女「敗戦国の民は奴隷として売られていく……仕方のないことだが……」
女「そして、私にはどうしようもできないことだ。この場は去ろう……」
グイッ
奴隷商「おいっ、何普通に逃げようとしてんだよ商品」
女「あは…あははは……」
元スレ
女「奴隷市か……やはり見ていて気持ちのいいものではないな……」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1347859307/
女「おっちゃんおっちゃん」
奴隷商「なんだ?」
女「奴隷ってどういう所に売られていくわけ?」
奴隷商「基本的に労働力としてだな。男なら力仕事。女なら小間使いや服飾の工場とかだが」
女「えー…働かなきゃいけないの…」
奴隷商「あとは、変態貴族の慰みものとかか、ヤバい趣味の奴に捕まったら大変だろうな」
女「私労働大好き!ガンガン働かせてくれる所に売って下さいね大将!」
奴隷商「お前、奴隷として捕まる前は何をしてたんだ?」
女「それ聞いちゃいます?商品に情うつっちゃいますよ?」
奴隷商「いやな、お前みたいな明るい奴は初めてみたからな。珍しくてつい。普段はそんな事商品には聞かないぞ」
女「私…お姫様だったんです……」
奴隷商「いや…お前の国の姫様なら王城にて拘束中だろ……」
女「え…あー…姫様ではなく…貴族の娘でぇ……」
奴隷商「………」
女「はいはい!嘘ですよ嘘!農作業してました!農家の娘でしたよ!すいませんね!」
女「おっちゃんのとこってフリーダムだよね。紐で縛るでもなし、檻に入れるでもなし、逃げられたらどうするん?」
奴隷商「逃げられて困るような奴隷は仕入れてないからな。二束三文の値段の奴隷しかここにはいない。そもそも逃げた所でお前らに帰るとこれはあるのか?」
女「焼き討ちにあっちゃって家も畑もなんもかも燃えちゃったからなぁ……」
奴隷商「まぁ、おこってしまった事は仕方ない。買われていく先で頑張ればいいさ」
女「そうだねぇ……ということで、旦那ぁ、いいとこに売って下さいよぉ。良家の家政婦あたりが私好みっす。おっ、肩こってますねぇ」モミモミ
奴隷商「お前ならどこ行ってもやって行けそうな気がするよ」
奴隷娘「………」
女「元気ないねぇ。どうしたの?」
奴隷娘「逆に聞きたいですよ。何であなたはそんなに元気いっぱいなんですか」
女「まぁ、それくらいしか取り柄ないしねぇ」
奴隷娘「うらやましいです…」
女「私的にはあなたが羨ましいけど」
奴隷娘「え?」
女「お淑やかで可愛らしいじゃないでくすかぁ」(ゲス顔
奴隷娘「は…はひ?」
女「おっちゃん、この娘とか変態貴族に高値で売れるんじゃねぇですかね?ぐへへへ」
奴隷商「お前もセットで売ってやろうか?」
女「ろ、労働ってのは素晴らしい事だよね!別々の職場になっても頑張ろうね!」グッ
奴隷娘「あ…は…はい……」
女「おっちゃん。その辺見てくるね」
グイッ
奴隷商「………」
女「いやだなぁ、逃げ出したりなんかしませんよぉ。私の目を見てください」ニヘラ
パッ
奴隷商「…どこにでも行ったらいいさ」
女「えっ?まじ?まじで?」
奴隷娘「あ…あの…いいんですか?」
奴隷商「あんなの売り手がつかん。維持費のほうがかかるようなら赤字だからな」
女「晩御飯までには帰ってくるから、今日はお肉にしてくださいね!」
女「うっわー、当たり前だけど奴隷だらけだぁ…」キョロキョロ
元貴族奴隷「………」
女「うわっ、高貴そうな人たちが檻に入ってる!」
元貴族奴隷「なんだお前は……」
女「ねぇねぇ今どんな気持ちですか?数月前まで綺麗なおべべ着てワインとか飲んでたのに、檻に入って、今どんな気持ちですか?」
元貴族奴隷「ぐっ……」
女「なんてね。私も奴隷なんで人のこと言えないんですがね」テヘッ
元貴族奴隷「奴隷なのか?何故自由に歩き回っている」
女「いやぁ、うちの店の主人が放任主義なお方でしてね」
元貴族奴隷「そんなとこがあるのか……」
女「貴族様とお話する機会なんて今までなかったので、ちょっと煽ってしまいました。すいません。高い年貢要求しやがって」
元貴族奴隷「ははっ…今は同じ奴隷という身分だ。私とお前に差等ないさ」
女「うわっ、人間の価値に差があるとか言う考えの人なんですね。これだから貴族は……」
元貴族奴隷「いや、そういうわけでは……」
女「お前みたいな奴は変態ホモ貴族にケツ穴ほじられればいいんですよ!さよなら!税高すぎなんだよ死ね!」
女「いやぁ、案外暇ですねぇ」
警備兵「なんだお前は?」
女「いやそのあのそのあの!あっ、そうです!お忍びで来てる貴族の娘ですのよ!」
警備兵「いや、来られる貴族の方達は皆名簿に記載されているはずだが……お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」
女「そんなわけないじゃないですかぁ。兵隊さん真面目ですねぇ」ポンポン
警備兵「………」
女「私ね。この先を真っ直ぐ行って右に曲がってすぐの店の奴隷なんですよ」
警備兵「逃げ出したということか」チャキッ
女「違います!違いますよ!武器とかやめてください!」
警備兵「お前の言うことを信用しろというのか?」
女「あー…まぁ、私が逆の立場だったら、奴隷なんて問答無用でひっとらえますね」
警備兵「そうだな。そうさせてもらおう」チャキッ
女「抵抗しません!抵抗しませんから!その……やさしくしてください…」
警備兵「……わかった。手を出せ」
女「いやぁ、縛られるのなんて、焼き討ちの時に捕らえられては以来ですねぇ…なんかしみじみとしますよ」
女「えっと、この後ってあれですよね?お店には帰れずに、溜まりに溜まった兵士達の慰みものにされるって」
警備兵「………」
女「私は身も心もボロボロになってしまって、それで………」
警備兵「………」
女「ちょっと、少しは反応してくださいよ……おーい!生きてますかー?」
警備兵「………」
女「えっと……もしかしてマジですか?ちょっと!本当に調子のってすいません!勘弁してください!土下座でも靴舐めでもなんでもしますから!ガチ展開は嫌なんですよぉ!」
警備兵「付いたぞ」
奴隷商「………」
女「あ、おっちゃん、ただいまー」
女「いやー、案外つまらなかったですよ奴隷市」
奴隷商「楽しいわけあるか」
女「あれ、そういえばあの薄倖感漂う女の子がいませんね」
奴隷商「貴族様んとこに買われていったさ」
女「まじっすか!なむー…毎晩の変態プレイに壊れちゃわなきゃいいですねぇ」
奴隷商「いや、メイドとしてだ」
女「え?いや、メイドという名の慰みものっすよね?そういう趣向ですよね?」
奴隷商「ちゃんとした名家だ。丁度人手が足りないと言ってたしな。その心配はしなくていいだろう」
女「おおお、おっちゃん!私なら人の三倍は働く自信はありますよ!なんで…」
奴隷商「いなかっただろお前」
女「あはははー」
女「………はぁ」
奴隷商「どうしたんだ?急にため息なんて」
女「いやね。空元気で頑張ってましたけど、所詮私は奴隷なわけですよ。未来は無いに等しいし落ち込みまくりなんですよ」
奴隷商「そうか、静かになるのなら俺は構わないがな」
女「おっちゃん、養ってくれません?もうおっちゃんでいいですから」
奴隷商「断る」
女「はぁ……」ガクッ
奴隷商「飯だぞ」
女「やほー!お肉は約束通りに入れてくれましたよね?入ってなかったら怒りますからね!」
女「おっちゃん…」
奴隷商「なんだ」
女「お肉は?」
奴隷商「そんなもの無い」
女「……ご飯を頂けるだけ、有り難いことですもんね。贅沢言ってすいませんでした」
奴隷商「そうだな」
女(こうやってしおらしい態度とっておけば…)「何だお前、元気ないな?今日の飯は肉入れてやったぞ!って感じで」
奴隷商「やらんぞ」
女「はっ!?思わず口に出してしまいました!」
女「奴隷ですよー!若くてピチピチな上に働き者ですよー!」
奴隷商「何をしてるんだ?」
女「呼び込みしてるんですよ。売れ残りって何か嫌じゃないですか?」
奴隷商「変な奴を呼び込まないといいがな」
女「変なフラグ立てないで下さいよ!私はハッピーな人生を歩むんですからね」
貴族「こいつは売り物なのか?」
女「おっ、早速!はいー、そうですよ旦那ぁ!お安くしておきますよ」
貴族「なかなか元気だな」
女「健康だけが取り柄ですから、はい。バリバリ働きますよ!」
貴族「そうか……店主」
奴隷商「はい何でしょう」
貴族「この娘は生娘か?」
奴隷商「さ、さぁ?」
女「は…はい…未通娘ですよ……独占欲の高い旦那だけの女にだってなれますよ」ニヘラ
貴族「それはいい。これだけ元気ならすぐに壊れることもないだろうしな」
女「えぇ…えーと…なんか物騒な事言いませんでしたか?」
貴族「ふむ、ではこの娘を買おう」
女「ストップ、ストーップ!旦那旦那!ちょこっとだけお話しましょうよ!買ってがっかりパターンは嫌でしょう?」
貴族「そうか?私はお前の事が気に入ったのだが」
女「ちなみに…そのですね…プレイ内用とか詳しく、くあしく、悔しくでもいいんで教えて下さいよぉ」
貴族「…人目もあるしな、耳打ちするからこちらへ」
女「あふぅ…息が耳に……」
貴族「あはは、やはり面白いなお前は」
貴族「ゴニョゴニョ…」
女「ああ、オーケイオーケイそれぐらいなら」
貴族「ゴニョゴニョゴニョゴニョ」
女「あっはっは、確かに普通の娘にはキツいですねぇ」
貴族「ゴニョ…ゴニョ…ゴニョ…」
女「あは……はは…はい…あ…はい…」
貴族「ゴニョゴニョゴニョゴニョゴニョゴニョゴニョゴニョ」
女「変態だぁあああああああああああああああああああ!!」
貴族「な、何を言う!私は切ったり繋いだりはしない。どちらかと言うとノーマルな……」
女「方向性は違いますけど十分ヤバいじゃないですか!」
貴族「………ふふふ、私は金さえ払えばお前を手に入れる事ができるんだぞ」
女「おっちゃん!こいつヤバいっすよ!売らないで、後生だから!」
奴隷商「まいどぉ」
女「おっちぁあああああああああん!」
女「おっちゃん…お願いだから…お願いだから…」ポロポロ
奴隷商「仕方ないだろう。お前は商品で買い手が見つかったんだ」
女「だっでぇ…ぐすっ…嫌なんだもん……」
奴隷商「………」
女「所詮は素人の自慰みたいなものなんですから…ハッピーエンドにしましょうよぉ…」
奴隷商「………」
女「完成度の高いバッドエンドなんてクソ食らえですよ!オナニーまみれのハッピーエンドでいきましょう?主に私がイケメンの金持ちに見初められる方向で」
奴隷商「ちょっと顔を上げてみろ」
女「え…あ、はい」
奴隷商「やはり嘘泣きか」
女「て、テヘッ」
奴隷商「貴族の旦那」
貴族「なんだ?」
奴隷商「正直こいつは、手のかかるし五月蝿い娘ですぁ」
貴族「ああ、溌剌とした私好みの娘だな」
奴隷商「今までの手間ということで、すこし値が張りますがよろしいでしょうか?」
女「おっ!きた?大逆転展開きた?」
貴族「その値で買い取ろう」
奴隷商「まいど」
女「ちょっ…まって…おかしいですよね?ちょっと…ちょっと!」
女「……おっちゃん。今までありがとうございました」
奴隷商「おう、元気でな。思わぬ値段で売れて嬉しいよ」
女「おっちゃんのその商売人魂は凄いよ。きっとビッグになれるよ」
奴隷商「そうなれるよう頑張るさ」
女「私今目のハイライトとか無いんじゃないです?」
貴族「宝石のように輝いているな」
女「……私、実は体とか結構弱い子なんで、その、あの」
貴族「そうか、掛かり付けの医者を雇って相談しながらプレイに励もうか」
貴族「さぁ、手を。足元に気をつけて」
女「…………」
貴族「馬車に乗るのは初めてかな?」
女「あ…いえ……すし詰め状態の馬に引かれる箱なら乗ったことあります……」
貴族「しかしどうした?急にに大人しくなって。まるで借りてきた猫の…」
女「いえ、そんな」
貴族「ような演技をして」
女「あはは……ばれちゃいました?」
貴族「店の前のやりとりだけで、そなたがどのような女性かはわかったつもりだが」
女「いやもう、こういう感じにやっておけば、変なことされないかな何て」チラッ
貴族「興奮してきたなぁ。そなたみたいな女性は初めてだ」
ガチャッガチャッ
女「あ、あれ、このドア内側から開かないんですかね」
貴族「外側から留め具をつけさせたからな」
女「あはは…ははは…」
女「でかっ…これ本当に家ですか?」
貴族「まぁ、私もここまで大きな屋敷を立てるつもりはなかったのだが。何分貴族というのは面倒なものでな」
女「ケッ…見栄でこんな屋敷立てたんですか。やっぱり貴族は好きになれませんよ」
貴族「そうか。なら好かれるように努力していくことにしよう」
女「あっ、それなら」
貴族「そなた好みのシチュエーションで望むとしよう」
女「それなら完全ノーマルで!ノーマルで行きましょう!私初心者なんで」
貴族「心配はいらんよ。私も初心者だ。失敗しても…」
女「しっぱいってなんですかぁあああああああ!」
メイド「あら」
女「おわっ、あなたは幸薄そうな…」
メイド「むっ、幸薄そうって何ですか」
貴族「やはり知り合いだったのか、同じ商人から引き取ったのであり得ると思ったが」
女「な、どういうことですか?」
貴族「いやな、働き手が欲しいと、あの商人に相談してな。その時はこの娘を買い取ったのだが」
女「みなまで言わなくてもわかります。この幸薄子を雇用したはいいが、思ったほど仕事ができない。それで翌日、より仕事のできる者を探すために…」
貴族「違うぞ」
女「そうですよね。違いますよね!水臭いですよ旦那!何なら今からでも守備位置転向できますよ!バッチコーイ!」
貴族「だから違うぞ」
女「ち…がう?チガウイイマシタ?」
貴族「この娘は元々給仕の経験があったらしくてな」
メイド「…だれが仕事のできない幸薄子ですか?」
女「おぉ……お上品な感じがしたのはそのためですか……」
貴族「はっきり言って、この娘だけで人手不足問題も解決してしまってな」
メイド「旦那様、そんなことありませんよ」
女「うわ…なんか勝ち誇った感じが腹立つ」
貴族「しかしな、この娘がそれとなく、あの商人からもう一人奴隷を買い取る方向にもっていかせようとする、わざとらしい言動をしててな」
メイド「わざとらしかったですか!?」
貴族「かなりな」
貴族「それが気になって再びあの商人のもとに行ったわけだ」
女「いや、あのおっちゃん何も言ってませんでしたけど」
貴族「事前に連絡していたのだがな」
女「あの狸が……」
メイド「その、つまり、この方も私と一緒に給仕のお仕事につかせてもらえるという事なんですよね?旦那様」
女「はっ!?話の流れからすると確かに。つまり今までのは壮大なドッキリ!?」
貴族「ははは、当初の予定ではそうだったのだが……」
女「ですよねぇ……」
貴族「何と言うのか、私の心にストライクしたというか」
女「いやいや、まだワンストライク!試合はまだ終わってません」
貴族「もう、その元気で可愛らしい言動にパーフェクトゲームを食らってな」
メイド「お部屋の用意ができましたよ。こちらへどうぞ」
女「………はーい」
メイド「凄いですね。旦那様に気に入られるなんて。正直羨ましいです」
女「あの男の本性を知らないからそんな事言えるんですよ……」
メイド「本性?」
女「変態なんですよ変態。へ・ん・た・い」
メイド「まぁ、貴族様方には特殊な趣向の方が多いですからね」
女「聞いて驚かないでくださいよ」
(割愛)
メイド「………」
女「ど…どうです?」
メイド「まだ普通じゃないですか?」
女「普通じゃないですよ!?」
メイド「私が聞いた噂では四肢を切ったり繋げたりして楽しんでる貴族様がいるとか」
女「ななな、なんですかそれ!人間のやる事じゃありませんよ!」
メイド「それに比べたら旦那様はお優しい」ニヤニヤ
女「あっ!こいついい君だと思ってる!絶対思ってる!」
メイド「でも、元気な様子で少し安心しました。私がここに来たときの心残りでしたので」
女「あ、そうでしたね。貴女がここの旦那に掛け合ってくれたおかげ……くれたせいで私が来たわけですし」
メイド「ふふふ」
女「ふふふ、じゃねえよ!町工場で働いてたほうがマシだったよ馬鹿メイド!」
メイド「馬鹿って……でも大丈夫ですよ。あなたなら何されてもケロッとしてそうな気がします」
女「蛙じゃないんだからケロケロなんて……うぐっ…」ガクッ
メイド「え!?どうされました?」
女「うぐわぁあああああ」バタッ
メイド「お医者様!お医者様を!」
貴族「なんだと!?彼女が倒れた!」
メイド「はい、急に胸を押さえて苦しみだして」
貴族「確かに、買い取るときに身体が弱いとは言っていたが……」
メイド「いま、お医者様に看てもらっています」
貴族「で、容態のほうは?」
医者「いえ、特に心音などには異常はありません。様子を見るために今は安静に……」
貴族「ちょっと待ってくれ。彼女は今一人か?」
スタッ グキッ
女「へへっ、まんまと騙されやがって」
ズーリズーリ…
女「見事なまでの名演技!華麗なまでの逃走劇!」
貴族「………」
女「えへへへ、旦那様自ら見回りとは…そういうのは警備の者とかに……」
貴族「足を怪我してるではないか」
女「いやぁ、お恥ずかしい」テヘペロッ
貴族「私につかまれ」
女「え?あ、わっ」
貴族「軽いな。ちゃんと食べているのか?」
女「おっちゃんがなかなかお肉を食べさせてくれないものでして」
貴族「ところで、そんなに私が嫌いか?」
女「旦那が嫌いと言うより、プレイ内容が私にはハードすぎるというか……」
貴族「そうか、ならソフトなものからならしていこうか」
女「旦那旦那、そっち方面に行かないという手はないんですかね?」
メイド「ふふっ、心配して損しちゃった」
メイド「たいしたこと無くてよかったですね」
女「………」グッ
スギッ
女「痛っ、あたたた!痛い!痛い!いーたーいー!」
メイド「何で歩こうとするんですか!お医者様もしばらく安静にと」
女「こんな状況じゃ逃げれない」
メイド「まだ逃げようと思ってるんですか!?さっきまであんなに良い雰囲気でしたのに」
女「いやいや、あの時あの変態が何を言ってたと思う?」
メイド「えっと、ロマンティックな言葉とかですかね?」
女「どこまでが許容範囲かをこと細かに聞いてきたわけさ。引くわー」
メイド「もういいじゃないですか……ちょっとした変態プレイぐらい」
女「ちょっとやそっとじゃないでしょうが!」
メイド「まだまだぬるいですよ。切ったり繋いだりしてないですし」
女「だから、その切ったり繋いだりってのやめてくださいよ!そのせいでかなり不安になってるんですから!」
メイド「あ、はい。みなさん、私達の旦那様と切ったり繋げいたりは一切関係ありませんからね」
女「どこむいて喋ってるんですか!」
メイド「だいたい何ですか?過敏すぎません?その歳で未通娘でもあるまいし」
女「はっ、その態度…まさか……」
女「みなさーん!こいつ中古ですよ!みんなの敵ですよ!非国民ですよ!」
メイド「あの、誰に呼びかけてるんですか?」
貴族「足のほうは大丈夫か?」
女「ぎゃぁぁあああああああああ!でたぁあああああ!」
貴族「何も叫ぶことはあるまい」
女「お姫様抱っこ中に散々耳元で変なこと呟き続けたへーんーたーいー!」
貴族「これだけ元気なら問題ないな。よし、では今夜は」
女「あ、いや、あっし、あっしの足のほうはヘビィな捻挫のためしばらく歩くなと先生が」
貴族「そうなのか?」
女「もう歩こうとすると思わずウギャーとか叫ぶほどなんです。まじで」
貴族「そうか、その足では危険だな」
女「えっと、今危険とか言いませんでしたか旦那」
貴族「では足が治ってからにしよう」
女「あー、もう駄目だわ。なんか一向に治る気がしねー。もう一生足とか駄目かもしんねぇ」
貴族「ん?ではそんな足必要ないか?」
女「うわぁ!なんか治っていくって感覚がわかる!この足は確実に完治する!間違いないわー!」
貴族「フフッ、冗談だ。私にそっち方面の趣味は無い。だいたい言ったではないか。身体が変形する系は嫌いだと」
女「はっ、気が付いたら足が治っていますぜ」
メイド「何言ってるんですか。今まで私が周りのお世話してあげてたんじゃないですか」
女「下の世話までありがとうございます」
メイド「……トイレの前まで付き添ってあげただけじゃないですか」
女「しっかし良いもの食べてますね。この屋敷の人は。こんなんじゃ豚になりまよ」
メイド「言っておきますけど、私達使用人は賄い食で、あなたと食べてる物は違いますからね」
女「おおーっと、これが格差社会ですか。生まれて初めて上に立ちますよ。なんか気分いいですねー」
メイド「じゃあ、その良い気分のまま今夜は頑張ってくださいね」(ゲス顔
女「さて……足も治ったことですし」
グイッ
メイド「どこに行くんですか?」
女「ね…ねぇ…このまま、なし崩しで幕を閉じましょうよ。ねぇ?物語は綺麗なまま終わるのが一番だと思うんです」
メイド「膜を破るの間違いなんじゃないですかね」ニヤニヤ
女「キャラ変わりすぎだろお前!いい加減にしろ!私はかえる!ケロケロ!」
メイド「はいはい観念してください」
グルグル
女「ちょ、おまっ、洒落になんねぇってまじで」
女「んーんー」ジタバタ
メイド「さてと、車椅子に乗せてって」
女「ふがふが!ふがふが!」
メイド「なんですか?」
ゴソゴソ
女「おまっ、猿轡わないでしょーが!結構苦痛なんですよコレ」
メイド「すいません、つい」
女「もういいですよ……観念しました。湯浴みさせて下さいよ」
メイド「とか言って逃げるパターンじゃありませんか?」
女「信用ならないんなら。手足しばって湯船にドーンして下さい」
メイド「ああ、それはいいですね」
女「いやいやいや、魔女裁判じゃないんですから本気にしないで下さい」
メイド「というわけで、私一人では逃げられたら困るのでメイドの皆さんに来てもらいました」
女「そっすか……信用ないんすね私……」
メイド「それはもう」
女「一緒に売られた仲じゃないですか私達」
メイド「じゃあ脱がしちゃって下さい」
女「おーけい。無駄な抵抗しませんよ。っておい!そこ触る必要ないですよね!?ちょっと!おい!」
メイド「なかなか他人の裸をじっくりみるって事ないですもんね」
女「わかった。わかったから、私も恥ずかしいという羞恥心くらいあるんで布的なもん被せてくだせぇよ代官様」
女「下世話な話なんすけどいいっすか?」
メイド「なんでしょう?」
女「私、元村娘なわけじゃないっすか?しかも話の内容的に中世的な時代の、しかも処女」
メイド「はぁ?」
女「皆の夢壊してわるいけど、手を加えていないオールフリーな状態でしてね」
メイド「大丈夫です。私達がキチンとお手入れして差し上げます」
女「あっし、花も恥じらう乙女なわけでして…」
メイド「皆さん!暴れられたら危ないのでしっかり押さえてて下さいよ!」
女「おまっ、新入りのくせして何でメイド仕切れてるんだよ!おかしいだろ!やめっやめて!布とらないで!それなりに大切な部分だから!おい!おい!淫乱メイド共!やめろ!」
メイド「さてと、では私は他の準備のほうに取りかからせてもらいますね」
女「もうお嫁にいけない……」
メイド「何言ってるんですか」(真顔
女「いや、ここの旦那だって私を嫁にするわけないでしょ?元農民っていうかむしろ奴隷っすよ奴隷」
メイド「旦那はこの国でかなりの力を持った方らしいので、もう力技でなんとでもなりますよ」
女「いやだー!変形のお嫁さんはいやだー!」ジタバタ
メイド「ちょっと!暴れないで下さいよ。衣装が上手く着せれないでしょ」
女「その辺置いといけば勝手に着るんですが」
メイド「そういうわけにはいかないんです」
女「どうせこれだって脱がされるんでしょ?もう裸待機でいいですよぉ……」
メイド「それじゃあ雰囲気も何もないと思いますが……」
メイド「い・い・加減にしてください」
ズズズズズー
女「い・や・だ・と言っている」
メイド「観念したと言ってたじゃないですか」
女「ここにきて怖じ気づいたんだよ」
メイド「そうですか。それじゃあこのまま引っ張っていきますね」
ズズズズズー
女「っていうか、何でそんなに力強いんだよ!キャラクター的に私より力あるのおかしいだろ!」
メイド「芋ばっかり食べてる貧相な農民さんよりは力ありますよ」
女「農民馬鹿にすんなよ!パンとか野菜スープとか食ってるわボケ!」
ガチャッ
メイド「おら、さっさと入れ」ゲシッ
女「あふっ…おまっ蹴ったな!かなり荒い口調で!もうメイドじゃないだろ!」
メイド「ではごゆっくり」ペコリ
女「遅いから!もうメイドっぽいことしても無駄だからな!」
ガチャン
女「はぁ…年貢の納めどきか…農民だけに」
貴族「待っていたよ」
女「だ、旦那ぁ…いたんすか?心臓に悪いんで急に声かけるのやめてくださいよ」
女「へへへっ、旦那も物好きですねぇ。こんなイモ臭い娘なんて抱こうなんて」ニヘラ
貴族「はて、私には天真爛漫で魅力的な娘にしか見えないんだがな」
女「もう、そんなこと言って。たらしすぎますぜ」
貴族「いや、私は生涯で一人の女性しか愛さないつもりだ」
女「またまたまた、こんな良い家に生まれて、いい歳して未経験なんてありえませんよ。嘘つかない嘘つかない。ここは本音トークでいきましょう」
貴族「私は本当のことしか言ってないが。そなたはとても魅力的な女性だよ」
女「ちょ、くさいですよまじで、私なんて芋ばっか食べてたからガリガリで…その…なんていうか……」
ドキドキドキ
女「ちょぉおおっ!心臓がおかしいっすよ!誰か救心もってきて!」
貴族「さあ、隣に座って」
女「やだやだやだやだ!」
貴族「わがまま言わないでくれ」
ヒョイッ
女「いやだぁ…面白い女で通ってきたのに、思わぬ乙女な一面とか見せたくないよー」
貴族「私にだけ見せてくれればいいさ」
女「もういやだぁ…この人くさい事しか言わないよぉ…」
ポスッ
貴族「じゃあ何を言えばいいのかな?」
女「ちょ、耳元で囁かないで下さいよ…耳弱いんで」
貴族「………」
ハムッ
女「あぁああああああああ!!ちょ!やめて!耳はむとかマジ!」
ハムハム
女「や…やめてくださぁい……」
女「……えと…あのですね」
貴族「なにかな?」
女「こっから一発逆転で逃げ出して、またあの古き良きギャグ話にするとかだめっすか?」
貴族「そうか、では逃げ出さないように抱きしめておかないとな」
ギュ
女「……あはは、あは、あれ?おかしいな?何かもう面白い言葉が浮かんでこない。頭が回らない」
貴族「多分、一目みたときから君のことを気に入ってたんだと思う」
女「えーっとえっと、あの呼び込みしてるときっすよね旦那。いや、あのときは………」
貴族「あのときは?」
女「あああああ!駄目だ!このくさい言葉への切り返しのギャグが思いつかない!このままではギャグパートが…」
貴族「愛してる」
女「……ずるいっすよ旦那。そんなシンプルでくさい言葉言われたら」
女「終わってしまった…もう駄目だ…詰みだ…」
貴族「何がかな?」
女「……好きにしてくだし」
貴族「そうか」
クチャ
女「いや、今の唇を重ねりゅおひょ…えふ…はら…」
クチャリ
何でだろうか
何で私はこの人を拒んでいたのだろうか
頭がぼーっとして、心臓が爆発しそうなくらい音を立て何も考えられない
何か大切なことを忘れていた気がするが思いだせない
だけどそんな事、もうどうでもいいと思ってしまうのでした
何かくさい地の文を書いてしまうのでした
メイド「さてと、そろそろ始まるころでしょうかね。聞き耳を立ててみましょう」ニヤニヤ
貴族「触っていいかな?」
女「は…はい…んっ…あっ…」
貴族「敏感なんだね」
女「いや…ちょっと、くすぐっ…あふっ…」
貴族「本当にかわいい耳をしてるね」
女「ダブルは…ま、まま待って…耳はむとのダブルせめはまだ…」
メイド「……ゴクリ」
女「はぁ…はぁ…しばし休憩を…」
貴族「大丈夫かい?身体が弱いんだろ?」
女「…あはは…あれは嘘でしてね旦那」
貴族「じゃあインターバルはいらないね」
女「いえ!必要です!ひっ……」
貴族「何がガリガリなものか、こんなにもさわり心地のよい身体をしてるじゃないか」
メイド「声だけでは……声だけでは何をしているのかか……」
貴族「いいかい?」
女「…ど…どうぞ、粗品ですが」
シュルシュルシュル
メイド「衣擦れ音確認」
貴族「綺麗だよ」
女「私今、顔真っ赤ですよね?真っ赤っかですよね?」バッ
貴族「可愛い顔を隠さないでくれるかい」
ググッ
女「ちょ…力技は…力技は卑怯です旦那さまぁ……」
メイド「なんと荒々しい……」
女「えっと……あの…この後どうするんですかね?」
貴族「ああ、待っていてくれ。今準備するから」
女「あははー、もう旦那ったら。じらしちゃうんですか?もう」
貴族「すぐ終わるよ。目でも瞑って待っていてくれ」
女「寝ちゃってもしりませんからね」
メイド「………まだかよ、まだかよ」イライライラ
メイド「……まだでしょうか?まだでしょうか?」
貴族「準備が出来たぞ」
女「もう、後少しで眠っ………」
貴族「さぁ、夜を楽しも」
女「ぎゃぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
貴族「お…おい……」
女「来るな!変態!死ね!」
貴族「急にどうしたのだ?」
女「急にどうかしたのは旦那のほうじゃないですか!」
メイド「何?何がおこっているの!?」
貴族「安心してくれ。何も変なことをするわけでは……」
女「あきらかにする気ですよね!!」
貴族「と…とりあえず落ちつこうか」
女「落ちつけるか!」
ガタッ
貴族「そんな物を持って何をする気だ」
女「へへへ、先人は有名な言葉を残してるんですよ。犯られるまえに殺れってねぇ!」
貴族「やめっ…」
ガチャン
メイド「は…はぁあ…」ペタン
女「へっ…やっちまったぜ……ここはもうずらからねぇとな…」
ガシッ
女「ひぃいいい!生きてる!」
メイド「な…なんだ…」
女「逃げないと!この野郎!はなせ!」
バッ
ガチャガチャガチャ
女「えっ、ちょっと!鍵はあいてるのに…」
メイド「………」
女「誰か外にいるだろ!開けろ!開けろよ!」
ドンドンドン
女「お前だろ!幸薄子だろ!キャラ変わりすぎなんだよ!」
女「あけろ!マジで洒落に…ヒィイイイイ!迫ってきてるから!開けて!私とあなたの仲でしょ!」
メイド「……お幸せに」
女「お…お願いだからさぁ…助けてぇ………」
ガチャッ
メイド「………」チラッ
女「あっ…ありが…」
メイド「たいしたことないですね。大丈夫です。がんば!」
バタンッ
女「………え?」
ガシッ
貴族「愛してるよ」
女「ひっ…や…やめっ……」
メイド「…音だけってのが残念なところですね」
女「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい…」
貴族「ふぅ…ふぅ…」
女「いやだいやだいやだ!それやめて!やめっ……」
メイド「まったく、あの程度のプレイでおたついてて……ふふっ、かわいらしい」
女「あ…あぁ…」
貴族「どうだい?結構いいものだろう?」
メイド「旦那様も元気ですねぇ。頭を花瓶で殴られて、血が出ているというのに……」
翌朝
メイド「お疲れ様でした」
女「もう…お嫁にいけない……」
メイド「何言ってるんですか?お嫁さん確定ですよ?」
女「いやだよぉ……あいつやっぱり変態だよぉ……」
メイド「それより早くしてくだい。お支度しなくてはならないんですから」
女「何の?」
メイド「式の準備ですよ」
女「式?何かの儀式……いやぁああ!儀式いやぁああああ!」
メイド「結婚式のですよ」
女「………えっと…誰の?」
メイド「あなたの」
女「え……」
メイド「お嫁さん確定ってさっき言いましたよね」
女「私ね、この世界を見てまわろうと思うの。なんて言うんだろう。見聞を広めるっていうのかな………」
メイド「………」
女「じゃあ、私行くね」
ガシッ
メイド「何普通に逃げようとしてるんですか?花嫁さん」
女「あはは……ははは……」
終わる