父「ああ、すまないがお前も飲んでもらえないだろうか…」
男「俺の意思はどうなるんだよ!」
父「本当にすまないと思ってる。でもこのままだとうちの会社は破産なんだ…」
男「……」
父「相手はうちのライバル社なんだが、向こうもなかなか経営不振の様でな。お互いに苦渋の選択なんだ」
男「だから俺の意思は…」
父「頼む!男!」
男「わわ、頭上げてよ!みっともない!」
父「頼む…」
男「……わかったよ。いいよ」
元スレ
男「ええ!?俺に許嫁!?」
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1301860111/
父「本当か!?」
男「うん…」
父「そうか…ありがとう、男」
男「いいよ、別に…」
父「それでなんだが…」
男「ん?」
父「実はこれからその相手と会うことになってるんだ…」
男「は?え?俺の意見も聞かずに承諾しちゃってたの?」
父「すまん…」
男「それに、そうならそうと早く言ってくれよ!俺にだって気持ちの整理が…」
父「本当にすまん…お前の意思を踏みにじることになると思うと言い出しづらくて…」
男「はぁ…」
父「とにかく早く準備してくれ。すぐに出ないと」
ブロロロロ…
男「で、相手はどんな人なの?」
父「ちょっと待ってろ、写真を貰ったんだ。ええと…」
父「…すまん、家に置きっぱなしだった」
男「はああ!?顔を一回も見ずにお見合いに行けっていうのかよ!」
父「すまんすまん、だが結構な美人だったぞ。お前にはもったいないくらいだ」
男「それなら、まあ……」
父「お、そろそろ着くぞ。あそこの日本料理店だ」
父「あ、どうも。すいませんお待たせして」
許嫁の父「これはこれは。今日はよろしくお願いいたしますぞ」
父「はい、こちらこそ…」へこへこ
男(相変わらず、父さんは謝ってばかりだ…)
許嫁の父「お、そちらが男君…かな?」
父「あ、そうです。ほら、男、挨拶しろ」
男「ど、どうも…」
許嫁の父「はっはっはっ、そう固くならなくてもいいぞ」
許嫁の父「さて、部屋に入ろうか」
父「あの、娘さんは?」
許嫁の父「ああ、娘はお手洗いに行っております。後で来るので先に入って待ってましょう」
父「そうですか、では…」
許嫁の父「それでですな…」
父「ははっ、それはそれは…」
許嫁の父「でしょう。おっと、酒を…」とっとっとっ
父「ああ、これはどうも」
男(遅いな…いつまで経っても来やしないじゃないか。父さんたちはもう顔真っ赤だし…)
許嫁の父「それにしてもうちの娘はまだ便所から出てこないのか」
父「どうしたんでしょうかねぇ」
ガラッ
許嫁「すいませーん、遅くなってしまって」
許嫁の父「おお、待ちくたびれてたぞ。なにしてたんだ」
許嫁「ちょっと気分が優れなくて…」
許嫁の父「まあいい、座った座った」
許嫁「失礼します」ちょこん
男(び、美人…というか可愛い…それに和服がよく似合ってて…)
許嫁の父「遅くなってすまない…紹介しよう、娘だ」
許嫁「許嫁と申します…」ぺこっ
男「ど、どうも…… って、許嫁さん!?」
許嫁「はい?」
男「許嫁さんだよね?隣のクラスの…」
許嫁「そうですけど、何か?」
男(ま、ま、まさか…相手はあの超絶美少女の許嫁さんだったとは…)カァァ
父「おお、顔が赤いぞ男?」
男「う、うるさい…」
許嫁「♪」にこっ
男「~~~~っ!!」ドキドキドキドキ
許嫁の父「なんと、娘のことを伝えていなかったのか!」
父「ええ、それにしてもびっくりでしたね。まさか同じ学校だったとは…」
許嫁の父「私は娘から聞いておりました。おっと酒…」
父「ああ、どうも…」
許嫁「…」ぱくっ
男(許嫁さん…やっぱり可愛いなあ…見とれてしまう…)ポォー
許嫁「あの、私の顔に何かついていますか?」
男「い、いえ!何も!!」
許嫁「うふっ、おかしな人っ」
男「ははっ…」ドキドキドキドキ
許嫁の父「さて、本題に入ろうか。単刀直入に言うが、お互いどう思う?結婚しても…」
男「けけけ、けっこん…」
許嫁「かまいませんわ。男さんとなら喜んで…」
男「…!」ぼんっ
許嫁の父「そうかそうか、で、そちらは?」
男「お、俺も…いや、僕も、喜んで……」ドキドキドキドキ
父「それはよかった…」
許嫁の父「成立だな。これで第一段階はクリアだな」
男「第一段階?」
許嫁の父「そう、第一段階だ。そして第二段階は…」
父「私たちの会社が合併するに当たって、社名をどうするかだ」
男「………は?」
許嫁の父「バンダイナムコ、タカラトミーという会社があるのを知ってるな?」
男「はい…」
許嫁の父「だが、もしかしたらそれらの社名は、ナムコバンダイやトミータカラになっていたかもしれない」
男「はあ…」
父「つまり今から私たちが決めるのはそういうことだ」
男「…………………………はあ…」
許嫁の父「決め方は君たち若い二人にかかっている」
男「俺と、許嫁さん?…」
許嫁の父「そうだ、二人には…」
父、許嫁の父「ジャンケンをしてもらう」
男「…………そんな決め方でいいの?」
父「ああ、頼むぞ!我が社の運命はお前にかかっている!」
男「なんだかなぁ…」
許嫁「さ、男さん?いきますよー」
男「あ、はい…」
許嫁、男「じゃーんけーんぽんっ」
許嫁の父「おおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
父「ああああああああああああああああああああ!!!!!!」
許嫁の父「よくやったぞ!よくやったぞ許嫁!!!」
許嫁「えへっ」
父「男おおお!!!男おおおおお!!!!」
男「…ごめん、なんか…」
父「いいぞ、お前はよくやった…よくやったんだ……」
男(ジャンケンしただけじゃん…)
許嫁の父「フフン。そういうことで社名は私の会社が先、ということで」
父「チクショウーーーーーー!!!!」ぐびぐびぐび
男「ああ、父さん!」
父「ハァ、ハァ…」げんなり
男「ごめん、ホントごめん…」
父「……………………」
許嫁の父「さて、最後に…婿入りするか、嫁入り道具するかだが…」
許嫁の父「婿入りでいいですな?ウチ勝ったし」
父「ドウゾ」
男(え、ええー……)
許嫁の父「しかし法律上まだ結婚はできん。ということで結婚できるようになるまで、男君をうちに住まわすということで」
男「え、ちょっと…」
父「カマイマセン」
男「ええーー!?」
許嫁「……………」
許嫁の父「それじゃあ、これでお開きということで」
父「はい、どうもありがとうございました」
許嫁の父「これから宜しくお願いいたします」
父「こちらこそ…」
男「じゃあ、これで…」
許嫁の父「おっと、男君はこのままうちに来てもらうぞ」
男「え…」
父「強く生きろ」
男「……」
許嫁の父「さ、行くぞ」
許嫁「お荷物お持ちしますね」
義父「さあ、着いたぞ。今日からここが君の家だ」
男(大きな和風の屋敷だなあ…)
義父「さ、あがってくれたまえ」
男「…お邪魔します」
義父「ははは、そう固くならなくてもいいぞ」
男「は、はい…」
親父「部屋は女中に片付けさせておいたから、好きに使いなさい」
男「あ、ありがとうございます…」
男(うわあ、広い和室だな…)
女中「お着物置いておきますね」
男「あ、どうも…」
男「…って、俺着物の着方分からないよ…」
男「こうか?…えーい、こうか?」
許嫁「くすっ、随分手こずってるわね」
男「あ、許嫁さん…」
許嫁「手伝ってあげましょうか?」
男「あ、お願いします…」
許嫁「ここの紐を結んで…」
男「あひっ!」
許嫁「ちょっと、変な声を出さないで」
男「だ、だって脇腹に触るから…」
許嫁「ぐちぐちうるさいわね。静かにしないとやめるわよ」
男「ひっ!ごめんなさい…」
男(な、なんかお見合いの時と性格違う…こええ…)
許嫁「はい、できたわ」
男「あ、ありがとうございます…」
許嫁「次からは一人でできるわよね。それじゃ」
男「………」
男「学校じゃ人当たりもよくて、みんなの、特に男子からの人気がすごい高い許嫁さんなのに…」
男「家じゃ怖い人なんだな…はぁ…」
男「で、でもやっぱり、前から思ってた許嫁さんとこんな関係になれたのは奇跡だな」
男「なんとか仲良くやっていきたい…」
女中「男さん、晩御飯の時間です。今夜はご馳走ですよ」
男「あ、はい!今行きます」
女中「さ、どうぞ。許嫁さんの隣に座ってください」
許嫁「あっ…」にこっ
男「…!」ドキッ
男(な、なんなんだ…さっきまでつんけんしてたのに…)
義父「まあまあ、座ってくれたまえ男君。今夜は君たちの結婚パーチーだよ」
男「あ、それはどうも…」てれてれ
許嫁「男さん、何を飲みます?」
男「あ…じゃあ烏龍茶を…」
許嫁「おつぎしますね」
男「あ、ありがとう…」ドキドキ
義父「うんうん、夫婦仲がいいじゃないか。それでは二人の門出を祝って、乾杯!」
義父「がはは、男君、もっと食え食え!あ、酒も飲むか?」
男「あ、いや…」
許嫁「もう、お父さん。私たちまだ未成年ですよ?」
義父「ははは、厳しいな許嫁は。それにしても随分仲がいいじゃないか。べたべたしやがってぇ!」
男(そうなんだよ…許嫁さん、さっきから僕にもたれかかって腕に抱きついてくるんだよ…)
男(む、胸が当たって…)
義父「いやあ、うまくいってるみたいでよかったよ。許嫁がいいと言ってくれたとはいえ、結局は政略結婚だったからね」
男「そんな…僕の方こそ、許嫁さんと結婚できて幸せです」
許嫁「男さん…」カァァ
義父「くうう、言ってくれるじゃねえの!早く孫の顔がみたいわい。あ、今晩作ってもいいぞ!がはは!」
許嫁「ちょ、ちょっと!もう…」
男「いやあ、ご飯美味しかったですね。許嫁さん」
許嫁「……」
男「許嫁さん?」
許嫁「うるさいわね、話しかけないで頂戴」
男「ひっ!」
男(ま、また怖い許嫁さんだ…)
男「な、なんでそんなに…」
許嫁「何?私の態度のこと?」
男「…はい……」
許嫁「…ふぅ、お父さんいないわよね?」
許嫁「本当のことを言うと、私は結婚なんかしたくなかったのよ」
男「え……?」
許嫁「まだまだ学生生活を満喫したかったし、恋もしたかった」
許嫁「でもうちの会社状況は知ってたし、なによりお父さんがすごい困ってるのも知ってた」
許嫁「だから、私一人が『不幸』になることにしたの」
男「そんな…」
許嫁「だから私、あなたのことが嫌い」
男「………」
許嫁「あ、家族の前ではあたかも順風満帆な夫婦でいてよね。でないと困るから」
男「……………そんなことまでするくらいなら…」
許嫁「結婚なんてしなければよかったって?馬鹿言うんじゃないわよ。結婚しなければ私たち共倒れだったのよ?」
男「…………」
許嫁「ふう、私お風呂に入ってくるから。あなたは部屋で大人しくしてなさい」
男「………………」
男「なんかすごいショックだな…」
男「…不幸か…俺と結婚して、不幸、か……」
男「…何してるんだろうな、俺…」
男「はぁ…家に帰りたい…」
男「………」
男「……………」
許嫁「お風呂、上がったわ。次あなたが入っていいから」
男「あ、はい… …あっ」
許嫁「なに?」
男「いや、お見合いの後そのままここに来たから、代えの下着がないなって…」
許嫁「一晩くらい我慢しなさい。私も着物の時はいつも下着つけてないわ」
男「えっ!」
許嫁「…なによ、そのやらしい目つき。鬱陶しいわね。さっさと入ってきなさい」
男「は、はい、すいません…」
男「な、な、な、なんだよ…下着つけてないって…」
男「確かに着物の着方としては正しいのかもしれないけど…」
男「そんなこと知ったら、俺…」むらむら
男「はっ、いかんいかん!万が一こんな所でオナニーなんかしたら…」
許嫁『あなたが汚らわしいことをするせいで排水溝が詰まってしまったじゃない。これだから盛りのついた犬を家に置いておくのは嫌なのよ』
男「とか絶対言われる!煩悩退散煩悩退散!」
男「ふぅ、さっぱりした。…って」
男「な、なんで俺の部屋に布団が二枚も敷いてあるんだ…?」
許嫁「入っていいかしら?」
男「え!ひゃ、ひゃい!」
許嫁「なによ、変な声出して。気持ち悪いわね」
男「そ、そんな!それよりなんで…」
許嫁「ああ、お布団?女中さんが勝手に敷いちゃったのよ」
男「そ、そうなんですか」
許嫁「言っておくけど、変な事したら絶対に許さないからね」
男「し、しませんよ!」
許嫁「じゃ、私もう寝るから」
男(にしても、わざとらしく枕元にティッシュが置かれてるし…)
男(やっぱり変な事考えちゃうよなぁ…)
男(というか最後に抜いてから何日経ったっけ…そろそろ鬱憤がたまりすぎて大変なことに…)
許嫁「もう眠ったかしら?」
男「いや、まだです」
許嫁「早く寝てくれないと困るわ。安心して寝れない」
男「…そんなに俺信用ないですか…」
許嫁「ええ。やらしいことを考えてる顔をしているわ」
男「うっ…」
許嫁「とにかく早く寝て。私朝早いんだから」
男「は、はい…」
男「んー…ん、朝か…」
男「まだ7時前か…眠い」
男「あれ、許嫁さんがいない。ホントに朝早いんだな」
男「ううぅ…今日も寒いなあ…布団から出たくねえなあ…」
男「…あああ、起きる!」
男「あ、許嫁さん。おはようございます」
許嫁「…おはよ」
男(うわ、めっちゃ眠そ…それに機嫌もすごい悪そうだ…)
男「い、いやあ、ホントに朝早いんですねえ」
許嫁「ええ、まあね」
男「こんな朝早くおきてなにしてるんですか?」
許嫁「なにしてたっていいでしょ。いちいちうるさいわね」
男「…ごめんなさい」
許嫁「だいたいあなたのその敬語口調を聞いているといらいらするのよ。いい加減やめてくれないかしら、不自然だし」
男「ヒイィィ」
義母「あらあら、翌朝からすでに破局かしら」
男「あ、おはようございます」
義母「朝ご飯、できたわよ」
男「うわあ、おいしそうですね」
義母「ちょっと急いで食べないとまずいかもね。早めに出ないと」
男「そっか、自分の家の感覚でものを考えてた…」
許嫁「私もう行くから」
義母「ちょっと、ご飯はー?」
許嫁「自分で作って食べた。いってきまーす」
義母「あらあら」
義母「男君、置いてかれちゃったわね」
男「ええ…」
義母「駅までの道とか分かる?」
男「ああ、多分大丈夫だと思います」
義母「そう、ならいいんだけど…あっ」
義母「あの娘お弁当忘れてっちゃったみたい。もう、そそっかしいわねぇ」
男「ははは…」
義母「悪いけど届けてもらえるかしら?」
男「いいですよ」
男「駅まで結構遠いんだな…というか途中迷ったし…間に合うかな…」
男「というか一時間目体育だし…はぁ…」
男「体育に遅刻って最悪なパターンだよなあ…みんな整列してるからなんか気まずいし…」
間もなく電車到着します 危ないですから~~
男「あ、やっと電車きた」
体育教師「遅いぞ、男!」
男「はぁはぁ、すいません…」
男(うわあ、なんかみんなの視線が痛い…)
許嫁「…………」
男(そうだ、隣のクラスも一緒にやるから許嫁さんもいるのか…やべ…)
体育教師「それじゃこれから10分くらいアップをして……」
体育教師「よし、やめ!それじゃあいつも通り好きにダブルスのペアを組んでくれ」
男「おーい、男友」
男友「おう、お前また遅刻とかやってくれるな」
男「うっせ」
チャラ男「あー、今日あいつサボってるから奇数じゃん。だりー、先生ー」
体育教師「なんだ?ああ、そうか、今日は奇数人だったな。仕方ない、俺と…」
許嫁「先生、余りました」
体育教師「そうか、女子も奇数なのか」
許嫁「友1ちゃんいないから…」
体育教師「あ、じゃあちょうどいいな。お前ら二人組んじゃえ」
チャラ男「おっ、よろしくー」
男「…ん?」
男友「一回戦は…チャラ男と許嫁さんのペアと相手だってさ」
男「へぇー」
男友「許嫁さん、いつもバド上手いし、チャラ男もそれなりだし、初戦からきついなぁ」
男「というか負け確だろ」
男友「だな、俺らだめだめだしな…」
チャラ男「あっ、俺取る!」バシュッ
男「っと」バシュッ
男「あ、ネット…」
チャラ男「いぇーい」
許嫁「チャラ男君上手いわね」
チャラ男「いやあ、たまたまでしょ!」
キャッキャッ
男「…………」
男友「おい、お前さっきから余所見多いぞ。だいたいさっきの奴アウトだったろ」
男「悪い」
男「はあああぁぁぁ~~~」
男友「なんだよ、でっかい溜息ついて。あれか?さっきの体育で許嫁さんが…」
男「ば、馬鹿!声でかいよ!」
男友「え?ははは」
男「……はぁ」
男友「ほらまたー。お前どんだけピュアハートなんだよ」
男「うっせ」
男(仕方ないだろ…許嫁さんの本音を知ってるのに、あんなのを見ちゃったら…)
男友「あ、次数学か。宿題やってねー」
男友「ん?あれ?授業終わった?」
男「お前爆睡しすぎ」
男友「あはは、まあな」
男(そうだ、許嫁さんに弁当渡さないと…)
男「男友、ちょっと用があるから行ってくるわ」
男友「ん?おお」
男(っと…教室のど真ん中で弁当渡すのはまずいよな…何か関係を疑われてあとで許嫁さんに怒られそうだ…)
男(で、でも…どうしよう…)おろおろ
許嫁(あいつ…なに教室の前でうろうろしてるのかしら)
友2「それでさー…」
許嫁「あ、ちょっとごめんね」すたすた
友2「?」
許嫁「何の用?」むすっ
男「わっ!あっ、いやっ、その……」
許嫁「さっきから教室の前でうじうじうじうじ…用があるなら呼べばいいじゃない」
男「す、すみません…」
許嫁「敬語」
男「…ごめん」
許嫁「…で?」
男「これ、お弁当届けてって許嫁のお母さんが…」
許嫁「ああ、ありがとう。うっかりしてたわ」
男「じゃあ俺はこれで…」
許嫁「あ、待って!」
許嫁「もう一つお弁当箱があったとおもうんだけど…」
男「え?あれって俺のじゃ…」
許嫁「あっ、あなたが持ってるんだったらいいの。それじゃ」
男「…?」
友2「ねえねえ、さっき話してたの誰?」
許嫁「別に。あなたが想像しているのじゃないわ」
友2「なぁんだ。つまんないの。でも可愛かったなあ…ああいうのタイプかも」
許嫁「はぁ?あれが?」
友2「あれ、ずいぶん食いつくね?」
許嫁「あなたの将来を心配してるのよ」
男友「さー、飯食おうぜ」
男「おお」
男友「あれ、お前が弁当なんて珍しいじゃん」
男「えっ、ああ、まあな」
男友「しかも美味そう」
男「おめーにはやらねえからな」
男(さっきの許嫁の言葉…引っかかるな…何だったんだろう…)
男(まさか二つとも許嫁の弁当だったのか?)
男(それとも別の誰かのための弁当だったのか?でもそういうのは普通母親には作らせないよな…)
男友「なんだ?お前難しい顔して」
男「午後の現代文のことを考えたら憂うつになってきたんだよ」
男友「ああ…あいつの授業はうるさいからな…」
男友「ふあぁ~…」
男「午後の授業をぶっ続けで寝る奴があるかよ」
男友「いくら寝ても寝足りない」
男「一生寝てろ」
男友「それじゃ、俺は部活だから。お前はいつも通り帰宅部だろ?じゃあな」
男「おお」
男(さて、どうしよう…許嫁と一緒に帰るべきか…)
男(やめとこ…なんか怖そうだ…)
男(ん…あそこにいるのは…)
チャラ男「ごめーん、待ったー?掃除してないの見つかっちゃって」
許嫁「ううん、それじゃ早く帰りましょ」
男(また…あのふたり…)
男(あのふたりって、なんだか仲良さそうだし…なんなんだろう…)
男(まさか…許嫁の本当の好きな人…だったりして…)
男「は、はは……」
男「…………」
男「…………………」
男「…………………………」
チャラ男「そんじゃ、俺ここの駅だから」
許嫁「ええ。またね」
許嫁「…それで、さっきからずっと私をじろじろ見てたのはあなた?」
男「え…あ……」
許嫁「気づいてないと思ってたのかしら?」
男「………」
男「あの…」
許嫁「なに?」
男「チャラ男と許嫁って…その…」
許嫁「なによ。あなたに逐一私のことを報告しなくちゃいけないわけ?」
男「いや、そういうわけじゃ…」
許嫁「なに?まさかそれでさっきからずーっと私のことうじうじ見てたわけ?」
男「………」
男(や、やっぱり…)
義母「あら、おかえりなさい」
許嫁「ただいま」
男「ただいま…」
義母「あ、男くん、荷物が届いてたから部屋に運んでおいたわ」
男「あ、ありがとうございます」
義母「なんか機嫌悪いわね、あの子」ぼそっ
男「ええ、まあ…」
男「あ、そうだ。お弁当箱出しときますね。お弁当おいしかったです」
義母「ん?」
男「なんですか?」
義母「いえ、なんでもないの。洗っておくわね」
男「?」
男「………」
許嫁「ねえ」
男「ん、あ、なに?」
許嫁「ずーっとそんな調子だけど」
男「……」
許嫁「はぁ…。もう寝るから。電気消すわね」
男「うん…」
許嫁「明日も早いから。おやすみ」
男「………」
男友「なあ、お前暗いぞ」
男「ん、んー…」
男友「あれか?失恋か?」
男「うるせーよ」
男友「失恋か。ドンマイ!」
男「まだ失恋って決まったわけじゃ…」
男友「お?往生際の悪いオトコは嫌われるぞー?」
男「…そうだな」
男友「…?まあいいや、飯食おうぜ。おっ、お前また弁当か」
男友「話引きずって悪いけどよ、隣のクラスのチャラ男っているじゃん?あの女垂らしの」
男「ああ、あいつね。うん」
男友「あいつがさ、今許嫁さんを狙ってるらしいよ」
男「へー」
男友「なんか無関心だなお前… それで、チャラ男が今日の放課後告るらしい」
男「どこでそれを?」
男友「許嫁さんと仲のいい友1って奴から」
男「そーなんだ」
男友「お前それでいいのかよ。なんなら今お前が告白しにいけば…」
男「いいよ、もう…」
男友「……」
男(といいつつも、気になって見にきてしまった…)
男友「はあ、気になるんだったら先制打っときゃよかったじゃん… あっ」
友1「こっちこっち!始まってるよ」
友2(あ、昨日の彼)
男友「なんだよお前らも覗きかよ。趣味悪いな」
友1「覗きじゃないよ!許嫁ちゃんに頼まれてるの。相手はあの有名なチャラ男君だよ?」
友2「あたしたちは護衛って感じ」
男友「ふうん、護衛ねぇ…」
友1「その口振りからだと、あんたとそっちのお友達こそ覗きに来た感じでしょ?」
男友「あはは、まあ…」
チャラ男「だからさあ、その…付き合ってくれよ…」
許嫁「……」
男友「言ったな…」
男「………」
許嫁「ごめんなさい。私、今付き合っている人がいるの」
男「…!?」
チャラ男「え、でも先週一緒に帰ったときは…」
許嫁「ごめんなさい」
許嫁「ただ付き合ってるだけじゃないの。結婚も控えてるわ」
チャラ男「はは、結婚って…」
許嫁「私の家がどんな感じか知ってるでしょ?所謂許嫁っていうやつよ」
チャラ男「そんな…」
チャラ男「まさかじゃないけど、俺の知ってる奴とかじゃ…ないよね?」
許嫁「…?多分知ってると思うけど…」
チャラ男「じゃあそいつを今すぐここに呼び出してよ」
許嫁「私、その人の携帯番号知らないわ」
チャラ男「あ!?」
友1「あれ、これってなんかヤバイ空気じゃ…」
チャラ男「同じ学校の奴と結婚の仲までいってるのに携帯の番号知らないんだ?」
許嫁「そうよ」
チャラ男「はああ~~。嘘でしょ?嘘ついてまで俺と付き合いたくないんだ?」
許嫁「嘘じゃないわ」
チャラ男「もういいよ。クソッ、許嫁さんはそんな人じゃないと思ってたのに」ぐいっ
許嫁「ちょっと、ここ学校よ?」
チャラ男「いいんだよ、俺の好きにさせろよ」
友1「ちょ、ちょっと、男友!早くなんとかしなさいよ!」
男友「え、お、俺!?でも…」
男「や、や、やめりょ!!!」
チャラ男「あ?誰だよお前」
男「お、俺は…えっと…」
許嫁「ちょうどいい所に来てくれたわね、男」
チャラ男「あん?」
許嫁「紹介するわ。私の許嫁の男よ」
男「そ、そうだ!許嫁だ!」
チャラ男「ずいぶん都合がいいもんだな」
許嫁「本当のことだもの」
チャラ男「はあ~~~。またそうやってまた嘘を重ねるんだ」
許嫁「だから嘘じゃないって…」
チャラ男「じゃあなにか証拠でもあんの?」
男「しょ、証拠は…」
チャラ男「外野は黙ってろ!!」
男「は、はひ……」
許嫁「ふぅ、自分で言うのもなんだけど、私の身持ちの固さは知ってるわよね?」
チャラ男「え?ああ…」
チャラ男(だから俺はそこを狙って…)
許嫁「じゃあ、これでも充分証拠になるわよね」
チャラ男「あん?」
許嫁「男、キスしましょ」
男「え!?」
チャラ男「!?」
男「でででででで、でも!」
許嫁「なによ、昨日もあんなに激しくしたじゃない。舌まで絡ませて」
男「え、え?」カァァ
許嫁「ほら、早く」
男「じゃ、じゃあ…」
チャラ男「お、おい…」
男「……」
許嫁「……」
男(うぁ…許嫁の唇柔らかい…俺、許嫁とキスしてるんだ…)
許嫁「んっ…」ちろっ
男(し、舌…いいのか?いいんだよな、さっきそんなこと言ってたし…)
男「んっ、んんっ…」
許嫁「んちゅっ、ふっ…れろっ…」
男(や、やべえ、何も考えられねえ…)
許嫁「んんっ、ふぁ…ちゅっ…」
チャラ男「チッ……」スタスタ
チャラ男「あんだよ、お前ら」
友2「あっ、いやあ…」
男友「その…」
チャラ男「チッ」スタスタ
男友「ふう、なんとか危機は逃れたみたいだな」
友1「でもあっちはまだ何かやってる」
友2「すごい…」
友1「それにしても知らなかったよ、許嫁ちゃんがあっちの彼とそういう仲だったなんて」
男友「え、あれってとっさについた嘘じゃないの?」
友1「え、嘘なの?」
友2「昨日はあっちの彼とはなんでもないって言ってた」
友1「照れ隠しじゃないの?」
男友「でも男は許嫁さんに失恋云々でこそこそ覗きにきたんだぜ?」
友1「そうなの?」
友1&友2&男友「うーん」
男「んっ、ふうぅっ、…」
許嫁「んちゅっ…れろっ…ふぁ…」
友1「やっぱり嘘じゃないよ。許嫁ちゃんはあんたみたいに尻の軽い女じゃないわ」
友2「な、なによ!軽くないわよ!」
男友「ま、まあまあ…って、なんかあっちさっきよりすごいことになってないか…?」
友1「うわっ…、というか男君がどんどん求めてるように…」
友2「激しい…」
男「んっ…!れろっ、ちゅっ、ちゅるっ…!」
許嫁「んぅ…ちゅっ…」
友1「ちょ、ちょっと、なんか押し倒されてない?」
男友「わああ!!男、駄目だ!悪いがここは学校だ!」
友2「おしまい!」
男「ちゅぱっ…はぁ、はぁ、はぁ…」
許嫁「はぁ、はぁ…」
友1「もうチャラ男君どっか行っちゃったよ!」
許嫁「知ってるわよ…でもこの発情犬が…」
男「はぁ、はぁ…ごめん……我慢できなくて……こんなの初めてだったから…」
許嫁「ホント最低」
友1(許嫁ちゃん、そんなに罵倒しても、雌の顔してるよ…)
男友「そっか、一応二人は本当に彼氏彼女だったわけか」
男「でも…」
男友「まあ、仕方ないわな…」
男「……」
男友「それにしても、いくらぞんさいに扱われてるからって、あれはやり過ぎだろ」
男「だって…」
男友「あーはいはい、言い訳は彼女の前でしろよな。じゃあ俺ここだから。じゃな」
友1「許嫁ちゃん、大丈夫だった?チャラ男君…」
許嫁「ええ、でも怖かったわ。本当に乱暴されるかと思った」
友2「でも、よかったね」
友1「二人のラブパワーで…」
許嫁「…はじめてだったのに」
友2「え」
友1「それって、彼とのキスが?それとも許嫁ちゃん自身のが?」
許嫁「両方よ」
友1&友2「………」
男「ただいまー」
義母「おかえりなさい。あら、今日は二人一緒じゃないのね」
男「あ、はい…もうすぐ帰ってくると思います」
許嫁「ただいま」
男「ほら」
義母「ほんとね。あ、お弁当箱出しちゃって。洗い忘れちゃうと大変だから」
男「あ、はい。今日もお弁当おいしかったです」
義母「ん、んんー…」
男「…?なんですか?」
義母「や、なんでもないわ。ありがとうね」
義母(あの子も素直になればいいのに…)
許嫁「さ、もう電気消すわよ」
男「う、うん…」
許嫁「それじゃ、おやすみ」
男「あ、あの…」
許嫁「なに」
男「き、キスしたい…」
許嫁「はぁ、一度キスさせてあげたからって調子に乗らないで」
男「そ、そんな…いいでしょ?」
許嫁「いい加減にして。おやすみ」
男「……」
許嫁「男、寝ちゃった?」
男「…?」
許嫁「意地悪言っちゃってごめんね。やっぱりしたくなっちゃった…」
男「な、なにを?」
許嫁「キス」
男「っ!!」
許嫁「しましょ、夕方の続き」
許嫁「んちゅっ…れろっ…」
男「んくっ…ちゅっ…」
男(ああ、やっぱり幸せ…許嫁とこんなことできるなんて…)
男(というかキスってこんなに気持ちいいんだ…体中が痺れる感じ…)
男(気持ちよすぎて…あれ、なんか…)
男(で、出そう!?」
男(や、やばいって!)
許嫁「んふっ、れろっ、ちゅぱっ…ちゅっ…」
男(駄目だって!あっ、あっ…)
男「あっ!!!!!」
男「ゆ、夢?俺はなんて夢を…」
男「…なんかパンツの中が温かい気が…寝汗だよな、寝汗…」
男「……なんかだんだん冷えてきて…」
男「…うん、間違いない、やってしまった」
男「………………はぁ」
男「…洗いにいこう…」
男「はぁ…寒い…うっ、気持ち悪…」
許嫁「…もう、こんな時間になにしてるのよ?」
男「い、許嫁!こ、これは…」
許嫁「あなた寝言うるさすぎ。おかげで目が覚めちゃったじゃない」
男「うっ…まさか変な寝言とか言ってなかったよね…?」
許嫁「………」
男「え…?」
許嫁「はぁ……」
男「ええ……」
許嫁「下着、脱ぎなさい。汚れちゃったんでしょ?洗ってあげるから」
男「えっ、いや、いいよ…自分で洗うし…」
許嫁「明日も学校あるんだから。あなたはさっさとお風呂に入ってきなさい」
男「そ、それじゃあ……わっ、いっぱい出てるな…」
許嫁「……」
男「それじゃあ、お願いします…」
許嫁「なんか変な臭いがするし…ぬめぬめしてるのがついてるし」
男「や、やっぱり自分で洗うよ!」
許嫁「だから私がやるって言ってるでしょ」
男「そんな露骨に嫌そうな顔して言わないでよ!」
許嫁「あら、お風呂から出たのね」
男「あ、うん」
許嫁「こっちはまだ…なんか汚れが落ちてる気がしないんだけど…」
男「これくらいでいいんじゃないかな…」
許嫁「そう?じゃあもうあとは洗濯機にまかせて寝ましょう」
男「そうだね…」
許嫁「ああもうこんな時間…明日起きれるかしら」
男「なんか、ほんとすいません」
許嫁「そうね、もうこんなことしないで頂戴」
男「……」
男「ん…朝か…」
男「んー…やっぱり体だるいなあ…」
許嫁「すぅ…すぅ……」
男「はは、許嫁の寝顔、可愛いなぁ…」
男「許嫁の寝顔、見たの初めてか…あれ?」
男「今何時だ…?」
男「…!?7時半!?」
男「おい、許嫁!」
許嫁「んー…うるさいわねぇ…なによぉ…」
許嫁「…!?ね、寝坊じゃない!」
男「急がないと!」
義母「あらおはよう、ずいぶん遅かったわね」
男「お、おはようございます!」
許嫁「もう、なんで起こしてくれないのよ!」
義母「お邪魔かと思って」
許嫁「お邪魔だと思わせるようなことなんてなにもしてないわよ!」
義母「あら、そうなの?」
許嫁「もう、どうしよう…」
男「このままじゃ遅刻…」
許嫁「そうじゃなくて…」
男「?」
許嫁「それじゃ、いってきます」
男「あ、俺も…っと、忘れ物忘れ物」
男「すいません、お弁当…」
義母「あら、今日はないわよ」
男「え?お義母さんも寝坊したんですか?」
義母「うーん、そうじゃないんだけど…」
男「?」
許嫁「ほら、早く行くわよ」
男「ああ、いってきまーす」
男友「飯食おうぜ、男」
男「あ、俺今日弁当ないんだ」
男友「あれ?そうなの?じゃあ久しぶりに食堂行こうぜ」
男「いいけど…お前弁当はどうするんだよ」
男友「部活のあとにでも食うよ。行こうぜ」
男「ああ」
男友「お、お前もカレーか」
男「食堂のメニューの中じゃ一番まともなのこれだけだしな…」
男友「まあな…ん?」
チャラ男「……」ドンッ
男「いてっ」ガシャン
男友「お、おい、なんだよお前!わざとだろ!」
チャラ男「チッ…」
男友「おい、待てって!どこ行くんだよ…くそっ」
男「あーあー、もうどうしよう…」
許嫁「ずいぶん派手に転んだわね」
男「あ、許嫁…」
許嫁「服、汚れなかった?」
男「うん、大丈夫。水かかっちゃっただけ…心配してくれてありがとう」
許嫁「心配なんかしてないわ。汚したものを洗うのは女中さんでしょ」
男「あ、はい…すいません…」ずーん
許嫁「まったく。ほら、立って、拭いてあげるから」
男「う、うわ」
男友「ほお…」
許嫁「これでいいかしら」
男「ん、ありがと…」
男友(こいつら普通にいい仲なんじゃないの)
許嫁「じゃあ私もう行くから」
友1「あ、許嫁ちゃん、こっちこっち!」
男友「あそこらへん空いてるし、俺たちも一緒に食おうぜ」
男「あ、うん。いい?許嫁」
許嫁「勝手にしなさい」
男友「そういえばお前、急に弁当持ってくるようになったと思ったらまたこれか」
男「うん、まあ」
友1「許嫁ちゃんも珍しいね。お母さん寝坊しちゃったの?」
許嫁「え、ええ、そうね」
男「あれ?お義母さん朝寝坊してないって言ってたよ?」
許嫁「そ、そうだったかしら?」
友1「ん?…ふふーん?」
許嫁「なによっ」
友1「べつにー?」
許嫁「なんなのよ、その変な笑みは!き、気持ち悪いわよ!」
友1「んふふふふふ」
男「…?」
許嫁「今晩は大丈夫よね?あなた」
男「ん?なんのこと?」
許嫁「変な気持ちになってないかってこと」
男「あ、ああ…流石に2日連続はないと思うけど…」
男(本当はずっと変な気持ちだけど…)
許嫁「そう、ならいいわ。また夜中に起こされたらたまらないからね」
男「すいません…」
許嫁「じゃあ明日こそ早起きしないといけないから。おやすみ」
男「おやすみ…」
男「ん…目覚めちゃった…まだ暗いじゃん…」
男「水でも飲みに行こうかな…あれ?」
男「許嫁もう起きてるのか…早すぎだろ…」
男「んっしょ」すたすた
男「あれ?台所に人がいる」
男「んーいい匂いだ…あれ?」
許嫁「ふあぁ…」とんとんとんとん
男「なにしてるの?許嫁」
許嫁「…っ!」
男「おはよ」
許嫁「あ、あなたこそこんな早くからなにしてるのよ」
男「いやあ、喉乾いちゃって。なに作ってるの?朝ごはん?」
許嫁「なんでもいいでしょ」
男「なんでもって…あっ…」
男(弁当箱…?)
許嫁「……」
それからずっと許嫁が料理をつくる後ろ姿を見ていた。
そこから表情を読み取ることができなかっけど、どんな顔をしていたんだろう
たまに小刻みに体を震わせているあたり、相当怒ってたのかもしれない。
許嫁「はい、お弁当できたわ。忘れないうちに鞄に入れておきなさい」ぐいっ
男「あ、うん…」
男(そんなにぶっきらぼうに渡すことないのに…顔もこっちに向けてくれないし)
男「あ、あと許嫁」
許嫁「なに?」
男「毎日ありがとう」
許嫁「っ……」
男(うわ、なんか耳まで赤くなってる…怖いから早く行こ…」

