サタン「さあアルル!私が直々に迎えに来たぞ!共に星空のハネムーンに出発しようではないか」
アルル「ちょっ!教えてなかった筈なのになんでボクの家に来られるの!?」
サタン「フッ、それは勿論愛☆パゥワーに決まっている」
アルル「うわぁ……」
サタン「おや、カーバンクルちゃんの姿が見えないが」
元スレ
サタン「うっかりアルルの家をふっ飛ばしてしまった」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1356189629/
アルル「あれ?さっきまでいたような気がするんだけど」
サタン「むぅ、まあいい。きっとアルルと愛を語り合っていれば姿を現すだろう」
アルル「誰がサタンなんかと愛を語り合うんだよ!」
サタン「はっはっは、照れているのか?可愛い奴め」
アルル「ホンット話が通じないんだから!」
アルル「もう怒ったから!」
サタン「ほう?ぷよ勝負か、いいだろう。デートの余興に丁度いい」
アルル「ボクが勝ったらさっさと帰ってよね!」
サタン「はっは、なら少し頑張っちゃうぞー」
アルル・サタン「「ぷよ勝負!」」
アルル「いっくよー!ファイヤー!」
サタン「フン、そんな攻撃では余興にすらならないぞ。パニッシュ!」
アルル「くっ、まだまだ!アイスストーム!」
サタン「いいぞ、それでこそ我がフィアンセに相応しい」
アルル「むー!だからフィアンセじゃないんだってば!」
アルル「ダイアキュート!からのーヘブンレイ!」
サタン「むっ、それなりに手加減していたつもりだが厳しくなってきたな」
アルル「ほらほら!さっさとお城に帰ってよ!」
サタン「そんなに恥ずかしがるなアルルー」
アルル「恥ずかしがってないよ!」
アルル「このまま押せば……!」
サタン「ふむ、流石にここで負けてやるわけにもいかないからな。少し本気を出してやろう」
アルル「なっ……!?」
サタン「フハハハハ!ダークネス!テンペスト!ジャガーノート!」
アルル「うわぁ!?一気に形勢が……」
アルル「こうなったらヤケだ!ジュゲム!」ボカーン
サタン「む?随分遠くで爆発が聞こえたが」
アルル「あ、あれ?おかしいな」
サタン「まあよい、これでとどめだ!ディザス――」
カーバンクル「ぐっぐー!」ドゲシッ
サタン「タあべしっ!?」キュゥン
アルル「え?」
サタン「まずい!今ので制御が――」
ヒュオォォォ……
バリバリバリ!
ピシャァァァン!
カーバンクル「ぐぐぐ!?」
ガラガラ
サタン「……」
アルル「……あー!折角建てたボクの家がー!?」
カーバンクル「ぐー!ぐぐー!」
サタン「す、すまない。家を壊すつもりは全くなかったのだ」
アルル「う、うるさい!どーすんだよボクの家!今日からどうやって寝ればいいのさ!」
サタン「そこは安心するがいい。我がDXサタン城にくれば何の問題もない。元々アルルやカーバンクルちゃんと住むために建てた城だからな」
アルル「誰がキミなんかと一緒に住むか!」
カーバンクル「ぐー!」
サタン「カーバンクルちゃんは是非住みたいと言っているぞ!」
アルル「嫌に決まってるだろって言ってるよ!」
アルル「もういい!サタンなんか知らない!」
サタン「お、おい!何処へ行く!寝床はどうするのだ!」
アルル「知り合いがいないわけじゃないもん!アミティ達の誰かの家に泊めてもらうから!じゃあね!」
カーバンクル「ぐっぐぐー!」ゲシゲシ
サタン「あいたた!蹴らないでくれカーバンクルちゃん!」
サタン「行ってしまった」
サタン「一体何が不服だと言うのだアルルは、立派な城だってこさえたしこんなに愛を囁いていると言うのに」
サタン「まだ遠くには行っていないはずだ。探してみるか」
サタン「私の愛☆パゥワー的にはこっちだな」
サタン「さて、アルルはどこにいるか」
ルルー「サタン様ぁ~!」
サタン「む?ルルーか」
ルルー「はい!こんなに良い星煌めく夜空の日に出会えるなんて……きっと運命に間違いありませんわ!」
サタン「す、すまないが私の運命の相手はアルルと決まっているのだ。許せ」
ルルー「やはりアルル……あの娘より私の方が何倍も愛して差し上げますのに!」
サタン「そういう問題ではないのだ。お前の気持ちは嬉しいが……」
ルルー「そう……そうですのね。でも!この世には略奪愛なんてものも存在しますわ」
サタン「な、なに?」
ルルー「サタン様のその恋心……私が奪いとってみせますわ!」
ルルー「ぷよ勝負で私が勝ったらデートしていただきますわよ!」
サタン「ふむ、まあいいだろう。ところで少し前にアルルを見なかったか?」
ルルー「確かに先程走っていくのを見ましたが……」
サタン「なるほど、それが聞ければ十分だ。私が勝ったらどの方向に向かったか教えてもらおう」
ルルー「私との勝負の間にもアルルの事を……きぃー!ぷよ勝負です!」
ルルー「いざ!精神一統!」
サタン「急いでいるのでな。飛ばすぞ」
ルルー「私だって……!風神脚!」
サタン「無駄だ。ダークネス!」
ルルー「くっ!崩撃連脚!」
サタン「ふむ、随分と腕を上げたようだ。動きにキレがある」
ルルー「サタンさまに褒めていただけるなんて……!」
サタン「しかし、私にはやはり及ばん。ジャガーノート!」
ルルー「きゃああああ!?なんてこと……」
サタン「これでフィニッシュだ!テンペスト!」
ルルー「……」
サタン「目を閉じた……勝負を諦めたか?」
ルルー「ハアッ!心頭滅却!」
サタン「何っ!?全て乗り切った!」
ルルー「やぁぁ!女王乱舞!」
ルルー「……」
サタン「……」
ルルー「……くっ」ガクリ
サタン「強くなったな、ルルー。今のは流石の私も少し驚いた」
ルルー「ふふ、あなたに認めてもらうためですもの」
ルルー「アルルは洞窟の方へと走って行きましたわ」
サタン「そうか、礼を言おう」
ルルー「サタン様!」
サタン「ん?」
ルルー「私……諦めませんから!」
サタン「ふっ、分かっている
サタン「さて、洞窟も近くなってきたな。確かにアルルの気配を感じる」
ウィッチ「あらサタン様じゃありませんの」
サタン「ウィッチか、ここの近くでアルルを見なかったか?」
ウィッチ「アルルでしたらつい先ほどこの洞窟に入っていきましたわよ」
サタン「そうか。ではな」
ウィッチ「お待ちなさい!」
サタン「なんだ、私は急いでいるのだが」
ウィッチ「さっきのアルルの表情からして何かしてしまったのでしょう?」
サタン「む、まあその通りだが……」
ウィッチ「今のまま会いに行ったところで恐らく逆効果ですわ。そこで!」
ウィッチ「この『腰が柔らかくなる薬』を飲んでいきませんこと?」
サタン「……その腰が柔らかくなる薬とは一体なんだ」
ウィッチ「簡単に言えば優しくなれるお薬と言ったところですわ」
サタン「お前にしては珍しくマトモな効果だな」
ウィッチ「失礼ですわね!本当は実際に腰が柔らかくなる薬を作ろうとしたのですが失敗して少し効果が違ってしまったのです」
サタン「実際に腰を柔らかくしてどうするのだ一体。しかしふむ……たまには違う私で攻めてみるのもいいかもしれん」
ウィッチ「では私にぷよ勝負で勝ったらこの薬を差し上げますわ」
サタン「失敗作を飲ませるのにそれか……私は急いでいるというのに」
ウィッチ「まあまあ、薬の調合に失敗して少し気晴らしがしたいのです。付き合ってくださいなっと」
サタン「では、ぷよ勝負と行こうか」
ウィッチ「いってみよぉ!ティンクルダストー!クェーサー!」
サタン「飛ばすじゃないか、どれ、ミラーマジック!」
ウィッチ「ぎょええ!?同じ魔法!?」
サタン「ハッハッハッハッ!そーれ追加のサンダーボルトだ!」
ウィッチ「致し方ありませんわね!どんえーん!」
サタン「む、こちらへの攻撃も消えた」
ウィッチ「さあ、これでしきりなおしですわ!メテオ!」
サタン「なんの、ディザスター」
ウィッチ「タキオン!ブラックホール!」
サタン「魔法の連撃とはなかなかだな。だが!」
サタン「圧倒的な力の前に!小細工は通用しない!ジャガーノートォ!カタストロフ!」
ウィッチ「ま、まだまだですわ!どんえー――」
サタン「遅い!パニッシュ!」
ウィッチ「ひゃああああ!?」
サタン「私の勝ちだな」
ウィッチ「う~……いててだよぉ……」
サタン「さあさっさとその薬を渡すのだ」
ウィッチ「そうですわね。ではどうぞ。ぐびっと」
サタン「変な色をしているが……まあよい」グビッ
サタン「……」
ウィッチ「どうです?」
サタン「そんなに変わった気はしないが……」
ウィッチ「あ、あれ?おかしいですわね。まあ所詮失敗して出来た物ですから」
サタン「少し不安だがまあいい。では私は行く、さらばだ」
ウィッチ「……おや?もしかして間違って『家の電気を切ったか少し不安になる薬』を渡しちゃったかしら」
サタン「さーて、我が愛しのアルルー、出ておいでー」
シェゾ「げっ、本当に来た」
サタン「……なぜこんなところにいるのだアルルをつけ狙うヘンタイ魔導師め」
シェゾ「だ、だからオレはアルルの魔力が欲しいだけだと何度言えばわかるこのストーカー魔王め!それにここはオレの住処だ!」
サタン「な、なに!?ストーカーだと!?そ、そんなわけ……」
サタン「い、いや……でももしかしてアルルにはただのストーカーとしか思われていないのか?」
シェゾ「当り前だろう。お前みたいなヘンタイ魔王に好かれて誰が喜……いやルルーは喜ぶだろうが」
サタン「まさかこの私が嫌になったからこんなヘンタイ魔導師の所なんかに泊まろうとしたのか?」
シェゾ「ん?それは知らないが……どうした?様子が変だぞ」
サタン「そんな……アルル……私のアルル……」
シェゾ「え、ええい!なんだ今のお前は!気持ち悪くて仕方ないぞ!」
サタン「だ、黙れ!お前に気持ち悪いなどと言われる筋合いはない!」
シェゾ「何があったか知らんがとっとと出てけ!オレは忙しいんだ!」
サタン「待て!此処にアルルが来ていることは分かっているのだぞ」
シェゾ「どうせお前がまた何かしたんだろう。アルルもお前には会いたくないに決まってる!」
サタン「ち、違う!ただ私はアルルに詫びねばと……」
シェゾ「お前が……詫びる?」
サタン「アルルの家を壊してしまったのは事実だ。だからせめてちゃんとした形で謝罪をしようと……」
シェゾ「フン、どうだかな。結局おまえは本当にアルルの事を思っているのか?」
サタン「当り前だろう!」
シェゾ「笑わせる。普段あれほどアルルの迷惑になるようなことばかりしておいて」
サタン「な、なに」
シェゾ「お前のはただアルルを手に入れたいだけの自己満足だろう!心の底から愛しているわけじゃないのだろう!」ズバッ!
サタン「くっ!いきなり何をする!」
シェゾ「オレがアルルの代わりにその性根を叩き斬ってくれる!お前なんぞにアルルは渡さん!」
サタン「ディザスター!」
シェゾ「どうした!キレがないぞ!サンダーストーム!」
サタン「ぐっ……カタストロフ!」
シェゾ「無駄だ!シャドウエッジ!」
サタン「くぅ……何故だ。何故おまえに押されている!」
シェゾ「アルルを貰うのはこのオレだ!」
サタン「カタクリズム!」
シェゾ「アレイアード!」
サタン「う、うおおおおお!」
シェゾ「……フン。今のお前にはそのように地に這っているのがふさわしい」
サタン「これは……夢だ……」
シェゾ「所詮、お前のアルルへの気持ちはその程度ということか」
サタン「……違う!私は、私は確かにアルルを!愛している!」
シェゾ「……」
サタン「確かに私は今までアルルにとってうっとおしいような行動をしてきたのかもしれないが……」
サタン「アルルをこの世で一番!愛している!」
サタン「私の行動は全てアルルの為だ!アルルに振りむいて欲しいからだ!」
サタン「私は……もうアルル無しに生きてゆけないほどにアルルに惚れてしまった……」
シェゾ「……そう思うなら次からは行動で示せ。アルルはもう此処にいない。とっとと城に帰れ」
サタン「……そうか、分かった。邪魔をした」
シェゾ「……ほら、もうサタンはいないぞ」
アルル「……」
シェゾ「どうした、顔が真っ赤だ」
アルル「そ、そりゃあんなのこと大声で言われたら照れるに決まってるよ!」
シェゾ「全く、まんざらでもないなら少しは構ってやればいいじゃないか」
アルル「う、うるさいな。こんなこと聞くまではボクだって」
シェゾ「なんだ。じゃあ今はそんなでもないのか」
アルル「そ、それは……」
シェゾ「……行ってやれ」
アルル「……うん」
カーバンクル「ぐーぐー」
シェゾ「なんだカーバンクル。お前は行かないのか」
カーバンクル「ぐ」
シェゾ「……お前もカレー、食べるか?」
カーバンクル「ぐー!」
サタン「……今日はもう寝るか」
サタン「……この城は広いな。今まで気にもしなかったが」
サタン「私はこんなにも、アルルに嫌われていたらと考えるだけで弱くなってしまうのか」
サタン「あのヘンタイに言われた通りだな。次からは行動で示さねば」
サタン「……アルル」
アルル「なに?」
サタン「おわぁ!?」
アルル「ひゃっ!?な、なんだよぉ」
サタン「な、何故ここにいる!」
アルル「その……えっと……」
アルル「……折角だから泊まってあげようかなって」
サタン「……いいのか?」
アルル「な、なに?サタンらしくない」
サタン「だが、私は」
アルル「行動で示してくれるんでしょ?」
サタン「……ああ。そうだな」
アルル「あ!でも部屋は別にしてよね!あと家が出来るまでだけだからね!」
サタン「フッ、構わん」
アルル「……嬉しそうだね」
サタン「ああ。とても」
アルル「……」
サタン「なんだ。照れているのか可愛い奴め」
アルル「か、可愛いって言うなあ!」
おしまい
もうちょっとだけ続くんじゃ
エピローグ
サタン「フハハハハ!おはよう我が愛しのアルル!」バーン!
アルル「ひゃああああ!?勝手に部屋に入ってこないでよ!」
サタン「む、すまない」
アルル「う、うん。分かればいいんだけど」
サタン「今日は実にいい天気だ。どうだ?一緒に太陽の元散歩でも」
アルル「まあ……それくらいならいいかな」
サタン「前に嵐が迷惑だと言っていたからな。解除してみたのだ」
アルル「よく覚えてたね。結構前の事なのに」
サタン「当然だ。アルルの紡いだ言葉は一字一句と聞き洩らさないようにしている」
アルル「よく恥ずかしげもなくそんなことを……」
サタン「アルルへの愛に恥じらい等必要ない。重要なのは等身大の愛だアルル」
アルル「……まあそういうことにしておく」
アルル「ところでこれ何処に向かってるの?」
サタン「もうすぐ着く」
アルル「もうすぐ?……ここって」
サタン「花畑だ」
アルル「どうして此処に来たの?」
サタン「たまにはこういうことに力を使ってみようかとな」ブワッ
アルル「わぁ……花弁が舞ってる」
サタン「どうだ?惚れたか?」
アルル「……その一言は余計だったかもね」
サタン「ぐっ、ま、まあいい少しは汚名返上に――」
リデル「お兄様ー」
サタン「げっ!この声は……」
リデル「お兄様、おはようございますー」
アルル「おにいさまぁー?」
サタン「ち、違うんだアルル。これはだな……」
アルル「ふん!良い趣味してるね!ちょっと見なおしたボクがバカだったよーだ!」
サタン「ま、待てアルル!待ってくれぇー!」
アルル「……ま、少しはかっこいいかなって思ったよ。サタン」
fin


