王「無事、依頼を果たしてくれたようだな」
男「はい。すべて、要望の通りに」
王「お前は本当に優秀だ……考え直す気はないのか?」
男「十になるならないの頃から仕事をしてきて、もう二桁の年が過ぎました」
男「少し、足を止めてみたくなったのです」
王「うむ……」
男「依頼を受け付けなくなるわけではありません。少し、休ませてもらうだけです」
男「報酬も、貯まるだけで腐らせておくにはもったいない」
王「分かった。今の情勢なら、一年二年はお前に頼らなくても何とかできそうだ」
王「手間はかかることになりそうだがな」
男「有難う御座います」
元スレ
男「エルフを買った」
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1309049942/
男「エルフを買った」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1309070318/
貴族街
男「いいって言ったのに、報酬にイロを付けてくれた」
男「まあ、金があって困ることはなし、か」
少年「おらおら、ちゃんと歩け!」
エルフ「う、ううっ……ひくっ……」ズルズル
男「貴族の坊ちゃんか……あのエルフも可哀そうに……」
ズルズルと、首輪をつけられたエルフが鎖で引っ張られていく
エルフはこの国では愛玩用奴隷として貴族に人気だ
美しく、長命で、病気等にも耐性がある
ゲスな貴族に言いようにされているエルフを見ると、さすがに心が痛む
商人「さあ、今回一番の目玉商品!」
男「商館か。ちょっと、覗いてみよう」
商人「今回の奴隷市、一番の商品は!」
商人「エルフの少女です!」
おおー!という歓声が上がる
エルフは同族意識が強く、とくに子供を守ることに関しては必死だ
流通している奴隷はほとんど大人であり、子供のエルフは特に価値が高い
檻に入れられたエルフの少女は襤褸をまとって、うつろな表情で座り込んでいた
商人「エルフの少女!もちろん処女です!穢れなしの純潔エルフ!」
商人「その価値は、ここにお集まりの皆様ならお分かりのはず……」
富豪「確かに……いくらだ!?」
大商人「早く値を言え!」
商人「それでは……五千万からスタートです!」
六千万!七千万!
商人が値段を告げるとともに、集まった貴族や金持ちが値を釣り上げていく
少女の命の値段は、下劣な欲望によって高められていく
大富豪「三億だ!」
一番デブで、一番ゲスで、一番いやらしい顔をした男が叫んだ
一瞬にして商館は静まり返る。さすがに三億はでかい
張り合えるやつはそういない
大商人「三億……五百万」
大富豪「ぐ…三億、六百万」
大商人が張り合ってきた。大口の契約を取ったという噂は本当だったようだ
大商人「三億一千万」
大富豪「三億二千万」
大富豪「いや、三億五千万だ!」
おおおっ!?
商館にどよめきが走る。三億五千万。高額商品が出品される商館でも過去最高額だろう
大商人「なっ……降りた方がよさそうだ」
大商人も、張り合えない
商人「三億五千万!三億五千万で落札でよろしいですか!?」
商人が声を張り上げる
大富豪「ふん…張り合えるやつなどいるものか」
大富豪「あの少女はワシのモノだ。ぐっひっひ……」
どんな下劣な想像をしているのか。いやらしい笑みとよだれが垂れ流される
うつろだったエルフの少女も、自分に向けられる欲望に、体を抱いて檻の隅に逃げた
縮こまって、震える。エルフにすべての権利はない
商人「三億五千万!三億五千万でよろしいですね!?」
男「四億出す!」
俺は叫んだ。一斉に、商館の金持ちが俺を見た
若造が、四億という自分の財産を超える金額を口にしたのだ。気になって当然である
男「俺は、四億出そう」
俺はもう一度金額を言った
大富豪「四億だと……?お前に、そんな金があるのか?」
大富豪が絡んでくる。周りの奴らも、それに便乗する
「そもそも、貴様は貴族なのか?」
「若造が……四億などという金、持っているわけがない」
「でまかせはたいがいにしたまえ」
貴族内で、エルフは金によって貸し借りされる。そういうつながりがある
そのつながりにない俺に買われると、大富豪以外の金持ちも困るのだ
貴族は基本的に変態だ。一日貴族街の広場にいればよくわかる
野外プレイに、犬のように散歩させられるエルフに、3Pだってやってるやつもいる
もっとわけのわからないプレイをしている奴もいる
貴族の趣味は、永久にわからない
男「……」
俺は無言で銀のカードを差し出した
銀のカードには、俺の預金額が記録されている。商人がそれを調べる
商人「確かに……四億以上あります」
大富豪「なに……!?」
商人「貴族の位もあります」
大富豪「ぐぅ…四億三千万!」
男「四億五千万!」
大富豪「くそっ!若造が!調子に乗るのも大概にしろ!」
大富豪「私は大富豪なんだぞ!金山銀山の権利もある!」
大富豪「お前とは生きる世界が違うんだ!」
商人「四億、五千万以上の方は!?」
商人は大富豪のことなど無視して問う。商人には、金がすべてだ
商人「いらっしゃいませんね!?それでは、四億五千万で落札いたします!」
商人がさっそくカードから金を移動させる。大富豪たちは俺に悪態をついて商館から出て行った
商人「ヒヒヒ……いい買い物をなされましたね」
卑屈に商人はすり寄ってきた。俺を金づるとみたらしい
男「いいからさっさと少女を渡してくれ」
商人「そう急がず……少女の調教に役立つ道具はいかがです?」
商人は目録を俺に差し出した。受け取らないでいると、開いて見せてきた
商人「媚薬の類はいろいろあります……手錠やムチなんてものも、豊富に」
商人「えっちな下着はもちろん、首輪に鎖…ケツアナ拡張の道具に薬も……」
男「そんなものはいらない!」
俺は手で目録を払い飛ばす。つくづくゲスだ
男「とっとと檻から出してやってくれ」
商人「……分かりました……ヒヒヒ……」
商人はヒョコヒョコと歩き、檻のカギを外……さない
商人「引き渡しの前に、エルフについての説明がありますんで……」
ニヤニヤと商人は笑った
一日暇なので終わるまで書く。遅筆なのは勘弁
商人「このエルフは神樹の森で捕獲しました。年はエルフ年齢で五歳。性別は女」
男「神樹の森か……」
エルフの都市があるといわれている森だ。確認はされていない
商人「性経験はなし。事前調教もなし。処女。事前調教をご希望でしたらこちらに……」
男「いらん」
商人「へへへ……そうですか……」
腹の立つ商人である
商人「それでは、これを」
商人はカギとカードを返す
商人「檻もサービスです。馬車を呼びましょうか?」
男「……そうだな。馬車は呼んでくれ」
商人はヒヒヒと笑いながら馬車を呼びに行った
エルフの少女は、襤褸にくるまって震えていた
少女「……」ブルブル
領地を持つ貴族と、持たない貴族がいる。俺は持つ貴族だ
と、言っても王城すぐ近くの狭い土地だ。領民もいないので、税収もない
税金がかからない土地という意味で、いつぞやの仕事の報酬でもらった
男「俺は、君にひどいことはしないよ。怖がらなくていいんだ」
少女「……」ブルブル
少女は人間に対して、ひどく怯えている。無理もない
俺は水と食料を分かりやすい位置において街に買い物に行くことにした
必要なものはいろいろある
男「まずは服か」
なじみの店で注文しよう……
服に、物語や勉強の本、食器や家具などを買って行くと、結構な額になる
今までの仕事の報酬の額も、無限ではない
あまり贅沢はしない方がいいようだ
男「ただいま」
少女「……」スースー
家に帰ると、少女は寝ていた。水と食べ物は食べたあとがある
襤褸にくるまって、小さくなって寝る姿には警戒心を感じる
事実、近づくと少女は跳ね起きた
少女「……」
伺うような視線。食べ物と水をくれた相手、ということか怯えてはいない
しかし、依然として高い警戒がある
男「そんな襤褸では嫌だろう。服を買ってきた」
袋からきれいに畳まれた服を取り出す
男「風呂場が奥にある。体を洗って、着替えてくるといい」
服を渡そうとして近づくと、少女はびくりと震えて後ろに下がった
男「あー、ここにおいておく。俺は、隣の部屋にいるよ」
警戒心がとかれるのは、まだ先になりそうだ
隣の部屋で、買ってきた本を読む。タイトルは「エルフの生態と精神について」
エルフが奴隷として捕えはじめられたころに、アカデミーの教授が書いた本だ
『エルフは六、七歳程度までは体の成長は人間と同じである。しかし学習能力はエルフがはるかに上回り、実験対象のエルフは、七歳にして成人男性をはるかに超える知識を身に着けることを可能にした』
『また、身体能力も訓練を施せば人間と同等、それ以上の能力を出すことも可能。ただし、奴隷の反乱を招く可能性があるので訓練を施すことはないように』
『視力などの五感は、人間を上回る。魔法に高い適性があり、コロシアムのようなものを作ればエルフ同士の戦闘を楽しむこともできるだろう。その際鎖は封魔金属を使うこと』
『八歳程度になると、急速に成長し、人間でいう十六、七の見た目になる。エルフは若い期間が長く、五世代、六世代程度は軽くその状態を維持する』
奥から水音が聞こえる。言ったとおりにしてくれているようだ
しばらくすると、隣の部屋に少女が戻ってきたのが分かった。こちらに来てくれるかと思ったが、そうはいかない
ゆっくりと付き合っていくしかないのだ
とりあえず、夕食を作ることにした。エルフは菜食を好む。肉はかってこなかった
男「入るよ?」
声をかけて入ると、少女は買ってきた服に着替えて、隅で座っていた
襤褸は風呂場においてきたのだろうか、ここにはない
俺がいると落ち着かないのか、くるくると視線が定まらない
男「ご飯だよ。このテーブルに置いておくから、食べてほしい」
まだ、一日目だ。一緒に食べるのは無理だろう
そう判断して、テーブルに夕食を置いて俺は部屋から出た
二日目
仕事がないとゆっくり眠れていい。久々にベッドで眠った
自室から居間に入ろうとすると、少女の気配を感じた
扉を少し開けて伺う。座り込んで絵本を読んでいるようだった。そういえば居間に置いたままだった
邪魔するのも悪い。迂回してキッチンへ向かう
男「どの程度の知識があるのだろうか……」
少なくとも言葉は理解できる。計算能力などはあるのだろうか
打ち解けてくれたら、勉強を教えようと教材を買ってあるが……
男「あちち、うわ、焦げた」
これは俺の分にしよう。俺は少女の分の卵を割った
声をかけて居間に入ると、少女は慌てて絵本を隠そうとした
かってに読んで怒られると思ったのかもしれない
男「隠さなくてもいいよ。君のために買ってきたんだから、好きなように読むといい」
少女「……」
少女は後ろに隠していた絵本を胸にぎゅっと抱いた。気に入ったのかもしれない
男「さ、朝ご飯にしよう……ここにおいておくから、食べてくれ」
少女「………」ペコリ
お礼なのか、少女は頭を下げた。ちょっと嬉しい
俺は部屋から出て、自分の分を食べることにする
こっそりと様子をうかがっていたが、少女はずっと本を読んでいた
何冊か薦められた本を買っておいてよかった
仕事仕事でゆっくりできる時間はなかったから、こういう時間はいい
そのうち画用紙よクレヨンを見つけて、何かしら書き始めた
男「何かいてるんだ……?」
気になるが、踏み込んでいいものか、悪いものか
子供を育てた経験など一度もないので、さっぱりだ
一生懸命書いているようで、何色ものクレヨンを使っている
そろそろ昼になる。飯を作らなくては
肉が食べたい気分なので、少しだけ肉を入れる。嫌だったら食べないだろう
男「入るよ」
入っても、こちらを見ない。集中しているのだろうか?
とりあえず、テーブルに昼食を置く
男「何かいてるの?」
少女「……ん」
少女が画用紙を俺に差し出す。受け取ってみると、動物が何種類書かれていた
男「うまく書けてるね」
少女「……」
褒めてあげると、照れたように視線を逸らした。可愛い
男「俺も一緒に食べていいかな?」
少女「……」コクリ
少しばかりは信用してくれたようだ
男「おいしい?」
少女「……」コクリ
少女はフォークでサラダを食べている。肉も気にせず食べていた
軽い会話をいくつか投げかけて、食事は終わった
少女「……あの」
男「なに?」
少女は立ち上がると、スルスルと服を脱ぎ始めた
男「ちょっ、なにやってんの!?」
あっという間に裸になる。少女はじっとこちらを見つめた
少女「だって、あの人たちは、他の人に、こうさせてた」
少女「買われた相手に、体をあげろって、聞かせられた」
男「あのっ、クソ商人め……」
少女は裸で、恐怖と不安に震えていた
男「そんなこと、しなくていいんだ」
少女「でも……他の人は、毎日ごはんの後、あの人たちにいじめられてた」
少女「私は、上玉、特別だって、虐められなかったけど……」
男「あいつらの言うこと、やることは間違っているんだ」
男「キミは、そんなこと、しなくていいんだ」
少女「あなたは、私を虐めないの?」
少女「優しくしてくれる?」
男「虐めない。優しくするよ」
少女「……ありがとう……」ポロポロ
しくしくと、少女は座り込んで泣き始めた
三日目
少女「あの、えっと……」
別の部屋で本を読んでいると、少女が何冊か絵本を抱えてやってきた
男「なんだ?」
少女「えっと……本、よんで」
エルフも人間とこういうところは変わらないらしい
男「わかった。あっちのソファで読もう……何の本?」
少女「うんと……「パン屋さんのお姉さん」って本」
表紙にはパンが入った籠を抱えたお姉さんが描かれている
男「分かった。どんなお話だろうな……」
少女「えっとね、お姉さんがね……」
貴族街
大富豪に呼ばれた。用件は何となくわかるが、無視するのも怖い
少女には計算ドリルをやっておくように言いつけておいた
商人の檻で他のエルフに習っていたそうだが、二桁の足し算に苦戦していた
男「相変わらずだな……」
視線の先では、貴族の少年がエルフの尻を犯していた。
少年A「おい、コイツにもっとぶち込んでやろうぜ!」
少年B「おれ、前の穴とった―」
少年C「テメ、まあいいや。じゃあ口はいただきー」
少年D「えー、俺手かよー。後で変われよな」
エルフ「やめ、許し……ああっ、うぶっ……」
野外4Pとは、貴族に羞恥心はないのか?
少女だけは貴族街に連れてきてはいけないな……
エルフ「ぶっ、うんんっ、あ、うううぅぅぅ……」
エルフは泣きながら犯されている。俺はそれを助けられない
法律は、他人のエルフに干渉することを厳しく禁じている
作ったやつはNTR耐性がなかったのだろう
奴隷のエルフは、所有者の物であり、それをどうしようが罪には問われない
極論、殺しても別にいいのだ
大富豪邸
男「趣味悪……」
執事「男様ですね、どうぞ……」
造形センスゼロである。そんな邸宅に、執事の案内で入っていく
エロメイド服を着せられたエルフが何人かに犯されていた
少年「ちゃんとケツ振れよ!」
エルフ「申し訳ございません……」
少年の手には鞭が握られており、エルフの背中は赤い。何度が打ったのだろう
少年「しゃーないよ兄ちゃん、コイツゴミだし?」
弟らしき少年が、エルフの顔を蹴り飛ばす。エルフの体制が崩れる
少年「バカ野郎、チンポが抜けただろ!クズ!」
エルフ「申し訳ございません!やめてください!鞭はやめて!」
少年「うっせバーカ!」
鞭が振るわれる。エルフは泣いて耐えるしかない
執事「男様?」
執事は何でもない事のように俺に声をかけた。俺は執事について行くしかない
大富豪「よくいらっしゃいましたな、男さん」
男「お招きいただき……」
別に光栄ではない
男「……ゲホゲホ」
ごまかすことにする
俺と大富豪の周りには裸のエルフが並んでいる
金髪、銀髪、黒髪、etc、etc……
白い肌、黒い肌、褐色、日焼けあと、入れ墨etc、etc……
エロメイド服、ナース、警察官、シスター、バニーetc、etc……
変態性の犠牲になったものだと、片手なし片足なし……
男「……」
大富豪「すごいでしょう?このエルフは」
すごいのはオマエの変態性だ
さっきの少年が入ってきて、ナースのエルフを連れて行く
エルフは泣きそうになりながらも、笑顔らしきものを浮かべて引っ張られていく
大富豪「ナース、好きですか?息子に後にするよう言いましょうか」
やめろ
やめてください。いろんな意味で
ちょっと補足
男「外でやってるのは子供が多い。自慢のエルフでみんなと遊ぼう!みたいな感じ」
男「貴族の仕事はほとんどない。税収とか、利権とかで儲かってる。だから、欲望に忠実に生きていられる」
男「エルフと人間で子供は生まれない。妊婦プレイはできないわけだ」
男「他人のエルフには原則干渉できないけど、相手の持ち主が許可すれば可能」
男「人間の売り買いは厳罰がある。貴族でも例外はない」
男「エルフの持ち主に手出しはできるけど、ふつーに犯罪」
男「貴族の御嬢さんは逆レイプや、自分好みにカスタムして遊んでる」
男「貴族は精力剤を愛飲」
大富豪「まあ、まずは……おい!」
大富豪が奥に声をかけると、エルフが料理を運んできた
大富豪「そろそろ飯時ですからな」
ぐへへ、と料理を置いているエルフの胸をもむ。エルフは笑顔で対応させられる
大富豪のセクハラに負けず、料理が置かれていく
大富豪「どうぞ。一流のシェフに作らせた料理ですよ」
両側にエルフが座る。当然のように裸だ。大富豪は両隣のエルフに「あーん」で食べさせてもらっている
うげぇ。超帰りたい
俺の両隣のエルフが、食べたい料理を聞いてくる。俺は自分で食べる、と断った
エルフは少し安心したようだった
大富豪「酒はこうして飲むに限る」
大富豪はわかめ酒を飲んでいる
やめろ
やめてください。いろんな意味で
悪夢の料理タイムは終了した。大富豪はキモイ
大富豪「それで……男さんがあのエルフを買ってそろそろ一週間……」
やっぱりその話か
大富豪「どうですか?あの少女のマンコは?やっぱりきついですかね?」
げへへ、と笑う。股間の盛り上がりに気付いてしまった。最悪だ
大富豪「おっと……おい」
わきに控えていたエルフが、大富豪のアレを取り出し、しゃぶり始める
つくづく最悪だ
大富豪「口も狭くていいでしょうなぁ。何より若い。エルフは長寿なぶん生殖能力が低いらしく、子供は貴重ですからな」
男「……」
大富豪「私も、これだけのエルフがいますが、子供のエルフはまだ犯したことがない……」
大富豪「ぜひ、あなたのエルフを貸してほしいと、お呼びしたのですよ……げへへ、おうっ!」
エルフ「んぶ、ん、ん、ん……」
エルフの喉が動く。飲んでいるのか
そして大富豪。お前の欲望は底なしだな
男「あの少女をあなたに貸すわけにはいきません」
大富豪「ああ、タダとは言いませんよ。一日ごとに、ここのエルフ五人をあなたにあげていい」
大富豪「ご不満なら、金もつけましょうか?金山の権利の方が?」
男「………」
大富豪「みんなやってることですよ?私も、大商人とこのロングのエルフは好きでしてね」
大富豪「何度か借りて楽しんだものですよ、ヒヒッ」
男「………」
大富豪「どうです?あのエルフ、貸していただけませんかねぇ……?」
男「無理、ですね。どんなに金をつまれても、私はあなたに渡すことはないでしょう」
俺は立ち上がった。もう帰ろう
大富豪「まて!分かった、一日十人だ!十人をやる!そっちは貸すだけなんだぞ!」
男「さようならです」
大富豪は何か叫んでいたが、俺は、無視して逃げ帰った
貴族の常識は異次元の常識だ
262 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2011/06/26 12:44:37.24 20zmk6re0 28/158男も貴族だがな
269 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2011/06/26 12:47:38.46 z6WhtY/v0 29/158>>262
オトコは金持ってるだけで貴族では無いだろう
少女「お帰りなさい!」
男「ただいま……あー、疲れた」
少女「できたよ、計算ドリル」
ノートを嬉しそうに持ってくる。疲れているが、それとこれは別だ
男「さぁて……」
採点していく。あの本の通り、少女の学習能力は高い
足し算でつまづいてはいるものの、コツをつかめばすぐ習得する
男「ここと、ここ。それだけだな、間違いは」
少女「あ、ほんとだ……」
ノートを受け取って、がっかり、と項垂れる少女。その場ですぐに直し、俺に見せてくる
少女「どうかな!?」
男「おー、あってるあってる。えらいぞ」
頭をなでてやる
少女「えへへ。次のお勉強は?」
ご褒美目当てだろうが、勉強の意欲があるのはよい
>>269
男「いちおう貴族なんだよ……俺も。じゃないと貴族街入れないし、商館で買い物もできない」
--
そろそろ二か月になる。少女は他のエルフの惨状を見てないため、のびのび生きている
少女「男さん!犬だよ!犬!」
庭に迷い込んできた犬にいたく興奮している
子犬、だろう。犬の方も、少女にじゃれている
少女「きゃはは、くすぐったい!わー、あったかーい」
犬を抱き上げて喜んでいる。犬もぺろぺろと頬をなめて喜んでいるように見える
俺はそれを見ながら、大富豪や大商人からの手紙を千切る作業を続けた
少女「それっ、とっておいで!」
枝をなげて取ってこさせるつもりらしい。子犬は飛んでいく枝を見つめたのち、少女に向かってダッシュした
少女「もー、取ってこなっくちゃだめだよ」
そういいつつも嬉しそうに抱きしめている
少女「男さん、お願いがあるの」
夕方、子犬と遊びまくっていた少女が、遠慮がちに話しかけてきた
男「なんだ?」
少女「この子、飼いたいの。お願い!世話は自分でするから」
子供の常套句だ。そして世話をしなくなる
けれども、命の大切さを教えるのも重要かもしれない
うーん、どうしよう?
少女「お願い!勉強ももっと頑張るし、お手伝いも沢山するから」
勉強も頑張っているし、手伝いもよくしてくれている
いい子なのだ、少女は
男「うーん。分かった、ちゃんと世話するんだぞ」
少女「うん!よかったねー。今日から家族だよー」
子犬も嬉しいのか一鳴きして、俺の周りをくるくる回った
男「とりあえず、午前中は勉強だ」
少女「はい。今日のお勉強は?」
子犬もおとなしくしている。頭がいい犬だ
男「今日は数学と、地理だ」
少女の学習速度は高い。エルフとしての基礎能力に、少女自身の努力がある
集中力も高い。賢い子だ
勉強の範囲を指示して、子犬と一緒に部屋を出る
犬の種類は詳しくないが、見たことがない種類の犬だ
男「毒とかないだろうな……?」
どこぞの村では、女の子が知らずにモンスターを育てていたという話も聞く
少なくとも俺の知識ではこんなモンスターはいないのだが
男「まあ、調べておくか。よしよし、お前、少女の言うことをちゃんと聞くんだぞ」
分かっているのか、いないのか。とりあえず、子犬はワンと小さく鳴いた
やっぱり賢い犬だ
少女「できたよ!」
昼近くに、少女が笑顔でノートを持ってきた
ボールで子犬と遊んでいた俺を見て、少女は頬を膨らませた
少女「男さんだけボールで遊んでずるーい」
ねー。とさっそく子犬を抱いて文句を言うが、少女よ
遊んでいたのは犬も同じだぞ?
男「採点しとくから、お昼ご飯を作ってくれ」
少女「はいっ!」
少女がキッチンにかけていく。手を洗え、と言おうとして水の音が聞こえてきたので飲み込む
言うまでもなかったか
少女「男さん、パスタとスープどっちがいいかな?」
男「スープスパでいいだろう」
少女「あっ、そっか」
少女は記憶力もいい。一度教えておけば作れるので、こっちとしては手間がかからなくていい
いいけど、少しさびしい
暮らし始めてからそろそろ半年になる
俺が仕事をしなくなってからも、半年だ
貯蓄はまだある。今まで使わなくてよかった
男「出かけてくる。留守番は頼むぞ」
少女「分かりました。いつごろ帰ってくるの?」
男「多分、夜かな」
王城に呼ばれている。仕事の依頼だろうか?
少女「気を付けてね。いってらっしゃい」
男「ちゃんと勉強はしておくこと。いってきます」
王城に行くには貴族街を通らなくてはいけない。ちょっと憂鬱だ
貴族街
貴族街では、俺はちょっとした有名人だ
もちろんうれしくはない
少年A「にーちゃーん、兄ちゃんのエルフってロリなんだろ?やらせてよー」
少年S「俺の自慢のエルフ、やっていいからさー」
男「どけっての、クソガキ。家帰れ」
少年W「なんだよ、にーちゃん愛想ねーな」
少年Q「つーかにーちゃんどこ住んでるの?貴族街に家ある?」
男「うっせ、バーカ」
他のエルフの扱いを見ると、心が痛む
そのうち、痛い目にあうだろうな、貴族どもは
王城
王「ひさしぶりだな、男よ」
男「はっ」
王「それにしても、報酬で何を買ったかと思えばエルフか」
王「エルフがほしいなら、言えばやったものを」
男「はは……」
謁見の間には、さすがにエルフはいない
王が暮らす奥のエリアにはいるのだろうが、入れないのでわからない
王「まあいい。本題に入ろう」
王「神樹の森はしっているな?」
男「ええ。この大陸最大の森で、エルフの都市があるらしいという……」
王「そうだ。同時に、この国と、他の国の境のあたりでもある」
男「まさか」
王「隣国が、神樹の森を自国の領土と主張し、攻め入っている」
王「狙いはエルフだろうな。いまは国境付近ということで、軍隊による探索はできない」
男「つまり、自国の領土にしてしまえば……」
王「そういうことだ」
男(くそ、なんてことだ……)
王「今はまだ小競り合い程度だが……すぐにでも本格的な戦闘になる」
王「一年二年はお前の力を借りぬといったが……」
王「すまないが、あれは嘘になりそうだ」
男「………」
王「軍事費は十分だ。負ければ新たなエルフが手に入らないとなれば、勝つために貴族は金を惜しまぬ」
王「まだ、依頼はしない」
男「……分かりました……」
王「そうだ、エルフを買って、金も減っただろう。これはわしからだ」
男「有難う御座います」
練兵場
女「お?」
男「よお」
女「どうしたんですか?休暇と聞いていますけど」
男「休暇中だよ。間違ってない。ただ」
男「休暇をやるといったが…すまん、ありゃあ嘘だった。っていうわけだ」
女「あー、エルフの……」
男「そーゆーことだ」
女「でも、私もイケメンエルフで遊べなくなるのは嫌ですからねー」
女「士気高いですよ、みんな」
男「単純だな」
女「そんなものですよ」
女「他の人にもあいさつしときます?」
男「いいよ、別に。部隊違うし」
女「つーか、もう投入されていませんけどね」
男「だったら聞くなよ」
女「すみません。あ、ところで、この噂知ってます?」
男「噂?いや、最近領地に引きこもってるから」
女「あー、あの山と平原の自然100パーセントの土地ですか?」
男「王都に近いから不便じゃないし、静かでいいところだ」
女「機会があったら連れて行ってください。そんで、噂ですけど」
女「神樹の森で、ここ最近強い魔導反応があるそうですよ」
男「強い魔導反応?」
女「はいー。夜とか、早朝に、一瞬あるとかないとか」
男「敵国の魔術師じゃないのか?」
女「警備隊の魔術師曰く、「俺はもう何年もここにいるが、相手の魔力の波長じゃない」とかなんとか」
男「ふーん……」
女「竜とか、悪魔でもいるんでしょうか?」
男「伝説級の魔物がいたら大変だよ。ま、一瞬なんだろ?」
女「はい」
男「だったら、よほど魔法に適性がない限りそんなことはできない。強大な魔力を一瞬だけ、なんて器用な真似はな」
男「気のせいだろ。あくまで、噂は噂ってことだ」
女「…そうですね、きっと」
男「ただいま」
少女「お帰りなさい!」
少女は元気よく迎えてくれた。それに笑顔で答えながら、家に入る
短い休暇だったか、とソファに座って考えた
少女「はい、今日のノート」
男「ああ、うん……」
受け取る。ええっと、今日は何を指示したっけ?
ため息。採点せずに返す
少女「あれ?どうしたの?」
男「今日は……ちょっと、疲れたから、また明日見せてくれ」
少女「……はい」
男「ゴメンな」
頭をなでる。少女は少しだけさびしそうな顔で撫でられていた
男「今日は、もう寝なさい」
居間の籠の中では、子犬が襤褸にくるまって寝ている
少女も「おやすみなさい」といって自分の部屋に戻っていった
男「……ふう」
他国との戦争になれば駆り出されるのは当然だ
貴族にとって、エルフの供給は重要なのだ。他国も例外ではない
神樹の森付近の戦闘ともなれば、エルフの供給は一時的に止まる
なぜなら、神樹の森がもっとも捕獲量が多いからだ
男「少女の価値はうなぎのぼりだな……」
エルフの都市は見つかってない。あるのかどうかすらわからない
見つかっているのなら、少女を連れて行ってもいいのだが
男「どうすればいいのか……」
エルフは多くても十人程度の集団で暮らしているようだ
上手く接触できればいいが、都合よくもいかないだろう
戦争が起きないのが一番いいでも、その可能性は低いのだ
王城
王「前回呼んだのはいつだったか……」
男「半年くらい前ですね」
王「そうか、そうだったな。そろそろ、出てほしいのだよ、お前に」
男「……まだ、俺の力は不要なはずです」
王「確かに、優位なのは我が国だが……」
王「早く終わらせたいのだよ。長引くのはよくない」
男「指揮官の変更を提言いたします。第一部隊の指揮官を、女に変えるべきです」
男「今の指揮官は、従軍のエルフ目当ての能無しですから」
王「ふむ、お前が言うならばそうなのだろう。おい!」
兵「はっ」
王「そのようにせよ」
兵「はっ」
王「休暇を認めていたという負い目があるが……」
男「分かっています、いざというときは」
男「俺が出ます」
男「少女がここにきて、そろそろ一年だ」
男「エルフの体のおかげか、大体十歳くらいの見た目だ」
男「そろそろ、身を守る技術を教えていこう」
少女「はいっ!」
男「最初に言っておくが、とにかく危ないと思ったら逃げるんだ」
男「人間は、エルフに対してひどいことをする」
少女「……はい」
男「それじゃ、基本的な動きから……」
少女「はぁっ、はっ、はぁっ、はっ……」
男「よし、今日はここまで」
少女「は、はい!」
少女「男さんのお仕事は、戦うことだったんですか?」
男「なんだ、急に」
少女「すっごく強かったし、分かりやすく教えてくれたから」
少女「きっと、すっごく練習したんだなって」
男「……」
男「そうだな。俺は孤児だったんだ。子供が働く場所は、限られてくる」
男「その中で、一番儲かる仕事を選んだ。それだけだよ」
少女「……男さんは、なんで私を買ってくれたの?」
少女「ひどいことするためじゃ、ないんだったら……」
少女「なんで?」
男「……何でだろうなぁ」
少女「私に、四億以上のお金を使って、それに今まで私にいっぱいお金を使ってくれた」
少女「勉強道具も、本も、服も、いろいろ買ってくれた」
少女「どうして?」
男「それは……」
男「この話は、終わりにしよう」
俺は餌皿に顔を突っ込んでいた子犬を撫でた
犬は顔をあげて、ワンと鳴いた
少女「……うん」
少女は明らかに不満そうだった。当然だろう
知識もついたし、知恵もついた。思考力もある
そうなれば出てくる当然の疑問に、俺は答えられなかった
男「ただ、俺は少女のことが好きだし、これからも大切にしていきたいと思っている」
少女「私も、男さんのこと好きだよ」
男「実力をつけたら、神樹の森に行くといい。きっと、仲間に会える」
少女「男さんと一緒に旅行かぁ。楽しみだな」
いや、その時は、と言いかけて止める
今は、そういうことにしておけばいい
少女は子犬に楽しそうに話しかけている
俺はもう寝なさいと声をかけ、自室に逃げた
少女は実力をどんどんあげていった
王城の書庫からパクッてきた魔導書を読ませているせいだろうか
魔法で底上げされた力は、普通の成人男性となら渡り合えるだろう
少女「いやあっ!」
男「おっと!」
さすがに体が柔らかい。ちょっと無理な体勢からでも攻撃が飛んでくる
それでもまだまだ、俺の方が強い
避けて、カウンターを入れる
少女「あうっ」
手加減された攻撃がきれいに入り、少女が吹っ飛ぶ。子犬が追いかけていき、頬をなめる
少女「だいじょうぶ、大丈夫だから」
子犬はすぐに離れる。本当に頭のいい犬だ
男「休憩にするか」
少女「はいっ!」
見た目十歳の体は、以前からの適度な運動のせいかしっかりと成長している
あの本の通りなら、あと一年二年で十六、七歳の体に成長するのだろう
少女「はい、男さん」
男「ありがとう」
水の入ったコップを受け取る。今日も王城に呼ばれている
王城前
男「よ」
女「あ、どうも」
男「どうも、ってなんだよ」
女「いや、出世したので。聞くところによると、推薦していただけたようで」
男「俺が戦場に出たくないだけだよ」
女「まあでも、かなり優勢ですよ、私たちが」
女「このまま制圧できそうです」
男「それはよかった……まだ、戦場には戻れないからな」
女「ご執心ですね、買ったエルフ、そんなにいい具合なんですか?」
男「……」
女「別に、連れて行ってもいいと思うんですけどねー。部下も何人か、連れてきてやってますし」
男「そんなことより、なんでお前がここにいるんだ?指揮は?」
女「部隊が統合されて、指揮官は解任です。階級は上がったのでいいんですけど」
女「王都には負傷兵を統率してきたんですよ」
女「あとは報告も兼ねてますね」
男「報告?」
女「そうたいしたものではないですけどね。そろそろ行きましょうよ」
男「そうだな。遅れるのもまずい」
王「おお、二人で来たか」
女「申し訳ございません。遅れました」
王「気にすることはない。報告を……」
兵士「伝令です!」
王「なんだ!?緊急か!?」
兵士「他国との戦闘中の我が軍が……」
兵士「ほぼ、壊滅状態に陥りました!」
男「何!?」
女「そんな馬鹿な!?情報の伝達方式は?」
兵士「伝達魔法です」
男「敵に盗み見られても構わないってことは、敵も同様の損害か?」
兵士「はい。戦域にいた部隊は、両国壊滅状態です」
王「ばかな……」
女「原因は?」
兵士「それが……化け物、と」
男「化け物?」
兵士「木でできた竜のようなものの攻撃で……」
女「竜!?そんな、伝説の……」
男「あの噂か?」
女「あ、あの噂が、本当だったってこと?」
兵士「その竜は、敵国の方角へ飛んで行ったそうです」
王「……幕僚を集めよ」
兵士「はっ!」
王「女は残れ……男」
男「は」
王「今日は、戻れ」
男「はい」
王「腕は、なまっていないな?」
男「………」
男「はい」
少女「お帰りなさい」
男「ああ、ただいま……」
少女「ご飯、出来てるよ?」
男「あー、ああ。食べよう」
少女は俺の返事を聞くと、ぱたぱたとキッチンへ走っていく
そのあとに子犬も走っていく
俺は座り込んだまま、動かずにいた
少女「男さん、大丈夫?」
男「うん、大丈夫。おお、うまそうだな」
少女「………」
少女は心配そうにこちらを見つめている
気づかないふりをして、夕食の席に着く
ふと足元を見ると、子犬が俺を見上げている。犬にまで心配されるとは、ずいぶんと弱っている
少女「いただきます」
男「いただきます」
少女「男さん、どうしたの?変だよ?」
食べ終わった後、少女は俺の隣で心配そうに言った
男「なんでもない……何でもないよ」
少女「私、男さんに恩返ししたいの。私にできることなら何でもするよ」
少女「心配なの。私にできることはない?」
残念だが、ないだろう
男「大丈夫だって。何も心配しなくていい」
男「明日は朝早くに出かける予定がある。俺はもう寝るよ」
少女「……おやすみなさい」
男「ああ、おやすみ」
練兵場
女「貴族の奴ら、怒ってましたね」
男「そりゃ、そうさ。飼い犬に手をかまれたようなものだ」
木の竜は、エルフの魔法によりコントロールされているようだ
他国の王都を壊滅させたエルフたちの次の敵はこの国だ
エルフの反乱が、とうとう起こったのだった
そのことを知った貴族たちは、もちろん激怒した
その怒りから、すぐに軍を編成し、制圧部隊を差し向けたのだ
女「勝てますかね、竜に」
男「まあ、準備ができていれば不可能じゃないだろうな」
男「報告だと、竜モドキという話だし」
古木に魔法をかけ、擬似的な竜にしているらしい
女「とうとう男さんも出陣ですか」
男「俺にあるのは対人戦闘能力だけだけどな」
女「それでも、心強いですよ」
男「女も出陣するんだろ?」
女「第四後方部隊の指揮官です。こう見えて、ちょっとは魔法ができますからね」
男「しばらく、家に帰れないと思うから」
少女「どうしてですか?」
男「仕事だよ。ちゃんと、言いつけどおりに練習はすること」
少女「はいっ」
少女は元気よく返事をした
もしかしたら、心配させないための演技だったのかもしれない
男「お前も、俺の代わりに少女を守ってやってくれよ」
犬も元気よく鳴いた。最近でかくなってきている
少女「いってらっしゃい」
男「いってきます」
貴族街
少年H「てめーふざけんじゃねーぞ」
少年I「奴隷のくせにちょーしこいてんじゃねーよ」
少年たちが、エルフに暴力をふるっていた
殴られているエルフは、わけがわからないようで、必死に謝っている
エルフ「ごめんなさい、なぐらないで!ごめんなさい、ごめんなさいぃ!」
横目で見ながら、貴族街を抜ける
後ろからはエルフの鳴き声が俺を追いかけてきていた
王城
王「とうとう出てくれるか」
男「ええ。さすがに、見過ごせませんからね」
王「ふん、まさか反乱してくるとはな、エルフの奴らめ。身の程をわきまえろというのだ」
男「そうですね。立場を知る、というのは大切です」
王「お前の働きには期待している。頼んだぞ」
男「はい。必ず、勝利をこの手に」
戦場
夜間
指揮官A「ちっ、エルフのヤロー手こずらせてくれる」
指揮官B「奴らの魔法はうっとうしいですからね」
A「全くだ。とっとと制圧して、奴隷にしてやりてえよ」
B「あの指揮官のエルフ、エロい体でいいですよね」
A「ああ、あの前線の。俺としては右翼のあのエルフの方が……」
B「どのエルフですか?ちょうど反対の指揮ですからね、私は」
A「そうだな……胸が、ぐ……」ガクリ
B「胸が、なんで、す……」ガクリ
「………」
魔導師H「エルフの魔法は厄介だな」
魔術師G「適正がなーもともと向こうが上だし」
H「まあ、最後に勝つのは俺たちさ」
G「そりゃそうだ、数が違うさ、数が」
H「俺、勝ったら敗戦将軍のエルフをレイプするんだ……げ」ガクリ
G「ちょ、死亡フラグ……か」ガクリ
「……」
戦場
エルフL「なんだ?敵の軍はガタガタだな」
エルフB「どうやら……指揮官の大半がいないため、だと……」
エルフL「いや、魔導師もいないな……」
エルフB「将兵も、ごっそりいません」
エルフP「ここは、一気に攻勢をかけることを具申いたします!」
エルフL「策、ではないか……?」
エルフK「昨日や、今までの戦いから、こんな策を仕掛けてくるとは思えませんが」
エルフB「元々、数では劣っています。賭けに出ましょう」
エルフL「………」
エルフL「敵は陣形を乱している!このは我らの勝利の機である!」
エルフL「弓部隊、突撃する!構え!」
エルフL「撃て!」
女「なんで!?指揮官の大半が死んでるし、魔導兵もほとんどいない!」
女「浮足立つな!私たちの方が兵力は上だ!」
女「陣形を乱すな!敵は少数だ!」
兵士「敵、突撃来ます!」
女「盾部隊前!弓部隊迎撃用意!」
男「さすがだな、女」
女「男!?相変わらず神出鬼没だね!」
女「手伝って!陣が崩れ始めてる!」
男「もちろん、手伝おう」
女「ありが、え……?」
女「あ、かほっ……」
男「悪いな」
女「そっか、指揮官、魔導兵……うらぎ、がはっ……」ガクリ
男「悪いな……指揮官がエルフの魔法で討たれたぞ!」
「なに!?」
「うわああああ、おしまいじゃないか!」
「指揮官もなしにどうやって戦えっていうんだ!」
「もう、逃げる!俺は逃げるぞ!」
エルフN「逃がさない!報いを受けろ!」
エルフV「覚悟、人間!」
「うわあああああああっ!」
「ぎゃああああああっ!!」
王都前
エルフ「我々は!同族の解放のために立ち上がった!」
エルフ「人間たちよ!すぐに我が同法を開放し、しかるべき報いを受けよ!」
王「くそ、奴隷の分際で……」
王「男は何をしているんだ、まったく……」
王「軍をかき集めよ、正門前に配置!」
正門前
兵士「くそ、なんで奴隷がこんなに強いんだよ!」
兵士「やってらんねーよ、マジで」
男「おい、交代の時間だぞ」
兵士「ん?まだ早いぞ?」
男「何言ってんだ、新しいシフトだろ」
兵士「聞かされてねーけど……」
男「あ、そ。じゃあいったん聞きに行けよ。俺がいるから」
兵士「そうだな……じゃ、ちょっといってくる」
エルフL「城門が開くぞ、戦闘用意!」
エルフB「開門しましたが、敵は戦闘態勢どころが、布陣すらしていません!」
エルフL「どういうことだ?……まあ、いい」
エルフL「先の戦闘!そして、この戦闘!機は我らにあり!」
エルフL「一気呵成に攻めよ!」
「な、なんで門があくんだ?」
「布陣すらできていないぞ!」
「うわ、もう来てる!」
「逃げろ、にげろおおおおおっっ!!!!」
エルフI「ここで、貴様らを!」
エルフY「我らにしてきた仕打ちを思い出せ!」
「くそおおおおおおっ!」
「やめろ。やめお、やめろおおっ!奴隷のくせに!こら、やめろおおおっ!」
男「王都をエルフが制圧するまで時間の問題だな」
それまでに、やるべきことはたくさんある
男「ただいま、少女」
少女「おかえりなさい!」
少女が飛び込んでくる。受け止めて、抱きしめる
少女「わ、わ、わ」
男「嫌か?」
少女「ううん、嫌じゃない」
少女も俺の体に手を回す
男「さびしかったか?」
少女「うん、一週間もかえってこないんだもん」
男「ゴメンな」
少女「いいよ。ねえ、これからはずっといられるの?」
男「ゴメンな、少女。恨むなら、恨んでくれていい」
少女「え?あっ……」ガクリ
少女の体が崩れ落ちる。俺は短剣をしまいながら立ち上がった
王城に行かなくてはならない。ならないが……
男「くそっ……どうして」
倒れた少女を見ていると、涙が出てきた。こうしなくてはならない運命を、うらむ
王城
王「バカな……なぜこんなことに」
謁見の間のすぐ近くまでエルフの軍勢は迫っていた
王「くそ、あの軍勢が破れるはずがないというのに」
確かに、エルフの戦力で敗れる軍勢ではなかった
ただ、指揮官や魔導兵を一夜にしてほぼ失い、総崩れの状態となれば話は別だ
さらには奴隷相手という油断もあった
王「奴隷の分際でっ!」
そして、この国の切り札も……
男「よかった、まだ生きていた」
王「おお、男!」
王が、必死の顔で俺に近寄る
男「……」
王「男、お前ならできるだろう!エルフを皆殺しにしろ!」
王「その暗殺の腕を、今生かさずしていつ生かす!?」
男「確かに、うまくやればエルフを撤退させることはできます」
俺は事実を淡々と言った
俺の最古の記憶は五歳だ。練兵場で這いつくばっている自分
孤児の俺は、暗殺部隊の一員として育てられてきた
王「そうだろう!お前はこの十三年間、一度の失敗もなかった!」
王に絶対の忠誠を誓い、俺はありとあらゆる人間を暗殺してきた
ある時は敵国の王族を皆殺しにした
ある時は戦場に忍び込み指揮官将兵を皆殺しにした
王「頼れるのはオマエだけだ!」
王は俺を信頼してくれた。貴族の位もくれたし、金もたくさんくれた
十歳からずっと、俺は王の命令だけ聞いてきた
王「さあ、殺せ!報酬はオマエの好きなものを何でもやろう!」
男「……はい」
王に背を向ける。少女を攻撃した短剣を取り出し握る
少しばかり血がついているが、切れ味に影響はない
エルフ「こっちか!?」
衛兵「行かせるか!」
ずいぶんと近くまで来ている。早く殺しにかからないと、俺でも手遅れになる
王「ふ、ふふ……もう安心だ……男に任せておけば平気だ」
王は俺を信頼して、玉座にもたれている
俺は、手遅れになる前に殺しにかかる
王「あ、が……」
男「生きがいは、お前じゃない」
俺は王を刺殺した。エルフの声がすぐそこまで来ている
男「まずいっ!」
俺が離脱するのと同時に、エルフが謁見の間に入ってきた
エルフL「くそっ、自刃を許したか……」
エルフB「ほぼ、制圧終了です」
エルフL「ごくろう。しかし、王には自刃を許してしまった」
エルフB「仕方がありません。同胞は解放できましたし、良しとしましょう」
エルフL「そうだな。同胞を助けることができたんだな」
離脱した俺は市街の方に逃げてきていた
平民でも、何人かでエルフを買っていたやつは多い
貴族のお下がりでもいいなら平民でもエルフは個人で買える値段である
そいつらに対しエルフは武器を突き付け、束縛していた
エルフ「そこの男!抵抗するな!」
俺にも槍が突きつけられる。自然と笑みが浮かぶ
エルフ「なにがおかしい……武器を捨てろ!」
短剣と長剣を投げ出す。俺は丸腰になった
エルフ「やけに素直だな……手をあげろ、抵抗するなよ……」
あげろと言われればあげるだけだ。俺はマヌケに万歳をした
エルフ「気味が悪いな……束縛する、動くなよ」
エルフが縄を取り出し、近づいてくる。束縛するつもりなのだろう
エルフは同族思いだ。同族へのひどい仕打ちに対し、エルフは処刑で答えた
王都の広場には、奴隷扱いを続けてきた人間と、奴隷から解放されたエルフが集まっている
五人ずつ順に殺されていき、穴に捨てられる
殺すのは、その人間の奴隷だったエルフだ。俺は最後の組だった
大富豪「やめろ、奴隷ども!私を誰だと思っている!」
大富豪は肥満体を揺らしてわめいている。醜いにもほどがある
大富豪「ぎゃああああああっ!」
エルフの魔法を一斉に受け、大富豪はチリすら残らなかった
そりゃあ、あんだけエルフを虐待してればそうなるだろう
貴族の少年たちも、容赦なく殺されていく
貴族のお嬢「たすけて、ねえ。可愛がってあげたでしょう……?」
エルフ「ふざけんなよガキが!俺がどんな思いでいたか知らないだろ!」
女やお嬢であっても、容赦なく殺されていく
そういえば、俺を殺すのはだれだろうか?
少女はここにはいない。俺は他にエルフを買っていない
適当に誰かが殺してくれるのだろうか
大臣「ぎゃあああああっ!」
順調に人間は殺されていく。手際が良い
青年「げえ……」
隣の青年が、舌を噛んで自殺をした。周りを見ると、自殺に走る人は多い
自殺をしても、エルフはその遺体を改めて殺す
中々徹底している
俺は少しばかり感心した
女の人「ううう……」
自殺者は加速する。エルフは気にせず自殺するに任せている
心が広い
俺の番が来た。生きているのは俺一人だった。軟弱な
エルフL「お前が奴隷としたエルフは?」
リーダー格のやつだろうか?わざわざ聞きに来てくれた
男「できれば、遺言を聞いてほしい」
エルフL「なんだ、言ってみろ」
本当に心が広い
男「俺が奴隷として使っていたエルフに、俺の首飾りを渡してやってくれ」
エルフL「首飾り?」
男「元々そいつの物だからな」
エルフL「まあ、いいだろう……」
エルフは嫌そうに俺から首飾りを外した
エルフL「で、そのエルフは?」
男「ここにはいない」
エルフL「なに?」
エルフは怪訝な顔で俺を見た
エルフL「どういうことだ?」
男「この世にもいないかもな」
冗談のようにそういうと、エルフの顔色がさっと変わる
そして、次の瞬間炎の矢が、俺の腹を貫いた
男「ぐぁ、はぁっ!」
熱いとも、痛いとも感じなかったが、断末魔の声は出た
俺が殺してきた人間も、こんな感じで死んだのだろうか
希代の暗殺者として多くの人間を殺した俺は、やはり地獄に行くのだろうか
男「」
エルフL「死んだか」
男の遺体は、無造作に穴に捨てられた
エルフL「この男が奴隷としていた我らの同胞を探せ!」
エルフ「はいっ!」
体があったかい。不思議な感覚だ
眼を開けると、知らない女の人がいた
エルフ「よかった……目を覚ましました!」
エルフL「気分はどうだ?ひどいケガだったんだ」
怪我?腕や足を見ると、赤い線が沢山走っていた
エルフL「大丈夫だ、後は残らない……運がいい。まるで計算されたようだった」
エルフ「偶然でしょうけどね」
少女「えっ?えっ?」
わけがわからない。男さんはどこ?
帰ってきているはず。この人たちは、男さんの仕事の仲間なのかもしれない
少女「男さんは……?」
エルフL「男?君を奴隷扱いしていた男なら」
うそでしょ
エルフL「処刑した」
嘘だ。男さんは、悪いことは何もしていないし、強くて優しいいい人なんだから
殺される理由がない
エルフL「この首飾りは君の物らしいな」
女の人が首飾りを私に渡す。男さんが持っていたものと同じだったので受け取った
エルフL「君はもう自由なんだ」
笑顔で言う、この人が分からない。憎い、男さんを殺したなんて
嘘だと思う。思いたい。きっと、この人たちがいなくなれば出てきてくれるはず
少女「………」
私は、涙をぐっとこらえた
エルフの反乱から、二か月がたった
私は今でもこの家に、犬と一緒に暮らしている
大体は琴の顛末を知った
男さんが特別で、私が最高に幸せなエルフだったということも知った
少女「男さんの部屋……」
初めてはいる男さんの部屋。簡素で、あまり物がない部屋だ
首飾りに隠されていた鍵で、金庫のカギを開けた
多分、このために首飾りを渡すよう頼んだのだ
金庫の中には、金が沢山と、ノートが一冊だけ入っていた
少女「ノート……」
ノートを開く。男さんの、丁寧な字が並んでいた
『まず初めに、謝らせてほしい。手足の傷は残らないように切ったはずだが、万が一のことがある』
私の手足に縦横無尽に走っていた傷は、一週間で完璧に消えた
『俺が、キミを虐待していたように見せかけなくてはならなかったんだ』
『多分俺は処刑されているだろうが、仲間を恨んではいけない。元々俺は暗殺者で、悪い人間だった』
でも、私の前ではとても優しい人だった
『エルフの反乱は成功するだろう。キミにとって住みやすい世界になるはずだ。人間におびえることもこれからはないだろう。自由に生きるんだ』
『キミを買った理由は、単純に昔の自分を思い出したからだ。そして、そのときの俺は生きる意味がなかった。キミを育てることを生きがいにしようと思った』
『殺しに明け暮れる毎日が嫌だった。キミと過ごした時間は幸せだった』
私も幸せだった
『キミのためなら、何でもできた。した。俺のことは忘れてほしい。キミのこれからの人生には邪魔な記憶だ』
『幸せに生きてほしい。いつも見守っている。愛している』
『PS 金は生きるために使ってくれ。無駄遣いはするなよ』
そこで、終わっていた
少女「勝手だよ、そんなの……」
少女「身勝手すぎるよ……」
少女「男さんがいないと、私ヤダよ!」
少女「もっと本を読んで!もっと料理を教えて!勉強だって、採点してもらってない!」
少女「優しすぎだよ、男さん……」
少女「ひどすぎるよ、こんなの……」
ノートを抱きしめる
私は男さんが好きだった。男さんの言うことは絶対正しいと思って頑張った
男さんに褒められたかったから努力した
だったら、今回もそうするしかない
私は、また褒めてもらいたい。頭を撫でてもらいたい
少女「私、頑張って、幸せに生きます」
きっと、またいつか、どこかで男さんと会える時が来ると思う
その時に胸を張っていうんだ
「言いつけどおり、幸せに生きました!褒めてください!」って
おわり
473 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2011/06/26 18:49:26.77 f/NFUUjOo 81/158ちょっとご都合主義になるけどハッピーエンド展開思いついた
書いてもいいかな
開始
前スレ371より
王城
王「ひさしぶりだな、男よ」
男「はっ」
王「それにしても、報酬で何を買ったかと思えばエルフか」
王「エルフがほしいなら、言えばやったものを」
男「はは……」
謁見の間には、さすがにエルフはいない
王が暮らす奥のエリアにはいるのだろうが、入れないのでわからない
王「まあいい。本題に入ろう」
王「神樹の森はしっているな?」
男「ええ。この大陸最大の森で、エルフの都市があるらしいという……」
王「そうだ。そして、あるらしいではなく『あった』のだよ」
男「なぜ、それが……まさか!?」
王「そう、エルフが我々に対し反乱を起こした」
王「こちらにすべてのエルフの解放を要求している」
男「それで……その要求は……」
王「飲むわけがなかろう」
そりゃそうである。仮に飲むといった瞬間、貴族たちは確実に反乱を起こす
王自身も飲むつもりはないだろう
王「軍を派遣した。しかし、念のためお前にも行ってほしい」
王「暗殺術を応用すれば、捕獲することも可能だろう?」
男「状況にもよりますが……」
エルフは森の中では感覚が研ぎ澄まされるという
対エルフは初めてなので、どうなるかはわからない
王「行ってくれるな?休暇を邪魔したのは悪いと思うが……」
どうするか……
男「返事は、明日でよいでしょうか」
色々と考え、少女のために最善の行動をとらなくては
王「ふむ。暗殺術にはいろいろと準備もいるだろう。一週間猶予を与える」
男「はっ」
王「よい返事を期待しておるぞ」
王はそういって笑った。もう俺の生きがいはアンタじゃない
今まで通りの人形だと思ってもらっては困る
いや、思ってもらってなければ困る、か?
貴族街
通りかかった商館では今日もエルフの市が開催されていた
大富豪のアホと大商人のゲスもいる
商人「おっ、おっとこさぁん……」
ニヤニヤと笑いながら俺の方に商人がよってくる。また金を落としてもらおうというつもりか
エルフにかけられる税金がバカ高いとはいえ、四億も払ったんだから充分だろ
商人「今日もいい子が入ってますぜ。見ていきましょうよ……ヒヒヒ」
ここは娼館か?
男「急いでいるんだ、はなせって」
商人「そういわず……ヒヒヒ、見るだけ見るだけ。ヒヒヒ」
その笑い方を何とかしろ
結局引きずり込まれた。檻の中には男性のエルフと女性のエルフが入れられている
エルフが競り落とされていく。価格は1千万~2千万程度
高級エルフの値段だ。大富豪はお目当てのエルフがいないらしく、連れてきたエルフを犯していた
最悪だ
大商人「おっと、男さん。エルフを買いに?」
大商人に話しかけられる。脇には全裸のエルフが控えている。可哀そうに
大商人「買っておいた方がよさげですよ」
大商人は声を潜めた
大商人「このアホ奴隷どもが反乱を起こしたらしく……一時的に供給が止まるとかなんとか」
さっき王に聞いた話だ。貴族の中でも上の人間はもう知っているらしい
大商人「全くこのアホ奴隷が!」
バシン、とエルフの顔を叩く。ヒョヒョヒョと下卑た笑いで嘲る
大商人「男さんどうです?コイツで遊んでみませんか?」
エルフの尻を俺の方に突き出させる
俺は愛想笑いを浮かべて断った。エルフはほっと安心していた
男「ただいま」
少女「お帰りなさい!」
パタパタと少女が走ってくる。元気でいい。街で見たエルフに、元気はない
子犬は寝ていた。少女の遊び相手になって、疲れたのかもしれない
少女「ご飯の準備できてるよ!」
少女は元気だ。買った時とはえらく違う。いいことだ
俺はこの子を幸せにする義務がある
少女「いただきます」
男「いただきます」
少女に料理を作らせると、やはり野菜中心肉ほぼなしになる
人と暮らしているとはいえ、エルフの味覚は生きている
少女「今日はね、お勉強でね」
男「ああ、よく頑張っている」
嬉しそうに今日の出来事を話す。俺への信頼を感じる
俺が、同族を殺す依頼を受けたと知ったら、この子はどう思うのか
男「少女、ごはんの後で話がある。俺の部屋に来るように」
少女「……はい」
少女は首をかしげながらうなずいた。怒られる心当たりでも探したのかもしれない
コンコンと、控えめにドアが叩かれた
少女「男さん」
男「ああ、入って」
少女はおどおどと入ってきた。怒られるとでも思っているのだろうか
もちろんそんなつもりはない
少女「あの……話って……?」
男「その話をする前に、一つだけ信じてほしいことがある」
少女「うん……なあに?」
男「俺は、少女のことを一番大切に思っている。少女のためならどんなことでもしてやれるし、どんなことでもする。少女のことを愛してる、ということだ」
少女「えっ……えっ、えっ?」
くるくると少女の表情が回転する
少女「私も!男さんのこと、好きです!愛します!」
真っ赤な顔でそういう少女。可愛くなり頭をなでてやる
男「ありがとう」
少女「あぅ……ううぅ……」
男「本題に入るけど……」
少女「もっと……あ、はい。大丈夫です」
少女は物足りなさそうな表情をしていたが、聞く態勢を整えた
男「俺の仕事は、暗殺者なんだ」
少女「えっ……」
男「俺は元々孤児でね。生きていくために軍属になり、暗殺者として訓練を受けた」
男「十歳から、十二年間。ずっと、命令に従って殺しを続けてきた」
少女「……」
真剣な顔で聞いてくれている
男「今は休暇中だが、以前は毎日毎日人殺しだった」
男「敵軍の指揮官を全滅させたり、難攻不落の要塞に侵入して、井戸に毒を入れたり」
男「色々なことをしてきた」
男「今日、出かけた先で受けた依頼は」
男「エルフの反乱軍を攻撃せよ、というものだ」
少女「えっ?」
エルフ、という単語に反応する
男「神樹の森のエルフが、奴隷となっているエルフを開放するために立ち上がったんだ」
男「貴族街に行けば、エルフがどんな扱いを受けているのかわかるが……」
男「あれは最悪だ」
少女「さい、あく……」
少女「でも、私は優しくしてもらってる!」
少女「他の子も、一人くらいは……」
俺は首を横に振った。少女は涙をこぼした
少女「そんな……こんなの、ひどいよ……」
男「……すまない」
男「俺がなぜ、この話を少女にしたかと言えばだ」
男「俺の技術を使えば、少女をエルフの陣まで連れて行くことはできる」
男「そうすれば、キミは仲間と暮らせる」
少女「男さんは?」
男「俺とは暮らせないよ。エルフは排他的だ。俺は受け入れられまい」
男「それに、軍の行動を妨害する過程で、死んでもおかしくない」
少女「男さんと暮らせないなんてヤダ!」
少女「私は男さんと暮らしたいの!」
男「じゃあ、俺が少女の仲間、同族のエルフを殺してもいいのか?」
少女「それは……ダメ」
男「そうだろうな」
俺だって嫌だ。そんなこと
少女「何かうまい方法はないの?」
男「考えてる。けど、今のところはない」
あっという間に五日が過ぎた
上手い考えは浮かばない
練兵場
女「すみません。お呼びして」
男「何の用だ、いったい」
女「いや、えっと、そのー」
女の視線は定まらない
男「なんだ、いったい」
女「実を言いますと、とにかく呼べ、との命令をうけまして」
男「はぁ?」
女「本当ですって!だから、特に要はないんです」
男「なんだよそれは……帰っていいか?」
女「多分……いいと思いますけど」
兵士「男様」
男「なんだ?」
兵士「王がお呼びです」
男「回りくどい呼び方だな……」
女「そろそろ復帰な感じですか?」
男「できれば遠慮したいんだがな」
王城
謁見の間まで行くと、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「出して!ここから出してよ!」
この声は……少女!?
男「どけっ!」
兵士を蹴り飛ばす。全速力で、少女の声のする方に走る
少女「出してよ!」
少女は大きな鳥かごの中に入れられていた。2人の兵士が、下卑た笑いを浮かべている
男「俺の少女に!」
抜剣。2人の兵士を一撃で押し倒し、首に剣を突き付ける
男「どういうことですか!王!」
王は驚いた顔でこちらを見ている
少女「男さん!」
どうやら変なことはされていないようだ。一安心して、少し力が抜ける
兵士「ひいいいいいいっ」
剣がわずかに下がり、のどの皮膚を圧迫する
気にするものか
王「目の前で見るとすごい迫力だな、男よ」
王「殺気が全く出ていないのも恐ろしい」
男「どういうことです」
繰り返し訪ねる。納剣し、押し倒した兵士の喉に足を置く。いつでも踏みつぶせる
王「なに……エルフを買って、同情心がわいているようなのでな」
王は笑って言った
王「反乱を鎮圧できない場合、この奴隷を殺すとしよう」
男「なっ!くっ!」
最悪だ
孤児を暗殺者にする利点は弱みがないことだ
事実俺に弱みはなかったが……今は、違う
少女「……ごめんなさい」
悲しげに項垂れている、エルフの少女
俺の、最高にして最大の、唯一の弱点
王は的確に突いてきた
どうも忘れるな……ごめんね
王「目の前で見るとすごい迫力だな、男よ」
王「殺気が全く出ていないのも恐ろしい」
男「どういうことです」
繰り返し訪ねる。納剣し、押し倒した兵士の喉に足を置く。いつでも踏みつぶせる
王「なに……エルフを買って、同情心がわいているようなのでな」
王は笑って言った
王「反乱を鎮圧できない場合、この奴隷を殺すとしよう」
男「なっ!くっ!」
最悪だ
孤児を暗殺者にする利点は弱みがないことだ
事実俺に弱みはなかったが……今は、違う
少女「……ごめんなさい」
悲しげに項垂れている、エルフの少女
俺の、最高にして最大の、唯一の弱点
王は的確に突いてきた
王「行ってくれるな?」
男「……う、く。くそう」
殺す、と言われてしまっては従わざるを得ない
足を退ける
男「わかり、ました……」
王「うむ。なに、心配するな。このエルフに手出しはせん」
王「お前が働く限りな」
男「……」ギリリ
少女「男さん……ごめんなさい、ごめんなさい……」ポロポロ
選択肢は、ない。運命はいつも俺の幸福を殺す
戦場
暗殺が本分だが、直接戦闘が弱いわけではない
俺も将兵として、昼間は戦場に立つ
女「男さんがいれば、安心ですね~」
俺が暗殺者と知るものは少ない
女が知っているのは、元暗殺部隊だからだ
男「……」ギリ
殺すしかないのか、エルフを
少女のためにも、殺さなくてはならないが。少女の同族を殺すのは、嫌だ
男(仕方がないのか……)
前のように、冷静なロボットでいられれば良かった
あの時、商館の前さえ通りかからなければ。こんな気持ちにはならなかった
指揮官「とつげき!」
エルフ「突撃する!」
ヒュンヒュンと、弓矢が飛び交う
魔法の盾で防ぎながら、俺も突撃する
エルフL「覚悟!」
男「くそ!」
エルフの将兵が、剣を突き出す
俺は双剣で受け、弾き返す
エルフL「我らの同胞を、返せ!」
男「返したいさ!だけど!」
男「俺の意見なんて通らない!」
キン、キンと剣と剣がぶつかる金属音が響く
本気で戦えない。少女と同族だけあって、少女の影がよぎるのだ
男「くそおおおおおっ!!!」
エルフL「くううううっ!負けるわけにはいかない!」
男「少女のためにも死ねないんだよ!」
エルフL「少女だと!?」
女「そこっ!」
機をうかがっていた女の魔法の矢がエルフを狙う
とっさに双剣で攻撃したように見せかけてかばう
男「邪魔するな!女!こいつは俺が殺す!」
女「ごめん!まかせる!」
女は別のエルフを狙って移動する
エルフL「くっ、なぜ助けた」
男「俺の大切な人のためだ」
エルフL「少女、か……」
エルフLは撤退していく。俺は追いかけずに見送った
女「男、あれ見て!」
女が近くまで来て、上を指差している
上を見ると、木でできた竜のような生物がいた
男「あれなら……」
エルフではない。戦果にもなる
少女の命を守るため、戦果をあげなくてはならない俺の絶好の獲物だ
男「女、暗殺者時代の技を使えるか?」
女「もちろん」
男「援護は頼む!」
俺は、木の竜を殺しにかかる
戦場 夜
女「すっごいね、男は。まさかあの竜を倒しちゃうなんてさ」
女は興奮しながら料理を食べている
ちなみ女が座っているのは男性のエルフだ。お気に入りらしく、連れてきたと言っていた
男「……」
俺は無言で立ち上がる
女「あ、仕掛けるの?いってらっしゃい」
暗殺を仕掛ける気はなかったが、潜入はしておくべきだと思った
エルフの知覚に、俺の技術が通用するかどうかは調べておく必要がある
エルフの陣は、人間の陣とは違う
俺も知らない形の陣だった
何とか潜入はできたが、特に目的もない
男(あの将兵を探してみるか……)
昼間やりあった将兵を探すことにする
陣のつくりが違うため、いつものようにはいかない
やはり、エルフは女性が多いようだ。兵士も女兵士が多い
魔法で力を増強しているのだろう。女でも侮れない強さだ
男(いないな……)
一通り探したが、将兵は見つからなかった
男(バレないうちに帰るか)
二日、三日、四日……
気が付くと二週間が過ぎていた
エルフの将兵とは毎日やりあっている
味方の中でもあの将兵は手ごわいという評価で固まったため、俺が押さえ込んでいるとい形になっている。実際は、殺さないように戦っているのだが
エルフL「くぅ!」
男「ぐ!」
つばぜり合い。エルフも俺の攻撃に慣れてきている。何とかしないと、俺が殺される日も近い
エルフL「少女、というエルフを知っているか……?子供のエルフだ」
男「なんだって!?」
エルフL「静かにしろ……お前はどうやら、他の人間とは違うようだ……」
エルフL「夜、一人でこちらの陣に来い。話がある」
男「分かった……」
答えると、エルフの将兵は大げさにせりあいを弾いた
エルフL「くそ、一時引く!」
男「一時撤退する!」
俺も、それに乗っておいた。エルフはまだ、一人も殺していない
夜 エルフの陣地
エルフL「来たか」
男「ああ」
エルフに連れられて、陣に入る
エルフL「本当に、少女というエルフを知っているのか?」
男「ああ。一緒に暮らしていた」
エルフL「奴隷扱いは……」
男「するわけないだろう!」
エルフL「そうだな、すまない」
男「いや、考えれば当然の質問だった。悪い」
エルフL「……本題に入ろう。少女は、エルフの王族の血を引いているのだ」
男「王族の血……」
エルフL「ああ。王族にしか使えない、特別な魔法がある」
男「その魔法は?」
エルフL「次元に干渉する魔法だ。発動すれば、次元と次元の間に空間を作ることができる」
エルフL「エルフだけの、空間がな」
男「なるほどな……そうすれば、エルフ狩りに気を付ける必要もなくなるな」
エルフL「ああ。それで、少女はどこに?」
男「それは……」
俺は戦争に参加することになったいきさつを話した
エルフL「なんて、卑怯な……」ギリリ
エルフはかなり憤りを感じている
エルフL「なんとかならないものか……」
男「その、次元に干渉する魔法はすぐ習得できるものなのか?」
エルフL「出来るな。厳密には、魔導書を読むだけなのだ」
エルフL「王族にしか読めぬ魔導書をな」
男「たとえば……空間転移の魔法があったりしないか?」
エルフL「それは……分からないな」
エルフL「私は、魔導書を読めないからな」
男「そうか……」
エルフL「ただ、あってもおかしくはないだろう」
男「それなら……賭けになるが……」
エルフL「いいのか?利益がないぞ」
男「少女の幸せが、俺の生きる意味だ」
エルフL「お前のような人間ばかりだったら、私たちと共存できただろうな」
エルフは少しさびしそうに笑った
男「ところで、俺がうそを言っている可能性を考えないのか?」
エルフL「なんだ、知らないのか」
エルフは意外そうに言った
エルフL「エルフは人…というか、他者の悪意と好意を判別できる力がある」
エルフL「お前から悪意は感じない」
555 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2011/06/26 21:21:33.42 LGBa62gAO 109/158王族wwwwwwwwwwwwwwwwww
>>555
男「つーか、少女ってエルフ年齢で五歳だろ?五年前に生まれたんだろ?」
エルフL「そうだが?」
男「親のエルフは王族だろ?そのエルフに読んでもらえば?」
エルフL「エルフ狩りで抵抗したため殺されたのだ……」
エルフL「人間の罠魔法は高度だからな」
男「もっと気をつけろよ……」
エルフL「返す言葉もない……油断があったのは事実だ」
男「過ぎたことを後悔しも仕方がないか」
エルフL「幸せに暮らしていたようでよかったよ」
王都 地下牢
少女「くすん……寒いよ……」
少女「男さんに会いたいよぅ……」ポロポロ
兵士「うるさい、泣くな!」
兵士「うげぇっ!」
少女「えっ……?」
男「こんなとこに閉じ込めやがって……少女、助けに来たぞ」
少女「男さん!」
男「大丈夫か?怪我は?つらくないか?」
少女「うん、平気……男さんは?」
男「大丈夫、俺も平気だ。もちろん、エルフは殺してないぞ」
少女「よかったぁ……」
男「ゆっくりしている暇はない。少女、この本が読めるか?」
俺はエルフから預かってきた魔導書を渡す
少女は受け取り、ペラペラとめくって確認した
少女「うん、読めるよ」
男「よし!空間転移の魔法を探してくれ」
少女「うん」
さて、本当にあるのか、ないのか……
なかったら、俺の命は一巻の終わりである
少女「うん、あった。あったよ!」
男「よっし!」
賭けに勝った。俺は思わずガッツポーズをした
男「王都のエルフを助けるぞ」
少女「どうやって?」
男「俺の技術で忍び込んで、人間を気絶させる」
男「そして、空間転移の魔法で、エルフたちを神樹の森まで転移させる」
少女「でも、王都中にエルフっているんじゃ……」
男「大丈夫だ。今日だけだが、大富豪と大商人のアホが王都中のエルフを自分の邸宅に集めている」
戦争の影響で、エルフの流通がなくなって二週間だというのに、耐えきれなくなったらしい
金に物を言わせて、王都中のエルフをかき集めたのだ
今日、この時だけは奴らの変態性に感謝しないでもない
男「今日を逃せばチャンスはない!行くぞ!」
少女「うん!」
神樹の森
エルフL「まさか、ここまでうまくいくとはな」
俺と少女は、王都中のエルフを転移させることに成功していた
もちろん、エルフ征伐軍のエルフもだ
暗殺者として、俺の右に出る者はいない。奴らは多分、自分たちが気絶させられたことにも気づいていないはずだ
次元干渉の魔法も、少女は無事成功させた
虹色の裂け目が、目の前に広がっている
エルフL「ありがとう、男。お前は我らエルフの歴史に、消えぬ名を刻んだ」
男「俺は、少女の幸せのために動いただけだ」
人間を裏切った俺は、これから人の悪意におびえながら生きていくことになるだろう
それでも、少女の幸せを勝ち取った喜びは大きい
エルフL「お前には感謝してもしきれないな」
エルフたちは礼を言って、虹色の裂け目に入っていく
もう二度と、人間の前に現れることはないだろう
彼ら、彼女らは解放されたのだ。人間が向ける欲望から
566 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2011/06/26 21:44:43.76 LGBa62gAO 115/158助けれるならなんで先に助けないの?
>>566
男「助けに行くときは俺一人だから侵入できる」
男「でも、帰りは少女がいるから見つかってゲームオーバー」
男「空間転移の魔法があって、はじめて救出可になるんだ」
エルフL「男、私たちエルフは、お前の幸せを祈っているぞ」
男「ああ。ま、二度と会うことはないだろうがな」
少女「えっ……?」
おとなしく犬と遊んでいた少女は、俺の方を不安げに見た
少女「そんな、一緒に来るんでしょ、男さんも」
小さな女王の言葉に、俺は首を横に振ってこたえる
男「俺は、エルフじゃないからな」
エルフL「男と私たちは、違う種族なんだ」
俺はエルフの言葉にうなずいて見せる
少女「え、え、え……」
少女の眼に、涙がたまる
男「泣くなよ、少女」
俺の一言で、少女は泣きだすことをこらえた
いい子だ。それほど長い時間一緒にいられなかったが、密度は濃かったように思う
男「俺はな、少女」
しゃがんで視線を合わせる
男「少女の役に立てて、本当にうれしい。お前の幸せが、俺の望みだった」
男「少女のためだったから、頑張れたんだ」
エルフL「そうだ、この男は王女のため、とても努力してくれた
少女「でも、だって……」
こらえきれない涙がこぼれる
エルフL「こちらの世界では、エルフはもういません。王女がただ一人残ったエルフとなった場合」
男「人間がどういう反応をするかわかるだろう?」
少女「男さんも一緒に、来ればいいよ!」
男「それは、出来ない」
エルフL「ええ……残念ですが」
少女「なんで!どうして!」
エルフL「この次元干渉の魔法は、エルフのための空間を作る魔法です」
エルフL「犬やネコならまだしも、人間は、魔法に弾かれて入れません」
少女「そんなぁ……・」
男「あまり、わがままを言わないでくれ」
男「少女は、俺を困らせるような子じゃないだろ?」
少女「ううっ……」
俺の一言で、少女の口が閉じられる
エルフL「男が好きならば、王女」
エルフが手を差し伸べる
エルフL「私たちの世界で、幸せに暮らしましょう」
エルフL「それが、一番男のためになるでしょう」
少女が俺をうかがうように見てくる
俺は、大きくうなずくことでそれにこたえる
少女は、虹色の裂け目の方を見る。ああ、賢い犬よ。裂け目の前で、少女を待っている
男「お前は、王族の血をひいてる」
男「立派な女王になるんだ」
少女は涙をこぼしながらうなずいた。そして、虹色の裂け目の方に歩いて行く
エルフL「ありがとう、感謝するよ。男」
エルフが虹の向こうに消える
ワン!と大きく鳴いて、犬が裂け目の向こうに消える
少女はこちら向いている。引き留めてほしいのだろうか
俺は、背を向けた。決別するように歩き出す
さようなら、少女。短いながら、俺の家族だったエルフ
大陸から、エルフがいなくなってはや五年が過ぎた
人間はいまだに、必死でエルフを探している
俺は、エルフに協力したため王都には住めない。それを知る人間はいないが、暗殺者として生きるのも嫌なのだ
今は目的地もなくこの大陸を旅している
いつか、海の向こうの国にも行ってみたいし、あの大山脈の向こう側に何があるのかも知りたい
やりたいことを探している旅といってもいいだろう
どこか、誰も俺のことを知らない土地に永住するのもいいかもしれない
たまに会う個人の旅人は、例外なくエルフハンターだ
醜くもエルフを探す根性だけは、あるいは評価してもいいのかもしれない
虹の裂け目の向こうは、一度閉じてしまえばもう出入りは不可能だ
次元が断絶してしまうからだ。空間でつながっていないため、転移・召喚も無駄だ
草原に広大な陣を書いて召喚術を行う人を見たことがあるが、無駄と知っているので笑いをこらえる方が大変だった
俺の旅は、おおむね順調だ。困っていることもない。足りないものもない
大体の指針もある。王都に住んで、人を殺す毎日よりはずっとましだ
男「風に潮の香りが混じっているな……」
一面の花畑になっている丘を歩いて行く
この辺りは、道も、地図もない。未開の土地なのか、俺の知らない国の領地なのか
ずいぶんと遠くまで来たものだと思う
思わず後ろを振り返る。もちろん、王都や神樹の森は見えない
見えないが、この方角の先にあるのは確かだ
五年前のことは、つい昨日のように思い出せる
エルフたちは、元気でやっているだろうか
あの賢い犬はどうしているだろうか
止めていた歩みを再開させる
もうすぐ、丘の上だ
強い風が吹く。花弁が、風に舞う
丘の上にたどり着く
丘の上から見えたのは、一面の青
海だった
少女「うわー!これが海ですか!すごーい!」
少女はきゃっきゃとはしゃいでいる
エルフの特徴である長耳は、伸ばした髪と帽子で隠されている
少女「男さん!海の水って、しょっぱいって本当ですか!?」
男「ああ、本当だ。塩は、海の水からもとれるんだ」
もっとも、王都の塩は大抵魔法による合成だったが
少女「海の向こうの国は、どんな国でしょうね」
男「さあ……国があることはわかってるが、どんな国かはなぁ……」
しばらく、少女と一緒に無言で海を眺める。キラキラと陽光が反射して、綺麗だ
男「そろそろ行こう」
少女「はーい」
少女は俺の手をとって歩きはじめる
俺は、少女の白くやわらかい手を握り返す
少女「えへへ……」
照れ笑い
男「どこか……」
少女「はい?」
男「どこか、エルフだとか、人間だとか、そういうことを気にしない土地を見つけたら」
少女「……はい」
男「それで、2人でずっと暮らそう。俺と、ずっと一緒にいてほしい」
少女「……はいっ!!」
大輪の花が咲く。また風が吹き、色とりどりの花びらが風に舞う
俺と少女は、その中を手をつないで歩いて行く
ずっと、どこまでも
おわり
624 : ◆F/9N9rwECM[] - 2011/06/26 22:53:14.08 aYc3gS6Bo 125/158お付き合いいただきありがとうございました
始めてからかれこれ十二時間くらいですね。読んでくれてありがとうございます
ラストはちょっと安っぽい感じになってしまいましたが、まあ第二ルートなのでご容赦ください
質問、要望、感想や批評などありましたら教えていただけると嬉しいです
625 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2011/06/26 22:56:09.55 grT7asAro 126/158なんでわんこだけ異世界に放り込んだの?( ´;ω;`)
626 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2011/06/26 22:56:10.73 koV7nj1Yo 127/158乙
女はどうなったの?
629 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2011/06/26 22:56:32.84 zJsDnE11o 128/158結局少女ちゃんはエルフの国に行かなかったってことでおk?
>>625
犬は自分から裂け目に飛び込みました
少女がいくきっかけを作りたかったし、男の考えを感じ取った。彼は賢い犬です
>>626
女は生きています。彼女もまた、軍人としてイケメンエルフを探しています
>>629
彼女の幸せは男の隣にしかないということです
彼女でも、もうエルフの国へはいけません
640 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2011/06/26 22:58:38.51 Gr+r164Fo 130/158乙
でも男先に死んじゃうんでしょ?
641 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2011/06/26 22:58:48.42 0QIf3eADO 131/158少女はどうやって男とエルフLを説得したの?
654 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2011/06/26 23:04:29.56 6CI8vVEIO 132/158前スレで子供できないって言ってたから脳内補完するわ
655 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2011/06/26 23:04:56.67 BFQF7Y320 133/158少女は男の言うことを聞かずに最初で最後の反抗をしたんだと思う
一緒にいたいってな
>>640
次の目的は不老不死の実現方法です。多分
>>641
エルフLは先に裂け目に入っていたから、少女が強引に裂け目を閉じちゃえば男に選択肢はない
男も本音では別れたくないからね
>>654
その通りですが、奇跡は信じていれば起きるものです
>>655
そんな感じ
662 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2011/06/26 23:11:27.68 CXNv9hKqo 135/158金に物を言わせて、王都中のエルフをかき集めるなんて不可能だよね
あと、王都以外にエルフはいない事になったの?
>>662
貴族の乱交パーティーとご想像ください
第二ルートには、第一ルートの他国は存在しないので
神樹の森からとらえたエルフはすべて王都にいました
666 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2011/06/26 23:13:37.20 BFQF7Y320 137/158美しくも残酷は結末だな
100年もしたら彼女は永遠に一人ぼっちの存在になる
誰にも知られてはなぬ、誰とも子をなせない存在
>>666
思い出を抱えて旅するのでしょう
少女は賢いのでそこまで考えて選んだはずです
おまけ:いちゃエロ
心を開いてくれたあたりから
夜
男「雷か……」
外は雨が降り、雷が鳴っている
毎年この時期にある嵐だろう。去年はこの暴風に紛れて暗殺任務をしていた
今年はゆっくりできて嬉しい
少女「う、うううううう……」
少女はクッションを頭に乗せてソファで震えている
雷が怖いらしい
男「こういう日は、早く寝よう」
少女「はーい……」
少女は寝室へ歩いて行く
深夜、こっちにあるいてくる気配で目が覚めた
男(だれだ……?)
他国の暗殺者だろうか。枕に仕込んでおいた短剣を取り出す
コンコン。ドアが叩かれる。反応するわけにはいかない。おそらく搖動だ
コンコンコン。コンコンコンコン。ココココココココココン
焦っているようにノックが増えていく。外で大きな雷が落ち、一瞬部屋が明るくなる
少女「うわああああああああん!!」
扉が開く。鳴き声とともに少女が飛び込んでくる
短剣を捨て、受け止める
少女「雷こわいよ……うあああああん!!」
少女は俺の胸に顔を押し付けて泣いている
男「よしよし……」
慰めていると、ちょうど襟元から乳首が見える
つい、反応してしまう。ダメだとおもっていても、これは生理現象だ
少女「あ……」
しかも気づかれた。気づかれた
軽く死にたくなった
俺は、ロリコンではないはずだ
少女「えっと……」
少女は困ったような顔で、もじもじと言った
少女「男さん……これ……」
死んでしまいそうだ、羞恥で
俺が目をそらしていると、少女は自分からするすると服を脱いで、全裸になった
股間はさらに反応する
少女「わあ……」
少しばかり嬉しそうだ。少女は手を伸ばして、それに触れる
なんで知っているんだと言いかけて、商人か。檻の他のエルフには、手を出していたらしいしな
そんなことを考えているすきに、少女によって俺の股間はさらけ出されていた
男「ちょ、まて、まてまて……」
ギンギンだが、理性で押しとどめる
男「おれは、こういうことをするために少女を買ったんじゃない……」
言いながらも、視線は少女のほのかなふくらみの胸で固定
説得力のかけらもない
少女「私は、いいよ?」
こういう時は女の方が強いのだろうか。手コキしながら、少女は笑って言った
少女「男さんのこと好きだから、気持ちよくさせてあげたいの」
とっとと諦めた方が得じゃないだろうか
思った瞬間、俺は少女にキスをしていた
少女「んっ……んふ、ん……」
少女の唇は甘い味がした
俺は少女の口内に舌を差し込む
少女「んっ!?ん、ん……」
少女は俺の舌のなすがままだった。少女の口内を楽しんだ後、口を離す
少女「だいすきぃ……」
とろん、と眼がとろけている。まだまだ子供ということだ
俺は体勢を変え、チンコを少女の目の前に持っていく
少女「おっきい……」
少女の吐く息が当たる。じらされているような錯覚
少女「どうすれば気持ちいい?」
無邪気に少女が聞いてくる。俺は舐めてくれ、と言った
フェラと言ってもわかるまい
少女は言いつけどおり、両手でチンコを握り、ぱくりと口にくわえた
少女「んふっ……んん……」
少女も興奮しているのか、もじもじと太ももをすり合わせている
少女「ん……ちゅ、ちゅぴ。ちゅ、ちゅぷ……」
咥えたまま、ゆっくりと舌がチンコをはい回る。手も、ゆっくりとしごき始めている
少女特有の、体温の高さに加え、エッチな行為に対する興奮
少女の口の中は熱く、柔らかく、気持ちがいい
男「く、悪い、出すぞ」
そういうと、少女は頷き、舌に加えてストロークも開始する
柔らかい唇が、チンコを刺激する
情けないが、虜になっている
少女「んっ、ちゅ、ちゅぷ、んんっ、きもちっ、気持ちいい?」
男「ああ、気持ちいよ」
撫でてやる。少女は嬉しそうに眼を閉じ、速度を速める
すごい快感だ。暗殺のため、女と寝たことはあるが、一番気持ちいい
若さは力なのだろうか?
それとも、少女がエルフだからか?
ぐるぐると、快楽の中思考は回る
男「ごめん、出すぞ!」
限界。少女の頭をつかみ、強引に振る。少女は我慢してくれている
男「くっ!」
射精。少女の喉奥で、チンコが震え、精を吐き出す
少女はけなげにも手と舌を動かして、快楽を与え続けてくれる
いつも以上に長い射精だった。少女の口の中に、かなりの量を吐き出した
少女「んん……苦いよぅ……」
口からチンコを引き抜くと、少女は顔をしかめながらも精液を飲み込んでいた
男「おい、無理しなくても……」
少女「無理してませんよ。男さんのですもん」
笑顔で答えてくれる。そして、俺のチンコに再び舌を這わす
お掃除フェラ、というやつか。本人は、知らずにやっているのだろうけど
エロエロなエルフである
少女「ぺろ、ぺろ……ちょっと、慣れてきました。ぺろ。ぺろぺろ」
飴でも舐めるように舌を動かしている
ちょっと倒錯的な感情さえ湧き上がる。俺は確実に興奮している
出した量は、フェラにしては多すぎだ
視線はいまだもじもじと動く少女の太ももから離せない
肩を押して、ベッドにあおむけにさせる。足を強引に開かせると、つるつるのそこは濡れていた
少女「……あぅ。変じゃない?」
恥らっているように見せかけて、男を誘う仕草
女は生まれた瞬間から女で、男は一生勝てそうもない
少女「恥ずかしいよぉ……」
照れたような、誘っているような、恥らっているような
年下の少女とは思えない、妖しい魅力
あるいは年下の少女だからこその魅力か
俺はすっかりまいってしまい、少女のマンコに顔を寄せた
少女「あんっ!やだ、だめぇっ!」
舐める。お返しのように舐める
つるつるで、舐めていて気持ちのいい肌
少女のマンコは狭く、きつそうで、とうてい俺のチンコが入るとは思えない
だからこそ、無理やりにでも入れた時の締め付け、快感が想像される
股間は堅さを増す。痛い位の勃起という表現があるが、今の俺にはそれは事実だ
少女「ああ……ん……」
とろける声。潤う泉
少女の小さな体でも、十分に感じている
俺はマンコを手で愛撫しながら、乳首をくわえる
少女「ひゃあうっ!?」
びくん、と少女がはねる。同時に、ぷしゅっと手に液体がかかる感触
潮を吹いてイッたらしい。エロすぎる体だ
嬉しくなって、乳首の甘噛みを続ける
そのたびに、びくびくと少女の体は震えた
少女「あぅー……きもち、いいよぉ……」
とろとろにとろけている。口はだらしなく開けられ、よだれがこぼれている
ある種のうつろな表情。それでいて、しっかりと快楽を追及する性器
幼くても、快楽を貪欲に求め、きゅうきゅうと俺の指をしゃぶっている
無意識のうちに、チンコを少女の足に擦り付ける
つるつるすべすべの肌を、チンコが撫でていき、射精
しかし、チンコは全然なえることはない
少女の足を精で汚しても、まだまだ硬いまま
俺と少女は、ひたすらに快楽を求めていた
何度射精しただろうか
さすがにまだ挿入は無理だ。だからこそ、様々な場所を愛撫する
少女「お尻ぃ……はずかひいよぉ、この格好……」
四つん這いで、尻を上にあげさせる。恥ずかしいよいいながら、誘惑するように揺れている
小さなお尻をもみしだき、可愛くすぼまったアナルですらなめてほじってやった
お尻をあげ、いじられるままの少女はそのたびにマンコからとろとろの愛液をこぼした
少女は俺の愛撫から、快楽をうまく抽出していた
尻の割れ目でチンコをしごいた。柔らかく、弾力があり、熱さがあった尻肉に挟まれ、
一瞬でもマンコに入れたかのような錯覚があった。大量の精を尻に出す
少女「あはは……おしり、気持ちいいよぉ。あったかいよお……」
ふりふりと、精に汚れた尻を振る。もっともっとと体中で要求していた
少女「あへ……あひぃ……」
窓から陽光が差し込んでいる
少女は俺が出した精液で、頭から足まで真っ白だった
快楽漬けでちょっとショートしているのか、少女はうわごとを呟いている
俺はと言えば、呆然としていた
男「やっちまった……」
置かせるところは全部犯したと思う。挿入は物理的に不可能だから除外するが、その他はコンプリートした
プピッと言う音とともに、少女の尻から精液が噴出する
ああ、俺はアナルを犯していたっけ……最低でも、三発はそそいだ
口からも精液がこぼれている。少女の狭く、熱い口は最高のフェラを生み出すのだ
最低でも、五発はそそいだ
男「はは……最悪だ、俺……」
これが、後悔の心か
ロリコンに目覚めてしまった俺は、少女の体液で汚れた体でベッドの上に座って動けない
部屋には俺と少女、2人の精のにおいが充満している
少女「あ、男、さん……」
精に汚れたままでも、少女は可愛らしかった
頬を赤く染め、恥らう様子は、エロを抜いて可愛い
少女「私……男さんのモノになっちゃいましたね……」
もじもじと、恥らいながら言う。根拠もなしに、嵌められたという感想を抱く
少女「男さん、激しかったですけど……気持ちよかったです」
少女「えへへ……えっちな女の子でごめんなさい」
少女はすり寄ってきた
少女「これからも、私だけを、可愛がってくださいね?」
男「あ、うん……」
少女「毎晩、ベッドの上で……」
いちゃエロ終わり
おまけ:ヤンデレラ
第二ルート終了後から
海の向こうの国に行くために、俺と少女は船に乗った
船の乗組員は女ばかりで、船長に聞くとガールズシップさ、という回答が返ってきた
他の客も、女ばかりだ。唯一男もいるが、船酔いで出てこない
少女「むー」
少女は不機嫌である
もう六年近く前か。嵐の日の夜、めちゃくちゃに犯してしまってから、少女はちょっと強くなった
その、男女関係的な意味で
基本的にはいい子なんだけどな
少女「男さん。今日のお昼、船長さんのパンチラ見てたでしょ!」
めざといな
じゃない。アレは偶然だ。セーラー服とやらの、スカートが短いことに問題がある
風のある甲板上では、パンチラフィーバーである
少女「とにかく、男さん」
少女は十六、七のよい体形で近寄ってきた
少女「ちゃんと、私の言うとおりにしてもらうからね!」
逆らうことはできない
甲板
セーラー服に着替えた少女が、甲板上をはねている
もちろんそうんなことをすれば、スカートがめくれあがりパンチラフィーバーである
少女「私のほうが、絶対いいんだから!」
何と張り合っているのかは知らないが、白い肌と黒い下着のコントラストが素晴らしい
大胆にめくれあがってパンモロ状態だが、別に俺は構わない
少女「どう?私の方がいいでしょ?」
男「ああ、最高だ」
そう答えてやると、満足そうにうなずく。スキップで戻ってくる
途中、パンツのサイドのひもがほどけ、甲板上の風にあおられて飛んで行った
少女「あ、私の!」
パンツは海に落ち、沈んでいった
その様子を、縁から除く少女。風でスカートがめくれ、しろいお尻が丸出しだ
少女は俺の視線を独占したその結果に、おおむねの満足を示した
船室に戻ってきたが、まだ不満気だ
少女「男さん、コックさんの胸に見とれてた」
男「誤解だろ、記憶にない」
確かにコックは爆乳だ。船の揺れで同時に揺れてなおエロい
少女「私だって!」
少女は質量に対し反乱を始めたようだ
少女「どうかな……」
上半身下着姿で、必死に胸を寄せている
十分巨乳だが、コックには負ける
男「ああ……まあ、勝ってるんじゃないか?」
少女「嘘ついてもわかるもん」
少女は悔しげにそういうと、ゆさゆさと自分で揺らし始めた
ぷるぷると胸が揺れて、エロいエロい
少女「男さんが好きなのは、私のおっぱいだよね?」
頷かないとずっと揺らしていそうだったので、頷く
少女「だよね、よかった!」
揺らしすぎたせいで、ブラのストラップが肩から外れる
ぽろん、とカップから白い巨乳がこぼれる
少女「わあああああっ!」
やぱっり、俺の視線を独占したその結果に、おおむねの満足を示した
服を着なおした少女だが、まだ不満げだ
少女「うー、あとなんかー、なんかー」
必死で探している。俺はそっと近寄って、抱きしめてやる
男「俺が好きなのは、少女だけだって」
少女「でも、不安なんだもん……」
少女「相手を空間転移でどっかとばしてやりたいくらい」
それはヤバい
男「俺は絶対に裏切らないよ」
少女「うー、うー」
なんか唸っている。よくない予感がする
少女「閃いた」
閃かれた
少女「男さんの手足をとっちゃって、私だけの男さんにしちゃえばいいんだ!」
男「なんていうことを思いつくんだ!」
少女「えへへー。さっそく、右手から……」
そういうと少女は、右手をとって、甘噛みする
少女「がじがじ」
歯形がつく。その結果に満足して、口を離す
同様に、他の四肢にも歯形を付けていく
最後に、首筋に歯形を付けられた。ここだけはちょっと怖かった
少女「はい、男さんのことをみーんな食べちゃいました」
少女「これで、私だけの男さん」
楽しそうにそういうと、強く抱きついてくる
甘えヤンデレとでもいうのだろうか?ほのぼのとしたヤンデレだった
やっぱり、少女は可愛い。頭を撫でてやった
おわり
少女可愛すぎィ!