女「え……い、いいよ」
幼馴染「……何その顔」
女「いや……」
幼「バカにしてるの? ん?」ジリジリ
女「そ、そんなんじゃないよ……」
幼「そう……」
女「…………」
幼「…………」ジトッ
女「……じゃ、じゃあ……ちょっと触るね……」フニッ
幼「……どう?」
女「……………」
幼「……そんな」ジワッ
女「いいいいいやいやいや!あるよ!? やわらかいよちゃんと!」
男である必要は無いはずだ、うん
元スレ
幼馴染「貧乳って言うけどさ、ちゃんとあるよ?触ってみる?」
http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1324515982/
幼「……本当?」
女「本当だよ! それくらいのほうが受けるって!」アタフタ
幼「そう、かな……?」テレッ
女「そ、それにほらっ! 幼って童顔だし、ちっちゃくて小動物みたいだし!?」
幼「あ、ああ……そう」
女「すっごく可愛いよ! うん!」
幼「うん……」
女「……はっ! ご、ごめん……」
女(あ、あわてちゃってつい本音が……身長のこと気にしてたのに……!)
幼「い、いや、大丈夫……うん、貧乳も低身長も、ステータスになるよね……」
女「あ……あう……じゃ、じゃあ……この辺で……」
幼「うん、また明日」
女「私のバカ……で、でもいきなり胸触らせるなんて、向こうもずるいよ……」ションボリ
みたいな感じのを想像したんだ
自宅 自室
女「…………」ポヤー
女「……ふう」
女「やわらかかったなー……」ワキワキ
女(……エロくはないかもしれないけど)
女(あの、赤ちゃんみたいな感触……)
女(幼は、全身あんな感じなのかな……)
女「……駄目だ、全然勉強にならない」ボフッ
女「うう……」ダキマクラッ
女「…………」ゴロゴロ
女(私が男だったら……)
女「……はあ」
女「考えてもムダか……」
女「……寝よ」
翌日 学校
女「…………」トボトボ
幼「あ、女! おっはよー」ポンッ
女「ひっ……あ、お、おはよ」ホッ
幼「何ビクビクしてんのよ……しゃきっとしなさい、しゃきっと」
女「うん……ごめん」
幼「ほーら猫背っ! 治す!」ビシッ
女「ふはっ!……お、幼は今日も元気だね……」
幼「……何よ、悪い?」
女「い、いや嬉しいけど……昨日、ほら、さ」
女「ちょっと、落ち込んでたみたいだから……」
幼「……あー、そんなこともあったね」
女「そんなことって……」
幼「大したことじゃないよ、もう忘れちゃったー」
女「……相変わらずポジティブだね」
幼「女がネガティブなのよ……」
女「そ、そう?」
幼「うん、もう見た目からして」
女「そうかな……そんなに地味?」
幼「女子高生の格好とは思えないわね」
女「そっか……まあ気にしたこと無かったからなー」
幼「全く情けない……気になる男とか居ないわけ?」
女「居ないけど……」
幼「結構美人で『スタイルも』いいのに、勿体無いね……」ジトッ
女「えっ? や、やややめてよ……そ、そうだ、幼はどうなの?」
幼「へ……わ、私も……居ないよ」フイッ
女(嘘が下手……)
女(……ん? この足音……あーあ)
幼「? どうしたの暗い顔して」
男「……よっ!」ポンッ
幼「ひっ!?」
男「何びくついてんだよ、らしくねーな」
幼「へっ……うあ……う……」パクパク
女「…………」
男「あ……女さん、おはよう」
女「……おはよう」
幼「……はああっ? なんでこっちは後ろからどついて、女には普通に挨拶なの!?」
男「……はあ」
幼「……なんでため息ついてんの?」
男「いやあ……お前と女さんじゃ、なあ?」
幼「……っ!」ブチッ
男「おっと……逃げるか」ダダダッ
幼「女、先行ってるから!」ダダダッ
女「……うん」
女「……はあ」
女「…………」トボトボ
女(私も陸上部入れば良かったかなあ……)
女(でも、習い事があるしなあ……)
女「…………」
女(……でもなあ)
女(女ってわかりやすいもんなあ……)
女(どう見たって……)
女「…………」
女「ギギギ……」ギリギリ
通行人「!?」ビクッ
放課後
幼「…………」ボー
女「……ど、どうかした?」
幼「……スタイル悪いって言うけどさ」
女(……あの野郎またいらん事言いやがって……)イラッ
幼「私って運動部じゃん?……腹筋には自信あるんだよね」
女「そ、そう……」
幼「……触ってみる? ていうか触ってみ?」
女「ふえっ!?」
女(お、お腹なら大したことない……はず……)
女「……は、はい」ポンッ
幼「……違うよ、直にじゃないと意味ないじゃん」ピラッ
女「!!!」
女(ああ……綺麗な肌……)
女(確かに腹筋はある、けどうっすら浮かび上がってるだけで……やわらかそう)
女(お臍もきれいだし、まるで二次元みたいな完璧なお腹……!)
女(それになにより、シャツの下からチラチラ見える肌着がああああ)
女(どこに文句があるっていうんだ、もう!)
幼「お、女……?」
女「はっ! な、何?」
幼「……泣くほどヤバい?」
女「え……」
幼「で、出てるかな……」ジワッ
女「無い! そんなこと無いって!」アセッ
幼「……でも」
女「……ちょ、ちょっとごめん!」ササッ
幼「っ!? ……いつのまに背後を!?」
女「ご、ごめん……触るの、後ろからでいい?」
女(か、顔がすっごい熱い……正面からは無理、絶対無理!)
幼「う、うん……いいけど……」
幼(ま、全く動きが見えなかった……)
女「ありがとう……じゃ、じゃあ……触るね?」ソーッ
サワッ
幼「っ……」
幼(……見えないと変な感じだな……)
女(……幼のお腹……)サワサワ
女(ああ……至福)サワサワ
幼(か、考えてみたら恥ずかしい状況だな……)
幼「も、もういいよ……」
女「へっ? あ、ああごめん……」ソッ
幼「ど、どう……?」
女「やわ……引き締まってると思うよ!」
女「…………」
女(でも、男は……)
幼「……そ、そうかな?」クルッ
女「…………」ササッ
幼「……?」クルッ
女「…………」ササッ
幼「……女? 何で背後を取り続けてるの?」
女「い……今の顔、すごく不細工だから……」
女「……見られたくないの」
幼「…………」
女「い、いや、その……幼があんまりスタイル良いから、嫉妬しちゃってさ!」
幼「女……」
幼「……なんかあった?」
女「えっ……」
幼「最近ちょっとおかしいよ? ……もしかしてまたいじめられてるの?」
女「そ、そんなんじゃないよ……」
幼「そう……? 辛いことが有ったら、何でも相談してね」
幼「友達なんだから……」
女「っ……」
女「さっ、先帰ってるね!」シュタタタタタ
幼「わっ……ばいばい」
幼(相変わらずすごい身体能力だ……)
自宅
女「はあ……はあ……」
女「……ただいま」
家政婦「お帰りなさいませ」
女「お父さんは?」
家政婦「今日は遅くなるそうです」
女「そう……」
家政婦「午後の予定ですが……」
女「……すみません、後にしてください」
家政婦「……かしこまりました」
女「…………」テクテク
バタン
女「…………」
女「…………」フニフニ
女「…………」ペタペタ
女「……はあ」ゴロン
女(……私は胸も大きいし、腹筋も結構鍛えてるよ)
女(お母さんが死んでから、色んな武道をやらされたし……)
女(楽器も大抵はできるし、成績も悪くない)
女(……でも、そんなの何の役にも立たないじゃない)
女(幼が好きになってくれないんだもん……)
女「…………」
女「……最低」
女「応援してあげなきゃいけないのに……」
女「……もうやだ」
数日後 放課後
幼「…………」
女(ど、どうしたんだろう……完全に落ち込んでる)
女「ね、ねえ……」
幼「私ってさ」
女「えっ? あ……何?」
幼「……可愛く無いかな?」
女「え……」
幼「人の気持ちも考えられない、無神経な奴なのかな……」
女「そ、そんなことないよ……」
幼「……あるよ」
女「……どうしたの? なんか、幼らしくないよ」
女「何かあったの?」
幼「……何でもない」
女「何でもなくないよ……」
幼「何でもないのっ!」
女「…………」
女(……男だな)
女「…………」
幼「…………」
女「……で、でも……違うよ」
幼「……何が?」
女「お……幼は、可愛い……よ」
幼「…………」
女「ずっと見てたから、わかるもん……それに」
女「昔から、いじめられてた私を……かばってくれて」
女「この前だって、私のこと心配してくれて……」
女「……無神経なんかじゃないよ」
女「私は……幼が好きだよ」
幼「…………」
幼「……わかんないよ」
女「……え?」
幼「顔もスタイルも良くて、勉強もできて運動もできて……」
幼「私の気持ちなんて、女にはわかんないよ!」
女「………!」
幼「それに……意味ないもん」
女「……な」
幼「女に好きになって貰っても意味ないもん!」
女「あ……」
幼「……先帰ってるから」ダッ
女「…………」
………………………………………
女「…………」
女「…………」
女「……え?」
女「ああ……そうだよね」
女「違うよね……」
女「幼は無神経じゃないもんね」
女「いつも優しくて、元気で……甘えさせてくれて」
女「私の一番大切な人だもんね」
女「ちょっと疲れてるんだよね」
女「ごめんね甘えてばっかりで……友達失格だよね」
女「私も……幼が辛い時には守ってあげなくちゃ」
バキッ
女「えへへ……褒めてくれる?」
翌日 学校
キーン コーン カーン コーン
幼(……女、今日は休みか)
幼「…………」
幼(昨日はひどい事言っちゃったな……)
幼「……大丈夫かな」
教師「席につけー」
ワイワイ ガヤガヤ
教師「はーい静かに―、ちょっと連絡事項があるぞー」
ガヤガヤ ナンダヨー チッ メンドクセーナー
幼「………?」
教師「はいはい、結構大事だから心して聞くように」
教師「……昨日の晩、隣のクラスの男が通り魔に襲われた」
エッ… シーン
幼「……は?」
教師「命に別状はないとのことだが……」
教師「両足が執拗に折られていて、もう二度と歩くことができないそうだ」
幼「そんな……嘘」
教師「皆……出来ればお見舞いに行ってやれ」
教師「嫌がられるかもしれないし、無神経な行動かもしれないが……」
教師「辛い時には、そばに居るだけでもプラスになるもんだ」
シーン…
教師「……じゃあ、授業を始めるぞ」
放課後
幼「…………」ボー
教師「……お、なんだまだ残ってたのか」
幼「…………」
教師「……男のことがそんなにショックか?」
幼「…………」
教師「一応言っておくが、足だけですんだのは奇跡らしいぞ……他も傷めつけられてたそうだ」
幼「そんな言い方……! あいつは陸上部だったんですよ!?」
教師「そうカッカするな……誰にとって、何が大事かなんてわからないもんだ」
教師「知らない間にそれを傷つけて、取り返しがつかなくなることだってある」
幼「え……?」
教師「まだ犯人が彷徨いてるかもしれないんだぞ?」
幼「でも……」
教師「……お前にとってはどうでもいいかもしれんが、親御さんや俺にとっては大事な体だ」
幼「……!」
教師「わかったら、暗くなる前にさっさと帰れ」
教師「いいな?」
幼「……はい」ガタッ
幼「さようなら……」ペコッ
教師「おう、気を付けろよ」
幼(何が大事かなんてわからない、か……)テクテク
幼(……女は、何が大事だったんだろ?)
テクテク…
テクテク
幼「…………」テクテク
テクテク
幼「……?」テクテク
テクテクテッ テッ テッ
幼「………!?」ダッ
タッ タッ タッ タッ タッ タッ タッ タッ
ガシッ
女「えへへへへへへへへへ」
………………………………
…………………………
幼「……うう」
幼「……あれ……ここは?」
女「あ、起きた」
幼「女……? これどういう……うわっ!」
女「ぎゅーっ」ギュッ
幼「……な、何? いきなり……」
女「大丈夫だよ」フニッ
幼「ひゃっ……え? 何が?」
女「私は幼の胸、好きだよ」フニフニ
幼「やっ……やめてよ……」ググッ
幼(すごい力……全然動かない)
女「お腹も、背中も、足も、手も、顔も、髪も」
幼「やだ……どうしたの? ねえ、女……」
女「大好きだよ……全部」
女「だから気にすることなんてないんだよ」ペロッ
幼「……っ! ……そんな風に思ってたの?」ゾクッ
女「知ってるくせに」チュッチュ
幼「ううっ……」ゾワ
幼(……あ)
幼(今日……女は休んでて)
幼(昨日、喧嘩別れして)
幼(男が襲われたのが……昨晩)
幼(……まさか)
幼「ねえ……あんた、昨日何してたの……?」
女「……? 男くんを折ってたよ?」
幼「なっ……」
女「いいじゃないそんなこと、ね?」
幼「……そんなことって……んむっ!」
女「……♪」モッ モッ
幼「んー……! んー……!」ジタバタ
ガリッ
女「……!? ぷはっ……」バッ
幼「……嫌っ!」ドンッ!
幼(……抜けられた!)ダッ
タッ タッ タッ タッ タッ タッ…
女「…………」キョトン
女「……血?」ダラー
女「どうして噛むの……?」ポタッ ポタッ
幼「はっ……はっ……」タッタッタッタッ
幼(ここ……女の家だよね?)
幼(相変わらず広い……!)
タッ タッ タッ タッ タッ タッ
タッ
幼「……嘘、鍵?」ガチャガチャ
幼「……あっ」
家政婦「…………」
幼「助けてください!……ねえ、聞こてるんでしょ!?」ダンダンダン
家政婦「…………」チラッ
家政婦「…………」フイッ
幼「………え?」
ポタッ… ポタッ…
女「幼……どこ行ったの……?」
ポタッ… ポタッ…
幼「……・っ! 開けてください……!」ガチャガチャ
家政婦「…………」スタスタ
幼「……! ありがとうございます!」
家政婦「……すみませんね」
家政婦「お嬢様の為ですから……」フラッ
幼「………っ」
家政婦「…………」スタスタ…
幼(そうだ……向こう側に、鍵なんて付いてるわけない)
幼(向こうから……何かかけてあるんだ)
幼「…………」
ポタッ… ポタッ…
――誰にとって、何が大事かなんてわからないもんだ
ポタッ
女「えへへ……幼馴染、こんなとこにいたんだ」
幼「あ……」
女「……大好きだよ」
女「だから、ずーっと一緒に居ようね」スッ
幼「……うん」
終