男「……いや、すまん」
女「気にしてないから」
俺にニッコリと笑って見せる。
男「いや、でも……」
女「ふふ、ボクの体にそんなに興味を持ったのかい?」
んなわけあるか。
元スレ
女「着替えを見られても恥ずかしくないよ」
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1286277957/
男「そんなことは決してない」
女「おや、残念だ」
思ってもないことを、残念がる。
男「……お前さあ」
女「ん?」
男「なんでそんなに平気なんだ?」
普通、もっと恥じるべきだ。
女「気にしていないからさ」
男「気にしてない?」
それは逆にダメだろ。
痴女か。
女「あ、今痴女だと思ったかい?」
ああ、思いましたとも。
女「安心したまえ。ボクは『君に』見られても気にしていないということさ」
俺はまったく、そういうので見てないのか。
まあ、そうなんだろうな。
女「君だって、ボクの体で興奮するわけでもないだろう?」
男「……」
そうだな。
女「家に帰った後、ボクをおかずに……こほんっ」
わざとらしい咳をするな。
ニヤニヤするな。
男「興奮もできないやつでするかよ」
女「じゃあ、何でするんだい?」
男「……」
くそ、鎌かけられた。
このせいで、俺がしていることがバレた。
女「ふふ、言いたまえ」
偉そうだな。
男「別に、なんでもいいだろうが」
ゆっくりと近づいてきて。
女「ふぅ~ん?」
なんだその……なんか、むかつく。
女「ふふ、やはり、君も男の子だね」
ほっとけ。
女「おかずにされている子の身になると……怖いなぁ」
男「お前がなることはないから安心しろ」
女「ふふ、そうかい」
……。
ああ、なんだよこいつ。
余裕だよなぁ、本当。
女「それで」
男「ん?」
女「着替えを見てしまった君が、ボクになんのようだい?」
いや。
こいつ意外と気にしてないか?
男「えっとだな、これだ」
女「?」
男「お前が欲しがってた本があったから、買った」
女「……おや」
すげえ驚いてる。
女「ふふ、それだけのために、来てくれたのかい?」
それだけのためにって……。
男「忘れるといけないと思ってな」
女「ありがとう。いくらだったんだい?」
男「1800円。意外と値段張るんだな」
女「そうか……えっと」
男「気にするな、今回は俺のおごりだ」
女「君の驕りかい?」
男「驕ってねぇよ」
奢りだ奢り。
女「でも……それは困ったな」
男「あん? 別にいいだろ」
こんなことで、何心配してんだ。
こいつらしくないな。
女「だって、そのお金で、ピンクの本を買うつもりだったんだろう?」
……こいつらしくてむかつく。
女「おや、図星?」
男「俺をエロスの塊かなんかと間違えてないか?」
女「ふふ、間違いない」
男「どういうことだ」
女「ああ、エロスがボクに近づいてくる」
畜生。
そんなこと言われたら、近づきづらいだろうが。
男「もういい、用事済んだから帰る」
女「帰るのかい?」
エロスはさっさと帰ります。ええ。
女「……するために、帰るのかい?」
どういう解釈だ。
男「そんなわけあるか!」
女「じゃあ、お茶でも飲んでいってくれ。美味しいよ」
男「……」
まあ、それくらいなら。
女「急用なら、別にいいんだけど」
男「ああ、大丈夫だ」
女「ふふ、それじゃあ、ちょっと待っててくれ」
そう言って、部屋をあとにする。
男「……」
さて。
いたずらでもしようかな。
でも、お茶の用意ならすぐに帰ってくるだろうし。
とりあえず、なにかできることはないだろうか……。
男「……下着……」
いや、ダメだ。
何考えてんだよ、バカ。
それじゃあ余計にダメだ。
変態だと、確定しちまうじゃねぇか。
ほら、なんかもっと簡単ないたずらでいいんだ。
男「そうだ、日記とか……」
がらっと。
あった。
『日記』。
普通に、日記と書いてある。
男「……」
男「……」
チキンだな。
本当に、チキン。
女「ほほう、いい趣味しているね」
男「!」
女「ふふ、女の子の部屋を、勝手に漁るのかい?」
男「えっと……」
これはまずい。やっちまった。
女「ふふ、その感じだと、まだ見ていないようだね」
男「……」
女「見るかい?」
なぜ一番上のボタンを開けたんだ。
男「いいよ、別に」
女「そうかい?」
男「ああ、ちょっとしたいたずらをしようと思っただけだから」
女「君になら、見られてもいいのにな」
どういうことだ。
女「ここにはボクの全てが書かれてる」
なんだそりゃ。
女「君には、ボクを知って欲しいし、ボクは君をもっと知りたい」
いきなり、変なことを言う。
まあ、いつもどおりで安心。
女「……見るつもりが無いなら、強制はしないよ」
男「そうかい」
女「ふふ、お茶、飲もう」
といって、ニッコリと笑った。
女「紅茶、好きだよね?」
男「ああ、まあな」
女「よかった」
オシャレなコーヒーカップに、紅茶を注ぐ。
うん、いい匂いだ。
女「暖かいから、火傷しないようにね」
俺は子供か。
男「そんなこと、気にせんでいい」
女「そうか、それならいいんだ」
あつっ。
ビシャッと。
やつの下半身にぶっかかる。
女「おっと……」
男「! だ、大丈夫か!?」
女「ふふ、すこし、熱かったかな?」
すこしってもんじゃないだろう。
男「本当に大丈夫か!?」
女「心配してくれるのかい?」
俺が悪いからな。
男「火傷してないか?」
女「大丈夫さ」
うおい、いきなりズボンを脱ぐな。
男「バカ」
女「びしょ濡れだから、脱ぐのは当たり前だろう」
タイミングっていうもんがある。
女「ふふ、気にしなくていい。ボクは見られても平気だから」
なんだその顔は。
どや顔じゃない、少し違うけどどや顔に近い感じの顔。
男「お前がよくても俺がよくない」
女「君は見ていてもいいさ」
男「なんでそうなる」
意味がわからん。
女「元はといえば、君が悪いんだよ?」
そうだけども。
女「だから、ボクがちゃんと着替えることができるか、見ておいたほうがいいんじゃないのかい?」
男「そこまでしなくてもいいだろう」
女「ふふ、そうかもね」
こいつ。
俺で遊んでやがるな。
女「ああ、下半身がべちょべちょ……」
色気の無い声でいっても、まったくなにも感じませーん。
女「君にべちょべちょにされてしまったね」
変な言い方するな。
男「うるせえ」
女「それは逆切れだよ」
男「悪かった」
女「ふふ、素直でよろしい」
むかつく。
男「……」
女「着替えるから」
男「いちいち報告しなくていい」
女「言わないと怒るくせに」
……まあ。
いきなり着替えたら怒るかもな。
男「そうかもな」
女「だったら、ボクは正しいことをしたんじゃないか」
男「ふんっ」
女「……パンツもびしょびしょ……」
そんなことつぶやくな。
女「ふふ、パンツも着替えなきゃ」
男「そうかい」
女「君はどんな色が好きだい?」
男「は?」
んなこと聞いてどうする?
女「黒と言われると、困るんだけれど」
男「……黒」
女「困ったなぁ」
笑いながら困ったと言われても。
女「なんで黒なんだい?」
いや。
なんか、いやな予感がしたから。
女「ふむ。じゃあ、今度買ってこよう」
男「何をだ」
女「わかるだろう?」
男「わかってるけども」
それでも、いやだ。
女「黒……が好きなのか」
男「別に好きじゃない」
女「む? それじゃあ何が好きなんだい?」
男「……わからん」
女「ああ、間違えた。パンツなら何色が好きなんだい?」
最終的にそう聞くのか。
男「そんなもん、別に何色でもいい!」
そんなことを、俺に聞くな。
女「むぅ、君の好きな色に合わせたあげるのに……」
合わせてもらいたくない。
どうでもいいわ、そんなもん。
女「ふむ……じゃあ、これにしよう」
いいから、早く穿けよ。
女「うん、着替えが終了したよ」
男「本当かよ」
とか言いながら、こいつ下半身下着一枚とかありえそうで怖い。
女「もちろんさ。嘘はつかないよ」
冗談を言うけどな。
振り向くと。
女「どうだい? こういうフリフリしたものは、あまり好きじゃないんだけど」
なんだそのミニスカート。
男「さあな」
女「微妙な答えだね」
別に。
興味、ないし。
女「さっき、母に買い物を頼まれてね」
男「ふむ」
女「今から行くのだけど、付き合ってくれないか?」
男「ああ」
それなら、いいけど。
女「ふふ、いいのかい?」
男「おう、暇だし」
女「あれ? 家に帰るんじゃ……?」
男「帰るぞ」
女「あはは、すまない。冗談だよ」
揚げ足取りやがって。
男「……」
さて、外に出たわけだが。
女「寒いね」
男「そうだな」
女「脚がより一層スースーするよ」
だからどうした。
男「そんな格好してるからだろ」
女「そうだね」
なんだよ、普通に肯定するのか。
女「とりあえず、さ」
男「なんだ?」
女「くっついても、いいかな?」
男「はぁ……」
何言ってんの、こいつ。
女「マフラーだけじゃ、寒いんだよ」
人肌で暖めろってか。
女「ダメかい?」
男「いやだね」
女「そうか」
何を考えてるのかわからんやつだ。
……。
男「……おい」
女「なんだい?」
男「結局くっついてるじゃねえか」
女「ふふ、そうだね」
そうだね、じゃねえよ。
女「ボクはこっちに行きたいから、寄っただけさ」
男「そうか」
……。
男「おい、なんで俺と同じところに来るんだ」
女「ふふ、ダメかい?」
またそれか。
男「邪魔だ」
女「ひどいなぁ」
男「くどい!」
女「ボクは君の邪魔なんかしてないよ」
確実に歩行妨害だ。
女「ふふ」
男「お前がそういうつもりなら……」
女「おっと」
走ればいい!
女「ふふ、元気だね」
男「うるせー」
女「追いかけたいところだけど……」
なんだ?
女「生憎、ボクはスカートだから」
……そうだったな。
女「なるほど」
男「……?」
なんだそのニヤケ面は。
女「ボクのパンツを、見たかったのかい?」
スカートをつまんでちょいちょい上げるのやめろ。
女「ほら、目が行ってる」
男「そんなことしたら誰でも行くだろうが」
女「ボクが暑くてしているだけかもしれないじゃないか」
さっき寒いって言ってただろうが。
男「じゃあ今暑いのか?」
女「そうだなぁ……」
ゆっくりと俺に近づいてくる。
女「寒いよ」
といって、俺にくっつきやがる。
男「懲りないやつだな」
女「こりないよ」
ニッコリと微笑みかけてきた。
女「君だって、寒いだろう?」
男「そんなに」
女「少なからずは、寒いだろう?」
男「……」
寒いけども。
男「あー、もういい。わかったから」
女「ありがとう」
男「……」
なにがありがとうだ。
女「ふふ、人肌は暖かいね」
そうかい。
女「手が特に冷えてるんだ」
男「そうか」
女「……ふふ」
スーパーまで、あと少しか。
女「風が強いね」
男「そうだな」
女「あっ」
ブワッと。
フワッと。
チラッと。
女「……ははは」
男「……」
見えた。
男「……」
女「見た……かい?」
男「見てない」
女「そうか……」
そんなこと気にしてるとは、なんか雰囲気違うな。
女「自信あったのに……」
前言撤回。
男「変態め」
女「変態でも構わない。見ないか?」
誰が見るか。
女「ほらほら」
チラチラするな。
男「そんなに見せたいならクラスのやつにでも見せてろ」
女「君に見て欲しいんだ」
大・迷・惑、だ。
女「……まあ、そこまで見せるつもりはないけど」
どうでもいいわ、もう。
男「ほら、着いたぞ」
女「うん、そうだね」
男「とりあえず、何買うんだ?」
女「変なものは買わないよ」
スーパーに変なものは売ってない。
男「晩飯か?」
女「うん、ほら」
この材料だと、カレーかな。
女「ボク、カレー大好きなんだ」
男「ふーん」
女「君も、好きだったよね」
なんで知ってるんだ。
女「ふふ、教えてくれたじゃないか」
男「そうだったか?」
覚えてない。
女「ボクも、言ったんだけどな」
ちょっとムスッとする。
なんかレアな顔だ。
男「そういう、お前の記憶力の良さアピールはいい」
女「ふふ、わかった」
いつもどおりに戻る。
男「さて、と」
この材料の書いた紙通りに買えばいいんだな。
女「ふふ、なんだか夫婦みたいだね」
全然そう思わん。
女「あっ……」
男「ん?」
女「これ……」
男「……」
なんだよ、それ。
新しく発売されたお菓子か。
ねったりしてりするやつの、新しいの。
目をキラキラさせやがって。お前は子供か。
女「買う」
男「いやいや、そんなの書いてないだろ」
女「ボクが個人的に買うの。いいじゃないか」
言ってる事まで子供か。
男「わかったわかった」
女「ふふっ」
こいつ、いっつもこういうの買ってるよな。
それじゃあ、俺は。
女「ポッキーかい?」
男「おう、好きだからな」
女「そうなんだ」
女「ポッキーって、名前面白いよね」
男「そうか?」
ポキっていう効果音からって感じがするけど、別に面白くは……。
女「一文字間違えれば大騒ぎだね」
男「……」
下品だ。
男「よし、これで全部買ったな」
女「うん、美味しいカレーが目に浮かぶよ」
男「そうかい」
女「買い物に付き合ってくれたんだし、晩も食べないかい?」
男「いいのか?」
女「うん、構わないよ」
なら、俺はいいけど。
女「面白くない冗談言っていいかい?」
お前の冗談で面白かった試しはないけどな。
男「別に、いいぞ」
女「ご飯にかかってるのが、カレーじゃなかったりしてね」
男「……」
下品だ。
男「頼むから、もうすこし離れろ」
女「寒いよ」
男「寒いのはわかってるっつーの」
それでも近すぎる。
いい匂いが、しすぎる。
……おっと、さっきのはなかったことにしてくれ。
女「ボクのこと、嫌いかい?」
男「だったら一緒にいないだろうが」
女「それもそうだね」
これで、いつもなら終わり。
女「じゃあ、好きなのかい?」
……。
男「嫌いじゃ、ない」
女「嫌いじゃない……か」
ニコニコと笑っている。
男「んだよ」
女「じゃあ、いいよね?」
良くないから言ったんだろうが。
男「離れろ!」
女「素直になりなよ」
男「お前は強引だな!」
女「韻踏んでないよ」
男「押韻じゃねえ!」
つまんねーギャグかますな。
女「ふふ、面白かっただろう?」
男「何が?」
女「強引と押韻の韻を踏んだ漢字が」
男「いんいんいんいんうるさい!」
女「三回しか言ってないよ」
男「だーもー!」
めんどくせー!!!
男「もういい!」
女「あっ、寒い」
男「おいてかれるなよー!」
女「そっちがそのつもりなら……」
さっき俺もそんなこと言った気がする。
女「えいっ」
男「ぐわっ」
こいつ、いきなり背中に……!!!
女「おんぶしてくれ」
男「馬鹿やろう!」
スカートのせいで太ももが直に!
女「ボクは結構。体力あるほうだからね」
男「じゃあ普通に歩けよ!」
女「ちゃんとつかんでるから、頑張って」
しがみついてる体力のことか。
女「君が望むなら……えっと……」
なんだ、顔赤くして……?
女「だ、だっこでも……いいけど」
男「なんで顔赤くしてそんな選択肢を追加した!?」
女「君のその目にやられてしまったよ」
俺はなにか問いかけたか!?
男「ああ、もういい!」
恥ずかしいからさっさとこいつの家まで……!
女「あっあっ……」
なんだよ!?
女「す、スースーする」
男「やっぱり降りろーーーー!」
男「はぁ……はぁ……」
女「すまない、重かったかな?」
男「重くはねえよ……」
お前が余計なこと言わなかったら、俺はこんなに疲れてない……!
女「ふふ、カレーが楽しみだったんだね」
男「ちげえよ……」
ガチャ ガチャガチャ
女「むむ?」
男「どうした?」
女「鍵が掛かってる」
男「?」
カチャ ガチャ
女「……母は出かけているみたいだ」
……。
こいつと二人かよ。
女「ここに置手紙がある。探さないでください、と……」
男「マジか!?」
女「冗談だよ」
男「……」
いい加減、そういうのやめろよな。
女「さて、カレーを作ろう」
男「手伝うぜ」
女「いいよ、君は客だ」
男「……」
まあ、そうだな。
女「とりあえず……カレーを」
とか言いながらトイレに行くな!
男「……下品なやつだ」
女「覗かないでくれよ?」
男「誰が覗くか!」
男「ったく……」
女「そうだ、ちょっとちょっと」
男「あん?」
トイレから声を出すな。
女「ボクの部屋で待っていてくれ」
男「なんで? お前の部屋で食うつもりか」
女「うん、ダメかい?」
別に、悪いことはないけど。
こぼしたらまずいんじゃないか?
男「じゃあ、言ってるぞー」
女「うん」
さて、行くか。
こいつの部屋の階段上るのも、何回目だろう。
まあ、昔からだから、覚えてねーや。
男「……」
それにしても。
女らしくない部屋だ。
なんか、質素。
でも、男の部屋ではない。
いい匂いがする。
男「……ふぅ」
あいつの、匂いだ。
あいつの……。
男「って、何考えてんだ俺は……」
別にいかがわしいことは考えてない。
……考えてみれば、ここでカレー食ったら、カレー臭でやばいんじゃ?
……加齢臭じゃなくて。
男「まあ、あいつが言ったことだ」
俺は関係ない。
男「……暇だ」
カレー、今から作るんだろうし。
相当時間かかるだろうからなぁ。
男「……ふわぁ……」
眠い。
男「ちょっくら寝るか」
男「……」
ボフッ。
別に、構わないだろ。
俺があいつのベッド使っても。
あいつはいつも俺の部屋でベッドに寝そべったりしてるし。
俺だって使わせてもらおう。
眠気って、本当に突然来る時がある。
……。
女の匂いが、すごく漂うこのベッドで。
俺は、少し目を閉じた。
なぁに、目を閉じるだけさ。
寝るつもりなんてない。
女「おーい、おーい」
男「……」
寝ちまった。
女「ふふ、ずいぶん寝てたね。疲れちゃった?」
男「ああ……」
女「カレーどうする?」
男「いただくよ……」
女「ふふ、凄いよだれ」
男「えっ……」
まくらに、よだれがべっちょりとついていた。
男「すいませんでしたー!!」
女「気にしないでよ、そんなこと」
男「し、しかし……」
熟睡したうえに枕を汚すとは……。
女「ボクのベッドは寝心地が良かった、ということだろう?」
いや、どうしようもなく眠かったから。
男「……ん?」
疑問な点がある。
男「……なんで、お前ベッドの上にいるんだ?」
女「え?」
男「それと、なんで微妙に髪がはねてるんだ?」
女「ベッドに横になってたからさ」
……。
男「お前、俺の横で寝てたな!?」
女「いいじゃないか、別に」
良くない!
男「……もういい、飯」
女「うむ、了解した」
もういいや。
男「……はぁ」
あいつは、好き勝手しすぎだ。
俺もしたっていいだろうに。
女「どうぞ」
男「おお……」
上手そうだ。
これは食欲が湧く。
女「さっきは凄く快便だった」
……。
食欲減少。
女「ほら、食べてくれ。自信作だ」
自信作……。
男「喋るな。食う気が失せる」
女「ふふ、仕方ないな」
食えば美味い。しかし、なんか……。
男「……」
食ってるもんが、違うものに見える。
男「……ご馳走様」
女「お粗末様」
男「美味かった。しかし、気持ちが晴れない」
女「慰めようか?」
男「冗談はやめろ」
女「ボクは本気さ」
……はあ。
さて、どうするか。
女「どうしようか」
俺もそう思ってたところだ。
女「なにかする?」
男「なにかって?」
女「まだ、決まってないけれど、なにがいい?」
男「なんでもいい」
女「じゃあ、しよう」
男「あん?」
女「これ」
何かを棒状のものを握ったような手を上下させる。
男「アホか」
女「いいじゃないか、楽しいよ?」
男「ふざけるな」
女「じゃあ、これは?」
棒状の先っぽほ舐めるような仕草。
男「余計ダメだ」
女「これ」
先っぽを咥えこむような仕草。
男「バカヤロー」
かじる仕草。
男「痛っ!!」
女「イった?」
男「バーロー」
女「新一?」
男「ちげーよ」
女「ふふ、何が痛いって?」
下半身が物凄く、痛くなったぞ。
女「どこを抑えているんだい?」
男「黙れ」
なに楽しんでやがる。
女「当のボクは、したことないけどね」
何をだ。
女「君は?」
男「……」
ははは、残念だったな。
実は俺は。
……俺は……。
男「……」
女「さくらんぼ」
ぴくりと反応してしまう俺。
女「ふふ、一緒か」
男「うるせぇ」
畜生、畜生……。
女「じゃあ、卒業しようじゃないか」
男「いやだね」
女「どうして?」
男「どうしてもこうしてもない」
女「そうか」
ニッコリと笑う。
女「よかった」
なんでだ。
女「君が、女の子に飢えてなくて、ホッとしたよ」
男「は?」
女「まあ、ボクのことを、女の子として見てないだけかも知れないけどね」
男「そっちだ」
女「そっちか」
笑いながら、ベッドに横になる。
女「はぁ……何しようか?」
男「……」
パンツ見えてるぞ、馬鹿野郎。
男「……」
女「ふぅ」
ゴロンゴロンと。
男「……」
ベッドにゴロンゴロン。
そして俺は、ムラムラと。
当たり前だ。
ムラムラするのも、無理はない。
無理無理するのも、ムラはない。
女「? どうしたんだい」
男「……」
こいつ、わかってないのか?
女「ふふ、なんだい?」
何笑ってやがる。
パンツをどや顔で見せてるようにしか見えない。
男「別に」
くそ。
俺はやはり、飢えていた。
おんなというやつに。
女「そうか、何か面白いことを思いついたら、教えてくれ」
またゴロンと。
ドドーンと。
パンツ。パンツ。パンツ。
女「ああ、そうだ」
男「ん?」
ビクッとした。
ばれたのかと思ったじゃねえか。
男「んだよ」
女「ボク、引っ越すんだ」
男「……」
……え?
女「いやあ、ボクもビックリだよ。いきなり言われてね」
男「は……?」
女「ボクの父は、単身赴任だろう?」
男「お、おう……」
女「そっちに行こうと思って」
聞いてないぞ、こんなこと。
男「マジか……?」
女「うん、学校にも届け出したしね」
俺が、休み時間に寝てる間とかに……。
女「ふふ、どうしたんだい? 変な顔、してるよ」
いや、当たり前だろう。
なんで、教えてくれなかったんだ?
俺とお前は、長い付き合いだろう。
俺に、最初に、
言えよ。
男「……」
女「すまなかったね、言ってなくて」
男「……いつ、行くんだよ?」
女「明日だよ」
男「!」
女「本当に言わなくて、すまなかった」
明日?
女「どうしても、君には言いたくなかったんだ」
男「……ふざけるなよ」
なんで言わなかった。
いつも通りに。
接しちまったじゃねえか。
女「ボクは君と、いつも通りに話をしたかったんだ」
男「……っ」
女「その方が、君もいいだろう?」
男「よくない」
女「どうしてだい?」
男「お前……」
俺は。
俺は。
お前に、まだ……、
言ってないことが、ある。
女「ふふ、だから、今日は……」
ベッドを起き上がったやつを、俺は押し倒す。
女「?」
きょとんとした顔をして。
女「どうしたんだい?」
笑みを見せる。
こいつの笑顔を見るのも、最後になっちまうのか。
男「俺は……」
男「俺は……」
言えない。
ここまでして。
押し倒しておいて。
女「……」
笑いながら、静かに見ている。
男「す、す……」
女「好きだよ」
男「え……」
女「君の事、好き」
ギュッと。
俺を抱擁する。
女「ずっと、ずっと、ね」
もっと強く抱擁される。
男「……」
女「もう、だんまりかい?」
そんなこと言われても。
俺は。
言おうとしたことを言われちまったんだ。
男「お前が先に言うからだろうが」
女「何をだい?」
しらばっくれやがって。
男「俺は、お前が」
女「好きなのかい?」
ふざけんな!
男「そうだよ! 悪いか?」
女「ううん、嬉しいよ」
ニッコリと笑う。
男「……でも、お前……」
こいつは、明日。
引っ越すんだ。
女「うん、そうだね」
男「きっと、また、会えるよな」
女「ボクと離れるのが、いやかい?」
男「そりゃあ」
いやだよ。
男「俺は、お前のこと、好きなんだし」
女「ボクもさ」
男「……なあ」
女「ん?」
男「……しないか?」
女「えっ?」
顔を、真っ赤にする。
男「今日が、最後なんだから」
女「で、でも……」
凄く小さな声で、おびえている。
なんだよ、そんなキャラじゃねえだろ。
女「ボクは……」
もじもじとしだす。
女「そこまで、求めてないって言うか……」
どういうことだよ。
さっきまで誘いまくってきたじゃねえか。
男「いざやるってことになると、いやだってことか?」
女「違うよっ、そういうことじゃない」
男「じゃあ、なんだよ」
女「……」
男「お、おい?」
女「ま、まだ……」
まだそんなことしたくないって言うのか?
女「まだ、キスしてないよ!」
男「……あ」
忘れてた。
することばっか考えてた。
くそ。
やっぱり、俺は飢えてんだな。
女「……もう」
頬を膨らませる。
可愛い。
男「そうだったな」
女「本当に、エッチだね」
男「悪い悪い」
女「ボクは結構、そういうの、気にしてるから」
男「そうかい」
女「その言い方、ちょっと酷いよ?」
そうかもな。
男「それじゃあ……」
顔を近づける、俺。
女「ちょ、ちょっと!」
また、止められる。
今度はなんだ。
女「普通に、キス……恥ずかしい」
男「……」
じゃあ、どうすればいいんだ。
女「目、つぶってるから」
男「?」
女「その間に、して?」
男「わ、わかった」
そして、やつは目を閉じた。
……。
男「ダメだ」
女「え?」
男「いや、あのな」
こっちが恥ずかしい。
男「なんか恥ずかしい」
女「君もかい?」
また、ニッコリと笑いやがった。
女「どうしようか?」
男「ああ……」
なんか、このままじゃ、うやむやになっちまう。
今日で最後なのに。
いっそこのまま襲っちまうか?
……なんつーこと考えてんだ俺は。
女「そうだ、いいこと、思いついた」
女「ふふ、ちょっと、どいてくれ」
男「お、おう」
押し倒していた状態から、普通に戻る。
パンツがチラリ。
女「あっ、見えた?」
男「すまん、見えた」
女「ふふっ、そうか」
笑って、部屋を出た。
……なにするつもりだ?
女「お待たせ」
手を後ろにして、戻ってきた。
男「どうしたんだ?」
女「じゃじゃーん」
……さっき買ったポッキー。
男「……」
女「ポッキーゲーム、しよう」
なるほどな。
女「ふふ、いい考えだろう?」
男「そうかもな」
美味しいポッキーを、食べれるし。
女と、キスできる。
……なんか、恥ずかしいけど。
それなら、いいかな。
男「じゃあ、先っぽからすこしずつ、な」
女「うん」
男「……行くぞ」
パクリッ。
女「……」
男「……」
ゆっくりと、ゆっくりと。
って、すでに顔近いぞ!?
男「……」
パクリ。
この野郎、食うスピード速すぎ。
女「……」
なんだそのウィンク。
こっちに来いみたいな。
……わかった。
行ってやる。
そっちに。
女「んっ……」
男「……」
小さく、声を漏らす。
女「……」
静かに、唇が重なった。
男「……」
女「ふふっ」
はにかむ。
俺は、やつを横抱きした。
いわゆる、お姫様抱っこ。
女「わわ!?」
そして、ベッドに置く。
男「さて」
女「い、いきなりどうしたんだい!?」
驚いて、俺を見る。
男「俺は飢えた猛獣だからな」
うわ、くっさいこと言っちまった。
女「ま、待ってくれよ。ボクはまだキスをしたその後の余韻に浸っていない」
そんなもんはどうでもいい。
男「そんなによかったか?」
女「うん。好きな人との、キスだからね」
……うっ。
女「それに、ファーストキス」
顔真っ赤で言われると、ときめくぞ。
男「……」
女「……?」
上目遣いやめい。
女「どうしたんだい?」
男「……」
俺は少し気が抜けて、ポッキーを食べる。
というか、タバコみたいに咥えた感じ。
女「あっ」
パクリ、と。
俺の咥えていたポッキーの反対側を咥えてきた。
女「ふふふ」
やれやれ。
ポッキーゲーム第二回戦、始め。
男「……」
女「んっ」
終了。
男「……お前さあ」
女「なんだい?」
男「本当に、引っ越すんだよなぁ……」
女「嘘だよ」
男「へ?」
女「ふふ、驚いたかい?」
男「う……そ……?」
女「うん、そう」
微妙な洒落を入れるな。
女「君がボクのこと、どう思ってるか知りたくてさ」
男「……」
女「ちょっと、試してみたんだ」
テヘッという効果音が聞こえんばかりに舌を出した。
小悪魔だ。
してやられた。
女「もし、明日出発だったらベッドなんかないよ」
男「!」
そうだった。
こいつが行っちまうってことしか考えてなかった。
女「ふふ、でも、嬉しかったよ」
男「……何がだ」
女「ふふ、なんでもない」
なんでもないわけ、ないだろ。
女「そういえばさ」
と、話を変えようとしてきやがった。
俺もお前に嘘をつかれたという憤りの余韻に浸りたいんだけどな。
女「まだ、君の口から『好き』って聞いてないよ」
男「……ああ」
そういえばな。
女「聞きたいなぁ、聞きたいなぁ」
男「……」
なんか、いやだ。
嘘つかれたせいか。
素直に言いたくない。
そっぽを向く俺。
女「おや?」
向いた方に、女が移動する。
女「怒ってる?」
男「うるさい」
女「ふふ、やっぱり、怒ってる」
男「……」
女「まただんまりか」
そう言って、ボフッとベッドに横たわる。
パンツが見える。
ムラムラする。
女「そっぽを向きながらパンツは見るんだね」
畜生。
女「……あぁ……」
なんだ、いきなり変な声出して。
女「君のよだれが……枕に……」
なに嗅いでんだ変態!
男「気持ち悪いことするなよ!」
女「ボクの勝手だろう?」
男「でも、気持ち悪い」
女「君にそんなことを言われると」
一拍置いて。
女「凹むじゃないか……」
普通の反応!!
男「凹むな!」
女「じゃあ凸む」
男「なんでだよ!」
女「君のここ、凸んでる」
男「今は平常だ!」
女「……さて」
男「ん?」
女「……する?」
男「……マジで?」
いきなりだな。
女「なんだか、ね」
ちょっと視線をずらして。
女「したく、なっちゃった」
男「……」
いいんだな。
これはもう、いいんだな。
俺の中の野獣は、猛獣は。
暴れていいんだよな。
女「……ふふ、目が怖いよ?」
男「……」
何も言わずに、押し倒す。
女「ん……強引だね」
男「俺は本気だ」
そして、やつの胸を。
薄い胸を触る。
女「んっ……」
本当に、小さいな。
揉めない。
女「そんなに、触らないでよ……」
ぺったんこってわけじゃないけど。
大きいとはいえない。
女「エッチだなぁ」
ニッコリ笑う。
少し、息が荒い。
男「すぐに入れるんじゃ忍びないからな」
女「余興かい? ふふふっ」
楽しそうですね。
服から触っていてもわかるほど。
こいつ、乳首立ってる。
男「これはなんだ?」
女「んっ、だ、ダメだよ……君は、意地悪だね」
お前もな。
女「男……」
名前を、呼ばれる。
男「なんだ?」
女「大好き」
男「俺もだ」
とまあ。
こんな感じに。
俺とこいつは。
交じったわけで。
え?
なんでこの後を言わないかって?
恥ずかしいだろうが。
ただの実況になっちまうし。
面白いもんじゃないさ。
……。
ああ、正直に言おう。
交じったのは唇だ。
まだしてない。
女「……」
背中合わせにして、ベッドで寝る、俺とやつ。
女「意気地無し」
男「るっせー」
女「まあ、ボクは」
一拍置いて。
女「そういうところを含めて、君が好きなんだけどね」
……。
恥ずかしいことを平気で言うな、こいつ。
男「言っておくけどな、俺は」
ああ、言い忘れた。
女「口で、満足しちゃったのかい?」
……まあ、そういうこと。
女「君のなら、いつでも大歓迎だよ」
男「……ああ、もう」
変態が。
あの時の上目遣い。
あの時の顔の紅潮。
あの時の微笑み。
あの時の下手糞なテクニック。
あの時の微妙に攻撃的な台詞。
男「……」
女「なに考えてるの?」
男「さっきのお前のこと」
女「えっ……」
顔を真っ赤にする。
面白くない、か。
そうだな。
俺は、臆病だし。
描写も微妙だから。
この後のことなんて書けそうもない。
女「へ、変なこと言わないでくれよ」
男「……女」
女「ふふ、なんだい?」
いつもと同じ調子だ。
男「それじゃあ、俺は帰る」
女「帰るのかい」
なんか不安そうな声。
男「どうしたよ」
女「帰って欲しくないというかなんというか」
素直だな。
男「悪いが、そろそろ帰らんと親も心配する」
女「それなら心配ない。ボクが今日は泊まっていくと電話した」
男「はぁ!?」
なんでそんなに手回しいいんだよ!?
女「ダメだったかい?」
そんな顔で言われたら俺が悪かったみたいになっちまうだろ。
男「わかったわかった。だったら泊まる」
女「やった」
男「そういえば、おばさん、帰ってきたか?」
女「母は親戚の家に泊まりなんだ」
男「そうか」
本当に二人きり……か。
男「……一通りやっちまったしな」
女「意気地無し」
男「……」
まあ、そう言われても仕方ないが。
女「男くんにして欲しかったな」
男「は?」
いきなり君付け?
……。
うお……。
するかよ、絶対。
女「男くんにしてほしいなー」
男「しない、したくない」
女「ボクにはさせたくせに」
男「……」
まあ、ある意味では。
そうだけども。
男「だー、んなのどうでもいい」
やつに背中を向ける。
女「そうか」
ニッコリとした顔が目に浮かぶ。
女「……」
静かになった。
そして。
ギュッと。
背中を抱きしめられる。
女「あったかい」
男「やれやれ」
俺とやつは、まだ。
服すら脱いでない。
男「……」
女「なんだい?」
男「別に」
女「そうか」
男「……」
女「お風呂、入る?」
男「ああ」
そういえば、入ってないな
女「ボクはちょっと顔にかかっちゃったしね。綺麗にしたい」
男「悪かったな」
女「いいよ、君のなら」
……恥ずかしい。
男「じゃあ、お前先に入れよ、俺はあとでいい」
女「え?」
首をかしげる。
なにかご不満でも?
男「俺が先でもいいのか?」
女「え?」
それも違うか。なんだ。
女「一緒に入らないのかい?」
……ああ、そういうこと。
男「いや、いいけど」
女「じゃあ、入ろうよ」
男「お、おう」
緊張してきた。
女「好きな人と一緒にお風呂、か」
男「ん?」
女「ふふ、なんでもないよ」
男「……」
女「……」
男「脱ぐぞ」
女「どうぞ」
男「お前は服のまま入るのか?」
女「それが好みならそうするよ」
男「……」
そんな嗜好はないけれど。
女「君の脱いでいるところ、見てるから」
変態め。
男「っけ」
俺は恥ずかしがりもせずに、脱いだ。
女「うん、胸板、厚いね」
男「そりゃな」
おとこだし。
男「お前は?」
女「ちょっとトイレ」
男「そうか」
女「自慰をしてくる」
男「……は?」
女「冗談さ。したことないし、やり方がわからない」
いきなり変なこと言うな。
男「じゃあ先に入ってるからな」
このままじゃ風邪ひいちまう。
女「うん、下を先に綺麗にしといてくれ」
下品なやつだ。
そして、浴室に入る。
男「……うん」
浴室は初めて入る。
男「まずは、体洗っとくか」
あいつの言うとおり、俺は下が汚い。
男「風呂になんか浮遊したりしたらいやだしな」
……。
いや、流石にそんなことはないと思うけど。
多分。
男「……ふぅ」
気持ちいい。
やっぱり風呂ってのは、最高だ。
男「……」
女「入っていいかい?」
浴室の外からやつの声。
男「おう、いいぞ」
女「ふふ、じゃあ、入るよ」
ガラッと。
やつが現れた。
タオルで体を覆って。
……畜生。
女「おや、なんだか残念な顔をしているね」
ニッコリと笑う。
女「いやなことでもあったのかい?」
男「なんでもねぇよ」
あるけど。
あるんですけど。
男「お前のタオルを引き剥がしたい」
女「うふふ、肉食だね」
タオルからでもわかる。
凹凸の無さに。
くびれがあることに。
お尻が綺麗なことに。
まずい。
俺の息子は正直に、起立を始めた。
女「さて、と」
こちらに、無意識に。
尻を向ける。
男「!」
タオルから覗くその……なんというか。
このエロスは。
更に、更に俺のムラムラ度が増す。
男「体洗うのか?」
女「君がいるから恥ずかしいな」
男「着替え見られても恥ずかしくないんじゃないのか?」
女「あれは下着だから」
下着ならいいのか。
女「でも……今は」
なんだよ。
女「好きな人には……下着も恥ずかしいかな」
……。
撃沈。
女「はは、何言ってるんだろうね」
男「……」
女「らしくない、よね」
可愛い。
こいつなんなんだ。
可愛い。
女「だから、ボクは」
と言って。
女「君と一緒にお風呂に入る」
浴槽の中に。
入ってきた。
女「……うわ……凄いね」
息子を見ないでくれ。
男「悪かったな」
女「ふふ、これがボクの口に中に、ねえ?」
男「……」
考えるだけで。
息子が背伸びしちまう。
女「ふふ、さっきより大きくなったね」
もう、何も言うな。
男「お前のせいだ」
女「ふふ」
心の底からの笑み。
女「そんなこと言われると」
そして、抱きついてくる。
女「嬉しいじゃないか」
ぺったんこの、胸が。
俺の肩に当たる。
なのに。
俺は凄く、興奮している。
女「キス、していいかい?」
もちろん。
というか。
そう言ったので、すかさず唇を奪う。
女「っ……んっ」
なんか、いやらしい感じ。
女「はぁはぁ……」
なんか、息荒いし。
男「……女」
名前を呼んでみる。
女「なんだい?」
紅潮した顔で、こちらを見る。
男「お前って、こんなに可愛かったか?」
女「あうっ……」
真っ赤だ。
これこそ、本当に。
女「こんなに近くで言わないでよ、バカ」
初めての、罵倒。
罵倒……? 罵倒。
男「そんな言葉使うのは、初めてだな」
女「……らしくなかった、すまない」
男「俺はさ」
別にいいんだけど。
男「罵倒されるより罵倒するほうが好きだ」
女「ボクはMっ気もSっ気も無いよ」
ノーマルか。
女「……というか、いじめるのも、いじめられるのも、いいかな」
……変態か。
男「えいっ」
ペチリと。
軽く頭を叩いてみた。
女「ふふっ」
喜んでいる様子。ここはM。
女「女の子を叩くなんて、いい趣味してるね」
ここで、Sか。
男「お前しか叩かん」
女「ふふ、それは喜んでいいのかな?」
男「特別だぞ、特別に、お前だけなんだからな」
女「ふふ、君の特別、か」
嬉しいなあ。
と、つぶやくやつ。
男「お前は?」
女「?」
男「俺はお前の特別じゃないのか?」
恥ずかしいことを、ぬけぬけとよく言えるな俺。
女「特別さ」
男「そうさ」
女「ボクは君の、性奴隷かつ肉奴隷さ」
……。
いや、あの、誤解しないでくれ。
男「いや、俺は……」
女「君から出るものは、たとえ排泄物でさえ受けいれよう」
俺はそっち系の趣味は無い。
男「やめろ、もっと対等になれ」
女「じゃあ、少し上げて。女王」
上げすぎだ。
男「どこに対等と言う言葉がある」
女「じゃあ、侍」
どういう判断だ。
男「どこに対等と……」
あ。
ある。
たいとう。
また、言葉遊びか。
女「ふふ」
頭がよく回りますねー。
男「たいとうだけども」
女「ふふ、そうだね」
無邪気に、笑う。
女「ボクは君の彼女さん」
なんて、すんなり言う。
……。
……。
ゆっくりゆっくり。
俺の顔が赤くなる。
女「重くない?」
男「全然」
女「まあ、水の中だしね」
男「そうだな」
女「明日、さ」
男「ん?」
女「どこか、行かない?」
男「いいぞ、どうせ明日も休みだし」
女「よかった」
ホッと、息を吐いた。
女「どこに行くか、決めてないけどね」
わかってるさ。
女「行きたいところ、ある?」
ない。
正直いって。
一緒にいれれば。
もうなんかさ。
幸せなんだよな。
明日から学校でもいいくらいだ。
こいつと一緒に通えるだけで、いい。
……あれ、俺ってこんなやつだったっけ?
俺はもっと。
素直じゃなかったはずだ。
改めて、こういうお惚気はやめよう。
男「ない」
女「ないんだ」
男「残念ながらな」
女「ふふ、そうか」
君らしいよ。
と、笑う。
男「お前は?」
女「君と一緒にいれるなら」
どこでもいいよ。
と、顔を赤くして言う。
なんだ。
俺と同じか。
女「そろそろ……」
やつは浴槽から出た。
女「お背中をお流ししましょう」
ニッコリとこちらを見る。
男「……」
残念だが、俺はすでに体を洗っちまったんだ。
だから、悪いんだけど……。
男「お願いします」
女「やっぱり自分の体じゃないから、難しいね」
ゴシゴシと。
やつは俺の背中を洗う。
女「胸板が厚ければ、背中も大きいね」
さっき抱きついた時、ビックリしたよ。
と、笑う。
男「まあ、おとことおんなじゃ違うよな」
女「なんだか、寂しいな」
男「え?」
女「なんでもないさ」
男「……」
いや、いやいや。
俺と同じくらいの体格してたら、俺は引くぞ。
女「でも、ボクさ」
男「ん?」
女「君とおんなじところがひとつあるよ」
男「なんだよ」
女「胸が小さいところさ」
いや、いやいや。
自慢するなよ。
俺はどちらかと言うとでかいほうが好きだぞ。
言ったら落ち込みそうだから言わないけど。
女「でも、君は大きいのが好きなんだよね」
男「えっ」
なんで知ってるんだよ!?
女「君のおかずは知ってるよ」
男「……」
俺のエロ本、見たな。
畜生。
男「ああ、そうだよ、悪いか」
女「開き直ったね」
男「……」
いつもいる俺だからわかる。
笑いながら、しょんぼりしている顔。
可愛いよな、こいつも。
意外とわかりやすくて。
女「どうしたんだい?」
笑いながら、ちょっと焦ってる。
俺を不安にさせないように。
わかりやす過ぎる。
男「意外と、悲しがってるだろ?」
女「ふふ、どういうことだい?」
笑いながら、ぎくり。
男「ばればれだ、バカ」
ペチリとまた。
頭を叩く。
女「あてっ……ボクのこと、やっぱりわかってくれてるんだね」
照れるだろ。
まあ、そうなんだけども。
女「でも、叩くこと、ないじゃないか」
と言って。
俺の背中に。
何かの感触が当たる。
これは、確実に。
TQB。
わかりやすく言うと乳首。
まだ、見たことのない、アレ。
女「こっち見ちゃダメ」
男「っ……」
乳首だけでも。
確認させろよ。
女「体で洗っても、気持ち良くないかな?」
ボク、胸無いから。
と、寂しく言う。
男「いや」
女「?」
男「そんなことないさ」
やつの白い、スベスベした肌。
擦り付けられたら。
着席してた息子が、起立しちまう。
女「本当かい?」
男「試しにしてみろよ」
女「いいのかい?」
男「おう」
つか、して欲しい。
して、してください。
なさってください。
女「じゃあ……行くよ?」
どうぞ、どうぞぅ!
スリスリと。
少しずつ動き始める。
女「背中が大きくて、困ったなぁ」
と、声が聞こえる。
男「お、おお……」
声が漏れちまう。
やべえ。
やべえよ。
胸の感触も、微妙にするし。
それ以上に、腹の感触が素晴らしい。
ツルツルだ。
男「いいぞ、いいぞぉ……」
女「怖いよ……?」
声がちょっと怯えている。
人間、快楽に負けたらこうなるんだ。
男「気にするな……続けてくれぇ」
女「う、うん……」
ひゃっ。
俺じゃない。
やつが、小さく叫んだ。
ああ。
俺の息子を見たな。
女「さっきより、大きいよ?」
ああ、そうだな。
男「悪いな」
女「う、ううん、気にしないよ」
そそり立ってるね。
と、お茶目に笑う。
うるせえ。
お前もエロティック行動に出てるくせに。
女「ボクの体洗いがそんなにいいのかい?」
……。
まあ、そうだな。
女「これちゃんと洗えてるかわからないけどね」
男「そうだな」
そう、だな。
なんかちょっと、頭が回らん。
興奮状態だ。
女「そうだ」
やつが何かを閃いた。
女「前も、洗おうか?」
男「!」
ま、マジですか?
女「うん、しようか?」
もちろん。
お願いする。
というわけで、頷く。
女「ふふっ、了解」
後ろから胸をスリスリ。
泡がツルツル。
胸はいいから。
もっと下にこい。
女「ふふっ」
無邪気に笑う。
腹を触ってきた。
もっとだ、もっと下だ!
女「ふふふ」
そーっと。
下にやってくる。
これはきたああああああああああ!!
俺の息子も呼吸が荒い。
動きが活発だ。
女「凄いね……」
息を呑むやつ。
しかし。
下に移動していた手は。
急に止まった。
女「怖くて触れないよ」
何言ってんだ。
触れよ。
握れよ。
扱けよ。
手は、股関節で止まる。
これは、これで。
やばい。
女「今、どんな気分?」
男「紀国屋文左衛門」
女「紀文だね」
男「最悪だ」
女「おや、どうしてだい?」
そりゃそうだ。
期待して損した。
美味しそうなプリンに、ウ○コが振ってきたような。
好きなキャラに、嫌いな声優が当てられてような。
そんな気分だ。
女「恥ずかしいよ」
君のコレ……大きすぎる。
と、言う。
そんなこと言われると。
俺の息子は。
もっともっと、大きくなる。
この木なんの木、気になる木。
女「うひゃあ……」
初めて聞く、驚きの声。
女「どうすれば治まるんだい?」
もちろん、一つしかない。
触ってくれ。
握ってくれ。
そして。
扱いてくれ。
女「やっぱり……」
男「おう」
悟ったか。
俺の考えを。
女「……いいよ」
そして。
ゆっくりと。
やつは俺の息子を握った。
ガチガチの、力の抜けない息子に。
女「これを、上下に擦ればいいんだね?」
そうだ。
ささ、早くやっちゃってくれ。
口もいいけどさ。
手でもやって欲しいわけさ。
女「それじゃあ……」
そして、ゆっくりと。
息子が上下に揺さぶられる。
男「あ……」
思いっきり声が漏れる。
初めての感覚。
人にされる、感覚。
そして。
やつの下手な手コキ。
逆に、そそる。
それに。
泡のせいで。
ニュルニュルする。
女「やりづらいなぁ。ちょっと、ボクの方を向いてくれるかい?」
そう言ったので、すかさず向く。
くそ、もうタオル巻いてやがる。早業。
女「ふふっ」
いきなりぬるま湯を俺の息子にすこしずつかける。
女「これで、ぬるぬるしないよ。だから……」
さっきより少し強く、擦られる。
すげえ、やばい。
さっきより感じる気持ちよさ。
俺の息子はそろそろ。
絶頂に到達する。
どうすればいい。
なんか。
俺は、こいつに。
ぶっかけようと考えている。
ちゃんと言ってからのほうがいいのだろうか。どうだろう。
女「……」
何も言わずに、しごき続けるやつ。
しかし、何かうずうずしている様子。
男「どうした?」
女「ああ、いや、なんでもないよ」
嘘つけ。何か、あるだろ。
女「手より口のほうがやりやすいから、さ」
変態め。
男「お前のしたいようにすればいい」
女「本当かい?」
できれば俺は。
……いや、やめておこう。
女「じゃあ、いただきます」
噛むなよ。
そして。
ハムリと。
口に咥えた。
男「おお……」
さっきと同じ感覚。
気持ち良い。
さらに、上目遣い。
下手糞なテクニックも、逆にいい。
男「うおっ……」
絶頂を通り越す。
どういう意味だかわからんが。
気持ち良さが、有頂天。
なんだこれ、なんだこれ!?
出そうなのに。
なんか、出ないんだけど。
女「へふはひ?」
変な動かし方するな。
気持ち良いし、可愛い。
男「何言ってるかわからん」
女「はふはひはほ?」
可愛い。けど、何言ってるんだよ。
わからん。
女「……」
少し、甘噛みされた。
男「やべ……」
さっきの甘噛みで。
なんか、出そう。
男「そ、そろそろ……」
女「……」
クチュリクチュリと。
口がいやらしい音をたてる。
女「ひいよ、らひて」
唾のせいで、ちゃんと言葉が出てないようだ。
また、可愛い。
女「はひ」
目を閉じる。覚悟を決めたように。
やばい。この顔にぶっかけたい。
俺も変態だな。
俺は性欲に忠実だった。
だから。
口に咥えられた俺の息子をゆっくりと抜き、そのまま。
女「!」
ピュッと。
ピュッピュッと。
ピュッピュッピュッと。
顔にぶっかけた。
女「……ふふ、マーキングかい?」
俺は犬か。
女「こんなベトベトしたものを、ボクの顔にぶっかけるとは……」
本当に、良い趣味してるね。
と、ニッコリと微笑む。
女「凄い量だ」
顔にかかった俺のを、舐める。
女「うん、苦い」
なんか、興奮するぞ、このやろう。
続き。
続きがしたいぞ。
続かないのか。
この後こいつはタオルを脱いで。
俺に全てを晒してくれるんだろう?
そうだろう?
そうだと言ってくれ。
女「顔、洗わなきゃ」
軽く舐めまわした後。
やつは顔を洗い始めた。
畜生。
終わりか。
女「ねえ」
なんだよ。
男「あん?」
女「体、洗ってもらえるかな?」
きたああああああ!!
女「背中だけ」
……来てなかった。
背中だけタオルをとり。
前は完全に防御。
すげえよ。
なんで見せてくれねえんだよ。
男「前はいいのか」
女「恥ずかしいよ」
……むう。
そんなもんかなぁ。
女「それにさ」
男「おう」
女「見せたら、軽いおんなだと、思うだろう?」
軽いとは思わないが。
それでも、いいか。
なんか。
神秘的な感じがするし。
男「じゃあ、背中洗うぞー」
女「よろしく頼む」
小さな背中を。
俺は、一生懸命洗った。
同じところをスリスリと。
一所懸命に。
女「くすぐったいよ」
くすくすと笑う。
男「うるさい」
女「体で洗ってくれるかい?」
誰がするかよ。
そして。
風呂を出て。
一緒に手を腰にあてて牛乳を飲み。
テレビ番組を観て。
一緒に寝て。
一つには、なれず。
一日が終了した。
男「おい、まだか?」
女「待っておくれよ」
充分待った。
男「何やってんだよ」
女「もう少し待ってくれ」
俺をいきなり部屋から出しやがって。
いい加減に、しろ。
男「何やってんだよ」
ドアを開けて、部屋に入る。
女「あ」
男「あ」
着替え中だった。
男「すまんっ!」
女「ふふっ、不可抗力さ、仕方ない。でも……彼氏さんに着替えを見られるのは恥ずかしいから」
俺はすぐに部屋から出た。
恥ずかしい。
今日は約束通り、やつと出かける。
どこに行くかわからないけど、まあ、どこかに。
女「お待たせ」
ほほう、なかなか可愛い服じゃないか。
女「じゃあ、行こうか」
と、ニッコリと笑う。
俺は自転車にまたがる。
そして、その後ろの席に横向きに座るやつ。
男「どこ行くんだ?」
女「んー……行きたいところまで」
どこだ。
男「まあ、適当に行くか」
女「適当なところに行くんだね」
そうだ。適当かつ、適当に。
男「それじゃあ……」
女「出発進行ー」
俺は自転車のペダルを踏み込んだ。
End
無事終了。
こんなにたくさんの人に見てもらってるとは思わなかった。
ボクッ娘は正義だと証明できた。
保守ばっかりさせて申し訳なかった。
そして、見てくれてありがとう。
次スレっていう作りには絶対にしない。
でも、またボクッ娘SSは書く。
ハロウィンやらクリスマスに会いましょう。

