1 : ◆zEKaa6cD2E[sag... - 2013/04/09 00:45:54.91 OxAeelyVo 1/261

「やあ、みなさん。クソゲー研究室へようこそ。室長の男です。そして、こちらは助手の友」

「……ちょっと待て」

「何か?」

「いや、何か? じゃなくて……。何これ? 何が始まったんだ?」

「聞いてなかったのか? クソゲー研究室だよ」

「だからクソゲー研究室って何だって聞いてるんだよ!」

「クソゲーを研究するための集まりだ。……というのは表向きで、ゲームの話をする友達すらいない
  ボッチの>>1が、思ひでのゲームを好き勝手に語る場所だ」

「何だそりゃ!? 明らかなチラ裏じゃねーか。ブログでやれよ」

「それでは早速、始めます」

「聞けよ!」





元スレ
クソゲーアカシックレコード
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1365435954/

2 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/09 00:50:59.63 OxAeelyVo 2/261

「さて、今回は記念すべき第一回目なわけですが……」

「始まったばかりのとこで悪いが、二回目があるのか?」

「ちょっと困ったことになった」

「だから人の聞けっての! ……困ったことって?」

「甚だお約束だが、ネタがない」

「ネタがないのに、何故スレを立てた!?」

「クソゲー研究室だから、取り敢えずは何かクソゲーをネタにしようと思うのだが……」

「本当に誰に需要があるのか分からんスレだな」

「このクソゲーというのが、中々厄介でな。定義が曖昧というか……そもそもクソゲーって何だ?」

「そこからかよ……。クソみたいな、つまんねーゲームのことだろ?」

「それが曖昧なんだよ。人によって評価が別れるものだろ?」

「まぁ、それはそうだけど……」

「そうだな……例えばスペランカー。あれの主人公は膝の高さから落ちても死んでしまう、虚弱体質で
  そのあまりの貧弱さにブチ切れるプレイヤーが続出して、クソゲーの烙印を押されたわけだが……」

「事実、クソゲーだろ」

「一方、それをゲーム性と捉えて楽しむ人もいる。彼らに言わせれば、スペランカーは神ゲーなんだそうだ」

「いやいやいや、結果的に高難度になっちゃっただけだろ。魔界村の難しさとは、まるで意味が違うぞ!?」

「つまり、人によってクソゲーの基準が違うんだよ」

「そりゃ、好みの問題もあるし、当然っちゃあ、当然だわな」

「それに単に自分が気に入らないというだけの理由で、クソゲーだと言い出す人もいるしな。酷いのだと
  ソニーハード以外で出たゲームは全部クソゲーという人まで……」

「その話題は危険だから触れるな」




3 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/09 00:55:39.01 OxAeelyVo 3/261

「まぁ、ここでは>>1の基準で進めていくわけだが」

「しゃあ、今のやり取りは何だったんだよ?」

「で、問題はどのゲームにするかだが……あまり有名すぎるのは、今更感があって、ちょっとな」

「……と、いうと?」

「デスクリムゾンとか、FISTとか……最近のだと大奥とか、MAJORwiiとか、あとは……プロゴルファー猿とか
  何かその辺りの」

「ああ、ネットで散々バカにされてた系のクソゲーな」

「うむ、メーカー側の手抜きが前面に押し出された、誰もが認めるクソゲーたちだ」

「タイトルで検索すればいっぱい出てくるし、確かに今更、語ることは何もないな」

「メジャーすぎずマイナーすぎない、なおかつ>>1が実際にプレイしたことがあるゲームが、望ましいな」

「simpleシリーズは? あそこはクソゲーの宝庫だろ」

「それは低価格故に『内容はアレ』というのを納得した上で買うものだから……。中でも特に酷いってのもあるけど」




4 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/09 01:00:30.84 OxAeelyVo 4/261

「最初は美少女ゲーム辺りが無難かと思うのだが」

「つまりギャルゲー? 無難……かなぁ…?」

「単にゲームを語るなら、いきなりギャルゲーってどうなの? という感じだが、ここはクソゲー研究室だからな」

「ああ……ギャルゲーはキャラゲーの次ぐらいにクソゲーの温床になってるもんな」

「まずは美少女ゲームについて、簡単に考察してみようか。元々美少女ゲームというのはPCゲーム……
  MS-DOS時代のアダルトゲームのイメージが強く、一般的な存在ではなかった」

「Windowsの登場以前だから、PC98が全盛期だった頃の話だな」

「当時は任天堂の『スーパーファミコン』が、家庭用ゲーム機として最も一般的で、NECの『PCエンジン』そして
  セガの『メガドライブ』が、その後を追っている形だった」

「この三つの中では、PCエンジンが美少女ゲームに力を入れていた……といっても、オリジナルは不人気で
  PCゲーの移植版が主だったがな」

「いわゆる『エロゲ』だろ? コンシューマ機でよく発売できたな」

「実際に18禁のゲームはセガサターンで発売されたのが最初だけどな。PCエンジンのは、全年齢向けにアレンジ……
  まぁ、ぶっちゃけ髪の毛で乳首を隠しただけ、ってのが売られていたわけだ」

「ユルイ時代だったんだな……」

「スーファミが一般向け、メガドラがゲーマー向け、PCエンジンはオタ向けというのが、当時の認識だったからな。
  美少女ゲームが多かったのも当然といえるだろうが、さっきも言ったとおり、オリジナル作品は不作だった」

「オリジナルとしては『みつばち学園』や『中山美穂のどきどきハイスクール』『メタルエンジェル』『女神天国』など
  移植版としては『ドラゴンナイトⅡ』『夢幻戦士ヴァリス』『あすか120%』『ヴァリアブルジオ』『プリンセスミネルバ』それと……」

「いや、もういい。もうお腹いっぱい」




5 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/09 01:04:18.11 OxAeelyVo 5/261

「まぁとにかく、色々と発売されてたのだが、オリジナル版はどれもパッとしない出来だった。現在の美少女ゲームと違い
  恋愛要素がない物が多いのも特徴だな」

「ギャルゲー=恋愛ゲーというのが、主流ではなかったわけか」

「そんなPCエンジンで、美少女ゲームを一気にメジャージャンルに押し上げた、化け物のようなゲームが発売される」

「ほう」

「それが1994年、5月にコナミ、現在のコナミデジタルエンタテイメントから発売された『ときめきメモリアル』だ」

「ときメモね、PS版が初出だと思ってる人が多いけど、実はPCエンジンからの移植だったんだよな」

「口コミで広がった、専門誌のごり押し大プッシュで話題になった、などと、スマッシュヒットの要因については様々な説があるが
  当時のコナミは硬派なイメージが強く、ギャルゲーを制作しているというだけでも、充分すぎるほどの話題性があったといえる」

「STGのコナミと言われていた時代だしな」




6 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/09 01:09:14.86 OxAeelyVo 6/261

「この頃から『恋愛シミュレーション』と呼ばれるゲームが数多く発売されるわけだが……そのまえにもう一つ
  ときメモ制作にあたり、コナミが参考にしたゲームを紹介しておこう」

「同級生か?」

「その通り。1992年にPCゲームとしてエルフから発売されたゲームで
  ときメモ発売から、約1年半後にPCエンジンに移植されたアダルトゲームだ」

「アダルトと言っても、前出の通り乳首を髪の毛、手、下着などで隠すことで、ギリギリ一般作として発売されたのだが
  当然、セクロスシーンはバッサリカットされていて、キングクリムゾン発動→『やった』という結果だけが残るという手法だった」

「いや、分かりづらいよ」
 
「内容としては、学園一の問題児と呼ばれている主人公の卓郎を操作して、街を歩き回り、高校生活最後の夏休みを
  女の子との思いで一色にしようという、ナンパゲームだ」

「ハッチャケた内容だなオイ……」

「当初の予定では、期間は40日、攻略対象キャラは50人以上で、本当にナンパゲーの予定だったが
  当時のエルフ代表取締役だった、ひるたまさと氏が、作画家の竹井正樹氏の原画を見て、ただナンパしてHするだけの
  ゲームにはしたくない、もっとユーザーをやきもきさせるような、コテコテの恋愛にしようと思い、ストーリー性を重視した
  ゲームになったというエピソードは、有名な話だ」

「いや、俺、初めて聞いたけど、そんな話」




7 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/09 01:15:55.29 OxAeelyVo 7/261

「さて、美少女ゲームが本格的に制作されるようになったのはソニーの『プレイステーション』セガの『セガサターン』などの
  いわゆる、第一次・次世代機が発売されてからなのだが、当時の美少女ゲームは『劣化版ときメモ』としか言いようのない
  ときメモのシステムを真似た粗悪コピー商品が多かった」

「RPGが流行ったときに、劣化ドラクエみたいなゲームが量産されたのと同じだな」

「ここで具体的な名前は挙げないが、ココナッツジャパンのエンジェルグラフィティなどが代表的な……」

「いや、名前挙げてるじゃん!?」

「とにかく『流行ってるから、取り敢えず便乗しとけ』みたいなゲームが多かったわけだ」

「仕方ないことだと思うけどな、俺は」

「丁寧に作られてる美少女ゲームもあるにはあった。トゥルーラブストーリーなんかが、それだな」

「続編も3まで作られてたな」

「Summer Days, and yet...を入れれば、4作品だな、流れを汲んだ『キミキス』『アマガミ』なども発売されたし
  事実上、現在も続いているシリーズだ」

「ちゃんと作られてるやつは、人気もあるってことね」

「ときメモの粗悪コピーは例を挙げればキリがないし、ここは、もうちょっとマシな感じのゲームにしたいところだが……」

「別ジャンルのゲームに取って付けたような恋愛要素を入れたゲームはどうだ? 湾岸トライアルラブとか」

「それこそ収集つかなくなりそうだな……」

「じゃあ、SM調教師瞳……」

「紹介できるかそんなアングラゲー!」




8 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/09 01:25:52.98 OxAeelyVo 8/261

「さっき『18禁ゲームはセガサターンが最初』と言ったが、実際にはそれ以前から、正規ソフトではないエロゲが
  数多く発売されていた。SM調教師シリーズもその一つだ」

「結局、紹介するのな」

「中古のROMにデータを上書きして、上からシールを貼るという、かなりの荒技だが、秋葉原を中心に
  同人ゲー扱いで販売されていて、一部の個人経営店にも置かれていたなど、アンダーグラウンドではあるが
  それなりに人気があったゲームでな……」

「本当にユルイ時代だったんだな……」

「有名どころではPCエンジンの『しあわせうさぎ』シリーズや、ハッカーというメーカー(?)がドラクエやストリートファイターの
  エロパロゲームを販売していたな」

「パソコンが何十万もした時代だしな、家庭用ゲーム機でエロゲが出来るってのは、魅力的な話だったんだろうな……」

「どれもアングラだし、出来が良いとは言い難かったが、制作者の情熱は感じられたよ
  ……噂では、ファミコンのディスクシステムにも非正規エロゲが存在していたらしい」

「ファミコンのグラフィックでエロとか、誰が喜ぶんだよ……」




9 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/09 01:31:09.75 OxAeelyVo 9/261

「さて、そろそろ今回扱うゲームを決めようか」

「話が脱線しまくったな」

「何度も言うが、ここはクソゲー研究室だから、当然クソゲーを扱うことになる」

「ああ」

「しかし、死臭の漂うような、あからさまなクソゲーは避けたい……
  そこでだ、今回は『もうちょっと頑張れば名作になれたのに』という残念なゲームにしようと思う」

「残念ゲーね……今回は美少女ゲームから選ぶのか?」

「まぁ、そうなるな」

「ん~……パッと思い浮かぶのは『センチメンタル・グラフティ』か『お嬢様特急』かなぁ……」

「ちょっと有名すぎるかな……? お嬢様特急はシステム面の不備でクソゲーになっちゃった不遇ゲームだな。
  具体的には『時間を一気に進める』コマンドがないため、ダブルブッキングを避けるために自室で過ごすという選択肢を
  何度も選ばなければならないという、ストレスの溜まる作業が原因だ」

「セングラは……まぁ、何もかもが、ダメダメだったな」

「前評判が良かっただけに、いざ発売されてみたらガッカリってパターンだな。遠距離恋愛がテーマなのに
  頻繁に会いに行かなければならない仕様で、それは違うだろうという……」

「しかも、各地に12人のヒロインが散らばっていて、休日が来る度に日本全国を移動して……『水曜どうでしょう』かよ」

「『イカす旅ゲー』として、本筋とは関係のない部分で高評価されてるけどな」




10 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/09 01:36:22.10 OxAeelyVo 10/261

「ところで友、さっき良いことを言っていたな?」

「え? 何のこと?」

「ギャルゲーはキャラゲーの次ぐらいにクソゲーの温床……そう言ってたろ?」

「はぁ……確かにそんなようなこと言ったけど」

「よし、『ギャルゲーであり、キャラゲーでもあるゲーム』にしよう」

「……あるのかそんなの?」

「探せば結構あるもんだ。ハーレム物の漫画やラノベが原作のゲームなんて、殆どそれだぜ?」

「ああ、なるほど……そういうやつね」

「それでだ、今回はDAIKIのセガサターン用ソフト『ファインドラブ2』にしようと思う」

「聞いたことないタイトルだな……でも、2ってことはそこそこ人気作なんじゃないのか?」

「1はパズルゲーだったけどな」

「なにそれ!? どういうこと?」

「これは『全国制服美少女グランプリ』という、ヘアヌードCG集が原作になってるんだよ」

「ヘアヌードCG集?」

「アニメ調で描かれた女子高生のヘアヌードイラストが収録されている、Win・Mac両対応のハイブリッドCDーROM
  それと、懐かしのファトCDで発売されたCG集だ」

「いや、女子高生て……何度も言うが、ユルイ時代だったんだな」

「販売元はリアセンという、既に倒産した会社だが、今でも根強いファンがいる作品でな、ファインドラブは
  その制グラファン向けに制作された作品だ」

「なるほど、キャラゲーであり、ギャルゲーでもあるわけか」




11 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/09 01:41:01.96 OxAeelyVo 11/261

「やっと本題にたどり着いたな」

「長い前フリだったな……」

「さて、まずは概要を説明しておこうか、このファインドラブ2だが、前出のとおり全国制服美少女グランプリ……
  通称・制グラのファン向けに制作されたゲームだ」

「それより1がパズルゲーだったってのが、すげー気になるんだけど……」

「アレはマジもんのクソゲーだから、触れてやるな」

「それで……そうだな、次はストーリーを説明しようか、主人公は手広く事業をやっている、いわゆる『地元の名士』の
  息子で、ちょっとした御曹司の少年だ」

「ほう、金持ち設定とは珍しいな」

「しかし、主人公はアマチュアバンドのヴォーカルで、跡を継がせたい父親に反して、メジャーデビューを目指している」

「馬鹿息子かよ」

「バンド仲間と話し合った結果、まずは地元ライブハウスのオーディションに合格して、専属契約を結び
  単独ライブをやるのが、当面の目標になった」

「よく分からんけど、バンドってそういうものなの?」

「そんなある日……突然、父親から『女子寮の管理人になれ』と言われる」

「何その超展開!?」

「というのも、父親が理事長を務める私立高校……主人公もここに在籍しているのだが、その女子寮の管理人が
  不祥事を起こしたため、クビにしたから、次の管理人が決まるまで、お前が代理になれ……という内容だった」

「何かもう、設定が無理矢理すぎるだろ……」

「ちなみに女子寮は、主人公の自宅の隣にある」

「いや、もう訳わかんねーよ」




12 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/09 01:47:03.82 OxAeelyVo 12/261

「『理事長の馬鹿息子が、いきなり管理人なんて……』と文句を言いつつ、女子寮へ向かう主人公。
  そして寮の入居者のいずれも魅力的な美少女たちと出会い、心引かれていき……というのが冒頭のストーリーだ」

「別にバンド設定いらなかったんじゃないのか?」

「いや、どっちかというと、バンドがこのゲームのメインの部分だ」

「何で!? これ恋シミュなんだよね!?」

「これについては後で話す。次はシステム面の話をしよう。さっき『同級生』というゲームの話をしたよな?」

「さわり程度にな」

「同級生もシリーズ化されていて、『同級生2』そして、流れを汲む『下級生』『下級生2』が発売されているのだが……
  ファインドラブ2のゲームシステムは、その下級生の劣化コピーだ」

「ブッチャケすぎだろ、その時点でクソゲー確定じゃねーか」

「ここからは下級生と比較しながら話していこう、このゲームはミニキャラを操作してクォータービューで描かれた
  マップの中を移動して、女の子たちに会いに行き、好感度を上げていくのだが、このマップが、下級生と比べて
  極端に狭い。さらに行ける場所も少なくて、あちこち探し回る楽しみがない」

「見事な劣化っぷりだな……」

「下級生の場合はどこかに入る度に、10分、ないし15分が経過するというシステムだが、ファインドラブ2は
  一歩毎に1分経過するというシステムだ。これによって、常に時間経過を気にしなければならなくなり
  自由に歩き回ることが出来ず、時間調整も面倒になっている」

「差別化を計ったんだろうけど、不便にしてどうするんだよ……」

「女の子を自由にデートに誘えるのは一緒だが、下級生と違い夏休み設定なので、日曜日のみではなく
  好きな日に誘えるのが特徴だ」

「ああ、夏休み中の話なのか」

「実際には7月~8月までがゲーム中の期間だ」




13 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/09 01:50:39.35 OxAeelyVo 13/261

「女の子たちに、どんな態度接するか、選べるシステムもあるのだが……」

「何それ?」

「普通に素のままで、気障な感じに、ワイルドさをアピールして……といった具合だ。ヒロインごとに好きな性格の
  タイプがあって、好みに応じた態度を選ぶと、好感度が上がりやすいというものだが……実はこれ、あまり意味がないシステムでな
  ずっとノーマルのままでも充分、攻略に必要な好感度が貯まるようになっているんだよ」

「クソゲーにありがちな『複雑化したくせに、殆どが意味のない・いらないシステム』というアレか……」

「デートの時も『奢る』『ワリカン』『奢ってもらう』という選択肢があるのだが、これも実質、奢る一択だ。
  無意味な複雑化という、クソゲーのお約束を外さないのは、流石としか言いようがないな」

「流石ってお前……メーカー側だって、別にクソゲーを作りたかった訳じゃないだろ……」

ll


14 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/09 01:58:03.94 OxAeelyVo 14/261

「さっき話した『バンドがこのゲームのメイン』という部分についてだが……」

「うん、それって、どういう意味なわけ?」

「主人公がメジャーデビューを目指しているってのは、話したよな? ゲーム中でもオーディションに向けて
  ギターの練習をするのだが……これがなんと音ゲーになってるんだよ」

「はぁ!?」

「自室……寮の管理人室だが、ここではギターの練習をするというコマンドが用意されてて、リードギターかサイドギターかを選ぶと
  ミニゲームがプレイできるわけだ。その結果によって経験値が貯まり、ギターのレベルが上がっていく」

「何がやりたいんだよ、このゲームは……」

「リード・サイドの合計値が主人公のギターレベルになり、一定のレベルに達すると、オーディションに合格できる」

「まさか、このミニゲームって、絶対にプレイしないと駄目な仕様なのか? 繰り返し遊ぶのが前提のゲームなのに?」

「ミニゲームをプレイしないと、父親の跡を継ぐエンドにしか行けなくなるから、必須条件だな
  ハッキリ言って、面倒なだけの仕様だ」

「この不親切さが、クソゲーたる所以か……」




15 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/09 02:02:40.87 OxAeelyVo 15/261

「ギターレベルの他にも、バンドレベルというのがあってな。これは『何回ライブをやったか』で変わるもので
  一回ライブをやると、バンドレベルも一つ上がる仕様だ。ちなみに、最大で四回ライブが出来る、つまりレベル4まで上げれるわけだ」

「0~4の五段階か」

「これがファインドラブ2がクソゲーである最大の要因だが……このバンドレベルは、エンディング判定そのものなんだよ」

「…………え?」

「通常、恋愛ゲームにおいては、攻略対象のヒロインごとにエンディングが用意されている
  しかし、このファインドラブ2は『バンドレベルに応じてエンディングが変化する仕様』なんだ」

「え? え? え? ゴメン、ちょっと何言ってるのか分かんない、マジで分かんない」

「つまり、どのヒロインを落としても、『エンディングはすべて共通』ということだ」

「はぁぁぁ!?」

「前出のときめきメモリアルも『告白しに来るヒロインが違うだけ』と揶揄されているが、それともまた違い
  言い回しが違うだけで『ヒロインの台詞もすべて共通』という手抜きっぷりだ」

「やっちまったなDAIKIぇ……」




16 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/09 02:06:20.88 OxAeelyVo 16/261

「このゲームを、今からやろうという人はいないだろうか、念のために、以下ネタバレを含みますと言っておく」

「それ以前に、こんなスレを見てくれている人が、いるのかも怪しいがな」

「エンディングについて、もう少し詳しく話すが、エンドパターンは全部で6種類
  どのエンドになるかはバンドレベルで決まる仕様だ」

「バンドがメインの部分って、まさかこんな意味だとは思わなかったよ」

「まず最初はバッドエンドパターン。これはヒロインを攻略しなかった場合のエンドだ」

「これは、どの恋愛ゲーにもあるな」

「>>1は試してないから、どんな内容なのかは不明だ。ついでに言えば、存在しているかどうかも分からない」

「そこは試しとけよ……」

「次にヒロイン攻略済みの場合だが……何度も言っているとおり、バンドレベルで内容が変わる。
  まずレベル0、これは最後までオーディションを受けず、一度もライブをやらないと、発生するエンドだ」

「途中、別のバンドが薬関係でタイーホされてしまい、代理で演奏する強制イベントが発生するが
  これはバンドレベルに影響しないので、ノーカウントだ」

「例の音ゲーを、全くやらなければいいわけだな」

「このエンドでは、バンドは解散してしまい、主人公は父親の跡を継ぐ展開になる」

「馬鹿息子がバンド辞めて真面目に働くのか……ある意味、現実的な終わり方だな……」





17 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/09 02:10:18.80 OxAeelyVo 17/261

「そして、バンドレベルを上げた場合だが……実はこれ、レベル3がベストエンドで、4まで上げてしまうと
  バッドエンドになってしまう」

「何だそりゃ? 普通レベルが高いほうが良いと思うだろ」

「レベル4の場合、楽屋に音楽プロデューサーが訪ねてきて、主人公をスカウトするのだが、スカウトされるのは主人公だけで
  他のメンバーは対象外なんだ」

「ああ、良くあるらしいな、そういうこと……CHAGE&ASKAもそうだったらしいし」

「ここで誘いに応じると、今のバンドを脱退して、新しいメンバーとメジャーデビューする展開になる」

「まぁ、仲間が可哀想だけど、折角のチャンスだしな……」

「ただし、ミュージシャンとして、忙しい日々を過ごすうちに、恋人とすれ違うようになり
  やがて、ヒロインは自分の元を去ってしまう」

「ガチでバッドエンドじゃねーか」

「逆に誘いを断ると、高校卒業後も今の仲間たちと、インディーズバンドとして活動を続け、父親を納得させるくらいには
  そこそこ稼いでいる、知る人ぞ知る的なバンドになる展開だ」

「この場合、最後にヒロインに『いつか夢が叶う日がくるよ』と、慰められて終わりだ」

「これもハッピーエンドとは言い難いな……」

「次にレベル1と2の場合だが、>>1の記憶から欠落しているため、申し訳ないが、これも不明だ」

「死ぬ気で思い出せ馬鹿野郎」

「最後にレベル3、ベストエンディングパターンだが、現在のバンドメンバーと活動を続け、メジャーデビューを
  果たすまでが、描かれている」

「やっとハッピーエンド展開がでてきたな」

「このエンドの最後には、主人公とヒロインの結婚式の様子が描かれた、一枚絵が表示され
  主人公の『やがて俺たちは芸能界一のオシドリ夫婦と呼ばれるようになった』という台詞で締めくくられている」

「恋愛ゲーとしては、決して悪くない終わり方だと思うが、ヒロイン全員が、同じ終わり方ってのがな……」

「このエンディング判定は『クロスロードエンディングシステム』と名付けられていて、従来のマルチエンディングの発展型を目指したらしい。
  ヒロインの好感度やフラグ管理以外にも、主人公のパラメーターやゲーム中にとった行動などの、様々な要素を統合してエンディングが決まる……と、いったものだ」

「それって……」

「ああ……『新しい物に挑戦した結果、すべてが消化不良なのが出来ちゃった』という、クソゲーのお手本のような失敗をしたわけだ」

「何でこう、クソゲーのスタッフってのは、目新しいシステムを作ろうと思うのかね? そんなモンの開発に時間割くぐらいなら
  雑な仕事をやめて、じっくり丁寧な仕事をすることを、心掛ければいいのに」

「所詮、無名メーカーだからな……。いっそのこと下級生のスタッフに作ってもらえば良かったのに」

「言ってやるなよ、そういうことを……」




18 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/09 02:14:16.37 OxAeelyVo 18/261

「ざっとまとめると、こんな感じ」


・ヒット作の劣化コピー

・無意味な複雑化、差別化によるシステムの改悪

・面白くないミニゲームを毎回やらなければならない、面倒な作業を強要される

・誰も得しない新システムの導入(新システムといっても、どっかで見たことあるような……というやつ)

・エンディングが各ヒロインとも共通で、ワンパターン


「……まごうことなきクソゲーだな」

「強いて、このゲームの良い点を上げるとするなら、ED曲の『We Are Lovers』が、なかなかの名曲だったってことだな」

「だから本筋と関係ない部分を、評価するのは止めなさいっての」




19 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/09 02:18:34.05 OxAeelyVo 19/261

「さて、今回はDAIKIの『Find Love2』を紹介したわけだが……」

「何でいきなり英語表記に変えた?」

「総評としては、まぁ制グラファンなら、こんなのでも許せる範囲かなぁ……って感じだな」

「逆に言うと、予備知識なしでやったら、間違いなくブチ切れる出来だと?」

「そこまで酷い出来ではないけど、有象無象の劣悪美少女ゲーに埋もれて、記憶にも残らないだろうな」

「何かもう、どっちつかずで、クソゲーとしても中途半端なゲームだな……」

「せめてヒロインごとに、別々のエンディングが用意されていれば、違う評価も出来たんだが……。
  良くも悪くもキャラゲーはキャラゲーでしかないってことだな」

「メーカーにしてみりゃ、原作ファンが買うから、多少手抜きでも、そこそこの売り上げが期待できるコンテンツだしな」

「『売れさえすれば何でも良い』って制作側の思惑が、モロに伝わってくるのが、キャラゲーの一番悪いところだな
  シリーズ化されてる作品なら、ちゃんと丁寧に作られてるのもあるけど……」

「つーか、ファインドラブも、一応シリーズ化されてるんじゃなかったか? 今回、紹介したのは2なんだし」

「1はクソみてーな15面体パズルを、延々とやらされるだけのゲームだったけどな」

「スレの趣旨からいえば、そっちを紹介するべきだったんじゃ……」




20 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/09 02:22:48.60 OxAeelyVo 20/261

ttp://noujoumonogatari.sakura.ne.jp/ss.parts/findlove2.jpg

「最後にFind Love2のパッケージ写真の画像を見つけたので、URLを貼り付けてみました」

「何のためにだ!?」

「では、今回はここまで。またいつか、この研究室でお会いしましょう。さようなら」

「え!? 本当に二回目もやるつもりなのか?」





【Find Love2 ~Rhapsody~】 制作・販売:ダイキ 機種:セガサターン 発売日:1998年11月26日

1365435954-020

26 : ◆zEKaa6cD2E[sag... - 2013/04/10 20:22:28.86 N3ODi7Ufo 21/261

「やあ、みなさん。クソゲー研究室へようこそ。クソゲーアカシックレコード、第二回目です」

「まさか本当に二回目があるとは……意外にも読んでくれてる人がいたな?」

「ありがたいことだな。誤字脱字が多くて読みづらいでしょうが、よろしければ、引き続きお付き合い下さい」

「さて、前回は出だしからグダグダやってしまったので、今回はあらかじめネタを決めてあります」

「普通、それが当たり前なんだけどな……」

「今回、取り扱うゲームは……こちら!」


【REVOLUTION X】


「……またもや聞いたことのないタイトルが、出てきやがった」

「えー……前回は美少女ゲームだったので、今度は違うジャンルにしてみました」

「一応聞くけど、どんなゲームなんだこれ?」

「ガン・シューティングだ。と言っても、FPSじゃなくてゲーセンとかにあるやつな」

「ガンシューね……タイム・クライシスとか、ハウス・オブ・ザ・デッドみたいなやつか」

(これなら、よほど酷くない限り、大丈夫そうだな。
  少なくとも、デスクリムゾン以下ってことはないだろう……)

「だが、ただのガンシューティングじゃないぞ? 主人公の武器は、ズバリ『音楽』だ!」

(あ、やっぱ駄目かも)

「と、いうわけでだ……。友、プレステを貸してくれ」

「はぁ!? 何でだよ!?」

「だって俺のPS2、売っちゃったし」

「PS3でやればいいだろ!」

「そんなモン、とっくに壊れたよ。初期型だぞ、俺のPS3」

「ソニー製品の初期ロットは地雷だろうが……何故買った?」





27 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/10 20:26:45.35 N3ODi7Ufo 22/261

「貸すのは良いけどよぉ……まだ生きてるかな俺のプレステ」ゴソゴソ

「死んでたら企画倒れだな」ニヤニヤ

「何で嬉しそうなんだよ……ほれ」つプレステ

「おお、これだこれだ……懐かしいなオイ」

「ちょっと待ってろ、今、ガンコンも探すから」

「ああ、それはいいよ」

「何で? ガンシューなんだろ?」

「だってこれ、ガンコンに対応してないし」

「はぁぁ!?」

「それどころか、セーブ機能もないから、メモリーカードにすら対応していないぞ」

「早くも絶望の気配が!?」




28 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/10 20:30:01.29 N3ODi7Ufo 23/261

「さて、早速、起動してみましたが……」

「おお……! ちゃんと動いてる」

「ディスクの読み込みも問題ないようだな」

「タイトル画面が出てきたな」

「スカした感じの外人たちが、横一列に並んでいます」

「スカした感じってお前……。ん? この外人さん、どっかで見たことあるような……?」

「とりあえず、ゲームスタートだ。今回は2playでやるぞ」

「え? 俺もやるの?」




29 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/10 20:32:41.53 N3ODi7Ufo 24/261

「さぁ敵が出てきたぞ、撃ちまくれ」ガガガガガガガガ…!

「え? 何これ? 普通にマシンガン乱射してるけど……」

「当たり前だろ? ガンシューなんだから」

「いや、だってお前、さっき『音楽が武器』とか言ってなかった?」

「ああ、やってみようか?」


シュピ! シュピ! シュピ!


「えええぇぇ!? CDがフリスビーみたいに飛んでいった!?」


グジャッ!!


「CDぶつけられた敵が粉砕された!? グロッ!」

「洋ゲーだからな。このくらいのグロさはデフォだろ」

「いやいやいやいや! 何これ!? 音楽が武器ってこういうこと!?」

「どういうのだと思ってたんだ?」

「もっとこう……『俺の歌を聞けぇぇぇ!』的なやつかと……」

「馬鹿野郎、銃撃戦の最中に歌う余裕がある訳ないだろ。ナメてんのか?」

「銃撃戦の最中にCDブン投げる奴に言われたくない!」

「お前、そうやって馬鹿にしてるけどな、これマシンガンより威力上なんだぞ?」

「いや、おかしいだろ! CD投げるより、威力低いマシンガンって何だよ!?」




30 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/10 20:37:06.83 N3ODi7Ufo 25/261

「敵を殲滅して先に進みます」

「全滅させたら移動するのは、他のガンシューと同じなんだな」

「さて、ここで建物の中に入るわけですが……この中では何と!」

「何と?」

「エアロスミスがライブをやっています」

「何でだよ!?」

「そして、エアロスミスが敵に拉致されます」

「だから何で!?」

「!? 思い出した! タイトル画面の外人たち、あれエアロスミスのメンバーだ!」

「今頃気づいたのか? デカい文字で『featuringAEROSMITH』って書いてあったろ」

「マジでか? 全然、気づかなかった……っていうか、何でエアロスミス!? 何してるのこの人たち!?」




31 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/10 20:41:35.75 N3ODi7Ufo 26/261

「敵を追って進んでいきます」

「エアロスミスが衝撃的すぎて、もう敵とかどうでも良くなった……」

「さて、この部屋の敵を殲滅すると、中央のスクリーンに映像が出ます」

「スティーブン・タイラーじゃねーか……」

「英語なので何言ってるのか分かりませんが
  『俺の車を使って、助けに来てくれ』的なことを言っていると思われます」

「何で日本語字幕が用意されてないんだよ……
  つーか、この映像いつ撮影したんだよ? さっき拉致られたばっかりだよな?」

「映像の最後に、スクリーンの中から車のキーが飛び出してきました」

「何でだよ!? 恐いよ!」




32 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/10 20:45:22.22 N3ODi7Ufo 27/261

「さあ、第2ステージはお待ちかねの『お楽しみヘリコプター』の時間だ」

「お楽しみヘリコプターって何だ!?」

「説明書に、そう書いてあった」

「え?」

「…………」ペラペラ……


【ヘリコプター・ジョイライド(お楽しみヘリコプター)】


「直訳すぎるだろ!! 何だお楽しみヘリコプターって!?」

「あ、やべ!」

「今度は何だ!?」

「CDなくなった」

「え? どうすんだよ?」

「しばらくはマシンガンで頑張るしかないな」

「つってもコレ、マシンガンじゃいくら撃っても、ダメージ与えれないぞ?」

「なーに、心配するな……ほれ、下から木箱が出てきただろ?」

「ん? ああ……」

「コレ撃ったら、CD回復するから」

「……制作側もCDがないと話にならないって、分かってるんだな」




33 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/10 20:50:26.27 N3ODi7Ufo 28/261

「……にしても、このヘリ硬すぎねーか?」

「またCDなくなったな……まぁ、木箱は無限に出てくるけど」

「コックピット破壊したのに、何で倒せないんだよ……?」

「ああ、コレ壊せるとこ全部壊さないと、倒せないから」

「何で!? 普通コックピット潰したら終わりだろ!」

「あのな……クソゲーに常識が通用すると思うのか?」

「……それもそうだな」




34 : ◆zEKaa6cD2E[sag... - 2013/04/10 20:55:13.19 7ejVn5zDo 29/261

「ヘリコプターを倒して、タイラーの車を入手しました」

「あー疲れた……全然お楽しみじゃねーよ、あのヘリコプター」

「この車で世界中を旅します」

「タイラーの車は空でも飛ぶのか!?」

「とにかく、いろんなステージが用意されている……ということです」




35 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/10 20:58:27.26 7ejVn5zDo 30/261

「…………」ガガガガガガ…

「…………」シュピ!シュピ!

「…………」ガガガガガ…シュピ!

「…………あのさぁ」

「何だ?」

「俺らもう、結構先のステージまで進んだよな?」

「ああ、そうだな」

「さっきから気になってたんだが……あれ以来、エアロスミスが全然、出てこないんだけど?」

「んー……言っていいのかなぁ」

「何をだ?」

「俺……っていうか、>>1なんだけど、基本的にいつでも暇だからさ、このゲームも結構やり込んだんだよ
  でもな……ステージ1以外で、エアロスミスが出てきたことなんて、一度もないぞ?」

「まさか、最初のアレでエアロスミスの出番は終了なのか……?」




36 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/10 21:07:02.44 7ejVn5zDo 31/261

「そんなわけで、REVOLUTION Xをやったのだが……正直どうだった?」

「どうもこうも、こんなゲームにエアロスミスがよく出演O.K.したなと、驚かされたわ」

「こんなゲームとは言うがな……これ、スーファミとメガドラとサターンとDOS/Vでも出てるんだぞ?」

「こんなクソゲーが何でだよ!? ……俺、今日だけで何回『何でだよ!?』って、言ったっけ?」

「段々ツッコミが板についてきたな」

「嬉しくねー……」

「といったところで、今日はお開き。またお会いしましょう、さようなら」

「今更だけど、こういうスレって、普通、版権キャラでやらねえ? 何で俺とお前なんだよ?」



【REVOLUTION X】 販売:アクレイムジャパン 機種:プレイステーション 発売日:1996年3月1日
1365435954-036

41 : ◆zEKaa6cD2E[sag... - 2013/04/13 23:28:22.50 HJvt/x58o 32/261

マミ「モニターの前のお友達、元気かなぁ? 私生活では一人も友達がいない、マミおねーさんだよ♪」

QB「おねーさんは、とうとう自虐ネタに手を出したのかい?」

マミ「さぁ、今日も楽しくクソゲーで遊ぼうね」

QB「楽しくないからクソゲーなんだよ、おねーさん」

「ちょっと待てぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

マミ「!?」ビクッ!

マミ「な、何ですか……?」

「いや、何ですかって、むしろ、こっちが何ですか? だよ!!」

QB「いきなり大声を出さないでくれるかい? ビックリするじゃないか」

「感情のない奴が何言ってやがる!? 何だコレ? 何してるの? 何でこのスレにいるの?
  あと『マミおねーさん』って何? 何でキュウべえまでノリノリなの?」

「お前が前回『こういうスレは版権キャラでやるだろ』と言ったから、来ていただいたのだが……」

「帰ってもらえ!!」




44 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/13 23:36:59.06 HJvt/x58o 33/261

「……と、いうわけで、クソゲーアカシックレコード、第三回目です」

「何事もなかったように始めるな」

「今回は彼女たちに紹介してもらいたかったな……」

「職務放棄かよ。女子中学生に丸投げするな」

「いや、今回ばかりは誰でも良いから変わってほしかった」

「何で?」

「実は今回のゲームってのが、コレなんだよ……」


【ボディコンクエストⅡ ~救性主~】


「テメー女子中学生に何てモン紹介させようとしてやがったぁぁぁ!?」

「いや、もうホント誰でも良いんだよ。今回お前一人でやってくんない?」

「嫌だよ!」




45 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/13 23:42:20.83 HJvt/x58o 34/261

「仕方ない……始めるか」

「また、とんでもないゲームもって来やがって……」

「第一回目でも話しましたが、80年代後期から90年代前期頃に発売された
  いくつかのゲーム機には、非正規のゲームソフトが存在しています」

「今やったら、ハードメーカーから訴えられること、間違いなしのアングラエロゲがそれです」

「法的にも怪しい感じだな」

「まぁ、今更やろうとする奴は、居ないだろうけどな」

「同人エロゲはPCで作れば事足りるしな」

「インターネットの普及によるPC・Macの値下げに伴い、正規メーカーが制作した質の良いアダルトゲームが
  楽しめるようになったし、お前の言うとおり同人ゲーも、わざわざゲーム機用に作らんでも
  ネットでDL販売したほうが楽だしな」

「危ない橋を渡らなくてすむなら、そりゃ、そっちのほうが良いわな」




46 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/13 23:44:57.03 HJvt/x58o 35/261

「今では見かけなくなったアングラエロゲだが、衰退の理由の一つはDVDの普及だろうな」

「ん? DVDが何か関係あるのか?」

「DVD-PGって聞いたことあるか?」

「いや……?」

「DVD・Players・Gameといってな、テキストタイプのアドベンチャーゲームって、要は静止画とテキストの組み合わせだろ?
  コレを映像として落とし込むことで、オートクリックで進めるのと、同じ物をDVDVideoで再現したものだ」

「キャプチャー機能を利用して、選択肢で別々のルートに進むなんてのも再現してるし
  3、4桁のパスワードを使って、中断機能まで実装している」

「へぇ……そんなのがあるのか」

「最初の頃は、一般作もあったんだが、今ではPCアダルトゲームの移植専門になってるな」

「有名なのは『さくら堂』のGAOH!レーベル。それと、電脳CLUBレーベルだろうな。この二つは、他と比べて質が違う」

「……というか、詳しいな?」

「お世話になってるからな」

「ああ、なるほど……」

「ぶっちゃけPCやゲーム機がなくても、DVDプレイヤーさえ持ってれば、エロゲが楽しめるご時世に
  今更、アングラゲーを買う物好きはいないってことだ」

「エロゲにエロ以上の物は求めてないしな……ゲームとして面白いなら、それに越したことはないけど」




47 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/13 23:48:36.52 HJvt/x58o 36/261

「先送りにしても仕方ないし、さっさと紹介しちまうか……」

「今日はなんだか、いつもの余裕がないな?」

「ある訳ないだろ、ボディクエだぞ今回……」

「じゃあ、何故このゲームを選んだ?」

「スレの趣旨からいって、避けては通れない道だろ……
  実際、俺だってやりたくないよ、こんな危険物」

「つまり、クソゲーですらないと?」




48 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/13 23:51:37.50 HJvt/x58o 37/261

「メーカーはゲームエキスプレス(ハッカーインターナショナル)、ハードはPCエンジン、発売日は不明……以上」

「『以上』じゃねーよ! それで終わらす気か!?」

「これで、もう充分だろ?」

「概ね同意だが、始めちゃったんだから、ちゃんとやろうぜ?」

「ハァ…………仕方ないな。このゲームはフィールド移動型のRPGです。タイトルから分かるように
  『ドラクエ』のパロディになっています」

「むしろ、これでドラクエのパロじゃないほうが驚くな」

「まぁ、パロディといってもエロパロだから『ドラクエ的ゲーム』は期待しないで下さい」

「心配しなくても、最初から誰も期待してないだろう」

「ゲームを起動すると……」


はるかむかし デカメロンたいりくの タツンダの しろに げんきな おとこのこが うまれた


「デカメロン大陸て……」

「もう、先に言っとくけど、このゲーム下ネタ以外、何もないから
  モニター、あるいは液晶画面の前のみなさんも覚悟しといて下さい」




49 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/13 23:55:11.50 HJvt/x58o 38/261

「オープニングムービーはありませんが、代わりにビジュアルシーンがあります」

「無駄に気合い入ってるな……どうにもチープな絵だが」

「数人の男が、赤ちゃんの誕生に立ち会っているようです。『この子が大きくなったら魔女を倒してくれるだろうか?』
  と誰かが言い、別の誰かが『生まれたばかりの子供に期待しすぎ』的なことを言います」

「状況がよく分からんな……」

「また別の誰かかこう言います『この子の股間を見てみろ』『な、なに……勃起している…だと……?』」

「何じゃぁそりゃ!?」

「台詞は適当ですが、大体こんなようなことを言ってました」




50 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/13 23:57:40.36 HJvt/x58o 39/261

「物語は15歳になった主人公が、国王に呼び出されるところから始まります」

「本家のロトシリーズでも、お馴染みの始まり方だな」

「主人公ですが、デフォルトの名前はないので、とりあえず『アラマキ』にしました」

「管理人の名前を無断使用するな」



王様「……………………」

アラマキ「……………………」

王様「……………………」

アラマキ「……………………」



「……始まらないな」

「おかしいな……? あれ?」

「どうした?」

「これ……動かせるぞ?」

「はぁ?」

「と、取り敢えず、コマンド開いて話すを選んでみるぞ?」



王様『よくきたアラマキ おまえを よびだしたのは ほかでもない……



「ええぇぇぇ!? 自分から話しかけないとダメなの!? 普通、自動的に始まるだろ!」




51 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/14 00:01:00.99 Yj1XqI5qo 40/261

「魔女トパーズの呪いで、男たちがインポになって、出生率がヤバいから、魔女を倒してこい
  ……と、いうのが王様のお話でした」

「俺、もう帰りたいんだけど……」

「俺だって帰りたいよ、我慢しろ。ドラクエなら『宝箱を開けて旅の準備をしろ』と言ってくれますが
  この王様は何も言わないので、勝手に開けさせてもらいます」

「どんだけ不親切なんだよ……」

「中身は『ふろフダ』という謎のアイテムと、120Gでした」

「RPGだから、まずは情報収集だけど……何これ? 町の人たち、動きが不自然すぎねーか?」

「カクカクしてるというか……まるで瞬間移動でもしてるみたいだな」




52 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/14 00:04:32.02 Yj1XqI5qo 41/261

・北に行くと町がある
・童貞のうちはテクニックで戦え
・俺のも、とうとうインポになった……
・インポが治るおまじない、立て、タツンダジョー! タツンダ城!


「タツンダ城での主な会話はこんなところです」

「最後、駄洒落じゃねーか……」

「ちなみに『立つんだジョー!』は間違い、正しくは『立て…立て……立て……! ジョォォォ!! 立て、立つんだぁぁ!!』です」

「どうでも良いよ、そんな豆知識。あと、童貞がテクニック持ちってのが、そもそもおかしいだろ」

「ツッコミどころ満載だな。さて、外に出てみるか……」




「ドラクエ風のフィールド画面です」

「まぁ、かなり劣るけどな」

「取り敢えず、町を目指して北へ向かいます」

「お、エンカウントしたぞ?」

「敵キャラが女の子なのはお約束です。画面構成はドラクエ1に近い感じです」

「やっぱりチープな絵だなぁ……」

「装備を買ってないので丸腰だが……まぁ取り敢えず攻撃を……攻撃……を…?」


アラマキどうする?

→ そうにゅう
  テクニック
  どうぐ
  にげる



「」

「」




53 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/14 00:08:17.02 Yj1XqI5qo 42/261

「この『そうにゅう』ってのが、ドラクエでいうところの『たたかう』なのか……?」

「すると、『テクニック』ってのが『まほう』か? MPの表示がないけど……」

「と、とにかく攻撃だ」


アラマキは かわかむりを すまたでピストンした
かみおむつに 2のエッチをあたえた


「………………ど、どこだ? どこからツッコめばいい!?」

「敵がスカートをめくって、アラマキが鼻血を出しました」

「なにこれ? マジで何これ!? HPってヒットポイントじゃなくてエッチポイントなの!?」

「敵の名前が『かみおむつ』ってことは、そういう年齢ってことか?」

「アグネェェェェェス! こっちですぅぅぅ!!」




54 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/14 00:11:34.47 Yj1XqI5qo 43/261

「行けども行けども町が見えてきません」

「普通、すぐそばにあるだろ……あ、またエンカウントした」

「今度は『あおツボミ』という、女子高生風のキャラだな」


あおツボミは スカートをめくった つうこんのいちげき

アラマキ「アヘ アヘ アヘ」


「あ、死んだ」

「丸腰だもんな……」


うっ! でる!
アラマキは イってしまった

どぴゅ! どぴゅ! どぴゅ!


「」

「」




55 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/14 00:15:17.59 Yj1XqI5qo 44/261

王様『おお アラマキよ イかされてしまうとは なさけない



「所持金半分で再スタートです」

「そのへんはドラクエと同じなんだな……」

「というか、イかされたら負けって、どういう状況だよ?」

「ステータス確認したらHP・せいりょく・たいきゅうの三つしかありません」

「運の良さどころか、素早さの概念すらなし!? そしてやっぱりMPはないのか……」

「レベルが上がったらHPも上がって、イきにくく(死ににくく)なるんだな」

「それって、単に遅漏になるってことじゃないのか?」




56 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/14 00:19:03.13 Yj1XqI5qo 45/261

「…………死にまくるな、このゲーム」

「王様にもらった(勝手に持ってきた)120Gも、8Gまで減りました」

「分かってはいたけど、バランス崩壊どころの話じゃねーな……」

「最近は『○○覚えたらヌルすぎ、ゆとり仕様のクソ』だの『ドM仕様のクソゲー』だのと
  ちょっとでも気にくわないと、すぐに騒ぎ出す輩がいるが、このゲームやってから言えって思うな。
  どんなクソゲーでも、神ゲーに見えてくるぞマジで」

「そりゃ、これと比較すればな……」

「お、レベル上がった」

「『あたらしい テクニックを おぼえた』だってよ」

「そういえば、存在自体忘れてたな……どれどれ」


→テクニック

      →ささやく  ねぶる

「」

「」




57 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/14 00:22:04.28 Yj1XqI5qo 46/261

アラマキは あいての
    を いやらしい おとを たてて ねぶった

だめー! おかしくなっちゃう

30ポイントの エッチを あたえた


「いきなりダメージ30倍ぃぃぃ!?」

「しかもこれ、MPないから無限に使えるんじゃないか?」

「じゃあ、もう武器いらねーだろ……」

「何にせよ、これで戦闘が楽になるな」

「いや、楽になりすぎだって」




58 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/14 00:25:14.92 Yj1XqI5qo 47/261

「『きょにゅう』『こくじんダンサー』『ぎんざホステス』などの素敵キャラたちを、ねぶり倒していきます」

「お互い一撃でも喰らったら即死という、訳の分からん緊張感があるな……」

「レベルがブリブリ上がっていくな」

「レベル8でも、まだ最初の町に着かないって、どういうことだよ?」

「北にあるという情報しかないしな……。あ、先手取られた」


うっ! でる

アラマキは(ry


「また死んだな……」

「もう、どうにもならんわ、これ……」




59 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/14 00:28:31.70 Yj1XqI5qo 48/261

「……残念なお知らせがある」

「このゲームをやる以上に残念なことがあるのか?」

「今まで城の左側から北に向かっていたが……右側の山に囲まれた行き止まりの所に、最初の町があった」

「あったの!? というか、こんな分かりづらい場所に……見える位置に設置しとけよ」

「取り敢えず入ってみるが……『エマニエルの町』だそうだ」

「まずは……武器屋か?」

「今更、武器はいらないが……防具だけは買っとくか」


※『おもちゃいらんか?』

→ かう
  うる

つめきり 60
ローション 180
イボつきサック 560
わゴム 20
おうごんのみず 38
ぬののパンツ 70
びやく 50
 

「もう、このくらいじゃ何とも思わんな」

「慣れって恐いな」




60 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/14 00:32:30.37 Yj1XqI5qo 49/261

「そこから南に行ったところに、次の町がありました」

「町と町の間が近すぎだろ……最初の放浪は何だったんだ?」

「この町は『チャタレイの町』だそうだ」

「エマニエル……チャタレイ……」

「『エマニエル婦人』に『チャタレイ婦人の恋人』か……。どっちも往年の名作ポルノ映画のタイトルだ」

「なんだかなぁ……」

「HPが減っているから宿屋に入りたいのだが……」

「ここに『H』という看板があるぞ。普通に考えたら『HOTEL』のHだが……」

「入ってみるか……」


※『とまってってよ サービスするわよ』


「宿泊施設のサービスというと、食事の品数を増やすとか、良い部屋を用意してくれるとかだが……」

「まぁこのゲームだしなぁ……」


※『すごかったわ またきてね』


「やはり性的な意味だったか……」

「やればやるほど虚しくなるゲームだな……」




61 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/14 00:37:17.92 Yj1XqI5qo 50/261

・この町の東に見える島に昔、悪魔が住んでいたとか
・西に歩くとぬかるみの洞窟、コリーダの町はそのはるか北だ
・ぬかるみの洞窟には女人禁制の大人の泉があるらしい
・少し前にトパーズと戦うために旅立った者の噂を聞いた。ナイチンガールという看護婦だったが…


「……と、いうことで、西に向かいます」

「ナイチンガールについてはスルーか」

「南の海岸沿いを西へ移動すると、洞窟が見えてきました。早速、入ります」

「ダンジョンもドラクエ風だな……貧乏な感じの」

「その辺については、もう諦めてる」

「一切の希望を持ってはいかんな、このゲームに関しては」




62 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/14 00:41:05.26 Yj1XqI5qo 51/261

「地下三階まで降りると、門番のような奴がいて『ふろフダを持ってない奴は通せない』と言われます」

「ここで、例の謎アイテムの出番か」

「ふろフダを見せて、奥へ進むと巫女が待っていました。大人の儀式とやらをやるそうです」

「大人の儀式て……」


※『のろいに まけず おったてて がんばってきたのは あなたね?』


「ここでビジュアルが表示されます。アラマキがフェラ○オをされているようですが……ハッキリ言って全然エロくありません」

「エロすら落涙物のショボとは、いよいよ何の価値もなくなったな」

「『親友のナイチンガールが捕まっているから、助けてあげて』と言われ、『カギ』を受け取ります」

「どこの鍵とも書かれていないんだけど……」

「『かわかむり』から『けはえ』になり、そうにゅうが使えるようになりました。戦闘中にそうにゅうを選ぶと
  『すまたでピストン』だったのが『ぶちこんだ』変化しています。なお、威力に変化は無い模様です」

「何の意味があるんだ、このイベントは……」




63 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/14 00:44:57.08 Yj1XqI5qo 52/261

「この後、北の洞窟に向かって、ナイチンガールなる人物(たぶんヒロイン)を救出する流れみたいですが
  すいません。もう勘弁して下さい」

「我々、もう限界です。本当に申し訳ない」

「後半戦は、その内やるかもしれませんが、出来ればやりたくありません」

「いつもならツッコむところだが、今回ばかりは完全同意だ」

「次回は別のゲームになると思います。またお会いしましょう。さようなら」

「俺、次回とこれの後半戦、欠席させてもらって良いか?」
1365435954-063

68 : ◆zEKaa6cD2E[sag... - 2013/04/18 16:46:34.78 /dwkS9cbo 53/261

「やあ、みなさん。クソゲー研究室へようこそ。前回のダメージが、まだ残っている男です」

「もう忘れようぜ本当に……」

「さて、第四回目は『出オチゲー特集』と題しまして、いくつか小ネタを、お送りしたいと思います」

「出オチゲー?」

「その名のとおり、詳しく解説しなくても、出てきた瞬間、既に『オチ』がついてるゲームのことだ」

「……前回以上の出オチがあるのか?」

「お前、さっき忘れろって言ってたよな?」




69 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/18 16:49:12.29 /dwkS9cbo 54/261

「まず最初はこのゲームから」


【あっぱれ! ゲートボール】


「ふーん、ゲートボールねぇ…………ゲ、ゲートボールだと!?」

「ジャンルとしてはスポーツゲームになります」

「ゲートボールのゲームを誰が買うんだよ!?」

「操作方法は至ってシンプル。ここまで転がしたいという場所にカーソルを合わせて、ボタンを押すだけです。
  ゴルフゲームのパッティングのような、面倒なパワーケージは存在していません」

「無いの!? それ一番重要な要素だろ! ただボタン押すだけかよ!?」

「ゲートボールのルールが分からない、という方も御安心下さい。詳しく解説してくれるモードがあるので
  一からルールを覚えることが出来ます。メーカー側も『子供がゲートボールのルールを知ってるわけがない』
  というのは分かっているようです」

「なら、売れるわけねーのも分かるだろ!! 何でこんなゲームを作った!?」




70 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/18 16:53:28.03 /dwkS9cbo 55/261

「さて、続いてはこちら」


【新戦記ヴァンゲイル】


「何だこのエヴァとガンダムWを足して二で割ったら、三余っちゃった(by空知英明)みたいなタイトルは!?」

「何故、企画会議を通っちゃったのか分からんな」

「誰か一人くらい『これは駄目だろ』と思う奴はいなかったのか……」

「まぁ、似てるのはタイトルだけだから」

「いや、ここまでやったなら中身も似せとけよ」

「ジャンルとしてはロボットアクションで、厳密には人造人間とかいう設定はありません」

「それはパクりすぎだから、むしろなくていい」

「発売当時は格ゲーが全盛期だったこともあってか、一対一のタイマンです。使用できる機体は八機+αです」

「少なっ!」




71 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/18 16:58:18.93 /dwkS9cbo 56/261

「大技林によると、3D格闘シューティングなんだそうだ」

「今時、プレステのゲームが掲載されてる大技林を何故、持っている?」

「操作性は悪いというか、ハッキリ言って最悪です。移動すると自機と一緒に照準が動いて、狙いが定まりません。
  ビームサーベル的な近距離系の武器は、使い物にならない始末です」

「これ『ヴァーチャロン』みたいなゲームを期待して買った奴、泣きをみたんじゃないか?」

「キャラクターに目をやると、逃げちゃ駄目だ的な主人公も
  自爆が大好きなイケメンも、あんたバカァ? が口癖のヒロインも居ません」

「居たら居たで困るわ」

「割と凝った設定やストーリーがあるのですが、デモシーンなどは一切無く、淡々と進んでいきます。
  エンディングも二種類しかありません」

「え? 二種類? 八人いるのに?」

「二国間の戦争という設定のため、選んだキャラクターが所属している国のエンディングになります」

「手抜きじゃねーか……」

「二種類と言いましたが、実質、同じエンディングで、メッセージがちょっと変わるだけです」

「どこかで聞いたような……?」

「FindLove2なんて、まだマシなほうだったんだなと、実感しました」

「あ、それか」




72 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/18 17:02:00.76 /dwkS9cbo 57/261

「まぁこんな感じですが、このゲーム。>>1的には一押しのゲームです」

「いや、どう考えても、クソゲー以外の何物でもないだろ」

「その理由は、声優に皆口裕子さんを起用しているから……だそうです」

「それ>>1が皆口さんのファンってだけじゃねーか!!」

「デモがないので戦闘中と勝利メッセぐらいでしか喋らないんですけどね」

「ラブプラスでもやってろ!」




73 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/18 17:06:52.54 /dwkS9cbo 58/261

「さて、次はこれ」


【宇宙生物フロポン君】


「……どんなゲームか想像できない」

「落ち物のパズルだ。出オチゲー特集だから、一つくらい落ちゲーがあったほうが良いかと思って……」

「駄洒落じゃねーか」

「で、この際フロポン君本編はどうでも良くてですね……」

「どうでも良いの!?」

「問題はこれに収録されている、ミニゲームの【おやじハンター】です」

「ああ……まさしく『出オチ』だな」

「10年以上前、ゲームセンターに『ソニック・ブラストマン』という、パンチングマシーンがあったのですが
  どうやら、これのパロディのようです」


『キャー!』

おやじ『うぇっへっへっへっへっへ……ねーちゃん、ええチチしてまんなぁ』

おやじハンター『待て! 彼女は私が守る!』


「こんな感じです」

「どんな感じ!?」




74 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/18 17:09:34.38 /dwkS9cbo 59/261

「どんどん逝きましょう。次はこれ」


【Kitty the Kool! カブキでたのしくおどってね!】


「うおおぉぉぉぉぉぉぉい!」

「何だ?」

「何だじゃねーよ!! 何だこれ!? 何でこんなゲーム買ったんだよ!? お前がというか、>>1が!!」

「奴はクソゲーなら何でも良いんだよ」

「雑食系か!? 雑食系男子か!?」

「どんなツッコミだ」




77 : ◆zEKaa6cD2E[sag... - 2013/04/18 20:41:26.09 PsoVFlBgo 60/261

「どうも『お待ち下さいも何も、誰も見てねーよ』という、恥ずかしいことにならなくて、ホッとしている男です」

「それはそれで、オイシイような……」

「で、何の話だっけ?」

「だから、何でキティちゃんのゲームなんか買ったんだって話だよ」

「あーハイハイ……それね。あれだよ、実は>>1は幼女なん……」

「嘘つくな!!」


※※※


「さて、このゲーム、ジャンルはテンポACTとなってますが、要は音ゲーです」

「これ、小さい女の子向けのゲームだろ……」

「しつこいぞ友。で、実はこのゲーム、ほかの音ゲーの対局に位置する存在です」

「……つーと?」

「普通は音楽に合わせて流れてくるマークに、タイミングを合わせてボタンを押すが、このゲームは
  プレイヤーがボタンを押すタイミングに合わせて、曲のテンポとボタンを押すタイミングが変化するという
  斬新なシステムを採用している」

「斬新すぎるわ!! 『誰もやらなかったこと』と『誰もが駄目だと判断してやらなかったこと』じゃ、意味が違うからね!?」

「一度タイミングが狂うと、立て直しは、ほぼ不可能。振り子のように、一定のリズムを刻み続けなければならず
  ゲームの肝である、キティちゃんが踊る姿など、見ている余裕はありません」

「ちょっと、これのスタッフを小一時間問いつめてくる」




78 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/18 20:52:12.90 PsoVFlBgo 61/261

「まぁだまだいくよー」

「巫女巫女ナース!?」


【黒ひげのゴルフしようよ】


「何で黒ひげ!? しようよじゃねーよ、嫌だよ!!」

「GBAのソフトで、GBA版マリオゴルフより先に発売されたゲームです。ちょっと動きがアレで
  3Dポリゴンもガタガタしてますが、ゴルフゲームとしては、悪くない出来でした」

「出来が良いのに、クソゲー扱いされるって、悲しすぎるだろ……」

「だって黒ひげだし」

「このゲームで何を目指したんだトミーは……」



79 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/18 20:58:04.78 PsoVFlBgo 62/261

「最後はこれです」


【燃えろ!! ジャレコ コレクション】


「ジャレ……コ?」

「FC時代のメーカーだな。買収されてPCCWジャパンになったり、社名変更でジャレコに戻したりと
  何かと忙しいメーカーだ」

「いや、ジャレコ自体は知ってるけどさ……つーか、潰れたみたいに言うなよ、まだあるよジャレコ」

「このゲームは、ジャレコがかつて販売していた『燃えろ!! シリーズ』を6タイトル収録したものだ。その内訳がこれ」


・燃えろ!! プロ野球
・燃えろ!! プロ野球’88決定版
・燃えろ!! プロサッカー
・燃えろ!! プロテニス
・燃えろ!! ジュニアバスケット
・燃えろ!! 柔道うおりあ~ず


「やりたいと思うゲームが一本もない!? そして何故、野球が2本も収録されている!?」

「燃えプロを知らない方も、このAAは見たことがあると思います」
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「ホームランを打ったときに、バックスクリーンに表示される映像が、これの元ネタです」

「クソゲーのくせにAAまであるのかよ」



80 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/18 21:04:14.05 PsoVFlBgo 63/261

「ちなみに、このゲーム。FC版の初代・燃えプロでは『強打者はバントでもホームランになる』などの
  数々のバグで、伝説のクソゲーの一角を担っているのですが……」

「メーカー側も開き直って、仕様であるかのように説明してたな」

「これは一部で有名な話ですが、GBA版でも新たな伝説を打ち立てました」

「今度は何やらかしたんだ、ジャレコは?」

「FC時代の野球ゲームが実名じゃないのは知っているな?」

「ああ、一文字変えてたよな、桑田なら『くわわ』、清原なら『きよすく』みたいに」

「>>1の知る限りでは、SFCの『実況! パワフルプロ野球』が、最初の実名版、野球ゲームだったはずだ」

「実況が入るしな、一文字変えた選手名じゃ間抜けだし、ライセンス取得してでも、実名にしたかったのも分かるわ」

「今では実名が当たり前だが、なにせ、燃えプロは20年近く前のゲームだ。今更当時の選手名を実名にするために
  わざわざライセンス取るのも、どうかと思うだろ? メーカーとしてはさ」

「まあな」

「で、当時と同じように一文字変えて発売するかと思いきや……」

「思いきや?」

「実際のプロ野球選手……もちろん当時のな? それを知っている人なら、すぐ気づくと思うが
  選手名がデタラメなんだよ」

「はぁ?」

「このチームに、こんな名前の選手はいなかったはず……と、軽くパニックになるくらい
  全選手が、別の名前に置き換えられているんだ」

「何だそりゃ? じゃあもう、プロ野球でも何でもないだろ」

「データは当時のままだがな。しかし、これだけでは終わらないのが『ジャレコクオリティ』というものだ」

「ジャレコクオリティって何だ!?」




81 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/18 21:10:49.91 PsoVFlBgo 64/261

「読売巨人軍……つまりジャイアンツだが、このチームには『最強の助っ人外人』と呼ばれ
  今なお、語りぐさになっている伝説の選手がいる」

「ウォーレン・クロマティだな」

「そう、打率.378の球団最高記録保持者で、敬遠球でホームランを打つなどの、数々の伝説を残した彼は
  当時の野球ゲームでは『クロマテ』という名前だった」

「一文字違いって言うか、一文字足りないのな」

「しかし、このGBA版、燃えろ!! プロ野球では……」


【エムホマ】


「エム……ホマ……?」

「さらに、他のチームの外国人選手を見てみよう」

「えーと、サントス、リカルト、マルクス……」

「何かに気づかないか?」

「…………!? ま、まさか……」

「そうなんだよ、選手の名前がJリーグの選手名に、すり替わっているんだ」

「何でだよ!?」

「ちなみに本拠地の場所まで同じだ。例えば名古屋に本拠地がある中日(ゲーム中の名称はCD CLUB)なら
  名古屋グランパスの選手名になっている」

「何だその意味不明なこだわりは!?」

「あと、言い忘れていたが、内容はFC版と全く一緒。
  つまり、バグもそのまま残っている」

「これがジャレコクオリティか……」




82 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/18 21:20:13.60 PsoVFlBgo 65/261

「>>67さん。ご指摘ありがとうございます。>>1は間違えて覚えていたようです」

「>>1は基本的にアホなので、このような間違いを連発します。ご了承下さい」

「第一回目から誤字脱字のオンパレードだからな……『フォトCD』を『ファトCD』とか書いちゃってるし。
  何だよファトCDって」

「他スレの>>1さんは、すぐに修正するのに、ここの>>1ときたら……」

「まぁ、奴はSS制作者じゃなくて、ただの『クソゲーを紹介する人』だからな」

「そのうち怒られるんじゃないか? このスレ……」


※※※


「さて、今回は一気に六本のゲームを紹介したわけですが……何か、気になったゲームはあるか?」

「無いな。むしろ興味を引かれるゲームが一本もないことに驚いている」

「強いて言うなら、スポーツゲームが多かったのが気になったかな?」

「言われてみれば、六本中三本がスポーツゲームだな」

「意外とクソゲーが多いジャンルなんだな」

「キャラゲー、ギャルゲー、スポーツゲーか……後一つで四天王完成だな」

「いや、完成させなくていいよ」

「では、今回はここまで。またお会いしましょう。さようなら」

「たまにはマトモなゲームも取り扱おうぜ、マジで……」

【あっぱれ! ゲートボール】 制作・販売:ハドソン 機種:PCエンジン 発売日:1988年12月22日

【新戦記ヴァンゲイル】 制作・販売:ユーメディア 機種:プレイステーション 発売日:1997年8月28日

【宇宙生物フロポン君】 制作・販売:三栄書房 機種:3DO 発売日:1994年8月6日

【Kitty the Kool!カブキでたのしくおどってね!】 制作・販売:イマジニア 機種:プレイステーション 発売日:1998年11月26日

【黒びげのゴルフしようよ】 制作・販売:トミー 機種:ゲームボーイアドバンス 発売日:2002年4月19日

【燃えろ!! ジャレココレクション】 制作・販売:ジャレコ 機種:ゲームボーイアドバンス 発売日:2004年10月28日
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87 : ◆zEKaa6cD2E[sag... - 2013/04/21 23:27:17.29 6jy15T/ko 66/261

「やあ皆さん。クソゲー研究室へようこそ。クソゲーアカシックレコード番外編です」

「番外編?」

「実は第四回目で、一つ紹介し忘れてたゲームがあってな、スルーしても良かったんだが
  折角だから急遽やることにしたんだ」

「余計なことを……」

「で、そのゲームですが……」


【あっナンジャリン】


「ナンジャリンというか、本当に何じゃこれ……」

「お前も結構、下らない駄洒落を言うのな……」




88 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/21 23:30:19.81 6jy15T/ko 67/261

「これは育てゲー……つまり育成シミュレーションですね」

「育成シミュねぇ……一時期、流行ったな」

「これに関しては、もうゲームの内容とかは、どうでもよくて、パッケージのインパクトが全てです」

「と、いうと?」

「例によって、画像検索でパッケ画像を捜してきたから、まずは見てくれ」


ttp://www.suruga-ya.jp/database/pics/game/140001329.jpg


「『こんなにおもしろくて3,900円』……どんだけ自信あるんだよ」

「小さく(税抜)と書かれているところが、また腹立つだろ?」

「なるほど、確かに出オチだな」

「この手の自画自賛系キャッチコピーは『パンドラマックス』シリーズの『1,980円の超大作』などが有名だが
  看板に偽りなしだったゲームは、一つとして存在してないのが実状だ」

「JAROに電話したら余裕で勝てそうだな」



89 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/21 23:33:12.54 6jy15T/ko 68/261

「しかし、本題はそこじゃない……もうお気づきでしょうが、問題はこのパッケージの右下……」


【声優:大谷育江 ・安武美央(生後8ヶ月)】


「生後8ヶ月? 生後8ヶ月!?」

「大谷育江さんといえば、ポケモンのピカチュウ役や、ガッシュベルのガッシュ役で知られ、育ちゃんの愛称で呼ばれる
  ベテラン声優の方だが、後ろの安武美央が謎だ。断っておくが、この子の声を、大谷育江さんが担当している
  というわけではなく、ガチで生後8ヶ月の赤ちゃんが声優として出演しているんだ」

「馬鹿なの!? ねぇ、このメーカー馬鹿なの!?
  何で大谷さん差し置いて、赤ちゃんの顔写真パッケージに載せてるの!?」

「もう、俺の理解の範疇を越えすぎて、どうコメントしていいのか分からん……。
  一つだけ言えることは『コネって恐いなぁ……』ということだ」

「メーカー潰れてしまえ! もう、とっくに倒産してるだろうけど!」




90 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/21 23:36:55.31 6jy15T/ko 69/261

「……と、いうわけで、番外編は以上です」

「ある意味、最悪のゲームを見てしまった……」

「それでは次回、第五回目でお会いしましょう。さようなら」

「そういえば今回、内容については一切触れなかったな……」




【あっナンジャリン】 制作・販売:ツーワン 機種:プレイステーション 発売日:1998年6月11日
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94 : ◆zEKaa6cD2E[sag... - 2013/04/27 00:55:29.88 HoFOcZq+o 70/261

「やあ皆さん。クソゲー研究室へようこそ。本日は第五回目です」

「それでだ……突然だが、コナンの最新映画がやってるな」

「本当に突然だな。……しかし、コナンも長いよな」

「連載始まったの>1がガキの頃だし、もう十何年になるんだっけ?」

「そのわりには物語が進んでないような……」

「ファンにさえ『いつ終わるんだよ?』と言われ続けて、早……何年だっけ?」

「知らんよ。まぁ、人気が続くうちは終わらないんじゃねーの? 探偵は古来より鉄板ネタだし」

「『名探偵』という響きは厨二心を擽る何かがあるな」

「実際の探偵はペット探しと、浮気調査が主な仕事らしいけどな」

「そういえば、探偵や刑事が主人公のゲームも多いな」

「推理アドベンチャーだな。オホーツクに消ゆとか、ファミコン探偵クラブとか……」

「クロス探偵物語も名作だった……。>>1は第六話が面倒になって、クリアしてないけど」

「ビル探索だっけ? まぁ、確かに面倒だったが」

「ゲーム史上、最も有名なネタバレでお馴染みの
  ポートピア連続殺人事件も外せんね」

「犯人は○○ってやつだな。ネットも携帯もない時代に、日本中に広まったんだから
  ラストの展開に、どれだけの人間が衝撃を受けたか分かるってモンだ」

「個人的にはパスワードがないことに驚いたよ、土曜日の夜から始めて
  夜通しやり続けないと、クリアできねぇよアレは」

「昼間は親がうるさいからな。当時の子供たちは
  夜中にコッソリやらないと、クリアできなかったんだよなぁ」

「ゲームは一日一時間と、高橋名人も言ってたしな。……噂じゃ十分でクリアできるらしいけど」




95 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/27 00:58:36.41 HoFOcZq+o 71/261

「探偵物の傑作といえば、やはり『神宮寺三郎』シリーズだな」

「格好いいよな神宮寺。ハードボイルドな主人公って、あんまり居ないし。ヨーコさん美人だし」

「神宮寺といえば煙草だが、FC版は何故かコーヒーに変更されてたな」

「子供が真似するのを防ぐためだろうな。今はCEROが審査してるから、DS版はそのまま煙草だったけど」

「そういうのは親の躾にも問題あると思うけどな、俺は」

「……ノーコメントにさせといてくれ」




96 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/27 01:00:21.11 HoFOcZq+o 72/261

「ゲームにおける探偵というのは、本格推理アドベンチャーというジャンルでこそ
  真価を発揮する存在だが、主人公が探偵のゲームの中にはキワモノもあったりする」

「キワモノというと?」

「うーん……そうだな、例えばこんなの」


【シャーロック・ホームズ 伯爵令嬢誘拐事件】


「え? ホームズのゲームがキワモノ?」

「シャーロック・ホームズといえば、おそらく、世界一有名な探偵キャラだと思うが
  このゲームは、そんなホームズを『無駄遣いしたゲーム』なんだよ」

「……どういう意味だ?」

「まずジャンルが『推理アドベンチャー』じゃなくて『アクション』だ」

「何で!?」




97 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/27 01:03:19.76 HoFOcZq+o 73/261

「シルクハットに赤マントの変な奴にさらわれた伯爵令嬢を捜して
  捜査を開始する我らがホームズだが……捜査に一番大切なのはなんだと思う?」

「え? ……えーと、根気とか体力とか……ひらめきとか?」

「それも大事なんだが、一番は捜査経費だ」

「金かよ」

「名探偵といえど人間だからな、歩き回れば喉も渇くし腹も減る。遠方に捜査に行くにも
  金がなければ鉄道を利用することも出来ない」

「そりゃそうだけどさ……」

「無一文で街に放り出されたホームズ。しかし、灰色の脳細胞を持つ、天才ホームズは
  手っ取り早く捜査経費を、手に入れる方法をひらめきます」

「灰色の脳細胞はポアロだろ」

「なんと、街を歩いている通行人を蹴り殺して、金を奪います」

「えぇぇ!?」

「一人蹴り殺せば30ポンド手に入ります。この街で販売している『くすり』が100ポンドなので
  四人殺れば一つ購入できる計算です」

「たかが薬一つで四人も!?」




98 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/27 01:06:01.78 HoFOcZq+o 74/261

「街にある建物や公園、下水道などには自由に入ることができ、中にいる人に聞き込みができるようになっています」

「下水道に何故、人がいる!?」

「では、早速話を聞いて回りましょう」

「いや、聞き込みはいいから警察行けよ! コイツ、この短時間で何人殺したよ!?」

「フィクションの世界における聞き込みは、探偵と事件の関係者との駆け引きを楽しむ、という意味合いが強いのですが」

「『彼らは、まだ何かを隠している……』とか、何かそんなやつか」

「我らがホームズは、そんな回りくどいことはしません。ここでも灰色の脳細胞が
  確実に情報を聞き出す方法を思いつきます」

「だから、それはポアロだっつの!」

「ライダーキック(跳び蹴り)をお見舞いして、力ずくで吐かせます」

「拷問じゃねーか!! 何だこの鬼畜ホームズは!?」




99 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/27 01:08:25.84 HoFOcZq+o 75/261

「このゲームのホームズは、探偵の基本である『足を使った捜査』を見せてくれるわけだが」

「足を使うの意味が違う! 蹴り殺すなよ!」

「ロバート・ダウニーJrの映画はともかくとして、シャーロック・ホームズといえば
  『パイプ片手に椅子に座り、推理を組み立てる』という、安楽椅子探偵のイメージがあると思います」

「しかしながら、ホームズがモルヒネの愛用者だったり、フェンシングの達人だったりというエピソードは
  一般的にはあまり知られていません」

「ちょっとイメージと懸け離れているからな」

「このゲームは、そういったホームズのダーティーな一面を、前面に押し出しているということで……」

「全面に押し出しすぎだろ! コイツが一番の犯罪者じゃねーか! これ原作ファンが見たら卒倒するぞ!?」




100 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/27 01:10:26.16 HoFOcZq+o 76/261

「本当にホームズの無駄遣いだったな」

「探偵設定ってだけならまだ分かるけど、シャーロック・ホームズでやる必要性は全くないな」

「さて、今日はもう一本紹介します」


【ミシシッピー殺人事件】


「……殺人事件ってことは、これも探偵物か?」

「ああ、今度はアドベンチャーだから安心していいぞ」

「お前がそう言うときが、一番安心できないんだよ……」

「このゲームはミシシッピー川を航行する客船内で起こった殺人事件を、偶然乗り合わせた探偵のチャールズを操作して
  助手のワトソンと一緒に事件の真相を追う、というストーリーです」

「まぁ、よくあるパターンだな」

「それまでのアドベンチャーとは違い、主人公を直接操作して移動するのが特徴です」

「ほう」

「船内を歩き回るチャールズとワトソン。そして、ある部屋の中に入ると……」


チャールズ『うわぁー……!』

ワトソン『あっ! せ、先生! こ、この床は誰かの罠だったんだ! この高さから落ちたんじゃ先生は……』


「主人公が転落死してしまいました」

「どうやって客船に落とし穴を仕掛けた!?」




101 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/27 01:13:00.95 HoFOcZq+o 77/261

「気を取り直して、別の部屋を調べます」

「初見殺しもいいとこだな、さっきの罠は」


ヒュン! グサッ!


「えぇぇ!? ナイフが飛んできて眉間に突き刺さった!?」


チャールズ『うっ!』

ワトソン『あっ! せ、先生!』


「そしてやっぱり死んだぁぁぁ!!」

「一瞬の油断が命取りな、非常に緊張感あふれるゲームです」

「いや、ちょっ! 何これ!? どういうこと!?」

「殺人事件の真相というのは、ただの建前で、本当は『いたるところに仕掛けられた、デストラップを潜り抜け
  死の客船から生きて脱出する』というのが真の目的です」

「違うゲームになってるじゃねーか!!」




102 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/27 01:15:37.99 HoFOcZq+o 78/261

「今回は名探偵コナン劇場版最新作・公開記念ということで、変わり種の探偵ゲームを紹介してみました」

「探偵のゲームは王道が一番か……というか、王道以外はやっちゃ駄目なんだな」

「変わり種といえば『カトちゃんケンちゃん』も、異色な探偵ゲームだったな」

「はぁ……どんな感じに?」

「かなり昔の話だが『カトちゃんケンちゃんごきげんテレビ』というTV番組がやっててな
  その番組でやってた、加藤茶と志村けんの二人が、探偵コンビという設定で
  故・松田優作の主演ドラマ『探偵物語』のパロディコントが大人気だったんだ」

「これは『人気番組のワンコーナーだけを、ピンポイントでゲーム化した』という珍しい作品なんだよ」

「チャレンジ精神あふれすぎだろ」

「内容は簡単にいえば『マリオ系』のアクションゲームだった。蹴りが使えたり、しゃがむと尻から屁を発射して
  それで攻撃したりと、オリジナル要素もあったけどな」

「屁で攻撃て……まぁ、ドリフ的なギャグだと思えば許せるけど」

「スーパーマリオブラザーズ2のルイージかってぐらい、
よく滑るゲームでな。そのくせ1ドット単位の調整が必要で
  難易度が異常に高かったよ」

「ああ、まともに操作できない感じのアレか」

「難しいというよりは、シビアなゲームだったな。>>1もステージ3までしか、いったことないし。
  番組自体が高視聴率だったこともあり、結構な数が売れたはずなんだが
  中古市場にもなかなか出回らない、割とレアなゲームだ」

「ちなみに、久々にこのゲームをやりたくなった>>1が、押入の奥を捜していたときに
  発見してしまったのが、第三回目でやった『ボディコンクエストⅡ』だ。
  しかも、肝心なカトケンのソフトは見つからなかったという……」

「それって、ボディクエの呪いじゃねーのか?」



103 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/27 01:22:32.61 HoFOcZq+o 79/261

「しかし、ついに怒られてしまったな」

「>>92さんか……まぁ、ボロクソ言ってきたからな。今まで怒られなかったのが不思議なくらいだ」

「フォローの意味を込めて、パンドラマックスについて話しますが、>>1はvol.1の『ドラゴンナイツ・グロリアス』以外は
  一通りやっています。ちなみにvol.3の『ラビッシュ・ブレイズン』がお気に入りで、続編も楽しみにしていたのですが
  発売前にメーカーのパンドラボックスが解散してしまったという、個人的な理由で恨みを抱いています」

「本当に個人的な理由だなオイ」

「パンドラボックスは『戦国サイバー・藤丸地獄編(ソニー)』・『学校であった恐い話(バンプレスト)』などを手がけたメーカーで
  マイナーではありますが、高い評価をされていました。特に学校であった恐い話は、実写の登場人物たちが
  『お前絶対アラサーだよね!?』という人たちばかりで、本筋とは関係ない部分で、>>1の心に消えないトラウマを刻み込んで……」

「オイ、やめろ!!」




104 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/27 01:25:01.92 HoFOcZq+o 80/261

「当時はバブル崩壊直後ということもあってか、『低価格・高品質』が求められる時代でした。これがゲーム業界にも
  影響を及ぼしたのかは分かりませんが、PSはPlayStationBest、SSはサタコレと銘打ち、廉価版ソフトの販売に踏み切りました」

「旧作が安く買えるというのは、お得感があったな」

「それに加えて、D3ハブリッシャーが『simpleシリーズ』を、サクセスは『スーパーライトシリーズ』という名で
  独自に廉価ソフトの販売を始めます」

「スーパーライトには、他社ゲームの廉価版も含まれてたな」

「珍しいところでは、カルチャーブレーンの『ハイグレシリーズ』などもあります」

「ハイグレって何だ? クレヨンしんちゃん?」

「確か、スーパーハイグレードだか、ハイパーグレードだかの略だったような……」

「どう考えても、あの幼稚園児を連想するだろ……」




105 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/27 01:28:34.47 HoFOcZq+o 81/261

「で、本題のパンドラマックスですが、完全新作でやりごたえのあるゲームを低価格で、というコンセプトで自社ブランドとして
  制作されたシリーズです。既にPS2の発売後で、互換性があるとはいえ、PS1のゲーム自体、あまり売れなくなっていたのですが
  simpleシリーズが微妙なゲームを乱発していたのに対して、パンドラマックスは、どれも一定のレベルに達している
  素晴らしいクオリティを発揮していました」

「プレステ末期の名作シリーズだったな。simpleシリーズもこの頃は酷かったし」

「とはいえ、やはり低価格故に粗もあり、定価1,980円というのを考慮すれば、文句なしの名作揃いですが
  さすがに超大作を名乗るには無理がある感は、否めません」

「面白いけど短かったよな……ラビッシュブレイズンも十数時間ぐらいでクリアしちゃったし」

「ロープライス&ハイクオリティを実現した希少なシリーズでしたが、やはり過剰な謳い文句は
  避けるべきだというのが、俺の見解です。そうでなければ……」

「そうでなければ……?」

「十年以上経った後で、こんなところでネタにされます」

「綺麗に落とそうとするな」




106 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/27 01:40:11.44 HoFOcZq+o 82/261

「完全な思いつきと勢いで立てた、このスレですが、ついに100レスを突破しました。
  ここまでのお付き合い、まことにありがとうございます」

「SSスレじゃないのに良いのだろうか……」

「なんか『SS風スレです』とか、適当なこと言っとけば大丈夫だろ」

「あのなぁ……」

「立てる前に某スレで『立てるからには放置しないで、キッチリ完結させろ』と言われていますので
  最低限、完結だけはさせたいと思っています」

「…………あんさ?」

「ん?」

「完結させたいって言うけど、このスレどうなったら『完結』なんだ?」

「…………」

「…………」

「…………」

「…………何か言えよ」

「……では、またお会いしましょう。さようなら」

「無視かよ」


【シャーロック・ホームズ伯爵令嬢誘拐事件】 制作・販売:トーワチキ 機種:ファミリーコンピュータ 発売日:1986年12月11日

【ミシシッピー殺人事件】 制作元:アクティビジョン FC版制作・販売:ジャレコ 機種:ファミリーコンピュータ 発売日:1986年10月31日

【カトちゃんケンちゃん】 制作・販売:ハドソン 機種:PCエンジン 発売日:1987年11月30日
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110 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/11 14:35:11.90 1BPDfJgmo 83/261

「どうも、お久しぶりです。>>1の馬鹿が馬鹿のくせに風邪をひいてしまい『クソゲーの紹介とか言ってる場合じゃねぇ』
  という状態だったので、ずいぶん期間が開いてしまいましたが、如何お過ごしでしょうか?」

「>>1の風邪もよくなったので、またダラダラとクソゲーを紹介していきたいと思います」

「では早速、男の方から今回のゲームを……」

「……………………あれ?」

「…………」

「……おい、始まってるぞ。なにやってるんだ?」

「ん~……アイドルのプロデュース」

「モバゲーやってんじゃねーよ!」

「まぁ、ちょっと参考にな」

「参考? 何の?」

「『アイマス2騒動』って知ってるか?」

「ああ、なんか三年ぐらい前に騒がれてたな」

「詳細については省くが、とにかく『メーカー側がユーザーが何を求めているのか』を無視した商品を作ったのが
  この騒動の原因だ。AKB商法を模したCDの売り方や、古参ファンの神経を逆撫でするような発言もマズかった」

「新キャラが男性アイドルグループだったり、既存キャラの四人がサブキャラになったりと、色々やらかしてたな」

「まぁ、>>1はアイマスは未プレイだから、あまりいい加減なことも言えんが、2chやその他諸々のサイトを見た限りでは
  『そりゃ怒るよこれは……』と思うことを、平然とやっていたなバンダイナムコは」

「でも、実際にプレイした人の感想だと、そう悪くはなかったんだろ?」

「まあな、問題視されていた男性ユニットの『ジュピター』も、逆に好感度を上げたくらいだ。
  しかし、グラフィックやシステム周りはともかく、全体的に劣化している、という評価が大半だったことから
  ユーザーの怒りを沈めるには到らなかったことが伺える」

「最低でも前作を遙かに超える物を作らなければ、許してもらえんわなそりゃ……」




111 : ◆zEKaa6cD2E[sag... - 2013/05/11 14:38:48.32 1BPDfJgmo 84/261

「当初は『どうせPS3版で使えるようになるんだろ』と、楽観視している人もいた。PS3への移植の際に、新要素を追加した
  『完全版商法』と揶揄される売り方が、バンナムお得意の手口だったからな。しかし、PS3版でもサブキャラ化した四人を
  使用することはできず、Xbox360ユーザーに対する救済措置が行われたという話も聞かない」

「完全に『逃げ』だなこれ……」

「言い方は悪いが、ユーザーは泣き寝入り状態だ。サブキャラ化した四人が、ただの『噛ませ犬』のような扱いをされているのも
  怒りを増大させた原因だろう。心ない人は『不人気キャラをクビにしただけ』と言っていたが、例え不人気であっても
  そのキャラが好きな人も居るというのを、メーカーは忘れてはならないはずだ」

「確かに、これじゃファンを大事にしてるとは言い難いなぁ……」

「この騒動に限った話じゃないが、新規ユーザーを取り込みたいのは分かるし、それは結構なことだと思うが
  それと古参ファンを裏切るようなことをするのとは、まるで別の話なんだよ。
  厳しいことを言うようだが『未プレイの人の興味を引きつつ、既存のユーザーにも満足してもらえる物を作る』というのが
  企業としての正しい在り方というか、そうであるべきだと思うよ俺は」

「まぁ、今じゃ『冷静になってみれば、そこまで騒ぐようなことでもなかった』という意見も多いけどな」

「まあな。こっちは完全に外野だし、今更とやかく言うことでもないが、今後も同じような騒動が起こらないとは限らないし
  各メーカーはこれを戒めとしてほしい、という願いを込めて話をさせてもらった」

「商売でやってるからには、金儲けが目的だろうけど、金儲けが目的であるからこそ
  メーカーはお金を支払うユーザーに対して、誠意を見せなければならないってことだな」




112 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/11 14:43:35.95 1BPDfJgmo 85/261

「もう一つ……newラブプラスについても、話さなければならないだろう」

「あー……はいはい、バグプラスね」

「こちらも詳細については省略するが、相次ぐ発売延期の末に、βテスト版のような未完成ソフトを発売してしまい
  期待して待っていたユーザーを失意の底へと叩き落とした、クソゲーと呼ぶのでさえ、他のクソゲーに失礼だという
  とんでも無いことをしでかしたソフトだ」

「当時の『カレシ』たちの発狂と憤怒の嵐は、恐怖を覚えるほどだったよ」

「一時は、ラブプラスというコンテンツ自体が終わるのではないか? とさえ言われるほどだったからな。
  『コナミはときメモ3での失敗を何も反省していない、それどころか酷くなっている』という、厳しい意見も多かった」

「ユーザー離れも、アイマス2の比じゃないほどらしいな」

「一応、追加データの配信で、各種バグの修正・動作の安定化・ゲームバランスの再調整などの救済措置はされているが
  怒り狂ったユーザーが、それで許すはずもなく、アンチ化したユーザーの一部が、今でもネットの各所で暴れている始末だ。
  2chの本スレなど、余りに酷いネガキャンや煽りに閉口してしまい『本スレでのアンチレスを禁止』してしまったほどだ」

「それはそれで、どうかと思うが……」

「『言語統制だ』という意見もあるが、少し不満を漏らしただけで、過剰に反応してしまう人たちから総攻撃される
  ほどだったから、結果的には良かったのかもな。ただ、肯定派と否定派で完全に分離してしまったようだか」

「なにもユーザー同士で喧嘩しなくてもいいだろ……」

「まぁ、それだけ酷かったってことさ。newラブプラスもそうだが、『こんなゲームで楽しめる奴は頭がおかしいだろ』
  などといった、何とか良いところを探して、ラブプラスというコンテンツを守ろうとしている人に対しての煽りもな」

「2chなんて所詮、便所の落書きの延長上だろうよ……何そんなに必死になってるんだよ両方とも」

「それを分かっていても、好きな物をボロクソに言われりゃ、気分を害するのは当然ってことだ。
  煽る側にしてみても『何で自分の意見に賛同してくれないんだ!?』って思いがあるんだろうな」

「何にしても、罪深いのはコナミってことか……」




113 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/11 14:48:50.87 1BPDfJgmo 86/261

「それと、ソーシャル化も問題になっているな」

「ああ、何か『カノジョ』の入れ替えを示唆する発言があったとか、なかったとか……」

「新キャラ自体、多くのユーザーが望んでいないのに、現在の三人が居なくなるかもしれないとあっては
  不安になるのも、忘れかけてた怒りがこみ上げてくるのも、当然のことだ。特に『姉ヶ崎寧々』のCVを担当している
  皆口裕子さんが、生活の場を海外に移したこともあり、入れ替えが真実味を帯びてしまっている」

「ああ、なんか留学したんだっけ?」

「>>1はラブプラスよりも、皆口さんのラジオが聴けなくなるのが残念で仕方なかったようだが……」

「んなモンどうでも良いわ」

「まぁ、それでなくても『ソーシャル化』自体に否定的なユーザーが多いしな。新規を取り込むという名目で
  既存ユーザーに対する配慮の『は』の字もないというのは、如何なものか」

「アイマスといい、ラブプラスといい、ヘビーユーザーに支えられた人気というのを
  メーカー側が理解してないんじゃないか? と、疑いたくなるな」

「どちらのケースも、メーカー側が人気の上に胡座をかいてしまったのが原因だな」

「それに、ソーシャルは俺たちみたいなゲーマーは、お呼びじゃないって感じだしな。
  そういうのが求められる時代なんだろうし、ソーシャルゲーム自体を否定するつもりはないが
  『本家で出した損失を、ソーシャルで補填しよう』という裏の狙いが見え隠れするのは頂けないな」

「まぁ、モバマスの方は好評みたいだけどな」

「ときメモon-lineの前例もあるし、やるんだったら、キッチリ丁寧に作った、クオリティの高い物にしてもらいたい。
  コナミはくれぐれも『ガチャ回させて、適当に儲かればいいや』などと考えないように! いやマジで」

「それ、お前というより、>>1の言いたいことだろ」




114 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/11 14:52:22.27 1BPDfJgmo 87/261

「さて、あまり悪いところばかり言うのもなんだし、これらのゲームの魅力について考えてみようか」

「一応フォローは入れるのな」

「ラブプラスはニンテンドックスの美少女版などと言われているな」

「まぁ実際、既存のゲームにあった要素を集めた感じだな。DSとの相性が良かったこともあって、完成度は高いけど」

「どちらかといえば、学生時代をやり直したい大人向けのゲームだな。パターン化しやすい会話や
  希薄になる学生生活感といった単調さもあるが、このエポックメイキング的な内容は高く評価できる」

「声優に名前を呼んでもらえるというのも、好評だったな」

「それは極地的な評価だけどな。まぁ>>1も皆口裕子さんに、自分の名前を呼んでもらえるという理由だけで
  購入に踏み切ったわけだが……」

「その情報、必要か?」




115 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/11 14:56:20.22 1BPDfJgmo 88/261

「次はアイドルマスターの魅力についてだが……」

「ああ」

「さっきも言ったが、>>1はアイマスは未プレイだ。少ない知識で、ゲーム自体の魅力を語るわけにはいくまい」

「知ったかで話してボロが出たら、目も当てられんからな」

「だから、これはあくまで俺の想像だが、キーワードは『アイドル』という響きだろう」

「響き?」

「今はAKB48のように、アイドルも『一山いくら』のバナナの叩き売り状態だが、やはり『アイドルという響き』自体には
  特別な意味合いが含まれていると思う。みんなの笑顔を自分一人だけの物に……というのは昭和の匂いがする要素だが
  それは王道中の王道ともいえる要素だ」

「まぁ、確かにちょっと惹かれるものはあるな」

「アイマスに恋愛要素があるのかは知らんが、新人アイドルと一緒に、トップアイドルを目指すという目的の
  『一緒に』という部分が重要なんだと思う」

「なるほど……つまり、このシチュエーションこそが魅力ということか」

「実際にプレイした人なら、もっと具体的に魅力を語れるんだろうが、俺にはこれが限度だ」

「適当なこと言って怒られるよりはいいさ」

「……そういえば、過去に似たようなコンセプトのゲームがあったな」

「ほう」

「プロデューサーじゃなくてマネージャーとしてだが、三人組のアイドルグループを、スターにするのが
  目的のゲームで……えーと、ちょっと待てよ? どこやったっけなぁ……」

「まさか、このダンボールの山、中に入ってるの全部ゲームか?」

「お、あったあった……これだ」



【ラサール石井のチャイルズクエスト】



「『誕生~Debut~』じゃねーのかよ!?」

「そんな、まともなゲームを、このスレでやる訳ないだろ?」

「真面目な話してたから『今回クソゲーはやらないかも』って、密かに期待していたんだぞ俺は!」

「そんなモン、ただ前フリに決まってるだろ。お前まだ分かってないのか?」

「チクショォォォ!!」




116 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/11 15:01:46.54 1BPDfJgmo 89/261

「では、クソゲーアカシックレコード第六回目を始めます」

「今から!? 今までのは何だったんだ!?」

「だから前フリだって。……さて、まずは『チャイルズってなぁに? それ美味しいの?』という人のために
  チャイルズについて説明します。『お笑いもできるアイドル』という触れ込みで、石井光三オフィスからデビューした
  三人組のアイドルで『笑っていいとも』のオープニングで、タモさんの後ろで歌っていた人たち、それがチャイルズです」

「よくバラエティー番組に出演している『磯野貴理子』さんが、かつて所属していたグループでもあります」

「あの人アイドルだったのか……」

「>>1も、このゲーム買うまで知らなかったようだ。そもそも、ラサール石井が主人公のゲームだと思ってたぐらいだし」

「『さんまの名探偵』的なゲームを期待していたのか……?」

「ゲームを始めると、お約束の名前入力画面になります。このゲームは『プレイヤー=主人公』なので
  デフォの名前はありません。なので今回も『あらまき』にしました」

「またかよ……荒巻さんすいません」


社長『おお、あらまき。選ばれしマネージャーよ、あんさんが来るのを待っとったで。ほな、早速行ってもらおうか?』


「社長の石井光三氏が、関西弁でまくし立ててきます。何がなにやら分からないのですが
  とにかく行かなければならないようです」

「どこに!?」

「わけが分からずポカーンとしていると、社長がラサール石井氏を呼び、状況を説明するよう促します。
  正直、『お前が説明しろよ!』と思いました」

「ラサール石井も一応出てくるのな……」


ラサール『どうも、私がラサール石井です。チャイルズクエストをお買い上げいただき、ありがとうございます』

ラサール『それでですね。荒巻さんは我が石井光三オフィスの新人マネージャーなんですよ』


「ラサール氏の話を要約すると以下のとおり……」


主人公(あらまき)は石井光三オフィスの新人マネージャー

・担当のタレントは『チャイルズ』

・パッとしないチャイルズを、どうにかスターに育ててほしい

・スターになったという基準として『ときおホール』でのコンサートを成功させるのが条件

・ときおホールは『スターのマイク』『スターのドレス』『スターの靴』の三つがなければ、中に入れてもらえない

・正直、このゲームもコケるかもしれない。でも荒巻さんが一本買ってくれたから、コケずにすむかもしれない


「こんな感じです」

「いろいろ言いたいことはあるが、とりあえず荒巻★さんはこのゲームを買ってないと思う」




117 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/11 15:06:20.82 1BPDfJgmo 90/261

「パッとしないアイドルをスターにしろとか、無理難題すぎるだろ。どう考えても新入社員に丸投げしたとしか思えんぞ。
  あと、言っときたいのが、その……ときおホールだっけ? スターのなんとかを持ってない奴には、会場を貸さないとか
  どんな殿様営業だよ」

「錦野旦だけはフリーパスなんだろうな」

「ああ『職業:スター』だからな……って、どうでもいいわ」

「そんなこんなで、ファンを増やすために、荒巻はチャイルズを連れて全国巡業の旅に出ます」

「呼び捨てにするなら、せめて片仮名表記にしろ! 荒巻さんホントすいません!」

「一見すると四人パーティーのように見えますが、戦闘に参加するのは主人公の荒巻だけで
  チャイルズは付いてくるだけです」

「まぁ仮にもアイドルだからな……って、戦闘!?」

「これRPGだから」

「タイトルからして、そうじゃないかと思ってたけどやっぱりか!」




118 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/11 15:09:14.65 1BPDfJgmo 91/261

「最初にチャイルズの簡単なプロフィールが紹介されます」


・久留龍子 あだ名はリン

生まれつき霊能力があり、三歳にしてイタコを目指す。天才的なボケ、小節の利いた歌が魅力。この子がハズせば笑いがとれる。

・磯野貴理子 あだ名はキリコ

生まれつき顔がデカく、二歳にして神童と呼ばれ、四歳にしてグレる。
一応リーダーの十九歳。妹は何故か二十歳。

・茂原裕子 あだ名はユウコ

生まれついての脂性。油で滑って幼稚園に通えず。一生懸命食べた豆腐のおかげで、なんとか小学校には通えた。


「これアイドルのプロフィールじゃねぇよ!! 最後ただの悪口だし!」


女優を目指し上京した三人。生まれつき小柄な彼女たちは、入団した劇団で訳も分からず隅で小さくなっていた。
ふと周りを見ると、自分と同じ境遇の人間が二人居ることに気づく。


『よう、寸足らず』
『あら、寸足らず』
『まあ、寸足らず』


たちまち意気投合した彼女たちは、三人組を結成する。


『名前は何にしようか?』
『私たち子供みたいだから、Childの複数形のChilsでどうかしら?』


こうしてアイドルグループ『チャイルズ』が結成されたのである。


この時、彼女たちはまだ知らなかった……






Childの複数形がChildrenだということを


「どうでもいいわ!! 何だこの意味不明な結成秘話は!?」




119 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/11 15:12:17.24 1BPDfJgmo 92/261

「各地を巡り、イベントホールでライブを成功させ、最終的に『ときおホール』でのイベントを大成功させれば
  スターになったと認めてもらえます」

「要するにドサ回りか……」

「しかし、ここで一つ問題が……ライブをやるにも、持ち歌がありません」

「悲惨すぎるだろ! それでどんなライブをやるつもりだ!?」

「そこで荒巻の出番です。このゲームでは敵と戦い勝利すると『人気』が増え『お小遣い』がもらえます」

「どんなシステム!?」

「この人気というのが、一般的なRPGでいうところの『経験値』です。フィールドを歩いていると
  エンカウントして、戦闘に突入します」


→よいしょ
  たえる
  どうぐ
  まほう
  にげる


「ああ……もの凄いボディクエ臭がするコマンドが……」

「勝利条件は主に二つ、『お下劣な言葉』『世界最低の言葉』などの、相手の悪口攻撃をひたすら耐えて
  ストレスを発散させるか、相手をヨイショし倒して、良い気分にさせるかのどちらかです」

「もう何のゲームなのか分からんぞ」

「とにかく、上機嫌になった相手は、そのままチャイルズのファンになり、荒巻にお小遣いまでくれます」

「そうやってファンを増やすのか? 地道すぎるだろこれ……」

「人気が増えるとレベルが上がり、一定のレベルに達すると、プロデューサーのラサール石井さんから連絡が入り
  持ち歌と、持ちネタが増えていきます」

「ラサールさんプロデューサーだったの!?」




120 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/11 15:14:59.36 1BPDfJgmo 93/261

「戦闘ですが、実に様々な敵が出てきます」

「例えば?」

「うん、まぁ……女子大生とか、ガードマンとか……」

「女子大生から、お小遣いもらう業界人ってどうなのよ?」

「プログラマーとか、御老体とか、中年男……あたりまでは良いんだが……」

「ん?」

「ザビエルヘアの『宣教師』とか、ホッケーマスクにチェーンソーの『スプラッター』とか……」

「急激に色物臭が酷くなったな」

「白無垢姿の『嫁入り狐』とか、全身真っ赤の『レッドスネーク』とか、何か全体的に黄色っぽい『忠犬8公』とか……」

「獣かよ!? んなモン、ファンにしてどうするんだ?」

「嘔吐物の『ゲロゲーロ』とか、野糞の『クサイム』とか……」

「人間じゃないどころか生物ですらない!? プライドねーのか、この主人公は!?」

「まぁとにかく、そういった敵を一生懸命ヨイショして、ファンを増やしていくわけだが……」

「ウンコがコンサートを見に来るアイドルとか、革新的すぎるわ!!」




121 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/11 15:17:29.57 1BPDfJgmo 94/261

「戦闘には参加しないチャイルズの三人ですが、それぞれ『不満度』というパラメーターが存在しています」

「いやな予感しかしないパラメーターだなオイ」

「敵の『太股を触る』などのセクハラ攻撃や、空腹・トイレを我慢などで上昇していき、100%になると……」

「うん」

「爆発します」

「何で!?」

「いや、怒りがね、怒りが爆発するの。こんな感じに」


『バッキャローーー!!! もう、仕事なんてやってられんわ!』


「まさかの仕事放棄!?」

「こうなると、強制的に事務所に戻され、社長に『タレントの管理もマネージャーの仕事やろうが!!』と怒られます」

「というか、ウンコにヘコヘコするのはマネージャーの仕事なのか?」

「ふてくされて地下室に引きこもってしまったチャイルズ。やたら部屋数の多い事務所の地下を
  一つ一つ探し回るハメになります」

「面倒な仕様だなコレ……」

「特に厄介なのが『尿意』です。突然トイレに行きたいと言い出すので
  ダンジョンの深部でコレをやられると、軽く心が折れます」

「一応、尿意を取り去る『かみおむつ』というアイテムも、あるのですが……」

「アイドルに紙オムツて」

「持ち物は六個までしか持てず、『毒のある言葉』をやられると、ほぼ100%毒を受け
  毒状態になると、まほうが使えなくなるので、解毒アイテムが必須となり、紙オムツを常備する余裕はありません」

「それと、関係ない話ですが、社長は『マネージャーの仕事』と言いますが、このゲームでお金を稼ぐ方法は
  『戦闘に勝利してお小遣いを貰う』『イベントを成功させてお捻りを貰う』のどちらかです」

「……それで?」

「給料が貰えないんだよ、仕事してるのに」

「言われてみれば確かに!!」

「経費の概念もないから『宿泊費』や『食事代』も、基本マネージャーの自腹だ」

「とんでもねぇブラック企業じゃねーか!」




122 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/11 15:20:42.67 1BPDfJgmo 95/261

「最初のうちはレストランでパンの耳(100円)でも食わせてやれば、機嫌も直るのですが……」

「みみっちいな……」

「だんだん贅沢になっていくし、不平不満を垂れ流し放題だしで、チャイルズがウザいです」

「ウザいとか言うなよ、一応アイドルだぞ?」

「ここのアイマススレのアイドル達のように、チャイルズが主人公に懐いてくれるなら
  まだ良いのですが、終始、文句を言うだけで、ただただ鬱陶しいだけの存在です」

「ずっと思ってたけど、チャイルズの扱い酷すぎるだろ! ついでに主人公の扱いも!」




123 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/11 15:22:02.50 1BPDfJgmo 96/261

「さて、全国巡業の旅を続ける荒巻とチャイルズですが、とある事情で、大海原へと出ることになります」

「へぇ……このゲーム、船が出てくるのか」

「いや、ないけど?」

「はぁ? じゃあ、どうするんだよ、泳げってか?」

「えちごらすという街に『洗濯オババ』という、タライで洗濯しているキャラが居てな。そのオババから……」

「まさかタライで大海原へ旅立つのか!? 自殺行為以外の何物でもないだろ!!」

「他に渡航手段がないんだから仕方ないだろ」

「せめてイカダとかカヌーとかにしとけよ……」

「しかし、このオババもタダでタライを譲ってくれるほど、甘くはありません。
  交換条件として『虹の石鹸』というアイテムを要求してきます」

「タライぐらいホームセンターで買えばいいだろ」

「ゲームシステムを根本から否定するな。……この虹の石鹸を入手するために
  今度は七つのオイルを手に入れる必要があり、オイル探しの旅が始まります」

「ああ、もう……昔のRPGにありがちな、お使いクエストじゃねーか……メンドくせぇ」




124 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/11 15:23:47.90 1BPDfJgmo 97/261

「全国巡業の旅を続けながら、七つのオイルを探す荒巻達。しかし、ここで問題が発生します」

「このゲーム自体が問題だらけだろ」

「七つのオイルの一つ『イエローオイル』の原料である『バナナの皮』を入手するのには
  国外の『ハワイ』に行かなければならないのです」

「バナナぐらい八百屋で買えよ! コンビニでさえ売ってるとこあるぞ!?」

「しかし、空港へ行ってもハワイ行きは満席で、飛行機に乗れません。そこで、チャイルズを『スター水泳大会』に出場させ
  優勝商品のハワイへの航空券を手に入れようと目論見ます」

「船はないのに飛行機はあるのか!?」

「水泳大会に出場するチャイルズ。裏方であるマネージャーの荒巻は、彼女たちを信じて見守るだけ……な訳がなく
  Aボタンを連打するミニゲームが始まります」

「やっぱり、こういうのがあるのかよ……」

「チャイルズの頑張りで、見事優勝を果たし、ハワイ行きの航空券を手に入れました……と、ここで気が付いたのですが
  優勝できたのは、チャイルズが頑張ったからではなく、俺が一生懸命、Aボタンを連打していたからです」

「お前、ホリコマンダー(連射パッド)使ってたじゃねーか」

「こいつら、俺が連打しないと泳ぎません。優勝できたのは完全に俺の力です」

「だからホリコマンダー……いや、良いけどさ、細かいことは」

「最初に言いましたが、このゲームは主人公=プレイヤーです。それはつまり、プレイヤー=主人公でもあります」

「はぁ……?」

「何が言いたいかというと『結局、頑張ったのはマネージャーの荒巻で
  チャイルズは何もやってないじゃねーか』と、いうことです」

「…………確かに」




125 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/11 15:27:00.90 1BPDfJgmo 98/261

「七つのオイルを揃えた荒巻たち。早速、石鹸屋に虹の石鹸を作ってもらい、オババのタライと交換します」

「タライ一つで、どんだけ手間かかるんだよ……」

「亀占いをしている男性に、捕まえた亀から引き剥がした亀の甲羅を渡し
  占いの結果の場所へと、タライを漕ぎ出します」

「ちょっと待てぇぇぇ!!」

「あん?」

「色々言いたいことがある! まず亀占いって何だ!?」

「さぁ? そういう占いがあるんだろ、知らんけど。
  豆腐占いのオバハンと比べれば、まだマシな方だろ?」

「そんな古い話、誰も覚えてねーよ! それと、亀から甲良を引き剥がすって何? グロいよ!」

「目的のためなら手段を選ばないのが、真のプロってモンだぜ、友よ……」

「何それっぽいこと言ってんだよ! 全然格好良くないからね!? そもそも、何を占ってもらったんだよ?」

「タライで大海原を走る荒巻たち、彼らはそこで小瓶を手に入れます」

「だから人の話を聞けよ!!」




126 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/11 15:29:18.06 1BPDfJgmo 99/261

「海で拾った小瓶ですが、中に入っていたのはなんと、子供時代のチャイルズの写真でした。
  彼女たちは、子供の頃も3人一緒だったのです」

「いや、ちょっと待て、おかしいだろ。劇団で初めて出会ったんじゃなかったのか?」

「その謎を解く鍵は、社長である石井光三に憎しみを抱く、謎の女性です。
  話すのを忘れてましたが、オイル探しの途中に、出てきました」

「キーキャラを忘れるなよ」

「彼女の口から語られる驚愕の真実、それは……」

「それは?」

「なんと、この女性こそがチャイルズたちの生みの親だったのです」

「えぇぇ!?」

「そして彼女が社長・石井光三を憎む理由……それは彼こそが、チャイルズたちの父親だからだったのだ」

「どんだけ斜め上な超展開!?」

「両親と血の繋がりはなく、事務所の社長こそが、実の父親だった……何という運命の悪戯なのだろうか……」

「何かもう、とんでも無いことになってきたな……」

「真実を知ったチャイルズたち……衝撃をうけた彼女たちは……」



『いや~ん、そうなの?』



「リアクション軽っ!!」




127 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/11 15:31:40.70 1BPDfJgmo 100/261

「まぁ当然ですが、コレはこのゲームだけの設定で
  実在の石井社長とチャイルズの間に血縁関係はありません」

「そりゃそうだわな。本当の話だったら、ネタにも出来ないだろ。スキャンダルにも程がある」

「さて、この後も旅を続ける荒巻一行……『おり・はるこ』という女性からオリハルコンを貰い
  マイク博士に『スターのマイク』を作ってもらいます」

「また駄洒落だよ!」

「全国の公会堂でのイベントを成功させ『スターのドレス』を入手。そして洞窟で『スターの靴』を拾います」

「靴だけなんか扱いが雑だぞ!?」

「スターグッズを揃えたチャイルズたち……いよいよ『ときおホール』へと殴り込みます」

「殴り込んでどうする!?」




128 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/11 15:33:17.10 1BPDfJgmo 101/261

「ここまで来たら、もう持ちネタも、持ち歌も充分すぎるほど揃っています
  それらを次々披露するチャイルズ。会場は大盛り上がりで、コンサートは大成功です」



『やった、やったわ!
 ついに私たちはスターになってしまっちゃったわ。
 ああ、夢みたい』



「まぁ本当に夢だったわけですが」

「まさかの夢オチ!?」

「いや、リアルの方のチャイルズのことな」

「言ってやるなよ、可哀想だろ……」




129 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/11 15:36:10.49 1BPDfJgmo 102/261

「チャイルズもスターになり、コレでめでたしめでたし、となるかと思いきや
  もう一仕事要求されます」

「はぁ……? これ以上、何しろってのよ?」

「チャイルズ曰く『スターになったんだからギャラを上げろ!』とのことです」

「知らんわ! 社長に言えよ!」

「そんなわけで、事務所に戻ってみると、何故かチャイルズのギャラ交渉で
  荒巻が石井光三社長と戦うことになります」

「何で!? ギャラの交渉くらい自分たちでやれよ!!」

「社長の世界最低のお下劣な言葉攻撃の威力に、窮地に立たされる荒巻。
  彼は最後の切り札、チャイルズたちの産みの母親の女性に貰った『過去の過ち』というアイテムを使います」

「また酷い名前だなオイ!」

「これに動揺した石井社長、悪口のキレが鈍ります」

「これ、よく考えたら、ただの脅迫じゃねーか!
  社長の弱み握ってギャラ脅し取るアイドルとか、どこの二時間ドラマだよ!?」




130 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/11 15:38:48.13 1BPDfJgmo 103/261


「最終的にストレス発散でスッキリした社長。チャイルズのギャラも上がり、今度こそゲームクリアです」

「石井社長の扱いも酷いな。殆ど化け物じゃねーか」

「しかし、荒巻への給料は最後まで支払われることはありませんでした」

「獣やゲロやウンコにさえ、ヘコヘコヨイショしてきたってのに報われねーなぁ……」

「そして、最後までチャイルズの三人が荒巻に懐くこともありませんでした。ただただ鬱陶しいだけのウザい連中です」

「この際、ハッキリ言わせてもらいますが、このゲーム、『チャイルズが嫌いに』なります」

「キャラゲーとして破綻してるじゃねーか。酷いなこれ……」




131 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/11 15:40:35.06 1BPDfJgmo 104/261


「まぁこんな感じだったわけだが……」

「メーカーも、アイドルをスターダムに押し上げるというコンセプトも、同じなはずなのに
  何故アイマスとこれほどの差があるのか」

「AKBをフりまくるとかいうクソゲーがあったけど、昔からしょーもないジャンルだったんだな
  アイドルのゲームってのは……」

「キャラゲーの酷さについては、前にも話したけど、それが実在のアイドルのゲームともなれば、最早これモンよ」

「だから『誕生』にしとけって言ったんだよ」

「えー……これやるのかぁ?」


ttp://up3.viploader.net/game/i/vlgame063910.jpg


「ハッカーじゃねーか! 何で持ってるんだよこんなモン!!」


ttp://up3.viploader.net/game/src/vlgame063911.jpg


「二つ並べてみると、微妙な空気が増幅されるな」

「本物持ってるならそっちやれよ!! あと、ボディクエとか回りの余計なものは何だ!?」




132 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/11 15:44:57.99 1BPDfJgmo 105/261


「お笑いがメインだったとはいえ、アイドルのゲームとは思えん内容だったな」

「ラサール石井もパスワード発行ぐらいでしか、出番なかったな」

「まぁ、ゲームとしては割と丁寧に作られてるし
  この小ネタ満載の空気が受け入れられる人なら、そこそこ楽しめるだろう」

「小ネタしかないから、大笑いできるような内容じゃないけどな」

「折角なので、次回は『ゲームとしても終わっている』アイドルゲームを紹介しようと思います」

「何がどう折角!? まだこのネタ引っ張るつもりか!?」

「では、今回はここまで。またお会いしましょう、さようなら」

「……にしてもAV誕生は酷いな。どこぞのパロAVじゃないんだから」



【ラサール石井のチャイルズクエスト】 制作・販売:ナムコ 機種:ファミリーコンピュータ 発売日:1989年6月23日
1365435954-132

135 : ◆zEKaa6cD2E[sag... - 2013/05/17 23:50:52.12 dc1QB3oco 106/261


「やあ、みなさん。クソゲー研究室へようこそ。
  …………よーーおっこっそーーここへー遊ぉぼーうよクソゲー♪」

「何の歌だ!? ジャ○ラック来るからやめろ!!」

「ということで、今回のゲームはこれです」



【光GENJI ローラーパニック】



「……前回のチャイルズに比べて、随分とまぁメジャーアイドルになったな」

「実在のチャイルズはアレな感じだったけど、こっちは本当にスーパースターだった人たちだ。
  まぁ、若い子は知らないだろうから『忍たま乱太郎の主題歌を歌ってた人たち』と覚えといてください」

「そんな説明でいいのか? だいたい『100%勇気』はSuper 5の歌じゃねーか」




136 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/17 23:53:15.33 dc1QB3oco 107/261


「今回、紹介するにあたって、ちょっとした問題が発生しました」

「むしろ、問題がなかったことがあったか?」

「このゲームはディスクシステム用なのですが、>>1も流石にハードを所持していません」

「ソフトの方もないけどな」

「なので、今回は>>1の記憶だけが頼りです」

「つーか、今までだって似たようなモンだったじゃねーか」

「さて、タイトル画面は光GENJIのメンバーが右から一人ずつ、ローラースケートで滑ってきます。
  右手にマイクを持ち、左手は開いて高く上げている、よく分からない決めポーズです。七人全員が」

「スルーしろそんなモン」

「まずはお約束の名前入力ですが、主人公のプロフィールを細かく設定できます」

「というと?」

「まずは性別。男か女かを選ぶことが出来ます」

「ふんふん」

「そして生年月日。生まれた年と誕生日を設定できます」

「なるほどなるほど」

「さらに血液型まで選ぶことが出来ます」

「ギャルゲー並だな」

「しかしこれ、特に意味はありません。生年月日に応じて顔グラが変わるわけでもなく、あくまで『細かく設定できるだけ』です」

「そうじゃないかと思ったよ……さすがクソゲーだな」




137 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/17 23:56:18.53 dc1QB3oco 108/261


「今回も名前はあらまき……でもいいのですが、主人公はジャニーズのファンという設定なので
  女の子にしようと思います」

「もういい加減、荒巻さんに失礼だからな。良い判断だ」

「性別は女、名前は『ひろゆこ』にします」

「もっと駄目だろ!? ひろゆきさん男だし!」

「物語は主人公の住む街で、初めて行われる光GENJIのコンサート当日から始まります。
  開演待ちのファンの熱気が高まる会場前……今か今かと待ちわびる大勢の人々……」

「しかし、開演時間が過ぎても扉は開かれず、不審に思ったファンがザワめき出します」

「……何かトラブルか?」

「そこに現れる光GENJIのメンバー。彼らの口から信じられない言葉が発せられます」


『僕たちのローラースケートが盗まれた! 取り戻さないと、この街でコンサートが出来ない!!
 誰か僕たちのスケートを取り戻してくれ!』


「いや、ちょっと待て。何だこれ? 何からツッコめばいいんだ?」

「順番にどうぞ」

「じゃあ、最初に……ローラースケートが盗まれたってお前、知らねーよ警察行けよ。
  それと、取り戻さないとコンサートが出来ないってな、予備のスケートぐらい用意しとけよ、壊れたらどうする気だったんだよ?
  あと何? スケートを取り戻してくれだぁ? それこそ警察に言えよ。少なくとも、コンサート観に来た客に頼むことじゃねーだろ」

「まぁこの様に、ツッコみどころが満載の意味不明なお願いをされたわけですが
  『何言ってるんだコイツら?』と思う間もなく、突如ナレーションが入ります」


『大変だ。このままではコンサートが中止になってしまう。一刻も早くスケートを取り戻さなくては
 犯人は必ずこの街にいる、光GENJIと協力して犯人を見つけよう』


「コイツらに『新しいスケートを買いに行く』という発想はないのか?」




138 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/17 23:59:38.70 dc1QB3oco 109/261


「こうして何やかんやあって、光GENJIと一緒に犯人を捜すことになった、ひろゆこは……」

「ちょ、待て! 何やかんやで済ますな、ちゃんと説明しろよ!」

「説明って?」

「だから、大勢のファンの中から、何で主人公が選ばれたのかとか、色々あるだろ?」

「……無い」

「へ?」

「無いんだよ、その辺の説明が一切」

「はぁ!?」

「最初に光GENJIのメンバーの中から、一人を選ぶんだけど
  選んだメンバーと二人、何の説明もなしに街に放り出されるんだ」

「手抜きじゃねーか! そこはちゃんとやらないと駄目だろ!?」

「しかも、この街というのが、一画面に収まるサイズで、建物も十数軒しか建っていない。
  民家に到っては主人公の自宅しかない始末だ」

「じゃあ『大勢のファン』はどこから来たんだ!?」

「自宅には主人公の母親が居るのだが、この母親に笑顔か何かを見せたら『アホの子ーーーー!!』と叫ばれた記憶がある」

「自分の娘をアホの子呼ばわりするな!!」

「まぁとにかく、街を歩き回って犯人の手がかりを探すわけだが……」

「アイドルゲーなのに、感情移入できる要素が一つもないんだけど? このゲーム大丈夫なのか?」




139 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/18 00:03:15.58 Zn7KIyzoo 110/261


「ボタンを連打してたら、いつの間にか『内海くん』を選んでいたので、内海くんと聞き込みを始めます」

「まぁ別に誰でも良いけどよ」

「推理アドベンチャーだと『聞く』・『見せる』などのコマンドが出ますが、このゲームは一風変わっていて
  光GENJIの台詞がコマンドになっています」

「はぁ? 意味が分からん」

「つまり、こういうことです」


-うちうみ-

→きいてみれば?
  みせてみれば?
  あげてみれば?


「軽っ! というか、やる気ねーだろコイツ!」

「このゲーム、光GENJIも『コレ』ですが、街の人たちも『アレ』でロクなことを話してくれません。
  コンサートホールにいる、ディレクターだったかマネージャーだったかなどは、関係者でありながら、全く協力的ではなく
  しかも、ひろゆこが逆立ちを披露すると『うっひょー! イチゴパンツ!!』と奇声を上げます」

「ディレクターの反応もアレだが、何故、逆立ちを披露する必要があった!?」




140 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/18 00:07:45.04 Zn7KIyzoo 111/261


「他にも『見せてみれば? → 太股』といった、お色気攻撃らしきコマンドがあります」

「主人公を男にした場合は、どうなるのか気になってきた……」

「さて、街のキチ○イ連中に根気強く聞き込みを続けると、少しずつ有力な証言が集まってきます」

「キ○ガイは言い過ぎだろ、確かにちょっと、頭おかしいけど」


・不良少年たちが悪戯で学校の窓ガラスを割った
・駅のホームでゴミを巻き散らかしていった不良少年たちがいた
・不良少年たちがコンビニの前で騒いでいた


「……などの証言です」

「いわゆるDQNだな」

「さらに、いずれの証言でも『ローラースケートを履いていた』と言うのです」

「決まりじゃねーか、犯人そいつらか」

「街を歩き回るひろゆこ・内海の二人、彼らはついに犯人を追いつめます!」



オッサン『私が犯人だよ。スケートを返すよ』



「少年どこ行ったぁぁぁぁぁ!?」

「散々、ローラースケートを履いた不良グループをアピールしておきながら、犯人は何と中年男性でした。
  内海くんは『ありがとう!』と、爽やかに笑い、コンサートホールへと戻っていきます」

「ありがとうじゃねーよ! 警察はどうした警察は!? 犯人ほったらかしかよ!?」

「犯行の動機も何もかも不明のまま、事件は解決しました。そして、ゲームは第二段階へと進みます」

「は!? まだ何かあるのか!?」



『次のパートナーを選ぼう』



「次って何だ!? もう犯人見つかったろ!」

「友よ、光GENJIは何人組だ?」

「え? そりゃ七人……って、オイまさか!?」

「そう、あと六回、この行程を繰り返さないとクリアできません」

「コレをあと六回も!? 何それ? 犯人も七人居るってこと?」

「いや、全部さっきのオッサンだけど?」

「なら一遍に返せよ!! 何故七回に分ける!?」

「七つ子のオッサンなんだろ」

「いるかそんな奴! おそ松くんじゃないんだぞ!?」




141 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/18 00:12:41.36 Zn7KIyzoo 112/261


「ついに全てのローラースケートを取り戻したひろゆこ……光GENJIのコンサートが始まります」

「つ、疲れた……もうコンサートとか、どうでも良いから、家にかえって眠りたい……」

「取り戻したローラースケートを履いた光GENJIのメンバーが、右から一人ずつ登場します
  右手にマイクを握り、左手を突き上げた決めポーズで」

「オープニングと全く同じじゃねーか!! どんだけ手抜きすれば気が済むんだよ!?」

「感動のエンディングだな、涙が止まらねぇよ」

「ある意味泣けるけどさ……」




143 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/18 00:15:53.04 Zn7KIyzoo 113/261


「どれだけボロクソに言われているクソゲーでも、一つぐらいは良いところがあるものです。
  しかし、ローラーパニックは本当に良いところが一つもありません。ある意味、激レアです」

「今回、酷すぎるだろ……。これならボディクエの方がまだマシだぞ」

「光GENJIのファンがメインターゲット(それ以外に需要があるのかは置いといて)なので
  犯人を捜しながら『光GENJIとデート気分が楽しめる』というなら、まだ分かりますが、光GENJIは基本的に
  『聞いてみれば?』『見せてみれば?』『あげてみれば?』の三つしか喋らないので、全くそんな気分にはなれません」

「ローラースケートの盗難とかやらないで、単純に光GENJIとデートができるゲームにした方が良かったんじゃないのか?」

「何より問題なのは光GENJIの『顔グラが似ていない』ということです」

「致命的じゃねーか、ユーザーを楽しませる気ないだろコレ」




144 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/18 00:18:38.64 Zn7KIyzoo 114/261


「ただ、光GENJIのファン層を考えると、この程度で充分なのかもしれない」

「……というと?」

「ケータイ小説が流行っていた頃に、あるサイトで『男性と女性の物語の楽しみ方の違い』について考察されていたのだが
  『物語の世界に行きたい』のが男なら、『物語の出来事が現実に起こってほしい』のが女なんだそうだ」

「はぁ……?」

「簡単に言うと、男性はキャラクターに感情移入、もっと言えば自己投影して『物語の世界』を楽しむのだが
  女性は物語の中で起こった事件や出来事が、もし自分の回りで起きたら……と空想して楽しむらしい」

「一概には言い切れないと思うけどなぁ」

「女にとって一番重要なのは『シチュエーション』なんだそうだ。ケータイ小説は『どれも似たり寄ったりな話ばかり』と言われていたが
  それもそのはずで『シチュエーションさえ提供してくれれば、妄想を膨らまして、勝手に盛り上がれる。』それが女性の物語の楽しみ方らしい」

「よく分からんけど、もの凄い失礼なことを言ってるような気がするぞ……」

「『自分が主人公の立場ならどうするか?』というのを考えながら読むのが男性なら、女性は『自分の回りでこんなことが起きたら……』
  というのを想像しながら読むそうだ。つまり男は『人物』を重要視する傾向にあり、女は『状況』を重要視する傾向があるってことだな」

「で、ローラーパニックはスケートを盗んだ犯人を、光GENJIと『一緒に』捜すという設定だ。
  ゲームの出来とか、ストーリー性とかは、どうでもよくて『光GENJIと行動を共にする』というシチュエーションさえあれば、もうそれだけで良いのだろう」

「なら、やっぱりスケート盗難のクダリは、いらないじゃねーか」

「俺は男だからよく分からんけど、スケートを盗まれて困ってる光GENJIのために
  『犯人を捜してあげる』というのが、母性本能を擽る要素なのかもしれないな」

「こんなので満たされる母性なんて、犬にでも喰わせてしまえ」




145 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/18 00:25:15.68 Zn7KIyzoo 115/261


「まぁこんな手抜きのクソゲーでも、妄想力でカバーして楽しんで、本人が満足できるなら
  それで良いんじゃないか? メーカーも儲かって万々歳だろ」

「とてもじゃないが、妄想でカバーできる範囲を逸脱しすぎていると思うぞ……」

「実際、売り上げはイマイチだったらしい……」

「駄目じゃん!」



※※※



「今まで紹介してきたゲームの中でも、特にクオリティの低い作品だったな」

「手抜きどころか、片手間で適当に作ったようなゲームだな。これで3,200円はボリすぎだろ……。
  もし俺が光GENJIのメンバーだったら、責任者の首を締め上げてるところだ」

「クソゲー四天王の最後の一枠は『アイドルゲー』に決定だな」

「別に決めなくていいって……だが、異議はない」

「……といったところで、第七回目は終わりです。またお会いしましょう。さようなら」

「ここまで酷いクソゲーを作ったメーカーが、未だにゲーム業界から撤退してないというのが恐ろしいな」




【光GENJI ローラーパニック】 制作・販売:ポニーキャニオン 機種:ディスクシステム 発売日:1989年3月20日
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150 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/22 01:22:51.64 IOKTDk76o 116/261


「クククックククックッソゲーム クククッ腐ったクソゲーム♪」

「また替え歌かよ。何? ハマってるの?」

「勇者王ガオガイガーの替え歌の『版権王ディ○ニーランド』の替え歌で始まりました、
  クソゲーアカシックレコード第八回目です」

「ややこしいな……。っていうか、版権王ディズ○ーランドって何だ?」

「ネズミの国が、版権にウルサすぎるというのを皮肉った歌だ」

「誰が作ったんだよ、そんな歌……」

「で、何故こんな歌を歌ったかというと……今回のゲームがコレだからです」



【お絵かきパズルバトル! 勇者王ガオガイガー編】




「……お絵かきパズル?」

「早い話が『ロジックパズル』だな。内容に触れなかったフロポン君はノーカウントとして、このスレ初のパズルゲーだ」

「ロジックねぇ……版権作品を無理矢理くっつけたってヤツか……」

「FC時代にバンダイが築き上げた『キャラゲー=クソゲー』のイメージを地で行くようなゲームだな」

「正直、こういうのはキャラゲーですらないと思う」




151 : ◆zEKaa6cD2E[sag... - 2013/05/22 01:27:03.51 IOKTDk76o 117/261


「パッケージ裏面を見ると『パズルの数はなんと120!』と書かれてます」

「多いのか少ないのか微妙なラインだな」

「ちなみにコレ、DS用カードリッジなんですが、GB時代に任天堂が発売した『マリオのピクロス』でさえ全256問です」

「半分以下かよ。なに自慢げにしてるんだこのメーカーは」

「問題数は少ないのですが、難易度が高いので、意外と長く遊べます。
  ……さて、折角だからコレは友にやってもらおうか」

「は? 俺がやるの? まぁ別に良いけどよ……言っとくけど俺、ロジックはちょっと得意だぜ?」

「言ったな? じゃあ、実力を見せてもらおうじゃないか」

「任せとけ、パパッと終わらすから。
  えーと、縦が3・2・3で横が2・4・2だから……ここは空白だな……って、あれ?」

「どうした?」

「コレ、どうやって×印つけるんだ? どのボタン押しても反応ないんだけど……」

「ああ、つけれないよ」

「え?」

「最初からないんだよ、×つける機能が」

「はぁ!? それはないと駄目だろ! じゃあどうやって……って、まさか難易度が高いってそういう意味か!?」

「さぁ、パパッと終わらせてもらおうじゃないか」

「…………騙された」




152 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/22 01:30:00.32 IOKTDk76o 118/261


「えーと……ここがこうで、こっちがこうだから……あれ? 違うな……じゃあ、こっちが……」

「どうした友、まだ一問も解けてないじゃないか? 得意なんだろ?」

「うっせぇ! くっそー……×つけられないだけで、こんなに難しくなるとは……」

「失って初めて大切さに気づいたってヤツだな」

「そんな、どこぞのヒット曲みたいなロマンティックなモンじゃねーよ。
  ……駄目だこりゃ、紙にメモ取ろう」

「世の中、やれ電子書籍だ、やれ新聞はタブレットで読む時代だのと言われているが
  これで紙資源がどれだけ大切か分かったろ?」

「むしろ紙資源を無駄にしてるだろ! DSの意味ねーし!」




153 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/22 01:33:27.67 IOKTDk76o 119/261


「ところで男」

「ん?」

「タイトルの『パズルバトル』って何だ? 今のところバトルの要素ねーんだけど」

「ああ、それか……。問題を解くと『カード』がもらえるんだよ。で、それを集めると『カードバトル』が出来るようになるんだ」

「パズルバトルじゃなくて、パズルとバトルなの!?
  というか、カードバトルって……無駄なモン入れやがって。そんなのいらないから、その分、問題数を多くしろよ」

「で、このカードバトルってのが、また曲者でな。一人じゃ遊べないんだよ」

「は?」

「COM戦モードがないんだ」

「対戦専用!? 二本買えってか!?」

「本体も二台必要だな」

「練習すら出来ないって酷いな……」

「俺もやったことないから、どんな内容なのか分からん」

「せめてWI-FI対戦ぐらいつけとけよ……」

「仮にWI-FIに対応してたとしても、やっぱり対戦は難しいだろうな」

「何で?」

「このゲームの売り上げな……千本未満らしい」

「…………何も言えねぇ」




154 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/22 01:36:35.91 IOKTDk76o 120/261


「そんな訳で、このスレ初のパズルゲーだったわけですが……」

「もう、何だろうな……苦労して問題解いても、ガオガイガーと何も関係ない絵だし
  言われてみれば、そう見えなくもないって絵が多いし……」

「キャラゲーとしても、パズルゲーとしても、駄目なゲームだな」

「つーか、今回やたら短いな。中身スッカスカすぎるだろ、このゲーム……」

「ん? じゃあ、もう一本やるか?」

「いや、それは遠慮しておく」

「遠慮するな。ちょうど中身スッカスカなゲームが、もう一つあるんだよ」

「やらなくて良いっつの!!」




155 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/22 01:40:06.77 IOKTDk76o 121/261


「じゃ、俺のPSP取ってくれ」

「やるのかよ……ったく、ほれ」つPSP

「さてと、まずはゲームを起動して、PSPをテーブルの上に置きます」

「何故テーブルの上に!?」

「画面左側のルーレットが回るので、止まるまで待ちます」

「……止まったぞ?」

「手の形が書かれていて、指が一本だけ赤くなっています。この場合、人差し指です」

「ああ」

「で、マスの色は緑なので、右側の4×4のマスの内、緑のマスの一つに人差し指を置きます。ほれ、指置けよ」

「はぁ……? 液晶に指紋ついて汚れねーか?」

「いいから、置けよ」

「はいはい……で?」

「ボタンを押すと、またルーレットが回ります……今度は黄色に親指だな」

「親指を黄色のマスに置けばいいのか?」

「いや、今回は俺の番だ……で、ボタンを押すと、またルーレットが回るので、コレを繰り返します」

「……って、オイ。どっかで見たことあると思ったら、お前コレ『ツイスター』じゃねーか!!」

「そのとおり。オモチャ屋で普通に売られているのに、何故か『おぢさん趣味丸出しのエロアイテム』として認識されていて
  イメージビデオ(という名のエロビデオ)でもお馴染みのツイスターゲームの指版だ」

「野郎二人でツイスターやって何が楽しいんだよ!?」

「お? 何だ? じゃあ、またマミちゃんでも呼ぶか?」

「呼ばなくていいよ!!」

「あ、お前は杏子ちゃんのほうが好みだった?」

「そういう問題じゃねーよ!! 大体コレ、タッチパネルでもないのに、どうやって勝ち負け判定するんだよ!?」

「あ? そんなモン自己申告に決まってるだろ」

「PSPでやる意味は何だ!? 紙に書いて鉛筆転がせば事足りるじゃねーか!!」




156 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/22 01:45:41.40 IOKTDk76o 122/261


「今回は、このデジタル時代に紙媒体がなくならない理由について、お話してきたわけですが……」

「どこにそんな要素があった!? 紙を無駄遣いしただけじゃねーか!」

「そうとは言い切れないだろ、紙は紙でもチラシの裏を使ったとしたらどうよ?
  TVで『私はエコに取り組んでます』アピールのウザい芸能人が大好きな、リサイクルじゃねーか」

「それはリサイクルなのか? あと、不特定多数の著名人を同時攻撃するのはやめろ」

「それだけ、便乗して好感度上げようとする、浅ましい芸能人が多いってことだよ。
  高木○保とか、吉瀬○智子とか、久○純子とか……」

「ピンポイントで攻撃するのは、もっと駄目だろ!!」



※※※



「話を戻すが、キャラゲーでも、売れないのは売れないんだな」

「ガオガイガー自体、ガンダムやエヴァと比べると、そこまで人気があったわけでもないしな。
  にしたって、千本未満は酷すぎるが……」

「比較対象が悪すぎるって、勇者シリーズは人気作だし、ちゃんとしたのを作れば、売れると思うぞ?
  ……パズルゲー意外なら」

「いい加減もう、各メーカーは、らき☆すたの計算ドリルとか、エヴァの麻雀とか、作品と何の脈絡もない物を
  無理矢理くっつけたゲーム作るの、やめようぜ……」

「買う人がいるから、この手のゲームがなくならないってのも、また事実だけどな。
  ……では、今回はここまで。またお会いしましょう。さようなら」

「ところで、PSPのやつは、タイトル紹介してないけど、いいのか?」





【お絵かきパズルバトル! 勇者王ガオガイガー編】 製作・販売:サンライズインタラクティブ 機種:ニンテンドーDS 発売日:2005年12月8日
1365435954-156

162 : ◆zEKaa6cD2E[sag... - 2013/05/29 00:54:47.04 EcDTgTOvo 123/261


「友よ……ここに一本の矢がある」

「はぁ……?」

「一本だと簡単に折れてしまうが、この様に三本重ねると、中々折れない」

「…………で?」

「そして、ここに一本のクソゲーがある」

「ワゴンセール品の売れ残りだけど、三本買えば『どれか一本ぐらいは当たりだろう』という甘い考えで購入してしまうと
  全部外れで『こんなことなら新作の面白いゲーム買っとけば良かった』と後悔することに……」

「何の話だ!?」



※※※



「と、いうことで第九回目は『三本のクソゲー』をお送りします」

「いや、意味わかんねーよ」

「ぶっちゃけアレだ、アベノミクスに便乗しようってことだ」

「便乗も何も、ただ単にクソゲーを三つやるだけだろ」

「で、今回は三本のロボットゲーでいくから」

「ロボットとアベノミクスに何の関係がある!?」




163 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/29 00:57:20.54 EcDTgTOvo 124/261


「最初のロボットはコレです」



【先行者】



「先行者のゲームがあるのか!?」

「もちろん冗談だ」

「お前なぁ……」

「まぁJavaゲーであるにはあるけどな」

「マジであるの!?」

「URL貼っとくので、興味のある方はどうぞ」

ttp://www.hinden5.com/senkousha/




164 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/29 00:59:59.70 EcDTgTOvo 125/261


「さて、第一の矢はコレです」



【ラブアンドデストロイ】



「……これはまた、ド直球なタイトルだな」

「ロボットアクション+恋愛とのことです。別ジャンルに無理矢理、恋愛要素をプラスした、というアレですね」

「90年代末期は特に多かったよな、こういうの……」

「ストーリーとしては、突然現れた謎の生命体が、街を破壊し、人々が逃げまどう中、これまた突然現れた
  三人の美少女たちと出会った主人公が、何故か知らんが、バトルポッドという巨大ロボットに乗って戦う……という感じです」

「随分と投げやりな説明だな……」

「主人公が搭乗する理由は当然の如く不明で、詳しい説明は一切されません。
  『素質があるのは君だけ』というお約束の台詞で、お茶を濁す始末です」

「ありがちすぎて、逆に新鮮に思えてきた」




165 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/29 01:02:52.41 EcDTgTOvo 126/261


「戦闘パートですが、視界が狭く、どこから攻撃されてるのか分からない内に、やられることが多いです。
  右スティックで移動、左スティックで標準と視点の移動と、FPSっぽい操作性で、ロボットゲーなのにロックオンが出来ません。
  全体的にクセが強いので、慣れが必要になります」

「ただ、慣れてしまえば思い通りに動いてくれるので、戦闘が俄然面白くなってきます」

「お、珍しく高評価だな」

「しかし、ここで『あれ? このゲーム面白いんじゃね?』と思ってしまうのが、最大の罠です」

「上げて落としてきたか……」

「このゲームには三人のヒロインがいて、誰をパートナーに選ぶかによって、機体の性能が大きく変化します。
  この性能差が、あまりにも激しすぎ、接近タイプなどは『これでクリアできる奴、本当にいるのか?』という鬼畜難度です」

「ちなみにヒロインはツンデレ・おっとり・ロリの三タイプいます」

「適当すぎるだろ……ちゃんと説明しろよ」




166 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/29 01:06:51.57 EcDTgTOvo 127/261


「ストーリーを、もう少し詳しく説明すると、人間の負の感情を吸収し、増殖と巨大化を繰り返す『ジャム』と呼ばれる生命体との
  戦いに敗れた人類は、対ジャム用に開発された『S.E.E.D.エネルギー』を搭載したS.E.E.D.兵器『バトルポッド』と
  三体のS.E.E.D.エネルギーチャージ用ナビゲーターアンドロイド『Q-TRON』を、ジャムが現れる前の過去へと送り
  歴史を変える計画を実行に移します」

「えーと……S.E.E.Dって何だ?」

「人間が『互いを思いやる気持ち』だとよ。要するにアレだ、愛だよ愛」

「出たよ愛の力()。死んだ仲間が生き返っても、悪党が急に改心しても、全部愛の力()で片づくから
  MasterCardより便利だな、愛ってやつはよ」

「まぁそういうコンセプトのゲームだし、大目に見てやれよ。……で、愛の力()を集めるために
  このQ-TRONたちとの絆を育むのが重要となり……ぶっちゃけ、好感度を上げていきます」

「しかし、この『恋愛』の部分がやっつけで、好感度を上げても、ストーリーが変化するわけでもなく
  ちょっとムービーが長くなるだけです。さらに、全体的に説明不足で、ストーリーが意味不明です」

「本当に取って付けたような恋愛要素だな……」

「最初の戦闘が終わると、電脳空間での戦闘訓練が始まるのですが
  数回の訓練の直後に最終決戦が始まります」

「早っ!! 実践は二回しかないのかよ!?」

「某漫画風にいうと『圧倒的ボリューム不足っ……!』です。壮大なストーリーを予感させておきながら
  あまりに短すぎます。もう全部言いますが、最終的にジャムを倒すことで、タイムパラドックス(時間の逆説)が発生し
  Q-TRONたちは消滅してしまいます」

「バッドエンドしかないの!? 恋愛と謳っておきながら?」

「ムービーがブツ切り気味で、説明不足なせいで、俺はエンディングの意味を理解するのに一週間かかりました。
  ハッキリ言って『こんなのなら恋愛要素はいらなかった』というのが、正直なところです」

「全否定かよ!!」

「恋愛を前面に押し出しておきながら、その恋愛の部分が、適当すぎるのと、ステージの大半が戦闘訓練という
  これのスタッフは『何も分かっていない』と言わざるを得ない、非常に残念なゲームです」

「アクション部分の出来が良いだけに勿体ないな……」

「まぁ、そのアクション部分も、あと一工夫ほしいとこだけどな。それと戦闘中にQ-TRONが、ナビゲーションしてくれるんだけど
  自動的に指示を出してくれるんじゃなくて、自分から話しかけないと喋ってくれないし」

「それナビじゃねーよ! ただの『会話』だよ!」

「しかもその内容が『目標をロストしました』という『見りゃわかるよ!』と言いたくなる適当なものだったり
  『体調にも気を使ってくださいね』という『それは今言う必要があるのか!?』と、若干イラッとする意味不明なものだったりで
  とにかく、このナビ機能必要か? と疑問を感じるやっつけっぷりだ」

「少なくとも無理して使う必要はないな……」

「話しかけなかったら、好感度が上がらない素敵仕様だから、シカトできないんだけどな」

「今分かった。ロボアクションに恋愛要素は邪魔なだけだ」




167 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/29 01:11:37.91 EcDTgTOvo 128/261


「さて、続いて第二の矢です」



【ライズ・オブ・ザ・ロボット2】



「また謎のナンバリング作品か……」

「SFCで発売された同名作品の第二段です。開発は海外メーカーで、いわゆる『洋ゲー』ですね」

「いやな予感しかしねーわ」

「ジャンルは格闘アクションで、コマンドタイプの格ゲーです。一応、レンダリングCGが使われています」

「レンダリング……ああ、『スーパードンキーコング』のアレか」

「3Dモデルを2Dに落とし込むことで、低性能のハードでも、滑らかにキャラを動かすことが出来るという技術です。
  しかし、何をどう間違ったのか分かりませんが、このゲームはレンダリングCGを使っているにも関わらず
  動きがガタガタです」

「意味ねーなオイ!」




168 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/29 01:14:58.51 EcDTgTOvo 129/261


「使用できるキャラは18体です。コマンド入力で追加される隠しキャラもいます」

「ほう、結構多いな」

「必殺技の『スペシャル攻撃』は跳び道具・無敵対空など、格ゲーの基本的な技が一通り揃っています」

「思ったより、まともな感じだな」

「それ以外にも、当たり判定が異常に長いサンダー攻撃や、理不尽なガード不能技など、実に多種多様です」

「バランス悪なオイ!」

「ケージを溜めて使う『スーパースペシャル攻撃』や『ターミネーション攻撃』などもあります」

「スーパースペシャル攻撃は『スーパーコンボ』とか『超必殺技』的なヤツだろうけど……
  ターミネーション攻撃ってのは何だ?」

「相手を倒したあとに、コマンドを入力すると、バラバラに粉砕することが出来るんだ。更に跳び道具を奪うことが出来る……らしい」

「モータルコンバットのフェイタリティみたいなモンか……『らしい』って?」

「コマンド知らないから、やったことないんだよ」

「……説明書を読めよ」

「書いてねーんだよ、ターミネーションのコマンドも、スーパースペシャルのコマンドも」

「何で!?」

「お前、言っとくけど、スペシャル攻撃のコマンドですら、二つしか書いてねーからな?
  その上『経験によって発見していく秘密です!』とかいう無茶振りしてくる始末だぞ?」

「酷いなオイ! いや、昔の格ゲーって、そんな感じだったけど!?」




169 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/29 01:20:46.59 EcDTgTOvo 130/261


「さて、洋ゲーといえば、説明書がおかしいことが多々あるのですが……このゲームもやっぱり期待に応えてくれました」

「何を期待してたんだ何を!? そんな楽しみ方する奴、お前だけだよ!」

「特にストーリーが凄い。なんと、五頁に渡って書かれています」

「無駄に長いな! 昔のSTGより長いじゃねーか!」

「しかし、翻訳が適当というか、エキサイト翻訳にかけた文章を、そのまま掲載しているかのような、回りくどさで
  何を言ってるのか全く分かりません」

「ストーリー自体が無駄だった!!」

「更にキャラクター解説も素敵です。特に『スイクワン』という侍っぽいロボットなどは
  『このロボットのプロトタイプは、任務に失敗すると、ハラキリを行うことで、知られてきました』という、いかにも洋ゲーらしい
  『間違った日本観』がタップリと込められています」

「あえて言うが、そのロボット造った奴、馬鹿だろ?」




170 : ◆zEKaa6cD2E[sag... - 2013/05/29 03:02:38.44 LvcmAzOZo 131/261


「格ゲーはアーケードからの移植作が主なので、難易度はレベル1~8の八段階というのが一般的です。
  しかし、このゲームはなんとその三倍……00~23までの二十四段階に設定できます」

「多けりゃ良いってもんじゃねーだろ!! 大体それ、一つや二つ変えても、違いが分からねーよ!」

「難易度は無駄に多いくせに、クレジットは三つまで……つまり、二回しかコンティニュー出来ません。
  三回負けるとゲームオーバーです」

「やっちゃったよ、無駄なクレジット制限……クソゲーの代名詞じゃねーか」

「まぁ、CPUの敵は、飛び道具の連発と、連続ジャンプ攻撃がお決まりのパターンだから
  操作になれたら、コンティニューすること自体、なくなるけどな」

「それはまた、酷いバランス崩壊っぷりだな……」

「しかもこのゲーム、普通の格ゲーだと、ガードすればダメージを受けない通常攻撃でも、ライフが削られる仕様なので
  リーチが長いキャラを選んで、適当に殴っとけば、もう、それだけで勝てます」

「必殺技の意味なし!?」




171 : ◆zEKaa6cD2E[sag... - 2013/05/29 07:07:49.84 x74faZOzo 132/261


「では、第三の矢を放ちます」



【ゼクシード】



「他の二つに比べると、まともそうなタイトルだが……」

「コレも対戦格闘ゲームですね。ライズ・オブ・ザ・ロボットとは違い、3D格闘です」

「もう、ロボットを格ゲーにする意味が分からねーよ。バーチャロンみたいのなら兎も角さぁ……」

「このゲームは付属品が豪華です」

「早速、嫌な予感が……!」

「まず、トレーディングカードが十枚、ロボットのプラモデルが四つ、そしてフィギュアが、なんと八体も付いてきます」

「付けすぎだろ! むしろゲームの方がおまけ扱いじゃねーか!!」

「トレーディングカードは全四十種類、非売品なのでコンプリートは不可能です」

「意味ねー……」

「どうしてもコンプしたければ、ネットオークションなどを駆使して入手するか、全種類揃うまで
  ゼクシードを買い続けるかの、どちらかしかありません」

「……ちなみに、コレの値段は?」

「定価で19,800円だ」

「高けーよ!! 3DSLLが買える値段だぞ!?」




172 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/29 07:09:29.70 x74faZOzo 133/261


「じゃあ友、悪いけどプレステ持ってきてくれ」

「またかよ!? というかお前、この前中古のPS3買ってなかったか?」

「前の所有者がデータ消し忘れてて、torneで録画したと思われる『サザエさん』が
  延々六時間入ってた、俺のPS3がどうかしたのか?」

「何故サザエさん!?」

「どうせなら、エロ動画とか残しといてくれればいいのに……」

「そういう問題か? ……じゃなくて、PS3でやればいいじゃねーか」

「このゲームはプレステ専用なんだよ。PS2やPS oneでも駄目だ」

「何で?」

「あとで話すから、とにかく持ってきてくれ」

「……ったく、しゃーねぇなぁ」


※※※


「ほれ、持ってきたぞ」つプレステ

「おう、悪いな」

「……というか、何やってるんだお前? 俺にはプレステ取りに行かせといて、何でプラモ作ってるんだよ?」

「いや、暇だったから」

「お前なぁ……」

「冗談だよ。実はこのプラモデルは、ゲームをプレイするのに必要不可欠なパーツなんだ」

「はぁ……?」

「まぁ、とにかくお前も作れ。あと三体完成させないと、ゲームを始めれないから」

「……このゲーム、始めるまでに手間が掛かりすぎじゃねーか?」




173 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/29 07:10:59.45 x74faZOzo 134/261


「四体全部完成したな」

「あー……やっと終わったか」

「さて、じゃあゲームを起動するか……まずはプラモの背中にある差し込み口に、付属のインターフェースユニットの
  ケーブルを接続します」

「ああ、その穴、やっぱりケーブルの差し込み口だったのか」

「そして、反対側をメモリースロットに差します」

「このゲームがプレステ専用である理由ですが、メモリースロットとの接続部分がU字になっていて、左右両方に差すため
  メモリースロットのないPS3は勿論、スロット部の形状の異なるPSoneやPS2には接続できないので
  必然的にプレステでしか、起動できないようになっています」

「何というか……本当に面倒なゲームだな」




174 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/29 07:12:38.14 x74faZOzo 135/261


「画面上にプラモと同じ姿のロボットが映し出されます」

「ほう、こういう仕掛けだったのか」

「四体のプラモは、自由にパーツを交換することが出来ます。組み合わせは二百五十通り以上だそうです」

「格ゲーとしての出来はアレだけど、コレは面白いアイディアだな」

「……と、思うだろ?」

「ん?」

「確かに、このコロコロの漫画みたいなシステムは、物珍しさもあり、最初は面白いんだが
  冷静に考えると、画面上に表示されたリストから、コントローラーでパーツを選んでカスタマイズする
  他のロボットゲームと何も変わらないんだよ。むしろプラモを組み立てる分、余計な手間が掛かっただけなんだ」

「……言われてみれば、そうだな」

「それに、パーツを変える度に、ディスクを読み込む音がするから、パーツのデータはCDーROMに入っているようだ。
  つまり、パーツの接続部分の形状か何かで、どのパーツかを判断して、ディスクから読み込んでるだけで
  プラモ自体に特別な仕掛けが施されているわけじゃない」

「更に、組み合わせは二百五十通りと言ったが、ベースとなる胴体の部分は四種類だ」

「ということは……」

「そう、事実上、操作できるロボットが『四体しかない』のと同じなんだ。つまりこのゲームも『圧倒的ボリューム不足っ……!』なんだよ。
  実際に作ったプラモを、ゲームの中で戦わせることが出来るというコンセプトは子供にウケそうだが、20,000円近くするゲームを
  子供がそうそう簡単に買えるとは思えない。プラモデラー的な視点で考えても、格ゲーの部分がこの出来じゃ、見向きもされないだろう」

「流石に本体が買える金額を出してまで、やってみたいとは思えないか……」

「せめて別売りのプラモを買ってくれば、新しいキャラクターをどんどん増やせるとかなら、分かるが
  ディスクからデータを読み込んでる以上、CD-ROMにデータが入っていないロボットを追加するのは不可能だ」

「別売りのプラモで追加できたとしたら、データはあるのに、買わせるために『わざとプラモを入れなかった』という
  無双シリーズの『猛将伝』並に、えげつない利益主義の売り方ってことになるな……」

「DLコンテンツもない時代だからな……。仮に何らかの方法で追加データを入れれるとしても、キャラを追加する度に
  『プラモを組み立てなければならない』というのは、もはや面倒なだけで、プラモ製作の楽しみが
  ただの作業になる危険性は、否定できない」

「何だその本末転倒っぷりは……」




175 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/29 07:14:37.66 x74faZOzo 136/261


「結論を言うと『所詮ただの子供だましで、値段に見合う価値があるような代物じゃない』といったところだ」

「アイディアは良かったと思うが、全体的にお粗末な感じだな……」

「技術的な問題もあったのだろうが……まぁ、やるべきではなかったな」

「二万円近くするのに、すぐに飽きる内容じゃ『男のロマン』とか『未来的発想』とかでは、補いきれないか……」

「でもまぁ、これって『ムシキング』とか『三国志大戦』みたいな、カードを読み取って
  遊ぶゲームの原型と言えなくもない」

「そういえばそうだな」

「やはりネックになったのは値段だろうな。それにカードと違ってプラモは場所をとるから
  ロボットの追加なんてやったら、専用の棚がある、プラモデラーの人以外は保管に困るだろうしな」

「……そういえば、カードを読みとって遊ぶゲームはSFCにもあったな。専用の周辺機種を買う必要があったけど」

「こういうゲームの元祖は、たぶんバーコードバトラーだな」

「懐かしすぎるわ! 誰も覚えてねーよそんなモン!!」




176 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/29 07:16:40.95 x74faZOzo 137/261


「……と、いうわけで『大特価! ワゴン三銃士・ロボットゲーム編』をお送りしてきましたが、如何でしたでしょうか?」

「いや、アベノミクスどこ行った?」

「どうでも良いよそんなモン。どうせ俺には恩恵ないだろうし」

「悲しいこと言うなよ……」

「ワゴンセール品というと、売れ残りのクソゲーしかないと、お思いの方も多いでしょうが
  実際には良作も結構混じっています。……大半がクソゲーというのは変わりませんが」

「ワゴン品に良作なんてあるのか?」

「バイヤーが『入荷しすぎたゲーム』が、ワゴンコーナーに置かれることがあるんだ。
  DSの『すばらしきこのせかい』とか、PS2の『機動戦士ガンダム 一年戦争』なんかがそれだな」

「ああ、ゲームショップが一年間、在庫の山と戦うという意味だと言われた、アレか……」

「今となっちゃ笑い話だが、当時はどれだけの数の、仕入れ担当者が、顔面蒼白になったろうなぁ……。
  コレは間違いなく売れるだろう、という超鉄板タイトルでさえ、大コケすることがあるし、ワゴン品は意外に狙い目だったりするんだ」

「でも、『すばらしきこのせかい』も『一年戦争』も、当時の2chでは、ボロクソに叩かれてたぜ?」

「それは、ワゴン品に対するイメージの問題なんだろう。『あれだけ大量に売れ残ったってことは、とんでもないクソゲーに違いない』
  って思われても仕方ないからな。実際にはどっちも、普通に遊べる出来だったが」

「『すばらしき~』の方は『厨二臭が酷すぎる』という批判もあったが
  最初のクソつまんねー『シキ編』を我慢して終わらせれば、ストーリー的にも面白くなってくるし、良いゲームだと思うぞ?」

「随分と主観的な評価だなオイ。
  まぁ、記憶喪失・人間不信・個人主義と、主人公の初期設定と性格が『アレ』だった
  というのは俺も同意見だけど」

「とにかく、所詮ワゴンセール品と馬鹿にしないで、よく探してみれば
  思わぬ良作ゲームが、安価で入手できるかもしれない、ということだ」

「滅多になさそうだが、もしワゴン品から良作を入手できれば、儲けものか……」




177 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/05/29 07:21:12.89 x74faZOzo 138/261


「まぁ、このスレ的には良作が混ざっていたら、逆に困るのですが」

「>>1のクソゲー入手ルートの一つだからな」

「某映画が原作の格ゲー……ぶっちゃけ『ドラゴンボール・エヴォリューション』なんですが
  ワゴンコーナーで見つけて『どんな地獄がみられるのだろう』と、ワクワクしながら買ってみたら
  格ゲーとしては普通に遊べる出来で、ガッカリしたことがありました」

「普通は喜ぶべきことじゃないのか?」

「どうやら、『ドラゴンボールZ・真武道会』のシステムを使い回してるようで、悟空とピッコロのモーションが一緒でした」

「究極技にオーラバーストに……本当に使い回しだな」

「アニメ調の真武道会と違って、キャラが無駄にリアルだから違和感が半端じゃねーけどな」

「まぁ実写映画版がベースだからな。……その映画自体が死臭漂う、ゴミ映画だったわけだけど」

「だからこそ購入したのだが……正直、期待はずれだったな。
  ただ、ドリルを振り回して戦うヤムチャの姿には笑わせてもらった。究極技の『ヤムチャカーアタック』も
  スタッフのヤケクソ具合が伝わってきて、実に良い感じだったぞ」

「だから、そういう楽しみ方をするのは、やめなさいって」


※※※


「それでは、ドラゴンボールの主題歌から引用させてもらい、『ワゴンは(このスレ的には)デッカい宝島』
  という言葉で、今回は締めさせていただきます」

「いつの間にかドラゴンボールの話になってるじゃねーか。今回はロボットネタじゃなかったのか?」

「いいんだよ、ドラゴンボールにもロボット出てくるし」

「ドラゴンボールにロボット……?」

「人造人間16号がいるだろ」

「映画には未登場じゃねーか。原作でも、そこまで活躍したキャラではないし」

「とにかく、面白いロボットゲーがやりたいなら、素直にスパロボかアーマードコアを買うのが無難ってことだ」

「モノによっては、極端に出来が悪いのもあるけどな」

「シリーズ化作品の宿命みたいモンだから、仕方ないさ。それでも一定のレベルが保たれてるしな。
  ……『学園』だけは、俺も擁護できないけど」

「アレは好みの分かれるゲームだったな……『コレはコレで』という人も、それなりには居たけど」

「女性キャラが『微妙にノーパン・ノーブラっぽい』ことだけは評価する」

「何の話だ!? ゲームの評価をしろ!!」

「……といったところで、今回は終了です。またお会いしましょう。さようなら」

「そういえば、ハリウッド版ドラゴンボールって、確か三部作なんだよな? 続編は本当にやるのだろうか……」




【ラブアンドデストロイ】 製作:インティ・クリエイツ 販売ソニー・コンピュータエンタテインメント 機種:プレイステーション 発売日:1999年12月16日

【ライズ・オブ・ザ・ロボット2】 製作:ミラージュメディア 販売:アクレイムジャパン 機種:プレイステーション 発売日:1996年9月13日

【ゼクシード】 製作・販売:バンダイ 機種:プレイステーション 発売日:1996年12月20日

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【後半】に続きます。

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