ほむら「あなたが散歩なんて珍しいわね」
QB「魔法少女は君達だけじゃないんだ。他の魔法少女のグリーフシードも回収しないと」
ほむら「そう」
QB「止めたりはしないのかい?」
ほむら「別にしないわよ。好きにすればいいじゃない」
QB「そうかい。マミの時はよく止められたから君のところに来て気が楽になったよ」
ほむら「寂しがり屋なのね」
元スレ
ほむら「あらキュゥベえ、どこかに行くの?」 QB「散歩だよ」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1331708446/
QB「今日も雲一つない晴れ空だ」
QB「人間たちはこういう気候をよく好むと聞く」
QB「確かにこれはいいね」
QB「なんだか穏やかな感じがする」
「そらなげるぞー」
「来い! ……打った!」
ヒュウウウ……ボスッ
QB「おっと危ない」
QB「気持ちはいいけど、僕らにとっては危険がいっぱいだ」
QB「さて、まずはどこにいこうか?」
QB「おや、あれは……」
杏子「お、QBじゃん、なにやってんだ?」
QB「やぁ佐倉杏子」
QB「グリーフシードの収集も兼ねた散歩だよ」
QB「そういうわけで、グリーフシードはないかい?」
杏子「あることはあるけど、今は持ってないな」
杏子「ついて着てくれればやるよ」
QB「そうかい、それじゃ行くとしよう」
杏子「そら、たんまり」コロコロ
QB「よく集めたものだね」
QB「また放流しているのかい?」
杏子「いや、あんまりしてはないな」
QB「美樹さやかに言われたことがきっかけでかい?」
杏子「ばっ……そんなんじゃねえ!」
QB「まぁ、僕にとってはどうでもいいことだけど」
QB「それじゃあ佐倉杏子、そのグリーフシードを渡してくれよ」
杏子「ん、はいよ……」
杏子「いや、やっぱり待った」
QB「どうしたんだい?」
杏子「あたしはこの時間帯退屈なんだよ」
杏子「だからゲームしねえか?」
QB「ゲーム?」
杏子「あたしがグリーフシードを投げるから……」
杏子「取って来い!」ポイッ!
QB「!?」ダッ!
ヒュウウウ……
QB「ととと……」
QB「はっ!」パクッ!
QB「佐倉杏子、君は一体何を考えて―――」
杏子「次行くよっ!」ビュッ!
QB「きゅぷい!?」ダッ!
QB「きゅぷ……どこまで飛ばすんだい?」タッタッタ
QB「……まさか」
杏子「すげー……魔力で強化するとどこまでも飛ぶんだな」
QB「インキュベーターをなめるなああ」ダダダダダ!
QB「きゅっぷい!」パック!
杏子「おお、すげえな……次行くよ!」
杏子「はっ!」ビュ!
QB「きゅぷ!」パク!
杏子「そりゃ!」バシュ!
QB「きゅっぷい!」パック!
杏子「おりゃあっ!」ヒュ!
QB「きゅぷいいいい!」パクッ!
QB「ぜーはー……」
QB「おかしい、僕は疲れを知らないはずなのに……」
杏子「ははっ、アンタも人間らしいところがあるんだな」
杏子「付き合ってくれた礼だ」ガサゴソ
杏子「くうかい?」スッ
QB「ありがたくいただくよ」パク
QB「……うん、おいしいね」モクモク…
QB「きゅっぷい」ケフ
QB「それじゃあ、僕は他の魔法少女の元に行くとするよ」
杏子「ん、じゃーなー」
QB「さて、つぎはどこにいこうか?」
QB「ここから一番近いのは……」
QB「マミの家か」
QB「最近はほむらの家にいたからね」
QB「たまにはマミのところに行ってあげよう」
QB「しかし、この体は勧誘以外だとつくづく不便だ」
QB「人類の移動手段を使えないからね」
QB「マミの部屋は……ここか」
ススス……
QB「マミ、グリーフシードの回収に来たよ」
QB「……マミ?いないのかい?」
QB「しまったなぁ、事前に確認しておくべきだった」
QB「マーミー?」テクテク
マミ『キュゥベえ?』テレパス
QB「ああ、マミ。いないかと思ったよ」
マミ『ちょ……来るなら言ってよ!』
QB「ごめんごめん。忘れてたよ」
QB「今から行くから待っててくれ」
マミ『え?ちょっと待って……』
QB「やぁマミ、久しぶりだ――」
マミ「////」カポーン
QB「ああ、入浴中だったかい」
マミ「………」プルプル
QB「別に安心してくれて構わないよ。僕らには裸体を見て興奮することはない」
QB「そもそもマミの家にいたときは―――」
マミ「でてってー!」ポイポイ!
QB「!?!?」タタタ
マミ「全くもう……」
マミ「それで、グリーフシードの回収だったかしら?」
QB「そうだよ。あるかい?」
QB「なかったらそれはそれで問題だけど」
マミ「もちろんあるわ」
マミ「はい」コロコロ
QB「それじゃ……」ポーン
QB「……きゅっぷい!」パク
マミ「あら、上手になったのね」
マミ「久しぶりに見たわ、キュゥベえの投げ食べ」
マミ「昔は自分でやろうとしたら……」
マミ「うまく背中のポケットに入らなくて、そのまま落としたこともあったわね」
QB「やめてくれよマミ。あの時はこの体に慣れていなかったんだ」
QB「今ではほら」
QB「こんな高くまで上げられるんだよ!」ポーーーン!
QB「きゅっぷい」パク
マミ「あらあら」
マミ「ほらキュゥベえ、ケーキよ」コト
QB「マミのケーキも久しぶりだ」
QB「いただくよ」キュプキュプ
マミ「ふふ、召し上がれ」
QB「それにしても、マミのケーキも昔よりずいぶん上手になったね」キュプキュプ
QB「初めて作った時のを食べたとき……」
マミ「ちょっと……キュゥべえ!」
QB「さっきの仕返しさ」キュップイ!
マミ「もう……」
QB「ケーキおいしかったよ、ありがとう」
マミ「食べたくなったらいつでも来てね」
マミ「泊まって行ってもいいのよ?」
QB「気が向いたらそうするよ」ススス…
QB「マミのケーキでお腹はいっぱいになった」
QB「次はどこに行こうか……」
QB「日が暮れてしまった。これじゃあ見滝原の外に出るのは無理かな」
QB「となると、向かう先は一つしかない」
さやか「いやー、ありがとうね恭介」
上条「デートに財布を忘れるだなんて話は聞いたことないよ」
さやか「いやいや、ついうっかり……」
さやか「そのかわりさ、明日さやかちゃん特製のお弁当作ってあげるから!」
上条「はは、それには参るね」
QB「やぁ美樹さやか」
さやか「腕に何とやらで張り切って作っちゃいますからねー!」
QB「聞こえてるかい?」
上条「それじゃ、明日楽しみにしておくよ」
QB「ねーえー」
さやか「何か入れてほしいおかずある?」
QB「さーやーかー」ピョンピョン
上条「いや、さやかのおかずならなんでもたべられるよ」
QB「きーいーて――きゅぽう!」ガスッ
さやか『ちょっとだまってようか?』
QB「わけがわからないよ……」
上条「それじゃ、またねさやか」
さやか「またあしたー!」
QB「美樹さやか、どうして無視したんだい?」
さやか「あんたねぇ……人がいるのに話せるわけないでしょ!」
QB「テレパシーを使えばいいじゃないか」
QB「応用力をきかせないと」
さやか「そういう意味じゃなくって!」
QB「なんにせよ、人と話す時に無視はいけないよ」
QB「これは経験上のアドバイスさ」
さやか「あんたさ、空気読めないって言われない?」
さやか「それで、なにしにきたの?」
QB「グリーフシードの回収に来たのさ!」
さやか「……おもいだした。なにかに似てるとおもったら……」
さやか「あんた、NHKの集金の人にそっくりだよね」
QB「?」
さやか「いや、わからなくていいよ。うん」
さやか(なんか盛大に滑った気がする)
さやか「ほら、グリーフシードだよ」コロコロ
QB「最初に比べて、集める量が増えてきたね」
さやか「こんなのさやかちゃんにとってはお茶の子さいさいなのだ!」
QB「あくまでもサポートを受けたうえでたけどね」
さやか「うぐ……どこでそれを……」
QB「誰が話したかを明かさないという条件で教えてもらったからね」
QB「約束を破るわけにはいかないのさ」
さやか「そういえば冷蔵庫にマミさんお手製のタルトが……」
QB「彼女はポッキーが大好きだったね」
さやか「簡単に釣れた……」
QB「本名は晒していないから、契約違反じゃないさ」
QB「それじゃグリーフシードを……」ポポポーン
QB「……きゅっぷい!」パク
さやか「んー……やっぱり何度見ても慣れないなぁ」
QB「そんなに拒否反応を示すのは君くらいだよ」
さやか「だってさ、背中が開くんだよ?」
さやか「こうやって、ぱかって!」
さやか「ごみを捨てる、足で踏んだら開く箱じゃないんだからさぁ……」
QB「君がどうしてそれを例にとったかが分からないね」
さやか「で、用事はそれだけ?」
QB「そうだね。これだけだ」
さやか「じゃああたし明日の準備しないといけないからさ」
QB「そうだね、退散するとするよ」
さやか「またねー」
さやか(ふっふっふ。マミさんタルトの事は忘れているようだ)
さやか(さやかちゃん大勝利!)
QB「おっと忘れていたよ」
さやか「!?」ビク!
QB「さっきの契約、マミのタルトを忘れていたよ」
さやか「ちっ……」
QB「さて、もう日は暮れてしまったね」
QB「このままほむらのところに帰るのもいいが……」
QB「ちゃんと営業活動もしておかないとね」
QB「さてやってきたよ、鹿目まどかの家」
QB「だいたいこの時間帯には、自分の部屋で宿題をやっているはずだ」
QB「そういうわけで、契約をしに行くよ」
QB「さぁ鹿目まどか、僕と契約して―――」
ほむら「………」
QB「………」
ほむら「で、何をしようとしているのかしら?」スチャ
QB「なんでもないよきゅっぷい!」
QB「たまたま君の家に帰る途中、犬に追われてしまってね」
QB「逃げた植え込みの中がここだったのさ!」
ほむら「苦しい言い訳ね。犬には見えるのかしら?あなたの姿が」
QB「きゅぷ……」
ほむら「まぁいいわ。今回は勘弁してあげる」スッ
QB(くっ……ぶっといサイレンサーをつけて家のそばでも気づかれないようにしているとは……)
ほむら「それじゃ帰りましょうか」
QB「そうだね」
QB「ところで君は、どうして植え込みの中にいたんだい?」
ほむら「」ビク
QB「君は一体何を?」
ほむら「……不審者が近寄らないようにまどかを護衛していたのよ」
QB「そうかい」
QB「でも、君ほどのスキルを持っているなら魔法少女姿でなくていいだろう?」
ほむら「時間止めはいつ必要になるかわからないわ」
QB「なるほど。では聞こう、暁美ほむら」
QB「盾からちらりと見えている下着はなんなんだい?」
ほむら「!?」ホム!?
QB「……ひっかかったね、暁美ほむら」
QB「君の盾の事はよくわかっている」
QB「そもそもちら見していたら、もっと前に指摘していたさ」
ほむら「……謀ったのね、インキュベーター」
QB「謀ったとは人聞き悪いなぁ」
QB「僕はただカマをかけただけだよ」
QB「暁美ほむら、やはり君は鹿目まどかの下着を……」
ほむら「くっ……」
ほむら「知られたからには消えてもらうわ。インキュベーター」ガチャ
ほむら「もっとはやく……消しておくべきだったわ」
QB「それをしても無駄なのは君が一番わかっているだろう?」
QB「第二第三の僕が、君を追い詰めるさ」
ほむら「それでも……」チキキ…
ガラッ!
まどか「二人とも何をしているのかな?」
ほむQ「「………」」
ほむら「あなたが騒いだせいで起こられたじゃない」
ほむら「おかげでこれから監視がやり難くなるわ」
QB「監視という名目で行う覗きはどうかと思うけどね」
QB「それより下着の件がばれないだけ、君はよかったんじゃないのかい?」
QB「黙っておいた僕に感謝してほしいね」
ほむら「くっ……言い返せないわ」
ほむら「はぁ、今週のまどか分足りるかしら?」
QB「なんだいそれは」
ほむら「まどか分はまどか分よ」
ほむら「まどかのありとあらゆるものから出てくるまどか分で、私は生きてるの」
ほむら「私が生きていくには必要不可欠なのよ」
QB「なにこのひとこわい」
ほむら「あなたも感情を持てばわかるわ」
QB「むしろわかりたくないね」
ほむら「まどかぁ……」
QB「まだ嘆くのかい?」
ほむら「元はと言えば、あなたが勧誘に来たのがいけないのよ!」ホムゥ!
ほむら「あなたさえいなければ、すべては丸く収まっていたのに」
QB「たしかに見つかった原因の一端に僕があるかもしれないけど」
QB「君にもその責任はあるんだよ?」
ほむら「………」プイ
ほむら「ムカついたからあなたのご飯は抜きにするわ」
QB「それはあんまりだよ暁美ほむら!」
ほむら「あなたは食事しなくてもいいのでしょう?」
ほむら「一人分のカップヌードルで済ませるわ」
QB「きゅぷぷ……」
QB「君がそのつもりなら、こっちにも考えがあるよ」
ほむら「あら、どうしようというの?」
QB「下着の件を鹿目まどかに……」
ほむら「今日はカレーにしましょうか?」ホムッ
QB「いい判断だ、暁美ほむら」
ほむら「最近この淫獣、やけにムカつくわ」
ほむら「どこでそんな悪知恵をつけたのよ」
QB「元々契約という行為を口巧みに行うのが僕の仕事だからね」
QB「インキュベーターは日々進化しているのさ」
ほむら「進化というものはいやなものね」
QB「君たちもいずれ進化をするんだよ?」
ほむら「方向性がそれに限られるのなら、私人類やめるわ」
QB「鹿目まどかが、それを望んでもかい?」
ほむら「いいかもしれないわね」
ほむら「リードをこの淫獣に握られている感じがするわ」
QB「君は鹿目まどかが絡むとすぐに手のひらを返すね」
QB「鹿目まどかの何が、君をそこまで突き動かすのかい?」
ほむら「“愛”よ」ホムッ!
QB「ずいぶんと変な方向に一直線な愛だね」
ほむら「感情が分からないあなたにはそう見えるのでしょうね」
ほむら「これはれっきとした純愛よ」ホムン!
QB「数多の魔法少女を見てきたけど、これを純愛という人は初めてだよ」
ほむら「そうだわ」
ほむら「カレーを作るなら材料を買わないと……」
QB「本気でカップヌードルで済ませる予定だったのかい!?」
ほむら「だって面倒だもの」
QB「やれやれ、栄養を十分に取らないから、そんな小柄な体に……」
ほむら「そこの川に沈めてあげましょうか?」
QB「なんでもないさ、気にしないでくれ」
ほむら「全く……いつになったらその減らず口は治るのかしら?」
QB「無茶な注文だね」
ほむら「まあいいわ、材料を買いに行きましょうか」
QB「わかったよ、暁美ほむら」
おわり
83 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/03/14 18:00:03.44 UA5eexQb0 37/40いろいろなキュゥベえを書きたかった
でもいざ書いてみたら100レスもいかなかったという少なさ
最初はみんなでエンドにしようかと思ったけど
やっぱりほむQがいいよね!
それじゃ
88 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/03/14 18:04:22.50 fo6IVMkT0 38/40殆ど屋内だった気がしないでもない散歩
92 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/03/14 18:19:10.10 H5mEn+9XP 39/40しかしこのべえさん、魔法少女の間を泊まり歩きできるのか…うらやまけしからん!
おつ!
96 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2012/03/14 18:38:24.47 1YIrR48j0 40/40あからさまなほむも良いな
ほむらは平常運転で安心しました。