杏子「うん……生理来ないし、多分」
さやか「じょ、冗談はやめてよ」
杏子「こんな嘘つくかよ」
さやか「検査は?ちゃんと検査はしたの?」
杏子「それはまだだけど」
さやか「ていうか相手は誰なのよ!ぶん殴ってやるから連れてきなさい!」
杏子「わかんねぇ」
さやか「はぁ!?」
杏子「金に困ったらその辺のオッサンとしてたから……」
元スレ
さやか「妊娠した!?」
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1322162494/
さやか「あんたねぇ!」ガッ
杏子「……」
さやか「いくらなんでも後先考えなさすぎでしょ!!バカじゃないの!?」
杏子「そんなこと分かってるよ!」
さやか「分かってないじゃない!どうすんのよ!産んで育てるなんて無理だよ!」
杏子「でも」
さやか「でもじゃない!あんたもって自分を大事に……」
杏子「……」グス
さやか「あ……ごめん」
杏子「どうすりゃいいか分かんないからお前に話してるんだろぉ……」
さやか「……怒鳴ったのは悪かったよ」
さやか「だけどそういうのはちゃんと好きな人と」
杏子「だってあたしはお前みたいに学校とか行ってないもん……」
さやか「あっ……」
杏子「一人ぼっちの夜って暗くて怖くて寒いんだよ」
さやか「だからって……もう」
さやか「とりあえず相手の男は見つけたらぶっ飛ばすとして」
さやか「どうするか、考えよう」
さやか「と言っても、ぶっちゃけあたしの手に負えないレベルだから誰かに相談した方が良いと思う」
杏子「誰かって?」
さやか「えっと……あたしの親とか、マミさんとか」
杏子「あんまり知られたくないなぁ」
さやか「気持ちは解るけどさ、あんたとあたしだけじゃ現実的にどうにもならないって」
杏子「分かったよ……」
さやか「どうする?何だったらウチに来る?」
杏子「いや、お前の親も会ったこともない奴に身の上話されても困るだろ」
さやか「じゃあマミさんに相談しよっか……力になってくれると良いけど」
マミ宅
マミ「いらっしゃい」
さやか「すいません、急に」
マミ「いいのよ、遠慮しないで上がって」
杏子「お邪魔します」
マミ「佐倉さんも一緒なのね」
杏子「うん」
マミ(ずいぶん大人しいというか、しおらしいわね)
さやか「あの、キュゥべえは?」
マミ「さぁ、どこかに出掛けてるみたい」
さやか「良かった」
マミ「キュゥべえには内緒のお話?」
さやか「え、えぇまぁはい」
マミ「紅茶とケーキ用意するわね」
さやか「あ、はい、すいません」
マミ(魔法少女についてかしら?だとしたら先輩としてキチンと相談にのってあげないと)
マミ(それともまさか恋愛相談?)
マミ(そういえば美樹さんは好きな人がいるみたいだし、きっとそうね)
マミ(やーん、ついに憧れのガールズトークデビューだわ、どうしましょ)
マミ「お待たせー」
さやか「なんかウキウキしてますね」
マミ「そ、そうかしら?」
マミ「で、話って何かしら?」
杏子「……」
さやか「自分で言える?」
マミ(おら、佐倉さんの方みたいね)
杏子「ごめん、ちょっと無理っぽい」
さやか「じゃああたしが話すね」
マミ(佐倉さんも恋愛するお年頃なのね、美樹さんもお友達の力になってあげて偉いわ)
さやか「マミさん、驚かないで聞いてくださいね」
マミ「えぇ、何でも話して」
さやか「杏子が、妊娠したんです」
マミ(ほら、やっぱりね…………)ズズズ
マミ「ぶぅーーーーー!!に、妊娠したぁ!?」
マミ「げっほ!ごはがはっ!」
さやか「おおお、落ち着いてください!」
マミ「落ち着けるわけないでしょう!!」
杏子「う……」
マミ「……質の悪い冗談ではないみたいね」
杏子「お、怒んなよ」
マミ「それで何ヵ月なの?相手の人はどこ……?」
杏子「さ、さぁ?」
さやか「全部わかんないみたいです」
マミ「……」
杏子「お、怒んなよ、ほら、若気の至りって言うじゃん?」
バッチーン
マミ「ふざけないで」
さやか「な、殴らなくても」
マミ「少し黙ってて」
さやか「さー、いえっさー」
杏子「何すんだよ!」
マミ「一発でわからないならもう一発いく?」
杏子「わけわかんねぇ!」
マミ「どうしてそんな……」
杏子「他に方法が無かったんだって……仕方ないだろ」
マミ「だったらどうして頼ってくれなかったの……バカね……本当にバカ……」ギュッ
杏子「…………」
さやか(あれ、あたしお邪魔虫?)
杏子「ごめん……なさい」
マミ「本当はぼこぼこにしたいくらいだけど、今はそれどころじゃないわね」
マミ「佐倉さんはどうしたいの?」
杏子「どうって?」
マミ「だから……産むのか、どうするのかよ」
杏子「……」
さやか「……」
マミ(この子達も考えたはずだけど……言えないわよね)
マミ「私は、堕胎した方がいいと思う」
さやか「ですよね……」
杏子「そんな!」
マミ「現実的に考えて今の佐倉さんにはとても子育てなんか無理よ」
杏子「やってみなきゃ」
マミ「魔法少女をやめるとしても、お金はどうするの?服もミルクも盗む?そんなんでまともな教育なんて出来るの?」
マミ「そもそもどうやって産むの?病院だって『産ませてください』『わかりましたどうぞ』とはいかないのよ」
マミ「第一……父親もいないだなんて……」
マミ「……」
杏子「……」
さやか(空気が重い……助けてまどか)
マミ「とにかく、産む気なら私は反対よ、美樹さんは?」
さやか(ここで振る?)
さやか「あたしも……育てるのは無理があるかと……」
杏子「……」
マミ「最後に決めるのは佐倉さんよ」
杏子「一晩考えるよ……」
マミ「そう、納得いくまで考えなさい……今日は泊まっていってくれていいわ」
杏子「うん」
マミ「美樹さんはどうする?二人くらい全然大丈夫よ」
さやか「すいません、あたしは帰ります、大勢いても邪魔になるかもしれないし」
マミ「分かった、送っていくわ」
帰り道
マミ「はぁ」
さやか「なんか、すいませんでした」
マミ「美樹さんが謝ることじゃないわ、佐倉さんにも困ったものね」
さやか「はい」
マミ「なーんて、偉そうなこと言ってるけど、私も所詮は一般論を言ってるだけよね」
さやか「そんなことないですよ!杏子だってはっきり言ってもらった方が良かったはずです!」
マミ「だといいのだけど」
マミ(好きな人にお弁当渡せないとか、席替えで隣になりたいとかそういう可愛いお話だと思ってたのに)
さやか「じゃああたしこっちなんで……杏子のこと、よろしくお願いしますね」
マミ「えぇ、出来る限りのことはするわ」
さやかの家
さやか「はぁ~、どうしたもんだか」
さやか「ほいほい人に話すことでもないしなぁ」
さやか「かと言ってあたしには大したことは出来ないし……」
さやか「あたしってほんと無力……」
さやか「いっそバーンと『あたしが育ててやるから産め!』と」
さやか「無責任だよねぇ、そんなの」
さやか「せめてマミさんにメールしとこ……『杏子が不安そうだったら呼んでください』っと」カチカチ
マミ「ただいま」
杏子「……」
マミ(目が真っ赤ね……言わない方が良いかしら)
マミ「何か食べる?簡単なものならすぐできるわよ」
杏子「いい……」
マミ「……こっちの部屋、使ってくれていいから」
杏子「ありがとう……」
マミ(いつもこれくらい素直だとありがたいのだけど)
杏子「こんなことになって、ごめん」
マミ「私に謝っても仕方ないでしょ、まさかどうしたら子どもが出来るか知らなかったわけじゃないでしょうに」
杏子「ごめん……」
マミ「ふぅ……私も説教したいわけじゃないのよ……」
杏子「……」
マミ(ふさぎこんじゃって)
マミ「やっぱり何か食べなさい、さっきのケーキも全然手をつけてないじゃない」
杏子「でも」
マミ「でもじゃありません」
杏子「……はい」
マミ「気が滅入っても食べられそうなの……うどんとかなら……」ゴソゴソ
杏子(マミが親だったら良かったのにな)
マミ「少し待っててね」
杏子(そうだよね、あたしが今産んでもこんな風にしてあげられない)
杏子(不幸にするだけだ)
杏子(あたしみたいな気持ちを、子どもにはあわせたくない)
杏子(だけど……だからって……)
マミ「出来たー」
杏子「はやっ!」
マミ「伊達に自炊してないわよ」
杏子「……いただきます」
マミ「召し上がれ」
ズルズル
杏子「熱っ!!」
マミ「当たり前でしょ」
杏子「フーフー……」
マミ「お口に合うかしら?」
杏子「美味いよ……それに、温かい」
マミ「ふふふ、良かった」
杏子「あっ……たかい……」グス
マミ「……ゆっくり食べてね」
杏子「ぐすっ……うん」コクコク
さやか「おっ、マミさんから返信だ」
さやか「今夜のパトロールは暁美さんと二人でお願いします……うえっ!?」
さやか「ほむらと二人で何話せって言うんですか……せめてまどかも……」
さやか「いや、一般人のまどかを連れ歩いたらそれこそマミさんとほむらにぶっ飛ばされるよね」
さやか「はぁ……まぁ杏子に比べたらなんてことないか」
さやか「了解です」カチカチ
杏子「ごちそうさま」
マミ「お粗末様でした」
マミ(後はお風呂に入れて、ひとまずゆっくり休ませた方が良いわね)
杏子「うっ!」
マミ「どうしたの!?」
杏子「いやちょっと吐き気が」
マミ「つわ……り?」
杏子「わかんね……」
マミ(ど、どうしよう、経験も知識も無いのに)
マミ「は、吐く?トイレはこっちよ」
杏子「大丈夫……ごめん、横になりたい」
マミ「分かったわ、肩貸すわね」
杏子「助かる……」
マミ「言いっこなしよ」
マミ「何かあったら呼んでね」
杏子「うん……」ゴロン
マミ(辛そうね……)
マミ「寝てていいのよ」
杏子「マミ……」
マミ「なに?」
杏子「あのさ、言いにくいんだけど」
マミ「遠慮しないで」
杏子「頼む……落ち着くまで、手握ってよ……」
マミ「……構わないわ」
ギュッ
その夜
さやか「やっほー」
ほむら「……」
さやか「バカがバカ丸出しでやってきたって言いたそうな顔しないでよ」
ほむら「よく解ってるじゃない」
さやか「ひでぇ」
ほむら「巴マミはまだかしら?」
さやか「ええっと、今日は用事とかで……」
ほむら「そう、ならさっさと行きましょう」スタスタ
さやか「へいへいはいはい」
ほむら「今日は何も無さそうね」
さやか「平和でいいじゃん」
さやか(さすがに杏子のことは話せないよねぇ)
ほむら「どうかしたの?」
さやか「い、いや、なんでもないよ」
ほむら「そう」
オッサン「ねぇねぇ君たち、君たちいくら?」
さやか「はっ?」
オッサン「一晩いくら?」
さやか「あー、いや、私たちそういうのじゃないんで」
オッサン「まぁまぁまぁ、社会勉強だと思って」
ほむら「汚らわしい……」
オッサン「失礼だなぁ、これはますます社会を教えないと」
さやか「あのね、大人しくしてる内に帰ってよ」イライラ
オッサン「いいのかなぁ、そんな口きいて」
ほむら「……」
オッサン「ねっ?多目に払うからさ、いいじゃない、どうせ今時の子は遊んでるんでしょ?」
さやか(ウザいなぁ、杏子に手を出したのもこんなオッサンなのかな……スーパーさやかちゃんハイキックしちゃうか)
ほむら「……わかりました、私がお相手しますね」
さやか「ほむら!?何考えてんの!?」
ほむら「いいから」
オッサン「ぶひひ、さすが黒髪ロング」
ほむら「では、行きましょうか」ニコリ
オッサン「そうそう、最初から素直になってくれたらいいんだよ」
さやか「ほむら……」
ほむら「ちょっと待ってて」
路地裏
オッサン「いやぁこんな可愛い子がこんなことしちゃいかんよ、やはり社会がダメになってるね」
ほむら「そうですね、じゃあ死んでもらえます?」
オッサン「えっ」
ほむら「お待たせ」
さやか「おかえり……ってあのオッサンは?」
ほむら「心配しないで、命まではとってないわ」
さやか「命はって」
ほむら「まぁ社会的にと生物学的には死んだかもしれないわね」
さやか「……何したのかは聞かないでおくよ」
ほむら「それがいいわ」
さやか「それにしてもあんなオッサンいるんだねー、まどかだったら強引に連れていかれそうだよ」
ほむら「その時は」
さやか「お命ちょうだい?」
ほむら「まさか、生かさず殺さず苦しんでもらうわ」
さやか「怖いよあんた」
マミ宅
杏子「スースー……」
マミ「ようやく寝入ったわね」
マミ「私もご飯食べよう……お腹ペコペコだわ」
QB「ただいま」
マミ「あ、キュゥべえ、お帰りなさい」
QB「佐倉杏子が来ているのかい?珍しいね」
マミ「そっとしておいてあげてね」
QB「分かったよ」
マミ「さぁて、夕飯は何にしようかしら」
QB「僕はピザがいいなぁ」
マミ「贅沢はいけません」
QB「ケーキは買うのに」
マミ「あれは別腹よ」
マミ「パスタにしましょ」
QB「麺類は食べにくいよ」
マミ「文句言う子は食べなくて結構です」
QB「ひどいや」
マミ「…………ねぇキュゥべえ、もしも私に子どもが出来たらどうする?」
QB「そうだねぇ、お母さんみたいな立派な魔法少女になってほしいかな」
マミ「男の子だったら」
QB「何の興味も無いよ」
マミ「キュゥべえってロリコンなの?」
QB「えっ……えっ?」
マズハカレシヲツクリナヨ
杏子「う、ん……」モゾモゾ
オオキナオセワヨ
杏子(話し声……?あぁ、キュゥべえか)
杏子(マミ楽しそうだな……あいつが一番キュゥべえと過ごしてるもんな)
杏子(家族みたいだ)
杏子(温かい家庭か……懐かしすぎて泣けてくるよ)
杏子(あーあ、あたし何やってんだろ……バカやらかして皆に迷惑かけて)
杏子(情けねぇ……グス)
QB「まぁ君は母乳はよく出そうだけど」
マミ「セクハラ?さいてー」
QB「いや僕は客観的な事実をだね」
杏子「……」
マミ「あ……ごめんなさい、起こしちゃった?」
杏子「いいよ、一人より気が楽になる」
マミ「……」
QB「なんだか顔色が悪いね」
杏子「ちょっとね」
QB「体には気をつけるんだよ」
杏子「こんな時だとお前でも優しく見えるね」
QB「僕は魔法少女にはいつも優しいよ」
マミ「ごちそうさまでした」
QB「ごちそうさま」
杏子「……」
マミ「さ、お風呂入って寝ましょうか」
QB「僕も」
マミ「だーめ、今日は女の子同士で入るの」
杏子「あたしも?」
マミ「当たり前でしょ、ほらいくわよ」
杏子「う、うん」
QB「……」
QB「……男子中学生の性欲ってエネルギー変換できないかなぁ」
寝室
マミ「温まったわねー」ホカホカ
杏子(相変わらずデカかったな)ヌクヌク
マミ「歯も磨いたし、後は寝るだけね」
杏子「うん」
マミ「一人になりたいなら別の部屋を用意するけど」
杏子「一緒でいいよ」
杏子「ていうか……一緒がいい」
マミ「了解」
杏子「きょ、今日だけだからな」
マミ「分かってる分かってる」
マミ「電気消すわね」
杏子「うん」
カチッ
マミ「はぁ……」モゾモゾ
杏子「なんだよ」
マミ「佐倉さんと寝るのも久しぶりね」
杏子「誤解されそうな言い方すんな」
マミ「二人だと暖かいわね」
杏子「そっか、お前も普段は……」
マミ「うん、最近のキュゥべえは鹿目さんにご執心だもの」
杏子「……」
マミ「そうだ、どうするにしても、やっぱりちゃんと検査は受けなきゃだめよ」
杏子「えっ」
マミ「お金なら私がなんとかするわ」
杏子「いやでもそこまでは悪いよ」
マミ「乗りかかった船よ」
杏子「……ごめん」
マミ「悪いと思ってるなら約束して、もう二度と軽はずみなことはしないって」
杏子「はい……」
マミ「よろしい」
杏子「…………なぁ」
マミ「うん?」
杏子「少しだけ、甘えてもいいか?」
マミ「今さらでしょ……いくらでも甘えなさい、私に出来ることならね」
杏子「……」ギュッ
マミ「……」ポンポン
杏子「……」ガッシリ
マミ(いたた)
杏子「マミ……」
マミ「なぁに?」
杏子「怖いよ……なんか、すげぇ怖い……」
マミ「うん……」
杏子「あんなことするんじゃなかった」
マミ「そうね、それが解っただけでも、せめてもの救いね」
マミ(本当に一般論しか言えないわね……情けなくて嫌になるわ)
杏子「時間巻き戻したい……」ギュッ
マミ「……今は好きなだけ泣きなさい」
翌朝
さやか「おーっす」
杏子「あれ」
マミ「美樹さんも心配してたから、呼んでおいたの」
さやか「邪魔なら帰るけど」
杏子「いや、わざわざありがとな」
さやか「殊勝だねぇ」
マミ「じゃ、行きましょうか」
杏子「お、おう」
さやか(知り合いに見つかりませんように、マジで)
病院
さやか「うへぇ、緊張する」
杏子「お前が緊張してどうすんだよ」
さやか「だってさぁ」
マミ「落ち着きましょ、騒いだら周りの人に迷惑よ」
さやか「マミさんだって眉間に皺寄ってるじゃないですかー」
マミ「皺の一つや二つ寄るわよ……」
受付「佐倉さーん、佐倉杏子さーん」
杏子「じゃ、行ってくるよ」
マミ「ええ」
さやか「頑張れ!……でいいのかな?」
さやか「行っちゃいましたね」
マミ「全く……もう」
さやか「こんなドラマみたいな……」
マミ「ドラマみたいに綺麗にはいかないわよ」
さやか「ですよね……」
マミ「堕胎した方がいいなんて簡単に言っちゃったけど、結局身も心も傷つくのは佐倉さんよね」
さやか「……」
マミ「魔法少女も無力なものね」
さやか「でも杏子の顔、昨日よりよっぽどマシでしたよ、きっとマミさんのおかげです」
マミ「それを言うなら最初に頼ったのは美樹さんよ」
さやか「あはは、何も出来ないですけどね」
マミ「そんなに卑下することはないわ、あなたがいてくれて彼女もずいぶん救われたはずよ」
さやか「照れます」
さやか「もしもどうしても産むって言ったらどうします?」
マミ「殴ってでも止めたいけど……反対しきれるかはわからないわね」
さやか「あたしもです」
マミ「それでも考えれば考えるほど、止めるべきなのよね」
さやか「ですね……あっ、帰ってきた」
杏子「……」
マミ「……どうだった?」
杏子「……」
さやか「は、早く言ってよ、心臓に悪いよ」
杏子「いやぁ……それがさ……」
翌日、学校
さやか「結局、ただの体調不良による生理不順だったんだよね」
さやか「お医者さんが言うには変な食生活でもしてるんじゃないかって」
さやか「まさにその通りだよ」
まどか「あはは……」
ほむら「それで、杏子は?」
さやか「しばらくマミさんの家で暮らすってさ」
まどか「良かったねぇ」
さやか「良くないよ、あの時のマミさんの怒りっぷりと来たら……バカやってたのは事実だし」
さやか「ぶっちゃけ監視だねありゃ」
さやか「まぁ何も無かったのは良かったけどさ」
ほむら「軽率な行動は恥じるべきね」
さやか「全くだよ」
まどか「ところでさやかちゃん」
さやか「ん?」
まどか「どうして杏子ちゃんは子ども出来たと思ったの?」
さやか「いやどうしてって」
ほむら「まどか、そんなこと気にしなくていいのよ」
まどか「だって、子どもってコウノトリさんが運んでくるんでしょ?」
さやか「………………えっ?」
ほむら「まどかはそのままでいてね……」
終
俺の全力の期待と心配を返せ~!