11月11日。それは、梓の誕生日。
去年は、けいおん部の皆でお祝いしたけど今年は少し違う。
何故なら……
律「何悩んでんだ?」
澪「え?」
律「昨日の話か?」
澪「あ、ああ。まあな」
律「そんなに、悩むほどじゃないと思うけどな。自然に……」
澪「……そうだよな」
でも、その自然にってのが難しいんだよな。
元スレ
澪「記念すべき誕生日」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1352617107/
梓「澪先輩っ」
澪「あっ、梓」
ぎゅっ
澪「わっ」
梓は、私の顔を見るなり腕に抱き付いてきた。
律「朝からお熱いですな」
澪「うっさい///」
律「邪魔者は、先に行きますから」
澪「ああ」
律「昨日の話、さり気なくしてみろよ」ボソッ
澪「う、うん///」
しばし、歩調を遅くして律との距離を開ける。
私と梓は、交際していた。
半年ほど前、私は梓から告白された。
突然の告白にビックリしたけど、意外に積極的な梓の押しもあって
私達は交際をスタートさせた。
梓「最近、朝冷えてきましたね」
澪「そうだな」
梓「でも、こうやって澪先輩と寄り添ってると温かいです」
梓は、私の腕にスリスリと顔をすり寄せる。
澪「私も温かいよ」
流石にこうして歩いてると、ただの先輩後輩には見えないだろうな。
付き合い始めた当初は、人目とか気にしてたけど何時の頃からか吹っ切れた。
澪「じゃあ」
学年の違う梓との分かれ道。
梓「澪先輩」
梓は、キュッと目を瞑り顔を少し上に向けた。
いわゆる、キスして下さいポーズ。
周りをキョロキョロと伺い、人目が無いのを確認すると
ちゅっ
澪「また、昼休みな」
梓「はい」
何故か、初めて梓とキスした時を思い出してしまった……
付き合い始めて、二週間位。
デートの帰り道。
さっきと同じように梓が目を閉じ、キスして下さいポーズを取った。
私も梓とキスしたかった。
なのに改まって、キスをせがまれると身体が硬直して動かない。
梓が目を瞑り、私は身体が硬直。と言う状態のまま、しばしの時間が過ぎた。
梓「?」
梓の目が開いた。
梓「もう……」
梓がそう、呟いたかと思うと私の肩に手をかけ
ちゅっ
梓「待ってる間、恥ずかしかったじゃないですか///」
澪「ご、ごめん//」
それが私と梓のファーストキスだった。
…………
お昼休み
私達は、人目の付かない場所でお弁当を食べるのが日課になっていた。
お互い持参した手作りのお弁当を食べあった。
お弁当も食べ終わると、私は脚の上をポンポンと叩く。
梓は、モゾモゾと私の脚の上に乗っかる。
そして、私に身体を預けるように寄り添う。
梓の身体が密着したら、ギュッと抱きつく。
この体勢は、梓のお気に入りらしい。
澪「あのさ。来週、梓の誕生日だろ?」
頃合いを見て、切り出す。
梓「はい」
澪「誕生日は、一日ゆっくりデートしない?」
梓「デート?」
澪「誕生日は、梓とずっと一緒に居たいなって」
梓「良いですね」
澪「それで……」
梓「……あの、デート終わったら私の家、泊まっていきません?」
梓「その日、両親留守だから気使わなくて良いですよ」
澪「!」
澪「良いね。それなら一日梓と一緒に居られる」
少し予定は狂ったけど、ほぼ計画どおり。
梓の誕生に、私は一つの野望を抱えていた。
それは……
初H
ウブな私達は、付き合い始めてから半年経つというのに、まだ済ませてなかった。
そういう雰囲気に持っていくと言う意味で、梓の誕生日と言うのは、うってつけだった。
~昨日~
律「えええぇええ!!」
律「まだ、してなかったの?H」
澪「うん///」
律「付き合って半年も経つだろ?」
澪「そう……だけど」
律「えええぇええ!!」
澪「何で2回も驚くんだよ」
律「だって、スゲーいちゃいちゃしてるから、てっきり毎日の様にHしてるのかと」
澪「毎日するか!///」
律「したくないの?H」
澪「……そういうのは、お互い大人になってから///」
律「本音は?」
澪「……Hしたい///」
律「正直でよろしい」
澪「で、でも誰とでもHしたいって訳じゃなくて、梓とだから///」
律「はいはい、わーってるよ」
澪「中々そういう雰囲気に持ち込めないっていうか///」
澪「ち、ちなみに律達はどの位でHしたの?」
律「付き合い始めて、20日くらいだ」
澪「早……」
律「愛があれば、そんなもんだぜ」
律は、私よりも一足早く恋人を作り交際していた。
お陰で、色々とアドバイス貰ったりしていたのだった。
律「……来週さ、梓の誕生だろ?」
澪「うん」
律「ちょうど良い機会じゃん。誕生日お祝いして、そのまま梓を家に泊めて」
澪「あ、なるほど」
律「でも、普段通りじゃダメだぜ?」
澪「普段通りじゃダメ?」
律「そう。例えば……」
…………
梓「澪先輩?」
澪「ハッ!」
梓「今日、何だかボーッとしてますよ?」
澪「そ、そんな事無いよ」
梓「そうですか?」
澪「うん」
キーンコーンカーンコーン
澪「もう昼休み終わりか」
梓「早いですね」
澪「また、放課後」
梓「はい」
~放課後~
放課後になり、部活の時間が始まる。
梓と恋人になったからと言って、特別変わりはない。
今までの5人の関係が崩れるのも嫌だったから
部活は部活、プライベートはプライベートと割り切っていた。
律「よーし、今日の部活終わり」
唯「帰ろう」
紬「うん」
律唯紬「バイバイ」
律達は、私達に気を使い先に三人で帰って行く。
梓「どうでした?新曲のリフ」
澪「ん?ああ、良い感じに弾けてたよ」
梓「ありがとうございます。澪先輩に褒めて欲しくて頑張って練習したんですよ」
澪「そうか、頑張ったな」
梓「はい」
澪「じゃあ、頑張ったご褒美に」
梓を抱き寄せ、ギュウッてして上げた。
梓「えへへ」
梓「キス、して下さい」
甘い声でキスのおねだり。
髪をかき上げてデコチュー。
ちゅっ
両方のほっぺたにキス。
ちゅっ、ちゅっ
そして、唇に。
澪梓「んちゅっ、ちゅぱっ、ちゅちゅっ」
梓とのベロちゅ~は、トロけるような甘さ。
ずっとキスしてたいって思っちゃう。
ガチャガチャッ
律「忘れ物っと……」
澪梓「あ///」
律「…………」
律「はいはい、失礼しやしたっと」
ガチャガチャッバンッ
律「あれだけラブラブなのにねえ」
梓「続きしましょ?」
澪「うん///」
澪梓「ちゅっちゅ、ぺろぺろ、ちゅぱちゅぱっ」
梓「澪先輩、ベロちゅ~上手くなりましたよね///」
澪「そ、そう?///」
初めて、ベロちゅ~した時なんて……
いつもの様に軽いキスを交わしてたら、柔らかくてヌルッとした物が私の口内に入ってきた。
澪「わっ!」
思わず唇を離してしまう。
梓「ベロちゅ~嫌ですか?」
あ、さっきのは梓のベロか。
今まで軽いキスしかした事なくて、ちょっと恥ずかしかったけど私もベロちゅ~に興味あったし
澪「ううん、嫌じゃないよ///」ってOKした。
梓「じゃあ……」
再びキスを交わす。
やり方が良く分からず、舌先をレロレロするだけ。
お互い舌を絡めるタイミングが合わなかったりで、中々上手く出来なかった。
キスしてた唇を離すと、私と梓の間にツゥっと架け橋が出来た。
ベロちゅ~した後って、本当に唾液ブリッジが出来るんだな。
澪「う、上手く出来なくてごめん///」
梓「慣れですよ、慣れ。回数こなせば、上手くなりますよ///」
澪「うん///」
それからは、毎日のようにベロちゅ~してた。
お陰で、上手と言われるまで上達しました。
…………
澪「そろそろ帰ろう?」
梓「はい」
梓「誕生日、楽しみです」
澪「私もだよ」
澪「何処か行きたい所とかあったら、考えておいてくれ」
梓「はい」
澪「じゃあな」
ちゅっ
サヨナラのキスを交わし、梓を見送った。
―――――
月日が流れるのは早いもので、もう11月10日。
梓の誕生日前日になってしまった。
私もあれから、色々と計画を立てたりと着々と準備を進めていた。
~~~♪
澪「!」
この着信音は……
そう、梓限定の着信音。
澪「もしもし」
梓「もしもし、澪先輩?」
梓「明日のデートなんですけど……」
澪「うん」
梓と話しながら、ふと鏡に映った自分の姿を見てみると、とんでもなくだらしない笑顔になっていた。
うわ、私こんな顔してたんだ///
梓「澪先輩?」
澪「あ!ごめん、明日一時に駅前で待ち合わせな?」
梓「そうです。じゃ、また明日」
梓「お休みなさいです」チュッ
梓から電話越しにお休みのキス
澪「おやすみ」
チュッと、電話越しにお休みのキスのお返し。
プツッ
その日は中々寝付けなかった。
遠足が楽しみで寝付けない子供の様に。
11月11日
梓「澪先輩」
私の姿に気づいた梓がフリフリと手を振る。
私も手を振り返す。
梓は、私に駆け寄り腕に飛びついてきた。
ニコニコとした笑みを浮かべて私を見上げてくる。
人前で、イチャつくのは苦手だった私だけど
梓と付き合いだしてから、変わり始めたんだっけ。
初めて手を繋いだ日なんて……
梓と付き合い始めた日の帰り道。
恋人になったからと言っても、どうして良いか分からず
ただ、ポツリポツリと会話を交わしながら歩いていた。
やがて梓が、
梓「あの……手///」
澪「ん?」
梓「手繋いでも良いですか?///」
澪「あ、うん///」
梓「じゃ、じゃあ///」
ぎゅっ
繋がれる手と手。
こんな風に、梓と手をつなぐのは合宿の肝試し以来かな?
梓「ずっとこうやって、澪先輩と歩きたかった」
澪「こ、これからは、毎日こうやって出来るな///」
梓「はい///」
…………
梓「映画館着きましたよ?」
澪「あっ、もう着いちゃったか」
律からのアドバイスを実行せねば。
~律からのアドバイスその1~
律「雰囲気作りは、大事だぜ?」
澪「雰囲気作りか」
律「昼間のうちから、なるべく大胆にだな」
澪「大胆に」
律「梓に、今日の澪は少し違うな?何かあるのかな?って思われる位で」
澪「なるほど」
…………
映画館
梓「座席何処にしましょうか?」
澪「一番後ろの席にしないか?」
梓「一番後ろですか?良いですけど」
私達の周りは、空席だ。
梓「映画見てる間、手繋いでて良いですか?」
澪「うん」
ぎゅっ
上映開始
梓(うわ、怖いシーンだ。澪先輩大丈夫かな?)
澪「うわああぁーっ!!」
ぎゅうううっ
梓(案の定……)
梓「大丈夫ですよ」
澪「……うん」
せっかくだし、ちょっと梓に甘えてみようかな?
澪「少し、顔伏せてて良いか?」
梓「そうですね。しばらく、顔伏せてて下さい」
澪「うん」
梓の胸へと顔を埋める。
梓「あ///」
澪「怖いシーン終わったら教えてくれ」ぶるぶる
梓「はい」
梓は、私の身体を抱き寄せ頭を撫でてくれた。
なでなで
普段、梓の頭を撫でてるけど、たまには逆も良いもんだな。
梓と触れ合ってる部位が温かい。
梓「もう大丈夫ですよ」
澪「本当?」
顔を上げると、主人公とヒロインのキスシーンだ。
良し、ここで。
繋がれた手を取り、梓の手の甲にキス。
ちゅっ
梓「わっ///」
そのまま、梓の頭を抱き寄せる。
ちゅっ
映画のキスシーンとシンクロさせる。
澪梓「んちゅっ、ちゅっ、ちゅぱ……」
映画館内で、私達二人だけ別の空間に居る様な錯覚さえ覚える。
上映終わり
梓「最後の方、あまりよく見られませんでしたね」
澪「長くキスをし過ぎちゃったな///」
梓「澪先輩が中々離してくれないから///」
澪「雰囲気に酔いしれてたって言うか///」
……映画館でキスしちゃったのは、大胆すぎたかな///
私って結構大胆だったのかも///
梓「あ!あそこにプリクラありますよ」
澪「プリクラ撮ろうっか?」
梓「はい」
梓「このデザイン可愛いですね」
澪「そうだな、これにしよう」
梓「落書き落書き」
澪「落書き落書き」
梓「じゃ撮りますよ?」
澪「ああ」
パシャッ
梓「澪先輩」
澪「ん?」
ちゅっ
パシャッ
画面には、私と梓のキスシーンが。
こうして見ると、結構照れくさいな///
澪「梓も結構大胆だな///」
梓「さっきのお返しです///」
……
澪「梓、何処か行きたい所有るか?」
梓「そうですね……洋服とか見に行きたいです」
澪「あ、良いね。丁度秋物セールやってるだろうし」
梓「じゃ行きましょ」
洋服売り場
澪「このシャツのデザイン良いな」
梓「そのデザイン良いですね。私も買って良いですか?」
澪「え?お揃いでか?」
梓「そうです、ペアルックです」
澪「うん。良いけど、ペアルックにしたら馬鹿ップルみたいだぞ?」
梓「良いじゃないですか、馬鹿ップル」
澪「ふふ、そうだな」
―――――
澪「夕食の買い物も済ませたし、そろそろ帰ろっか?」
梓「はい」
~梓の家~
澪「お邪魔しまーす」
梓「私の部屋行きましょ」
澪「うん」
梓「飲み物持ってきますから、ベッドにでも座ってて下さい」
澪「悪いな」
バタン
梓のベッド……
ここが今日の最終決戦場。
数時間後には、ここで梓と。
澪「ふへへへへ///」
枕に顔を埋め、足をバタバタさせる。
梓「澪先輩、何やってるんですか?」
澪「ハッ///」
澪「ゴホン。ちょっと運動///」
梓「変わった運動しますね」
梓「どうぞ、アイスティーです」
澪「ありがと」
ごくごく
飲み終わったアイスティーをテーブルに置くと、梓は私に身体を預ける様に寄り添ってきた。
梓「せっかく澪先輩と二人きりなんだし、イチャイチャしたいです」
澪「じゃ、沢山イチャイチャしちゃおうか?」
梓「わーい」
澪「うわーっ///」
梓に抱きつかれ、そのまま一緒にベッドに倒れ込む。
いちゃいちゃ、ちゅっちゅっ
いちゃいちゃ、ちゅっちゅっ
ガラン
先ほど飲んでいた、アイスティーの氷が音を立てた。
その音を耳にして、ハッとなる。
ベッドで、こうしてると何か……凄くH///
これはHのチャンス?
……落ち着け、まだ夕食前だ///
梓「澪先輩?」
私の身体に覆い被さっていた梓が上半身だけ起こし不思議そうに、こちらを見下ろす。
Hな言い方すれば、騎乗位って体勢?
澪「……そろそろ夕飯の準備しよっか?」
さり気なく、話題を変えてみる。
梓「んー、もう少し澪先輩とこうしてたいです」
もう、仕方ないな。
その体勢のまま、ゆっくり梓を押し倒す。
今度は逆に、私が梓を見下ろす体勢。
澪「今日は、梓の誕生日なんだし私が作るけど」
梓「澪先輩ばっかりに任せられないですよ」
澪「じゃ、一緒に作ろうか?」
梓「そうですね。そうしましょ」
梓「澪先輩」
両手を広げて、抱っこして起こして下さいポーズを取る梓。
澪「もう、甘えんぼさんめ」
澪「よいしょっと」
梓「ありがとうございます」
澪「しっかり捉まってて」
梓「え?」
澪「よっと」
梓「わっ///」
梓をそのまま抱きかかえて、立ち上がる。
梓を抱っこしたまま歩き始めると
梓「頭がフットーしそうだよおっっ///」
澪「え?」
梓「あ、ただ言ってみたかっただけです///」
梓「重くないですか?」
澪「大丈夫、大丈夫」
キッチン
澪「キッチンに到着」
梓「ありがとうございました」
すとん
梓「はい、澪先輩の分のエプロン」
澪「ありがとう」
澪「先にパスタ茹でるか」
梓「パスタをアルデンテに茹でるのって難しいですよね?」
澪「アルデンテに茹でるコツってのは……」
梓の耳にスッと手を伸ばし
ぷにぷに
梓「ひゃっ」
澪「これだよ、耳たぶの硬さがアルデンテに近いって言われてるんだ」ぷにぷに
梓「そうなんですか」
澪「この堅さを目安に茹でれば良いんだよ」ぷにぷに
梓「あ、あのもう良いですか?耳///」
澪「あ、ごめん。柔らかくて気持ち良いから、つい///」
茹で茹で
澪「この位かな?」
澪「パク。もぐもぐ」
澪「良い感じだな」
澪「はい、梓もアーン」
梓「あーん」
梓「パク。もぐもぐ」
梓「本当、良い感じの堅さですね」
澪「だろ?」
梓「澪先輩、ちょっと屈んでもらっていいですか?」
澪「え?何?」
言われるままに屈むと、梓は顔を近づけ私の髪をかき上げた。
澪「?」
梓「はむはむ」
澪「うひゃっ!こら、私の耳たぶを噛むな///」
梓「なるほど、耳たぶと同じ堅さですね」
澪「もう///」
―――――
澪「さて、食べよ?」
梓「はい」
澪梓「いただきます」
パクパク、もぐもぐ
梓「美味しいですね」
澪「絶妙な硬さに仕上がったな」
パクパク、もぐもぐ
料理も、あらかた食べ終わったので誕生日ケーキにロウソクを灯す。
澪「梓、誕生日おめでとう」
梓「ありがとうございます」
梓「フーッ」
梓が、ロウソクの火を消す。
澪「はい、誕生日プレゼント」
梓「ありがとうございます。開けていいですか?」
澪「うん」
ガサゴソ
梓「これは?ペンダント」
澪「そう。実は、今日私がしてるのとお揃い」
シャツの中に隠してたペンダントを見せる。
梓「お揃い、嬉しいです」
澪「付けてあげるな」
梓「はい」
梓の後ろに周り、ペンダントを付けてあげる。
ふと、梓のうなじ目が行く。
こうして見ると、色っぽいな……
ちゅっ
梓「わっ///」
澪「ごめん、ビックリした?梓のうなじが色っぽかったから、ついキスしちゃった///」
梓「……澪先輩///」
澪「……梓///」
しばし、見つめ合う。
あれ?この雰囲気……
ピンポーン♪
澪梓 ドキッ!
梓「あ、誰か来ましたね。出てきます」
澪「うん」
なんか今、凄い良い雰囲気だったんだけどな。
良い所で邪魔が。
宅配員「お届け物です」
梓「あ、はい」
宅配員「ありがとうございました」
梓「ご苦労さまです」
澪「宅配便か」
梓「これ、差出人が……」
澪「けいおん部の皆と憂ちゃんと純ちゃんからだ」
ガサゴソ
梓「私の誕生日プレゼントみたいですね」
澪「誕生日に邪魔しちゃ悪いからって郵送してくれたんだな」
梓「皆さん、ありがとうございます」
澪「あれ?これは……」
『澪へ 律より』
梓「律先輩から手紙ですか?」
澪「そうみたいだな」
ガサガサ
律『私からの最後のアドバイスだ……』
梓「何て書いてあるんです?」
澪「ななな、何でも無いよ///」
梓「?」
律め///
―――――
梓「デザートのアイス、バニラと苺味どっちが良いですか?」
澪「じゃ、苺で」
ぱくぱく
梓「澪先輩もバニラ食べます?」
澪「あ、うん」
梓「はい、あーん」
カップアイスをスプーンで掬い、私の口元へと運んでくれた。
澪「あーん」
ぱくり
澪「美味しいな」
澪「じゃ、お返しに」
自分のカップアイスを掬い、梓の口元へと運ぶ。
澪「あーん」
梓「あーん」
梓が口を開け、食べようとした所でスプーンを自分の口へ。
梓の口が、パクリと宙を噛む。
梓「もう、意地悪です///」
澪「んふふ」
澪「はい、もう一回。あーん」
梓「あーん」
再び、スプーンを自分の口へ。
梓の口が、宙を……
宙を噛まず、私の口へ
ちゅっ
澪「むぐっ」
梓「ちゅー、ちゅー」
澪「むーむー!」
バニラと苺のアイスの味が口の中で混ざり合う。
『バニラといちごのハグ 誰よりお似合いのふたりなの らぶりハッピー♪』
思わず、そんな歌詞が頭に浮かぶ。
梓「苺も美味しいですね」
澪「もう//」
―――――
梓「あっ、くすぐった……んぁ」
梓「ふぁっ……あっ……ふぅ……」
澪「じっとしてて」
梓「はい」
梓「あぅ///」ぴくぴく
澪「こらこら、動くな」
梓「す、すいません。そこ弱いんです///」
澪「あ、そうなの?でも、すぐ終わるから我慢してて」
梓「はい」
梓「うぅう///」ぴくぴく
澪「よーし、これで終わり」
澪「ふ~っ」
梓「ひゃあっ」
澪「今度は、そっちの穴な」
梓「こっちもですか?」
澪「こっちもですよ」
梓「や、優しくして下さいね///」
梓の髪をかき分ける。
耳かきも意外に楽しいもんだな。
梓は耳が弱いらしく、可愛い反応をするから余計だ。
かきかき
梓「あぅう///」ぴくぴく
かきかき
梓「ああっ///」ぴくぴく
澪「よーし、これでこっちも終わり」
澪「フー」
梓「にゃふっ」
梓「ありがとうございました」
澪「我慢したご褒美に」
ちゅっ
緩んでいた梓の口にキス。
梓「えへへ///」
―――――
そんなこんなしてる内に、夜も段々と深まって参りました。
梓「お風呂湧きましたよ。澪先輩、先にどうぞ」
澪「梓が先で良いよ」
梓「私が先で良いんですか?」
澪「うん……」
澪「…………」
澪「あの……良かったら一緒にお風呂入らない?///」
梓「え?///」
澪「合宿で、一緒にお風呂入ったから今更恥ずかしがらなくても」
梓「……じゃ、一緒に入りましょ///」
梓(まさか澪先輩から誘ってくるとは///)
梓(一緒に入りたかったけど、絶対断られると思ってた)
律からのアドバイスその2
律「Hの時に、初めて相手の裸見たらどうせ固まるだろ?」
澪「あ、うん。多分固まる」
律「事前に、一緒にお風呂入って慣れておくとかしたり」
澪「ワンクッション置くわけか」
律「お風呂場で、そのままHしても良いぜ」
澪「するか!///」
律「身体の洗い合いとか、澪から積極的に誘ってやれよ」
澪「う、うん」
…………
脱衣所
いざ、脱衣所まで来たらお互い脱ぐに脱げずにいた。
梓も、こちらをチラチラ見ている。
こんな事で躊躇してるようでH出来るのか?
否
えーい。ここは、私から。脱ぎ脱ぎ
梓「わっ///」
澪「先に入ってるな」
梓「はい」
風呂場
勢いに任せて先に入ったけど、死ぬほど恥ずかしい///
ごしごし
しかし、これを乗り切らなければ。
ごしごし
梓「澪先輩、本当にシャワーヘッドから先に洗うんですね」
澪「あっ、梓///」
恥ずかしいのだろう、身体にタオルを巻いている。
澪「あ、あのさ梓」
梓「はい?」
澪「身体洗いっこしよっか?」
梓「ええ?あ、はい///」
澪「じゃ、後ろ向いて」
梓「はい」
澪「タオル外すな」
ハラリ
梓「あぅ///」
ごしごし
澪「小さくて細いな。子猫みたいだ」
ごしごし
梓「えへへ」
澪「今度は前な」
梓「はい///」
合宿の時は、チラ見したくらいだけど
初めてジックリ見る梓の裸///
自分のを見慣れてるせいか、凄く……小さい。
そして、まるで小学生の様な……
梓「そ、そんなにガン見しないで下さいよ///」
澪「ハッ!ごめん///」
ごしごし
澪「髪も洗って上げるな」
梓「はい」
しゃかしゃか
澪「髪綺麗だな」
梓「ありがとうございます」
ジャー
梓「今度は私の番ですね。澪先輩、後ろ向いて下さい」
澪「うん」
梓「う///」
澪「どうした?」
梓「何でもないです///」
澪「?」
梓(澪先輩、後ろから見ると色っぽいな。髪上げてるから余計に)
梓(そう言えば今全裸なんだよな。お尻見えてるし、おっぱいも///)
ごしごし
梓(うわ、肌柔らかくてぷにぷに)
梓「後ろ終わったんで前向いて下さい」
澪「うん///」
梓「はっ!」
梓(前を洗うと言うことは、おっぱいを……)
梓(どどど、どうしよう?おっぱいだけ洗わないのも変だよね?)
梓(私のは小さいから、澪先輩気にしないで洗ってたけど)
澪「どうしたんだ?」
梓「なんでもないです///」
ごしごし
梓(腕、お腹、脚と洗っていよいよ残すは……ごくり)
ごしごし
むにゅむにゅ
梓(やっぱり凄い柔らかさ。澪先輩の柔らかい肉感が伝わってくる)
ごしごし
むにゅむにゅ
梓(これは病みつきになりそうな柔らかさ)
澪「あ、あのそんなに胸ばっかり、もう良いよ///」
梓「あっ、ごめんなさい。つい///」
澪「ちょっと狭いけど、一緒に入ろう?」
梓「あ、はい」
ぽちゃっ
やはり湯船に二人は少し狭いかな?
向かい合わせの為、お互い裸が丸見え状態。
梓「モロ見えだと、恥ずかしいですね///」
梓「私、後ろ向きになりますね」
後ろ向きになる梓。
澪「じゃ、私が後ろから抱っこして上げる」
梓を抱き寄せる。
ぎゅっ、むにゅ
お互いの身体が密着し触れあう。
梓「わ///」
梓「せ、背中に胸が///」
澪「恋人同士なんだから、そんな事気にするなよ」
梓「はい///」
梓「羨ましいです」
澪「何が?」
梓「そのナイスボディーが」
澪「え?でも、油断するとすぐ太っちゃうし」
澪「私だって、梓みたいなスレンダーな体型が羨ましい」
梓「お互い、無い物ねだりって奴ですかね?」
澪「ふふ、そうかもな」
風呂上がり
梓「澪先輩、こっち来て下さい」
梓がベランダで手招く。
澪「何?」
梓「ここからだと、夜景が凄く綺麗なんです」
澪「わ、本当だ。凄い綺麗」
澪「今日は、星も綺麗だな」
梓「そうですね」
梓「嬉しいです。澪先輩と一緒に見られて」
澪「梓……」
お風呂上がりで、髪を下ろしている梓の髪がなびく。
普段のツインテールとは違って、グッと大人っぽい横顔。
私は無意識に、梓を抱き寄せていた。
澪「綺麗だな」
梓「綺麗ですよね。夜景」
澪「夜景も……梓も綺麗だよ」
梓「え?そそ、そんな恥ずかしいです///」
澪「とても綺麗だよ、梓」
梓の顎を掴み、顔を上へと向けさせ口づけ。
ちゅっ
梓「んっ……」
澪梓「んちゅっ、ちゅっ、ちゅぱ……」
静かな夜の世界で、まるで時が止まったかの様。
時間など気にせず、長い長いキスを交わした。
お風呂上がりの梓は、とても良い匂いで……
パジャマの柔らかい触り心地が……
澪「お風呂上がりで、ずっとここ居たら湯冷めしちゃうな」
梓「そうですね。もう遅いし、そろそろ寝ましょ」
澪「そうだな」
ここまで、雰囲気はバッチリ。
後は、一緒のベッドで寝よ?って誘って……
頑張るんだ私。
キュッ
澪「?」
部屋に入るなり、梓が私のパジャマの裾を掴んできた。
梓「あの……一緒のベッドで寝ましょ?///」
澪「!」
澪「……うん」
梓「良かったです///」
本当に嬉しそうに喜ぶ梓。
そうか律の言う通り、梓も……
……
律「梓も待ってるかもしれないぜ?」
澪「何を?」
律「澪がHしてくれるのを」
澪「そっ、そうなのかな?」
律「Hってのは、いわば愛情表現の最上級みたいなもんだからな」
澪「なるほど」
律「流石に梓からHして下さい。とは言えないだろ?」
澪「そうだな」
律「やはり、こういう事は年上の澪から」
澪「う、うん」
……
梓、待たせてごめん。
トテトテとベッドに向かい歩く梓を後ろから抱きしめ
梓「わっ!」
驚く梓をそのまま、お姫様抱っこで抱きかかえる。
澪「よいしょっと」
梓「えっ?///」
澪「ベッドまで運んで上げる」
梓「は、はい///」
梓をそっとベッドに寝かせ、そのまま覆い被さる。
澪「今夜は寝かさない」
澪「沢山、愛して上げる」
梓「……沢山、沢山愛して下さい///」
澪「梓の誕生日に、私をプレゼント」
梓とHしたいから、するんじゃない。
梓が好きだからHするんだ。
梓をぎゅっと抱きしめると、そのまま唇を奪った。
梓「んんっ」
澪梓「ちゅっ、ちゅっ、ちゅぱっ」
澪「梓は、ここが弱いんだっけ」
かぷっと梓の耳に噛みつき、舌先をレロレロと動かす。
梓「にゃあっ///」
梓の口から、猫みたいな可愛い声が漏れる。
その声がもっと聞きたくて、更にレロレロして上げた。
ちゅっ レロレロ
梓「にゃああ~っ///」
澪「ふふ、梓は可愛いな」
澪「梓の可愛い声、もっと沢山聞かせて」
プチプチとボタンを外し梓のパジャマを脱がす。
上半身がはだけた所で、舌を耳から首筋そして、胸にツゥッと這わせキス。
ちゅっ
梓「あぁっ」
それから梓の色んな所に、キスをした。
髪、おでこ、耳、首、太もも……
梓からも沢山沢山、キスされた……
想像以上に痛かったけど、頑張って耐えた。
ピロートーク
澪「とても可愛かったよ梓」
梓「そんな、恥ずかしいです///」
私が耳元でそう囁くと、梓は恥ずかしそうに布団で顔を隠してしまった。
澪「まさか、梓があんなに可愛い声出すなんて」
梓「もう、止めて下さいよ///」
本当に恥ずかしそうにしてるので頭をそっと、なでなでして上げた。
しばらくして布団からひょっこり顔を出し
梓「そういう澪先輩も……」
澪「え?」
梓「まさか、あんなに凄い声出して……」
澪「わーわー///」
思わぬ反撃を受けてしまった。
梓「二人だけの秘密ですね」
澪「そうだな///」
梓「嬉しかったです。やっと、澪先輩とH出来て///」
梓「中々Hしてくれなかったから」
やっぱり、梓もずっと待ってたんだ。
澪「ご、ごめんな///」
梓「これからは、毎日Hしちゃいましょうか?」
澪「え?さすがに毎日は///」
梓「毎日は冗談ですよ」
澪「こら///」
梓「澪先輩大好きです」
澪「私も、大好きだよ梓」
澪「おやすみ」
ちゅっ
お休みのキスを交わし梓と抱き合い、静かな眠りに落ちていった。
翌朝
胸に温かな感触と重みを感じ、私は目を覚ました。
梓は、私のおっぱいを枕にして寝ていた。
こらこら///
柔らかくて気持ちよかったのかな?
梓「んっ…澪先輩……大好きです」
私の胸に顔を埋め眠っている梓の口から、寝言が漏れる。
本当に幸せそうな顔してるな。
可愛い寝顔。なでなで
梓「クークーzzz」
澪「熟睡しちゃってるな」
澪「なあ、梓……」
澪「普段恥ずかしがり屋な私だけど、梓と一緒だとそれが無くなるんだ」
澪「何でだろうな?」
澪「……多分、梓の事を好きすぎて」
澪「梓とキスしたり、抱き合ったりイチャイチャしたいって気持ちの方が強くなるんだろうな」
澪「こんな気持ちになれるのは、梓だけだよ」
澪「私、本当に梓の事大好きなんだろうな」
ふと、寝ている梓に目をやると口元がにやけてる様な
もしかして?
梓「にへへへ///」
やっぱり!
梓「堪えきれずにニヤケちゃいました///」
澪「寝たふりしてたな?」
梓「バレました?」
澪「聞いてた?///」
梓「何をですか?」
澪「いや、何でもない///」
梓「普段恥ずかしがり屋な私だけど~辺りから聞いてましたけど」
澪「あ……///」
梓「嬉しいです。澪先輩が私の事、そんなに好きでいてくれるなんて///」
澪「わーっ///」
ちゅっ
梓「むぐっ」
照れ隠しから、梓の唇を唇で塞いでしまった。
澪「おはようのキスだ///」
澪「……でも、私が梓の事をそれだけ好きって想いは本当だから///」
梓「恥ずかしいけど、嬉しいです///」
澪「梓……」
梓「澪先輩……」
ちゅっ
梓「あっ///」
梓「み、澪先輩。朝からそんな///」
澪「梓を愛するのに、朝も夜も関係ないよ///」
梓「もう、しょうがないですね///」
律、ごめん。最後のアドバイスだけ守れそうに無いや。
―――――
純「律、澪先輩への手紙、何て書いたの?」
律「ん?」
律「ああ、Hのやり過ぎに注意ってな」
純「なるほど、今まで我慢してた二人だけに」
律「そう。1回したら、今までの分を取り返すかのごとくHしちゃうはず」
純「くぅ~、熱いね。私達も負けてられないよ律」
律「よーし、今夜も寝かさないぜ!」
律は、純ちゃんと交際してたのでした。
おしまい