マミ「うそ…うそよね?キュゥべえ…」
キュゥべえ「本当だよ。魔法少女はいずれ魔女になる」
マミ「じゃあ私たちが倒してた魔女って…」
キュゥべえ「同じ魔法少女、ということになるね」
マミ「…救わなきゃ」
キュゥべえ「マミ?」
マミ「みんなを救わなきゃ…」ダッ
キュゥべえ「…」
元スレ
マミ「私がみんなを救ってあげるのよ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1359691905/
さやか「あれ、マミさん?もう魔法少女に変身してたんですか?」
マミ「ええ、まあね」
さやか「目立っちゃいますよ?」
マミ「別にいいのよ、今すぐ魔法が必要なんだから」
さやか「でもパトロールの前にむやみに魔法を使うなって言ったのはマミさんですよ?」
マミ「そうね…美樹さん」
さやか「なんですか?」
マミ「今まで一緒に戦ってくれて、本当に感謝してるわ」
さやか「そんな急に…照れるじゃないですか」
マミ「…」
さやか「マミさん?」
マミ「さよなら」タァン
杏子「~♪」
杏子「?!」
杏子「なんで…さやかが倒れて…?おい、しっかりしろ、さやか!」
マミ「もう死んでいるわ、佐倉さん」
杏子「マミ、どういうことだよ…さやかが死んだってんなら、なんであんたはそんな平気な顔していられるんだよ!」
マミ「彼女は救われたのよ」
杏子「何…言ってんだよ…?!」
マミ「佐倉さん、知ってる?魔法少女はいずれ魔女になる」
杏子「え…?」
マミ「今まで私やあなたや美樹さんや鹿目さんや暁美さんが倒してきた魔女も皆、元は魔法少女」
杏子「…!」
マミ「分かったでしょう?だから救うの」
杏子「だからって…こんなことが許されてたまるか!」
マミ「どうしてそんなことを言うの?私はみんなのためを思ってやっているのに」
杏子「ふざけんな!」
マミ「…!」
杏子「モーロクしてトチ狂ったみたいだね、マミ。じゃああたしがあんたを救ってやんよ」
杏子「バカは死ななきゃ治らないって言うしね!」
マミ「そう…なら楽に逝かせてあげる」ダァン
杏子「なるほど…手加減なしってわけだ」カシャン
マミ「少し痛いけど我慢して頂戴」スゥ…
マミ「痛みは一瞬だから」ズダダダダダダ
杏子「後ろだよ!」
マミ「しまった!」
杏子「そらっ!」ズバァ
マミ「!!」ドサッ
杏子「昔からそうだ、あんたは詰めが甘いんだ」
マミ「…詰めが甘いのはあなたじゃなくて?」ズギュゥン
杏子「痛っ!どうして…首を掻っ捌いたはずだぞ?!」
マミ「皮一枚で繫がったのよ…ほらね」ボロン
杏子「マミ…お前…」
マミ「言い忘れたけど…ソウルジェムが壊れない限り、魔法少女は無敵なのよ」
杏子(くそっ!脚を撃たれた…体が動かない…!)
マミ「苦しいでしょう?今救ってあげる」
杏子(こんな時、回復魔法が使えればな…)
マミ「さよなら、佐倉さん」
杏子(さやか…)
タァン
マミ「少し…疲れたな…」
マミ「ふ、ふふふ…」
マミ「そうよ、これはみんなのためなのよ…みんなは天国で私に感謝しているのよ」
マミ「今まで、やってきたことの人生の償い…それが、これなのよ」
マミ「これは正しいことなんだ、私は間違ってないんだ…」
キュゥべえ「どうしたんだい、マミ」
マミ「キュゥべえ…」
マミ「寄らないで。私たちを騙してたくせに」
キュゥべえ「騙していた?真実を伝えてあげただけじゃないか」
マミ「黙って!あなたは…!あなたは…!」
キュゥべえ「分かった、僕が消えた方がいいみたいだね」
マミ「そうよ、あなたなんてもうお友達なんかじゃない!もう二度と来ないで!」
キュゥべえ「僕は別にそれでもいいけどね」
マミ「ぐすっ…ひっく…なんで…なんでなのよ…!どうして…!うぅっ…」
キュゥべえ「…」
キーンコーンカーンコーン
まどか「マミさーん!」
マミ「あら、鹿目さん。どうしたの?」
まどか「マミさん、さやかちゃんが見当たらないんですよ。昨日の夜から電話にも出なくって…マミさんなら、知ってると思って」
マミ「知ってるわ」
まどか「本当ですか?!今どこにいるんですか?!」
マミ「焦らないで。必ず会えるから。隠したりなんかしないわ」
まどか「だって私、さやかちゃんが心配で…」
マミ「そうよね、それじゃ今日の放課後、公園の噴水の前に来て」
まどか「学校で集まれば、いいんじゃないですか?」
マミ「二人きりで話したいことがあるのよ…ね?」
まどか「は、はい…わかりまし、た…」
マミ「…」
ほむら「…」
ほむら(マミ、あなたはいったい何を…?)
スタスタスタ…
マミ「来たわね」チャキッ
マミ「鹿目さん…もう少しこっちに来て…そう、そこよ」
ダァン
マミ「あなたは…!」
ほむら「信じたくなかったわ…あなたがそんなことをするって」
マミ「どうして分かったの?」
ほむら「まどかから話を聞いたのよ」
マミ「そっか…気付いちゃったんだ…」
ほむら「おとなしく撃たれる気になった?」カチャ
マミ「暁美さん、少し話を聞いて」
ほむら「魔法少女は魔女になる、でしょう?」
マミ「そこまで知ってて…なぜあなたは希望を抱けるの?!いつかはあなたももがき苦しんで魔女になるのよ!化け物になるのよ?!」
ほむら「そうでしょうね」
マミ「だったら…!」
ほむら「でもそれはあなたの行動を正当化できる理由にはならないわ」
マミ「分かってないのね。自分に危機感がないの?」
ほむら「あるわ。あなたよりもずっと、ね」
マミ「だったら苦しむ前に救ってあげるわ」
ほむら「その『救う』ってなんなの?聖女にでもなったつもり?」
マミ「…!」
ほむら「これでもあなたのことを尊敬してるの。これ以上失望させないで」
マミ「…これ以上話しても時間の無駄だわ」スチャ
マミ「安らかに眠りなさい…!」ダァン
ほむら「!!」ダッ
マミ「捕らえたわ」シュルルル
ほむら「ぐっ!」
マミ「あなたも、佐倉さんも、おんなじ。威嚇射撃をすれば足元がお留守になる。そして自分の魂を曝け出す」
ほむら(早く…ほどかないと…やられる…!)
マミ「でもそれでいいのよ。だって魔法少女の幸せなんて、この世にないのよ。誰かの役に立とうとすれば、誰かを苦しめる。それが運命(さだめ)」
ほむら(まどか…)
マミ「だから…私がみんなを救ってあげるのよ」
マミ「暁美さん、二人によろしくね」
タァン
ほむら「ご高説ありがとう、巴マミ」
マミ「な、なんで…?!しっかり絡め取ったはずよ…?!」
ほむら「あなたが自己陶酔に浸ってる間に、これで少々リボンに切れ目を付けて置いたわ」クルクル
マミ「ジャックナイフ…!」
ほむら「あなた、昨日から無理をして魔法を使い過ぎたんじゃない?いつものあなたなら、こんな道具程度で切れるリボンではなかった」
マミ「バカにしているの…?!」
ほむら「ソウルジェムは濁ると、魔力が落ちるのよ。死ぬ前に一つ賢くなったわね」
マミ「あなた…」
ほむら「誤解しないで。本当なら私はあなたも助けたい。でも今のあなたは私には『救えない』の」
マミ「何度も言わせないで。あなたは私に救われるの。私があなたに救われるんじゃない」
ほむら「訂正するわ」
マミ「その気になってくれたの?」
ほむら「あなたの言う『救い』が『死』にあるのならば…私もあなたを救えるかもね。でも私はそうは思わない。これで分かってくれた?」
マミ「これ以上私を惑わさないで頂戴!」カシャ
ズダァン
マミ「あ、銃が…!」カランカラン
ほむら「反応速度も、何もかも、遅くなってる…もう諦めたら?」
マミ「まだよ…私は目に映る魔法少女をみんな、みんな…!」スッ…
ほむら「な、何を…?」
マミ「魔力が尽きていると言ったわね…!見て!私はまだこんな武器を作れるのよ!こんな魔法が使えるのよ!」
ほむら「この公園でその武器を使うつもり?」
マミ「そうよ。いちいち動きを止めて狙いを定めるなんて面倒。体ごと消し飛ばしてしまえば至極簡単」
ほむら(なんて無茶を…!)
マミ「覚悟なさい!ティロ=フィナーレ!」ドォン
シュゥゥゥ…
マミ「ふっ…」
マミ「ふふふふふ…あははははは!」
ほむら「何がおかしいの?」
マミ「な…んで…?」
ほむら「だから言ってるでしょう。もう限界なのよ。グリーフシードならあげる。今からならば罪を償えるかもしれないわ」
マミ「ふざけないで!私はまだ戦えるわ!情けなんてかけないで!何も分からないくせに、知ったような口を聞いて…何もかも見透かしたようにっ!」
ほむら「マミ…お願い、話を聞いて。あなたが死ねば、まどかが悲しむわ」
マミ「うそ!うそ!うそばっかり!この世ではみんな私にいい顔ばっかりして、これっぽちも感謝してないんだわ!」
ほむら「…マミ」
マミ「私がいないときの方がよっぽどいい顔して、笑顔になって…!寂しいのよ!誰かに私を見てほしいのよ!本当の私を!でもそれは、叶わない夢…キュゥべえも、そう…」
ほむら「キュゥべえに…裏切られたのね」
マミ「その知ったような眼をやめてよ!私は、私はただ…ごほっごほっ!」
ほむら「!!」
ほむら「マミ、ソウルジェムが…!早くグリーフシードを!」
マミ「うぅっ!痛い!痛い!痛いぃぃぃぃ!」
ほむら「もういいわ、私がやる!」
マミ「苦しい!あぁっ!いやぁっ!」
ほむら「そ、そんな!グリーフシードを翳しても反応がない…!」
マミ「体が…焼ける…熱い…!あついぃぃぃ!」
ほむら「どうしたら…!」
マミ「あけみ…さん…たすけて…」ドサッ
Candeloro「"#$%&&'%$+`?@」ユラァ…
ほむら「間に合わなかった…か」
ほむら「あの使い魔は…まどかと杏子…そうなのね」
ほむら「楽にしてあげる。安らかに眠りなさい」
Candeloro「$%&"*'%$@+!!」
ほむら「ええ…今更言い訳なんてしないわ。あなたがこうなってしまったのは、私の不手際でもあるから」
ほむら「さようなら、先輩」
キュゥべえ「もう倒してしまったのかい?なかなか強力な魔女に仕上がったと思ったんだけど」
ほむら「全ては計算尽く…だったみたいね」
キュゥべえ「そんなことはないよ。僕らは物事をあるべき方向に進めているんだ。マミの選択だって間違っていない。だからこそ強大な魔女ができたんだ」
ほむら「そうやって人の魂を弄んで…!」
キュゥべえ「珍しく冷静じゃないね。マミは僕に逆らっていたようだけど、結局は傀儡みたいなものだった。君たち魔法少女も皆、例外じゃない」
ほむら「私はそうはならない」
キュゥべえ「どうかな。今回だってマミが勝とうが君が勝とうが、どっちに転んだところで魔女ができた。君の行動に感謝するよ」
ダァン
まどか「ほむらちゃん…!大丈夫?凄い怪我…!」
ほむら「大したことないわ。ほら、こうして問題なく動けてるわ」
まどか「でも…!」
ほむら「私のことなら心配いらないわ」
まどか「マミさんは…?」
ほむら「…」ジワァ
ほむら「ごめん…なさい…」
まどか「ダメ、だったの…?」
ほむら「ごめんなさい…!うぅぅ…!」
ほむら「この時間軸は…まどかも契約している。ワルプルギスに二人で挑むのは無謀…」
ほむら「でもできる限りはやるしかないわね…」
キュゥべえ「やあほむら」
ほむら「今忙しいの。どこかへ行って」
キュゥべえ「まどかが死んだと言ってもかい?」
ほむら「なんですって?!」ダッ
ほむら「これは…!」
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ほむらちゃんへ
私はもう、魔法少女を続けたくないの。だから先に行ってるね。
マミさん、さやかちゃん、杏子ちゃんのところに。
私が魔法少女なせいで、これ以上誰かを傷つけたくないから。誰かが傷つくのも嫌だから。
だから、わがままだけど、ごめんね。ほむらちゃんは、これからどうするのかな?
私はどんな時だってずっと向こうでほむらちゃんを見守ってるからね
まどか
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ほむら「この壊れたのが…まどかのソウルジェム…」
ほむら「やはり魔法少女にさせてはいけないわ」
ほむら「魔法少女は不幸を呼ぶ。マミの言ってたことはそういう意味で正しい…!」
ほむら「哀れな巴マミ、ごめんなさい。私は先にまどかを『救う』わ。その時に、できるならあなたも、他の二人も…」
ゴーンゴーン
ほむら「そろそろ時間ね」
ほむら「まどかが見守ってくれてる…行きましょう、また別の時間軸へ」シュンッ
おしまい
管理人乙です