1 : 以下、名無しにかわりまし... - 2012/01/29 18:33:05 E4y//cxWP

放課後 軽音部部室

「お茶入りましたー」

「ありがとう。・・・今日も美味しいな」

「それに、このティーセットが良いよね」

「確かに。私達は気楽に使ってるけど、本当は結構高いんだろ」

「そんな事気にしないで、みんなはお茶を楽しんでくれよ」

「お前が言うな」 ぽふ



元スレ
紬「だけど、大切な物が決して高いとは限らないでしょ」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1327829585/

2 : 以下、名無しにかわりまし... - 2012/01/29 18:35:14 E4y//cxWP

「やっぱり何十万とか何百万とかする訳?」

「まさか。毎日使う物だから、割れても良いようにそれなりの物を持って来てるの」

「ムギにとってはそれなりでも、私達にとっては拝むレベルかも知れないからな」

「本当、それ程高い物は持って来てないわよ。むしろ、毎月のお菓子代の方が高いくらい」

「え」 びくっ

「なんだか、怪談よりも怖い話を聞いた気がする」

「明日から、水と氷砂糖にするか・・・」



5 : 以下、名無しにかわりまし... - 2012/01/29 18:37:11 E4y//cxWP

カチャ

「済みません、遅れました」

「今、お茶の準備するわね」

「ありがとうございます。・・・なんですか、唯先輩」

「お菓子、大切に感謝を込めて食べた方が良いよ」

「それは唯先輩が、でしょ」

「お前、ムギの持ってくるお菓子がいくらか知ってるのか」

「少なくとも、たらこじゃないよね」

「誰が、魚卵の話をしたんだよ」



10 : 以下、名無しにかわりまし... - 2012/01/29 18:39:22 E4y//cxWP

「今日のお菓子はアップルパイでーす」

「頂きます」 はむはむ

「美味しいね-」

「うん、本当に美味しいな

「んめー、んめー。・・・って、喜んでる場合じゃねー。いや、喜んでる場合だけど」

「何の話ですか、さっきから」

「ムギの持ってくるお菓子は結構高価で、一月分だとこのティーセットよりも高いそうだ」

「だから、大切に食べないと駄目なんだよ」

(生クリーム、鼻についてるし)



14 : 以下、名無しにかわりまし... - 2012/01/29 18:41:20 E4y//cxWP

「みんなさっきから色々気にしてるけど、本当に大丈夫だから」

「そうは言ってもな。高い物は、大切に扱わないと」

「だけど、大切な物が決して高いとは限らないでしょ」

「はっ」

「ひらめいた、みたいな顔したな」

「・・・抱きしめないで下さいよ」

「あれ、気付いてた?」

「私の大切な物はあずにゃんだよー、みたいな話か」

「確かに唯っぽい行動だな」

「でもやっぱり、あずにゃんなんだよー」 きゅっ

「本当に唯は仕方ないな」

(全くです♪) くんかくんか



16 : 以下、名無しにかわりまし... - 2012/01/29 18:43:14 E4y//cxWP

「あー、うまかった。・・・でだ。私達の大切な物って言うと」

「やっぱり、楽器だろ。というか、それ以外の答えはない」

「そだね。ギー太に何かあったら、私泣いちゃうよ」

「それにレスポールですからね。私なら、違う意味で泣いちゃいます」

「ギターやベースは何かあった時すぐ動かせるけど、ドラムとキーボードはきついよな」

「重いしかさばるし。逃げてると、共倒れになりかねん」

「いざとなったら、私も手伝うよ」

「仕方ないな」

「及ばずながら」

「さながら三勇士ね」

唯、澪、梓「あはは」

「爆弾じゃないぞ、おい」



19 : 以下、名無しにかわりまし... - 2012/01/29 18:45:18 E4y//cxWP

「楽器以外だと、何が大切?」

「部室とか、講堂とか。私達が軽音部なら、その辺は大切だな」

「だったらトンちゃんもです」

「梓ちゃんは、本当にトンちゃんを大切にしてる物ね」

「その内、恩返ししてくれるかな」

「でも竜宮城へ行くには、ちょっと小さすぎない?」

「大丈夫。その時は、決して覗かないで下さい」

「お前ら、まずは突っ込まれる順番を決めろ」



21 : 以下、名無しにかわりまし... - 2012/01/29 18:47:27 E4y//cxWP

「大切な物、大切な物。・・・澪ちゃんだと、歌詩を書いたノートとか?」

「私だったら、速攻で燃やしたくなるけどな」

「なんだと?」

「まあまあ。でもノートが無くなる可能性もあるから、ちょっと心配じゃない?」

「心配ない。全ページコピーを取って、部室と家にそれぞれ保管してる」

「後で見つかった時、黒歴史になりそうだな」

「何言ってるんだ。それはきらきらきらめく魔法の言葉。戸棚の奥から現れた、10年前の宝物だ」

(さらっと語り出したし。10年間も軽音部にいるし)



23 : 以下、名無しにかわりまし... - 2012/01/29 18:49:13 E4y//cxWP

「唯はさっきから静かだな・・・。って、寝てやがる」

「唯先輩、唯先輩」

「・・・あずにゃん、どしたの」 じゅるり

「それは私の台詞です。もう、部活中に寝ないで下さいよ」

「ごめん、ごめん。ただ私的には、寝てる時とか何もしてない時間が大切なんだよね」

「それ、すごく分かるわー」

「確かに一理ある」

「結局、寝てるんだけどな」



24 : 以下、名無しにかわりまし... - 2012/01/29 18:50:20 E4y//cxWP

「唯も起きた事だし、練習するぞ」

「あーあ。練習しなくても上手くなれれば良いのにな」

「そんな都合のいい話があるか。何事も努力努力。努力に勝る近道無しだ」

「はいです」

「でも、急がば回れって言うよね」

「ずっと回ってたら、どうなるのかしら」

「やっぱり、バター?」

「でもって、ばったり倒れちゃったりして?」

唯、紬「あはは」

「ばっさり切り捨てるぞ、お前ら」



26 : 以下、名無しにかわりまし... - 2012/01/29 18:52:05 E4y//cxWP

30分後

「・・・開けて良いよね-♪」 ぴらりらーん

「ふー。結構上手く行ったんじゃないか?」

「これもみんなが努力をしたからだ」

「それもあるけど、やっぱり歌詞や曲が良いからじゃない?」

「ムギ先輩の声も素敵ですしね」

「さすが合唱部志望だった事はある」

「私達が、強引に勧誘したんだけどな」

「でも私は、軽音部に入部出来てすごい幸せよ♪」

(懐が深いというか、人が良いというか。良い匂いというか♪) くんかくんか



27 : 以下、名無しにかわりまし... - 2012/01/29 18:54:02 E4y//cxWP

夕方 商店街

「私達の中でメインボーカルをやってないのは、律と梓か」

「い、いえ。私は結構です。正直、自信無いですし。ギターで精一杯ですし」

「となると、りっちゃんがボーカル?」

「い、いや。私も良いよ」

「どして?」

「そ、それはその。・・・は、恥ずかしいじゃん」

「あらあら♪」

「ちょっと意外ですね。そういうの、全然平気だと思ってました」

「こう見えて、律は結構繊細なんだ」

「こう見えてってなんだよ。こう見えてって」

律、澪「なんだとー」

(何気に仲が良いな、この二人)



29 : 以下、名無しにかわりまし... - 2012/01/29 18:56:00 E4y//cxWP

夜 平沢家リビング

「・・・という訳で、楽器もだけど歌詞や曲も大切だと思うんだ」

「そうだね。いくら演奏が上手くても、歌詞やメロディが良くないと心に響かないし。でも曲が良くても、演奏が駄目だと良くないし。音楽って難しいね」

「知れば知る程、音楽は奥が深いよ」

「お姉ちゃんも、すっかりミュージシャンだね」

「そかな」

「そうだよ。私、今の内にサインもらおうかな」

「私のサイン第一号は、憂に決定だね」

「ありがとう、お姉ちゃん♪」

「憂ー♪」


31 : 以下、名無しにかわりまし... - 2012/01/29 18:58:01 E4y//cxWP

翌朝 3年生教室

「という訳で昨日は、憂にサインを書いてあげました」

「姉妹で何やってるのよ、あなた達」

「てへへ。そういう和ちゃんは、何が大切?」

「・・・そうね。すぐ思い付くのは、眼鏡かしら」

「やっぱり無いと困る?」

「歩けないって程ではないけれど、唯と憂の見分けは付かなくなるかも知れない」

「きりっとした方が私で、優しい方が憂って覚えればいいよ」

「唯。あなた、まだ寝てるの?」



32 : 以下、名無しにかわりまし... - 2012/01/29 19:00:06 E4y//cxWP

「うーっす」

「きねー」

「ぺったん、ぺったん。ぺたぺったん♪」

唯、紬「あはは」

「・・・いや、そういう事じゃないから」

「相変わらずね、あなた達は」

「私は違うぞ。月のウサギもお餅をつくよ。今夜は満月カーニバルだ」

(むしろ、一番ひどいんじゃないの)



34 : 以下、名無しにかわりまし... - 2012/01/29 19:02:04 E4y//cxWP

「和ちゃんは、眼鏡が大切なんだって」

「それで行くと、りっちゃんはヘアバンドかしら」

「ああ、なるほどね。ちょっと交換してみたら」

「ま、良いけどさ。ほら」

「はい、私も。・・・こんな感じかしら」 すちゃっ

「・・・素敵♪」

「うん。驚くくらい似合ってるな」

「和ちゃん可愛いよ。すごく似合ってるよ。さすが和ちゃんだよ」

「もう、唯は大げさなんだから」

澪、紬「あはは」

「で、私は置いてけぼりですか」



35 : 以下、名無しにかわりまし... - 2012/01/29 19:04:04 E4y//cxWP

2年生教室

「サインかー。澪先輩のサインなら、素で欲しいな」

「今度、澪先輩にお願いしてみたら?」

「それは恐れ多いというか、なんというか」

「だったら、梓ちゃんのサインをもらったら?」

「じゃあ、この空欄にお願い。印鑑も一緒にね」

「これは、純の借用書でしょ」 ぽふ



38 : 以下、名無しにかわりまし... - 2012/01/29 19:06:01 E4y//cxWP

「ちょっと備品を借りただけだって。梓は、そういう雑用とかやらないの?」

「・・・あまり考えた事無いな」

「あんたね。軽音部で、唯一の後輩でしょ。そこは労を惜しまなくてどうするのよ」

「うっ」

「それだけお姉ちゃん達は、梓ちゃんを大切に思ってるんじゃないのかな」

「もしくは、甘やかされてるかだね」

「でも厳しいお姉ちゃん達も想像出来ないし、やっぱり人は褒められて伸びるんだよ」

「もう、憂も甘いんだから。大体梓って、甘えるのも下手でしょ」

「甘えるって、例えば?」

「ごろにゃーん♪とか?」

梓、純(憂ー♪)



40 : 以下、名無しにかわりまし... - 2012/01/29 19:08:04 E4y//cxWP

放課後 軽音部部室

カチャ

「・・・済みません、遅れました」

「うーっす」

「きねー」

「それはもういいんだ」

「あずにゃん、お菓子あるよ。あーんして、あーん」

(確かに甘やかされてる、のかな)





41 : 以下、名無しにかわりまし... - 2012/01/29 19:10:02 E4y//cxWP

「甘いな、甘い。唯、お前甘いよ」

(えっ) びくっ

「りっちゃん、どういう事?」

「分かったわ。梓ちゃーん、ごろにゃーん♪みたいな事?」

「おう、その通りだ。澪、やってみろ」

「「何で私が、そこまで・・・。梓ちゃーん、ごろにゃーん♪食べてにゃーん♪」

(やっちゃってるし、アドリブ効かせてるし)

「それだ、澪っ」

「うーん、軽音部の道は厳しいねー」

(軽音部の要素、一切ないし)



43 : 以下、名無しにかわりまし... - 2012/01/29 19:12:02 E4y//cxWP

5分後

「上下関係か。それこそ、私達のノリじゃないだろ」

「あずにゃんは、そういうのに憧れてるの?」

「そういう訳じゃないですけど。私軽音部で、後輩らしい事をしていないので。それはどうかなと思いまして」

「確かにある程度のけじめは必要だ。だた、そんな深刻に考えなくても良いんじゃないかな」

「うん、うん」

「まあ私は部長だから、別格だけどな」

「お前こそ、肩書きだけだろ」 ぽふ



45 : 以下、名無しにかわりまし... - 2012/01/29 19:14:14 E4y//cxWP

「・・・いえ。時には厳しく接するのも大切よ」

「ムギ?」

「梓ちゃんっ」

「は、はいっ」

「このお茶、美味しいから飲みなさいっ」

「は、はい」

「こっちのシュークリームも美味しいから食べなさいっ。それと、明日は何が食べたいか言いなさいっ」

「ザ、ザッハトルテをお願いします」

「分かったわっ。明日を楽しみに待ってなさいっ」

「それって単に、田舎のお祖母ちゃんだろ」




46 : 以下、名無しにかわりまし... - 2012/01/29 19:16:01 E4y//cxWP

「・・・ごめんなさい、梓ちゃん。私、こういうの苦手みたい」 しょんぼり

「いえ、そんな。私こそ済みませんでした」

「まあ、ムギからは一番遠いキャラだったからな」

「誰かに厳しくするって事は、自分も厳しく律するって事だ。これはなかなかに難しいぞ」

「真面目な奴め。どっちにしろ、私達の中にはいないタイプだな」

「りっちゃん、りっちゃん。一人忘れてるよ」

「お前は、初めから計算外なんだよ」 ぽふ



47 : 以下、名無しにかわりまし... - 2012/01/29 19:18:01 E4y//cxWP

「ちぇー。りっちゃんだって、自分には甘い癖に」

「自分に甘く、他人にも甘く。これが軽音部唯一の掟だ」

「言い切るなよ。・・・あながち、間違ってるとも思えないが」

「でもそれって、素敵な事よね」

「そうか?どうも、ぬるま湯って気もするぞ」

「温かいお風呂、最高じゃない」

「そういう意味じゃありませんよ」

「そかな。ぬるま湯だったら、みんなでいつまでも入っていられるよ。それって、最高な事だと思わない?」

「ま、まあ。そういう意味ならぬるま湯でも良いですけど」

「・・・本当に良いのか?」

「勿論。一緒に入れるなんて、最高な事だと思うわよ♪」

「ムギこそ、違う意味で捉えてないか」



48 : 以下、名無しにかわりまし... - 2012/01/29 19:20:10 E4y//cxWP

さわ子「あー、疲れた。ムギちゃん、ホットチョコレートお願い」

「はい、ただ今-」

「いつにもましてお疲れだね、さわちゃん」

さわ子「担任ともなると、あれやこれやと仕事が増えるのよ。授業が終われば放課後ティータイム、なんてのんきに過ごせないんだから」

「だったら、どうしてここにいるんだよ」

さわ子「私はここへ、潤いを求めに来てる訳。私にとっては大切な憩いの場、言わば聖域なのよ。そして活力を得て、また学校という名の戦場に赴くの」

(疲れてるな、色々と)



49 : 以下、名無しにかわりまし... - 2012/01/29 19:22:03 E4y//cxWP

「ホットチョコレート、お待たせにゃん♪」

さわ子「良いわねー、そういうノリ。あなた達若いんだから、そういう部分を伸ばしていかないと」

「伸ばす場所が違う気もするんですが」

さわ子「もう、澪ちゃんは真面目なんだから。ホットチョコレート美味しいにゃん♪、とか言ってみなさいよ」

「い、いや。それはさすがに」

「は、はい。確かに」

「人として、大切な物を失う気がするよ」

さわ子「ムギちゃんは良くて、私は駄目って訳?それって、一体どういう訳」

「言うまでも無いだろ、そんな事。年甲斐もなく、そういう真似は止めてくれよな。だははー」

さわ子「だったらお前の寿命を頂くぞ、このデコッパチ」



51 : 以下、名無しにかわりまし... - 2012/01/29 19:24:02 E4y//cxWP

「あー、ひどい目に遭った」

「自業自得だ。とにかく、もう「にゃん」は禁止だからな」

「えー。だったらあずにゃんは、どうやって呼べばいいの?」

「あずあず?」

「あっちゃん?それとも、あずちゃんか?」

「あずわんでも良いんじゃないのか」

「なんか、オビ・ワンみたいだな」

「フォース?フォース出ちゃう?」

「コーホー、コーホー」

「それ、ちょっと違うだろ」

唯、澪「あはは」

(というか、普通に梓と読んで下さいよ)

53 : 以下、名無しにかわりまし... - 2012/01/29 19:26:03 E4y//cxWP

「さてと、ベースの調整をするか」

「調子悪いの?」

「音が少し、ビビり気味なんだ。ネックが反ってるのかもしれない」

「反る?あんな固いのに?」

「日本は湿度が高いですからね。ネックは木製ですから、結構反ったりしますよ」

「澪ちゃんは、自分で直せるの?」

「少し反ってるくらいなら。でも本当は、お店に持ち込んだ方が良いとは思うぞ」

「唯先輩も、ギー太を大切に手入れしてやって下さいよ」

「でもネックの反りを直すなんて、絶対壊しそうで怖いんだけど」

「え」

「思いっきり、ビビッたな」



54 : 以下、名無しにかわりまし... - 2012/01/29 19:28:01 E4y//cxWP

30分後

「・・・大体、こんな所かな」 ぼろーん

「音、合ってるよ」

「改めてすごいわね、絶対音感って」

「唯先輩は手入れもですけど、そういう才能も大切にして下さい」

「私、使いどころが分からないんだよね。音が分かっても、その通りに弾くのは難しいし」

「だから、その分練習をするんです」

「梓の言う通りだ」

「才能があるって、結構負担になるんだね」

「言いたい事は分かるが、結構イラっとくるな」



56 : 以下、名無しにかわりまし... - 2012/01/29 19:30:02 E4y//cxWP

「よし、練習するぞ」

「たまには、ゆっくりまったりしてようぜ」

「それは毎日練習をしてから言え。唯も早く準備しろよ」

「いやー。それが、ギー太もネックが反っちゃっててね」

「ネックが反る事も知らなかったのに、どうして分かるんだ」

「うっ。ソーリー、ソーリー」

「一周回っても、イラッと来るな」




57 : 以下、名無しにかわりまし... - 2012/01/29 19:32:01 E4y//cxWP

「うふふ。もう一杯だけお茶を飲んでから練習しましょうか。りっちゃんも唯ちゃんも、それで良いわよね」

「しゃーないな。あんまり練習しないと、澪が泣いちゃうからな」

「澪ちゃんを泣かせる訳にはいかないよね。私、一所懸命練習するよ」

「唯は優しいな。それに比べて律と来たら」

「いや。澪は泣いてなんぼ。いじられてなんぼのキャラだ。唯、甘やかすなよ」

「なんだと」

「まあまあ。みんな、お茶が入ったわよ」

(本当、なんだんだといって仲が良いよな。これが私より、1年間早く一緒に過ごしてきた事の証なのかな)



58 : 以下、名無しにかわりまし... - 2012/01/29 19:34:01 E4y//cxWP

30分後

「野良猫ー、ザッハトルテー」 ピラリラー

「あっ」 びびーん

「梓ちゃん、どうかした?」

「済みません、一小節飛ばしちゃいました」

「細かい事気にするな。フィーリングだフィーリング。なんか適当に音を出しとけよ」

「それか、唯がフォローすれば良いんだけどな」

「そんな時は来ないと思うよ。だって私は、一生あずにゃんに頼っていくからね」

「いや。真顔で言う事じゃないから」

澪、紬「あはは」


「・・・甘やかさないで下さいっ」



60 : 以下、名無しにかわりまし... - 2012/01/29 19:36:01 E4y//cxWP

「え?」

「私は後輩で、皆さんは先輩です。だからもっと叱って下さい。本気になって怒って下さいっ。本気で・・・」

「梓っ」 ばんっ

「は、はいっ」 びくっ



62 : 以下、名無しにかわりまし... - 2012/01/29 19:38:01 E4y//cxWP

「もうっ、可愛すぎるぞっ♪」 きゅっ

「え」

「うふふ♪」 きゅっ

「あ、あの」

「よしよし♪」 きゅっ

「ええ?」

「あずにゃーんー♪」 きゅっ

(えー、どういう事ー♪) くんかくんか


64 : 以下、名無しにかわりまし... - 2012/01/29 19:40:11 E4y//cxWP

5分後

「・・・済みませんでした。皆さんの仲が良いので、少し寂しいというか。何というか」

「だから本気って事か。でも私達だって、本気で梓と付き合ってるぞ」

「澪が言う通りだ」

「はぁ」

「私達は同い年だから遠慮なく突っ込みあうけれど、梓ちゃんはつい可愛がりたくなるのよね」

「え」



65 : 以下、名無しにかわりまし... - 2012/01/29 19:42:04 E4y//cxWP

「大切な可愛い後輩だから、全力で可愛がる。それが私達の本気って事さ」

「唯は、ちょっと可愛がりすぎだけどな」

「だって可愛いんだから、可愛がって当然でしょ」

「可愛いもんな」

「可愛い可愛い。梓ちゃんは、本当に可愛いから」

「も、もういいですよっ」


67 : 以下、名無しにかわりまし... - 2012/01/29 19:42:59 E4y//cxWP

「後輩だ先輩だって言っても、1才しか違わないんだ。そういう小さい事は気にするな」

「そうそう。私達はみんな、軽音部の大切な仲間なんだから」

「これからも遠慮せず、どんどん私達に意見してくれ」

「はいですっ」

「あずにゃんは気楽に、「田井中、お茶買ってこい」なんて言えば良いんだよ」

「親しき仲にも礼儀あり、だ」 ぽふ

澪、紬、梓「あはは」



終わり



69 : 以下、名無しにかわりまし... - 2012/01/29 19:43:49 E4y//cxWP

ここまでお読み頂き、ありがとうございました。
テーマとしては、「本音で付き合える大切な仲間」みたいな所ですね。

雰囲気としては「天使に触れたよ」をイメージ。
思いっきり、映画に影響されました。
ただ歌詩の内容的には、「放課後ティータイム(曲の方)」ですね。



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