鳴「榊原くん、おはよ」
恒一「……見崎、なんで僕の家の前にいるんだ?」
鳴「榊原くんと一緒に登校しようと思って待ってたの」
恒一「家の場所教えたっけ?」
鳴「連絡網に載ってるじゃない」
恒一「いや、確か僕の連絡先は載せるのが遅れていないもの
化のせいでうやむやに」
鳴「ほら、いいから早く学校いこ?」
恒一「いやあの」
鳴「いいから」
恒一「……は、はい」
元スレ
恒一「見崎が案の定ヤンデレだった」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1329675658/
恒一「……、ところで家の前で待ってたってのって何時から?」
鳴「えっと、四時ぐらい」
恒一「そ、そうなんだ……そんなに待たせて悪かったよ」
鳴「いいよ、気にしてない。それに待ってる間榊原くんのこと考えてたら時間なんてあっという間だったもの」
恒一「そう……それならいいんだけど」
鳴「ふふ、榊原くんは優しいのね」
恒一「いや、そんなことはないと」
鳴「そんなことあるの。だって榊原くんはいないものだった私に話しかけてくれたもの」
恒一「いやあれは」
鳴「わかってる榊原くんにとってはただの好奇心だったことぐらいでも私にとって話しかけてくれた榊原くんの存在はとても嬉しかったの最初話しかけられたときは
びっくりしたし怖がらせるようなこと言っちゃったけどクラスで唯一榊原くんだけが私をいるものとして扱ってくれて本当に嬉しかったのそれと実は初め病院で会った時から」
恒一「」
学校・授業中
先生「この文章には倒置法が使われていて――」
恒一(最近、明らかに見崎の様子がおかしい……)
恒一(あのあと結局学校に着くまでずっと僕の話してたし…
…)
恒一(これってやっぱりアレだよな……前友達に借りた漫画に出てたヤンデレとかいう……)
恒一「」チラッ
鳴「……」ジーッ
恒一(ずっとこっち見てる……)
鳴「……」ニコッ
榊原「……」
昼休み
榊原(誰かにこのこと相談したい……でもいないもの扱いの現状じゃなあ)チラッ
小椋「泉美ーお昼たべよー」
赤沢「ええ」
勅使河原「風見! 購買行こうぜ!」
風見「分かったから、余り大声出さないでよ」
榊原(誰でもいいから相談できないかな……)
鳴「――榊原くん」
榊原「っ!!」ビクッ
鳴「お昼、食べにいこ?」
榊原「あ、ああ(いつの間に後ろに……全く気付かなかった)」
何故か途中から榊原になったけどめんどいからこのままいくわ
屋上
鳴「実はね、今日お弁当作ってみたの」
榊原「お弁当? 見崎が?」
鳴「そう。それでよかったらなんだけど、榊原くんにも味見して貰いたいなって」
榊原「でも見崎、料理はできないって言ってなかったっけ?」
鳴「うん、だから練習したの」
榊原「へえ……」
榊原(まさか見崎がお弁当作ってくるなんて……意外だ)
鳴「はい」
榊原「どれどれ……」
榊原(おお、なかなか綺麗に出来上がってるなあ。この煮物とか美味そう――)
鳴「はい、榊原くん」ヒョイッ
榊原「え?」
鳴「あーん」
榊原「え……あ、あの」
鳴「ほら、早く」
榊原「いやあの……恥ずかしいんだけど」
鳴「大丈夫よ。誰も見てないから」
榊原「そういう問題じゃ……」
鳴「いいから」ズイッ
榊原「……」
鳴「ほら」ズズイッ
榊原(なんとなく……逆らったらまずそうな気がする)
榊原「…………あ、あーん」
鳴「ふふ、はいあーん」
榊原「むぐっ」
榊原「…………」モグモグ
鳴「どう?」
榊原「ごくん……うん、美味しいよ」
鳴「そう、よかった」
榊原(うん、普通に美味しかった……んだけど。なんだろう、少し変な味がしたような……)
鳴「ふふふ……」
榊原(……気のせい、だよな)
鳴「ほら榊原くん、もっと食べて」
榊原「あ、ああ」
榊原「ふー……ごちそうさま。結局見崎のお弁当ほとんど僕が食べちゃったね」
鳴「別に構わないわ。もしよかったら、毎日作ってきてあげようか?」
榊原「い、いや、それは流石に悪いからいいよ。おばあちゃんの作ってくれる弁当もあるし……」
鳴「そう……残念」
榊原「」ゾクッ
榊原(な、なんだ今の寒気……)
鳴「…………ふふっ」
放課後
榊原(誰か相談できる人……)
榊原(そうだ! 千曳さんなら話しても問題ないし、見崎のこと相談に乗ってくれるかも……!)
鳴「榊原くん、帰ろう?」
榊原「あっ……えっとごめん、実は今日ちょっと用事があるから見崎は先に帰っててくれない?」
鳴「そうなの? なら私も一緒に行く」
榊原「いや、ほんと大した用事じゃないからさ」
鳴「………………そう」
榊原「う、うん。悪い、また今度一緒に帰ろうな」
鳴「………………うん、わかった。それじゃあね」
榊原「ああ、また明日」
ガラッ ピシャン スタスタスタスタ
榊原「…………」
榊原「さて、図書室行くか」
図書室
千曳「おや、今日は一人かい?」
榊原「はい……ちょっと相談したいことがありまして」
千曳「呪いのことについてかな?」
榊原「いえ、違くて。実は見崎のことなんですが――」
~~~~~
千曳「つまり、最近見崎くんが少し君に付き纏い気味だと感じるのかな?」
榊原「ええまあ……僕の気にし過ぎだとは思うんですけど」
千曳「……あの子は四月からいないものとして扱われていたからね。感情が表に出にくいからはっきりとはわからないが、おそらくそれなりの辛さを味わっていただろう」
千曳「そこに現れたのがきみだ。いないものであるあの子に話しかけて、結果同じいないものになってしまった存在。突然現れた『同類』に、少なからず依存してしまうのも無理からぬ話だと私は思うよ」
榊原「……やっぱり」
千曳「でもまあ、いいんじゃないかい? 君も女の子に好かれると言うのは悪い気はしないんだろう?」
榊原「そりゃそうですけど……なんというか、目に見えない不安があるというか……」
千曳「それこそ考え過ぎだと私は思うけどね。女の子のアプローチは少し過剰なぐらいが微笑ましいものだよ」
榊原「そういうものなんですかね?」
千曳「一概には言えないけどね。少なくともきみから強い拒絶でもしない限り、きみが考えているような恐ろしいことは起きないだろう」
榊原「拒絶……」
千曳「……おっと、そろそろ閉室の時間だ。今日のところはもう帰りなさい」
榊原「……はい、わかりました」
学校玄関
榊原「うーん……やっぱり僕の考え過ぎなのかな……」
榊原(でもなあ……)
鳴「榊原くん」
榊原「うわぁっ!!? み、見崎!? なんで、先に帰ったはずじゃ」
鳴「ずっと待ってたの」
榊原「待ってたって……ここで? 授業終わってからずっと?」
鳴「そう」
榊原「そ、そうなんだ……」
榊原(一時間半近くずっと……ギリギリセーフ……か……? いやいやおかしいだろう絶対)
鳴「帰ろう、榊原くん」
榊原「う、うん。わかった」
鳴「…………」テクテク
榊原「…………」テクテク
榊原(仮に見崎が僕に依存して……つまりヤンデレだとしたら、どうすればいいんだろう)
榊原(千曳さんは強い拒絶でもしない限り大丈夫みたいなこと言ってたけれど……)
榊原(いや、そもそも僕は別に見崎のことが嫌いじゃない……むしろ、す……好きな方だ)
榊原(ちょっと最近の行動が少しこわいってだけだしな……)
鳴「榊原くん」
榊原「え? あ、な、なに?」
鳴「少し公園よっていかない?」
榊原「公園? わかった、いいよ」
公園
鳴「ベンチ、座ろう?」
榊原「うん……」
榊原(流石に日が沈みかけてるこんな時間じゃ、全く人気がないな……)
鳴「そうだ。私、何か飲み物買ってくるね」
榊原「えっ、いやそれぐらい僕が行ってくるよ」
鳴「いいから、榊原くんはここで待ってて」
榊原「う……うん。わかった」
鳴「それじゃ、待っててね」タタッ
榊原「…………」
榊原(……やっぱり、僕の考え過ぎだな)
榊原(僕もいないものになってから見崎が笑顔を見せることが多くなったし、別に悪いことじゃない)
榊原(うん、別になにか被害があるわけでもないんだ。もっと気楽に考えよう)
榊原「……あっ、おかえり見崎」
鳴「ただいま、榊原くん。紅茶でよかったかな?」
榊原「大丈夫だよ。それにしても、見崎は紅茶が好きだね」
鳴「うん。缶だとこれが一番好き」
榊原「ふーん……」カシュッ
鳴「でもね」
榊原「うん」ゴクゴク
鳴「世界で一番好きなものは榊原くん」
榊原「えっ……――――ッ!?」グラリ
榊原「なん、だっ……急に眩暈が……」
鳴「実はね、図書室で榊原くんと千曳先生が話してるの、聞いたの」
榊原「なっ……」
鳴「榊原くん、気付いてた? 制服の襟の裏にね、盗聴器が付いてるの。その様子だと、やっぱり気付いてなかったみたいだね」
榊原「み、見崎………」
鳴「榊原くん、私のこと嫌い? 嫌いだから、私に好かれるのはいやなの?」
榊原「みっ、見崎っ、僕は―ー」
鳴「でもね、もうそんなのは関係ないよ。榊原くん……ううん、恒一くんはこれから私のことがとても好きになる。私がいなきゃ生きられなくなるぐらい大好きに、ね?」
鳴「前から色々と試してたんだ……恒一くんが私のこと好きになるように、っていうおまじない」
鳴「あんなクラスの呪いよりもずっとずっと素敵なおまじない」
鳴「今日のお弁当にもそのおまじないかけてたんだ。でもやっぱりあんまり効果は無かった」
鳴「けど……恒一くんが私の身体の一部だったものを食べてくれてると思うとそれだけで心臓が飛び出るほど嬉しかったよ?」
鳴「恒一くん? 大丈夫? ほら、まだ私の話聞いて? 恒一くんに、私がどれだけ恒一くんのこと好きなのかわかってほしいから」
鳴「これからいっぱい時間をかけて、わかって貰うからね?」
鳴「ね、恒一くん」
鳴「恒一くん」
鳴「恒一くん……恒一くん」
鳴「恒一くん恒一くん恒一くん恒一くん恒一くん恒一くん恒一くん恒一くん恒一くん恒一くん恒一くん恒一くん恒一くん恒一くん恒一くん恒一くん恒一くん恒一くん恒一くん恒一くん恒一くん恒一くん恒一くん恒一くん―ー」
――そうして、僕と見崎はあの本当に『いないもの』になった。
もう学校に行くことも、あのクラスに関わることもないだろう。
あの呪いがどうなるかはわからないけれど、もう僕たちには関係のないことだ。
榊原「はぁっ……見崎……見崎っ……」
鳴「ふふ……いいよ、恒一くん」
榊原「うぅ……すっ、好きだ。好きだっ、見崎」
鳴「うん、私も大好き。恒一くんのこと、大好き」
見崎は案の定ヤンデレだった。
でも、それでよかった。だって僕は、彼女のことが大好きだから……。
HAPPY END
おかしい……鳴ちゃんと恒一くんのイチャラブを書きたいだけだったのに……どうしてこうなった……
やり直すときは自分でスレ立てて書くわ とりあえずおやすみ
榊原「Zzzz....」
見崎「さ~か~き~ば~ら~くぅん」
榊原「ん、う~ん?」ウニャムニャ
見崎「さ~か~き~ば~ら~こ~う~い~ち~くぅん」
榊原「ん~?な~に~?」
見崎「あ~け~て~」
榊原(ん?あけ……る……?)ハッ
見崎「は~や~く~」
榊原「え!?何!?どういうこと!?」
見崎「来ちゃった♥」
榊原(見崎……?今何時?……午前2時半!?何でこんな時間に!?ってか何で僕の住んでるとこ知ってるの!?)
見崎「は~や~く~あ~け~て~よ~」
榊原(開ける?窓を開ける?開けていいのか?こんな時間にいきなり訪ねてきて窓越しに呼びかけてくるなんておかしくないか?)
コンコン
怜子「恒一君?起きてる?」
榊原「あ、はい、起きてます
どうぞ開けてください」」
見崎「え?私が開けていいの?」
ガチャッ
怜子「何かすぐ外で女の子の声がするんだけど」
榊原「ええ、僕もその声で目が覚めたんですけど……どうも同じクラスの子みたいで……」
怜子「……恒一君ってこんな時間に女の子と逢引するような子だったの?」
榊原「ち、違いますよ!何の約束もしてないのにいきなり訪ねてきたんです!約束するにしてもこんな時間にしませんよ」
怜子「本当かしら……それで、その女の子っt」
ガッチャーン
榊原「うわっ!」
怜子「何!?」
見崎「開けたよ、恒一君
手頃な石がなかなか見つからないから…………………………………………………………………………………
………………………………………………………………………………………………………………………………
……………………………………………その女 ナ ニ ?
何でこんな時間に恒一君の部屋にいるの?
何でこんな時間にパジャマ姿で恒一君の部屋にいるの?
何でこんな時間にパジャマ姿で恒一君の部屋で恒一君の腕にしがみついてるの?
ねぇ、何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?」
榊原「お、落ち着け!見崎!」
見崎「私は落ち着いてるよ?恒一君こそ少しは落ち着いてよく考えてよ
こんな時間に私以外の女が恒一君の部屋にいるんだよ?おかしいよね?変だよね?
恒一君の身に危険が及んでると考えるのが自然だよね?危険は排除しなくちゃいけないよね?」
チキチキチキチキ
怜子「ヒッ!」
榊原「待て!カッターを仕舞うんだ!見崎!!」
見崎「ヤだなぁ、さっきから見崎見崎って他人行儀な呼び方して……ちゃんと 鳴♪ って呼んでくれなきゃダメよ」
榊原「わ、わかった!わかったから、鳴、カッターを仕舞ってくれ!!」
見崎「恒一君のお願いは聞いてあげたいけどまだ危険が排除できてないからそれはできないな」
榊原「危険!?怜子さんは危険なんかじゃないよ!家族以外の声が聞こえるから心配して様子を見に来てくれたんだよ」
見崎「え!?家族以外!?そんな不審者の声が聞こえたの?やっぱり危険なんじゃない!その不審者どこにいるの?」
榊原「えっと……僕の目の前に……」
見崎「やっぱりその女が不審者なのね!」
怜子「ヒッ!」
榊原「ち、違う!みs」
見崎「鳴♪」
榊原「……鳴……の声のことだよ」
見崎「?よくわからないな、さっき家族以外の声がしたって言ったよね?私は恒一君の家族なのになんでそんな変な事言うの?」
榊原「え?……僕たちって同じ学校のクラスメートだよね?」
見崎「当たり前でしょ」
榊原「それなのに……家族……なの?」
見崎「そうよ、私たち結婚して夫婦になったんだもの」
怜子「……そうだったの?」ボソボソ
榊原「僕の年齢忘れたんですか?」ボソボソ
見崎「私に内緒の話なんてしないで!!!」
ブンッ
怜子「キャー」
榊原「待て!カッターを振り回すな!!」
榊原(くっ、このままじゃいつか○される
どうすればいい?考えろ、この状況を抜け出す方法、見崎がこんなことになってしまった原因
……そもそも、これは本当に見崎なのか?この異常な言動は明らかにいつもの見崎とは別人だ
でもその言動以外に何か根本的な違和感を感じる……何だ!?)
ジー
榊原(身長、体重、服装、髪型、やや長すぎるアホ毛、緑色の瞳……!?そうか!)
榊原「鳴♪内緒話なんかしてごめんよ
鳴にもちゃんと話すからこっちにおいで」
見崎「恒一♥」
トテトテ
見崎「さぁ聞かせて♪」
榊原「じゃぁ僕の膝に座って目を閉じて耳を貸して」
見崎「うん♥」
ポスン、ギュー
榊原(今だ!)
サッ
見崎「……恒一君♥」
榊原「……え゛?あれ?み、見崎?」
見崎「もう、鳴って 呼 ん で ♥」
榊原(戻ってない!?てっきり眼帯の位置を戻せばいいと思ったのに……でもさっきのような凶暴さは無いような……)
見崎「恒一君だ~いすき……Zzzz...」
榊原「……め、鳴?」
見崎「……っ!!!えっ?何?」
キョロキョロ
見崎「……ここどこ?……榊原君?今……って呼んだ?」
榊原「ここは僕の部屋だけど……まさか覚えてないの?」
コクリ
見崎「榊原君に鳴って呼ばれた気がして目が覚めたんだけど……そっか、私またやっちゃったのか」
榊原「また?」
榊原(あれを以前にもやってるのか?)
見崎「前にね、地下の人形に埋もれて寝てるのを起こされたことがあってね
その日は自分が人形になって展示されてる夢を見てたの
その時の私は本物の人形のように無反応だったんだって
それでね、いつも寝るときは外してる眼帯が付いたままだったんだって
寝る準備をしてる途中で寝ちゃったんだろうね」
榊原「もしかして眼帯の位置が……」
見崎「うん、寝てる間に逆になってたらしいの
元の位置に戻すと普通の睡眠になるんだけど逆の間は夢の中の行動通りに動いちゃうらしいんだ
夢遊病って奴かもね」
榊原「夢の行動……ちなみに今日の夢の内容は……」
見崎「……ダメ、思い出せないみたい
榊原君に迷惑かけてないといいんだけど」
榊原「だ、大丈夫じゃないかな……ねぇ、怜子さん」
怜子「そ、そうね……でも今度から眼帯付けたまま寝ないように気をつけてね」
見崎「……はい……あの……窓ガラスは弁償します……ごめんなさい」
もう>83からいっぱいいっぱいなので完


