1 : 以下、名無し... - 2012/01/09 19:54:21 p2Eu/2KSO

女勇者「ふぇ?」

勇者「おー確かに家にあった肖像画にそっくりだな」

女勇者「あの、あなたは……」

勇者「でも絵よりやっぱり本物の方が美人さんだな」

女勇者「えっ、そんな……ぽっ」

勇者「照れてるご先祖様もかーわいーい」

元スレ
勇者「あんたが俺のご先祖様か」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1326106461/

4 : 以下、名無し... - 2012/01/09 19:57:34 p2Eu/2KSO

女勇者「こ、こほん、それよりあなた一体誰なんですか」

勇者「俺?俺はあなたの子孫ですよ」

女勇者「ええっ?あなたは頭が少々おかしい人なんですか?」

勇者「ストレートですねご先祖様、しかしそんなところもまた……」

女勇者「や、やっぱり頭が……」

勇者「ちょっと待ってください、本当に俺はあなたの子孫なんですって」

5 : 以下、名無し... - 2012/01/09 19:59:56 p2Eu/2KSO

女勇者「そんなこと言われても信じられませんわ」

勇者「本当ですって」

女勇者「ならあなたは未来から来たということですか?」

勇者「そうそう!さすがご先祖様頭がいい」

女勇者「ならば、未来から来たとわかるような品物を見せなさい!」

勇者「え?えーっと……」

6 : 以下、名無し... - 2012/01/09 20:02:30 p2Eu/2KSO

勇者「……」

女勇者「ないのですね?」

勇者「……はい」

女勇者「ならば私はあなたを子孫と認めるわけにはいきません」

勇者「くそ、頭が固いんだからご先祖様は」

女勇者「そもそも私はまだ16です!子供なんているわけないでしょう!失礼ですね!」

勇者「16か……ぴちぴちですね」

女勇者「う、うるさい!」

8 : 以下、名無し... - 2012/01/09 20:05:08 p2Eu/2KSO

コンコン

「起きなさい私の可愛い女勇者って起きてるのね、珍しい」

女勇者「あ……お母さん」

「今日は王様に旅立ちの許可をもらいに……ってあなたは誰なんですか」

勇者「初めまして、俺はあなたの子孫で勇者といいます」

女勇者「お母さん、今追い払うから」

「あらあらまあまあ!私の子孫ということは女勇者ちゃんの子孫でもあるということね!」

勇者「はいおっしゃる通りで」

10 : 以下、名無し... - 2012/01/09 20:07:30 p2Eu/2KSO

女勇者「お、お母さん!」

「いいじゃないの!子孫ってことはあなたにも子供ができるってことでしょ!嬉しいわぁ」

勇者「そうなりますね、いやはやお母様は物わかりが良い……」

「うふふ褒めたって朝食ぐらいしか出ませんよ」

勇者「おや、ご馳走になってもよろしいのですか」

「いいのよあなたも食べていって!」

女勇者「解せませんわ」

11 : 以下、名無し... - 2012/01/09 20:09:55 p2Eu/2KSO

ムーシャムーシャ

勇者「うまっ、何これうまっ」

「うふふたくさん食べてね」

女勇者「ごちそうさま!私もう行くね!」ガタッ

「あらもう行くの?」

女勇者「うん!行ってきます!」バタン

勇者「……王様のところへ行くとか言ってましたね」

「ええ、あの子は父親である勇者オルテガの遺志を継いで、魔王バラモスを倒しに旅に出るの」

14 : 以下、名無し... - 2012/01/09 20:12:41 p2Eu/2KSO

勇者「よく許可しましたね」

「本当は私だって嫌よ?だけど……成長していくあの子を見たら、『ああ、やっぱりあの子はあの人の娘なのね』って思って」

「いつかは、こうやって旅立つ日が来ると思ってたわ、だから、その日が来たら喜んで娘を送ってあげよう、いつの日か、元気に帰ってくるのを待とうって」

勇者「……あなたは、俺が見てきたどの人より強い方だ」

「うふふ褒めないで、泣きそうになっちゃうわ」

15 : 以下、名無し... - 2012/01/09 20:16:22 p2Eu/2KSO

勇者(しかし、確か伝承だと……この人は、報われないことになるんだっけか……)

勇者(悲しいな……こんなにも良い人が報われないなんて)

勇者(けれど、俺が何とかして過去を変えちまったら、俺の世界が変わってしまうかもしれない……)

勇者(難しく考えてもしょうがないな、適当に頑張るか)

「そうだ、あなたさえ良ければ、あの子の力になってくれないかしら」

勇者「ええ、そのつもりですよ、ご先祖様が勇者なら、俺も勇者ですから」

「うふふよろしく頼むわね」

勇者「はい」

16 : 以下、名無し... - 2012/01/09 20:18:11 p2Eu/2KSO

―アリアハンの城

王様「ではまず、ルイーダの酒場へ行き仲間を探すがよい」

女勇者「はい!」

王様「これは餞別じゃ、持って行けい!」

女勇者「ありがとうございます!」

王様「では行くのじゃ勇者よ!亡きオルテガの遺志を継いで!」

女勇者「行って参ります!」ダッ

18 : 以下、名無し... - 2012/01/09 20:21:25 p2Eu/2KSO

―ルイーダの酒場

女勇者「ルイーダさーん」ガチャ

ルイーダ「あら女勇者ちゃん、ついに旅立ちの許可を貰ったのね」

女勇者「はい!だから、仲間を探して欲しくて!」

ルイーダ「いいわよぉ、ここには腕自慢の冒険者がたくさんいるからね」

女勇者「うーんと、誰がいいかなぁ」

ルイーダ「僧侶は絶対に必要よ、回復役はパーティに欠かせないもの」

女勇者「それじゃあ、僧侶さんを!」

ルイーダ「わかったわ、あなたと同性の僧侶さんにするわね、僧侶さーん!勇者様がお呼びよ!」

19 : 以下、名無し... - 2012/01/09 20:23:21 p2Eu/2KSO

僧侶「はい、あなたが勇者様ね、よろしくお願いします」ペコリ

勇者「はい!こちらこそよろしくお願いします!」

僧侶「元気な勇者様ね、頼もしいですわ」

勇者「えへへ……」

ルイーダ「次は……魔法使いなんてどうかしら」

勇者「いいですね、じゃあ……」

ルイーダ「魔女さーん!いらっしゃるかしらー?」

21 : 以下、名無し... - 2012/01/09 20:25:32 p2Eu/2KSO

魔女「あいよー、おろ、こいつが例の勇者様かい?」

ルイーダ「そ、あなたがその勇者様のパーティに選ばれたわけ」

魔女「マジか!光栄だよ勇者様!いっちょよろしく頼みますよ!」

勇者「はい!こちらこそ」

ルイーダ「後は戦士がいれば十分ね」

女勇者「それでは……」

勇者「おーっと!戦士ならここにいるぜ!」バンッ

23 : 以下、名無し... - 2012/01/09 20:28:06 p2Eu/2KSO

僧侶「あら?」

魔女「おいおい、こいつは誰だよ」

女勇者「あ、あなたは……」

勇者「そう苦い顔をしないでくれよご先祖様!戦士が欲しいんでしょ!俺を連れていけば、安心だぜ!」

僧侶「ご、ご先祖様……?」

勇者「そ!俺はこの勇者様の子孫です!」

魔女「し、信じられるか!」

勇者「んもう!」

24 : 以下、名無し... - 2012/01/09 20:30:02 p2Eu/2KSO

女勇者「あの、あなたは……ちょっと……」

勇者「ええー!まさかの戦力外通告ですか!?そんなぁ!」

ルイーダ「いいじゃない、彼を連れていけば?」

女勇者「え?けど……」

ルイーダ「彼、ああ見えてレベル30はいってるわよ」

僧侶「え!?」

魔女「マジか!?」

勇者「最高レベルだぜ!」

25 : 以下、名無し... - 2012/01/09 20:32:07 p2Eu/2KSO

女勇者「で、でも……」

魔女「勇者様、レベル30なら連れていった方がいいよ」

僧侶「そうですねぇ、レベルが高いに越したことはありませんわ」

女勇者「う……わかったよ、でも変なことしたらすぐ追い出すからね!」

勇者「やった!さーっすがご先祖様!!話がわかるぅ!!」

女勇者「ご先祖様言うな!!私はまだ16です!」

勇者「ぴっちぴちぃ!!」

女勇者「うるさい!!」

27 : 以下、名無し... - 2012/01/09 20:35:17 p2Eu/2KSO



魔女「それで?これからどうするんだよ」

女勇者「うーん、まずは外の大陸に行かなくちゃいけないから、『いざないの洞窟』を目指そう!」

僧侶「いざないの洞窟ですか?しかしあそこは……」

女勇者「何?どうしたの僧侶さん」

僧侶「いえ、何でもありませんわ」

勇者「よーしそれじゃ出発しようか!」

女勇者「あ、あなたが仕切らないでください!リーダーは私です!!」

28 : 以下、名無し... - 2012/01/09 20:38:25 p2Eu/2KSO

―数刻後

ザッザッザッ

女勇者「……ふぅ、ふぅ……」

僧侶「どうかなされましたか勇者様?」

女勇者「え?あ……えへへ、旅に出るの、初めてだから……ちょっと疲れちゃっただけだよ、まだ大丈夫!」

勇者「疲れたなら休んだ方がいいですよご先祖様」

魔女「そうだな、そろそろ日も暮れそうだし……今夜はここで野宿にしよう」

女勇者「ご、ごめんなさい……」

30 : 以下、名無し... - 2012/01/09 20:41:16 p2Eu/2KSO

勇者「大丈夫ですよ、初めてだから緊張してるだけですって、その内慣れますよご先祖様」

女勇者「う、うん……ありがとう」

魔女「野宿の用意はできたぞ」
僧侶「今夜の食材が欲しいですわね……」

勇者「俺が取ってきますよ、みんなは火の番を頼みます」

僧侶「……じゃあ、お願いしましょうか」

勇者「任せてくださいよ!いっちょ行ってきます!」

31 : 以下、名無し... - 2012/01/09 20:43:37 p2Eu/2KSO

魔女「……あいつ、何者なんだろうな」

僧侶「ええ、旅慣れてる感じがしましたわ」

魔女「それに、見た目は戦士だが、剣のこなしが戦士とは違う……あんな型は見たことがない」

僧侶「もしかしたら、本当に勇者様の子孫なのかもしれませんわね」

魔女「ははは、あんた冗談もいける口かよ」

僧侶「冗談じゃないかもしれませんわね」

魔女「あっはははは、やめろよ、そんなことあるわけねーじゃん」

32 : 以下、名無し... - 2012/01/09 20:45:52 p2Eu/2KSO



勇者「これは毒がありそうだな、こいつはいけるか……」ブチッ

ガサガサ

勇者「……?」

いっかくウサギ「……」

勇者「お……?あれ、食えるかな」シャキン

いっかくウサギ「……!」ダッ

勇者「逃がすかッ!」バッ

ズバッ

いっかくウサギ「」ドサッ

勇者「会心の一撃……よし、こいつを持って、帰るか!」

33 : 以下、名無し... - 2012/01/09 20:48:39 p2Eu/2KSO



女勇者「お腹空いたなぁ」

僧侶「遅いですわねぇ」

魔女「あの野郎まさか逃げたんじゃ」

勇者「おーい!」バサバサ

女勇者「あ、帰ってきた!」

僧侶「お帰りなさ……きゃあ!」

魔女「どうした?ってうお!そいつはいっかくウサギじゃないか!!」

勇者「うん、これ食えるよな?」

魔女「お前、これ一人で倒したのかよ!?」

勇者「そうだけど」

34 : 以下、名無し... - 2012/01/09 20:50:09 p2Eu/2KSO

女勇者「……!」

僧侶「あなた、本当にレベル30なのですね」

勇者「だから言ったじゃん、俺はレベル30だーって」

魔女「へ、へ……まだ信用したわけじゃないが、これからの旅は少し楽になりそうだな」

僧侶「そうですわねぇ」

女勇者「…………」

36 : 以下、名無し... - 2012/01/09 20:53:50 p2Eu/2KSO



勇者「ここがいざないの洞窟?」

僧侶「……のようですわね」

魔女「でも、通れねーぞ」

女勇者「うーん、どうしようか」

魔女「へへへ、あたしに任せてくれよ」

女勇者「?どうするの?」

魔女「さっき覚えたての魔法を試してみる!行くぜ……ギラっ!!」グアッ

バゴォォンッ

ガラガラ……

僧侶「お見事ですわ!道が開きました!」

37 : アルミラージ... - 2012/01/09 20:55:32 p2Eu/2KSO

勇者(あれがギラ?俺が知ってるギラと違うんだが……)

女勇者「魔女さん……すごい……」

魔女「へへっ、さぁ行こうぜ!」

僧侶「はい、参りましょう」

勇者「ご先祖様早く!」

女勇者「わ、わかってるよ……」

39 : 以下、名無し... - 2012/01/09 20:59:31 p2Eu/2KSO



魔物「ウケケケケ」

女勇者「きゃあっ!」ドサッ

僧侶「大丈夫ですか勇者様!ホイミ!」

女勇者「あ、ありがとう僧侶さん」

魔女「くそっ、こいつ!ギラ!」

魔物「ウギャー」

勇者「たぁぁぁぁっ!!」ザシュッ

魔物「ヒギィッ」

女勇者(……みんな、私より強いし、頑張ってる……)

40 : 以下、名無し... - 2012/01/09 21:01:31 p2Eu/2KSO

勇者「大丈夫だったかご先祖様?」

僧侶「大丈夫ですか勇者様?」

魔女「大丈夫か勇者様?」


女勇者(みんな、優しい……けど、私は何もできない……何の役にも立ててない……)

女勇者(私、みんなのお荷物なのかな……)

女勇者「みんな、優しいから、言ってくれないけど、本当は足手まといとか思ってるのかな……」

41 : 以下、名無し... - 2012/01/09 21:04:56 p2Eu/2KSO

―ロマリアの城

ロマリア王「大盗賊カンダタに金の冠を奪われてしまったのだ、褒美はやるから、カンダタから冠を取り返して欲しい!」

勇者「やりましょうご先祖様!」

魔女「ああ!勇者様がいればできないことなんてないぜ!」

僧侶「はりきって参りましょう、勇者様!」

女勇者「う、うん、行こう……金の冠を取り返しに……」

ロマリア王「カンダタはシャンパーニの塔へ逃げたと聞いた、カンダタはそこにおる!さぁ行け勇者たちよ!!」

42 : 以下、名無し... - 2012/01/09 21:07:37 p2Eu/2KSO

―シャンパーニの塔

女勇者「ここに、カンダタがいるのね……」

魔女「行こう、勇者様!」

女勇者「うん……」




カンダタ「何?勇者が来ただと?」

子分「へえ、どうしやしょう」

カンダタ「……ふふ、いい作戦を考えた、ここに来るまで邪魔をするな、子分は皆ここに集合させろ」

子分「アイアイサー!」

44 : 以下、名無し... - 2012/01/09 21:10:49 p2Eu/2KSO

―最上階

女勇者「カンダタ!!」バッ

カンダタ「おう来たか勇者様よぉ」

女勇者「盗んだ金の冠を返せ!!」

カンダタ「返してやってもいいが、ひとつ条件がある」

女勇者「何……!?」

カンダタ「返してやる代わりに、この冠に相当する金をよこせ」

女勇者「そ……そんなの、できるわけないじゃないか!!」

カンダタ「ならしょうがねーな!!野郎共!一斉にかかれ!!」

子分「おおーーーーーーーっ!!」バッ

46 : 以下、名無し... - 2012/01/09 21:13:35 p2Eu/2KSO

女勇者「え!?」

僧侶「仲間がいたのね……!」
魔女「ひ、卑怯な!」

カンダタ「うへへへへ!盗賊が正々堂々なんてことするわけないだろうが!!」

勇者「全員集中しろ!こいつら今までの魔物とはダンチだぞ!!」

子分「全員で一斉にかかれっ!!数で押すんだ!!」

魔女「くそっ!ギラ!」ゴアッ

僧侶「この……」バシッ バシッ

女勇者「うう…………!」

47 : 以下、名無し... - 2012/01/09 21:15:18 p2Eu/2KSO

子分「へへへ!なんだこいつ勇者が一番弱いじゃねえか!!」

女勇者「!!」

子分「勇者が聞いて呆れるぜ!お前みんなの足手まといなんじゃねえのかぁ!?」

女勇者「う……うるさい……!」

勇者「やめろご先祖様!挑発に乗っては!!」

女勇者「私だって……私だって!!」バッ

48 : 以下、名無し... - 2012/01/09 21:17:08 p2Eu/2KSO

勇者「ご先祖様!!」

カンダタ「かかったな!!今だ、勇者に全員で一斉にかかれ!!」

子分「っしゃあ!!」バッ

女勇者「あっ……!」

魔女「勇者様!!」

僧侶「しまった……間に合わない!!」

勇者「ご先祖様!!」

子分「らぁ!!」バキッ

女勇者「がはっ…!?」

49 : 以下、名無し... - 2012/01/09 21:19:42 p2Eu/2KSO

カンダタ「よーしよくやった子分共!!とどめはこのカンダタ様が直接刺してやるぜ!!」

女勇者「が……はぁ、はぁっ…」

カンダタ「ざまあねえな勇者よ!!死ねっ!!」ブンッ

女勇者「っ!!」

勇者「させるかっ!!」バシッ

カンダタ「なに!?」

勇者「卑怯なことしやがって!俺…怒ったからな!!」

50 : 以下、名無し... - 2012/01/09 21:21:52 p2Eu/2KSO

カンダタ「や、野郎……一斉にかかれ!そいつを殺せ!!」

子分「アイアイサー!」

勇者「多対一は得意じゃないが!!」ブンッ

子分「うげぇ!!」

勇者「貴様らに遅れをとるほど鈍ってはおらん!!」ドスッ

子分「げえっ!!」

僧侶「つ……」

魔女「強っ……あいつ……」

52 : 以下、名無し... - 2012/01/09 21:24:35 p2Eu/2KSO

カンダタ「や、野郎……!!」

勇者「こい!カンダタ!!」

カンダタ「ふん!俺の斧を受け止めたことは褒めてやる!!だが調子に乗ると痛い目に会うってことを教えてやるぜ!!」

勇者「一対一なら俺は負けたことはない!!来い!!勇者ロトの剣を見せてやる!!」

54 : 以下、名無し... - 2012/01/09 21:27:59 p2Eu/2KSO

女勇者「…………」

勇者「うおおおおッ!!」ガキィンッ

カンダタ「ふんぬぅぅぅ!!」ガギッ

女勇者(すごい……)

勇者「やるな貴様!!」

カンダタ「お前こそ!!」

勇者「だがまだまだ甘いな!!」

カンダタ「何!?」

勇者「隙が多いぞカンダタ!一対一に置いて、一瞬の隙は命取りだ!!」

56 : 以下、名無し... - 2012/01/09 21:30:53 p2Eu/2KSO

勇者「行くぞ!!」バッ

カンダタ「なっ!懐へ…………」

勇者「会心の一撃ぃッ!!」ズバァッ

カンダタ「が……はぁぁぁッ!!」ズズ……ン

僧侶「け……結局」

魔女「あいつ一人で倒しちまいやがった……」

女勇者「……」

58 : 以下、名無し... - 2012/01/09 21:33:20 p2Eu/2KSO



勇者「無事金の冠を返せて良かったですね、ご先祖様」

女勇者「うん……」

勇者「……?元気ないですねご先祖様」

女勇者「……私、勇者になれないのかな」

勇者「どうして?」

女勇者「だって、私、みんなの足手まといだから……」

勇者「ええ!?足手まといって……そんなことないですよご先祖様!」

女勇者「ううん、思い返してみれば私、何の役にも立ててない……」

勇者「そんなことないですって……」

61 : 以下、名無し... - 2012/01/09 21:36:26 p2Eu/2KSO

女勇者「何でそう言い切れるの?」

勇者「あー……俺、実はずっと一人で旅をしていて……仲間ってのがよくわからないんだけど」

勇者「みんなが、ご先祖様を頼りにしてるのがわかりますよ」

女勇者「なんで、みんな私を頼りにしてるの?私、何の役にも立ててないのに」

勇者「ご先祖様は、勇者だからですよ」

女勇者「答えになってないよ……」

63 : 以下、名無し... - 2012/01/09 21:38:19 p2Eu/2KSO

勇者「なんていうか、勇者っているだけで頼れる存在らしいんですよ」

女勇者「いるだけで……?」

勇者「そうそう」

女勇者「でも、私、弱いよ」

勇者「ご先祖様は強いですって、いや、強くなります」

女勇者「何でそう言えるの……」

勇者「俺のご先祖様ですから」

64 : 以下、名無し... - 2012/01/09 21:41:28 p2Eu/2KSO

女勇者「何それ……」

勇者「きっと、ご先祖様は立派な勇者になります、俺はそう聞かされましたし、きっとそうなると思う」

勇者「今はまだ、弱いかもしれないけど、みんな最初は弱くて当たり前なんだ」

勇者「焦らずに、自分のペースで強くなればいいんですよ」

勇者「自分らしいのが、一番強い」

女勇者「自分らしいのが……?」

勇者「そうそう、だからご先祖様も、頑張ればいつか必ず……ってあれ?」スゥゥ……

65 : 以下、名無し... - 2012/01/09 21:44:18 p2Eu/2KSO

女勇者「あれ……あなた、消えかけてない?」

勇者「ちょちょ、何これ怖い!!」スゥゥゥ

勇者「ご、ご先祖様!とにかく!自分らしく頑張れば!きっと」スゥゥ……

女勇者「……消えちゃった」

女勇者「……何だったんだろ、まさか本当に私の……」

女勇者「まぁいいか!うん、何か吹っ切れた、そうだね、自分らしく頑張ろう!!」

魔女「勇者様!探したぜ!」

僧侶「あれ?あの方は?」

67 : 以下、名無し... - 2012/01/09 21:46:54 p2Eu/2KSO

勇者「消えちゃった」

魔女「はぁ?」

僧侶「困りましたわね、パーティが減っては冒険が……」

カンダタ「お、おーい!待ってくれ!」

魔女「あ!お前は!!」

カンダタ「ま、待ってくれ!戦うつもりはない!俺を仲間にして欲しいんだ!」

勇者「え!?」

カンダタ「今回の戦いで、なんか俺に足りないものがわかった気がする、あんたらと一緒に行けば、それが見つかる気がするんだ!だから、頼む!」

僧侶「ど、どうしましょうか勇者様」

勇者「いいんじゃない?ちょうど一人抜けちゃったし」

69 : 以下、名無し... - 2012/01/09 21:49:35 p2Eu/2KSO

カンダタ「本当か!!ありがとうよ!俺、頑張るぜ!!」

魔女「いいのかよ……」

女勇者「いいんだよ」

僧侶「……何か、勇者様、悩み事が晴れたようにスッキリなさってますわね」

女勇者「うん、自分らしく頑張ることにしたんだ」

魔女「何だそれ?」

女勇者「えへへ、みんなこれからもよろしくね!」

カンダタ「任せろ!」

僧侶「勇者様、頼りにしてますわよ」

魔女「なんだかよくわからないが、これからも頑張ろうぜ、勇者様」

70 : 以下、名無し... - 2012/01/09 21:52:42 p2Eu/2KSO

―――

かくして勇者は、戦う理由を見つけた

これから勇者一行の行く先に、更なる困難が待ち受けようとも

仲間と共に立ち向かい、進んでいくことであろう

結末は――伝承の通りである

To be continued to DQ1


THE END

71 : 以下、名無し... - 2012/01/09 21:54:40 p2Eu/2KSO

微妙

読んでいただきありがとうございました

記事をツイートする 記事をはてブする