数日後・昼休み
さやか「仁美、一緒にご飯食ーべよっ」
仁美「……」
まどか「……仁美ちゃん?」
仁美「……あ、お二人とも。何か?」
さやか「あんた大丈夫?顔色悪いし……疲れ過ぎじゃない?」
仁美「そんなこと、ありませんわ……あ、私もう会議の時間ですので……」フラフラ
まどか「仁美ちゃん!ちゃんとお昼食べなきゃだめだよっ」
仁美「ご心配なく……時間がありませんので」トボトボ
まどか「いっちゃった……」
さやか「全く、心配するなってほうが無理だっての。ここ何日かほとんど話できてないし」
まどか「心配って言えば、ほむらちゃんも……」
さやか「ああ、休み明けに一日来ただけだったね。だいじょーぶかな、あの子も」
まどか「うん……」
元スレ
まどか「魔法少女まどか☆マギカ」(日曜朝8時30分)
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1333197198/
ワイワイガヤガヤ
仁美「それでは……これで今回の会議を終わりにします。各自教室に戻って下さい」ペコ
ゾロゾロ・・・
仁美「……はぁ。思った以上に疲れますわね。私、もう少し出来る筈と思っていたのですが……」
仁美「皆さん、それぞれ意見を言うだけでまとまりません……もっと委員長の私の意見を聞いて欲しいですわ」
仁美「帰ったらまた何か折衷案を考えないと……あ、今日はピアノが……」
仁美「ああ、もっと普通の女の子らしく、さやかさん達と遊んだり……恋をしたり……」モヤモヤ
オクタヴィア[その願い、私が叶えてやろう]ズズズズッ
仁美「……!?あ、貴女は!?」
オクタヴィア[グリーフシードよ、この娘から魔女を生め]ズゾッゾゾゾゾゾッ
仁美「あ……ああぁぁぁ……」ズブブブブッ
オクタヴィア[これらが、最後になる。期待しているぞ]シュンッ
仁美「ふふ……うふふふ……」
ザワザワザワザワ・・・ピタ・・・
まどか「!……さやかちゃんっ」
さやか「分かってる。もう周りのクラスも影響受けてるね、これは」
QB「きゅっぷは……もう喋っても良いね?魔法少女、出動だ!」
まどか「えっと……魔女の反応は……」ムムッ
QB「こっちだ!」バッ
さやか「そっちだ!」バッ
まどか「あっちだ!」バッ
QB・まどか・さやか「え?……どっちだ?」
さやか「ちょっと!そっちでしょ?魔女の反応!」
まどか「うぇ?あっちだよ、魔女の反応っ」
QB「これは……違う、魔女の反応が沢山ある!」
さやか「ど、どういうこと!?」
QB「わからない!ただ僕が感じてるのはそこの彼からだっ」
中沢「…………」
まどか「うぇええ!?中沢君が魔女!?全然気付かなかった!」
さやか「魔女ってか、男じゃん。弁当食べかけで停止してるし」
中沢「……」ズズズッ
QB「なんだろう、今までの魔女に比べたら弱い反応だけど……」
まどか「でも、感情をすいとってるのはホントみたい」
さやか「杏子のお父さんみたいなもんかな、これ」
中沢「……」
まどか「中沢君!正気に戻って!」
中沢「……」
さやか「杏子の時みたいに襲ってこないし、喋らないなぁ。何とか言ったら?この魔女!!」
中沢「……」
QB「返事がない、ただの屍のようだ」
さやか「何とかっ言いなさいよっ!」ポカンッ
まどか「さやかちゃん!変身もしてないのに!」
中沢「……」バタンッ・・・ピクピク
さやか「あ、あれ?倒した?」ポカーン
まどか「うぇえええ!?変身しなくても魔女倒しちゃった!さやかちゃんすごいっ」
QB「いや……彼は普通の人間だ」ムムムッ
まどか「うぇ?どういうこと?」
QB「わからない、さやかに殴られた瞬間に魔女の反応が消えたんだ」
さやか「グリーフシードが追い出された訳じゃないのに?」
QB「そこなんだよ、彼にグリーフシードは宿ってない」
まどか「わけがわからないよっ」
マミ「二人ともっ!その人は魔女じゃないわ!」バタムッ
杏子「殴ったりするんじゃねーぞ!」ダダッ
中沢「……」ピクピク
マミ・杏子「遅かった」
まどか「マミさん!?杏子ちゃん!?」
さやか「い、言うの遅いって!」アセアセ
杏子「どうやら各クラスに一人二人、感情エネルギーを吸い取る役目の生徒が紛れ込んでるみたいでさ」タッタッタッ
マミ「殴らなくても、私たちが触るだけで元に戻るみたい」タッタッタッ
さやか「よく気づきましたね、マミさん」タッタッタッ
マミ「佐倉さんがね、異変にすぐ気付いて……」
杏子「おもっくそぶん殴った」グッ
さやか「ちょっ……あんたも殴ってんじゃん!」
杏子「だから!そのあとで、マミにおもっくそ怒られて……」
マミ「力を軽くするように言って、何人も元に戻したの。そしたら触るだけで良いってことが分かったわ」
杏子「だから三年はもう問題ないよ。残るは下級生ってわけ」
さやか「なるほど!じゃこのままクラスをそれぞれ回って」
マミ「ターゲットを見つけてタッチ!これで解決よっ」
杏子「じゃ、ここらで解散!」
さやか「了解!」
まどか「はへー……みんなまってぇ……」トテトテ
男生徒「……」ズズズッ
さやか「はい、お食事中失礼。タッチと」ポンッ
男生徒「……」カクン……ポロ
さやか「おっとと、サンドイッチ落とさない。それじゃ大人しくしててね」タッタッタッ
女生徒「……」ズズズッ
さやか「タッチ!」ポンッ
女生徒「……」ガクン
さやか「ちょっと座っててねー。あ、このお弁当美味しそうじゃん……て、それどころじゃないね」タッタッタッ
男生徒「……」ズズズッ
さやか「うわー、カップめんすすりながら止まってるよ。伸びちゃいますよー」ポンッ
男生徒「……」バシャン
さやか「うわわ、汁の中に顔が……しょうがないな、もう」フキフキ
さやか「てか何でこいつら皆食事中なのさ!食べるの遅すぎだっての!!」タッタッタッ
杏子「どうだった!?」タタッ
マミ「一年生は全員OKよ!」タタッ
さやか「二年生も全クラス直しました!」タタッ
まどか「ふひー……三年生おっけーです……」トテ・・・トテ・・・
マミ「鹿目さん?三年生は私と佐倉さんがもうやったはずよ?」
まどか「……うぇ?い、いえ、ちゃんといましたよ……エネルギー集めてる生徒……」
杏子「は?そんなわけあるか!あんだけぶん殴ったんだよ?」アセッ
さやか「どんだけぶん殴ったんだ、あんた」
QB「皆、大変だ!魔女の反応が各クラスで復活してる!」スタタタタ
マミ「なんですって!?……これは、本体の魔女がいるんじゃないかしら?」
杏子「たしかに、三年、一年にシード持ちはいなかった!」
さやか「二年も!」
マミ「なにか問題の生徒に共通点があるかしら……?それから魔女の居場所がわかるかも……」
まどか「うぇええ?そんなのわかんないですよぉ。男の子も女の子もバラバラだったし……」
さやか「……あたし、分かるかも。皆!ついてきて」タッタッタッ
会議室
さやか「出てきなよ!魔女!」ガチャッ
仁美「あら?さやかさん、思ったより早いご到着ですわね。流石ですわ」ズズズッ
さやか「仁……美!?」
マミ「あの子、確かこの前、実行委員長になったっていう……」
杏子「あいつが本体だ!この魔力、間違いない!」
仁美「貴女がたが方々走り回ってくれたお蔭で、大変多くのエネルギーが集まりましたわ」
仁美「もちろん、今現在も吸収中ですが」ニコリッ
杏子「さやか、良くわかったな、ここが本体のいる場所だって」
さやか「昼休みも終るってのに全員ランチ中ってことは、昼に何かあったってことだからね」
マミ「共通点は……会議ね」
仁美「御名答。私は委員長、彼らは忠実な駒になって頂きましたの」
さやか「ま、仁美にグリーフシードが憑いてるとは思わなかったけどね……」ジリッ
仁美「私に憑いているというのは少々語弊がありますね……私の委員長としてのプライドに憑いていますわ」ズゾゾッ
パトリシア「パトゥルルルルッ!!!」ズゾゾゾゾゾッ
仁美「やっておしまいなさい、パトリシア」ニコリッ
パトリシア「パトゥ!!」
マミ「魔女を召喚した!?一体どういう……」
杏子「おい、迷ってる暇はねぇ!いくよ!?」
さやか・杏子・マミ「変身!!」
キュピーンッ・・・パアアアァァァァァッ
仁美「魔法少女、お手並み拝見させていただきますわ」
さやか「心を包む癒しの青!魔法少女さやか!!」シャキーンッ
杏子「心を燃やす情熱の赤!魔法少女杏子!!」シュピーンッ
マミ「心を繋ぐ絆の黄色!魔法少女マミ!!」ティローンッ
マミ「人の心を蝕むならば!肉体言語にて語るまで!!」バッ
杏子「……おいおい、肉体言語て」
マミ「だって今回、貴女たちこんな感じじゃない」キョトン
杏子・さやか「違うわいっ!」ビシッ
仁美「うふふ、コントは終りましたか?パトリシアはユーモアが好きではありませんのよ?」ニコリッ
パトリシア「パトゥルーーー!!」グワッ
杏子「てめーの人に取り憑くってその根性が、あたしは許せねぇ!!」シュタッバキンッ
パトリシア「パ!?」ドグッ
さやか「速!?さっそく肉体言語じゃん!!」
マミ「さっきもあんな感じだったのよね……佐倉さん、まずは大人しくさせてからよっ」シュルルルッ
パトリシア「パ……トゥルルルル!!」ジャキンッジャキンッ
マミ「刃物!?あの魔女、リボンが効かない!」
さやか「大丈夫、マミさん!リボンから傷を集めて……」ポウッ
さやか「癒した傷よ!刃に変われ!スクワルタトーレ!!」キュウウゥゥ・・・ズバァッ
パトリシア「パトゥルルッ!?」グラッ
さやか「浅い!?物の傷からじゃ威力足りないんだ……!」
マミ「でもリボンが直ったわ……紡ぐ絆よ!魔弾を導け!ティロ・フィナーレ!!」キュウウゥゥ・・・ドウウゥゥゥンッ
パトリシア「パトゥーーーー……」ドッパアァァァンッ・・・コロン
杏子「けっ、何がお手並み拝見だよ?楽勝じゃねーか」
仁美「…………」
さやか「仁美!大丈夫っ?」パシュンッ・・・タッタッタッ
仁美「……ええ、もちろん大丈夫ですわ」ガシッ
さやか「え!?な、なにこれ……力が……」ズズズッ
マミ「そんな、まだ魔女の反応が消えてないわ!」
杏子「さやか!そいつにもう一つシードが取り憑いてる!離れろ!!」
さやか「……」ブツブツ
仁美「ですからね、私に憑いているというのは語弊がありますの……」ズズズズッ
仁美「正確には、普通でありたいという私の妄想、プライドの裏側に取り憑いていますのよ」ニコリッ
さやか「……」ブツブツ
仁美「さやかさんには、その妄想の中に沈んでもらっています。それでは、御機嫌よう……」カクンッ
ズライカ「ズズズズゥ……」ズゾゾゾッ
マミ「あれが本体……!」
ズライカ「ズズ……」トプンッ
杏子「な……!?二人連れて影ん中に逃げやがった!?」
マミ「……人質を使って誘ってるのね。この影の奥は、あの魔女のフィールド」
杏子「しゃーない、行く」ザッ
マミ「佐倉さん、ここは作戦を!二人同時に入ったら外との連絡も……」
杏子「もう魔女が出てからだいぶ時間が経ってんだ、時間がない。ここは私だけで行くよ」
マミ「……わかったわ、これ体に結んで。ピンチのときは引っ張ってね」シュルルッ
杏子「命綱ならぬ命リボンってか?……サンキュ。じゃ行ってくる」シュタ・・・ドポンッ
―――――――――――――――――――――――――――――
杏子「……なんだこりゃ?影ん中にまた学校?微妙に違う気もするけど」シュタッ
杏子「窓から見える景色もほとんど一緒だな……」スタスタ
ザワザワザワザワ・・・
杏子「生徒もいるのか……!でも、顔が見えねぇ……。お、おい、あんた」ポンッ
ギョロッ・・・ギョロギョロギョロギョロ・・・
杏子「!?……一斉にこっち向きやがった!?な、何なんだよ、ここはっ」タッタッタッ
杏子「はぁ……校門出たが、なんだ?窓から見えた景色がほとんどハリボテじゃねーか」タッタッタッ
杏子「場所の距離感もバラバラだな、なんでいきなりあたしん家の前の道に出んだよ?」
杏子「でも教会はハリボテなんだな。子どもらもいない、か。……?病院はハリボテじゃない?」
さやか「……」スタスタ・・・ウィーンッ
仁美「……」スタスタ・・・ウィーンッ
杏子「あ、あれは……!おい、待て!」タッタッタッ・・・ウィーンッ
杏子「……見失ったか……けど、どうやら中も周りはハリボテ。入れる場所は限られる筈……」タッタッタッ
仁美「うふふふふ……」
さやか「あははははは……」
杏子「!……笑い声、あの部屋か!」
仁美「うふふ、この肉まんっていうのは本当に美味しいですわね」
さやか「でしょ?買い食いってのも乙なもんよっ」
仁美「上条君も、はいどうぞ」ニコッ
恭介「ウン、アリガトウ」
杏子「なんだこの状況は……?と、とにかく!お前ら!何やってんだ!?」バタムッ
仁美「それにしても驚きましたわ、さやかさんと上条君が幼馴染だなんて」
さやか「そうなんだよ、世話の焼ける幼馴染でさ。あはは」
杏子「おい!無視すんな!」
仁美「あ、上条君。このあんまんというのも食べてみてください。あーん」
恭介「アーン」
さやか「羨ましいねぇ、恭介!こんな美人にそんなことされてさっ」
杏子「聞こえてねーのか……?お、おい、さやか!」ガシッ
さやか「!……」カクン
恭介「……」ギョロッ
仁美「……誰、ですの?」ギョロッ
杏子「……!てめーは何だ、魔女か!?」
仁美「ここは……私の理想の世界のはずですわ……何で知らない人が……何で分からない事を喋るんですか……」
杏子「まさか、魔女が出てきてるわけじゃない!?」
仁美「私の世界から……出てってください!!」
恭介「……デテイケ」
杏子「っ!?あいつが魔女!?」
デテイケ・・・デテイケ・・・
杏子「違う……このハリボテ全部が、あいつの妄想食って成長した魔女……!」
仁美「出て行ってください……妄想を……邪魔をしないで……」
さやか「……」グッタリ
杏子「とりあえず、さやかは返してもらうから!」ガシッ
さやか「……う、うん?」
杏子「さやか、気が付いたか!?」
さやか「あ、あれ?あたし、恭介のお見舞いに……あ、あたし何で……仁美……」グラッ
杏子「ちっ、触るだけじゃ治るわけないってか……さやか!あたしの目を見ろ!」ガッ
さやか「え!?……杏子?……何で……!?何が何だかもう……」グワンッ
杏子「良いか!?今はあたしのことだけ考えろ!」ポウッ
さやか「……!杏子!どうしてここに!?」ハッ
杏子「助けに来てやったんだよ!あんたの友達ともども、魔女のはらわたくんだりまで」
デテイケ・・・デテイケ・・・
さやか「ありがと……!でもちょっと……まさか、この周りの景色全部が……」
杏子「そうさ、こいつら全部倒さなきゃいけないらしいな」
さやか「そんな……しかもどんどん増えてるよ!?」
杏子「あの子の妄想を食ってどんどん成長してやがる。まずは、あっちをどうにかする」
仁美「いや……現実は…………普通がいいの……理想なの……」ブツブツ
さやか「どうにかって?まさか攻撃するわけじゃないでしょうね!?」
杏子「んなわけあるか。魔女と切り離す。さやか、あんたはあの子の正気を呼び寄せてくれ」
さやか「切り離すなんてできるの、あんたっ?」
杏子「今さやかにやった方法でコツはつかんだ。あたしの幻覚で妄想をキャンセルできる」
杏子「おい、あたしの目を見ろ。落ち着いて、深呼吸だ」スッ
仁美「だ……誰なんですか……もう……放っておいてください……」ブツブツ
杏子「あたしはさやかの友達だ。な、さやか?」
さやか「そう、この子はあたしの友達。ね、仁美、正気に戻って」
仁美「さやか……さん?ああ……一緒に……コンビニなんて……私……初めてで……楽しくて……」
さやか「ちがうよ、それは全部妄想!ちゃんと帰ったら、一緒に行こう!」
仁美「でも……帰ったら……この世界じゃないと…………」
さやか「そんなことないって!仁美は真面目すぎっ!もっと余裕もってさ、一緒に遊んだりしよ?ね?」
仁美「……本当ですか……私……私……」グラッ
杏子「周りよく見なよ、みんなハリボテだ。道も家も人間も簡単になった、ただの偽物だ」
仁美「……ハリボテ……偽物……」グワンッ
杏子「こいつだって、あんたの望み通り動くだけの人形だ。そんなの相手にして満足か?」
恭介「……デテイケ……デテイケ」
仁美「……違う……こんなの……違いますわ!」
杏子「そう、妄想や幻覚になんて縋るんじゃない。それを現実にしてこそ価値があるんだよ」ポウッ
仁美「……!……あら?……私……今まで……」カクンッ
さやか「仁美!戻ったの!?早く魔力あげて心の回復を……!」
杏子「まだだ、魔女とは切り離したからこれ以上は弱らない。さやかは魔力を取っておく」
さやか「なんでさ!?」
杏子「時間がないんだ、追って話す。見てな、幻覚は現実にしてこそなんだ!」
杏子「熱き情熱!陽炎を呼べ!!ロッソ・ファンタズマ!!!」キュウウゥゥ・・・シュババババババ
さやか「な、なんて数に増えるんだよ、あんたは!」
杏子「この世界の魔女は全部ぶったおす!!ここまで人心惑わす輩は絶対に許せねぇ!!!!」
さやか「すっご……街がどんどん崩れていく」
杏子「全魔力つぎ込んだからね……数の暴力で押し切るだけ……」ガクッ
杏子「さやか、もう少しで分身が全部魔女を倒す。あたしはもう動けない、その子と一緒に担いでってくれ」
仁美「…………」スー・・・スー・・・
さやか「全く無茶するんだから……そのために温存しろって?」
杏子「いや、担ぐだけが仕事じゃない」ゴゴゴゴゴゴ・・・
さやか「な、なんの音?」
杏子「魔女がやられてるってことは、この世界が崩れてるってことだよ。その音さ」
さやか「じゃ、早く脱出しないとっ」
杏子「リボンをたどれ。ただし学校までの道、崩れたりするだろうから」
さやか「直しながら進めってことね、了解!変身っ」シュバンッ
さやか「よっこいしょ。さ、行こうか……うぅ重い」ヒョイ・・・トテトテ
杏子「物分りは良いが……おっせぇな……」
さやか「うるさい!置いてくぞっ?まどかだったら軽々運べるだろうけど……」トテトテ
杏子「悪かった。信じてるよ、さやか。頼んだ……!」
さやか「はぁ……会議室……ついたよ……」トテ・・・トテ・・・
杏子「リボンが繋がってる天井の影、あれだ。リボン引いてマミに引き上げてもらおう」
ズズズズズッ
さやか「ちょ……あの影狭まってるっ!」グイッ
杏子「ちっ、ここにきて崩壊が加速!?」
ズライカ「ズ……ズズ……」ズズズッ
杏子「いや、倒し損ねたやつがまだ……!こいつあたしらと心中する気だ!」
さやか「まさか、この崩れる世界に閉じ込めて!?」
ズズズズッ
杏子「くそっ!もう間に合わない!!」
さやか「そんな!影が閉じてリボンが切れ……!?」スパッ
杏子「……さやか!!まだだ!!ありったけの魔力で……!」
――――――――――――――――――――――
マミ「あら、引っ張られたわ。今、引き上げるからね……!?」シュルルッ
ズズズズッ
マミ「か、影が狭まっていく!?あっ!リボンが……切れた!?」スパッ
まどか「マミさーん!大丈夫ですかっ」トテトテ
マミ「あ……か……鹿目、さん……」ポロッ
まどか「どうしたんですか!?マミさん!?それにさやかちゃんたちは……」
マミ「み、美樹さんも……佐倉さんも……お友達も……助け……られな……」ポロポロ
QB「一体何があったんだい!?マミ!」
マミ「魔女が……作った世界に……っみんな……閉じ込められて……っ」ポロポロ
QB「まさか、そのまま入口が!?」
まどか「うぇ……!?そんなのって……ないよ……みんな、かえってこれない……?」ポロ
マミ「私が……もう少し早く……っリボン……引き上げ……」ヒックヒック
QB「なんてことだ……さやか!杏子!」
ピシ・・・ピシ・・・
QB「何だ?床に……ヒビ?」
―――――――バリーーーーーンッ
さやか「やった!!成功だよ杏子!!戻ってこれた!!」シュバッ
杏子「よっしゃ!あたしの言ったとおりだったろ!?」
マミ「え!?……美樹さん!?佐倉さん!?」パァッ
まどか「仁美ちゃんまで!!」
QB「切れたはずのリボンが繋がっていく!」
マミ「切れたリボンを美樹さんの力で直して……こちらに引き戻させたのねっ?」
杏子「さぁ、さやか!ありったけ直したんだ!ありったけ返してやれ!!」
さやか「おうよ!!……癒した傷よ!刃に変われ!!」キュウウゥゥゥゥ・・・
ズライカ「ズ……ズ!?」
さやか「スクワルタトーーーレ!!!!!」ズバアアアアァァァッ
ズライカ「ズーーーーー……」ドッパアアアァァンッ・・・コロン
さやか「ふー……もうダメかと思ったよ、あはは……」パシュン・・・ドサッ
仁美「……」スー・・・
杏子「ホント、あのままハリボテの世界で魔女と一緒に、とか冗談じゃねぇ」パシュン・・・ドサッ
マミ「本当に……佐倉さんたちなのね……!?」パシュン
さやか「こーんな美少女がほかにいますか?マミさん?」
杏子「リボン、まさに命繋いでくれたな。改めてサンキュ?」
マミ「っ……佐倉さん!美樹さん!良かった……良かった無事でっ!!」ギュウウ・・・ポロポロ
まどか「みんな……よかったよぉ!!」ギュウウウ・・・
杏子「おいおい、マミ?そんな強く抱きつくなって」
さやか「そそ、まどかも落ち着いて。くるしって」
QB「本当によかった……今回は僕も耳で抱きつかせておくれよっ」ギュウウウ
さやか「あはは……会議室で抱き合うってなんかシュールだなぁ」
杏子「しかも謎の生物もくっついてるしね」
さやか・杏子「でも、本当に良かった」ギュッ
仁美「…………」スー・・・
まどか「……うん、魔力たっぷりわけてあげたよ」ポウッ
QB「これで彼女の心は回復したはず……じき目も覚ますだろう」
杏子「しっかし今回のは強敵だったな」
マミ「もしかしたら、彼女は魔法少女になれるくらいの素質があったのかもね」
杏子「それにジェムじゃなくシードが憑いたから、あそこまで……か」
まどか「じゃあ、魔法少女が魔女になったらたいへんなんだろうなぁ……」
マミ「怖いこと言わないで、鹿目さん」
さやか「しかも、人に憑いたり、閉じ込めたり、単体と見せて複数で来たり……どんどん巧妙になってるよね」
マミ「……裏に何かブレインがいるってこと?」
まどか「ぶれいん……ですか?」
QB「確かに、その可能性は十分にあるね」
マミ「皆、これからは少し気を引き締めたほうが良いのかもしれないわ」
QB・さやか・杏子「そうだね」
まどか「ぶれいん……ぶれいん……って、なんだろ……?」ポカン
数日後
仁美「さやかさん!今日はふあみれすに行ってみたいです!」ニコニコ
さやか「あーはいはい、ファミレスね。でも残さないでよ?この前も肉まん残したじゃん」
仁美「あれは……思っていたよりも味が濃くて……今回は頑張りますっ」
さやか「まあ良いんだけどさ、残した分まで食べられるから」
まどか「仁美ちゃん、すっかり明るくなったね」
仁美「ええ、この前過労で倒れたお蔭で、習い事を暫く休んでも良いことになりましたのっ」ニコニコ
さやか「あー……そうだね、会議室で気ぃ失ってたなんてビックリしたよ?」
仁美「さやかさん達が見つけて下さったんですよね、ご迷惑をおかけして申し訳ありません」
まどか「いいんだよ、仁美ちゃん。体だいじにしてね」
仁美「はい、委員長の仕事も、結論を急ぎすぎていました。今はもっとゆっくり決めて行っていますわ」
さやか「あ、ところでさ、仁美。あんた、恭介のお見舞いとか行ってた?」
仁美「恭介?……あ、上条君の事ですか?はい、文化祭に演奏をしてもらおうと思いまして」
仁美「その打ち合わせで少し前から、お会いしていましたわ」
さやか「えっ?そうなの?全然聞いてないけど……」
仁美「……あ!いけませんわっ。これはサプライズなんですの!秘密なんです!」
さやか「なるほど、文化祭で復活ライブ決める気だったな恭介のやつ。どーりで最近張り切ってる訳だ」
仁美「あああ、お二人とも!このことは他言無用でっ」アセアセ
まどか「う、うん。わかったよ、仁美ちゃんおちついてっ」
仁美「ご、ごめんなさい。私としたことが……」
さやか「ふーん……あたしのこと、なんか言ってたりした?」
仁美「はい!さやかさんには本当にお世話になっているって。大事な幼馴染みだって」
さやか「そっかそっか、ま、お世話してるのは厳然たる事実ってやつだかんね」フムフム
まどか「よかったねっ、さやかちゃん!」
さやか「そこまで感謝される事じゃないけどね!……」
仁美「文化祭では上条君のヴァイオリンが隠れた目玉になるはずですので、楽しみにしていてください」
まどか「うんっ、楽しみだなぁ」
さやか「恭介のヴァイオリンは凄いよ?このさやかちゃんの審美眼にかなったんだからっ」
仁美「さやかさん、音楽は聞くものですわよ」
さやか「……そ、そっか。あははは」
マミの部屋
さやか「げふ……食べ過ぎた……」
まどか「わたしも……けぷっ」
マミ「あらあら、じゃあ二人とも、このケーキは無理かしら。お水持ってくるわ」モグモグ
さやか「仁美のやつ、ファミレスでコース料理再現しようとするとはね……」
まどか「ひと品ずつたのんで、すっごい量になって……ひと口くらいずつしか食べないなんて……」
さやか「まあ、普段食べてるのがそういう感じなんでしょ……げふ」
マミ「そんなことになったら私も勿体なくて余りを食べるわね。貧乏性っていうのかしら?……はい」コトッ
さやか「ありがと、マミさん。やっぱりお金持ちの気持ちは分からないなぁ」
まどか「うぇへへ、それにこんなに毎回あまりものたべてたら……太っちゃうねっ!」
さやか「……」ピクッ
マミ「……」ピククッ
さやか「い、いやー、ま、それは否定しない」
マミ「女の子はね!!少しふくよかなくらいが可愛いのよっ!!」バンッ
まどか「う、うぇっ?ま、マミさん……?」
マミ「そもそもね、やせ過ぎって言うのは生物学的にも問題であって……遭難した時は……」クドクド
さやか「あのー、マミさん?何をつらつら仰ってるんですか?」
マミ「あっ……その!だから……女の子はちょっとくらい太ってても、その、問題は……」モジモジ
さやか「ふーん……」ダキッ
マミ「!?」
さやか「うわ、マミさんの体柔らかーいっ」プニプニ
マミ「やめてっ、美樹さんやめてぇ!言わないでぇっ」ジタバタ
まどか「さやかちゃん!マミさんいやがってるよぉっ」
さやか「でもすっごく抱き心地良いんだって!ふかふかっ」フニフニ
まどか「うぇ?……ほんとに?」ジリッ
マミ「ちょっと、鹿目さんまで!?お、お願い、来ないで……!」カアァァァッ
まどか「てぃひひひ……ごめんなさい、マミさんっ」ギュウウッ
マミ「いーーーーやーーーーーーー!!」ジタバタ
まどか「うぇへへへ、ほんとだふかふかだぁ……きもちいい……」フニフニ
マミ「もうっ……きらいっきらい!二人とも大っきらいぃ……」クスンッ
さやか「あちゃー、やりすぎちゃった。あんまり気持ちよくって」
まどか「ご、ごめんねマミさん……あ、わたしのケーキあげますからっ」
マミ「……っ……全く!失礼しちゃうっ」バッ・・・パクパクモグモグ
さやか「あ、あたしのも……どぞ」
マミ「っ……人を……まるでっ……太っちょみたいに……」バッ・・・パクパクモグモグ
さやか「とか言いながら食べるんだ」ボソッ
マミ「はぁ、おいしいぃ……」ニパー
まどか「よかったぁ、機嫌なおったみたい」
さやか「早っ、お菓子で機嫌直るって子供」ムグッ
まどか「さやかちゃん!……ま、マミさん、いつもケーキ用意できるって、マミさんもお金持ちですねっ」アセアセ
マミ「そんなことないわよ、うちは両親が遅くまで家にいないから食費を任されてるの」
マミ「安く料理を作って、余ったお金でやりくりしてるのよ」
さやか「そうなんだ……なんか悪いなぁ、それを毎回あたし達が食べちゃって」
マミ「良いのよ。それに何日か前、良いお店が出来たの。とっても美味しくて安いのよ?」
まどか「へええ、どんなケーキが売ってるんですか?」
マミ「今のケーキよ。あれはそこで買ったものなの」
さやか「さっきのババロアみたいなやつですか?」
マミ「あれはシャーロットっていうケーキよ。その店のおすすめで、すぐ完売しちゃうの」
さやか「そんな珍しいものだったら、食べておけばよかったなぁ」
マミ「良かったら、今度皆で行かない?ケーキバイキングもあるみたいだから」
まどか「うぇ?ほんとですか?いきたいですっ」
さやか「さんせーっ」
杏子「そういうことだったら、あたしも行かせてもらうよ」ガチャ
マミ「佐倉さん?こんな時間にどうしたの?」キョトン
杏子「いや、キュゥべぇにさ、うちの子どもらの遊び相手てつだって貰ってたんだけど……」
QB「マミ!!僕は一生君の家で暮らす!!もう他の家には行かない!!!出かけない!!!」ガオッ
杏子「遂にキレた」
マミ「あらあら、情熱的なプロポーズありがとうね。キュゥべぇ」ポッ
さやか「いや、それは違うと思いますけど……」
休日
さやか「うっわ、すっごい並んでますね」
マミ「もう評判が広まってたのね、当然と言えば当然だけど」
まどか「うぇへへ、楽しみだなあ」
杏子「おい、早く並ぼうよ!」
マミ「あらあら、佐倉さんはしゃいじゃって」ニコッ
杏子「いや、昨日から水しか飲んでねーんで、腹減って腹減って」
さやか「杏子……」ジッ
杏子「おい!なに可哀想な目で見てんだ!?飯くらいはギリギリ買う金あるんだからな!?」
マミ「今日の為にご飯我慢してきたのね?私もよっ!」
まどか「うぇええ、マミさんも気合はいってる」
杏子「当然さ、バイキングは戦場だからね!残した奴は撃つ!食い物無駄にするヤツは許せねぇ!!」
マミ「もちろん!斃れた者は打ち捨てていくわよ!?」
杏子「イェス・マミ!!」ビッ
さやか「それを言うならマムでしょーが」
厨房
ワルプルギス「シャルロッテ、ノエル切れたよ!」
オクタヴィア[モンブラン残り10、プラムジュレ残り15]カキカキ
シャルロッテ「まってー、こっちのおかしは出すのがむずかしーのっ」
オクタヴィア[モンブラン残り3、プラム残り7、レモンソルベ残り3dL]カキカキ
シャルロッテ「はいー、いくよー」ポンポンポンポンッ
ワルプルギス「そら!オクタヴィア、運ぶよ?お客様が待ってるからねぇ!」
オクタヴィア「…………」
オクタヴィア[出陣の話はどうした]カキカキ
ワルプルギス「出陣してるじゃないか!ここミタキハラシティ、オーケェ!?」
オクタヴィア[これは出店だろうが!!]カキカキ
シャルロッテ「オクちゃん、書いてないではたらくー!」
オクタヴィア[全く、こんな事をして一体何になる]カキカキ
ワルプルギス「まぁ、見てなさいな。そろそろだよ?」
マミ「では着席!皆、食べたいものは決まってる!?」ウキウキッ
杏子「チーズケーキ!」
さやか「ミルフィーユ!」
まどか「うぇ?よ、ようかん!!」
さやか「あ、杏子。チーズケーキはないよ?」
杏子「羊羹はあるのにか!?」
まどか「あ、ほんとだ。チーズ系統のお菓子がないっ」
杏子「ならいーよ、たい焼きたい焼き!」
まどか「じゃあ、和菓子コーナーいっしょにいこうよ、杏子ちゃん」
さやか「あたしたちも行きますかマミさ……ってもう取ってきてる!?」
マミ「…………」ユラッ
さやか「凄いよマミさん、一瞬でそんなにトレーにのっけてくるなんて」
マミ「いただきます…………」パクッ・・・モグモグモグモグ
さやか「聞いちゃいないっ」
杏子「いやー店内混んでてさ、全然たい焼きとれなかったよ」
まどか「ふたりそろって焼きまんじゅうにしちゃった」
マミ「……」モグモグモグモグ
さやか「なんか凄い混んできていない?ね、マミさん」
マミ「……」モグモグモグモグ
さやか「ってまた無視かい…………?マミさん、大丈夫ですか?」
マミ「…く………くる……し……」モグモグ
さやか「!……この店の混み方も尋常じゃないし……これは」
杏子「いっただっきまーす!!」
まどか「まーすっ」
さやか「食べちゃダメ!!」
杏子「んあ?」カプッ
まどか「うぇ?どうしたの、さやかちゃん」ピタッ
杏子「なんだ、さやかも欲しいのか?ほら、食うか……い……」モグ・・・モグモグモグ
さやか「やっぱり……」
まどか「さやかちゃん、どういうことっ?」
さやか「どうやらね、ここのお菓子食べると食べるのが止まらなくなるみたい」
マミ「…………」モグモグモグモグ
杏子「…………」モグモグモグモグ
まどか「じゃあ、この増えてきたお客さんたちは……」
さやか「たぶん、今までここでケーキ買っていった人たちが集まってきてる」
さやか「マミさん、座った時から何か様子おかしかったし……あの瞬間から呼ばれてたんだ」
まどか「あ、そっか、あのときのシャーロット!」
さやか「仁美に感謝しなきゃね……でもこのままじゃマミさんも杏子も」
まどか「おなかが爆発しちゃうっ!!」
さやか「いや、しないしない」
まどか「横綱さんになっちゃうっ!!」
さやか「いや、ならないならない」
まどか「なんだ、じゃあ安心だねっ」パァッ
さやか「はぁ……マミさんもキュゥべぇもいないと疲れるよ……」
厨房
シャルロッテ「わー、ちゃーんとあつまってきてるねー」
オクタヴィア[これは一体?]カキカキ
ワルプルギス「キャハハハッ!シャルロッテのお菓子を食った奴らが集まって来たのさ」
シャルロッテ「これでいーっぱいエネルギーあつめられるねー」
ワルプルギス「もうこの辺りの住人の殆どが口にしているからねぇ、今までとは規模が違う」
オクタヴィア[見直したぞ、シャルロッテ!!]カキカキ
シャルロッテ「えっへん、シャルはできるコなのでーす」
ワルプルギス「わざわざ襲いに行かずとも餌から飛び込んで来てくれるなんて素敵だねぇ、やはり」
シャルロッテ「ワルぴーのアイデアおおあたりーっ。あとはまかせてねー」ズズズズッ
オクタヴィア[成る程、これは貴様の入れ知恵か]
ワルプルギス「入れ知恵とは響きが良くないねぇ、シナリオと言っておくれよ。それじゃ」シュンッ
オクタヴィア[待て、ここは我らトゥレ・ディアボレが揃って]カキカキ
シャルロッテ「もーっ!オクちゃん!シャルはひとりでもできるコなのー!!」ポカポカ
オクタヴィア[分かった分かった、期待しているぞ、我らが同志シャルロッテ]シュンッ
モグモグモグモグ・・・ズズズッ
さやか「周りからエネルギーが吸われてる……やっぱり魔女の仕業だ!まどかっ」
まどか・さやか「変身っ!」
キュピーンッ・・・パアアアァァァァァッ
さやか「心を包む癒しの青!魔法少女さやか!」シャキーンッ
まどか「心を染める愛のピンク!魔法少女まどか!」キュピーンッ
さやか「お菓子を食べると操られるなら……魔女がいるのは厨房のはず!」ダダッ
ゾロゾロゾロゾロ……
まどか「うぇえ!?この人たち、食べながら厨房の扉ふさいでるっ」
さやか「杏子の力があれば何とか出来るけど……あのバカ」
杏子「……」モグモグ
さやか「こうなったら……まどかっ、あたし背負ってあの人たちの上をジャンプ!」
まどか「わ、わかったっ……いくよさやかちゃん?せーの!ジャンプっ」ヒョイ・・・ピョーンッ
さやか「はいどーっ!そのまま扉の上の壁にパンチ!!」
まどか「え、ええぇいっ!!」ポカンッ
――――――ドゴォンッ
まどか「やった!はいれたぁっ!!」ズザザザザッ
さやか「よしよしよしよし、まどかよくやった!」ナデナデ
まどか「うぇへへへへへ……」デレデレ
シャルロッテ「いーけないんだ、いけないんだー。カーベこーわしちゃったー」ピョコン
さやか「!?……女の子?」バッ
まどか「わたしたちと似てる……あなたは、魔法少女?」
シャルロッテ「ちがうちがうー、シャルはねー……魔女っ」ズワワッ
まどか「ま、魔女!?それにこの魔力……いままでの魔女とぜんぜんちがうっ!?」
シャルロッテ「……あれー?なんで、おひめさまがこーんなところにいるのー?」
まどか「うぇ?わ、わたし?おひめさま!?」
シャルロッテ「もー、まーだシャルたちのジャマするのー?はやくケーキ食べちゃえー!!」
さやか「何だか分かんないけど、あんな怪しいモン、そう易々と食べられますかっての!」
シャルロッテ「ひ、ひどいーっ!せーっかく、つくったのにーっ!!」ズワワワワワッ
まどか「うぇええ!?ふき飛ばされるっ!?」ズザザザッ
さやか「まどか!あの魔女はまずいよ!同時に行こうっ」
まどか「うんっ、愛する想い!矢になり届け!」キュウウゥゥ・・・
さやか「さっきの壁から……癒した傷よ!刃に変われ!」キュウウゥゥ・・・
まどか・さやか「いっせーの!!」
まどか「フィニトラ・フレティア!!」バシュウウゥゥッ
さやか「スクワルタトーレ!!」シュバアァッ
シャルロッテ「うわわっ……」ドッパアアァンッ
まどか「やった!」
さやか「……いや、まだシードが出てきてないよ!これは」
シャルロッテ「いったーい!!もーっ、ぼろぼろになっちゃったじゃないーっ!!」シュウウゥ・・・
まどか「うぇえええ!?なんであの子平気なのっ!?」
シャルロッテ「シャルはねー、チーズがあればむてきなのー」モグモグ・・・シュウウゥゥ
さやか「傷が治ってく!?」
シャルロッテ「チーズがあればねー……おかしもいーっぱい、だせるんだっ!食べてー!」ポウッ・・・ドドドドドッ
まどか「……な、ななな、生クリームの津波だあぁぁ!?」
――――――ドッパアアァァン・・・
さやか「…………壁突き破って…………追い出され……た」ベシャ
まどか「ううぅぅ……白いのベトベト……きもちわるいよぉ……」ベシャ
シャルロッテ「あーあ、シャルもカベこわしちゃったー……あなたたちが食べてくれないせいだよー?」シュタッ
さやか「まどか……生クリーム……飲まなかった……?」
まどか「うう……ちょっと飲んじゃったよぉ……」
さやか「だよね……あたしも……っ」
まどか・さやか「お、お菓子がたべたい……!」グワンッ
シャルロッテ「やっと食べてくれたんだー、さーもっと食べちゃえ!」ポンポンポンポンッ
まどか「うううぅぅ……おいしそうだよぉ……」フラ
さやか「まどか……食べちゃダメ!……でも、おいしそう」フラ
シャルロッテ「そーそー。そーやって、迷えば迷うほどエネルギーがうまれるよー」ズズズッ
さやか「どういう……ことよ!?」キッ
シャルロッテ「えーとねー、食べたいっていうほんのーと、太るからダメっていうりせーがあって」
シャルロッテ「ほんのーと、りせーがぶつかるときにー、すっごーいエネルギーが出るってワルぴーがいってたのー」
シャルロッテ「だからー、シャルはみんなにたーくさん食べてもらうのでーす!」ズズズズッ
杏子「……」モグモグモグモグ
マミ「……」モグモグモグモグ
まどか「もう……我慢できないぃ」フラフラ
さやか「ううう、だめだめだめ……」
シャルロッテ「さー、食べても食べなくてもつらいんだよー?もーっと、くるしんでねーっ」ポンポンポンッ
まどか「うわ……またいっぱいおかしが出てきた……」
さやか「お菓子をこんな風に……使うなんて……」
マミ「……」モグ・・・モグ・・・
シャルロッテ「あれー、なんでいうこときかないのー?魔法少女だからかなー?」
シャルロッテ「もーっ!おかしでもっと、もーっと、くるしくなっちゃえ!太っちゃえ!!」
マミ「……」モグ・・・ピタ
マミ「……貴女、何を言ってるのかしら……?」ユラッ
さやか「!?マミさん、正気に戻ったの!?」
マミ「お菓子で苦しめ、ですって……?人を幸せにするはずのお菓子で、ケーキで……」ゴゴゴゴゴッ
まどか「ま、マミさん……?」
さやか「うっわ……なんかすっごい怒ってる!?」
シャルロッテ「そー!食べるまえに迷ってくるしんで、食べてから太ってくるしんで」
シャルロッテ「もーっと、エネルギーをうんでねー?」
マミ「……変身……」プチンッ
キュピーンッ・・・パアアアァァァァァッ
シャルロッテ「えーっ!?あなたも魔法少女なのー!?」
まどか「な、なんだろ……この激しい魔力っ」
マミ「心を繋ぐ絆の黄色……魔法少女マミ……!!」
マミ「少し、頭冷やしましょうか……」スッ
マミ「紡ぐ絆よ、魔弾を導け……ティロ・フィナーレ」キュウウゥゥ・・・ドウウゥゥゥンッ
シャルロッテ「わぴっ!?」ドッパアアアアァァァンッ
まどか「すごい威力……でもこれじゃ」
シャルロッテ「だから、むだむだー。チューボーに行けばまだチーズいっぱいあるしー」モグモグ・・・シュウウゥゥ
マミ「チーズで回復、ね……」
まどか「マミさん!大丈夫ですかっ!?」
さやか「どうやってこの誘惑を……!?」
マミ「ええ、大丈夫……お菓子を悪用するなんて許せなくてね、目が覚めたの」ニコリッ
まどか「すごい!さすがマミさんっ」
さやか「こわ……目が笑ってないよ……」ボソッ
マミ「さ、二人とも耳を貸して……」ゴニョゴニョ
まどか・さやか「……ええええ!?そんなこと!?」
マミ「今の貴女達ならできるわ、お願いね」
さやか「できるっちゃできますが……」
マミ「お願い、ね?」ニコリッ
さやか「わ、わかりました!」
まどか「さやかちゃん、はやくーもう我慢できないよぉ……」
シャルロッテ「かいふくかんりょーっ!もうゆるさないよー魔法少女っ!!」
マミ「それはこっちの台詞よ……お菓子の魔女!!」キッ
マミ「この床に転がったケーキも、生クリームも、貴女がやったのね?」
シャルロッテ「そうだよー!!だからなにー!?いくらでも出せるんだからいーじゃん!!」
マミ「だそうよ、佐倉さん?」ゴニョ
杏子「……」モグ・・・ピタッ
杏子「……言ったよね……食い物無駄にしたら……許さねぇって」ユラッ
シャルロッテ「えー!?どうしてっ!?どうして食べるのやめられるのーっ!?」
杏子「あーあー、生クリームなんてうちじゃ超贅沢品だってのに……変身……!」プチンッ
キュピーンッ・・・パアアアァァァァァッ
杏子「心を燃やす情熱の赤……魔法少女杏子……!」キュウウゥゥ・・・
シャルロッテ「あーわわわわわ……な、ながされちゃえー!生クリームのつな」ポウッ
杏子「熱き情熱、陽炎を呼べ!ロッソ・ファンタズマァァァ!!!!」ヒュン・・・ザザザザザザザンッ
シャルロッテ「ひーーっ!?なんでそんなはやくヤリがとんでくるのー!?服に刺さってうごけないー」グイグイ
マミ「バイキングで食べきれないくらい取っちゃう悪い子には、おしおきよね?佐倉さん」ニコリッ
杏子「ああ、言ったはずだよ?撃つってね!!」ニヤッ
マミ「ティロ・フィナーレッ!!!!」キュウウゥゥ・・・ドウウゥゥゥンッ
――――――ドッパアアァァァンッ・・・ガラガラ
シャルロッテ「けほ……けほっ……ここ、チューボーだ……!」キョロキョロ
シャルロッテ「ここならチーズ食べてかいふくできちゃうもんねーっ!魔法少女のばーかっ」
さやか「あー……げふっ……お腹いっぱいなのに食べ足りないぃ……」フラフラ
まどか「けぷっ……もうチーズ食べたくないよぉ……でも食べたいよぉ……」フラフラ
シャルロッテ「あ……あーーー!?シャルのチーズっ!?いっぱいあったのにー!?」
さやか「あー、あんたの能力のお蔭で入る入る。もうどこにもチーズないからね?」ポンポン
まどか「うぇえええ……ブルーチーズなんて……にどと食べないぃ……」フラッ
シャルロッテ「こ、これって……」
マミ「もう、回復できないのよね?その耐久力と支配力は恐ろしかったけれど……終わりよ」キュウウゥゥ・・・
杏子「ロッソ・ファンタズマ!!」ザザザザザンッ
さやか「スクワルタトーレ!!」ズバァァッ
まどか「フィニトラ・フレティア!!」バシュウウゥゥッ
マミ「ティロ・フィナーレ!!」ドウウゥゥゥンッ
シャルロッテ「うっ、うわーーーーーー…………」ドッパアアァァァンッ・・・
杏子「よっしゃあ!倒したぁ!」
まどか「マミさんよくわかりましたね、チーズがなくなれば勝てるって……」
マミ「ええ、チーズで回復するのにそれが厨房に置いてあると言ったわ。つまり自己生産できないのよ」
さやか「だからこの店、チーズケーキなかったんだ」
マミ「それにしても、この短時間で食べ切ってくれるとは思ってなかったわ。二人ともありがとう」ニコッ
まどか「けぷ……もうチーズはみたくないです」
さやか「てか、よかった。いつもの笑顔に戻ってる……」ボソッ
マミ「さ、グリーフシードを回収するわね」
シャルロッテ「……ゆるさない……シャルがぜんぶ……食べるはずの……食べる……ゼンブ……」ズズッ
さやか「!?マミさん!あいつまだ……!!」
シャルロッテ「食ベルッ!!!」
ズルッ……ニュルルルルルッ
マミ「えっ?」
シャルロッテ「イダダギマズ……」グワパッ
―――――――グワシャッ―――――――――
マミ「…………痛く……ない?」チラッ
シャルロッテ「……!?オイジグナイ……ヴデ……」ギリリッ
マギカ「っ……」ギリッ
まどか「マギカちゃん!?」
さやか「い、痛そっ!肩口まで噛みつかれてる……!」
マギカ「くっ……油断しないでと……言ったはずよ……!?」ミシミシッ
マミ「貴女、私の代わりに!?」
シャルロッテ「ゴノママ……ヴデ噛ミヂギッデヤル……食ベデヤル」ギリギリ
マギカ「ええ、食らいなさい…………フィニトラ・フレティア……!!」バシュウゥッ
シャルロッテ「!!?」ドッパアアァァンッ・・・コロン
マギカ「はっ……はっ……っ」ガクンッ
杏子「噛まれた口ん中でぶっ放すとか、なんて戦い方しやがる……!」
マミ「マギカ!大丈夫!?」
マギカ「ぅ…………」パシュン・・・
まどか「あっ変身が……!?……これって!!」
―――――――――――――――――――――――
マギカ「じゃあ、貴女に名前をあげる。貴女は今日から、ホムラよ」
ほむら「ホムラ……?」
マギカ「私と名前と同じ、異世界に古くから在る言葉。……気に入らなかった?」
ほむら「そ、そんなことは!」
マギカ「良かった……今日から私たちは、家族になるのよ」
ほむら「そんなっ家族だなんて……恐れ多くて!私は」
マギカ「ホムラ、周りの者が何と言おうと、貴女は私の家族」ギュッ
ほむら「ひ、姫様……」
マギカ「あら、家族なのに姫様はやめて。きちんと名前で」
ほむら「そんな…………ま……マギカ」オドッ
マギカ「はい。なあに、ホムラ……」ニコッ
マギカ「ホムラ……ホムラ……」
―――――――――――――――――――――――
まどか「ほむら……ほむらちゃん!……あ!みんなっ、目が覚めたよっ」
ほむら「マ……ギカ……?」ボーッ
まどか「うぇ?……うぇへへ、わたしはまどかだよ、ほむらちゃん」
ほむら「っ!……ほむら?誰の事かしら」ハッ
マミ「貴女のことよ、暁美さん」
杏子「これが噂のてんこーせーってヤツ?」
さやか「そそ、しっかし驚いたよ。あの暁美さんがねー」
ほむら「!?……仮面っ」バッ
マミ「貴女、魔力が尽きかけていたじゃない。仮面も消えてしまったわ」
まどか「うぇへへ、だからいま魔力分けてあげてるんだ」ポウッ
さやか「肩と腕の傷はあたしが担当中!感謝してよね?」ポウッ
杏子「さ、甘いもんでも食って元気出せ。これもう無害みたいだから、食うかい?」スッ
ほむら「何故……貴女達……どうして私を気遣ってくれるの?」ムクッ
さやか「それは、あんたがマミさん助けてくれたから」
杏子「そうそう、体張って守るなんてかっけーじゃねーか」
マミ「暁美さん、貴女のお蔭で助かったわ。本当にありがとうね」ギュウッ
ほむら「違……います。私はただ魔女を……」プルプル・・・
マミ「倒すだけなら、私がやられた直後のほうが隙があるでしょう?」
まどか「ほむらちゃん、ほっとけなかったんだよね?」
ほむら「それは……」
さやか「冷たいこと言ってた癖に、実は熱いんだ?杏子みたいだね」
杏子「おいおい、いくらあたしでもマミの為に片腕かける覚悟はないよ?」
ほむら「私は…………!」
まどか「みんなで、ほむらちゃんが眠ってる間にいろいろお話ししたんだ。ほむらちゃんのこと」
さやか「あたしはまだちょっと信用してないけどね。でも説得されちゃったし、あはは」
マミ「助けられた当人が直々に説得しておいたんですもの、当然よ」ニコッ
杏子「聞いたよ?マミやまどかはもう何回も助けられてるみたいじゃねーか」
まどか「みんなね、これからは、いっしょに戦ってくれたら嬉しいなって。ほむらちゃんとして」ギュッ
ほむら「……やめて」プルプル・・・
まどか「ほむらちゃん……?」
ほむら「こんなんじゃ……また夢を見たくなっちゃうじゃない……っ」ボソッ
ほむら「離して」バッ
まどか「ほむらちゃん!?」
さやか「ちょっと!まだ治りきってないよっ」
ほむら「ここまで回復させてもらったことは感謝するわ……でも、ここまで」ヨロッ・・・キッ
マミ「暁美さん、どうして……?」
ほむら「……私に仲間は必要ない。私はただ魔女を根絶やしにできればいい」プルプル・・・
ほむら「共に戦えば、その時に貴女達は足手まといになる」
ほむら「貴女達が魔女と戦ってくれるのは都合がいい。けれど一緒になるのは御免被るわ」ブワサッ
杏子「おいおい、この期に及んでそんな言い方ねーんじゃないの?」
ほむら「……それに私はかつて仲間を見捨てた。もう、仲間なんて必要ないのよ。欲しくもない」
まどか「そんな……ほむらちゃんが、そんなこと……」
ほむら「っ……ごめんなさい……」ヒュンッ
杏子「変身もしてないのに、一瞬で消えた……!?」
マミ「暁美さん……貴女は一体……?」
さやか「……もう皆ほっときなよ。あの子仲間見捨てたって言ってたし、やっぱ冷たい人間だ」
まどか「さやかちゃん!ほむらちゃんはマミさんの為にケガまで……」
さやか「あれも多分大した怪我じゃないんだよ、血だって出てなかったしさ」
さやか「文字通り、血も涙もないんじゃないの?」
マミ「美樹さん!言い過ぎよ!!何か事情があるに決まってるわ……!」キッ
さやか「ま、マミさんは人が良すぎるんですよ!」
マミ「佐倉さんだって悪い人じゃなかったじゃない!」
さやか「う……それは……でも!」
まどか「ふたりともケンカしないでよぉっ」
杏子「言い争うのはいいけどさ、そろそろ変身解かないと人に見られるよ?」パシュン
マミ「そ、それもそうね。この話はお終い、ね、美樹さん?」パシュン
さやか「……はい」パシュン
まどか「どうしよう……ほむらちゃん……」パシュン
翌日・昼休み
まどか「ほむらちゃん……学校来てないです、やっぱり」
マミ「そう……心配ね」
杏子「なら、放課後どっか探してみるかい?」
さやか「前から来てなかったんだから、気にする必要ないんじゃない?」
まどか「それもそうだけど……」
さやか「どっちにしろ、あたしは放課後付き合えないから」
杏子「なんだ、また見舞いか?」
さやか「それもあるし、仁美に呼び出されてるんだよね。放課後」
まどか「文化祭のことかな?もうあさってだよね、文化祭」
さやか「んーでも文化祭って委員が中心で殆どやってるし、あたし関係ないと思うんだけどな」
マミ「文化祭、最近忙しくてすっかり忘れてたわ。じゃ、美樹さんが駄目なら私達だけで探しましょ」
まどか「はい、そうですね。ほむらちゃん見つかるといいな……」
杏子「ま、そこらへんにいるだろ。んじゃ放課後にまた」
さやか「何よ皆、ほむらほむら……あそこまで言われたんだからほっとけばいいのに……」ボソッ
放課後・屋上
さやか「で、仁美どうしたのさ、こんなとこに呼び出して?まっさか愛の告白?」ニヤニヤ
仁美「……そうですわね、告白についてですわ」
さやか「あ、あはは、あたしはそういうのNGだから、ちゃーんと男の子が」ヘラッ
仁美「上条君が、ですわよね?」
さやか「!?……ななな何言ってんのさあんたは!!恭介はただの幼馴染み……」
仁美「ただの幼馴染みに、あそこまで献身的になれますでしょうか?」
さやか「な、なれるさ!」
仁美「そう、ですか。では、私のお話をさせて頂きます」
さやか「……」
仁美「私、上条君の事が好きになってしまいましたの」
さやか「やっぱり……」ボソッ
仁美「でも、上条君を見ていた時間も捧げた時間も、さやかさんの方がずっと上ですわ」
仁美「ですから私、さやかさんには私の先を越す権利があると考えていますの」
仁美「私、明後日の文化祭の後、ここで告白します!」
さやか「!!」
仁美「さやかさんはそれまでに、ご自分で結論を出しておいてくださいね」
さやか「け、結論って……あはは、何言ってんだ、あんたは」
仁美「さやかさん……あなたは自分の本当の気持ちと向き合えますか?」
さやか「っ……」
仁美「私は本気です。そして、さやかさんは大切な親友です。だから、正々堂々勝負をしたい」
さやか「…………」
仁美「だからこそお話したのですが、そうですか、ただの幼馴染み。早々に結論が聞けて良かったです」
仁美「これで安心して、文化祭の日を迎えられますわ」
仁美「それでは、御機嫌よう。文化祭の打ち合わせがありますので、病院で」スタスタスタ
さやか「…………っ」
さやか「あはは……お見舞い、行けないや」トボ・・・トボ・・・
さやか「告白、か……恭介に……でも……断られたらその後どんな顔して会えば……」
さやか「そもそも仁美の方が女の子らしいし……まさに高嶺の花じゃん……」
さやか「男女のあたしなんかよりお似合い……というか勝てる要素ないよ……」
さやか「恭介だってその方が幸せ……そうだよ、その方が……」トボ・・・トボ・・・
さやか「……何でこんなに苦しいのよ……!?」
さやか「感づいてはいたけどさ…………黙ってたって結果分かってるじゃん……」
さやか「あたしじゃ敵わないって分かりきってるから……?」
さやか「っ……あたし嫌な子だ……仁美はただ正々堂々……」
オクタヴィア「…………」ズズズズズッ
さやか「!?だ、誰っ?もしかして魔女……!?」
オクタヴィア[魔女の存在を知っている人間とは驚いた、貴様は何者だ?]カキカキ
さやか「筆談とかふざけてんの……見てればわかるんじゃない?変身!!」ギロッ
キュピーンッ・・・パアアアァァァァァッ
さやか「心を包む癒しの青!魔法少女さやか!」シャキーンッ
オクタヴィア[貴様は魔法少女か。成る程、これはこれは都合が良い]
さやか「魔女がこのさやかちゃんに何の用?今機嫌悪いんだから、速攻片付けるよ?」ジリッ
オクタヴィア[我ら魔女は強い負の感情から生まれる。今、貴様から同胞の誕生に似た感を覚えてな]
さやか「……何言ってんの!!あたしは人間だし、あんた達の敵!!」タジッ
オクタヴィア[しかし、人間の負の感情はグリーフシードに良く馴染む。知っているのではないか?]
さやか「まさか……あんたが仁美を!?……許せない!!」ダッ
オクタヴィア[また、負の感情だ。しかし人が傷つけられ許せないという物とは少し違う]
さやか「黙れ!!」バキンッ
オクタヴィア[これは見たくない物を見せつけられた不快感だ。それで許せない]パシッ
さやか「!?……覗かないでよ!!あたしの心!!」タジッ
オクタヴィア[我々は負の感情より生まれ感情を喰らう者、負の感情くらいは感じ取れる]ズパッ
さやか「痛!?……あたしと同じ剣使い……!」ポタ・・・ポタ・・・
オクタヴィア[仲間を呼ばなくて良いのか?魔法少女は一人では無いのだろう?]
さやか「皆……っ……あんたなんて、あたし一人で充分!!」ポウッ
さやか「癒した傷よ!刃に変われ!!スクワルタトーレ!!!」キュウウゥゥ・・・ズバアアアァァァッ
オクタヴィア[ほう、自らの傷が武器に…………]ドッパアアアァァァンッ・・・コロン
さやか「ったく……なんだよ、一発じゃん。ただ嫌な気分にさせるしか能がない魔女ね」
さやか「さ、とっととシード浄化して、病院……じゃなかった、帰るんだ……」ヒョイ・・・
さやか「あれ?グリーフシードって、こんなに光ってたっけ……?」マジマジ
ほむら「遅かった……美樹さやか!そのシードを手放しなさい!今すぐに!」ザッ
さやか「!?……あんた、暁美さんじゃん。何、このシードがどうかした?」ジロッ
ほむら「早く捨てろと言っているの!」
さやか「捨てろ?このまま捨てたらまた魔女になるかもじゃない、何言ってんのあんた」
ほむら「そのシードはフェイクよ!狙いは貴女に」
さやか「フェイク?何言ってんだか良く分かんないよ、第一あんたねぇ、昨日あんな事言って……」ズズズッ
ほむら「!!」
さやか「信用……できない……って…………何これ……シード……あたしの中……?」ズズズッ
ほむら「美樹さやか……貴女は本当に馬鹿……!」
さやか「……あー……あー……成程、声はこの様に出すのか」ズズ・・・
さやか「一々書く必要が無い、便利な物だ」
ほむら「……やってくれたわね、魔女オクタヴィア」ギリリッ
さやか「何を言ってる?私はミキサヤカ。さっき貴様が言っていただろう?ホムラ」
ほむら「私の知っている馬鹿な美樹さやかはそんな喋り方をしないわ」キッ
さやか「では……こう喋ればいいのかな?私、これから皆と合流するんだけど」ズワワッ
ほむら「行かせない、ここで私が止めるもの」ブワサッ
さやか「その体で?無理無理、あんた変身する魔力残ってないじゃん。それに手負いの身だし」
ほむら「っ……」
さやか「魔法少女でもないあんたが、私を止められる訳ないでしょ」ズパッ
ほむら「ぐっ!?……あ、貴女、傷無しで……剣を…………」ドシャッ
さやか「あんたがいると厄介なんだよね。ここで消えて貰うよ……」
まどか「さやかちゃーんっ!」トテトテトテ
マミ「美樹さん!!何してるの!?」タッタッタッ
杏子「おい、その剣ひっこめろ!!」タッタッタッ
さやか「ちっ……どうやらあいつらが他の魔法少女か……」ボソッ
さやか「皆!この子に近づいちゃ駄目!」
マミ「どう言う事なの、美樹さん」タジッ
さやか「私、急にこの子に襲われて……今やっと倒して……」
杏子「なんだと!?そいつがか!?」
さやか「そうなんだよ!訳も分からないまま戦ってたらこんなことに……」
マミ「暁美さんが……信じられない……」
さやか「本当だってば!」
杏子「……傷は深そうだが、気ぃ失ってるだけみたいだ。どうするよ?マミ」
マミ「え、えと……とにかく応急処置を!美樹さん、貴女の力で……!」
さやか「断る。自分を襲ってきた相手を治すなんて……」
マミ「何か……何か事情があったのよ!そうに決まってるわ!!お願い美樹さん!!」
さやか「嫌だ」
マミ「美樹さん……っ!!」ギロッ
杏子「マミ、さやかは襲われたって言ってんだ。こいつの気持ちも考えてやれよな」
マミ「……っ……分かったわ。そうよね、彼女は私の家に連れていく」
杏子「さやか、あんたはあたしと帰るか?それとここ、人が来そうだから変身解け」
さやか「うん、良いよ。行こう……」パシュン
杏子「まどかはどうする?一緒に来るか、マミの家に行くか」
まどか「うぇ……?わ、わたしは……えと……」
杏子「どーしたよ、なんか反応鈍いぞ」
まどか「さやかちゃん、あなた、ホントにさやかちゃん?」
さやか「何言ってんの、ま、マドカ!私がミキサヤカじゃなかったら誰だっての!」
まどか「えと……なんだかいつものさやかちゃんじゃない気がして」
杏子「まどか!どこが違うってんだよ。正真正銘さやかじゃん」
まどか「うぇっ!?そ、そうだよね」
杏子「さ、あんたはマミの手伝いとして、あの子運ぶの手伝ってやんなよ」
マミ「そうね、鹿目さん、手伝って……私一人じゃ運べないわ」
まどか「は、はいっ、今いきますっ」トテトテ
さやか「……中々に鋭いな、今の内に……」ボソッ
杏子「さやか。さ、帰るぞ。あんたも疲れたよねっ?」
さやか「う、うん……」
マミの部屋
ほむら「……」
QB「彼女が偽物の姫様の正体だったのか……それがさやかを……」
まどか「うん、ほむらちゃんって言う子なんだけど……」
マミ「お腹の服がこんなにざっくり切れてるわ。かなり深い傷のはず……」
まどか「でもなんで血が出てないんだろ……ごめんね、ほむらちゃん。服、上げるね」グイッ
マミ「!?こ……これは!?」
まどか「傷……っていうより、ヒビみたい……弱く光ってる……?」
QB「これは……彼女は魔法生物だ!」
マミ「へ!?ど、どう言う事なの、キュゥべぇ!?」
QB「前にも言ったけど魔法生物は魔力で生きている。君達と違って血液はない」
QB「だから傷ついた時、それはこちらの人間と違ってこうなるんだ。ヒビから魔力が流れ出てしまう」
マミ「じゃあ彼女は……魔法界から逃げて来た魔法界人なのね?」
QB「にわかには信じられないけれど、そういうことになるね」
まどか「じゃ、じゃあお医者さんじゃ治せないのっ?どうしよう……」
QB「充分な魔力と時間があれば治癒できるよ。栄養や薬で治癒する君達と一緒さ」
マミ「魔力を分けてあげればいいのね!?」
QB「そうだけど、彼女の様子を見る限りかなり消耗しているね。相当量の魔力が必要になる」
マミ「鹿目さん、協力してくれる?美樹さんを襲った彼女だけど……」ポウッ
まどか「はい!わたしもなにか、事情があったんだと思いますしっ」ポウッ
マミ「ありがとう……!」ジワッ
QB「それに彼女が目を覚まさないと、詳しい話も聞けないしね」
まどか「キュゥべぇは魔力、分けてあげられないの?」
QB「僕みたいな小動物は魔力も微々たるものだから……命をかければ彼女を全快させる位にはなるけど」
マミ「キュゥべぇ、そんな悲しい事言わないで!!貴方がいなくなったら……」
QB「も、もしもの話だよ!僕だってそんなの怖くてできるもんかっ」
まどか「じゃ、ちょこっとだけでも、ほむらちゃんに分けてあげて。ね?」
QB「もちろん、そのつもりさ。恩返しをしないとね」ポウッ
まどか「恩返し……あ、そっか、あのときの魔力って……」
ゴミ処理場
杏子「着いたよ。……マミ達、手遅れになってなきゃ良いけど」
さやか「ここ、ゴミ処理場じゃん?なんでこんなとこ……」
杏子「今日はさ、周りにゴミがないでしょ?月一で埋立地にもってかれるんだ」
さやか「それがどうかした?ここあんたの家じゃないでしょ?」
杏子「いや、ここなら丁度いいかなって。周りに人もいないしね」
さやか「何?私に愛の告白でもする気なの?まいったなぁ」
杏子「はは、ほんとまいったよ……変身」
キュピーンッ・・・パアアアァァァァァッ
杏子「心を燃やす情熱の赤、魔法少女杏子」キュウウゥゥ・・・ジャキンッ
さやか「ちょ……いきなり何!?槍なんて突きつけてさ!あんたもホムラと一緒!?」
杏子「一応聞いといてやる、てめーは誰だ?」ギロッ
さやか「な、何言ってんの!?私はサヤカちゃんに決まって……」
杏子「はぁ……ま、”わ”の奴らには分かんないか」
さやか「わ?訳わかんないよ!私は私じゃん!!」
杏子「もう下らねぇ芝居はやめろよ、魔女野郎」ギリッ
さやか「……どこで気が付いた?」フッ
杏子「教えね。それ言ったら余計分かんなくなんだろが、バァカ」ンベ
さやか「驚いたな、あのマドカとかいう娘以上に鋭い」
杏子「さ、無駄口叩いてねーで、とっとと出て行って貰うよ?」バッ
杏子「おい!さやか!!早いとこ目ぇ覚ませよな!!」ポウッ
さやか「成る程、その光は魔女との接続を弱めるのか……!」ズズズッ
杏子「ここなら周りに取り憑けるものもねーからな!!大人しく出て行きな!!」
さやか「考えた物だな。だが……」ズパッ
杏子「……え!?……かはっ」ドサッ
さやか「生憎、貴様のその力は我々を問答無用で追い出せる程、強い物ではない」
さやか「この娘の心にお前の声は届いていないのだ……消えて貰おうか」グワッ
杏子「くっ……さやか!!目ぇ覚ませってんだよ!!!」ポウッ
さやか「っ!?……はは、一瞬くらっと来たが、やはり無駄だったな」ポウッ・・・ドシュッ
杏子「っ……………………」パシュン・・・
翌日
まどか「あ、さやかちゃん、おはよう……」グッタリ
マミ「お早う、美樹さん……」クタクタ
さやか「二人とも、おはよ。……あ、ホムラはどうなったの?」スタスタ
まどか「うぇ、えと、ほむらちゃんは……」
マミ「今回も、魔力を少し分けて上げたらどこかへ消えてしまったわ」
さやか「なんだ、薄情なやつ」
まどか「ま、マミさん、ほむらちゃんはまだ家で寝てるんじゃ……」ボソッ
マミ「美樹さんには黙っていた方が良いでしょう?あまり刺激しない方が良いわ」ボソッ
さやか「二人とも、あいつ、信用しちゃ駄目だからね」
マミ「そうね、今回ばかりは」
まどか「う、うん。そうだね、さやかちゃん」
まどか「ほむらちゃん、目覚ますかな……」ボソッ
マミ「目覚めたらキュゥべぇがすぐに知らせてくれるわよ、その為のお留守番だもの」ボソッ
昼休み
まどか「さやかちゃん、お昼たーべよっ」
さやか「ごめん、私今日ご飯持ってきてないんだよね」
仁美「あら、珍しい。私のお重を一段差し上げますわ、さやかさん」
さやか「食欲ないんだよ、ごめん」
仁美「そう、ですか……さやかさん、まさか私が」
まどか「仁美ちゃん、そういえばあしたの文化祭の準備ってもう終わってるの?」
仁美「は、はい、お蔭様で。委員の方々の意見もあの後すんなりまとまりましたので準備も捗りました」
仁美「今日、最終チェックをして、問題がなければ明日は盛大な文化祭が開催できます」
まどか「よかったぁ……人がいっぱい来てくれるといいねっ」
さやか「……ブンカサイって、そんなに人が集まるの?」
仁美「何を仰いますか、さやかさん。我が校の文化祭は見滝原中の方々が足を運ぶイベントですよ?」
まどか「さやかちゃん、ホントに大丈夫?食欲ないっていうし……」
さやか「あ……あははは、ちょっと私ボケてきちゃったかな?」ヘラッ
さやか「成程な……良い事を聞いた……」ボソッ
―――――――――――――――――――――――――
マギカ「上手になったわね、フィニトラ・フレティア。これで一緒に魔女と戦えるわ」
ほむら「ありがとう。まだ貴女には及ばないけれど……」
マギカ「そんなことはないわ。……そろそろ、もう一つの魔法を教える頃ね」
ほむら「本当っ?光栄だわ!」
マギカ「良く聞いて、ホムラ。この魔法は強大な魔女に対抗する最後の手段」
マギカ「かつて私の祖先が、大いなる魔女クリームヒルデを封じた魔法よ」
ほむら「そんな魔法を……!?む、無理よ!私には……」
マギカ「大丈夫。この魔法は一人では出来ないものだから。私も一緒よ」
マギカ「”イペル・マギカ・レイジオ”……これは先祖より伝わる呪文」
マギカ「私がそれを唱えたら、貴女はいつも通り弓を引き、魔女を撃つの」
マギカ「いつも通り、よ。お願いね、ホムラ……」
――――――――――――――――――――――――――
ほむら「……う……ん……夢?」フッ
QB「……暁美ほむら!目が覚めたのかい!?は、早くマミに知らせないと」スタタタッ
放課後
マミ「佐倉さん、今日お休みだったのよ」
まどか「うぇ?そうなんですか?」
さやか「…………」
マミ「そうなのよ、最近は毎日学校に来ていたのにね……美樹さん、何か知らない?」
さやか「っ、あーあの後すぐに別れたんで……」
まどか「なにか病気かな……心配」
さやか「……じゃあ、三人で一緒にお見舞いに行こうか?」ニヤッ
QB「マミー!」スタタタッ
マミ「キュゥべぇ?もしかして……!」
QB「そうなんだ!彼女むきゅ!?」グイッ
マミ「そ、そうなの?彼女が出来たのね?お名前は?」ギュムムッ
さやか「……魔法生物か……やはり生きていたか……」ボソッ
マミ「み、美樹さん、お見舞いは貴女一人で行ってきて貰える?今日も病院に行くんでしょ?」アセアセ
さやか「病院……?」
まどか「さやかちゃん?」ジッ
マミ「……?美樹さん、彼のお見舞いにも行くなら一人の方が良いわよね?」ボソッ
さやか「…………あ、そうだそうだ、病院ね!じゃ、サヤカちゃん行ってきまっす!」タッタッタッ
さやか「良く分からんが、明日までミキサヤカとして不審な行動は取れないからな……」ボソッ
マミ「うふふ……美樹さん、頑張ってね」ヒラヒラ
QB「もがもがっ」ジタバタ
マミ「あ!ごめんなさいキュゥべぇ!」パッ
QB「きゅっぷは……いや、さやかには秘密なんだったね、迂闊だった」
まどか「それよりキュゥべぇ!ここに来たって事は……」
QB「そうだ!ついさっき彼女の目が覚めたんだ!」
マミ「良かったわ!じゃ、早く家に行きましょう!」アセアセ
まどか「マミさん、どうしたんですか?そんなに慌てて……」
マミ「暁美さんの事だからまた消えてしまうかもしれないわ。行きましょっ」タッタッタッ
まどか「は、はい!」トテトテトテ
さやか「残る二人、誘い出してまとめて始末しても良かったが……命拾いしたな、魔法少女共め」
ワルプルギス「キャハハハッ!随分楽しそうだねぇ、オクタヴィア?」ズズズズッ
さやか「ワルプルギス……まさか、楽しい訳がなかろう、こんな窮屈な体で」ギロッ
ワルプルギス「他者を演じるってのはそれだけで楽しい物だと思うがねぇ……」
さやか「そんな無駄話をしに来たのか?それともトゥレ・ディアボレとして協力を?」
ワルプルギス「まっさか!ちなみにもうデュエ・ディアボレだよ?キャハハハッ」
さやか「貴様っ……!シャルロッテの事を……!」ギリッ
ワルプルギス「あれは少々役者不足だったからねぇ。アンタはどうだい?役不足かい?」
さやか「……貴様はそういう奴だったな。もう聞きたくもない、用件だけ話せ」
ワルプルギス「人間演じる暇があったらエネルギー集めな。クリームヒルト様復活には全く足りていない」
さやか「そんな事か。見ていろ、明日のブンカサイには非常に多くの人間が集まると聞いた」
さやか「敵は私を魔女と見ぬけぬ間抜けな魔法少女がたった二人」
さやか「加えて、この娘はそのブンカサイが来て欲しくないらしい。刻々と負の感情が強まっている」
さやか「明日はそれが最大、つまり私の力が最大となる。倒された同胞の分まで集め、その不足、必ず返すぞ」
ワルプルギス「なんとまぁ、大見得切ってくれるじゃないか!キャハハハハッ」シュンッ
マミ「暁美さん!」バタムッ
まどか「ほむらちゃん!」バッ
ほむら「……どうしたのそんなに慌てて?」ムクッ
マミ「はぁ……貴女がまた、消えてしまうんじゃないかと思ったから……はぁ……」
まどか「よかったぁ……はぁ……よかったよぉ……」
ほむら「……貴女達は本当に………。消える訳はないわ、伝える事があるもの」
QB「伝える事だって?何だい、それは?」
ほむら「美樹さやかは魔女、という事」
QB「な、なんだって!?どういうことだい!?」
ほむら「魔女に取り憑かれているの、彼女の負の感情に漬け込まれたわ」
マミ「そんな……じゃあ貴女が襲ったというのは……」
ほむら「当然嘘ですよ、マミさん。全てが逆」
まどか「さやかちゃんが……魔女……?う、ウソだよね?ほむらちゃん……?」
ほむら「私を信用するかどうかは任せるけれど、私が言う事は事実よ。まどか」
まどか「……さやかちゃん、たしかに様子おかしかったけど……こんなのって……」
マミ「どうにか元に戻す方法はないの!?」
ほむら「美樹さやかは負の感情によって魔女は繋がり、心が乗っ取られている状況です」
ほむら「囚われた心に貴女達の声が届けば、接続が弱まり……」
マミ「美樹さんが正気に戻るってことね?」
ほむら「かなり可能性は低いと思いますが、それくらいしか」
QB「じゃあ、もし声が届かなかったらその時は……」
ほむら「そうなったら……彼女と戦うしかない」
マミ「それって、魔法少女同士で……!?」
ほむら「魔女の魔力も無限ではありませんから、動けなくなるまで、回復出来なくなるまで……」
マミ「暁美さん!やめて!!」
まどか「だ、ダメだよ……さやかちゃんとなんて、戦えないよ……」
ほむら「……でしょうね、だから貴女達は何もしなくて良い。全て私が片を付ける。……っ」ガクガク
マミ「無理よ、その体で!!暁美さん動いちゃダメ!!」
ほむら「もう伝えるべき事は伝えたわ……もうこれ以上貴女達には関わらない……」グググッ
QB「暁美ほむら、君はどうしてそこまで……!?」
ほむら「こういう時に、足手まといになるのよ。仲間意識なんて……くっ」カクッ
マミ「…………分かったわ、私が美樹さんと戦う」
まどか「マミさん!?」
マミ「ただし消耗戦にするわよ。私のリボンで拘束して、美樹さんを呼ぶの。鹿目さんも協力して?」
まどか「そっか、そうすればさやかちゃん、無傷で元に戻せるかも……!」
ほむら「可能性は低いし、彼女の武器は剣ですよ?貴女のリボンじゃ止められるかどうか……」
まどか「だったら、わたしが止めるよ。剣をつかんだら、ぜったい放さなければいいよね?」
マミ「鹿目さん!そんな危険な事させられないわ!」
まどか「さやかちゃんを安全に助けるためですから……!任せてマミさん!」
ほむら「貴女達、何故そこまで彼女を気遣って……」
QB「君には分からないかもしれないけど、彼女達、特にまどかの強さはそういう所なんだよ」
QB「自分よりも他人の事を、思いを、常に大事にしている。それが力になるんだ」
ほむら「……………………」
マミ「でも私達の中に潜り込んで、学校でエネルギーを集めるでもなく、目的は何かしら?」
ほむら「……人間として近付き、こちら側の戦力を殺ぐ事が第一目的かと。そして明日……」
まどか「文化祭……!?」
ほむら「美樹さやかが今日学校に来ていたなら当然知っている筈。目をつけない訳が無いわ」
マミ「じゃあ、その前に美樹さんを!」
ほむら「待って、魔女は正体がばれる事を警戒しているでしょう。今下手に動かない方が良い」
ほむら「相手も明日の文化祭までは、警戒される様な動きはしない筈ですから」
QB「今気付かれたら……逃げられるか、暴れられるか、という事か」
ほむら「ええ。最悪、返り討ちに合うわ。幸い魔女はこちらが正体を知っている事に気付いていない」
マミ「明日、気付いていないふりをして、一瞬で拘束する。これが一番安全策なのね」
まどか「じゃあ、あした!マミさん、二人でがんばろうっ!」
マミ「ええ、よろしくね鹿目さん。暁美さんは家で寝ている事。良い?」キッ
ほむら「……はい」
QB「ね、二人と言ったけれど、杏子はどうしたんだい?」
マミ「佐倉さんは今日お休みだったのよ、たぶん病気で明日も……っまさか!?」
マミ「昨日、佐倉さんは美樹さんと二人きりで帰っていたわね……」
QB「!……戦力を殺ぐのが魔女の目的だとしたら、当然襲われる!」
ほむら「彼女はもう始末されている可能性が極めて高いわ、残念だけれど」
まどか「そんなっ、い、いますぐ杏子ちゃん家にいってみようよ!!」
ほむら「言ったはずよ、今下手に動けないって」
マミ「それに私がお見舞いを頼んでしまったわ……鉢合わせる可能性もある」
まどか「そ……そっか……」
マミ「……大丈夫よ!やっぱりあの佐倉さんがそう簡単にやられる訳ないじゃない!」ニコ・・・
マミ「大丈夫よ……きっと……」ギュッ
まどか「マミさん……」
QB「そ、そうさ!マミの言うとおりだよ!どうせただの病気さ、皆元気出してよ!」アセアセ
まどか「う、うん。そうだよねっ。まだ決まったわけじゃないもん!」
ほむら「でも原因が何にせよ、佐倉杏子が明日来る事は期待できそうにないわね」
マミ「暁美さん、私達二人で何とかして見せるわ。絶対に」
翌日・文化祭
ワイワイガヤガヤ・・・
仁美『本日は見滝原中学校文化祭にお越し頂き誠に……』
まどか「さやかちゃん、いませんね」
マミ「ええ、何処かに隠れているのかしら」
QB「隠れるってのも不自然な行動じゃないかな、正体がばれてないと思っている訳だし」
まどか「キュゥべぇ!?ここ学校だよっ」
QB「大丈夫、ここまで人が多いなら僕が喋ってるとは思われないよ」
マミ「この込み方だと美樹さんを見つけるのは一苦労ね……」
仁美『現在、ホールにてコンサートが行われています。我が校の吹奏楽部による……』
まどか「!そうだっ、コンサート!さやかちゃん、ホールにいるかもっ」
マミ「あら?そうなのっ?」
まどか「はい!さやかちゃん、今日のコンサート楽しみにしてたから……!」
QB「それは元のさやかだろう?今は魔女なんだからコンサートなんて行くかな」
マミ「かといってここにいてもしょうがないわ、行ってみましょう」タッタッタッ
控え室
仁美「放送、終わりましたわ」バタン
恭介「お疲れ様、志筑さん」
さやか「お疲れ、ヒトミ」
仁美「さやかさん、私がいない間に、上条君となにかお話しされましたか?」
さやか「……?いや、別に」キョトン
仁美「……折角内緒で上条君の控え室までご招待致しましたのに、何もないのですか?」
恭介「さやか、なんだか今日様子が変だよ?体調でも悪いの?」
さやか「あ、あはは、昨日っから食欲無くてさ……」
さやか(物凄い負の感情が溢れてくるな……特に以前利用したあの娘が戻った瞬間に……)
さやか(加えて、あの娘からも負の感情を感じる……焦り・もどかしさ・不安と言ったところか)
仁美「そろそろ上条君、出番ですわよ」
恭介「もうそんな時間か、なんだか緊張するね。それじゃ、行ってくる」
さやか(……ミキサヤカ、この男の演奏が終わるのを恐れているな?心が悲鳴を上げているぞ)
さやか「ならばその恐怖、私が除いてやろう……」ズズズズズズッ
179
ホール
ズズズズズズッ・・・
QB「間に合わなかった……!もうエネルギーの回収が始まってる!」
まどか「やっぱりさやかちゃん、ここに……」
恭介「……」スタスタスタ・・・ペコ
マミ「!?見て鹿目さん!ステージの上!!」
まどか「あれ、上条君!?なんで平気なんだろ……!?」
恭介「……」スッ・・・~♪~♪・・・ズワワワワワッ
QB「回収の速度が上がった!?これは、彼が原因なのか!?」
まどか「演奏とめなきゃ!!」トテトテトテ
マミ「待って、彼はおそらく本体ではないわ。考えがあるの……すーっ……」
マミ「美樹さん!!いるんでしょ!?魔女が現れたわ!!いつも通り一緒に魔女を探すわよ!!」
まどか「ま、マミさん凄い大声……」ビリビリ
マミ「ごめんね、鹿目さん。でもこれで……」
さやか「二人とも待たせてゴメン!ちょっと今までヒトミと控え室にいてさ!」タッタッタッ
まどか「さやかちゃん!じゃなかっモガッ!?」グイッ
マミ「度々ごめんね……美樹さん、聞いたでしょ?魔女を探しに行きましょう」
さやか「はい!じゃあ私は屋上辺りを!」ニヤッ・・・クルッ
マミ「お願いね……変身!」
キュピーンッ・・・パアアアァァァァァッ
マミ「心を繋ぐ絆の黄色!魔法少女マミ!」ティローンッ
マミ「闇の力のシモベさん!とっととおうちに帰りなさい!!」バッ・・・シュルルルルッ
さやか「ちょ!?マミさん何すんの!?」ガシッ
QB「マミの狙いはこれか……!」
マミ「美樹さん!正気に戻って!!魔女なんかに負けちゃだめよ!!」
まどか「そ、そうだよ、さやかちゃん!元のさやかちゃんに戻ってよぉ!!」
さやか「!?……貴様ら、まさか気づいていたのか!?」
マミ「本性を現したわね、魔女!貴女なんかに美樹さんは好きにさせないわ!!」
まどか「はやくさやかちゃんを返して!!」
さやか「愚かな事を……こんな事をした所で、この娘は元には戻らない」
マミ「私達の声が美樹さんに届けば貴女なんてすぐに追い出されるわ!!」
まどか「そうだよ!さやかちゃんは強い女の子なんだからっ!!負けないんだからっ!!」
さやか「貴様らは何も分かっていない……同じ事をやろうとした魔法少女はすでに始末されたというのに」
QB「ま、まさかそれって……!?」
さやか「赤い魔法少女だ。私が確かに片付けさせて貰った」
まどか「そんな……ほんとに杏子ちゃんは……」
さやか「どうした?拘束が緩くなっているぞ?相当動揺しているようだな、黄色の魔法少女」
マミ「くっ……」
さやか「茶番は終わりだ。この娘の心には貴様らの声も届かない……変身」ズワワワワッ
QB「リボンが切られてくっ!?」
さやか「心を侵す、滅びの黒。魔法少女サヤカ……とでも言えば良い物か?」ガシャンッ
マミ「黒い甲冑の魔法少女……!」
さやか「中々に、この体にも馴染んで来たようだな。魔力が溢れる」ズワワッ
マミ「……鹿目さん……どうすればいいの……佐倉さんが……美樹さんにも声が……」ジワッ
まどか「マミさん……っ許せない!へんっしん!!」キュピーンッ・・・パアアアァァァァァッ
まどか「心を染める愛のピンク!魔法少女まどか!」キュピーンッ
さやか「!……貴様、魔法界の姫ではないか。何故ここにいる?」
まどか「うぇ?だからっ、わたしはおひめさまじゃないってば!」
さやか「……確かに、良く似てはいるが別人か。魔力が小さすぎる。話にならない」ボソッ
QB「マミ、落ち着いてよ!まずはとにかくヴァイオリンを止めるんだ!」
マミ「わ、分かったわ!」タッタッタッ
さやか「演奏の邪魔はさせない、それがサヤカの負の感情の要だ」
仁美「……」シュタッ
QB「か、彼女はたしかこの前助けた……!」
まどか「うぇええ!?仁美ちゃんまであやつられてる!?」
さやか「あの男には演奏を止めぬよう、娘には貴様らと戦うよう魔力で暗示をかけた。ヒトミ?」
仁美「……」コクリ・・・バキンッ
マミ「きゃああっ!?」ズザザザッ
さやか「魔力を少し分けてやっただけで優秀な戦士だ、良い素質を持っているな」
QB「こんな狡猾なやり方……酷すぎる!!」
さやか「戦いに狡いも酷いも無い。さあ、かかって来ると良い。ただし傷つくのはサヤカの体だがな」
まどか「で、できないよぉ!!そんなことっ」
さやか「賢明な判断だ、傷つこうとこの体は回復できる。魔力が尽きぬ限り、傷は力に変わる」
さやか「この演奏が終ることがミキサヤカの恐怖だ。終わらせぬ為ならばいくらでも私に魔力をくれる」
さやか「常に負の感情を生産して、力をもたらしてくれる。どうやっても貴様に勝ち目はない」ジャキンッ・・・ズバッ
まどか「う……くっ!」ガシッ
さやか「……っ剣が動かん……何という馬鹿力だ」
まどか「さやかちゃん、返してよぉ……返して……!!」グググッ
さやか「はぁ……無駄と言っても聞かないのなら、絶望に突き落とすしかないのかもしれん」
さやか「ヒトミ!そいつを押さえて離すな。絶対にな」ジャキンッ
仁美「……」コク・・・ガシッ
マミ「な、何!?もう片腕に剣……!?」
さやか「今から私はお前に向かってをこの剣を投げる。良いか、そのまま離すなよ?」グワッ
QB「みみ味方ごと攻撃する気か!?や、やめるんだ魔女ぉ!!!」シュタンッ・・・ガブッ
さやか「フッ……貴様のような小動物に止められると思ったか?さ、食らうんだヒトミ、そして魔法少女」バシッ・・・ヒュンッ
―――――――――――――――――――――――――――――
マギカ「流石にソウルジェムが封印していた魔女……手強いわ……」ガクッ
ほむら「ええ……でも負けるわけには……」ガクッ
シャルロッテ「どこにかくれたのー!?いーかげんあきらめてよねー!!」ズワワワッ
オクタヴィア「…………」ズワワワッ
ワルプルギス「クリームヒルデ様を封じた魔法少女の末裔ってのも、大した事ないねぇ!」ズワワワッ
ほむら「っ……なんて魔力……!まだあんなに……」タジッ
マギカ「ホムラ、このままでは魔法界はお終い。……今こそあの魔法を使う時よ」
ほむら「あの魔法……まさか」
マギカ「いくわよ?イペル・マギカ……」キュウウゥゥゥ・・・
ほむら「だ、駄目!マギカ!!」ガシッ
マギカ「!?離してホムラ!このままじゃ唱えられない!!貴女まで……!」
ほむら「やっぱり、そうなのね……?」キッ
マギカ「あ…………気付かれちゃった?」
ほむら「当たり前でしょ!!やめて、そんなことされたら……」
マギカ「ホムラ、これが王族たる者の役目なの。私の一族はこの瞬間の為に存在している、分かって」
ほむら「分からない……分からないわよ!お願い、やめて!!」ギュウウッ
マギカ「…………ホムラ、どうしても無理?」
ほむら「っ……」コクッ
マギカ「いつも通り、撃てそうにない?」
ほむら「……」コクッ
マギカ「そう…………仕方ないわね。紫のソウルジェムよ、マギカの名の下、汝を解放する」ポウッ
ほむら「!?マギカ、何を……!?」パアァァァッ
マギカ「汝は自由。主と共に異世界へ飛ぶか良い。同胞を追って……」
ほむら「マギカ!!」
マギカ「貴女は今から異世界へ行くの。そこに残りのソウルジェムもある、集めれば必ず魔女に対抗できるわ」
ほむら「そんな……じゃあ魔法界は……」
マギカ「……一度、魔女の手に落ちる。でも、私は信じてる、貴女がソウルジェムを集めて戻ってくるって」
ほむら「貴女は!?貴女はどうするの!?」
マギカ「この世界で、最後まで戦うわ。かつて先祖がそうしたようにね」
マギカ「頼んだわよ、ホムラ。これは貴女にしかできない事」
ほむら「……」プルプル・・・
マギカ「そんな顔しないで。少しの間、お別れするだけ」ギュウウウッ
ほむら「マギカ!貴女を必ず救い出すからっ!」
ほむら「全て、取り戻すからっ!!」
マギカ「うん、ここで待ってる。ずっと……それじゃ、また」
ほむら「……またっ……必ず!」パアアァァァァァッ
マギカ「行ってらっしゃい、ホムラ……」
――――――――――バシュンッ――――――――――――――
ほむら「……また……夢……」パチッ
ほむら「マギカ……私の為に……私は……これから……」
コンコン・・・
ほむら「ノック……窓?」ムクッ
ほむら「!……貴女は……!」ハッ
ホール
マミ「……うぅ」ガクッ・・・パシュン
仁美「……」ガクッ
QB「く……」グッタリ
さやか「やはり自身で受けたか、魔法少女。リボンで緩和したようだが、魔力は尽きたな」
まどか「マミさん!キュゥべぇ!」
さやか「貴様も、魔力が尽きかけているな。終りだ」ジャキン
まどか「もう一本!?」
さやか「片方止めるので精一杯だろう?」ズバッ
まどか「きゃあぁぁぁっ!?」ズザザザッ
さやか「他愛も無い。さて、黄色から始末してやるか……」ザッザッザッ
まどか「う……負けない……キュゥべぇも……マミさんも……さやかちゃんも守るんだもん……」グググッ
さやか「……何故立てる?もう魔力は残っていない筈だ、何故変身が解けない?」
まどか「守る……!」フラッ・・・キッ
さやか「……やはり似ている、あの姫もそうだった。気に入らんな、先に片付けてやる」ジャキンッ
さやか「いくら立ち上がろうと、絶望が増えるだけだ。この演奏が貴様らの鎮魂歌にな……」ザッザッザッ
恭介「…………」シーーーーン・・・
さやか「演奏が止まっている?指が裂けようと止められぬ筈だが……!?」バッ
???「全く、指がボロボロじゃないか。また入院したいのかよ?さやかが、悲しむだろ?」
さやか「貴様は……!!」
杏子「さ、早く目を覚ましな。あんたの声が必要なんだ」ポウッ
まどか「杏子……ちゃん?ほんとに……ほんとのほんとに杏子ちゃん!?」
杏子「待たせたね、まどか。病み上がりで寝てたら遅くなっちまった!」
さやか「何故だ!?貴様は確かにこの私が!!」
杏子「ご丁寧に刺したさきから治してってくれたでしょ?応急処置程度だったがさあ!」
さやか「あの時……届いていたのか、ミキサヤカ!!」ギリッ
恭介「……うん?き、君は誰!?」ハッ
杏子「あたしの事は良い。落ち着いて聞いて、さやかが危ないんだ。周りを見てくれよ」
恭介「さやかが……!?なんだ、これ……人が皆が倒れてる?」
杏子「さやかも同じようになっちまってる。元に戻す為に、さやかを呼んでくれ」ボソッ
さやか「ふん、しかし男一人の暗示を解いた位でどうなる?お前の声はサヤカには届かなかった」
杏子「そうさ、あたしじゃ駄目なんだ。だが良く聞けよ魔女野郎。おい、今だ!」
恭介「うん……さやかーーーーーーーーー!!!!」
まどか「杏子ちゃん!駄目だよさやかちゃんはっ」
さやか「……ぐっ……あああああ!?」グワンッ
まどか「うぇ……!?きいてるっ?」
恭介「さやかーーーーー!!戻ってくるんだ!!!」
さやか「ミキサヤカ……出てくるんじゃない……!!サヤカ!貴様は助からん!!」グラグラッ
恭介「あの黒い奴、さやかの事なにか知ってるのか!?」ダッ
杏子「おい!あたしから離れるな!!……くっ、まだ万全じゃねーか……」ガクガク
恭介「お前、さやかをどこにやった!!さやかを返せ!!」ザッ
さやか「ぐうぅ……知らんな……ミキサヤカなんぞ……!!だから私の前でその名を呼ぶな……!!」
恭介「嘘だ!!返せ!さやかは僕の大切な幼馴染なんだ!!」
さやか「オサナナジミ……ふふ、どうしたサヤカ、僅かに引いたな?隙有りだ……!」ズゾゾッ
恭介「!?…………」カクンッ
さやか「はぁ……今出来るのは……黙らせる程度か……もう、邪魔はさせん!!」ジャキンッ・・・グワッ
恭介「……」
まどか「上条君!」ダッ
杏子「まずい!間に合わない!!」ダッ
さやか「これで本当に終わりだ!!」ブンッ
ほむら「ぐっ……私もヤキが回ったわね……!!」ザシュ・・・グググッ
まどか「ほむらちゃん!?上条君をかばって……!!」
さやか「ホムラ!?貴様までも……!変身も無しに剣を受けるとは正気か!?」
ほむら「ええ、おかしくなったわ!!まどか!!こいつを押さえ込んで!!」
まどか「う、うん!!」ガシッ
さやか「なっ?離せ!!」
杏子「さやかぁ!!今なら聞こえるんでしょ!?戻ってこいってのぉ!!!」ポウッ
さやか「やめろ!!やめろーーーーー!!!!」
―――――――――――バシュゥゥゥゥ・・・
さやか「あ……あれ?あたし何やって……!?ってなにこの剣!?それに暁美さんその怪我……」
ほむら「帰ってくるのが遅いのよ……美樹さやか……」グラッ
オクタヴィア「…………」ズズズズッ
杏子「あたしが出来るのはここまでか……」パシュン・・・ガクッ
まどか「まだ魔女が……でももう力が……」パシュン・・・
さやか「あたし……暁美さんの言うこと聞かないで……皆傷つけて……」ガクガク
ほむら「美樹さやか、もう戦えるのは貴方しかいないわ……」
さやか「あたしって、ほんとバカ……」ガクガク
ほむら「っ……しっかりなさい!!」パァンッ
さやか「痛っ!?」
ほむら「皆ね!貴女の為に傷ついたの!!貴女の為に頑張ったの!!全部貴女を取り戻すため!!!」
ほむら「馬鹿なら馬鹿らしく!!生意気に後先の事なんか考えてないで!!」
ほむら「今自分に出来ることだけを考えなさい!!馬鹿さやかっ!!!!」
さやか「……暁美さん……!」
さやか「……もう、バカバカうるさいっての……!!」
オクタヴィア「……」ジャキンッ
さやか「魔力は殆ど残ってない……あるのは置き土産の剣だけ、でもやるしかないね」ジャキッ
ほむら「さやか、私の手を握って」スッ
さやか「う、うん、暁美さん」ギュッ
ほむら「私は貴女をさやかと呼ぶ、だからほむらで良い」ズズズッ
さやか「な、なにこれ!?魔力が溢れてくる!?」ブワッ
ほむら「この魔力があれば貴女の魔法、使えるでしょう?」
さやか「……!ありがとう、ほむら!」
ほむら「治しかけの私の傷、責任持って最後まで治してね。お礼はするから」
杏子「おい、あたしのも持ってってくれよ!」
まどか「マミさんたちのも!」
さやか「もちろん!こんだけ魔力があれば……皆の傷、恭介の傷、仁美の傷……」キュウウウ……
さやか「あんたとあたしが付けた傷!!全部全部!刃に変われえええええ!!!」パアアァァァァァッ
オクタヴィア「……」ズパァァッ
さやか「スクワルタトーーーーーレ!!!!」ズバアアアアァァァァッ
さやか「……っ」ガクンッ
オクタヴィア「……」ズズズッ
さやか「……あんたの負けだよ、オクタヴィア」
オクタヴィア「……」ドッパアアアァァァァンッ・・・コロン
まどか「やったあ!!さやかちゃん!!」
杏子「良く戻ってきた!さやかぁ!」ダキッ
ほむら「よくやったわね」ギュッ
恭介「……ん、あれ?君は鹿目さん?……と、貴方はいつかの!?」ハッ
まどか「うぇ!?上条君気が付いたの!?……さやかちゃん隠れてっ」ボソッ
さやか「ど、どうしよっ、変身解けないじゃん……!」カクレッ
杏子「やば、一回解いたから早いのか……ほむらってのも隠すの手伝え」ボソッ
ほむら「ええ……さやか、これ被るといいわ」ボソッ・・・ポンッ
さやか「ええ?これって……マギ仮面じゃん。前から思ってたけどシュミ悪いよこれ」コソコソ
ほむら「余計なお世話。というかマギ仮面て何よ?さ、他人の振りなさい!」スポン
恭介「あれは夢じゃなかったんだ……さっきの黒いのも貴方が倒したんですよね?」
さやか「そっ!そうとも!私が全て解決した!!」
杏子「なんか声色かわってね?」ボソッ
まどか「さやかちゃん器用ー」ボソッ
恭介「さやかは!?さやかは無事なんですか!?」
さやか「もちろんだ!彼女は今別の場所で救出されている!」
恭介「よかった……ありがとうございます!!僕の大切な人なんです!!」
さやか「……そ、それは良かった。では!」タタッ
恭介「ま、待ってください!!せめて名前を!!」ガシッ
さやか「えっ!?ちょ……離してっ」
杏子「あ、素の声」
恭介「あ、あれ……貴方もしかして……」
さやか「やば……その!わ、私は!!」
恭介「女性の方ですか?」
さやか「……は?」
恭介「ご、ごめんなさい!僕ずっと貴女の事、男だって思ってて……憧れてて……」
さやか「い、いや……やっぱりそうだよね、あたし女には見えないよね……あはは」シュン
恭介「ごめんなさい!そうじゃないんです!その、あんまりかっこいいから僕が勝手に男だと……」
さやか「……幻滅したでしょ?こんな男女みたいなのが、憧れの人で……」
恭介「まさか!男女で何がいけないんですか!」
さやか「えっ……?」
恭介「かっこいい女の人だって素敵です。幻滅なんてするはずがありません!」
さやか「……ありがとう、君のお蔭で私はこの後も戦える。では」タッ
恭介「あ!名前!!」
さやか「私はマギ仮面!この世の悪と戦う者!縁があればまた会おう!はっはっはっ」タッタッタッ
まどか「いっちゃった……」
杏子「なんだよ、マギ仮面て」ポカーン
ほむら「さやか……やっぱり貴女は馬鹿だわ」ジトッ
さやか「おーい、皆ー!」ヒョコ・・・タッタッタッ
恭介「さやか!無事だったんだね!?」
さやか「うん、なんだかよくわかんないけど仮面の人に助けられちゃってさ、あはは」
夕方・学校
仁美『本日の文化祭は終了致しました。ホールにて多少の計器トラブルはありましたが無事……』
QB「あの後、文化祭を続けられて良かったね、皆」
ほむら「さやかが壊れたホールも怪我人も全て直したもの」
マミ「佐倉さんも無事だったし、本当に良かったっ」ギュウゥ
杏子「おいおい、抱きつくなって」アセアセ
まどか「ほむらちゃん、ほんとにありがとう、来てくれて」
ほむら「感謝なら、杏子に。私をここまで連れてきてくれたの」
杏子「ダメ元で声かけたら、協力してくれるってんだ。当然連れて行くさ」
マミ「暁美さん、貴女やっと一緒に戦ってくれたわね。佐倉さんの事も名前で……」ホロリ
ほむら「貴女達を見ていたら、少しおかしくなったみたいです。私」フフッ
QB「おかしく、か。今まで散々ツンケンしてた方がおかしかったんじゃないかい?ほむら」
ほむら「それについては謝るわ。ごめんなさい、皆」
杏子「その言葉、特に仲悪かったさやかに……て、あいつどこいった?」
マミ「……上条君と一緒なんじゃないかしら?皆、先に私の家に行きましょうね」ニコッ
屋上
仁美「……さやかさん、いらしたのですね」ガチャ
さやか「うん、話があるからね。仁美」
仁美「結論を聞かせて頂けるのですか?」
さやか「そっ……あたしは恭介が好き。仁美に負けないくらい、大好き」
さやか「だから、正々堂々勝負!受けて立つよ、仁美!これから同時に告白して……」
仁美「それでこそ!私の大好きなさやかさんですわっ!!」バッ
さやか「ちょ……だ、抱きつかないでよ、今から恭介来るんでしょ?あらぬ勘違いを……」
仁美「上条君?彼ならもう帰りましたよ?」
さやか「は……?え、だってあんた告白するって……」
仁美「ええ、もう終わりましたわよ。私の大好きなさやかさん?」
さやか「な、なんじゃそりゃー!?仁美!あたしはそんな趣味ないって!!」
仁美「何を勘違いされているのですか、私は上条君をお慕いしています。正々堂々奪い合いはこれから」
さやか「正々堂々奪い合いって……あんたまさか、それする為にあんなこと言ったの!?」
仁美「うふふ、どうでしょう?さやかさん、私負けませんからね」ニコッ
マミの部屋
さやか「ふいー……酷い目にあったもんだ」ガチャ
杏子「そりゃこっちの台詞だっての」
マミ「美樹さん、お帰りなさい!どうだった?楽しめた?」ニコニコ
まどか「さやかちゃん、ほんとに戻ってきてくれてよかったよぉ!」グスグス
ほむら「酷いのは貴女のネーミングセンスよ、さやか」
QB「遂に五つのソウルジェムが揃ったのに、今一まとまりがないなあ、君たちは」
マミ「じゃあ、まずは暁美さんが仲間になった記念パーティーよ!はい、ケーキ配って」
ほむら「!……ケーキ!」ピクッ
まどか「わー、おいしそうっ」
杏子「なんだなんだ、随分豪華じゃねーか、うまそっ」
さやか「マミさーん、さやかちゃんの復活パーティーはー?」
QB「パーティーも良いけど、少し話をしよう。食べながらで良いからさ。君について教えてよ、ほむら」
ほむら「……!」モグ・・・
QB「君は魔法界の人間だよね?それが何故この世界にいるのか、何者なのか、話してほしいんだ」
ほむら「そうね、話をしましょう。インキュベーター」
まどか「い、いんきゅ……?」
QB「僕の本名だよ、まどか。正確に言うと魔法生物学的な分類名さ」
さやか「キュゥべぇ!あんたそんな名前だったの?」
杏子「いん、きゅーべー、たー、でキュゥべぇか」
マミ「カッコいいわ!!なんでそんな素敵な名前を隠してたの!?」キラキラ
QB「なんだかインベーダーみたいで聞こえが悪いからね。君達に警戒心を持たれても困るし」
マミ「そうかしら、とってもカッコかわいいわよ?インキュベーター!」
QB「やめてよ、その呼び方。改めて呼ばれると、我ながらホントに侵略しに来た敵みたいだ」
ほむら「では、キュゥべぇと呼ぶわ。まず貴方、魔法界の姫マギカは知っているわね」
QB「もちろんだよ!会ったことはないけど……」
ほむら「でしょうね、私と貴方は魔法界では会っていないもの」
QB「ええ!?ということは君は偽物じゃなくて……」
ほむら「いえ、偽物よ。というよりマギカの影武者と言ったほうが正確かしら」
マミ「お姫様の影武者……?」
ほむら「王族ともなると敵が多く、本物の代わりに近しい魔力の素養を持つ影武者が必要なんです」
ほむら「そこで選ばれたのが魔法界で孤児だった私。マギカと同じ教育、生活を得たわ」
ほむら「でも扱いは所詮影武者。孤児上がりの私に王族の面々は冷たかった」
ほむら「その中で一人だけ、マギカだけは私を家族と言ってくれた……嬉しかったわ」
さやか「うわーなんか昼メロみたいな世界……魔法界ってもっとファンシーじゃないの?」
QB「実際、この世界と大して変わりない。人なんてほぼ一緒さ、見ればわかるよね?」
さやか「夢こわれるなー、全く」
ほむら「その生活も長くは続かなかった。ソウルジェムが見滝原に飛んで行ってしまったから……」
ほむら「王宮にあった二つのソウルジェムはマギカが引きとめたものの、魔女は復活してしまった」
QB「復活……?魔女は発生するものじゃないのかい?」
ほむら「……かつて大いなる魔女クリームヒルデが魔法界を襲った時、それに立ち向かった存在」
ほむら「たった一つ、白のソウルジェムを持つ魔法少女マギカ。最初の魔法少女よ」
ほむら「一方、クリームヒルデは手下に三体の強力な魔女を連れていた」
ほむら「クリームヒルデを封じることに全ての魔力をつぎ込んだ初代マギカは、その三体も倒しきれず封印した」
ほむら「ソウルジェムを五つに割り、赤青黄それぞれに三体の魔女を封じる結界を作らせたの」
QB「つまり、その三つが結界を作れなくなり、三体が復活したんだね」
ほむら「そういうことよ。残り二つはクリームヒルデを魔力から遮断する為の結界を作り」
ほむら「その上に、王宮が建設された。そして代々マギカという名が受け継がれている」
ほむら「これが、魔法界の魔女に関する歴史の全て」
マミ「初代マギカはそのクリームヒルデという魔女を倒せなかったの?」
ほむら「命を懸けても、魔力を奪い封じるのが限界だったようです」
まどか「命をかけてって……死んじゃったの?その人?」
ほむら「っ……わからない、行方不明になったとだけ文献に残っていたわ」
マミ「そんな強力な魔女が現れたらどうしたら……」
ほむら「それを阻止する為に魔女と戦わなければなりません。魔女の目的はクリームヒルデの復活」
ほむら「魔力を遮断する結界が無くなった今、魔女はクリームヒルデに魔力を捧げられる」
ほむら「ただ、クリームヒルデを覚醒させるには魔法界中のエネルギーでも足りなかった」
QB「そこでこの世界に目がつけられたという訳か」
ほむら「ええ、マギカと私は魔女と戦ったけれど、その三体を止める事は出来なかった」
ほむら「この世界に魔女が来る事を許してしまった。ごめんなさい」
まどか「そんな!ほむらちゃんのせいじゃないよっ」
マミ「そうよ、貴女は全力で戦ったんでしょう?」
ほむら「……いえ、私は逃げました。失う恐怖に負けて戦えなくなってしまった」
ほむら「そんな私を見かねて、マギカは私をこの世界に逃がしてくれた」
ほむら「でもそれは、私がマギカを見捨てたのと同じ事。ずっと一緒に戦ってくれたマギカを……」ギリッ
さやか「そういうことだったんだ……」
ほむら「もう二度とあんな思いはしたくない。だから私は一人で戦う事に決めたの」
杏子「でも、何もそこまで徹底しなくたっていいじゃねーか」
ほむら「仲間になれば、また同じ事が繰り返されるかもしれない。それが堪らなく怖い……」
ほむら「それに仲良くなってしまったら……」
杏子「たら、何だ?」
ほむら「魔法界への思いが鈍ってしまう……私はこの世界にいても良いんだって、そう思ってしまう……」
ほむら「そんな自分が……許せないの……甘い夢に甘えて、また逃げようとする自分が……」
まどか「……ほむらちゃん……かわいそうだよぉっ!!」ギュウゥゥッ
ほむら「!?……まどか」
まどか「ずっと一人で戦って、辛かったよね、痛かったよね……!?」ギュウウ
ほむら「……ええ、辛かった。痛かった。でもね、自分で選んだ道だから苦心するのは当然なの」
さやか「そんなあんたが、今じゃ仲間になってくれた」
ほむら「それは貴女のせい、とでも言えば良いのかしらね。さやか」フッ
さやか「え?あ、あたし?」
ほむら「低い可能性にも関わらず、貴女を救おうとする皆の強さ。可能性を覆し、貴女を救いだ出したその強さ」
ほむら「それを見ていたらね、甘えじゃなく、賭けてみたくなったのよ。夢に」
さやか「な、なんか恥ずかしいね、そこまで言われるとさあ」
ほむら「それだけじゃないわ。貴女達は力を合わせて、今まで誰にも出来なかったことをやった」
ほむら「三体の魔女の内、二体を倒したのだから……!」
マミ「もしかして、今回の魔女は封印されていた魔女だったの?」
ほむら「ええ、さやかに取り憑いたのはオクタヴィア。青のジェムに封印されていた魔女」
ほむら「そして前回私が倒した魔女がシャルロッテ。黄色のジェムに封印されていた魔女よ」
さやか「確かに、どっちも今までのに比べて手強さが段違いだった……」
ほむら「それでも貴女達は倒した。協力することが貴女達の強さ。それは初代マギカにも出来なかった事よ」
まどか「あ、そういえばその魔女たち、わたしを毎回おひめさまと間違えたんだけど……」
ほむら「それはそうよ、貴女、マギカにそっくりだもの。私も初めて会った時驚いたわ」
さやか「それでみょーにまどかに馴れ馴れしかった訳だ。このさやかちゃんを差し置いてっ」
ほむら「……そう、かもね。それに、まどかのソウルジェムは、元々マギカの物」
まどか「うぇ!?わたしのソウルジェムが!?」
ほむら「残った二つのジェムでマギカと私は変身し、戦ってきた」
ほむら「恐らく、魔女に完全に負ける前に、マギカはジェムをこの世界に飛ばしたのね」
QB「それを追いかけて僕がこの世界にやってきた。そしてそれがまどかに渡された……」
マミ「奇しくも姫の面影を鹿目さんに……これは運命よ!そうに違いないわ!!」
杏子「うんめーって、単に他人の空似じゃねーの?」
マミ「いえ!これはきっと運命!鹿目さんだけじゃない!」
マミ「私達は円環の理に導かれて約束の地ミタキハラに集った、伝説の戦士の再来なのよっ!!」キラキラ
杏子「何だ、円環の理て」ビシッ
ほむら「……マミさん、こんな人だったかしら、まどか?」ジトッ
まどか「うんっ、ほんとはとっても可愛い人なんだよ、マミさんって」
マミ「我ら魔法少女の敵は残存が一!輪廻の魔女ウロヴォロス!」
マミ「一騎当神たるこの力で、魔法界、いえ、全ての世界の救い手となるのよ!!」キラキラ
杏子「おーい、マミ。かえってこーい。うろぼろすってなんだー」
ほむら「マミさん、最後の魔女はそんなのではありませんよ。赤のソウルジェムに封じられたその名も」
???「ワルプルギス」
ほむら「そう、ワルプルギスよ。なんだ、知っているんじゃない……っ!?」
ほむら「何故その名を知っている人が!?」バッ
ワルプルギス「キャハハッ!そりゃ、自分の名前だからねぇ」ズズッ
まどか「天井に……逆さに立ってる、女の子……!?」
マミ「あ、貴女いつの間に!?誰なの!?」バッ
さやか「あんたも魔女だね!?」ザッ
杏子「そっちからお出ましとはいい度胸じゃねーか!」ザッ
ほむら「ワルプルギス……!!」ギリッ
ワルプルギス「まぁまぁ、そういきり立つんじゃあないよ。今日は戦いに来た訳じゃない」
ほむら「そっちにその気がなくたって、こちらはその気なのよ……!!」ギロッ
ワルプルギス「戦うにしたって、今のアンタ達は全員魔力不足さ。変身出来ないだろう?」
ほむら「っ……」
ワルプルギス「オクタヴィアとの戦い、劇的だったじゃないか!感動したよ、涙出そう!」パチパチ
ほむら「そんな無駄話をしに来たの!?目的を言いなさい!!」
ワルプルギス「全く、余裕がないねぇ……アタシは、告知と交渉に来たのさ」
マミ「告知と……交渉?」
ワルプルギス「悪い告知と、良い交渉があるよ。どちらから聞きたい?」
杏子「ちっ……悪い方から聞かせな」
ワルプルギス「魔法界と見滝原を繋ぐ扉がもうすぐ閉じる。もってあと三日と少し」
ほむら「何ですって!?どうして!?」
ワルプルギス「そんなのアタシに聞かないでおくれよ、最近になって勝手に閉じてきたのさ」
マミ「願いを叶え終ったから……見滝原に五つのジェムが揃ったからよ、きっと……」ポツリ
杏子「そうか、親父からあたしがジェムを受けとった時から……」
ワルプルギス「という訳で悪い告知はお終い。良い交渉に移ろうかねぇ」
ワルプルギス「扉も閉じることだし、アタシは魔法界へ帰ろうと思う訳さ」
まどか「うぇ……!?帰っちゃうの……?」
ほむら「どういうこと!?貴女達魔女はクリームヒルデの復活を……」
ワルプルギス「もちろん諦めちゃいないよ?ここからが交渉さ」
ワルプルギス「ソウルジェムを魔法界に返すことを諦めるなら、アタシは大人しく帰ろう」
ワルプルギス「もうこの世界に手は出さない事を誓おうじゃないか」
ほむら「それ……魔法界を見捨てろというの!?」
ワルプルギス「話を最後まで聞きなよ。魔法界の生物にも感情を戻してやっても良いんだ」
さやか「どういう風の吹き回し!?信用できるわけないじゃん!」
ワルプルギス「扉が閉じてしまったら感情の供給源がなくなるからね、その対策さ」
ワルプルギス「その感情を集め、クリームヒルデ様を復活させる。永い永い時間をかけてね」
マミ「魔法界の生物を家畜化する気……!?」
ワルプルギス「物は言い様さ、期限付きで平和を与えてやるって言ってるんだよ」
ほむら「詭弁だわ……!」ギリッ
ワルプルギス「この世界は救われ、魔法界も一時的に元に戻る。悪い話じゃない筈だがねぇ……」
杏子「しっかしなんで今になって……今まであたしらがやったことは無駄だってのか?」
ワルプルギス「無駄なもんか、魔女にも余裕がない奴がいてねぇ」
ワルプルギス「そいつを消してくれたお蔭で、この気の長い計画が実行できる」
ワルプルギス「でもそれには、ジェムと、アタシの生存を知る者が邪魔だ」
ワルプルギス「ジェムを集めて魔法界に帰ることを諦めてほしい、ホムラ」
ほむら「そんな事……できる訳が……っ」
さやか「この世界に手を出さないという確証もないよね?」キッ
ワルプルギス「はぁ……分かってないねぇ魔法少女!アタシはね、この世は喜劇だと思ってる」
ワルプルギス「何でも面白い方が良いのさ、だからクリームヒルト様を復活させたい」
ワルプルギス「魔女の覇権だとか、魔女の理想の世界とかそんな大それた物を目指しちゃあいない」
ワルプルギス「ただ!単純に!クリームヒルト様が様々な世界を蹂躙する姿を見たい!!」
ワルプルギス「でも、もう魔法少女のと戦いは見飽きた。かつての魔法界でね」
杏子「飽きたから、もう興味ないってことか……」
ほむら「こんな奴に……こんな奴に魔法界は……マギカは……!!!」
ワルプルギス「ホムラ、マギカも元に戻るよ?約束しようじゃないか」
ほむら「黙りなさい!!マギカは……私が戻る事を信じてくれた!」
ほむら「貴女の思い通りにはならないわよ!!ワルプルギス!!!」
ワルプルギス「良い表情するねぇ!でも、お友達は、どうだろうねぇ?」
マミ「…………」
さやか「…………」
杏子「…………」
まどか「…………」
ほむら「皆っ……!?」
ワルプルギス「クリームヒルデ様の復活は何百、何千年も先さ、魔法界だって当分平和だよ」
ワルプルギス「ホムラ、安心してこの世界で暮らすと良い。こんな素敵な居場所があるんだからねぇ」
ほむら「そんな……こと……っ」
マミ「っ……馬鹿にしないで!!そんな条件飲めると思っているの!?」
さやか「もう魔女の言葉なんて聞かないんだ!!あたしはほむらの味方だから!!」
杏子「ここまで人心惑わせといて、はいそうですかってできる訳ねーだろ魔女野郎!!」
ワルプルギス「!……さぁ、お姫様の偽物ちゃんは?」
まどか「……ゆるせない……ほむらちゃんの世界を……そんな理由で……」
まどか「ぜったいにゆるせないっ!!」バシュウッ
ワルプルギス「おっと、魔力がまだ残ってるとは驚いた!思わず引いちゃったよ!」ズザッ
ほむら「皆……!交渉は決裂よ!ワルプルギス……!!」ギロッ
ワルプルギス「そうかい。じゃ、アンタ達はアタシと戦うってことで良いんだね?」ズワワッ
マミ「勿論よ!私たちは伝説の魔法少女の再来!魔女なんかに屈しないわ!!!」バッ
ワルプルギス「んー!!いい見得切るねぇ!!良いよ良いよ!!」
ワルプルギス「決して受け身じゃなく、自らの意志で戦う道を選んだ魔法少女!!」
ワルプルギス「新しいねぇ……これを叩き潰すのが面白いんだ……!!」ズワワッ
ほむら「!?やはり今潰す気!?」
ワルプルギス「おっと失礼。今のは開演十分前のブザーってところさ」
ワルプルギス「変身も出来ない小娘なんて、叩き潰したところで何も面白くないからねぇ」
ワルプルギス「幕開けは三日後の零時丁度!扉が閉じる直前ギリギリまで魔力を回復させたげるよ!」
ワルプルギス「それでは、開演まで今暫くの日常を。キャハハハハハ……」シュンッ
ほむら「……行ったわね。皆、ありがとう!こんな頼もしい……」
杏子「っふはー!!ビビったぁ!!」ドサッ
さやか「ほんとだよ!何あの魔力!?足ガックガクだぁ」ドザッ
マミ「……」フラッ・・・バタン
まどか「うぇ?ああああ!マミさん気絶してる!!」
杏子「さっきまで一番威勢良かったのにか!?」
さやか「マミさーん!起きてよっ!」ペシペシ
マミ「う……ん……っ魔女ワルプルギス!!かかって来なさい!!この運命に導かれし巴マミが……」
まどか「もういっちゃっいましたよ、マミさん!おちついてーっ」アセアセ
ほむら「と思ったけれど、やはりそうよね。夢を見過ぎたわ」
さやか「あれ?そういえばキュゥべぇは?」
QB「…………」ガクガクブルブル
杏子「あそこでしっぽだけでてるのがそうじゃね?」
マミ「……あらあら、キュゥべぇったら弱虫さんね」
QB「う、うるさいな!あんなの僕みたいなのに耐えられる訳ないってば!」ガクガク
マミ「三日後に、さっきの魔女と総力戦になるのね」
杏子「それまで回復しろだとさ、よゆーかましやがって」
まどか「でも魔力なんてどうやって回復したらいいんだろ」
さやか「確かに、意識してなかったよね、今まで。キュゥべぇ、知ってる?」
QB「魔力は感情から生まれるんだ。普通に生活してればジェムに溜まっていく筈だけど……」
マミ「今回は時間がないわね……変身して戦えるまで行くかしら」
ほむら「私に考えが。これから三日間、貴女達は普通に過ごし魔力を蓄える」
ほむら「私も魔力を蓄えるけれど、変身は目指さない。戦闘直前で貴女達四人に魔力を譲渡する」
まどか「それって、まさか前にペットショップで……」
さやか「今日あたしにしてくれた、あれ?」
ほむら「ええ、私は魔法生物。触れてさえいれば魔力を急速に充填できる」
QB「なるほど、君の様な高い魔力の塊が触れることは、外部バッテリーを繋ぐようなものだからか」
マミ「でも、折角五つのジェムが揃ったのに……暁美さんは……」
ほむら「このままでは全員変身できません。特に私は回復には程遠いんです……」
ほむら「ですから、私の魔力で戦ってください。これで、一緒に戦うことになりませんか?」ギュッ
まどか「魔力は感情から生まれるなら、いっぱい笑ったり、泣いたりした方が良いのかな?」
ほむら「そうね、どちらかと言うと明るい感情のほうが溜まりやすい傾向にはあるけれど……」
さやか「じゃ、お笑いのDVDとか借りてこよっか?いつものショップで」
杏子「エクソシスト借りようよ!ドキドキするからさ!」
ほむら「人工的に作られたのはあまり……あくまで自然な感情が良いわ」
マミ「自然な?……難しいわね」
ほむら「そんな事ありません、お菓子を食べて幸せ、とか。家族と一緒にいられて嬉しい、とか」
マミ「お菓子を食べればいいのねっ」
杏子「なんだ、いつものマミじゃねーか」
マミ「な、なによ佐倉さん!私がお菓子ばっかり食べてるみたいにっ」
杏子「え?違うのかい?」
マミ「違うわよぉ!失礼しちゃうっ」プンスカ
さやか「あっはははは、杏子言い過ぎ!マミさんふくれてるじゃん!」
マミ「ああああっふくれてるって言わないで!美樹さんっ」ジワワッ
ほむら「ほら、自然に笑ったり泣いたりできる。これで良い……」
まどか「……ほむらちゃん。これから三日、わたしの家に泊まってほしいな」
ほむら「急にどうしたの、まどか?」
まどか「うぇへへ、ほむらちゃん言ったよね?家族と一緒にいて幸せって」
まどか「マギカちゃんには敵わないけど、わたし、似てるみたいだから一緒に過ごせたら」
まどか「ほむらちゃんの魔力もいっぱい回復できるかなって……」
ほむら「まどか……!」
まどか「あ、やっぱりダメかな?わたし偽物のおひまさまだし……」
ほむら「私も、偽物の姫よ。まどか……ありがとう……!」ギュウゥッ
まどか「……うぇへへ、よかった」
マミ「もう、美樹さん酷いっ!!嫌いよ!!」
さやか「はーいマミさん、ケーキどうぞ」
マミ「……はぐっ……もうっ……失礼っ…………はぁ、おいしいぃぃ……」ニパーッ
杏子「扱い慣れたもんだな、うちの子供らみたいだよ」ボソッ
さやか「伊達に一緒にケーキばっかり食べてないからね」ボソッ
マミ「さあ、皆!気を取り直してパーティーの続きよ!!いっぱいケーキ御馳走しちゃうっ!」パアァァ
まどか「ケーキ、美味しかったね。ほむらちゃん」
ほむら「ええ、本当に……」ホッコリ
まどか「うぇへへ、今日、お夕飯食べられないかも。あ、着いたよっ」
ほむら「ここが……まどかの家」
まどか「うん!遠慮しないで上がってね」ガチャッ
ほむら「……」コクッ
詢子「あー!まどかお帰り!遅かったじゃないかっ」
知久「お帰り、ご飯もうできてるよ」
タツヤ「まろかー」
まどか「うぇ?お母さんこそどうしたの?こんな早く」
詢子「会議が早く片付いてね。ん?その子は誰?」
ほむら「……」オズオズ
まどか「こ、この子はほむらちゃん。この前転校してきたんだけど、えと、家族が……」
詢子「……一人暮らしなわけか。ふーん……」ジロジロ
詢子「うん!この子はいい子だっ。おっし、何?うちで預かってあげればいいの?」
知久「どうかな?僕の料理、口に会えばいいけど」
ほむら「……美味しい!」パクッ
詢子「アタシの胃袋捕まえた料理だよ、当たり前田のクラッカー」
まどか「くらっかー?」
タツヤ「くあっかーっ!」
知久「ママ、それは流石に古いよ。ははは」
詢子「何、今の若い子は言わないのか?クラッカー」
まどか「うぇへへ、言わないよぉっ。ママ」
ほむら「……まどか、家族ってこうなのね……」ポツリ
まどか「……うん、そうだよ」
ほむら「良かった、涙がなくって……もしあったら、ちゃんと喋れる自信ないもの」
まどか「ほむらちゃん……」
詢子「さ、ほむら!自分ちだと思って、もっと食べなっ!まだまだあるから」
ほむら「……はいっ!」
まどか「よかったね、ほむらちゃん……」
まどか「お風呂、二人じゃちょっと狭いねっ」
ほむら「そうかしら、貴女細いから平気よ」
まどか「ほむらちゃんだって!背中、流してあげるね」
ほむら「……」コクッ
まどか「!……ほむらちゃん、よく見ると傷だらけ……かわいそう……」
ほむら「さやかの魔法は、治るだけで元に戻る訳じゃないもの。仕方ないわ」
まどか「ずっと……戦ってたんだね……」
ほむら「ええ、魔法界でも秘密裏に、マギカと一緒に……」
まどか「魔法界でも、誰も知らなかったの?魔法少女がいるって」
ほむら「最初の内はね。魔法少女がいるということは魔女が現れたということ」
ほむら「不安を煽れば魔女が増長するだけだったから……」
まどか「ほむらちゃん……頑張ったんだね」ナデナデ
ほむら「……ええ」プルプル・・・
ほむら「でもまだ、頑張らなきゃ……!」
まどかの部屋
まどか「マギカちゃんとも、一緒に寝てた?」
ほむら「ええ、マギカが夜は怖いからって、良く潜り込んで来たわ」フッ
まどか「そっか、じゃあ一緒に寝ようよっ。ベッド狭いけど……」
ほむら「細いから、大丈夫」
まどか「うぇへへ……なんだか恥ずかしいね。こんな、抱き合って寝るなんて」ギュ
ほむら「そう?私は慣れたものよ。……懐かしい」
まどか「どうかな?マギカちゃんみたい?」
ほむら「そうね……貴女……マギカと同じ匂いがする……」
まどか「うぇへへ、そっか」
ほむら「すー……」
まどか「……ほむらちゃん、おやすみ……」ナデナデ
まどか「……すー……すー……」
――――――――――――――――――――――――――――――――
219
ほむら「まどか……まどか!」
まどか「うぇ……?あ、ほむらちゃんおはよ……」パチッ
ほむら「お早う、起きて」
まどか「起きない……すー……」
ほむら「遅刻するわよ!」
まどか「……遅刻!今何時!?」ハッ
ほむら「七時」
まどか「なんだ……あと三十分ねむれる……」
ほむら「ほらっ!そんなだから貴女……マギカ!!」
まどか「まぎ?……あ、やっぱりマギカちゃんもこうだったんだね?」
ほむら「ご、ごめんなさい」
まどか「本物もそうならしかたないよね……すー……」
ほむら「まどか!まぁどぉかっ!!」グイグイ
キーンコーンカーンコーン・・・
まどか「うぇへへ、ほむらちゃんのおかげで今日は遅刻しなかったよ、ありがとっ」
ほむら「ええ、良かったわね……」グッタリ
和子「はーい皆さん!注目してください!昨日の文化祭は素晴らしかったですねーっ」
和子「その中でも特に素晴らしかったのは、彼の演奏ですね!入ってきてくださーい」
恭介「……皆、えと、ただいま」スタスタ
和子「上条君が退院しましたー!拍手ー!」
パチパチパチパチ・・・
恭介「皆、拍手なら演奏を成功させてくれた志筑さんにしてあげてよ」
仁美「か、上条君っ……」ポッ
さやか「…………」
パチパチパチ・・・
恭介「そして……退院までずっと支えてくれたさやかに、これは僕から個人的に」パチパチパチパチ
さやか「!……恭介!は、恥ずかしいやっちゃなもう!このキザ男!」カアァァッ
恭介「見てよさやか、僕の手、良く動くようになったでしょ?……ありがとう」パチパチパチパチ
放課後
さやか「恭介!一緒に帰ろっ」
仁美「上条君、宜しければ、帰り道ご一緒しませんか?」
恭介「二人とも、僕もこれから誘おうと思ってたところだったんだ」
さやか・仁美「え?」
恭介「今から一緒に、病院に来てくれないかな?」
さやか「病院に?」
仁美「今から、ですか?」
恭介「そう、是非二人に来てほしくて」
さやか「うん、良いけどさ。ってかあたしにとってはそっちのが普通だし」
仁美「では、三人で歩いていきましょう?」
さやか「仁美、あんたリムジンは?」
仁美「私、もっと世界を広げようと思いまして。この世界はハリボテではありませんもの」
仁美「それに、さやかさんや上条君と一緒に登下校出来ますし。うふふ」
さやか「なーるほどね!いい心がけだ、仁美!」グッ
病院屋上
恭介「えと、コホン。上条恭介スペシャルコンサートへようこそ」
さやか「何をするかと思えば……とっことんキザだね恭介!」
仁美「お客は私達二人だけですのね」
恭介「君たちは僕の恩人だからね、志筑さんはチャンスを、さやかは癒しを僕にくれた」
恭介「そして、もう一人僕には恩人がいる。勇気をくれた恩人が」
恭介「今はどこにいるか分からないからせめて、彼女をイメージした曲を作ったんだ」
恭介「やっと完成したから、恩人の君たちに一番に聞いてほしい」
恭介「それに、なんだかここなら伝わる気がするんだ。あの人に僕の演奏が……」
さやか「恭介っ……!」ジワッ
恭介「では、始めます」ペコッ
~♪・・・~♪♪!!・・・~♪・・・
仁美「切り裂く様な鋭さ……包み込む様な優しさ……相反する筈なのに調和が取れていますわ……!」
さやか「ほんと、何この曲……凄すぎるよ……!」パアァァッ
―――――――――――――――――――――――――――――――
杏子「……ん?」
子ども1「きょーこ!どーしたのー?」
杏子「お前たち、耳すましてごらんよ。ほら」
子ども2「……あーっ!いつものばいおりんだー!」
子ども3「このびょーいんのおんがくすきーっ」
子ども4「きょうはながーい」
子ども5「とまらないね、きょーこ!」
杏子「……完成したんだよ。曲がさ」
杏子「やっぱ安心する音だね、こりゃ」
子ども1「わたしもばいおりんやりたーいっ!」
子ども達「うん!やりたーいっ!」
杏子「おいおい、うちにそんな金ねっての!」
子ども達「えーーーーーっ」ブーブー
杏子「あっはは、参ったな、こりゃ」
♪~・・・
恭介「……ご清聴ありがとうございました」ペコ
恭介「どう、だったかな?」
仁美「素晴らしいですわ!!プロ顔負けの出来だと思います!!」パチパチパチパチ
さやか「……っ」
恭介「そ、それは言い過ぎだよ、志筑さん。……さやか?」
さやか「あ、あれ……なんでだっろっ……さやかっちゃん……涙……止まんなっくて……」ポロポロ
さやか「ごめんっね……おかっしいよね……こんなっ……ボロ泣きなっんて……」
仁美「……さやかさん、素晴らしい物に感動するのは恥ずかしい事ではありませんよ」ギュ
恭介「さやかがそんなに感動してくれるなんて……僕は本当に嬉しいよ!」
さやか「……っはは……じゃ、おことっばに甘えて……今日はっ思いっきり……泣くよ……」
仁美「悔しいですわね、さやかさん。上条君、勇気の恩人の事をお慕いしています」ボソッ
仁美「曲を聞けば一目瞭然ですわ。でも、諦めません。ね?」ボソッ
さやか「おう!それとっ……っ曲は……聞くっものでしょうがっ……仁美っ」ボソッ
さやか(ますます正体は明かせないや……正々堂々、だからね)
翌日・放課後
杏子「うお、さやか!今日目ぇ赤いね、どうしたよ?」
マミ「大丈夫?」
さやか「いや、ちょっとね……平気です」
杏子「おいおい、こんな大事な時期にフラれたのか?そういうのは生きて帰ってから」
マミ「ま、まさか生きて帰ってきたら付き合ってとか言ってないでしょうね!?それは駄目よ絶対!」
さやか「だから告白じゃないって!!」カアァァッ
杏子「そっかい、なら良いんだけどさ。じゃあたし帰るから」ヒラヒラ
マミ「美樹さん、気長に行くのよっ。それじゃあね」グッ
さやか「全く、あの二人はなんだかなあ……」
マミ「それじゃ、佐倉さん。また明日ね」スタスタスタ
杏子「おう、また明日」タッタッタッ
杏子「明日……明日の深夜か……」
教会
杏子「なあ、親父」キイィ・・・
杏父「ん、杏子か。どうしたんだい?何か用かい」
杏子「……その……母さんの話なんだけどさ」
杏父「母さん、か」
杏子「……どんな人だった?」
杏父「そりゃあもう素敵な人だったよ。まさに聖母マリア様のような人だった」
杏子「シスターやってたんだっけ、母さん」
杏父「そうだね、恥ずかしい話、私は一目惚れして、近づきたくて神父を目指したんだ」
杏子「なんじゃそりゃ!それでも聖職者かよ!」
杏父「ははは、愛に生きたんだ。主もきっとお許しになるさ」
杏子「物は言い様だなあ……」
杏父「母さんはね、遺言でも、世界中の人々を愛してと言っていた。愛に溢れた人だったよ」
杏父「でも私はそれに忠実に生きようとして……愛の向きを少し違えてしまった」ギュウウ
杏子「お、おい親父!?抱きつくのは恥ずかしいって……」
杏父「私は世界を愛する代わりに、杏子に愛を注いでやれなかった。寂しかったろう」ギュウゥゥ
杏子「親父……」
杏父「どうか……どうか私を許しておくれ……杏子……済まない……」ブルブル・・・
杏子「…………貴方の罪は神の御前において全て許されました」ナデ・・・
杏子「父と、子と、精霊の御名において……アーメン」スッ
杏父「杏子……それは……!」
杏子「いや……あたしさ、シスター目指してみよっかなって……母さんみたいに」
杏子「親父と一緒に働けるしさ、これなら、いつでも愛せるでしょ?」
杏父「ああ!杏子!!流石私の娘だ!!」ギュウウゥゥッ
杏子「ちょっ……親父ギブギブ!!」バンバン
杏父「いやー感激だ、杏子が私と同じ聖職者を目指してくれるとは……!」パッ
杏父「でも、聖職者たるものその言葉遣いは頂けないな。父さんと」
杏子「え!?そ、そんなの恥ずかしくって……ああ、全く……と、父さん」
杏父「流石私の娘だ!!素直でよろしい!!」ギュウウゥッ
杏子「だぁかぁらぁ!抱きつくなっての!!」ジタバタ
マミの部屋
マミ「そっか……うん……やっぱり……うん、良いの……はい、それじゃあね」ピッ
マミ「はぁ……」
QB「ご両親……今日も帰れないって?」
マミ「ええ、残念。明日は……っ」
QB「ま、マミ、一緒にケーキを食べよう!元気が出るよ!」
マミ「そうね、キュゥべぇ……元気出さなきゃ」ニコ・・・
QB「ほら、このシュークリームすごく美味しいよ!!」
マミ「……キュゥべぇ、貴方がいてくれるから最近ね、もう寂しくないの。本当にありがとう」
QB「何言ってるんだ、マミ。君こそ僕に良くしてくれる」
マミ「ええ、私、貴方の事大好きだもの」
QB「情熱的な告白をありがとう、マミ。さ、シュークリーム食べて!」
マミ「いただきますっ……うん……おいしいぃ……」ニパーッ
QB「やっぱりマミはその笑顔が一番だねっ」
マミ「明日で、全てが終わるのね」
QB「そうだね、君たちには驚かされっぱなしだった。短い間だったのに、なんだか懐かしいよ」
マミ「本当ね。こんなこと言うと不謹慎かもしれないけれど、貴方がこの世界に来てくれて良かった」
マミ「本当の私を見てくれるお友達がたくさん出来たもの……ありがとう」
QB「僕は何もしていないよ、強いて言うなら円環の理の導きじゃないかな」
マミ「分かってきたわね、インキュベーター!」
QB「だからその呼び方やめってってば」
マミ「うふふ、かっこいいのに……こんな会話ができるのも明日で最後かしら」
QB「マミ……」
マミ「どうしてかしら、甘い物で幸せになるのに……どうして……」シュン
QB「……マミ、実はね、僕はただ魔女が恐ろしくて魔法界から逃げてきただけなんだ」
QB「偶然、ピンクのソウルジェムが見滝原に飛び立つところを見て、使命感を持っただけで」
QB「それまでは、魔女に気づかれぬよう、情報だけを集め、隠れて生きてきた」
QB「そんな僕には、ほむらのように待ってくれている人はいない」
マミ「キュゥべぇ……」
QB「だから……君さえよければ、僕はこの世界に残るよ……!」
QB「例え扉が閉じても、君と暮らせるなら、またこうやって話せるなら」
QB「僕はそれでも構わないと思う」
マミ「ほ、本当に……!?」ジワッ
QB「うん、それにキャットフードは魔法界じゃ売ってないからねっ」
マミ「……ふふっ、キュゥべぇ!決め台詞がそれじゃ折角の感動が台無しよっ」ポロ・・・
QB「じゃあしっかり決めさせて貰おうかな」
マミ「どうぞっ」
QB「マミ、この戦いが終わったら一緒むぐっ!?」グイッ
マミ「キュゥべぇ!その台詞は絶対に駄目!!めっ!!」
QB「きゅっぷは!そうなのかい?こっちの世界は良くわからないな」
マミ「これから覚えていけばいいじゃない」
QB「……うん。これから、だね」
マミ「これから、よ」ニコッ
翌日・深夜
ズズズズズズッ・・・
ほむら「まどか、始まったわ。今よ」コソコソ
まどか「うん、いこう!急がなきゃ!」コソッ
詢子「おい、不良娘ども」
まどか「ママ……!?」
ほむら「……!?」
詢子「こんな時間にどこに行くってんだ?外は嵐だってのに」
まどか「ママ、何ともないの!?タッくんは!?」
詢子「何が?タツヤも普通に寝てたよ」
ほむら「エネルギー吸収の影響を受けていない……!?」
まどか「どうしようほむらちゃん……早くいかないとみんなが!」
詢子「何コソコソ話してんだよ?どこに行くんだって聞いてんだ」
まどか「……説明してる時間がないの!!お願い、いかせてっ!!」
詢子「馬鹿言うな!こんな時間に、しかも嵐ん中、娘を外に行かせる親なんている訳ねぇだろ!!」
まどか「ママ!!もう時間がっ!!このままじゃみんながっ!!」ジワッ
ほむら「……まどか」ギュッ・・・ジッ
まどか「ほむら、ちゃん?………………うんっ」コクッ
詢子「ほむら、アンタがうちのまどかを誑かしたのか?良い子だと見たんだが、とんでも」
まどか「ママ!いまから起こること、しっかり見てて!!」キッ
詢子「な、なんだよ、まどか。アンタそんな顔いつ出来るように……!?」
まどか「…………っ変身」
キュピーンッ・・・パアアアァァァァァッ
まどか「心を染める愛のピンク、魔法少女まどか」キュピーンッ
詢子「おいおい、なんの冗談だ……まどか、なのか!?」
まどか「そうだよ、ママ。わたし、魔法少女やってるの」
詢子「魔法少女ってアンタ……ファンタジーの世界じゃないんだから……」
まどか「でも現実に確かにあるんだよ!見て!」キュピーンッ・・・ポンッ
まどか「この弓矢で、人の心を食べる怪物、魔女を倒してるの」
まどか「わたしの話、信じてくれる?ママ」
詢子「……アタシは、目で見たもんは信じる主義だ……」
まどか「じゃあママ、聞いて!今見滝原にとっても強い魔女が来てるの!!この嵐もきっとそのせい!!」
まどか「今すぐわたしとほむらちゃんが行かないと、人の心がみんな食べられちゃう!!」
まどか「この世界がめちゃくちゃにされちゃう!!」
まどか「ほむらちゃんの家族も助けられなくなっちゃう……!!」ポロッ
まどか「他のみんなが……友達が……魔女にやられちゃう……!!」ポロポロ・・・
まどか「だから……いかせてっ!!!!」ボロボロ・・・
詢子「……なんつー顔するんだよ、まどか……」
詢子「……一つだけ聞かせな。何で黙ってた?」
まどか「それは……ママやパパに心配かけたくなくて……」
詢子「っ馬鹿野郎!!」パシーンッ
まどか「いっ!!」ヨロ・・・
詢子「怪物と戦うなんざ安全な筈がねぇ!!そこでアンタが大怪我したら!死んだら!」ガシッ
詢子「何も知らされてないアタシらがどう思うか考えなかったのかよ……!!」ギュウウゥゥゥッ
まどか「ママ……ご……ごめんなひゃいぃ……」ボロボロ・・・ギュウウゥゥゥッ
詢子「アンタらが行かなきゃ大変なことになんだろ!?おっし、早く行け!!」バッ
まどか「ママ、ありがとう!!」ダッ
ほむら「安全な場所に避難していてください……!」ダッ
詢子「ただし!てめーの命はてめーだけのモンじゃねぇからな!!忘れんなぁ!!」
詢子「分かったら行けええええっ!!魔法少女コンビ!!!」
まどか「うん、いってくる!!」
ほむら「分かりました!!」
まどか「ほむらちゃん、急ごう!!」トテトテトテッ
ほむら「ええ……まどか、頬、痛くない?」
まどか「痛くないよ……あったかい!」
ほむら「……やっぱり家族って、良いわね……!」
まどか「取り戻そう!ぜったい!」
ほむら「ええ!!」
まどか「みんなー!!」
マミ「良かったわ、鹿目さんと暁美さん!来てくれたっ」
さやか「もう!おっそーい!!何してんのさ?まどかっ、ほむらっ」
杏子「てか何先に変身してんだよ、まどか!ずりーぞ!」
QB「ほむら!皆に魔力を!」
ほむら「ええ、皆、手を繋いで」ガシッ
まどか「すごい!まだまだ魔力が流れこんでくる!」ガシッ
マミ「ありがとうね、暁美さん!!」ガシッ
さやか「これだけあれば変身どころかどんな傷だって治せる!!」ガシッ
杏子「きたきたきたきた!!みなぎってきたああああああっ!!」ガシッ
―――――――――ズッ・・・ワワワワワワワッ
QB「ひっ……この魔力は!!」
ワルプルギス「ただ今、当劇場は開演時間を迎えました。本日の公演内容は”魔女と魔法少女”」ズズズッ
ワルプルギス「自ら戦い、滅び行く道を選んだ少女の喜劇物語に御座います……請う、ご期待」クルンッ
ワルプルギス「なお、公演中のご退場等はお控え頂きますよう……お願い申し上げます」シュタッ・・・ペコリ
ほむら「今日はきちんと地面に立った……本気ね」
ワルプルギス「本気には本気で応えないと、役が喰われるだろう?」
杏子「よっしゃ、行くぞ!!」
さやか・杏子・マミ「変身!!」
キュピーンッ・・・パアアアァァァァァッ
さやか「心を包む癒しの青!魔法少女さやか!!」シャキーンッ
杏子「心を燃やす情熱の赤!魔法少女杏子!!」シュピーンッ
マミ「心を繋ぐ絆の黄色!魔法少女マミ!!」ティローンッ
マミ「汝の在るべき姿に戻れ!グリーフシーーード!!」バッ
ほむら「皆……あとはお願いね……!私は……」ガクッ
QB「ほむら、安全な場所に移動を……」ダッ
ワルプルギス「言ったはずだよ?ご退場はお控え頂くってさぁ!」パチンッ・・・ガチャンッ
ほむら「これは、結界!?」
ワルプルギス「舞台が広いと役者が潰れるからねぇ……役者は七人、小劇場が丁度いい」
ワルプルギス「さ、幕を上げようじゃないか……!!!」
杏子「先手必勝おおお!!」シュタッ・・・バキンッ
ワルプルギス「速いねぇ……でも軽い」ベシンッ
杏子「うわっ!?」ヒュンッ
マミ「佐倉さん、私が張ったリボンを踏み台に!!そのまま加速!!」シュルルルッ・・・ビィンッ
杏子「ナイス!熱き情熱、陽炎を呼べ!!」シュタッ・・・キュウウウゥゥ
杏子「ロッソ・ファンタズマ!!」ギュンッ・・・ジャキンッ
ワルプルギス「!?っと危ない!人間パチンコに槍つけるたぁ、やるねぇ!!」
まどか「ええぇぇぇいっ」ポカンッ
ワルプルギス「槍はフェイク!本撃は拳かい!?こっちは重いねぇ……舞台に嵌っちまう」メリメリッ
さやか「地面壊れた!癒した傷よ、刃に変われ!スクワルタトーレ!!」キュウウウ・・・ズバァッ
ワルプルギス「面白いくらいの連携……これは……」
ほむら「足元を固めたわ!これで動けない!リボンで拘束を……!」
ワルプルギス「そうだねぇ、良い役どころ見つけるじゃないか!ホムラ!!」
マミ「まかせて!」シュルルルルルッ
ワルプルギス「こちらも使ってみようか、仲間の力ってやつをさ」シュルルルッ・・・ガシッ
マミ「!?リボンに何か絡んだ!?あれは……荊の蔓!?」
まどか「あれって……!」
ワルプルギス「ゲルトルート!!」
マミ「それは私が倒した魔女の力!?何故貴女が……!?」
ワルプルギス「なぁに、ただの演技だよ。演技。折角の最終決戦だ」
ワルプルギス「これまでのあらすじ、なんてのが必要だと思ってねぇ……エリー!」ポンポンポンポンッ
杏子「なんだ!?この光ってる箱どもは!?」
まどか「……!みんなそれに触らないで!!ハコにされちゃう!!」
さやか「じゃ、あたしと杏子は攻撃できない……」
ほむら「まどか!フィニトラ・フレティアを拡散させて!」
まどか「うぇええ!?そんなことできないよっ」
ほむら「マギカにはできたのに……分かった、私に触れて。魔力コントロールは私が!」
まどか「うん!愛する思い、矢になり届け!フィニトラ・フレティア」パシッキュウウゥゥ……シュババババッ
ワルプルギス「箱を全て射抜くとは、素晴らしいコントロール!絵になるねぇ!!」
マミ「隙有り!!紡ぐ絆よ、魔弾を導け!!ティロ・フィナーレ!!!」キュウウゥ・・・ドウウウゥゥンッ
ワルプルギス「エルザ!」ドポンッ・・・ボウンッ
マミ「あれは病院の時の!」
ワルプルギス「そろそろ足も抜かないとねぇ」ニュルン
さやか「杏子!あたしたちの出番!!」シュタッ
杏子「おうよ!!待ってた!!」ヒュンッ
さやか「スクワルタトーレ!!」ズバアァァッ
杏子「ロッソ・ファンタズマ!!」ザシュザシュザシュザシュッ
ワルプルギス「くっ……!?成程ねぇ、この体、刃物は効くんだったよ……!!」
ほむら「まどか!矢で追撃!!」
まどか「うん!!フィニトラ・フレティア!!」バシュウウウゥッ
ワルプルギス「まずいねぇ、ギーゼラ!!」シュンッ
マミ「外れたわ!!あの車輪は佐倉さんの時の……!」
杏子「その速さは攻略済みなんだよっ!!」シュンッ
ほむら「杏子!狙うのは車輪だけで良いわ!!」
杏子「ったりめーだ!」バキンッ
ワルプルギス「!?なんだこりゃ、車輪なくすとここまで体が重くなるか……!?」ガクンッ
ほむら「皆、ワルプルギスは魔女の能力を模倣出来るけれど全容は把握できないみたい!見たままの知識しかない!」
マミ「仲間を知ろうとしなかったのが貴女の敗因よ、ティロ・フィナーレ!!」キュウウゥ・・・ドウウウゥゥンッ
ワルプルギス「くっ……イザベル!何か出ないものかねぇ!?」
―――――――――――ドウウウゥゥンッ――――――――――――――
マミ「空中で相殺された!?一体何が!?」
ほむら「今、ワルプルギスもティロ・フィナーレを放ちました!」
ワルプルギス「模倣能力の模倣か、中々に面白い状況だねぇ」
ワルプルギス「アルベルティーネ!……フィニトラ・フレティア」バシュウウウゥゥッ
まどか「うぇえええ!?わたしの技だあぁっ!?きゃ!?」ペチンッ
まどか「あ、あれ?痛くない……?」
杏子「なんだ、ハッタリコピーじゃねーか!」
ワルプルギス「フィニトラ・フレティア!」バシュウウウゥゥッ
杏子「だからそんなハッタリきかね!?ぐああぁ!?」ドパアアァンッ
さやか「何やってんのさ杏子!治すよ!?」ポウッ
杏子「くっそ、ドジ踏んだ……!効くのと効かないのがあるよ、あいつのコピー!」
マミ「だったらリボンで周りを囲って……偽物はリボンすら通過できないわ」
ワルプルギス「籠城戦決め込むんなら閉じ込めてやるさ、ロベルタ!」パチンッ・・・ガシャーンッ
マミ「なにこれ、檻!?」
まどか「これ、ペットショップの時の……!?」
ワルプルギス「キャットファイトならぬ、ドッグファイトでデスマッチなんてどうかねぇ?ウーアマン!」
ズワワワワワワワワ・・・
さやか「な、何?檻の中に……犬の化け物!?」
ほむら「魔力で出来ているようね……」
まどか「杏子ちゃん!このワンちゃんたちすっごく動きがはやいの!」
杏子「任せとけ!!」シュタンッ
まどか「ほむらちゃん、この前みたいにオリ、壊せないかな」
ほむら「この前は大量に魔力をつぎ込んだから……今回もあれをやるには魔力が足りないわ」
マミ「……私に考えがあるわ」
QB「……」ガクガクブルブル
マミ「キュゥべぇ、お願いがあるの」
QB「な、何!?たたた戦えとか絶対無理だだだからね……」
マミ「このリボンの切れ端、持って檻の隙間を抜けるの。抜けたらオリの骨にリボンを当てて」
QB「そ……それだけ?本当にそれだけ?」
マミ「貴方にしかできないわ、急いで!」
杏子「くっそ!こいつら多い!誰か手伝ってくれ!」バキンッバキンッ
ほむら「杏子が捕まえて、まどかにパス!まどかは殴るだけ!!」
杏子「よっしゃ!まどかパス!!」バッバッバッ
まどか「うぇええええ!?そ、そんないきなり!こっ、こないでぇ!!」ポカポカポカッ
QB「まままマミ!準備おっけー……!」
マミ「美樹さん、このリボン直して!全力で!!」
さやか「了解!!癒した傷よ、刃に変われ……ってリボンが骨に伸びてく!?」キュウウゥ・・・バキンッ
マミ「やっぱり、治す力に負けて骨が壊れたわね!?美樹さんあそこに今の傷を!!」
さやか「マミさんあったまいーっ!スクワルタトーレ!!」ズバアアァァ・・・ドッパアアァァンッ
ワルプルギス「驚いた……あのオリを壊すとはねぇ……」
ワルプルギス「魔法少女、予想以上に楽しめるじゃないか……パトリシア!!」ジャキンジャキンジャキン
まどか「うぇえええ!?刃物がいっぱい飛んでくる!?」
マミ「私のリボンで!」
さやか「駄目だよマミさん!リボンは刃物には……!!」
杏子「あたしが分身して捌く!」
マミ「駄目よ佐倉さんは働きすぎ!!ここは任せて!」
マミ「暁美さん、さっきの鹿目さんみたいに魔力コントロールで私のリボン正確に動かせるわね!?」スッ
ほむら「触れてさえいれば!!」ガシッ
マミ「刃物の側面を叩いて軌道を逸らすわ!!動かして!!」
ほむら「分かりました!!」
―――――――――パシンッパシンッパシンッパシンッ・・・
まどか「すごい……一個も当たらないっ!!」
さやか「弱点克服してる!!マミさんほんとにすごっ!」
マミ「暁美さんがいてくれるお蔭よ、一人ぼっちじゃ、こんなことできないわ」
ワルプルギス「ズライカ!」ズズズズッ
――――――――――――ドプンッ
まどか「なにこれ!?黒い沼みたいのに沈む……!?」
さやか「なんだろ……なんか……ぼうっとして……」
マミ「なんだか……安心する……」
ほむら「くっ……」グワンッ
杏子「こいつはあのハリボテ野郎か!!マミ!全員リボンで縛れ!!」ガシッ
マミ「っ!……分かったわ!」シュルルルッ
杏子「とっとと目覚ませ!!戦ってんだぞ!!」ポウゥッ
さやか「!……黒いのが引いた!」
ワルプルギス「シャルロッテ!!」グワパッ
まどか「おっきい口!?今度は飲みこまれるよ!?」
――――――――バクンッ――――――――――
ワルプルギス「流石に抵抗できなかったかねぇ?……っ!?」
杏子「ロッソ・ファンタズマァ!!!中からの攻撃にゃ弱いみてーだな!?この大口野郎は!!」ジャキーンッ
さやか「癒した傷よ!刃に変われ!!」シュタッ・・・キュウウゥゥゥ
ワルプルギス「シャルロッテの傷から剣を!?」
さやか「スクワルタトーレ!!」ズバアアアァァッ
ワルプルギス「オクタヴィア!!」ガキンッ
マミ「甲冑と剣の力!」
ほむら「今!」
まどか「えええぇぇいっ!!!」シュタッ・・・ゴガンッ
ワルプルギス「ぐふっ!?……甲冑砕くなんて……なんて力だい……」ピシ・・・ピシ・・・
マミ「皆!!全力で行くわよ!!」キュウウゥ・・・
杏子「熱き情熱!陽炎を呼べ!!ロッソ・ファンタズマ!!」ザザザザザンッ
さやか「癒した傷よ!刃に変われ!!スクワルタトーレ!!」ズバァァッ
マミ「紡ぐ絆よ!魔弾を導け!!ティロ・フィナーレ!!」ドウウゥゥゥンッ
まどか「愛する想い!矢になり届け!!フィニトラ・フレティア!!」バシュウウゥゥッ
――――――――――ドッパアアアアアアァァァンッ―――――――――――――――
杏子「全力くれてやった……」ガクッ
さやか「もう傷一つ治せそうにないや……」
マミ「はぁ……はぁ……」フラ・・・
まどか「こ、これで……」ヨロ・・・
ワルプルギス「そう、これであらすじはお終い。本編と行こうじゃないか!キャハハハッ」シュウウゥゥ・・・
ほむら「あれだけやってもまだ……」オドッ
ほむら「私達を、弄んだのね……ワルプルギス……!!!」ギリリッ
ワルプルギス「とんでもない!アタシは本気だった!!」
ワルプルギス「本気でアンタ達に負けていった脇役達の姿を演じたのさ!キャハハハハッ!!」
マミ「そん……な……」
ワルプルギス「どうした?笑いなよ?自分達の無力さに。これは喜劇物語と言っただろう?」
ワルプルギズ「それとも、演者は舞台上で自ウケしちゃ不味いってかい?」
ワルプルギス「気にすることはないよ、アンタ達はそろそろはける時間だ」
ワルプルギス「脇役が、最後まで舞台に立てる訳はないのだからねぇ!!」
――――――――――――ズワワワワワワワワワワワワッ―――――――――――――――
――――――――ズワワワ・・・・・・
マミ「う……」パシュン
杏子「ちく……しょぉ……」パシュン
さやか「くっ……」パシュン
まどか「…………」
QB「そんな……皆……やられた…………一瞬で……」ガクガク
ほむら「あ……ああ……こんなことって……」ガクガク
ワルプルギス「良い表情するねぇ、ホムラ。もっと良く見せておくれよ」グイッ
ほむら「うぐっ……離しな……さいっ」
ワルプルギス「嫌だ、こんな恐怖と絶望の調和がとれた美しい表情、中々お目にかかれない」
ワルプルギス「そうだ!このままアンタから感情は奪わずに、この世界が壊れて行く様を見せてやろう」
ほむら「……!?そんな事をして何になるの?私を苦しめても……」
ワルプルギス「おんやぁ?まさかこっちの世界に居付きすぎて、自分が何者かも忘れたのかい?」
ワルプルギス「アンタは強い魔力を持つ魔法生物だよ?それが心から恐怖と絶望に染まれば……」
ほむら「ま、まさか貴女……私からグリーフシードを……っ」ガクガク
ワルプルギス「さぞ強力な魔女が生まれるだろうねぇ……負の感情への落差が大きい分、アタシより強いかも」
ワルプルギス「アンタは魔法界で家族を失い、この世界で仲間を失い……」
ワルプルギス「その絶望の中で魔女を生む。魔女と戦う存在であったにも関わらずねぇ!!」
ワルプルギス「なんて喜劇だろう!?キャハハハハハハハハハハハハハハッ!!!」
ほむら「そんな……っ……嫌……いやぁ……!」ガクガク
ワルプルギス「んんんん!!良い!!なんて顔だろう!!これだから感情は素晴らしい!!」
ワルプルギス「これからもっと、もっと良い顔を……!?」
まどか「……ほむらちゃんをはなして」ユラッ
ワルプルギス「なんだ?なんでアンタ変身が解けてないのさ?面白いこともあるもんだ、キャハハ!」
まどか「なにが、おもしろいの?ほむらちゃんからすべて奪って……」
まどか「ぜんぶめちゃくちゃにしようとして……」
まどか「そんなひどいこと考えて……なにが!おもしろいの!?」ボロボロ・・・
――――パアアアァァァァァッ
ワルプルギス「魔力がまだ湧いてくる!?」ザリッ
まどか「そんなこと、絶対にさせないから!ほむらちゃんをはなして!!」パアアアァァァァァッ
ワルプルギス「ぐ!?」バッ
ほむら「っ……」フラ・・・
まどか「ほむらちゃん!」ガシッ
ほむら「まどか……貴女まだ動けるの……!?」
まどか「うぇ、えと、ほむらちゃんが苦しんでるの見たら……なんか勝手に……」
ワルプルギス「素晴らしい友情だねぇ……涙が出そうだよ!」パチパチパチパチ
ワルプルギス「だがそれが閉演を飾ることはない!!これは喜劇だからねぇ。オチは笑いが起きなきゃあ」
ワルプルギス「感情を奪われ滅茶苦茶になるしかない希望のない世界の中で、自分の無力さに笑いが起きるはずさ」
ワルプルギス「そうだろう?最後の魔法少女?キャハハハハハハッ!!!」
まどか「……」キッ
ワルプルギス「笑いなよ?」
まどか「……」
ワルプルギス「笑え」
まどか「……」
ワルプルギス「笑ええぇぇっ!!!!」ゾワワワワワワッ
まどか「笑わないよ、ワルプルギス」
まどか「わたしたち、まだ力が残ってるもん……」
ワルプルギス「たち?どういう意味かねぇ?」
まどか「そうだよね?ほむらちゃん。みんな」
さやか「……感情なくなったら……音楽楽しめないじゃん……ほむらには恭介助けてもらった恩返しもしなきゃ!」グググッ
マミ「……私の大切なお友達のいる世界で、生まれた世界で……酷いことしないで……これからが、あるの……!」グググッ
杏子「……今回のはあたしが原因なんだ……絶対に魔法界を元に戻す……感情奪うとか人心惑わすのは許せねぇ!」グググッ
――――パアアアアアアアアアァァァァァッ
ワルプルギス「!?」
ほむら「私はもう逃げない……!この世界も、魔法界も、両方必ず救って見せる!!大切な家族と仲間の為に!!」パアアアァァァァァッ
まどか「ワルプルギス!わたしたちはあなたを倒し、この世界を救って、魔法界をとりもどすよ!!」パアアアァァァァァッ
まどか・ほむら・さやか・杏子・マミ「絶対に!!!」
―――――――――――――――シュバアアアアアアアアアアアアアアアアッッ―――――――――――――
ワルプルギス「な!?この白い光は……!!」ズザザザザッ
まどか「この白い光……私のソウルジェムから……?」
マギカ「やっと、五つの主の心が一つになったわね……」
まどか「あなたはわたし……じゃない。マギカちゃん?」
マギカ「ええ、やっと会えたわね。ピンクのソウルジェムの主まどか」
まどか「うぇ?わたしの名前……」
マギカ「私は厳密にはソウルジェムの奥底に封印されていたマギカの魔力」
マギカ「貴女のことは、ソウルジェムの中からいつも見ていたわ。ホムラの事ありがとう」
まどか「うぇへへ、どういたしまして。それより、この光って……」
マギカ「私はソウルジェムを見滝原に飛ばすとき、ジェムに命じたの」
マギカ「それぞれの主の心が一つになった時、本来の姿を取り戻すように」
マギカ「逆に協力出来ないのであれば、反発するように」
マギカ「今、主の心が一つになり、五つのソウルジェムが繋がろうとしているわ」
マギカ「そして私は魔力として貴女の魔力と融合する。きっと役に立つわ」
マギカ「それじゃ、頑張って」フワッ
さやか「まどかのソウルジェムが白く光ってる!!」
マミ「光の帯が私たちのソウルジェムに!?」
杏子「なんだか魔力が少しずつ戻ってるよ!!」
ほむら「これは、ソウルジェムがリンクして本来の一つに戻ろうとしてる……!」
ワルプルギス「あの憎っくき光……!!はるか昔に見た忌々しき白い光!!」
ワルプルギス「取り戻させる訳にはいかないねぇ!!!!」キュウウウウウゥゥゥ……
マミ「皆!ワルプルギスが!」
ほむら「魔力を収束させて放つ気よ!!ま、まだリンクが完全じゃない!!」
さやか「このタイミングで攻撃されたら、ヤバいんじゃ!?」
ワルプルギス「消し飛びなぁっ!!!」ドッパアアァァァァァァッッ
マミ「い……いやあああああああああ!!」ギュッ
QB「さ、させるかあああああああああああああああああ!!」シュタンッ・・・バシィィィィィィッ
マミ「キュゥべぇ!?まさか貴方が攻撃を受け止めてるの!?」
ワルプルギス「このアタシの魔力を魔法の精ごときが、どうやって!?」
QB「僕の事は気にせずに!ジェムに集中するんだ!!」
ワルプルギス「何故耐えられる!?アンタみたいな矮小な魔法生物が!」
QB「はは、子ども達に鍛えられたからかな?」ボロ・・・ボロ・・・
ワルプルギス「……!泣かせるねぇ……でも終わりだよ!!!」ドッパアアァァァッ
――――――――ドウウウウウウウンッ―――――――――――
ワルプルギス「キャハハハハハッ!!光が消えたねぇ!!」
ワルプルギス「どうやら、間に合わなかっ」
ほむら「残念だけれど、リンクは完了したわ」ブワサッ
さやか「光なら、ジェムの中にあるけど?」
杏子「それも今までのとは段違いの明るさでね」
マミ「よくも、キュゥべぇを……!」
QB「……う……うう……」ボロ・・・
まどか「わたしたちは、無力なんかじゃないよ、ワルプルギス」
まどか「いこう?みんな」
まどか・ほむら・さやか・杏子・マミ「変身!!」
キュピーーン・・・シュバアアアアアアアアアアアアアアアアッッ
マミ「心を繋ぐ絆の黄色!!」シュタンッ
マミ「魔法少女マミ!!!」
―――――――ティローンッ―――――――――――――
さやか「心を癒す癒しの青!!」シュタンッ
さやか「魔法少女さやか!!!」
―――――――シャキーンッ―――――――――――――
杏子「心を燃やす情熱の赤!!」シュタンッ
杏子「魔法少女杏子!!!」
―――――――シュピーンッ―――――――――――――
ほむら「心を救う慈悲の紫!!」シュタンッ
ほむら「魔法少女ほむら!!!」
―――――――キュイーンッ――――――――――――――
まどか「心を守る奇跡の白!!」シュタンッ
まどか「魔法少女まどかマギカ!!!」
―――――――シュパアアァァァァァッッ――――――――――
マミ「私たち、魔法少女が希望になるのよ!!全世界、全ての希望に!!!」バッ
ほむら「まどか……その姿……」
まどか「マギカちゃんがね、魔力を残しておいてくれたんだよ。私たちの為に」
ほむら「ああ……今の貴女、本当にマギカにそっくり……!」
まどか「いこう、ほむらちゃん!!」
ほむら「ええ!!」
杏子「覚悟しろよ!魔女野郎!!!」ヒュンッ・・・バキンッ
さやか「ギッタンギタンにしてやるから!!!」ヒュンッ・・・ドゴンッ
ワルプルギス「ぐふあぁ!?速い!?それにこの力……」ズザザザッ
さやか「あたし……こんなに速く動けたっけ?」
杏子「あたしの蹴りもまどか並みに強く……」
マミ「ソウルジェムがリンク……まさか、能力もリンクをしてるんじゃ!」
ほむら「ええ、そのようです。マミさん!!リボンで拘束を!!!」
マミ「任せて!!!」シュルルルッ・・・ガシッ
ワルプルギス「こんなリボン……引きちぎって!!」グワッ
ワルプルギス「なっ!?触れない!?」スカッ
マミ「ダミーと本物を混ぜておくのは、貴女がさっきやったわよね?」ニコッ
杏子「あたしの力!よっしゃ!!今だ!!熱き情熱、陽炎を呼べぇ!!!」キュウウゥ・・・
杏子「ロッソ・ファンタズマ!!!!!」ザザザザザザザザンッ
ワルプルギス「がああああああ!?馬鹿な……威力が桁違いじゃないか……」ギリッ
ワルプルギス「だが今のでリボンが……切れ……」
さやか「癒した傷よ!!刃に変われ!!!」キュウウゥ・・・
ワルプルギス「な!?直っていく!?動けな……」
さやか「スクワルタトーレ!!!!」ズバアアアアアァァッ
ワルプルギス「ぐああああああああああああああ!?」
マミ「紡ぐ絆よ!!魔弾を導け!!」ヒュンッ…キュウウゥ・・・
ワルプルギス「一瞬で目の前まで……!?や、やめ……!!!」
マミ「零距離、ティロ・フィナーレ!!!」ドウウウゥゥゥゥゥゥンッ
ワルプルギス「ぐおおおおおおっ!!!」ドッパアアアアアアアンッ
ワルプルギス「この魔力……かつてのマギカ……体が……受け付けない……」ズリ・・・ズリ・・・
さやか「逃がさないよ!!!」シュルルルッ・・・ガシッ
ワルプルギス「なんだと……アンタもリボンを……!?」
杏子「ったりめーだろうが!!あたしらは今、一つなんだ!!」シュルルルッ・・・ガシッ
マミ「今よ!!鹿目さん、暁美さん!!今度こそ全力で決めて!!」
まどか「はい!マミさん!!……ほむらちゃん、一緒に!!」
ほむら「ええ!一緒に!!まどか!!」
まどか「愛する想い!!矢になり届け!!!」キュウウゥ・・・
ほむら「慈悲なる願い!!」矢となり穿て!!!キュウウゥ・・・
まどか・ほむら「フィニトラ・フレティア!!!!」バッシュウウウウウウウゥゥゥゥゥッッ
ワルプルギス「アハハ……」
ワルプルギス「まさかこのアタシが、無力さで笑……」
――――――ドッパアアアアアアアァァァァァァァァンッ――――――――――コロン
まどか「グリーフシード……浄化するよ」ヒョイ・・・バシュウウウウウウッ
ほむら「……終わった……やった……やったよ……マギカ……」
杏子「よっしゃあああああ!!!」
さやか「魔法少女!!大・勝・利!!」ピースッ
マミ「キュゥべぇ!キュゥべぇ!」
QB「…………」ボロ・・・ボロ・・・
さやか「え!?キュゥべぇ!?崩れてってる……!?」
杏子「こいつは……」
マミ「どうしよう……治らないの……美樹さんの力でも……」ポロポロ
ほむら「存在を懸けて魔力を使ってしまったのね……」
まどか「そんな……キュゥべぇ……」ジワッ
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・
ほむら「な……なに!?この強大な魔力は……」
さやか「見て!!!空に穴が開いて……何かお城が見える!!!」
ほむら「あれは……王宮……まさか!?」
ワルプルギス『キャハハハハハハッ!!まんまとやってくれたねぇ!!!』
まどか「この声……ワルプルギス!?」
ほむら「まだ生きていたの!?ワルプルギス!!」
ワルプルギス『いや、もう少しでこの自我も消え失せる。クリームヒルデ様の一部となってねぇ』
杏子「どーいう事だコラァ!?」
ワルプルギス『冥途の土産に教えてやるよ、シードを浄化するってのは魔力を魔法界に飛ばすことだよ』
ワルプルギス『必ず途中で扉を通る……魔女も使う扉をねぇ!そこに網でも仕掛けておいたら、どうなる?』
ほむら「まさか……貴女……倒されることを前提に……」
ワルプルギス『アタシだけじゃない、クリームヒルデ様の前じゃ、皆平等に脇役さぁ!!』
まどか「わたしたちがやってきたことが……ぜんぶ……」
ワルプルギス『そう!!!全部クリームヒルデ様復活のための前座に過ぎなかったって事さ!!!』
ワルプルギス『こんな喜劇があるだろうかね!?キャハハハハハハハハハハハッ!!!!』
ワルプルギス『キャハハハハハハハハ…………』
さやか「そんな……」ガクガク
マミ「キュゥべぇも……無駄に……」ボロボロ・・・
まどか「お城の下からおっきな手が……!!」
クリームヒルデ「……誰をか……我を……呼覚まさん……」ガシッ
ほむら「扉を……拡げようとしてる……!」ガクガク
杏子「な、何て魔力だよ……足が……」ガクガク
さやか「うそ……もう……おしまい……?あんなの……」
マミ「っ…………」ボロボロ・・・
まどか「……みんな、諦めちゃだめだよ……!!」
まどか「決めたよね?この世界を守るって……魔法界をとり戻すって……」
まどか「さやかちゃん、このままじゃ、恭介君のヴァイオリン、もう聞けないよ?」
まどか「杏子ちゃん、言ったよね?魔法の力で魔法界は絶対元に戻すって……!」
まどか「マミさん、もうみんなでお菓子食べながら、泣いたり笑ったり、できなくなっちゃいますよ……?」ポロ
まどか「ほむらちゃん、家族をとり戻すんだよね!?マギカちゃん、ぜったい見捨てないよね!?」ポロポロ
まどか「みんな!ほんとにこのまま諦めていいの!?」ボロボロ
ほむら「……良い訳……ないじゃない!!」ザッ
まどか「ほむらちゃん……!」
さやか「良い訳ないでしょ……!?せっかく治ったんだから……あの曲無くしたりさせない……!」ザッ
杏子「まどかの言うとおりだ……あぶねぇ……悪魔に負ける所だったよ……!」ザッ
マミ「キュゥべぇが命を賭して、私たちの繋がりを守ってくれた……私は……それに応えたい!!」ザッ
まどか「みんな……!」
マミ「やりましょう、鹿目さん……魔法少女は希望になるのよ」
さやか「そうそう、あたしたちなら出来る!昔魔法少女が出来なかったことやってきたんだから!」
杏子「今回だって、ダメかと思ったところからの逆転だったしな!」
ほむら「貴女達の、繋がりの力に私も懸ける……!」
まどか「ほむらちゃん、わたしたち、だよ?」
ほむら「……ええ、そうだったわ!私達!」
まどか「みんなの魔力、ありったけの魔力、私の矢に込めて飛ばすね。協力してっ」キュウウゥ・・・
マミ「もちろんよ!」
さやか「ちゃんと当ててよね?まどかっ」
杏子「根こそぎ持ってけ!!」
ほむら「皆、まどかのソウルジェムに自分のソウルジェムを近づけて!!」
まどか「ソウルジェムが一つになっていく……!」ズズズズッ
ほむら「これが……伝説の……初代マギカのソウルジェム……!」
まどか「凄い魔力……!」
ほむら(……だけど、クリームヒルトには及ばない……このまま攻撃しても)
ほむら(下手をしたら、まどか達が心を失うまで魔力を使っても……)
ほむら(キュゥべぇの様に、体が崩れる訳ではないけれど……心を失うなんて絶対に駄目……)
ほむら(キュゥべぇの様に……)
ほむら「っ…………」
まどか「ほむらちゃん?」
ほむら「まどか、貴女は弓だけを出して。矢は私が用意するから」
まどか「うぇ?う、うん、わかった!」
ほむら(マギカ……貴女は私を家族と言った……だったら、私も王族の使命を全うするわ)
ほむら「……イペル・マギカ・レイジオ……!」パアアアアァァッ
ほむら「まどか、この矢を使って。一本しかない、外しちゃだめよ?」スッ
まどか「ありがとう!ほむらちゃん!これで……」
クリームヒルト「誰をか……我に……仇なさん……」ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・
まどか「みんな!魔力をこの矢にぜんぶ集めて!!いくよ!?」キュウウゥ・・・
まどか・ほむら・さやか・杏子・マミ「奇跡の光!!未来へ届け!!!!!」
まどか「イペル!!!」
ほむら「マギカ!!!」
まどか・ほむら・さやか・杏子・マミ「フレティアあああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
―――――――――バシュウウウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥッッッパアアアァァァァァァッ
クリームヒルト「これは……懐かしき封印の光…………無駄な事を……いづれ我はまた……」ボロ・・・」
クリームヒルト「いや……ならば何故……崩れ……」ボロボロ・・・
まどか「わたしたちにはできるよ!!」
マミ「かつての、伝説の魔法少女に出来なかったことが!!」
さやか「仲間の繋がりをナメないでよね!!!」
杏子「てめぇごときが敵う訳ねぇだろうがああああああ!!!!!」
ほむら「私達は……負けない!!!」
まどか・ほむら・さやか・杏子・マミ「絶対に!!!」パアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァッ
クリームヒルト「馬鹿な……馬鹿なああああああああああああああああああああああああ!!!?」
――――――――――――ドッパアアアアアアアアアアアアアァァァァァァンッッッ・・・ヒュー・・・コロン
まどか「やった……」パシュン
さやか「勝った!!」
杏子「これで……」
マミ「本当に終わり……」
ほむら「……そうね。皆、今までありがとう」ボロボロ・・・
まどか「ほむらちゃん!?体……崩れて……」
ほむら「ごめんね、まどか。でもこうするしかなかったの……」
マミ「暁美さん貴女……キュゥべぇと同じ様に……!?」ジワッ
ほむら「ええ……でも悲しまないで、皆、私は今とても嬉しいから。家族の世界、仲間の世界、両方救えた」ボロボロ・・・
さやか「そんなの……無理に決まってんじゃん!バカなんじゃないの!?あんた!!」ジワッ
杏子「何勝手なことやってんだよ!?アタシら仲間だろうが!?」ジワッ
マミ「暁美さん……!!なんで貴女まで……」ポロポロ・・・
まどか「ほむらちゃん……やだよぉ……」ボロ・・・ボロ・・・
ほむら「やめて……皆にそんなこと言われたら……さよならって言いたくなくなっちゃうじゃない……!!」
ほむら「駄目だ……私は……弱い……………」ジワッ
ほむら「消えたく、ないよぉ……っ」ポロポロ
まどか「ほむらちゃん……っ!?ほむらちゃん?涙……?」
ほむら「え……何これ……あったかい……」ポウゥ・・・
さやか「崩れた部分が……戻ってく?」
まどか「ほむらちゃん!……あったかい!!あったかいよっ!!体も!!!」ギュウウウッ
ほむら「どうして……!?」
マギカ「ソウルジェムが貴女達の心に応えたのよ……頑張ったわね、ホムラ」スタンッ
まどか「あ、あれは……」
ほむら「あ……ああ!マギカ……!」
マミ「あれが、本物の……本当に鹿目さんと瓜二つ……!」
マギカ「よく、やってくれたわね。魔法界の人間は感情を取り戻してるわ」ニコリ
マギカ「でも、復興には時間がかかる。それまで貴女はこの世界で、休んでいて」
マギカ「もう扉が閉じるわ、ジェムとシードは私が持っていくから、ね?」スッ
マギカ「そして、魔法少女として魔女と戦ってくれた貴女たち、本当にありがとう」
マギカ「魔法界王族第一王位継承者マギカが、魔法界全てを代表して御礼申し上げます」ペコリ
マミ「世界を救い、お姫様に感謝されるなんて夢みたい……感激よ!」キラキラ
杏子「そ、そんなかしこまられると何か恥ずかしいな……しっくりこないってか……」ポリポリ
さやか「見た目まどかだから余計に、なんかね……あはは」
まどか「うぇええ、さやかちゃんひどいっ」
ほむら「マギカ!!会いたかった!!ずっと……」ギュウウウゥゥッ
マギカ「私もよ、ホムラ。貴女の体、温かくなったわね。中で火が燃えてるみたい」ナデナデ
ほむら「私の体は……どうして……」
マギカ「貴女はね初代マギカと同じ存在になったのよ。魔力を持たない、こちらの世界の人間に」
ほむら「!……彼女は魔力を使い果たして消えた筈じゃ……!?文献にも行方不明と……」
マギカ「かつて魔力を使い果たした私の先祖は、確かに消えるはずだったわ」
マギカ「でも、白のソウルジェムの意思によってそれを免れた。新たに命を得て、この世界へ旅立ったの」
マギカ「これは王族に一子相伝で口伝されている伝承。魔法少女に関する真実よ」
ほむら「私が……伝説の魔法少女と同じ……!」ポロッポロッ
マギカ「そうよ、白のソウルジェムに、貴女は真の王族と認められたの。本当に、良く頑張ったわ」ナデナデ
ほむら「ぅっ……っ……」ポロポロ
まどか「ほんとによかったね……ほむらちゃん……」ポロポロ・・・
マギカ「そして、貴女がまどか、ね。初めましてではないでしょうが、初めまして」
まどか「は、はい!」
マギカ「貴女を、ずっと夢に見ていたわ。いつもホムラを気遣ってくれた優しい子」
マギカ「改めて御礼を言わせて。本当にありがとう」ギュッ
まどか「うぇ?い、いいよマギカちゃん!わたしこそ、ほむらちゃんに助けられてばっかりで……」
マギカ「いえ、この子頑固で天の邪鬼な所があるから、大変だったでしょ?」ニコッ
ほむら「マ、マギカっ」カアァッ
まどか「そんなことないよ、ほむらちゃんはとっても素直っ。わたし、知ってるもん!」
ほむら「まどかまで……」カアァッ
マギカ「……うん、貴女になら任せられるわ、まどか」
まどか「まかせる?」
マギカ「この世界に残る、ホムラの事を」
マギカ「ホムラは私の大切な家族、ということは、貴女の大切な家族……そうよね?」ジッ
まどか「…………うん、もちろんっ!」コクンッ
マギカ「ありがとう、まどか。……そろそろ時間ね」ブワサッ
まどか「うわわっ、綺麗な翼っ」
ほむら「もう行ってしまうのね……マギカ……」
マギカ「また、そんな顔しないで。今回だって、こうしてまた会えたじゃない」
マギカ「魔法界が復興し、ソウルジェムの力が安定したら、また扉を開いて貰うから」
マギカ「また、会えるから、絶対。約束よ」ギュ
ほむら「うん……約束だから……!」ギュッ
マミ「良いわね……家族って…………」シュン
さやか「マミさん……そっか……キュゥべぇ……」
杏子「ずっと一緒に暮らしてたもんな……」
マミ「あ……い、いいのよ!二人とも!キュゥべぇは生きているわ!皆の中にっ!!」アセッ
QB「マミーーーーーー!皆ーーーーーーーー!」
マミ「ほら、耳を澄ましてみて!今でも声が聞こえる気がするわっ!」
QB「皆ーーーーーーーーーー!!!」
さやか「え、いや、耳澄まさなくても聞こえますけど……。あ!!」
QB「おーーーーーーーーーーーーーいっ!!!!」
杏子「……はぁ、こんなうるせぇ幻聴、流石に聞いたことないよ?」フッ
QB「マミーーーーーーーーーーーー!!!」
マミ「!……まさか!?」クルッ
QB「マミ――――――!!」シュタッ・・・バッ
マミ「……貴方、キュゥべぇ……!?」ギュウッ
マミ「ほんとうに……っあの……キュゥっべぇなの……っ……」ポロ・・・ポロポロ
QB「この世界には喋る犬も猫もいないんだろう?マミ?」
マミ「……っキュゥべぇ!!!」ギュウウウウウゥゥゥッ
QB「く……苦しいよマミ!!落ち着いてよ!!」ギュムムッ
まどか「うぇ!?キュゥべぇが治ってる!!……よかったぁ」ホロッ
ほむら「あ、あの状態から治る筈が……まさか……」
マギカ「ふふ、ソウルジェムがおまけしてくれたみたいね」ニコッ
マギカ「インキュベーター、貴方も、とても頑張ったわね」
QB「きゅっぷは!!……まどか!その呼び方はやめてって言ったじゃないか!」
QB「人の名前を呼び間違えたり好きじゃないあだ名で呼ぶのは本当に失礼だよ?」
QB「そもそも何でそんなマミみたいに気取った喋り方を……」クルッ
QB「あ……れ?まどかが二人?」
マギカ「初めまして。私、マギカっていうのよ」ニコッ
QB「あ……あああええええマギカって、えええええ!?ごごごごごごめんなさささいいい……」ガクガクブルブル
マギカ「インキュベーター。人の名を間違えるのは本当に失礼よ?」
マギカ「魔法界の姫として、貴方に厳しい罰を与えます」キッ
QB「ひいいいっ!!!!」ビックーンッ
マギカ「私が良いと言うまで、彼女たちとこの世界で幸せに暮らす事。魔法界に帰る事は許しません」
マギカ「特にさびしがり屋の子には、ずっと笑顔でいさせるよう、努力する事。これが罰よ」ニコッ
QB「ひ、姫様……あ、有難うございます……!」パアァッ
マギカ「貴方はジェムを運んでくれた。本当に助かったわ。刑が終わったら騎士の階級でも差し上げようかしら」
QB「……姫様、申し訳ありませんが、それは辞退します。騎士の席が永久欠番では、王族もお困りになるかと」ペコッ
マギカ「それでは、貴女たちとはこれでお別れ」バサッ・・・フワッ
マギカ「でもこれは、さよならではないわ。またね、ホムラ。またね、皆っ」
―――――――――シュバアアァァッ―――――――――――キィンッ・・・
まどか「いっちゃった……またね、マギカちゃん」
ほむら「約束、だからね……」
さやか「……なーんか事が凄すぎて実感わかないや、おわったーって」
杏子「はは、終わっちまえば、なんだかあっけなく感じるもんさ」
マミ「何を言ってるの貴女たち、まだまだこれからがあるのよ?ほら、太陽が昇って来たわっ」
まどか「ほんとだ!すっごくきれい……」
ほむら「ええ……本当に……」
マミ「さあ、あの素晴らしい暁を見て!今日も一日が始まるわ!あれに向かって皆ダッシュよ!!」タッタッタッ
QB「え?ええ!?ま、まってよマミ!」スタタタタ
さやか・杏子「向かって走るのは夕日ですっての……」ビシッ
まどか「ほむらちゃん、帰ろう……わたしたちの、お家に」ニコッ・・・ギュッ
ほむら「ええ、一緒に。まどか」ギュッ
―――――――――数週間後
仁美「さやかさーん、まだですかー?」
恭介「さやかー?遅刻するよー?」
さやか「あーもうちょい待って!!……あーなんか前髪決まんないよっ」
さやか「くっそー、まどかと登校ならこんなことどーでも良いのに……!」
さやか「だいたい仁美は家に専属のメイクさんいるとかずるいじゃ」
恭介「さやかー!?」
さやか「ああああ、はいはい、ただ今!!さやかちゃん参上っ!!」ガチャッ
仁美「お早うございます、さやかさん」
恭介「どうしたの?体調でも悪いのかい?」
さやか「い、いや、そういうわけじゃ……」ポッ
仁美「でも、お顔が赤いですわ。ちょっと失礼?」コツッ
さやか「ちょっ……なんでおでこで計るわけっ?顔近いって……!」カアアァァッ
仁美「おかしいですわね?熱はありませんのに、赤みが増しましたわ?」パッ
さやか「大丈夫だって!……そーいやなんで赤くなってんだろ、あたし……あはは……まさかね……」ガクッ
杏子「くおらぁ!!お前ら!!飯食ったら歯ぁ磨けっていってんだろがっ!!」ドタバタ
子ども3「わー、きょーこがおこったーっ」トテトテトテ
子ども1「こわーいっ!!にげろーーーーっ」トテトテトテ
杏子「まてええええ!!それとシスターって呼べってんだろコラぁ!!」ドタドタ・・・
杏父「あー……こほんっ、杏子?」ジッ
杏子「あっ親、……父さん、分かってるよ。言葉遣いね、はいはい」ヤレヤレ
杏父「それもそうだけど、お友達が来てるよ。待たせて良いのかい?」
杏子「あ!そっか……じゃ父さん!行ってくるからね!」タッタッタッ
マミ「お早う、佐倉さん」
QB「相変わらず君の家は賑やかだなあ」ピョコッ
杏子「おう、おはよ!そんじゃキュゥべぇ、今日も子どもらの相手頼んだよ?寂しがり屋ばっかでね?」
QB「う……分かったよ、罰は罰だからね」トボトボ
マミ「帰りにドーナツ買ってきてあげるから元気だして!……さあ、佐倉さん?」スッ・・・
杏子「手、繋ぐのかよ……恥ずかしいんだけどな……」ギュッ
マミ「乙女らしさを教えて欲しいと言ったのは貴女よ?さ、行きましょう、学校へ」ニコッ
詢子「お早う、ほむら!いつにも増して遅かったじゃないか……まどかは?」
ほむら「お早うございます……まどかは……まだ部屋で寝てます……」フラ・・・フラ・・・
詢子「ははーん、アンタさては遂にあの子の寝相の犠牲になったな?災難だね朝っぱらから」
ほむら「話には聞いていましたが……予想以上でした……」フラフラ
詢子「あと、ほむら!うちでアンタ預かる以上、アンタは家族だ。敬語は止めな」
ほむら「わかったわ、詢子さん」
知久「おっと、詢子を名前で呼んでいいのは、この家で僕だけさ。はい朝ごはん」コトッ
詢子「知久を名前で呼んでいいのもアタシだけな、鹿目家のルールだ!」
ほむら「じゃあ……何て呼べば……」
詢子「そこまで言わなきゃわなんねぇのか?家族だってんだろ」
ほむら「……まっ……ママ……パパ……?」
詢子「何だい、ほむら?」
知久「ん?何かな、ほむら?」
タツヤ「ほむあーっ!」
ほむら「……」プルプル・・・・・
まどか「うぇええええええ!また寝坊しちゃったよぉっ!ほむらちゃんなんで起こしてくれなかったのっ?」トテトテ
ほむら「まず寝相で私を羽交い締めしていたことを謝ってほしいわ」ブワサッ
まどか「うぇえええごめんなさーーいっ」トテトテ
ほむら「まどか、前見て!角から人が!」
まどか「うぇっ?」バッ
マミ「大丈夫?鹿目さん」パシッ
杏子「全く、朝から何やってんだ?……ってかゆっくり歩いてたらこんな時間じゃん、急ぐよ?」
まどか「マミさん、杏子ちゃん!」
さやか「あれー、皆どしたの?こんなとこで突っ立ってると遅刻するよ?」
ほむら「あら、さやか……今日も見事な両手に華ね」フッ
さやか「ほむら!からかわないでよ……!」カアァッ
仁美「さやかさん、とっても優しいんです。私のペースに合わせてくれて」
恭介「はは、僕は華じゃないんだけどなあ」
ほむら「さ、まどか。そろそろ走り出さないと、皆揃って遅刻よ?」ブワサッ
まどか「うん、それじゃ行こう!みんなっ!!……一緒にっ!!」タッ おしまい
――――――ナーニーガアッテーモー・・・クジーケーナーーイ・・・
コノバングミハ・・・ゴランノスポンサーノテイキョウデ、オオクリイタシマシタ・・・
まどか「せーのっ!」
まどか・ほむら・さやか・杏子・マミ・QB「みんなーーーーっ!!いままで!!」
まどか・ほむら・さやか・杏子・マミ・QB「
」
770 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/04/03 02:00:39.93 BCWcGcH/0 288/290粋なことしてくれるじゃない
773 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/04/03 02:03:13.61 YrYfUKlN0 289/290エンドカードまで用意して本気すぎだろwwww
素直に感動したわ、乙
786 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/04/03 02:15:33.86 W/RUDu5U0 290/290伝説の誕生だな


名作をまとめてくれてありがとう