黒沢「太郎・・・オレの友達は おまえだけだ・・・」
黒沢「友達でいような・・・ずっと・・・これからも・・・ずっと・・・」
太郎「」
黒沢「ちぇ・・・!無口だな・・・おめぇ・・・」
元スレ
黒沢「まきますか?まきませんか?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1346339388/
黒沢「zzzzz・・・zzzz・・・」
プルルルル プルルルルル
黒沢「がぁっ!うるせぇ・・・!こんな夜中、しかも人が落ち込んでる日に何の用だ・・・!」ピッ
黒沢「もしもし・・・え?何?よく聞こえねぇって・・・!」
まきますか? まきませんか?
黒沢「はぁ!?意味わかんねぇ・・・!まきぁいいんだろ・・・!まきぁ・・・!」ブチッ
黒沢「ったく・・・!なんだっただよ一体・・・!」
翌朝
黒沢「ふぁっ・・・!よく寝た・・・今日は土曜だったな・・・さて、帰るか・・・」ゴトッ
黒沢「ん・・・?なんだこのカバン・・・」
黒沢(こんなの昨日は無かったぞ・・・いつの間に・・・?)
黒沢(どうする?警察に届けるか・・・?でも少しだけ中身気になるしな・・・)
黒沢「しゃあねぇ、開けてみるか・・・」ガチャ
黒沢「コレ・・・人形か・・・?」
黒沢(しっかし、よく出来た人形だな・・・相当な値打ちモンじゃないのか?)
黒沢(そんなモンをわざわざ山中の工事現場に置いてくとは・・・ますます分からんな)
黒沢「ん・・・?なんだこれ・・・?」ヒョイ
黒沢「鍵・・・いや、ネジか・・・?」
黒沢「コイツをこの穴に差して回すわけか・・・」
黒沢(あっ・・・!回すっていやぁ、昨日・・・)
まきますか? まきませんか?
黒沢(ひょっとして、コイツのネジを巻けって事か・・・?)ゴクリ
黒沢「・・・ここまできたんだ、こうなったら巻いてやろうじゃねぇか・・・!」カチカチ
ググ・・・ググググ・・・・
黒沢「おっ?なんだ?動くのか・・・?」
蒼星石「はじめまして、あなたが僕のネジを巻いてくれたんですか?」
黒沢「」
蒼星石「あの、どうかしまし・・・」
黒沢「に、人形が喋ったぁ~~!?」
5分後
蒼星石「・・・落ち着きましたか?」
黒沢「ああ・・・すまねぇな、取り乱しちまって・・・」
黒沢「ところで蒼星石・・・っていったか?お前さんはどうしてここに・・・?」
蒼星石「ああ、その事ですか?昨夜、あなたに電話が来ませんでしたか?」
黒沢「電話・・・やっぱりあの電話が原因か・・・」
蒼星石「はい。それで、ここからが本題なんですが・・・」
黒沢「ちょっと待った・・・その話って長くなるのか?」
蒼星石「はい」
黒沢「そうか・・・じゃあちょっと場所変えようぜ・・・これからちょうど帰ろうと思ってたとこだしよ・・・」
蒼星石「そうですか?じゃあ移動しましょうか・・・あっ」
黒沢「ん?どうした?」
蒼星石「この人形・・・」
黒沢「太郎の事か・・・?」
蒼星石「太郎君っていうんですか?・・・ふふっ、とても大事にされてるみたいですね」ニコ
黒沢「なっ・・・!?バカ言うんじゃねぇよ・・・!」カァァ
蒼星石「いいんですよ、隠さなくても。この子の心の声が聴こえましたから」ニコニコ
黒沢宅
黒沢「さて、そんじゃさっきの話を聞こうか・・・」
蒼星石「はい、実は・・・」
・・・・・・・・・・・・
蒼星石「・・・というわけなんです」
黒沢「・・・」
蒼星石「あの、どうしたんですか?」
黒沢「おおおおおお・・・・!」ボロボロ
蒼星石「なっ!?だ、大丈夫ですか!?」
黒沢「ひでぇ・・・ひどすぎる・・・!こんなバカな話があるか・・・!?」
黒沢「自分の作った人形・・・いや、娘の出来が気に入らなかったからって・・・」
黒沢「娘同士に殺し合いをさせて・・・最後の一人だけを娘呼ばわりなんて・・・独裁者・・・!まるでヒットラー・・・!」ボロボロ
蒼星石「あの・・・それじゃあ契約は無理ですか・・・?」
黒沢「いや・・・契約はする・・・!ただし優勝するためじゃなく・・・アリスゲームなんてふざけた殺し合いを止めるために協力する・・・!」
黒沢「安心しな、お父様とやらには会わせてやる・・・そんな事するクソ親父は、一発ブン殴って娘に土下座させなきゃ気が済まねぇ・・・!」
蒼星石「マスター・・・」パァァ
黒沢「よし、そうと決まったら早速契約だ・・・!どうすればいい・・・?」
蒼星石「はい、この指輪に口づけを・・・」
黒沢「キ、キ、キ、キ・・・キスゥ・・・!?」
蒼星石「はい」
黒沢(やべぇ・・・やべぇよ・・・!指とはいえ、女の子とキス・・・!それに・・・)
チラッ
蒼星石「?」キョトン
黒沢(はじめは男みてぇだと思ってたが・・・よく見ると滅茶苦茶かわいいじゃねぇか・・・!)
黒沢(我が世の春がきた・・・ってやつ・・・?しかし、こんな小さい子とキスって・・・)
黒沢(未成年淫行…! 逮捕…! ロリロリロリロリロリロリ…)
蒼星石「マスター?なにしてるんですか?早く契約しましょうよ!」スッ
黒沢「あっ・・・」
ちゅっ
蒼星石「これからよろしくお願いしますね、マスター!」
黒沢「お、おぅ・・・!よろしくな、蒼星石・・・!」
黒沢(はぁぁ~・・・!俺ってヘタレだ・・・こんなんだから未だに嫁が出来ねぇんだよ・・・!)
月曜日
黒沢「そんじゃ行ってくるな、蒼星石・・・!」
蒼星石「はい!いってらっしゃい、マスター!」
バタン
蒼星石(さて、どうしようかな・・・他の姉妹はまだ目覚めてないし、やる事がないな)
蒼星石(それにしても散らかってるなァ・・・一人暮らしってこんなもんなのかな?)
蒼星石(・・・よし、どうせやる事もないんだ。それなら・・・)
黒沢「ただいま・・・」ガチャ
蒼星石「あ、お帰りなさいマスター!」
黒沢「うおっ・・・!なんだこれ、家の中ピカピカじゃねぇか・・・!お前が掃除してくれたのか・・・?」
蒼星石「はい、マスターに喜んでもらえればいいと思って」
黒沢「お、お前・・・」ブワッ
蒼星石「あ、まだあるんですよ。こっちに来てください」
黒沢「これ・・・お前が作ったのか・・・?」
蒼星石「はい。いつもコンビニ弁当じゃ栄養が偏ると思って・・・」
蒼星石「余り物で作ったので大した物じゃありませんが・・・よかったら食べてください!」ニコ
黒沢「て・・・天使・・・?アナタハ天使デスカ・・・?」
蒼星石「はい?」
黒沢「うぉぉぉぉっ・・・!蒼星石マジ天使ぃぃぃぃっ・・・!」ギュゥゥゥゥゥ
蒼星石「ま、マスター!?苦しいよ・・・!」
黒沢「ありがとう・・・!本当にありがとう・・・!」ボロボロ
僕がマスターと契約してから1か月。他の姉妹はまだ目覚める気配がない。ミーディアム探しに苦労してるのかな?
一方、最初来たころはどこか暗かったマスターも、今では随分明るくなった。
最近では、新しく出来た中根君や小野さんって人達とも仲良く付き合ってるみたいで、僕としてはうれしい限りだ。
でも、そんなある日・・・
ガチャ
蒼星石「あっ、おかえりなさ・・・」
黒沢「・・・」ドヨーン
蒼星石「ま・・・マスター?どうしたんですか?」
黒沢「あぁ、実はな・・・」
蒼星石「こ、公園で決戦!?」
黒沢「あぁ、明日の夜9時、ホーム・・・いや、ホープレス達の家を守るためにな・・・」
蒼星石「ど、どうしてそんな危険なことを・・・」
黒沢「俺だって本当はやりたくねぇよ・・・!けどよ・・・!」
『あ』じゃなくて・・・『お』だったらのぉ・・・・!
黒沢「あんな事言われて・・・黙ってられるわけねぇだろ・・・!」ボロボロ
蒼星石「マスター・・・」
黒沢「そこで蒼星石、お前に頼みがある・・・!」
蒼星石「はい、なんですか?」
黒沢「俺も今まで何度も修羅場を潜り抜けてきたが・・・今度ばかりはヤバイかもしれん・・・!ばぁちゃんを守りきれねぇかもしれねぇ・・・!」
黒沢「そこでいざという時には・・・お前がばぁちゃんを連れて逃げてくれ・・・!」
蒼星石「えぇっ!?そ、そんな事・・・」
黒沢「頼む、お前にしか頼めないんだ・・・nのフィールドっていったか?あれで鏡を使って逃げてくれ・・・!」
蒼星石「そんな!だったら僕も戦います!マスターだけにそんな危険なこと!」
黒沢「ダメだ・・・!男は女を守るもんだろうが・・・!ましてやお前みたいな小さな体で戦わせられるか・・・!」
黒沢「頼む、分かってくれ・・・!」ボロボロ
蒼星石「・・・分かりました。でも、無理はしないでくださいね?」
決戦当日
ワーワー ワーワー
茜「大丈夫かのぉ、蒼ちゃん・・・?」
蒼星石「大丈夫ですよ。マスターは強いですから・・・」
不良「どけよオラッ・・・!」
坂口「うわっ・・・!」
不良「さて、どんなお宝があるのやら・・・」ペラッ
茜「ひっ・・・!」
不良「あぁ?なんだこのチビとババァ・・・?どけっ・・・!」バシィ
蒼星石「うわっ!」
不良「どれどれ・・・?・・・なんだこれ?なんもねぇぞ・・・?」
不良「おいババァ・・・!どこに隠した・・・!」ベチベチ
茜「ひぃぃ・・・!」
蒼星石「や、やめろぉ!」ポカポカ
不良「チビは引っ込んでろ・・・!」
黒沢(あっ・・・!ばぁちゃん・・・!蒼星石・・・!)
黒沢「やめろテメェ・・・!」ドガァッ
不良「ぐはぁ・・・!」
不良「なんだこのオヤジ・・・!?」
不良「応援だ応援っ・・・!」
不良「オラオラッ・・・!」ドカドカ
黒沢「ぐっ・・・あがっ・・・!」
坂口「黒沢さ・・・うぁっ!」
不良「黙ってろテメェ・・・!」
茜「く、黒ちゃん・・・!」
蒼星石(こ、ここまでか・・・ごめんなさい、マスター!)
蒼星石「茜さん、早く逃げ・・・ん?あれは・・・誰?」
タッタッタッ ボガァ
不良「ほがぁ!?」
太郎「・・・」
蒼星石「た・・・・太郎君!?」
不良「なんだ?人形・・・!?」
不良「気味わりぃ・・・!やっちまえ・・・!」ボカボカ
黒沢(太郎・・・?そんなボロボロの体で・・・俺のために戦ってくれるのか・・・太郎ッ!)
黒沢「うおおおおおおおっ・・・・!」バキィ
不良「いてぇっ・・・!こ、このオヤジ・・・まだこんな力が・・・!」
ホープレス(黒沢さんが戦ってる・・・なんなボロボロなのに・・・他人のワシらのために・・・それなのにワシは・・・!)
不良「おい、ジジィども・・・!動くなって言ったろ・・・!」
ホープレス「黙れっ・・・!ナメんじゃねぇぞ・・・!」
不良「は?」
ホープレス「俺たちは・・・人間だ!」
ホープレス「うおおおおおおおおおっ・・・!」
不良「なんだ!?ジジィ共が・・・!」
不良「ビビんな・・・!相手はジジィだ、やっちまえ・・・!」
ホープレス「おらぁっ・・・!」ドガバキィ
不良「な、なんだ!?強ええぞコイツら・・・!」
不良「とても敵わねぇ・・・!逃げるぞ・・・」
ワーワー
坂口「黒沢さん・・・あいつら逃げていきますよ・・・!」
黒沢「へへっ・・・やれば出来るじゃねぇか・・・!なぁ太郎?」
太郎「」
黒沢「なんでぇ・・・やっぱおめぇ無口だな・・・!」
ホープレス「やったぁ・・・・勝ったんだぁっ・・・・!」ボロボロ
~~~~
蒼星石「はい、坂口さんどうぞ」トクトク
坂口「いやぁ悪いね~蒼ちゃん・・・!」ニコニコ
黒沢「ぷはぁ~・・・!勝った後のビールはうめぇなぁ・・・!なぁみんな・・・!」
ホープレス「おうよ・・・!まったくだ・・・・!」
黒沢(あれ・・・?なんだ、急にめまいが・・・)クラッ
茜「く、黒ちゃん息しとらんばいっ・・・!」
黒沢(ああ、走馬灯が・・・俺、今度こそ死ぬのか・・・)
茜「黒ちゃん・・・!」ボロボロ
仲根「兄さんっ・・・!」ボロボロ
蒼星石「マスタぁぁ・・・」ボロボロ
黒沢(泣くな・・・泣くなみんな・・・!確かに… オレは…何も掴めなかったけど…! でも…)
黒沢(あったけぇ・・・最後の最後・・・あったけぇ・・・・)
~~~~~~~~
黒沢「なんだここは?変な場所・・・ああ、そうか、俺死んだんだっけ・・・」
?「やぁ、君が蒼星石のマスターだね?」
黒沢「あんたか・・・『お父様』とやらは・・・」
ローゼン「そう、私がローゼンだ。蒼星石との事は全て見させてもらったよ」
黒沢「・・・」トコトコ バキィ
ローゼン「・・・」
黒沢「・・・なんで殴ったのか、言わなくても分かるよな・・・?」
ローゼン「ああ・・・私も君のようなミーディアム・・・いや、人間は初めて見たよ」
ローゼン「君ほど他者のために熱くなり、戦える人間はね」
黒沢「・・・」
ローゼン「確かに身勝手すぎたかもしれない。自分の都合で娘同士を戦わせるなんて・・・君の生き様を見てつくづく実感したよ」
黒沢「じゃあ・・・!」
ローゼン「ああ、分かってる。アリスゲームは今回でお終いだ。もちろん娘たちにも謝っておくよ」
黒沢「そうか・・・それを聞いて安心したぜ・・・これで安心して逝ける・・・!あばよ、蒼星石・・・!」
黒沢「・・・・・って、あれ!?なんで俺生きてるんだ!?怪我も治ってるし」
シクシク シクシク・・・
黒沢「おいおい、どうしたんだよ・・・!俺生きてるんだぞ・・・!」
蒼星石「マスタぁ・・・」ボロボロ
黒沢「蒼星石、いったい何があったんだ?どうしてみんな泣いてるんだ・・・?」
蒼星石「はい・・・マスターが眠ってからの事をお父様から聞いたんですが・・・」
~~~~
?『マッテ クダサイ!』
ローゼン『うん?』
太郎『ボクノ イノチデ 黒沢サンヲタスケテ クダサイ!』
ローゼン『そんな事をすれば君の命もなくなってしまうが・・・それでもいいのかい?』
太郎『カマイマセン。 コノ体ジャ モウナガハ モチマセン』
太郎『ソレニ・・・ 黒沢サンハ コンナ オンボロノ ボクニ 本当ニ 友達ノヨウニ セッシテクレマシタ・・・』
太郎『ダカラ セメテ サイゴ クライハ 黒沢サンノ ヤクニ タチタインデス』
ローゼン『そうか・・・分かったよ。黒沢くん、君は本当に幸せ者だね・・・』
黒沢「バカな・・・!それじゃ太郎は・・・!?」
蒼星石「・・・」チラッ
黒沢「た、太郎っ・・・!お、俺なんかために・・・・!」
黒沢「こんなバラバラになっちまって・・・・おおおおおおおおおおおおおおおおおおっ・・・・・・!!」ボロボロ
あの決闘から数週間後・・・落ち込んでいたマスターもだいぶ元気を取り戻し、今では前と変わらず仕事に通っている。
太郎君はあの後、仕事場の一角に埋められ、お墓が立てられた。ただし、ライトだけは思い出としてマスターの部屋に飾ってあるけどね。
一方、僕はどうしてかというと・・・
蒼星石「こんにちわ~」ガチャ
のり「あら、蒼星石ちゃんいらっしゃい」
真紅「よくきたわね、蒼星石」
雛苺「いらっしゃいなの~」
JUM「なんだ、今日は早かったな。まぁ、あがれよ」
蒼星石「うん、おじゃまするね」
翠星石「ところで、蒼星石のマスターってどんな奴ですか?」
蒼星石「ふふっ、今度紹介するよ」
蒼星石「今日はみんなに差し入れがあるんだ。まずは赤松さん特製のコーヒー!」
真紅「コーヒー・・・できれば紅茶がよかったのだわ・・・」
蒼星石「そう言わないでよ。赤松さんのは特別美味しいんだから。そしてこっちが・・・」ゴソゴソ
翠星石「なんですかぁ?」
蒼星石「じゃーん!マスターと僕が一緒に作った特製アジフライだよっ!」 おしまい