで凄いと分かるな、うん。
禁書「ト、ドウマ、この吐き気眩暈腹痛をナンドガ、ジテ、ボジイ、ガ、モ」 ゼェゼェ
上条「…せめて食わなきゃマシだったのに」
アレイスターは、平然と議長席ポジションに佇む。全て得たりと言わんばかりに。
泥佐天たちは――何かを悟ったかのような面持ちで。
眉1ミリ動かすことなく、じっと。立ったまま待機中。
そのうちの1人…さっきまでみんなとドンパチやってた個体、だっけ。
扉の方に一歩歩み寄ったかと思うと、スウッと正座をしてのける。
何人かの泥佐天が追従しようとしたのをやんわりと押し留め。
どうした、と尋ねることも俺たちにはできず、時間がカチリ、カチリと過ぎていく。
立派な掛け時計が秒針をぐるっと2周巡らせるころ。
重低音とともに、扉がゆっくりと、ゆっくりと開いた。
それとともに、思わず目を瞑ってしまうほど殺気はますます膨れ上がってゆく。
恐る恐る目を開けてみれば…麦野さんを背負う女性が一人。
どうしてだ、中学生と知っているはずなのに。ひたすらに脅威。
何故だ、見かけは優しく微笑んているはずなのに。ひたすらに冷酷。
光の灯らない絶対零度の瞳が俺たちを射抜き…次の瞬間。
――泥佐天が、宙を舞っていた。
ドシーーン・・・
御坂「――え、ええっ」
佐天(泥)「がああああああっ…!!」 カタヲ オサエテ
御坂「佐天さん!?…じゃなくて、泥佐天っ!!」
佐天(泥)「――――っ!!――――っ!!――――っ!!!」 モダエ
佐天(泥)「――――」 ユラリ
佐天(泥)「……ほ、ほんたい。泥佐天の痛覚、なんであるんですかぁ…」
佐天「――何を、今更言ってるのかなあ?」
食蜂「う、腕が…いやああああああっ!!」 シッシンスンゼン
佐天「飛び散る血や肉はすぐに泥に戻るんで大してグロくないですよー」
佐天(泥)「――そうですけど、そういう問題じゃ、ない、気が…」 ヨロヨロ
佐天(泥)「いや、はや、胴に当てて速やかに破壊すればよいものを」 サラサラ・・・
佐天(泥)「わざわざ、腕一本、引き千切って痛めつけるとはエグイですね、いったぁ…」
――なんというか。たたただ、佐天さんは怒っていた。猛烈に。そう言うに尽きる。
Lv.5だなんてなんのその、一瞬で周囲を金縛りにさせた彼女は。
せっかくアイツが作った料理を巻き添えで駄目駄目にしながら…
ひたすらに泥佐天に攻撃を仕掛ける。仕掛ける。仕掛ける。
あーあ、自分に裏切られるなんて、という声が聞こえた気がした。
台詞こそ呑気だけど、やっていることは最上級に猟奇的。
お札を投げる。「わざと」掠める。泥佐天の右頬が、歯が見えるほど抉れた。
直接締める。間接…があるのかわからないけれど、有り得ない方向に曲がる。
今度は脚を狙う。吹き飛んで。そのままもんどりうって倒れ込む。
そのたびに、泥佐天が悲鳴を上げる。絶叫し苦痛の叫びを上げる。
…泥佐天が普通の人間だとしても、同じことをしていたのかな。
私たちは他の泥佐天たちに誘導され、大部屋の隅で震えることしかできなかった。
さっきまで、私たちを散々苦しめていた泥佐天が超簡単にあしらわれてる。
まさに次元が違う。これがLv.7か。文句を言う余地もろくにない。
でももうやめて、こんなの私が知ってる佐天さんじゃない!
…そう叫んで飛び出て行きたいけれど。絶対無理!
ただ、泥佐天は――泣き叫びながらも。
佐天(泥)「本体の…ためだったんですよっ!反省すれど後悔はありませんっ!」 キッ!!
すさまじい意志は健在で。理不尽とも思わずに真剣に、佐天さんと向き合って。
耐える、耐える、耐える。
耐える、耐える、耐える。
呆れる位、耐え凌ぐ。
生かさず殺さずで佐天さんが仕掛けているということもあるけど。
心が折れていないというのは、信じられない。
何度だって、まさに身を削りながら、四つん這いからでも立ち向かってる。
こんなとき真っ先に止めに入りそうなアイツは。
拳を白くなるまで固く固く握りしめて、涙目で必死に傍観者に徹していた。
上条「佐天さんっ――!泥佐天っ――!!俺は、耐えるぞ――」 ギュウウッ
やっぱり流石ね、と思ってしまう。でも、その行為が、ちょっぴり勇気をくれる。
アイツに倣って、徐々にみんなが、この爭いを目に焼き付け始めた。
目をそらしちゃいけない、これからのために。
――そう、みんなが。いつの間にかのそりと起きた第四位も。
戦いと聞けば真っ先に真っ青になって逃げるだろう第五位も。
本当にLv.5陣営が心を一つにした瞬間かもしれないわね。
かれこれ1時間は過ぎたろうか。徐々に攻撃が雑になり、弱まっていく。
佐天さんの実力を考えるに、疲れたってことはないはずね。
その証拠に――、佐天さんの頬がいつの間にか濡れている。
きっと。痛めつける意義を見出せなくなってきてる。そうであってほしい。
そういえば、佐天さんって肉体的にもとんでもない運動神経してたんだ。
そういうことにようやく気付いたさなか、初めて佐天さんの拳が空を切った。
勢い余って床に着けた手。その手を、信じられない物を見るかのように見る。
意識が朦朧としだしたのか、焦点が合わなくなり…
スッ、と近づいた泥佐天が、おでことおでこを当てた。…コツン、と。
俯きかけた佐天さんが、ゆっくりと、顔を泥佐天に向ける。
佐天「…なん、ですか」
佐天(泥)「…仕方ない、じゃないですかあ、両腕とも、もう、残ってないんですから、この通り」
佐天(泥)「――うわあ、頭部も酷いですねえ、もはや、別人に、成り果てました」 ペタペタ
佐天(泥)「ぶっちゃけ破壊される覚悟はありましたが…もう、やめにしましょう。ね、本体」
佐天「――――ぐずっ」 ペタン
佐天(泥)「…回答、は?」 サァ
佐天「…………わかってる、わかってるんだよ、私だって!」 ハアッ ハアッ
佐天「自分一人で頑張るだけじゃ限界が来ることくらいっ!」
佐天「でも…でも、もう友達を、仲間を、同志を、巻き込まないって決めたっ!」
佐天「だから、勝手に巻き込んだアナタが絶対に許せないっ!!」
佐天「そんで、もって…そう判断させた私自身が、何よりも許せないっ!!」
佐天「どうしたら、いいって、いうのよっ!!」
御坂「佐天さん…」 ウルッ
★「笑えよ、佐天」
上条「へ?」
一方「あァン?」
御坂「何、それ?」
★「……間違えた。笑えば、いいんじゃないかな」
★「――時は、来た」
★「本当の本当に、他者を頼ってもいい局面となったやもしれない」
★「佐天、絶望より先に、もっと人を頼れ。仲間を信じろ、実力を侮るな」
佐天(泥A)「珍しくアレちゃんがいいこと言いましたねえ」
★「外野は黙るように。――その、なんだ」
★「私も、数多の計画で試行錯誤を繰り返してきた」
★「私を信じてほしいという想いも僅かながら込められてはいる」
★「そして、存在意義をなくしたと早合点するあまりの自虐行為は――」
★「私の屍晒してでも食い止めさせて、もらおうか」
佐天「…………」
上条「――――」 ザッ
佐天「――ぐずっ…ふふ、滑稽でしょう幻想殺しさん?レベル7と揶揄されておきながら」
上条「……」
佐天「私も、Lv.0を偽ってきましたからわかります」
佐天「学園都市内で、どれほどレベルカーストが蔓延っているか」
佐天「でも…強大過ぎる敵の前では所詮ちっぽけな争いでしかない、んです」
上条「…俺は、そんなことが言いたいんじゃ、ない――」
佐天「――では、貴方のお決まりの説教ですか?お生憎様ですが――」
佐天「私ほど齢を重ねますと、何を述べようが稚拙に過ぎて、釈迦に説法というもの、ですねえ」
御坂「…それは、どうかしらねえ?」
一方「ヒーローの愚直な論破術はよォ…確かに穴だらけの蜂の巣かもしれねェが」
★「年齢とか経歴とか放り出して心に響く何かをもっている―そうだろう?上条当麻」
上条「ったく、勝手にハードル上げやがって…」 フウ
上条「――なあ、佐天さん。確かに俺の説教は冗長かもしれねえ」
上条「今でもあんまし信じられないけど、500年以上生きてんだろ?」
上条「常人じゃない、さすが天の子だと何度も思いそうになったけど」
上条「俺が偉そうに何かを語れる筋合いなのか不安だったけど」
上条「ちょくちょく見せる怒りや悲しみ…」
上条「普通に日常生活を送ってた頃に見せてた喜怒哀楽…」
上条「なんだかんだ言って佐天さんだって人間だと、おれは実感し直した」
上条「それでも、佐天さんにとって一考に値しない可能性は健在だろーけど」
上条「…いや、健在だろーから、俺には珍しく超短く言わせてもらう」
佐天「――?」
上条「――生きようぜ、現在(いま)を」
佐天「――生きる、ですか」
上条「そうだ。今の佐天さんは、言っちゃ悪いが『死んでいる』と思う」
上条「たとえ命が持っていても、心臓が元気に動いていても、さ」
上条「自分は周りの人間と腹を割って付き合う価値がないんだって自虐して」
上条「一人孤独にでなんでもかんでも解決しよう、なんて引きこもってたら」
上条「その人間はきっと『生きている』とは言わない」
上条「みんなが自分の存在を認めてくれて、お互い支え合う――」
上条「それが、『生きている』証なんじゃ、ないか?」
佐天「――『人という字は人と人が支え合ってできている』とでも言いたい、と」
上条「偉そうな口を叩くと、死んでいった同志の呪縛から逃れられないんだろうけど」
上条「――まさに、そうだ。支え合ってこそ、見えてくるものは一杯ある」
上条「佐天さん、同志たちが死ぬ間際に、助太刀を後悔したと思うか?」
上条「こんな話聞いていないと、佐天さんを恨みながら死んでいったと思うか?」
佐天「っ、それは――」
上条「そんなこと考えるような奴だったらそもそも仲間になってないだろうよ」 ボソ
上条「せいぜい、俺が未熟だったばっかりに、とか、不甲斐ない己を悔いたと思う」
上条「佐天さんに着いて行くことで、何かを得るかもしれない、死ぬかもしれない」
上条「――それは着いて行った者の勝手だろうって話だ!」
上条「佐天さんはさ、あれこれ苦悩せず、目の前の敵を見据えて」
上条「着いてきたけりゃ着いて来いっ!って、ドーンと構えてりゃいいんだよっ!」 フンッ
上条「できれば着いて来てほしいなぁ、みたいな期待の目をチラリと向けながら、さ?」 ニヤリ
佐天(泥A)「…なんだか、上条さんが言いたいこと言いたくないことを全部言ってくれた気がします」
佐天(泥B)「さすが、学園都市一のペテン師!」
御坂「フフン、これがコイツの真骨頂よ」
垣根「おーすごーい(棒読み)」 パチパチ
一方「結局超短くはなかったなァ?期待はしてなかったがよォ」
削板「いやっ!そげぶがないだけでも超短くなったとわかるぞっ!」
麦野「お、マジだ」
食蜂「これは雨が降るかしらぁ、外の確認ってできる?」
上条「ひっでえぞ泥佐天+α!?人が遮二無二頑張ってんのに!?」
御坂「だってー、分かってはいたけど1人で全部持ってくんだもん」
上条「別に持って行きたくて持って行ってるわけじゃあ…」
禁書「とか言いながら実は最近は注目集めに快感を覚えてたり」
上条(何故それを!?) ビクッ
禁書(フフフフフフフフ) ニタァ
上条(ってか、その空いた皿の山なんだよ!?いつの間にか避難させて食ったな!?) ガーン
上条「コホン。――あー、ともかくだ。生きようぜ、佐天さん?」
上条「もっと頼って頼られて、生きがいを感じながらさ?」
上条「どうせ、今回の件で絶望しながらも……」
上条「いいさいいさ、私一人が犠牲になって延々と退治していけば…みたいなこと」
上条「思考停止で考えかねなかったんだろ?そして完全に心は闇の中…」
上条「崖っぷちで助かったってことだ、うんうん!」
上条「いよいよ一致団結して事に当たるターンですよ!」
上条「理事長さんの言う通り、俺はともかくとして…」
上条「こいつら、中々同志として仕上がってるんじゃないか?」
★「そのとおr」
佐天「あ、いえ、それは絶対ないです」 キッパリ
★「」
上条「」
Lv.5勢「」
禁書「ば、バッサリ言ったかも…」 ゾクッ
佐天「……………………」
上条「……………………」 ゴクリ
佐天「…………はぁ」
佐天「なんだか、上条さんに毒されだした私がいますねえ」
佐天「私も落ちぶれたものです――」
上条「!!――じゃ、じゃあ!」 ガバッ
佐天「とりあえず、絶望に打ちひしがれるのは…やめにしようかなーって思います」
佐天(泥)「ほ、本当、ですか本体!?よかった――」
佐天「…結果が不変なら、絶望するよりは希望を持った方が建設的ですから」
佐天「あ、絶望するのが馬鹿らしくなった、とか叫んでおくと喜びますか?」
佐天「幻想殺しくんだけじゃない。あの人たちを見てると…なんとなくそう、感じました」
佐天(泥)「そう、ですか――本当に良かったです。これで――」
――――スウゥゥゥ――――
佐天「…泥、佐天?」
佐天(泥)「心置きなく、消滅、する、ことができます――」 サラサラ・・・
上条「そ、そういや泥佐天の手当て!?まずいぞ!?」
御坂「ど、泥佐天!?待って、消えないでっ!?」
佐天(泥)「いえ、自己修復などできませんし――もともと消える運命、でした」
佐天(泥)「ここまで持ったのが奇跡、なんで、すよ――」 サラサラ・・・・・・
佐天(泥)「他の泥佐天も一蓮托生、とまでは、やはり言えませんが」
佐天(泥)「少なくとも、私は、反逆の報いは受けて然る、べき――!」
佐天(泥)「御坂、さん。お見舞い、嬉しかったですよ――」
佐天(泥)「ここだけの話、本体はあのお守りのおかげで、救われ、ました――」
御坂「そんな…待ってよ、お願い、お願いだからあっ!!」 グズッ
御坂「まだ、貴方の死は受け入れられないっ!もっと話がしたいっ!」
佐天(泥)「ふふっ」
佐天(泥)「それ、では……みなさん」 スウゥゥゥ
佐天(泥)「さようなら……」
佐天「しかし 逃げられなかった!」 ポワーン
佐天(泥) HP 1/5 → 5/5 全回復!
佐天(泥)「」
佐天「囮に放ってるならともかく、目の前の泥人形は修復できるように改良してますよ?」
佐天(泥)「な、な」 プルプル
佐天「一番新参で強い泥人形を見捨てるだなんて勿体ない」 ニヤッ
佐天(泥)「だからなんで私の頭にその知識がないんですかあああああっ!!?」
御坂「泥さてーんっ!!!!!!!(泣)」 ダキツキッ
佐天(泥)「御坂さんやめて!?無茶苦茶恥ずかしいので!?」
――ギャーギャー!
上条「あは、佐天さんや泥佐天が時々見せる年相応?のリアクションいいな」
一方「――そゥかい」
上条「これで、なんとかハッピーエンド、かな?」
一方「おィ…ふざけンなよ、まだ事件解決に向けての動き自体は始まってもねェぞ」
上条「…おおう、そうだったそうだった」 ギョギョッ
一方「だがまァ、一歩進んだのは確かだぜえェ。…結局オマエに助けられたなァ」
禁書「そーだよそーだよ、自信もってトウマ」
上条「そう、だな。ああ、俺にもできることは色々とあるんだ!」
上条「とりあえず、迅速に晩飯を作り直すぜ!佐天さんも食うだろ?」
佐天「…………ふむ」 シアン
佐天「ええ、そうですね。お手数お掛けしますが有難く頂戴します」
上条「…あり?そ、そういや、今の今まで流してたけど――」
上条「私たち、敬語を使った方がよろしくはないのでせうか…?」
佐天「あ、いいですよいいですよ、中学生の佐天涙子として扱って頂ければ」
佐天「堅苦しいのは嫌いなんですよねえ」
佐天「――ただ…『佐天さん』まではお願いしてよろしいですか?」
佐天「正直、事情を知る者と『佐天』と呼び捨てられるほどの親しい間柄を作るのは」
佐天「…未だに怖くて…怖くて、たまらないんですよ、お恥ずかしながら」 ブルッ
佐天「アレイスターにも、何十年も頼みに頼み込まれてようやく許したほどですから…」
上条「……分かった。佐天さん、でいいんだな。でも…」
上条「その心の壁を埋めるために俺たちがいるってのは忘れないでほしい」
佐天「…そうです……ねえ。そうあってほしい、です」 フウ
上条「まあともかく、一緒に飯食う仲になって」
佐天「…はあ」
上条「一緒に異形についてあれこれ議論して」
佐天「…………」
上条「一緒に異形を倒していくぞー、オーーーッ!!!」
削板「オオオオオオオオオーーーーッ!!」
御坂「……ぷぷっ……おーーーっ!」
佐天「は?いや、認めませんよ?」
上条「…………え」
削板「」
御坂「」
佐天「あらあらまあまあ、かんっぺきに誤解されてるようですねえ」 アチャー
佐天「私は絶望するのをやめて、新たな意義を模索しつつ進むと言ったまで」
佐天「もしかしたら、皆さんに悩みを打ち明けたりはするようになるかもしれません」
佐天「それだけでも結構な進歩ではないですか」
佐天「ただし!潜入自体は、これまで通り指一本関与させません、よ?」
佐天「泥佐天が何を吹き込んだか知りませんが…いえ大体予想はつきますねえ」
佐天「貴方達を死地に赴かせるなんて言語道断ってものですよ」
佐天「泥佐天ごときに負けるような人たちが、口を挟まないでください」 クワッ
佐天「……私を軽蔑するなら構いません。とにかく、踏みとどまってください」
――――団欒再開への足取りが止まる。
――――暗い心こそ掻き消えたものの。
――――断固通さじ、という般若の気迫が、ふたたび周囲を凍り付かせる。
御坂「……………………」
――しかし、負けない、少女がひとり。
御坂「その言い分だと、泥佐天に勝てるようになれば、考えてくれるの?」
佐天「まさか。ある程度傾向を熟知すれば泥佐天には勝てないこともないです」
佐天「いいですか?異形は、貴方達の全身全霊の一撃に匹敵する、超越する攻撃を」
佐天「…当たり前のごとくポンポンと繰り出してくるんですよ」
佐天「位置が定かでない異形を暗闇の中から見出すのは地上とは勝手が違いすぎますし」
佐天「この難易度がわからない御坂さんじゃ、ないでしょうに」
御坂「…………ねえ、佐天さん」
御坂「佐天さんが精神的に復活したってことは、とりあえずは」
御坂「現状維持なら難なくこなせるの、よねえ?」 グッ
佐天「…………そういうことになりますねえ。それが?」
御坂「…………(周囲を見渡す)」
御坂「ねえ、佐天さん」
御坂「5年、待っててもらえないかしら」
一同「……!?」
垣根「おいお前、いきなり何をほざいt」
御坂「分からないの?ここで5年間みっちり鍛えて」
御坂「佐天さんの眼鏡に叶うようにしようって言ってんの」
麦野「…お前、5年だなんて、正気か!?じれったいわよ!」
御坂「あんた、今のままで佐天さんの足手まといにならないって言えるの?」
麦野「それは……反論できないけど」 シュン
御坂「正直、10年欲しいくらいよ」
御坂「Lv.5のみんなに聞くけどさ。Lv.6を目指すとして、5年掛かったら長いと思う?」
御坂「雲の上の存在のLv.6よ?私だったら、1週間自画自賛し倒しちゃうわ」
御坂「ここで、そんなことはない、今すぐ仲間になれるでしょう、なんて言ったら」
佐天「…はい、即刻怒り狂って叩き出してましたねえ」 ハハハ
御坂「…………佐天さん」
佐天「……実を言うと、ですね。その発想は、ありました」
御坂「私たちがこのくらいまで強くなれば…ってやつね?」
佐天「アレイスターさんから聞きましたか。その通りです」
佐天「それでも、1か月とか1年とか叫ぶような身の程知らずなら」
佐天「問答無用で白紙にする予定でしたが…5年、ですかあ」
佐天「…………うーん、迷ってきちゃいました。どうしましょう、アレちゃん」
一同「!!!!」
★「好きにさせたらいいんじゃないのか、教鞭なら私や泥佐天で勤まる」
★「佐天は佐天で魔楼閣をたむろしていればいい、そうだろう?」 ニヤ
佐天「…………はは」
御坂「そ、それじゃあ!」
佐天「ここまで頑なだと何を言っても手遅れですねえ」
佐天「…期待しないで、待たせていただきますよ」 ニコッ
御坂「佐天、さん――やだ、こんなに泣き虫じゃ、ないのに――」 ウルウル
佐天(時代が動いて、いるのですか……)
一方「おィこらァ、勝手に話をs」
垣根「ふざけんなよ一人で爆走しやg」
御坂「 D A ・ M A ・ R E 」 チバシリモード
一方垣根「「ハイ」」
上条(KOEEEEEEEー!!)
麦野「……別に5年を3年に縮められたらそれでもいいのよね?」
削板「おうおう、お前もノリ気か!!俺もノリ気だっ!!」
食蜂「5年?5年?えっと、今の年齢からしてぇ…あれ、えっと、うーん?」
禁書「もっと熱くなれよおって空気だね!ワクワクしてきたよっ!!」
上条「だからってまたおなかへったなんて論法は通じないからなインデックス」
禁書「えええーー」
佐天「……………………」
――――これで本当に、よかったのか。
―――ーまた、同志を、仲間を無駄死にさせることにならないか。
――――本当に5年やそこらで一定の所まで強くなれるのか。
――――なれなかったとしたら、彼らの人生を潰しているのではないか。
佐天(さまざまな想いが、激情が、私を揺さぶる)
佐天(他者を頼れ、ですか。思えば、頼ったことなんて…)
佐天(…き、きっとありますよ。さすがに一回や二回は)
佐天(――でも。今のこの流れが、心地よいと感じる私がいる)
佐天(それがいいことなのかどうかは、わからない)
佐天(心地よいと感じること自体が、私の運命なのかもしれない)
佐天(ならば、決めたからには、もう――迷わない)
佐天(魔楼閣の真実を暴くため、私はこれからも走り続ける)
佐天(今回が、私の潜入の終焉になるのかは分からないけれど)
佐天(私は――目の前の、できることだけを、すればいい)
佐天「……うおおおおおおおおお――――っ!」 サケビ
一同「!!?」 ビクッ
★「ど、どうした、佐天?」
佐天「馬鹿みたいに叫んで気合いを入れてみました。それだけ、ですよ」
★「…そうか。馬鹿みたいに、か」 フッ
佐天「さあさあ御坂さん、愛しの彼のご飯を食べに行きましょうか」 コソッ
御坂「…ふえっ!?」 カアアアッ
佐天「長生きしてるって言ったじゃないですか」 コソコソ
佐天「大概の人間関係は網羅つくしていますよー」 ニヤリ
佐天「彼を世界中のどの人が好きだ、とかもねえ」
御坂「」
佐天「さあ、送れると悪いので行きましょうかー」 ダダッ
御坂「……佐天さああああああああん!?」 ダダダダダッ!!
――――佐天涙子の戦いは、新たな幕を上げる。
332 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/09/15 09:22:33 Pp092nGM 302/305作者です。ここまで読んでいただき誠にありがとうございました。
打ち切りとかではさらさらないですが…この先には
Lv.5の修業編、本編の続き(魔楼閣最終攻略)があり
どう考えても長くなりすぎ、切りが悪い模様です。
よって、とりあえずはここまでを完結作part1とします。
続編は「佐天(N)「私、佐天涙子は…天を佐(たす)ける童子です!」の予定。
(Nには時間経過に応じた年齢が入る)
5年間(変更ありかも)と唐突に空けますが、
何度吟味しても、佐天がここまで苦労する魔楼閣で
いきなり現れたLv.5が援護できるというのは不自然になりました。
5年くらい死と隣り合わせの修業をしてもらいます。
腕が悪く申し訳ありません。
よく設定を確認すると、
学園都市って本当に丸いじゃないかとか、
ここの口調変じゃないかとか色々あり凹みましたが、
今後も亀更新ながら続けさせていただきます。
よろしくお願いします。
Lv.5の修業編は、必要かどうかご意見いただけるとありがたいです。
・佐天が軽々倒すような異形に手間取りつつもなんとか倒す
・異形の詳細データをやや詳し目に説明
という流れが割と続きます。…需要はあるのでしょうか。
333 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/09/15 09:26:51 Pp092nGM 303/305佐天の精神的復活が案外あっさりとしすぎたのも心残りですが、
ますます長くなりそうだったため断念せざるを得ませんでした。
もっとうまく葛藤が描ければよかったのですが…。
ともかく、改めまして。ここまで読んでいただきありがとうございました。
334 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/09/15 09:30:57 aSwgwkyA 304/305修業編期待
335 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/09/18 00:16:50 PaGTNfMM 305/305乙
続き待ってる

