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絹旗「きぬはた荘、ですか?」滝壺「うん」
【前編】
【後編】
【おまけ短編集】
絹旗「きぬはた荘、ですか?」滝壺「うん」 その2号室
【前編】
【後編】
絹旗「きぬはた荘、ですか?」滝壺「うん」 その3号室
【本編】
【番外編】
絹旗「きぬはた荘、ですか?」滝壺「うん」 その4号室
絹旗「きぬはた荘、ですか?」滝壺「うん」 その5号室
絹旗「きぬはた荘、ですか?」滝壺「うん」 その6号室
【前編】
【後編】
【幕間】
絹旗「きぬはた荘、ですか?」滝壺「うん」 その7号室
絹旗 「いや、暑すぎやしませんか? 去年来たときもこんな感じでしたっけ」
白井 「去年来たときもこんな感じだったかと」
絹旗 「……ところで、私のスーツケースはいつになったら出てくるんですか」
白井 「絹旗さんのだけ随分と遅いですわね」
絹旗 「他の皆さんは?」
白井 「あの人数ですから……ここでは邪魔になりますので、外でお待ちですの」
絹旗 「むー……あ、来た! やっと来ました!」
( ( (【絹旗印】
白井 「やっとですわね」
絹旗 「まったくですよ。皆さんを超待たせてしまってますし、早く行きましょう」タッタッ タンッ
白井 「自分で転がしたスーツケースに飛び乗って移動とは……器用ですの」
絹旗 「♪」ゴロゴロゴロゴロ...
白井 「転ばないように注意してくださいまし」
絹旗 「あ、そうだ。ちょっと写真だけ撮っていいですか?」
元スレ
絹旗「……超暑いです」白井「沖縄ですし」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1304101402/
白井 「一枚ぐらいであれば」
絹旗 「」カシャ
白井 「携帯自分撮り? それどうなさるおつもりですの」
絹旗 「いつもいつも私を超追い掛け回してるヤツに送りつけてやるんです」カチカチ
白井 「あの黒髪の方ですの?……ははぁ、ささやかな仕返しということですわね」
絹旗 「そんなところですね。はい、送信っと」ピッ
白井 「絹旗さんもイジワルでございますの」クスクス
絹旗 「いえいえ、白井さんには超適いません」クスクス
白井 「まあ、お土産ぐらいは買ってあげてもよいかと」
絹旗 「それぐらいはしてやりますよ。私は超優しいですから。あ、返信きました」ピッ
差出人:窒素女
<kuro-iruka@comodo.ne.jp>
件名:Re:超沖縄なう!
日付:20yy/m/d 11:31
───────────────
おちょくってンのかァァ!覚えとけよ
このやろォ!
絹旗白井 「「プギャー」」
ここまでがプロローグ。
当SSは下記SSの外伝となります。
絹旗「きぬはた荘、ですか?」滝壺「うん」
読んでない、今から読むのメンドいという方向けに簡易まとめ。
・7人のLEVEL4が一年ばかし一つ屋根の下で暮らしてました。
・今は離れたけど、頻繁に連絡を取り合う程度には仲良し。
・そんな7人とその同伴者が、夏の沖縄離島でやいのやいのするお話です。
・成立済みCP:浜面×滝壺、番外×通行、結標×海原(偽)
・さすがにきぬはた荘ほど長くなりません。
主要登場人物の簡易まとめ。
絹旗……世界大戦終了後に暗部クビ。復学し、現在は常盤台中学3年。
白井……絹旗のルームメイト。敏腕ジャッジメントですの。
婚后……長点上機学園1年。濃い面々に存在感を食われがちな影の功労者。
ユリコ……絹旗の飼い猫。人見知りしないお利口さん。
滝壺……世界大戦終了後に暗部クビ。今は能力開発教官を目指す。
浜面……自動車整備士の資格目指して勤勉に励んでいる。
フレメア……街中で浜面を見かけて追跡、そのまま浜滝邸にて保護される。
番外個体……カフェ店員。周囲からミサワさんとか真琴とか呼ばれてるのは戸籍上の名前。
打ち止め……冥土帰しの協力でIDゲット、戸籍上は番外個体の実妹扱い。
一方通行……最強の能力者であり、最強の自宅警備員。
結標……保育士目指して勉強中。料理レベルは改善されつつあるとか。
海原……換気扇の掃除からご近所付き合いまでこなすカリスマ主夫。
ショチトル……無事退院。最近はリハビリも兼ねて歩きまわるのが趣味。
次からが本編です。>>1-2 から少し遡った時点から開始します。
~7月下旬 第7学区 常盤台新寮~
絹旗 「」ペラ...ペラ...
絹旗 「むむむ、あの監督の超新作?」
絹旗 「これは要チェックですね」カキカキ
<ガチャ
白井 「ただいま戻りましたの」
絹旗 「あ、おかえりなさい」
白井 「はい、封書が届いてましたの」つ□
絹旗 「封書? 超古風ですね。誰からですか」
白井 「統括事務局からです。わたくしと絹旗さん、それぞれに」
絹旗 「お! もしかして、アレですか!」
白井 「ええ、おそらくは」
絹旗 「うーん、実感が超湧いてきますね」
~時は遡り7月初旬 第7学区 隠れ家的喫茶店~
絹旗 「だー、外出申請とか超めんどくせー」チュー
番外個体 「残念、それを出さないと外に出れないんだけどね」フキフキ
絹旗 「せっかく沖縄行きが決まったのに、準備がめんどくさすぎです」
番外個体 「旅行の準備も旅行のうちだよ。なんだかんだ言って楽しんでるでしょ?」
絹旗 「超バレバレでしたか」テヘ
番外個体 「絹旗さんは水着買い換えるの?」
絹旗 「いやー、特に拘りもないんで去年と超同じヤツで」
番外個体 「ふーん」
絹旗 「ミサワさんは買うんですか?」
番外個体 「うん、妹のは準備しないとないし。私も去年のはキツイかもしれないし」
絹旗 「ああ、そういえば妹さんも来るんでしたっけね」
番外個体 「行きたいってうるさかったからね。婚后さんの度量の広さには感服だよ」
<カランカラン♪
番外個体 「いらっしゃいませー」
黒夜 「絹旗ちゃーん! 見つけたぞ!」
絹旗 「げえっ! 本当に超しつこいですねあなたは!!」
黒夜 「何とでも言え! 今日こそは私と勝負を」
番外個体 「で、なんにする?」
黒夜 「へ?……あっ、じゃあ、ミルクティーをホットで」
番外個体 「はいはーい」
絹旗 「外ならともかく、友達の店にまで押しかけないでくださいよ」
黒夜 「いや、たまたま中覗いたら居たから」
絹旗 (超不幸です……)
:
:
:
黒夜 「はあ!? 沖縄だぁ!?」
絹旗 「? なんかおかしいですか?」
黒夜 「聞いてないぞ!?」
絹旗 「言ってませんし」
黒夜 「なんで誘わないんだよ!」
絹旗 「機会を超逃しました」
黒夜 「」
絹旗 「?」
黒夜 「ハブにしやがってェェェ!! もォ許さねェからなァァァァ!!」ヒュゴォォ
絹旗 「わっ、あぶなっ!」
黒夜 「絹旗ちゃーン? 逃げるしか芸がないンですかねェ?」ケラケラ
絹旗 「こんの……危ないじゃないですかァ!」
番外個体 「……」ハァ
黒夜 「今日こそは私が勝ってやらァ!!」
絹旗 「手から吹出すだけの能無しが本気で勝てると思ってンですか!!」
黒夜 「どっちか能無しか分からせてやンよォォ!!」ヒュゴォォォ
絹旗 「やれるもンならやってみろっつゥンです!!」
番外個体 「店ん中で……暴れてんじゃねー!!」ピシャーン
絹旗黒夜 「「あbbbbbb」」
黒夜 「ごめンなさい」プスプス
絹旗 「超すいませんでした」プスプス
番外個体 「ったくもう……あなたたち、幼馴染みたいなもんなんでしょ? 仲良くすればいいのに」
絹旗 「いや、この窒素女が超一方的にケンカ売ってくるんですよ」
黒夜 「世の中の全ての人間が、仲良しこよしになりてェとか思ってンじゃねェぞ」フン
番外個体 「黙れクソガキ」ズビシッ
黒夜 「ぎゃふン」
絹旗 「で、なんですか。そんなに一緒に行きたかったんですか」
黒夜 「勘違いするな。私は絹旗ちゃんと違って多忙なんだよ」
絹旗 「そーですかー」チュー
黒夜 「だからお土産買ってこなかったら窒素爆槍1000本飲ませるからな! あ、ごちそうさま」ピュー
<カランカラン♪
絹旗 「相変わらず超騒々しいやつですね……」
番外個体 「あの子代金払い忘れちゃったみたいだから、絹旗さんに請求しておくね」ニヤニヤ
絹旗 「……あンのやろォォォォォ!!」フギャー
~今に至る~
絹旗 (なんか超余計なことまで思い出しちゃいましたね)
白井 「絹旗さん?」
絹旗 「あ、なんでもないですよ」
白井 「とりあえず、中身を確認しておいてくださいまし」
絹旗 「そうですね。万が一にも申請をハネられてたらどうしましょうか」ビリビリ
白井 「夏休み中は帰省もございますし、審査は緩くなってますので大丈夫かと」
絹旗 「はは、そうですよ、ね……?」
白井 「?」
絹旗 「"この度申請頂きました外出届けにつき、下記事由により不受理とさせて頂きます。何卒、ご承服の程"……」
白井 「えっ、そんなまさか……!」
絹旗 「」
白井 「ちょ、ちょっと貸してくださいな」パシッ
絹旗 「」
白井 「……確かに不受理と……ん? 不受理?」
絹旗 「あなたがこの手紙を読んでいる頃、私はきっと」カキカキ
白井 「絹旗さん!」
絹旗 「なんですか、私は超忙しいんですよ」
白井 「下記事由、のところ。ちゃんと読みましたか?」
絹旗 「?」
白井 「"申請書類の不備"とございますが」
絹旗 「えっ」
白井 「考えてみれば、不承認ではなく不受理と書いてあるところで気付くべきでしたの……」
絹旗 「どこか間違ってましたかね?」
白井 「……この同封されているのは原紙でしょうか」ガサガサ
絹旗 「あってますよね? どこかおかしいですか?」
白井 「……絹旗さん。住所は"常盤台寮"だけでなく、正確に書いてくださいまし」
絹旗 「あー、それだけじゃ通じませんか。超仕方ないですね、書き直しましょう」
白井 「急いでください。間に合わなくなっても知りませんの」
絹旗 「そ、それは超困ります!」
~同日 第7学区 浜滝邸~
フレメア 「ねーねー、沖縄って大体どんなところ?」
浜面 「俺も去年行ってねえからな……どんな感じなんだ?」
滝壺 「去年行ったときはね……」
フレ面 「「」」wktk
滝壺 「すごく暑かった」
浜面 「そうだな! 暑いよな!」ウンウン
滝壺 「あと、海がすごい綺麗だった」
フレメア 「海……」
浜面 「フレメアは海見たことあるか?」
フレメア 「飛行機からなら、見たことある」
滝壺 「きっとこっちに来るときにみたんだね」
フレメア 「でも、大体泳いだことはない」
浜面 「そうかそうか。今回は泳げるぞ!」
フレメア 「……」
滝壺 「どうしたの?」
フレメア 「大体……私も、行ってもいいの?」
浜面 「何言ってんだ! みんないいって言ってるんだから、いいに決まってんだろ!」ワシャワシャ
フレメア 「に、にゃあ」
滝壺 「もしかしたら、お友達できるかもよ」
浜面 「ああ、ミサワの姐さんの妹さんだっけか? 連れてくるみたいなこと言ってたな」
滝壺 「うん。……あ、フレメアって水着持ってる?」
フレメア 「大体学校で使ってたのがある」フンス
浜面 「折角南の島に行くっていうのに、スク水ってのも味気なくないか?」
滝壺 「」ピンポン
フレ面 「「?」」
滝壺 「たしか、みさわ妹のも買う必要があるって言ってた」
浜面 「おお」
滝壺 「買い物に誘ってみたらどうかな?」
浜面 「いいんじゃねえかな。仲良くなれるなら早いに越したこたないだろ」
滝壺 「じゃ、連絡してみるね」カチカチ
フレメア 「みさわ妹ってどんな人?」
浜面 「俺も見たことねえからな……」
滝壺 「むすじめから聞いた話だけど、顔はすごいそっくりらしいよ」カチカチ
浜面 「姐さんがそのまんま小さくなったようなもんか」
フレメア 「ミサワお姉ちゃんに大体そっくりなんだ」
滝壺 「返信来た。明日おkだって」
浜面 「おし、フレメア。どんな水着がほしい?」
フレメア 「ええとね。(ゴソゴソ)大体こういうヤツ」←新約表紙の服
滝壺 「大きい店に行けばあるんじゃないかな」
浜面 「ここいらでデカイ店つうと、セブンスミストだな」
滝壺 「明日はそこにいこう」
フレメア 「♪」ピョンピョン
浜面 「おいバカ、人の膝の上に座ってるときに跳ねるな」
滝壺 「あ、そうだ。去年行ったときの写真があるよ」
フレ面 「「おー」」
滝壺 「ええとね(ピッピッ)あ、これ砂浜の写真」
浜面 「すげえな。テレビでみる南の島そのまんまじゃねえか」
フレメア 「海が透きとおってる」
滝壺 「これはみんなで撮った写真だね」
浜面 「全員水着とか眩し過ぎだぜ。だが海原、テメエは邪魔だ」
フレメア 「あ、絹旗だ絹旗だ」
滝壺 「フレメアが知らない人もいるかな」
フレメア 「このお姉ちゃんとこのお兄ちゃんは、大体、知らない。にゃあ」
浜面 「お嬢と海原か。海原はまあいいけど、お嬢は今回の旅行のスポンサーだぞ」
フレメア 「すぽんさー」
滝壺 「今度紹介するよ」
浜面 「さて、フレメア。明日に備えて今日は早めに寝ておかないとな」
フレメア 「にゃあ」コクリ
浜面 「だからブラッド&デストロイは今日はお預けな」
フレメア 「ふぎゃぁぁぁぁぁ!」
~同日 第18学区 婚后邸~
エカ 「( ゚-゚)」シュルシュル
婚后 「ええ、予定通りにお願い致しますわね」
執事 『仰せのままに』
エカ 「♪」
婚后 「また世話になりますわね」
執事 『なんの。この老いぼれにとっては、孫が増えたようで楽しみでもございますからな』
婚后 「増えるといえば、今年は小さな子もおりますので何か用意したほうが良いかもしれませんわね」
執事 『確かに。夜になってしまえばお子様には少々退屈な土地かもしれませんな』
婚后 「わたくしに一つ考えがございます。荷物を少々お送りすることになると思うのですが」
執事 『左様で。では、現地に届くように手筈は整えておきましょう』
婚后 「お願いしますわね」ピッ
婚后 「ふう……関係各所への連絡も一段落ですわね」
エカ 「(゚-゚)」ペロペロ
婚后 「こらこら、くすぐったいですわ」クスクス
エカ 「♪」
婚后 「さてと……貴女のことも、ちゃんとしなければなりませんわね」カチカチ
Prrカチャ
店員 『お電話ありがとうございます! ペットホテル鹿鳴館でございます!』
婚后 「会員なのですれけれも、ロイヤルスイートを一部屋お借りしたいのですが」
店員 『畏まりました。それでは、会員IDをお願い致します!』
婚后 「ZXC741ASD852QWE963、ですわ」
店員 『すっ、すみません。もう一度お願いします』
婚后 「はい。ZXC741ASD852QWE963、になります」
店員 『……か、重ね重ね申し訳ございませんが、もう一度お願いします』
婚后 「? ええ、ZXC741ASD852」
店員 『す、すみません! 3桁ずつでお願いします!』
婚后 「は、はあ……?」
~同日 第7学区 海原結標邸~
ショチトル 「」ペラ...ペラ...
ショチトル 「なるほど、これがオキナワという土地か……」
結標 「今回行くのは離島だから、観光名所とかは見れないと思うけど」
ショチトル 「えっ」
ショチトル (この水族館っていうのに行ってみたかったのに)
結標 「どこか気になるところがあった?」
ショチトル 「……水族館」
結標 「今回は難しいわね……空港からは変に遠いし」
ショチトル 「えー……」
結標 「あっ、あの、学園都市にもあるから! 水族館!」
ショチトル 「そうなのか?」
結標 「そうそう、私も行ったし。だから今度お兄ちゃんと行ってきなさい」
ショチトル 「なっ、なんであの男と……あ、いや、行ってきます……」
結標 (損な性格よね。見てる分には可愛いけど)
ショチトル 「では、今回は海であれこれするのが主目的ということなんだな」
結標 「そういうことね。……ところで貴女、水着はあるの?」
ショチトル 「……あるには、ある」
結標 「へー、どんなの? よかったら見せてもらっていい?」
ショチトル 「ああ。ちょっと待っててくれ」
<ゴソゴソ
結標 「にしても、今年はずいぶんと大所帯ね」
ショチトル 「あった、これだ」ピラーン
結標 「……」
ショチトル 「何か言って」
結標 「い、いいんじゃない? オリエンタルでセクシーな感じがステキ」
ショチトル 「分かってる! 分かってるの! 私だってこんなの着るのすごい恥ずかしい!」
結標 「じゃあなんでそれにしたのよ」
ショチトル 「通りすがりの人に選んでもらった」 ※佐天さんのことです
結標 (どういう状況だったのかしら……)
ショチトル 「そうだ。私も聞きたいことがあったんだ」
結標 「なにかしら」
ショチトル 「たしか、外に出るには外出申請? というのが必要だったと思うのだが」
結標 「ええ、必要ね」
ショチトル 「それは、私のようなモグリでも出せるのか?」
結標 「出せない」キッパリ
ショチトル 「……じ、じゃあ、どうすれば……」
結標 「抜け道は2つあるわよ。まず1つは、海原みたいに別人に成りすます」
ショチトル 「リスキーだな。本人も申請してた場合はどうなるんだ?」
結標 「ええ、その通りね。去年はたまたま助かったみたいだけど」
ショチトル 「もう1つは?」
結標 「私が外に飛ばす」
ショチトル 「」
結標 「最大距離で飛ばせば、多分衛星監視にも引っかからないと思うのよね」
ショチトル 「……成りすましよりは危険は少ないだろうが」
結標 「ま、なんとかなるわよ」
ショチトル 「それにしても、海か……私の身体、大丈夫かな」ブンブン
結標 「見た目には問題なさそうだけど……まだ、動かすときに違和感があるんだっけ?」
ショチトル 「激しい運動とかはまだ難しい」
結標 「ただ浮いてるだけでもいいじゃない」
ショチトル 「……ないかな」ゴニョゴニョ
結標 「?」
ショチトル 「海水、しみないかな」
結標 「だ、大丈夫よ。多分。私だってしみなかったし」
ショチトル 「え?」
結標 「あれ? 言ったことなかったっけ? 私、脚の皮膚全部剥がれたのよ」
ショチトル 「え? え?」
結標 「でもほら、今は綺麗でしょ?」キラン
ショチトル 「護符を作るなら、そんなに必要ないぞ?」
結標 「?」
エツァリ 「違いますよ。変身するために剥がしたわけじゃありません」ニコニコ
~翌日 第7学区 一方通行邸~
番外個体 「じゃ行ってくるから。留守番お願いね」
一方通行 「はいよォ」
打ち止め 「お昼は素麺が冷蔵庫に入ってるから食べてね!
ってミサカはミサカは準備できる女をアピールしてみたり」
<ほら最終信号、帽子。
<わ、わ、前が見えない!ってミサカはミサカは慌てふためいたみたり。
<ガチャ バタン
一方通行 「素麺ね……どれ、一応確認しておくか」
一方通行 「ついでに珈琲でも」ガチャ
【山のような素麺】ドン!
一方通行 「……オイ……オイ。これ一人で食えってのかよ」
一方通行 「まさか晩飯も込みでこの量なのか? いや、だが夜は帰ってくるって……」ブツブツ
~30分後 第7学区 セブンスミスト付近~
番外個体 「いい? 打ち合わせ通りにね? 名乗るときはIDカードの名前だよ?」
打ち止め 「ミサカに任せろ! ってミサカはミサカは大船に乗せてみたり」
番外個体 「そろそろ来るから……あ」
滝壺 「お待たせ」ノシ
浜面 「いやー、今日も暑いな!」
フレメア 「ミサワのお姉ちゃん、大体久しぶり」ピョンピョン
番外個体 「久しぶり、なのかな?」
浜面 「お、こっちのちっちゃい姐さんが話に聞いてた妹さんか」
番外個体 「うん、妹の最終……じゃなくて、静琴。ほらほら、挨拶」
打ち止め 「お姉ちゃんがいつもお世話になってます!」ペコリ
浜面 「これはこれはご丁寧に。浜面っていいます」ペコリ
滝壺 「私は滝壺。……ほんとに似てるね」
フレメア 「」トテトテ
打ち止め 「?」
フレメア 「」ジー
打ち止め 「??」
フレメア 「私、フレメアっていうの」
打ち止め 「フレメア、だね。よろしくねー」
フレメア 「大体、よろしくね」ニパー
打ち止め 「♪」ニパー
浜面 「フレメアにも同年代のお友達が増えたか……」グス
滝壺 「はまづら、お父さんみたい」
打ち止め 「このお兄さん、いつもこんな調子なの?」
番外個体 「大体ね」
フレメア 「大体にゃう」
滝壺 「それじゃ行こう」
フレ止め 「「♪」」ピュー
番外個体 「……速ぇ」
浜面 「おい、転ぶなよ」
~その頃 第7学区 某所~
婚后 「さて……執事には大見栄を切ったものの」
婚后 「どこに行けば売っているのでしょうね……」
婚后 「どなたかに尋ねてみましょうか」カチカチ
Prrrr Prrrr
<ヒビキアウー ネガイガイマ ピッ
<はい、白井ですの。
婚后 「え?」クルッ
白井 「あら」
絹旗 「おや」
婚后 『まあまあ、真後ろにいらっしゃったのですか』
白井 『これは奇遇ですの』
絹旗 「あの、相手が前に超いるんですから電話で話さなくても」
婚后 「それもそうですわね」ピッ
絹旗 「婚后さんも超買い物ですか」
婚后 「も?」
白井 「ええ、わたくたちも買出しに来ておりましたの」
絹旗 「旅行時に超必要そうな小物類などを」
婚后 「……あ、そうですわ。それで聞きたいことがあって電話したのです」
白井絹旗 「「聞きたいこと?」」
婚后 (ルームメイトになってから、すごく息が合うようになりましたわね……)
絹旗 「それで、超聞きたいことというのは?」
婚后 「今度の旅行で使おうと思っているのですが――」
:
:
:
絹旗 「なるほど、それは超面白そうですね」
白井 「フレメアや、大きいお姉様の妹さんに限らず、わたくしたちでも楽しめそうですの」
婚后 「フレメア?」
絹旗 「あれ? 婚后さんにはまだ紹介してないんですか? これだから超浜面は……」
婚后 「ま、まあまあ。わたくしも高校入学直後でバタバタしておりましたし」
白井 「浜面さんと滝壺さんで保護している、小学生ぐらいの子ですの」
婚后 「その話は伺っておりました。フレメアという名前なのですね」
絹旗 「ええ。超目立つ外見なので見たら忘れないと思いますよ」
白井 「良い意味で、が抜けてますの」
婚后 「まあ、対面が楽しみでございますわね」
絹旗 「もしかしたら、超そこいらで会うかもしれませんね」
白井 「わたくしたちの行動範囲もなんだかんで決まっておりますし」
婚后 「お二人の買い物は?」
絹旗 「婚后さんが先でいいですよ、私らも超急いでるわけでもないですし」
白井 「ええ。必要なのは消耗品だけですので、最悪コンビニでも買えますの」
婚后 「まあ、なんだか申し訳ないですわね」
白井 「絹旗さんも、自分が使う分を選んでおきたいのですよ」
絹旗 「なっ……なんでそうなるんですか!」ムキー
婚后 「本音は?」
絹旗 「選ばせてください」
白井 「はい、決まりですの」
絹旗 「ゆ、誘導尋問です! 超無効です!」ウガー
婚后 「まあまあ、そう仰らずに。楽しんだものが勝ちですわよ」
白井 「さて、どこから参りましょうか」
絹旗 「この時期ならどこ行っても売ってるんじゃないですか?」
婚后 「どうせならド派手なものを選びたいですわね」
白井 「学園都市製ですから、何が飛び出るか分かったものじゃございませんの」
絹旗 「そういえば、やったことないですね」
絹旗 「学園都市製の花火、どんなもんか超楽しみです」
~その頃 第7学区 とある病院~
ショチトル 「」ガッシャン ガッシャン ガッシャン
結標 「……あれってもうリハビリじゃなくて筋トレよね」
エツァリ 「入院中に衰えた身体を鍛え直すという意味ではリハビリなのでは?」
結標 「そうなのかもしれないけど。あんなに運動して大丈夫なの?」
エツァリ 「うーん……ここ最近はより気合が入ってるように見えますね」
結標 「理由はなんとなく分かるけどね」
エツァリ 「おや、なんですか?」
結標 「ナイショ。ヒントだけあげると……女の子の考えそうなことよ」
エツァリ 「?」
ショチトル (他人の前で水着になるんだから、無様な肉体を晒す訳には……!)ガッシャン ガッシャン
結標 「貴方だと考えても分からないかもね。あの子に直接聞いてみたら?」
エツァリ 「はは、殴られますよ」
結標 「それで済むならいいんだけどね。そろそろ終わりそうだから、飲み物買ってくるわ」
~とある病院 歓談スペース~
結標 「たしか自販機はこの辺……あら」
麦野 「あれ、座標移動じゃん」
結標 「麦野さんか……休憩中?」
麦野 「サボリ中」ダラダラ
結標 「いいの?」
麦野 「私らみたいなのが暇ってのはいいことでしょ?」
結標 「サボるのは別問題じゃない」
麦野 「細かいこと気にしてんじゃねーよ」
結標 「まあ、いいけど」
麦野 「アンタは今日も付き添いなの?」
結標 「そんなところね」ピッ ガコン
麦野 「あの一緒にいたイケメン君はどなたかにゃ?」
結標 「それは……アレよ」
麦野 「ふーん……この間、一緒に来た優男とはどうみても別人だけど」ニヤニヤ
結標 「」
麦野 「あれ? あれあれ? もしかしてなんかマズいこと聞いちゃった?」ニヤニヤ
結標 (そうだ、なんでアイツ素のまま来てるのよぉぉ!)
麦野 「大丈夫よぉ、誰かに言いふらそうなんてつもりはないから」
結標 「」ダラダラ
麦野 「関係ないけど、最近甘いもの食べてないのよね。誰かケーキバイキングとか奢ってくれないかにゃー」
結標 (ど、どう言い訳すれば……)
麦野 「」ジー
結標 (真相を話すわけにもいかないし、かといってこのままだと浮気女扱い……)
<しずりーん!ミサカ一人に掃除押し付けてどこいきやがったぁぁ!
麦野 「あっ、やべ」
結標 「?」
麦野 「私逃げるから。じゃね」ピュー
結標 「……い、今は助かったの、かな?」
:
:
:
エツァリ 「おや、お帰りなさい」
ショチトル (汗かいちゃった)フキフキ
結標 「」ジー
エツァリ 「?」
結標 (ま、許してやるか。ショチトルも喜んでたみたいだし)ハァ
結標 「もう終わったの?」
ショチトル 「ああ。今日の分は終わりだ」
エツァリ 「この後どうされます?」
結標 「お昼食べて帰りましょ。そろそろ旅行の準備もしないといけないでしょ」
エツァリ 「そうですね。まだ何も準備できていませんし」
ショチトル 「待っててくれ。着替えてくる」パタパタ
結標 「」ジー
エツァリ 「……あの、先程からどうされたんですか」
結標 (これはこれでありなんだけどなぁ)
~同日午後 第7学区 とあるデパート~
婚后 「まあ、色々ございますわね」
絹旗 「婚后さん婚后さん、コレ超お勧めですよ」つ―>
婚后 「? これはどう使うんですか?」
絹旗 「この棒を持ってですね、ここのヒモを引っ張るんです」
婚后 「引っ張ると?」
絹旗 「この先っぽについた弾頭がパヒュッと飛んでいきます」
婚后 「だ、弾頭?」
白井 「ダメですの! これは危険すぎますの!」
絹旗 「超ちょっと派手なクラッカーみたいなもんですよ」
白井 「派手すぎますの!」
婚后 「なるほど、このヒモを引っ張ると……」クイクイ
白井 「引っ張らないでくださいましぃぃ!!」
絹旗 「むー、しょうがないですね。これは次回にということで」
白井 「こんな火薬満載のところで危ない真似はよしてください……」
婚后 「これは……また変わった花火ですわね」
絹旗 「なんか小さいですね。これじゃ味気なくないですか」
白井 「……超電磁砲花火?」
婚后 「指先に装着して使うようですわね……絶対に人に向けて撃たないようにともありますわ」
白井 「まさか、お姉様がこんな形で商品化されているとは……」
絹旗 「これ、超やってみたいんですけど」
白井 「危険ですの」
絹旗 「危険を超恐れるばかりでは何もできませんよ」
白井 「むう」
婚后 「まあまあ、もう子どもでもありませんし」
絹旗 「そうですよ、超子どもじゃありません」フンス
白井 「そこまで仰るのであれば……」
絹旗 「さて、浜面は耐えることができるでしょうか」
白井 「絹旗さぁぁん!?」
:
:
:
【カゴ】<ドッサリ
婚后 「これぐらいあれば事足りそうですわね」
白井 「あの、この大量のロケット花火は?」
絹旗 「あ、それ私のチョイスです」
白井 「戦争でもするおつもりですの?」
絹旗 「……そっか、それも超面白そうですね」
白井 「だーめーでーすーの!」
絹旗 「いやまあ、大量のロケット花火を一度に点火ってやってみたかったんですよ」
白井 「は、はあ」
婚后 「では、とりあえず会計を済ましてきますわね」
絹旗 「あ、私もちょっと出しますよ」
白井 「わたくしも。なんだかんだで選定に関わりましたし」
婚后 「ではお気持ちだけ」クスクス
~その頃 第7学区 セブンスミスト~
フレメア 「それは大体可愛くないと思う!」
打ち止め 「えー、可愛いもん!」
フレメア 「こっちの方が大体可愛いもん!」
打ち止め 「えー、ヒラヒラしすぎててなんかなー」
浜面 「おい、お前ら。ケンカすんなよ」
フレ止め 「「だってこの子が!」」ビシィ
番外個体 「はは、困った。自分のを選ぶ暇がなさそうだ」
滝壺 「大丈夫なの?」
番外個体 「んー、去年のがあるしね」
<じゃーこっち!
<大体こっち!
浜面 「いや、ガキってのは元気がいいな」ゲッソリ
番外個体 「子守乙」
浜面 「滝壺と姐さんは買わなくていいのか?」
滝壺 「去年のがあるから」
番外個体 「私も去年のを使うことになりそうだね」
浜面 (去年の……あの写真のだよな)
浜面 (あ、やべ、鼻血が)ボタボタ
滝壺 「はまづら?」
番外個体 「えっ、やーだー。何想像してんのー?」
浜面 「ばんでもございばぜん」
フレメア 「浜面、大体こっちのほうが可愛いよね!?」
打ち止め 「そんなことないよね! こっちだよね!」
浜面 「いや、どっちもいいと思うぞ!」ポタポタ
番外個体 「……ねえ、まさか浜面さんの鼻血の原因って」
フレ止め 「「?」」
滝壺 「そんなはまづらは流石に応援できない」
浜面 「ち、違うぞ! 誤解! 誤解だぁぁぁ!」
番外個体 「二人とも、こっちおいでー」
フレ止め 「「??」」トテトテ
浜面 「露骨に距離とらないでぇぇ!!」
滝壺 「とりあえず鼻血止めて」つ【ポケットティッシュ】
浜面 「ひゃい」ツメツメ
番外個体 「うちの妹に欲情しないでくれない?」ジトー
浜面 「違うんだよぉぉ、畜生ぉぉぉ!」
フレメア 「浜面は大体どうしたの?」
番外個体 「んー、病気?」
打ち止め 「病気なんだ……大変なんだね」
浜面 「一方通行……今ならお前の気持ちがちょっと分かるぜ」グスッ
番外個体 「で、二人とも水着は決まったの?」
フレ止め 「「これにする!」」
滝壺 「じゃ、お会計だね」
浜面 (これからはロリ面とか呼ばれるのか……辛いな、一方通行)
~同日 第7学区 某所~
フレメア 「買えた買えた♪」
打ち止め 「着るのが今から楽しみー♪」
滝壺 「よかったね、気に入ったのがあって」
番外個体 「あれだけ時間かけて選べばね」
浜面 「しっかし小腹が空いたな」
番外個体 「うん、なんか軽く食べたいな」
打ち止め 「クレープ食べたいクレープ!」
滝壺 「クレープ?」
フレメア 「私も、食べたい。にゃあ」ピョンピョン
浜面 「おし、食いにいこうぜ!」
フレ止め 「「♪」」ピュー
番外個体 「……また速いこと」
滝壺 「あっ、危ない」
~その頃~
絹旗 「いやー、随分買ってましたね」
白井 「あの荷物、どこに送っておりましたの?」
婚后 「実家です。執事の方で、現地に送ってもらえる手筈になっておりますわ」
絹旗 「おお、執事さんが」
婚后 「そういえば、執事の方も何か考えがあるようでしたが」
白井 「お世話になりっぱなしで、申し訳ないですの」
婚后 「いいえ、向こうも楽しんでやっておりますから、お気になさらずに」
絹旗 「さて、すこし休憩でも」
<二人とも!前!前!
<え?わーーー!
絹旗 「げほっ」ドカァ
<ビターーンx3
婚后白井 「「」」ポカーン
白井 「い、今何が?」
婚后 「何かが、すごい勢いで絹旗さんに突っ込んでいったとしか……」
絹旗 「」ピヨピヨ
打ち止め 「」ピヨピヨ
フレメア 「」ピヨピヨ
婚后 「子ども? お二人とも、お怪我はございませんか?」ユサユサ
打ち止め 「うーん……頭がグラグラ……」
フレメア 「にゃあ……あ、絹旗だ」
番外個体 「二人とも、ちゃんと前を見ないから!……あれ?」
白井 「あら、大きいお姉様?」
浜面 「すいませんすいません! うちのがご迷惑を……あっ、なんだ、絹旗か」
絹旗 「なんだとはなんですか! 人を超撥ね飛ばしておいて!」
滝壺 「大丈夫だった?」
絹旗 「ええまあ、どうにか」
婚后 「滝壺さんにミサワさん? ということは、こちらの子たちが……」
番外個体 「えーと、うん。そっちの茶髪のほうは私の妹」
打ち止め 「えと、えと、お姉ちゃんの妹で打ち、じゃなくて静琴です」フラフラ
婚后 「まあ、そっくり……それより、大丈夫ですか?」ナデナデ
打ち止め 「は、はい、もう大丈夫!」キリッ
白井 「ち、小さい大きいお姉様!? まあまあまあまあ、なんと可愛らしい!」ハァハァ
番外個体 「落ち着け」ズビシッ
絹旗 (超久々に白井さんらしいところをみました)
滝壺 「この子は、今私たちの家で預かってるの。ほら、ご挨拶は?」
フレメア 「私、フレメア=セイヴェルン」ペコリ
婚后 「お人形さんのような子ですわね。わたくしは婚后と申します」
フレメア 「婚后……すぽんさーのお姉ちゃん?」
婚后 「?」
浜面 「ああ、悪い。俺が旅行のスポンサーだって教えちゃったんだよ」
婚后 「まあ、スポンサーと言えばそうかもしれませんわね」クスクス
絹旗 「まさかこんな形で出会うとは、超びっくりですね」
フレメア 「ねー、絹旗。今日はユリコは?」
絹旗 「超お留守番です」
フレメア 「ぶー」
打ち止め 「ユリコって?」
フレメア 「絹旗のネコさん」
番外個体 「そうだ。ユリコだったらあなたでも触れるかもね。私からも逃げないし」
打ち止め 「え!? ホント!? ホントにホント!?」
婚后 「ところで、みなさんは何を?」
滝壺 「買い物帰り。でクレープ食べたいっていうから行くところだった」
浜面 「お嬢たちも、よかったらどうだ?」
白井 「では、ご一緒させて頂きますの」
番外個体 「ほら、みんな行くよ。遅くなっちゃうから」
絹旗 「……フレメア。他の人はお兄ちゃんかお姉ちゃんなのに、なんで私だけ絹旗なんですか」
フレメア 「大体絹旗だから」
打ち止め 「絹旗もクレープ行こうよ」グイグイ
絹旗 「ほら、超伝染しちゃったじゃないですかぁ!」ムキー
~第7学区 とある公園~
浜面 「買ってきたぞー!」フンス
フレメア 「ちょうだいちょうだい」
番外個体 「はい、あなたはトリプルベリーであってるよね?」
打ち止め 「うん、それ!」
滝壺 「みさわのって、カフェオレ味?」
絹旗 「ミサワさんって何食べるにしても超コーヒー系統なんですね」
番外個体 「好きで食べてるんだから、ほっといてよ」
打ち止め 「」ハムハム
フレメア 「」ジー...
打ち止め 「……」
フレメア 「」ジー...
打ち止め 「一口味見してみる……?」
フレメア 「えっ、いいの?」
打ち止め 「う、うん。一口だからね」
フレメア 「♪」ハムハム
婚后 「まあ、なんと微笑ましい光景でしょうか」
白井 「あまりにイノセントすぎて、直視できませんの」
絹旗 「にしても、この二人いいコンビですね」
婚后 「……あの、こう言ってはなんですがトリオでは?」
絹旗 「?」
白井 「偶然なのでしょうが、3人並んで座ってる光景をみると」
番外個体 「ちびトリオ」ケラケラ
絹旗 「なっ、なんで私まで序列に加えられてるんですか! 超おかしいですよ!」
フレメア 「ねーねー、絹旗のも大体一口味見させて」クイクイ
打ち止め 「こっちにも一口ちょうだい」クイクイ
絹旗 「超ダメです。これは私のです」
フレ止め 「「超ケーチー」」
絹旗 「真似しないでください!」ムキー
浜面 「まあ、似たようなもんだろうな。うん」
滝壺 「きぬはたとフレメアはすぐ仲良くなれたしね」
番外個体 「へー、そうなの?」
浜面 「アイツにも思うところはあるんだろうけどよ……結果良ければすべて良しってな」
フレメア 「ねー、絹旗ー」
打ち止め 「一口ー」
絹旗 「ダメですってば! 私だってクレープなんて超久々なんですから!」
滝壺 「二人とも、きぬはたも困ってるよ」
フレ止め 「「はーい」」
:
:
:
フレメア 「超おいしかった、にゃあ」
浜面 「たまには甘いものも悪くねえな」
番外個体 「浜面さんが追加注文するなんて思わなかったよ」
浜面 「クレープなんてハイカラなもん、こんなときじゃねぇと食えないだろ」
絹旗 「確かに、浜面が一人でクレープを買ってる姿を超想像したらぶふぃー」
浜面 「笑うな、自覚はある」
<おや、偶然ですね。
白井 「あら、海原さん」
海原 「皆さんお揃いで」ニコニコ
結標 (あっぶない。慌てて変身させたけど、見られてないわよね?)
ショチトル 「……義姉さん、知り合いか?」
結標 「え? ええ、みんな友人よ」
婚后 「そちらの方は?」
海原 「いい機会なので紹介します。彼女は僕の義理の妹ですよ」
ショチトル 「え、えと」
結標 「名前」ボソッ
ショチトル 「あ、ショチトル、です」
絹旗 「絹旗っていいます。超よろしく」
浜面 「おお、海原の妹さんか。俺は浜面っつうんだ。こっちのちっこいのは」
フレメア 「フレメア=セイヴェルン」パタパタ
滝壺 「滝壺です」
結標 「あら、フレメア。会うのは2回目かしら」
フレメア 「大体2回目、にゃあ」
ショチトル (血縁には見えないな、私と似たようなものなのかな)
白井 「わたくし、白井と申します。よろしくお願い致します」
婚后 「婚婚と申します。お兄様とは仲良くさせて頂いておりますわ」ペコリ
ショチトル 「これはご丁寧に。出来の悪い兄で苦労をかける」ペコリ
婚后 「そんなとんでもないことです。紳士な方で素敵ではございませんか」
ショチトル (そ、そうなのか)
番外個体 「……あなたって、もしかしてうちの店に来たことある?」
ショチトル 「……あっ、マスター? マスターじゃないか?」
結標 「あれ? 会ったことあるの?」
番外個体 「前に、道を教えてほしいって店に迷いこんできたことが」
ショチトル 「まっ、迷っていたのではなく! あくまでも確認のために」
番外個体 「ともかく。私はマスターじゃなくてミサワって呼べばいいから。こっちのアホ毛は」
打ち止め 「妹でーす」ミョンミョン
ショチトル 「あ、ああ。改めてよろしく」
フレメア 「お兄ちゃんは?」
海原 「海原と申します。よろしくお願いしますね」ニコニコ
フレメア 「大体よろしく」
絹旗 「海原さんたちも超買出しですか?」
海原 「いえ、今日は病院の付き添いですよ」
婚后 「退院できたとはいえ、大変ですわね」
ショチトル 「大丈夫。日常生活に支障はない」
結標 「偶然だけど、これで旅行に行くメンバーが全員揃ったことになるのね」
番外個体 「いや、うちの人がいないんだけど」
結標 「あら、うっかり」
番外個体 「わざと?」
結標 「何のこと?」
海原 「お二人とも、それぐらいになさってください」ナデナデ
結標 「っ……まあ、貴方がそこまで言うなら」
婚后 「せっかくですので、当日の動きも確認致しましょう」
滝壺 「たしか、現地集合だったよね」
浜面 「え、沖縄にか?」
白井 「いえ、合流ポイントは羽田空港ですの」
フレメア 「羽田空港って大体どこ?」
結標 「東京都の端っこよ」
打ち止め 「なんでみんな一緒に行かないの?」
結標 「さすがに人数が多すぎるからね」
絹旗 (まるで保母さんですね)
番外個体 「チェックインは何時からだっけ?」
婚后 「8時半からですわね」
白井 「とすると、そこそこ早く出発しないとなりませんの」
滝壺 「フレメア、寝坊しないようにしないとね」
フレメア 「にゃあ」
番外個体 「あなたもだよ」
打ち止め 「むしろあの人の心配をしたほうがいいかも」
浜面 「ま、当日は遅れないようにってことだな!」
絹旗 「遅れたら超容赦なく置いていかれますので」
海原 「後日、そこには一人取り残された絹旗さんの姿が」
絹旗 「超ないですから! 私には目覚ましでテレポ屋さんの白井さんがいますから!」
白井 「絹旗さんはわたくしをなんだと思ってますの!」
ショチトル 「賑やかだな。いつもこうなのか?」
結標 「一年以上前からずっとこうよ」クスクス
婚后 「ささ、日も傾いてきましたし、そろそろお開きとしましょう」
滝壺 「次に会えるのは空港かな?」
絹旗 「そうですね、何気に超もうすぐですし。では、また当日に」
~同日夜 第7学区 常盤台新寮~
<ガチャ
白井 「はぁ、門限には間に合いましたの」
絹旗 「いやー、暑い中歩きまわると超疲れますね」
白井 「ユリコは?」
絹旗 「ちゃんと寮監から回収してきましたよ」
ユリコ 「(・ω・)」プンスコ
絹旗 「遅くなっちゃったのは謝りますから、怒らないでくださいよー」
白井 (これ、怒ってるんですの?)
絹旗 「ほら、海苔ですよ海苔」つ■
ユリコ 「ノシ・ω・)ノシ」
白井 「絹旗さん、シャワーはどうされますか?」
絹旗 「超お先にどうぞ」
白井 「では、お先に頂きますわね」
絹旗 「はいはい、ごゆっくり」
~シャワーシーン省略~
白井 「絹旗さん、空きましたの」
絹旗 「超了解です。じゃ、これ続きお願いします」
白井 「……ねこじゃらし?」
ユリコ 「(・ω・)」ジー
白井 「ああ、そういうことですの」
絹旗 「帰りが予定より遅くなったせいで、超ふてくされ気味なので」
白井 「そういうことであれば、仕方ございませんわね」フリフリ
ユリコ 「ノシ・ω・)ノシ」
絹旗 「あれー。私のバスタオル見ませんでした?」ゴソゴソ
白井 「いえ、知りませんが」
絹旗 「おっかしいですねぇ」ゴソゴソ
ユリコ 「(*・ω・)」ゴロゴロ
白井 「そういえば」
絹旗 「はい?」
白井 「今回の旅行、ユリコもお連れするおつもりで?」
絹旗 「超当然です。ユリコにとっては思いっきり外を走り回れる数少ない機会ですし」
白井 「まあ、ほとんど室内飼いですものね」
絹旗 「だって、もし、もしですよ……外に放して車に轢かれでもしたら、私、きっと……」
白井 「……」
絹旗 「スト2のボーナスステージみたいに、車を超フルボッコにしちゃいます」
白井 「」
絹旗 「いや、それでも収まるかどうか……」
白井 「ト、トラブルを避けるための室内飼いはわたくしも賛成ですの」
絹旗 「ですよね。で、バスタオルが超本格的に見つからないんですが」
白井 「ユリコが鎮座してるこれは違いますの?」
絹旗 「あっ」
ユリコ 「( -ω-)」
~同じ頃 第18学区 婚后邸~
婚后 「ただいま戻りました」
エカ 「(゚-゚)」クルッ
婚后 「いい子にしてましたか? 今、食事を用意いたしますわね」
エカ 「♪」
婚后 「あ、そうそう。連絡もいたしませんと」カチカチ
Prカチャ
執事 『何かご入用でございますかな』
婚后 「いえ、業務連絡ですわ」
執事 『左様で』
婚后 「先日お話した品、今日付けでお送りいたしましたので」
執事 『畏まりました。後はお任せください』
婚后 「ええ、頼みますわね。花火とはいえ火薬ですので、扱いには気をつけてください」
執事 『心得ております』
婚后 「そういえば、貴方の方でも何か用意していると言っていましたが」
執事 『ええ。夕食に少々の工夫を』
婚后 「工夫ですか?」
執事 『天気と相談になりますが、星空を見ながらの食事など、洒落ておりましょう』
婚后 「あら、素敵ですわね」
執事 『本音を言いますと、私が楽をするための口実でございます』
婚后 「お上手ですこと」
執事 『ふふ、では当日を楽しみにしておりますぞ』
婚后 「ええ、それではまた現地で」ピッ
エカ 「( ゚-゚)」シュルシュル
婚后 「はいはい、今用意いたしますわ」
エカ 「♪」
~同じ頃 第7学区 番外通行邸~
<ガチャ バタン
一方通行 「ン、戻ったか」
番外止め 「「ただいまー」」ダキッ x2
一方通行 「ひっつくな、暑い重いウゼェ」
番外個体 「口ではそう言いながら、実力行使には絶対でないんだよね」ペロペロ
打ち止め 「あなたのツンデレっぷりはもう周知の事実なのだ! ってミサカはミサカは現実を突きつけてみたり」ベタベタ
一方通行 「……メンドクセェ」ハァ
番外個体 「そう言わずに。今から夕食の準備するからさ」
打ち止め 「ミサカはお風呂の準備してくるね! ってミサカはミサカはお風呂場に猛ダッシュしてみたり」ピュー
一方通行 「オイ、帰ったばかりで騒々しくすンな。ちっと休ンでからでいい」
番外個体 「でもお腹空いてない?」
一方通行 「ガキじゃあるめェし、メシの1つや2つ待てるっつうの」
<え?なに、素麺全部食べたの?
一方通行 「なンかマズかったか?」
番外個体 「いや、よく食べ切れたなーと思って。あんなチャレンジメニューみたいの」
一方通行 「……多いって認識はあったのか」
番外個体 「うん、手滑らせてありったけの素麺お湯に落としちゃって」
一方通行 「」
番外個体 「どうせ余るだろうから、なんか手加えて夕飯にしようと思ってたのに」
一方通行 「言われなきゃ分からねェに決まってンだろ!」
番外個体 「分かれよ」
一方通行 「フザけンな!」ムキー
打ち止め 「お風呂30分ぐらいでわくからねー、ってミサカはミサカは報告してみたり」
番外個体 「はーい、お疲れ様ー」ナデナデ
一方通行 「俺が悪ィのかよ、ったく……」カシュッ
番外個体 「すーねーるーなーよー。夕飯はあなたが大好きなもんにしてあげるから」
:
:
:
番外個体 「はい、珈琲淹れた」コトッ
一方通行 「あァ、悪い」
番外個体 「ちょっと気になってるんだけどさ」
一方通行 「ン?」
番外個体 「今の状態でも、本っ当に最低限の反射は出来てるんだよね?」
一方通行 「紫外線ぐらいしか反射できねェぞ」
番外個体 「あ、なら十分だ」
一方通行 「出来てなけりゃ、今頃皮膚がやられてるだろォが。見た目通りの軟弱肌なんだからよ」
番外個体 「うん、それ心配してた。南国の日差しなんて耐えられるのかなって」
一方通行 「大丈夫だ、心配すンな」
番外個体 「うん、よかったよ」
打ち止め 「ワーストお風呂はいろー、ってミサカはミサカは誘ってみたり」トテテテ
番外個体 「はいはい、今行くー」
~同じ頃 第7学区 浜滝邸~
浜面 「フレメア、さすがにそれはよろしくないぞ」
フレメア 「やーだー」
滝壺 「どうしたの?」
浜面 「いやな、今日買ってきた水着着てフロ入るっつうんだよ」
フレメア 「だって大体早く着てみたいもん」
浜面 「いや、着るだけならフロじゃなくてもいいだろ? 水着でフロってなマナー違反なんだぞ」
フレメア 「やーだー」
滝壺 「ねえ、フレメア。お楽しみは後にとっておいたほうがいいと思うよ」
フレメア 「ぶー」
滝壺 「うーん……はまづら、お風呂ってもう沸いてる?」
浜面 「いや、まだ水だぜ」
滝壺 「じゃフレメア。ちょっとだけね」
フレメア 「?」
滝壺 「お風呂が沸くまでの間、水着でお風呂場に行っていいよ」
フレメア 「やったやった」ピョンピョン
滝壺 「じゃほら、着替えておいで」
フレメア 「♪」ピュー
浜面 「よかったのか」
滝壺 「試着せずにサイズだけで見てたみたいし、ちょうどよかったかも」
浜面 「なるほどなぁ」
<浜面ー、手伝ってほしいー。
浜面 「ああ? はいはい、ただいま」
滝壺 「」グイッ
浜面 「いでででで!? 耳引っ張らないで! 耳痛い!」
滝壺 「私が行く。はまづらは待ってて」
浜面 「……そ、そうだな。それがいいよな!」
~10分後~
フレメア 「ねー。似合う? 似合う?」クルクル
浜面 「おお。すげぇ似合ってるぞ!」
滝壺 「サイズもぴったりでよかったね」
フレメア 「なんか海、すごい楽しみ」wktk
浜面 「そうだな。海なんて俺も久しぶりだからな、楽しみだぜ」
フレメア 「♪」ピョンピョン
浜面 「……ところで滝壺、どう言いくるめて着替えさせるんだ?」
滝壺 「そこまで考えてないよ」
<ピー
浜面 「おっと、フロが沸いたか」
フレメア 「えっ? えっ? 大体、水遊びは?」
滝壺 「お風呂沸くまでの約束だったから、おしまいね」
フレメア 「ふぎゃぁぁぁぁぁ」
~同じ頃 第18学区 結標海原邸~
ショチトル 「私で最後の筈だから……お風呂のお湯は抜いてしまっていいか?」
エツァリ 「あ、ダメです。明日の洗濯に使いますので」
ショチトル 「……わ、分かった。しかし、今日は疲れてしまったな」
結標 「それ以上に焦っちゃったわよ」
ショチトル 「?」
結標 「だって、こいつが素顔のときにみんなと出くわすなんて想定してないもの」
エツァリ 「困らせてしまったようで、恐縮です」
結標 「まあ、いいけどね」
結標 (やっぱり素顔のほうが)
ショチトル (いいなぁ)
エツァリ 「?」
結標 「そういえば貴方たち、準備は進んでるの? 直前でバタバタするのはご免よ」
エツァリ 「必要なモノは揃えてあるので、あとは詰め込むだけですよ」
結標 「やれるなら早いうちにやっちゃったほうがいいと思うけど」
エツァリ 「仰る通りですね」
ショチトル (どうしよ……何も手をつけてない)
エツァリ 「ショチトルは、問題なさそうですか?」
ショチトル 「え? あ、ああ、問題ない」
結標 「早めに準備するのも大事だけど、すぐ必要になるものをしまってもダメだからね」
ショチトル 「分かっている」
結標 「さーて、私先に寝るわね」
ショチトル 「え? もう?」
結標 「夜更かしはお肌の大敵なのよ。じゃ、オヤスミ☆」
<バタン
ショチトル 「……私もそろそろ」
エツァリ 「ええ、お休みなさい」
ショチトル 「うん。お休み」
~2時間後 結標海原邸 ショチトル個室~
ショチトル 「荷造りはこんなものかな……」
ショチトル 「疲れたし、いい加減寝るとしよう」
ショチトル 「あれ? 寝るときの服……あー!」
【キャリーバック】
ショチトル 「この中だ……」
ショチトル 「しかも部屋着類は一番奥の方じゃないか」
ショチトル 「……出す、しかないよね」
【キャリーバッグ】<カパッ
ショチトル 「……」
ショチトル 「うう……面倒くさい。眠いのに……」
ショチトル 「……義姉さんに頼めば出してもらえるのかな、ってもう寝てるんだ……」
150 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2011/05/07 01:30:08.41 LiMMw3BKo 66/337
>>1です。少々遅くなってしまいました。
ちょっと本編で書ききれそうもないところを補足します。
・海原の素顔をまだ明かさない理由
→明かしてもいいかなとは思ってるけど一年ちょっと過ごしたし今更ねぇ、
っていうのと、秘密を共有することによる優越感です。
・一方さん同行
→一方さんは当初「はいはい行ってらっしゃい」ってスタンスでしたが、
打ち止めの"猛烈な抗議"によって同行することになりました。
そういえば、>>1の携帯では一(いち)とー(伸ばし棒)が
寸分違わぬ見た目のため、「一口ー」がますます顔文字に見えました。
それでは、続きを投下させて頂きます。
~8月上旬早朝 第7学区 常盤台新寮エントランス~
絹旗 「ユリコー、これに入ってください」
ユリコ 「(・ω・ ) ) )」
絹旗 「目的地に着くまで、超ちょっとの辛抱ですからね」
白井 「超ちょっとという時間でもないと思いますが……」
絹旗 「超大丈夫ですよ。ユリコはこの中大好きですから」
白井 「まあ、ユリコは賢いですし」
絹旗 「飼い主に似て、超賢くて超可愛いでしょう」フンス
白井 「え?」
絹旗 「いや、そこでその反応は超おかしくないですか」
白井 「絹旗さんは可愛い部類でしょうが、淑女たるもの、自分で言うものでもございませんの」
絹旗 「えー。そんなもんなんですかね」
白井 「そんなもんですの」
絹旗 「まあ、私の魅力など私が言わなくても超伝わるでしょうけども」
白井 「自然に伝わってこその魅力ですの」
絹旗 「なんか分かる気もします」
寮監 「なんだ、お前たち。もう出るのか」
白井 「寮監、おはようございます」
絹旗 「おはようございます」
寮監 「分かっているとは思うが、羽目を外さぬようにな。特に絹旗」
絹旗 「え、なんで名指しなんですか」
寮監 「普段の自分の行いを鑑みてみろ」
白井 「ですの」
絹旗 「むう」
寮監 「白井が付いていれば大丈夫……きっと大丈夫だ……うん、大丈夫だろう」
白井 「寮監!? なぜそこで自分に言い聞かせますの!?」
絹旗 「」プギャー
白井 「笑うところではございませんの!」
寮監 「滅多にない機会だからな。常識の範疇で、思い切り楽しんでこい」
白井 「か、かしこまりました。では、行ってまいりますの」
絹旗 「お土産には食べ物と置物、どっちがいいですか?」
寮監 「食べ物」
絹旗 「超了解です。じゃ、楽しんできます」
ピーッ ガチャ バタン
絹旗 「さて、どこから行きましょうか」
白井 「第11学区のゲートに向かいましょう。そこから表に出れるハズですの」
絹旗 「この時間じゃバスも動いてませんね」
白井 「ええ。まだ始バスの時間までちょっとございますわね」
絹旗 「てことは、テレポかタクシーで移動するこ「さ、タクシーを捕まえましょう」
絹旗 「超即断ですね」
白井 「先は長いのに、こんな早朝から疲れ果てるのはご免ですの」
絹旗 「疲れるといえば。制服のままも超疲れますし、どっかで着替えちゃいましょうよ」
白井 「学園都市の外に出てからにしますの」
~タクシーで移動中~
ブロロロロ...
絹旗 「……あ! 止めてください!」
白井 「え?」
キキーッ ゴンッ
白井 「いたたた……おでこが……どうしましたの、急に」サスサス
絹旗 「あれ、婚后さんですよね?」
白井 「あら」
絹旗 「婚后さーん」ノシ
婚后 「あら、絹旗さん?」
絹旗 「超奇遇ですね。ゲートまで行くなら、乗ります?」
婚后 「まあ、よろしいのですか?」
絹旗 「せっかくですし」
白井 「運転手さん、友人なのですが乗せても平気ですか?」
運転手 「大丈夫だ、問題ない」
婚后 「では失礼いたしますわ」バタン
絹旗 「じゃ、運転手さん。引き続きお願いします」
ブロロロロ...
婚后 「? 白井さん、おでこが赤いですが」
白井 「なんでもございませんの」
絹旗 「」プププ
白井 「笑わないでください!」
婚后 「?」
絹旗 「この分だと、超早く到着できそうですね」
婚后 「そうですわね。この時間ならゲートの手続きも混んでいないでしょうし」
白井 「余裕がある分には問題ないかと」
絹旗 「さて、皆さん時間までに来るといいのですが」
~その頃 第7学区 番外通行邸~
番外個体 「最終信号、準備は?」
打ち止め 「おk! ってミサカはミサカは準備万端であることをアピールしてみたり!」
番外個体 「で、あの人、まだ起きてないの? もう置いてこっか」
打ち止め 「ダーメーなーの! ミサカが起こしてくるから待ってて!」ドタタタ
<起きて起きて起きてー!
<ドンガタッバゴン
<ごォォォ!?
番外個体 「狙い通り」ニヤニヤ
:
:
:
一方通行 「」ポケー
番外個体 「時間も余裕ないから、ご飯食べてる暇ないよ」
一方通行 「珈琲だけくれ。缶でいいから」
番外個体 「はい」ポイッ
一方通行 「ン」パシッ
打ち止め 「もー。ちゃんと起きてって言ったのに。ってミサカはミサカはぶーたれてみる」ブーブー
一方通行 「慣れないことはするもンじゃねェ」
番外個体 「困るわ、それじゃ。まったく、本当に朝弱いんだから」
一方通行 「まだ遅刻確定って時間でもねェだろ?」
打ち止め 「でも、余裕もそんなにないよ、ってミサカはミサカは時計を気にしつつ指摘してみたり」
一方通行 「はいはい。じゃ、行くとしますかねェ」
番外個体 「バッテリは?」
一方通行 「夜中に充電した。問題はねェ」
番外個体 「よろしい」
打ち止め 「仮に切れたとしても、ミサカかワーストが充電してあげるからね!」
一方通行 「まァ、万が一のときには頼むかもな」
番外個体 「できるならそうならない方がいいんだけどね」
一方通行 「覚えておく」
打ち止め 「じゃ、しゅっぱーつ! ってミサカはミサカは手を振りあげてみる!」
番外個体 「帽子忘れてるよ」ポスン
打ち止め 「わっ、わっ、前が見えない!」
一方通行 「オマエ、人に偉そうなこと言っておいて自分も忘れもンかよ」ケラケラ
番外個体 「人のこと言えないのは同じでしょ。はい、杖」
一方通行 「ああ、悪ィ」
打ち止め 「じゃ、じゃあ改めてしゅっぱーつ! ってミサカはミサカは帽子を直しつつ宣言してみたり」イソイソ
番外個体 「しゅっぱーつ」
一方通行 「今度こそ忘れもンはねェな」
番外個体 「大丈夫だよ。こっちゃあなたが寝てる間にも準備してたんだから」
一方通行 「そりゃ結構なことで」
打ち止め 「ワースト、テーブルに携帯置き忘れてるよ、ってミサカはミサカは指差しつつ教えてみたり」
番外個体 「」
一方通行 「お、いいねェその表情。今まで見た中じゃ2番目にイイ表情だぜェ」ニヤニヤ
番外個体 「……ぅ、ぐぬ……」プルプル
一方通行 「さァて、今度こそ行くとするか」
打ち止め 「しゅっぱーつ!」
~その頃 第7学区 とある大通り~
浜面 「おーい! おーーーい!」ノシ
滝壺 「あっ、行っちゃったね」
フレメア 「タクシーが全然捕まらない、にゃあ」
浜面 「なんでだよ、なんで回送か送迎しか走ってねぇんだよぉぉ!」
滝壺 「この時間だとタクシーも仕事終わりなのかも」
浜面 「参ったな。流石にゲートまで歩くには途方も無い距離があるからな……」
滝壺 「とりあえず大通り沿いに歩きながら。タクシーが見えたらまた挑戦すればいいよ」
浜面 「今はそれが一番か……仕方ねぇ!」
フレメア 「大体歩くの?」
浜面 「少しだけな」
フレメア 「少しだけ」
:
:
:
フレメア 「」カチカチ
浜面 「おい、フレメア。歩きながら携帯いじるのは危ないぞ」
滝壺 「何やってるの?」
フレメア 「みさわ妹からメール来たから、返信してたの」
滝壺 「もう出発したって?」
フレメア 「うん、大体出発したって」
浜面 「向こうも出発したのか」
滝壺 「みんなも移動してるのかな」
浜面 「この時間ならもう移動してるんじゃねぇかな」
フレメア 「あっ」
滝壺 「どうしたの?」
フレメア 「今タクシーに乗ったってメールがきた」
浜面 「なにぃぃ! くそ、なぜだぁぁ! なぜ俺達はタクシーに振り向いてもらえない!」
滝壺 「大丈夫だよ、タクシーに嫌われてるはまづらも応援してる」
浜面 「嫌われてんの!? そりゃ庶民だからタクシーなんて滅多に乗らねぇけどさ!」
フレメア 「大体、私がやってみる」フンス
浜面 「フレメアが? タクシー止めんの?」
滝壺 「それじゃ、やってみて」
フレメア 「まかせて」トテトテ
浜面 「大丈夫なのか?」
滝壺 「何事もチャレンジだよ」
<キキー
浜面 「えっ」
滝壺 「あっ」
フレメア 「タクシー止めた、にゃあ」トテテテ
浜面 「」
滝壺 「やったね、フレメア」ナデナデ
フレメア 「♪」
滝壺 「はまづら、乗ろうよ」
浜面 「そ、そうだな、乗ろう」
~その頃 第11学区 とある路地~
結標 「さーて、この辺ね」
海原 「事前に場所もリサーチ済みとは、恐れいります」
結標 「適当に飛ばして地面に埋まったら、ショチトルが可哀想でしょ」
ショチトル 「それは確かにイヤだが」
結標 「待ち合わせ場所は、駅の改札ね」
海原 「心得ています」
結標 「大丈夫だとは思うけど、なんかあったらイヤだから。飛ばしたあとはさっさと離れてね」
ショチトル 「ああ、分かった」
結標 「じゃ、準備はいい?」
ショチトル 「ま、待ってくれ」
結標 「どうしたの?」
ショチトル 「転移されるのは初めてなんだが……痛かったりしない?」
海原 「大丈夫ですよ、ちょっとふわっとするだけです」
ショチトル 「本当に?」
海原 「本当です」
結標 「大丈夫よ。自分以外を飛ばすときの精度なら自信があるわ」
ショチトル 「……分かった、信じる」
結標 「じゃ、一人ずつ飛ばすからね」
海原 「いっぺんに、じゃないんですね」
ショチトル 「手間じゃないのか?」
結標 「手間だけど。いくらお兄ちゃんでも、物理的にくっつくのは嫌でしょ?」
ショチトル 「ぅ……でも、お兄ちゃんなら……」ゴニョゴニョ
結標 「はいはい。じゃ、いくわよ」
フッ
ショチトル 「あ、消えた」
結標 「次は貴女の番ね」
ショチトル 「え、ちょ、ちょっとま」
フッ
結標 「これでよし、と」
[[携帯電話]]<アイシアウー フターリー シーアワセノー ソラー♪
結標 「はい、もしもし」
海原 『あ、僕です。こちらは問題ございませんので』
結標 「当然でしょ。私が飛ばしたんだもの」
海原 『ふふ、ごもっともですね』
結標 「じゃ、後で。改札でね」
海原 『お待ちしております』ピッ
結標 「さーて。私もさっさといかないとね」
チンピラ 「よう、姉ちゃん。朝帰り?」
チンピラ 「俺達と延長戦とかどう?」
結標 「邪魔」
フッ x2
結標 「もー、朝から気分悪いなぁ。早くここ離れましょ」コツコツ
~同日朝 羽田空港 第一旅客ターミナル~
絹旗 「いやー、超寝てたら着いちゃいましたね」
白井 「婚后さんが起こしてくれなければ、危うくそのまま引き返してしまうところでしたの」
婚后 「いいえ、わたくしとて直前まで微睡んでおりましたから」
絹旗 「で、まだ誰も来てないようですね」
婚后 「待ち合わせの時間まではまだございますし」
絹旗 「ところで、どっか着替えれる場所ってないですか」
婚后 「着替えですか?」
白井 「制服だと疲れるそうで」
婚后 「エアポートラウンジならシャワールームもございますが、たしか入室条件があったかと」
絹旗 「むー、超仕方ないですね。現地まで耐えますか」
白井 「耐えるというほどのものでもございませんでしょうに」
絹旗 「あっ、お手洗いっていう手が」
白井 「やめてください、お願いですから」
絹旗 「超冗談ですよ。さすがにそこまではしません」
白井 「ならよいのですが」
婚后 「絹旗さんも相変わらずですわね。良い意味で」
絹旗 「私は超ブレませんので」フンス
:
:
:
絹旗 「」モフモフ
婚后 「まあ。では、朝食をとらずにここまで?」
白井 「今にして思えば、前日にパンなり用意しておけばよかったのですが……」
絹旗 「」ゴクン
婚后 「それで、今軽く食べてるということですのね」
白井 「ですの」モフモフ
絹旗 「それにしても、誰も来ませんね」
婚后 「まあ、まだ時間には余裕がございますし」
絹旗 「そうだ。誰が最初にくるか予想してみませんか?」
白井 「予想ですか」
絹旗 「はい。で、正解者には何か超お得な特典を」
婚后 「特典と申しますと?」
絹旗 「んー……ケーキバイキングにご招待とか」
婚后 「よろしいですわ。受けて立ちましょう」
白井 「あら、ここでわたくしだけ引き下がるのも不公平ですわね」
絹旗 「超決まりですね」ニシシ
婚后 「誰か、と申しましたがおそらく、いえ確実に3グループに分かれていらっしゃる筈です」
白井 「ですの。3家族、とも申しましょうか」
絹旗 「滝壺さんのところ、ミサワさんのところ、結標さんのところですね」
婚后 「この中で、次に到着しそうな人たちと申しますと……」
白井 「考えてみると、トラブルにでもあわない限り大幅に遅刻しそうな方はおりませんの」
絹旗 「超僅差っぽいですよね」
婚后 「これは接戦ですわね」
絹旗 (滝壺さんはしっかりしてるように見えて実は超のんびり屋さんです。加えて超浜面とフレメアもいるとなると……)
絹旗 (除外ですね。ミサワさんと結標さんでは……)
絹旗 (割と几帳面な海原さんを抱える結標さんが超有利でしょうか。いざとなればテレポですし)
白井 (子どもというのは、イベントの日には驚くべきポテンシャルを発揮するもの)
白井 (フレメアか、小さい大きいお姉様がいち早く起きて家人を叩き起こすことは十分考えられますの)
白井 (大きいお姉様も、振る舞いはラフに見えて内面しっかりしている方。これは決まりでしょうか)
婚后 (ミサワさんは以前愚痴っておりましたわね。彼は朝が弱い、と)
婚后 (となると、滝壺さんか結標さんか)
婚后 (……滝壺さんでしょうか。どんな時でも平常心で動いておられますし)
絹旗 「シンキングタイム超終了です」
白井 「お二人とも、結論は出ましたか?」
婚后 「ええ、色々な可能性を考慮した上で、わたくしなりに出させて頂きました」
絹旗 「では超発表といきましょうか」
白井 「よろしいですの」
絹旗 「はい、せーの」
絹旗 「結標さんで」
白井 「大きいお姉様ですの」
婚后 「滝壺さんかと」
絹旗 「おお、見事にバラけましたよ」
婚后 「勝者は一人だけ、ということですわね」
白井 「いつだって勝者は一人ですの」
絹旗 「では、後は結果待ちですね」
~10分後~
絹旗 「! あ、あの姿はまさか!」
白井 「絹旗さん、ご存知ですの!?」
婚后 「白井さんもお分かりでしょう」
絹旗 「ああ、私の手からケーキバイキングが零れていきます……」
白井 「負けは負け、ですの」
フレメア 「あ、お姉ちゃんとお姉ちゃんと絹旗だ」トテテテ
浜面 「なんだ、お嬢たち早いな」
滝壺 「おはよ。……きぬはた、どうしたの?」
絹旗 「敗者の余韻を噛み締めているんです」orz
白井 「みなさんも、お早いですわね」
浜面 「いやな、学園都市で捕まえたタクシーの運転手がフッ飛ばしてくれてな」
婚后 「?」
滝壺 「はまづらが"ちと遅れ気味だなぁ"って呟いたら"お急ぎですかい?"って」
フレメア 「クレイジータクシーみたいで楽しかった、にゃあ♪」ピョンピョン
浜面 「死ぬかと思ったわっ」
婚后 「わたくしだと無事では済まなかったでしょうね……」
絹旗 「超畜生……私の分析は超カンペキな筈なのに……」
白井 「ほら、いつまで凹んでますの」
フレメア 「絹旗はどうしたの?」
婚后 「甘いものが食べれなくなって残念がっているのですよ」
浜面 「なんだなんだ、甘いもんが欲しいのか?」
絹旗 「超浜面には関係ないです」
滝壺 「フレメア、あれちょっと分けてあげて」
フレメア 「わかった」ゴソゴソ
絹旗 「?」
フレメア 「はい、絹旗にあげる」つ【ミルキー】
絹旗 「……」
婚后 「絹旗さん、よかったですわね」
白井 「これ、とても美味しいんですよね」
浜面 「よかったな、絹旗!」ナデナデ
絹旗 「私をなんだと思ってるんですかぁー!」ゴスッ
浜面 「ほが」
フレメア 「すごいすごい、ヘッドバットだ」
滝壺 「今のはちょっと痛そうかも」
浜面 「いやいや、なんともないぜ!」ポタポタ
~更に10分後~
<あ、フレメアー
フレメア 「あ、みさわ妹だ」トテテテ
白井 「はっ、大きいお姉様」トテテテ
婚后 「……なんといいますか」
番外個体 「ほら、もー、寝ながら歩かないでよ! 危ないっつの!」
一方通行 「」ウトウト
浜面 「なにやってんだ、超能力者」
絹旗 「あ、あれ……私は最下位予想をしたつもりじゃ……」
滝壺 「みさわ、あくせられーたは大丈夫なの?」
番外個体 「これ、貨物室でいい?」
白井 「あ、あのそれはあまりに無体かと」
打ち止め 「あっ、その帽子可愛いー」
フレメア 「ふふん、大体いいでしょー」フンス
番外個体 「ほら、起きて。初対面の人もいるでしょ」ゲシッ
一方通行 「イテッ……あァ、初対面?」ジロリ
フレメア 「大体白い」
打ち止め 「フレメア、見た目はちょっと怖いけどいい人だから、仲良くしてあげてね」
絹旗 「あ、ど、どうも」
白井 「はじめまして」ペコリ
婚后 「お噂はかねがね伺っておりますわ、ええと……」
一方通行 「一方通行でいい。うちの性悪が世話になってるな」
番外個体 「性悪!? あなたに言われちゃお終いだねぇ」
一方通行 「あァ!? 性悪に手足が生えたようなヤツが何吠えてやがる」
番外個体 「ンだとゴルァ」ビリッ
一方通行 「上等じゃねェかオルァ」バチッ
打ち止め 「視線をビビビするの禁止ー!!」
白井 「ま、まあまあお二人とも、それぐらいに」
フレメア 「ミサワのお姉ちゃんと白いお兄ちゃんはいつもこうなの?」
滝壺 「この二人にとっては挨拶みたいなものだから」
絹旗 (これが第一位……なんかイメージと超違います。取っ付き易そうですね)
一方通行 「ンじゃ、全員揃ったら起こしてくれ」ポスン
番外個体 「来るときの電車でも寝てたクセに……」
婚后 「大目に見てあげてくださいな」
フレメア 「寝てる顔可愛い」
打ち止め 「でしょでしょ♪」
番外個体 「誰か油性ペン持ってない?」
打ち止め 「ダーメー!」
~更に10分後~
海原 「おや、どうやら僕達で最後のようですよ」
結標 「そりゃね……間に合ったのが不思議なくらいだもの」
ショチトル 「なんだか申し訳ないな」
滝壺 「あ、むすじめだ」
結標 「ゴメンなさい、遅くなっちゃった」
白井 「なにかトラブルでも?」
海原 「それが乗る電車を間違えてしまいまして」
浜面 「間違えた? 何に乗ったんだ?」
結標 「空港行きに乗ったつもりが、普通の快速特急だったのよ」
ショチトル 「あれは焦ったな。空港に向かう線路から離れていくんだから」
婚后 「それで、引き返してきたということですのね」
海原 「ええ。お恥ずかしい限りです」
ショチトル 「……この白い人は?」
一方通行 「」スピー
結標 「あれ? 会ったことなかったっけ?」
ショチトル 「ない」
番外個体 「まあ、ないでしょ。今はヒキニートだし」
ショチトル 「待て、白い……もしや、マスターの恋人か?」
番外個体 「へ?」
ショチトル 「義姉さんから色々聞いてて。例えば」
結標 「」ガシッ
ショチトル 「モガ?」
結標 「これで全員よね? ほら出発よ、それ起こして」
番外個体 「う、うん」ビリッ
一方通行 「おォっ!?」ガバッ
番外個体 「そろそろ行くよ」
一方通行 「あ、あァ」
フレメア 「いよいよ出発だ」ピョンピョン
打ち止め 「楽しみー♪」ミョンミョン
絹旗 「もうチェックインできますかね?」
婚后 「この時間なら大丈夫かと」
白井 「では、参りますの」
番外個体 「ね、海原さん」チョイチョイ
海原 「どうしました?」
番外個体 「飛行機でさ、淡希すっごい乱れると思うから。優しくしてあげてね?」
海原 「? え、ええ。わかりました」
番外個体 「去年もねー、色々と」
結標 「ちょっと何吹きこんでんのよ!」
番外個体 「べっつにー。ほら、行こ行こ♪」ガシッ
一方通行 「おい、引っ張ンな」
フレ止め 「「待ってー」」トテテテ
滝壺 「はまづら、私たちも行こうよ」
浜面 「おう、そうだな。いよいよ出発だぜ!」wktk
ショチトル 「……義姉さん、大丈夫か。顔色が優れないようだが」
結標 「大丈夫よ……ええ、大丈夫」
海原 「無理はなさらず。何かあればすぐに言ってくださいね」
結標 「……うん」
――約一名を除き爆睡していたため、機内の模様は省略します。
~同日正午 那覇空港~
結標 「……」
ショチトル 「だ、大丈夫か」
結標 「何度も……起こしたじゃない……バカ」
海原 「いや面目ないです」
絹旗 「なんか今日は天候が悪かったらしいですね」
白井 「少々揺れていたらしいですが……婚后さんは大丈夫でしたの?」
婚后 「ええ、熟睡さえしてしまえば乗り物酔いも怖くないですわ」
番外個体 「やっぱり離陸の加速時のGがクセになっちゃう☆」
一方通行 「あー、オマエああいうの好きそうだな」
打ち止め 「ワーs……お姉ちゃんはきっとジェットコースターとかも好きになりそうだよね」
番外個体 「今度連れてってよね、遊園地とか」
一方通行 「その内な」
浜面 「これが沖縄か! いやぁ、暑いな!」
フレメア 「すごい空が綺麗」
滝壺 「晴れてよかったね」
浜面 「で、こっからどうすんだ?」
婚后 「去年同様、迎えが来てる筈なのですが……」
絹旗 「執事さんですか?」wktk
婚后 「ええ」
執事 「お呼びですかな?」シュタッ
絹旗 「うひゃぁ!?」
婚后 「まあ、相変わらず人が悪いですわね」
執事 「これは少々悪戯がすぎたようですな」
白井 「執事さん、お久しぶりですの」
浜面 (ホント、執事って感じだな)
一方通行 (……このジジイ、只者じゃねェな)
フレ止め 「「執事さん?」」
執事 「はい、執事さんですよ、お嬢様方」
番外個体 「ほら、お世話になるんだから。ちゃんと挨拶して」
フレ止め 「「よろしくお願いしまーす」」
執事 「おやおや……こちらこそ、よろしくお願い致します」ペコリ
結標 「相変わらずシブイ人ね」
ショチトル 「本当にいるんだな、ああいう人って」
海原 「あの方はプロですしね」
執事 「それでは、皆様。こちらの準備は整っておりますので、いつでも出発できます」
滝壺 「みんなもう準備はいいよね」
婚后 「では、早速向かうといたしましょう」
絹旗 「超いよいよですね!」
白井 「ええ、実感が湧いてきましたの」
執事 「どうぞ、こちらへ」
フレ止め 「「♪」」ピュー
浜面 「おお速い速い」
~移動中~
フレメア 「すごいすごい!」
浜面 「すげぇ!」
打ち止め 「こんな色の海初めて見た! っていうか海初めて見た!」
絹旗 「浜面が混ざってる光景って超シュールです」
白井 「去年はそこのポジションには絹旗さんが入っていたのですが」
絹旗 「え、私あんなでしたか!?」
一方通行 「しかしプライベートジェットとは洒落てるねェ」
婚后 「お気に召して頂けました?」
一方通行 「悪くねェ」
番外個体 「飛行機とか持ってないの?」
一方通行 「必要に迫られなかったしな」
婚后 「所有していたところで、早々使うものでもございませんし」クスクス
番外個体 「だろうけどね。……で、あの二人は何やってんの?」
海原 「……あの、結標さん」
結標 「なによ」ガシッ
海原 「あ、いえ、なんでもありません」
ショチトル 「ここまで飛行機が苦手とは思ってなかったな」
ショチトル (ていうか、いいなぁ。お兄ちゃん独り占めで)
滝壺 「去年色々あったみたいだから。隣に座ってたみさわが詳しく知ってるかも」
ショチトル 「マスターが? なあ、何かあったのか?」
番外個体 「んー? あ、去年も来たんだけど。行き帰りの飛行機でね」
ヒュッ ゴン
番外個体 「っ!?」ジーン
一方通行 「? オイ、どうした」
滝壺 「棚の上から荷物が落ちちゃったみたいだね」
番外個体 「ち、ちがっ……今のは絶対……」ズキズキ
<皆様、まもなく到着致します。
~婚后さん私有地~
絹旗 「いや、一年ぶりですね」
白井 「何も変わっておりませんの」
滝壺 「本当に、すっごい静かなところだよね」
フレメア 「大体、何もない」
打ち止め 「すっごーい」
婚后 「もともと、引き篭もるための土地でしたし」
浜面 「いやぁ、でもいいな、こういうところも」
一方通行 「コンビニは?」
番外個体 「ある訳ないだろ、バカ」
海原 「結標さん、もう大丈夫ですから」ナデナデ
結標 「帰りも……乗らなきゃ行けないのよね」
ショチトル 「ま、まあ、そのときはそのときだ」
執事 「皆様、ひとまで宿泊先までご案内致します」
~宿泊先の別荘~
番外個体 「いやー、もう来るだけで疲れちゃったね」
打ち止め 「ねー、海は? 海行かないの?」
フレメア 「行かないの?」
滝壺 「もう午後だしね。明日の朝にしない?」
フレ止め 「「えー」」
白井 「あのやりとり、まるっきり去年の絹旗さんですの」
絹旗 「私あんなでしたか!? 超本当に!?」
浜面 「でも、見に行くだけならいいんじゃないか?」
ショチトル 「着替えなければ海に行ってはいけないという訳でもないだろう」
結標 「そうね。確か去年もそうしたんじゃなかった?」
海原 「ええ。たしかそうでしたね」
フレ止め 「「いーきーたーいー」」グイグイ
番外個体 「あー、分かったから引っ張るな」
一方通行 「なァ、コーヒーねェか?」
番外個体 「自分でやれ」
執事 「コーヒーですか? ただいまご用意致しましょう」
婚后 「絹旗さん、ユリコは?」
絹旗 「あ、そうでした。ユリコー、超到着ですよ」カパッ
ユリコ 「(・ω・三・ω・)」
フレメア 「あ、ユリコだユリコだ」
打ち止め 「この子がユリコ? う、でも……」
番外個体 「大丈夫、ユリコだったら逃げないよ」
打ち止め 「ユ、ユリコ。さわってもいい?」
ユリコ 「( ( ( ( ・ω・)」
打ち止め 「あっ、きた! こっちきたー!」ナデナデ
フレメア 「ユリコ、大体久しぶりー」ワシャワシャ
ショチトル 「これは普通の猫だったら逃げてるだろう」
結標 「大丈夫でしょ。ユリコだし」
海原 「それで、どうされます? 少し外を歩いてみましょうか」
滝壺 「うん、いいじゃないかな」
フレメア 「ユリコもいくよね?」
ユリコ 「ノシ・ω・)ノシ」
打ち止め 「かわいすぎる……」
絹旗 「あ、超待ってください。着替えだけさせてください」
白井 「そうですわね、制服を汚してもいけませんし」
一方通行 「あァ、俺もこれ飲ンから出たいしな」ズズ...
番外個体 「なに自分だけ飲んでるの」
執事 「どうぞ、皆様にも冷たいものをご用意しております」
絹旗 「あ、超頂きます」クピピピ
白井 「ほらほら、絹旗さん。皆さんを待たせているんですから」ズルズル
絹旗 「あっ、ちょっと、引きずらないでくださいよ!」
結標 「私たちも荷物だけ置いてきましょうか」
ショチトル 「そうだな。ここに置きっぱなしもよくないだろう」
~30分後~
絹旗 「超出発です!」
婚后 「では、ちょっと出て参ります」
執事 「お気をつけて」
結標 「みんな日焼け止めは塗った?」
白井 「抜かりございませんの」
婚后 「バッチリですわ」
滝壺 「一応」
結標 「貴女は?」
ショチトル 「いや……私はもとがこれだし」
番外個体 「なくてもいいでしょ、別に」
一方通行 「紫外線なンざ反射しとけ」
白井 「できるもんならやってますの」
浜面 「大変だな、女性ってのは」
海原 「女性は僕らの知らないところで努力してるんですよ。結標さんを見てると実感します」ニコニコ
浜面 「kwsk」
海原 「僕の命と彼女の名誉に関わるので、お話はできません」
フレメア 「大体、早く行こうよ」
打ち止め 「早く早くー」
滝壺 「そんなに急がなくても大丈夫だよ」
番外個体 「気持ちは分かるけどね。じゃ、行こっか」
:
:
:
フレメア 「すごーいきれーい」トテテテ
打ち止め 「海ひろーい!」トテテテ
ユリコ 「三三ノ・ω・)ノ」ポテテテ
浜面 「おい、転ぶなよ」
絹旗 「去年はたしか向こうに見える丘にも行ったんですよね」
白井 「ええ、あそこからの長めは最高でしたの」
滝壺 「あっちにも行ってみようよ」
婚后 「そうですわね、砂浜の次はそちらに行ってみましょうか」
一方通行 「俺もう帰っていいよな?」
番外個体 「あの子の説得ができるならね」
打ち止め 「♪」ミョンミョン
一方通行 「砂浜だったな? さっさと行くぞ」
海原 「天下の一方通行さんも、あの笑顔には勝てませんか」ニコニコ
一方通行 「オマエの笑顔になら勝てる気はするな」
海原 「おや、では笑顔勝負といきますか?」
結標 「二人ともやめなさいよ」
ショチトル (白い人は義姉さんの言う通り血気盛んなんだ)
ショチトル (でも、あれだけ凄まれて動じないなんて……さすがお兄ちゃん)
フレメア 「あ、砂浜見えてきた!」
打ち止め 「すごいきれーい!」
浜面 「おお、こりゃ見事だな」
絹旗 「砂浜も変わらぬ白さですね」
海原 「驚きの白さ」
一方通行 「なンでこっち見て言うンだ」
打ち止め 「ねー、海入ってもいい?」
一方通行 「そのまま入ンのか。ダメだろ」
番外個体 「膝から下ってことでしょ?」
打ち止め 「」コクコク
一方通行 「……なンかあったら危ねェしな。オマエ一緒に行ってやれ」
番外個体 「はいはい」
フレメア 「大体私も!」ピョンピョン
滝壺 「一緒に行こう」ウズウズ
打ち止め 「ねー早くー」
番外個体 「急がなくても海は逃げないよ」
一方通行 「コケるンじゃねェぞ」
<うひゃー冷たい!
<大体きもちいー
<ドボン
<あ、滝壺さん!
浜面 「あ、滝壺が」
海原 「派手に転んでしまいましたね」
絹旗 「あれ? なんか去年も……」
浜面 「滝壺、大丈夫かー」
<大丈夫だよー
ショチトル 「」ウズウズ
結標 「行ってきたら?」
ショチトル 「え、で、でも……」
海原 「ここで待ってますから、行ってきてください」
ショチトル 「……うん、行ってくる」トタタタ
白井 「そういえば……」
婚后 「はい?」
白井 「あの花火は、どうなさるおつもりで?」
婚后 「今夜にでも開けてしまおうかと思っています」
絹旗 「えっ、早速今日なんですか」
婚后 「明日海水浴と考えると、皆さんも夜はお疲れでしょうし」
白井 「確かに、泳いだあととなると疲れてるでしょうね」
絹旗 「なるほど、それで今夜ですか」
婚后 「それに……わたくしも詳細はわかりませんが、明日の夜は……」
白井 「明日の夜は?」
婚后 「執事が何か用意してるらしくて」
絹旗 「それはそれで超楽しみですね」
白井 「何が出てくるのでしょうね」
婚后 「さあ。夕食とは行っておりましたが……」
絹旗 「ここは超楽しみにしておきましょう」
滝壺 「」プカプカ
フレメア 「滝壺お姉ちゃん、大体開き直っちゃった」
番外個体 「あー、思い出した。たしか去年もこうだった」
打ち止め 「そうなんだ……」
番外個体 「ダメだよ、真似しちゃ」
打ち止め 「わ、分かってるもん!」
ショチトル 「そっちの人は大丈夫なのか?」ザブザブ
滝壺 「大丈夫だよー」プカプカ
一方通行 「アイツ、いっつもああなのか?」
浜面 「滝壺は独特のテンポで生きてるからな」
結標 「なんか分かる気がするわ」
海原 「いつも自分のペースを崩さないのも、強さではないでしょうか」
~30分後~
婚后 「そろそろ行きませんこと?」
白井 「そうですわね。そろそろ移動しても……」
絹旗 「ほらほら、呼んできてくださいよ」
一方通行 「あァ、そォだな。ちっと呼んでくる」
浜面 「おい、無理すんな。砂場じゃ歩きづらいだろ。俺が行ってくるぜ」
海原 「いやいや、ここは僕が」
浜面通行 「どうぞどうぞ」
結標 「面倒だから、全員まとめて行ってきなさい」
フッ
絹旗 「あ、消えた」
白井 「能力の無駄遣いですの」
婚后 「空間転移って第一位さんにもきくのですね……」
<ドサッドサッドサッ
番外個体 「? 何今の音」
フレメア 「大体、お兄ちゃんたちが降ってきた」
滝壺 「えっ」ザブ
一方通行 「イッテェな、あのショタコン」
浜面 「ひ、膝、膝打った」ジンジン
海原 「結標さんも手厳しいですね」
打ち止め 「あ、波が」
海浜通行 「!?」ザザザザ
番外個体 「ナイス回避」ケラケラ
ショチトル 「それで一体どうしたんだ?」
海原 「ああ、そうでした。そろそろ移動しようかと、呼びに来たんですよ」
番外個体 「そういうことね。ほら、次行くって」
フレ止め 「「はーい」」
白井 「あら? そういえばユリコの姿が見えませんが」
絹旗 「さっきから海で超ハントしてますよ」
<フミャーーオ
<バシャバシャバシャ
婚后 「まあ、見た目に似合わずワイルドなことを……」
結標 「本能を刺激されちゃったのかしらね」
ユリコ 「ミ`・ω・´ミ」フモー
絹旗 「いやいや、持ってこなくていいですよ!」
結標 「せっかくご主人のために捕ってきてくれたのに?」
白井 「これではユリコが報われませんの」
婚后 「絹旗さん、ちゃんと功を認めてあげませんと」
絹旗 「……ユ、ユリコ、超ありがとうございます」
ユリコ 「ミ`・ω・´ミ」ドヤサ
絹旗 (ていうか、ユリコが捕ってきたコレはなんですか……?)
一方通行 「オイ待て、脚拭くぞ。そのまま上がったら砂まみれだからな」
打ち止め 「お願いしまーす♪」
フレメア 「白いお兄ちゃん、私も」ピョンピョン
一方通行 「あァ、順番な」
浜面 (フレメアは怖い顔が好みなのか? 駒場のリーダーにも懐いてたし)
海原 「ミサワさんたちもタオル使いますか?」
番外個体 「いや、サンダルのまま入っちゃったしね。いいよ」
滝壺 「私も」
浜面 「」ブーッ
番外個体 「滝壺さん。水に濡れたせいで服透けてるから」
滝壺 「これだけ日差しが強かったらすぐ乾くよ」フンス
一方通行 「オイ、ガキども。そこで鼻血噴き出してる三下2号に近付くな。伝染る」
浜面 「伝染るって何が!? ていうかヒドくね!?」
フレ止め 「「?」」
海原 「滝壺さん、やはりタオルを……その、色々透けてますので……」
滝壺 「そう?」
ショチトル 「」ジトー
結標 「」ジトー
海原 「あ、む、結標さん? いつの間に」
結標 「貴方の視線はどこに釘付けにされてるのよ」
海原 「」
ショチトル 「サイテー」
海原 「ご、誤解です、これは……!」
結標 「ショチトル、行きましょ。みんな待たせてるし」
ショチトル 「ああ、そうだな」
海原 「」
一方通行 「海原」ポン
浜面 「生きてりゃ色々あるよな」ポン
海原 「なんですか、なんなんですか、あなたたちは」
滝壺 「あの3人はどうしたの?」
番外個体 「んー、傷の舐め合い?」
~林道~
打ち止め 「おー、ハイビスカスだ」
フレメア 「すごい、本物だー」
結標 「髪にさしてみる?」
打ち止め 「やってやって」
結標 「少しだけじっとしててね」プスッ
番外個体 「ちょっと待って。なんで頭のてっぺんに差してるの? 普通サイドじゃないの?」
結標 「これ可愛くない? アホっぽくて」
打ち止め 「?」
ショチトル 「」プスッ
海原 「おお、ショチトル。よく似合いますね」
白井 「まあ、違和感がございませんの」
ショチトル 「そ、そうか?」
婚后 「ええ、お似合いですわ」
ユリコ 「(・ω・)」モシャモシャ
絹旗 「ユリコ! ハイビスカス食べちゃダメですよ!」
一方通行 「……さっきから思ってンだが、オマエすげェな」
滝壺 「ゆりこはスーパーキャットだから」
浜面 「たまに猫の形をした何かなんじゃないかと思うぐらいだしな」
フレメア 「ねー、浜面。あの大体高いところにあるのはなに?」
浜面 「あれか? なんか木の実っぽいけど、なんだろうな」
フレメア 「もっと近くで見たい。あれやってあれやって」ピョンピョン
浜面 「しょうがねえな。ほら、乗れ」
フレメア 「♪」ヨジヨジ
打ち止め 「……いいなー。肩車なんて、私してもらったことない」
番外個体 「無茶振りはダーメ。一方通行じゃできっこないって」
一方通行 「なっ……肩車ぐらいどォってことねェ!」
浜面 「ハハッ、ぬかしおる」
フレメア 「ぬかしおる」
婚后 「まあまあ。杖を使っておられるのですし。二人して怪我などしては大変ですわ」
一方通行 「……チッ」
海原 「では、僭越ながら僕が」
結標 「」バシッ
海原 「い、痛いですってば」
結標 「貴女がしてあげればいいじゃない」
番外個体 「へ? 私が?」
打ち止め 「お姉ちゃーん、肩車ー」グイグイ
番外個体 「分かったよ、もう」
:
:
:
打ち止め 「落とさないでね! 絶対落とさないでね!」ガッチリ
番外個体 「落とさないから髪掴むな! 痛いっての!」
婚后 「こうやってみると、本当によく似ておりますわね」
白井 「絹旗さんは、どちらか持って帰れるならどちらにいたします?」
絹旗 「なんですか、その質問は」
ショチトル (肩車か……小さい頃はお兄ちゃんがしてくれたなぁ)
一方通行 「オイ、どこまで登りゃいいんだ」
白井 「たしか、もう少しで見晴らしの良い場所に出れるかと」
浜面 「下から見たときはそうでもないと思ってたが、登ってみると結構あるんだな」
打ち止め 「そこに行くと何か見えるの?」
番外個体 「海」
ショチトル 「海は海なんだろうけど」
結標 「もっと言い方あるでしょ」
絹旗 「あのですね、超綺麗な海が見えますよ!」
婚后 「昨年来たときは絹旗さんが感動で固まってしまうぐらいでしたね」クスクス
滝壺 「(∵)←こんな顔してたよね」
絹旗 「いや、それぐらい超素晴らしいってことじゃないですか!」
浜面 「フレメア、カメラの準備しとけ。絹旗を激写するぞ」
フレメア 「大体ラジャー」
絹旗 「させませんよ!?」ムキー
海原 「そろそろ着くんじゃないですか?」
婚后 「そうですわね。そこを登ったところになります」
~見晴らしのいい高台~
絹旗 「おー、去年と変わらない超見事なオーシャンビューですね」
浜面 「……こりゃすげぇ。こんな世界、テレビでしか見たことねぇぞ」
一方通行 「なるほど、悪くねェな」
フレ止め 「「」」ポカーン
ショチトル 「この高さからでも海の底が見えるのか。すごい透明度だな」
海原 「ショチトル、危ないですよ。流石にここから落ちたら助けられません」
滝壺 「ここから日没って見えるのかな」
結標 「もう陽が傾きかけてるけど……」
番外個体 「この分だと、西は反対方向だね」
滝壺 「」ムー
白井 「綺麗な景色というのは何時間見ていても飽きないものですのね」
婚后 「このへんは光源がございませんので、夜は暗いだけですわよ」
白井 「ならば月明かりと星空を堪能するまでですの」
結標 「あら、いいじゃない。そういうのも」
浜面 「いいか、二人とも。いちたすいちは?」
フレ止め 「「田んぼの田ー」」
浜面 「お、いいぞ! いい笑顔だ!」カシャカシャ
絹旗 「あ、そうだ。写真といえば」スチャ
婚后 「携帯ですか? カメラをお持ちなのでは?」
絹旗 「いいんですよ。これは超送りつける用ですので」カシャ
白井 「あら、またですの? そろそろお許しになってあげては」
ショチトル 「誰に送るつもりなんだ?」
絹旗 「黒イルカです」
滝壺 「きぬはたのライバルだっけ?」
絹旗 「超自称ライバルですよ。こっちは何かと勝負吹っかけられて超疲れちゃいます」
番外個体 「ああ、あの子か……いいぞ、もっとやれ」ケラケラ
海原 「さあ、落ち着いたら戻りましょうか。みなさんもそろそろお疲れでしょう」
一方通行 「それもそォだな。喉も渇いたしよ」
打ち止め 「私も喉乾いたー」
婚后 「では、そろそろ戻りましょう」
~別荘~
フレメア 「ただいまー」
打ち止め 「ただいまー」
ユリコ 「ノ・ω・)ノ」
執事 「おや、お帰りなさいませ」
婚后 「夕飯まではまだ少々ございますわね」
執事 「ええ。日没に合わせて出来るようになっております」
婚后 「……今宵、アレを使いますわ」
執事 「アレでございますか」
婚后 「アレでございます」
執事 「畏まりました。すぐに持ち出せるよう、準備をしておきましょう」
フレメア 「アレ?」
打ち止め 「アレってなに?」
婚后 「夕食後のお楽しみですわ」ナデナデ
打ち止め 「えー、気になる気になる」
婚后 「あっ、そういえば貴女のお名前。漢字ではどう書くんですか?」
打ち止め 「んーとね、んーと……あれ?」
結標 「たしか、静かな琴って書いてしずきよね」
絹旗 「ミサワさんの下の名前って真琴ですよね。一文字違いですか」
番外個体 (私の名前もそうだけど、先生が考えてくれたんだよなー)
一方通行 「オイ、コーヒーないか?」
番外個体 「自分で頼んできなよ」
一方通行 「言い方が悪かったな。オマエが淹れたコーヒーが飲みたい」
番外個体 「……」スッ
<あのー、キッチンお借りしてもいいですか?
<ええ、どうぞ。
結標 「うまく言いくるめたものね」
一方通行 「アイツのが飲みたいってのは嘘じゃねェよ」
浜面 「なにさり気無く惚気けてやがんだ。爆発しろ」
海原 「浜面さんに言う資格はないでしょう」ニコニコ
ショチトル 「なあ、義姉さん」
結標 「どうしたの?」
ショチトル 「今日はどこで寝ればいいんだ?」
結標 「寝る場所……そういえば決めてなかったわね」
滝壺 「去年は大部屋で雑魚寝だったよね」
浜面 「なんだそれ、修学旅行みたいで楽しそうだな。……ん?」
滝壺 「どうしたの?」
浜面 「去年って海原もいたんだよな。一緒に寝たのか?」
結標 「そ、それはほら……流れってヤツで」
浜面通行 「「……」」
海原 「なんですか、その目は」
ショチトル 「?」
浜面 「殴っていい?」
一方通行 「血流操作していい?」
海原 「やめてくださいよ!」
<南の島でハーレムってそれなんてエロゲ?
<見損なったぜ、海原さンよォ……
<いやいやいや、お二人が想像するようなイベントはありませんでしたよ!?
白井 「なんといいますか、殿方らしい争いですの」
絹旗 「男って超バカばっかです」
結標 「……悲しいけど」
滝壺 「否定できないね」
番外個体 「アレでも学園都市最高の頭脳なんだよ……」
フレメア 「大体、お兄ちゃんたちはなんでケンカしてるの?」
打ち止め 「なんでだろうね」
ショチトル (お兄ちゃんは、もう……素敵すぎるのも考えものだなぁ)ハァ
執事 「お嬢様、そろそろ食事の準備が整います」
婚后 「あら、お疲れ様。みなさん、そろそろ夕食に致しましょう」
~夕食後~
番外個体 「……浜面さん。そのシャツ、何?」
浜面 「これか? いや、ワゴンセールで安かったからよ。部屋着用に買ったんだよ」
結標 「歩く教会? って何?」
滝壺 「外国の観光客が着てるのみたいだね」
絹旗 「あー、あの意味も分からずに超それっぽい漢字を並べてるシャツですか」
一方通行 (ねェわ……このシャツはねェわ)
婚后 「みなさん、寝る前にもう1つ余興があるのですが」
白井 「あら、満を持して出番ですのね」
フレメア 「何かあるの?」
婚后 「執事、あれを」パンパン
執事 「はい、こちらに」ドンッ
浜面 「これは……花火か?」
海原 「それも結構な量ですね」
フレメア 「これ、やってもいいの?」wktk
打ち止め 「今から? 今から?」wktk
婚后 「ええ、今からみんなでやりましょう」
フレ止め 「「キターーー!」」
番外個体 「ね、ここに電流流したらどうなるかな」
絹旗 「超やめてください! 危なすぎですよ!」
滝壺 「はまづら、運んであげて」
浜面 「任せろ!」
執事 「こちらに火器とバケツもございますが」
海原 「それは僕が持ちましょう」
ショチトル 「花火って……どういうのだ?」
結標 「聞くよりは見たほうが早いわね」
フレメア 「ねー、早く早く!」
白井 「慌てなくても、時間はございますの」ナデナデ
~夜の砂浜~
婚后 「いいですか? くれぐれも人に向けないように」
フレ止め 「「はーい」」
結標 「じゃ、火付けるからね」シュボッ
シュパーー
打ち止め 「すごーい!」
フレメア 「きれーい!」
滝壺 「」パチパチ
一方通行 「ンでオマエは初っ端から線香花火なんだよ」
滝壺 「線香花火っていいよね。儚くて、でも最後まで燃え尽きて、まるで人生みたい」
一方通行 「オマエが言うとちと洒落にならねェぞ」
番外個体 「淡希ー、ライター貸して」
結標 「はい」ポイ
番外個体 「♪」
絹旗 「ミサワさん、超待ってください! それは」
番外個体 「Fire」シュボッ
バシュゥーーーーーッ
番外個体 「おっ、これたーのしーい☆」
白井 「大きいお姉様! それは地面に固定するタイプの花火ですの!」
浜面 「おいバカこっち向けんなぁぁぁぁぁ!」ダダダダ
ショチトル 「マスター、それはさすがに危ない」
結標 「あれが悪い見本よ。真似しちゃダメだからね」
フレメア 「あっ、大体消えちゃった」プスプス
打ち止め 「こっちも消えちゃった」プスプス
婚后 「消えたのはこのバケツに入れて。ちゃんと水に浸してから次の花火ですわよ」
フレ止め 「「はーい」」
海原 「今回ばかりは、この中に発火能力者がいないのが少しだけ残念ですね」
<パンパン
<パパパパン
打ち止め 「うひゃ!?」ビクッ
フレメア 「銃声!?」
婚后 「いえ、向こうでロケット花火合戦が勃発してしまいまして」
一方通行 「オイ、どうした三下2号! ガッカリさせンじゃねェぞ!」
浜面 「舐めるなよ、第一位! 勝負はこっからだぜ!」
結標 「二人とも近づいちゃダメよ、危ないしバカが伝染するから」
フレメア 「でもちょっと面白そう」
番外個体 「バカが伝染るって……」
滝壺 「でも、あれ見てると否定できないよね」
絹旗 「ていうか、私の超ロケット花火……」
結標 「それにしても、流石学園都市製ね。色も鮮やかだし長持ちするし」
婚后 「火薬が違うのでしょうか」
滝壺 「線香花火きれい」パチパチ
白井 (ひたすら線香花火を続ける滝壺さん……軽くホラーですの)
フレメア 「消えた……バケツに入れて」チャポン
打ち止め 「次いってみよー!」
結標 「はいはい、じゃ火つけるからね」シュボッ
ショチトル 「な、なあ。義姉さん」
結標 「どうしたの?」
ショチトル 「あれは、どうすればいいんだ?」
婚后 「あれと申しますと?」
海原 「あれですよ、あれ」ニコニコ
白井 「?」
一方通行 「うまく方向を調整してセッティングしとけよ!」
番外個体 「言われなくてもやってるよ」プスプスプス
絹旗 「浜面! ありったけ束ねて超点火しますよ!」
浜面 「よっしゃ!」ゴソゴソ
一方通行 「点火だ!」
番外個体 「弾幕薄いよ! 何やってんの!」
絹旗 「超しっかり持っててくださいよ!」
浜面 「おう、きやがれ!」
<パシュパシュパシュパシュパシュ
<バンッパパンパン スパンッ
結標 「……」
ショチトル 「怖くて近寄れない」
結標 「もう放っといていいわよ」
白井 「そうですの、下手に突入するのも危なそうですし」
滝壺 「あっ、消えた」ポトッ
~1時間後~
白井 「すっかりやりつくしてしまいましたわね」
フレメア 「楽しかった、にゃあ♪」
打ち止め 「お姉ちゃん、ありがとー」
婚后 「楽しんで頂けて光栄ですわ」
滝壺 「あとは、ちゃんと綺麗にしてから帰らないとね」
海原 「さあ、みんなでゴミ集めといきましょう」
結標 「貴女たちもよ。ロケット花火回収してきなさい」
絹旗 「いや、それが超たくさんありまして」
番外個体 「海に向かって飛んでいったのはないと思うけど」
浜面 「なんせ数が数だしな」
一方通行 「オマエの座標移動でなンとかなンねェか?」
結標 「自分で拾ってこい! 一本残さず!」
ショチトル 「まあ……後始末は自分ですべきだな」
:
:
:
絹旗 「超疲れました……」
番外個体 「まー、これで全部でしょ」
婚后 「お疲れさまでした。では、そちらも水に浸しておきましょう」
浜面 「こ、腰が……」
一方通行 「バッテリー残量がやべェな」
滝壺 「もう今日は寝るだけ?」
結標 「そうね。順番にシャワー浴びて休みましょ」
ショチトル 「なんだかあっという間だったな」
白井 「結構な弾丸スケジュールですし」
フレメア 「でも大体疲れちゃったかも」
打ち止め 「」ファーァ
絹旗 「では、戻って寝る準備をしましょうか」
~別荘 就寝部屋 女性チーム~
ショチトル 「……ふはー」ホコホコ
結標 「シャワー、貴女で最後よね」
ショチトル 「うん、そのハズ」
ユリコ 「」スピー
フレメア 「」ウトウト
滝壺 「流石に疲れちゃったんだね」
白井 「今日は移動もいたしましたし、無理もないかと」
婚后 「むしろよくここまでもったとすら思えますわね」
絹旗 「おりゃーーー!」ボスン
番外個体 「いたっ……やったな、この!」
結標 「枕投げ禁止。起こしちゃうでしょ」
打ち止め 「」ウトウト
絹旗個体 「「はーい」」
絹旗 「で、明日は何時に起きましょうか?」
番外個体 「別に何時でもいいんじゃないの?」
滝壺 「でも、寝坊しちゃうと勿体無い気がする」
白井 「では遅すぎず早すぎずで、7時ぐらいを目安に」
婚后 「執事が起きるのはいつも5時なので、それぐらいで丁度良いですわね」
ショチトル 「随分早いのだな」
結標 「私たちだけゆっくりするのもなんか申し訳ないわね」
婚后 「お気になさらず。本人も楽しんでやっておりますから」
絹旗 (明日はこっそり早起きしてお手伝いして好感度超アップです)
番外個体 「ほら、寝るならちゃんと自分の場所で寝な」チョンチョン
打ち止め 「ふぁーい……」
滝壺 「あほ毛がへにゃへにゃだ。余程眠いんだね」
ショチトル 「アンテナみたいだな……」
打ち止め 「」モゾモゾ
番外個体 「こらこら、ここは私の陣地」
婚后 「良いではないですか。姉妹なのですから」
白井 「わ、わたくしもその中に」
番外個体 「ゴメンね、この布団二人用なんだ」
フレメア 「」ジー...
滝壺 「おいで」
フレメア 「♪」
絹旗 「フレメアも、寝るときはいつもそんな感じですか」
滝壺 「いつもは3人で寝てるね」
フレメア 「大体浜面も一緒」
ショチトル 「……私なんて一人部屋で一人寝なのに」
結標 「貴女ぐらいの歳になればね」
ショチトル 「でも、義姉さんは毎晩兄と寝てるじゃないか」
結標 「ちょっ」
滝壺 「さすがむすじめ」b グッ
番外個体 「私たちに出来ないことを平然とやってのける。そこに痺れる」
結標 「憧れなくていいから! ほらもう寝るわよ!」
婚后 「あら、折角なのですし後学のために詳しいお話を」
結標 「しない!」
白井 「3行で説明を」
結標 「しない!」
絹旗 「超ちょっとよく分からないんで、図か画像で解説を」
結標 「しないから!」
ショチトル 「義姉さんがここまで弄られてるのは初めて見た」
結標 「貴女のせいだもん」
滝壺 「程良く疲れたところで、みんな寝よう」
ゴソゴソ モゾモゾ オヤスミー オヤスミナサイ
絹旗 「……ユリコ、なんで私の布団の超ド真ん中で寝てるんですか。私寝れないじゃないですか」
ユリコ 「」スピー
~就寝部屋 男性チーム~
海原 「それではオープンです」
一方通行 「」パシッ
浜面 「」パシッ
海原 「」パシッ
浜面 「俺の勝ちだな」
海原 「エースのフォーカード……いや、これは参りました」
一方通行 「クソ、今日はダメだな」
海原 「今の浜面さんは飛ぶ鳥も落とす勢いですね」
浜面 「自分でも恐いぜ。今年の運をここで全部使い果たしてるかもな」
一方通行 「ハッ、だったらオマエだけ帰りの飛行機は別便な」
海原 「いや、それはダメでしょう。他のお客さんを巻き込むことになります」
一方通行 「よし、泳いで帰ってこい。体力なら自信あンだろ」ニヤニヤ
浜面 「ゴメンなさい、調子に乗りました」
一方通行 「しかし負けっぱなしつゥのもムカツクな」
海原 「ではもう一勝負と行きましょうか」
浜面 「ははっ、かかってきなさい」
海原 「趣向を変えて、神経衰弱などいかがです?」
一方通行 「俺はなンでも構わねェよ」
海原 「それではカードをバラまきますね」パッパッ
:
:
:
浜面 「」←獲得:0ペア
海原 「いやぁ、惜しかった。もう一歩だったのですが」←獲得:12ペア
一方通行 「こンなもン、めくったカード覚えときゃ楽勝だろ」←獲得:15ペア
浜面 「そんなたくさん覚えれるかよ……」
海原 「浜面さんの強運もここまででしたか」
一方通行 「運に頼るようじゃまだまだってことだ」
浜面 「ちくせう……」
海原 「では運を使い果たしたところで、寝るとしましょうか」
浜面 「そうだな。襖の向こうも静かになってるし、あいつらも寝てんだろ」
一方通行 「海原、場所代わってくれ」
海原 「ええ、構いませんが」
一方通行 「コンセントが近いほうが都合がいい」
浜面 「ああ、充電か。大変だな、お前も」
一方通行 「慣れさえすればどォってことねェよ」
海原 「携帯電話みたいなものなのでしょうかね」
一方通行 「まァ、似たよォなもンだ」
浜面 「おし、寝るか! 俺朝弱いから、寝坊しそうだったら起こしてくれな」
一方通行 「そンときゃ手段選ばねェぞ」
浜面 「優しくしてくれ」
海原 「うわぁ……」
一方通行 「ねェわ……」
浜面 「すまん、今の俺の発言は忘れて」
~一日目 終了~
~二日目 就寝部屋 女性チーム~
チュンチュン...
打ち止め 「起きて起きて起きてー!」ガッシボカッ
番外個体 「い、いたっ、痛い!」
打ち止め 「朝だよ、起きて」ポカポカ
番外個体 「起きる、起きるから叩くな……今何時よ?」ガシガシ
打ち止め 「6時半だよ」
番外個体 「はー……ちと早いけど起きるか」
フレメア 「お姉ちゃんたち、起きるの?」
打ち止め 「あれ? フレメア起きてたの?」
フレメア 「うん、大体さっきから。ね、私喉渇いた、にゃあ」
打ち止め 「ミサ……私も私も」
番外個体 「はいはい。じゃ水でももらいにいこうか。まだみんな寝てるから静かにね」
:
:
:
白井 「」パチ
絹旗 「」スピー
白井 「……?」
絹旗 「」スピー
白井 (な、なぜわたくしと絹旗さんが同じ布団に?)
絹旗 「」ゴロン
白井 (お、落ち着くのですのよ黒子! これは間違い! 何かの間違いですの!)
絹旗 「」フニャー
白井 (こんなところを見られてはあらぬ誤解が……ここはこっそり抜けますの)ソローリ
ショチトル 「……」
滝壺 「……」
白井 「」ブーッ
ショチトル 「仲が良いのだな」
滝壺 「そんな大胆なしらいなら私も応援する」
白井 「ご、誤解ですの……!」ワタワタ
ショチトル 「それより、マスターがコーヒーを作ってくれたそうだ」
白井 「マスター……あ、大きいお姉様が?」
滝壺 「フレメアとみさわ妹がコーヒー牛乳ほしいっていうから作ったんだって」
白井 「まあ、あの子たちも起きてましたの」
ショチトル 「飲むか?」
白井 「是非!」
滝壺 「朝ごはんまでもう少しあるみたいだから、それ飲んで待ってよう」
ショチトル 「……そうだ。ついでに義姉さんも起こしておくか」ユサユサ
結標 「ん……」
ショチトル 「そろそろ起きては?」
結標 「もうそんな時間? すっごい寝た気分ね」ノビー
白井 「7時間ぐらいは寝ておりましたし」
~別荘 リビング~
フレメア 「あ、お姉ちゃんたちおはよー」
打ち止め 「おはよー」
白井 「おはようございます。お二人とも早いですわね」
結標 「先越されちゃったわね」
番外個体 「おや。二人が髪降ろしてるのは久々に見た」
滝壺 「滅多に見れないよね」
フレメア 「大体初めて見た」
結標 「そんなに珍しいかしら」
ショチトル 「家でもなければ解かないしな」チュー
白井 「確かに外だとそうそう解く機会もございませんわね」
打ち止め 「髪結んでなくても可愛いと思うよ!」ミョンミョン
白井 「可愛さでは、小さい大きいお姉様のアンテナには適いませんの」
結標 「たしかにね」クスクス
<ガラッ
絹旗 「おはよーございまーす」トテトテ
ユリコ 「( ( ( ( ・ω・)」ポテポテ
婚后 「皆さんお早いですわね」
白井 「まあ、絹旗さん。寝グセが……」
絹旗 「さっきまで超熟睡してましたし」
滝壺 「みさわヘアーになってるよ」
絹旗 「えっ、そりゃ超マズイですね。ちょっと直してきます」
番外個体 「オイ、どういう意味だ」
ショチトル 「毛先が外にハネてるってことじゃないか?」
番外個体 「いやそうじゃなくて」
結標 「あ、今の内に私も髪結んでこよ」
白井 「ではわたくしも」
執事 「お嬢様、そろそろ朝食の準備が整いますが」
婚后 「はい、お疲れ様。……殿方陣はまだ起きておられないのですね」
番外個体 「しょうがないね、ホント」
滝壺 「はまづらは朝そんなに強くないから」
ショチトル 「おにい……兄は寝坊癖はない筈なのだけど」
フレ止め 「「私たちが起こしてくる!」」
滝壺 「お願いしてもいい?」
番外個体 「いつものアレやったげて」ニヤニヤ
フレメア 「突撃ー、にゃあ」トテテテ
打ち止め 「ごー!」トテテテ
執事 「おやおや、これは頼もしいですな」
<ドスンガタッ
<ゴトゴトゴトゴト
<ドズズ...ン
ユリコ 「(・ω・)?」
ショチトル 「……何が起こっているんだ」
~朝食後~
浜面 「朝からひでぇ目にあった」
一方通行 「ガキどもは容赦しねェからな……」
海原 「元気で良いではないですか。あいたたた」
フレメア 「海はいつ行くの?」
滝壺 「ご飯食べたばかりだから。もう少し休んでからね」
打ち止め 「今日は水着で泳いでいいんだよね?」
番外個体 「うん、今日はみんな水着だよ」
ショチトル (水着か……結局アレ持ってきちゃったんだよね)
婚后 「みなさん、水着は新調されたのですか?」
結標 「私は去年と同じね」
番外個体 「私も」
絹旗 「私も去年のが着れましたので」
滝壺 「私も同じ」
白井 「買おうかと思いましたが気に入ったのがなくて……結局同じですの」
番外個体 (同じってことは、白井さんはまたあのヒモか……)
婚后 「では去年参加したメンバーは全員同じ水着なのですね」
海原 「あれ、僕聞かれてませんが」
一方通行 「誰がオマエの水着に興味持つンだよ」
浜面 「自重しろ、海原」
海原 「ですよね」ニコニコ
番外個体 「あのさー、3人」
海浜通行 「「「ん?」」」
番外個体 「先に着替えてさ。荷物持って砂浜に先行しててくれない?」
浜面 「おお、お安い御用だぜ」
結標 「決まりね。助かるわ」
海原 「お気になさらず。そういうことであれば、僕たちはそろそろ準備を」
滝壺 「うん、急がなくていいからね」
~砂浜~
浜面 「よっこらショット」ドサッ
海原 「シートはどこらへんに広げましょうか?」
一方通行 「ここらへンでいいだろ。俺らしかいないンだしな」
浜面 「パラソル立てるぞー」ドスッ
一方通行 「ここ俺の寝床な」
海原 「寝るつもりなんですか」
一方通行 「俺いなくてもよくね?」
海原 「僕はいいですが、ミサワさんたちはどう思いますかね?」
一方通行 「……分かったよ」
浜面 「よし、あとは姫様たちのご到着を待つばかりだな」
海原 「少々時間がかかりそうですね。あの人数ですし」
一方通行 「女ってないつも準備時間かけやがる。待つ方の身にもなれってンだ」
浜面 「しかしなんだ、お前たちがそんな格好してるとチンピラみたいだな」
海原 「変ですかね?」 ※水着+派手Yシャツ前開け
一方通行 「本家チンピラのオマエに言われたくねェな」
浜面 「ま、まあ、チンピラ出身だけどよ。街中でこの格好はしねェよ」
一方通行 「学園都市にゃ妙な格好してるのはゴマンといるが、これはねェわな」
浜面 「露出狂でもあるまいしな」
海原 「いや、結標さんだって普段は普通の服装してますよ?」
一方通行 「ンでそこでそいつの名前が出てくンだ?」
浜面 「結標の姐さんの話はしてないだろ?」
海原 「え、あっ、そ、そうでしたね! いやー、暑さで頭がやられてしまったみたいです!」
浜面通行 「「……」」
海原 「……いやー、ははは」
浜面 「…………あっ、露出狂→結標の姐さんと連想したのか! なるほどなるほど!」
一方通行 「分かってなかったのかよ」
:
:
:
浜面 「……遅いな」
海原 「時間かかってますね」
一方通行 「ったくよォ、何してやがンだか」
浜面 「お、そうだ!」
海原 「なにか?」
浜面 「ただ待ってるのも暇だしよ。これ膨らましておいてやろうぜ」ガサガサ
海原 「浮輪にビーチボールですか」
浜面 「このデカイ浮輪は俺がやるから、残りは分担してくれ」
海原 「では、肺活量のなさそうな一方通行さんはビーチボールをお願いします」
一方通行 「」ムカッ カチッ
浜面 「~~~~~っ!……あー、こいつは強敵だぜ」
海原 「急ぎすぎてもダメですよ、こういうのは」
一方通行 「はい、終了」ポンポン
浜面 「はやっ!? え、なんで!?」
海原 (能力使用モードですか……)
~15分後~
打ち止め 「お待たせー!」トテテテ
フレメア 「大体遅くなっちゃった」トテテテ
浜面 「おっ、やっと姫君のご到着か」
打ち止め 「ねー、似合う? 似合う?」クルクル
一方通行 「はいはい、似合いすぎて眩しいわ。うお、まぶしっ」
打ち止め 「真面目に答えて!」ムキー
番外個体 「ごっめーん、遅くなっちゃった」
一方通行 「全くだ。俺たちを干物にでもするつもりか」
番外個体 「だから謝ってんじゃん」
フレメア 「? みんな、まだ海に入ってないの?」
海原 「皆さんを待っていたんですよ」
浜面 「他の連中はどうしたんだ?」
フレメア 「大体すぐ来るよ」
番外個体 「あ、浜面さんすごい。腹筋割れてる」
浜面 「ははっ、肉体しか取り柄がないからな」キラッ☆
番外個体 「うちの人とは大違い……触ってもいい?」
滝壺 「ダメ、これ私の」ガシッ
浜面 「た、滝壺!? いつの間に!」
浜面 (スライムが! スライムが当たってる!)
番外個体 「そう言われたら引き下がるしかないなー」
絹旗 「さっそく浜面の目がケモノになってます。超不潔です」
婚后 「すみません、遅くなってしまいまして」
海原 「いえいえ、時間ならありますから」
ショチトル 「……」
海原 「? ショチトル、なぜTシャツを?」
結標 「お兄ちゃんの前で水着になるのが恥ずかしいのよ」クスクス
白井 「まあ、初々しい」
番外個体 「白井さんも見習って少しは恥じらえ」
一方通行 「ンだその水着。バツゲームか?」
白井 「いえいえ、わたくしなりのチョイスですの」
浜面 (ほとんどヒモじゃねぇか……拝んどこ)
滝壺 「はまづら」グイ
浜面 「痛い痛い! 耳引っ張らないで!」
打ち止め 「ねー、この浮輪使っていい?」
フレメア 「私も浮輪使いたい」
海原 「どうぞ、お二人のために用意しておきましたから」
打ち止め 「じゃー、海にごー!」トテテテ
フレメア 「ごー!」トテテテ
ユリコ 「三三ノ・ω・)ノ」ポテテテ
滝壺 「あの子たちだけじゃ危ないかな」
結標 「私たちも行きましょ」
ショチトル 「あっ、私も行く」
番外個体 「ゴメン、ちょっと先行ってて」
絹旗 「後から行きますので」
白井 「大きいお姉様の妹さんの安全はわたくしが確保しますの!」ハァハァ
一方通行 「……オイ、大丈夫なのか?」
婚后 「万が一、過ちを犯すならば……わたくしが友人として決しますので」
一方通行 「悪い、すぐにうちの寄越すからな」
<とりゃー!
<バシャバシャ
<ひゃっ、冷たいじゃない!
<浮いてるのが気持ちいい。
浜面 「しっかしまあ、みんなスタイルいいよなぁ……それに比べてお前ときたら」
絹旗 「なんですか浜面。殴ってほしいなら超素直にそう言ってくださいよ」
浜面 「いやいやいや!」
絹旗 「私は超優しいですから、満足するまで殴ってあげますよ」ニコニコ
海原 「ところで、お二人はどうして残ったんですか?」
絹旗 「あ、それなんですけどね……浜面」
浜面 「なんだよぅ」
絹旗 「背中にコレ塗ってください」つ【サンオイル】
海原 「お二人は日焼け派なんですね」
番外個体 「まあね。淡希たちは日焼け止めガッチリだけど」
浜面 「背中に塗ればいいんだな」
絹旗 「はい、超よろしく」
番外個体 「ねー、一方通行ー。私にもやってー」スリスリ
一方通行 「自分でやれよ」
海原 「では僭越ながら僕が」
一方通行 「オイ、さっさと背中向けろ。三下2号、それ寄越せ」
浜面 「ほらよ」ポイ
一方通行 「ったく、こンなもン使わなくても日焼けぐらいできンだろ」ヌリヌリ
番外個体 「気分だよ、気分。ひゃぅん☆」
一方通行 「変な声だすなアホ」バチーン
番外個体 「いったぁぁ!?」
打ち止め 「手放さないでね! 絶対放さないでね!」バシャバシャ
白井 「大丈夫ですの。ちゃんと持ってますから、そのままそのまま」
婚后 「まあ、泳ぎの練習ですか?」
打ち止め 「うん! 浮輪無しでも泳げるようになりたいから!」
婚后 「大丈夫ですわ、コツさえ掴めば簡単なのですから」
滝壺 「」プカプカ
フレメア 「滝壺お姉ちゃん、浮いてるだけ」プカプカ
滝壺 「こうやって空を眺めてるのも楽しいよ」プカプカ
結標 「流されないようにしてよ」
滝壺 「流されたらむすじめが助けてくれると信じてる」
結標 「まあ、いざとなれば座標移動で助けるけどさ……」
フレメア 「あ、これ大体楽しい」プカプカ
ユリコ 「( -ω-)=3」
フレメア 「ユリコだ、ユリコが私のお腹で休んでる」プカプカ
ショチトル 「泳ぎまでこなすなんて、すごいなお前は」
絹旗 「お、やってますね」バシャバシャ
番外個体 「お待たせー」ザブザブ
結標 「二人して何してたのよ」
絹旗 「超ちょっと準備を」
番外個体 「ところでさ、ビーチボール持ってきたんだけど」
婚后 「あら、昨年も使ったものですわね」
番外個体 「誰かキャッチしてねー、それっ」ポンッ
結標 「そっち行ったわよ」
ショチトル 「えっ、そんな急に……あっ」コテッ
バシャン
ショチトル 「……」ポタポタ
滝壺 「派手に転んじゃったね」
ショチトル 「私としたことが」
白井 「こういうこともございますの」
ショチトル 「さすがに濡れた布が肌に付くのは不快だな……」ヌギヌギ
結標 「あ、ちょっと!」
婚后 「まあ……」
番外個体 「それ、踊り子の服?」
ショチトル (あっ、しまった!)
白井 (海原さんの義妹さんということはわたくしとほぼ変わらない年齢、なのに……)
絹旗 「なんというプロポーション……超負けました」
ショチトル 「あ、ち、ちがっ……これ……」プルプル
結標 「ま、まあ、ちょっと大胆だけど白井さんに比べれば大人しいわよね」
白井 「なぜわたくしを引き合いに出しますの」
ショチトル 「言われてみれば……」
打ち止め 「お姉ちゃんの水着、なんかかっこいいね」
ショチトル 「そ、そうかな?」
結標 (ナイスフォローよ)
絹旗 「では気を超取り直して。ショチトルからサーブどうぞ」
ショチトル 「よし、行くぞ」バスッ
<そっち行ったー!
<おりゃぁぁぁ!
<超ヘッドダイビングです!
<推して参ります!
浜面 「……なあ、海原」
海原 「どうしました?」●REC
浜面 「地上にも女神っていたんだな」
海原 「同感です」●REC
一方通行 「女神ねェ……」
海原 「姫君といった方がしっくりきますか? ナイト殿」
一方通行 「くっだらねェな」
浜面 「それも照れ隠しだろ? 俺らにはもう分かってるんだぜ」バンバン
一方通行 「気安く叩くンじゃねェ」
打ち止め 「とりゃー」ポン
白井 「ナイストスですの」
絹旗 「もらいました!」
打ち止め 「えい」ポイ
絹旗 「え、浮輪投げtふぎゃ」ボフン
ボチャン
婚后 「あら、残念ですわ。ビーチボールが着水してしまいました」
打ち止め 「絹旗の負けー」
フレメア 「絹旗残念賞ー」
絹旗 「超ズルイです!」ムキー
打ち止め 「使えるものは使うのだ」
番外個体 「その通り」フンス
結標 「妹にあまり変なこと教えるんじゃないわよ」
フレメア 「お姉ちゃん、喉渇いた」
滝壺 「私も」
結標 「そろそろ休憩しましょうか」
打ち止め 「ねー、浮輪に乗るから後ろから押してって」
番外個体 「はいはい」
婚后 「ショチトル、先ほど脱いだシャツは?」
ショチトル 「……あれ?」
結標 「はい、流されてたわよ」
ショチトル 「ああ、済まない」
絹旗 「うー、あんな負け方超納得いきません」
白井 「勝負は非情なものですの」
絹旗 「ぐぬぬ……」
白井 「それっ」ポイッ
絹旗 「へ? あ、ちょっと、わっ!」バシャン
白井 「ナイスキャッチですの」
浜面 「お、戻ってきたぞ」
海原 「休憩ですか?」
結標 「そ、いったん一休み」
滝壺 「はまづら、飲み物ちょうだい」
フレメア 「私も私も」ピョンピョン
浜面 「おう、ちょっと待ってな」ゴソゴソ
婚后 「みなさんは海に入らなくてよろしいのですか?」
海原 「留守番みたいなものですよ」ニコニコ
ショチトル 「私たちしかいないのだから気にすることないのに」
打ち止め 「せっかく来たんだから入ればいいのに」
白井 「そうですの。次がいつかなんて分からないのですし」
一方通行 「いいンだよ、俺は」
番外個体 「ちょっとぐらい飲んでったら? 海水」
絹旗 「私はもう超たっぷり味わいましたけど」
浜面 「フレメア、海はどうだ?」
フレメア 「超楽しい♪」
絹旗 「大体、超って使っていいのは私だけです」
ショチトル 「去年もこんな感じだったのか?」チュー
結標 「ええ、ほとんどこんな感じね」
海原 「ゆったりと過ごしてましたよね」
滝壺 「時間の流れ方がなんか違う気がする」
打ち止め 「去年も連れてきてくれればよかったのに」
結標 「ゴメンねー、お姉ちゃんが黙ってたせいだからねー」
番外個体 「えっ、私のせいなの?」
打ち止め 「ズルイズルイ」
一方通行 「我侭言うな」ナデナデ
打ち止め 「」フニャー
白井 (か、可愛い……)
打ち止め 「ねー、シャベルない?」
番外個体 「シャベル? ないでしょ」
フレメア 「ぶー」
滝壺 「何につかうの?」
浜面 「シジミでも集めるのか?」
絹旗 「夕飯の確保ですか」
結標 「なんでよ、砂遊びでしょ」
打ち止め 「」コクコク
婚后 「スコップや鶴嘴なら別荘にあったかと思いますが」
白井 「砂遊びというにはあまりに大袈裟ですの」
ショチトル 「手でもできないことはないぞ? ほら」ザッザッ
フレメア 「あ、ホントだ」
打ち止め 「どうやったの?」
ショチトル 「コツはあるんだが……」
結標 「教えてあげてくれない?」
ショチトル 「あぁ、構わない」
フレメア 「早く早く」
打ち止め 「お姉ちゃん、教えてー」
ショチトル (お姉ちゃん……悪くない)
<砂で何か作る、にゃあ。
<何作る?
<簡単な構造のものにしてくれ。
絹旗 「あっ、砂遊びといえば」
滝壺 「いえば?」
絹旗 「これから私たちで砂に穴を超掘りますので、そしたら浜面入ってください」
浜面 「は?」
絹旗 「浜面が入ったら穴を超埋めますので、そこで一言お願いします」
浜面 「お前なにしれっとすごいことを大喜利みたいなノリで言ってんの!?」
一方通行 「面白そォだな。上半身だけ埋めてやれよ」ケラケラ
海原 「そしたら砂面さんになっちゃいますね」ニコニコ
浜面 「死ぬよね!? そんなことしたら俺死んじゃうよね!?」
番外個体 「埋めるっていってもアレでしょ? 砂風呂みたいな」
婚后 「よく映画やドラマのシーンでも拝見しますわね」
浜面 「ああ、ああいうのか……まあ、それだったら」
滝壺 「あれは埋めるっていうより砂をかけるって感じだね」
絹旗 「さあ、浜面。そこになおれです」グイグイ
浜面 「わかったわかった。せっかくの海だしな。付き合ってやるよ」
一方通行 「」カチッ
結標 (何か企んでるわね)
浜面 「ここらへんでいいか」ゴロン
白井 「ではみなさんで砂をかけて差し上げますの」
一方通行 「オラァァ!」ブンッ
ヒュゴォォォォォン
滝壺 「ひゃっ」
婚后 「砂嵐……!?」
結標 「みんな、目と口と鼻ふさいで!」
パラ...パラパラ...
絹旗 「収まりましたか……ユリコ、大丈夫でしたか?」
ユリコ 「ノ・ω・)ノ」ビシィ
番外個体 「このバカセラレータ! 誰が砂嵐起こせなんて言ったんだよぉ!」
一方通行 「埋めるの手伝ってやったンじゃねェか」ニヤニヤ
海原 「ぐっ、目をやられたようです……!」
白井 「大丈夫ですか? はい、お水で洗い流してください」
絹旗 「あれ? 浜面は?」
浜面 「……うぉーい」
滝壺 「あっ、すごい。もう埋まってる」
一方通行 「渦の中心と砂の着地点もキッチリ計算したからな」
結標 「才能のムダ使いよね……」
打ち止め 「あっ、崩れちゃった」
フレメア 「やり直しだね」
ショチトル 「ちょっとずつ砂を足して、ちょっとずつ固めていくんだ」
打ち止め 「ちょっとずつちょっとずつ」サラサラ
ショチトル 「そうそう、それぐらいでいい」
フレメア 「ここのフォルムがもうちょっとこう……」ガリガリ
ショチトル (フォルムって……)
打ち止め 「ここもうちょっと足したほうがいいよね?」サラサラ
フレメア 「大体待って。そうするとこっち側とのバランスが」
打ち止め 「だから、こっちのほうを少し斜めにして」
フレメア 「じゃあこうするといいかも、にゃあ」
ショチトル (……うん? ちょっと待って)
打ち止め 「ここに高さがほしい……」
フレメア 「うん、ここはもう少しほしい」
ショチトル (何が出来上がろうとしているの……?)
~1時間後~
ユリコ 「」スピー
滝壺 「」ゴロゴロ
絹旗 「滝壺さん、そこで寝てたら砂まみれですよ」
滝壺 「海水で冷えた身体に熱い砂が気持ち良くて」
一方通行 「」ウトウト
番外個体 「手のかかるヤツ……ふふっ」
白井 (大きいお姉様の膝枕……うらやまけしからんですの……)
結標 「大分日が高くなってきたわね」
婚后 「そろそろ正午を過ぎる頃でしょうか」
海原 「ええ、12時半ぐらいですね」
婚后 「太陽の位置で正確な時間を把握できるのですか?」
海原 「天体の動きには少々知識がありまして」
結標 「妙な特技よね」
フレ止め 「「みんなー」」トテテテ
滝壺 「どうしたの?」
打ち止め 「あのねあのね、砂のお城ができたの!」
フレメア 「大体みんなにも見てほしい」
ショチトル 「この子たちは器用だな……正直驚いた」
婚后 「では、作品を拝見させて頂きましょう」
白井 「きっと壮大なお城が見れますの」
フレメア 「大体びっくりすると思う」フンス
海原 「おや、これは期待できますね」
番外個体 「どんなもんか、見てのお楽しみかな。ほら、起きろ」ペシペシ
絹旗 「まあ、砂ですし。形になってれば超合格じゃないですかね」
結標 「そう言わないの。楽しく作れればいいんだから」
打ち止め 「そんなこと言っていられるのも今の内なのだ」
ショチトル 「あぁ……おそらくだが、みんな驚くと思うぞ」
フレメア 「こっちこっち!」
絹旗 「……えっ……えっ?」
滝壺 「すごいすごい」
婚后 「これを砂で……?」
フレメア 「頑張った」フンス
一方通行 「どう頑張ればこれが出来上がるンだ」
番外個体 「器用なもんだ」
打ち止め 「すごいでしょすごいでしょ♪」
海原 「ええ、これはもう芸術ですよ」
白井 「惜しむらくはミニチュアサイズということですの」
ショチトル 「住める大きさにでもしろと? それは無理だろう」
結標 「これでも大したものじゃない」
フレ止め 「「大成功ー♪」」ハイタッチ
浜面 「」スピー
打ち止め 「ねー、写真撮って」
番外個体 「お城と?」
フレメア 「お城と」
婚后 「そうですわ、これだけの大作なのですから記録に残しておきませんと」
ショチトル 「そうだな。撮ってあげてほしい」
番外個体 「じゃあ、その城の両サイドに二人しゃがんで」
フレ止め 「「はーい」」トテトテ
番外個体 「撮るよー」
フレ止め 「「♪」」
ユリコ 「(・ω・)」ヒョコッ
カシャッ
:
:
:
ザザーン...
絹旗 「あ、波が」ポケー
ユリコ 「(・ω・ )」ポケー
白井 「時間の流れがゆったりしておりますの」
絹旗 「ただぼーっとしてるのもいいですね」
白井 「向こうでは中々こんなことできませんものね」
絹旗 「私、今ならファミレスでぼーっとしてた滝壺さんの気持ちが超わかります」
滝壺 「ちょっと違うと思う」
<失礼致します。
婚后 「あら、どうしたのですか?」
執事 「昼食をお届けにあがりました」
婚后 「あら、わざわざありがとうございます」
執事 「この暑さですので、傷みにはお気をつけください」
婚后 「心得ております」
執事 「他、お変わりはございませんか?」
婚后 「ええ、大丈夫ですわ」
執事 「では私は別荘の方に戻っております」シュタッ
婚后 「夕方には戻りますわね」
フレメア 「なんかいい匂いしてきた」クンカクンカ
打ち止め 「ご飯? ご飯?」
婚后 「ええ、昼食にいたしましょう」
絹旗 「おっ、ちょうど超空腹を感じていたところです!」
白井 「絹旗さん、淑女たるものがっついてはダメですの」
滝壺 「何が入ってるの?」wktk
婚后 「サンドイッチですわね」
海原 「これは立派ですね」
結標 「パンが分厚くて中身もこんな……口に入れるのがキツイぐらいね」
番外個体 「ほら起きて。ご飯だってよ」ペシペシ
一方通行 「はいはい……」ノソノソ
ユリコ 「ノシ・ω・)ノシ」
婚后 「ユリコ用のはこちらですわね」コトッ
ユリコ 「(・ω・)」カリポリ
一方通行 「おいガキども、先に手を拭け」つ【ナプキン】
フレ止め 「「はーい」」
結標 「私たちもよ」
絹旗 「えー、いいじゃないですか」
白井 「よくございませんの。砂も触っておりますし」
滝壺 「」フキフキ
海原 「ゴミはこちらへどうぞ」
ショチトル 「……急にお腹が空いてきた」グゥー
一方通行 「オイ、コーヒーないか」
番外個体 「ん」ポイッ
一方通行 「缶コーヒーかよ……仕方ねェな」パシッ
婚后 「では、頂きましょう」
打ち止め 「フレメアのは何サンド?」
フレメア 「サーモンサンド」マフマフ
打ち止め 「一口」
フレメア 「みさわ妹のは?」
打ち止め 「タマゴサンド」
フレメア 「一口」
フレ止め 「「はい、あーん」」
絹旗 「たしか去年も一種類につき一つでしたよね」マグマグ
白井 「これだけ用意する執事さんの丁寧さには感服ですの」
番外個体 「唐揚げもーらい」パクッ
ショチトル 「あ、ズルイ」
<……おーい。
一方通行 「今何か聞こえたか?」
海原 「気のせいでは?」
<おーいってばよぉぉ!!
結標 「この声って……あ!」
婚后 「忘れておりましたわね」
<俺埋めたままメシにしてんじゃねぇぇ!
滝壺 「はまづら、持ってきたよ」
浜面 「いや、まず掘りおこしてくれねえかな」
滝壺 「はい、あーん」
浜面 「あ、あーん」
滝壺 「おいしい?」
浜面 「」モギュモギュ
滝壺 「次はタマゴ焼きね」
浜面 「うまいけどさ! そろそろ発掘してくれませんか!?」
絹旗 「午後からはどうしましょうか」
一方通行 「食休みだ」
結標 「そういうこと聞いてるんじゃないでしょ」
海原 「でも食休みも大事ですよ」
婚后 「そうですわね。体調不良になってもいけませんし」
番外個体 「いっそみんなで寝るか」
白井 「……考えてみれば、それはそれでありかもしれませんの」
ショチトル 「私たちしかいないんだ。周りを警戒する必要もないしな」
滝壺 「こんなところでお昼寝なんて滅多にできないね」
フレメア 「お昼寝するの?」
滝壺 「ちょっとだけね」
ユリコ 「」スピー
打ち止め 「ユリコはもう寝ちゃってるね」
絹旗 「じゃ超ちょっと寝ちゃいましょうか。眠くもなってきましたし」
番外個体 「ねー、さっき膝枕してあげたでしょ。腕枕」
一方通行 「……しょォがねェな」
打ち止め 「♪」ゴロン
婚后 「あらあら、両サイドに姉妹ですか」
白井 「第一位さん、これはうらやましいですの」
海原 「一方通行さん、大人気ですね」
結標 「あら、うらやましいの?」
海原 「いえいえ、滅相もない」
ショチトル 「」ウトウト
滝壺 「はまづら、隣で寝させてね」
フレメア 「私も私も」
浜面 「……俺いつまで埋まってりゃいいんだ?」
絹旗 「」スピー
ユリコ 「」スピー
続きます
このシリーズ好きだから嬉しい