1 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 00:05:32.25 7HzRIHJS0 1/105

「なあ、幼」カチカチ

幼馴染(以下、幼)「何?」

「ヤンデレって知ってるか?」

「ヤン……? 何それ?」

「いや、ちょっとネット見てたらな。怖ぇと思って」

「へえ。どんななの?」

「精神的に病むほど相手のことを想う……らしい」

「ふーん」

「興味なさそうだな」

「だって、ねえ。男にはあまり関係のない話じゃない?」

元スレ
男「ヤンデレは怖いな」幼「え?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1365606332/

3 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 00:06:41.78 7HzRIHJS0 2/105

「失敬な。俺の青春が灰色だと言いたいのか?」

「真実その通り」

「ったく……」カチカチ

「一度でいいから、病まれるほど愛されたいな」

「…………」

「(確かに、幼の言うとおり、彼女いない歴=年齢の俺にヤンデレなど関係ないのだが)」

「(まあでも…、さすがに病むほど愛されるのは鬱陶しいよな……)」

4 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 00:07:27.62 7HzRIHJS0 3/105

「今日は夕飯どうするの?」

「は? なんでお前がそんなこと聞いてくるんだよ」

「だって、今日は男のお母さん、仕事で帰りが遅いんでしょ?」

「言ったっけ、お前に……」

「んー。昨日の夕方、玄関で話してるところを聞いちゃった」

「ああ、そういうことか。その通りだよ。一応、食料は確保してある」

「コンビニ弁当は栄養が偏ると思うけど……」

「別にいいだろっ!」

「……?」

「(なんでコイツ、俺がコンビニ弁当を食べることを知っているんだ?)」

「ん?」

6 : >>5 幼馴染[] - 2013/04/11 00:08:46.95 7HzRIHJS0 4/105

「父親がいたらもう少し楽だったのかねえ……」

「さあ……?」

「それで? どうするの、夕飯」

「だから、コンビニ弁当があるって」

「それじゃ栄養偏るでしょ?」

「一日くらい平気だろ」

「だーめ」

「じゃあどうするんだよ?」

「私が作ってあげよっか?」

「助かるけど……、悪いだろ」

「別に気にしなくていいよ」

7 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 00:10:15.84 7HzRIHJS0 5/105

~夕飯~


「おいしい?」

「おいしい」

「よかった」

「……もう七時だぞ。家は大丈夫か?」

「あっ、着信入ってた」

「おいおい」

「男の家にいたって言えば平気だよ」

「……あのな」

「別に問題ないでしょ?」

「……そうだけど」

10 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 00:11:28.03 7HzRIHJS0 6/105

「ごちそうさま」

「お粗末さまです」

「さて……」カチャ

「あっ、私が洗うよ」

「流石にそれは悪い。これくらいやらせろ」

「いいって」

「皿洗いくらい俺がやるから、お前は早く家に帰った方が……」

「なに? 私が早く帰らないと、男が困るようなことがあるの?」

「そういうわけじゃないが……」

「でしょー?」カチャ

「(勝手に片付けやがった……)」

13 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 00:12:10.84 7HzRIHJS0 7/105

「ふー。終わった」

「ああ……、ありがとう」

「(俺だけ居間で寛いでいるのは、居心地が悪かったな……)」

「それじゃ、そろそろ私、帰るね」

「分かった」

「バイバイ~」

「おう」

「……」

「……ふう」

14 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 00:12:42.60 7HzRIHJS0 8/105

「うーん。やることないな」

「(……親が帰ってくるのは、いつか分からないし)」

「(遅くなるから先に寝てろと言われたからなぁ……)」

「(ネットサーフィンでもして時間をつぶすか)」

「っと、その前に……」

「先日買ったゼリーでも食うか」

「……あれ? スプーンがない」

「(夕食のときに使ったはずだけど……)」

「幼のやつ、別の場所にしまったな……」

「まあいいか」

15 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 00:13:34.12 7HzRIHJS0 9/105

~次の日~


「男ー!」

「……んぅ? どうした」

「次の授業、移動教室だよ?」

「まじかっ! 起してくれてサンキュ」

「昨夜、夜更かしでもしたの?」

「アニメを見てた」

「どんなの?」

「主人公が女をとっかえひっかえして、最終的にその女にグサッ! と刺されて、BAD END的なアニメ」

「へえー」

「興味なさそうだな」

16 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 00:14:40.38 7HzRIHJS0 10/105

「さて……」

「よいしょっと」ムク

「行くか」

「うん」

「(やっぱヤンデレ怖いな)」

「(まあ、現実にあんな女はいないと思うけど……)」

「…………」

「…………」

17 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 00:15:11.99 7HzRIHJS0 11/105

昼休み


「なあ、男」

「なんだよ?」

「幼ちゃんとはうまくいってるのか?」

「またその話かよ……」

「だってなあ。流石にお前ら仲良すぎだろ」

「ぶっちゃけ、付き合ってるだろ?」

「そういう関係じゃないし」

「なるほど。願望止まりってことか」

「……あのな」

18 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 00:16:20.07 7HzRIHJS0 12/105

「幼ちゃん可愛いし、お前には勿体ないぜ」

「うるせぇ」

「それに幼ちゃん、いっつもお前の事、見てるし……」

「気のせいだろ?」

「今だって、ほら」

「……っ!」バッ

「……」

「な?」

「いや、お前が幼の名前を出したらからだろ」

「お前なあ」

19 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 00:16:59.47 7HzRIHJS0 13/105

後輩「せんぱ~いっ!」

「あ、後輩じゃん。どうしたんだ?」

「ん?」

後輩「いえいえ。男先輩の様子を見に来ただけですよ」

「俺はっ!?」

後輩「友先輩もです」

「だよなー」

「様子見に来たって。お前よく、上級生の教室に入れるよなあ」

「あ、わかるわそれ。入りにくいだろ、普通」

20 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 00:17:36.30 7HzRIHJS0 14/105

後輩「ねえ先輩。今日、一緒に帰りません?」

「え? どうして?」

後輩「最近できたクレープ屋さんがあるんですけど、」

後輩「一人だと不安で」

「友達と行けばいいだろ」

「うわ」

「後輩! 俺が一緒に行ってやるよ! 男なんて放っておいてさ!」

後輩「友先輩は部活があるでしょう?」

「んなん気にしたら負けだろ」

「そういえば、あの鬼コーチ。今日は一段と機嫌悪かったな」

「駐車していた車のボンネットの上に、猫が飛び降りたとかなんとかで」

「……」

23 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 00:18:17.96 7HzRIHJS0 15/105

「やっぱ青春っていったら部活だよな。今日も元気に部活に励むとしますか」

「おう。がんばれ」

「任せとけ」

後輩「なんの漫才ですか……」

後輩「ところで先輩。今日は……」

「んー。まあ、帰るって言っても、やることないし」

「いいよ」

後輩「ほんとっ!? ありがとうございますっ!」

後輩「それじゃそれじゃ、授業終わったら校門で待っていてくださいねっ!」

後輩「またっ!」ペコリ

タッタッタ……

25 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 00:19:21.32 7HzRIHJS0 16/105

「可愛いな。後輩」

「小動物みたいだよな」

「あの子、絶対尽くすタイプだよな」

「ヤンデレとかになったりしないかな」

「ヤンデレ? お前の口からそれが出るとは驚いた」

「ネットサーフィンで偶然」

「だいじょぶだいじょぶ。優柔不断なヤローはしらねーが」

「お前みたいなやつだったら、相手がヤンデレの素質持ってても発症することはない」

「なぜに断言」

「長い付き合いだからわかるもんもある」

「俺はお前のことはあまりわからんが」

「まあ、相手が勘違いしてたら知らんが」

26 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 00:20:22.13 7HzRIHJS0 17/105

「ねえねえ。何の話してたの?」

「あ、幼ちゃん」

「あー、実はな」

「男と後輩が付き合うことになったんだって」

「おまっ」

「……っ!?!?」

「うそ、そんなっ!?」

「あ、いや……。冗談。悪い、本気にするとは思ってなかった」

「…………」

「…………」

「…………」

27 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 00:21:05.09 7HzRIHJS0 18/105

「む、無言はキツイです幼さん……っ!」

「……ま、いいけど」

「それで?」

「ん? あー」

「男が後輩とデートするんだって」

「……」キッ

「これは嘘じゃない!!」

「うん。そうだな」

「えっ」

28 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 00:21:42.56 7HzRIHJS0 19/105

「後輩とクレープ屋さんに行くことになった」

「女の子って本当に甘いもの好きだよなー」

「俺は苦手だけど」

「あれ? 幼って甘いもの好きだったっけ」

「あまり幼が甘いもの食べてるの見たことなかったし」

「なあ? 友」

「き、気づけ、男……っ」

「……」ブツブツ

「? 幼?」

「……男が、デート……」

31 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 00:22:45.04 7HzRIHJS0 20/105

「幼?」

「んっ、あ、なんでもないよ」

「ふうん。まあいいか」

「……お前の鈍感っぷりを見てると、たまに吐き気がするわ」

「俺は鈍感じゃないぞ」

「その発言が、もうね」

「??」

32 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 00:24:38.66 7HzRIHJS0 21/105

放課後


後輩「じゃ、行きましょ先輩」

「おう。って、引っ張るなっ!」

後輩「だって、急がないと日が暮れちゃいますよ?」

「別に少しくらい遅くなっても……」

後輩「駄目です。うちの親は厳しいんですから」

「ああそうですか」

後輩「ええ」


「……」

「……」

36 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 00:26:15.74 7HzRIHJS0 22/105

後輩「あー、あれも食べたいなぁ~」

後輩「あっ、これもこれもっ!」

「はは……、あんまり無理して腹壊すなよ」

後輩「むっ。そんな馬鹿じゃありません、私」

「だといいが」

後輩「馬鹿にしてますねっ!?」

「そんなつもりじゃなかったけど……」

38 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 00:27:58.74 7HzRIHJS0 23/105

後輩「じゃあ、あれとあれを食べます」

「あんなに甘いものばっかり食べたら頭おかしくなりそうだ」

後輩「まあまあ」

「ん。俺が払っとくよ」

後輩「いえ、悪いですよ」

「いや、せめてこれくらい格好つけさせてほしい」

後輩「あ、私の好感度を上げるためですか?」

「馬鹿も休み休み言え」

後輩「むー」

40 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 00:29:29.50 7HzRIHJS0 24/105

「はい」

後輩「すみません、先輩」

後輩「今度、何かお礼しますね」

「別にいいって。これくらい」

後輩「そんなこと言っても……、付き合ってもらった挙句に、」

後輩「奢ってもらうなんて……」

「まあ、とりあえず食べよう」

後輩「そ、そうですねっ」

「ああ」

42 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 00:31:02.02 7HzRIHJS0 25/105

後輩「ふう……、満足です」

「まあ、あれだけ食えばなぁ」

後輩「えへへ……、ねっ、ねえ、先輩」

「ん?」

後輩「また、付き合ってくれます……?」

「んー、時間あったらなー」

後輩「やった!」

「そんなに喜ぶことか?」

後輩「ええ!」



「……なんで、あんなに楽しそうに……」ブツブツ

43 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 00:32:52.23 7HzRIHJS0 26/105

「じゃ、送ってくよ」

後輩「え?」

「さすがに夜道を女の子一人で帰すわけにはいかないだろ」

後輩「……うう。先輩ずるいです」

「意味わからない」

「(そういえば……)」

「(一応、幼に連絡入れておこう)」

「(あのスプーンの在りかを問いただすために)」



「………」

45 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 00:33:56.31 7HzRIHJS0 27/105

「……」ピッピ

後輩「先輩? どうしたんです?」

「あー、ちょっと電話。ごめんな」

後輩「いえいえ」

「んー、出るかなぁ」プルルル


~♪


「っ!!?!!?」バッ!


「え?」

46 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 00:35:46.49 7HzRIHJS0 28/105

「あ、っ、えと、男……っ」

「幼……、お前」

後輩「幼先輩……?」

「あ、ち、違うのっ、男。その、わ、わたし」

「奇遇だなっ! コンビニにでも行ってたのか?」

「あ、う、うん。男の姿が見えたから、後ろから驚かそうと思ったんだけど」

「残念だったな」

「……ほんと、残念」

48 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 00:37:18.53 7HzRIHJS0 29/105

後輩「幼先輩ですよね?」

「………。ええ」

「知り合い?」

「ま、ね」

後輩「一ヶ月ほど前に、少し会話した程度ですけど」

「よく覚えてたな」

後輩「女の記憶力は舐めない方が良いですよ」

50 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 00:38:37.63 7HzRIHJS0 30/105

「男っ、来て」グイ

「あ、おいっ!?」

「いいから」

「わ、悪いっ! 後輩! また明日な!」

後輩「?」

後輩「はーい! また明日ですー!」

後輩「……なんか、幼先輩怒ってたなぁ……」

後輩「私何か失礼なこと言っちゃったかな」

53 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 00:40:10.03 7HzRIHJS0 31/105

「ねえ、何してたの?」

「いや、学校で言っただろ」

「ほんとに、デートしてたんだ」

「おう。適当にクレープ食って帰ってきただけ」

「……そう」

「おい? どうしたんだ、お前」

「………」

「幼?」

「………」

54 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 00:41:47.74 7HzRIHJS0 32/105

「なんで、私……を、見てくれないの」ボソッ

「え? なに?」

「……もういい」

「後輩とは、あまり話さないで」

「はあ?」

「どうしてそんなこと言うんだ?」

「……それは、あなたが一番わかってるはず」

「(……まったくわからん)」

56 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 00:43:20.66 7HzRIHJS0 33/105

「……いや、悪いけどそれはできないな」

「どうして」

「後輩と約束したんだ。また適当な日、街に遊びに行こうって」

「……そう。そうなんだ」

「ああ」

「………」

「………」

「……そんなことするなら、許さないから」ボソ

58 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 00:44:55.44 7HzRIHJS0 34/105

「(……後輩と遊ぶのは構わないんだが)」

「(……できれば、幼と遊びたいんだよなぁ)」

「(でも中学校卒業したあたりから、幼は急に無口になったし)」

「(どうも、最近、気軽に話しかけられないんだよな)」

「(今もなんか、怒ってるし)」

「(女心は本当に分からん……)」

61 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 00:48:07.91 7HzRIHJS0 35/105

「ねえ、男」ニコ

「お、おう」

「今日、男の家に遊びに行ってもいい?」

「今から? 親は」

「もう許可もらったから」

「そうか。まあ、それならいいか」

「うん」

62 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 00:50:11.16 7HzRIHJS0 36/105




「よし、今日は俺が夕飯作ったる」

「え、いいよ。私が作るから」

「たまには任せろって」

「……そんなに言うなら、いいけど」

「男の手料理……か」

「ああ。腕には期待してくれて構わないぞ」

「うん。男が作ったものなら、なんでも……」

63 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 00:51:21.35 7HzRIHJS0 37/105

「ん。もうそろそろ出来上がるから、待ってて」

「うん」

「ねえ、男」

「なんだ?」

「男が大切にしていたモノが、ほかの人に奪われそうになったとき、」

「男ならどうする?」

「……んー」

「そりゃお前……、奪われないようにする」

66 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 00:53:00.54 7HzRIHJS0 38/105

「……たとえば」

「ほかの人とやらに見つからないように隠すとか?」

「そ……」

「まあ、それが出来れば苦労しないけど」

「ほんとね……」

「よし、そろそろ出来上がるぞ」

「うん…」

69 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 00:54:27.41 7HzRIHJS0 39/105

夕食後



「ふう。食った食った」

「ごちそうさま……」

「それで、幼はいつまでいるんだ?」

「そろそろ九時だけど?」

「そうね……、帰るつもりはない……」

「へ? 泊まるの?」

「…………」

「……この場合、そういう意味になるのかな?」

「え? どの場合?」

71 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 00:56:34.33 7HzRIHJS0 40/105

「……気にしなくていいよ」

「あ、風呂湧いた」

「入ったら?」

「そうするか」

「あ、幼。お前は……」

「私もお風呂もらっても……?」

「構わんよ」

「ありがと、男」

73 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 00:58:48.00 7HzRIHJS0 41/105

「ん? 幼のヤツ、居間でごそごそ何してんだ……?」

「まあ、いいか。覗いたりしたら殺されそうだ」

ヴヴヴ、ヴヴヴ

「ん? 携帯?」

「……メールか」

「後輩から……?」

「なになに……」

75 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 01:00:05.65 7HzRIHJS0 42/105

「(部活の用事があって、しばらく街に遊びに行くことが出来そうにありませんので、メールをしました)」

「律儀な奴だなぁ……」

「(……つーことは、いきなり後輩に誘われて街に遊びにいくことは、)」

「(なくなったわけか)」

「………」ウム

「(幼を誘うか)」

「(久しぶりに遊びたかったし)」

「幼ー」ガチャ

77 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 01:01:38.48 7HzRIHJS0 43/105

「っ!?」バッ

「お、おとこ、どうしたの?」

「……」

「お前、すり鉢なんかもって何する気だ?」

「あ、えっと、これは、その……」

「ついでに横に落ちてる紐の説明もプリーズ」

「…………」

「…………」

「……こう、なったら」

「(……本当に、幼の考えてることは読めん)」

「(しかも気まずい沈黙……、どうしよう)」

78 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 01:03:55.12 7HzRIHJS0 44/105

「(すり鉢……、紐……)」

「(つまり幼は、俺に何を伝えようと……)」

「そうかっ! なるほど、俺は監禁されるのか!」

「っ!?!??!?!」

「お前も知ってたのかよ……」

「ヤンデレってやつ」

「そ、それ、それは、男が説明したから」

「そういえばそうだったな」

「でまあ……、これから俺は……」

「………」

「(あれ? 冗談のつもりが、反応がない……)」

80 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 01:05:15.64 7HzRIHJS0 45/105

「………」

「……幼?」

「………」

「……ったく」

「お前さ、昔からそうだったよな」

「え?」

「困ったことがあると、すぐ黙り込んじまう」

「悪いな、相談に乗れなくて」

「何か、悩み事があるんだろ?」

81 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 01:06:34.07 7HzRIHJS0 46/105

「そ、それは……」

「……ダメ」

「……男は、誰にも……」ギュッ

「とりあえず、すり鉢下ろしてくれないかな」

「なんか、物騒……」

「……男」

「ん?」

82 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 01:08:40.49 7HzRIHJS0 47/105

「…………」プルプル

「(……震えてる?)」

「(やっぱり、一人で何か抱え込んでいたのか)」

「幼」

「……男?」

「とりあえず、落ち着こう」ナデナデ

「話したくなったら、それからでいいから」

「………」

87 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 01:14:05.64 7HzRIHJS0 48/105

「……おとこ」

「うん」

「おとこ、ごめん……っ、ごめんなさい……っ!」

「えっ!? あ、いや」

「ごめんなさいっ、ごめんなさいっ、ごめんなさいっ!」

「(泣き出してしまった……)」

「(……まずい。くさいセリフを吐いておきながら、)」

「(状況が全く解らない)」

93 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 01:19:48.19 7HzRIHJS0 49/105

「え、えと、幼……?」

「ごめ、ごめん……っ! わたし、わたしが間違ってたの……」

「おとこっ、傷つけても、」

「……そんなの、しあわせじゃ、」

「………」

「(……今は慰めよう)」

「(きっと辛い思いをしたのだろう)」

「(それを今問いただすのは、酷だ)」

95 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 01:20:32.51 7HzRIHJS0 50/105

「(それから散々泣いて)」

「(幼の両親が、家に連絡を入れてきた)」

「(どうやら幼のやつ、家に連絡も入れずに俺の家に来たらしい)」

「(……幼の涙の理由は分からなかったが)」

「(落ち着いてきたら、聞くとしよう……)」

「……ん。最近、ヤンデレって単語良く見るようになったなぁ……」カチカチ

「(主人公を監禁……、これが定番らしい。他は……)」

「主人公にちょっかいをかける女を……、排除……」

「(……俺はそっとパソコンを閉じた)」

97 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 01:22:27.76 7HzRIHJS0 51/105

次の日



「あー、学校だるいだるいだるいだるいっ!!!」

「うるさいわっ!」

「うお、そんな怒鳴らんでもいいだろ」

「寝かしてくれ、頼む……」

「昨夜、寝れなかったんだ」

「どうしてだ?」

「またなんの因果か、ネットサーフィンしてたらヤンデレ見つけてな」

「ほうほう」

「まあ、その、血を見る結果になったわけ……」

「耐性ないな、お前」

99 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 01:24:17.54 7HzRIHJS0 52/105

「ほっといてくれ……」

「もう弁当食ったのか?」

「食欲ナッシング」

「そーっすか。体調崩すなよー…」

「ああ」

「ところで、今日幼ちゃんずっと来ないよなぁ」

「っ」ピク

「遅刻って担任は言ってたけど、もうお昼だぞ」

「……」

100 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 01:26:37.51 7HzRIHJS0 53/105

「(昨夜のことを思い返せば、当然だろう)」

「(……本当に、幼はどうしたんだろう)」

「(原因はやっぱ、俺かな……)」

「どうしたんだ、暗い顔して」

「いや、幼が遅刻している原因が俺にあるのかもって」

「な、なんだってー!?」

「おいコラ馬鹿野郎。テメェ、何しやがった幼ちゃんに」

「まさかキズモノにしたわけじゃ、ねえよなぁ?」

「ぶ、物騒なこと言うな!」

102 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 01:27:58.20 7HzRIHJS0 54/105

「冗談だ。お前にそんな度胸があるとは思えん」

「それは馬鹿にしてるのか?」

「信頼しているのだ」

「ああ……そうかい」

「で?」

「あー、いやその」

「昨夜、泣き出して……」

「なるほど。殴っていいか」

「聞く気があるなら、最後まで聞いてくれ……」

103 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 01:29:22.83 7HzRIHJS0 55/105

「泣き出したのは突然なんだよ、本当に」

「心当たりは?」

「ないです」

「ないわけないだろ」

「それが、これっぽっちも」

「お前の鈍感が人を傷つけたわけだ」

「つまり結論は変わらず、ぶん殴らせろ」

「お、落ち着け! まて、今考えるから!」

105 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 01:31:22.37 7HzRIHJS0 56/105

「(えーっと)」

「なんか、いつもと様子が違った」

「ほうほう」

「妙にそわそわしてて、視線が合うと逸らされた」

「それで?」

「風呂入ると言ったら、過剰な反応をした」

「……」

「言い忘れたことがあったから、居間に戻ったら、」

「幼のやつ、めっちゃ慌ててるんだよ」

107 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 01:33:22.34 7HzRIHJS0 57/105

「なんか用意してたみたいなんだけど……」

「最初はそれ、幼なりの冗談かと思ったんだ」

「んで、笑いながら言ったら、」

「驚愕っていうのかな、そんな表情してたんだ」

「そしたら、いきなり表情を暗くするから」

「何か悩み事があると判断したわけ」

「それを聞きただしたら、泣いた」

「よし、殴る」

「どうして!?」

109 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 01:36:06.14 7HzRIHJS0 58/105

「……お前の鈍感さは、底なしだな」

「頼む説明してくれ」

「(……考えが正しければ)」

「(その日は、幼ちゃんにとって大事な日で)」

「(ついに男に想いを伝えるぞ! といった気持ちで、男に挑んだら)」

「(男は幼ちゃんが冗談言ってると勘違いし、)」

「(落ち込んだ……)」

「(だが男と長い付き合いの幼ちゃんは、男の性格を把握しているはず)」

「(しかたねーと幼ちゃんはあきらめたのだが、)」

「(男のやつ、悩み事があるなら相談に乗るぞ? なんて、トドメを)」

「?」

110 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 01:37:47.95 7HzRIHJS0 59/105

「(さて、それは俺が言っていいべきことなのだろうか……)」

「(いや、幼ちゃんのためにもここは黙っていよう)」

「(それにこの大馬鹿野郎は一回くらい、痛い目を見た方が良い)」

「おい、友~?」

「すまんが俺もわからんわ」

「マジか」

111 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 01:39:00.99 7HzRIHJS0 60/105

「まあでも、これだけは分かる」

「お前の責任だ」

「……うん、それは分かってる」

「ああ、俺はさっぱりわからんがそれだけは分かる」

「なんでさっきから棒読みなんだ?」

「ちょっと風邪気味でな」

「そうか。体調には気をつけろよ?」

「お前の頭も大丈夫だよな」

「少なくともお前よりは成績が良い」

「(反論できないのが悔しいぜ……)」

113 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 01:40:34.26 7HzRIHJS0 61/105

「っと、そろそろ昼休み終わりだな」

「ああ、まじか。お前の相談に乗ったせいだぞ!」

「貸ね」

「わーったよ……」

「ジュース一本、パン一個」

「分かったから、席戻って」

「オーケー」

114 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 01:42:31.73 7HzRIHJS0 62/105

放課後


「(とうとう幼は、来なかった)」

「(友にも言われたことだし、幼の家に行くとしよう)」

「(さてと……)」

後輩「あっ、先輩」

「ああ、後輩か。どうした?」

後輩「いえいえ、顔を見たので話しかけただけですよ」

「退屈なんだなぁ、このこのっ」

後輩「あぅーっ! ほっぺたつまむのはやめてくださいっ!」

117 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 01:45:32.48 7HzRIHJS0 63/105

「部活は?」

後輩「これからですっ」

「おう。がんばれよ」

後輩「先輩は?」

「んーっと、家に帰る」

後輩「そうですか。んー、先輩の家に一度遊びに行ってみたいですねぇ」

「機会があったらな。うち、親が仕事で帰りが夜遅くなんだ」

「流石に女の子二人っきりってのは……」

「(……まあ、幼は例外として)」

後輩「私は……、別に気にしませんけど」

119 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 01:47:12.15 7HzRIHJS0 64/105

「気にしないって、俺が気にするからさ」

後輩「どうしてですかー?」

「そりゃ……、な」

「まあ、いろいろ事情があるんだ」

後輩「ふぅーん。ま、いいですけど」

後輩「休日とかならいいですよね?」

「ああ、それなら」

後輩「えへへ、やった」

120 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 01:48:27.20 7HzRIHJS0 65/105

後輩「それじゃあ……」

「あっ、後輩」

後輩「なんです?」

「頬っぺた。なんか、埃みたいのがついてるよ」

後輩「ええっ!?」

「ほら、ハンカチ」

後輩「あっ、ちょっ、自分でできますって!!」

「まあまあ、すぐすむから」

後輩「~~~っ!!」

「よし、とれた」

122 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 01:52:50.40 7HzRIHJS0 66/105

後輩「……バカ」

「馬鹿で結構」

後輩「うそっ、聞こえてました!?」

「まあな」

「先輩を馬鹿呼ばわりするのはよくないぞ」

「それじゃ、急ぎの用があるから帰る」

後輩「……は、はぁい」

126 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 01:57:46.74 7HzRIHJS0 67/105

幼の家



「……」ピンポーン

「……」

「……」ピンポーン

ガチャ


「っ、男……っ!?」

「おう」

「ご、ごめん。調子、悪いから……」

「まあ、待てって」

128 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 01:59:49.28 7HzRIHJS0 68/105

「…………」

「少しくらい、いいだろ」

「……強引」

「なんとでも言え。おじゃましまーす」

「……男」

「んー?」

「怒ってないの……?」

「(何が?)」

「(とはさすがに聞き返せなかった……)」

131 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 02:02:40.79 7HzRIHJS0 69/105

「(まあ怒ってないのは事実だし……)」

「別に」

「……どうして」

「あーもう! 幼らしくないっ!」

「ひゃっ」

「ほらシャキッと。いつものクールさはどこへ行った」

「……だって」

「ん?」

133 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 02:04:28.88 7HzRIHJS0 70/105

「……ううん、なんでもない」

「……そっか。ところで、腹減ったか?」

「別に、減ってない」

「そうかそうか。じゃあ、ゲームでもするか?」

「……いい」

「うん。じゃあ、適当にゴロゴロ」

「しない」

「(な、なんかいきなり冷たくなったぞこいつ……!?)」

135 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 02:06:33.77 7HzRIHJS0 71/105

「……まあいいか」

「……ねえ、男」

「うん?」

「……男は、好きな人、いる?」

「…………」

「いるけど」

「……っ」

「そっか、そうだよね」

136 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 02:07:26.67 7HzRIHJS0 72/105

「……なあ、幼。俺、お前に何か悪いことしたかな」

「……え」

「いや、お前……。やっぱ、辛そうな顔してるから」

「…………」

「別に、なんでもない」

「………」

「そうか」

「(嫌われたな、俺)」

「(……はあ。しつこい男は嫌いってことか)」

139 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 02:10:41.03 7HzRIHJS0 73/105

「(……ここで好きな人は幼でした、といえたらどれほど楽なことか)」

「(ま、そういうわけにもいかないか)」

「(……長い間ずっと一緒にいたから、信用されているとは思っていたんだけど)」

「(……そうか)」

「勘違いか」

「え?」

「いや、幼はいつも通りだった、と思って」

「俺が勝手に勘違いしてただけだ。悪い」

「別に……」

140 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 02:12:14.66 7HzRIHJS0 74/105

「うん。身体は大切にな」

「言われなくてもわかってるよ…」

「おう。じゃあ、元気で」

「もう、帰るの……?」

「あんまり長居したら悪いだろ」

「俺の家と違って、お前の家は親がいるんだから」

「そうよね……、うん。バイバイ」

「ああ」


ガチャ

141 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 02:12:59.13 7HzRIHJS0 75/105

「……失恋かな」

「(早計だとは思うけど……、)」

「(いっそそうとってしまった方が、楽かもしれない)」

「(はぁ……)」

ピリリリ、

「っと、マナーモードにし忘れてた」

「はいもしもし」

後輩『あっ、せ、先輩ですかっ?』

「はい。先輩です」

143 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 02:14:13.50 7HzRIHJS0 76/105

先輩『そのう……、明日。話があるのでっ!』

先輩『放課後、屋上に、よろしいですか?』

「話? うん、まあ構わないよ」

「にしても、屋上?」

先輩『は、はい』

「何か、相談? 人に聞かれたらまずいこと?」

先輩『おおむね、その通り、です』

「はは、信頼されてるなぁ俺」

「……わかった」

「また、明日」

先輩『はっ、はい』

プチ

144 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 02:15:39.02 7HzRIHJS0 77/105

次の日



「だるそうな顔してるな、どうした?」

「んー。当たって砕けた」

「へ?」

「ほら、幼のこと」

「昨日、家にお邪魔したんだけど」

「砕けたとは」

「まあ、振られたんだよ」

「直には言われてないが、信用はないようだ」

「そんな馬鹿な」

145 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 02:17:04.04 7HzRIHJS0 78/105

「…………」

「まあ、元気出せ」

「まだ完全に振られたわけじゃないんだろ?」

「……まあ、そうだけど」

「(確かに今日の幼ちゃんと男、ギクシャクしてたな)」

「(まさか、その原因がこんなことだとは)」

「(……鈍感な男の勘違いだといいのだが」

「はあ」

147 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 02:18:48.09 7HzRIHJS0 79/105

放課後


「(そういえば、後輩に相談があるから屋上に来てと言われてたっけ)」

「……行くか」

「……」

「(……ん)」

「……?」

「(今、視線を感じた気が……)」

「気のせいか……」



「……男」

150 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 02:20:12.07 7HzRIHJS0 80/105

屋上


後輩「せ、先輩っ」

「悪い。待たせた」

後輩「いえ、そんなに待ってはいませんよ」

「……ん。それで、話って」

後輩「あ、あのっ、そのう……」

「うん」

後輩「な、なんと言ったら……」

「落ち着いて。ゆっくり聞くから」

152 : >>149 すまぬ。脳内変換よろ... - 2013/04/11 02:23:04.10 7HzRIHJS0 81/105

後輩「あの……、先輩」

後輩「私たちの出会いって、覚えてますか?」

「……ああ、確か春だったな」

「つっても、お前が落としたハンカチを拾ってあげただけど?」

後輩「ん……、ほかにもありますよ」

後輩「殆ど友達のいなかった当時は、結構不安だったんですからね?」

「まあ、分かる。アウェー感あるからな」

後輩「はい。そこで先輩の存在は結構、私の中で大きかったですよ?」

153 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 02:24:53.79 7HzRIHJS0 82/105

「部活に入部したいからって、いちいち俺を呼んだこともあったな」

後輩「ありましたね」

後輩「なんだかんだいって、先輩付き合ってくれますから」

後輩「この前のクレープのことも」

「尻にひかれるタイプかな、俺って」

後輩「そうなんじゃないんですか?」クスクス

「そこは否定してほしかった」

155 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 02:26:40.70 7HzRIHJS0 83/105

後輩「でも、先輩は優しいですから」

後輩「いろんな人に、好かれてるんでしょうね」

「……ん?」

後輩「えへへ。私知ってますから、先輩がもう、」

後輩「とびっきり優しいのは!」

「……いや、俺は優しくなんかないさ」

「鈍感で馬鹿だ」

後輩「鈍感で何が悪いんですか。それも、先輩の良いところですし」

後輩「鈍感な先輩だからこそ、優しいと私は思ったんですよ」

156 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 02:27:49.20 7HzRIHJS0 84/105

後輩「……ですから、先輩」ズイ

「こ、後輩……?」

後輩「……私は、ですね」

後輩「先輩のこと……」

後輩「…………」

後輩「…………」

「……後輩?」

164 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 02:49:11.90 7HzRIHJS0 85/105

後輩「――応援、してますから」


「は……?」

後輩「この前の先輩を見て、薄々感づいていたんです」

後輩「先輩……、幼先輩のことが好きなんでしょう?」

「なっ!? いや、そんなわけでは」

後輩「もう隠せませんよ」クスクス

「はめたなっ!?!」

後輩「だって、先輩。ずっと幼先輩のこと、見てるんですから」

166 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 02:53:04.59 7HzRIHJS0 86/105

「……く」

「そうだよ。俺は、幼が好きだ」

後輩「―――っ」

後輩「です、よね。やっぱり、そうでした」

「……けど、振られたよ」

後輩「そんなはず、ないじゃないですか」

「え?」

後輩「先輩は、幼先輩にはっきり断られたのですか?」

167 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 02:55:46.72 7HzRIHJS0 87/105

「……違う」

後輩「……ならどうして」

「信用、されてなかったんだ」

「俺は、あいつの相談にも乗ってあげられないほど、無力で……」

後輩「…………」

後輩「ねえ、先輩」

「……何?」

後輩「先輩は、馬鹿ですか」

「は?」

172 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 02:57:58.32 7HzRIHJS0 88/105

後輩「友先輩も言ってましたけど、本当に鈍感なんですね」

後輩「まあ、私はそんなところが好きなんですけど」

後輩「話し戻しますが、」

後輩「先輩はもう一度、幼先輩と話をするべきです」

「話って、何を」

後輩「話は話です。それまで私に聞いてどうするんですか」ズッ

「こ、後輩っ、近い近い」

後輩「とにかく、想っていることを伝えて、それで木端微塵に砕けたら」

後輩「私が………」

後輩「いえ」

174 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 02:59:51.77 7HzRIHJS0 89/105

後輩「……?」

キィィ

後輩「(ドアが、勝手に開いて……?)」

「後輩?」

後輩「(……風?)」

後輩「……っ!」

後輩「せんぱーいっ!!!」

「わっ、な、なんだよっ!?」

175 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 03:02:04.77 7HzRIHJS0 90/105

後輩「いいから早くっ! 幼先輩の後を追ってください!」

「追うって……、まさか幼がここにっ!?」

後輩「そのまさかですよ、見られました」

「……」

後輩「まあ、先輩が良いっていうなら、私は誤解されたままで構いませんが」

「誤解って」

後輩「私たちの姿を見て逃げ出したんですから、誤解は誤解ですよ」

後輩「とにかく。追うんですか? 追わないんですか?」

「追うに決まってるだろ……っ!」ダッ

後輩「……ん。先輩ならそういうと思っていました」

シーン……

177 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 03:05:36.74 7HzRIHJS0 91/105

後輩「先輩が優しいから、かな」

後輩「……幼先輩なんて気にしなければよかったのに」

後輩「あーあ……、私馬鹿だ」

後輩「人のこと言えないなぁー……」

後輩「…………」

後輩「……今夜は、」グスッ

後輩「……思いっきり泣けそう」

179 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 03:07:07.50 7HzRIHJS0 92/105

「(やっぱり、男は……っ!)」

「(後輩と、付き合ってたんだ)」

「(……あんな、近くまで寄って)」

「(……後輩と、男。仲良さそうだった)」

「っ…」ジワ

「……どうすれば、いいんだろう」

181 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 03:10:02.25 7HzRIHJS0 93/105

「おとこがいないと、やだ」

「おとこ……」

「やなのに、嫌なのに……っ!」

「(でも、男を傷つけてまで、男を手に入れようとはしたくない)」

「(その間違いを男が気づかせてくれたから、)」

「(それがただの自己満足だと教えてくれたから、)」

「(……でも)」

「諦め、きれない、の……っ」

183 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 03:11:30.69 7HzRIHJS0 94/105

「……男が、私を見てくれないなら」

「私は――」

「……もう」

「(もうこれ以上、仲良くなれない)」

「(前のように、二人っきりで何かするわけでもなく、)」

「(部屋で一緒にいることもできない)」

「……なら、いい。もう、こんな……」

186 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 03:13:07.52 7HzRIHJS0 95/105

「(くっ! どこいきやがった、幼……!)」

「(……中庭? 教室? 体育館裏?)」

「(あいつが行きそうな場所……)」

「(まずは近くから探そう)」


「(教室にも中庭にもいなかった)」

「(……そして、体育館裏にも行ったが、)」

「(幼の姿はない)」

188 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 03:16:52.02 7HzRIHJS0 96/105

「(……なら、あとは)」

「…く、」タッタッタ

「(思い当たる節は、ひとつしかない)」



「幼……っ!」

「……おとこ?」

「……なんで、ここ、に」

「やっぱり、裏庭にいたんだな、お前……」

「この、ばっかやろう。探したぞ」

「……なんで」

189 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 03:18:15.18 7HzRIHJS0 97/105

「………」

「やっぱ、普通じゃない」

「幼。俺の勘違いじゃないんだ」

「お前は、あの夜からずっと様子がおかしいぞ」

「……俺なら相談に乗る。何か、話してくれないか」

「…………」

「…………」

「(この無言は、この沈黙は、)」

「(言いたくないのではなく、言いづらいのか……?)」

194 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 03:25:33.37 7HzRIHJS0 98/105

「おとこは、後輩と付き合ってるんでしょ……?」

「わたしなんかに、構ってていいの?」

「付き合ってないよ、後輩とは」

「……うそ」

「嘘じゃない」

「そんな優しさ、いらないから」

195 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 03:27:13.76 7HzRIHJS0 99/105

「……だから」

「ききたくない!ききたくない!ききたくない!」

「もうやめてよっ!!!」

「なんなのっ!?」

「そんなに、私を苦しめて楽しいのっ!?」

「後輩のことが好きなくせに、なんで私に構うのよ……っ!!」

「もう、どっかいってよ……!」

「嘘は言ってないから」

「……もういい」

197 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 03:29:11.16 7HzRIHJS0 100/105

「私、ずっと誤解してた」

「大切なモノは隠すんじゃないの」

「奪われる前に、私のモノを奪おうとするソイツを……消しちゃえばいいの……」

「たとえ奪われた後でも……、消して、奪い返せば……」

「幼っ!!!」

「……っ!?」ビクッ

「俺、馬鹿で鈍感だから」

「良い言葉なんて見つからない。気の利いたことなんて言えない」

「だから思ったまま言うからな」

199 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 03:31:10.50 7HzRIHJS0 101/105

「幼」

「……やめ、てよ」

「こっち向け」

「やだっ」

「このわがままめ」

「……幼っ」

「……」

「俺さ……、お前のことが好きなんだ」

「それはもう、ずっと前から。大好きだった」

「………え」

「ああもう。ハッキリ言ったからな」

201 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 03:33:05.32 7HzRIHJS0 102/105

「……嘘、でしょ」

「悪いが、冗談で言えるほど俺は器用じゃない」

「じゃあ、夢……」

「そう思いたいならそうしろ」

「や、やだ。……夢なんか、じゃ、やだ」

「…………」

「なんなの」

「……なんなのよ」

「男ばかり……」

203 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 03:35:17.35 7HzRIHJS0 103/105

「………」

「私も、好きなの……。大好き。好きなの、好き、好き、好き」

「………」

「……お前」

「愛してるの、ずっとずっと前から」

「だから離れないで。お願い。もうこんな思いは、イヤ……」

「……ごめん」

「………」

「……幼」ギュ

「お、男……?」

「しばらく、このままで」

「……男」

「……悪い」

「男は、悪くないから」

「……それと、ありがとう」

204 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 03:37:32.55 7HzRIHJS0 104/105

「……ねえ、男」

「ん……? んっ!?」チュ

「……」

「……これで、許す」

「お、おま、おまえ」

「……ふん」

「……はあ」

「分かったよ……」

「つぎ、勝手に離れたら許さないから」

「おお怖い」

「本当だからね。縛って、監禁して、私のモノにしちゃうから」

「……それはそれで」

「っ!?! ば、ばっかじゃないの!?」

207 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/04/11 03:45:10.29 7HzRIHJS0 105/105

「嘘だよ、冗談だ」

「………」

「に、睨まないでくれ。謝るから。すまん」

「いつか、刺されても知らないから」

「……物騒なこと言うなよ」

「……男は、もう私のモノだから」

「もう誰にも、渡さない……」

「……怖いな」

「まるで――――」

「………」

「なあ幼。ヤンデレは――、怖いな」

「え?」




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