ベジータ「わ、悪いか!」
悟空「悪いかって、おめえ歳いくつだぁ?」
ベジータ「44歳だ……」
悟空「44で無職!? ひゃ~!」
ベジータ「……っ」プルプル
元スレ
悟空「ベ、ベジータぁ! おめえまだ無職なんかぁ!? ひゃ~!」
http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1324976969/
悟空「44っていったら普通は働き盛りだぞおめえ! 毎日なにやってんだぁ!?」
ベジータ「し、修行だ! それがサイヤ人の仕事だ!」
悟空「その仕事とやらで収入はあるんかぁ?」
ベジータ「……ない」
悟空「ひゃ~!」
悟空「収入がねえのにどうやって暮らしてんだぁ?」
ベジータ「ブルマの家で厄介になっている……。貴様も知っているだろう!」
悟空「で、毎日食うメシは誰の金で買ってんだぁ?」
ベジータ「……ブルマだ」
悟空「その全身タイツみてえな服は誰に買ってもらってんだぁ?」
ベジータ「ブルマだ!」
悟空「お、おめえ、44歳にもなって服買ってもらってんのかぁ!?」
ベジータ「そうだ! 文句あるか!!」
悟空「ひゃ~!」
悟空「それでブルマは何も言わねえのかぁ?」
ベジータ「あいつは口うるさいことは言わん」
悟空「いやでもよぉ、夫が無職だったら何も思わない訳ねえだろ?」
ベジータ「……そういえば」
悟空「うんうん、そういえばなんだ?」
ベジータ「ブルマが近所のババアどもを家に連れてきた時」
悟空「おう、ババアを連れてきた時どうした?」
ベジータ「ブルマのやつ、俺を雑用のために雇った用務員と言いやがった……」
悟空「そりゃおめえ、全身タイツで剃り込み入ったごく潰しを夫だとは言えねえわなぁ」
ベジータ「更に夫は海外出張してると言っていた……」
悟空「ひゃ~!」
悟空「ひゃ~wwwwww」
ヤムチャ「・・・。」
クリリン「・・・。」
天津飯「・・・。」
餃子「・・・。」
ベジータ「そ、それと……ブルマの親父が……!」プルプル
悟空「うんうん、ブルマの父ちゃんがどうした?」
ベジータ「『ベジータくんはいつ働くのかね?』とストレートに聞いてきやがった……!」
悟空「どぅふふwww で、おめえ何て答えたんだぁ?ww」
ベジータ「来年には……と!」
悟空「44歳の無職が!? 来年から本気出すって!?」
ベジータ「そうだ!!」
悟空「ひゃ~wwwww」
ベジータ「ト、トランクスが……!」プルプル
悟空「まだあんのかぁ! トランクスがどうしたぁ?」
ベジータ「学校で作文を書かされたらしい……」
悟空「おお、作文かぁ。テーマはなんだぁ?」
ベジータ「……っ」プルプル
悟空「どうしたぁ? ……!? ま、まさか!?」
ベジータ「『ぼくのおとうさん』だ!!」
悟空「ひゃ~!!」
悟空「そ、それで!? トランクスは何て書いたんだ!?」
ベジータ「ぼ……僕のパパは……」プルプル
悟空「僕のパパはなんだ!? 頑張れベジータ!」
ベジータ「僕のパパは……ずっと家にいます!!」
悟空「そ、それで……!?」
ベジータ「……以上だ!!」
悟空「ひゃ~!!」
悟空「そ、それで終わりかぁ!? それじゃ作文じゃなくてツイッターだぞおめえ!」
ベジータ「学校の先生にも言われたらしい……ちゃんと書きなさいと……」
悟空「そ、それでトランクスは何て言ったんだ!?」
ベジータ「パパを侮辱したくない……と!」プルプル
悟空「そ、それはつまり、本当のことを書くと悪口にしかならねえってことか!?」
ベジータ「そうだ!」
悟空「お、おめえ、10歳の息子にそんな気を使わせておいて来年から本気出すとか言ってるんかぁ!?」
ベジータ「そうだ!!」
悟空「ひゃ~!!」
悟空「ベジータぁ! そんな扱いを受けて悔しくねえんかぁ!? サイヤ人の誇りはどこいったんだぁ?」
ベジータ「だ、黙れ!」
悟空「いや流石のオラもよぉ、40代ニートは引かざるを得ねえぞぉ」
ベジータ「ではどうしろと言うのだ!」
悟空「そりゃ働くしかねえだろぉ~」
ベジータ「ど、どうやってだ!?」
悟空「まぁ就職は無理だろうな~。とりあえずバイトしてみたらどうだぁ?」
ベジータ「……ぁる」
悟空「ん? なんだ? 聞こえねえぞぉ」
ベジータ「バイトしたことならある!」
悟空「な、なんだってぇ!?」
悟空「お、おめえが!? バイトしたことあるのか!?」
ベジータ「ああ!」
悟空「ど、どんなバイトしたんだ!?」
ベジータ「コンビニだ!」
悟空「こ、コンビニ!? 深夜か!?」
ベジータ「夕方だ!」
悟空「夕方ぁ!? なんでわざわざ夕方なんだぁ!?」
ベジータ「昼夜逆転してて昼間は無理だったからだ! かといって深夜も辛い!」
悟空「ゆ、夕方のコンビニっていやぁ高校生のバイトがいっぱいいるだろ!?」
ベジータ「ああ! クソガキどもがいやがった!」
悟空「こ、高校生の中に40代のオッサンが混じってレジ打ってたんかぁ!?」
ベジータ「そうだ!!」
悟空「ひゃ~!!」
悟空「そ、それでどのくらい続けたんだ!?」
ベジータ「……」スッ
悟空「2? 2年じゃねえよなぁ? 2ヶ月か……?」
ベジータ「……」フルフル
悟空「え、に、2週間かぁ!?」
ベジータ「……」フルフル
悟空「え、ええ!? 2日か!?」
ベジータ「……」フルフル
悟空「ええええ!? ま、まさか2時間か!?」
ベジータ「20分だ!!」
悟空「ひゃ~!!」
悟空「に、20分!? おめえ20分でクビになったんかぁ!?」
ベジータ「そうだ!!」
悟空「い、一体何があったんだぁ!?」
ベジータ「バイト初日、高校生の先輩に俺はレジの打ち方を教えてもらっていた」
悟空「40代のオッサンの口から『高校生の先輩』なんて言葉が出てくる時点で驚きを隠せねえぞおめえ」
ベジータ「しかし俺は何度教えてもらってもレジの使い方が分からなかった」
悟空「うんうん、それで?」
ベジータ「そんな俺を見てそいつが言いやがったんだ……『使えねえオッサン』……と!」
悟空「40代のオッサンが高校生から駄目出しされたんかぁ!? そいつぁ死にたくなるなぁ~」
ベジータ「ああ、その時ばかりは俺も胸から込み上げてくる熱いものを抑えることが出来なかった」
悟空「あ、分かった! おめえ、頭きてそのガキをぶん殴っちまったんだろ? それでクビか?」
ベジータ「いや、そんなことはしていない」
悟空「え、じゃあどうしてクビになったんだ?」
ベジータ「高校生から駄目出しされた俺は……」
悟空「うんうん、どうしたんだ?」
ベジータ「帰った……」
悟空「かえ…ええ!? 帰った? 帰ったって……家にか!?」
ベジータ「そうだ!」
悟空「ちょ、ちょっと待ってくれベジータ!
バイトの初日、高校生から使えねえオッサン呼ばわりされて、それで帰ったんか!?」
ベジータ「しかも帰宅途中、俺は涙目だったんだぁ……!!」プルプル
悟空「べ、ベジータぁ!!」
ベジータ「家に帰ると店長が家に連絡していたらしくて、ブルマとトランクスが呆れた顔で俺を迎え入れた……」
悟空「そりゃおめえ、普通は呆れるどころか縁切りたくなるぞぉ」
ベジータ「玄関先でブルマが言った」
悟空「なんて?」
ベジータ「『うん、まぁ、うん』……と」
悟空「そりゃ言葉が出ねえわなぁ。40代初バイトが20分で帰ってくりゃ」
ベジータ「トランクスが言った」
悟空「なんて?」
ベジータ「『パパ、お仕事お疲れ様』……と……!」プルプル
悟空「うわぁ……」
ベジータ「20分で疲れるわけがなかろう……クソッタレェ……!!」プルプル
悟空「うん、まぁ、うん……」
悟空「し、しかしよぉ、そんな理由で辞めちまうなんて、おめえメンタル弱すぎだぞぉ」
ベジータ「バカヤロウ! フリーザ帝国の兵士を辞めてから10余年間ずっと地球警備員だった俺が!
40代無職の俺が勇気を振り絞ってバイト募集の広告を見て電話したんだぞ!!
これ以上勇敢な行為があるというのかクソッタレ!!」
悟空「た、確かに。今のはオラが悪かった……」
ベジータ「分かればいい」
悟空「それにしてもよぉ、そもそもよく面接に受かったよなぁ。バイトとはいえよぉ」
ベジータ「じ、実は……」
悟空「な、なんだ? またエピソードがあるんか?」
ベジータ「ブルマの奴も、空白だらけの履歴書と俺の性格じゃバイトにも受からないと思ったらしく……」
悟空「お、おう。ブルマがどうしたんだぁ?」
ベジータ「面接に同伴したんだ……」
悟空「ど、同伴!? バイトの面接に保護者同伴かぁ!? しかも40代のおっさんに!?」
ベジータ「ああ! 俺の社会復帰のために協力してくれと言ってオーナーに封筒を渡していた……!」
悟空「封筒って、中身はやっぱ」
ベジータ「幾らかは知らんが金だろう……」
悟空「雇われる側が雇う側に金払うのか……。まぁゴミだって料金払って捨ててるわけだしなぁ」
ベジータ「流石にプライドが傷ついたぜぇ……!!」プルプル
悟空「40代のおっさんが保護者同伴でバイト面接……。しかも金払ってようやく合格か……」
ベジータ「そして20分で逃亡だ……!」プルプル
悟空「そろそろオラも言葉が詰まってきたぞぉ」
悟空「しかしよぉ、コンビニバイトっていやぁ世界で一番簡単な仕事だぞぉ。
それすらできねえってことは、やれる仕事なんかねえってことじゃねえかぁ~」
ベジータ「なにぃ!?」
悟空「つーか本当に毎日なにやってんだぁ?」
ベジータ「修行だと言ったろ!」
悟空「具体的に言うと?」
ベジータ「まず昼過ぎに起きる! 飯を食って修行だ!」
悟空「ふんふん、それで?」
ベジータ「夕飯だ! そして修行だ!」
悟空「それで?」
ベジータ「夜食だ! そして軽く修行した後風呂に入って空が明るくなり始めた頃寝る!」
悟空「パソコンが修行に置き換わっただけのクソニートじゃねえか」
悟空「しかしよぉ、いつまでそんな生活続ける気だぁ?」
ベジータ「い、今は充電期間だ!」
悟空「地球に来てから14年間も無職だったのにこれ以上何を充電するってんだおめえ!?」
ベジータ「黙れ! もう夕飯の時間だから俺は帰るぞ!」
悟空「そうか、じゃあ最後に1つ言わせてくれ」
ベジータ「なんだ」
悟空「人間はやっぱ働かなきゃ駄目だ。みんな社会の中で人と接して成長していくんだ。
いつまでも自分の殻に閉じこもっていたら、体だけ老けて中身は子供のままだぞ」
ベジータ「い、言われんでも分かっている! その手の話は聞き飽きた!」
悟空「そうか。オラにできることなら何でも相談してくれ。オラ、力になっからよ!」
ベジータ「ふん! 大きなお世話だクソッタレ! あばよ!」
バシューンッ!
悟空「さてと、オラも帰るかな」
シュンッ!
シュンッ
悟空「ただいまー。腹減ったぞチチ~」
チチ「あ、悟空さ、もう夕飯は出来てるだよ」
悟空「おー、美味そうだな~!」
チチ「はぁ、今日もどこブラついてただ? 働きもしねえで……」
悟空「はっはっは、まぁそう言うなよチチ~」
チチ「笑い事じゃねえべさ!」
悟空「いやいや聞いてくれって~、ベジータなんか40代で無職なんだぜ?
オラなんかまだ39歳だから全然セーフだろ」アッハッハ
チチ「底辺比べはやめてけれ……。どっちも完全アウトべさ」
悟飯「はは……、大学を出たらお父さんの分まで僕が稼ぎますよ」
悟空「偉い! それでこそオラの息子だ!」
チチ「うう……、悟飯、おめえは本当にいい子に育ってくれただな~」
悟天「兄ちゃん頑張って~」
悟空「よし! そうとなりゃあオラ一生働かねえ! 悟飯! 後は任せたぞ!」
悟飯「は、はぁ……」
悟空「よっしゃ! それじゃメシだ! いっただっきま~す!」
悟空「ん~! 働かないで食うメシはうめえ~~~~!!」
おわり