1 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/25 21:14:23.67 4xIeQRk90 1/56

「そんなこと言われても知らん」

「がおー、おまえーをーたべてしまうぞー」

「えー・・」



「まあ弟は骨と皮しか無いから食べたくないん」

「骨と皮しかないか?」

「うん。最近やつれてる」

「うーん・・骨と皮がある分マシじゃない?」

「それはそうだけど・・」

「確かに最近食欲はそんなにないけどな」

「よし、じゃあ美味しい物買いに行こうか。お姉ちゃんもお腹空いたし」

「めんどくさ・・」

「良いから行くん!」



元スレ
姉「おなかすいたー」
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1237983263/

3 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/25 21:15:39.52 4xIeQRk90 2/56

「えー。大体俺食欲無いって言ってんじゃん」

「だからだよ」

「ん?なに?」

「だからー、弟の食欲が出るような美味しい物探しに行こうって」

「なるほどな・・」



「でもどこに行こう・・」

「あらかじめ決めてるわけじゃないのか」

「うーん・・どこに行けば美味しい物があると思う?」



5 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/25 21:17:02.38 4xIeQRk90 3/56

「食べ物はやっぱりスーパーとかじゃないのか」

「ん。そうだね」

「・・」



「じゃあほら、早く用意するん」

「めんどくせーな・・」

「早くパジャマぬいでっ」

「うわっ、ちょ、脱がそうとするな!!」

「もー・・わかってるんだからね」

「うん?なにがだよ」

「お姉ちゃんに着替えさせて欲しくてもたもたしてるんでしょ?」

「んなわけあるか!!」 ぺし

「うー・・殴らなくたって良いじゃん・・」

「とりあえずズボンから手をはなせっ」



7 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/25 21:25:18.75 4xIeQRk90 4/56

「・・着替えてきたぞ、これで良いか」

「うん、お姉ちゃんもメイクばっちり」

「たかがスーパーで買い物するくらいで化粧すんのかよ」

「ただの買い物じゃないもん」

「んー?」

「デートだもんデート」

「はあ・・なんだそりゃ・・」

「デートったらデートなん」

「・・」

「だってそうでしょ?二人っきりで出かけるんだからさっ」

「まあ・・別になんでも良いけどさ」

「でーと、でーとっ」 によによ

「・・馬鹿は気楽でいいなあ」

「なにか言った?ん?」

「い、いや・・なにも・・」



8 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/25 21:30:19.24 4xIeQRk90 5/56

「外・・晴れてるね」

「ああ、太陽がまぶしくて鬱陶しいな・・」

「弟の前髪の方が鬱陶しいでしょー、そんなに伸ばして」

「放っておいてくれ・・」

「せっかく可愛い顔してるのに」

「そんなん言うの姉ちゃんだけだよ」

「うーん・・世の中の感覚がわからんね」

「俺は姉ちゃんの感覚がわからんち、不細工じゃねーか俺・・」

「そんなことないと思うん・・。おかしな世の中だねえ」



9 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/25 21:33:34.86 4xIeQRk90 6/56

「で、どこのスーパー行くんだよ」

「そうだねー、こっから一番近いところだと“オオウチ”かなあ」

「“オオウチ”か・・。そうだな」

「でもあそこボロボロだし何か臭いしちょっと嫌なん・・」

「良いだろ別に。住めって言うわけじゃないんだからさ」

「うへー、住むなんて絶対嫌なん」

「だから住むわけじゃないんだから良いだろって」

「えー?やっぱり“オオウチ”じゃなくて“イノン”まで行こうよ」

「“イノン”って・・イノンショッピングモール?」

「ん」

「遠いじゃないか・・」

「いーから行こうよ、せっかくのデートだしっ」



10 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/25 21:39:49.26 4xIeQRk90 7/56

「って言ってもなあ・・。歩きじゃ何時間かかるんだよ」

「うー・・」

「こういう時に車ないって不便だよな」

「そうだね・・。どうするん?」

「どうするんって・・俺に聞かれても困るん」

「んー・・」

「・・・・」

「あ、そうだ、バスで行こうよバス」

「バスぅ?」

「うん。たしか直行する奴があるはずなん」

「ふーん・・。じゃあそれで行こうか」





11 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/25 21:43:34.51 4xIeQRk90 8/56

「ね。その前にさ」

「うん?」

「こっちの帽子とこっちの帽子、どっちが良いかな」

「どっちでもい、むぎゅう」

「だめっ。だめなん」

「キャスケットとニット・・?ニットで良いんでないの」

「ホント?」

「こんな所で嘘ついてどうなる・・」

「んー・・どお?」

「良いんじゃないの。知らんけど」

「可愛い?」

「まあまあ、じゃないのか」

「ふーん・・」 によによ



「よし、じゃあ行こうか」 によによ

「そうだね・・なんかずいぶん楽しそうだな・・」



13 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/25 21:49:15.09 4xIeQRk90 9/56

バス



「・・・・」

「結構混んでるね。座れたから良かったけど・・」

「そうだな・・」

「・・うえっ」



「ううぅー」 ばふっ

「は、はあ?姉ちゃんどしたん?いきなり俺の服に顔うずめて・・」

「くさいー」

「え?」

「そっちの方タバコくさいんー」

「あ、ああ。あっそう・・」

「弟の服は良い匂いするん」

「まあ・・柔軟材とかちゃんと使ってるしな・・」

「・・・・」

「なあ。着くまでそうしてるつもりか?」

「そうだけど。なにか問題でもあるん?」

「いや・・」

(人の目が・・)



15 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/25 21:52:41.60 4xIeQRk90 10/56

なんだかんだで到着



「ふぃー・・ついたね」

「やっと離れたか・・服、しっわしっわだ」

「あはは、お姉ちゃんの顔型になってるん?」

「いや流石にそれは・・。なってたら嫌だな」

「良いじゃん。レアだよレア」

「何がレアだかわからんち」

「あ、ほら、順番来たし早く降りるん」

「はいはい」

「ちゃんと携帯持った?お財布落としてない?」

「大丈夫だって・・。子供か俺は・・」



18 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/25 21:56:54.84 4xIeQRk90 11/56

「うーん・・デカイ!!」

「デカイな」

「ワクワクするね」

「いや俺は別に・・」

「むー。ノリ悪いん」

「どう考えても姉ちゃんが騒ぎ過ぎてるだけだろ・・」

「そんなことないもん・・。まあいいや、いこ?」

「あ、ああ・・。って、その手はなんだ」

「え?手繋ごうよ」

「・・嫌だ」

「なんでなん?」

「逆に聞くけど姉弟で手繋いで何が楽しいんだよ」

「・・・・」

「・・・・」



21 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/25 22:04:26.49 4xIeQRk90 12/56

「・・うん。そうだね」

「ああ」

「・・・・」

「・・行かんの?」

「行くよー・・」

「・・・・」

「・・・・」

(あれ?俺もしかして何か不味いこと言った?)

「・・・・」

(仕方ないな・・)

「ほれ」



22 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/25 22:05:07.97 4xIeQRk90 13/56

「うん?」

「・・手繋いだ方が楽しいんじゃないのか」

「・・そう思うん?」

「ああ。さっきの俺はどうかしていたようだな」

「あはは・・。うん、じゃあかるーく握る、よ・・?」

「別に軽くなくてもいいけどさ」

「・・うん」



(なんでそんな恐る恐るんだか・・)

(まあ俺も、身内とは言え女の子・・と手を繋ぐのなんて初めてだけど・・)

「えへへー」 

「・・じゃあ行くか」

「うん」 によによ



23 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/25 22:07:18.55 4xIeQRk90 14/56

「で、あれ?なにしに来たんだっけ?」

「んーと・・。あれ?」

「・・・・」

「そ、そんな目で見ないん!今思い出すから・・」

「・・ああ、そうだ、飯がどうのこうのって」

「そうそう!それだ、弟の食欲が出るような美味しい物買いに来たんだ」

「何かあるかね」

「それを今から二人で見て回るん」

「なるほどな・・。まずはどっから行く?」

「んー・・レストラン街でも見てくる?」

「食べ物って言えばそっちだよな」

「じゃあ早速いってみよぉー」 によによ

「ああ・・」

「・・・・」 によによ

「なに?俺の顔に何かついてる?」

「う、ううんっ、早くいこっ」



25 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/25 22:10:52.50 4xIeQRk90 15/56

「ああ・・って、そんなに引っ張るなよ」

「早く行くんー」

「はいはい・・そんなにお腹空いてるのかよ」

「むぅ。なんでいちいち意地悪い事言うかな」

「そんなに急ぐからだって」

「だって・・ちょっと恥ず・・ううん、ゆっくり歩いても仕方ないでしょ?」

「そりゃそうだけど・・。言ってる間に着いたぞ」

「んむ。計画通りなん」

「ホントかよ・・」





27 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/25 22:15:50.78 4xIeQRk90 16/56

「それで、どうしよっか」

「・・俺に言われてもな、特に食べたい物なんて無いし」

「そっか・・それで来たんだもんね・・んー・・」

「そうやってキョロキョロしてると迷子の子供みたいだな」

「子供じゃないもん、大人だもん」

「見た目は大人、中身は子供ってところか?」

「・・それ、なんかエッチだね」

「そうだな。・・いや待て、顔赤くさせるほどか?」

「うー・・赤くさせてないもん!!あ、お寿司はどう?」

「寿司?うーん・・別に姉ちゃんが寿司が良いなら寿司食べても良いけど・・」

「お姉ちゃんはあんまり食べたくないん」

「じゃあ別のにしようぜ、俺もそんなに生物好きじゃないし」

28 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/25 22:17:37.71 4xIeQRk90 17/56

「・・本当に弟は何か食べたいの無いん?」

「無い」

「きっぱり即答・・」

「ああ、きっぱり即答だ」

「むむぅ・・」

「・・いや、別に姉ちゃんの食べたい物で良いよ」

「でも・・」

「ちゃんと食べるからさ」

「うん・・、うー・・取りあえずクレープでも食べる?」

「ああ。よし、じゃあクレープ買いに行くか」

「うんっ」 ぱっ

「・・やっぱり手は繋ぐのか?」

「その方が楽しいもん・・。楽しいよね?」

「・・そうだな、よし」

「んっ」 によによ



30 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/25 22:23:59.44 4xIeQRk90 18/56

「弟どれにするん?」

「姉ちゃんは?」

「んっとねえ・・」

「・・・・」

「・・どれにしよ?」

「これで良いんじゃない?バナナとチョコチップので・・」

「弟はそれが良いん?」

「え?まあ・・これが一番美味しそうなんじゃない?」

「ん。じゃあこれにするっ・・ね?」

「うん?」

「一個だっけ買って二人で半分こしない?」

「なんでだよ」

「そしたらクレープ以外のも食べれるでしょ?」

「あ、ああ・・そうだな。さすが食いしん坊の姉ちゃんだ、発想が違う」

「・・なんかむかっと来る言い方だけど、とりあえず買ってくるね」





33 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/25 22:30:54.47 4xIeQRk90 19/56

「はい、お待たせ」

「俺に渡されても・・」

「女の子に荷物持ちさせちゃぁダメなん。知らないん?」

「荷物ってほどのもんじゃねーだろ」

「良いから良いからっ、せっかくのデートなんだよ?」

「・・・・」

「向こうのベンチに座って食べよ?」

「ああ・・」

「ほら、早く早く」

「はいはい・・」

(なにがそんなに楽しいんだか・・)

「えへへー」 によによ



34 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/25 22:33:01.20 4xIeQRk90 20/56

「ふー・・」

「・・・・」

「平日のわりには人結構いるね」

「ああ、っていうかさ」

「うん?」

「こんなにぴったりくっ付く必要なくないか?」

「・・それは、んー」



「暑苦しいんだ・・」 はなれっ

「えっとねえ」 ぴったり

「なんなんだよ・・」

「いや、ほら・・他に座る人いたら困るでしょ?だから詰めるん」

「・・誰も男女で座ってるところに座ろうとせんて」

「そ、そんなのわからないでしょっ」

「まあ・・例外が無いとは言い切れないけどさっ」

「そうそう」 ぴったり

「暑苦しいんだけどね・・」

「そんなことないよー」 によによ



35 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/25 22:34:33.24 4xIeQRk90 21/56

「それよりもクレープ食べよ、クレープッ」

「ああ、ほれ」 ごそごそ

「・・ん。はい、あーん」

「いや・・ちょっと待て・・」

「どしたん?」

「そんなクレープ丸々一個俺に向けられてもな・・」

「食べるって言ったじゃん」

「いやそうじゃなくて、せめて千切るとかそういう・・」

「千切ったら汚くなるんじゃない?」

「む。それもそうか・・」

「あーん・・」

「あむ、むぐむぐ」



37 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/25 22:38:31.30 4xIeQRk90 22/56

「ど?」 によによ

「うん、結構美味しいんじゃないか」

「そっか、じゃあお姉ちゃんも・・」

(・・あれ?)

「・・?」

(これって間接キス、って言うのになるんじゃ・・)

「・・?」

「うー・・」

「なに?食べないのか?」

「た、食べるんっ!」

「ん?っていうか顔赤いけど大丈夫か?」

「だ、大丈夫なん!い、いただきますぅ・・あむっ・・」



40 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/25 22:45:20.46 4xIeQRk90 23/56

(・・うぅ、はずかし)

「・・?」

「・・・・」

「なに?美味しくなかった?」

「い、いや、美味しいけど緊張するん」

「は?緊張?」

「な、なんでもないん・・」

「・・?」



42 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/25 22:49:05.73 4xIeQRk90 24/56

「結構美味しかったな」

「そ、そうだね・・」

「さっきからなんか変だけど大丈夫か?」

「ん、うん・・大丈夫大丈夫」

「ならいいけどさ」

「つ、次はなに食べよっか?弟はやっぱり何も無いん?」

「そうだなあ・・」

「・・・・」

「結構クレープおいしかったから、また甘いもんでも食べるか?」

「にまーり」

「?」

「やっぱ、クレープ美味しかった?」



43 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/25 22:50:09.78 4xIeQRk90 25/56

「まあ・・」

「えへへ、その調子でドンドン美味しいものたべよーね」

「そうだな・・たまには悪くない。だけど・・」

「ん?」

「俺は良いとして、姉ちゃんは食いすぎない方が良いじゃないか?」

「え?なんで?」

「・・そんなに無垢に疑問に思われると困るな」

「・・?」

「お腹とか・・お腹とか・・お腹がさ・・」

「・・あっ!きぃーっ」 むぎゅぅ

「やっほひふひたか・・」 ほっぺ引っ張られてる

「お姉ちゃんデブじゃないもん!!」

「まあまあ。そうならんように、と言う話だろ」

45 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/25 22:53:58.73 4xIeQRk90 26/56

「まあ、そういうことにしておいてあげるん。お姉ちゃん優しいから」

「誰が優しいんだ・・」

「お姉ちゃんがでしょっ」

「・・優しい姉ちゃんは弟のほっぺを抓ったりしないんじゃないか」

「ずばり、愛のムチ、だよ」

「そうかよ・・」

「んー、でも甘い物かー、またクレープって言うのもね・・」

「ああ。クレープばっかり食ってるとクレープ星人になるぞ」

「いつか地球に別れを告げてクレープ星に帰るん?」

「そういうことだ。・・どういうことなのか良くわからんが」

「そいじゃあ、なに食べよっかね」

「うーん・・市販のお菓子とか買って食べるのもなあ・・」

「んじゃあ、喫茶店でも入る?」

「そうだな・・何かしらあるだろうし」

「そうだねー」

「じゃあ行くか」 にぎっ

「うんっ、えへへ・・」

(弟から手繋いできてくれたぁ・・)



48 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/25 22:58:36.12 4xIeQRk90 27/56

喫茶店



「・・迷う」

「あれも食いたいこれも食いたいってか?」

「だってどれも美味しそうなんだもん・・」

「全部食ったらどうだよ、せっかくだし」

「そんなことしたら太っちゃうもん・・」

「ふーむ・・まあ・・」

「ん?」

「もうちょっと太った方が良い箇所もあるけどな・・」

「それ、どういう意味なん?」

「・・知らない方が良い事もある」

「・・むぅ」

「それより何食うかな・・」

「んー、ねえねえ」

「ん?」

「またひとつの買って半分こしない?」



52 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/25 23:04:04.04 4xIeQRk90 28/56

「そうだな・・パフェとかそんなん絶対俺一人じゃ食えんし」

「パフェ食べたかったん?」

「んー・・ちょっと美味しそうじゃないか?この写真だと」

「えへへ、そうだね」

「じゃあ取りあえず、これで・・。飲み物はコーヒーで良いや」

「お姉ちゃんは・・ココアで・・」

「ココア好きだな・・っていうか甘い物食べながら甘い物飲むのか」

「だって苦いのヤダもん。うえーってなる、うえーって」

「うえーってなるのか・・あんまりアマアマなのもうえーってなりそうだけどな」

「そんなことないん、甘いのは正義っ」 ぺしっ

「なぜ俺がでこピンされるんだ?」

「苦いの飲む弟は悪なん」

「あっそう・・」



55 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/25 23:13:07.68 4xIeQRk90 29/56

「パフェー」

「・・・・」

「パフェーム!!」

「それは面白いと思って言ったのか・・?」

「・・黙秘っ」

「まあ良いや。しかし結構でかいな・・」

「ね。確かにこれは一人じゃ食べられないかもね・・」

「いやいや、姉ちゃんなら一口で食いそうだけどな」

「お姉ちゃんのことなんだと思ってるん・・」

「はは、何でも良いだろ。食うぞー」

「・・うんっ」

「ぱくぱく・・」

「・・・・」 によによ

「食わんの?」

「食べるよっ」

「?・・むしゃむしゃ」

「・・・・」 によによ



57 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/25 23:21:38.90 4xIeQRk90 30/56

「いや、なんだよ・・、食べないのか?」

「食べるよ、たださ」

「うん?」

「美味しそうに食べるなあ、と思って」

「別に普通に食べてるつもりだけど・・」

「だって家にいると食欲ないとか言ってあんまり食べないし、こんな顔しないしぃ・・」

「それは・・んー・・姉ちゃんの料理の腕が上がれば大丈夫だろ」

「むぅ-・・」

「冗談だけどな・・。なんだろ、やっぱり外出るの楽しいのかもな」

「うんうん」

「まあアレだ。食欲なんて気分みたいなもんだし・・放っておいても食べてたんじゃない?」

「そっかなー、お姉ちゃんがこうしてデートしてあげてるから弟も食欲出たんじゃないの?」

「・・ははは、そうかもな」

「えへへ・・」



59 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/25 23:32:41.26 4xIeQRk90 31/56

「しかし、美味い」 もりもり

「わわっ、お話してる間にそんなに!?」

「ああ・・むしゃむしゃ」

「わー!!お姉ちゃんも食べるんだからねっ!!」 むしゃむしゃ

「残念!!さくらんぼは俺がいただく!!」

「あー!!ずるい!!」

「ふはは、むしゃむしゃ」



・・・・・



「あー食ったくった・・」

「本当に珍しくずいぶん食べたね・・うぅ・・さくらんぼがあ・・」

「いつもはケーキに乗ってるいちごとかやってるし、良いだろ・・」

「まあ良いけど・・」

「・・ん?」

「うん?」

「なんか鳴ってないか?携帯じゃないの」

「んー?どれどれ・・」 ごそごそ

「っていうか弟のじゃないん?」

「俺携帯置いて来てるし」

「携帯の意味ないじゃん・・」



60 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/25 23:37:45.56 4xIeQRk90 32/56

「んー・・やっぱりお姉ちゃんにメール着てた」

「へえ、誰から?」

「えへへー、気になるん?」

「いや、なんとなく聞いてみただけだけど・・」

「そんなこと言って本当は彼氏いるんじゃないか、とかちょっと心配なんでしょ?」

「むしろ彼氏出来なさ過ぎて心配してるってーの」

「・・・・」 むぎゅ

「本当のこと言っただけで頬っぺた引っ張るなよ」

「ふーん、その内きっとお姉ちゃんの魅力がわかる王子様が現れるんだもーん」

「ははっ、そうかそうか、良かったでちゅねー」

「むぅうぅ・・。せっかく良いこと聞いたけど教えてあげないよ?」





61 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/25 23:41:23.76 4xIeQRk90 33/56

「良いこと?なんだそりゃ」

「意地悪な弟には教えてあげないもーん」

「・・あっそ、じゃあ良いや」

「気にならないん?」

「そりゃあ気になるけどな」

「んー・・じゃあねえ」

「なんだよ」

「お姉ちゃんの事かわいいって言ったら許してあげるし、いいことも教えてあげるん」

「かわいい、って無理やり言わせてうれしいもんか?」

「うー・・い、良いから言わなと教えてあげないもんっ」

「・・あー・・うん、可愛いんじゃないの」

「誰が?」

「誰がって・・姉ちゃん・・」

「・・・・」 かあ

「いや、待てなぜ顔赤くする・・俺まで恥ずかしくなるだろうに・・」

「うー・・」



64 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/25 23:45:31.51 4xIeQRk90 34/56

「で、なんだよ、良い事って・・」

「あ、う、うん・・これこれ」

「なに?さっきのメールか?」

「うん」

「・・え?なにこれ、ホント?」

「本当なんじゃないの?だってこんなウソつく必要ないじゃん」

「まあ・・そりゃあな。まだ4月1日でもないんだし」

「うん・・残念だね・・」

「そうだなあ・・俺達の通ってた小学校が取り壊されるのか・・」

「・・うん」

「・・・・」

「・・・・」



65 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/25 23:51:33.09 4xIeQRk90 35/56

「・・ね?弟?」

「うん?」

「どうせ今日、この後も用事無いんでしょ?」

「まあな、半引き篭もりの俺に用事なんてあるハズもない」

「あはは・・」

「なんだよ、そんなの聞いてどうするんだ」

「あ、うん・・このあと行って見ない?」

「行ってみない・・って学校?」

「うん。卒業してすぐに引っ越してから一回も行ってないでしょ?」

「あー・・そうだな・・電車で1時間もかからないのにそういえば一回も行ってないよな」

「うん。まあ・・向こうの方何にもないからねぇ・・」

「ああ。全校生徒10人以下って・・今考えると凄いよな」

「だねえ・・」



67 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/25 23:56:08.54 4xIeQRk90 36/56

「んー。そうだな、行って見るか」

「うん」

「っていうか、わりとどうでも良いことなんだけどさ」

「ん?」

「誰かこんなメール来たんだよ」

「あ、お母さんからだよ、なんか人伝いに聞いたみたいで・・」

「そうなのか・・。どうする?今から行くか?」

「そうだね、ちょうど駅も近いし」

「ああ・・そうだな・・」

「んっ、じゃあデートコース変更だねっ」

「やっぱりデートなのか・・」

「そうだよー」 によによ



・・・・



「まて、いくらデートだからって全部俺に金払えと?」

「さくらんぼの恨みだもーん」

「食い物の恨みは恐ろしいな・・」



82 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/26 00:35:36.42 GlfU/cZz0 37/56

電車内



「変わってるかな?」

「どうだろうな・・」

「なんかあの辺りなら変わってない気もするん」

「そうだな・・学校が潰れるくらいだし人もいないんだろうよ」

「うん・・」

「なんか寂しいよな、今まで全然思い出すこともなかったけど、いざ壊されるとなると」

「そうだね・・あの頃ってさ」

「んー?」

「同じ年の子もほとんどいなかったからずーっと二人で遊んでたよね」

「そうだなあ・・姉ちゃんに言われて無理やり木に登ってカブトムシ捕まえさせられたりしたな・・」

「あはは・・」



85 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/26 00:40:18.94 GlfU/cZz0 38/56

「でもお陰で高いところ怖いとか、そういうのないでしょ?」

「まあな・・」

「お姉ちゃんは弟のためを思って、高いところに慣れる訓練として言ってたん」

「絶対ウソだろ、それ」

「・・うん、えへへ」

「まあ別に良いんだけどさ。・・あのボロボロの借家も残ってたりしてな」

「えー?それはどうだろ・・さすがに壊れてるか改装してるんじゃないん?」

「んー・・壊れてるってのは有り得るだろうが、改装は無いんでないの?誰もすまないだろ・・」

「それもそうだねー・・」 ふぁさっ

「・・髪くすぐったいからもたれ掛かってくるなよ」

「えー・・良いじゃん、デートだもん、デート」

「デートなら何しても良いってわけじゃないだろ・・」

「電車の中暑いし疲れたん・・」

「あー・・まあこの時期って暖房付けてあると暑いよな・・」

「そうそう、だから着くまでこうしてるんー・・」

「・・くっ付いてても暑くないか?」





86 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/26 00:44:14.08 GlfU/cZz0 39/56

「それは良いんだもん・・」

「なんじゃそら」

「弟の体って冷たくない?」

「俺はゾンビか何かか?」

「いや、そこまでは冷たくないんだけど、時々ひんやりしてる、手とか」

「うーん・・自分じゃ分からんからなんとも言えんち」

「でもこうしてるの好きー」

「俺は肩が疲れるし、くすぐったいし嫌いだ」

「あのねー」

「んー?」

「そんなこと言っても無理やりどけないからね、こうしてるの好きなん」

「・・そんな恥ずかしいこと言うなよ」

「えへへ、デートだから良んだもーん」







87 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/26 00:46:54.00 GlfU/cZz0 40/56

(こくり・・こくり・・)

「おいおい、寝るなよ・・姉ちゃん寝起き悪いんだから」

「うーん・・だいじょうぶだよおー・・」

「全然大丈夫じゃないだろ・・」

「着いたら起こして・・ちょうだい・・」

「・・一回寝たら全然起きないだろ、姉ちゃん」

「そんなこと・・ないん・・」

「・・なら良いけど」

「うーん・・むにゃむにゃ・・」



90 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/26 00:53:53.05 GlfU/cZz0 41/56

「おーい・・起きろ」

「・・・・」

「やっぱり起きないか・・はあ・・」

「・・・・」

(普通に俺が努力して起こすのも癪だな・・)

(なにかちょっとイタズラして起こしてやるか・・)

「・・・・」

(・・んー。電車内だからあんまり派手なことも出来ん・・)

(・・んむ。耳に思いっきり息でも吹きこんでやるか)

「・・・・」

「・・すぅ」

「・・・・」 ぱっ

「ふ、ほぉ・・!」

「んー・・?」

「お、お、起きてるなら早く言えよ!!」

「・・まだねむいよぉ・・あと5分したらおこ・・して・・」

「ちょ、寝るな!!」

「うー・・ねむいんっ」 むぎゅ

「ちょ、ちょっと姉ちゃん!!抱きつくな!!」 



91 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/26 00:58:51.45 GlfU/cZz0 42/56



「んー・・まさか人一倍周りの目を気にする弟がお姉ちゃんのために体を張ってくれるなんてねー」

「・・ちくしょぉ・・っていうか抱きついてくる姉ちゃんが悪いに決まってるだろ!!」

「本当に抱きついたりしてたあ?弟の願望なんじゃないん?」

「アホか・・まったくあんな恥ずかしい思いするなんて・・人がまばらだったのが唯一の救いだ・・」

「弟が大声出してくれたからお姉ちゃんも目が覚めたし良いでしょ」

「くそ・・」

「あはは、まだ顔赤いん、そんなに恥ずかしかったん?」

「うるせー」

「ふふっ」 にぎっ

「・・・・」

「デート楽しいねっ」 によによ

「・・そんな顔されたら怒る気も失せるわ」

「ふふふ、ほら、もうちょっとで着くんだからしゃきしゃき歩こーっ!」



92 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/26 01:02:34.46 GlfU/cZz0 43/56

「うおぉ・・駅から町までの坂ってこんなに急だったか?」

「なんか・・ずいぶん急に感じるよね、はあ・・」

「ああ・・多分俺たちの体力が落ちたんだろうなあ・・ああー、足いてぇ・・」

「そだねぇ・・運動することなんて無かったもんね・・」

「明日から運動するようにしようぜ・・」

「そだねー・・バドミントンでもする?」

「なんでもいいけど、さっ・・はあ・・」

「・・はあ・・やっと登りきった・・」

「ああ・・って・・すげえ・・」

「・・そのまんまだね・・」

「なんにも変わってないんでない?」

「かもねえ・・」



93 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/26 01:06:10.68 GlfU/cZz0 44/56

「・・取りあえず学校の方行こうか」

「ああ、こっから向かえば途中で家の方も見ていけるからな」

「まだ残ってるかなあ」

「それはどうだろうな・・」

「ん、まあ良いや、行ってみよー、おー!」 ぶんぶん

「はしゃぐなって・・一人なら良いけど俺の手まで振り回すなよ」

「えへへ、なんか楽しくなってきちゃった」

「気持ちは分からんでもないけどさ・・」

「ん、じゃあさっ」

「うん?」

「あっちの電柱まで競争しない?」





94 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/26 01:09:19.57 GlfU/cZz0 45/56

「ぐえ・・まさか走るのか?」

「違う違う、走ったりして汗かいたりしたらせっかくのメイク落ちちゃうもん」

「ああ、妖怪化粧崩れババアになるのか・・」

「む。お化粧崩れてもババアじゃないもんっ!!」

「ははっ、どうだか」

「今だって薄くしかしてないもん・・」

「そうなん?」

「そうなん!」

「それは良いけど。じゃあ競争ってなにするんだよ」

「んー、ほら、あれ、じゃんけんして勝ったら何歩進むってやつ」

「グリコ、とか・・ち、よ、こ、れ、え、と、とか言うやつか?」

「そうそう」



97 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/26 01:14:58.01 GlfU/cZz0 46/56

・・・・



「ぐーりーこ・・どうよ、俺の足の長さ」

「お姉ちゃんの方が長いもん」

「じゃあ次で抜かしてみろよ」

「いいよっ、じゃーんけんぽんっ」

「・・ぐーで姉ちゃんが勝ったからぐりこで三歩だな、抜かせるか?」

「ぐー・・」

「・・・・」

「りー・・」

「・・・・」

「こー・・」

「ははは、ほら見ろ、姉ちゃんの足はみじか・・」

「おー・・」

「は?」

「げー・・」

「・・・・」

「んー・・ほら、お姉ちゃんの勝ちぃ」

「グリコーゲンってなんだよ・・」

「たった今ルール変更されたん」

「・・今思い出したけど昔っから姉ちゃんのそういうズルで俺負けてたよな」

「えへへ、いつまでたっても弟はお姉ちゃんには敵わないのさっ」



99 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/26 01:18:57.88 GlfU/cZz0 47/56

「はあー・・まったくそのとおりかもなあ・・」

「でしょー?」

「その代わり姉ちゃんは何時までたってもガキんちょみたいだけどな」

「若いって言うん、若いって」

「若いとガキはまた違うと思うけどな・・」

「お姉ちゃんはガキじゃなくて若いってことでおっけーなん」

「好きにしろよ・・」

「ってことでお姉ちゃん永遠の16歳なん」

「年取らないっていうのはさ」

「ん?」

「成長しないんだろ?・・じゃあ胸もそのままだけど・・」

「・・胸は成長するし年取るん」

「んな都合の良い話があるか」 ぺち

「ぶー・・」



101 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/26 01:21:50.29 GlfU/cZz0 48/56

「・・あー・・家は無いか」

「空き地、だねえ・・」

「ボロッボロだったからなあ・・取り壊されたんだな」

「そだねえ・・」

「ま、仕方ないな」

「ん・・ちょっと寂しいけどね」

「ああ・・」

「でも学校は壊されちゃう前にこれてよかったねえ」

「そうだな。・・姉ちゃんのそういうポジティブな所は見習わないとな」

「そうそう」

「よーし、じゃあ学校まで行くかー・・」

「うんっ」



105 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/26 01:37:57.33 GlfU/cZz0 49/56

「・・うわ」

「ボロ・・ボロだな・・」

「こんなにボロボロだった?」

「さあ・・卒業してから時間も経ってるしなあ・・」

「でもそんな10年も経ってないのにこんなになるん?」

「うーん・・久しぶりに見るからってのもあるんじゃないか?」

「そうかもね・・」

「通ってる時は見慣れてたからなんとも思わなかったんだろ」

「・・ね、もっと近くまで行って見ようよ」

「ああ、せっかく来たんだからな」

「校門よりも大きくなったんだね・・」

「そうだなあ・・ここにも俺姉ちゃんに言われて登ったよな」

「あはは、そうだね」

「・・懐かしいな」



106 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/26 01:43:11.78 GlfU/cZz0 50/56

「・・花壇もそのまんまだね」

「ああ・・昔は花とかいっぱい咲いてたんだけどなあ・・」

「そうそう、校長先生が花壇いじるの好きだったんだよね」

「あの爺さん一日中ここで土いじりしてたよな」

「ねー、まだ元気にしてるかな・・」

「してんじゃないのか?」

「ん。どっかでまたお花育てたりしてるよね・・」

「ああ・・」



「・・校舎の中にはやっぱり入れないん?」

「まあ当然だな、鍵閉まってるよ」

「そっかー・・入れたらよかったのにね・・」

「そうは言っても仕方ないだろ・・窓割って入る訳にもいかんだろ」

「それはそうだけどさー・・」

「あきらめてもうちょっと学校の周り歩いて見ようぜ」



107 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/26 01:46:47.38 GlfU/cZz0 51/56

「・・・・」

「だいぶ日がかげってきたな」

「そだね・・夜までには帰ろう?」

「そのつもりだ、夜になったら林とかから虫とか出てきそうだしな・・」

「捕まえたら良いんじゃない?」

「やめてくれよ・・捕まえて姉ちゃん飼うのか?」

「さすがに飼うのはね・・。昔はなんであんなに虫触ったりするの平気だったんだろ」

「今じゃ蜘蛛が出たくらいで悲鳴あげるのにな」

「ねー・・」

「・・・・」

「あ、そうだ!!」

「ん?」

「こっちこっち!!」 たったったっ

「お、おい、どうしたんだよ!」





109 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/26 01:51:52.14 GlfU/cZz0 52/56

「はあ・・はあ・・」

「はあ・・はあ・・いったいなんだよ・・」

「えへへー・・あった・・」

「・・?」

「なぜか二階の図書室に繋がってる螺旋階段!!」

「・・?いや、ここから上がって行っても中には入れないんじゃ・・」

「ちがうちがう、良いから登るよっ」

「あ、ああ・・」



かん、かん、かん・・



「く、崩れたりしないか・・?」

「お姉ちゃん痩せてるから大丈夫なん」

「・・・・」

「なんなんその顔」

「いや、ははは・・」

「・・まあ良いや。ほら」

「おっ」

「・・こっから見ると夕日綺麗でしょ?」

「あ、ああ・・」



110 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/26 01:57:34.21 GlfU/cZz0 53/56

「・・・・」

「・・・・」

「・・結局、完全に太陽沈んじゃったね」

「ああ・・座り込んでぼーっと夕日眺めていたらいつの間にか沈んじゃったな」

「・・うん」

「寒くないか?」

「大丈夫だよっ、やっぱりちょっと温かい格好してきた正解だったん」

「そうだな・・俺もコートでも着てくればよかったわ・・」

「お姉ちゃんの貸してあげようか?」

「んなことしたら姉ちゃんが寒いだろうに」

「まあね・・」

「ふー・・」

「ふー・・」 ぽてっ

「ここでもたれかかってくるのか」

「・・デートっぽいでしょ?」

「まあ、な・・」

「・・・・」





111 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/26 02:00:28.73 GlfU/cZz0 54/56

「・・・・」

「ね」

「んー?」

「今日楽しかった?」

「まあな・・どちらかと言えば楽しかった」

「学校にこれたから?」

「んー・・二人で飯食ってるのも悪くなかった」

「あはは・・それだったら素直にお姉ちゃんとデート出来て楽しかったって言いなよ」

「・・んな恥ずかしいこと言えるかよ」

「ふふ、恥ずかしがり屋さんなん?」

「ああ、恥ずかしがり屋さんだ、一個200円から販売中だ」

「・・ねえ?」

「んー・・?」

「お姉ちゃんはさ。恥ずかしがり屋さんではないけど」

「・・・・」

「怖がり屋さんかなぁ・・」

「うん?」



112 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/26 02:06:14.73 GlfU/cZz0 55/56

「・・何も変わらなければ良いのにね・・・・」

「・・・・」

「・・・・」 ぎゅう

「手を繋ぐのもすっかり慣れたな」

「そだね・・」

「・・デートしちゃったりしてカップルみたいだな」

「そだね・・」

「・・・・」

「・・楽しかったね、今日」

「ああ・・」

「・・・・」

「・・・・」

「・・・・」



「なあ?」

「ん?」

「どうせだし、このままお月見もして帰ろうぜ」

「・・うん」



「ねえ?」

「んー?」

「それまでずーっと肩にもたれかかって手繋いでて良い?」

「くすぐったいから嫌なんけど・・デートだからな、特別に許可する」

「えへへ・・ありがとっ」



115 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/03/26 02:08:35.21 GlfU/cZz0 56/56

こんな感じで終わりでよろしいでしよおかあああぁあ・・。

記事をツイートする 記事をはてブする