幼「メリー・ハロウィン」
男「それは子どもがやる事だろ」
幼「私達、まだまだ子どもじゃない」
男「少なくとも俺は大人のつもり」
幼「あら、大人になったの?」
男「もういい年ですから」
幼「浮気者」
男「そういう事じゃない!」
幼「じゃあ今から一緒になっても良いのよ」ギュウウ
男「ハロウィンは良いのかよ」
幼「アダルトチルドレンよ」
男「大人じゃねーか」
元スレ
幼馴染「トリック・オア・トリート」男「いまごろ?」
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1319556300/
男「そもそも何で部屋に来てるのさ?」
幼「いつも通り、勉強を教えに」
男「だからって風呂入ってる間に来ることは…」
幼「お風呂に直接行けばよかったの?」
男「…風呂で何勉強するんだ」
幼「変態」
男「聞いただけじゃん!」
幼「じゃあ何を勉強したいの、言ってみて」
男「……”流れる水の働き”」
幼「貴方の理科は小学4年で止まってるのね」
男「どうもすみませんね」
幼「せめて”人の誕生”まで行きなさい」
男「風呂は!?」
幼「できない?」
男「しません!」
男「あとそのマントみたいなのは何さ」
幼「メリー・ハロウィン」
男「仮装なのか」
幼「シーツをまとって」
男「お化けのつもり?」
幼「マントだから魔女的な」
男「で、マントの下は?」
幼「変態」
男「そうなの!?」
幼「脱がしてみれば?」
男「どうせ水着か下着だろ」
幼「そのレベルなら良いと思ってるのね、変態」
男「俺のバカ!」
幼「知ってるわ」
幼「さて、正解やいかに」ピラ
男「!……なんだ着てるじゃん」
幼「着てないとは言ってないのだけれど」
男「変態と言われたが」
幼「人のマントの中を気にする思考がね」
男「気になるだろうが」
幼「さらに言えばマントの下はそういう事という安直な思考が」
男「返す言葉もございません」
幼「変態さんのお眼鏡には適うかしら?」
男「似合うと思うよ、珍しくフリフリな服だけど」
幼「魔女ですもの」
男「魔女にしちゃ可愛すぎないか?ちゃんと調べた?」
幼「私、子どもだから」
男「魔…」
幼「法少女」
男「ちょっと無理があるんじゃないか」
幼「魔法に道理が通用するかしら」
男「ごもっとも」
幼「多趣味な貴方の為なのよ」
男「ハロウィンはどうした」
幼「とりっく☆おあ☆とりーとっ」
男「魔法のステッキはどうしたのだ、魔法少女よ」
幼「それを取りに来たのだけれど」
男「顔を見て言えよ、変態め!」
幼「魔力の源なのよ」
男「それ魔法少女じゃねーから!」
幼「貴方のゲームではそうだったじゃない」
男「プレイしたのか!?」
幼「プレイはこれから」
男「落ち着きましょうよ」
幼「落ち着いて考えたらもうプレイしてるわね」
男「コスチュームな」
幼「作るの大変だったのよ」
男「ハンドメイドなのか」
幼「足じゃ作れないわ」
男「凄いな」
幼「布がたくさんあったから、思考錯誤よ」
男「結構使ったろ」
幼「貴方の衣装の分無くなっちゃったわ」
男「俺の分もあったの?」
幼「勿論、魔女と対になるように…」
男「何?魔法使い?」
幼「まおとこ」
男「……間男」
男「そういう立場じゃないだろうが!」
幼「私も魔法少女じゃないわ」
男「そもそも妖怪じゃねえ」
幼「でも怖いでしょう」
男「怖けりゃ良いってもんじゃないんですよ」
幼「結局、人間が一番怖いって事よ」
男「どこの小説のオチなんだ」
幼「オチが付いたでしょう」
男「間男エンドとは、お後が宜しくないようで」
幼「創作は創作よ」
男「事実は小説より奇なりと言って」
幼「怖がる必要があるのかしら?」ギュウウ
男「ないな」
幼「お後が宜しいようで」
男「そもそも俺は菓子なんて欲しくは」
幼「美味しいお菓子があるよ、さあおいで」
男「女じゃなくて王じゃないか」
幼「おじさん、呼ばなくて良いの?」
男「どうせ霧か何かだと言われるだけさ」
幼「襲われちゃうわよ、貴方」
男「呼んだら助けてくれるだろうか」
幼「私の味方よ」
男「そんな絶望的な歌曲だったっけ」
幼「女は怖いのよ?」
男「そりゃ王様も裸足で逃げ出すわな」
幼「もう逃がさない」
男「四面楚歌か」
幼「四面歌曲」
男「で、今日は音楽の勉強なんですか」
幼「ハロウィンよ?」
男「英語なのかあ…」
幼「楽しみながら覚えましょう」
男「楽しそうだこと」
幼「楽しくない?」
男「楽しいけどさ」
幼「じゃあ楽しみながら、英語の発音をしてみましょう」
男「子どもか」
幼「トリック・オア・トリート、リピートアフターミー?」
男「…トリック・オア・トリート」
幼「プリーズトリック!」ギュウウー
男「フリーズ!」
幼「このままがいいの?大胆ね」ギュ
男「リリース」
幼「オーライ」パッ
男「トリートで」
幼「はいどうぞ」
男「何これ?」
幼「パンプキンパイ」
男「パイなんて作れるんだ」
幼「他のパイも食べてみて」
男「かぼちゃ以外何かある?」
幼「チェリーパイ」ムギュ
男「変態か!」
幼「欧米よ」
男「ちょっと古いな!」
幼「良く考えたら女はチェリーとは言わないわ」
男「そこかよ」
幼「そこ?どこかにチェリーがあるのかしら」
男「……俺です」
幼「変態」
男「俺だって言ってるじゃないか」
幼「貴方大人じゃなかったの?」
男「パイ貰っちゃったしな」
幼「まだ貰われてないわ」
男「子どものパイで十分です」
幼「ロリコン」
男「そういう事じゃない!」
幼「美味しい?」
男「かぼちゃの甘みが出てて美味いよ」モグモグ
幼「ちゃんとどこが美味しいか言ってくれるのね」
男「細かな気遣いさ」
幼「頑張ったかいがあったわ」
男「これも試行錯誤?」
幼「魔法で一発」
男「馬車の話だろ」
幼「馬車はいまどき流行らないの」
男「最近のトレンドは?」
幼「毒リンゴを王子様に」
男「灰かぶりもビックリの下克上」
男「王子様か」
幼「ただしケダモノ」
男「紳士だよ!」
幼「羊の顔していても、心の中じゃ」
男「古いな!」
幼「でも事実でしょう」
男「羊の顔してる限りは構うまい」
幼「牙をむいても良いのよ」
男「狼じゃないって」
幼「そうよ貴方は王子様、牙をむいて狼を倒すの」
男「野蛮な王子様だ」
幼「ビューティ・アンド・ザ・ビースト。ユーノゥ?」
男「すっげえ自信」
幼「すっげえ事実よ、王子様」
幼「さ、糖分は満ちたかしら」
男「十分に」
幼「じゃあ訳してみましょう」
男「美女と野獣」
幼「そっちじゃないわ、野獣さん」
男「ああ、お菓子をくれないといたずらするぞ。だっけ?」
幼「それは正確な役ではないわ」
男「オアは”さもないと”じゃなかったか」
幼「それで行くと、いたずらしないとおごっちゃうぞ!という意味」
男「そう言えば」
幼「トリック・オア・トリート」ギュウウ
男「おごって下さい」
幼「トリック・オア・トリート」
男「早くおごって下さいよ」
幼「早く召し上がれ」ギュウ
男「おかしい、結果が同じになる」
幼「何もおかしくないわ」
男「何てトリックだ」
幼「トリートだと言っているでしょう」
男「頂きます」モグモグ
幼「パイはあと6切れよ」
男「不吉な数字だ」
幼「ブギーマンも第6弾まで」
男「因縁を感じるね」
幼「運命を感じるわ」
男「殺されるのか?」
幼「キルユー」
男「恐ろしい」
幼「人間が一番怖いと言ったでしょう?」
男「まさかこのパイに」
幼「たっぷり入れたわよ」
男「苦しくなってきた気がする…」
幼「愛で胸がいっぱい?」
男「気がするだけだった、ごめん」
幼「良いのよ」
男「でも殺されるのは嫌だなあ」
幼「キルユー」ムギュ
男「はい?」
幼「キルの意味は魅了する、覚えた?」
男「……はい」
幼「ユーアーデッド」ギュウウ
男「やられたよ」
幼「まだやってないけれど」
男「残機がいくつあっても足りないね」
幼「残り6機よ」
男「残機0からが本当の勝負ですよ」
幼「トリック・オア・トリート」
男「フリーズ」
幼「オーライ」ギュウウ
男「フリーズと」
幼「聞き間違えたわ」
男「射殺されちゃうよ?」
幼「もう貴方にハートアタックされたわ」
男「それ心臓発作」
幼「プリーズキルミー」
幼「キルやトリートは意味が複数あるのよ」
男「トリートを教えてくれ」
幼「勉強熱心ね」
男「対策が見つかるかもしれない」
幼「そんなに嫌?トリート」
男「そういうのはちゃんと手続きを経て」
幼「そう、じゃリップ・オア・トリート?」
男「そうきたか」
幼「譲歩よ」
男「それも劇的であった方が良いんじゃないか」
幼「たしかに、マンネリは寂しいわね」
男「分かってくれたかい」
幼「リップ・オア・ストリート」
男「出て行けとでも言うのか」
幼「少しは劇的な選択じゃない?」
幼「別にもう戻ってくるなって訳じゃないのよ」
男「優しいんだな」
幼「譲歩してあげる、ただし」
男「ただし?」
幼「ポッキー、買ってきて」
男「トリックだ」
幼「トリックは止めたでしょう」
男「そのかわりにリップがくるか」
幼「そう言ったでしょう」
男「……」モグモグ
幼「まだ足りない?」
男「愛でお腹が満ちてきた」
幼「それは良かったわね」
幼「トリートの意味は、おごる、扱う、処理する、治療する、などなど」
男「残機は減ったがボムは増えたな」
幼「トリートミー」
男「肩でも凝ってるのかい、揉んであげるよ」
幼「さっそく使うのね」
男「抱え墜ちはゴメンだ」
幼「トリート…」
男「ショルダー?フット?」
幼「チェリーパイ」
男「欧米か!」
幼「良くできました」
男「本当に凝ってるんだよな?」
幼「そうよ」
男「パンプキンパイを…」
幼「治療するの?貴方」
男「やられた」
幼「まだやってない」
男「逃げ場はないか……」ソー…
幼「そんな危険物みたいに」
男「危険なんだよ」
幼「爆発物ではないわよ」
男「ロボットか!」
幼「癖になったの?その言い方」
幼「普段から触れてるでしょう」
男「自分からってのは一味違うんだよ」
幼「爆発なんてしないから」
男「知ってるよ!」
幼「するとしたら貴方の」
男「顔をっ…見てるな」
幼「理性と言おうとしたのだけれど、ド変態」
男「返す言葉もございません」
幼「ミサイル爆発しそうなの?」
男「そういう言い方やめろ!」
幼「被弾させても良いのよ?」
男「自爆で結構」
男「はぁ…」
幼「気持ちよかった?」
男「…このやり取りなんかダメだろ」
幼「感想を聞いてるのよ野獣さん」
男「まだかろうじて羊だよ」
幼「感想」
男「いつも通り柔らかいです」
幼「ではここで、リップ・オア・トリート?」
男「盛り上がってきたからか」
幼「ええそうね」
男「顔を見ろ!」モグモグ
幼「良く食べるのね」
幼「三大欲求のバランスが悪いわよ」
男「寝かせて欲しいな」
幼「寝る前が一番勉強はかどるのに」
男「もう欲求不満だ」
幼「満たしてあげる」ギュウウ
男「バランス!」
幼「このまま寝ればいいじゃない」
男「食欲へこむ」
幼「はいパンプキン」
男「不健康だなあ」モグモグ
幼「バランスは良いのに」
男「栄養だったらな」
幼「欲求不満は体に毒よ」ギュウ
男「やっぱり寝る前に歯を磨こう」
幼「そうね。今日は貴方頑張ったわ」
男「はぁ…結構覚えたよ」
幼「感情記憶ね」
男「乗せるの上手いなあ」
幼「楽しかったでしょう」
男「ドキドキはしたよ」
幼「スリルね」
男「殺されるかもしれないからね」
幼「何回だって殺してあげる」
男「とんだブギーマンだ」
男「一つのコップに二本の歯ブラシとは」
幼「困ったものね」
男「ほんとこれ見よがしに」
幼「一本で良いのに」
男「そこか」
幼「そこ意外に何があるの」
男「それもそうか」シャコシャコ
幼「そうよ」シャコシャコ
男「うわ、歯ブラシ黄色い」
幼「私も黄色いわ」
男「何で?幼ちゃんは…」
幼「……」
男「魔法で一発じゃなかったの?」
幼「…成功したのは一発なの」
男「そして一つの布団に二つの枕」
幼「早技ね、貴方の母君様」
男「早とちりだよ、幼ちゃんは今日」
幼「ここで寝るわよ?」
男「寝巻きは」
幼「コスチューム」
男「いや、自分の布団あるんだからさ」
幼「無いのよね」
男「……捨てられた?」
幼「まさか、この部屋にあるわ」
男「その服の柄…」
幼「貴方、私の布団で寝たこと無いの?」
男「そりゃたくさん布がある訳だ…」
幼「元々寝る為のものよ、寝巻きで問題ある?」
男「問題ないね」
幼「あら、今日は随分強気ね」
男「残機があるんだ」
幼「事実はゲームより奇なり」
男「…ない」
幼「部屋に食べ物が残してあったら、親は回収するものよ」
男「一番恐ろしいのは人間だった」
幼「お後が宜しいようで」
男「間男じゃないだけマシか…」
幼「残機0からが勝負でしょう」
男「何で勝負する気だよ」
幼「床に就きましょうね」ゴソ
男「殺されてしまう」
幼「覚悟なさい」
男「…よし!いざ尋常に」ゴソッ
幼「トリック・オア」
男「いや、トリック・アンド・トリート」
幼「なんてケダモノ!血迷ったの?」
男「追いつめられて活路って奴さ」
幼「チキン・オア・ビースト?」
男「機内か!」
幼「チキン?」
男「ビューティ・アンド・ザ・ビースト。ユーノゥ?」
幼「それなら…リップ・アンド・トリート」グイッ
男「ちょっと待った、幼ちゃん」
幼「やっぱり鳥の王子様?」
男「口づけ療法は白雪姫だよね?」
幼「この期に及んで」
男「野獣には真実の愛さ」
幼「それなら真実の愛を見せてあげる…!」ギュウウゥゥ
男「時計見て」
幼「…!」
男「パンプキンパイはカボチャに戻ったかな」
幼「そういうこと」
男「もう俺は王子様じゃない」
幼「美女の真実の愛もここまでね」パッ
男「今日はゆっくり眠ろう」
幼「……」
幼「……貴方のそういう所、大好きよ」ギュ
男「お褒めに与り光栄です、お姫様」
幼「もう貴方は毒リンゴに戻ったのね」
男「そう、王子様ではないよ」
幼「王子様でなく、毒リンゴなのよね」
男「それがどうかした?」
幼「いつも余裕綽々の人間が最後に足元救われたら、劇的よね」
男「それは確かにっ!?」グイッ
幼「白雪姫が眠る前に口づけたのは…」
おしまい