妹「どうしよ!」
男「何!?いきなり何!」
妹「爆発しちゃう!!!」
男「どこが!?それって僕に言わなきゃいけないこと!?」
男「僕のネットゲームをわざわざ邪魔してまで伝えないといけないことなの?」
元スレ
妹「どうしよ!お兄ちゃん!私!爆発しちゃう!」男「えっ!?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1366551831/
妹「体全体が爆発するの!」
男「あぁ、そう。お前よりも先に僕の頭のほうが苛立ちで爆発しそうだよ」
妹「みんな死んじゃう!」
男「だろうね。僕の怒りが爆発すれば何が起こるかわからないからね。」
妹「もうっ!どうして信じてくれないの!!大変な時なのに!」
男「こっちだって昇格が掛かった大事な試合なんだぞ!」
妹「ゲームと命どっちが大事なのよ!お兄ちゃんのバカ!」
妹「うぅ…」シクシク
男「あぁもう!泣くなよ」
男「爆発したらどうなるの?教えて」
妹「町が一個吹き飛ぶ」シクシク
男「そう、それは大変だ。解決策はないの?」
妹「私を海にでも投げ捨てる」シクシク
男「えーと、爆発は防げないの?」
妹「それは無理!」ウエーン
男「どうして?」
数日前
医者「ふぅむ……すいませんが他を当たってください」
母「はぁ…」
妹「……」
別の病院
医者「心臓付近の大きな腫瘍ですが……」
医者「このようなものは見たことがない……」
母「はぁ…」
医者「とんでもなく、常識はずれにヤバイものです。私には手が負えません」
母「そんな……」
妹「……」
自宅
男「ひゃっはー!よし!よし!」
妹「お兄ちゃん」ガチャッ
男「ごめん、後にして今いいところだから」
妹「でも」
男「聞こえなかった?」
妹「ごめん…」スタスタ
男「それと、部屋に入る時はノックわすれないでよ」
妹「うん、わかった…」
病院
母「あ、あの娘は…」
医者「現在、あるゆる検査を行なっております」
医者「腫瘍の一部を摘出して成分も確かめているところです」
母「成分?」
医者「えぇ、まぁどのようなものか」
母「病院ではそんなこともするのですか?聞いたこともない!!」
医者「…いや、実はですね」
母「検査は政府の然るべき機関が行ってる!?なにそれ!」
医者「奥さん、落ち着いて!」
自宅
男「ふぉおおお!!!いいぞ!このまま連続キルを続けろ!!」
男「母さん!マウンテンデュー!」
男「マウンテンデュー!持ってきて!!」
男「あぁくそ、病院だったか」
母「どういうことよ!!娘をどうするつもりよ!!」
医者「コレ以上はなにも言えません!」
母「言って!!!」
医者「残念ですが情報はたとえ親族であっても漏らすなと」
母「言いなさいよ!!!!!!!!!」グイッ
医者「お、奥さん!!ぐるじい!!」
自宅
男「そうだ!苦しめ!!キルストリークの非情さを思い知らせてやる!」
男「母さん、遅いな」
母「……」
医者「つまり、生物兵器により我が国はテロ攻撃を受けた可能性があるということです」
母「それじゃぁ、私達もそのウイルスに」
医者「いえ、ウイルスの伝染性はほぼ皆無です」
母「??」
医者「どうやらウイルスは一度、宿を見つければそこで活動し続けるようなのです」
母「活動?娘独りを苦しめてどうしようっていうの?」
医者「問題はその活動です…」
医者「娘さんの腫瘍は町を一つ吹き飛ばすレベルの爆弾に変異したのです」
母「嘘よ!ばかばかしい!!!ありえないわ!!!!!!!」
――
―
男「なるほど…摘出すればその場で爆発しちゃうと」
妹「私、死んじゃう…爆発までもう後3日もないんだって」
男「……」
妹「もうすぐしたら、政府の人たちが迎えに来る」
妹「あの人達が来たらきっと私は拘束されてそのまま海に捨てられるんだ…」
男「…まじ?」
妹「」コクリッ
男「よし!!」グイッ
妹「え」
男「逃げよう!!」
妹「逃げる?どこへ?」
男「どこでもいいじゃないか!」
妹「でも!私、爆発するんだよ!?」
妹「私のせいで他の人が死ぬのはいや!!!!」
男「……そんな」
ピンポーン
――
―
どこか遠い海の上、そこに小さな船が浮かんでいた。
そして、その周りを囲むように軍船が距離を開け浮かんでいた。
妹「もうずっと、船の上…」
妹「……」
妹「ヘリの音…検査かな」
男「初めてのフライト最高だったよ!!」
男「僕もゲームでなら運転したことあったんだけど」
男「やっぱり、生はちがうね!!」
男「え、もう行く?あぁ、すいません。それじゃ!!」
妹「お兄ちゃん!?」
妹「何しにきたの?」
男「顔を見に来たんだ」
妹「そう」
男「UNOとかどう?トランプでもいいよ。色々持ってきたんだ」
妹「やんない」
男「そうだ、マウンテンデュー飲む?」
妹「いらない」
男「そう」
妹「…やっぱりいる」
男「わりと綺麗な船だねぇ」
男「うわっ!すごい!ねぇ見てよこのPC」
妹「」
男「……」
男「できれば、代わってあげたいよ」
男「お前には死んでほしくないんだ!!」ウルウル
男「こんな悲しい目にあってほしくないんだ…」
妹「仕方がないよ…」
妹「私が死んだら」
男「うん…」
妹「お兄ちゃんは引きこもりやめてね」
男「えっ……うん、わかった」
妹「お兄ちゃん部屋からあまり出てこないし」
妹「私ともあんまり喋ってくれなかったし」
男「うん…」
妹「あんまり仲の良い兄妹じゃなかったね。私達」
男「そんなこと……そんなことないと思うけど」
妹「私はそう感じてた…」
男「……」
男「よしっ!だったら今から!今日から仲良くなろう!」
妹「え」
男「ここにはトランプにUNO!PC!そしてマウンテンデューがある!」
男「仲の良い兄妹になるには十分な環境じゃないか!」
妹「なにそれ」フフフ
――
―
迎えのヘリは翌日の朝、直ぐに来た。
男「なぁ」
妹「なに?」
男「もし、爆発しなかったらさ」
妹「うん」ウルウル
男「今度は家族みんなで昨日みたいに遊ぼう」
妹「うん!」シクシク
男「父さんも母さんも待ってるからさ」ウルウル
妹「でも、あのPCの銃のやつはいやだから」エヘヘ
男「わかった、検討しておこう」アハハ
男「それじゃ」
妹「…」
男「もう行くよ」ギュッ
妹「ばいばい、お兄ちゃん」
41 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/21 23:57:25.47 gfQShWX90 19/31おい
42 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/21 23:58:02.63 H2YSlmbu0 20/31おい
43 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/21 23:58:56.32 gUtTzERv0 21/31おい
44 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/22 00:01:24.60 f7Z5Wd6t0 22/31おい
45 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/22 00:02:12.36 /w2RY1SBi 23/31おい
46 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/22 00:02:15.89 0akSUDgV0 24/31おい
47 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/22 00:02:34.68 7sOuTuAF0 25/31おい
48 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/22 00:02:56.98 /9gZ/vTG0 26/31おい
小さな船は瞬く間に大きな水の柱へと変わり
雨のように周囲に降り注いだ。
朝の陽の光を浴びたそれはとても美しく僕にとっては悲しくも見えた。
つい数日前、爆発しちゃうと喚いて僕の部屋をノックもせずに上がり込んできた妹は
その言葉の通り爆発しこの世から消え失せてしまった。
甲板に着陸したあと、右手に握りしめたマウンテンデューを一口飲んだ。
そして、小さなの船のあったほうの水平線をいつまでも眺め続けた。
おわり
54 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/22 00:09:56.36 j4xwSQah0 28/31もっと救いがあってもいいじゃない!
55 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/22 00:11:00.76 blDi4odN0 29/31誰得
57 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/22 00:15:24.27 PayzjkdK0 30/31最近妹=爆発が定着してきたなw
58 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/22 00:26:21.97 glw4X7uP0 31/31妹は爆発だ