幼女(私、死んじゃうの……?)
幼女(そんなの、やだよ……)
幼女(まだ、学校も、楽しいことも、たくさんあるのに……)
幼女「ぅ……」フラッ
ドサッ
元スレ
幼女「おなか…すいた…」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1328459873/
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幼女(……)
幼女(あれ…?)
幼女(わたし生きてる?)
幼女(ここは…どこだろう)
男「起きたか」
幼女「…おじさん誰?」
男「誰がおじさんか」
幼女「いくつなの?」
男「25歳」
幼女「私より20歳くらい年上だから、おじさんと見なされても無理はないよね」
男「そういうもんか」
幼女「そういうもんです」
幼女「おじさんが私を助けてくれたの?」
男「うむ、こんな寒い日に道端に倒れていたからな」
幼女「ありがとうございます」
男「どういたしまして」
男「なんで倒れてたんだ」
幼女「マッチ売らないと…」
男「マッチ売ってたのか」
幼女「うそです、言ってみたかっただけ」
男「うそかよ…」
幼女「助けてくれたついでにもう一つ助けてくれませんか?」
男「なんだ?」
幼女「おなか空いたんで何か食べさせて下さい」(グ~~~~)
男「盛大な腹の音だ」
幼女「ううう…年頃の女の子としては非常に恥ずかしい。責任とって下さい」
男「責任とって何か食わせてやろう。ちょっと待ってろ」
幼女「わーい」
幼女「ごはん超うまかったです。おじさん料理上手だね」
男「独身だからな」
幼女「独身てなんですか?」
男「…子供は時に残酷な質問をするな」
幼女「わ、おじさん落ち込んじゃった、ごめんね。」
男「食事も終わったトコロで、話を戻すぞお前はなんで行き倒れになってたんだ」
幼女「実は微妙に禿げてるメガネ野郎から飛行石を盗んで空から降ってきて…」
男「ムスカか」
幼女「まあ嘘ですけど」
男「またうそかよ…」
男「で、本当は?」
幼女「職員の虐待があまりに酷いんで施設から逃げてきました」
男「いきなりシビアな話に」
幼女「現実なんてそんなもんです」
男「現実は厳しいな」
幼女「現実が厳しいからおじさんも独身なんだよね」
男「お前ホントは独身の意味知ってるだろ」
幼女「すいません、嘘ついてました。ホントは知ってました」
男「この場合どうすればいいんだ…普通なら警察だよな…」
幼女「えー…警察ヤダー、また施設に戻されるのが想像に難くない」
男「ですよねー」
幼女「オマケに職員メッチャ怒ってるだろうし、今さらどの面下げて帰るのかと…」
男「確かに」
幼女「駆け落ちしといて数年後ノコノコ実家に帰るようなもんだよ」
男「みっともないよな」
男「だが警察行かないと…このままじゃ俺が警察の世話になるハメになる」
幼女「このご時世、子供に対する対応厳しいですよね」
男「挨拶しただけで通報されたりな」
幼女「世知辛い世の中になったもんですよね」
男「だなー…」
男「って!話の腰を折るな。ホレ、警察行くぞ。本来ならここにいる時点でアウトなんだよ」
幼女「うわーん、ヤダー!おじさんお願い!警察だけは勘弁してー」
男「お前は万引き犯か」
幼女「私ここが気に入りました、お願いします。私をここに置いて下さい」
男「だめだ」
幼女「お願いします。私に出来る事なら何でもしますから」
男「お前にして欲しいことなど特に無い」
幼女「おじさん料理上手だもんね」
男「掃除も洗濯も得意だぞ」
幼女「何か!何かあるはずです!私にもできること!」
男「ないな」
幼女「もっと真剣に考えて下さいよ!」
男「怒られた」
幼女「二人で考えればきっといい案がでるはずです!」
男「えー…」
幼女「おじさん仕事何やってる人ですか?」
男「エロ漫画家」
幼女「貞操の危機!」
男「うるせー!だから言ったんだよ!ホレはよ警察行くぞ!」
幼女「アシスタントしますから!」
男「アシスタント~?」
幼女「私絵は得意ですよ!?特に背景とか集中線とかパースとか!」
男「本格的じゃねーか」
幼女「なんだったらご覧になりますか?」
男「ほう、お手並み拝見といこうか」
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男「…普通にうめえ」
幼女「でしょう!(ドヤッ)」
男「ぐぬぬ…、だがな!俺はフルデジタル派なんだよ!ラフも全部PCでやんの!」
幼女「PCのほうが得意ですよ?」
男「まさかの展開」
幼女「ペンタブ何使ってるんですか?環境設定とかしてます?左手デバイスとかあったら便利ですよ?」
男「これがデジタル世代か…」
男(やばい、ちょっとコイツ便利だなーとか考えてしまった)
幼女「どうですか!?私役に立てそうでしょ?」
男(どうする…どうするよ俺 もうなんか押し切られそうな雰囲気だぞ)
幼女「担当と印刷所の引き伸ばしとかもやってあげますから!」
男(う、…ちょっと揺らいだが いや、だがそんな事で大人としての道を踏み外す訳には)
幼女「モデルとかもしますから~」
男「よし、採用(オトナ?ナニソレ?)」
幼女「やったー!宜しくお願い致します!」
男「あーもう行くトコまで行ったれ、さっきも言ったけどもう実際アウトみたいなもんだし」
幼女「正直折れてくれるとは思いませんでした、芸は身を助けるってこの事ですね」
男「お前ホント子供か」
一週間後_________________________
男「そこ3番のテクスチャで塗っといて」
幼女「乗算でいいんですよね?」
男「うん あ、今月締め切りいつだったっけ?」
幼女「29日です」
男「担当から電話あった?」
幼女「さっきありました、今どのくらい進んでるのか?ですって」
男「何て言った?」
幼女「『全然できてません、先生昨日遅くまでマリオカートやってました』って言いました」
男「…正直だな」
幼女「子供ですから」
男「今日の夕食はハンバーグ」
幼女「わーい」
男「付け合せはコブサラダ」
幼女「ヒュー!おじさん本当に料理上手です!」
男「ソース薄めにしといたぞ こないだお前が濃すぎるって言ってたから」
幼女「おじさんの健康状態を考えた上での進言です」
男「ありがとうございます」
幼女「運動も定期的にしたほうがいいですよ」
男「血糖値も気になるしな」
幼女「ってなわけでWiiスポーツ買いましょう!」
男「却下」
幼女「チッ」
男「オイ、色々手続きしといたぞ お前4月から小学校行け」
幼女「すごいですー!どうやったんですか?」
男「ちょっと本気出しただけだ」
幼女「カッケーです!」
男「ランドセルとか文房具とか買いに行こう」
幼女「エスパークスのやつ欲しいです!」
男「お前いくつだ」
幼女「おじさん、この問題わかんないです」
男「宿題か」
幼女「宿題です」
男「どれ?ちょっと見せてみろ」
幼女「じーっ(期待の眼差し)」
男「…」
幼女「じーっ」
男「ふむ…ここにPCという機械があるよな」
幼女「ありますね」
男「世の中にはインターネットという便利なものがあってだな」
幼女「ググれってことですか…」
幼女「おじさん、この問題わかんないです」
男「そこ、もうちょい腰を前に突き出して」
幼女「こうですか?」
男「そうそう(カキカキ)」
幼女「うっ、このポーズ地味に辛いです」
男「(カキカキ)」
幼女「トイレにも行きたくなってきました」
男「(カキカキ)」
幼女「はうっ、足の裏が痒くなって来ました」
男「(カキカキ)」
幼女「ううう…おじさーん、まだですか?」
男「ん~じゃあ撮るぞ パシャパシャ」
幼女「デジカメあんなら最初から使って下さいよ!」
少女「生理というものが来ました」
男「それは報告しなくていいです」
少女「赤飯が食べたかったのでつい」
男「言えばいつでも作ってやるよ」
少女「いや~ノリで言ってみましたが 超恥ずかしいですねこれ」
男「顔真っ赤になってるしな」
少女「自爆です」
男「サイバイマンだな」
少女「ううう…年頃の女の子としては非常に恥ずかしい。責任とって下さい」
男「責任とって赤飯炊こう、デザートに杏仁豆腐も付けるぞ」
少女「わーい」
少女「人間関係の煩わしさに直面しました」
男「ほう、とうとう来たか」
少女「クラスの女子の間で派閥ができてるんですよ」
男「俺が学生の頃とあんま変わらんな」
少女「女子って何かとグルーピングしたがりますよね」
男「当事者が言うと説得力あるな」
少女「私もナプキン派かタンポン派で揺れているんです」
男「それは報告しなくてもいいです」
少女「そろそろ高校受験ですね」
男「そうだな」
男「…って!お前いつの間にそんな学年に」
少女「進行上仕方のないことなのです」
男「それは仕方ないな」
少女「どうします?私高校に行ってもいいですか?」
男「いいに決まってるだろ、何でそんな事聞くんだよ」
少女「まあ…だって私居候ですし…」
男「急に真面目な話になったな」
少女「おじさんの好意でここに居させて貰って…学校まで行かせてくれて」
少女「本当に感謝してます。ありがとうございます。おじさんは私の恩人です」
男「面と向かって言われると照れるな」
少女「ハイ、ずっと言いたかったんです ちょうどいいチャンスでした」
男「絶妙なタイミングだな」
少女「ここまでして頂いて、その上高校まで世話になるのはちょっと気が引けます」
男「出会った当初の図々しさが懐かしく思えるほどの謙虚っぷりだな」
少女「まあ、あの頃は私も若かったので」
男「若すぎるわ」
少女「それにおじさんの漫画の手伝いをしていたお陰で手に職付けることもできましたし」
男「最初からスペック高かったけどなお前」
少女「進学が駄目だと言われたらその道に進もうという案も考えてました…」
男「エロ漫画家?」
少女「エロ漫画家です」
少女「実はおじさんの担当さんにも何回か誘われてはいたのです」
男「衝撃の事実!」
少女「ぶっちゃけ私のほうが見込みありそうだーみたいなこと言ってました」
男「わー普通にショック」
少女「という訳なのです 私の進路は今やおじさんの胸先三寸です」
男「すっごいフリ来たよ」
少女「で、改めてどうなさいます?」
男「ん~、まあさっきも言ったけどいいよ?高校行っても?」
少女「本当にいいんですか?マネーかかりますよ?」
男「やな言い方するなあ…いや、お前は一つ大事なことを失念してるぞ」
男「今は高校って無償化されてるだろ」
少女「あ、…そうでした」
男「てなわけで行っていいよ、エロ漫画家なるにしても今どき中卒ってーのも辛いだろ」
少女「わーい」
少女「では、また3年間の同居更新ということで」
男「契約みたいに言うなよ」
少女「ところでおじさん」
男「?」
少女「そうなった場合今まで通りこの狭っ苦しい1LDKのアパートで二人で暮らすんですよね」
男「やな言い方するなあ…まあそうだけど」
少女「その場合これまでどおり女の人とかとか連れ込めませんね」
男「これまでどおり無理だな」
少女「結婚しないんですか」
男「する気ねーな」
少女「『じゃあ私がお嫁さんになってあげるねっ♪』って言葉を期待してますね?」
男「してない」
少女「即答!?」
男「もういいだろ、ここまで来たら 家族はお前一人いればいいや」
少女「わ、ちょっとときめきました」
>>45
支援サンキュー 絶対最後まで書き通す
少女「なんか私のせいでおじさんの人生を灰色にさせてしまったようで申し訳ないです…」
男「そんなことないよ」
少女「ないですか?」
男「どうせお前がここに来ても来なくても、たぶん俺に彼女や恋人なんかできなかっただろうしな」
少女「私もそう思います」
男「そこはかろうじて否定して欲しかった…」
少女「現実は非情である」
男「非情だな」
少女「じゃあ私は対して重く受け止めなくていいんですね?」
男「ああ、むしろ逆だよ お前と数年暮らせて楽しかったよ」
少女「アシスタントしましたからね」
男「してくれたな」
少女「モデルもしましたからね」
男「してくれたな」
少女「料理当番もたまにしましたからね」
男「お前今日に至るまで一向に上達してないけどな」
少女「夕飯の買い物もたまにしましたからね」
男「お前に行かせると絶対ガチャガチャで浪費しまくって家計圧迫してたけどな」
少女「現実は非情ですね」
男「非情だね」
少女「では、おじさん 今後も宜しくお願いします! ペコッ」
男「うむ、宜しくされよう なんなら大学まで行かせてやるよ」
少女「わー至れり尽くせり!もうおじさんに足向けて寝れません!」
男「それは嘘だ、お前は朝起きると必ず俺の顔に足乗っけて寝てる」
少女「嘘でした、寝相悪くてすいません」
男「…ところで、だ」
少女「ハイ?」
男「いつになったら『お父さん』と呼んでくれるんだね」
少女「……いいんですか…」
男「ああ」
少女「だ、だって私…本当は赤の他人ですよ?血がつながってないですよ…」
男「こんだけ長い間一緒にいたんだ 他人なんかじゃないよ 今のお前の人生の半分以上俺と過ごしてるだろ?」
少女「過ごしてます」
男「今さら血のつながりとか関係ないよ」
少女「で、でも…だって…」
男「時の流れってのはおかしなもので 血よりも濃いものを作る時がある」
少女「わーB'zの『RUN』だ」
男「好きなんだよこの部分 俺達にもぴったりだろ?」
少女「クスッ そうですね…」
少女「…えっと…じゃあ 呼んでみてもいいですか?」
男「どんとこい」
少女「…さ…ん」
男「全然聞こえないよ!君の気持ち伝わんないよ!そんなんじゃ!」
少女「グスッ…さん …ぅさん」
男「もっと大きな声で!積極的にポジティブに頑張れ!」
少女「…さん!」
少女「お父さんっ!!!」
男「はい今きた!俺が君のお父さんだよ!」
少女「おとうさんっ!!」
男「娘よっ!」
ガシッ
少女「ぅぅぅぅ…グスッ ギュウウゥゥゥ」
男「ギュッ」
少女「…スンッスンッ エロ漫画描いてる人がお父さんですか…選り好みしたくないけどもうちょっとマトモな職業のお父さんが良かったです」
男「悪かったな、でもお前その金で育ったんだぞ」
少女「娘にエロ漫画描かせるお父さんですか」
男「世も末だな」
少女「娘にエロ漫画のモデルもさせるお父さんですか」
男「虐待に近いな」
少女「てなわけでそんな非道な父の下に長居するのもアレなんで、頑張って勉強してせめて私はマトモな職に就きますねお父さん」
男「酷い言われようだ」
少女「じゃあそんな悪辣な環境で育ててしまった責任をとって下さい」
男「責任とってお前の好きなもの食わせてやろう」
少女「じゃあお約束の赤飯で」
男「お約束だな」
少女「デザートは黒ゴマプリンで」
男「すりごま買ってこなきゃだな」
少女「一緒に買いに行きましょうお父さん」
男「ああ」
少女「それとね、お父さん」
男「ん?」
少女「私、まだ処女ですよ」
男「それは報告しなくても…いや、やっぱ逐一報告しろ」
少女「フフッ それとね…」
少女「愛してます、お父さん」
男「愛してるよ、我が娘よ」
そんな訳で二人はなんだかんだでエロい漫画描きつつ死ぬまでずーーーっと一緒に暮らしました
おわり