セリリ「ふぅ、今日も減るメス湖は静かでいいわぁ……」チャプン
セリリ「……でも、少し暇だわ」
セリリ「おや、あれは……?」
ドラコ「」キョロキョロ
セリリ「あれは、ドラコさん?なにやら辺りを気にしているようですが……」
ドラコ「だ、誰もいないね……」
ドラコ「……この本、処理しなくちゃ」
ドラコ「それっ」チャポン
ドラコ「ふぅ、これで安心だね!」
元スレ
セリリ「なんでしょう、この本は……?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1359297135/
セリリ「ドラコさん、何をしていらしたんですか?」
ドラコ「う、うわあああっ!?セリリッ!?」
セリリ「あわわ、驚かさないでくださいよ」
ドラコ「そ、それはこっちのセリフだよ……」
セリリ「ところで、先ほど何を湖に?」
ドラコ「ギクッ!?」
セリリ「あの、ドラコさん……?」
ドラコ「あー、な、なんのことかなあ?」
セリリ「……そんな、ドラコさんひどいわっ」
ドラコ「え?」
セリリ「私の事、お友達と思ってないから、教えて下さらないんですね……」
ドラコ「ち、違うよセリリ!あたしはそんな」
セリリ「ひどいわ、ひどいわぁ……」
ドラコ「……セリリ、あたしはあんたのこと友達だと思ってるから」
セリリ「え、ほんとうですか?」
ドラコ「うん、だから……さ」
ドラコ「あたしが捨てたものを見ないでいて欲しいんだ」
セリリ「見ちゃだめなんですか?」
ドラコ「うん、セリリにはまだ早……じゃなくて、」
セリリ「?」
ドラコ「とにかく見ちゃだめだよ!これは女の約束だよ、セリリ!」
セリリ「わ、わかりました!」
ドラコ「じゃ、あたしはこの辺で帰るよ……」バサッ
セリリ「あ、行ってしまったわ」
セリリ「ドラコさんが何を捨てたか……少し気になりますが、ここはひとまず見なかったことに」
セリリ「……」
セリリ(どうしよう、すごく気になるわ……)
セリリ「でも、約束してしまった手前……」
セリリ「…………」
セリリ「間違えて見てしまったということなら、約束は破ってませんよね……」
セリリ「あっと、思わず見てしまいました」チラッ
「こ、こらぁぁぁぁぁぁっ!」
セリリ「ひゃっ!?」
ドラコ「見ちゃダメって言ったでしょ!」
セリリ「ど、ドラコさん!?もう帰ったはずじゃ!?」
ドラコ「心配になって戻って来たんだよ!」
セリリ「あわわ、ドラコさん、その、ごめんなさい……」
ドラコ「ふぅ、まあいいけど……でも、約束破るのはひどいんじゃない?」
セリリ「そ、それは……」
ドラコ「あたし、セリリのこと信じてたのに……」
セリリ「うっ、ほ、ほんとごめんなさいっ……」シクシク
ドラコ「わっ、わっ、泣かないでよセリリ!……ちょっとからかっただけだから」
セリリ「ほ、ほんとう?」
ドラコ「うん。許すよ!」
セリリ「私、ドラコさんとの約束を破ってしまったのに?」
ドラコ「いいのいいの。あたしとセリリはお友達、でしょ?」
セリリ「じゃあ、ドラコさんが捨てたものを見てもいいの?」
ドラコ「うん、全然おっけー!……あれ?」
セリリ「えーっと、『月刊百合タウン26号 女の子同士の特別な……』」
ドラコ「」
セリリ「百合タウン……?どういう意味かしら」
ドラコ「」
セリリ「ねえ、ドラコさん、これってどういう」
ドラコ「う、うわぁぁぁあああっ////」バサバサッ
セリリ「ドラコさん!?……飛んでっちゃいました」
セリリ「でも、表紙は女の子同士がただ仲良くしているようにしか見えませんが……」
セリリ「ドラコさん、なんであんなに恥ずかしそうだったんでしょう?」
セリリ「……気になるわ」
セリリ(……ドラコさん、ごめんなさい。ちょっとだけ読みますね)
セリリ(……なるほど)パラ
セリリ「この本はきっと、お友達作りのための漫画なんですね」
セリリ「だって、ここに出ている女の子、すごく仲が良いもの」
セリリ(まったく、ドラコさんもそんなに恥ずかしがらなくてもいいのに)パラ
セリリ「!?」
セリリ「お、女の子、同士で、キス……!?」
セリリ「……た、多分これは、女の子は仲良くなると、みんなキスするんですね。きっとそうなんだわ!」
セリリ「でも、私は……誰ともキスしてない?」
セリリ「もしかして、私、ほんとうのお友達がいないのかしら」ジワッ
セリリ「そんなの悲しいわ……」ポロポロ
「あら、セリリじゃない」
セリリ「あ、こんにちは、ルルーさん……」グスッ
ルルー「こんにちは……って泣いてるじゃない!一体どうしたの?すけとうだらにでも襲われたの!?」
セリリ「……ルルーさん、私たち友達ですよね?」
ルルー「そんなの当たり前じゃない。だって私はあなたの仲良しカード会員ナンバー00001番よ」
セリリ「でも、私たちはキスしてませんよね?」
ルルー「!?」
セリリ「ルルーさん、私のこと本当のお友達だと思うなら……キスしてください」
ルルー「ちょ、ちょっと待って!?いきなり何を!」
セリリ「はぐらかさないでください!ルルーさん、私、ルルーさんと本当のお友達になりたいんです!」
ルルー「その気持ちは嬉しいけど、キスって!」
セリリ「……ダメですか?」ウルウル
ルルー「い、いきなりそんなことを言われても!」
セリリ「そ、そんな……」ズーン
ルルー「……ねぇ、なんでそんなに私とキスしたいの?」
セリリ「それは……私、ルルーさんと本当のお友達になりたいから」
ルルー「あのねぇ、私はあなたのことをちゃんと友達だと思ってるわよ?」
セリリ「その、もう一歩先に進みたいんです!」
ルルー「」
ルルー(これって、私と友人以上の仲……つ、つまり恋仲になりたいってことよね?)
ルルー「せ、セリリ、私達女同士よ?」
セリリ「だからこそ、ルルーさんともっと仲良くなりたいんです」
ルルー「……わかったわ。あなたの想いに答えられるかはわからないけど」
セリリ「ほ、ほんとうですか?嬉しい……!」パァ
ルルー「キスする場所はおでこでいいわよね」
セリリ(え、でも本では口に……)
セリリ「あの、おでこじゃなくて口に……」
ルルー「」
ルルー「そ、その、口はちょっと」
セリリ「やっぱりルルーさんも私なんかとお友達になりたくないんですね……」
ルルー「そんなわけじゃ……あぁ、もう!わかったわよ!口にすればいいんでしょ、すれば!」
セリリ「ほ、ほんとう!?私、嬉しいです!」
ルルー「それじゃあ行くわよ!目は閉じて!」
セリリ「はいっ」ツムリ
ルルー(……い、勢いでやってしまおうと思ったけど)
ルルー(いざ、するとなると……緊張してきたわ)ドキドキ
セリリ「あ、あの、ルルーさん、まだですか?」
ルルー「い、今するわよ!」ドキドキ
セリリ「は、はい」
ルルー「」 スゥー ハァー
ルルー「……行くわ」
セリリ「はい!」
ルルー「──」チュ
セリリ「──」
ルルー「こ、これでいいわね!?」ドキドキ
セリリ「えへへ、ルルーさん、私いま、とっても幸せです」
ルルー「そ、そう、それは良かったわね……それじゃ!」タタタッ
セリリ「あ、ルルーさん……!?行ってしまったわ」
セリリ「でも、これで私とルルーさんは、本当のお友達……」
セリリ「はぁ、セリリしあわせぇ~」
タッタッタッタッ
ルルー(……なんでよ!)
ルルー(なんで、こんなに顔が熱いの!)
ルルー(私にはサタン様という想い人がいるのに、なんで!)
ルルー(セリリ……////)
バタンッ
ミノタウロス「ルルー様、お帰りなさいませ。……あの、妙に顔がお赤いようですが……風邪ですか?」
ルルー「う、うるさいわね!この馬鹿ウシっ!」ドゴォ
ミノタウロス「ごふっ!?そ、そんな理不尽な……」ドサッ
ルルー「ああ、もう!セリリの馬鹿ああああああっ!」
セリリ「はぁ、嬉しいわ……この本を置いて行ってくれたドラコさんに感謝しなきゃ」
セリリ「ルルーさんとほんとうのお友達……嬉しい……!」
セリリ「そうだ!『ほんとうのお友達』をもっと増やすために、どこかお出かけましょう!」
~森~
セリリ「と、いうわけで森に……」
セリリ「街は人がいっぱいいて怖いし……」
セリリ「やっぱり行くとなれば静かで空気の澄んでいる森よね!」
セリリ「……あれ?」
セリリ「人がいないから、お友達にも会えない?」
セリリ「……」
セリリ「私の馬鹿……」グスッ
アルル「うーん、見当たらないね、カーくん」
カーバンクル「ぐぅー」
セリリ「あ、そこにいるのは、アルルさんとカーバンクルさんじゃ」
アルル「どこにいったんだろ……って、セリリちゃん、こんなところでどうしたの?」
セリリ「私はちょっと散歩していただけですよ。アルルさんはなぜこんなところに?」
アルル「ボクはちょっと探し物をしていたんだ」
セリリ「探し物?」
アルル「実はね、昨日この森で魔法の練習をしてたんだけど、どうも杖をこの辺に忘れてきちゃったみたいで」
セリリ「杖、ですか?」
アルル「うん、魔導杖パポっていう杖なんだけどね……もし、見つけたらボクに教えてくれないかな?」
セリリ「もちろん、いいですよ。だってアルルさんは私の大事なお友達ですし」
アルル「ありがとう、セリリちゃん!それじゃあボクは探し物の続きをするから!」
セリリ「はい、それでは」
セリリ「ふふ、アルルさんも抜けたところがあるんですね……あっ!」
セリリ「ほんとうのお友達になって貰うの忘れてたわ!」
セリリ「……まぁ、それは杖を見つけてからにしましょう」
セリリ「うーん、随分と森の奥の方に来てしまったわ」
セリリ「杖、杖……あ、あれは」
セリリ「この木に引っかかってるのはもしかして……」
セリリ「あ、あった!アルルさんの魔導杖!」
アルル「うーん、見つからないなあ……大事な杖なのに」
アルル「もし誰かがもう持って行っちゃってたら、どうしよう」
「アルルさぁーん!」
アルル「ん、もしかしてその声は!」
セリリ「アルルさぁーん!」
アルル「せ、セリリちゃん、その手に持っているのはもしかして!」
セリリ「ありましたよ、アルルさんの魔導杖!」
アルル「わぁ!セリリちゃん、ありがとーっ!」ダキッ
セリリ「きゃっ、アルルさんたら」
アルル「ボク、見つからなかったらどうしようかと思っちゃったよ……ほんとにありがとう!」
セリリ「いいんですよ、私もたまたま散歩してて見つけたんですし」
セリリ(ほんとは探したんだけど、アルルさんに気負わせるのは、ね)
アルル「お礼しなくちゃね……あ、でも何も持ってないや……ねえセリリちゃん」
セリリ「?」
アルル「ボクに何かして欲しい事とかあるかな?」
セリリ「え、そ、それなら、その」
セリリ「私、アルルさんとほんとうのお友達になりたい」
アルル「? ほんとうのお友達?」
セリリ「はい、ほんとうのお友達は、キスをしないといけないんです」
アルル「!?」
アルル「せ、セリリちゃんっ!?な、何を言って」
セリリ「アルルさんは、私とそういう仲になるのは嫌ですか?」ウルウル
アルル「えぇ、ちょっと、待って!ボクは!」
セリリ「アルルさん、やっぱり私のこと……」
アルル「……わ、わかったよ、そこまで言うなら」
アルル「ちょ、ちょびっとだけだからね!」
セリリ「はいっ」ニコ
アルル「」ドキ
アルル(な、なんだろう。なんだか胸が締め付けられるよ)
アルル「じゃ、じゃあ、セリリちゃん、行くよ」
セリリ「はい、来てください」
アルル「──」チュ
セリリ「──……うふふ、アルルさん、ありがとう」
アルル「ど、どういたしまして////」
セリリ「アルルさん、顔を赤くしてどうしたんですか?」
アルル「あ、ボク、顔が赤くなってた?」
セリリ「はい、真っ赤ですよ」
アルル「あわわ、セリリちゃん、このことはみんなには内緒だからね////」
セリリ「? わかりました」
アルル「せ、セリリちゃん……これからよろしくね////」
セリリ「はいっ、よろしくお願いします」
アルル「じゃ、じゃあ、ボクはこれで!」
セリリ「はい、それではまた!」
セリリ「……森にアルルさんがいてほんと良かったぁ」
セリリ「ほんとうのお友達が二人も……嬉しい!」
~アルルの家~
アルル「////」カァ
アルル「せ、セリリちゃんとキスしちゃった……////」
アルル「つまりボクとセリリちゃんは、恋人同士……////」
アルル「わあああ、なんか恥ずかしいぃぃぃ!」ゴロゴロ
アルル「……」ボスッ
アルル「うふふ、カーくん、ボク今とっても幸せ……////」
カーバンクル「ぐ、ぐう」
アルル「今度セリリちゃんをデートに誘おっと////」
~ルルーの家~
ルルー「私って浮気な女なのかしら……」
ルルー「サタン様、ごめんなさい」
ルルー「私、どうやらセリリのことが本気で好きになってしまったようです」
ルルー「しばらく、不貞な私をお許しください……」
ルルー「……」
ルルー「セリリ……初めて会ったときは厄介な子だと思ったけど……」
ルルー「今では、何もかも愛おしいわ……」
ルルー「今度、セリリを食事にでも誘おうかしら」
~減るメス湖~
アルル「……減るメス湖に来ちゃったよ」
アルル「うう、デートに誘うだけなんだけど、緊張するなあ……」
アルル「大丈夫、ボクとセリリちゃんは恋人同士、だもん」
ルルー「……なんだか足が重いわ」
ルルー「セリリを食事に誘うだけなのに、足取りが重い」
ルルー「こんなことで怖気づくなんて、格闘女王、ルルー様らしくないわ!」
ドラコ「昨日は逃げちゃったけど……」
ドラコ「あのままにしておくのはまずいよね……」
ドラコ「全部、正直に話そう。あたしの趣味のことも……」
ドラコ「うう、あたしのこと、友達だと思っていてくれるかな?」
アルル「あ」
ルルー「え」
アルル「……なんでルルーがこんなところにいるの?」
ルルー「……それはこっちのセリフよちんちくりん。こんなところにダンジョンなんかないわよ?」
アルル「うるさいな、ボクだっていつもダンジョンに潜ってるわけじゃないんだよ?」
ルルー「そんなのどうだっていいわ。あたしはこれからセリリと大事な話があるの。だからまたね」
アルル「!? セリリちゃんと!まさかルルー、セリリちゃんのことをボクから奪おうとだなんて考えてないよね!?」
ルルー「はぁ!?いつセリリがあなたのものになったのよ!セリリは私の恋人よ!」
アルル「ルルー!いくらルルーでも行っていいことと悪いことがあるよ!覚悟!」
ルルー「受けてたつわ、この発展途上!」
アルル「むっかぁー!ほんとに起こったんだから!ファイヤー!」
ルルー「遅いわ、破岩掌!」ズドム
アルル「それはイリュージョンだよ、アイスストーム!」
ルルー「その程度で私を謀ったと思わない事ね、連撃鳳脚!」
アルル「リバイア!そんな攻撃来ることくらい読めてるよ!」
ルルー「ちぃ、厄介ね……こっちも本気で行くわよ!」
アルル「受けてたつよ!」
ルルー「闘気砲撃ーッ!」
アルル「ジュゲムッ!」
一方その頃……
ドラコ「せ、セリリー、いる?」
セリリ「あっ、ドラコさん、こんにちは!」
ドラコ「こんにちは、セリリ」
セリリ「昨日はドラコさん逃げてしまいましたのであまりお話しできませんでしたね」
ドラコ「そ、そうだねー。それよりさ、本のことなんだけど」
セリリ「あ、ドラコさん、ごめんなさい。私、ちょっと読んでしまったんです」
ドラコ「そ、そうかぁ。それで……」
ドラコ「その、どう思った?」
セリリ「え、あの、とってもいい本だなって思いました」
ドラコ「ほ、ほんとうに?」
セリリ「もちろんです!私もドラコさんとこの本のような関係になりたいと思いましたもの」
ドラコ「ほえっ!?」
セリリ「ねえ、ドラコさん……私たち、お友達ですよね?」
ドラコ「う、うん、もちろんだよ」
セリリ「なら、私とほんとうのお友達になって欲しいんです」
ドラコ「わ、わかったよ。セリリ」
ドラコ(こ、これって、そういうこと、だよね)ドキドキ
ドラコ「でもセリリ、本当にあたしなんかでいいの?」
セリリ「ドラコさんだからこそですよ……」
ドラコ「わかったよ……じゃあ、目をつぶってね」
セリリ「はい!」
アルル「はぁっ、はぁっ」ボロボロ
ルルー「アルル、あなた、やるわね」ボロボロ
アルル「そっちこそ、でも、セリリはボクの恋人だよ!」
ルルー「あんたにだけは、譲らないわ!」
アルル「ねえ、この際セリリに決めてもらわない?」
ルルー「セリリに?……そうね、このまま争っていても決着がつかないわ」
アルル(ボクとセリリちゃんはキスをした仲だし、ボクを選ぶに決まってるよ!)
ルルー(馬鹿ねえアルル。私とセリリはキスももう済ましているのよ?私を選ぶに決まってるわ!)
アルル「セリリー!いるー……」
ルルー「セリリ、来たわよ……」
ドラコ「──」チュ
セリリ「──」
アルル・ルルー「」
アルル・ルルー「え?」
ドラコ「ふふ、セリリ、キスしちゃったね////」
セリリ「ええ、私も嬉しいです、ドラコさん」
アルル・ルルー「」
ドラコ「さて、キスも済ませたし次の段階へ……」
アルル「ふふ、ドラコぉ?」
ドラコ「」ビクッ
ルルー「なぁにをしているのかしらぁ?」
ドラコ「」ビクッ
セリリ「あ、お二人ともこんにちは!」
アルル「こんにちはセリリちゃん。今この泥棒トカゲの始末をするからちょっと待っててね」
セリリ「え!?」
ルルー「私の恋人を取ろうなんて、許さないわあ、うふふふ!」
ドラコ「ふ、二人ともどうしたの!べ、別にあんたたちはセリリと関係ないじゃない!」
アルル「ボクはセリリちゃんの恋人なの!」
セリリ「へ?」
ルルー「なに寝ぼけたことを言ってんの!私がセリリの恋人よ!」
セリリ「なっ!?」
ドラコ「あたしが今恋人だってこと証明したでしょ!」
セリリ「えぇっ!?」
アルル・ルルー・ドラコ「セリリ!」
セリリ「はいっ!?」
アルル・ルルー・ドラコ「誰を選ぶの!」
セリリ「ええ!?その、誰とも恋人になったつもりじゃ」
アルル「……」
ルルー「……」
ドラコ「……」
セリリ「ひぃぃ、み、皆さん何か喋ってくださいよ!」
アルル「……セリリちゃん?もしかして、あのキスは嘘だったの?」グスッ
ルルー「……そんな、私、セリリのことを、本気で愛してしまったのに、こんなのって」グスッ
ドラコ「セリリー……あたし、やっとセリリとそういう関係になれたと思ったのに」グスッ
セリリ「え、え?」
アルル「あはは、ボクの勘違いだったみたいだよ……」ポロポロ
ルルー「サタン様への愛を捨ててまで来たのに……あんまりだわぁ」ポロポロ
ドラコ「うわあああん……セリリはあたしのこと嫌いだったのかぁ」ポロポロ
セリリ「わ、私、どうしたらいいの……」
アルル「こうなったら、無理矢理にでも」ガシッ
ルルー「私の愛を……」ガシッ
ドラコ「受け取ってもらうよ!」ガシッ
セリリ「え、なんでみなさん私をつかんで、ちょ、怖いです!」
「スリープ!」
アルル「」zzZ
ルルー「」zzZ
ドラコ「」zzZ
セリリ「た、助かった……ありがとうございます、ウィッチさん」
ウィッチ「一部始終は見せてもらいましたわ」
セリリ「ウィッチさん、私どうすれば……」
ウィッチ「事情が分からないから、ここ最近この三人としたことを話してくださる?」
セリリ「はい、わかりました……かくかくしかじかで」
ウィッチ「はぁー……セリリさん、あなたとんでもないことをしてしまいましたわね」
セリリ「え、どういうことですか?」
ウィッチ「この百合タウンという本はお友達作りの本じゃありませんわよ」
セリリ「えっ!?」
ウィッチ「これは女の子同士の恋愛を扱った本で、中に描いてあるのも当然、全て恋人同士がすることですの」
セリリ「え、それじゃあ、私がこの三人にしてきたことって!」
ウィッチ「……どうしますの?この三人、みんなセリリさんの虜ですわよ」ジトー
セリリ「知らなかったとはいえ、私、なんてことを……」ズーン
ウィッチ「ね、セリリさん」
セリリ「はい?」
ウィッチ「ひとつ方法がありますわよ?」
セリリ「! お、教えてください!」
ウィッチ「それはですね……私の恋人となることですわ!」
セリリ「」
ウィッチ「ふふ、名案でしょう!セリリさんが絶世の美女である私の恋人になればこの三人も諦めざるを得ませんわ!」
セリリ「あ、あの……悪化しちゃう気がするんですが」
ウィッチ「いいのいいの。それとも……私と恋人になるのはいや?」
セリリ「ウィッチさん、顔が近いですっ……!」
ウィッチ「ふふふ、セリリさん、逃げないと私、あなたの唇を奪っちゃいますよ?」
セリリ「あ、ダメです、そんな!」
ウィッチ「──」チュッ
セリリ「──!」
セリリ(ふわ、私、ウィッチさんともキスしたら……!)
ウィッチ「──」
セリリ「──ん!?」
セリリ(え、ウィッチさんの舌が!)
ウィッチ「──」ギュッ
セリリ「──ん!」
セリリ(し、舌が絡んで!なんだか変な気持ち……!)
ウィッチ「──ぷはぁっ」
セリリ「はぁっ、はぁっ……し、舌が入ってくるなんて聞いてないですよ!」
ウィッチ「ふふ、でも、これで他の三人より一歩先に」
アルル「この馬鹿ああああああああっ!」ゴン
ウィッチ「いたっ!あ、アルルさんいつの間に起きて!」
アルル「ウィッチに先を越されるなんて……セリリちゃん!」
セリリ「は、はい!」
アルル「今度はボクとディープなキスをしてもらうよ!」
セリリ「え、ええええっ!?」
アルル「いっくよーっ!」
セリリ「ふわっ、そんなあ」
アルル「──」チュゥ
セリリ「──」
ルルー「くぅ、もう少し早く起きてれば……」
ドラコ「セリリ、あたし達を惚れさせた責任とって貰うからね!」
セリリ(そ、そんなあ)
アルル「////」
ルルー「次は私の番だからね!」
ドラコ「いーや、あたしの番だ!」
ウィッチ「はぁ、結局こういう落ちですのね……」
~翌日~
セリリ「今日も減るメス湖は平和……」
「セリリー!」
セリリ「じゃないわぁ……」シクシク
ウィッチ「セリリさん、お待ちになって!」
ドラコ「あたしの愛を受け取ってー!」
アルル「ねえ、今日は一緒にお出かけしようよ!」
ルルー「セリリ、私の家で食事しましょう!」
セリリ「でも、まあ幸せ……かも?」
こうして、減るメス湖のうろこさかなびとは四人と楽しい日々を過ごしながらも、
貞操の危機を感じつつ落ち着かない日々を過ごすことになるのでした。
~おしまい~