冬月「三年ぶりの再会か」
カツカツ
キィ……バタン
シンジ「父さん……」
ゲンドウ「久しぶりだな、シンジ」
元スレ
シンジ「ネルフ幼稚園、第三東京支部……?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1351333128/
シンジ「どうして……僕を呼んだの」
ゲンドウ「他の人間には無理だからな(速さ的な意味で)」
シンジ「僕にここで働けって言うの!?」
シンジ「そんなの出来るわけないよ!」
ゲンドウ「(施設の)説明を受けろ」
シンジ「父さんは僕がいらないんじゃなかったの!?」
ゲンドウ「必要だから呼んだまでだ」
ゲンドウ「ここで働くのなら働け」
ゲンドウ「でなければ帰れ!」
シンジ「そんなの……できるわけないよ!」
ゲンドウ「……」ガチャ
ゲンドウ「冬月」
冬月『なんだ』
ゲンドウ「予備が使えなくなった。もう一度求人を出せ」
冬月『しかし……この時期に大丈夫か?』
ゲンドウ「ハローワークとて死んでいる訳ではない」
冬月『……わかった』ガチャ
コンコン
シンジ「……?」
ゲンドウ「入れ」
レイ「……いかりえんちょう」オドオド
ゲンドウ「レイか。どうした」
レイ「あの……おちゃ、はいりました」
ゲンドウ「そうか、レイは偉いな」ナデナデ
ゲンドウ(レイマジ天使)
レイ「えへ……」///
シンジ(……なんだこの子マジ天使)
レイ「……しらないひと」
ゲンドウ「私の息子だ。もう帰るそうだがな」
ゲンドウ「シンジ、もうお前には必要ないが、一応紹介だけしておく」
ゲンドウ「綾波レイ、今年で5歳になる」
レイ「……レイです」
シンジ「ど、どうも……碇シンジです」
レイ「いかりくん」
ゲンドウ「折角レイが茶を淹れたんだ。飲んでから帰れ」
シンジ「はい……そうします」カチャ
シンジ「……あ、おいしい」
ゲンドウ「レイの紅茶を淹れる才能は園内……いや世界一だ」
ゲンドウ「だがレイ、ミルクと砂糖もあるともっと素晴らしい」
レイ「はい」
シンジ「彼女……レイはここの園児ですか?」
ゲンドウ「気安く名前で呼ぶな」カッ
シンジ(……なんだこの親父)
シンジ「……綾波はここの園児ですか?」
ゲンドウ「そうだ」
シンジ「働きます」
ゲンドウ「なに……?」
シンジ「僕が働きます!」
ゲンドウ「……」ニヤリ
レイ「?」
冬月「君が来てくれて助かったよ、シンジ君」
冬月「ああ、紹介が遅れたね。私は副園長の冬月コウゾウだ」
シンジ「何で父さんは僕を呼んだんでしょう……」
冬月「最近、教諭も人手不足なんだ」
冬月「入っても何故かすぐに辞めてしまう輩が多くてね」
シンジ「それで僕を……」
シンジ「そうですよね……用がなきゃ父さんが僕を呼ぶわけないですよね……」
冬月(何こいつ辛気臭え)
冬月「とりあえず今日のところはチルドレン達に顔を見せに行こうか」
冬月「もう帰宅時間は過ぎているが、何人かは残っているだろう」
シンジ「チルドレン?」
冬月「園児のことだ」
シンジ「ああ……さっき会ったレイもチルドレンなんですよね?」
冬月「気安く名前で呼ぶな」キッ
シンジ(職員が辞めていくのって絶対こいつらのせいだな……)
シンジ「……綾波も、チルドレンなんですよね」
冬月「ああ、君が面倒を見ることになる……ここだ」
ガラッ
アスカ「あ、ふくえんちょう!」
冬月「おやアスカ君、こんにちは」
アスカ「ぐーてんたーく!」
冬月「残っているのは……三人だけか」
マリ「なになに? おもしろいこと?」
アスカ「あれ? そっちのだーれ?」
レイ「……いかりくん」
シンジ「ど、どうも」
冬月「今から皆に紹介しよう」
冬月「明日から皆の先生になる碇シンジ先生だ」
シンジ「よ、よろしく! 碇シンジです!」
アスカ「ふーん……」ジロジロ
シンジ「どうしたの? えと、アスカちゃん?」
アスカ「れでぃーをきやすくなまえでよばないで!」
シンジ「ご、ごめん」
アスカ「かおはまぁまぁね……でもふくのせんすはさいていだわ」
シンジ「?」
アスカ「あたしはしきなみ・アスカ・ラングレーよ!」
アスカ「あんたがわたしのしもべになるっていうなら、とくべつになまえでよんでもいいわ」
シンジ「ははは、それは光栄だ。じゃあ名前で呼んでもいい?」
アスカ「いいわ、そのかわりわたしのいうことにはぜったいふくじゅうよ!」
マリ「……」スンスン
シンジ「うわっ!? び、びっくりした……」
マリ「……」クンクン
マリ「……いいにおい」ニマリ
シンジ「へっ?」
マリ「せんせい、いいにおいがする!」ガバッ
シンジ「うわっ!?」ズターン
マリ「わたし、まきなみ・マリ・イラストリアス!」ウマノリ
マリ「よろしくね、せんせい!」
シンジ「よ、よろしく……」
冬月「はっはっは、早速懐かれたようだね」
シンジ「アグレッシブな子ですね……」
レイ「いかりくん」
シンジ「綾波、改めてよろしくね」
レイ「うん、よろしくね」
レイ「……」グッ
レイ「……」シュコー
レイ「……」グッ
レイ「……」シュコー
シンジ「綾波、どうしたの? ポットとにらめっこなんかして」
レイ「おゆ……でないの」
レイ「おちゃをいれたいのに……おゆがでないの」
シンジ「ああ、空っぽだからだね……今から沸かすよ」パカッ
レイ「あ、あ」
シンジ「ん?」カチ ボッ
レイ「あり、ありが、とう」
シンジ「うん、どういたしまして」
レイ(ありがとう、かんしゃのことば)
レイ(……はじめて、だれかにいった)
シンジ「綾波? 顔赤いけど大丈夫?」
レイ「……」ボー
シンジ「ん……」ピト
レイ「!?」ビク
シンジ「熱はないみたいだけど……」
レイ「……ぽかぽかする」
シンジ「?」
レイ「……」シャカシャカ
マリ「しっあわっせは~~♪ あっるいってこっない~~♪」カキカキ
アスカ「ふんふーん♪」グリグリ
シンジ「みんなお絵かきかな?」
マリ「あっせんせい! みてみて!」
シンジ「これは……犬かな?」
マリ「うん! わんこくん! かわいいでしょ!」
シンジ「うん、かわいい。マリは絵が上手だね」カイグリカイグリ
マリ「にゃー♪」ゴロゴロ
アスカ「シンジ! わたしのもみるのよ!」
シンジ「これは……僕、かな?」
アスカ「そうよ! いけめんにかいてあげたんだから、かんしゃしなさいよね」フンス
シンジ「うん、ありがとうアスカ」ナデナデ
アスカ「ちょっと、きやすくれでぃーのあたまをなでないでよ」
シンジ「あっ、ご、ごめん」
アスカ「でもいいわ、きょうはきげんがいいからとくべつにゆるしてあげる」
シンジ「そう? じゃあ遠慮なく」ナデナデ
アスカ「し、しもべのねがいをかなえるのもしゅじんのつとめよ」///
レイ「いかりくん」
シンジ「綾波も描けたの? 見せてくれる?」
レイ「……はい」
シンジ「これは……僕と……綾波?」
レイ「……うん」
シンジ(僕と綾波が手を繋いでいる絵……だよね)
シンジ(まだ皆に溶け込めない僕に、綾波が気を遣ってくれたのかな)
シンジ「ありがとう綾波、すごく嬉しいよ」
レイ「……」ジー
シンジ「……? どうしたの綾波?」
レイ「わたしもなでなで……して」
シンジ「あ、うん。ごめんね」ナデナデ
レイ「……」///
レイ「こ、こういうとき……どんなかおをしていいかわからない」
シンジ「嬉しいときは、笑えばいいと思うよ」
レイ「わらう……?」
シンジ「うん、綾波は笑ったほうがかわいいよ」
レイ「……ふふっ」ニコッ
マリ「うでをふって、あしをあげて♪」
マリ「わんつー! わんつー!」
マリ「やすまないであ~る~け~♪」
シンジ「マリは歌が好きなんだね」
シンジ(その割には選曲がなんか古いけど)
マリ「うん! せんせいもうたおう?」
シンジ「いいよ、何の歌がいい?」
マリ「ぷりきゅあ!」
シンジ「ぷ、プリキュアはちょっと僕には難易度が高いような……」
カヲル「うたはいいねぇ」
マリ「あ、カヲルくん!」
カヲル「うたはこころをうるおしてくれる……」
マリ「カヲルくんもいっしょにうたう?」
カヲル「ありがたいけれど、またこんどにするよ」
カヲル「それよりも、シンジくん」
シンジ「出来れば先生って呼んで欲しいけど……なに?」
カヲル「びにーるぷーるをつくらないかい?」
シンジ「プール? 入りたいの?」
カヲル「そうだね、シンジくんといっしょにはいりたいな」
シンジ「いいけど今日はもう遅いし……明日じゃ駄目かな?」
カヲル「だめなのかい?」
シンジ「ダメって訳じゃないけど」
カヲル「ふふ……つれないな、シンジくん」
カヲル「でもそんなところもこういにあたいするよ」
シンジ「?」
カヲル「すきってことさ」
シンジ「うん、僕もカヲル君のこと好きだよ」
カヲル「ふふ……ぼくはきみにあうためにうまれてきたのかもしれない……」
マリ「うにゃー! マリもせんせいのことすきだもん!」
シンジ「よしよし、先生もマリのこと大好きだよ」ナデナデ
マリ「にゃー♪」スリスリ
カヲル「ぼくはもっとはなしをしたいな……」
アスカ「うう……」キョロキョロ
アスカ「ここ……どこ?」グスグス
―――数十分前
アスカ『わたしはおとなのおんなだから、ひとりでそともあるけるのよ!』
マリ『えー、ひとりでおそとにでたらだめなんだよ』
レイ『あぶないのよ……』
アスカ『みんないくじなしね!』
アスカ『わたしがおとなのおんなだってことをしょうめいしてあげるわ!』
アスカ「うー……」グスッ
アスカ「シンジぃ……どこぉ……?」グスグス
シンジ「アスカ!」
アスカ「!?」
シンジ「よかったぁ、見つかって……」ホッ
アスカ「シンジぃ……」ウルウル
シンジ「ダメじゃないか、一人で外に出ちゃあ」
アスカ「シンジぃ!」ダキッ
シンジ「よしよし、怖かったね」ナデナデ
シンジ「これに懲りて、今度からは一人で外に出ちゃいけないよ」
アスカ「うぐっ、えうっ、シンジぃ……うわああああぁぁぁぁん!」
シンジ「よしよし、じゃあ帰ろうか」
アスカ「……おんぶ」グスッ
シンジ「はいはい……よいしょっと」
シンジ「でもアスカは勇気があるね」
アスカ「……」ギュッ
シンジ「一人で知らない場所に行くなんて、とてもできないよ」
アスカ「と、とうぜんよ。わたしをだれだとおもってるの……」
シンジ「でも、みんなを心配させるようなことはしないでね」
アスカ「うん……ごめんなさい」
シンジ「わかったならいいよ」
アスカ「……」///
アスカ「いっひ、りーべでぃっひ……」///
シンジ「ん? 何か言った?」
アスカ「な、なにもないわよ! はやくあるきなさい!」
シンジ「はいはい」
アスカ(おおきいせなか……あったかい)
アスカ「~~♪」ペチャペチャ
マリ「いっちにっちいっぽ♪ みっかでさんぽ♪」ベチャベチャ
レイ「ただいま……」
マリ「あっ、おかえりおかあさん! おしごとおつかれさま」
アスカ「ごはんはできてるのよ」ドロダンゴ
シンジ「おままごとかな? 僕も混ぜてよ」
レイ「!」
マリ「いいよ! じゃあせんせいはおとうさんね!」
シンジ「よーし、わかった。お母さんは綾波かな?」
レイ「うん、そう……あなた」
アスカ「!!」
アスカ「ちょ、ちょっとまって!」
レイ「?」
マリ「?」
アスカ「わ、わたしもママやりたい!」
レイ「おかあさんはひとりだけよ」
アスカ「いいのよ、たくさんおかあさんがいるくにもあるわ」
シンジ「アスカは物知りだね」
アスカ「とうぜんよ!」フンス
アスカ「とにかく、わたしはママがやりたいのよ」
マリ「じゃあマリもおかあさんやるー♪」
レイ「じゃあ、かえってくるところから……」
………
……
…
シンジ「ただいまー」
レイ「おかえりなさい、あなた」
レイ「きょうもいちにちごくろうさま」
レイ「ごはん、できていますよ」
シンジ「うん、ありがとう綾波」
シンジ「綾波はいいお嫁さんになるね」ナデナデ
レイ「……」///
マリ「おかえりー」
マリ「ごはんにする? おふろにする?」
マリ「それともあ・た・し?」ウフン
シンジ「どこでそんな言葉覚えてくるの……?」
アスカ「おかえりなさい、パパ」
アスカ「あら……? このくちべにはなに!?」
アスカ「ほかのおんなのこうすいのにおいもする……!」
シンジ「え、なにこの展開」
アスカ「うわきなの!? わたしというものがありながら!」
シンジ「ち、違うよ! 僕は浮気なんて!」
アスカ「ほんとうに……? だったらしょうこみせてよ!」
シンジ「本当だよ! 僕はアスカのことが好きなんだ!」
アスカ「……」///
アスカ「しょ、しょうがないわね。ゆるしてあげるわ」
アスカ「いっひりーべでぃっひ!」ダキッ
シンジ「ドイツ語はわかんないよ、アスカ」
レイ「かぞく……いいものね」
マリ「~♪」
ゲンドウ「計画の進捗具合はどうだ」
冬月「問題ない、だが一つ気になることがある」
ゲンドウ「何だ」
冬月「最近、レイの様子がおかしい」
ゲンドウ「……どのようにだ」カタカタカタカタ
冬月「落ち着け、貧乏ゆすりをやめろ」
冬月「大した変化ではない。ただ、シンジ君が気になるようでな」
冬月「ちょくちょく私に彼の好みなどを聞いてくる」
ゲンドウ「何故私には聞いてくれんのだ」
冬月「知るか」
ゲンドウ「しかし……まずいな」ガタガタガタガタガタ
冬月「だから落ち着けっての」
冬月「ああ……対策を立てねばならんな」
ゲンドウ「人類幼児化補完計画」
ゲンドウ「全ては子供達の為に……」
ゲンドウ「……もうすぐだよ、ユイ」
マリ「きょうはじょしかいだにゃ!」
レイ「……おちゃ」スッ
アスカ「あら、きがきくわね。ヒカリももらいなさい」
ヒカリ「あ、ありがとう」
マリ「おさとうとはちみつのまほうをかけて~♪」ドバドバ
レイ「わたしも」ドゥバドゥバ
アスカ「おんなのこであつまってするはなしといったら……」
マリ「こいばなだにゃ!」
レイ「おさとう……いる?」
アスカ「いらないわ! わたしはおとなのおんなだから!」
ヒカリ「わたしはもらうね」サラサラ
マリ「みんなはだれがすきなのかにゃ?」
アスカ「ヒカリはすずはらがすきなのよね」
ヒカリ「えっ」///
アスカ「いいのよ、はずかしがらなくても」
ヒカリ「う、うん……」///
レイ「どんなところがすきなの?」
ヒカリ「え……や、やさしいところ、かな」///
アスカ「ふふっ……ヒカリもまだこどもね」グイッ
アスカ「……にがい」ウエ
マリ「マリはシンジせんせいがすき!」
アスカ「ふ、ふーん……」ドバドバ
アスカ「ま、まぁちょっとなさけないけど、わるくはないわね」
アスカ「わたしにつりあうほどじゃないけど」
ヒカリ「レイちゃんはだれがすきなの?」
レイ「すき……よくわからない」
レイ「でも……いかりくんといっしょにいると、ぽかぽかする」
レイ「いかりくんにも……ぽかぽかしてほしい」
アスカ「……っ」
アスカ「あんなだめだめなおとこがすきなんて、みんなしゅみがわるいわね!」
アスカ「ああいうだめなおとこは、わたしみたいなしっかりしたおとなのおんなが……」
ヒカリ「アスカもシンジせんせいがすきなの?」
アスカ「そ、そんなわけないじゃない! なんでわたしが」
マリ「すなおじゃないにゃー」
カヲル「なんのはなしだい? ぼくもまぜてくれよ」
マリ「おんなのこだけのひみつだからだめだにゃ」
カヲル「そう……それはざんねんだな」
アスカ「いいじゃない、おとこのいけんもさんこうになるかもしれないわ」
ヒカリ「だれがすきか、っておはなしをしていたのよ」
カヲル「それはきょうみぶかいね」
カヲル「ぼくはシンジくんがすきだよ」
アスカ「おとこどうしじゃないの!」
カヲル「あいにせいべつはかんけいないんだよ」
シンジ「あれ? みんな集まってどうしたの?」
カヲル「ふふ……シンジくんにはひみつのおはなしさ」
アスカ「そうよ! シンジはきちゃだめ!」
シンジ「ええー……」
アスカ「……zzz」
レイ「……zzz」
マリ「うにゃあ……zzz」
シンジ「ふう……やっと全員寝たか」
ゲンドウ「シンジ」
シンジ「あ、父さん……どうしたの?」
ゲンドウ「ここでの仕事はどうだ」
シンジ「充実してるよ、大変だけど楽しいしね」
ゲンドウ「そうか……」
ゲンドウ「……最近、レイがお前の話ばかりする」
シンジ「?」
ゲンドウ「どういうことだ」
シンジ「知らないよ……」
ゲンドウ「あの……純真可憐超絶かわいいレイが……ううっ」
シンジ「!?」
ゲンドウ「えぐっ、口を開けばお前との話を……私の前で……っ」
ゲンドウ「あまつさえっ、私にも見せたことのない……笑顔を……っ」
シンジ(何なんだこの親父……)
ゲンドウ「ふぐっ……私の……私のレイに何をしたぁっ」ボロボロ
シンジ「何もしてないよ……」
ゲンドウ「レイを返せ! 返せよおおぉぉぉ!」ポカポカ
シンジ「ちょっ、やめてよ! 子供達が起きちゃうだろ!」
アスカ「きゃああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
マリ「に゛ゃあああああああああぁぁぁぁぁあぁ!」
ゲンドウ「何事だ!?」キリッ
シンジ「ど、どうしたの!?」
アスカ「シンジぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」ボロボロ
マリ「せんせえええええぇぇぇぇぇぇぇ!」ボロボロ
シンジ「よ、よしよし二人とも……」ナデナデ
シンジ「どうしたの? 何かあったの?」
アスカ「しっ、しっ、しっ」
シンジ「し?」
アスカ「しとがでたぁ……」
シンジ「使徒?」
マリ「うえっ、ひぐっ、あっ、あのくろいやつ!」
アスカ「ちっちゃくてはやいやつぅ!」
シンジ「黒くて早い奴……? ああ、イニシャルGか」
シンジ「父さん、僕は二人を見てるから何とかして―――」
シンジ「ってもういないし……どれだけG苦手なんだよあの親父」
G「目標発見」
アスカ「こっちきたああああぁぁぁぁぁ!」
マリ「せっ、せんせいっ、たすけてぇ!」
G「侵攻開始」
シンジ「大丈夫だよ、僕がやっつけるから」
シンジ「えーと、新聞紙は……」
G「絨毯爆撃開始」
シンジ「うわぁ!? 飛んだ!?」
アスカ「いやあああああぁぁぁぁぁ!」
パシーン!
シンジ「あ、綾波?」
レイ「……」
G「生命活動維持、困難」
G「……生命活動、停止」コロリ
レイ「しと……せんめつ」
シンジ「す、凄いね綾波……」
アスカ「こわかったぁ……あう、うぐっ」
マリ「うわあああぁぁぁぁん」
シンジ「もう大丈夫だよ二人とも、綾波がやっつけてくれたから」
アスカ「えこひいき……だんけしぇん……」
レイ「どういたしまして」
レイ「いかりくんがたたかわなくてもいいようにする……」
シンジ「凄いなぁ綾波、みんなの為に、偉いよ」ナデナデ
レイ「……」///
アスカ「あらえこひいき、あんたごはんたべないの?」
レイ「……」フルフル
レイ「……おにく、きらいなの」
マリ「すききらいするとおおきくなれないよ?」
アスカ「そうよ、はやくおとなになるためにたべなきゃだめよ」
レイ「おとなのおんな……」
レイ「いかりくんも、おとなのおんながすきなのかしら」
アスカ「おとこはみんな、おとなのおんながすきなのよ」
マリ「ぼいんぼいんがすきなんだよね!」
レイ「ぼいんぼいん……」
レイ「……たべるわ」キラッ
アスカ「ちょ、わ、わたしもまけないんだから!」
マリ「わたしもー♪」
………
……
…
シンジ「みんなお昼ご飯終わった……うわっ!?」
アスカ「うー……」
マリ「にゃあ……」
レイ「あー……」
シンジ「おなかが……ぽっこりしてる」ソワソワ
レイ「いかりくん……さわっちゃ、だめ」
アスカ「いまさわったら……」
マリ「えるしーえるがでるにゃ……」
シンジ「そ、そう……」
シンジ「ぐぅ……zzz」
アスカ「……」コソコソ
マリ「……」コソコソ
アスカ「くふふ……」キュポンッ
マリ「にひひ……」キュポンッ
………
……
…
シンジ「んが……ん、しまった……寝ちゃってた……」
カヲル「おや……シンジく―――」
シンジ「やあ、カヲル君」
カヲル「……そうか、そういうことか、リリン……」
シンジ「?」
カヲル「ひとのさだめか……ひとのきぼうはかなしみにつづられているね」
シンジ「カヲル君?」
カヲル「きょうしつにいくまえに、かがみをみることをおすすめするよ」
シンジ「鏡?」
カヲル「ふふ……」
………
……
…
ガラッ
アスカ「あ、あらシンジ……おはよ……くふっ」
マリ「せんせい、おはよう……ぷぷっ」
レイ「……いかりくん、そのおひげ……いかりえんちょう?」
シンジ「……」
シンジ「アスカ、マリ」
アスカ「な、なにかしら?」
マリ「うにゃ?」
シンジ「一緒に鏡を見に行こうか」ニコッ
アスカ「わ、わたしはいそがしいからやめとくわ!」
マリ「わたしも! ちょ、ちょっとおはなのおけいこが……」
シンジ「まぁまぁ、そう言わずに」ガッシ
アスカ「いやー! はなしてー!」ジタバタ
マリ「うにゃー!」ジタバタ
シンジ「ふふ……たっぷりおしおきしてあげるから」
アスカ「いやー! くすぐりのけいはいやー!」ジタバタ
ザー…………
レイ「あめ……」
レイ「あめ、みずがいっぱい」
レイ「みず、せいめいのみなもと……」
レイ「あめのひ、いつもとちがうひ」
?「……」
レイ「あら、あなたは……」
?「……」
レイ「ふふっ、そう……あなたもさみしいのね」
レイ「おともだちになりましょう」
?「……」
………
……
…
アスカ「はぁ……あめのひはゆううつだわ……」
マリ「かみのけがもしゃもしゃになるにゃ……」
シンジ「二人とも髪長いもんね」
レイ「いかりくん」
シンジ「ん? どうしたの綾波」
レイ「その……おともだちをしょうかいしたいのだけれど」モジモジ
シンジ「おともだち?」
レイ「うん……このこなのだけれど」スッ
かえる「ゲロッ……デアリマス」
アスカ「きゃあああああああぁぁぁぁ!?」
マリ「うにゃっ!?」
シンジ「お、大きいカエルだね……」
レイ「あめのなかでさみしそうにしていたので……」
かえる「ファーストコンタクトデアリマス」ピョン
アスカ「いやああああああ! こっちくるなあああぁぁぁぁ!」ダダダダ
マリ「に゛ゃああああああぁぁぁぁぁ!」ドドドド
シンジ「さて、書類はこれくらいでいいかな……」
アスカ「……」ボー
シンジ「あれ? アスカ、どうしたの?」
シンジ「みんなとお昼寝の時間じゃ……」
アスカ「うぅー」フラフラ
ポスッ
シンジ「ちょ、アスカ……寝ぼけてるのか」
アスカ「むにゃむにゃ……」
シンジ「ふふ……普段は生意気だけど、寝顔は可愛いな」
アスカ「……ママぁ……」
シンジ「よしよし」
アスカ「んぅー……」パチ
シンジ「あ、起きた? 教室に戻って……」
アスカ「ママぁ……おはようのきすぅ……」チュッ
シンジ「むぐ!?」
アスカ「は……? し、しししシンジぃ!?」ワタワタ
シンジ「お、おはようアスカ……」
アスカ「きす……シンジときすしちゃった……」ワナワナ
シンジ「あ、アスカ、落ち着いて、ね?」
アスカ「きす……しちゃったら、こどもができちゃう……」///
シンジ「へ?」
アスカ「し、しらないの!? れでぃがかぞくいがいのおとこのひとと、き、きすしたら……」
アスカ「あ、あかちゃんができちゃうのよ!」///
アスカ「……せきにん、とってよね」キッ
シンジ「責任って……僕何もしてないし、それにキスじゃ」
アスカ「それでもおとこなの!?」バンッ
シンジ「わ、わかったよ」
………
……
…
レイ「……」ムー
マリ「ありゃぁ……」
アスカ「~~♪」ベタベタ♪
シンジ「あの~……アスカ?」
アスカ「あかちゃんはおとこのことおんなのこ、どっちかしら?」
シンジ「離れてくれないと……仕事が」
アスカ「まぁ、どっちでもいいわよね!」
アスカ「シンジとわたしのあかちゃんなんだもの」
アスカ「かわいいにきまってるわ!」
ゲンドウ「……シンジ、これは何事だ」
冬月「あの懐きにくいアスカ君がこんなに……」
シンジ「いえ……アスカが」
アスカ「あっ、えんちょう!」
アスカ「あのね、わたしとシンジ、けっこんすることにしたの!」
冬月「ほう、急な話だね。どうしてだい?」
アスカ「シンジとわたしのあかちゃんができたの!」
ゲンドウ「!?」
冬月「シンジ君……まさか」
シンジ「ちっ、違いますよ!」
ゲンドウ「そこまでの外道だったか、シンジ……見損なったぞ」
シンジ「違いますってば! 実は―――」
カクカクシカジカ
冬月「成程……そういう訳か」
ゲンドウ「だがこうなった以上、事態の収拾は取れ。以上だ」
シンジ「そんなぁ……」
レイ「……」ムー
アスカ「あらえこひいき、どうしたの?」
レイ「……だめ」ガッシ
アスカ「ちょ、ちょっとやめてよ! おなかにあかちゃんがいるのよ!」
レイ「だめ……なの」グイグイ
アスカ「もうむりよ! わたしにはきせいじじつがあるんだから!」
シンジ「そんな言葉どこで覚えてくるんだよ……」
レイ「そう……なら」
レイ「……いかりくん」グイッ
シンジ「ん?」
レイ「……」チュッ
シンジ「!?」
ゲンドウ「!?」
冬月「!?」
レイ「これで……わたしもいかりくんとけっこんする」///
シンジ「あ、綾波……」
ゲンドウ「あばばばばばbっばばば」ガクガクガク
冬月「れ、レイ君……」ドゥバー
アスカ「なによ! いきなりわりこんできて……このどろぼうねこ!」
レイ「いかりくん、けっこんしましょう」///
アスカ「にほんじゃじゅうこんはできないんだから、あきらめなさい!」
レイ「いや。いかりくんとけっこんするの」
ゲンドウ「レイ……レイイイイイイィィィィ!」ダバダバダバ
冬月「う、うわああああぁぁぁぁぁぁ!」ガタガタガタガタ
シンジ「落ち着いてくださいよ二人とも……子供のすることでしょう」
マリ「せんせい、うらやましいにゃー」
マリ「りょうてにはなだね!」
マリ「わたしはまだけっこんはいいかにゃ……もっとあそびたいし」
シンジ「は、ははは……」
マヤ「肉眼で確認! パターン青、使徒です!」
リツコ「とうとう来たわね……ミサト!」
ミサト「ええ……アスカ、レイ、準備はいい?」
レイ『問題ありません』
アスカ『当然よ、私を誰だと思ってるの?』
ミサト「ではそのまま待機してて。300秒後に出撃よ」
レイ『了解』
アスカ『了解!』
レイ「……」
アスカ「……思えばアンタとも十年の付き合いになるのよね」
レイ「そうね」
アスカ「それが今や二人ともエヴァのパイロット、か」
レイ「嫌なの?」
アスカ「そんな訳ないでしょ」
アスカ「エヴァに乗ることが今の私の存在意義なんだから」
アスカ「……シンジ、今なにしてるのかな……」
レイ「わからないわ。時々手紙は来るから、生きてはいるでしょうけど」
アスカ「マリも外国に行っちゃったし、昔からの知り合いってアンタしかいないのよね」
アスカ「ま、エヴァで戦うのは楽しいし、どっちでもいいけどね」
レイ「エヴァで戦うことは碇君を守ることにもなる」
アスカ「なんだ、アンタまだシンジのこと好きなの?」
レイ「わからない。でも、昔から碇君のことを考えると、ぽかぽかする」
アスカ「バカね、それを好きって言うのよ」
レイ「貴女はどうなの」
アスカ「どっちでもいいでしょ」
レイ「よくない。貴女も碇君が好きなら、ライバルになる」
レイ「私はアスカを嫌いじゃない」
レイ「でも、これだけは譲れない」
アスカ「お人形さんみたいなアンタがそこまで言うなんてね……」
レイ「私は人形じゃない」
レイ「あたたかいもの、人を好きになるということ」
レイ「全部、碇君が教えてくれた」
アスカ「そうね……ったく、本当に何してるんだか、バカシンジ」
アスカ「こんな美少女二人を放って置いて行くなんて」
アスカ「ほんと……バカなんだから」
ミサト『二人とも、そろそろ出撃よ』
ミサト『初めての使徒との戦闘だけれど、自信を持って』
アスカ「わかってるわよ、任せなさい」
レイ「全力を尽くします」
ミサト『では司令、指示をお願いします』
シンジ「エヴァンゲリオン……出撃」
完!
96 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/10/27 20:27:22.48 cgTgtqIE0 70/73読んでくれた人、支援してくれた人ありがとう。
早くQ観たいな。
97 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/10/27 20:28:42.07 IhqRuVPo0 71/73乙!
103 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/10/27 20:37:46.05 Duq5eI8j0 72/73なんかテレビのエヴァと同じように最後があっさりで拍子抜けした
乙
104 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/10/27 20:39:08.77 /ylP2zrW0 73/73二人はシンジが指令になってること気付いてないってことか