※関連記事
姉「好きだよ、妹」
委員長「好きよ、女」
姉「学校祭、ですね」

2 : ◆a/kVfvST9o[] - 2013/05/06 22:03:35.05 mwK+Kkc30 1/25

「春だね、お姉ちゃん」

「はい」

「お花見の季節だよね」

「そうですね」

「じゃ、明後日お花見だからね!」

「はいぃ!?」

元スレ
姉「……春ですね、妹」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1367845365/

3 : ◆a/kVfvST9o[] - 2013/05/06 22:06:13.18 mwK+Kkc30 2/25

「ちょっ、ちょっと待ってください、この辺、桜ありませんよね?」

「ううん、お嬢様ちゃんのお家の庭にあるよ?」

「ああ、あのお金持ちの……」

「そうそう! そこでクラス会をすることになったからさ」

「クラス会なら、私行けませんよね?」

「家族も連れてきていいんだって!」

(それだともはやクラス会の意味を成してないような……)

「参加料は、一人につき二人分の食べ物飲み物を持ってくること、って」

「なるほど……主催者は誰なんです?」

「わ た し で す (^o^)」

「それはつまり……」

「えへへ、だってお姉ちゃんと一緒にお花見したかったんだもん」ギュー

「クラス皆を嵌めるとは……策士ですね……」ナデナデ

「えへへー」


4 : ◆a/kVfvST9o[] - 2013/05/06 22:06:53.94 mwK+Kkc30 3/25

~翌々日~

「ふわあぁ……おはよぉ、おねぇちゃん……」フラフラ

「おはようございます。 朝食は作ってあるので、食べててください」

「お姉ちゃんは?」

「私はコレを作り終えたら食べます」

「コレ……? これって……お弁当?」

「ええ、色々考えたんですが、これが一番楽なので」

「……お味見していい?」

「だめです」

「むぅ……お姉ちゃんのケチ」

「これは今日のお昼に食べるもので……」

「いただきっ」パクッ

「あーっ!!」

「んー、おいひー♪」モグモグ

「もうっ、どうせお昼には食べられるんですからっ」

「えへへ、だって美味しいもん」

「そう言っていただけるのは嬉しいのですが……」

「もういっこ……」

「ダメっ!」ペシッ

「あいたあっ」

5 : ◆a/kVfvST9o[] - 2013/05/06 22:07:43.72 mwK+Kkc30 4/25

~お嬢様宅前~

「ふわあ……大きいですね……」

「そりゃ、だってお嬢様だもん」

「お庭にはどこから入ればいいんでしょうか」

「ん、こっちだよ」

「なんと……こんな所に扉が」

「一回だけ来たことあって、その時に教えてもらったんだよね」カチャ

「なるほど……」

お嬢「いらっしゃい」

「あ、こんにちはー!」

「こんにちは」

お嬢「こんにちは、どうぞ入って」

「お邪魔しまーす!」

「お邪魔します」

お嬢「ところで、貴女様が妹さんのお姉様?」

「はい」

お嬢「ふぅん……本当に、妹さんとは正反対の雰囲気ですのね」

「よく言われます」

お嬢「あ、ごめんなさい。 悪い意味で言ったわけじゃありませんの」

「いえ、慣れてますから」

6 : ◆a/kVfvST9o[] - 2013/05/06 22:08:17.10 mwK+Kkc30 5/25

ワイワイガヤガヤ

「もう皆来てるのかぁ」

お嬢「ええ、よほど楽しみにしていたそうですわよ?」

「うわあ……綺麗な桜ですね」

お嬢「ふふっ、自慢の庭ですの」

「お姉ちゃん、早く行こーっ!」グイグイ

「ちょっ、引っ張らないでも……あわわああぁぁ」ズルズル

お嬢「……本当、正反対の性格をしてなさるのねぇ」

7 : ◆a/kVfvST9o[] - 2013/05/06 22:09:05.60 mwK+Kkc30 6/25

「やっほー、みんなー!」

「あ、きたきた!」

「遅いよー!」

「まだ集合時間前だよ?」

「ダメダメ、30分前には来ないと!」

「それは早すぎじゃないかな……」

「あ……もしかして、妹ちゃんのお姉さんですか?」

「はい、はじめまして」

「はじめまして! うわあ、妹ちゃんと雰囲気全然違う!」

「わ、私だって割と落ち着いてるつもりなんだよ?」

「いや、それはない」

「ないですね」

「……」

「……もういい! ヤケカラオケじゃああぁ!」

「おおお! ここカラオケボックスもあるの!?」

お嬢「お花見の準備をしてるときに、執事がセットしてくださいましたの」

「一番、歌います!!」

「待ってましたあああ!」

「いもーとー! こっち向いてー!!」

8 : ◆a/kVfvST9o[] - 2013/05/06 22:09:38.53 mwK+Kkc30 7/25

「………」

お嬢「こんにちは」

「あ、こんにちは」

お嬢「お姉様は、あちらに行かないんですの?」

「ええ、遠巻きで眺めてるのも良いかなと」

お嬢「そうですか」

「……あの熱狂ぶり、学校祭を思い出しますね」

お嬢「ふふっ、そうですわね」

9 : ◆a/kVfvST9o[] - 2013/05/06 22:10:06.30 mwK+Kkc30 8/25

お嬢「……あら?」

「どうしました?」

お嬢「その包みは……お弁当?」

「はい」

お嬢「ふぅん……お姉様がお作りになられて?」

「お恥ずかしながら」

お嬢「そう……食べてみても?」

「ええ、構いませんよ」

お嬢「では、まず中身の確認を」カパッ

「お口に合うかどうか……」

お嬢「いえ……すごく、美味しそうですわ」

「ありがとうございます」

10 : ◆a/kVfvST9o[] - 2013/05/06 22:10:44.90 mwK+Kkc30 9/25

お嬢「それでは、いただきます」

「はい」

お嬢「これは、昆布巻きですね……はむ」

「……どうでしょうか」

お嬢「ん……美味しい」

「そうですか……良かったです」

お嬢「お料理、お上手ですね?」

「いえいえ、普通ですよ」

お嬢「こんなに手の込んだお弁当を食べたのは、久しぶりですわ」モグモグ

「普段から料理をしてますから……お茶、飲みます?」

お嬢「あ、お願いします」

11 : ◆a/kVfvST9o[] - 2013/05/06 22:11:29.65 mwK+Kkc30 10/25

「どうぞ」コト

お嬢「ありがとう。 気が利くのですね」

「これくらい、普通ですよ」

お嬢「そうかしら……うちの執事はそこまで気が回りませんもの」

「そうなんですか?」

お嬢「ええ、お姉様のような専属のメイドが欲しいくらい」クスッ

「私がメイドですか……」

お嬢「ふふ、メイド服も良く似合いそうですし、どうです?」

「メイド服はもうカンベンです……学校祭で着せられたので……」

お嬢「あら、それは残念。 見に行けばよかったかも」

「かなり恥ずかしかったんですよ……」

12 : ◆a/kVfvST9o[] - 2013/05/06 22:12:12.52 mwK+Kkc30 11/25

「ふひぃぃー……」フラフラ

「あら、どうしました?」

「歌って踊って疲れたよ……」

「まあ、あれだけ騒いでいれば疲れますよね」

お嬢「もぐもぐ……」

「あれ、何食べてるの?」

お嬢「これでふ」

「これは……お姉ちゃんのお弁当!? すっからかんなんだけど!?」

お嬢「誠に美味でございました」フキフキ

「ぐ、ぐぬぬ……私も食べたかったのに……!」

「また作りますから、ね?」ドウドウ

「むぅぅ……」

13 : ◆a/kVfvST9o[] - 2013/05/06 22:12:53.02 mwK+Kkc30 12/25

────────────────

「今日はありがとうございました」

お嬢「いえいえ、ぜひまたいらしてくださいな」

「はい」

「またね、お嬢様ちゃん」

お嬢「ええ、また来週」

14 : ◆a/kVfvST9o[] - 2013/05/06 22:14:18.06 mwK+Kkc30 13/25

~帰り道~

「………」

「……どうしました?」

「え?」

「暗い顔をしていますが」

「ん……そうかな」

「……楽しくなかったんですか?」

「ううん、楽しかった……けど」

「けど?」

「……お姉ちゃん、ずっとお嬢様ちゃんとお話ししてたね」

「え?」

「私のこと、全然構ってくれなかった」

「それは……」

「私は、お姉ちゃんとお花見したくて誘ったのに、お姉ちゃんは……」

「………」

「……っ、先、帰ってるね」タタタ

「あっ……妹……」

15 : ◆a/kVfvST9o[] - 2013/05/06 22:14:49.25 mwK+Kkc30 14/25

~我が家~

「……ただいま」パタン

(妹は……良かった、ちゃんと帰ってきてる)

(せっかく妹が誘ってくれたのに、私は……)

「………」

「……よしっ」

16 : ◆a/kVfvST9o[] - 2013/05/06 22:15:21.25 mwK+Kkc30 15/25

~翌日~

ドタバタドタバタ

「んん……?」モゾ

コンコン

「ふぇ……?」

「妹」カチャ

「……どうしたの」

「出掛けるから着替えてください」

「へ? 出掛けるって、どこに……」

「なるべく急いでくださいね」パタン

「あっ、ちょっ……」

「……??」

17 : ◆a/kVfvST9o[] - 2013/05/06 22:15:59.86 mwK+Kkc30 16/25

~リビング~

「お姉ちゃん……?」

「あ、用意できましたか?」

「えっ、う、うん」

「では、行きましょうか」

「どこに行くの?」

「……昨日のお詫びです」

18 : ◆a/kVfvST9o[] - 2013/05/06 22:16:38.50 mwK+Kkc30 17/25

────────────────

~某公園~

「うわあ、すごい……!」

「満開ですね……」

「こんな場所、あったんだ……」

「ええ、穴場スポットだったみたいです」

「桜だらけだよお姉ちゃん!」

「ふふ、そうですね」

「花びらすごーい!」ピョンピョン

「……春ですね、妹」

「そうだね……春の匂いだよ」

「甘い香りがします」

「人、いないのかな?」

「いないみたいですね……」キョロキョロ

「じゃあ貸し切りだね!」

「あとから来ますよ、きっと」

「むぅ」

19 : ◆a/kVfvST9o[] - 2013/05/06 22:17:34.58 mwK+Kkc30 18/25

「それでは、そろそろお弁当にしましょうか」

「わーい!」

「お好きにどうぞ」パカ

「いただきまーす!」

「お茶はポットに入ってますので」

「はむはむ……ん~、美味しいっ」

「良かった……今朝、ちょっと寝坊してしまって、慌てて作ったんです」

「……ごめんなさい」

「え?」

「昨日は……その」

「いえ、私が妹に構ってあげなかったのが悪いんです」

「で、でも」

「私の方こそ、ごめんなさい」

「そんな、あれはその、ただのワガママというか……」

「……妬いちゃった?」

「なっ!?///」

「ふふ、冗談ですよ」

20 : ◆a/kVfvST9o[] - 2013/05/06 22:18:15.06 mwK+Kkc30 19/25

「む、むぅ……妬いてた訳じゃないもん……」モグモグ

「はいはい。 妹も飲みます?」コポコポ

「あ、うん」

「どうぞ」

「ありがとう」モグモグ

「美味しいですか?」クピ

「うん!」

「そうですか……嬉しいです」

「お姉ちゃんは食べないの?」

「………」

「……お姉ちゃん?」

「………」

「な、なんか顔赤いよ……?」

姉 ギュウッ

「ふわあっ!?///」

21 : ◆a/kVfvST9o[] - 2013/05/06 22:19:33.02 mwK+Kkc30 20/25

「えっ、なっ、急に抱きついてきてどうしたの!?///」

「……私だって、寂しかった」

「え……え?」

「妹がずっとクラスメートと話してて……」

「でも、クラス会だから邪魔しちゃダメだって思って……」

(お、お姉ちゃんが普段のお姉ちゃんじゃない!?)

「だから……今だけは、絶対に離さないから」ギュウ

(ま、まさかお姉ちゃんが間違えてポットにお酒を入れちゃったとか!?)

(それを飲んじゃって、お姉ちゃんは……)

「お、お姉ちゃん……もしかして、酔ってるの?」

「酔ってる……? お酒も飲んでないのに、酔うわけないよ」

(お姉ちゃんの口調が普段と違う時点で明らかにおかしい!!)

「んー……♪」スリスリ

「やっ、お姉ちゃん……///」

「妹、大好き……」ギュー

「ぐはっ!?」ブハッ

(くっ……破壊力がっ……!)ポタポタ

22 : ◆a/kVfvST9o[] - 2013/05/06 22:20:36.09 mwK+Kkc30 21/25

「妹」

「ん?」

「キス」クイッ

「へっ!? んっ、んん~っ!?///」チュゥ

「ん………………ぷは」

「おねえちゃ……んんぅっ」

「んっ、ちゅぅ……れろ」

「んんん~~っ!?」

「ちゅる、くちゅ……」

「は、はぅ……んちゅぅ……ぷはぁっ……」

「妹……」

「だ、だめだよ、こんなところで、こんなキス……誰か、来ちゃうよ……」

「そう言ってる割には、私の頭を離してくれませんね?」

「……ばか、いじわる」

「ふふ……私もたまには攻めるのです」

「いじわる……ん……」チュ

「ん……」

23 : ◆a/kVfvST9o[] - 2013/05/06 22:21:49.31 mwK+Kkc30 22/25

─────────────────

「……日が暮れてきましたね」

「……うん」

「昨日の分の元、取れました?」

「……ううん」

「え」

「……お釣りが来るぐらい」

「……ふふ、そうですか」

「花より団子……もとい、花よりお姉ちゃんだったけどね」

「えっと……」

「ところで、さっきのはほんとに酔ってなかったの?」

「あれはその、ただの暴走というか、なんというか……まず、お酒なんか飲んでないですし……」

「お姉ちゃんも、妬いてたんだね!」

「うぅ……恥ずかしいからやめてください……」シクシク

「ふふふ、これをネタにお姉ちゃんいじりを……」ブツブツ

「そんな恐ろしい計画、立てないでください!」

24 : ◆a/kVfvST9o[] - 2013/05/06 22:22:35.77 mwK+Kkc30 23/25

「ありゃ、もうこんな時間」

「そろそろ帰りますか?」

「んー……帰んなきゃ、だめだよね」

「また来年も来れますよ」

「うん……」

「それじゃ、帰りましょうか」

「ちょっと待って!」

「なんです?」

「写真撮らなきゃ!」

「写真……? そういえば、カメラ持ってきてないです」

「んじゃ、ケータイでいいかな」ゴソゴソ

「すみません……」

「よし、桜をバックに……ほらお姉ちゃん、笑顔笑顔!」

「あ、えっと……」

「撮るよー? 3、2、1……んーっ♪」チュ

「っ!?///」パシャッ

25 : ◆a/kVfvST9o[] - 2013/05/06 22:23:27.60 mwK+Kkc30 24/25

「えへへー、良く撮れてるなぁ♪」ニマニマ

「けっ、消してくださいっ!!///」

「見て見て、お姉ちゃん顔真っ赤!」

「~~~っ!!///」ボンッ

「あははははっ、今も顔真っ赤~!」

「いっ、妹っ!」ギロリ

「ひっ!?」ダッ

「逃しませんよっ!!」ダッ

「うわわわああああっ、助けてええええ!!」

「待ちなさああぁぁぁい!!」

「ごめんなさあああああい!!」








おわり

26 : ◆a/kVfvST9o[] - 2013/05/06 22:25:39.93 mwK+Kkc30 25/25

遅れた春百合ssでした
ちなみに>>1に書き忘れましたが、以前立てた
姉「学校祭、ですね」
の一応続きです
よろしければそちらもどうぞ


ありがとうございました

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