1 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/21 14:54:39.70 8ibnU+Cn0 1/208

まどか「私の最強の友達」

元スレ
ほむら「拳でワルプルギス倒す」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1332309272/

2 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/21 15:43:14.70 8ibnU+Cn0 2/208

カチッ キュィィィィイン


ほむら「いい加減この天井を見るのも飽きたわ」ムクリ

ほむら(対戦車砲に対空ミサイル。あれだけの装備でワルプルギスに挑んだのに、それでも勝てなかった)

ほむら(純粋な攻撃魔法じゃないと効き難いみたいだし、やっぱり初めから真実を話して皆と協力を……いえ、杏子はともかく巴マミと美樹さやかは私を信用しないわ)




まどか『キュゥべぇに騙される前の馬鹿な私を……助けてあげてくれないかな……』




ほむら「まどか……!」ギリッ


ほむら「どうすれば…一体どうすればアイツに勝てるのよ!!」


バキィ!!


ほむら「……はぁ、テーブル直さないと」パァァァア

ほむら(無駄に魔力を使ってしまったわ。常に肉体強化の魔法を掛けてるから気を付け……)



ほむら「!!」



ほむら「そうよ、その手があったわ!!」







4 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/21 15:59:05.66 8ibnU+Cn0 3/208

早乙女「それでは転校生を紹介しまーす」

さやか「そっちが後回しかよ!?」

早乙女「暁美さん入ってきてー」

ガラッ

ほむら「暁美ほむらです。宜しくお願いします」

さやか「うわーすげー美人」

まどか(あの子夢に出てきた…!?)

ほむら「…」ジッ

まどか(ウェヒ!?な、何でこっち見てるの!?)



5 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/21 16:16:47.55 8ibnU+Cn0 4/208

休み時間 

ほむら「鹿目さん、あなたがこのクラスの保険委員よね。保健室に連れて行って貰える?」



ほむら「……」スタスタ

まどか(って言われて出てきたけど、これじゃあ私が案内されてるみたい)トコトコ

ほむら「こっちよね?」

まどか「え?あ、うん。そうなんだけど……もしかして保健室の場所知ってるの?」

ほむら「……」

まどか(うっ…どうしよう、気まずくなっちゃった。話題を変えないと)

まどか「あの、暁美さん」

ほむら「ほむらでいいわ」

まどか「ええっと…じゃあほむらちゃん。その袋ってお薬か何かかな?」

ほむら「プロテインよ」

まどか「え」




8 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/21 17:51:56.22 8ibnU+Cn0 5/208

放課後 改装中の建物

ほむら「ここでキュゥべぇを仕留めればまどかと巴マミの接触は防げれるわ」

ほむら「少し時間があるわね。軽く腕立てでもしてようかしら」




QB「きゅっぷい。ここに鹿目まどかを誘き出して、魔女に襲わせれば契約がしやすくなるね」

「7687…」

QB「ん?誰かいるのかい?」

ほむら「7742」ホムホム

QB(!?……な、なんだ彼女は…見たところ魔法少女みたいだけど、何故こんなところで腕立て伏せを…?)

ほむら「7964」ホムホム

QB(しかも異常なペースだ!)

ほむら「8063……っと、来たようね」

QB「君は何者だい?魔法少女のようだけど」

ほむら「その質問に答えるつもりは無いわ」ファサァ

QB「なら質問を変えよう。何故こんな所で腕立て伏せを?」

ほむら「あなたが来るのを待っていた」

QB「わけがわからないよ」


10 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/21 18:30:59.83 8ibnU+Cn0 6/208

ほむら「そうね今のは説明を省きすぎたわ。あなたが来るまでの暇つぶしよ」

QB「ボクの知る限り、暇つぶしで腕立て伏せの回数が四桁いったのは君が初めてだよ」

ほむら「あら。それは光栄ね、インキュベーター」

QB「!? 君は一体」

とん

QB「ボクの額に人差し指を突きつけて何を」

ズン!!

QB「」ドサッ

ほむら「豆腐みたいね」

14 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/21 19:20:46.15 8ibnU+Cn0 7/208

ほむら「でもちょっと気持ち悪いわ。あ、爪の間に肉片が」フキフキ

コソッ

QB(まさかいきなり殺しにくるとは思わなかったよ。けど、眉一つ動かさないところを見るとボクに相当な恨みがあるようだ。ここは一旦引いて)

ほむら「刺すのはダメね。なら、『次』は潰して見ようかしら」ギロ

QB(しまった!気付かれた!)ダッ!

ほむら「逃がさないわ!!」




CDショップ


カワシターヤクソクワスレナイヨー♪

まどか(この歌私達ぐらいの子が歌ってるんだよね。凄いなー)

(助けて…助けて…!)

まどか「! だ、だれ?誰なの?」


(助けて、まどか!!)



18 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/21 20:05:07.00 8ibnU+Cn0 8/208

QB「はぁ…はぁ…!」タッタッタッ!

ほむら(くっ…経験不足ね。まだ動く相手じゃ上手く当てられない。このまま行くとまどかに)

ほむら「仕方ない…!」


カチッ


QB「」ピタッ

ほむら「丁度空中で止まったわね。いい機会だから色々と技を試させてもらうわ」

ドコバキガシボカドドドドドドドドド!!!


ほむら「ふぅ…これぐらいでいいかしら」カチッ

QB「きゅぶべぇえええええ!!」


ヒューン

ほむら「しまった!最後の連打でQBが扉のほうに!」

まどか「ひゃあ!な、何か飛んできた?」

ほむら「」

19 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/21 20:38:36.96 8ibnU+Cn0 9/208

QB「う…まどか…」

まどか「だ、大丈夫!?しっかりして!」

ほむら「そいつから離れて!」

まどか「ほむらちゃん!?」

ほむら「そいつを渡して。そして忘れなさい」

まどか「ダメ!酷いことしないで!!」

ほむら「お願い。あなたを傷つけたく」


ボシューーーー!!


さやか「まどか!こっち!」

まどか「さやかちゃん!」

ほむら「くっ…待ちなさい!」

さやか「えい!」ブン!

ほむら「!」

さやか(やば!頭に当たる!?)

まどか「危ない―!」



ほむら「ふん!」ゴン!!

さやか(殴った!?)

まどか(消火器がくの字に曲がってる!)

ほむら(し、死ぬかと思った)ドキドキ






23 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/21 21:12:30.67 8ibnU+Cn0 10/208

さやか「まどか!とにかく逃げるよ!!」

まどか「う、うん!」


タッタッタッタ!



ほむら「美樹さやか!あなた少しは考えて行動を……いない」

使い魔「gひうshがkl」ズズズ…

ほむら(こんな時に…使い魔程度の相手をしてる暇は…!)

使い魔「hごあjsんけr」ワラワラ

ほむら「……まあいいわ。今追いかけても間違いなく巴マミとの接触は避けられないでしょうし」

パキパキ

ほむら「少し、経験でも積んでおきましょうか」









さやか「何なんだよあいつ!どこのストリートファイターだよ!」

さやか「ってかまどか!あんたの持ってるそれなに!?」

まどか「わ、わからない…でも助けないと!」


ピタッ


さやか「って、あれ?ここ…どこ?」

まどか「さ、さやかちゃん。ここ、何だか変だよ…」


使い魔「えwのwghwp」ワラワラ


25 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/21 22:09:52.79 8ibnU+Cn0 11/208

まどか・さやか「え?」

使い魔「gんえばぽmげおb」

さやか「う、嘘だよね…あたし、悪い夢見てるんだよね…!」

使い魔「hjばおばおえじょえ!!」バッ

まどか「きゃあああああ!!」


バシュウ!!

まどか「…?」


マミ「危なかったわね。もう大丈夫よ」

まどか()

マミ「あら、キュゥべぇを助けてくれたのね。ありがとう、この子は私の大切な友達なの」

まどか(この子、キュゥべぇって名前なんだ)

さやか「あの、あなたは」

マミ「そうそう、自己紹介しないと…でも、その前に」




マミ「ちょっと一仕事、片付けちゃっていいかしら!」ヘンシン!


使い魔「jんぺrなえrw!?」


マミ「はぁ!」


ドドドドドドドドドドドドドド!!










ほむら「結界が消えた。巴マミが来たのね」

使い魔「hsんfknbs…」

グシャ!

ほむら「一応、まどかが無事かどうか見に行きましょう」


28 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/21 22:51:27.58 8ibnU+Cn0 12/208

ザッ

さやか「げっ」

まどか「ほむらちゃん…」

ほむら(良かった。無事……とは言いがたいわね)

マミ「魔女は逃げたわ。仕留めたいなら追いなさい」

ほむら「……遠慮しとくわ」

マミ「そう。なら、早く行ったら?」

ほむら「ええ。ただ、一つ言わせて」

マミ「何かしら」

ほむら「その子達を巻き込まないで。それだけよ」スッ


マミ「……」

さやか「何だよあいつ」

まどか(ほむらちゃん……)






見滝原 大橋

ほむら「やっぱり…仲良くは出来そうに無いわね」

ほむら(当然ね。巴マミにとってQBはたった一人の友達。私も、まどかをあんな目に合わせた相手と仲良く出来ると思えないわ)

ほむら「でもやっぱり……寂しいよ、巴さん」ポロッ

31 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/21 23:07:21.81 8ibnU+Cn0 13/208

ズズズズズ…!


ほむら「……来たわね」ゴシゴシ

芸術家の魔女「」

使い魔「ォオオオ」

ほむら(泣くのはこれで終わりよほむら。今度こそ、まどかを助けるの)

使い魔「ォオオオ」

ほむら「はぁ!」

ドン!

使い魔「ォオオオ!」

ほむら(使い魔相手は問題なし。なら次は)


シュタッ!!


ほむら(全力の一撃を魔女に叩き込む!!)


ほむら「やああああああああ!!!」


ガンッ!!


ほむら「っ…!?」


芸術家の魔女「」ズズッ


ドォォォオオン!!



ドシャア!!

ほむら「かはっ…けほっ……」

32 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/21 23:28:00.00 8ibnU+Cn0 14/208

ほむら「予想より硬いわね。改めて爆弾の破壊力を思い知ったわ」ポタポタ

パァアア

ほむら(よし、拳は握れるわね。でも問題はあいつをどう倒すかよ)

芸術家の魔女「」ズズズ

使い魔「ォオオオ」

ほむら(私の知る限り、見滝原に現れる魔女の中でも、あいつはワルプルギスの次に防御が強かった。つまりこの肉弾戦であいつを倒せたら、ワルプルギスへの対抗策も見つかる筈!)

ほむら「拳が駄目なら……脚で!」


ズドンッ!!


芸術家の魔女「」ビリビリ

ほむら「っ……!」バッ



ほむら(効いたわ。でも、これはダメね)

ガクガク

ほむら「威力が増す分、私への負担も大きい…」ガクガク

33 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/21 23:43:43.96 8ibnU+Cn0 15/208

使い魔「ォオオ!」

ほむら(今の私の全力じゃあいつに勝てない。ここは一度引いて対策を)

「うぇーん!」

ほむら「え……!?」


タツヤ「パパぁーママぁー!」

ほむら「タッくん!?」

使い魔「ォオオオ」

ほむら「いけない!」ダッ


タツヤ「まろかぁー!」

使い魔「ォオオオ!」



ファサァ



タツヤ「…?」グスッ

ほむら「間に合った」ホッ

タツヤ「ねーちゃ、られ?」

ほむら「ほむら。まどかの友達よ」

タツヤ「まろかの?」

ほむら「大丈夫?どこかけがしてない?」

タツヤ「うん」

ほむら「そう。良かった」ニコッ 




34 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/22 00:01:20.86 1E3jStjf0 16/208

ほむら(タッくんがいたんじゃ余計に戦えないわ。早く出口を見つけて)

スッ

使い魔(ムンク)「」ヒュオオオ…

ほむら(なっ…!?いつの間に後ろに!?まずい、タッくんを)パァアア!


―キェエエエエエエエエ!!!!―


ほむら「あああああああああああ!!っ、このぉお!!」ドゴッ!!

使い魔(ムンク)「ェェェェ!」バシュウッ!!


ほむら「あ…」


ドサッ


タツヤ「ほむ!?」

ほむら(良かった……タッくん、無事…ね)

タツヤ「ほむ!ほむ!」

ほむら「泣かない、の…だい……じょうぶ、だから…」

タツヤ「ほむぅ…」グスッ

ほむら「男の子、でしょ?」

タツヤ「…うん!」ゴシゴシ




38 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/22 00:29:55.22 1E3jStjf0 17/208

芸術家の魔女「」ズズズズ

ほむら(まずい……使い魔を増やしてる。トドメをさす気ね……)

使い魔「ォオオオ」

ほむら(早く、空間跳躍で逃げ……)


シン……


ほむら(魔法が使えない!?…まさかさっきの攻撃で)

使い魔「ォオオオ!」

ほむら(お願い動いて!タッくんだけでも逃がさなきゃ)

ザッ

タツヤ 「……」グッ

ほむら「タッく、ん…?」

タツヤ「いじめるら…」

使い魔「ォオオ!」

ほむら「タッ、くん…!やめな、さい!」

タツヤ「ほむ、いじめるら!」ダッ!

ほむら「ダメ…!戻りなさい!」




まどか『私は魔法少女だから。みんなのこと、護らなきゃいけないから』




ほむら「お願い、戻って…!」



まどか『あなたと友達になれて良かった。あなたが魔女に襲われたとき間に合ったこと、今でも自慢なの』


ほむら「嫌…!」


まどか『さよなら、ほむらちゃん。元気でね』





ほむら「うわああああああああああああ!!!」

39 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/22 00:59:39.47 1E3jStjf0 18/208

マミの家


マミ「しばらく私の魔女退治に付き合ってみない?」

さやか「ええ!?」

まどか「だ、大丈夫なんですか?」

マミ「勿論安全は保障するわ。魔法少女がどんなものか自分の目で確かめた方が良いと思うの」

さやか「うーん、確かにそうですね」

まどか(怖いけど…私も魔法少女になったら、マミさんみたいな素敵な人になれるのかな?)


プルルルル!プルルル!

まどか「わっ!?ご、ごめんなさい!ちょっと失礼します!」ピッ

知久『もしもしまどか!』

まどか「どうしたのパパ?そんなに慌てて」

知久『タツヤがいなくなったんだ!』

まどか「ええ!?」

知久『橋の下の河原で遊んでいたらいつの間にかいなくなって……一緒に探してくれ!』

まどか「わ、わかった!すぐ行くよ!」ピッ

さやか「どうしたのまどか?」

まどか「タツヤがいなくなったの!」

さやか「タッくんが!?どこで!?」

まどか「橋の河原。遊んでいたらいつの間にかいなくなってたらしいの…」

マミ「橋の河原ですって…?」

さやか「……!」

マミ「私も探すわ」

さやか「あたしも。まどか、行こう!」

まどか「うん!」



40 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/22 01:26:08.21 1E3jStjf0 19/208

さやか「マミさん」ボソ

マミ「何かしら」ボソ

さやか「さっきの反応、もしかして魔女が関係してるんですか?」

マミ「鋭いわね、美樹さん。ええ、最近あの付近に魔女がいた痕跡があったの」

さやか「そんな…それじゃあ、タッくんは」

マミ「まだそうと決まった訳じゃないわ。でも、もしそうだったら私の責任よ」

さやか「まどか……」



まどか「パパー!ママー!」

詢子「まどか!」

まどか「タツヤは!?」

知久「まだ見つからないんだ。ああ、どうしよう僕のせいだ…」

詢子「そんなの後だ!今は早くタツヤを」

マミ(! 魔女の気配……でも、これは)

さやか「ん?誰か来るよ」


コトコト


さやか「転校生!?」

マミ「……」


タツヤ「すぅー…すぅー…」

まどか「! タツヤ!!」

ほむら「大丈夫、寝ているだけよ」

知久「ああ、ありがとう!一体どこに」

ほむら「反対側の橋の下で遊んでいました。心配だったので一緒にいて様子を見てましたがついさっき遊びつかれて寝てしまって」

詢子「こいつ、どんだけ心配したと…!」

ほむら「怒らないであげて下さい。無理にでも親御さんを探すことが出来たのにしなかった私の責任です。責めるなら私を」

詢子「いや、今のご時勢だ。下手に嫌がる子供を引っ張ったらアンタに迷惑が掛かるとこだったよ。それより、こいつの傍にいてくれてありがとう」

ほむら「いえ。では、私はこれで」

まどか「ほむらちゃん!」


ピタッ


ほむら「何、かしら?」

まどか「……ありがとう」ポロポロ

ほむら「!?」ビクッ

まどか「また、明日ね」

ほむら「……ええ。また明日」







41 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/22 02:05:30.47 1E3jStjf0 20/208

ほむら「……」


スタスタ

ピタッ


ほむら「隠れるなんてあなたらしくないわね」


ほむら「巴マミ」

マミ「……」

ほむら「用があるなら早めにお願い。今日は疲れたわ」

マミ「鹿目さんの弟さん、魔女に襲われてたわね」

ほむら「ええ」

マミ「そして貴女は戦った。でもまだ魔女の気配はする、大分弱ってはいるけど」

ほむら「何が言いたいのかしら」

マミ「魔女を逃がしたの?」

ほむら「違うわ。倒しきれなかっただけ」

マミ「嘘ね。貴女はかなりの魔力を持っている。倒しきれない筈が無いわ」

ほむら「事実よ」

マミ「……」

ほむら「話がそれだけなら、もう行くわ」

マミ「まちなさ」


ドサッ


マミ「え?」






42 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/22 02:36:50.55 1E3jStjf0 21/208

ほむら「ぐっ……」ガクガク

マミ(どういうこと……まさか、本当に倒しきれなかったの…?)

ほむら「はぁ…はぁ…」

マミ(!? よく見たらあっちこっちに生傷が……)

マミ「……暁美さん。家まで送りま」

ほむら「……」カチッ

マミ「しょうか…ってあれ?」








ほむら「悪いわね巴マミ。今、あなたに頼るわけにはいかないの」

ズル…ズル…

ほむら「掴めたの。新しい力を」


ギィイイ…バタン


ほむら「あとは、極めるだけ」


ボフン


ほむら「ありがとう、タッくん。あなたのおかげよ」

ほむら「だから安心して。あなたのお姉ちゃんは、まどかは」

ほむら「私がこの拳で、必ず護るわ」グッ







56 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/22 12:46:06.51 15kbMbXF0 22/208

翌朝

イツーカキミガヒトミニノコス

カチッ

ほむら「んっ……朝、ね」ムクリ


スタ


ほむら「っ……無茶しすぎたかしら。身体が悲鳴をあげている」ギシギシ

ピッ


テレビ『先週に現れた謎の巨大竜巻の被害は今もなおを広がり』

ほむら(残り三週間……この時間軸で全てを終わらせる)


ぐぎゅる~


ほむら「……ご飯にしましょう」

57 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/22 13:07:46.80 15kbMbXF0 23/208

まどか「さやかちゃん、仁美ちゃん、おはよう!」

さやか「おーまどか。おは…!?」ブフォ!

QB「きゅっぷい」

さやか「な、なな」

仁美「さやかさん、どうかなさいましたか?」

さやか「え?い、いやなんでもないよ!」

まどか(大丈夫だよ。私達以外には見えてないから。それにこうやって声に出さなくてもお話できるんだって)

さやか(おおぅ、あたしたち既にそんなマジカルな力が)

QB(いやいや、これボクが中継してるだけだから)




さやか「そういえば、タッくん大丈夫だった?」

まどか「うん。朝から元気に走り回ってたよ。こっちは死ぬほど心配したのに」

仁美「あら、なにかあったんですの?」

さやか「うん、実は昨日」

まどか「……」キョロキョロ



教室

さやか(ってか、あんた教室まで付いてきて良かったの?)

QB(暁美ほむらのことだね。それなら大丈夫さ)

マミ(何かしようなら、私がすぐに駆けつけるわ)

さやか(わっ、マミさん!お、おはようございます!)

マミ(おはよう美樹さん。あら?鹿目さんはどうしたの?)

さやか(それが、来る途中で忘れ物したから先に行ってて)

マミ(そう)


ガラッ


まどか「おはようみんな」

さやか「おー来たか…!?」ボフーッ!


ほむら「……」

58 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/22 13:45:50.16 15kbMbXF0 24/208

さやか「な、なな」

マミ(……)

まどか「ほむらちゃん、また後でね」

ほむら「え、ええ」

さやか(まどか!どういうつもり!?)

まどか(うん、わかってる。さやかちゃんの言いたいこと)

さやか(だったら…!)

まどか(マミさん。聞こえてますよね?)

マミ(ええ)

まどか(さやかちゃん、マミさん。私、二人にお願いがあります)

さやか・マミ(?)

まどか(今日のお昼、ほむらちゃんと一緒にご飯食べましょう)

59 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/22 13:54:04.61 15kbMbXF0 25/208

お昼休み 屋上


さやか「……」ムシャムシャ

まどか「さやかちゃん、あからさまに不機嫌な顔しないで」

マミ「……」モグモグ

まどか「マミさんも近寄るなオーラ出さないで下さい」

ほむら「……」パクムシャゴキュゴキュ

まどか「ほむらちゃんは無表情でもくもくと食べないで!ってかその巨大なコップはなに!?」

ほむら「プロテイン」

まどか「ホントに飲んでたんだ!?」

60 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/22 14:31:05.97 15kbMbXF0 26/208

QB「それは筋肉繊維を作りやすくする栄養補助を目的とした飲料水だね」

ほむら「意外ね。あなたがそんなこと知ってるなんて」

マミ「QBに意地悪しないで」

ほむら「これでも褒めたつもりよ」

さやか「へーそうだったんだ。あたしはてっきり皮肉だと」

まどか(ああもう、なんでこんなにギスギスしちゃうのかな~)


ほむら「ご馳走様。さて、ちょっと失礼するわ」スクッ

まどか「あ、ま、待ってほむらちゃん!まだ」

ほむら「水を飲みに行くだけよ。すぐ戻るわ」

まどか(あ……行ちゃった)ショボン

さやか「ねぇまどか。一体何の目的でこんなことしたのさ」

まどか「二人とほむらちゃんを仲良くさせたかったの」

マミ「どうしてかしら?」

まどか「ほむらちゃんが優しい子だからです」

さやか「どこがよ!あいつはQBを殺そうとしたんだよ!?」

マミ「そうね。私も友達を傷つける人とは仲良く出来ないわ」

まどか「確かにそうですけど、でも」





まどか「ほむらちゃんは、タツヤを魔女から助けくれました」

さやか・マミ「!?」

61 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/22 15:14:10.89 15kbMbXF0 27/208

マミ(QB、あなたが鹿目さんに教えたの?)

QB(ボクは何も言ってないよ。今朝、まどかが鹿目タツヤから直接聞いたんだ)

まどか「タツヤが朝から言ってました。『ほむつよい』『ほむはひーろー』って」

まどか「最初は意味がわからなかったけど、もしかしたら魔女のことじゃないかって思って、今朝ほむらちゃんに聞きました」

さやか「それで、転校生はなんて?」

まどか「『ヒーローごっこしてただけよ』って。でもそれって、嘘なんだよね二人とも」

さやか「うえ!?」

マミ「……」

まどか「やっぱり」

さやか(まどか、あんたいつの間に……)

マミ「どうしたわかったのかしら。私達が知ってたと」

まどか「だってマミさん、いまキュゥべぇの方見たじゃないですか」

マミ「あ……」

まどか「ティヒヒ」ニコッ




QB(今、鹿目まどかの因果が変動した。なるほど、彼女は大切な者が関わるとより強い力を求めるのか)


QB(これを利用しない手はないね)

63 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/22 16:27:06.12 15kbMbXF0 28/208

まどか「確かにQBに酷いことしました。でも、タツヤを助けてくれたのも本当なんです」

まどか「ほむらちゃん、ホントはいい子の筈なんです!だからお願い、仲良くして!」

さやか(まどか、どうしてそこまで転校生こと……)

マミ「わかったわ」

さやか「マミさん!?」

まどか「本当ですか!」

マミ「でも、一つだけ条件があるわ」

まどか「条件…?」








ほむら「QBに手を出すな?」

マミ「ええ」

ほむら「構わないわ」

さやか「転校生、意外に素直」

ほむら「私はQBがあなた達と接触するのを阻止したかっただけ。今手を出したところで、何の意味も無いわ」

マミ「どうしてそこまで彼女達を魔法少女にしたくないのかしら?」

ほむら「答えるつもりは無いわ」

マミ「そう」


さやか(……こいつ、やっぱり何か隠してる)



72 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/23 02:43:24.11 ckvJRBv30 29/208

放課後

さやか「まどか。あたし、やっぱり転校生と仲良く出来そうにない」

まどか「え…ど、どうして。ほむらちゃん、約束は守るって」

さやか「口約束なんていつでも破れるよ。QBを襲っら理由も、私達を魔法少女にしたくない理由も隠してるのに、信用なんか出来ない」

マミ「確かに美樹さんの言う通りね。暁美さんに関わらず、目的もわからない人を迂闊に信頼いてはいけないものよ」

まどか「そんな…」

マミ「そんな顔しないで。別に暁美さんを敵とは思ってないわ。ただ……」ギュッ

まどか「マミさん…?」

マミ「さて、魔法少女体験コース第一弾を始めましょうか」

まどか(どうして…仲良く出来ないのかな…?)




73 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/23 03:14:19.28 ckvJRBv30 30/208

ほむら「すぅー…はぁあ……」


ピッ


パリン!


ほむら「ふぅ……やっと形に出来たわ。次は」

QB「やあ。暁美ほむら」

ほむら「……何の用かしら」

QB「君の事を知りに来たんだ」

ほむら「私の秘密でしょ」

QB「そうとも取れるね」

ほむら「消えなさい。約束があるからって、手が出せない訳じゃないのよ」

QB「相変わらずボクのことが嫌いみたいだね」

ほむら「ええ。殺したいくらい憎いわ」

QB「実際に殺されてるけどね」

74 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/23 03:33:42.75 ckvJRBv30 31/208

QB「ああ、用と言えば君に伝えたいことがあったんだ」

QB「今日、マミは魔女退治にまどかとさやかを連れて行った」

ほむら「そう」

QB「マミの様なベテランの戦い方はとても優雅なものだ。まどかとさやかはすっかり魔法少女に憧れを抱いたよ」

ほむら「私を挑発してるのかしら?」

QB「違うね。君はボク、いや、ボク達インキュベーターの目的を知っているようだ」

ほむら「……」

QB「これは宣戦布告だ暁美ほむら。ボク達は鹿目まどかと美樹さやかを魔法少女にする。そして、鹿目まどかは必ず」

ほむら「―――――ッ!!」


ドゴォ!!!


QB「よく我慢したね」

ほむら「……約束は守るわ」

QB「そうかい。それじゃあお望み通り消えるとするよ。無駄に固体を減らされるのはごめんだからね」スゥッ

79 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/23 04:38:33.48 ckvJRBv30 32/208

ほむら「………」ポタポタ


パァアア


ほむら「物に当たる癖、どうにかしないとね」


ほむら「さて、気を取り直して練習よ。手刀の次は……」








数日後


マミ「ティロ・フィナーレ!」


ドォーン!!


まどか「やった!」

さやか「マミさんカッコイー!」

マミ「もう、見世物じゃないのよ」ヘンシンカイジョ

シュタ

マミ「危ないことしてるってこ、ちゃんと実感しないと」

さやか「わかってますって」

まどか「今日もグリーフシード、落とさなかったですね」

マミ「使い魔だったからね。でも、人を襲って魔女になるんだから放ってはおけないわ」

さやか「やっぱりマミさんは正義の味方だ。それに比べて転校生の奴、一体何してるんだか」

まどか(ほむらちゃん…どうしたんだろう…)

マミ(暁美さんの目的はグリーフシードじゃない……だとしたら、一体何故QBの邪魔を…)

QB「それより二人とも。願い事は決まったのかい?」きゅっぷい

まどか「え?わ、私はまだかな」

さやか「あたしも、まだかな…」

マミ「そう。まぁ、あんまり急いで考えるものでもないわよね」

まどか「あの、マミさんはどんな願い事をしたんですか?」

マミ「……」

まどか「あ、その、無理に聞きたい訳じゃ」

マミ「いいのよ、隠すことでもないから」

マミ「数年前にね…」

80 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/23 04:59:22.95 ckvJRBv30 33/208

マミ「考える余裕なんて無かった。だからかこそ、あなた達にはちゃんと決めて欲しいの」

まどか(マミさん、笑ってるけど凄い辛そう……ダメだな私、マミさんに嫌な事思い出させちゃったよ)

さやか「……あの、マミさん」

マミ「なにかしら」

さやか「願い事って、叶えるのは自分のじゃなくてもいいんですか?」

マミ「誰かの願いを叶えたいって事?」

さやか「はい」

まどか(それって、上条くんのことじゃ…)

QB「可能だよ。前例もあるしね」

マミ「でも、あまり感心しないわね。美樹さんはその誰かの願いを叶えて、どうしたいの?」

さやか「え?」

マミ「感謝されたいの?恩人になりたいの?それとも叶えたいだけ?」

さやか「それは……」

マミ「意地悪な言い方でごめんなさい。でも、その辺をハッキリさせてからじゃないとあなたはきっと後悔するわ」

さやか「……」

マミ「ゆっくり考えて。焦ったって、何もいいことは無いから」

さやか「…そうですよね。あたし、考えが甘かったです」

マミ「ところで、その誰かってもしかして恋人?」

さやか「ふえ!?ち、ちち違いますよー!」

まどか「ティヒヒ。さやかちゃん顔真っ赤だよ」

さやか「ま、まどかー!!」



82 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/23 14:26:59.85 m+dOtIWM0 34/208

鹿目家 まどかの部屋

まどか「願い事かぁ…」

QB「まどかには叶えたい願いは無いのかい?」

まどか「そういうわけじゃないけど、私はただマミさんみたいになりたいだけなんだよね」

QB「つまり、力そのものに憧れてると」

まどか「そうなるのかな?」

QB「それだったら問題ないね。君が魔法少女になれば、マミやほむらよりずっと強くなる」

まどか「もう、QBったら。そんなこと言ったってすぐに契約はしないよ?」

QB「本当のことなんだけどね」

まどか「あはは。ありがとう」

QB(そう。最高の魔法少女にして、最悪の魔女にね)

QB(君が契約した時、ボクたちのエネルギー回収ノルマは達成される)




QB「期待してるよ、まどか」

85 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/23 15:34:17.02 m+dOtIWM0 35/208

ほむホーム


テレビ『隊長ぉおおお!止めてください!隊長おおおおおお!!』

ほむら「ジープよりさっきの丸太の特訓の方が良かったんじゃ……(ドン!)あ、轢かれたわ」ゴキュゴキュ


ピッ


ほむら(作り物とはいえ、使えそうな技が多かったわ。殆どの特訓は参考にならなかったけど)


ほむら「……それにしても、子供向けとはいえなかなか面白かったわね。暇が出来たら全部見ようかしら」


シュルシュル

ほむら(テーピングはこれでよし)グッグッ


シュ!

パァン!


ほむら「ん、大分楽ね。コレなら傷もつかないから魔力を無駄使いしなくてすむわ」




91 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/23 16:45:26.83 m+dOtIWM0 36/208

ピカッ ピカッ

ほむら「ソウルジェムが……この反応、近くに魔女がいるわね」ヘンシン









鳥かごの魔女「チチチチチチチ」

使い魔「ピー!ピー!」ワラワラ

ほむら(流れを見つけ……)


ピッ!ピッ!


ほむら「斬る」

使い魔「ピ…」


ズル…ドサ


鳥かごの魔女「チチチチチチ!!!」

ほむら「お邪魔するわよ」

鳥かごの魔女「チチチ!?」

ほむら「はあっ!」

ドンッ!

鳥かごの魔女「チ…チチ……チ」


サァアアア―



カラン


ほむら「……」

マミ「使わないの?せっかく手に入れたのに」

ほむら「巴マミ」

マミ「今日は先を越されちゃったわね」



95 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/23 17:33:35.23 m+dOtIWM0 37/208

ほむら「鹿目まどかと美樹さやかはどうしたの?」

マミ「美樹さんの用事があるとかで、今日はお休みよ」

ほむら(上条恭介絡みかしら…)

マミ「それにしても驚いたわ。まさか、あなたがあんなリスクの高い戦い方をしてるんなんて」

ほむら「そうね。昔の私も驚くと思うわ」ファサァ


ほむら「でもその分、咄嗟の出来事にも対応できるわ」

マミ「その咄嗟ってのは……こんな感じかしら?」


スチャ


ほむら「……」

マミ(目の前に銃口を突きつけられても、平然とした顔ね)

ほむら「どかしてくれるかしら」

マミ「ええ、ごめんなさい」スッ

ほむら「私を脅しに来ただけ?それとも別の用?」

マミ「魔女の気配がしたから来ただけよ」

ほむら「なら、私は失礼するわ」

マミ「また明日ね。暁美ほむらさん」

ほむら「ええ、巴マミ」


シュタッ!



マミ「あーもう、どうしてあんな事しちゃったのよ私」ガックリ




105 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/24 01:06:18.38 ImyEydCb0 38/208

翌日 見滝原市立病院

さやか「お待たせ」

まどか「あれ?早いね」

さやか「なんか都合悪いらしく、今日はお見舞いできないって」

まどか(さやかちゃん笑ってるけど、寂しそう…)

さやか「行こう」

まどか「うん」



駐輪場



さやか「あーあ、折角来たのに失礼ちゃうなー。マミさんの所にでも行こっか」

まどか「そうだね、昨日も断っちゃったし……あれ?」

さやか「どうしたの?」

まどか「今、あそこの壁で何か光ったような」

QB「やあ、二人とも」

さやか「QB。どうして病院に?」

QB「理由はすぐにわかるよ」タッタッタ

まどか「あ、そっちは」



ドクン―ドクン―



さやか「嘘…これって」

まどか「グリーフシード…!」

QB「回収するつもりだったけど……まずい、もうすぐ孵化してしまう!」

さやか「それって、病院に結界が張られちゃうってこと!?」

QB「その通りだ。二人とも、早くここから逃げよう!」

さやか(そんな…それじゃあ病院にいる人たちが……恭介が……)


グッ

さやか「まどか、マミさん呼んできて。あたしがコイツを見張ってる」

まどか「さやかちゃん…!?」

さやか「ここから病院まである程度は離れてるけど、もしコイツが孵化して向こうに行ったら大変なことになる。だから、あたしがここで見張ってマミさんに居場所を教えないと」

まどか「やめて!そんなの危ないよ!」

さやか「わかってる!でもそうしないと恭介や他の患者が危ないの!」

まどか「でも…!」


ヒョイ


QB「ボクもさやかと残ろう。」



107 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/24 01:43:22.33 ImyEydCb0 39/208

QB「ボクならマミとテレパシーで位置を伝えられる。それに、いざとなったらさやかと契約も出来る」

さやか「QB……」

まどか「二人とも………私、すぐにマミさんを連れて来るから!」



ズズズッ……!


QB「間一髪だ。さ、その物陰に隠れて二人が来るのを待とう」

さやか「うん。まどか、頼んだよ」












マミ(無茶しすぎ、って怒りたいところだけど……今回に限っては冴えた手よ)

さやか(いやーあはは)

マミ(でも、心配させた罰としてあとでケーキ奢って貰うわ。鹿目さんもね)

さやか(そんな~)

QB(マミ、あまり大きな魔力を使うと刺激されて孵化してしまう恐れがある。急がなくて良いから静かに来てくれ)

マミ(わかったわ)



まどか「さやかちゃん…無事でよかった」ホッ

マミ「ええ。でも油断は禁物よ。早くQBと美樹さんのところに」


ファサァ


まどか「あ…」

マミ「……」

ほむら「間に合ったようね」

110 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/24 02:03:35.46 ImyEydCb0 40/208

まどか「ほむらちゃん!」

マミ「……」

ほむら「巴マミ、今回の魔女は私が狩るわ」

マミ「グリーフシードでも足りなくなったのかしら?」

ほむら「いいえ、ただ、今までの魔女とは訳が違う。鹿目まどかや美樹さやかだけではなく、あなたの身も危ない」

マミ「それはつまり、私があなたより劣ってるって言いたいのね?」

まどか(マミ…さん…?)

ほむら「違う、私は」


シュバツ!!


ほむら「!?」

まどか「ほむらちゃん!?マミさん何を」

マミ「安心して。使い魔が来てもそのリボンが結界の役割をしてくれるわ」

ほむら「どういうつも…ぐっ!」ギシ

マミ「解こうとするとよりキツくなるわ。大人しくここで待ってて、魔女を倒したら迎えに来るわ」

ほむら「……」

マミ「行きましょう、鹿目さん」

まどか「マミさん、でも…!」

ほむら「行きなさい。私なら大丈夫」

まどか「ほむらちゃん…」

マミ「……」


スタスタ


まどか「あ、ご、ごめんねほむらちゃん!」


タッタッタッ!




ほむら「……よっぽど、私は嫌われてるのね」

111 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/24 03:16:18.37 ImyEydCb0 41/208

コツ…コツ…


マミ「……」

まどか「……」

マミ「幻滅……したよね」

まどか「え…?」

マミ「私、本当は弱いの。いつも見え張って、怖いくせに無理して、誰にも言えない事だから我慢してるだけで、本当は強くなんかないの」

まどか「マミさん…」

マミ「暁美さんにあんなことをしたのだって、QBの事だけじゃないわ。信じたらまた裏切られるんじゃないかって、心のどこかで思ってるからよ」

まどか「裏切られる…?」

マミ「前に、見滝原にはもう一人魔法少女がいたの。出会った時、その子は魔法少女になったばかりで私が戦い方を教えたりしたわ」

マミ「とってもいい子だった。一緒にこの街を守ろうって約束してくれた。嬉しかった。一人じゃないんだ、仲間がいるんだって。………でも、ある日からその子は変わってしまった」

マミ「自分の為にしか魔法を使わないで、グリーフシードを孕ませるように使い魔が魔女になるまで人を襲わせて、止める私の言葉を突っ返して、好き勝手に暴れて……最後は、私がこの街から追い出す形になった」

まどか「マミさん…」

マミ「私きっと、あの子と暁美さんを無意識に重ねてる。本当は仲良くしたいのに、裏切られるのが怖くてわざと嫌われるような態度をとっちゃうの」

ポタッ

マミ「ごめんね。こんな弱虫の話、聞きたくなかったよね」ゴシゴシ

まどか「……じゃないです」

マミ「え…?」

まどか「マミさんは弱虫じゃないです」



117 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/24 10:19:53.04 GTcB8fzD0 42/208

まどか「そんな事があってもマミさんは見滝原のみんなを護る為に戦ってたじゃないですか。私だったら、立ち止まっちゃうし、きっと逃げようとします。でも、マミさんは止まらずに、逃げもしなかった」

マミ「違うわ……私は魔女と戦うことしか出来ないからよ……」

まどか「マミさん、初めて私達を連れて魔女退治に行った日のこと覚えてますか?」

マミ「ええ、勿論よ」

まどか「魔女に操られて自殺しようとした女の人を助けた時のマミさん、すごく優しい顔をしてました」

まどか「無理して戦ってる人は、人にあんな顔を向けられない筈です。だから、マミさんは戦わされてるんじゃない、戦ってるんです」

マミ「……」

まどか「そんなマミさんが…カッコ良くて優しくて、私が憧れた素敵な魔法少女が弱虫な筈ありません」

まどか「私が魔法少女になりたいのも、そんなマミさんを見てきたから」


―ポタッ


まどか「そんなマミさんみたいになりたいから」


ポタッ―ポタッ


まどか「そんなマミさんが、大好きだからです」

マミ「鹿目、さん……」

まどか「私も、さやかちゃんもQBも……それに、ほむらちゃんもいます」


ギュッ


まどか「マミさんは、もう独りじゃないですよ」

118 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/24 10:36:24.73 GTcB8fzD0 43/208

マミ「……っ!」ポロポロ


マミ「あはは、ダメだなー。まだまだ頼れる先輩でいなきゃいけないのに」

まどか「大丈夫です。マミさんは今でも頼れる先輩です」

マミ「ずっと、傍にいてくれる?いなくなったりしない?」

まどか「はい。私じゃ頼りないかもれないですけど……一緒に戦わせてください」

マミ「……ありがとう」




使い魔「キーキー」


ワラワラ



マミ「……全く、空気を読まない奴らね」

QB(マミ、グリーフシードが孵化が始まった!急いで!)

マミ「オッケー!今日という今日は速攻で片付けるわよ!」ヘンシン



キュルン シュタッ


使い魔「キーキー!」


チャキ


ドン!ドン!


使い魔「キー!」




マミ(身体が軽い…こんな幸せな気持ちで戦うのは初めて…)






マミ「もう、何も怖くない。私、独りぼっちじゃないもの―!」

119 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/24 10:52:13.41 GTcB8fzD0 44/208

ほむら「ぬううううううう!」

ミシミシミシミシ!


ほむら「もう…少、しで………あ、やっぱ無理(ギュゥウウ)痛たたたたた!」


ほむら「なんて強力な捕縛魔法なの…変身しても破れる気がしないわ」


使い魔「キーキー」ピョーン


バチーン!


使い魔「キー!」ゴロン

ほむら(使い魔からは護られてるけど、このままじゃ巴マミが……)


使い魔「キーキー」

ほむら「うるさいわね。いくら結界があるとはいえ、傷の一つでも付けなさいよ。そしたら私だって………結界?」

120 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/24 11:10:35.06 GTcB8fzD0 45/208

ドクン―


QB「ダメだ!孵化する!」

さやか「うわああ!マ、マミさーん!」


ドーン!!


マミ「お待たせ!」

まどか「さやかちゃん!」

さやか「まどか!マミさん!」



パキッ―!



お菓子の魔女「……」ちょこん



まどか「あ、う、生まれちゃった…」

QB「気をつけてマミ。あんな見た目だが、そうとうな魔力を感じる」

マミ「大丈夫!」バッ


ドン!ドン!


お菓子の魔女「……」

マミ「せっかくのとこ悪いけど、一気に決めさせてもらうわよ!」パァアア!!


ガシャン!!!



マミ「ティロ・フィナーレ!!」



ドォオオオン!!



お菓子の魔女「……!」ギュルギュル!



さやか「やった!」

まどか「マミさん!」




お菓子の魔女「……」プルプル








ズルッ

125 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/24 12:32:17.83 GTcB8fzD0 46/208

マミ「え」


ほむら『今までの魔女とは訳が違う』


ほむら『あなたの身も危ない』


ほむら『違う、私は』



マミ(どうして、ちゃんと聞いてあげなかったんだろう)


グパァ―!


マミ(暁美さん、私のこと心配してくれたんじゃない)


さやか「マミさん!」

まどか「ダメ―!」


マミ(ダメ、逃げられない)


お菓子の魔女「」アーン


マミ「暁美さん……ごめんさない」





ガチン!



ドサッ




まどか「きゃああああああああああああああ!!!」

127 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/24 13:06:47.29 GTcB8fzD0 47/208

さやか「マミさんが…食べられ」

まどか「嫌…マミさん……マミさん!」

さやか「! 待って…よく見て!」




マミ「あ…れ……?」

さやか「生きてる…マミさん生きてるよ!!」

まどか「マミさん!!」

マミ(どうなってるの……今の、確実に避けられなかった筈なのに…)

さやか「でも、一体どうやって」

QB「彼女のおかげみたいだね」

まどか「あ……!」


お菓子の魔女「?」クルッ


ファサァ―!


ほむら「今度こそ、間に合ったわね」



まどか「ほむらちゃん!!」

マミ「暁美…さん…」

QB「彼女が魔女を後ろに引っ張らなければ、マミは助からなかっただろうね」

さやか「引っ張ったって……一あんなデカいのを一人で!?」


ギュルン!!


お菓子の魔女「」アーン

まどか「ほむらちゃん…!あぶな」


ドォン!!


お菓子の魔女「!?」

ほむら「私はお菓子じゃないわよ」

さやか「な、殴った!」

QB「魔女が仰け反った。凄まじい威力だ」

129 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/24 13:42:03.17 GTcB8fzD0 48/208

スタッ


ほむら「怪我はなさそうね。立てる?」

マミ「え、ええ」

ほむら「二人の所に行って休んでなさい」

マミ「大丈夫、戦えるわ」

ほむら「強がるのは足の震えを止めてからにしたら?」

マミ「あ…」ガクガク

ほむら「そんな状態だと今度こそ本当に死ぬわよ」

マミ「でも…」

ほむら「大丈夫。あいつは、私が倒す」



シュタッ!




お菓子の魔女「」フルフル

ザッ

お菓子の魔女「」ムッ

ほむら「来なさい」チョイチョイ



132 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/24 14:39:32.73 GTcB8fzD0 49/208

さやか「マミさん!大丈夫ですか!」

マミ「ええ、心配させてごめんなさい」

まどか「ぐすっ…ホントに…ひっく…よかっ、た」ボロボロ

さやか「もーまどか泣き過ぎ」

まどか「さやかちゃん、だって」

さやか「え?あ、ち、違うよ。これは」ゴシゴシ

QB「それより三人とも、あっちを見たほうが良いよ」

まどか「え?」







お菓子の魔女「」グワァ!

ほむら「ふっ…!」シュッ


ドドドドドドドドド!!!


お菓子の魔女「!?!!?」



さやか「魔女が…殴られてるの?」

まどか「わかんない、早くて全然見えないよ」

さやか「マミさんには見えてますか?」

マミ「辛うじて、ね」

QB(マミですら目で追うのがやっと……ただの肉体強化の魔法だけでは説明が付かないね)



134 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/24 15:08:25.49 GTcB8fzD0 50/208

パラッ


ほむら「テーピングが…やっぱり、グローブにした方が良いかしら」

お菓子の魔女「」ギギギッ

ほむら「流石にしぶといわね」



ほむら「でも、長引かせる気はないわ」

お菓子の魔女「」グァア!!


ググッ…


ほむら「はぁああっ!!」


ドォオオオン!!





さやか「ほ、ホントに素手で倒した…」

マミ「暁美さん…」

まどか「ほむらちゃん!やった」


ゾワッ…!


まどか「うっ…!?」

まどか(なに…今の感じ…?)

QB「まどか、どうしたんだい?」

まどか「え、ううん。なんでもないよ」

QB「そうかい」

まどか「ほむらちゃーん!」タッタッタッ

さやか「あ、ちょっとまどか!」タッタッタッ

マミ「……」トコトコ


QB(……彼女達に暁美ほむらの戦いを見せたら何か掴めると思ったが、収穫無しか)

QB(これは、少々厄介かもね)

144 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/25 01:20:44.84 NVbb6FjO0 51/208

ほむら「……」ヘンシンカイジョ

コツ…シュゥウウ


ほむら「あと一回は使えそうね」

まどか「ほむらちゃーん!ってわぁ!?」

さやか「まどかー、っておわ!?」

ほむら「二人して何を驚いてるの?」

さやか「何ってあんた…」

まどか「ほむらちゃんの制服が、ボロボロだからだよ?」

ほむら「ああ、そういえば直すのを忘れてたわ」パァアア

マミ「あの、暁美さん…」

ほむら「丁度いいわ。ソウルジェムを出して」

マミ「え、あ、はい」


コツ…シュゥウウ


ほむら「これでいいわね。QB」ポイ

QB「きゅっぷい」パク

さやか「た、食べちゃったの?」

QB「これもボクの役目の一つだからね」


ズズズ……



まどか「元の場所に戻った」

ほむら「……」クルッ

マミ「あ、待って暁美さん!」

ほむら「何かしら」



145 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/25 01:35:35.73 NVbb6FjO0 52/208

マミ「あの…その…」

ほむら「?」

マミ「た、助けてくれて…ありがとう」

ほむら「……それだけ?」

マミ「え…?」

ほむら「他に言うことはないの?例えば、いきなり拘束した事とか」

マミ「っ……!」

さやか「ちょっと、あんた何言って」

まどか(待ってさやかちゃん)

さやか(まどか?)

まどか(今は二人だけに話させて。大事なことなの)

さやか(でも)

まどか(お願い)

さやか(……わかったよ)





ほむら「私がどうやってあなたの捕縛魔法を解いたかわかる?魔力で無理やり結界だけを壊して、使い魔に襲わせたのよ」

マミ「!?」

ほむら「一歩間違えば死ぬ寸前の危ないやり方だったわ」

マミ「わ、私…」

ほむら「でも、正直なところそれに関しては恨んではない」



ほむら「私が許せないのは、あなたが負けそうになったことよ」

147 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/25 02:16:39.16 NVbb6FjO0 53/208

ほむら「もし私が捕縛魔法を解けなかったらどうなっていたかしら」

マミ「それは…」

ほむら「勿論、あなたはあの時に死んだでしょうね。そして最悪、あの二人も殺された」

マミ「ぅ……」

ほむら「あなたの慢心が、二人の命を奪うところだったのよ」

マミ「うっ……うぅ…」ポロポロ

ほむら「………」




ほむら「私のことが嫌いなのはわかるわ」

マミ「!!」

ほむら「だけど、せめて魔女と戦う時くらいわ協力し」

マミ「違うの!」

ほむら「え?」

マミ「私…暁美さんの事が嫌いじゃないの!」

ほむら「え…え?」

マミ「昔一緒に戦った魔法少女と暁美さんのこと重ねて、また裏切られるじゃないかって勝手に怯えて、今日のことも、この間銃を突きつけたことも、全部全部私が弱虫だからで」

ほむら「と、巴マミ。落ちつい」

マミ「本当は暁美さんと仲良くしたいのに……私、私」

ジワッ…

マミ「ごめんなさ~~い!!」ボロボロ

ほむら「」

148 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/25 02:31:49.62 NVbb6FjO0 54/208

マミ「うわ~ん!」ボロボロ

ほむら「わ、わかったから。そんなに泣かないで」オロオロ

さやか「放っておいていいの?」ボソボソ

まどか「私もこんな事になるなんて思ってなかったから、どうすればいいかわからないよ」ボソボソ

マミ「わ~ん!」ボロボロ

ほむら「私も言い過ぎたわ。もう怒ってないから、ね?」

マミ「ひっく…ひっく…」グスン

ほむら(何故私は罪悪感を感じてるのかしら。ちょっとだけ仕返しするつもりだったのに……)

マミ「ごめん、なさい……いきなり泣いたりして…」グスッ

ほむら「ええ、正直驚いたわ」

マミ「……怒った?」

ほむら「言ったでしょ。もう怒ってないって」

マミ「ごめんさい……」

ほむら「謝ってばかりね」クス

マミ「うっ…」カァアア

149 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/25 03:03:19.81 NVbb6FjO0 55/208

ほむら「それじゃ、失礼するわ」

マミ「あ……」


クルッ


ほむら「また明日逢いましょう。マミ」ニコッ

マミ「!!」


スタスタ


マミ「暁美さんが笑った…それに呼び捨てにされちゃった…」ボー

まどか「マミさんとほむらちゃんが仲良くなったよ!」

QB「やったねまどか」

さやか「なにこれ」



翌日 見滝原中屋上 昼休み


マミ「……」チラッ

ほむら(鶏は胸肉の方がタンパク質高いのかしら)モグモグ

マミ「……」チラッ

ほむら「?」

マミ「…!」サッ

さやか(マミさんめっちゃ転校生チラ見してる…)

まどか「はい、あーん」

QB「きゅっぷい」パク






157 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/25 10:50:48.45 NzXU9zSj0 56/208

ほむら「マミ。気にせいかもしれないけど、さっきから視線をこっちに向けてない?」

マミ「ひゅえ!?」

さやか(まあ、あんだけ見てればバレるわな)

ほむら「言いたいことがあるなら言って頂戴」

マミ「えっと…そ、そのれじゃあ一ついい?」モジモジ

ほむら「ええ、どうぞ」

マミ「ど、どうして暁美さんは私を呼び捨てにするの?」

ほむら「あら、嫌だったかしら」

マミ「え!?」

ほむら「そうよね。仮にも後輩に呼び捨てにされたら、気分のいいものじゃないわね」

マミ「ち、ちが」

ほむら「ごめんなさい。次からは『巴さん』って呼ぶわ」

マミ「あうぅ!」ガビーン



まどか「大変だね」

さやか「本音は?」

まどか「マミさん可愛い」




158 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/25 11:36:37.47 NzXU9zSj0 57/208

マミ「い、嫌じゃないのよ!寧ろうれ…じゃなくて、ただどうしてかなって思っただけで」

ほむら「特に理由はないわ」

マミ「それはそれでショック!」ガガビーン

ほむら「?」ゴキュゴキュ

まどか「あ、ほむらちゃんまたプロテイン飲んでる」

さやか「よくご飯食べながら飲めるわね」

ほむら「意外に飲みやすいものよ」

マミ「おいしいの…?」

ほむら「飲んでみる?」スッ

マミ(ええ!?こ、これってかっかかか)

さやか「じゃ一口」

マミ「あ」

さやか「うげぇ、やっぱ合わない。転校生味覚おかしいんじゃないの?」

ほむら「転校前は味気ない病院食ばかりだったから否定しないわ」

マミ「」ゴゴゴゴ

さやか「おう!?」ビクッ

まどか「今のはさやかちゃんが悪いよ」

161 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/25 12:35:12.23 NzXU9zSj0 58/208

マミ「酷いわ!美樹さん!」ポカポカ

さやか「なぜ私は殴られてるのか(痛くないけど)」

まどか「うーん、もうちょっと甘くならない?」

ほむら「その必要はないわ」ファサァ



放課後



ほむら(帰って技の特訓でもしようかと思ったけど)

マミ「今日はドーナツにしてみたの」

まどか「わあ、おいしそう」

さやか「マミさん何でも作れるんですね」

マミ「覚えちゃえば簡単よ?」

ほむら(お茶会に誘われてしまったわ)

マミ「暁美さんはハーブティー大丈夫?」

ほむら「ええ、頂くわ」


ほむら(……久しぶり来たけど)


マミ「私の部屋、何か変かしら?」

ほむら「いいえ。あなたらしい素敵なお部屋よ」

マミ「え、あ、ありとう」カァアアア


164 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/25 12:51:16.76 NzXU9zSj0 59/208

ほむら「え?」

マミ「ひゅい!?」

まどか(噛んだ)

さやか(噛んだよ)

QB(噛んだね)


ほむら「……ぷっ」



ほむら「どうやったら、そこ噛むのよ」クスクス



まどか「ほむらちゃん…可愛い」

ほむら「え?」

さやか(悔しいけど、確かに可愛いわ)

マミ「……」ポー














QB(彼女達の絆が固まり始めた)

QB(さやかはまだほむらに対して不信が有るようだが、それが消えるのも時間の問題)

QB(仕方ない、この街に彼女を戻すとしよう)

194 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/27 00:53:25.65 uYq6MIIJ0 60/208

見滝原市立病院


恭介「……」

コンコン

恭介「……どうぞ」

さやか「可愛い女の子だと思った?残念さやかちゃんでしたー」

恭介「……」

さやか「恭介?」

恭介「さやか」




















恭介「何しに来たんだい?」

197 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/27 01:36:51.10 uYq6MIIJ0 61/208

見滝原 大橋




ビキッ…!




芸術家の魔女「」ギギ…ッ


ほむら「終わりよ」



ドォン!



ベキベキベキベキベキ!!



――バァアン!!




カラン



マミ「お疲れ様、暁美さん」

ほむら「ごめんなさい、使い魔だけ任せて」

マミ「いいのよ。暁美さんには命を助けられたんだもの、この位のことなら幾らでもやってあげるわ」

ほむら「ありがとう」


ズズズ…


マミ「外は大分暗くなってたのね」

ほむら「……」

マミ「どうかしたの?」

ほむら「……少し疲れただけよ。さあ、帰りましょうか」

マミ「ええ」







ほむら(さよなら。私の始まり)



199 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/27 02:03:57.41 uYq6MIIJ0 62/208

マミ「それにしても、最近は魔女の活動が活発になってきたわね。以前はここまで立て続けに現れたことなんてなかったのに」

ほむら「あいつの影響かもしれないわ」

マミ「あいつ?」

ほむら「ワルプルギスの夜」

マミ「!?」

ほむら「二週間後、あいつはこの街に来る」

マミ「どうしてそんなことが」

ほむら「秘密。でも事実よ。私はその為に力を付けてきた」

マミ「………勝てるかしら、私達」

ほむら「勝たなければならないの。そうしなきゃ、全てを失う」

マミ「暁美さん……」

ほむら「その時はマミ、頼りにしてるわよ」

マミ「も、勿論よ!」ドキン


マミ(ああああああどうしちゃったのよ私!暁美さんを見てこんな……い、いけないわ!女の子どうしでそんな…)

ほむら(あら、あそこの店、パイナップル味のプロテインが置いてあるわ)

200 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/27 02:55:17.81 uYq6MIIJ0 63/208

ピカッ


ほむら「!」

マミ「ソウルジェムが…!」

ほむら「この反応は魔女ね。この先から………しまった!」ダッ

マミ「暁美さん!?」




ほむら「どうして忘れていたの…全てのことが前の時間軸と同じではないと…」

マミ「暁美さん!突然走り出してどうし」

ほむら「この先の廃工場で集団自殺が起きるわ」

マミ「何ですって!?」

ほむら「時間がない。早く行かないと手遅れになるわ」

マミ「急がないと!」

ほむら(そこにはまどかも…間に合って…!)






使い魔「カタカタカタカタカタ」

まどか「嫌だ!助けて…誰かああああああああああ!!」



ぐちゃ



まどか「…!」フヨフヨ


使い魔「カタカタカタカタ」

まどか(テレ、ビ…?)

『』

まどか(なにか映って…)

『あははははははははははは!』

まどか「ひっ…!?」



使い魔「カタカタカタ」


ガシッ ガシッ


ぐい~~~~~ん!




まどか「ぐっが……ああああああああああああああ!」

201 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/27 03:06:06.53 uYq6MIIJ0 64/208

まどか(助、け…て…!)


ザンッ!


まどか「……!」



バサッ……



さやか「…」ニッ

まどか「さやかちゃん…!」




『カタカタカタカタ』


ズルズル


使い魔「カタカタカタカタ」ワラワラワラ


さやか「はっ…!」


ザシュウッ!ザッ!


さやか「うりゃあ!」



ザンァッ!!



引きこもりの魔女「…!」ズルッ


バザアッ―!


さやか「これでトドメだああああああああ!!」




ズシャアアアアアアアアアア!!





202 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/27 03:17:46.01 uYq6MIIJ0 65/208

さやか「いやー間一髪だったね。でも初めてにしちゃ上手くやったでしょ?あたし」


ザッ


ほむら「…!」

さやか「ありゃ?マミさんと転校生じゃん」

マミ「美樹さん…!?その姿は」

さやか「見ての通り、あたし魔法少女になりました。ついでに魔女も倒したから、もう大丈夫ですよ」

まどか「さやかちゃん…」

マミ「とりあえず場所を変えましょう。もうすぐここに警察が来るわ」

ほむら「……っ」


グッ

211 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/27 13:17:33.71 tKs1qHeX0 66/208

マミ「いつ契約を?」

さやか「昨日の放課後です。どうしても叶えたい願い、見つかったんです」

マミ「前に話した、他人の願いね」

さやか「はい。でもあたし、後悔してません」

ほむら「どうして、そう言い切れるの」

さやか「あたしはあいつの為なら、どんなに痛いことも怖いことも我慢できる。そう思えたの」

さやか「それに気付いたんだ。あいつの願いは、あたしの願いでもあるんだって。だから」



さやか「後悔なんて、あるわけない」


まどか「さやかちゃん……」

マミ「覚悟の上ね。なら私からは何も言えないわ」

ほむら「……」


ほむら(どうして……あなたはいつも)



212 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/27 13:31:11.23 tKs1qHeX0 67/208

さやか「なにさ、転校生はあたしが魔法少女になって不服?」

ほむら「……今更、何を言っても遅いわ」

さやか「なんだと…?」

まどか「あわわわわ」

マミ「はいはい。二人とも喧嘩しないの」

さやか「だってマミさん、コイツが」

マミ「そう突っかからないの。これから一緒に戦う仲間なのよ?」

さやか「ちぇー……」

まどか(良かった…)ホッ

さやか「とにかく。これから見滝原市の平和は、この魔法少女さやかちゃんがガンガン護っていっちゃいますよー!」

マミ「頼りにしてるわ」

まどか「頑張って、さやかちゃん」

さやか「あたし、舞い上がっちゃってますね」エヘヘー



ほむら「なら、あなたにはまずやってもらう事があるわ」

さやか「え?」

まどか「それって何なの?」

ほむら「決まっているわ。特訓よ」



215 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/27 13:57:58.30 tKs1qHeX0 68/208

翌日の放課後


まどか「誰もいないね」

ほむら「ここは人気もない上に、多少大きな音がしても問題ない。特訓には最適の場所よ」

さやか「ホ、ホントにやるの?」

ほむら「当たり前でしょ。あなたが魔女を倒せたのは、奇跡に近い偶然なのよ」

さやか「あたしが強いってのは?」

ほむら「はぁ……」

さやか「何にその反応!?やんのかコラ!」

マミ「そう怒らないの。初戦で魔女を倒せたのは確かだけど、まだ美樹さんが魔法少女としての経験が浅いのも事実なんだから」

さやか「うう…マミさんまで~」

マミ「私も通った道よ。頑張りましょう」

まどか「さやかちゃん、ファイト」

さやか「なんであたしがこんな目に~」

ほむら「……そうね、あなたはまず自分の実力がどれ程のものかを知るべきね」

ほむら「マミ。美樹さやかと手合わせしてあげて」

マミ「わ、私?」

ほむら「今の美樹さやかなら、リボンだけで倒すことも可能でしょ?」

さやか「かっちーん。よーし、あたしの実力見せてやろーじゃん!」ヘンシン

ほむら「大した自信ね。マミ、遠慮しなくていいわ」

まどか「二人とも、怪我しないでね」

マミ(私の意思は…?)ヘンシン



216 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/27 14:17:29.98 tKs1qHeX0 69/208

ほむら「まさか開始数秒で決着が付くとは」

さやか「うぅー……」ギュゥウ

まどか「酷いよマミさん…こんなのってないよ」

マミ「だ、だって美樹さんの動き早いし、暁美さんが遠慮すなって」

ほむら「仕方ないわ。わかったでしょ、これが今のあなたの実力よ」

さやか「……だ」

ほむら「?」

さやか「不公平だー!ベテランのマミさんに勝てるわけないじゃんかー!」

ほむら「あなたって人は……」ハァ

さやか「それにあたしとマミさんじゃ武器の段階で差が有るじゃん!」

マミ「そんな屁理屈言ってちゃ、いつまでたっても強くなれないわよ?」

さやか「でもマミさぁん…」

ほむら「いいわマミ、次は私が手合わせする」

マミ「暁美さん…」ヘンシンカイジョ

さやか「きゃん!」ドサッ

ほむら「ここでわかっておかないと、彼女はいつか命を落とす」

さやか「いった~降ろすなら言ってよ~」


ザッ


ほむら「私が相手よ」

さやか「へん!アンタなら相手ならさっきみたいにはいかなよ」

ほむら「そうなることを祈ってるわ」

220 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/27 14:42:21.44 tKs1qHeX0 70/208

さやか(とは言ったものの……あたしでも転校生が強いのはわかるよ。さっきも緊張してちょっと噛んじゃったし……)

ほむら「……私の準備は出来てるわ。いつでも来なさい」

さやか「は?だってアンタまだ変身して」

ほむら「言ったでしょ?準備は出来てるって」

さやか「この…!」

マミ「暁美さん!?それはいくらなんでも危険だわ!」

まどか「危ないよ!ほむらちゃん!」


さやか「本気なんだね…」

ほむら「マミもいるわ。多少の怪我なら問題ない」

さやか「だったら、大怪我したって……恨みっこなしだからね!!」ダッ!

まどか「ひっ…!」



―トン



さやか「え?」

ほむら「今、あなたは一回死んだわ」

さやか「…っ!」

ほむら「続ける?」

さやか「あ、当たり前だぁあ!」




まどか「な、なにが起きたの…?ほむらちゃんの拳が一瞬でさやかちゃんの頭に」

マミ「カウンターよ。美樹さんが突き立てた剣を、暁美さんは軽く避けて攻撃したの」

まどか「ほむらちゃんは、さやかちゃんの動きが見えてたんですか?」

マミ「そうみたいね。プロボクサー並の反射神経だわ」

221 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/27 15:35:02.19 tKs1qHeX0 71/208

ほむら「無駄な動きが多い。あなたは武器を使うのではなく、使われてるわ」

さやか「うるさい!」ブンッ!


パシッ!


さやか(手首を掴まれた!)

ほむら「はっ!」

さやか「っ!」


トン


ほむら「十六回目よ」

さやか「……」

ほむら「もうわかったでしょ。自分がどれだけ未熟か」

さやか「……っ!」ダッ

マミ「美樹さん!どこ行くの!」

まどか「さやかちゃん!」

ほむら「待ちなさい。追うのはマミだけでいいわ」

まどか「え、どうして…」

ほむら「美樹さやか私に負けてきっと意固地になってる。ここはあなたや私が行くよりマミの方が最適よ」

まどか「でも」

マミ「わかったわ。大丈夫よ鹿目さん、安心して待ってて」


タッタッタッ

238 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/27 22:17:02.30 a7VNGMaK0 72/208

ほむら「さて、戻ってくるまで休んでましょう」

まどか「一つ、聞いてもいいかな」

ほむら「なにかしら」

まどか「どうして、変身しなかったの?」

ほむら「美樹さやかに危険が及ぶからよ」ヘンシン


ほむら「変身した状態の私は魔力で身体能力を普段の数十倍強化してるの」

ほむら「でも、私の持つ本来の魔法はそれとは違ったもの」

まどか「本来の魔法?」

ほむら「契約時の願いが使える魔法に関係するの。マミの願いは知ってるわね?」

まどか「う、うん」

ほむら「彼女が得意とするリボンの魔法は、命を繋ぎ止めたい願いから生まれたもの」

ほむら「練習すれば他の魔法も覚えられるけど、殆どは初めからある力しか使わないわね」

まどか「そうなんだ」

ほむら「美樹さやかにはああ言ったけど、私もまだ未熟な部分が多いわ。例えば、意識してないと力加減が出来ないとかね」コン


ビキィ!!


まどか(コンクリートに、ヒビが入っちゃったよ…!)

ほむら「だから変身した状態で今の彼女と手合わせするのは危険と判断したのよ」ヘンシンカイジョ

まどか「ちゃんと考えてたんだね、ほむらちゃん」




まどか「ねぇ、もう一つ聞いていいかな?」

ほむら「どうぞ」

まどか「ほむらちゃんの本来の魔法ってどんなの?」

ほむら「知りたい?」

まどか「うん」ワクワク

ほむら「秘密」

まどか「えー!?」ガーン

ほむら「フフッ。もう少し待ってて、いつかちゃんと話すわ」

239 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/27 22:54:07.59 a7VNGMaK0 73/208





マミ「美樹さん、どこにいったのかしら」

ヒョコ

QB「やあマミ」

マミ「QB!アナタ今までどこ行ってたの!」

QB「少し他の魔法少女の所にね。それより誰かを探しているようだったけど」

マミ「そうだ。QB、美樹さんを見なかった?」

QB「さやかならこの先で見かけたよ」

マミ「ありがとう。今日は帰ってくるの?」

QB「そのつもりだよ」

マミ「じゃあ美味しいケーキ用意しとくわ。またあとでね」



QB「きゅっぷい。ボクには味覚がないって言ってるのに、どうしてマミはいつも美味しいものを用意するのかな?」

ザッ

QB「どこに行ってたんだい?」

「うっせーな。アタシの勝手だろ」

QB「別に咎める気はないさ。そうそう、さっきマミに会ったよ」

「へー…そうかい」

QB「会わないのかい?」

「冗談。誰があんな甘ちゃんと会いたいかっつーの」

QB「その割には寂しそうに見えるけど」

「黙れよ。殺すぞ」

QB「やれやれ、どうして君はそう暴力的かな」

「フン」

QB「久しぶりの見滝原だ。ゆっくりしていくといい」

「残念だけど、ゆっくりする気はないよ」











杏子「こんだけ魔女の気配がするんだ。腹いっぱい食わせてもらわなきゃな」

241 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/28 00:19:30.89 Rr+PMEOF0 74/208

さやか「……」

マミ「ここにいたのね」

さやか「マミさん……」

マミ「隣、いいかしら?」

さやか「……どうぞ」



さやか「………」

マミ「悔しい?」

さやか「…」コク

マミ「美樹さんは負けず嫌いだものね」

さやか「……マミさん」

マミ「なに?」

さやか「あたし、そんなに弱いですか」

マミ「つい最近まで普通の女の子だったのよ。初めから強い方が珍しいわ」

さやか「そう、ですか…」

マミ(……そうとう落ち込んでるわね。暁美さん、ちょっとやり過ぎよ)

さやか「……よ」

マミ「美樹さん?」

さやか「何でだよーーーー!!!!」

マミ「うひゃあ!?」ビクゥ!

さやか「なんで変身してない転校生に負けちゃうかなもー!あたし才能ないの?いんや違う、転校生が筋肉バカなんだ!!」

さやか「って、それに負けたあたしはもっとバカ?あー悔しい悔しい悔しーーい!!」

マミ「み、美樹さん」

さやか「決めた!あたし、転校生やマミさんより絶対強くなる!」

さやか「魔女もぜーんぶあたしが倒す!そういうわけでマミさん、戻りましょう!」

マミ「え、ええ…」

さやか「待ってろよー転校生!いつかそのクールな顔崩してやるからなー!」ズンズン

マミ(吹っ切れた…のかしら?ま、元気が出て何よりだわ)




ズンズン…ピタッ


マミ「どうかしたの?」

さやか「……マミさん」










さやか「ちょっと、胸借ります」

244 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/28 01:34:39.35 Rr+PMEOF0 75/208

ポフン

マミ「み、みみみみ美樹さん!?」アワアワ

さやか「うーんやっぱりデカイですね。ホントに中学生ですか?」スリスリ

マミ「ひゃん!?ちょ、やめなさ……」


ギュッ…


マミ「……美樹さん?」

さやか「ごめんなさい。もう少しだけこうさせて下さい」

マミ(冷たい…泣いてるのね…)

さやか「……来てくれたのがマミさんで良かった。まどかや転校生には、こんな姿みせられないもん」

マミ「私はいいの?」

さやか「マミさんは先輩ですもん。傷心の後輩の面倒くらいみてください」

マミ「そうね。先輩だものね」ナデナデ

さやか「……」グスッ












さやか「あースッキリした。マミさん、ありがとうございます」

マミ「いいのよ。こんな胸でよければいつでも貸すわ」

さやか「では早速、お言葉に甘えて」ワキワキ

マミ「美樹さん?その手はなに?」

さやか「いいじゃないですかー減るもんじゃないですしー!」

マミ「いやー!」


246 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/28 02:04:58.64 Rr+PMEOF0 76/208

さやか「いたた……殴らなくてもいいじゃないですかー」

マミ「乙女の身体を弄ぼうとした罰よ」

さやか「後輩イジメだー」



マミ「!」

さやか「マミさん?」

マミ「使い魔がいるわ」

さやか「ど、どこ!?」

マミ「ここじゃないわ。もう少し、あっちの方ね」

さやか「でも、ソウルジェムは反応してないですよ?」

マミ「弱すぎて魔力を探知できないのよ。でも、確かにいるわ」

さやか「わかるんですか?マミさん、凄い」

マミ「経験を積めばあなたにもわかるわ。行きましょう」

さやか「はい!」





使い魔「ブゥウ~ン!」

マミ「いたわ!」ヘンシン

さやか「よーし!一気に決めてやる!」ヘンシン

さやか「喰らえ!」ヒュン!


ガキィン!!


さやか「弾かれた!?」

マミ「! そこにいるのは誰!?」



杏子「ったく。相変わらず無駄なことしてんなー、マミ」

マミ「佐倉さん……!?」

さやか(魔法少女……マミさんの知り合い?)

使い魔「ブッブ~ン!」

さやか「あ、逃げられ」


チャキ


杏子「だからやめろっつーの」

259 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/28 14:29:57.51 4AYf0AC80 77/208

さやか「何すんの!あれ放っといたら誰かが殺されるんだよ!?」

杏子「そんなの当たり前じゃん」

さやか「なっ…!?」

杏子「何人か喰わせりゃあ魔女になってグリーフシードも孕むのにさぁ、卵生む前の鶏殺してどうすんのさ」

マミ「相変わらずね……そうやって、何人の人を殺したの」

杏子「おいおい、人聞きが悪いな。別にアタシは人殺しなんかしてないぜ?」

マミ「同じよ」

使い魔「ブブ~ン」

さやか「っ…!どけぇ!」

ガキィン!

杏子「ちょっと…何すんのさ!!」

ザシュッ!

さやか「うあっ!」

マミ「美樹さん!」

杏子「トーシローが。ちったぁ頭冷やせ」


パァン!


使い魔「ギエエ!」

杏子(!?)

マミ「あなたはもう少し周りを見たほうがいいわ」

杏子(使い魔が……マミの跳弾か!!)


ブンッ!


杏子「!」


ギィン!


さやか「はあっ…はあっ…!」

杏子「おっかしーな、全治三ヶ月ぐらいにはかました筈だけど?」

マミ「美樹さん!無理してはダメよ!」

さやか「大丈夫…です…!」シュゥウウ

マミ(傷が…!?)

杏子「治癒魔法……まさかアンタ、他人の為に願いを」

さやか「それが…どうしたあ!」


ギィン!!


杏子「どうしてこの街の魔法少女は、こう甘ちゃんが多いかね」

260 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/28 14:58:30.58 4AYf0AC80 78/208

マミ「帰りなさい。他の魔法少女のテリトリーで暴れることがどういう意味か知ってるでしょ」

杏子「知ってるさ。だからこそ、来たんだよ」

マミ「……」

杏子「見滝原はアタシのテリトリーにする。マミ、それとそこのルーキーはご退場願おうか」

さやか「ふざけるな!あんたみたいな奴にこの街は渡さない!」

マミ「私もよ。使い魔を見逃す今のあなたに、私の大切な街を任せる気はないわ」

杏子「なら、力ずくでどかすしかないねぇ…!」

マミ「勝ち目があると思って?私一人にも勝てないのに、今回は二対一よ」

杏子「昔の話だすんじゃねーよ。それに、あの時はほぼ互角……いつまでもガキのままだと思うと、喰うぜ?」

さやか「負けない、あんたなんかに絶対!」











ゆま「キョーコいじめるな!」

262 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/28 15:22:27.30 4AYf0AC80 79/208

ドォオオオン!!


さやか「わぷっ……な、なに!?」

マミ「女の子?」

杏子「ゆ、ゆま!?」

ゆま「キョーコのバカ!ゆまのこと置いていくなんてひどいよ!」

杏子「バカはお前だ!風見残ってろっつただろ!」

ゆま「ヤダ!キョーコがいない!」

杏子「我侭言うな!」

さやか「ど、どうなってるの…?」

マミ(あの子も魔法少女……佐倉さんとどういう関係…?)



ゆま「ゆまのこと…ひとりにしないでよ…」グスッ

杏子「~~~~ああもう、しょうがねーな!」


チャキッ


杏子「お前は青い方をやれ。足手まといになるなよ」

ゆま「! うん!頑張る!」グッ

さやか「ちょっと!そんな小さな子戦わす気!?」

杏子「関係ねーよ。ゆまだって魔法少女だ」

ゆま「そうだよ!ゆまは役に立つんだから!」

さやか「そっちの方が関係な」

杏子「ごちゃごちゃうるせー!いくぞ!!」

269 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/28 15:47:49.93 4AYf0AC80 80/208

ゆま「やあ!」


ドーン!


さやか(あの子、結構強い!?)

マミ「美樹さん!私が佐倉さんを止めるまで何とか耐えて!」

杏子「ナメンな!」


ジャラッ!


杏子「おらぁあ!」

マミ「はあっ!」


ドドドドド!




ゆま「たぁ!えい!」ドーン!ドーン!

さやか「ちょ、あぶ…わあ!」

ゆま「キョーコいじめる奴はゆまがやっつけてやる!」

さやか「いじめてないよ!あっちが先に」

ゆま「やあ!」ズドドーン!

さやか「ちょっとは聞けーっ!」




マミ「意外ね。あなたにあんな小さな仲間がいたなんて」

杏子「そんなんじゃねーよ。魔女を倒したら懐かれただけだ」

マミ「そう」

杏子「おら、お喋りしてる暇あんのか!?」ジャラァ!


キンッ!


杏子「ちっ…」

マミ「私だって、昔のままじゃないのよ」





273 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/28 16:20:16.68 4AYf0AC80 81/208

マミ「はあああ!」

杏子「どりゃああ!!」








ほむら「そこまでよ」








マミ・杏子・さやか・ゆま「!?」



ほむら「全員、動かないで」

マミ「暁美さん…!?」

さやか「あ、あれ?あたしの剣は?」

ゆま「ゆまのねこさんが無い!」

杏子(全員の武器が取られた…!あの黒髪、一体何者んだ!?)パァ…

ほむら「新しい武器は出さない方が賢明よ」

杏子(! あたしの後ろに…!?)

ほむら「手の内が見えない相手とは戦わないのでしょ。佐倉杏子」

杏子「……どこかで会ったか?」

ほむら「さあ、どうかしら」



274 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/28 16:41:28.12 4AYf0AC80 82/208

ほむら「もし続けたいなら私が相手になるわ。ただし、容赦はしない」

杏子(こいつ…)ゾクッ

ゆま「キョーコ!」

杏子「よせ、ゆま。こーゆー相手に無暗に突っ込んでも、死ぬだけだ」

ゆま「でも…」

杏子「大人しく帰ればいーんだろ?」

ほむら「そうしてもらえると助かるわ」

杏子「じゃあそうさせてもらうわ。行くぞ」

ゆま「うん」

杏子「じゃあなマミ。それとボンクラ」

さやか「だ、誰がボンクラだ!!」


タッ




ほむら「さて、と」ヘンシンカイジョ

マミ「あ、あのね暁美さん。これには色々と事情が」ヘンシンカイジョ

さやか「そ、そうだよ転校生。悪いのはあの杏子って奴で」ヘンシンカイジョ

ほむら「ええ。わかってる。だから」





ほむら「詳しく聞かせてもらえるかしら」ニコッ

マミ・さやか(笑顔こええええええ!!!)

275 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/28 17:01:24.46 4AYf0AC80 83/208

マミの家


まどか「ほむらちゃん、もうそれ位に」

ほむら「ダメよ。こればっかりはよく言い聞かせないと」

さやか「だから、反省してるって」ツーン

ほむら「特訓の途中で逃げ出した挙句、ベテラン魔法少女に手も足も出ず、ましてや小学生にすら苦戦したのにそんな態度を取るの?」


グサグサグサ!!


さやか「まどか。あとは任せた」ドサッ

まどか「さやかちゃーん!!」

マミ「美樹さんは悪くないの、私が彼女の挑発に乗ったのが」

ほむら「勿論あなたも悪いわ。いくら昔にいざこざあったとはいえ、まともに戦えもしない美樹さやかと佐倉杏子をぶつけてどうするの。そこは止めるところよね?仮にも一番長く魔法少女をやっているんだから魔法少女同士の戦いがどれ程危ないか知ってる筈よね?」


ザクザクザク!!


マミ「鹿目さん。QBのお世話お願いね」ドサッ

まどか「マミさーん!!」





ほむら「お願いだから、危険な真似はやめて…」ハァ…

さやか「……ごめん」

マミ「……ごめんなさい」

310 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/28 22:48:04.12 diqs/H9v0 84/208

ほむら「佐倉杏子と千歳ゆまの対処は私がするわ。マミは美樹さやかの特訓をお願い」

マミ「対処って、どうするの?」

ほむら「手荒な真似はしないわ。出来れば手を組むつもり」

ダンッ!

さやか「冗談じゃない!グリーフシードの為に人を見殺しにする奴だよ!?」

ほむら「そうだとしても、争うよりはマシよ。実力も申し分ない」

さやか「でも……」

ほむら「仲良くしろとは言わない。一時だけでいいの、我慢してちょうだい」

さやか「………わかったよ」

ほむら「それじゃあマミ。しばらくお願い」

まどか「どこに行くの?」

ほむら「二人を探すわ。狙ってきた以上、そう安々と帰るとは思わないし」

マミ「何かあったらすぐんに連絡してね」

ほむら「ええ」

311 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/28 23:20:26.88 diqs/H9v0 85/208

まどか「大丈夫かな、ほむらちゃん」

マミ「暁美さんの実力なら佐倉さんに負ける筈はないけど、心配ね」

さやか「……あたし」

まどか「?」

さやか「やっぱり、転校生と仲良くなれない」








ゲームセンター


杏子「よーし、そのままそのまま…」

ゆま「そのままー…」ドキドキ

ドサドサドサ!

杏子「やっりぃ!大量!」

ゆま「わーい!お菓子ー!」

杏子「コラゆま!それはアタシのだぞ!」

ゆま「じゃあゆまもクレーンやるー!」

杏子「さっき自分の分使っただろ!」


コツ、コツ


ゆま「あ…!」ギュ

杏子「よお、今度は何だい」

ほむら「話し合いに来た」

杏子「へー。随分と平和的だね」

ほむら「元々、こちらに争う気はないわ」

杏子「ふーん。で、話って何?」

ほむら「二週間後、この街にワルプルギスの夜が来る」

ゆま「わるぷる…?」

ほむら「私の目的はあいつを倒すこと。だから、あなた達にも協力して欲しい」

杏子「『も』ってことは、マミやあのルーキーもいるんだよな。おいおい、仲間ごっこでもさせようってか?」

ほむら「戦力は多いに越したことはないわ」

杏子「……嘘ってわけじゃなさそうだな。いいぜ、協力してやるよ」


ビリビリ


杏子「食うかい?」

316 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/28 23:47:33.54 diqs/H9v0 86/208

ホテル


ゆま「キョーコ」

杏子「なんだ」

ゆま「ワルプルギスの夜ってなに?」

杏子「超弩級の大型魔女。アタシら魔法少女にとっちゃ最強の敵だよ」

ゆま「戦うの?」

杏子「当たり前だろ。こんな美味しい話、逃すかっつーの」


ギュッ


杏子「ゆま?」

ゆま「また置いてっちゃ、ヤダよ……ゆまも、一緒に戦う」

杏子「ああ、それまでにもっと強くなれよ」

ゆま「うん…わか…た……」スー

杏子「……」ナデナデ





杏子『アタシの方も協力してもらうよ』

ほむら『何かしら』

杏子『白い魔法少女…織莉子って奴を探してる』

ほむら『織莉子…』

杏子『知ってるのか?』

ほむら『いいえ、知らないわ』

杏子『何かわかったら教えてくれ。そいつにはちょっと借りがある』

ほむら『いいわ。すぐに教える』








QB『君の探してる魔法少女は、近々見滝原に現れるだろうね』










杏子「……こいつを巻き込んだオトシマエ、必ずつけさせてやるからな」

320 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/03/29 00:31:20.38 Ucto9x4g0 87/208

ヒュオオオ


QB「やあ」

ほむら「久しぶりね。相変わらず姑息な手を使って」

QB「なんのことだい?」

ほむら「白を切っても無駄よ。佐倉杏子がこの街に戻ってきたのはあなたの仕業でしょ」

QB「無理やり連れて来たわけじゃない。彼女が欲しがってた情報を与えただけさ」

ほむら「織莉子…」

QB「ボクとしても彼女には手を焼いていたんだ。何せ、まどかを殺そうとしているからね」

QB「佐倉杏子が戻って来たのは、キミにとっても良い状況の筈だ」

ほむら「私を利用しようっての?」

QB「キミの自由だ。ただし、まどかを護りたいなら利用されるのがいいと思うけど?」

ほむら「……望むところよ」

QB「無事まどかを護れることを願ってるよ。時間遡行者、暁美ほむら」

【後編】に続きます。

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