118 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 19:59:04 dsLeV61M 1/134

「どうしたの?急に私の手をつかんだりして」

「お前、どう言うつもりだ?」

「な、何?男ってば。ひょっとして告白?」

「いやぁ、こんな往来で、照れてしまいますなぁ!」

「でももっとさ、風情って物を考えてよ、男ってば!」

「粋じゃないよ!無粋だよ!」

「江戸っ子の名折れだよ!」



※ここからの話しは
男「騙された!」幼馴染「騙してない!」
http://blog.livedoor.jp/ayamevip/archives/12917061.html
の、続きの話しです

元スレ
男「この手、離さねーぞ?」 幼馴染「う、うん?」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1350214190/

119 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 19:59:28 dsLeV61M 2/134

「俺は船橋生まれの、船橋育ちだ!江戸っ子じゃねぇ!」

「え、マジで?」

「おい!ごまかそうとしても無駄だぞ?」

「なーんのーことーだーかー?」

「おもいだしてごーらんー?」

「って、思い出のアルバムみたいに歌うな!」

「幼稚園の卒園式か!」

120 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 19:59:49 dsLeV61M 3/134

「ノってくる所は、さすが男!」

「とぼけるつもりか?そうなんだな?」

「もう!そんなに怒る事ないじゃんかー」

「怒ってる訳じゃないぞ、幼」

「俺は説明を求めてるだけだ!」

「だってー。ディズニーランドに行きたくなっちゃったんだもん」

「問題はそこじゃない!」

121 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:00:38 dsLeV61M 4/134

「行きたいからって、年間パスを買うなよ!」

「しかも、金はあの貯金箱から出したんだろ?」

「バイトも何もしてない、月五千円の小遣いしかもらってない幼が!」

「八万もする、2パーク年間パスなんて、買える訳がないよな?」

「そんな怒んないでよー」

「お前、最近様子が変だぞ?」

「別に!変じゃないですけど!」

122 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:01:34 dsLeV61M 5/134

「年頃の女の子なんだから、ディズニーランドくらい行きたくなるよ!」

「…沖縄旅行から帰ってきた辺りから、おかしいぞ?」

「…」

「何だ?言いたい事あるなら言ってくれよ!」

「…鈍感!」

「手、離して!」

「走って逃げずに、説明してくれるならな?」

123 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:02:22 dsLeV61M 6/134

「…」

「黙ってちゃ、わかんないよ、幼」

「じゃあさ…一つお願いがあるんだけど」

「何だ?」

「男も、年間パス、買って!」

「は?」

「いいでしょ?」

「何でそうなるんだ?」

124 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:02:51 dsLeV61M 7/134

「男と一緒に、ディズニーランドとシーに行きたいの!」

「言わせないでよっ、恥ずかしいっ!」

「照れ隠しのつもりか?」

「本心よっ!」

「あの貯金箱の中、何の為に貯めてたのか、覚えてるか?」

「さーぁ?どうだったかなぁー」

「…」

125 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:03:21 dsLeV61M 8/134

「それじゃ、今度の金曜日、一緒にディズニーランドに行こうね!」

「…」

「ね!?」

「…解った。また、説明するつもりがないんだな?」

「それは男の答え次第だよっ!」

「今度の金曜日、ディズニーな。解った」

「え?本当?」

126 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:04:11 dsLeV61M 9/134

「もう幼の分は年間パス買っちゃってる訳だし」

「使わなきゃもったいないもんな」

「う、うん!そうだよ!そうだよ!」

「はぁ…まったく、最近の俺は、お前に振り回されてばかりだな…」

「あんたがあんな事言わなければ、私だって…」ボソッ

「ん?今何か言ったな?何だ?」

「鈍感君には絶対解らない暗号をつぶやきましたー!」

「何だよ、それ」

「良いから、取り敢えず今日はもう帰ろう!」

「…」

127 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:05:01 dsLeV61M 10/134



(最近、幼の様子がおかしい…)

(沖縄に旅行に行った時、確かにお互いの気持ちを伝えあったし)

(流れに身を任せて、あんな事にもなっちゃったし…)

(ひょっとしてアレが原因なのか?)

(いや、でも、帰りの飛行機の中では大はしゃぎだったし)

(数日はいつもの騒がしい幼だった…)

128 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:05:39 dsLeV61M 11/134

(となると…原因は)

(幼の誕生日…か?)

(でもプレゼントは喜んでくれたよなー)

(手作りだからって嫌な顔はしてなかったもんなー)

(ん。そういえば、誕生日の次の日に変な事言ってたか…)

129 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:06:16 dsLeV61M 12/134



「私はギャングスターになるッ!」

「…」

「なるッ!」

「あぁ、なれなれ。ギャングスターにでも、脱獄囚にでも」

「ヤンキー高校生にでも、海洋学者にでもなんにでもなれ?」

「ギャングになって、男の事なんか、ちょちょいっと消しちゃうんだからっ!」

「はぁ…消されるのか、俺は」

130 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:07:14 dsLeV61M 13/134

「だ、だから、イタリアには近付かない方が良いね!」

「イタリア?」

「私、イタリアンマフィアのボスになるから!」

「ボス」

「パッショーネのボスの正体を知っている男の事を」

「暗殺チームに命令して、消すよ!」

「暗殺」

「だからイタリアには近付くなッ!」

「ボスの命令は絶対だから!」

「…ボスね」

131 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:08:01 dsLeV61M 14/134



(あれが誕生日の次の日…)

(それから言動が怪しくなったような気がする)

(JOJO好きなのは知ってたけど)

(何で急にイタリアンマフィアになるんだ…)

(取り敢えず、金曜日、ディズニーランドだな)

(結婚資金としての貯金、年間パス買ったら、ほとんど無くなっちまうな)

(バイト、本格的にお願いするかなぁ)

132 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:09:00 dsLeV61M 15/134



「…おい、自分から時間指定しといて、遅刻ってどう言う事だよ!」

「えー?昨日の夜ー、デートに何着ていこうか、迷ってたらー」

「寝る時間が遅くなっちゃってー」

「ついつい遅刻しちゃいまいた!てへぺろっ!」

「まぁ、良いけどさ…その服、すげー似合ってるぞ」

「えへへ、ありがとっ。気合入れてきましたからねっ!」

「んじゃ、行くか!」

「おー!」

133 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:09:28 dsLeV61M 16/134



『ランド入口付近・チケット売り場』

「はい、2パーク年間パスで」

「はい、原付の免許証があります」

「それじゃ、これ代金です」

「どうもです」

「ふぅ…八万か…」

(高い買い物だな…)

134 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:10:08 dsLeV61M 17/134

「おーい、幼。買ったぞ、年間パス」

「…」

「どうした?早く入ろうぜ?」

「男、ちょっとここで待ってて」

「は?どうした?」

「さ、財布、お、落としちゃった、みたい…」

「は?マジで?」

135 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:11:03 dsLeV61M 18/134

「で、電車に乗った時は持ってたし」

「改札から出た時も手に持ってた」

「だから多分、その直後に落としたんだと思う…」

「ちょっと、駅まで行ってくるから!」

「おい!俺も行くよ!」

「良いから、待ってて!」

「私の方が、走るの早いし!」

136 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:12:15 dsLeV61M 19/134

「わかった。俺はこの周辺を探してみるから」

「うん!ちょっと行ってくる!」
タッタッタ

「あのウォレット、落としちまったか…」

「…また、作るかなぁ」

137 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:14:23 dsLeV61M 20/134



「見つからなかったらどうしよう…どうしようっ」

「男からのプレゼントなのに!」

「と、とにかくまずは駅員さんに、聞かなきゃ!」
タッタッタッ


「あ、あの、すんませんっ!」
ハアッハアッ

駅員「はい、なんでしょうか?」

138 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:15:11 dsLeV61M 21/134

「あ、あの…お、落とし物で…財布、届いてませんか?」
ハァハァ

駅員「どんな財布でしょうか?」

「えっと…現金は…そんなに…入ってなくて」
ハァハァ

「ディズニーリゾートの年間パスポートが入ってて…」
ハァハァ

駅員「外見は?」

「あ、えっと、革で出来てて、茶色いです!」

139 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:15:50 dsLeV61M 22/134

駅員「ひょっとして、これかな?」

「あ!それ!それです!」
ハァフゥ

駅員「一応中身を確認させてもらってもいいですか?」

「はい!どうぞどうぞ!」
ハァフゥ

知らない女「あの、大丈夫ですか?」

「あ、うん。大丈夫大丈夫」
ハァ

「久々にちょーっと走って、息が切れてるだけだから」
フゥ

140 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:16:28 dsLeV61M 23/134

駅員「…間違いなさそうですね。はい、どうぞ」

「良かったぁ…」

駅員「この子がたった今届けてくれたんですよ」

「あ、ありがとうございます!」

「お礼、しなきゃね!」

財布を拾ってくれた女「あ、いえいえ。良かったですね見つかって」

「お礼するよ!遠慮しないで!」

「この財布、すっごく大切な物なんだー」

(あぁ…本当に、良かった!ラッキー!)

141 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:16:57 dsLeV61M 24/134

財布を拾ってくれた女「…」
ジー

「ん?何?私の顔に何か付いてる?」

財布を拾ってくれた女「あ、じっと見ちゃってごめんなさい」

財布を拾ってくれた女「あの、私とどこかで会った事ありませんか?」

「んん?言われて見れば…どこかで会ったような?」

「うーん?どこで会ったっけ?」

幼・財布を拾ってくれた女「…」

142 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:17:29 dsLeV61M 25/134

財布を拾ってくれた女「あ!思い出した!」

財布を拾ってくれた女「あの、てだこ祭りの浴衣コンテストで優勝した方ですよね?」

「うん?ううん?そうだけど…」

財布を拾ってくれた女「あ、私、あの時、2位だった者です!」

「あ!あぁ!あぁ!思い出した!」

「私にリゾートホテル宿泊券をくれた人!」

143 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:18:03 dsLeV61M 26/134

「ごめんごめん!髪下ろしてるから、わかんなかった!」

「あの時はありがとね!」

祭りで会った女「あ、いえいえ、こちらこそ!」

祭りで会った女「あの時はありがとうございました」
ペコッ

祭りで会った女「おかげさまで今日、ココにに来られました!」

「あ、そうなんだ?あの時の賞品で来てるんだ?」

祭りで会った女「はい、友達と二人で…」

144 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:18:42 dsLeV61M 27/134

「あ、今からランドに行く感じ?」

祭りで会った女「はい、あそこで携帯いじってるのが、その…友達です」

「へー。ね、あれって彼氏?彼氏?」

祭りで会った女「あ、は、はい、そうですね。えへへ」

「へー?へー!あ、私もね、彼氏と来てるんだ!」

「あ!しまった!あいつの事、待たせてるんだった!」

「行かなきゃ!それじゃ!」

「拾ってくれてありがとね!」

祭りで合った女「あ、はい!さようなら」

「ばいばーい!」
タッタッタ

145 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:19:41 dsLeV61M 28/134



「…で?見つかったのか?」

「ほら、この通り!」

「良かったな」

「うん!」

「落とさないようにしろよ?」

「わかってるって!」

146 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:20:40 dsLeV61M 29/134

「年間パス、無駄にしたくないもんな」

「…年間パスなんてどうでもいいよ、マジで」

「どうでもよくはねーだろ」

「男が作ってくれた、この財布が、大事なんだよ!」

「おぅ。そう思ってくれてるなら、落とさないように、な」

「もう一生、落とさないから!」

「おぅ…一生…な」

147 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:21:13 dsLeV61M 30/134

「フフフ、ちょっと照れてる?」

「照れてる訳じゃねーよ」

「それにしても、よく見つかったな」

「丁度、親切な人が届けてくれた所でさ…」

「あ!しまった!」

「どうした?」

「お礼するの忘れてた!」

「おいおい…」

148 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:21:51 dsLeV61M 31/134

「もう一回駅まで戻ろう!」

「もう居ないだろ」

「実はさ、なんとその子がねー」

「沖縄でリゾートホテル宿泊券をくれた子だったんだー」

「は?マジで?なんつー偶然!」

「今からランドに行くって言ってたらか、そこで会えるかも!」

「いやいや、それは無理だろう…」

149 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:22:14 dsLeV61M 32/134

「まぁ、過ぎた事を悔やんでも仕方ない!取り敢えず、行こう!」

「おう!俺も年間パス買ったしな」

「今日は楽しもうね!男!」

「お、おう!」

(なーんか、無理してるような気がするんだよなぁ)

150 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:22:53 dsLeV61M 33/134



「さて…取り敢えずファストパスも取ったし」

「なら、次行く場所は、わかってるよね?」

「…あれはもう良いんじゃないか?」

「ノンノン!アレを見ないと、話しが始まらないよ!」

「さ!行こう!行こう!」

「おー…」

151 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:24:26 dsLeV61M 34/134

「ふんふーん♪」

「ご機嫌だな…」

「まっねー。財布が無事に見つかったから…」

「…あれ?」

「どうした?」

「あの、列の最後に並んでる二人…」

「ん?」

「ちょっと、行こっ!」
タッタッタ

152 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:24:52 dsLeV61M 35/134

「おーい!あなた達…」

さっきの女「あ、さっきの!」

「誰?知り合い?」

「この子だよ、さっき話してた子」

「財布拾ってくれたの、この子なの」

「あー、それはそれは」

「あの時はありがとうざいました」

「あなたがくれたリゾートホテル宿泊券のおかげで」

「沖縄の旅が100倍楽しめました」

153 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:25:15 dsLeV61M 36/134

さっきの女「えっと…いえいえ、こちらこそですよ」

「あ、自己紹介まだだったよね!」

「私は幼、こっちは男」

「よろしくー」

さっきの女「私の名前は沖縄女って言います」

そばに居た男「沖縄男です、どうも」

「よろしくね!沖縄女さん!」

沖縄女「こちらこそ、幼さん」

154 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:26:25 dsLeV61M 37/134

「で、今からこれに並ぶの?」

沖縄男「はい、人が並んでる奴なら面白いかと思って」

「ははーん、二人とも、初心者だね?」

沖縄女「はい、初めて来ましたから」

「それじゃあ、私たちが案内してあげよう!」

「いいよね?男!」

「いやだっつっても行くんだろ?良いよ」

155 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:27:14 dsLeV61M 38/134

「それに財布拾ってくれた恩も、きちっとかえさないとな」

沖縄女「そ、そんな、悪いですよ」

「まぁまぁ、あの賞品券、確か3泊4日だったでしょ?」

「今日で回り方覚えて、明日と明後日、二人で楽しめばいいじゃん!」

「お礼がしたいんだよ、こいつ」

「こいつ言うな!」

156 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:28:07 dsLeV61M 39/134

沖縄女「わかりました、それじゃ道案内お願いします!」

沖縄女「良いよね、沖縄男?」

沖縄男「もちろん。よろしくお願いします!」

「うんうん!ダブルデートだね!」

沖縄女「は、はいっ」

「それじゃまずねー」

「この列に並ぶの止めてー」

157 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:28:37 dsLeV61M 40/134




沖縄男「す、凄かったなー」

沖縄女「そ、そうだね…凄かったね…」

「どう?初めてのディズニーランドは?」

沖縄女「はい!凄いですねー」

「最初に軽いがっかり感を味わった事が」

「他のアトラクションをより一層輝かせてるんだよ!」

「それはどうかと思うがな…」

158 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:30:11 dsLeV61M 41/134

「さぁ、次はこっちだよ、こっち!」
グイッ

沖縄男「ちょ、幼さん?」

「いいじゃん!早く行かないと!」

沖縄女「…」

(沖縄女さん、複雑な顔してるなぁ…)

「ごめんね、沖縄女さん」

「あいつ、今、ちょっとおかしいんだ」

159 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:30:34 dsLeV61M 42/134

沖縄女「え?い、いえいえ、別に私は何も…」

「おーい!二人とも早く早く!」

「次のマウンテンに行くぞー!」

沖縄女「は、はーい」

沖縄女「…」

「…」

「おい!ちょっとこっち来い!」

「な、何よ!」

「いいから、ちょっと来い!」
グイッ

160 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:31:16 dsLeV61M 43/134



「何よ、もう!」

「あのなぁ、沖縄男君と、腕組むの止めろ!」

「あら、嫉妬ですかにゃ?くふふ」

「まぁ、ある意味合ってるけどな」

「沖縄女さんが可哀想だろ?」

「せっかく沖縄から二人で旅行に来てるのに」

「俺たちみたいな邪魔者が居るだけでも、アレなのに」

161 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:34:11 dsLeV61M 44/134

「これみよがしに、腕なんて組むなよ」

「う…沖縄女さん、気にしてた?」

「俺の目にはそう見えたな」

「うぅ…謝らなきゃ…」

「はしゃぎすぎなんだ、幼は」

「…ごめん」

「んじゃ、ちゃんと二人に謝るんだぞ?」

「はいー」

162 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:35:16 dsLeV61M 45/134



「ホントにごめんね?」

沖縄女「いえいえ!気にしないで下さいー」

沖縄女「楽しく行きましょうー」

「それじゃ、お詫びとして、色んなキャラを見せてあげよう!」

「おい、気軽に言うなよ、そんな事」

「大丈夫!大丈夫!まずはキャプテンを見つけよう!」

163 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:36:10 dsLeV61M 46/134

沖縄男「え?キャプテンって…さっきのキャプテンEOですか?」

「あはは、違う違うー。ジャック・スパロウだよ」

沖縄男「え?キャプテン・ジャック・スパロウ?」

「そう!カリブの海賊辺りに居るんだよ!」

「この時間なら…おそらく!」

沖縄男「は、早く行きましょう!」

「え?ひょっとしてファンなの?」

沖縄女「は、はい…沖縄男は、あの映画の大ファンなんですよ」

「じゃあ、焦らず急いで行こう!」

164 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:36:57 dsLeV61M 47/134



沖縄男「ジャック…めちゃカッコ良かった…」

沖縄女「会えて良かったね?」

沖縄男「写真も撮れたし、満足…」

「そんなに感動して貰えたら、こっちも嬉しいよ!」

「でもまだまだ!他のキャラにも会いに行くよっ!」

沖縄女「は、はいっ!」

165 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:37:42 dsLeV61M 48/134



沖縄女「ふふっ」

「えへへー楽しいね、沖縄女さんっ」

沖縄女「はい!とっても楽しいです!」

沖縄女「本当に来て良かったです」

「そう言ってもらえると、旅行券あげた私も心晴れ晴れだよ!」

「その代わりに俺たちはリゾートホテルに泊まれたんだから」

「おあいこだろ」

「それはそうだけどさー」グゥ

166 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:38:07 dsLeV61M 49/134

全員「…」

沖縄女「そ、そういえば、お昼食べてませんでしたね」

「お恥ずかしい…でもさすがにお腹空いたー」

沖縄男「楽しすぎて、時間経つの忘れてました…もう夕方なんですね」

「それじゃ、何か食べようか」

「賛成!賛成ー!」

167 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:39:01 dsLeV61M 50/134

「行きたいレストランは…って聞かれても解んないよね?」

沖縄女「はい、全然わかりませんー」

「じゃ、カレー食べに行こう!」

「えー?またカレ-?違うやつにしようよー」

「いいじゃん、カレー。な?二人はどうよ?」

沖縄女「えーっと…」

沖縄男「俺ら、全然わかんないんでお任せします!」

「いやいや!せっかくの旅行なのに!カレーとか!一番無い選択でしょ!」

「…じゃあ、ブルーバイユーとか?」

「いいねー!今日は奮発して、そうしちゃおうよ!」

168 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:39:49 dsLeV61M 51/134

「ちょこーっとお高いけど、カレーよりは良いよね?」

沖縄男「俺らは大丈夫です!」

沖縄男「観光地のご飯が少々お高いのはわかってますから!」

「なら、レッツゴー!」

「俺ら普段は軽いやつしか食べないんだよ」

「食費削る感じだからさ」

「でもでも!今日くらいは良いよね?」

「まぁ、そうだな。今日は特別だな」

沖縄女「じゃあ、行きましょう!私もお腹空きましたー」

169 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:40:53 dsLeV61M 52/134



『レストラン』

「席、空いてて良かったなー」

沖縄男「なにせウチには、幸運の女神様がいますからね」

沖縄男「そういえば、ちょっと質問が」

「ん?何?」

沖縄男「お二人、何歳ですか?」

「二人とも17歳、高2だよ」

沖縄男「おっと、同い年だったとは!?」

170 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:41:27 dsLeV61M 53/134

「え?」

「え?マジで?タメなの?」

沖縄女「えー。お二人、年上だと思ってました」

「完全に年下だと思ってた…」

「同じ17歳…どうしてこんなに差が…」

沖縄女「え?」

「ちょっと沖縄女さん…こっち来て」

沖縄女「はい?」

「おい、また変な事言ったりすんなよ?」

「うっさい!」

171 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:41:59 dsLeV61M 54/134



「行っちまったな…」

沖縄男「ですね」

「ごめんなー。本当は二人で回りたかったよなー?」

沖縄男「全然!気にしないで下さい!」

沖縄男「回り方教えてくれたの、ホント感謝してます」

沖縄男「それに、お二人と居ると、楽しいですよ」

172 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:43:32 dsLeV61M 55/134

「そう言ってくれると、救われるよ」

「…あいつ、最近おかしくてさ」

「ちょっと原因が解らなくて、困ってるんだ…」

「あ、ごめんな、愚痴っちまって」

沖縄男「構わないですよ」

沖縄男「お二人は付き合い長いんですか?」

「いやー、正式に付き合い始めたのは1ヶ月くらい前だよ」

173 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:45:00 dsLeV61M 56/134

「あの、てだこ祭りの時に色々あってさ」

「確かにお互い好き同士なはずだったんだけどさー」

「最近、変な言動が…あ、あいつの言動が変なのはいつもなんだけど」

「意味不明な事つぶやいたり、イライラしたりさー」

「なんか、正直よくわかんなくなってきてさー」

沖縄男「でも、傍で見てて思いますけど」

沖縄男「お二人、とっても息が合ってますよね」

「そう?本当にそう見える?」

174 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:45:47 dsLeV61M 57/134

沖縄男「そう言えば、浴衣コンテストの時も、漫才みたいでしたよね」

「ハハハ。あいつと話してると、自然とあんな感じになっちゃうんだ」

沖縄男「それって心から信用しきってるからじゃないですか?」

「そう…かな?」

沖縄男「俺はそう思いますよ」

沖縄男「だから男さんが思ってる事、正直に聞けばいいんじゃないですかね?」

「聞こうとしても、はぐらかされるんだよなぁ」

沖縄男「心当たりはないんですか?」

175 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:46:35 dsLeV61M 58/134

「んー。沖縄から帰って来た直後はご機嫌だったんだけど」

「あいつの誕生日に、革の財布をプレゼントしたんだ。手作りでね」

沖縄男「革の財布を手作りですか?凄いですね!」

「へへ。時間かかったんだけどさ」

沖縄男「それが気に入らなかった…とか、ですか?」

「いや、大層喜んでくれたんだよ」

「でも、その直後から、様子が変なんだよ」

沖縄男「どうやら、その辺りが鍵じゃないですか?」

176 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:49:22 dsLeV61M 59/134

「やっぱそうかなー」

「財布自体は大切にしてくれてるんだけどさ」

「…まあ、今日は落としちまってたけど」

沖縄男「フフッ。でも必死に駅まで走って来たらしいじゃないですか」

「あいつ足速いから。普段から元気の塊みたいなやつだからなー」

沖縄男「元気の塊!まさにそんな感じですねー」

「でもそれが切っ掛けで、二人と知り合いになれたんだから」

「それはラッキーって事かな?」

沖縄男「ウチの幼馴染のラッキーパワーを侮ってもらっては困りますよ?」

177 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:50:24 dsLeV61M 60/134

「へぇ?二人、幼馴染なんだ?」

沖縄男「そうですよ。家が隣り同士なんです」

「へー!ウチらもそうなんだよ!」

沖縄男「何か、俺ら、似てますね?」

「だなー。お互い、漫画みたいな幼馴染関係だな」

沖縄男「それ、俺も常々思ってますよ、漫画みたいだなぁって」

「ハハハ。そうだよなぁ」

沖縄男「フフフ。ですよねー」

178 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:51:32 dsLeV61M 61/134

「おまたせ、お二人さん!」

「おう。話しは終わった?」

「有益な話しが出来ましたー」

「そりゃあ重畳」

沖縄男「沖縄女?何か顔赤いぞ?大丈夫か?」

沖縄女「だ、大丈夫。何ともないから!」

沖縄男「そうか?無理はするなよ?」

沖縄女「う、うん…」

179 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:52:24 dsLeV61M 62/134



「お腹いっぱいー」

「だなー」

沖縄男「美味しかったですね」

「ちょーっと高いけどね」

「あ、いつかさ、予約が取れたらさ」

「今度はランチショーとディナーショーを見ると良いよ!」

「あれは凄いから!」

180 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:53:19 dsLeV61M 63/134

「まぁ、予約にはクレジットカードが必要だから」

「社会人になってから、だけどね」

沖縄男「頑張ります!」

「それでも予約取るの、大変だけどね」

沖縄男「でも何とかなると思うんですけどね」

「幸運の女神様が、居るんだもんな?」

沖縄男「です!」

「それって私の事?」

「違う。沖縄女さんの事だ」

「お前はどっちかって言うと、トラブルメーカーだな」

181 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:54:18 dsLeV61M 64/134

「トラブル上等!人生は苦難があってこそ、楽しめるってもんよ!」

「お前が起こすトラブルは大抵意味のないトラブルだけどな?」

「むー!何だと、間抜け面!」

「何だ、しみったれた小娘が!」

沖縄女「あの、喧嘩しないで下さい!」

沖縄男「これ、喧嘩じゃないよ、沖縄女」

沖縄男「ね?男さん?幼さん?」

「まぁ、じゃれ合ってるって感じ?」

「日常会話だから、気にしないで、沖縄女さん!」

沖縄女「は、はぁ…」

182 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:54:50 dsLeV61M 65/134



「さぁ、お腹も膨れた所で!時間も丁度いい感じ!」

「最後はいよいよお待ちかねの!」

「パレードね。早めに行って場所取ろう」

「いい場所知ってるからね!付いて来て!」

沖縄女「はいっ!」

183 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:55:15 dsLeV61M 66/134



『パレード』

沖縄男「すっげー…」

沖縄女「本当に、凄い…」

「何度見ても綺麗だな、幼」

「そ、そうだね…」

「本当に…綺麗だね…」

184 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:55:54 dsLeV61M 67/134

「あと、何回、一緒にこのパレードを見られるのかな…」

「はぁ?何だそれ。何回だって見られるだろ?」

「…うぐっ」

「ん?どうした?…おい、泣いてるのか?」

沖縄女「千葉女さん?どうかしたの?」

「な、何でもない!何でもないからっ!」

「何でもない奴が泣くかよ!」

185 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:56:32 dsLeV61M 68/134

「今日のパレードはひときわ綺麗だなーって!」

「感動してたんだよっ!」

「おい…嘘つくなよ、幼」

「わ、私は…私はっ!」
ダッ

「おいっ!」

「あー、二人とも、ごめん!俺も行くわ!」

「パレード、楽しんでな!」

「縁が有ったらまた会おう!じゃな!」

沖縄女「は、はい!千葉女さんによろしくって!」

沖縄男「また!」

186 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:57:26 dsLeV61M 69/134



「おい!待て!幼っ!」
ガシッ

「やっと捕まえた!」

「…」

「この手、離さないぞ?」

「痛いよ!手を離してよっ!」

「断る!もう追いかけっこは嫌だからな!」

187 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:57:59 dsLeV61M 70/134

「…」

「パレードはもういいのか?」

「いい…」

「花火は見なくていいのか?」

「もう帰る…」

「まぁ、また見に来れば良いしな」

「帰り、タクシーで帰りたい…」

「贅沢だな、おい」

「タクシーが駄目なら、ハイヤーでも良い…」

「贅沢のランクが上がってるじゃねーか!」

「駄目なら、歩いて帰る…」

188 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:58:30 dsLeV61M 71/134

「ったく。んじゃ、タクシー拾える所まで行くか」

「うん…」

「あの2人には悪い事しちゃった…」

「そうだな」

「最後にケチつけちゃった…」

「まぁ、そうだな」

189 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 20:59:18 dsLeV61M 72/134

「後でメールしとく…」

「アドレス交換してたのか?」

「レストランでね」

「そっか」

「お、タクシー丁度来たな」

「ほら、先に乗れよ、幼」

「…うん」

190 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:02:01 dsLeV61M 73/134



「ほら、着いたぞ、幼」

「…うん」

(結局タクシーの中でも一言も会話出来なかったな…)

「じゃあね、男。バイバイ!」

「おい!ちょっと待て、幼!」

「覚悟は出来てるか?私は出来てるッ!」

「はぁ?覚悟?」

「今日はもう、寝るから!」

「なぁ、一体どうしたんだよ、幼」

「と、とにかく!寝る前に、机の上を見てから、寝てよね!」

「じゃ!おやすみっ!」

「…机の上?」

191 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:02:30 dsLeV61M 74/134



「机の上にカセットテープが置いてある…」

「今朝の遅刻の原因はコレを仕込んでたからと見た!」

「しっかし、今どきカセットテープって…」

「再生する機器が俺の部屋にはねーよ!」

「…ん?一緒に手紙が入ってるな」
ガサガサ

192 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:03:27 dsLeV61M 75/134

「なになに…『心配ご無用!ベッドの下を見てみなさい!』?」
ゴソゴソ

「あ、小さいラジカセ…これ確かおじさんの部屋にあった…」

「わざわざこんな小細工を…」

「まぁ取り敢えず、聞いてみるか」

ガチャガチャ
カチッ

193 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:04:32 dsLeV61M 76/134

テンテーテケテーテケテーテケテン…

「え?これって落語の出囃子?しかも…ロッキーのテーマ?」

「どんなセンスだ」

『ゴホン。えー』

「始まったか」

『男へ。あなたがこれを聞いていると言う事は私はもう…』

『…』

194 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:05:09 dsLeV61M 77/134

『なんて事もなく、きっと隣りの家の私の部屋に居る事でしょう』

『カセットテープで言葉を贈るなんて、良いアイディアだと思わない?』

『こんな事、思いつくなんて』

「私ってばcool!! cool!! cool!!!」

「何言ってんだ、あいつは…」

『直接でも、電話でも、どうしても話しが逸れちゃうから』

「まぁ、主にお前のせいで逸れるんだけどな?」

『今、お前のせいで話しが逸れるとか、つっこんだでしょ!』

「…」

195 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:05:45 dsLeV61M 78/134

『フフフ、私の超能力に、ビビっているでしょうよ!』

「そう言うのがあるから、話しがそれるんだ、アホめ」

『今度は、カセットじゃなくて、直接話してるんじゃね?とか思ったでしょ!』

「思ってねーよ」

『まぁ、そんな枕はここまでにして!』

「あぁ、枕だったのか、今のは」

196 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:06:34 dsLeV61M 79/134

『今日のディズニーランドは楽しかったよね?』

『年間パスも買っちゃった事だろうし』

『来年の夏までは一緒にディズニーランドに行こうね!』

『何度も行こうね!』

『沢山、思い出作ろうね…』

『きっと、明日の…じゃなくて、今日の私、頑張ったと思う』

『これで男の夢、応援してあげられる』

「は?」

197 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:07:38 dsLeV61M 80/134

『イタリアで立派な革細工職人に、なって下さい』

「はぁ?イタリア?」

『私、ずっと待ってるからね!』

『男の隣りは私の指定席なんだから!』

『あんまり帰りが遅くなるようだったら」

「私、イタリアに押しかけ女房に行くからねっ!』

『そ、それまで、浮気とかしたら、許さないから!』

「…」

198 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:08:30 dsLeV61M 81/134

『男の事、本当に、愛してるからね』

『男も私の事、愛してくれてるって信じてるから』

『…』

『えー、つまり、私が愛している男に言いたいのは』

『一生一緒にイテァーリァと、こう言う訳ですな』

『お後がよろしいようで』

テンテーテケテーテケテーテケテン…

カチッ

199 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:09:08 dsLeV61M 82/134

「…イテァーリァ?」

「全然オチてねぇ!てか意味がわからん!」

ガラッ

ガンガン!

「おい!鞄持ち!よく言って前座!顔出せ!」

ガンガン!

「最後のオチ、別に上手くねーから!」

200 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:10:36 dsLeV61M 83/134

ガラッ!

「前座は無いでしょ!二つ目位の腕前はあったでしょ?」

「最後、上手かったでしょ!一生一緒にイテァーリァ!」

「三木道三リスペクトだよ!」

「あぁ…『一生一緒に居てくれや』と、かけたのか」

「全然意味わからんかった」

「ショック!せっかく考えたのに!」

201 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:11:53 dsLeV61M 84/134

「幼、ちょっとこっち来い」

「…嫌だ」

「んじゃ、俺がそっち行くわ」

スタッ

「不法侵入!深夜に!うら若き乙女の部屋に賊が侵入!」

「アルソック!アルソックはまだ来ぬか!」

「おい、深夜って程じゃねーけどさ」

「もう大概良い時間なんだから、大声だすなよ」

「近所迷惑だろ?」

202 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:12:20 dsLeV61M 85/134

「窓をガンガン叩くのはぁー近所迷惑じゃないんですかぁー?」

「まぁ、それはすいませんでした」

「…せっかくの私の粋な計らいが、台無しじゃん!」

「テープの事か?」

「それ以外ないでしょ!」

「明日からはまた、普通に笑えると思ったのに…」

「今、顔見たら、決心鈍るじゃんか!」

203 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:12:59 dsLeV61M 86/134

「一応聞くけど、何の決心だ?」

「男を笑顔で見送る決心だよ!」

「俺がどこに行くのを見送るんだ?」

「イターリアー」

「何で?」

「え?」

「何で俺がイタリアに行く事になってるんだ?」

204 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:13:36 dsLeV61M 87/134

「え?だって、高校卒業したら、革細工職人の修行しに」

「イタリアに行くんでしょ?」

「だから、何でイタリア?」

「え?イタリア在住の叔父さんのところに修行に行くって…」

「そんな事、一言も言ってないぞ?」

「え?」

「俺が革細工習いに行ってるのは、鬼高の叔父さんの所だ」

205 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:14:38 dsLeV61M 88/134

「え?鬼高って、市川の?」

「そうだ」

「えぇ?ウチから歩いて行ける距離じゃん!」

「俺が何の為に原チャリを買ったと思ってるんだ?」

「え?原チャリで通うん?」

「実はもう通ってる」

「えー!?なに、その驚愕の事実!」

「声がデカいよ、幼」

206 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:15:34 dsLeV61M 89/134

「え?でも、だって…」

「イタリアで修行した叔父さんに、革細工を習ってる」

「俺が言ったのはそれだけだぞ?」

「イタリア…叔父さん…革細工…」

「どんな聞き間違いだよ、まったく…」

「う…」

207 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:17:44 dsLeV61M 90/134

「幼にあげたウォレットな」

「う、うん」

「あれだって、叔父さんに習いながら半年かけて作ったんだぜ?」

「マジで?」

「まだ大きな物は作れないけどさ」

「実は叔父さんの店で、俺が作った小物、売りに出してもらってるんだ」

「店番もちょっとやってるし、まぁバイト兼見習いだな」

「マジで?まぁ、男、器用だもんね」

「実は進路もそんな感じで選ぼうかと思ってる」

208 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:18:17 dsLeV61M 91/134

「大学か、専門学校かは、まだ決めてないけどな」

「そ、それ!それだ!」

「ん?」

「私の誕生日にも、そんな感じの話ししてた!」

「あぁ、将来の事な?」

「それで、イタリアとか、革細工の修行とか言うから…」

「まぁ、イタリアには行かないから安心しろ」

「…そっか」

209 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:18:51 dsLeV61M 92/134

「幼は馬鹿だなぁ」

「馬鹿とはなんだ!」

「ちゃんと人の話しを聞きましょう」

「うぅ…」

「取り敢えず、誤解は解けたな?」

「すみません、聞き間違えて、暴走してました…」

「まったく…そんなんで一ヶ月近く、様子が変だったのか」

210 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:19:34 dsLeV61M 93/134

「だ、だって!男が遠くに行っちゃうと思ったら…」

「胸がチクチクして、ザワザワして…」

「どうにもならないくらい、不安だったんだよっ!」

「俺の事、思ってくれてるのは嬉しいよ」

「でも俺がお前の傍から居なくなるはずないだろ?」

「…そんなの、解んないじゃんか!」

「あーもう!」
ギュッ

211 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:20:15 dsLeV61M 94/134

「ふわぁっ!?」

「落ち着けよ、幼」

「…」

「俺は居なくならないから」

「ずっと傍に居るから」

「俺を信じてくれよ」

「…うん」

212 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:21:55 dsLeV61M 95/134

「手に職つけたいから、革細工の修行してるけど」

「それは、早く自立したいからなんだぜ?」

「早く一人前になって、幼を…その、嫁に下さいって」

「よ、嫁…お嫁さん…」

「ちゃんと、おじさんとおばさんに言えるようにって」

「…先の事、本当に考えてるんだね」

「あぁ、真剣に考えてるぞ」

213 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:22:35 dsLeV61M 96/134

「超、嬉しい…」

「泣くなよ、幼」

「男…愛してるよ」

「俺もだ、幼」






「そこだ!チューしろ!」

「それはまだ早いわよ!」

214 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:23:12 dsLeV61M 97/134

「いや、今がその時だ!行け!男君!」

「雰囲気が大事よ!もう少し抱擁の余韻に浸るべきよ!」

「流れ的にチューするタイミングだろう?」

「まだです。あなたは本当に解ってないわね」

「そっちこそ!そんなんじゃ、将来の息子に罵倒されちゃうぞ?」

「なんであたしが罵倒されなきゃならないのよ!」

215 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:23:58 dsLeV61M 98/134

「声がデカいっつーの!見つかったらどうすんだ!」

「あなたが変な事言うからでしょ?」

「こういうのはな!タイミングを逃すと、しにくくなるんだよ!」

「そのタイミングが今じゃないって言ってるの!」

「なんだとー?」

「なによ!やるって言うの?」

「表出ろや、コラァ!」

「上等だ!誰のヘアスタイルがサザエさんだ、このスットコがぁ!」

216 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:25:01 dsLeV61M 99/134

男・幼「…」

「お父さん、お母さん…もうそろそろつっこんでも良い?」

幼父「はっ!?」

幼母「しまったっ!」

「二人で何してるんすか?」

幼父「いや、ほら…その…なぁ?」

幼母「えーっと、あの…あ!」

幼母「窓をガンガン叩いてる音が聞こえたから!」

217 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:25:59 dsLeV61M 100/134

幼母「幼ちゃんの部屋に侵入者でもと思って!」

幼父「そ、そうそう!最近は物騒だから、なー?」

「ウチと、この家、30センチしか隙間無いじゃないですか」

幼父「人が侵入するには充分だろう」

「さすがに無理がありますよ、おじさん」

幼父「コラ!おじさんじゃないだろう、男君!」

幼父「いやさ、男!」

「呼び捨て?」

218 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:26:24 dsLeV61M 101/134

幼父「だって、息子に君付けなんて、おかしいだろ?」

「あ、あの…」

幼母「ふふふ。照れちゃって…かわいいんだから」

幼母「こんなかわいい息子が出来て、嬉しいわー」

「お父さん!お母さん!」

幼母「大丈夫よ、幼ちゃん。解ってるからね!」

幼母「ずっと夢見てきたんだもんね?」

219 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:27:07 dsLeV61M 102/134

「夢?」

幼母「男ちゃんのお嫁さんになる事!」

幼母「夢、叶うね!」

「あ、あぅ…」

幼父「取り敢えず、男。一発殴って良い?」

「え?普通に嫌ですけど」

幼父「えー?俺すっげえ憧れてたのになー」

220 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:27:51 dsLeV61M 103/134

幼父「娘は嫁にやる!代わりに一発殴らせろ!って」

幼父「リア充みたいじゃん?」

幼母「それは右手で殴るんですか?」

幼父「ノゥ!ノゥ!ノゥ!」

幼母「左手ですかぁ?」

幼父「ノゥ!ノゥ!ノゥ!」

幼母「ひょっとして、オラオラですかぁ?」

幼父「イェス!イェス!イェス!」

221 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:28:28 dsLeV61M 104/134

「オラオラだと、一発じゃないじゃないですか…」

「それに、本当に戦ったら、勝てそうな気もするんですけどね」

幼父「でも、一発くらい良いだろ?」

幼父「手塩にかけて育てた娘を嫁に出すんだ」

幼父「大丈夫、手加減して、人中にチョップ程度で許すから!」

「グーで頬っぺ殴られる方が安全な気がします…」

幼母「あなた!そんな事したら、息子に嫌われますよ…って」

幼母「私は止めれば良いのよね?」

222 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:28:53 dsLeV61M 105/134

幼の両親「ひゃーーーーーー!リア充っぽい!」

幼の両親「イェーーーーイ!」
パシッ

「何で今、ハイタッチしたの?」

幼父「これはな、幼」

幼父「お父さん達の儀式みたいなもんだ」

幼母「お約束ってやつね」

223 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:30:30 dsLeV61M 106/134

幼父「それにしてもなぁ」

幼母「そうねぇ」

幼父「ウチの娘がリア充になるなんてなぁ」

幼母「全く…ねぇ」

「いや、あんたたちもリア充でしょ?」

幼父「娘よ、何を言う!?」

幼母「そうよ、幼ちゃん!親に向かって何て事言うの!」

224 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:32:24 dsLeV61M 107/134

幼母「良い?私たちはね…」

幼の両親「世のリア充に爆発しろって叫ぶ側!」

幼父「なのだよ」

「…なのだよ、じゃないわよ!」

「なんで二人ともドヤ顔なのよ!」

「あの、おじさん…ちょっと…」

幼父「おじさん、じゃないだろう!お義父さんだろ?息子よ!」

「あぁの…さっきの聞いてたんですよね、全部」

225 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:33:47 dsLeV61M 108/134

幼父「親として、当然じゃないか」

「あのー、それでですね…娘さんとですね」

幼父「あぁ、解ってる!解ってるから!」

幼母「そうよ、男ちゃん。全部解ってるからね?」

「う…」

幼父「さ!どうぞどうぞ!」

幼母「結婚の報告よね?あ、まずは婚約からかしら?」

226 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:34:44 dsLeV61M 109/134

「ぎ、逆に言いづらいんですけど…」

「…」

「俺まだ高校生だし」

「世間の事何も知らないガキですけど」

「娘さんを一生幸せにしますんで!」

幼父「うんうん」

幼母「幼ちゃんの事、任せたわよ?男ちゃん」

227 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:35:29 dsLeV61M 110/134

「精一杯努力します」

「一生一緒にイテァーリァ」

「それ、全然上手くないからな?」

「もう!ノリ悪いなぁ、男は!」

「ボケるならちゃんとボケろよ」

「ツッコミにくいわ!」

幼父「さすが幼馴染!息ピッタリ!」

幼母「将来安泰ね!」

228 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:36:01 dsLeV61M 111/134

「あ、はぃ…」

「もう!二人とも!男が困ってるでしょ!」

「主に君が原因なんですけどね」

「そんな事じゃ2013年のキングオブコントには輝けないよ?」

「そんな物に出るつもりはありません」

幼父「賑やかで楽しいなぁ!」

幼母「ホントにね!リア充も良い物ね!」

229 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:36:52 dsLeV61M 112/134

幼父「テンション上がってきたー!」

幼父「男!外でキャッチボールでもするか?」

「こんな夜にですか…?」

幼父「時間の事考えてなかった!」

「幼が考えなしに喋るのは、おじさんに似たんですよね」

幼父「そんなに褒めるなよ、男」

「…」

230 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:37:29 dsLeV61M 113/134

幼母「じゃあ、お赤飯!お赤飯炊きましょう!」

「こんな時間からですか…?」

幼母「あら、赤飯に時間は関係ないんじゃないかしら?」

「幼が勢いだけで行動するのは、おばさんに似たんですよね」

幼母「あら、そんなに褒めても、お赤飯くらしか出ませんよ、うふふ」

「…」

231 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:38:21 dsLeV61M 114/134

「…と、取り敢えず、二人とも、解ったでしょ?」

幼の両親「解りました!」

幼父「おい、男。今日泊まって行けよ?」

「えー?」

幼母「お家には私から電話しておくから、ね?」

「いや、自分で言ってきますけど…」

「て、いうか良いんですか?」

幼父「あたぼうよ!」

232 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:39:11 dsLeV61M 115/134



「…なんか、成り行きで泊まる事になったけど」

「良いの?」

「良いよ良いようん。むしろ大歓迎だよ!」

「んじゃぁそろそろ寝るか?」

「う、うん…そうだね」

「あ!そうだ!」

「ん?」

233 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:39:56 dsLeV61M 116/134

「沖縄女ちゃんにメールしなきゃ」

「いつのまにアドレス交換したんだ?」

「レストランでね」
ピッ

「メールに何書くつもりだ?」

「私たちの事!」
ピッピッ

「もう寝てるんじゃないか?」

234 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:40:33 dsLeV61M 117/134

「いーや、起きてると思うよ」
ピッピッ

「送信っと」
ピッ

「何で起きてると思うんだ?」

「そりゃあ…」

「あ!そうか!でも…いや、まぁ、もう一通送ればいいか!」
ピッピッ

235 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:41:21 dsLeV61M 118/134

「変なメール送るなよ?」

「全然!変な事じゃないから!」

「二通目、送信っと」
ピッ

「あとは、私たちの話しだもんね」

「ん。もう寝るんじゃないのか?」

「いや、寝る寝る!もう超寝るけどさ!」

236 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:41:59 dsLeV61M 119/134

「超寝るって何だよ」

「何で床に布団なんか敷いてるの?」

「は?俺に直で床に寝ろと?」

「まぁ、暑いからそのまま床でも良いけどさ」

「起きたとき、身体の節々が痛くなる事があるから…」

「じゃなくて!こっち!」
ポンポン

237 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:43:11 dsLeV61M 120/134

「何だよ、その『察しなさいよ』みたいな顔」

「え?そこが読めてて、何故肝心な部分が読めないの?」

「読む?」

「私の心…よ」

「お前のドヤ顔はウザイなぁ」

「婚約者に向かって、ウザイって言うな!」

「でもそんなウザさも好きだぜ、幼」

238 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:43:39 dsLeV61M 121/134

「…バーカ」
バフッ

「照れて枕に顔うずめてる幼も可愛いよ」

「私が照れるって解ってて、そう言う事言うの止めてよねっ!」

「…俺もベッドで寝るって事だよな、それは?」

「そうでーす」

「暑くないか?」

239 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:44:16 dsLeV61M 122/134

「へいクーラー!ガンガン行こうぜ!」
ピッピッピ
ゴバー

「わかったわかった…わかったから、設定温度もうちょい上げてくれ」

「じゃあ20度くらい?」

「28度で良いだろ」

「暑くなると、思うよ?」

「…ばーか」

「照れてる?照れてる?へへへー」

240 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:45:11 dsLeV61M 123/134

「…お邪魔します」
ゴソゴソ

「あ、もうあっついね」

「確かにな…」

「俺やっぱ床で…」
ギュッ

「駄目!それは駄目!」

「…」

「今日は、一緒に寝るの!」

241 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:45:42 dsLeV61M 124/134

「またおじさん達に覗かれるかも…って思ったらさ」

「大丈夫!あの二人だって、空気くらい読めるよ!」

「私の両親だよ?」

「知ってるから、不安なんだよ…」

「本当に大丈夫だから、ね?」

「わかったよ…」

「ギューってして欲しい」

「…」
ギューッ

242 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:46:18 dsLeV61M 125/134

「ずっと傍に居てよね、男」
ギューッ

「こっちの台詞だっつーの」

「相方として、傍に居てね?」

「おう…ツッコミは任せろよ」

「うん…この手、離さないよ?」
ギューッ

「…それは俺の手でも握って、言ってくれよ」

「…」
ギューーーーッ

243 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:46:45 dsLeV61M 126/134

「ちょっと苦しい!苦しいんですけど!ベアハッグかよ!」

「ギブ!ギブアップです!」

「…照れ隠しですー」

「解ってるよ」

男・幼「…」

「愛してるぞ、幼」

「えへへ、私もだよ、男…」
チュッ

244 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:49:05 dsLeV61M 127/134

「久しぶりのキス、だね?」

「…そうだな」

「今夜は、いっぱい男を感じたいよ…」

「恥ずかしい事言うなよ」

「照れ隠しですー…えへへ」

「あんまり俺の理性を甘く見るなよ?」

「知ってるよ、四天王で例えるなら、土、なんだよね?」

「…悔しいが、その通りだ」
チュゥッ

245 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:50:12 dsLeV61M 128/134




「おーい、男ー!起きろー」

ガンガン

ガラッ

「起きてるっつーの…何だ?」

「今からお出かけしよっ!」

「んー?良いけど、どこに?」

「空港」

「は?」

「沖縄女さん達、今日帰るんだよ」

「見送りに行くのか?」

「そうでーす」

「解った、準備するよ」

「40秒でね!」

246 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:52:06 dsLeV61M 129/134



『空港』

「何時の便だ?」

「JTAの16時45分発だよ…こっちだね、多分」

「見つからなかったらどうするんだ?」

「電話番号知ってるんだから、電話するよ」

「でも一応、サプライズだから、ギリまで探す!」

「サプライズなのか…」

「多分、お土産売り場のどこかに居ると思うんだー」

「おいおい、どれだけ広いと思ってるんだよ…」

「それでも私たちはッ!決してッ!くじけないッ!」

247 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:52:43 dsLeV61M 130/134

「お?あれじゃないか?」

「え?あ、ホントだ。良かった、見つかってラッキー」

「沖縄女さんはすげーラッキーらしいからな」

「そのお陰じゃねーか?」

「…」

「…どうした、声かけないのか?」

「…ちょっとこっちに」

「何で物陰に隠れるんだ?」

「いいから!」

男・幼「…」

248 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:54:00 dsLeV61M 131/134

「…メールメール」
ピッピッ

「『またねっ!』っと」
ピッ

「おい、二人にさよならとかしなくていいのか?」

「フッ…男、あの二人を見てよ…」

「さっきから見てるけどな?」

「すっごく幸せそうな顔…きっとあの二人、結ばれたと思うんだー」

「手の繋ぎ方も、恋人繋ぎじゃない?」

「お、おぅ…そうか?そうだな」

249 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:54:38 dsLeV61M 132/134

「あと、私、沖縄女ちゃんに、ゴム渡したし!」

「なっ!?」

「あれはきっとそう言う感じだよ!」

「お前なぁ…マジちょっと考えて行動しろよ?」

「ふふん。相方がヘタレだと、女の方は苦労するんだよ!」

「うぐぅ…それ言われると…」

「それに、沖縄女ちゃんも、ちゃんと覚悟決めて来てたみたいだし」

250 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:55:28 dsLeV61M 133/134

「私はちょこっと後押ししただけだもん」

「まぁ、あの二人が幸せそうだから、良いけどな」

「そう言う事!だから私たちはクールに去るぜっ!」

「はいはい…cool!cool!!cool!!!」

「言い方が何かあの漫画みたくなってる…貴様、馬鹿にしているなッ?」

「ハハハ!バレたか!さすが俺の相方!」

「…もう!アホ!」

251 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2012/10/15 21:58:13 dsLeV61M 134/134

「アホって言うな、間抜け面!」

「そんじゃ、私たちも行こうか!」

「おう!帰るか!」

「私たちも手、繋ごうよ」

「おう!」
ギュ

「ね、男が、しょぼくれたじいさんになってもさ」

「おう?」

「この手、離さないでね?」
ギュッ!

「嫌がったって離さねぇよ、絶対!」
ギュッ!



おわり

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