一部の粗筋―――
人間サイド
勇者→敗北。満身創痍のまま老兵に拾われる
戦士→死亡
僧侶→生死不明
魔法使い→生死不明
王→生死不明
姫→生存。離宮に避難
執事→生存。同じく離宮へ
先代の勇者→生死不明。未登場
魔物サイド
魔王→升
側近→顔の半分喪失するも、生存
吸血鬼→生存
人狼→生存
元スレ
王「行くがよい勇者」姫「気をつけて」勇者「姫のためなら」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1328516288/
詳しい人車でここでやればいいか
ここまでの現状
人間サイドの城陥落、王は生死不明。
勇者一行は敗北、ほぼ全滅
元々この国は数年前に隣国の帝国と戦争していた。現在は停戦状態
戦争中、最初の「勇者」が英雄として敵を押しかえした
戦争の数年後、魔王率いる新たな軍勢が発生
執事「・・・お嬢様」
姫「状況は?」
執事「芳しくありません。王国の各町はすでに占領されたものかと・・・」
姫「・・・民は」
執事「断片的な状況ですが、大半は捕縛か、あるいは虐殺されたものと」
姫「く・・・。アイツ・・・勇者は?」
執事「依然として行方は掴めてません。貿易の街で確認されたのが最後です」
姫「・・・順当に行けば、そこから迷いの森経由で魔王の土地に行ったか・・・」
執事「あるいは、今をもって交戦中かもしれませぬ」
姫「・・・どこにいるのよ、バカ・・・」
?「最近じゃもうタバコも手に入らなくなってきた・・・。状況は最悪だな」
?「しかし、噂ではまだ勇者様が戦っているとか・・・!」
?「いいか、これは現実だ、ゲームじゃない。一人の英雄が戦況をひっくり返すなんてことはあり得ない」
?「では、勇者様はどこに・・・」
?「・・・さあな。すでに捕まったか、あるいは死んだのか」
?「そんな・・・」
?「いずれにせよ、この迷いの森ももう安全ではない。早いうちに脱出しなければ、俺たちもやられる」
?「ああ・・・精霊様、どうしてこんなことに・・・」
「・・・ぅ・・・」
?「?気がついたか?」
勇者「ここ、は・・・」
老兵「まだ動くな。いや、動けないだろう。それほどの怪我だ。もう二週間も意識が戻らなかったんだぞ」
勇者「あんたは・・・」
老兵「忠告したはずだ。お前に魔王は殺せない、と」
勇者「―――!!そうだ、魔・・・ぐあああああ!!?」
老兵「人の話を聞かないのはお前の悪い癖だ。動くなといった」
勇者「ぐうう・・・。お、れは・・・戻らなきゃ・・・。あいつらを、助けに・・・」
老兵「その様でどこに行くつもりだ?まともに動けないやつが、戦力として成り立つほどこの世界は甘くない」
勇者「ぐあぁ・・・」
老兵「ハァ・・・。この様だと、まだここから動けそうにないな」
町人「では、しばらくはここに・・・?」
老兵「そうするしかないだろうな」
老兵「案外町や白は真っ先に襲われたが、お膝元であるここはないがしろなもんだ」
勇者「二週間、だと・・・?」
老兵「そうだ。お前が川から流れ着いて、二週間経つ」
勇者「二週間・・・。」
老兵「その間、世の中は変わってしまったがな」
勇者「なに・・・?」
老兵「城は陥落し、ほぼ全ての町は魔王軍に落ちた。王も死んだそうだ」
勇者「!!」
老兵「他の人間がどうなったのかは分からないが、掃討も時間の問題だろうな」
勇者「・・・くそ・・・」
老兵「何を悔やむ」
勇者「俺が・・・あの時魔王を倒せていれば・・・」
老兵「のぼせるな新米。お前一人の力でどうこう出来る相手ではない」
勇者「ぐ・・・」
老兵「・・・お前仲間は。あの時は三人の連れがいただろう」
勇者「・・・」
老兵「自分だけ逃げたのか?それで勇者か?聞いて呆れるぞ」
町人「勇者・・・?」
勇者「違う、俺は・・・!!魔法使いが、俺を・・・!!」
老兵「逃がされたのか。情けないな、それでいっぱしの勇者のつもりか」
勇者「お前に何が分かる・・・!」
老兵「ふん。分かりたくないが、分からんでもない」
勇者「!?」
老兵「似たようなもんだ、俺もお前も。俺もかつて、逃げた。逃げてここに至った」
勇者「・・・」
老兵「そうだとも。だが俺は牙まで捨てはしなかったぞ。そしてお前もだろう?まだ戦えるのだろう?」
勇者「・・・」
老兵「家庭はどうあれ、お前は逃げた。魔王から逃げたんだ。そして生き残った。なら、することはここで俺相手に吼えることじゃないはずだ」
勇者「・・・っじじい・・・。黙って聞いてれば・・・!!」ぐぐぐ・・・!
老兵「!?」
勇者「俺を、なめるんじゃねえぞ・・・!!」
老兵「簡易的な回復呪文か。どこで覚えたかしらないが、感謝することだな」
勇者「感謝・・・?」
老兵「その呪文を教えた者にだ。これで予定を早められる。三日以内に出発する。森を東に抜けて、文化の町に出る」
町人「文化の町へ・・・?」
老兵「そうだ。あそこは恐らく、まだ魔王軍が攻め込んではいないはずだ。城からあそこに至るには、広大な砂漠超えが必要だからな。もう一つのルートは、迷いの森経由しかない」
老兵「だがそれもない。連中、文化よりも先に鍛冶の町や恐らく魔術大学を狙うはずだ」
勇者「・・・反乱されないように、か」
老兵「文化など最後でいい。連中が恐れるのは鍛冶や魔術だからだ。だからそこへ向かう」
勇者「・・・人間はどれくらい残った・・・?」
老兵「さあな。恐らく半数も残ってはおるまい」
勇者「・・・もし姫や執事が無事なら、まだチャンスはある」
老兵「チャンス?」
勇者「合流できれば、何か力になってくれるはずだ」
老兵「・・・。しかしまずは文化の町だ。姫様が生き残っている保証はない」
勇者「・・・ああ、そうだ。あんたの言うとおりだ」
同じ頃 城
魔王「ここが人間の城か」
側近「は・・・。人間どもが最後まで抵抗した場所でございます」
魔王「・・・顔の調子はどうだ」
側近「すこぶる快適でございます。この『機械化』なる技術はスバラしい」
魔王「人間の残党は」
側近「散り散りのようですな。あちこちでゲリラ的に戦闘が起きておりますが、すべて我が方が勝利しています」
銀仮面「・・・」
魔王「勇者の行方は」
側近「いえ、それがまだ・・・。あの小娘、味な真似をしてくれたものです」
側近「まあもっとも、あの小娘、味もそこそこにいいらしいですが」
魔王「吸血鬼の言うことなど、お前に当てはまるか知れぬが」
側近「あの連中、やってくれたものですよ。人間にしておくのがまったく惜しい」
魔王「ふん、大半すでに人間ではあるまいよ。お前たちがそうしてしまった」
側近「それもそうですが:
金仮面「魔王様」
魔王「お前か。状況は」
金仮面「は。貿易の街の制圧を完了いたしました。が、我が方にも多大な被害が」
魔王「・・・被害?」
金仮面「なんでも、一人とんでもない腕利がいたとか。目下、勇者の可能性があるので捜索中です」
側近「勇者が貿易の町に・・・?」
魔王「無い話ではないだろう。可能性はある」
側近「魔王様、勇者の例の件は・・・」
魔王「お前に一任する。勇者は生きて捕縛後、処刑だったか」
側近「は・・・。人間どもの最後の希望は勇者です。それを処刑できれば、人間の戦意は失われます」
魔王「好きにせよ。黒騎士の現在地は」
金仮面「は。現在黒騎士は漁業の町に向けて進撃中。なお、この街には国王軍の残党があるとのこと」
側近「蹴散らせ。黒騎士を正面に据えよ」
金仮面「存じております」
魔王「・・・つまらぬ。私は奥に引くぞ」サッ・・・
側近「あ、魔王様、しばしお待ちを・・・」タタタ・・・
金仮面「・・・ふん。人形め」
銀仮面「・・・」
姫「問題は、分散された戦力をどうやって集結させるか・・・」
執事「この場所は国王軍にも知らされておりませんので、ここに来る者はおりますまい」
姫「となると・・・?」
執事「問題はそこです。現在果たしてどこの町が占領されているのか否かも、ここからでは察しようがない」
兵「伝令です!貿易の街が、陥落したと・・・!」
姫「・・・分かりました」
執事「・・・次は恐らく、漁業の町でしょうな。その方向に他に街はありません」
姫「これで残された街はあと数箇所しか・・・」
執事「・・・もっとも侵略されにくいのは・・・ここと、ここです」
姫「北の要塞と、文化の町・・・?」
執事「文化の町は、南を砂漠に、北を迷いの森に、東西を山に囲まれておりますので、侵略がしにくいかと」
執事「北の要塞は言うまでも無く。帝国との境界です、武器や配置人数も揃っております」
姫「帝国・・・。そうだ、帝国の動きは」
執事「奇妙なほど静かだとか。まるで対岸の火事を見るように、動きがありません」
姫「連中の科学をつかった兵器軍なら、確かに魔王軍とも互角以上に戦えるかもしれないけど」
執事「帝国の脅威が薄い今なら、北の要塞に入るのがもっとも自然かと」
姫「・・・全軍に、荷物をまとめるように指示を出して。数日以内に、要塞へ向かいます」カツカツ・・・
執事「仰せのままに」
兵「・・・執事様。もう一つ、重要な報告が」
執事「なんだね」
兵「・・・国王陛下が、捕縛された模様です・・・」
執事「!・・・この話はお嬢様の前では決して漏らすな」
城下町 「元」国王広場
上級魔物「静まれ!!静まれ!!これより、王国国王の公開尋問を始める!!」
王「・・・」
民「王・・・」
民「ひどい、あれじゃ死んじまう・・・」
上級魔物「王、貴様はこの国を煽動し、我が偉大なる魔王様に戦争をふっかけた!相違ないか!?」
王「・・・」
上級魔物「黙秘権は認められていない!!やれ」
魔物「キシシシシ・・・」ドロォ・・・
上級魔物「我らが胃から分泌される強い酸だ。左足へ」
ドロォォォ・・・
王「う、ぐ、あああああああああああああああああ!!!!!」
上級魔物「目が覚めたか?答えろ!!」
王「・・・っ・・・。戦争を、始めたのは・・・魔、王だ・・・!!」
上級魔物「嘘をつくな!!お前が一つ嘘をつくたび、あそこで喚いている民が死ぬぞ!!」
民「あれは・・・!?」
民「み、みんな子供じゃないか!?」
王「・・・!!何をする、つもりだ・・・」
上級魔物「簡単なこと。我ら魔物が増えるには二通りしかない。一つは生殖。もう一つは、人間の身体に我らの一部を植えつけること」
王「・・・!?」
上級魔物「要は餌になってもらうのよ。生きたまま身体に卵を植えつける。そして、わが子たちは宿主を食って生まれてくるのだ!!」
王「貴様ら・・・!!」
魔王「・・・あれもお前の差し金か」
側近「は。人間が大切にするもの、それは自分の家族と子供ですから」
魔王「・・・いい趣味とはいえないな」
側近「効果は絶大でございます。王が屈すれば、人も屈する。簡単な理屈です」
魔王「・・・で、戦況は」
側近「すでに漁業の町は制圧いたしましたが、いかがでしょう、あのように戦略的に価値のない街は焼き払われた方が」
魔王「戦略など興味はない。お前がしたようにすればいい」
側近「はは。ではそのように」
銀仮面「・・・」
側近「命令だ。その腰の剣で、王の首をはねるがいい」
王「・・・そうだ。すべては私に、責任がある」
上級魔物「聞いたか人間ども!これで魔王様の正当が認められた!お前達の王によって!」
民「・・・」
王「くく・・・」
上級魔物「ふん、子供どもを地下に連れて行け。そこで苗になってもらう」
王「!?何だと、貴様・・・!!」
上級魔物「ふん、正直に答えるから助けるなど、誰が言ったのだ」
銀仮面「・・・」カツ、カツ・・・
上級魔物「銀仮面様・・・?」
銀仮面「・・・」ズァッ!
王「・・・ふん、その巨大な剣で、首を落とすつもりか・・・。化け物どもめ」
上級魔物「では最後に!最大の屈辱として!我らや人間の糞尿をぶちかけろ!」
バシャアッ!!
王「・・・!!」
上級魔物「食われた人間と一緒にいられて幸せじゃないか国王・・・」
王「・・・人間たちよ・・・。まだ、まだ諦め、るな・・・」
銀仮面「・・・」ギラッ!!
王「まだ、我が娘が生きている・・・。我が息子、勇者もまだ、死んではいない・・・!」
王「武器を取れ!!そして最期まで―――!!」
シュッ
ドスッ
?「・・・これは美しくないな。今のはまったく、美しくない」
?「・・・」
?「今のお前も、あまり美しくはないな。血を吸わないことで歯向かっているつもりか?」
?「・・・」
?「まあいい。いつか耐え切れなくなる。そこがお前の、お前としての最後だ」
?「・・・!」
?「そんな目をしてももう遅い。もうお前は私が思うがままだからだ。その証拠に、なにをしても死ねないだろう?」
?「・・・」
?「ふん・・・。着いて来い。地下の地獄絵図でも見物しようかね」
別のどこか 同じ頃
?「暗いねえ。明かりはないのかい?」
?「火元はありますが、ランタンがないです」
?「仕方ない・・・。灯火呪文を使うよ・・・」
吟遊詩人「ああ、明るくなった」
占い師「まったく、ようやくたどり着いたけどなんだいこの洞窟は」
吟遊詩人「昔知り合いが王国軍から逃げる時に使っていた洞窟です。奥に行けば、まだ食料があるかも」
占い師「やれやれだよ。こう暗くちゃ気が滅入る」
吟遊詩人「そういわないでください。これくらいしか僕にできる恩返しはないんですし」
占い師「ただあんたを襲いかけてた魔物を吹っ飛ばしただけじゃないか」
吟遊詩人「僕はそれで助かったんですよ」
占い師「で、この先かい?」
吟遊詩人「そのはずです」
占い師「・・・?おい、道がないぞ」
吟遊詩人「え?そんなはずは・・・」
占い師「ほら見てごらん。大穴が開いていて先に進めないよ」
吟遊詩人「こんな竪穴、前は無かったんですが・・・」
占い師「・・・?この竪穴、下は横穴になってないかい?」
吟遊詩人「本当だ。どこかに続いているかもしれません」
占い師「あんた食料はどのくらいある」
吟遊詩人「約三日分」
占い師「ほとんど同じか・・・。ここにいてもジリ貧になるだけさね。進んでみるよ」
吟遊詩人「え!?本気ですか!?」
占い師「当然だ!こう見えてあたしは若い頃冒険してたこともあるんだよ」
数日後 迷いの森
老兵「遅れるな。はぐれたら探してやれん」
勇者「あんたこの森で迷ったりしないのか?」
老兵「ないな。もう体が覚えてる」
町人「ハァ、ハァ・・・」
勇者「頑張れ、今日の行程も半分以上来てる」
老兵「これで文化の町に魔物がたむろしていたらお慰めだな」
勇者「そん時はあんたを囮に逃げるまでさ」
老兵「仮にも命の恩人だぞ?そんな口の利き方でいいのか?」
勇者「ふん」
同 数時間後
勇者「・・・なあ」
老兵「なんだ新米。明日も早いんだ、大人しく寝ろ」
勇者「前に言ってた、先代の勇者って何者なんだ」
老兵「・・・言ったとおりだ。戦争の英雄で、大量殺人者だ」
勇者「そうじゃない。勇者って自然に呼ばれるくらいなら、何かもっとこう、あるだろ?」
老兵「ふん・・・。伝説の英雄ほど、蓋を開けてみればがっかりするものだ。確かにやつには武勇伝も多い。が、戦場では美談の方が少ない」
勇者「・・・」
老兵「確かにやつは英雄だったかもしれないが、それは一極から見た場合だ。帝国からすれば、戦犯も同然」
勇者「でもそれは、この国を護るためにしたんだろ?この国を護りたかったから」
老兵「そうかもしれないな」
眠い・・・!!!
老兵「だが、そうじゃないかも知れん。もしかしたら、やつはただの戦闘狂で、ただのバーサーカーかもしれん」
勇者「そんなの・・・」
老兵「今となっては確かめようがない。やつは死んだか、そうでなくてももう再起しないだろう」
勇者「・・・そいつを知っているのか?」
老兵「・・・ああ。大昔にな。今よりずっと昔のことだ」
勇者「・・・」
老兵「すべては過ぎてしまった。今見るべきなのは、今過ぎようとしているこの今だ。それを忘れるな」
勇者「・・・。わかってる。わかってるさ」
翌日 北の道
魔物「アギャアアアア・・・」
ヒュン
ボンッ!!
執事「・・・ふむ。やはり、昔のようにはいきませんな」
姫「執事・・・」
執事「お怪我は」
姫「変わりない。しかし・・・まさかお前が先代『勇者』の一員だったとは・・・」
執事「いえ、私は『勇者』の後ろを護っていたに過ぎない、しがない戦士です。今となってはじじいですが」
姫「・・・。北の要塞へは?」
執事「まだ半分も来ておりますまい。幸いなのは、魔物の数が少ないことです」
姫「急いで向かわないと・・・。こうしている間にも民が・・・」
執事「左様でございます。急ぎましょう」
執事「しかし、帝国が動きを見せないとはいえ、姫様が要塞に入ったらどう動くか知れません」
姫「帝国が要塞を襲撃すると?」
執事「可能性はあります、然らば、姫様の存在はやはり秘匿した方がよいかと」
姫「秘匿・・・」
執事「代わりに、『北の要塞に王国軍か集結している』と伝令するのです。そうすれば、あるいは」
姫「それでうまくいくといいけど」
執事「最善の方法のように思われますが・・・!」
中級魔物「見つけた、姫だな・・・!」
姫「魔物・・・!!」
中級魔物「側近様の命により、お前を捕縛させてもらうぞ」
執事「できますかな?老いぼれたとはいえ、大戦の英雄を護った男がお相手しましょう」
中級魔物「老いぼれ、てめえに用は、」
ひゅん ひゅん
執事「いいたいことはそれだけか?」
中級魔物「な・・・!?」
ボッ!!
バラバラ・・・
執事「ふぅ・・・」
?「・・・やはり中級魔物程度では話になりませんか」
執事「む・・・?」
金仮面「お初にお目にかかります。魔王軍大幹部を務めております」
執事「・・・悪趣味な仮面ですな。金ですか」
金仮面「付けたくて付けているのではないのですが、こうしないと銀が浮いてしまいますので」
執事「ふん・・・?それで、その大幹部が直々に何の用ですかな」
金仮面「実は任務は受けていないのですよ。たまたま通りがかった、それだけのことで」
執事「たまたまこんな田舎道にいた、と」
金仮面「そこは言いっこなしでしょう。お互い様です」
執事「む・・・」
金仮面「ですが、このまま見逃してもお叱りを受けてしまいますので。お手合わせ願いましょうか」
執事「最初からそのつもりでは?そう感じられましたが?」
金仮面「そこは大した問題ではありませんよ」
執事「姫様は連れのものと目的地へ向かってください」
姫「しかし!」
執事「そこにいられては巻き込んでしまいます!!お早く!!」
姫「・・・!!執事、必ず戻りなさい」
執事「仰せのままに」
金仮面「さて、ではまずは・・・小手調べを」ビュッ!!
執事「!」ひゅん!!
金仮面「遅い!!」ギラッ!!
執事「ち・・・」バッ・・・
金仮面「今のを避けますか」
執事「・・・『縮地』ですな。始めて見た」
金仮面「ほぅ・・・」
執事「遠い東の国の秘術・・・。あなた、魔物ではありませぬな」ひゅん!
金仮面「・・・だったらどうします?」
執事「なぜ人間が、それも王国以外の人間が魔王軍にいるのかははなはだ疑問ですが、それを聞いても教えてくれないのでしょう」
金仮面「そうですね。なぜなら、次の一撃であなたを殺すからです」
執事「・・・ほう」
金仮面「さあ、冥土の土産は持った?遺言は?地獄の審判に身を焼かれる準備は?」
執事「・・・ち」
金仮面「・・・参ります!」
同じ頃 漁業の町
黒騎士「火をつけろ。魔王様からの命令だ」
下級魔物「は!!」
民「う・・・」
黒騎士「然る後撤退する。急げ」
民「・・・あの・・・黒い、鎧の男は・・・」
黒騎士「馬をもってこい。先に城へ帰還する」
魔物「はは」
民「・・・お触れに、出ていた・・・」
民「・・・勇者・・・様・・・」ガクリ
ヘルシング 大 好 き さ!
同じ頃 迷いの森
勇者「あとどのくらいだ」
老兵「この分だと、今日の夜には着く。運がよければベッドに寝れるかも知れん」
勇者「助かった。食料ももう尽きかけてる」
老兵「それを計算したんだ。最低限の食料しか持ち出していない」
勇者「・・・なるほど」
老兵「急げ。いつまでも魔物がやってこない保証はないぞ」
町人「は、はい。でも少し、休憩させてください・・・」
老兵「・・・。十分間だ」
勇者「・・・この辺の廃墟は?」
老兵「昔エルフが住んでいた跡だろう。今は彼らの姿をこの国で見ることはない」
勇者「そうか、なら少し休憩に使わせてもらおう」
同日 夜
勇者「あれは・・・」
町人「町の光だ・・・!!」
老兵「どうやら無事にたどり着けたらしいな」
勇者「助かったか・・・。とりあえずは」
老兵「ああ、まったくとりあえずな」
勇者「急ごう、街の首長に会った方がいい」
町人「ベッドに風呂が待ってるぞー!!」
衛兵「ん・・・?止まれ!人間か?」
町人「そうだ!貿易の街から逃げてきた!中に入れてくれ!!」
衛兵A「生き残りだと・・・?」
衛兵B「お前が魔物でない証拠は?」
老兵「魔物が三人も堂々と衛兵の前に現れるはずがないだろう。それに、魔物はまだ森には入っていない」
衛兵A「じゃあ本当の生存者か!?」
衛兵B「伝令!伝令!!生存者がたどり着いた!!三人もだ!!」
勇者「大事だなこりゃ」
老兵「それだけ生き残りがいないのだろう」
町長「生き残りがいたとは・・・よく無事だった。何か暖かいものでも持ってこい」
勇者「ここには魔物は?」
町長「まだだ。だが、噂では砂漠の向こうまでもう来ているらしい。ここも時間の問題だ」
町人「そんなぁ・・・」
老兵「・・・他の生存者たちは」
町長「キミら以外に、外から来た者はいない。だが、王国軍がどこかに結集しているのは確かなようだ」
勇者「どこか?」
町長「それが、情報が錯綜していて・・・。魔王の城だとか、迷いの森だとかいう話もある」
老兵「町長、地図はあるか」
町長「あるとも。おい、地図だ。もってこい」
老兵「少なくとも鍛冶の町や貿易の街に集結することはあり得ない。となると、それ以外だ」
町人「旧魔王の城は・・・?」
老兵「迷いの森を越えられない。だからそれもない」
勇者「音楽の街は?そこそこの大きさもあって、城からも離れている」
老兵「いや、あそこは陣を敷くのに適さない。大戦の時も両軍から手を付けられなかったほどだ」
勇者「となると、他の場所・・・?」
老兵「考えられるのは、北の要塞と、北東の砦だが・・・」
勇者「どっちも軍事施設か。あり得る話だ」
老兵「問題はどちらかが分からないということだ。外れをひいた場合、リカバリが致命的だ」
勇者「どっちだ・・・?」
SS速報
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/
老兵「俺なら砦を選ぶ。帝国に背を向けて戦うなど、考えられん」
勇者「けど規模的には要塞の方があり得ると思う。砦は小さい気がする」
老兵「指揮官の性格がわかればある程度読めるのだが・・・」
勇者「ああ、そうかそう考えればいいのか」
老兵「?」
勇者「姫なら、あいつなら要塞を選ぶと思う」
老兵「根拠は」
勇者「姫は閉所恐怖症だ」
老兵「なるほど・・・?それならあり得るが、なぜそんなことを」
勇者「幼馴染だからな。城で育ったんだ俺」
老兵「何?じゃあ王族か」
勇者「まさか。両親は戦争で死んだ。で、引き取られた」
老兵「引き取られた?じゃあお前まさか、」
勇者「?」
老兵「・・・いやなんでもない。そうと決まれば、明日には要塞に向けて出発する。町長も住人にそう伝えろ」
町長「待ってくれ、さすがに明日は早急すぎる。せめて明後日にしてくれ、住人にも生活がある」
老兵「・・・いいだろう。ただし急がせろ。ここは戦場になるぞ」
勇者「宿の手配を頼む。さすがに病み上がりには堪える・・・」
翌日 北の要塞
司令官「お待ちしておりました。さあ中へ。お話はすでに、執事殿から承りました」
姫「執事本人は来ていないのですか」
司令官「はい。数日前、『姫様が向かわれる』というのが最後です」
姫「そう・・・。無事ならいいけど」
司令官「姫様のことは内密にいたします。外に漏れる心配を考えて、姫様は地下へ・・・」
姫「か、構わないけれど、部屋は狭いのかしら」
司令官「一応大きいお部屋でございます」
姫「ほ・・・。分かりました。ここから指示を出します。現存戦力は?」
司令官「1800です。うち、100は非戦闘員、300は施設内から動けません」
姫「残存兵力は1400か・・・。心もとないが、贅沢はいえない・・・」
姫「戦備を整えて。これより、反攻作戦を展開します。地図をここへ。各地域の状況を記入」
司令官「は!現在の最新情報によれば、漁業の町は陥落。現存するのは文化の町、及び音楽の町、さらに・・・」
姫(・・・お父様。お父様ほどうまくはできないけれど・・・。何とか、この国を護ります・・・)
姫「全軍に通達。残存戦力はすべて北の砦に集結せよ。然る後、反攻作戦を展開します」
司令官「全軍に通達!残存戦力は北の砦に集結せよ!!」
姫「攻撃目標を選定します。最初は最寄の街を解放します。即ち、ここ、産業の街です」
兵「で、伝令っ!!緊急伝令!!」
司令官「何事だ!」
兵「斥候より連絡!!当要塞に向け、魔物の一団が進行中!!」
姫「!!」
司令官「何だと!?詳細は!!」
兵「魔物の数、およそ3000!金の仮面をつけた者が前線指令をつとめている模様!!」
姫(執事っ・・・!!)
姫「・・・。作戦変更。これより防衛戦を開始します!!全砲門は標準を魔物へ。兵は白兵戦の用意!」
司令官「防衛戦用意!!持ちこたえろ!!ここがオチたら、この国はお終いだ!!」
同じ頃 北の大地
金仮面「全軍前進。目標、北部要塞。魔王様の命である!この地を赤く染めよ!諸君の空腹を満たすがいい!」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
金仮面「さて、どうでるかな、あの姫様・・・。どう転んでも面白い見世物になりそうね・・・」
金仮面「目標を視認しだい、各自散開!!自由に行動し、目標を撃破せよ!!」
「おおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
金仮面「さあ、賽は投げられた。冥土の土産は持った?遺言は?地獄の審判に身を焼かれる準備は?」
金仮面「全軍、―――攻撃開始」
区切りがいいので・・・力尽きるわ・・・
執事は正直調子に乗りすぎたね
あとちょっと展開が速すぎるね
未熟で済まぬ・・・。付き合ってくれてありがとう
一部を「勇者冒険編」にするなら
二部は「王国反攻編」
三部は「●●●●編」ここまでは今決めた
以降は秘密。うそ、本当は決めてない
なぜまだあるし…
新規のタイトルは未定だけど変えないかも
移ったら投下し直しをぼんやり考えてるけど、もしかしたらいきなり続きからいくかも
その辺まだ未定
速報に移って書くよ
どの道昼間は書けないから

